JP2021529546A - 植物材料からタンパク質−繊維濃縮物を調製する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、植物材料、例えば、油糧種子、マメ科植物、及びレンズ豆から天然の機能的タンパク質−繊維濃縮物を首尾よく得ることができる方法に関する。これは、植物材料の適切な前処理と、それに続く、水性溶媒を使用した穏やかな非分解性の条件下で水溶性タンパク質を部分的に抽出し、その後にGRAS有機溶媒の新規組み合わせを使用して固体残留物を精製する方法とによって達成することができる。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
[発明の分野]
本発明は、油糧種子などの植物材料からタンパク質−繊維濃縮物を調製するための方法、並びに前記方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物に関する。本発明はさらに、食品における、タンパク質−繊維濃縮物及び前記方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物の使用に関する。
[発明の背景]
穀物、マメ科植物、又は油糧種子などの植物系供給源中に存在するタンパク質は、通常、繊維、糖、ポリサッカライド、脂肪、脂質、微量栄養素、及び抗栄養因子、例えば、フェノール化合物、フィチン酸塩など、を含む複合体マトリックス中に包埋されている。これらのタンパク質を食品配合物における原料として適用するためには、それらを、原料物質中に存在する不要な成分から精製しなければならない。一般的に、植物系供給源に由来するタンパク質が豊富な産物を提供するための2つの選択肢が存在し、結果として、タンパク質が豊富な産物の2つの異なるクラス:すなわち、タンパク質単離物とタンパク質濃縮物が存在する。
タンパク質単離物を得ることを目的とする方法では、原料物質中に存在するタンパク質性物質は、最初に、好適な溶媒を用いて可溶化され、原料物質から抽出され、続いて、好適な方法、例えば、透析ろ過、吸着、クロマトグラフィ、選択的沈殿など、によって不要な成分から精製され、最終的に、精製された形態、典型的には、適切な乾燥方法によって得られる粉末の形態において単離される。
或いは、タンパク質性物質は、可溶化せずに回収され、不溶形態において産物へと渡され得るが、その一方で、可溶成分は、好適な溶媒を使用して、好適な浸出技術を用いて、原料物質から除去される。そのような方法の産物は、タンパク質濃縮物と呼ばれる。本発明は、タンパク質濃縮物、特にタンパク質−繊維濃縮物を得るための新規の技術に関する。
先行技術は、種皮除去し(繊維画分を除去するために)、並びに糖、グルコシノラート、フィチン酸塩、及びいくつかのフェノール類のようなアルコール可溶性化合物を除去するためにアルコールを使用することによってキャノーラタンパク質濃縮物が得られる方法を開示している。このアプローチを使用することにより、得られた濃縮物中のタンパク質含有量を最大で約70%まで濃縮することが可能であった(J.P.D. Wanasundaraら, Oilseeds and fats, Crops and Lipids, 2016, 23(4), D407; J.P.D. Wanasundara, Critical Reviews in Food Science and Nutrition, 2011, 51(7), 635〜677)。
M Das Purkayasthaら, 2013及びM Das Purkayasthaら, 2014は、アセトン又はメタノールを単独において或いは水又は酸(塩化水素、酢酸、過塩素酸、トリクロロ酢酸、リン酸)との組み合わせにおいて含有する異なる溶媒混合物が、菜種プレスケーキからの非栄養性化合物の抽出に対するその効率を試験する方法について説明している。
欧州特許出願公開第2783576号は、機械的に脱油された菜種種核から菜種タンパク質濃縮物を製造する方法であって、以下:
(a)スクリュープレスにおける摩擦及び圧力を増加させるための、高タンパク質プレスケーキ(HPRC)の再循環及び菜種種核画分(RKF)との混合、
(b)事前の加熱及び乾燥の有無における、スクリュープレスでの菜種種核画分(RKF)の部分的脱油処理、
(c)5〜25%(w/w)の油含有量を有するRCPCを製造するために糖、タンニン、シナピン、グルコシノラートを部分的に除去するための、アルコール水溶液によるHPRCの洗浄、並びに
