JP2022012708A - エアロゾル計測装置及びエアロゾル計測方法 - Google Patents

エアロゾル計測装置及びエアロゾル計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エアロゾルを精度良く検出する。【解決手段】大気中に含まれるエアロゾルを計測するエアロゾル計測装置100は、光源30と、光源30から出射された光L1が通過するエタロン10と、エタロン10を通過した出射光L2がエアロゾルで散乱されることで発生するミー散乱光L4が通過するエタロン20と、エタロン20を通過したミー散乱光L4を受光する受光器50と、エタロン10及び20の少なくとも一方の位置を計測する位置計測部70と、位置計測部70によって計測された位置の変化に基づいて、光源30の温度を制御する温度制御部90と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、エアロゾル計測装置及びエアロゾル計測方法に関する。
従来、大気中のエアロゾルの分布の観測を行う技術として、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)が知られている。ライダーは、観測領域の大気中に短パルスのレーザ光を照射し、その散乱光を信号として計測して解析することにより、黄砂、花粉、埃又は微小水滴などの空気中を浮遊する計測対象物、すなわち、エアロゾルの状態を観測する技術である。
散乱光にはミー散乱光とレイリー散乱光とが含まれる。ミー散乱は、レーザ光の波長と同等以上の粒径の微粒子によって起こる散乱現象である。レイリー散乱は、レーザ光の波長よりも小さな微粒子によって起こる散乱現象である。散乱光からレイリー散乱光を分離除外することでミー散乱光を得ることができる。
従来、単一縦モードのレーザ光を照射光として用いて、エアロゾルによるミー散乱光と、大気構成分子によるレイリー散乱光とが含まれる散乱光をフィルタで分光分離する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。エアロゾルによるミー散乱光の半値全幅は、照射されたレーザ光の半値全幅にほぼ等しい。大気構成分子によるレイリー散乱光の半値全幅は、大気構成分子の熱運動によるドップラー効果で広がる。特許文献1に開示された方法は、この半値全幅の違いを利用して分光分離する方法である。
この方法においては、レイリー散乱光を計測するために、レーザの狭帯域化及びその波長と分光素子のスペクトル特性をわずかにずらして合わせる必要がある。このため、その制御は容易ではなく、長期間の連続観測が困難になる。
また、マルチ縦モードレーザを光源として用いて、エアロゾルによるミー散乱光と大気構成分子によるレイリー散乱光とが含まれる散乱光を、分光により検出し、これらを分離する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。ここでは、マルチ縦モードレーザのスペクトルモード間隔が一定であることを利用し、これと同じスペクトル間隔の光を選択的に透過させる干渉計を用いて分光する。レイリー散乱光は、レーザ光のスペクトルモード間隔の間を埋めるようなスペクトルを持ち、ミー散乱光を干渉計により除去し、レイリー散乱信号を得ることができる。
国際公開第2003/73127号 特許第6243088号公報
しかしながら、上記従来技術は干渉部の調整が難しいという課題がある。
そこで、本開示は、エアロゾルを精度良く検出することができるエアロゾル計測装置及びエアロゾル計測方法を提供する。
本開示の一態様に係るエアロゾル計測装置は、大気中に含まれるエアロゾルを計測するエアロゾル計測装置であって、光源と、前記光源から出射された光が通過する第1のエタロンと、前記第1のエタロンを通過した光が前記エアロゾルで散乱されることで発生する散乱光が通過する第2のエタロンと、前記第2のエタロンを通過した散乱光を受光する受光器と、前記第1のエタロン及び前記第2のエタロンの少なくとも一方の位置を計測する位置計測部と、前記位置計測部によって計測された位置の変化に基づいて、前記光源の温度を制御する第1の温度制御部と、を備える。
また、本開示の一態様に係るエアロゾル計測方法は、大気中に含まれるエアロゾルを計測するエアロゾル計測方法であって、光源が光を出射し、出射した光に第1のエタロンを通過させるステップと、前記第1のエタロンを通過した光が前記エアロゾルで散乱されることで発生する散乱光に第2のエタロンを通過させ、前記第2エタロンを通過した散乱光を受光器で受光するステップと、前記第1のエタロン及び前記第2のエタロンの少なくとも一方の位置を計測するステップと、計測された位置の変化に基づいて、前記光源の温度を制御するステップと、を含む。
また、本開示の一態様は、上記エアロゾル計測方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。あるいは、本開示の一態様は、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
本開示によれば、エアロゾルを精度良く検出することができる。
図1は、実施の形態1に係るエアロゾル計測装置の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係るエアロゾル計測装置が備えるエタロンの構造を示す図である。 図3は、実施の形態1に係るエアロゾル計測装置の基本動作を示すフローチャートである。 図4は、エタロンから出射される光のスペクトルの一例を示す図である。 図5は、図4に示されるマルチ光のピークの1つを拡大して示す図である。 図6は、散乱光のスペクトルを示す図である。 図7は、エタロンの光軸の傾きを変化させることによる光路長の変化を説明するための図である。 図8は、エタロンの光軸の傾きと干渉光の信号強度との関係を示す図である。 図9は、実施の形態1に係るエアロゾル計測装置の動作を示すフローチャートである。 図10は、実施の形態1に係るエアロゾル計測装置による2つのエタロンの同調を説明するための図である。 図11は、実施の形態1に係るエアロゾル計測装置によるエアロゾルの計測処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態2に係るエアロゾル計測装置の構成を示す図である。 図13は、実施の形態2に係るエアロゾル計測装置によるエアロゾルの計測処理の一例を示すフローチャートである。 図14は、実施の形態2に係るエアロゾル計測装置による2つのエタロンの同調を説明するための図である。 図15は、実施の形態2の変形例に係るエアロゾル計測装置の構成を示す図である。
(本開示の概要)
本開示の一態様に係るエアロゾル計測装置は、大気中に含まれるエアロゾルを計測するエアロゾル計測装置であって、光源と、前記光源から出射された光が通過する第1のエタロンと、前記第1のエタロンを通過した光が前記エアロゾルで散乱されることで発生する散乱光が通過する第2のエタロンと、前記第2のエタロンを通過した散乱光を受光する受光器と、前記第1のエタロン及び前記第2のエタロンの少なくとも一方の位置を計測する位置計測部と、前記位置計測部によって計測された位置の変化に基づいて、前記光源の温度を制御する第1の温度制御部と、を備える。
