JP2022012630A - エンジン装置 - Google Patents

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玲子 郷
Reiko Go
啓勝 山本
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Abstract

Figure 2022012630000001
【課題】エンジンの気筒間で空燃比がばらつくのを抑制する。
【解決手段】複数気筒のエンジンと、過給機と、蒸発燃料処理装置と、蒸発燃料ガスを吸気管を介して燃焼室に供給するパージを実行するときには、要求パージ率に基づいてパージ制御バルブを制御する制御装置と、を備えるエンジン装置において、制御装置は、過給域では、各気筒の燃焼室に供給される蒸発燃料ガスのバラツキを制限するための上限パージ率以下の範囲内で要求パージ率を設定する。これにより、各気筒の燃焼室に供給される蒸発燃料ガスの量がばらつくのを抑制し、気筒間で空燃比がばらつくのを抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、エンジンの吸気管のスロットル弁よりも下流側に蒸発燃料を含む蒸発燃料ガスをパージする第1パージ通路と、過給機のコンプレッサからの過給圧を用いて負圧を発生させるエゼクタにより吸気管のコンプレッサよりも上流側に蒸発燃料ガスをパージする第2パージ通路と、燃料タンクで発生した蒸発燃料ガスを第1パージ通路や第2パージ通路に供給する供給通路と、供給通路に設けられたパージ制御バルブとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このエンジン装置では、吸気管のスロットル弁よりも下流側の吸気管圧力とエゼクタによる発生圧力とを比較し、パージが第1パージ通路および第2パージ通路のうちの何れを介して実施されるかを検出する。そして、パージ通路が第1パージ通路と第2パージ通路とで切替わるときに、パージ制御バルブの制御に用いる制御特性データを、第1パージ通路に適した第1制御特性データと第2パージ通路に適した第2制御特性データとで切り替える。
特開2019-052561号公報
こうしたエンジン装置では、パージ通路が第2パージ通路であるときには、パージ通路が第1パージ通路のときに比して、蒸発燃料ガスがパージ制御バルブを通過してから燃焼室に至るまでの経路容積が大きいため、吸気管などで流体の流れが乱れやすく、各気筒の燃焼室に供給される蒸発燃料ガスの量がばらつきやすく、気筒間で空燃比がばらつきやすい。そして、これらのばらつきは、蒸発燃料ガス量が多いほど大きくなりやすい。
本発明のエンジン装置は、エンジンの気筒間で空燃比がばらつくのを抑制することを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
吸気管に配置されたスロットルバルブを有し、燃料タンクから供給される燃料を用いた各気筒の燃焼室での爆発燃焼により動力を出力する複数気筒のエンジンと、
前記吸気管の前記スロットルバルブよりも上流側に配置されたコンプレッサを有する過給機と、
前記燃料タンク内で発生した蒸発燃料を含む蒸発燃料ガスを前記吸気管の前記スロットルバルブよりも下流側に接続された第1パージ通路と第2パージ通路とに分岐して前記吸気管に供給する供給通路と、前記吸気管の前記コンプレッサと前記スロットルバルブとの間からの還流通路に吸気ポートが接続され且つ前記吸気管の前記コンプレッサよりも上流側に排気ポートが接続され且つ前記第2パージ通路に吸引ポートが接続されたエゼクタと、前記供給通路に設けられたパージ制御バルブと、を有する蒸発燃料処理装置と、
前記蒸発燃料ガスを前記吸気管を介して前記燃焼室に供給するパージを実行するときには、要求パージ率に基づいて前記パージ制御バルブを制御する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、過給域では、前記各気筒の前記燃焼室に供給される前記蒸発燃料ガスのバラツキを制限するための上限パージ率以下の範囲内で前記要求パージ率を設定する、
ことを要旨とする。
本発明のエンジン装置では、蒸発燃料ガスを吸気管を介して燃焼室に供給するパージを実行するときには、要求パージ率に基づいてパージ制御バルブを制御するものにおいて、過給域では、各気筒の燃焼室に供給される蒸発燃料ガスのバラツキを制限するための上限パージ率以下の範囲内で要求パージ率を設定する。これにより、各気筒の燃焼室に供給される蒸発燃料ガスの量がばらつくのを抑制し、気筒間で空燃比がばらつくのを抑制することができる。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、自然吸気域でも、前記各気筒の前記燃焼室に供給される前記蒸発燃料ガスのバラツキを制限するための前記上限パージ率以下の範囲内で前記要求パージ率を設定し、前記過給域のときの前記上限パージ率は、前記自然吸気域のときの前記上限パージ率に比して小さいものとしてもよい。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記吸気管の前記スロットルバルブよりも下流側の圧力であるスロットル後圧が閾値未満のときには、自然吸気域であると推定し、前記スロットル後圧が前記閾値以上のときには、前記過給域であると推定する推定処理において、前記スロットル後圧が前記閾値以上から前記閾値未満に至ったときには、所定時間が経過するまで前記過給域であるとの推定を継続するものとしてもよい。
エンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。 パージ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 自然吸気域および過給域のうちの何れであるかを判定するための過給域判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 サージ圧Psと過給域フラグFcとの様子の一例を示す説明図である。 全開パージ流量推定用マップの一例を示す説明図である。 パージ制御バルブ65の駆動通電時間とパージ流量との関係の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。実施例のエンジン装置10は、エンジン12からの動力を用いて走行する一般的な車両や、エンジン12に加えてモータを備える各種のハイブリッド車両に搭載され、図1や図2に示すように、エンジン12と、過給機40と、蒸発燃料処理装置50と、制御装置としての電子制御ユニット70とを備える。
エンジン12は、燃料タンク11から供給されるガソリンや軽油などの燃料を用いて動力を出力する複数気筒(例えば、4気筒や6気筒など)の内燃機関として構成されている。このエンジン12は、エアクリーナ22により清浄された空気を吸気管23に吸入してインタークーラ25、スロットルバルブ26、サージタンク27の順に通過させる。そして、吸気バルブ29を介して燃焼室30に吸入した空気に燃焼室30に取り付けられた筒内噴射弁28から燃料を噴射して空気と燃料とを混合し、点火プラグ31による電気火花によって爆発燃焼させる。エンジン12は、こうした爆発燃焼によるエネルギにより押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト14の回転運動に変換する。燃焼室30から排気バルブ34を介して排気管35に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒(三元触媒)を有する浄化装置37,38を介して外気に排出される。なお、筒内噴射弁28には、燃料タンク11からフィードポンプ11pや低圧側燃料通路17、高圧ポンプ18、高圧側燃料通路19を介して燃料が供給される。高圧ポンプ18は、エンジン12からの動力により駆動されて低圧側燃料通路17の燃料を加圧して高圧側燃料通路19に供給する。
過給機40は、ターボチャージャとして構成されており、コンプレッサ41と、タービン42と、回転軸43と、ウェイストゲートバルブ44と、ブローオフバルブ45とを備える。コンプレッサ41は、吸気管23のインタークーラ25よりも上流側に配置されている。タービン42は、排気管35の浄化装置37よりも上流側に配置されている。回転軸43は、コンプレッサ41とタービン42とを連結する。ウェイストゲートバルブ44は、排気管35におけるタービン42よりも上流側と下流側とを連絡するバイパス管36に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。ブローオフバルブ45は、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも上流側と下流側とを連絡するバイパス管24に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。
この過給機40では、ウェイストゲートバルブ44の開度の調節により、バイパス管36を流通する排気量とタービン42を流通する排気量との分配比が調節され、タービン42の回転駆動力が調節され、コンプレッサ41による圧縮空気量が調節され、エンジン12の過給圧(吸気圧)が調節される。ここで、分配比は、詳細には、ウェイストゲートバルブ44の開度が小さいほど、バイパス管36を流通する排気量が少なくなると共にタービン42を流通する排気量が多くなるように調節される。なお、エンジン12は、ウェイストゲートバルブ44が全開のときには、過給機40を備えない自然吸気タイプのエンジンと同様に動作可能になっている。
また、過給機40では、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度高いときに、ブローオフバルブ45を開弁させることにより、コンプレッサ41よりも下流側の余剰圧力を解放することができる。なお、ブローオフバルブ45は、電子制御ユニット70により制御されるバルブに代えて、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度高くなると開弁する逆止弁として構成されるものとしてもよい。
蒸発燃料処理装置50は、燃料タンク11内で発生した蒸発燃料ガス(パージガス)をエンジン12の吸気管23に供給するパージを行なうための装置であり、導入通路52と、開閉バルブ53と、バイパス通路54と、リリーフバルブ55a,55bと、キャニスタ56と、共通通路61と、第1パージ通路62と、第2パージ通路63と、バッファ部64と、パージ制御バルブ65と、逆止弁66,67と、還流通路68と、エゼクタ69とを備える。実施例の「供給通路」としては、導入通路52および共通通路61が相当する。
導入通路52は、燃料タンク11とキャニスタ56とに接続されている。開閉バルブ53は、導入通路52に設けられており、ノーマルクローズタイプの電磁バルブとして構成されている。この開閉バルブ53は、電子制御ユニット70により制御される。