(d)RCPC中の含水量が10%未満となるまでの、60〜120℃の範囲の温度でのRCPCの乾燥
を含む方法に関するものである。
この方法によって得られるタンパク質濃縮物は、(c)に記載のエタノール洗浄ステップによって除去できなかったかなりの量の油を含有した。
国際公開第2011/057407号では、菜種/キャノーラのトースト処理されたミール(meal)からタンパク質濃縮物及び単離物を得るための方法が開示されている。ヘキサン又は他の低沸点無機溶媒の使用と、その後の高温蒸気を用いた脱溶媒−トースト処理による溶媒残留物の除去とにより、原料物質から脂肪及び脂質が除去される。
これら前述の方法は、原料物質由来のいくつかの非栄養要素から精製されたタンパク質濃縮物、特にタンパク質−繊維濃縮物を調製する手段を提供するが、この手段は、タンパク質濃縮物を食品における価値ある原料として適用するためにその性質が必要不可欠である、タンパク質の性質及び機能を維持しつつ、低脂肪含有量において油糧種子からタンパク質濃縮物を得るための効率的でスケーラブルな方法を提供するという基本的課題を解決しない。慣習的に、脱溶媒処理機−トースト処理機を通って処理されたミールは、タンパク質が蒸気及び高温に曝露されたときに部分的変性を引き起こす厳しい条件により、タンパク質回収にとっての効率的な出発原料ではない。現在、溶媒を使用しない、この方法に取って代わることができる実施可能な油抽出技術は存在しない。低温トースト処理機のような可能性のある解決策は、処理プラントの高価な改良を必要とする。エキスペラプレス処理は、代替の油抽出プロセスであるが、コールドプレス処理プロセスが使用される場合、生成されたミールは、残留油が多すぎる。低油含有量のエキスペラプレス処理されたミールは、脱溶媒処理機−トースト処理されたミールと幾分類似して、タンパク質と非常に相互作用した。コールドプレス処理されたミールは、油、タンパク質、及び他の副産物のさらなる回収のために利用することができるが、この技術及び産物の経済性は、競争力がなければならない(Campbell L.ら, 2015)。
[発明の概要]
本発明の目的は、植物材料、特にかなりの量の油、脂肪、及び/又は脂質を含有する植物材料からの、精製された形態でのタンパク質−繊維濃縮物の調製のための方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、タンパク質−繊維濃縮物の調製のための方法であって、結果として得られるタンパク質−繊維濃縮物が人の消費に好適であるように方法の間、タンパク質の元来の機能特性を維持される、方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、タンパク質−繊維濃縮物の調製のための経済的に実現可能な方法であって、前記タンパク質−繊維濃縮物が前記方法の主要なタンパク質性産物である、方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、タンパク質−繊維濃縮物の調製のための経済的に実現可能な方法であって、前記タンパク質−繊維濃縮物が、方法の側流として得られ、前記方法の主要なタンパク質性産物がタンパク質単離物である、方法を提供することは、である。
本発明は、かなりの量の油、脂肪、及び/又は脂質を含有する植物材料、例えば、油糧種子、マメ科植物、及びレンズ豆など、から天然の機能的タンパク質−繊維濃縮物を首尾よく得ることができる、スケーラブルで経済的に実行可能な方法を提供することによって、上記の目的に対処するものである。このことは、植物材料の適切な前処理と、その後に水性溶媒を使用した穏やかな非分解性条件下で植物材料の水溶性成分を抽出し、その後にGRAS有機溶媒の新規組み合わせを使用して分別、濃縮、及びさらなる精製とを行う方法によって達成することができる。換言すれば、先行技術において公知の抽出、分別、及び濃縮の技術と、それに続く、後に適用される溶媒の極性が低下する順序での少なくとも2種の他の溶媒による水性抽出溶媒の置換とを使用して、水溶液中におけるタンパク質−繊維の濃縮物が調製され、
i)したがって、初期抽出ステップに使用される第1の水性溶媒の主成分は水であり、
ii)第2の溶媒の主成分は、室温で水と混和性である、1〜5個の炭素原子を有するアルコールの群に属し、
iii)第3の溶媒の主成分は、室温において第2の溶媒と混和性であるが第1の溶媒とは部分的にしか混和性でない、有機エステルの群に属する無極性溶媒である。