これにより、第1のエタロン及び第2のエタロンが同調している場合、第1のエタロンを通過した光がエアロゾルで散乱されることで発生するミー散乱光を第2のエタロンが通過させることができる。つまり、2つのエタロンによってエアロゾルに起因するミー散乱光を直接抽出することができるので、エアロゾルを精度良く検出することができる。
なお、同調とは、第1のエタロン内での干渉により第1のエタロンを通過できる光の波長と、第2のエタロン内での干渉により第2のエタロンを通過できる光の波長とがほぼ一致することである。つまり、2つのエタロンは、エタロンに入射する光の波長と2つのエタロンの各々の光路長とが特定の条件を満たした場合に同調し、特定の条件が満たされなくなった場合に、同調しない、すなわち、非同調になる。
2つのエタロンが非同調である場合、ミー散乱光が第2のエタロンを通過できなくなり、エアロゾルの計測精度が低下する。2つのエタロンの非同調は、例えば、2つのエタロンの少なくとも一方の位置がずれることによって発生する。
これに対して、本態様に係るエアロゾル計測装置では、2つのエタロンの少なくとも一方の位置の変化に基づいて光源の温度が制御される。光源は、温度が変化することにより、出射光の波長が変化する。出射光の波長が変化することによってエタロンの位置ずれを補償し、2つのエタロンを同調させることができるので、ミー散乱光を簡単に抽出することができ、エアロゾルを精度良く検出することができる。
また、例えば、本開示の一態様に係るエアロゾル計測装置は、さらに、前記位置計測部によって計測された位置の変化に基づいて、前記第2のエタロンの温度を制御する第2の温度制御部を備えてもよい。
これにより、第2のエタロンの膨張若しくは収縮又は屈折率の変化によって第2のエタロンを通過する光の光路長を変更することができる。光源のみの温度制御を行う場合に比べて、エタロンの位置ずれを補償できる範囲が広くなる。したがって、位置ずれが大きい場合であっても、2つのエタロンを同調させることができ、エアロゾルを精度良く検出することができる。
また、例えば、本開示の一態様に係るエアロゾル計測装置は、さらに、前記位置計測部によって計測された位置の変化に基づいて、前記第1のエタロンの温度を制御する第3の温度制御部を備えてもよい。
これにより、第1のエタロンの膨張若しくは収縮又は屈折率の変化によって第1のエタロンを通過する光の光路長を変更することができる。光源のみの温度制御を行う場合に比べて、エタロンの位置ずれを補償できる範囲が広くなる。したがって、位置ずれが大きい場合であっても、2つのエタロンを同調させることができ、エアロゾルを精度良く検出することができる。
また、例えば、前記位置計測部は、前記第2のエタロンの位置を計測してもよい。
また、例えば、本開示の一態様に係るエアロゾル計測装置は、さらに、前記第2のエタロンの位置を調整する位置調整部を備えてもよい。
これにより、2つのエタロンの同調を、位置調整部による初期調整と、初期調整後の温度制御部による微調整との2段階で行うことができる。2つのエタロンを精度良く同調させることができるので、エアロゾルを簡単かつ精度良く検出することができる。
また、位置調整部が設けられた第2のエタロンは、位置ずれが発生しやすくなる。したがって、位置計測部が第2のエタロンの位置を計測することにより、2つのエタロンが非同調になったことを精度良く検出することができ、速やかに2つのエタロンを同調させることができる。
また、例えば、前記光源は、LED(Light Emitting Diode)又はレーザ素子であってもよい。
これにより、LED又はレーザ素子は、波長の温度依存性を有する光を出射するので、温度制御部による温度制御によって簡単に出射光の波長を変更することができ、2つのエタロンを同調させることができる。
また、本開示の一態様に係るエアロゾル計測方法は、大気中に含まれるエアロゾルを計測するエアロゾル計測方法であって、光源が光を出射し、出射した光に第1のエタロンを通過させるステップと、前記第1のエタロンを通過した光が前記エアロゾルで散乱されることで発生する散乱光に第2のエタロンを通過させ、前記第2エタロンを通過した散乱光を受光器で受光するステップと、前記第1のエタロン及び前記第2のエタロンの少なくとも一方の位置を計測するステップと、計測された位置の変化に基づいて、前記光源の温度を制御するステップと、を含む。
これにより、上記エアロゾル計測装置の場合と同様に、エアロゾルを精度良く検出することができる。
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行又は垂直などの要素間の関係性を示す用語、及び、円柱体又は角柱体などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
(実施の形態1)
[1.概要]
まず、実施の形態1に係るエアロゾル計測装置の概要について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置100の構成を示す図である。
図1に示されるように、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置100は、大気中に出射光L2を出射し、大気中に存在する散乱体101が出射光L2を散乱させることで発生する散乱光L3を取得し、取得した散乱光L3を処理することで、散乱体101に含まれるエアロゾルの有無及び/又は濃度を計測する。散乱体101は、エアロゾル計測装置100による計測の対象空間中に浮遊している。
対象空間は、例えば、住居、オフィス、介護施設又は病院などの建物の一部屋である。対象空間は、例えば、壁、窓、ドア、床及び天井などで仕切られた空間であり、閉じられた空間であるが、これに限らない。対象空間は、屋外の開放された空間であってもよい。また、対象空間は、バス又は飛行機などの移動体の内部空間であってもよい。
散乱体101は、計測対象物であるエアロゾル、及び、空気を構成する分子を含む。エアロゾルは、具体的には、対象空間内を浮遊している浮遊粒子状物質、生物系粒子又は微小水滴などである。浮遊粒子状物質には、塵埃(dust)、フューム(fume)、煤塵(smoke dust)、煙霧(haze)、スモッグ(smog)又はPM2.5などが含まれる。生物系粒子には、空中に浮遊するカビ若しくはダニ、又は花粉なども含まれる。また、微小水滴には、霧(fog)、ミスト又は靄(mist)などの自然発生的な水滴だけでなく、咳又はくしゃみなどの人体から動的に発生する物質が含まれる。エアロゾルの粒径は、例えば約1nmから約100μmの範囲である。また、エアロゾルの濃度は、約1個/cmから約1010個/cmの範囲である。
計測対象物であるエアロゾルは、空気を構成する分子に比べて十分に大きい。本実施の形態では、エアロゾルの粒径が出射光L2の波長以上であるので、エアロゾルは、出射光L2を散乱させることでミー散乱光を発生させる。空気を構成する分子は、出射光L2の波長よりも十分に小さいので、出射光L2を散乱させることでレイリー散乱光を発生させる。したがって、エアロゾル計測装置100が取得する散乱光L3には、ミー散乱光とレイリー散乱光とが含まれる。ここでのミー散乱光は、ミー散乱による後方散乱光である。エアロゾル計測装置100は、散乱光L3からミー散乱光を抽出し、抽出したミー散乱光に基づいてエアロゾルの有無及び/又は濃度を計測する。