バイパス通路54は、導入通路52の開閉バルブ53よりも燃料タンク11側とキャニスタ56側とをバイパスすると共に、2つに分岐して合流する分岐部54a,54bを有する。リリーフバルブ55aは、分岐部54aに設けられると共に逆止弁として構成されており、燃料タンク11側の圧力がキャニスタ56側の圧力に比してある程度大きくなると開弁する。リリーフバルブ55bは、分岐部54bに設けられると共に逆止弁として構成されており、キャニスタ56側の圧力が燃料タンク11側の圧力に比してある程度大きくなると開弁する。
キャニスタ56は、導入通路52に接続されていると共に大気開放通路57を介して大気に開放されている。このキャニスタ56の内部には、燃料タンク11からの蒸発燃料を吸着可能な例えば活性炭などの吸着剤が充填されている。大気開放通路57には、エアフィルタ58が設けられている。
共通通路61は、導入通路52のキャニスタ56付近に接続され、分岐点61aで第1パージ通路62および第2パージ通路63に分岐する。第1パージ通路62は、吸気管23のスロットルバルブ26とサージタンク27との間に接続されている。第2パージ通路63は、エゼクタ69の吸引ポートに接続されている。
バッファ部64は、共通通路61に設けられている。このバッファ部64の内部には、燃料タンク11やキャニスタ56からの蒸発燃料を吸着可能な例えば活性炭などの吸着剤が充填されている。パージ制御バルブ65は、共通通路61のバッファ部64よりも分岐点61a側に設けられている。このパージ制御バルブ65は、ノーマルクローズタイプの電磁バルブとして構成されている。このパージ制御バルブ65は、電子制御ユニット70により制御される。
逆止弁66は、第1パージ通路62の分岐点61a付近に設けられている。この逆止弁66は、パージ通路60の共通通路61側から第1パージ通路62(吸気管23)側の方向の蒸発燃料を含む蒸発燃料ガス(パージガス)の流れを許容すると共に逆方向の蒸発燃料ガスの流れを禁止する。逆止弁67は、第2パージ通路63の分岐点61a付近に設けられている。この逆止弁67は、パージ通路60の共通通路61側から第2パージ通路63(エゼクタ69)側の方向の蒸発燃料ガスの流れを許容すると共に逆方向の蒸発燃料ガスの流れを禁止する。
還流通路68は、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間と、エゼクタ69の吸気ポートと、に接続されている。エゼクタ69は、吸気ポートと吸引ポートと排気ポートとを有する。エゼクタ69の吸気ポートは、還流通路68に接続されており、吸引ポートは、第2パージ通路63に接続されており、排気ポートは、吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に接続されている。吸気ポートの先端部は、先細状に形成されている。
このエゼクタ69では、過給機40が作動しているとき(吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間の圧力が正圧になるとき)に、吸気ポートと排気ポートとの間に圧力差が生じ、吸気ポートから排気ポートに向かって還流吸気(吸気管23のコンプレッサ41よりも下流側から還流通路68を介して還流される吸気)が流れる。このとき、還流吸気が吸気ポートの先端部で減圧され、その先端部周辺で負圧が発生する。そして、その負圧により、蒸発燃料ガスが第2パージ通路63から吸引ポートを介して吸引され、この蒸発燃料ガスが負圧の還流吸気と共に排気ポートを介して吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に供給される。
こうして構成される蒸発燃料処理装置50は、基本的には、以下のように動作する。吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側の圧力(後述のサージ圧Ps)が負圧で、且つ、開閉バルブ53およびパージ制御バルブ65が開弁しているときには、逆止弁66が開弁し、燃料タンク11内で発生した蒸発燃料ガス(パージガス)やキャニスタ56から脱離した蒸発燃料ガスが導入通路52や共通通路61、第1パージ通路62を介して吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側に供給される。以下、これを「下流パージ」という。このとき、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間の圧力(後述の過給圧Pc)が負圧またはゼロであれば、エゼクタ69が作動しないから、逆止弁66は開弁しない。
また、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間の圧力(過給圧Pc)が正圧で、且つ、開閉バルブ53およびパージ制御バルブ65が開弁しているときには、エゼクタ69が作動して逆止弁67が開弁し、蒸発燃料ガスが導入通路52や共通通路61、第2パージ通路63、エゼクタ69を介して吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に供給される。以下、これを「上流パージ」という。このとき、吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側の圧力(サージ圧Ps)に応じて、逆止弁66が開弁または閉弁する。
したがって、蒸発燃料処理装置50では、吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側の圧力(サージ圧Ps)や、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間の圧力(過給圧Pc)に応じて、パージのうち下流パージだけが行なわれたり、上流パージだけが行なわれたり、下流パージおよび上流パージの両方が行なわれたりする。