したがって、本発明の第1の態様は、植物材料からのタンパク質−繊維濃縮物の調製のための方法であって、前記植物材料が、乾燥重量ベースで10〜50重量%の間のタンパク質を含み、前記方法が、以下のステップ:
a)植物材料を粉砕又は細分することにより固体ケーキを生成するステップと;
b)ステップa)において得た固体ケーキを、第1の溶媒の総重量に対して少なくとも90重量%の水を含む第1の溶媒を使用して抽出することにより、第1の固体画分と第1の液体画分との混合物を得るステップと;
c)第1の液体画分を第1の固体画分から分離するステップと;
d)ステップc)において得た第1の固体画分に第2の溶媒を加えるステップであり、第2の溶媒が、第2の溶媒の総重量に対して少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%の、室温において水と混和性である1〜5個の炭素原子を有するアルコールを含む、ステップと;
e)ステップd)において得られた混合物を、ろ過、沈降、遠心分離、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される技術を使用して第2の液体画分及び第2の固体画分に分離するステップと;
f)ステップe)において得られた第2の固体画分に第3の溶媒を加えるステップであり、前記第3の溶媒が、第3の溶媒の総重量に対して少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%、最も好ましくは約99.5重量%の、最大で5個までの炭素原子を有する無極性の親油性有機エステルを含み、最大で5個までの炭素原子を有する無極性の親油性有機エステルが、室温において、少なくとも部分的に第1の溶媒と混和性であり並びに第2の溶媒と完全に混和性であり、第3の溶媒の量が、液相全体が別々の液相へと分離しないように選択される、ステップと;
g)ステップf)において得られた混合物を、ろ過、沈降、遠心分離、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される技術を使用して第3の液体画分及び第3の固体画分に分離するステップと;
h)ステップg)において得られた第3の固体画分を、真空乾燥、噴霧乾燥、過熱蒸気乾燥、及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される技術に供することにより、タンパク質−繊維濃縮物を得るステップであり、タンパク質及び在来(indigenous)繊維の総量が、濃縮物の総乾燥重量に対して少なくとも30重量%である、ステップと
を含む、方法に関する。
本発明はさらに、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維と、1重量%未満の炭水化物(単純糖(simple sugar))と、0.1重量%未満のフェノール化合物とを含むが、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒を含まない、タンパク質−繊維濃縮物に関する。
本発明はさらに、上記において定義される方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物にも関する。
さらなる態様において、本発明は、食品中における、上記において定義されるタンパク質−繊維濃縮物又は上記において定義される方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物の使用に関する。
実施例1a及び1bにおいて使用されるALSEOS 7Lシステムの概略図である。(1)は、第1の溶媒を表し、(2)は、筒状のフィルター要素、100マイクロメートルのワイヤメッシュ、フィルター面積0.1mを表し、(3)は、細分された原料物質を表し、(4)は、ALSEOSカラム、ID0.1m、H1mを表し、並びに、(5)は、ろ液(=粗抽出物、=第1液体画分)を表す。実施例1cにおいて、ALSEOSカラムは、寸法:ID0.2m、H1mを有し、フィルター要素(2)は、両面長方形フレーム0.18×0.85mの形状及び0.3mのフィルター面積を有した。 実施例において説明される本発明の方法の概略図である。
[定義及び略語]
