JP2021534093A - 腫瘍処置用医薬の製造におけるtim−3抗体の使用 - Google Patents
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Abstract
腫瘍処置用医薬の製造におけるTIM−3抗体の使用を開示する。特に、非小細胞肺がん処置用医薬の製造におけるTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントの使用を提供し、TIM−3抗体は、配列番号33で示される重鎖可変領域および配列番号36で示される軽鎖可変領域を含む。さらに、併用による腫瘍処置用医薬の製造におけるTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントおよびPD−1抗体またはその抗原結合フラグメントの使用を提供する。
Description
本開示は、腫瘍処置用医薬の製造におけるTIM−3抗体の使用に関する。
A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR−2)とも称されるT細胞免疫グロブリン・ムチンドメイン含有分子3(TIM−3)は、TIMファミリーのメンバーであるI型膜表面タンパク質である。ヒトTIM−3分子は301アミノ酸からなり、シグナルペプチド、Ig可変領域(IgV領域)、Ser/Thrに富むムチン領域、膜貫通領域、および細胞質領域を含み;ヒトTIM−3はマウスTIM−3との相同性が63%である。
TIM−3は、多くの方法で免疫系の機能を調節することができる。それはTh1細胞表面のリガンドGal−9に結合してTh1細胞応答をダウンレギュレートし、Th1細胞のアポトーシスを誘導することができる。それは自己および同種免疫疾患(例えば全身性ループス、喘息)ならびに免疫寛容において重要な役割を果たす。
さらに、TIM−3は、免疫細胞において発現されるだけではなく、卵巣がん、髄膜腫およびメラノーマといった腫瘍細胞においても過剰発現され、腫瘍増殖を直接に促進する。TIM−3発現をダウンレギュレートすることにより、Hela細胞の浸潤および転移を有意に抑制することができる。TIM−3の過剰発現は、肺がん、胃がん、前立腺がんおよび子宮頸がんの予後不良に密接に関連する。血液がんにおいては、TIM−3は急性骨髄性白血病の白血病幹細胞およびMDS患者の造血幹細胞において過剰発現し、TIM−3+造血幹細胞は、低分化、低アポトーシスおよび高増殖といった、悪性の生物学的特徴を有する。したがって、自然免疫系の機能を改善するためのTIM−3活性の阻害(例えばTIM−3抗体)は、腫瘍の新たな処置方法となることが期待される(例えば、Ngiow et a1., Cancer Res., 71(21): 1-5 (2011); Guo et a1., Journal of Translational Medicine, 11: 215 (2013); および Ngiow et a1., Cancer Res., 71(21): 6567-6571 (2011)参照)。
現在、TIM−3抗体は、いくつかの特許出願、例えばWO2011159877、WO2013006490、WO2015117002、WO2016144803、WO2016161270、US20150218274において記載されている。
WO2018153366(出願日:2018年2月26日)には、活性が高く親和性および安定性に優れる新規TIM−3抗体が記載されている。
腫瘍の免疫療法の例として、PD−1抗体の効果は明らかである。臨床データにより、PD−1抗体は、5年生存率を悪性腫瘍患者において17%から34%に、非小細胞肺がん患者において4%から16%に高めうることが示されている。しかしながら、すべての患者がPD−1抗体の恩恵を受けることができるわけではなく、PD−1抗体は全く効果がないか、または効果を短期間維持するに過ぎないことがある。
PD−1抗体に対する耐性の理由の1つは、腫瘍が新たな免疫回避経路であるTIM−3を生じていることにあると、Nature Communication(2016年2月)に報告されている。この研究において、抗PD−1耐性マウスモデルの作製にEGFR(T790M/L858)およびKRAS(G12D)変異肺がんマウスモデルがそれぞれ用いられた。研究者はまず、処置前および抗PD−1処置に対する耐性後のマウス腫瘍におけるT細胞数の変化を分析し;次いで、TIM−3陽性発現と抗PD−1処置に対する耐性との関係を特に分析し;TIM−3陽性発現は抗PD−1処置の期間に対して有意に時間依存的であり、TIM−3陽性発現は処置前および処置感受性期間中は低いが、TIM−3陽性発現は薬剤耐性が生じた後は有意に増加することを見出した。TIM−3陽性発現は、T細胞におけるPD−1抗体の結合度にも有意に関連づけられる。PD−1抗体に対するT細胞の結合度が高いほど、TIM−3陽性発現が高い。結論として、抗PD−1療法が有効でないことは、TIM−3発現のアップレギュレーションに関連付けられる。この分子は、T細胞の機能を抑制しT細胞不全を促進することによって、PD−1/L1と同様の方法で免疫回避を促進する(Nature volume 545, pages 60-65)。さらに、悪性腫瘍または進行固形腫瘍の処置用に、PD1との組み合わせられた2つのTIM−3抗体が臨床研究段階にある(NCT02608268およびNCT02817637)。この理由により、単独で、またはPD−1との組み合わせで投与される新たな腫瘍処置用TIM−3抗体の開発に、医薬研究者の関心が集まっている。
本開示は、腫瘍処置用医薬の製造におけるTIM−3抗体の使用を提供する。
いくつかの態様において、TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号14、15および16のアミノ酸配列またはそれとの配列同一性が少なくとも95%であるアミノ酸配列で示される抗体重鎖可変領域HCDRの配列;および配列番号17、18および19のアミノ酸配列またはそれとの配列同一性が少なくとも95%であるアミノ酸配列で示される抗体軽鎖可変領域LCDRの配列、からなる群から選択される1つ以上のCDR領域配列を含む。
いくつかの態様において、TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号8、43および10のアミノ酸配列またはそれとの配列同一性が少なくとも95%であるアミノ酸配列で示される抗体重鎖可変領域HCDRの配列;および配列番号11、12および13のアミノ酸配列またはそれとの配列同一性が少なくとも95%であるアミノ酸配列で示される抗体軽鎖可変領域LCDRの配列、からなる群から選択される1つ以上のCDR領域配列を含み、ここで、配列番号43は配列DIIPX1X2X3GSKYNQKFKDで示され、ここで、X1はN、L、V、MまたはEから選択され、X2はN、E、M、H、K、L、AまたはVから選択され、X3はGまたはAから選択される。
好ましくは、いくつかの態様において、TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントは、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはその抗原結合フラグメントからなる群から選択される。
いくつかの態様において、ヒト化抗体軽鎖および重鎖可変領域の軽鎖および重鎖FR領域配列は、ヒト生殖細胞系列軽鎖および重鎖またはその変異配列にそれぞれ由来する。
さらに、いくつかの態様において、ヒト化抗体は、配列番号31で示される重鎖可変領域またはそのバリアントを含み、好ましくはバリアントは配列番号31で示される重鎖可変領域と比較して1〜10のアミノ酸変異を含み、より好ましくはアミノ酸変異はアミノ酸復帰変異Q3KおよびR87Kであり;ヒト化抗体は、配列番号32で示される軽鎖可変領域またはそのバリアントを含み、好ましくはバリアントは配列番号32で示される軽鎖可変領域と比較して1〜10のアミノ酸変異を含み、より好ましくはアミノ酸変異はアミノ酸復帰変異Q3KおよびI48V、K45Q、A43SおよびT85Sからなる群から選択される。
上記ヒト化抗体重鎖および軽鎖可変領域の配列は次のとおりである:
重鎖可変領域の配列の配列番号31:
軽鎖可変領域の配列の配列番号32:
注:並びはFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4であり、配列中のイタリック体はFR配列を表し、下線はCDR配列を表す。
重鎖可変領域の配列の配列番号31:
軽鎖可変領域の配列の配列番号32:
注:並びはFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4であり、配列中のイタリック体はFR配列を表し、下線はCDR配列を表す。
いくつかの態様において、ヒト化抗体は、配列番号20で示される重鎖可変領域またはそのバリアントを含み、好ましくはバリアントは配列番号20で示される重鎖可変領域と比較して1〜10のアミノ酸変異を含み、より好ましくはアミノ酸変異はアミノ酸復帰変異D89E、R98T、G49A、M48I、M70L、R38KおよびV68Aであり;ヒト化抗体は、配列番号21で示される軽鎖可変領域またはそのバリアントを含み、好ましくはバリアントは配列番号21で示される軽鎖可変領域と比較して1〜10のアミノ酸変異を含み、より好ましくはアミノ酸変異はアミノ酸復帰変異A43Sである。
前記ヒト化抗体重鎖および軽鎖可変領域の配列は次のとおりである:
重鎖可変領域配列の配列番号20:
軽鎖可変領域配列の配列番号21:
注:並びはFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4であり、配列中のイタリック体はFR配列を表し、下線はCDR配列を表す。
重鎖可変領域配列の配列番号20:
軽鎖可変領域配列の配列番号21:
注:並びはFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4であり、配列中のイタリック体はFR配列を表し、下線はCDR配列を表す。
好ましくは、TIM−3抗体は、さらにヒト抗体定常領域を含み、好ましくは配列番号41で示されるヒト重鎖定常領域配列および好ましくは配列番号42で示されるヒト軽鎖定常領域配列を含む、完全長抗体である。
いくつかの態様において、TIM−3抗体の抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab’)2、一本鎖抗体(scFv)、二量体化V領域(ディアボディ)、ジスルフィド結合安定化V領域(dsFv)、およびCDRを含むペプチドの抗原結合フラグメントからなる群から選択される。
他の一側面において、本開示による使用において記載されるTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントは、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントと組み合わせて投与される。
抗PD−1抗体は知られており、AMP−224、GLS−010、IBI−308、REGN−2810、PDR−001、BGB−A317、ピジリズマブ、PF−06801591、ゲノリムズマブ(Genolimzumab)、CA−170、MEDI−0680、JS−001、TSR−042、カムレリズマブ、ぺムブロリズマブ、LZM−009、AK−103およびニボルマブから選択することができるが、それに限定されない。
好ましくは、PD−1抗体の軽鎖可変領域は、配列番号76、配列番号77および配列番号78でそれぞれ示されるLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含み;抗PD−1抗体の重鎖可変領域は、配列番号73、配列番号74および配列番号75でそれぞれ示されるHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む。
好ましくは、抗PD−1抗体はヒト化抗体またはそのフラグメントである。
他の一態様において、本開示における抗PD−1抗体の抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’−SH、Fv、scFvおよび(Fab’)2フラグメントからなる群から選択される抗体フラグメントである。