電子制御ユニット70は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUに加えて、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、データを記憶保持する不揮発性のフラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを備える。電子制御ユニット70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。
電子制御ユニット70に入力される信号としては、例えば、燃料タンク11内の圧力を検出する内圧センサ11aからのタンク内圧Ptnkや、エンジン12のクランクシャフト14の回転位置を検出するクランクポジションセンサ14aからのクランク角θcr、エンジン12の冷却水の温度を検出する水温センサ16からの冷却水温Tw、スロットルバルブ26の開度を検出するスロットルポジションセンサ26aからのスロットル開度THを挙げることができる。吸気バルブ29を開閉するインテークカムシャフトや排気バルブ34を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出する図示しないカムポジションセンサからのカムポジションθcaも挙げることができる。吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられたエアフローメータ23aからの吸入空気量Qaや、吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられた吸気温センサ23tからの吸気温Tin、吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられた吸気圧センサ23bからの吸気圧(コンプレッサ前圧)Pin、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間に取り付けられた過給圧センサ23cからの過給圧Pcも挙げることができる。サージタンク27に取り付けられたサージ圧センサ27aからのサージ圧(スロットル後圧)Psや、サージタンク27に取り付けられた温度センサ27bからのサージ温度Tsも挙げることができる。筒内噴射弁28に供給する燃料の燃圧を検出する燃圧センサ28aからの供給燃圧Pfdも挙げることができる。排気管35の浄化装置37よりも上流側に取り付けられたフロント空燃比センサ35aからのフロント空燃比AF1や、排気管35の浄化装置37と浄化装置38との間に取り付けられたリヤ空燃比センサ35bからのリヤ空燃比AF2も挙げることができる。パージ制御バルブポジションセンサ65aからのパージ制御バルブ65の開度Opvや第2パージ通路63に取り付けられたOBD用センサ(圧力センサ)63aからのセンサ信号Pobdも挙げることができる。
電子制御ユニット70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット70から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ26への制御信号や、筒内噴射弁28への制御信号、点火プラグ31への制御信号を挙げることができる。ウェイストゲートバルブ44への制御信号、ブローオフバルブ45への制御信号、開閉バルブ53への制御信号も挙げることができる。パージ制御バルブ65への制御信号も挙げることができる。
電子制御ユニット70は、エンジン12の回転数Neや負荷率(エンジン12の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の割合)KLを演算している。回転数Neは、クランクポジションセンサ14aからのクランク角θcrに基づいて演算される。負荷率KLは、エアフローメータ23aからの吸入空気量Qaと回転数Neとに基づいて演算される。
こうして構成された実施例のエンジン装置10では、電子制御ユニット70は、エンジン12の要求負荷率KL*に基づいて、スロットルバルブ26の開度を制御する吸入空気量制御や、筒内噴射弁28からの燃料噴射量を制御する燃料噴射制御、点火プラグ31の点火時期を制御する点火制御、ウェイストゲートバルブ44の開度を制御する過給制御、パージ制御バルブ65の開度を制御するパージ制御などを行なう。なお、吸入空気量制御では、パージ制御に伴って吸気管23に供給される蒸発燃料ガスの流量が多いほどスロットル開度THが小さくなるようにスロットルバルブ26を制御する。燃料噴射制御では、パージ制御に伴って吸気管23に供給される蒸発燃料ガスの流量が多い(これに伴ってエンジン12の空燃比がリッチ側になる)ほど燃料噴射量が少なくなるように筒内噴射弁28を制御する。
次に、実施例のエンジン装置10の動作、特に、パージ制御について説明する。図3は、パージ制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図4は、自然吸気域および過給域のうちの何れであるかを判定するための過給域判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。ここで、「自然吸気域」は、パージを実行しているときにパージが上流パージを含まない(下流パージだけである)ことを意味し、「過給域」は、パージを実行しているときにパージが上流パージを含むことを意味する。「パージが上流パージを含む」は、燃焼室30に供給される蒸発燃料ガスのうちの少なくとも一部が第2パージ通路63を介して供給される蒸発燃料ガスであることを意味する。