本実施の形態に係るエアロゾル計測装置100は、対象空間内の異なる方向に向けて出射光L2を出射する。つまり、エアロゾル計測装置100は、出射光L2の出射方向を変更することができる。出射光L2の出射方向は、例えば、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)ミラー(図示せず)などによって変更される。あるいは、エアロゾル計測装置100全体の向きを変更することで、出射光L2の出射方向が変更されてもよい。エアロゾル計測装置100は、対象空間内を出射光L2で走査することにより、対象空間内のエアロゾルの分布を作成することができる。
[2.構成]
次に、エアロゾル計測装置100の具体的な構成について、図1を用いて説明する。
図1に示されるように、エアロゾル計測装置100は、エタロン10及び20と、光源30と、集光部40及び41と、受光器50と、信号処理回路60と、位置計測部70と、軸調整部80と、温度制御部90とを備える。
エタロン10は、光源30から出射される光L1の光路上に配置され、光L1を内部で干渉させて出射光L2を出射する第1のエタロンの一例である。出射光L2は、エタロン10から出射される干渉光であり、例えば、等しい周波数間隔の複数本のピークを有する光である。複数本のピークを有する光は、マルチ光とも呼称される。
図2は、エタロン10の構造を示す図である。図2に示されるように、エタロン10は、透光部11と、2つの多層膜12及び13とを有する。エタロン10の形状は、例えば、多層膜12及び13が並ぶ方向を柱軸方向とする円柱体又は角柱体などである。多層膜12及び13が並ぶ方向は、エタロン10の光軸方向であり、多層膜12の光入射面及び多層膜13の光出射面に垂直な方向である。
透光部11は、例えば石英又は水晶などの透明な材料を用いて形成されている。透光部11は、2つの多層膜12及び13に挟まれており、2つの多層膜12及び13の各々に接触している。
2つの多層膜12及び13はそれぞれ、複数の誘電体膜の積層構造を有する誘電体多層膜である。例えば、2つの多層膜12及び13はそれぞれ、屈折率が低い誘電体膜と屈折率が高い誘電体膜とを交互に積層されることで形成されている。誘電体膜としては、例えば、チタン酸化膜、ハフニウム酸化膜、シリコン酸化膜などが用いられる。なお、透光部11は、空気層であってもよく、2つの多層膜12及び13は、一定距離を保つように枠体などによって固定されていてもよい。
本実施の形態では、図2に示されるように、光L1は、エタロン10の多層膜12から入射し、エタロン10の内部で多重反射される。多重反射された光が互いに干渉し、等しい周波数間隔の複数本のピークを有するマルチ光が出射光L2として多層膜13から出射される。
エタロン20は、散乱光L3の光路上に配置され、散乱光L3を内部で干渉させてミー散乱光L4を出射する第2のエタロンの一例である。散乱光L3は、出射光L2が散乱体101で散乱されることにより発生する散乱光である。散乱光L3には、散乱体101にエアロゾルが含まれる場合、出射光L2がエアロゾルで散乱されることで発生するミー散乱光L4が含まれる。また、散乱光L3には、出射光L2が空気を構成する分子で散乱されることで発生するレイリー散乱光も含まれる。
エタロン20は、エタロン10と同様に、入射する光を内部で干渉させて、等しい周波数間隔の複数本のピークを有する光として出射する。エタロン20とエタロン10とは、実質的に同一の光学特性を有する。つまり、エタロン10及び20の各々に同じ光を入射した場合に、各々から出射される光の周波数間隔が同じになる。例えば、エタロン20は、エタロン10と同じ構成を有する。つまり、エタロン20は、図2に示されるエタロン10と同様に、透光部11と、2つの多層膜12及び13とを有する。
本実施の形態では、エタロン10及びエタロン20の各々の長さLが所定の条件を満たすように調整されており、散乱光L3に含まれるミー散乱光L4を通過させ、レイリー散乱光の通過を抑制する。これにより、散乱光L3からレイリー散乱光を適切に削減することができるので、エアロゾルに起因するミー散乱光L4を受光器50に受光させることができる。
光源30は、光L1を出射する光源である。図1に示されるように、光源30は、光L1をエタロン10に向けて出射する。光L1は、例えばパルス光であるが、連続光であってもよい。光L1は、特定の波長帯域にピークを有する単色光であってもよく、ブロードな波長帯域を含む光であってもよい。ピークの帯域幅は、例えば、10pmから10nmの範囲である。光L1は、例えば、紫外光、可視光又は赤外光などである。
なお、光源30とエタロン10との間には、光L1を反射するミラー31が配置されている。ミラー31によって光L1の光路を曲げることができるので、エアロゾル計測装置100内での光源30の配置の自由度を高めることができる。なお、エアロゾル計測装置100は、ミラー31を備えなくてもよい。
光源30は、例えば、パルスレーザ光を光L1として出射する半導体レーザ素子である。光L1のビームモードは、例えばマルチ縦モードであるが、シングルモードであってもよい。一例として、光源30は、607nmの近傍にピークを有するレーザ光を光L1として出射する。なお、レーザ光のピーク波長は、特に限定されず、例えば532nmであってもよい。あるいは、光源30は、LED素子であってもよい。また、光源30は、ハロゲンランプなどの放電ランプであってもよい。
光源30が出射する光L1は、波長の温度依存性を有する。つまり、光源30の温度が変更されると、光源30が出射する光L1の波長が変更される。光源30は、他から与えられる温度変化によって光出力をほぼ一定のまま、出射する光L1の波長を変更することができる。例えば、光源30は、電流駆動デバイスであるが、発光に要する電流量がほぼ一定のまま、波長が異なる光L1を出射することができる。光源30の温度は、温度制御部90によって制御される。
集光部40は、散乱光L3を集光する部材である。集光部40は、散乱体101とエタロン20との間に配置される。集光部40は、例えば、少なくとも1つの凸レンズを含むが、少なくとも1つの反射鏡を含んでもよい。例えば、集光部40は、コリメートレンズを含むレンズ群を含んでもよく、集光した散乱光L3を平行光に変換してエタロン20に向けて出射する。また、集光部40には、ピンホールが含まれてもよい。散乱光L3の強度が高い場合は、特に、集光部40が配置されていなくてもよい。つまり、エアロゾル計測装置100は、集光部40を備えなくてもよい。
集光部41は、エタロン20を通過したミー散乱光L4を集光する。集光部41は、受光器50の受光面にミー散乱光L4を集光する。集光部41は、エタロン20と受光器50との間に配置される。集光部41は、例えば、少なくとも1つの凸レンズを含むが、少なくとも1つの反射鏡を含んでもよい。エアロゾル計測装置100は、集光部41を備えなくてもよい。
受光器50は、エタロン20を通過したミー散乱光L4を受光し、受光強度に応じた信号を生成して出力する。受光強度は、ミー散乱光L4の強度であり、例えば、受光器50が生成する信号の信号強度で表される。