免疫グロブリンは、IgA、分泌型IgA、IgGおよびIgMを包含するがそれに限定されない、知られている任意のアイソタイプに由来しうる。IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を包含するがそれに限されないIgGのサブクラスも当業者に知られている。「アイソタイプ」とは、重鎖定常領域遺伝子によってコードされるAbクラスまたはサブクラス(例えばIgMまたはIgG1)をいう。他のいくつかの態様において、本開示における抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含み、好ましくはIgG1またはIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含む。
他のいくつかの態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、κまたはλの軽鎖定常領域を含む。
さらに、好ましくは、ヒト化抗体軽鎖可変領域の配列は、配列番号82で示される配列またはそのバリアントであり、好ましくは、バリアントは軽鎖可変領域において0〜10のアミノ酸変異を有し、より好ましくは、アミノ酸変異はA43Sであり;ヒト化抗体重鎖可変領域の配列は、配列番号81またはそのバリアントで示され、好ましくは、バリアントは重鎖可変領域において0〜10のアミノ酸変異を有し、より好ましくは、アミノ酸変異はG44Rである。
好ましくは、ヒト化抗PD−1抗体軽鎖配列は、配列番号80で示される配列またはそのバリアントであり;好ましくは、バリアントは軽鎖可変領域において0〜10のアミノ酸変異を有し、より好ましくは、アミノ酸変異はA43Sであり;ヒト化抗体重鎖配列は、配列番号79で示される配列またはそのバリアントであり、好ましくは、バリアントは重鎖可変領域において0〜10のアミノ酸変異を有し、より好ましくは、アミノ酸変異はG44Rである。
本開示において記載するTIM−3抗体と組み合わせた抗PD−1抗体は、腫瘍処置用医薬の製造において薬学的相乗効果を示す。
本書に記載するTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントのヒト対象における投与量(患者体重にしたがって投与される)は、疾患の種類および重篤度によって、0.1〜10.0mg/kgであり、これは0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、1.0mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、2.6mg/kg、2.8mg/kg、3.0mg/kg、3.2mg/kg、3.4mg/kg、3.6mg/kg、3.8mg/kg、4.0mg/kg、4.2mg/kg、4.4mg/kg、4.6mg/kg、4.8mg/kg、5.0mg/kg、5.2mg/kg、5.4mg/kg、5.6mg/kg、5.8mg/kg、6.0mg/kg、6.2mg/kg、6.4mg/kg、6.6mg/kg、6.8mg/kg、7.0mg/kg、7.2mg/kg、7.4mg/kg、7.6mg/kg、7.8mg/kg、8.0mg/kg、8.2mg/kg、8.4mg/kg、8.6mg/kg、8.8mg/kg、9.0mg/kg、9.2mg/kg、9.4mg/kg、9.6mg/kg、9.8mg/kg、10.0mg/kgでありうる。
他の一態様において、TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントのヒト対象における投与量(患者体重にしたがって投与される)は、1mg〜1000mgであり、これは、1.0mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mg、2.0mg、2.2mg、2.4mg、2.6mg、2.8mg、3.0mg、3.2mg、3.4mg、3.6mg、3.8mg、4.0mg、4.2mg、4.4mg、4.6mg、4.8mg、5.0mg、5.2mg、5.4mg、5.6mg、5.8mg、6.0mg、6.2mg、6.4mg、6.6mg、6.8mg、7.0mg、7.2mg、7.4mg、7.6mg、7.8mg、8.0mg、8.2mg、8.4mg、8.6mg、8.8mg、9.0mg、9.2mg、9.4mg、9.6mg、9.8mg、10.0mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、395mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、650mg、655mg、660mg、665mg、670mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mg、705mg、710mg、715mg、720mg、725mg、730mg、735mg、740mg、745mg、750mg、755mg、760mg、765mg、770mg、775mg、780mg、785mg、790mg、795mg、800mg、805mg、810mg、815mg、820mg、825mg、830mg、835mg、840mg、845mg、850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、950mg、955mg、960mg、965mg、970mg、975mg、980mg、985mg、990mg、995mg、1000mg、好ましくは50〜600mg、最も好ましくは200mgでありうる。
投与頻度は疾患の種類および重篤度によって異なりうる。いくつかの態様において、本開示において記載するTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントの投与頻度は、週1回、2週に1回、3週に1回、4週に1回、6週に1回、または8週に1回である。
他の一態様において、本開示において記載するTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト対象に、2〜3週毎に1回につき50〜600mgの用量で投与される。しかしながら、他の用量も有用であり得、好ましくは2〜3週毎に1回につき200mgである。
本書に記載される抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントのヒト対象における投与量は、0.1〜10.0mg/kgであり、これは0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、1.0mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、2.6mg/kg、2.8mg/kg、3.0mg/kg、3.2mg/kg、3.4mg/kg、3.6mg/kg、3.8mg/kg、4.0mg/kg、4.2mg/kg、4.4mg/kg、4.6mg/kg、4.8mg/kg、5.0mg/kg、5.2mg/kg、5.4mg/kg、5.6mg/kg、5.8mg/kg、6.0mg/kg、6.2mg/kg、6.4mg/kg、6.6mg/kg、6.8mg/kg、7.0mg/kg、7.2mg/kg、7.4mg/kg、7.6mg/kg、7.8mg/kg、8.0mg/kg、8.2mg/kg、8.4mg/kg、8.6mg/kg、8.8mg/kg、9.0mg/kg、9.2mg/kg、9.4mg/kg、9.6mg/kg、9.8mg/kg、10.0mg/kgでありうる。
他の一態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントのヒト対象における投与量は、1mg〜1000mgであり、これは1.0mg、1.2mg、1.4mg、1.6mg、1.8mg、2.0mg、2.2mg、2.4mg、2.6mg、2.8mg、3.0mg、3.2mg、3.4mg、3.6mg、3.8mg、4.0mg、4.2mg、4.4mg、4.6mg、4.8mg、5.0mg、5.2mg、5.4mg、5.6mg、5.8mg、6.0mg、6.2mg、6.4mg、6.6mg、6.8mg、7.0mg、7.2mg、7.4mg、7.6mg、7.8mg、8.0mg、8.2mg、8.4mg、8.6mg、8.8mg、9.0mg、9.2mg、9.4mg、9.6mg、9.8mg、10.0mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、395mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、650mg、655mg、660mg、665mg、670mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mg、705mg、710mg、715mg、720mg、725mg、730mg、735mg、740mg、745mg、750mg、755mg、760mg、765mg、770mg、775mg、780mg、785mg、790mg、795mg、800mg、805mg、810mg、815mg、820mg、825mg、830mg、835mg、840mg、845mg、850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、950mg、955mg、960mg、965mg、970mg、975mg、980mg、985mg、990mg、995mg、1000mg、好ましくは50〜600mg、最も好ましくは200mgでありうる。
投与頻度は疾患の種類および重篤度によって異なりうる。いくつかの態様において、本開示において記載する抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントの投与頻度は、週1回、2週に1回、3週に1回、4週に1回、6週に1回、または8週に1回である。
他の一態様において、本開示において記載する抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト対象に、2〜3週毎に1回につき50〜600mgの用量で投与される。しかしながら、他の用量も有用であり得、好ましくは2〜3週毎に1回につき200mgである。
いくつかの態様において、TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントのヒト対象における投与量(患者体重にしたがって投与される)は0.1〜10.0mg/kgであり、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントの投与量は0.1〜10.0mg/kgである。
いくつかの態様において、TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントのヒト対象における投与量は1〜1000mgであり、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントの投与量は1〜1000mgであり、3週に1回投与される。
いくつかの態様において、TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントのヒト対象における投与量(患者体重にしたがって投与される)は1〜1000mgであり、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントの投与量は50〜600mgであり、3週に1回投与される。
ントの投与量は1〜1000mgであり、3週に1回投与される。
ントの投与量は1〜1000mgであり、3週に1回投与される。
いくつかの態様において、TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントのヒト対象における投与量(患者体重にしたがって投与される)は1〜1000mgであり、3週に1回投与され、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントのヒト対象における投与量(患者体重にしたがって投与される)は1〜1000mgである。
本開示において投与経路は、経口投与、非経口投与、経皮投与であり得、非経口投与は静脈内注射、皮下注射または筋肉内注射を包含するが、それに限定されない。