図3のパージ制御ルーチンは、電子制御ユニット70により、パージ条件が成立しているときに繰り返し実行される。ここで、パージ条件としては、例えば、エンジン12の運転制御(燃料噴射制御など)を行なっており、且つ、冷却水温Twが閾値Twref以上である条件などが用いられる。閾値Twrefとしては、例えば、55℃~65℃程度が用いられる。図4の過給域判定ルーチンは、電子制御ユニット70により繰り返し実行される。以下、説明の容易のために、自然吸気域および過給域のうちの何れであるかの判定について図4の過給域判定ルーチンを用いて説明し、その後に、この判定に基づくパージ制御について図3のパージ制御ルーチンを用いて説明する。
自然吸気域および過給域のうちの何れであるかの判定について図4の過給域判定ルーチンを用いて説明する。本ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70は、最初に、サージ圧Psを入力する(ステップS300)。ここで、サージ圧Psは、サージ圧センサ27aにより検出された値が入力される。
続いて、前回に本ルーチンを実行したときに設定した過給域フラグ(前回Fc)の値を調べる(ステップS310)。ここで、過給域フラグFcは、自然吸気域である(パージを実行しているときにパージが上流パージを含まない)と判定したときには値0が設定され、過給域である(パージを実行しているときにパージが上流パージを含む)と判定したときには値1が設定される。また、過給域フラグFcは、現在のトリップを開始するときに、初期値としての値0が設定される。
前回の過給域フラグ(前回Fc)が値0のとき、即ち、前回に自然吸気域であると判定したときには、サージ圧Psと閾値Psrefとを比較する(ステップS320)。ここで、閾値Psrefは、自然吸気域であるか過給域であるかの判定に用いられる閾値であり、実験や解析により予め定められる。閾値Psrefとしては、例えば、-6~-9kPa程度が用いられる。
ステップS320でサージ圧Psが閾値Psref未満であると判定したときには、自然吸気域であると判定し、過給域フラグFcに値0を設定して即ち値0で保持して(ステップS330)、本ルーチンを終了する。ステップS320でサージ圧Psが閾値Psref以上であると判定したときには、過給域であると判定し、過給域フラグFcに値1を設定して即ち値0から値1に切り替えて(ステップS360)、本ルーチンを終了する。
ステップS310で前回の過給域フラグ(前回Fc)が値1のとき、即ち、前回に過給域であると判定したときには、サージ圧Psと閾値Psrefとを比較する(ステップS340)。サージ圧Psが閾値Psref以上であると判定したときには、過給域であると判定し、過給域フラグFcに値1を設定して即ち値1で保持して(ステップS360)、本ルーチンを終了する。
ステップS340でサージ圧Psが閾値Psref未満であると判定したときには、サージ圧Psが閾値Psref未満に至ってから所定時間T1が経過したか否かを判定する(ステップS350)。所定時間T1の詳細については後述する。サージ圧Psが閾値Psref未満に至ってから所定時間T1が経過していないと判定したときには、過給域であると判定し、過給域フラグFcに値1を設定して即ち値1で保持して(ステップS360)、本ルーチンを終了する。サージ圧Psが閾値Psref未満に至ってから所定時間T1が経過したと判定したときには、自然吸気域であると判定し、過給域フラグFcに値0を設定して即ち値1から値0に切り替えて(ステップS330)、本ルーチンを終了する。
所定時間T1は、上流パージの際に蒸発燃料ガスがサージタンク27(燃焼室30)に到達するまでの時間と下流パージの際に蒸発燃料ガスがサージタンク27(燃焼室30)に到達するまでの時間との差分として実験や解析により定められる。上流パージの際に蒸発燃料ガスが第2パージ通路63および吸気管23を介してサージタンク27(燃焼室30)に到達するまでの経路容積(第2パージ通路63と吸気管23の略全体とに基づく経路容積)は、下流パージの際に蒸発燃料ガスが第1パージ通路62および吸気管23を介してサージタンク27(燃焼室30)に到達するまでの経路容積(第1パージ通路62と吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側の部分とに基づく経路容積)に比して大きい。このため、上流パージの際に蒸発燃料ガスがサージタンク27(燃焼室30)に到達するまでの時間は、下流パージの際に蒸発燃料ガスがサージタンク27(燃焼室30)に到達するまでの時間に比して長くなる。したがって、パージを実行しているときにおいて、サージ圧Psが閾値Psref以上の状態から閾値Psref未満に至ったときに、しばらくの間は、第2パージ通路63に残留している蒸発燃料ガスと第1パージ通路62に新たに供給される蒸発燃料ガスとが吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側で合流してサージタンク27(燃焼室30)に供給されると想定される。実施例では、これを踏まえて、過給域フラグFcが値1のときには、サージ圧Psが閾値Psref以上の状態から閾値Psref未満に至ってから所定時間T1が経過するのを待って、過給域フラグFcを値0に切り替えるものとした。これにより、自然吸気域および過給域のうちの何れであるかをより適切に判定することができる。
図5は、サージ圧Psと過給域フラグFcとの様子の一例を示す説明図である。図示するように、過給域フラグFcが値0でサージ圧Psが閾値Psref以上に至ると(時刻t11)、過給域フラグFcを値1に切り替える。その後に、サージ圧Psが閾値Psref未満に至り(時刻t12)、サージ圧Psが閾値Psref未満で所定時間T1が経過すると(時刻t13)、過給域フラグFcを値0に切り替える。