受光器50は、光電変換を行う素子であり、例えば、PMT(Photomultiplier Tube)である。あるいは、受光器50は、PMTとフォトンカウンタとを有してもよい。また、受光器50は、アバランシェフォトダイオードであってもよい。受光器50は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであってもよい。
信号処理回路60は、受光器50から出力された信号を分析することで、散乱体101に含まれるエアロゾルを分析する。例えば、信号処理回路60は、信号の信号強度に基づいてエアロゾルの有無及び/又は濃度を決定する。具体的には、信号処理回路60は、信号強度とエアロゾルの濃度とを対応付けた対応情報を参照することで、信号強度に対応するエアロゾルの濃度を決定する。対応情報は、例えば、信号処理回路60が備えるメモリ(図示せず)に予め記憶されている。
また、信号処理回路60は、出射光L2が出射されてからミー散乱光L4を受光するまでに要する時間に基づいて、TOF(Time Of Flight)方式によってエアロゾルまでの距離を算出する。信号処理回路60は、算出した距離と出射光L2を出射した方向とに基づいて、対象空間内のエアロゾルの位置を特定する。出射光L2の出射方向を変更しながらエアロゾルの位置の特定を繰り返すことで、信号処理回路60は、対象空間内でのエアロゾルの分布を作成する。
信号処理回路60は、複数の回路部品を含む1つ又は複数の電子回路で構成されている。1つ又は複数の電子回路はそれぞれ、汎用的な回路でもよく、専用の回路でもよい。つまり、信号処理回路60が実行する機能は、電子回路などのハードウェアで実現される。あるいは、信号処理回路60は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどで実現されてもよい。信号処理回路60が実行する機能は、プロセッサで実行されるソフトウェアで実現されてもよい。
位置計測部70は、エタロン20の位置を計測する。具体的には、位置計測部70は、エタロン20の光軸の傾きをエタロン20の位置として計測する。エタロン20の光軸の傾きは、所定の基準方向に対してなす角度で表される。位置計測部70は、例えばジャイロセンサ又は三軸加速度センサなどである。
軸調整部80は、エタロン20の位置を調整する位置調整部の一例である。軸調整部80は、エタロン20の光軸の傾きを調整する。エタロン20の光軸の傾きが変更されることで、エタロン20内での散乱光L3の光路長が変化する。
軸調整部80は、例えば、エタロン20を支持する支持部と、当該支持部を回動させるステッピングモータとを含む。ステッピングモータは、例えば、エタロン20の光軸に平行で、かつ、光軸を含む面内で支持部を回動させる。これにより、エタロン20の光軸を傾けることができる。なお、軸調整部80は、ステッピングモータの代わりにアクチュエータを備えてもよく、特に限定されない。
温度制御部90は、光源30の温度を制御する第1の温度制御部の一例である。具体的には、温度制御部90は、位置計測部70によって計測された位置の変化に基づいて、光源30の温度を制御する。温度制御部90は、光源30を加熱又は冷却することで、光源30の温度を上昇又は低下させることができ、かつ、一定の温度で維持することができる。温度制御部90は、例えばペルチェ素子である。
なお、温度制御部90は、光源30の加熱及び冷却の一方しか実現できなくてもよい。例えば、温度制御部90は、光源30を加熱する電熱ヒータであってもよい。
エアロゾル計測装置100が備える各構成要素は、例えば、図示しない筐体の内部に収容されている。筐体は、エアロゾル計測装置100の外郭筐体であり、遮光性を有する。筐体には、出射光L2及び散乱光L3を通過させるための開口が設けられている。開口は、出射光L2用と散乱光L3用とに対応させて1つずつ設けられていてもよい。集光部40に含まれる集光レンズの1つは、当該開口に設けられていてもよい。
[3.基本動作]
次に、エアロゾル計測装置100の基本動作について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置100の基本動作を示すフローチャートである。
図3に示されるように、まず、光源30が光L1を出射する(S1)。光L1は、図1に示されるように、エタロン10に入射する。次に、エタロン10は、光L1を内部で干渉させて干渉光である出射光L2を出射する(S2)。エタロン10から出射された出射光L2は、図1に示される散乱体101で散乱されて、散乱光L3としてエアロゾル計測装置100に戻ってくる。
次に、集光部40は、出射光L2が散乱されることで発生する散乱光L3を集光する(S3)。具体的には、集光部40は、散乱光L3を集光して、エタロン20に入射させる。次に、エタロン20は、集光された散乱光L3を内部で干渉させて、干渉光であるミー散乱光L4を通過させる(S4)。エタロン20を通過したミー散乱光L4は、集光部41によって受光器50の受光面に集光される。
次に、受光器50は、干渉光であるミー散乱光L4を受光する(S5)。受光器50は、受光したミー散乱光L4を光電変換することで、ミー散乱光L4の強度に応じた信号強度を有する信号を生成して出力する。次に、信号処理回路60は、受光器50から出力される信号を処理する(S6)。例えば、信号処理回路60は、ミー散乱光L4に基づく信号を処理することで、ミー散乱光L4の強度を取得し、エアロゾルの位置及び/又は濃度を分析する。
ここで、図3に示される基本動作によって、エアロゾルによるミー散乱光L4を抽出できる原理について説明する。
上述したように、エアロゾル計測装置100では、出射される光L1がエタロン10によって干渉され、受光される散乱光L3がエタロン20によって干渉される。つまり、光の出射側及び受光側の各々にエタロンが設けられている。
図4は、エタロン10から出射される光のスペクトルの一例を示す図である。図4において、横軸は波長を表し、縦軸は信号強度を表している。
エタロン10に光L1が入射した場合、エタロン10内部で干渉されて出射される出射光L2は、図4に示されるように周期的なスペクトルを持つ光になる。エタロン10から出射される出射光L2は、等しい波長間隔の複数のピークを有するマルチ光である。例えば、N個のピークを有するマルチ光を出射光L2として利用することで、ピークが1つのみのシングル光よりも全光強度をN倍にすることができる。各ピークの信号強度は、ほぼ同じである。
なお、図4において横軸は、周波数間隔に置き換えることができる。つまり、図4に示されるマルチ光は、等しい周波数間隔の複数のピークを有するマルチ光と同義である。
図5は、図4に示されるマルチ光のピークの1つを拡大して示す図である。図5において、横軸は波長を表し、縦軸は信号強度を表している。図5に示されるスペクトルを有する出射光L2が大気中に照射された場合、大気中に含まれる散乱体101によって散乱されることで、散乱光L3が発生する。
図6は、散乱光L3のスペクトルを示す図である。図6において、横軸は波長を表し、縦軸は信号強度を表している。