本開示の好ましい態様において、PD−1抗体は、皮下または静脈内注射のような注射により投与され、PD−1抗体は注射の前に注射可能な形態に製剤化されなければならない。特に、好ましくはPD−1抗体の注射可能形態は、PD−1抗体、緩衝剤、安定剤および場合により界面活性剤を含む、注射用溶液または凍結乾燥粉末である。緩衝剤は、アセテート、シトレート、スクシネートおよびホスフェートからなる群から選択される1つ以上でありうる。安定剤は糖またはアミノ酸から選択されてよく、好ましくは二糖、例えばスクロース、ラクトース、トレハロースおよびマルトースから選択されうる。界面活性剤は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸グリセリド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選択され、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは好ましくはポリソルベート20、40、60または80、最も好ましくはポリソルベート20である。PD−1抗体の最も好ましい注射可能形態は、PD−1抗体、酢酸緩衝剤、トレハロースおよびポリソルベート20を含む。
本開示は、抗TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントおよび抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、医薬キットまたは医薬組成物をも提供する。
本開示は、腫瘍を有する患者に処置有効量のTIM−3抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは/および抗PD−1抗体もしくはその抗原結合フラグメントを投与することを含む、腫瘍を処置する方法をも提供する。
本開示の使用において記載される腫瘍の例は、乳がん(例えばトリプルネガティブ乳がん)、肺がん、胃がん、結腸直腸がん(例えば直腸がん、結腸直腸がん)、腎臓がん(例えば腎細胞がん)、肝臓がん(例えば肝細胞がん)、メラノーマ(例えば転移性メラノーマ)、非小細胞肺がん、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、免疫芽球性肥満細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞白血病、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫および骨髄異形成症候群(MDS)からなる群から選択されるが、それに限定されない。
他の一態様において、本開示の使用における腫瘍は、非小細胞肺がん、乳がん(例えばトリプルネガティブ乳がん)、メラノーマ(例えば転移性メラノーマ)、腎臓がん、結腸直腸がん、または肝臓がん、好ましくは結腸直腸がんまたは非小細胞肺がんである。
特に別に指定されて、本開示における用語は下記の定義を有する:
本開示において、いわゆる「…と組み合わせて」とは、投与の方法で、少なくとも1つの用量のTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントおよび少なくとも1つの用量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントが、ある時間内に提供されて、両薬剤が薬理学的効能をもたらす薬理学的効果を示すことを意味する。この時間は、1投与サイクルでありうる。2つの薬剤は同時にまたは前後して投与されうる。
本開示において、いわゆる「…と組み合わせて」とは、投与の方法で、少なくとも1つの用量のTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントおよび少なくとも1つの用量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントが、ある時間内に提供されて、両薬剤が薬理学的効能をもたらす薬理学的効果を示すことを意味する。この時間は、1投与サイクルでありうる。2つの薬剤は同時にまたは前後して投与されうる。
本開示において用いられる「ヒト化抗体」は、CDRグラフト抗体としても知られるが、マウスCDR配列をヒト抗体可変領域フレームワークにグラフトすることによって作製される抗体(すなわち、さまざまな種類のヒト生殖細胞系列抗体フレームワーク配列内で作製される抗体)をさす。ヒト化抗体は、マウスタンパク質成分を多量に含むキメラ抗体によって誘導される強い抗体反応を克服する。そのようなフレームワーク配列は、生殖細胞系列抗体遺伝子配列を含む公のDNAデータベースまたは公開された文献から得ることができる。例えば、ヒト重鎖および軽鎖可変領域遺伝子の生殖細胞系列DNA配列は、「VBase」ヒト生殖細胞系列配列データベース(インターネットwww.mrccpe.com.ac.uk/vbaseにおいて利用可能)、およびKabat, EA, etc., 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th editionに見出すことができる。本開示の好ましい態様において、PD−1ヒト化抗体のCDR配列は、配列番号73、74、75、76、77および78からなる群から選択される。
本開示において用いられる「マウス抗体」は、当分野における知識および技術にしたがって作製されるヒトTIM−3に対するモノクローナル抗体である。作製において、試験対象にTIM−3抗原が注射され、その後、所望の配列または機能特性を有する抗体を発現するハイブリドーマが分離される。本発明のいくつかの好ましい態様において、マウスTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントは、マウスκ、λ鎖の軽鎖定常領域またはそのバリアントをさらに含むか、またはマウスIgG1、IgG2、IgG3の重鎖定常領域またはそのバリアントをさらに含む。
本開示において用いられる「キメラ抗体」は、マウス抗体の可変領域とヒト抗体の定常領域との融合によって形成される抗体であり、キメラ抗体はマウス抗体により誘導される免疫反応を軽減することができる。キメラ抗体を作製するために、特定のマウスモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマをまず作製し、マウスハイブリドーマ細胞から可変領域遺伝子をクローン化し、次いで所望のようにヒト抗体の定常領域遺伝子をクローン化し、マウス可変領域遺伝子とヒト定常領域遺伝子とを連結してキメラ遺伝子を作製し、それを次いで発現ベクターに挿入することができ、最後にキメラ抗体分子を真核または原核細胞系において発現させる。本発明の好ましい態様において、TIM−3キメラ抗体の抗体軽鎖は、ヒトκ、λ鎖の軽鎖定常領域またはそのバリアントをさらに含む。TIM−3キメラ抗体の抗体重鎖は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4の重鎖定常領域またはそのバリアントをさらに含み、好ましくはヒトIgG1、IgG2もしくはIgG4重鎖定常領域を含むか、またはアミノ酸変異(例えばYTE変異または復帰変異)を含むIgG1、IgG2またはIgG4バリアントを含む。
本開示において用いられる抗PD−1抗体の「抗原結合フラグメント」とは、抗原結合活性を有するFabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、およびヒトPD−1に結合するFvフラグメント、scFvフラグメントをさし;「抗原結合フラグメント」は、本開示において記載される抗体の配列番号1〜配列番号6から選択される1つ以上のCDR領域を含む。Fvフラグメントは、抗原結合部位をすべて有する最小の抗体フラグメントで、抗体重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含むが、定常領域は含まない。Fv抗体は一般に、VHおよびVLドメインの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、抗原結合に必要な構造を形成することができる。また、さまざまなリンカーを使用して2つの抗体の可変領域を連結して1つのポリペプチド鎖、すなわち一本鎖抗体または一本鎖Fv(sFv)を形成することができる。本開示において用語「PD−1に結合する」とは、ヒトPD−1と相互作用する能力をさす。本開示において用語「抗原結合部位」とは、本開示の抗体または抗原結合フラグメントによって認識される抗原上の個々の三次元部位をさす。
本開示において記載されるTIM−3抗体の「抗原結合フラグメント」または「機能的フラグメント」とは、抗原(例えばTIM−3)に特異的に結合する能力を維持している、抗体の1つ以上のフラグメントをいう。抗体の抗原結合機能の発揮のために、完全長抗体のフラグメントを使用できることがわかっている。抗体に係る用語「抗原結合フラグメント」に包含される結合フラグメントの例には、次のものが含まれる:(i)Fabフラグメント、すなわちVL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる1価フラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメント、すなわちヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFabフラグメントを含む2価フラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の1つのアームに由来するVHおよびVLドメインからなるFvフラグメント;(v)VHドメインからなるシングルドメインまたはdAbフラグメント(Ward et al., (1989) Nature 341: 544-546);および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)または(vii)場合により合成リンカーで連結された、2つ以上の単離されたCDRの組み合わせ。さらに、Fvフラグメントの2つのドメインVLおよびVHは個別の遺伝子によってコードされるが、組換え法を用いてそれらを合成リンカーによって連結して、1価分子を形成するようにVLおよびVH領域が相互にマッチされた単一のタンパク質鎖を生成できるようにすることができる(一本鎖Fv(scFv)と称される;例えば、Bird et al. (1988) Science 242: 423-426; およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci USA 85: 5879-5883を参照されたい)。そのような一本鎖抗体も、抗体に係る用語「抗原結合フラグメント」包含されることが意図される。そのような抗体フラグメントは、当業者に知られる従来の技術を使用して得られ、フラグメントは、インタクトな抗体と同様の方法で、その機能についてスクリーニングされる。抗原結合部分は、組換えDNA技術によって、またはインタクトな免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的断片化によって作製することができる。抗体は、さまざまなアイソタイプの抗体、例えばIgG(IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4サブタイプ)、IgA1、IgA2、IgD、IgEまたはIgM抗体でありうる。
Fabは、分子量が約50000の、抗原結合活性を有する抗体フラグメントで、IgG抗体分子をプロテアーゼであるパパインで処理することによって得られ(H鎖の位置224のアミノ酸残基を切断する)、H鎖のN末端側ほぼ半分およびL鎖全体がジスルフィド結合によって連結されたものである。
本開示において記載されるFabは、本発明のモノクローナル抗体(ヒトTIM−3を特異的に認識し、細胞外領域のアミノ酸配列またはその三次元構造に結合する)をパパインで処理することによって作製することができる。さらに、Fabは、抗体のFabをコードするDNAを原核細胞発現ベクターまたは真核細胞発現ベクターに挿入し、ベクターを原核または真核生物に導入してFabを発現させることによって作製することができる。