次に、パージ制御について図3のパージ制御ルーチンを用いて説明する。本ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70は、最初に、吸入空気量Qaや吸気圧Pin、過給圧Pc、サージ圧Ps、過給域フラグFcなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、吸入空気量Qaは、エアフローメータ23aにより検出された値が入力される。吸気圧Pinは、吸気圧センサ23bにより検出された値が入力される。過給圧Pcは、過給圧センサ23cにより検出された値が入力される。サージ圧Psは、サージ圧センサ27aにより検出された値が入力される。過給域フラグFcは、図4の過給域判定ルーチンにより設定された値が入力される。
こうしてデータを入力すると、サージ圧Psと過給圧Pcから吸気圧Pinを減じた値とに基づいて全開パージ流量Qpmaxを推定し(ステップS110)、全開パージ流量Qpmaxを吸入空気量Qaで除して上限パージ率Rplimを推定する(ステップS120)。ここで、全開パージ流量Qpmaxは、パージ制御バルブ65の駆動デューティを100%としたときのパージ流量(吸気管23に供給される蒸発燃料ガスの体積流量)である。この全開パージ流量Qpmaxは、サージ圧Psと過給圧Pcから吸気圧Pinを減じた値とを全開パージ流量推定用マップに適用して求めることができる。全開パージ流量推定用マップは、サージ圧Psと過給圧Pcから吸気圧Pinを減じた値と全開パージ流量Qpmaxとの関係として実験や解析により予め定められる。図6は、全開パージ流量推定用マップの一例を示す説明図である。図示するように、全開パージ流量Qpmaxは、サージ圧Psが小さい(負の値としての絶対値が大きい)ほど多くなり、且つ、過給圧Pcから吸気圧Pinを減じた値が大きいほど多くなるように設定される。「パージ率」は、吸入空気量に対する蒸発燃料ガス量の割合を意味する。
続いて、過給域フラグFcを調べる(ステップS130)。過給域フラグFcが値0のとき、即ち、自然吸気域である(パージを実行しているときにパージが上流パージを含まない)と判定したときには、目標パージ率Rptgを設定すると共に(ステップS140)、値Qp1を吸入空気量Qaで除して上限パージ率Rplimを設定する(ステップS150)。過給域フラグFcが値1のとき、即ち、過給域である(パージを実行しているときにパージが上流パージを含む)と判定したときには、目標パージ率Rptgを設定すると共に(ステップS160)、値Qp1よりも小さい値Qp2を吸入空気量Qaで除して上限パージ率Rplimを設定する(ステップS170)。
ここで、目標パージ率Rptgは、各トリップで、パージ条件の初回の成立期間(パージ条件の成立が開始してから中断または終了するまでの期間)には、開始パージ率Rpst1から徐々に(例えば、レート値ΔRp1を用いたレート処理により)大きくなるように設定される。また、目標パージ率Rptgは、各トリップで、パージ条件の2回目以降の成立期間(パージ条件の成立が再開してから中断または終了するまでの期間)には、再開パージ率Rpst2から徐々に(例えば、レート値ΔRp2を用いたレート処理により)大きくなるように設定される。開始パージ率Rpst1や再開パージ率Rpst2としては、エンジン12の空燃比の乱れを抑制するために比較的小さい値が用いられる。また、開始パージ率Rpst1や再開パージ率Rpst2、レート値ΔRp1,ΔRp2のうちの少なくとも1つは、過給域フラグFcが値1であるときには、過給域フラグFcが値0であるときに比して小さい値が設定される。なお、パージ条件の成立が中断するときとしては、例えば、エンジン装置10が搭載される車両の走行中にアクセルオフされてエンジン12の燃料カットを行なっている(エンジン12の運転制御を中断している)ときなどが挙げられる。「パージ率」は、吸入空気量に対する蒸発燃料ガス量の割合を意味する。
また、値Qa1,Qa2は、エンジン12の各気筒の燃焼室30に供給される蒸発燃料ガスのバラツキを制限するための値として実験や解析により予め定められる。パージを実行しているときにおいて、過給域である(パージが上流パージを含む)ときには、自然吸気域である(パージが上流パージを含ない)ときに比して、蒸発燃料ガスがパージ制御バルブ65を通過してから燃焼室30に至るまでの経路容積が大きいため、吸気管23などで流体の流れが乱れやすく、各気筒の燃焼室30に供給される蒸発燃料ガスの量がばらつきやすく、気筒間で空燃比がばらつきやすい。そして、これらのばらつきは、蒸発燃料ガス量が多いほど大きくなりやすい。なお、吸気管23での流体の乱れは、吸気管23のコンプレッサ41から燃焼室30までの部分が歪曲している場合により生じやすい。したがって、値Qa2は、値Qa1に比して小さい値として定められる。このようにして、過給域フラグFcが値1のときの上限パージ率Rplimを過給域フラグFcが値0のときの上限パージ率Rplimに比して小さい値とするのである。
こうして上限パージ率Rplimを設定すると、目標パージ率Rptgを全開パージ率Rpmaxおよび上限パージ率Rplimで制限(上限ガード)して要求パージ率Rprqの仮値としての仮要求パージ率Rprqtmpを設定する(ステップS180)。即ち、目標パージ率Rptgと全開パージ率Rpmaxと上限パージ率Rplimとのうちの最小値を仮要求パージ率Rprqtmpに設定する。