図6に示されるように、散乱光L3には、大気構成分子によるレイリー散乱光と、エアロゾルによるミー散乱光とが含まれる。ミー散乱光は、半値全幅の狭いピークを有するのに対して、レイリー散乱光は、ミー散乱光よりも半値全幅の広いピークを有する。これは、大気構成分子によるレイリー散乱光の半値全幅は、大気構成分子の熱運動により広がるためである。実測でのレイリー散乱光の半値全幅は、3.4GHzから3.9GHz程度であることが知られている。
一方、エアロゾルによるミー散乱光の半値全幅は、図5に示される出射光L2の半値全幅と同等である。エアロゾル計測装置100では、エタロン20とエタロン10とが実質的に同一の光学特性を有するため、エタロン20の透過スペクトルは、エタロン10の透過スペクトルと同じになる。したがって、エタロン20に散乱光L3が入射した場合、出射光L2と同じ周波数特性を有するミー散乱光L4のみが実質的に通過することができる。レイリー散乱光は、エタロン20を実質的にほとんど通過しない。このように、エタロン10及びエタロン20を利用することによって、散乱光L3からミー散乱光L4のみを簡単に直接抽出することができる。
[4.2つのエタロンの同調]
ミー散乱光L4のみを抽出するためには、エタロン10とエタロン20との光学特性が実質的に同一でなくてはならない。具体的には、2つのエタロン10及び20が同調していることが期待される。より具体的には、エタロン10内での光の光路長とエタロン20内での光の光路長とが同一になるなどの所定の条件を満たすことが期待される。しかしながら、エタロン10及び20の製造ばらつき、並びに、エアロゾル計測装置100の動作時に光源30などが発生する熱、及び、環境の変化などの影響によって光路長にずれが生じる。つまり、2つのエタロン10及び20が非同調になる。
本実施の形態に係るエアロゾル計測装置100では、2つのエタロン10及び20を同調させる手段として、軸調整部80及び温度制御部90を備える。軸調整部80は、主に初期調整に利用され、温度制御部90は微調整に利用される。以下では、まず、軸調整部80による2つのエタロン10及び20の同調について説明する。
[4-1.軸調整]
本実施の形態では、軸調整部80がエタロン20の光軸の傾きを変更する。光軸の傾きが変更されることで、エタロン20に入射する散乱光L3の入射角が変化する。
図7は、エタロン20の光軸Jの傾きを変化させることによる光路長の変化を説明するための図である。図7に示されるように、エタロン20に入射角θで散乱光L3が入射した場合、多層膜12及び13と透光部11との屈折率差によって、透光部11内には入射角φで散乱光L3が入射する。このため、入射角0°で散乱光L3が入射する場合に比べて、透光部11内での光の光路長が長くなる。光路長が長くなることで、出射される光の周波数間隔が変化する。
エタロン20から出射される、複数本のピークを有する光の周波数間隔FSR(Free Spectral Range)は、以下の式(1)で表される。また、エタロン20の透過率T(ν)は、以下の式(2)で表される。
Figure 2022012708000002
ここで、νは、光の周波数である。Rは、エタロン20の反射率である。Aは、エタロン20による損失である。nは、エタロン20内部の屈折率である。エタロン20内部の屈折率とは、透光部11の屈折率であり、石英の場合1.47である。cは、光の速度であり、約3×10m/sである。Lは、図7にも示されるように、エタロン20の長さである。また、θは、エタロン20への光の入射角である。φは、エタロン20内部での光の入射角である。θとφとは、以下の式(3)で表される関係を満たしている。
Figure 2022012708000003
また、エタロン20の光路長χは、以下の式(4)で定義される。なお、光路長χは、エタロン20を通過する透過光間の光路差に相当する。
Figure 2022012708000004
なお、受光側のエタロン20だけでなく、出射側のエタロン10でも上記式(1)から(3)は成立する。
したがって、エタロン10の長さLは、出射光L2の周波数間隔FSRが3GHzで、かつ、入射角θが0°の場合、式(1)から、34mmになる。光路長χは、式(4)から、99.96mmとなる。
エタロン10又は20の光路長χは、φが0の場合、式(4)に示されるように、エタロン10及び20の長さLで決まる。一般的には、エタロンの長さLは、その加工精度により10μm以上異なる場合がある。したがって、軸調整部80がエタロン10及び20の少なくとも一方の光軸を傾けることで、入射角θ及びφを変化させる。これにより、エタロン10の光路長χとエタロン20の光路長χとの少なくとも一方を調整する。
本実施の形態では、エタロン20から出射される干渉光の信号強度が最大になるように、エタロン20の光路長χを変化させる。具体的には、干渉光の信号強度は、以下の式(5)を満たす場合に、最大になる。つまり、式(5)が干渉光の信号強度を最大にするための条件である。なお、式(5)のiは、整数である。
Figure 2022012708000005
ここで、一例として、エタロン10の長さLが42.8mmであり、エタロン20の長さLが42.803mmである場合を想定する。また、光源30から出射されるレーザ光である光L1の中心波長が607nmである。エタロン10及び20の各々の損失Aは0であり、各々の反射率Rは0.74である。このような条件の下でエタロン20の光軸Jの傾きと干渉光の信号強度との関係を算出した結果を図8に示す。
図8は、エタロン20の光軸Jの傾きと干渉光の信号強度との関係を示す図である。図8において、横軸は、エタロン20の光軸Jの傾きθを表し、縦軸は、エタロン20から出射される干渉光の信号強度を表している。図8に示されるように、干渉光の信号強度は、周期的な極大を繰り返す。信号強度の各極大値は、実質的に同等であり、信号強度の最大値に相当する。このため、エタロン20の光軸Jの傾きを増加させ、又は、減少させることにより、信号強度を最大にすることができる。
[4-2.温度制御]
次に、光源30の温度制御について説明する。
上述したように、光源30が出射する光L1は、波長の温度依存性を有する。具体的には、光源30の温度が上昇するにつれて、光L1の波長が大きくなり、光源30の温度が低下するにつれて、光L1の波長が小さくなる。光L1の波長と光源30の温度とは、線形の関係を有する。例えば、光源30がレーザ素子の場合、30℃の増減で10nm程度波長が変化する。
光L1の波長の変化によって、図8に示されるグラフが変化する。具体的には、光源30の温度を上昇させて、光L1の波長が大きくなると、信号強度のピークの位置が右に移動する。光源30の温度を低下させて、光L1の波長が小さくなると、信号強度のピークの位置が左に移動する。
このように、光源30の温度を変更することによって、2つのエタロン10及び20が同調するときのエタロン20の位置が変化する。逆に言えば、エタロン20の位置が変化することで2つのエタロン10及び20が非同調になったとしても、光源30の温度を変更することによって2つのエタロン10及び20を同調させることができる。
[5.動作]
次に、エアロゾル計測装置100の動作について説明する。