用語「ミール」は、本明細書において使用される場合、粉末形態の植物材料、例えば、小麦粉など、を意味し、前記植物材料は、有機溶媒又は無機溶媒、例えば、ヘキサンなど、によるこれらの油及び脂質の抽出と、その後の蒸気でトースト処理することによる前記溶媒の除去とにより、実質的に油及び脂質を含まない。用語「無機溶媒」は、本明細書において使用される場合、クラッキング、製油、及び/又は精留のプロセスによって石油又は瀝青炭のような化石堆積物に由来の溶媒を意味する。用語「植物材料」は、本明細書において使用される場合、その従来の意味を有し、並びに、植物に由来する材料を意味し、野菜、果実、種子、マメ科植物、及び穀物を包含する。用語「植物原材料」は、本明細書において使用される場合、その従来の意味を有し、並びに、本発明に従って処理することによって新規の有用な産物、例えば、粗植物材料中に元来存在するタンパク質を含有するタンパク質単離物など、に変換することができる粗植物材料を意味する。用語「室温」は、本明細書において使用される場合、18℃から25℃の間の温度である。
用語「在来タンパク質」及び「在来繊維」は、本明細書において使用される場合、天然タンパク質及び天然繊維を意味する。その結果、最終的なタンパク質−繊維濃縮物が、在来タンパク質及び在来繊維を含有する場合、これらのタンパク質及び繊維は、未処理の植物材料中に存在する天然タンパク質及び天然繊維と区別することができない。
用語「室温」は、本明細書において使用される場合、18℃から25℃の間の温度である。
略語「GRAS溶媒」は、「一般に安全と認められる(Generally Regarded As Safe)」溶媒を意味し、産業界向けガイダンス(Guidance for Industry)、Q3C−表及びリスト、米国保健社会福祉省(U.S. Department of Health and Human Services)、米国食品医薬品局医薬品評価研究センター(Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research(CDER))、生物学的製剤評価研究センター(Center for Biologics Evaluation and Research)(CBER)、2012年2月、ICH、改訂2によりクラス3に属する。これに関して、https://www.fda.gov/downloads/drugs/guidances/ucm073395.pdfを参照されたい。
略語「EA」及び「ES」は、それぞれ、「乳化活性」及び「乳化安定性」を意味する。略語「STR」は、「撹拌槽型反応器」を意味する。略語「ALSEOS」は、「油糧種子の水性低剪断抽出(Aqueous Low Shear Extraction of Oil Seeds)」を意味する。略語、「CV」、「G」、「rpm」、「DW」、及び「NS」は、それぞれ、「カラム体積」、「重力」、「毎分回転数」、「乾燥重量」、及び「窒素溶解度」を意味する。
[発明の詳細な説明]
第1の態様において、本発明は、植物材料からのタンパク質−繊維濃縮物の調製のための方法であって、前記植物材料が、乾燥重量ベースで10〜50重量%の間のタンパク質を含み、前記方法が、以下のステップ:
a)植物材料を粉砕又は細分することにより固体ケーキを生成するステップと;
b)ステップa)において得た固体ケーキを、第1の溶媒の総重量に対して少なくとも90重量%の水を含む第1の溶媒を使用して抽出することにより、第1の固体画分と第1の液体画分との混合物を得るステップと;
c)第1の液体画分を第1の固体画分から分離するステップと;
d)ステップc)において得た第1の固体画分に第2の溶媒を加えるステップであり、第2の溶媒が、第2の溶媒の総重量に対して少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%の、室温において水と混和性である1〜5個の炭素原子を有するアルコールを含む、ステップと;
e)ステップd)において得られた混合物を、ろ過、沈降、遠心分離、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される技術を使用して第2の液体画分及び第2の固体画分に分離するステップと;
f)ステップe)において得られた第2の固体画分に第3の溶媒を加えるステップであり、前記第3の溶媒が、第3の溶媒の総重量に対して少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%、最も好ましくは約99.5重量%の、最大で5個までの炭素原子を有する無極性の親油性有機エステルを含み、最大で5個までの炭素原子を有する無極性の親油性有機エステルが、室温において、少なくとも部分的に第1の溶媒と混和性であり並びに第2の溶媒と完全に混和性であり、第3の溶媒の量が、液相全体が別々の液相へと分離しないように選択される、ステップと;