続いて、パージ制御バルブ65の下限通電時間Tminをパージ制御バルブ65の駆動周期Tprdで除した値をパージ制御バルブ65の下限デューティDminに設定する(ステップS190)。ここで、パージ制御バルブ65の下限通電時間Tminは、パージ制御バルブ65が開成されてからの時間(駆動通電時間)とパージ流量との関係が非線形から線形に切り替わる時間である。図7は、パージ制御バルブ65の駆動通電時間とパージ流量との関係の一例を示す説明図である。図示するように、パージ制御バルブ65の特性として、駆動通電時間が下限通電時間Tmin未満のときには、駆動通電時間とパージ流量との関係が非線形となり、駆動通電時間が下限通電時間Tmin以上に至ると、駆動通電時間とパージ流量との関係が線形となる。
こうしてパージ制御バルブ65の下限デューティDminを設定すると、上述の全開パージ率Rpmaxと下限デューティDminとの積を下限パージ率Rpminに設定する(ステップS200)。上述したように、パージ制御バルブ65の下限通電時間Tminが、パージ制御バルブ65の駆動通電時間とパージ流量との関係が非線形から線形に切り替わる時間であるから、下限パージ率Rpminは、パージ制御バルブ65の駆動通電時間とパージ流量との関係が非線形から線形に切り替わるパージ率(パージ制御バルブ65の開度Opvの制御によりパージ流量を精度よく制御可能なパージ率範囲の下限)を意味する。
続いて、仮要求パージ率Rprqtmpを下限パージ率Rpminと比較する(ステップS210)。仮要求パージ率Rprqtmpが下限パージ率Rpmin以上のときには、仮要求パージ率Rprqtmpを要求パージ率Rprqに設定し(ステップS220)、要求パージ率Rprqを全開パージ率Rpmaxで除した値をパージ制御バルブ65の駆動デューティDdrに設定する(ステップS240)。そして、設定した駆動デューティDdrを用いてパージ制御バルブ65を制御して(ステップS250)、本ルーチンを終了する。
この場合、目標パージ率Rptgと全開パージ率Rpmaxと上限パージ率Rplimとのうちの最小値が設定された仮要求パージ率Rprqtmpを要求パージ率Rprqに設定する。このため、自然吸気域では、値Qp1を吸入空気量Qaで除して得られる上限パージ率Rplim以下の範囲内で要求パージ率Rprqを設定してパージ制御バルブ65を制御し、過給域では、値Qp1よりも小さい値Qp2を吸入空気量Qaで除して得られる上限パージ率Rplim以下の範囲内で要求パージ率Rprqを設定してパージ制御バルブ65を制御することになると言える。これにより、自然吸気域や過給域でエンジン12の各気筒の燃焼室30に供給される蒸発燃料ガスのバラツキを抑制することができる。吸気管23のコンプレッサ41から燃焼室30までの部分が歪曲している場合には、上述したように、吸気管23での流体の乱れがより生じやすいから、こうした処理を行なう意義がより大きい。
また、実施例では、上述したように、過給域フラグFcが値1であるときには、過給域フラグFcが値0であるときに比して、目標パージ率Rptgの設定に用いる開始パージ率Rpst1や再開パージ率Rpst2、レート値ΔRp1,ΔRp2のうちの少なくとも1つを小さい値とする。過給域である(パージが上流パージを含む)ときには、自然吸気域である(パージが上流パージを含ない)ときに比して、蒸発燃料ガスがパージ制御バルブ65を通過してから燃焼室30に至るまでの経路容積が大きいことや、過給圧Pcの変動が生じることなどにより、燃料噴射制御によりフロント空燃比AF1が不安定になりやすい。これを踏まえて、過給域フラグFcが値1であるときに、過給域フラグFcが値0のときに比して、開始パージ率Rpst1や再開パージ率Rpst2、レート値ΔRp1,ΔRp2を小さくするひいては目標パージ率Rptgを小さくすることにより、フロント空燃比AF1が不安定になるのを抑制することができる。
ステップS210で仮要求パージ率Rprqtmpが下限パージ率Rpmin未満のときには、値0を要求パージ率Rprqに設定し(ステップS230)、要求パージ率Rprqを全開パージ率Rpmaxで除した値、即ち、値0をパージ制御バルブ65の駆動デューティDdrに設定する(ステップS240)。そして、設定した駆動デューティDdrを用いてパージ制御バルブ65を制御して(ステップS250)、本ルーチンを終了する。これにより、パージ流量を精度よく制御できない範囲内でパージ制御バルブ65を制御するのを回避することができる。
以上説明した実施例のエンジン装置10では、過給域では、エンジン12の各気筒の燃焼室30に供給される蒸発燃料ガスのバラツキを制限するための値として予め定められた値Qa2に基づく上限パージ率Rplim以下の範囲内で要求パージ率Rprqを設定してパージ制御バルブ65を制御する。これにより、過給域で、エンジン12の各気筒の燃焼室30に供給される蒸発燃料ガスのバラツキを抑制することができる。
実施例のエンジン装置10では、エンジン12のハード構成の説明を省略したが、エンジン12は、V型エンジンとして構成され、吸気管23のインタークーラ25よりも上流側の部分と、排気管35と、過給機40とが、第1バンク用と第2バンク用として2つずつ(各バンクに対応して)設けられると共に、吸気管23のインタークーラ25よりも下流側の部分が、第1,第2バンク共用として設けられるものとしてもよい。この場合、蒸発燃料処理装置50の第1パージ通路62は、吸気管23の第1,第2バンク共用として設けられた部分(インタークーラ25よりも下流側の部分、図1と同様)に接続され、還流通路68およびエゼクタ69は、吸気管23の第1バンク用として設けられた部分(インタークーラ25よりも上流側の部分)に接続されるものとしてもよい。こうしたハード構成のエンジン12では、過給域で、エンジン12の気筒間、特に、第1バンクの気筒と第2バンクの気筒との気筒間で、蒸発燃料ガスの量がばらつきやすく、空燃比がばらつきやすい。このため、上述の値Qa2を適切に定め、過給域で、値Qa2に基づく上限パージ率Rplim以下の範囲内で要求パージ率Rprqを設定してパージ制御バルブ65を制御することの意義がより大きい。