図9は、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置100の動作を示すフローチャートである。図9に示されるように、エアロゾル計測装置100は、まず、初期調整として、2つのエタロン10及び20を同調させる(S10)。
図10は、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置100による2つのエタロン10及び20の同調を説明するための図である。図10の(a)~(c)の各々において、横軸はエタロン20の光軸Jの傾きを表し、縦軸は、エタロン20から出射される干渉光の光強度を表している。なお、干渉光の光強度は、信号強度と同等である。
図10の(a)に示される例では、エタロン20の光軸Jの傾きが0.14°の場合に信号強度が極大になっている。このため、軸調整部80は、初期調整として、エタロン20の光軸Jの傾きを0.14°に調整する。
初期調整(S10)は、2つのエタロン10及び20を同調させることができれば、特に限定されない。一例として、初期調整は、連続体からの反射光を利用する手法を用いることができる。
連続体は、エアロゾルより大きく、空間的な広がりを有する物体である。連続体は、エアロゾルとは異なり、空間中に浮遊しない。連続体は、固体連続体であり、例えば弾性体である。弾性体とは、与えられている圧力を取り除いた場合に元の状態に復帰する固体である。例えば、連続体は、光を反射するための1mm以上の反射面を有する物体である。連続体は、具体的には、壁、柱、天井、床若しくは窓などの建築構造物、カーテン若しくは棚などの家具、又は家電製品などである。
具体的には、エアロゾル計測装置100は、エタロン10を通過した出射光L2を連続体に照射し、当該連続体による反射光にエタロン20を通過させて受光器50で受光する。すなわち、エアロゾル計測装置100は、図3に示される基本動作を、エアロゾルの代わりに連続体を対象として行う。エアロゾル計測装置100は、軸調整部80がエタロン20の位置を調整しながら、連続体を対象とした基本動作を繰り返す。そして、エアロゾル計測装置100は、受光強度が最大になるときのエタロン20の位置を初期位置として決定し、決定した位置でエタロン20を固定する。なお、受光強度が最大でなくてもよく、所定の閾値以上になるときの位置を初期位置としてもよい。
例えば、軸調整部80は、エタロン20の光軸Jの傾きを0.01°ずつ一方向に傾ける。これにより、信号強度が最大になる時の傾きを決定することができる。連続体からの信号強度が高い反射光を利用して光路長の調整を行うので、ノイズの影響が十分に抑えられ、精度良く光路長の調整を行うことができる。したがって、調整後に行われるエアロゾルの計測精度も高めることができる。
光路長の調整を行った後、図9に示されるように、エアロゾル計測装置100は、エアロゾルの計測を行う(S20)。2つのエタロン10及び20が同調している限り、エタロン20によってミー散乱光L4が精度良く抽出できるので、エアロゾルの計測を精度良く行うことができる。
しかしながら、何らかの要因によって2つのエタロン10及び20が同調しなくなる場合がある。例えば、エアロゾル計測装置100の振動によって、エタロン20の位置がずれる場合がある。図10の(b)に示されるように、振動でエタロン20が回転し、エタロン20の光軸Jの傾きが0.1°に変化した場合、2つのエタロン10及び20が同調しなくなる。
そこで、エアロゾル計測装置100では、エタロン20の位置を計測し、計測した位置の変化に基づいて光源30の温度を制御する。これにより、2つのエタロン10及び20を同調させる。以下では、エアロゾルの計測(S20)について、図11を用いて説明する。図11は、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置100によるエアロゾルの計測処理(S20)を示すフローチャートである。
図11に示されるように、エアロゾル計測装置100は、エタロン20の位置が変化したか否かを判定する(S21)。具体的には、位置計測部70がエタロン20の位置を検出する。検出された位置が、ステップS10によって調整された初期位置とは異なっている場合、エタロン20の位置が変化しているので(S21でYes)、温度制御部90が光源30の温度制御を行う(S22)。温度制御部90は、光源30の加熱又は冷却を行うことにより、光源30が出射する光L1の波長を変更し、2つのエタロン10及び20を同調させる。
例えば、図10の(c)に示されるように、温度制御部90は、光源30の温度を30℃低下させる。これにより、光軸Jの傾きが0.1°のときにピークが来るように、図10の(b)に示されるピークを左に移動させることができる。このように、ずれた後の光軸Jを変更することなく、2つのエタロン10及び20を同調させることができる。エタロン20を傾けるなどの機械的な調整を行わなくてよいので、簡単に2つのエタロン10及び20を同調させることができる。
温度制御部90は、例えば、エタロン20の位置の変化量と、当該位置の変化を補償し、2つのエタロン10及び20を同調させるのに必要な温度の変化量とを対応付けた対応情報を記憶するメモリを有する。温度制御部90は、メモリに記憶された対応情報を読み出し、検出された位置の変化量に基づいて温度の変化量を決定し、決定した温度の変化量分、光源30の温度を変化させる。
あるいは、初期調整と同様に、連続体への出射光L2の出射を行いながら、温度制御部90が、干渉光の信号強度が最大になる最適な温度になるように光源30の温度を制御してもよい。これにより、2つのエタロン10及び20をより精度良く同調させることができる。
温度制御が終了した後、及び、エタロン20の位置が変化していない場合(S21でNo)、2つのエタロン10及び20が同調しているので、エアロゾルの計測を精度良く行うことができる。
したがって、図11に示されるように、エアロゾル計測装置100は、散乱体101に向けて出射光L2を出射する(S23)。次に、受光器50は、出射光L2が散乱体101で散乱されることにより発生した散乱光L3に含まれるミー散乱光L4を受光する(S24)。なお、出射光L2の出射(S23)及びミー散乱光L4の受光(S24)は、具体的には図3に示される基本動作に沿って行われる。
エアロゾル計測装置100は、出射光L2の出射方向を変更する(S25)。出射方向を変更した後、ステップS21に戻り、上述した処理(S21からS24)が繰り返される。これにより、エアロゾル計測装置100は、対象空間内の各位置におけるエアロゾルの有無及び/又は濃度が得られるので、エアロゾルの分布を生成することができる。
繰り返しの途中において、エタロン20の位置が変化した場合には(S21でYes)、光源30の温度制御によって速やかに2つのエタロン10及び20を同調させることができる。つまり、エタロン20の光軸Jの調整を行わなくてよいので、エアロゾルの計測が可能な状態に速やかに復帰することができる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。
実施の形態2に係るエアロゾル計測装置では、光源の温度だけでなく、エタロンの温度を制御する点が実施の形態1とは主として異なる。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