F(ab’)2は、IgGヒンジ領域の2つのジスルフィド結合の下流部分をペプシン酵素で消化することによって得られる分子量約100000の抗体フラグメントであり、F(ab’)2は抗原結合活性を有し、ヒンジの位置で連結された2つのFab領域を含む。
本開示において記載されるF(ab’)2は、本発明のモノクローナル抗体(ヒトTIM−3を特異的に認識し、細胞外領域のアミノ酸配列またはその三次元構造に結合する)をペプシンで処理することによって作製することができる。さらに、F(ab’)2は、後に記載するFab’をチオエーテル結合またはジスルフィド結合で連結することにより作製することができる。
Fab’は、F(ab’)2のヒンジ領域のジスルフィド結合を切断することによって得られる、抗原結合活性を有する分子量約50000の抗体フラグメントである。本発明のFab’は、本発明のF(ab’)2(TIM−3を特異的に認識し、細胞外領域のアミノ酸配列またはその三次元構造に結合する)を、ジチオスレイトールのような還元剤で処理することによって作製することができる。
さらに、Fab’は、抗体のFab’フラグメントをコードするDNAを原核細胞発現ベクターまたは真核細胞発現ベクターに挿入し、ベクターを原核生物または真核生物に導入してFab’を発現させることによって作製することができる。
本開示において記載される「一本鎖抗体」、「一本鎖Fv」または「scFv」は、抗体重鎖可変ドメイン(または領域;VH)が抗体軽鎖可変ドメイン(または領域;VL)とリンカーで連結されている分子をさす。そのようなscFv分子は、一般構造:NH2−VL−リンカー−VH−COOHまたはNH2−VH−リンカー−VL−COOHを有する。従来の適当なリンカーは、反復GGGGSアミノ酸配列またはそのバリアントからなり、例えば1〜4反復バリアントを使用することができる(Holliger et al. (1993), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448)。本発明において使用することができる他のリンカーは、Alfthan et al. (1995), Protein Eng. 8:725-731, Choi et al. (2001), Eur. J. Immunol. 31:94-106, Hu et al. (1996), Cancer Res. 56:3055-3061, Kipriyanov et al. (1999), J. Mol. Biol. 293:41-56およびRoovers et al. (2001), Cancer Immunolに記載されている。
本開示において記載されるscFvは、以下の工程によって作製することができる:本発明のモノクローナル抗体(ヒトTIM−3を特異的に認識し、細胞外領域のアミノ酸配列またはその三次元構造に結合する)のVHおよびVLをコードするcDNAを作成し、scFvをコードするDNAを作製し、DNAを原核細胞発現ベクターまたは真核細胞発現ベクターに挿入し、その後、発現ベクターを原核または真核生物に導入してscFvを発現させる。
本開示において記載される「有効量」は、医学的な状態の症状または病態を改善または防止するのに十分な量を含む。特定の患者または動物対象のための有効量は、処置する状態、患者の全身的健康状態、投与方法、投与経路、および副作用の重篤度といった因子によって異なりうる。有効量は、顕著な副作用または毒性作用を回避する最大の用量または投与スケジュールでありうる。
本開示において記載される「CDR」とは、主に抗原結合に寄与する抗体可変ドメイン内の6つの超可変領域の1つをさす。最も一般的に用いられる6つのCDRの定義の1つが、Kabat E.A. et al. (1991) Sequences of proteins of immunological interest. NIH Publication 91-3242に記載されている。本書に用いられるように、KabatのCDRの定義は、軽鎖可変ドメインのCDR1、CDR2およびCDR3(CDR L1、CDR L2、CDR H3、またはL1、L2、L3)、ならびに重鎖可変ドメインのCDR2およびCDR3(CDR H2、CDR H3、またはH2、H3)のみに適用される。
本開示における組換えられた抗体または抗原結合フラグメントを、従来の方法によって作製および精製することができる。例えば、重鎖および軽鎖をコードするcDNA配列をクローン化し、GS発現ベクター中に組み込むことができる。組換え免疫グロブリン発現ベクターで、CHO細胞を安定にトランスフェクトすることができる。より推奨される従来技術として、哺乳動物発現系によって抗体のグリコシル化を、特に、高度に保存されたFc領域のN末端部位において、もたらすことができる。安定なクローンが、ヒトTIM−3に特異的に結合する抗体の発現によって得られる。陽性クローンを、抗体産生のために、バイオリアクターの無血清培地中で増殖させる。分泌された抗体を含む培養培地を従来の方法で精製することができる。精製のために、例えば、A−またはG−セファロースFFカラムを、調節したバッファーと共に使用することができる。非特異的に結合した成分を洗浄により除去する。その後、結合した抗体をpH勾配法により溶出させ、抗体フラグメントをSDS−PAGEにより検出し、収集した。抗体を従来の方法で濾過し濃縮した。可溶性混合物およびポリマーの除去も、分子篩およびイオン交換といった従来の方法で行うことができる。得られた生成物は、直ちに冷凍する、例えば−70℃で冷凍するか、または凍結乾燥する必要がある。
本開示において用いられる「処置」とは、内服または外用処置剤、例えば本発明の結合化合物の任意の1つを含む組成物を、1つ以上の疾患症状を有する患者に投与することをいい、処置剤は症状に対して処置効果を有することがわかっている。
ヒトと動物とでは、同じ薬剤に対する忍容性が大きく異なる。一般的に、動物はヒトよりも忍容性が高い。一般的に、以下の比を用いて換算がなされる:ヒト用の用量が1と規定されるとき、マウスおよびラット用には25〜50、ウサギおよびモルモット用には15〜20、ならびにイヌおよびネコ用には5〜10。さらに、換算を行うのに、ヒトおよび動物の体表面積計算法を使用することができる。1)Xu Wenの式(Chinese Journal of Physiology, 12, 327, 1937)およびMech-Rubnerの式といったヒト体表面積計算法が一般的に考慮される。本開示において、ヒトとさまざまな種類の動物との間の薬剤用量換算のために、上記方法を適用することができる。
本開示において用いられる「相同性」とは、2つのポリヌクレオチド配列間または2つのポリペプチド間の配列類似性をいう。比較される2つの配列中の位置が同じ塩基またはアミノ酸モノマーサブユニットで占められているとき、例えば2つのDNA分子のそれぞれの位置がアデニンで占められているとき、分子はその位置において相同であると見做される。2つの配列間の相同性パーセンテージは、2つの配列においてマッチするまたは相同である位置の数を、比較される位置の数で除し、100を乗じた関数である。例えば、最適な配列アラインメントにおいて、2つの配列において10の位置のうちマッチするまたは相同である位置が6つある場合、2つの配列は相同性が60%であると見做され;2つの配列において100の位置のうちマッチするまたは相同である位置が95ある場合、2つの配列は相同性が95%であると見做される。一般的に、比較は、2つの配列が最大の相同性パーセントを得るようにアラインされたときになされる。
本開示において用いられる「医薬組成物」とは、本書に記載される化合物またはその生理学的/薬学的に許容される塩もしくは前駆体の1つ以上ならびに他の化学的成分を含む混合物をいう。例えば、他の成分は、生理学的/薬学的に許容しうる担体および賦形剤である。医薬組成物の目的は、活性成分の吸収およびそれによる生物学的活性に寄与する、生体への投与を促進することである。
全生存期間(OS)とは、任意の原因による死亡までのランダムな期間をいう。最後のフォローアップ時にまだ生存している対象については、OSは最後のフォローアップ時点の打ち切りデータとしてカウントされる。フォローアップから脱落している対象については、OSは、フォローアップ脱落前に最後に生存確認された時点における打ち切りデータとしてカウントされる。打ち切りデータのOSは、ランダムなグループ分けから打ち切りまでの期間として定義される。
奏効率(ORR)とは、腫瘍があるレベルまで縮小し、ある期間にわたり維持された患者の割合をいい、CRおよびPR症例を包含する。腫瘍縮小効果(objective tumor response)を評価するために、固形がんの治療効果判定基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)(RECIST 1.1基準)を使用した。対象は、測定可能な腫瘍病変をベースラインにおいて有していなければならず、効果判定基準はRECIST 1.1基準にしたがって、完全寛解(CR)、部分寛解(PR)、安定(SD)、および進行(PD)に分けられる。
病勢コントロール率(DCR):腫瘍がCR/PR/SDであるとの最初の評価時点から、PDであるとの最初の評価時点または任意の原因による死亡までの期間。
12箇月/24箇月生存率(全生存率、OSR):初回投与から12箇月/24箇月のフォローアップ後にまだ生存している症例の割合。
病勢コントロール率(DCR):完全寛解(CR)または部分寛解(PR)または安定(SD≧8週)の最良総合効果(BOR)を示す対象の割合をいう
完全寛解(CR):すべての標的病変が消失する、およびすべての異常リンパ節(標的および非標的節を含む)のそれぞれの短径が<10mmに短縮しなければならない。
部分寛解(PR):すべての標的病変の直径の合計が、ベースラインレベルから少なくとも30%減少する。
進行(PD):すべての標的病変の直径の合計が、試験全体にわたり測定された前記合計の最小値である参照値と比較して少なくとも20%増加する(ベースライン測定値が最小値である場合、ベースライン測定値が参照値として設定される);さらに、直径の合計の絶対値が少なくとも5mm増加していなければならない(1つ以上の新たな病変の存在も進行と見做される)。
安定(SD):標的病変の減少の程度がPRに達せず、増加の程度がPDレベルに達せず、それらの間にある。試験中、直径の合計の最小値を参照値として使用することができる。
以下、実施例を挙げて本開示をさらに説明する。しかしながら、本開示の範囲はそれに限定されない。
実施例1.TIM−3抗原および検出に用いられるタンパク質の調製
1.TIM−3抗原のデザインおよび発現
UniProt A型肝炎ウイルス細胞受容体2(ヒトHAVCR2、ヒトTIM−3、Uniprot No: Q8TDQ0)を、本発明のTIM−3のテンプレートとして使用し、本発明の抗原および検出用タンパク質のアミノ酸配列をデザインし、場合によりさまざまなタグをTIM−3タンパク質に融合し、その後、pHrベクター(自家製)またはpTargeTベクター(Promega, A1410)中にそれぞれクローン化した。ベクターを、293細胞において一過性に発現させるか、またはCHO−Sにおいて安定に発現させ、次いで精製して、コードされた本発明の抗原および検出用タンパク質を得た。特記しない限り、以下のTIM−3抗原はヒトTIM−3をいう。
1.TIM−3抗原のデザインおよび発現
UniProt A型肝炎ウイルス細胞受容体2(ヒトHAVCR2、ヒトTIM−3、Uniprot No: Q8TDQ0)を、本発明のTIM−3のテンプレートとして使用し、本発明の抗原および検出用タンパク質のアミノ酸配列をデザインし、場合によりさまざまなタグをTIM−3タンパク質に融合し、その後、pHrベクター(自家製)またはpTargeTベクター(Promega, A1410)中にそれぞれクローン化した。ベクターを、293細胞において一過性に発現させるか、またはCHO−Sにおいて安定に発現させ、次いで精製して、コードされた本発明の抗原および検出用タンパク質を得た。特記しない限り、以下のTIM−3抗原はヒトTIM−3をいう。
検出に使用されるFlagおよびHisタグ付きTIM−3細胞外領域:TIM−3−Flag−His(配列番号2)
TIM−3−flag−His
注:下線部はシグナルペプチドを表し、イタリック体の部分はFlag−Hisタグを表す。
TIM−3−flag−His
注:下線部はシグナルペプチドを表し、イタリック体の部分はFlag−Hisタグを表す。