実施例のエンジン装置10では、過給域フラグFcに基づいて、目標パージ率Rptg(開始パージ率Rpst1、再開パージ率Rpst2、レート値ΔRp1,ΔRp2のうちの少なくとも1つ)および上限パージ率Rplim(値Qp1/Qa、または、値Qp2/Qa)を異なるものとした。しかし、過給域フラグFcに基づいて、少なくとも上限パージ率Rplimを異なるものとすればよいしたがって、過給域フラグFcに拘わらずに目標パージ率Rptgを同一としてもよいし、過給域フラグFcに基づいて、目標パージ率Rptgや上限パージ率Rplim以外のパージ制御バルブ65の制御に関するパラメータを異なるものとしてもよい。
実施例のエンジン装置10では、エンジン12は、燃焼室30内に燃料を噴射する筒内噴射弁28を備えるものとした。しかし、エンジン12は、筒内噴射弁28に加えてまたは代えて、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁を備えるものとしてもよい。
実施例のエンジン装置10では、過給機40は、吸気管23に配置されるコンプレッサ41と排気管35に配置されるタービン42とが回転軸43を介して連結されるターボチャージャとして構成されるものとした。しかし、これに代えて、エンジン12やモータにより駆動されるコンプレッサが吸気管23に配置されるスーパーチャージャとして構成されるものとしてもよい。
実施例のエンジン装置10では、蒸発燃料処理装置50において、共通通路61は、導入通路52のキャニスタ56付近に接続されるものとした。しかし、キャニスタ56に接続されるものとしてもよい。
実施例では、一般的な自動車や各種のハイブリッド自動車に搭載されるエンジン装置10の形態とした。しかし、自動車以外の車両に搭載されるエンジン装置の形態としてもよいし、建設設備などの移動しない設備に搭載されるエンジン装置の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン12が「エンジン」に相当し、過給機40が「過給機」に相当し、蒸発燃料処理装置50が「蒸発燃料処理装置」に相当し、電子制御ユニット70が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
10 エンジン装置、11 燃料タンク、11a 内圧センサ、12 エンジン、14
クランクシャフト、14a クランクポジションセンサ、16 水温センサ、17 低圧側燃料通路、18 高圧ポンプ、19 高圧側燃料通路、22 エアクリーナ、23 吸気管、23a エアフローメータ、23b 吸気圧センサ、23c 過給圧センサ、23t 吸気温センサ、24 バイパス管、25 インタークーラ、26 スロットルバルブ、26a スロットルポジションセンサ、27 サージタンク、27a サージ圧センサ、27b 温度センサ、28 筒内噴射弁、28a 燃圧センサ、29 吸気バルブ、30 燃焼室、31 点火プラグ、32 ピストン、34 排気バルブ、35 排気管、35a フロント空燃比センサ、35b リヤ空燃比センサ、36 バイパス管、37,38 浄化装置、40 過給機、41 コンプレッサ、42 タービン、43 回転軸、44 ウェイストゲートバルブ、45 ブローオフバルブ、50 蒸発燃料処理装置、52 導入通路、53 開閉バルブ、54 バイパス通路、54a,54b 分岐部、55a,55b リリーフバルブ、55b リリーフバルブ、56 キャニスタ、57 大気開放通路、58 エアフィルタ、61 共通通路、61a 分岐点、62 第1パージ通路、63 第2パージ通路、63a OBD用センサ、64 バッファ部、65 パージ制御バルブ、65a パージ制御バルブポジションセンサ、66 逆止弁、67 逆止弁、68 還流通路、69 エゼクタ、70 電子制御ユニット。

Claims (1)

  1. 吸気管に配置されたスロットルバルブを有し、燃料タンクから供給される燃料を用いた各気筒の燃焼室での爆発燃焼により動力を出力する複数気筒のエンジンと、
    前記吸気管の前記スロットルバルブよりも上流側に配置されたコンプレッサを有する過給機と、
    前記燃料タンク内で発生した蒸発燃料を含む蒸発燃料ガスを前記吸気管の前記スロットルバルブよりも下流側に接続された第1パージ通路と第2パージ通路とに分岐して前記吸気管に供給する供給通路と、前記吸気管の前記コンプレッサと前記スロットルバルブとの間からの還流通路に吸気ポートが接続され且つ前記吸気管の前記コンプレッサよりも上流側に排気ポートが接続され且つ前記第2パージ通路に吸引ポートが接続されたエゼクタと、前記供給通路に設けられたパージ制御バルブと、を有する蒸発燃料処理装置と、
    前記蒸発燃料ガスを前記吸気管を介して前記燃焼室に供給するパージを実行するときには、要求パージ率に基づいて前記パージ制御バルブを制御する制御装置と、
    を備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、過給域では、前記各気筒の前記燃焼室に供給される前記蒸発燃料ガスのバラツキを制限するための上限パージ率以下の範囲内で前記要求パージ率を設定する、
    エンジン装置。
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