[1.構成]
まず、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置の具体的な構成について、図12を用いて説明する。図12は、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置200の構成を示す図である。図12に示されるように、エアロゾル計測装置200は、実施の形態1に係るエアロゾル計測装置100と比較して、さらに温度制御部190を備える点が相違する。
温度制御部190は、エタロン20の温度を制御する第2の温度制御部の一例である。具体的には、温度制御部190は、位置計測部70によって計測された位置の変化に基づいて、エタロン20の温度を制御する。温度制御部190は、エタロン20を加熱又は冷却することで、エタロン20の温度を上昇又は低下させることができ、かつ、一定の温度で維持することができる。温度制御部190は、例えばペルチェ素子である。
なお、温度制御部190は、エタロン20の加熱及び冷却の一方しか実現できなくてもよい。例えば、温度制御部190は、エタロン20を加熱する電熱ヒータであってもよい。
エタロン20は、温度変化によって膨張又は収縮することにより、その長さL(図2を参照)が変化する。また、エタロン20は、温度変化によってその屈折率が変化する。具体的には、エタロン20の温度特性は、以下の式(6)で表される。
Figure 2022012708000006
sは、エタロン20の光路長である。Tは、エタロン20の温度である。ds/dTは、光路長の温度係数である。nは、エタロン20の透光部11の屈折率である。αは、エタロン20の透光部11の線膨張係数である。dn/dTは、屈折率の温度係数である。透光部11が石英の場合、αは、10-7/Kオーダーの値であり、dn/dTは、10-6/Kオーダーの値である。したがって、エタロン20の温度変化による光路長の変化が十分に期待できる。
エタロン20の温度が変化することによって、光源30の場合と同様に、図8に示されるグラフが変化する。具体的には、エタロン20の温度を上昇させた場合には、信号強度のピークの位置が左に移動する。エタロン20の温度を低下させた場合には、信号強度のピークの位置が右に移動する。
このように、エタロン20の温度を変更することによって、光源30の場合と同様に、2つのエタロン10及び20が同調するときのエタロン20の位置が変化する。逆に言えば、エタロン20の位置が変化することで2つのエタロン10及び20が非同調になったとしても、エタロン20の温度を変更することによって2つのエタロン10及び20を同調させることができる。
[2.動作]
次に、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置200の動作について説明する。
エアロゾル計測装置200の基本動作及び初期調整は、実施の形態1と同じである。以下では、エアロゾル計測装置200によるエアロゾル計測処理(図9のステップS20)について、図13を用いて説明する。図13は、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置200によるエアロゾルの計測処理(S20)の一例を示すフローチャートである。
エタロン20の初期調整が終わった後、図13に示されるように、エアロゾル計測装置200は、エタロン20の位置が変化したか否かを判定する(S21)。エタロン20の位置が変化していない場合(S21でNo)の処理は、実施の形態1と同じである。つまり、2つのエタロン10及び20が同調しているので、エアロゾルの計測を行うことができる。
エタロン20の位置が変化した場合(S21でYes)、温度制御部190がエタロン20の温度を制御する(S122)。温度制御部190がエタロン20の温度を変更することにより、エタロン20の光路長を変化させる。温度制御部190は、信号強度のピークを、変化後のエタロン20の位置に近づける方向に移動させる。
エタロン20の温度を制御した後、温度制御部90が光源30の温度を制御する(S22)。具体的には、温度制御部90は、光源30の加熱又は冷却を行うことにより、光源30が出射する光L1の波長を変更し、2つのエタロン10及び20を同調させる。
図14は、本実施の形態に係るエアロゾル計測装置200による2つのエタロン10及び20の同調を説明するための図である。図14の(a)~(d)の各々において、横軸は、エタロン20の光軸Jの傾きを表し、縦軸は、エタロン20から出射される干渉光の光強度を表している。
図14の(a)は、図10の(a)と同じであり、軸調整部80が、初期調整としてエタロン20の光軸Jの傾きを0.14°に調整する。図14の(b)は、図10の(b)の場合よりも大きくエタロン20が回転し、光軸Jの傾きが0.2°に変化したことを示している。
温度制御部190がエタロン20の温度を制御することにより、図14の(b)と(c)とを比較して分かるように、光強度のピークが移動する。例えば、エタロン20の温度を30℃低下させることにより、ピークが右へ移動する。ピークが移動することにより、光軸Jの傾きが0.2°のときの光強度が大きくなる。
さらに、図14の(d)に示されるように、温度制御部90が、光源30の温度を制御する。例えば、温度制御部90は、光源30の温度を30℃上昇させることにより、光強度のピークをさらに右へ移動させる。これにより、光軸Jの傾きが0.2°の場合に光強度のピークが来るようにすることができ、2つのエタロン10及び20を同調させることができる。
ここでは、エタロン20の温度制御(S122)が光源30の温度制御(S22)よりも先に行われる例を示したが、これは、エタロン20の温度変化が光源30の温度変化よりも遅いためである。温度変化が遅いエタロン20の温度を先に制御することにより、短期間で2つのエタロン10及び20の同調を行うことができる。なお、光源30の温度制御(S22)がエタロン20の温度制御(S122)よりも先に行われてもよい。あるいは、エタロン20と光源30とが同時に温度制御されてもよい。
以上のように、本実施の形態では、光源30とエタロン20との各々の温度を制御する。これにより、信号強度のピークの調整範囲が広がるので、エタロン20の位置が大きくずれたとしても、2つのエタロン10及び20を同調させることができる。
なお、光源30のみの温度を制御するか、光源30及びエタロン20の両方の温度を制御するか、すなわち、温度制御の対象は、例えば、エタロン20の位置の変化量に基づいて決定することができる。具体的には、エアロゾル計測装置200は、位置の変化量が所定の閾値より小さい場合には、光源30のみの温度を制御する。エアロゾル計測装置200は、位置の変化量が所定の閾値より大きい場合には、光源30及びエタロン20の両方の温度を制御する。
あるいは、温度制御の対象は、信号強度に基づいて決定されてもよい。位置の変化が検出されたときの所定の傾きにおける信号強度が小さい程、ピークの移動量も大きくなる。したがって、エアロゾル計測装置200は、位置の変化が検出されたときの信号強度が所定の閾値より大きい場合には、光源30のみの温度を制御してもよい。また、エアロゾル計測装置200は、信号強度が所定の閾値より小さい場合には、光源30及びエタロン20の両方の温度を制御してもよい。