2.TIM−3関連組換えタンパク質の精製、およびハイブリドーマ抗体および組換え抗体の精製
2.1 TIM−3−Flag−His組換えタンパク質の精製工程
サンプルを高速で遠心分離して不純物を除去し、適当な体積に濃縮した。NI−NTAアフィニティーカラム(QIAGEN, Cat No. 30721)をPBSで平衡化し、カラム体積の2〜5倍で洗った。不純物の除去後、細胞発現上清サンプルをカラムにロードした。カラムを、A280の読み取り値がベースラインに低下するまでPBSで洗った。カラムをPBSで洗って不純物のタンパク質を流し、標的タンパク質を収集した。標的タンパク質は、洗浄バッファー(20mMイミダゾール)および溶出バッファー(300mMイミダゾール)で順次溶出し、溶出ピークを収集した。
2.1 TIM−3−Flag−His組換えタンパク質の精製工程
サンプルを高速で遠心分離して不純物を除去し、適当な体積に濃縮した。NI−NTAアフィニティーカラム(QIAGEN, Cat No. 30721)をPBSで平衡化し、カラム体積の2〜5倍で洗った。不純物の除去後、細胞発現上清サンプルをカラムにロードした。カラムを、A280の読み取り値がベースラインに低下するまでPBSで洗った。カラムをPBSで洗って不純物のタンパク質を流し、標的タンパク質を収集した。標的タンパク質は、洗浄バッファー(20mMイミダゾール)および溶出バッファー(300mMイミダゾール)で順次溶出し、溶出ピークを収集した。
収集した溶出液を、イオン交換(Hiload 16/600 Superdex 200カラム)によってさらに精製した。カラムを、pH7.4となるように約2カラム体積のPBSで平衡化した。標的タンパク質を含むことが確認されている溶出バッファーを濃縮後にロードし、サンプルを収集し、SDS−PAGEおよびLC−MSによって確認し、後の使用のために小分けした。
2.2 ハイブリドーマ、組換え抗体、およびFc融合タンパク質の精製
細胞発現上清サンプルを高速で遠心分離して不純物を除去し、ハイブリドーマ発現上清をプロテインGカラムで精製し、組換え抗体およびFc融合タンパク質発現上清をプロテインAカラムで精製した。カラムを、A280の読み取り値がベースラインに低下するまでPBSで洗った。標的タンパク質を、100mM酢酸pH3.0で溶出させ、1M Tris−HCl pH8.0で中和した。溶出したサンプルを適当に濃縮し、PBSで平衡化したゲルクロマトグラフィーSuperdex 200(GE)によってさらに精製した。非凝集体のピークを収集し、後の使用のために小分けした。
細胞発現上清サンプルを高速で遠心分離して不純物を除去し、ハイブリドーマ発現上清をプロテインGカラムで精製し、組換え抗体およびFc融合タンパク質発現上清をプロテインAカラムで精製した。カラムを、A280の読み取り値がベースラインに低下するまでPBSで洗った。標的タンパク質を、100mM酢酸pH3.0で溶出させ、1M Tris−HCl pH8.0で中和した。溶出したサンプルを適当に濃縮し、PBSで平衡化したゲルクロマトグラフィーSuperdex 200(GE)によってさらに精製した。非凝集体のピークを収集し、後の使用のために小分けした。
実施例2.抗ヒトTIM−3モノクローナル抗体の調製
1.動物免疫
マウスを免疫することによって抗ヒトTIM−3モノクローナル抗体を製造した。6〜8週齢の雌SJL白マウス(Beijing Charles River Laboratory Animal Technology Co., Ltd., animal production license number: SCXK (Beijing) 2012-0001)を実験に使用した。飼育環境:SPFレベル。マウスを購入後、12/12時間の明/暗サイクル調節、温度20〜25℃、湿度40〜60%の実験室環境に1週間順応させた。環境に順応したマウスを、下記のプロトコルにしたがって免疫した。免疫用の抗原は、Fcタグ付きのヒトTIM−3の細胞外領域であった(配列番号1)。
1.動物免疫
マウスを免疫することによって抗ヒトTIM−3モノクローナル抗体を製造した。6〜8週齢の雌SJL白マウス(Beijing Charles River Laboratory Animal Technology Co., Ltd., animal production license number: SCXK (Beijing) 2012-0001)を実験に使用した。飼育環境:SPFレベル。マウスを購入後、12/12時間の明/暗サイクル調節、温度20〜25℃、湿度40〜60%の実験室環境に1週間順応させた。環境に順応したマウスを、下記のプロトコルにしたがって免疫した。免疫用の抗原は、Fcタグ付きのヒトTIM−3の細胞外領域であった(配列番号1)。
免疫プロトコル:マウスの免疫のために、QuickAntibody-Mouse5W(KX0210041)を使用した。抗原とアジュバントの比は1:1で、1回につき10μg/マウスである(初回免疫/追加免疫)。抗原とアジュバントを素早く十分に混合してから、接種した。接種期間において、初回および2回目の免疫の間隔は21日、以降の免疫の間隔は14日とした。各免疫の7日後に採血し、マウス血清中の抗体力価をELISAによって測定した。血清中の抗体力価が高く、その力価がプラトーに達したマウスを、脾細胞融合のために選択した。脾細胞融合の3日前に追加免疫を行い、生理食塩液で調製した抗原溶液を20μg/マウスで腹腔内(IP)注射した。
2.脾臓細胞融合
最適化したPEG仲介融合ステップを用いて脾臓リンパ球とミエローマ細胞Sp2/0細胞(ATCC(登録商標) CRL-8287(商標))を融合してハイブリドーマ細胞を得た。融合されたハイブリドーマ細胞を4〜5 E5/mlの密度で完全培地(20%FBS、1×HAT、1×OPIを含むDMEM培地)に再懸濁し、96ウェルプレートに100μl/ウェルで播種し、5%CO2中、37℃で3〜4日間インキュベートし、その後、HAT完全培地を100μl/ウェルで加えて、ピンポイント様のクローンが形成されるまで細胞をさらに3〜4日間培養した。上清を除去し、200μl/ウェルのHT完全培地(20%FBS、1×HT、1×OPIを含むRPMI−1640培地)を加え、5%CO2中、37℃で3日間インキュベートし、その後、ELISAによる検出を行った。
最適化したPEG仲介融合ステップを用いて脾臓リンパ球とミエローマ細胞Sp2/0細胞(ATCC(登録商標) CRL-8287(商標))を融合してハイブリドーマ細胞を得た。融合されたハイブリドーマ細胞を4〜5 E5/mlの密度で完全培地(20%FBS、1×HAT、1×OPIを含むDMEM培地)に再懸濁し、96ウェルプレートに100μl/ウェルで播種し、5%CO2中、37℃で3〜4日間インキュベートし、その後、HAT完全培地を100μl/ウェルで加えて、ピンポイント様のクローンが形成されるまで細胞をさらに3〜4日間培養した。上清を除去し、200μl/ウェルのHT完全培地(20%FBS、1×HT、1×OPIを含むRPMI−1640培地)を加え、5%CO2中、37℃で3日間インキュベートし、その後、ELISAによる検出を行った。
3.ハイブリドーマ細胞のスクリーニング
ハイブリドーマ細胞の増殖密度にしたがって、ハイブリドーマ培養上清を結合ELISA法によって検出した(実施例4、試験実施例1参照)。結合ELISA法において確認された陽性ウェルの細胞上清を使用して、TIM−3過剰発現細胞結合実験を行った(実施例4、試験実施例2参照)。タンパク質結合および細胞結合の両方に陽性であるウェル中の細胞を、凍結保存に間に合うように増幅し、単一の細胞クローンが得られるまで2〜3回サブクローニングすべきである。
ハイブリドーマ細胞の増殖密度にしたがって、ハイブリドーマ培養上清を結合ELISA法によって検出した(実施例4、試験実施例1参照)。結合ELISA法において確認された陽性ウェルの細胞上清を使用して、TIM−3過剰発現細胞結合実験を行った(実施例4、試験実施例2参照)。タンパク質結合および細胞結合の両方に陽性であるウェル中の細胞を、凍結保存に間に合うように増幅し、単一の細胞クローンが得られるまで2〜3回サブクローニングすべきである。
TIM−3結合ELISAおよび細胞結合実験は、細胞サブクローニングのそれぞれに必要であった。ハイブリドーマクローンを上記実験によってスクリーニングし、分泌された抗体mAb−1701およびmAb−1799を得た。抗体を、無血清細胞培養法によってさらに調製した。抗体を精製実施例にしたがって精製し、試験実施例での使用に供した。
4.ハイブリドーマ陽性クローンのシーケンシング
陽性ハイブリドーマからの配列のクローニング方法は、次のとおりであった。対数増殖期にあるハイブリドーマ細胞を収集し、Trizol(Invitrogen, Cat No. 15596-018)で、キットの指示書にしたがってRNAを抽出し、逆転写のためにPrimeScript(商標)逆転写酵素キットを使用した(Takara, Cat No. 2680A)。逆転写によって得たcDNAをマウスIgプライマーセット(Novagen, TB326 Rev. B 0503)を用いるPCRにより増幅し、シーケンシング会社に送った。mAb−1701およびmAb−1799の重鎖および軽鎖可変領域のDNA配列に対応するアミノ酸配列を得た:
mAb−1701重鎖可変領域(配列番号4)
mAb−1701軽鎖可変領域(配列番号5)
mAb−1799重鎖可変領域(配列番号6)
mAb−1799軽鎖可変領域(配列番号7)
陽性ハイブリドーマからの配列のクローニング方法は、次のとおりであった。対数増殖期にあるハイブリドーマ細胞を収集し、Trizol(Invitrogen, Cat No. 15596-018)で、キットの指示書にしたがってRNAを抽出し、逆転写のためにPrimeScript(商標)逆転写酵素キットを使用した(Takara, Cat No. 2680A)。逆転写によって得たcDNAをマウスIgプライマーセット(Novagen, TB326 Rev. B 0503)を用いるPCRにより増幅し、シーケンシング会社に送った。mAb−1701およびmAb−1799の重鎖および軽鎖可変領域のDNA配列に対応するアミノ酸配列を得た:
mAb−1701重鎖可変領域(配列番号4)
mAb−1701軽鎖可変領域(配列番号5)
mAb−1799重鎖可変領域(配列番号6)
mAb−1799軽鎖可変領域(配列番号7)
実施例3.抗ヒトTIM−3マウスハイブリドーマモノクローナル抗体のヒト化
1.抗TIM−3抗体mAb−1701のヒト化
ヒト抗体重鎖および軽鎖可変領域のIMGT生殖細胞系列遺伝子データベースに対してMOEソフトウェアによってアラインすることにより、mAb−1701抗体と相同性の高い重鎖および軽鎖可変領域生殖細胞系列遺伝子をテンプレートとして選択し、マウス抗体のCDRを対応するヒトテンプレートにそれぞれグラフトして、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4の並びの可変領域を形成した。Kabatナンバリングシステムによってアミノ基残基を同定し注釈付けした。
1.抗TIM−3抗体mAb−1701のヒト化
ヒト抗体重鎖および軽鎖可変領域のIMGT生殖細胞系列遺伝子データベースに対してMOEソフトウェアによってアラインすることにより、mAb−1701抗体と相同性の高い重鎖および軽鎖可変領域生殖細胞系列遺伝子をテンプレートとして選択し、マウス抗体のCDRを対応するヒトテンプレートにそれぞれグラフトして、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4の並びの可変領域を形成した。Kabatナンバリングシステムによってアミノ基残基を同定し注釈付けした。
1.1 ハイブリドーマクローンmAb−1701用のヒト化フレームワークの選択
マウス抗体mAb−1701のヒト化用の軽鎖テンプレートは、IGKV1−33*01およびhjk4.1であり、ヒト化用の重鎖テンプレートは、IGHV1−18*01およびhjh4.1であった。ヒト化された可変領域配列は次のとおりである:
h1701VH−CDRグラフト(配列番号20)
h1701VL−CDRグラフト(配列番号21)
注:並びはFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4で、配列中のイタリック体はFR配列を示し、下線部はCDR配列を示す。