g)ステップf)において得られた混合物を、ろ過、沈降、遠心分離、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される技術を使用して第3の液体画分及び第3の固体画分に分離するステップと;
h)ステップg)において得られた第3の固体画分を、真空乾燥、噴霧乾燥、過熱蒸気乾燥、及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される技術に供することにより、タンパク質−繊維濃縮物を得るステップであり、タンパク質及び在来繊維の総量が、濃縮物の総乾燥重量に対して少なくとも30重量%である、ステップと
を含む、方法を提供する。
一実施形態において、本明細書において定義されるステップh)は、ステップg)において得られた第3の固体画分を、真空乾燥、噴霧乾燥、対流乾燥、過熱蒸気乾燥、及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される技術に供することにより、タンパク質−繊維濃縮物を得るステップであり、タンパク質及び在来繊維の総量が、濃縮物の総乾燥重量に対して少なくとも30重量%である、ステップに取って代わられる。
乾燥重量ベースで10〜50重量%の間のタンパク質を含む植物材料は、好ましくは、野菜、果実、種子、マメ科植物、穀物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましい実施形態において、乾燥重量ベースで10〜50重量%の間のタンパク質を含む植物材料は、植物原材料であり、植物原材料は、それが未加工の粗植物材料であることを意味する。より好ましい実施形態において、乾燥重量ベースで10〜50重量%の間のタンパク質を含む植物材料は、油糧種子、例えば、菜種、キャノーラ、ヒマワリ、紅花、及び綿実種子など、豆類、例えば、大豆及び他の豆、マメ科植物及びエンドウ豆など、例えば、ヒヨコ豆、赤レンズ豆、緑レンズ豆、黄レンズ豆、及び茶レンズ豆など、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましい実施形態において、乾燥重量ベースで10〜50重量%の間のタンパク質を含む植物材料は、油糧種子、例えば、菜種、キャノーラ、ヒマワリ種、亜麻仁、紅花種、綿実種子、及びそれらの組み合わせなど、からなる群から選択され、好ましくは、植物材料は、菜種、大豆、又はヒマワリである。
植物原材料、例えば、菜種、キャノーラ、ヒマワリ、紅花、綿実種子などの油糧種子、豆類、例えば、大豆及び他の豆、マメ科植物及びエンドウ豆など、例えば、ヒヨコ豆、赤レンズ豆、緑レンズ豆、黄レンズ豆、及び茶レンズ豆など、は、それらの天然タンパク質含有量のかなりの割合が、アルブミン及び/又はグロブリンと呼ばれるタンパク質のクラスに属するという共通の特徴を共有し、すなわち、それらは、水並びに/或いはNH 、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+のようなカチオン及び/又はCl、SO42−、SO32−、HSO3−のようなアニオンを含有する無機塩の水溶液に可溶性である。タンパク質以外に、これらの植物原材料は、典型的には、他のタイプの化合物も含み、それらは、植物材料のタイプに依存して変わる割合において存在する。前記他の化合物は、典型的には、サッカライド(ポリサッカライド、オリゴサッカライド、モノサッカライド)、でんぷん、フィチン酸塩、フェノール化合物、繊維成分、非タンパク質窒素化合物などである。植物原材料中に存在し得る成分のうちの注目に値する異なるクラスの1つは、4〜28個の範囲内の数の炭素原子を有する脂肪酸で構成された分子構造中に無極性部分を有するという共通の特徴によって特徴付けられる、脂質、例えば、脂肪、油、リン脂質、糖脂質など、を包含する。
当業者は、本発明の教示による処理の前に、種子全体、豆、又は穀物の形態の植物原材料を、前選択及び/又は乾燥分別、例えば、脱ぷ処理(すなわち、さや及び種子の外殻の除去)などに供してもよいことを理解するであろう。そのような作業は、乾式分別によって除去することができる部分のタンパク質含有量が、タンパク質産物を得るためにさらなる処理に供される部分のタンパク質含有量と比べて著しく低い場合に、特に有利であり得る。