[3.変形例]
ここで、実施の形態2の変形例について説明する。
実施の形態2では、エタロン20の温度を制御することで光路長の調整を行ったが、光路長の調整を行う手段はこれに限定されない。本変形例では、エタロン10の温度を制御することで光路長の調整を行う。
図15は、本変形例に係るエアロゾル計測装置300の構成を示す図である。図15に示されるように、エアロゾル計測装置300は、実施の形態2に係るエアロゾル計測装置200と比較して、温度制御部190の代わりに温度制御部290を備える。
温度制御部290は、エタロン10の温度を制御する第3の温度制御部の一例である。具体的には、温度制御部290は、位置計測部70によって計測された位置の変化に基づいて、エタロン10の温度を制御する。温度制御部290は、エタロン10を加熱又は冷却することで、エタロン10の温度を上昇又は低下させることができ、かつ、一定の温度で維持することができる。温度制御部290は、例えばペルチェ素子である。
なお、温度制御部290は、エタロン10の加熱及び冷却の一方しか実現できなくてもよい。例えば、温度制御部290は、エタロン10を加熱する電熱ヒータであってもよい。
エタロン10は、エタロン20と同様に、温度変化によって膨張若しくは屈折、又は、屈折率が変化する。したがって、エタロン20の温度を制御する場合と同様に、エタロン10の温度を制御することにより、2つのエタロン10及び20を同調させることができる。
なお、エアロゾル計測装置300は、温度制御部190をさらに備えてもよい。
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係るエアロゾル計測装置及びエアロゾル計測方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、軸調整部80は、エタロン20の代わりに、又は、エタロン20に加えて、エタロン10の位置を調整してもよい。この場合、エタロン10の位置ずれが発生しやすくなる。この場合、位置計測部70は、エタロン20の代わりに、又は、エタロン20に加えて、エタロン10の位置を計測してもよい。エアロゾル計測装置100、200又は300では、エタロン10の位置の変化に基づいて温度制御部90、190又は290が温度を制御してもよい。
また、例えば、エアロゾル計測装置100、200又は300は、軸調整部80を備えなくてもよい。エアロゾル計測装置100、200又は300では、エタロンの初期調整(S10)を行う場合に、光源30並びに2つのエタロン10及び20のうち、少なくとも1つの温度を温度制御部90、190又は290が制御することで、2つのエタロン10及び20を同調させてもよい。
また、例えば、エタロン10又は20の位置は、エタロン10又は20の光軸の傾きではなく、光源30及び受光器50などに対するエタロン10又は20の相対的な三次元位置であってもよい。
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、エアロゾル計測装置が備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。また、エアロゾル計測装置は、単一の装置として実現されてもよい。
例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
また、上記実施の形態において、信号処理回路、制御部などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、信号処理回路などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、ミー散乱光を簡単に直接抽出することができるエアロゾル計測装置及びエアロゾル計測方法などとして利用でき、例えば、屋内での有害な微粒子の計測及び屋外での気象観測などに利用することができる。
10、20 エタロン
11 透光部
12、13 多層膜
30 光源
31 ミラー
40、41 集光部
50 受光器
60 信号処理回路
70 位置計測部
80 軸調整部
90、190、290 温度制御部
100、200、300 エアロゾル計測装置
101 散乱体
L1 光
L2 出射光
L3 散乱光
L4 ミー散乱光

Claims (7)

  1. 大気中に含まれるエアロゾルを計測するエアロゾル計測装置であって、
    光源と、
    前記光源から出射された光が通過する第1のエタロンと、
    前記第1のエタロンを通過した光が前記エアロゾルで散乱されることで発生する散乱光が通過する第2のエタロンと、
    前記第2のエタロンを通過した散乱光を受光する受光器と、
    前記第1のエタロン及び前記第2のエタロンの少なくとも一方の位置を計測する位置計測部と、
    前記位置計測部によって計測された位置の変化に基づいて、前記光源の温度を制御する第1の温度制御部と、を備える、
    エアロゾル計測装置。
  2. さらに、
    前記位置計測部によって計測された位置の変化に基づいて、前記第2のエタロンの温度を制御する第2の温度制御部を備える、
    請求項1に記載のエアロゾル計測装置。
  3. さらに、
    前記位置計測部によって計測された位置の変化に基づいて、前記第1のエタロンの温度を制御する第3の温度制御部を備える、
    請求項1又は2に記載のエアロゾル計測装置。
  4. 前記位置計測部は、前記第2のエタロンの位置を計測する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のエアロゾル計測装置。
  5. さらに、前記第2のエタロンの位置を調整する位置調整部を備える、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のエアロゾル計測装置。
  6. 前記光源は、LED(Light Emitting Diode)又はレーザ素子である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のエアロゾル計測装置。
  7. 大気中に含まれるエアロゾルを計測するエアロゾル計測方法であって、
    光源が光を出射し、出射した光に第1のエタロンを通過させるステップと、
    前記第1のエタロンを通過した光が前記エアロゾルで散乱されることで発生する散乱光に第2のエタロンを通過させ、前記第2のエタロンを通過した散乱光を受光器で受光するステップと、
    前記第1のエタロン及び前記第2のエタロンの少なくとも一方の位置を計測するステップと、
    計測された位置の変化に基づいて、前記光源の温度を制御するステップと、を含む、
    エアロゾル計測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112789496A (zh) * 2019-03-29 2021-05-11 松下知识产权经营株式会社 气溶胶计测装置及气溶胶计测方法

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