マウス抗体mAb−1701のヒト化用の軽鎖テンプレートは、IGKV1−33*01およびhjk4.1であり、ヒト化用の重鎖テンプレートは、IGHV1−18*01およびhjh4.1であった。ヒト化された可変領域配列は次のとおりである:
h1701VH−CDRグラフト(配列番号20)
h1701VL−CDRグラフト(配列番号21)
注:並びはFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4で、配列中のイタリック体はFR配列を示し、下線部はCDR配列を示す。
1.2 h1701についてのテンプレートの選択および復帰変異のデザイン
具体的な変異のデザインを表2に示す:
注:例えば、A43Sは、Kabatナンバリングシステムにしたがう位置43のAがSに復帰変異されることを意味する。「グラフト」は、マウス抗体CDRの配列がヒト生殖細胞系列FR領域に移植されたものを表す。
具体的な変異のデザインを表2に示す:
ヒト化1701の特定の配列は次のとおりである:
>h1701_VH.1(h1701VH−CDRグラフトと同じ;配列番号22)
>h1701h1701_VH.1A(配列番号23)
>h1701_VH.1B(配列番号24)
>h1701_VH.1C(配列番号25)
>h1701_VH.1D(配列番号26)
>h1701_VH.1E(配列番号27)
>h1701_VH.1F(配列番号28)
>h1701_VL.1(h1701VL−CDRグラフトと同じ;配列番号29)
>h1701_VL.1A(配列番号30)
>h1701_VH.1(h1701VH−CDRグラフトと同じ;配列番号22)
>h1701h1701_VH.1A(配列番号23)
>h1701_VH.1B(配列番号24)
>h1701_VH.1C(配列番号25)
>h1701_VH.1D(配列番号26)
>h1701_VH.1E(配列番号27)
>h1701_VH.1F(配列番号28)
>h1701_VL.1(h1701VL−CDRグラフトと同じ;配列番号29)
>h1701_VL.1A(配列番号30)
2.抗TIM−3抗体mAb−1799のヒト化
ヒト抗体重鎖および軽鎖可変領域のIMGT生殖細胞系列遺伝子データベースに対してMOEソフトウェアによってアラインすることにより、mAb−1799抗体と相同性の高い重鎖および軽鎖可変領域生殖細胞系列遺伝子をテンプレートとして選択し、マウス抗体のCDRを対応するヒトテンプレートにそれぞれグラフトして、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4の並びの可変領域を形成した。Kabatナンバリングシステムによってアミノ基残基を同定し注釈付けした。
ヒト抗体重鎖および軽鎖可変領域のIMGT生殖細胞系列遺伝子データベースに対してMOEソフトウェアによってアラインすることにより、mAb−1799抗体と相同性の高い重鎖および軽鎖可変領域生殖細胞系列遺伝子をテンプレートとして選択し、マウス抗体のCDRを対応するヒトテンプレートにそれぞれグラフトして、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4の並びの可変領域を形成した。Kabatナンバリングシステムによってアミノ基残基を同定し注釈付けした。
2.1 ハイブリドーマクローン1799用のヒト化フレームワークの選択
マウス抗体1799のヒト化用の軽鎖テンプレートは、IGKV1−39*01およびhjk2.1であり、ヒト化用の重鎖テンプレートは、IGHV3−7*01およびhjh4.1であった。ヒト化された可変領域配列は次のとおりである:
h1799VH−CDRグラフト(配列番号31)
h1799VL−CDRグラフト(配列番号32)
注:並びはFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4で、配列中のイタリック体はFR配列を示し、下線部はCDR配列を示す。
マウス抗体1799のヒト化用の軽鎖テンプレートは、IGKV1−39*01およびhjk2.1であり、ヒト化用の重鎖テンプレートは、IGHV3−7*01およびhjh4.1であった。ヒト化された可変領域配列は次のとおりである:
h1799VH−CDRグラフト(配列番号31)
h1799VL−CDRグラフト(配列番号32)
注:並びはFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4で、配列中のイタリック体はFR配列を示し、下線部はCDR配列を示す。
2.2 ハイブリドクローン1799ついてのテンプレートの選択および復帰変異のデザイン;表4参照
注:例えば、I48Vは、Kabatナンバリングシステムにしたがう位置48のIがVに復帰変異されることを意味する。「グラフト」は、マウス抗体CDRの配列がヒト生殖細胞系列FR領域に移植されたものを表す。
ヒト化1799の特定の配列は次のとおりである:
>h1799_VH.1(h1799VH−CDRグラフトと同じ;配列番号33)
>h1799_VH.1A(配列番号34)
>h1799_VH.1B(配列番号35)
>h1799_VL.1(h1799VL−CDRグラフトと同じ;配列番号36)
>h1799_VL.1A(配列番号37)
>h1799_VL.1B(配列番号38)
>h1799_VL.1C(配列番号39)
>h1799_VL.1D(配列番号40)
>h1799_VH.1(h1799VH−CDRグラフトと同じ;配列番号33)
>h1799_VH.1A(配列番号34)
>h1799_VH.1B(配列番号35)
>h1799_VL.1(h1799VL−CDRグラフトと同じ;配列番号36)
>h1799_VL.1A(配列番号37)
>h1799_VL.1B(配列番号38)
>h1799_VL.1C(配列番号39)
>h1799_VL.1D(配列番号40)
実施例4.組換えキメラ抗体およびヒト化抗体の作製および効果試験
該抗体用に、ヒト重鎖IgG4/軽鎖κの定常領域を、対応する可変領域のそれぞれと組み合わせ、IgG4抗体の安定性を高めるためにFc部分にS228P変異を導入した。性能改善のために、当分野において知られる他の変異も使用することができる。
該抗体用に、ヒト重鎖IgG4/軽鎖κの定常領域を、対応する可変領域のそれぞれと組み合わせ、IgG4抗体の安定性を高めるためにFc部分にS228P変異を導入した。性能改善のために、当分野において知られる他の変異も使用することができる。
1.組換えキメラ抗体の分子クローニング
ハイブリドーマスクリーニングによって得た陽性の抗体分子をシーケンシングして、可変領域をコードする遺伝子の配列を得た。シーケンシングによって得た配列に基づいて、シーケンシングした遺伝子をテンプレートとして用いて、フォワードおよびリバースプライマーをデザインし;さまざまな抗体VH/VK遺伝子断片をPCRによって作製し、次いで発現ベクターpHr(シグナルペプチドおよびhIgG4/hκ定常領域遺伝子(CH1−FC/CL)断片を有する)に相同的に組換え、組換えキメラ抗体完全長発現プラスミドVH−CH1−Fc−pHr/VL−CL−pHrを、2つのキメラ抗体Ch1701およびCh1799用に作製した。
ハイブリドーマスクリーニングによって得た陽性の抗体分子をシーケンシングして、可変領域をコードする遺伝子の配列を得た。シーケンシングによって得た配列に基づいて、シーケンシングした遺伝子をテンプレートとして用いて、フォワードおよびリバースプライマーをデザインし;さまざまな抗体VH/VK遺伝子断片をPCRによって作製し、次いで発現ベクターpHr(シグナルペプチドおよびhIgG4/hκ定常領域遺伝子(CH1−FC/CL)断片を有する)に相同的に組換え、組換えキメラ抗体完全長発現プラスミドVH−CH1−Fc−pHr/VL−CL−pHrを、2つのキメラ抗体Ch1701およびCh1799用に作製した。
2.ヒト化抗体の分子クローニング
ヒト化デザイン後の抗体配列をコドン最適化に付して、ヒトコドン優先性を有するコーディング遺伝子配列を得、さまざまな抗体VH/VK遺伝子断片をPCRによって作製するためのプライマーをデザインし、次いで断片を発現ベクターpHr(シグナルペプチドおよびhIgG4/hκ定常領域遺伝子(CH1−FC/CL)断片を有する)に相同的に組換えて、ヒト化抗体完全長発現プラスミドVH−CH1−FC−pHr/VL−CL−pHrを作製した。
ヒト化デザイン後の抗体配列をコドン最適化に付して、ヒトコドン優先性を有するコーディング遺伝子配列を得、さまざまな抗体VH/VK遺伝子断片をPCRによって作製するためのプライマーをデザインし、次いで断片を発現ベクターpHr(シグナルペプチドおよびhIgG4/hκ定常領域遺伝子(CH1−FC/CL)断片を有する)に相同的に組換えて、ヒト化抗体完全長発現プラスミドVH−CH1−FC−pHr/VL−CL−pHrを作製した。
3.組換えキメラ抗体およびヒト化抗体の発現および精製
抗体軽鎖および重鎖を個別に発現するプラスミドを1:1.2の比でHEK293E細胞に導入し、6日後に発現上清を採取し、高速で遠心分離して不純物を除去し、プロテインAカラムで精製した。A280の読み取りがベースラインに低下するまで、カラムをPBSで洗った。目的のタンパク質を酸性の溶出溶液pH3.0〜pH3.5で溶出し、1M Tris−HCl pH8.0〜9.0で中和した。溶出サンプルを適切に濃縮し、PBS平衡化ゲルクロマトグラフィーSuperdex 200(GE)によってさらに精製した。凝集物のピークを除去し、モノマーのピークを採取して、後の使用のために小分けにした。
抗体軽鎖および重鎖を個別に発現するプラスミドを1:1.2の比でHEK293E細胞に導入し、6日後に発現上清を採取し、高速で遠心分離して不純物を除去し、プロテインAカラムで精製した。A280の読み取りがベースラインに低下するまで、カラムをPBSで洗った。目的のタンパク質を酸性の溶出溶液pH3.0〜pH3.5で溶出し、1M Tris−HCl pH8.0〜9.0で中和した。溶出サンプルを適切に濃縮し、PBS平衡化ゲルクロマトグラフィーSuperdex 200(GE)によってさらに精製した。凝集物のピークを除去し、モノマーのピークを採取して、後の使用のために小分けにした。
実施例5.h1701抗体の部位特異的変異
脱アミド改変は、抗体において、後の段階で安定性に影響しうる一般的な化学的改変である。特に、CDR領域のいくつかのアミノ酸が高度に脱アミド化、酸化または異性化され;そのような変異は一般に、できるだけ回避または低減されるべきである。加速安定性実験およびコンピューターでシミュレートされる抗体構造ならびにホットスポット予測によると、h1701抗体の重鎖CDR2におけるNNGは、脱アミド化感受性の部位である。前記NNGは、h1701抗体の重鎖可変領域の位置54〜56にそれぞれ位置する。アミノ酸の性質および抗体構造コンピューターシミュレーション技術にしたがって、前記位置のアミノ酸は、任意のアミノ酸で置換されうる。好ましくは、h1701のCDR2ミュータントは、DIIPX1X2X3GSKYNQKFKD(配列番号43)で示され、ここで、X1、X2およびX3は、h1701抗体重鎖可変領域における位置54〜56のアミノ酸残基であり;X1はAsn、Leu、Val、MetおよびGluからなる群から選択され;X2はAsn、Glu、Met、His、Lys、Leu、AlaおよびValからなる群から選択され;X3はGlyおよびAlaからなる群から選択される。
脱アミド改変は、抗体において、後の段階で安定性に影響しうる一般的な化学的改変である。特に、CDR領域のいくつかのアミノ酸が高度に脱アミド化、酸化または異性化され;そのような変異は一般に、できるだけ回避または低減されるべきである。加速安定性実験およびコンピューターでシミュレートされる抗体構造ならびにホットスポット予測によると、h1701抗体の重鎖CDR2におけるNNGは、脱アミド化感受性の部位である。前記NNGは、h1701抗体の重鎖可変領域の位置54〜56にそれぞれ位置する。アミノ酸の性質および抗体構造コンピューターシミュレーション技術にしたがって、前記位置のアミノ酸は、任意のアミノ酸で置換されうる。好ましくは、h1701のCDR2ミュータントは、DIIPX1X2X3GSKYNQKFKD(配列番号43)で示され、ここで、X1、X2およびX3は、h1701抗体重鎖可変領域における位置54〜56のアミノ酸残基であり;X1はAsn、Leu、Val、MetおよびGluからなる群から選択され;X2はAsn、Glu、Met、His、Lys、Leu、AlaおよびValからなる群から選択され;X3はGlyおよびAlaからなる群から選択される。