したがって、好ましい実施形態において、特に、植物原材料が、種子全体、豆、又は穀物を含む場合に、ステップa)前の植物材料から、好ましくは脱ぷ処理、剥皮処理、乾式分別、又はそれらの組み合わせの好適な方法を用いて、被膜、樹皮、殻、外皮などの形態を有するタンパク質が乏しくリグニンが豊富な外層を、少なくとも部分的に枯渇させる、上記において定義される方法。
典型的には、油糧種子及び大豆の場合、植物原材料中に存在する脂肪、油、及び脂質の一部は、機械的手段、例えば、押出処理又はコールドプレスなど、によって植物原材料から抽出されて油糧種子ケーキを生成し得るか、或いは前記脂肪、油、及び脂質を、化学的手段、例えば、ヘキサンなどの無極性親油性溶媒での抽出など、によって抽出することができる。ヘキサン抽出が用いられる従来の方法において、意図的に設計された脱溶媒機/トースト処理ステップにおいてミールからヘキサンの残留物を除去するために、典型的には、蒸気及び高温が用いられる。そのような処理は、ミール中に存在するタンパク質の部分的な不可逆的変性及び関連する機能特性、例えば、溶解度及び/又は脂質と安定なエマルションを形成する能力など、の損失により、ミール中のタンパク質の品質に対して悪影響を及ぼし得る。
好ましい実施形態において、植物材料は、ステップa)の前に、機械的手段、好ましくはコールドプレスを使用して、少なくとも部分的に脱脂処理される。好ましくは、機械的手段を使用する脱脂処理ステップにおいて、有機溶媒も無機溶媒も使用されない。
上記において定義される方法の利点は、植物原材料がかなりの量の脂肪、油、及び/又は脂質を含む場合に、最も顕著である。したがって、好ましい実施形態において、植物原材料は、乾燥重量ベースで少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、さらにより好ましくは少なくとも15重量%の脂肪、油、及び脂質を含む。
非常に好ましい実施形態において、植物原材料は、75℃より高い温度に加熱されない。
示されるように、植物原材料の粉砕又は細分が実施される。これは、抽出のために使用される第1の水性溶媒中での植物材料の分配及び懸濁を促進するための必要なステップである。それをすることにより、粉砕又は細分された植物原材料と、抽出のために使用された第1の溶媒との間の効果的な物質移動のための条件が容易となる。
好ましい実施形態において、ステップb)の第1の溶媒は、水又は、塩と任意選択によりさらなる添加剤とを含む水溶液である。
粉砕又は細分された植物原材料から第1の溶媒への水溶性成分の抽出は、懸濁又は分散された固相と、第1の溶媒の連続液相との間の物質移動を促進するために好適な任意の技術、例えば、
i)STRにおいて混合すること;
ii)充填層として固定される粉砕又は細分された植物原材料を、充填層を通って浸出する第1の溶媒に接触させること;
iii)粉砕又は細分された植物原材料を、上向きに流れる第1の溶媒に懸濁させることによって、植物原材料を第1の溶媒に接触させること;又は
iv)粉砕又は細分された植物原材料を重力及び/又は遠心力の作用によって第1の溶媒中において沈降させることにより、材料を第1の溶媒に接触させること
によって達成され得る。
当業者は、粉砕又は細分された植物原材料を第1の溶媒に接触させる全てのこれらの手段及びメカニズムが、接触装置において発生する剪断の量によって特徴付けられる2つの異なるクラスに分割することができることを理解する。低剪断モードの作業において、充填層においてと同様に、膨張層又は流動層において、或いは重力沈降の際、接触装置における剪断力及び速度勾配は、粉砕又は細分された植物原材料の完全性が実質的に保持され、並びに粉砕又は細分された植物原材料と第1の溶媒との間の物質移動が、主に、粉砕又は細分された植物原材料から、停滞する又はゆっくりと流れる第1の溶媒中への可溶性成分の拡散によって支配され、その一方で、繊維及び脂質のような非可溶性成分は、主にそのまま残され、固体マトリックスに補足されような、低レベルである。対照的に、STRのように、アジテーションに起因する剪断速度が、特にアジテータの付近において、100秒−1を超え得るような、高剪断モードの作業が用いられる場合、粉砕又は細分された植物原材料の完全性は、概して、速度勾配の破壊効果及び/又は撹拌装置によって発生された乱流のために、保持されないであろう。実際に、粉砕又は細分された植物原材料の粒子は、断片化に供することができ、その後、微粉及び脂質のような構成成分は液相へと放出される。これらの微粉及び脂質の放出は、抽出ステップのさらなる下流のプロセスに悪影響を及ぼし得る。高剪断装置におけるタンパク質及び脂質の共抽出は、タンパク質、脂質、固体微粉、及び非栄養要素が、グリース様非晶体に補足されることになる、マイクロエマルションの形成も引き起こし得、それは、処理装置に対して重大な問題を引き起こし、タンパク質の分別、精製、及び単離のプロセスを実行不可能にし得る。したがって、好ましい実施形態において、ステップb)における水溶性成分の抽出は、低剪断条件下において実施される。