さらに、前記の位置54〜56における変異を含むCDR2を、さまざまな復帰変異を含むFR領域と組み合わせて、以下の重鎖可変領域を形成することができる:
>h1701_VH.1−CDR2ミュータント(配列番号44)
>h1701_VH.1A−CDR2ミュータント(配列番号45)
>h1701_VH.1B−CDR2ミュータント(配列番号46)
>h1701_VH.1C−CDR2ミュータント(配列番号47)
>h1701_VH.1D−CDR2ミュータント(配列番号48)
>h1701_VH.1E−CDR2ミュータント(配列番号49)
>h1701_VH.1F−CDR2ミュータント(配列番号50)
>h1701_VH.1−CDR2ミュータント(配列番号44)
>h1701_VH.1A−CDR2ミュータント(配列番号45)
>h1701_VH.1B−CDR2ミュータント(配列番号46)
>h1701_VH.1C−CDR2ミュータント(配列番号47)
>h1701_VH.1D−CDR2ミュータント(配列番号48)
>h1701_VH.1E−CDR2ミュータント(配列番号49)
>h1701_VH.1F−CDR2ミュータント(配列番号50)
h1701のHCDR2ミュータントに関する配列の例、および対応するCDR2ミュータントを含むヒト化配列h1701_VH.1B−CDR2ミュータント(配列番号46)を、以下のミュータントおよび表6に示す。
例として、h1701−009のHCDR2におけるNNGは、NLG、NVG、NNA、NMA、NEA、NHA、NMG、NEG、NKG、NAGまたはNHGとして変異されるようにデザインされた(前記重鎖可変領域CDR2アミノ酸ミュータントの配列は、それぞれ、配列番号51〜61で示される)。発現プラスミドの作製および293E発現を分子クローニングの方法によって行い、ミュータント抗体を精製し、その後さらに親和性および安定性について試験した。
例示バリアントの親和性検出の結果を、試験実施例1および3にそれぞれ示す。
h1701−009に対して一連のアミノ酸変異を行い、特に関連のある配列は表6に記載のものを包含するが、それに限定されない。化学的安定性試験の具体的な結果を試験実施例9において示す。
試験実施例1:HCC827マウスにおけるヒト非小細胞肺がん皮下異種移植に対するTIM−3抗体の処置効果の評価および比較
実験動物および飼育条件
雌NOGマウスをBeijing Charles River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.((Beijing China, Certificate number 11400700200456, license SCXK (Beijing) 2016-0006)から購入し、購入時に4〜6週齢であり、体重は約18gであり、12/12時間の明/暗サイクル調節、23±1℃の一定温度、50〜60%の湿度にて、ケージ1個当たり5匹で、食餌および水を自由に摂取させて維持した。
実験動物および飼育条件
雌NOGマウスをBeijing Charles River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.((Beijing China, Certificate number 11400700200456, license SCXK (Beijing) 2016-0006)から購入し、購入時に4〜6週齢であり、体重は約18gであり、12/12時間の明/暗サイクル調節、23±1℃の一定温度、50〜60%の湿度にて、ケージ1個当たり5匹で、食餌および水を自由に摂取させて維持した。
試験した抗体:
C25−hIgG4(WTRC25, US6114143):5.39mg/mlの濃度で、送達量は37.73mgであった。
h1799−005:12.00mg/mlの濃度で、送達量は27mgであった。
MBG−453(Novartis AG):5.44mg/mlの濃度で、送達量は25mgであった。
h1701−009NLG:6.30mg/mlの濃度で、送達量は24mgであった。
C25−hIgG4(WTRC25, US6114143):5.39mg/mlの濃度で、送達量は37.73mgであった。
h1799−005:12.00mg/mlの濃度で、送達量は27mgであった。
MBG−453(Novartis AG):5.44mg/mlの濃度で、送達量は25mgであった。
h1701−009NLG:6.30mg/mlの濃度で、送達量は24mgであった。
調製方法:無菌条件下にパイロジェンフリーのピペットチップを使用して上記抗体をPBSで2mg/mlに希釈し、全部で10本のチューブに1.2ml/チューブで分注し、4℃で保存し、それぞれの注射用に1本のチューブを取り出した。
PBMC抽出
本実験に使用したPBMCは、2名の志願者の新鮮な血液から抽出した。抽出方法は次のとおりであった:
a)静脈血を、凝集を防ぐためにヘパリンで処理し、等体積の2%FBS含有PBSと混合した;
b)15mlの分離溶液1077を無菌的に50ml分離チューブに移した(予め1077をよく混合するためにチューブを穏やかに反転させた);
c)25mlの希釈血液を遠心チューブ内の1077に注意深く加えた(希釈血液と1077を混合することなく、血液と1077の間に明らかな層を形成するように室温でゆっくりと加えた);
d)サンプルを室温で10分間、1200gで遠心分離した。赤血球および多核白血球を遠心分離により沈殿させ、単核リンパ球の層を1077の上に形成させた。リンパ球の上4〜6cmの血漿を吸引した;
e)リンパ球層およびリンパ球層下の1077の半分を吸引し、別の遠心チューブに移した。等体積のPBSを加え、室温で8分間、300gで遠心分離した;
f)細胞をPBSまたはRPMI−1640培地で洗い、血清含有RPMI−1640培地に再懸濁させた。
本実験に使用したPBMCは、2名の志願者の新鮮な血液から抽出した。抽出方法は次のとおりであった:
a)静脈血を、凝集を防ぐためにヘパリンで処理し、等体積の2%FBS含有PBSと混合した;
b)15mlの分離溶液1077を無菌的に50ml分離チューブに移した(予め1077をよく混合するためにチューブを穏やかに反転させた);
c)25mlの希釈血液を遠心チューブ内の1077に注意深く加えた(希釈血液と1077を混合することなく、血液と1077の間に明らかな層を形成するように室温でゆっくりと加えた);
d)サンプルを室温で10分間、1200gで遠心分離した。赤血球および多核白血球を遠心分離により沈殿させ、単核リンパ球の層を1077の上に形成させた。リンパ球の上4〜6cmの血漿を吸引した;
e)リンパ球層およびリンパ球層下の1077の半分を吸引し、別の遠心チューブに移した。等体積のPBSを加え、室温で8分間、300gで遠心分離した;
f)細胞をPBSまたはRPMI−1640培地で洗い、血清含有RPMI−1640培地に再懸濁させた。
試験工程:
200μlのHCC827細胞(1×107細胞/マウス)(50%マトリゲルを含む)を、NOGマウスの右肋骨部に皮下接種した。16日後、大き過ぎるまたは小さ過ぎる腫瘍を有する動物を除外し、平均腫瘍体積約215mm3のマウスをランダムに4群に分けた:無関係の抗体C25 IgG4 10mpk、MBG−453 10mpk、h1799−005 10mpk、およびh1701−009NLG 10mpk、各群に10匹のマウス(0日目);試験中、#60−008L 10mpkの群における1匹が、PBMC注射後に持続的な体重減少を示し、19日目に死亡した(GVHD罹患が疑われた)。実際に9匹の動物が含まれた。2名の志願者から新鮮抽出されたPBMCは1:1の比で混合し、混合物をNOGマウスに5×106細胞/100μlで腹腔内注射し、各抗体も、週に2回で全部で7回、腹腔内注射し(表1);腫瘍体積および動物体重を週2回でモニターし、データを記録した。試験の終了時に、動物を安楽死させ、腫瘍を摘出し、重量測定した。
200μlのHCC827細胞(1×107細胞/マウス)(50%マトリゲルを含む)を、NOGマウスの右肋骨部に皮下接種した。16日後、大き過ぎるまたは小さ過ぎる腫瘍を有する動物を除外し、平均腫瘍体積約215mm3のマウスをランダムに4群に分けた:無関係の抗体C25 IgG4 10mpk、MBG−453 10mpk、h1799−005 10mpk、およびh1701−009NLG 10mpk、各群に10匹のマウス(0日目);試験中、#60−008L 10mpkの群における1匹が、PBMC注射後に持続的な体重減少を示し、19日目に死亡した(GVHD罹患が疑われた)。実際に9匹の動物が含まれた。2名の志願者から新鮮抽出されたPBMCは1:1の比で混合し、混合物をNOGマウスに5×106細胞/100μlで腹腔内注射し、各抗体も、週に2回で全部で7回、腹腔内注射し(表1);腫瘍体積および動物体重を週2回でモニターし、データを記録した。試験の終了時に、動物を安楽死させ、腫瘍を摘出し、重量測定した。
データ処理
ExcelおよびGraphPad Prism 5ソフトウェアを用いて、すべてのデータをプロットし、統計学的に分析した。
ExcelおよびGraphPad Prism 5ソフトウェアを用いて、すべてのデータをプロットし、統計学的に分析した。
腫瘍体積(V)を、式:V=1/2×a×b2[式中、aおよびbはそれぞれ、長さおよび幅を表す]にしたがって計算した。
相対腫瘍増殖速度T/C(%)=(T−T0)/(C−C0)×100[式中、TおよびCは、試験終了時の処置群および対照群の腫瘍体積を表し;T0およびC0は試験開始時の腫瘍体積を表す]
腫瘍抑制率TGI(%)=1−T/C(%)
試験結果は次のことを示している:MBG−453(10mpk、I.P.、BIW×7)、h1799−005(10mpk、I.P.、BIW×7)、およびh1701−009NLG(10mpk、I.P.、BIW×7)の3つのTIM−3抗体は、HCC827マウスにおいてヒト非小細胞肺がん皮下異種移植の増殖を顕著に抑制することができる。21日目(最終測定)における平均腫瘍体積を小さいものから大きいものへと並べると、それぞれh1799−005(10mpk、I.P.、BIW×7)、h1701−009NLG(10mpk、I.P.、BIW×7)、MBG−453(10mpk、I.P.、BIW×7)の順であり;腫瘍抑制率はそれぞれ、120.86%(p<0.001)、85.01%(p<0.05)および78.15%(p<0.05)であった(表7および図1参照)。
インビトロの腫瘍重量は、腫瘍体積で観察されたのと一致する傾向を示す。3つのTIM−3抗体群の腫瘍重量はいずれも、無関係の抗体C25 IgG4(10mpk、I.P.、BIW×7)のものよりも顕著に小さく、h1799−005(10mpk、I.P.、BIW×7)、およびh1701−009NLG(10mpk、I.P.、BIW×7)およびMBG−453(10mpk、I.P.、BIW×7)はそれぞれ、最小、中程度および最大の重量を示す。いずれの群も、それぞれp<0.001、p<0.05およびp<0.05で、C25 IgG4(10mpk、I.P.、BIW×7)からの有意差を示した。
腫瘍を有するマウスはTIM−3抗体すべてに対して忍容性が高く、全投与プロセス中にわずかな体重変化を示したに過ぎず、PBMC注射後に持続的体重減少を示し19日目に死亡しているのが見つかったh1701−009NLG(10mpk、I.P.、BIW×7)群の1匹(この動物は死亡しているのが見つかった時、腹部が黒く、ピンセットで触れたときに皮膚が腐敗し、明らかな悪臭を伴った;死後時間は8時間を超えると推定された;死亡するまで持続的に体重減少したことを考慮すると、ヒトPBMC移植後に異種移植片に対し寛容でなかったことによるGVHD罹患がうたがわれた)を除き、明らかな体重減少といった、薬剤により誘導される症状は観察されなかった。
試験実施例2:マウス結腸がんMC38皮下異種移植に対するTIM−3抗体の効果の評価および比較
試験した薬剤の名称:
TIM−3抗体であるh1799−005
PD−1抗体であるマウスPD−1抗体J43(J Immunol. 196(1):144-55.)