第1の溶媒に懸濁又は分散された粉砕又は細分された植物原材料からの可溶性成分の抽出は、バッチ式モード、半連続モード、完全連続モードの操作において実施することができる。十分な長さの接触時間、典型的には1〜8時間、より好ましくは2〜6時間を仮定する場合、可溶性成分のかなりの部分が、粉砕又は細分された植物材料から放出されるであろうし、第1の溶媒中に溶解して、第1の液体画分(「粗抽出物」とも呼ばれる)と、可溶化されなかったタンパク質−繊維マトリックスを含む残留した材料を含有する第1の固体画分とを生じる。
好ましい実施形態において、ステップc)における第1の固体画分からの第1の液体画分の分離は、遠心分離、沈降、ろ過、及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される技術を使用して実施される。
ステップd)において得られる固体画分に加えられる第2の溶媒は、第2の溶媒の総重量に対して少なくとも60重量%の、室温において水と混和性の、1〜5個の炭素原子を有するアルコールを含む。好ましい実施形態において、室温において水と混和性の1〜5個の炭素原子を有するアルコールは、0.8〜0.4の間の相対極性を有する。様々な溶媒の相対極性の値は、Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry, Wiley−VCH Publishers, 第3版, 2003において開示されており、なお、この文献は、参照により本明細書に組み入れられる。水は、1の相対極性を有する。より好ましい実施形態において、室温で水と混和性である、1〜5個の炭素原子を有するアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール、ブタノール、イソ−ブタノール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
第1の固体画分への第2の溶媒の添加は、液相の極性に対する効果を有するであろうし、タンパク質−繊維マトリックスと他の成分及び不純物、例えば、サッカライド、フェノール化合物、及び/又はイソフラボンなど、との間の相互作用の性質を、これらの不純物がタンパク質−繊維マトリックスから解離することができ、後続の固液分離ステップにおいてタンパク質−繊維マトリックスから除去することができるような方式において、変更し得る。したがって、第2の溶媒の添加及び第1の溶媒の置換は、それを行わなければその天然形態において前記タンパク質−繊維マトリックスと会合する不純物からのタンパク質−繊維マトリックスの効率的な精製を促進し得、この場合、タンパク質−繊維マトリックスが第1の(水性)溶媒中にある間は、不純物を除去しにくい。
本発明の目的は、人の食品における用途のためのタンパク質−繊維濃縮物を提供することであるため、好適な第2の溶媒の選択は、機能性並びに健康及び安全性への懸念によって決定される。上記において言及した制限により、室温において水と混和性である、1〜5個の炭素原子を有するアルコールの最も好ましい選択は、エタノールである。
エタノールは、食品産業において一般的に使用されており、GRAS溶媒として認識されている。方法のステップd)において使用される第2の溶媒の量は、第1の溶媒中のタンパク質の濃度の程度、第1の溶媒と第2の溶媒との混合物におけるタンパク質の溶解度、及び第2の溶媒に関連する変性効果によって決定されるであろう。好ましい実施形態において、第2の溶媒の量は、例えば、1:10〜1:1の間、好ましくは1:3〜2:3の間であるような、ステップb)において使用される第1の溶媒とステップd)において使用される第2の溶媒の重量比を達成する量である。第2の溶媒の添加の後に混合物が形成され、この場合、タンパク質−繊維は、主に、沈殿した固体画分として存在し、可溶性化合物、例えば、サッカライド、フェノール化合物、イソフラボン、及び他の不純物など、は、液相中に見出される。脂肪及び脂質が存在する場合、それらは、主に、固体画分と会合しているであろう。