試験した薬剤の名称:
TIM−3抗体であるh1799−005
PD−1抗体であるマウスPD−1抗体J43(J Immunol. 196(1):144-55.)
試験工程:
1×106個のマウス結腸がんMC38細胞をマウスの腋窩に注射した。腫瘍が平均体積50〜200mm3まで増殖したら、腫瘍体積にしたがって動物をランダムにグループ分けし、投与を行った。40匹のマウスを4群に分けた:陰性対照群(群1)、TIM−3抗体30mg/kg群(群2)、PD−1抗体5mg/kg群(群3)、およびTIM−3抗体とPD−1抗体の併用群(群4)、各群10匹;各群に対応する濃度の試験物質を、10ml/kgの投与体積で、併用投与群には20ml/kgの投与体積で、尾静脈注射により週2回、21日間にわたり投与した。
1×106個のマウス結腸がんMC38細胞をマウスの腋窩に注射した。腫瘍が平均体積50〜200mm3まで増殖したら、腫瘍体積にしたがって動物をランダムにグループ分けし、投与を行った。40匹のマウスを4群に分けた:陰性対照群(群1)、TIM−3抗体30mg/kg群(群2)、PD−1抗体5mg/kg群(群3)、およびTIM−3抗体とPD−1抗体の併用群(群4)、各群10匹;各群に対応する濃度の試験物質を、10ml/kgの投与体積で、併用投与群には20ml/kgの投与体積で、尾静脈注射により週2回、21日間にわたり投与した。
試験結果:
1.陰性対照群における腫瘍体積が581±63mm3であったことと比較して、TIM−3抗体30mg/kg群、PD−1抗体5mg/kg群、および併用投与群における腫瘍体積はそれぞれ、406±31(P<0.05)、245±26(P<0.01) 、および166±19(P<0.001)mm3であり、有意に低下した;
2.陰性対照群における相対腫瘍体積(RTV)の値が5.38±0.56であったことと比較して、TIM−3抗体30mg/kg群、PD−1抗体5mg/kg群、および併用投与群におけるRTV値はそれぞれ、3.76±0.32(P<0.05)、2.20±0.21(P<0.01)および1.44±0.08(P<0.001)であった;T/C値はそれぞれ、69.91%、40.92%および26.66%であった;
3.陰性対照群における腫瘍重量が0.3502±0.0298gであったことと比較して、TIM−3抗体30mg/kg群、PD−1抗体5mg/kg群、および併用投与群における腫瘍重量はそれぞれ、0.2550±0.0159(P<0.01)、0.1820±0.0178(P<0.001)、および0.1102±0.0106g(P<0.001)gであった;IRはそれぞれ、27.19%、48.05%および65.36%であった;
4.腫瘍体積、RTV値および腫瘍重量を分析した。TIM−3抗体30mg/kg群と比較して、併用投与群における腫瘍増殖抑制は顕著に高い(P<0.001);PD−1抗体5mg/kg群と比較して、併用投与群における腫瘍増殖抑制は顕著に高い(P<0.05)。
1.陰性対照群における腫瘍体積が581±63mm3であったことと比較して、TIM−3抗体30mg/kg群、PD−1抗体5mg/kg群、および併用投与群における腫瘍体積はそれぞれ、406±31(P<0.05)、245±26(P<0.01) 、および166±19(P<0.001)mm3であり、有意に低下した;
2.陰性対照群における相対腫瘍体積(RTV)の値が5.38±0.56であったことと比較して、TIM−3抗体30mg/kg群、PD−1抗体5mg/kg群、および併用投与群におけるRTV値はそれぞれ、3.76±0.32(P<0.05)、2.20±0.21(P<0.01)および1.44±0.08(P<0.001)であった;T/C値はそれぞれ、69.91%、40.92%および26.66%であった;
3.陰性対照群における腫瘍重量が0.3502±0.0298gであったことと比較して、TIM−3抗体30mg/kg群、PD−1抗体5mg/kg群、および併用投与群における腫瘍重量はそれぞれ、0.2550±0.0159(P<0.01)、0.1820±0.0178(P<0.001)、および0.1102±0.0106g(P<0.001)gであった;IRはそれぞれ、27.19%、48.05%および65.36%であった;
4.腫瘍体積、RTV値および腫瘍重量を分析した。TIM−3抗体30mg/kg群と比較して、併用投与群における腫瘍増殖抑制は顕著に高い(P<0.001);PD−1抗体5mg/kg群と比較して、併用投与群における腫瘍増殖抑制は顕著に高い(P<0.05)。
Claims (20)
- 腫瘍処置用医薬の製造におけるTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントの使用。
- TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントが
配列番号14、15および16のアミノ酸配列またはそれとの配列同一性が少なくとも95%であるアミノ酸配列で示される抗体重鎖可変領域HCDR配列;および
配列番号17、18および19のアミノ酸配列またはそれとの配列同一性が少なくとも95%であるアミノ酸配列で示される抗体軽鎖可変領域LCDR配列
からなる群から選択される1つ以上のCDR領域配列を含む、請求項1に記載の使用。 - TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントが、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはその抗原結合フラグメントからなる群から選択される、請求項2に記載の使用。
- ヒト化抗体が、ヒト生殖細胞系列軽鎖および重鎖またはそのミュータント配列にそれぞれ由来する軽鎖FR領域および重鎖FR領域配列を含む、請求項3に記載の使用。
- ヒト化抗体が、配列番号31で示される重鎖可変領域またはそのバリアントを含み、好ましくはバリアントが配列番号31で示される重鎖可変領域と比較して1〜10のアミノ酸変異を含み、より好ましくはアミノ酸変異がQ3KおよびR87Kのアミノ酸復帰変異であり;ヒト化抗体が、配列番号32で示される軽鎖可変領域またはそのバリアントを含み、好ましくはバリアントが配列番号32で示される軽鎖可変領域と比較して1〜10のアミノ酸変異を含み、より好ましくはアミノ酸変異がQ3KおよびI48V、K45Q、A43SおよびT85Sのアミノ酸復帰変異からなる群から選択される、請求項3に記載の使用。
- ヒト化抗体が、配列番号33で示される重鎖可変領域、および配列番号36で示される軽鎖可変領域を含む、請求項3に記載の使用。
- TIM−3抗体が、さらにヒト抗体定常領域を含む、好ましくは配列番号41で示されるヒト重鎖定常領域および好ましくは配列番号42で示されるヒト軽鎖定常領域を含む、完全長抗体である、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
- 抗原結合フラグメントが、Fab、Fab’、F(ab’)2、一本鎖抗体(scFv)、二量体化V領域(ディアボディ)、ジスルフィド結合安定化V領域(dsFv)、およびCDRを含むペプチドの抗原結合フラグメントからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
- 腫瘍が、乳がん、肺がん、肝臓がん、胃がん、結腸直腸がん、腎臓がん、メラノーマ、および非小細胞肺がんからなる群から選択され、好ましくは非小細胞肺がん、乳がん、メラノーマ、肝臓がん、結腸直腸がん、および腎臓がんからなる群から選択され、より好ましくは結腸直腸がんまたは非小細胞肺がんである、請求項1〜8のいずれかに記載の使用。
- 腫瘍処置用医薬の製造のための、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントと組み合わせられたTIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントの使用である、請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントが、ヒト化抗体またはそのフラグメントである、請求項10に記載の使用。
- 抗原結合フラグメントが、Fab、Fab’−SH、Fv、scFvおよびF(ab’)2フラグメントからなる群から選択される、請求項10または11に記載の使用。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントが、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含み、好ましくはIgG1またはIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含む、請求項11または12に記載の使用。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントが、κまたはλの軽鎖定常領域を含む、請求項13に記載の使用。
- 抗PD−1抗体が、配列番号82で示される軽鎖可変領域またはそのバリアントを含み、好ましくは、バリアントが軽鎖可変領域において0〜10のアミノ酸変異を有し、より好ましくは、アミノ酸変異がA43Sであり;抗PD−1抗体が、配列番号81で示される重鎖可変領域またはそのバリアントを含み、好ましくは、バリアントが重鎖可変領域において0〜10のアミノ酸変異を有し、より好ましくは、アミノ酸変異がG44Rである、請求項11に記載の使用。
- 抗PD−1抗体が、配列番号80で示される軽鎖またはそのバリアントを含み、好ましくは、バリアントが軽鎖可変領域において0〜10のアミノ酸変異を有し、より好ましくは、アミノ酸変異がA43Sであり;抗PD−1抗体が、配列番号79で示される重鎖またはそのバリアントを含み、好ましくは、バリアントが重鎖可変領域において0〜10のアミノ酸変異を有し、より好ましくは、アミノ酸変異がG44Rである、請求項11に記載の使用。
- 抗PD−1抗体が、配列番号80で示される軽鎖、および配列番号79で示される重鎖を含む、請求項11に記載の使用。
- TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントが、ヒト対象に0.1mg/kg〜10.0mg/kgの範囲の投与量で投与される、請求項1に記載の使用。
- 抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントが、ヒト対象に0.1mg/kg〜20.0mg/kgの範囲の投与量で投与される、請求項10に記載の使用。
- 抗TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメント、および抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、医薬組成物。
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