固体画分は、第2の固体画分及び第2の液体画分を得るために、ステップe)において、ろ過、沈降、遠心分離、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される技術を使用して、混合物から単離される。当業者によって理解されるであろうように、第2の固体画分は、方法において使用された溶媒、例えば、水及び水混和性アルコールなど、の痕跡量を含む。第2の固体画分は、方法の他のステップにおいて除去されなかった脂肪及び脂質の残留物も含有し得る。
第2の固体画分の単離の後に、タンパク質産物の純度をさらに向上させるために、さらなる洗浄ステップを用いることができ、それにより、第2の溶媒の新たな一部を、第2の固体画分に加えて、その後にろ過、沈降、遠心分離、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される好適な固液分離ステップを行うことができることを、当業者は、さらに理解するであろう。
ステップf)において加えられた第3の溶媒は、第3の溶媒の総重量に対して少なくとも90%の、最大で5個までの炭素原子を有する無極性親油性有機エステルを含み、最大で5個までの炭素原子を有する無極性の親油性有機エステルは、室温において、少なくとも部分的に第1の溶媒と混和性であり並びに第2の溶媒と完全に混和性であり、第3の溶媒の量は、好ましくは、液相全体が別々の液相へと分離しないように選択される。好ましい実施形態において、第3の溶媒の量は、1:10〜1:1の間、好ましくは1:5〜1:2の間の、第2の溶媒と第3の溶媒との重量比を達成するような量であるであろう。第3の溶媒の添加は、液相の極性に対して影響を及ぼすであろうし、油、脂肪、及び脂質の溶解度を変更するであろうし、無極性不純物がタンパク質−繊維から解離することができるような、そしてその後の固液分離ステップにおいて除去することができるような方式において、タンパク質−繊維と無極性不純物との間の相互作用の性質も変更し得る。したがって、第3の溶媒の添加並びに第1の溶媒及び第2の溶媒の置換は、それを行わなければその天然形態において前記タンパク質−繊維マトリックスと会合する不純物からのタンパク質−繊維マトリックスの効率的な精製を促進し、この場合、タンパク質−繊維マトリックスが第1及び/又は第2の溶媒中に存在する間は、不純物を除去しにくい。
好ましい実施形態において、室温において、少なくとも部分的に第1の溶媒と混和性であり並びに第2の溶媒と完全に混和性である、最大で5個までの炭素原子を有する無極性の親油性有機エステルは、0.4未満の相対極性を有する。
本発明の目的は、人の食品における用途のためのタンパク質−繊維濃縮物を提供することであるため、好適な第3の溶媒の選択は、機能性並びに健康及び安全性への懸念によって決定される。これらの制限により、この無極性溶媒の最も好ましい選択は、酢酸エチルである。酢酸エチルは、食品産業において一般的に使用されており、GRAS溶媒として認識されている。好ましい実施形態において、ステップg)において使用される第3の溶媒中の、最大で5個までの炭素原子を有する無極性親油性有機エステルは、酢酸エチルである。
ステップf)において得られる固体−液体混合物は、ろ過、沈降、又は遠心分離を使用して、第3の液体画分と第3の固体画分とに分離される。第3の溶媒の作用による脂質及び他の無極性不純物の除去により、タンパク質−繊維マトリックスの純度は、さらに向上し、その結果、第4の固体画分のタンパク質及び在来繊維の含有量は、第4の溶媒の総乾燥重量の30重量%を超える。
第3の固体画分の単離の後に、純度をさらに向上させるために、及び/又は第3の固体画分から第1及び第2の溶媒の残留物をさらに除去するために、追加の洗浄ステップを採用することができ、それにより、第3の溶媒の新たな一部を第3の固体画分に追加し、その後にろ過、沈降、遠心分離、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される好適な固液分離ステップを行うことができることを、業者は理解するであろう。
第3の溶媒に浸かるタンパク質−繊維濃縮物である第3の固体画分は、ステップh)において、タンパク質−繊維濃縮物を得るために、真空乾燥、噴霧乾燥、過熱蒸気乾燥、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される技術に供され、この場合、タンパク質と繊維の合計の含有量は、タンパク質−繊維濃縮物の総乾燥重量の少なくとも90重量%である。
好ましい実施形態において、ステップh)において得られたタンパク質−繊維濃縮物中の第3の溶媒の残留量は、食物当局によって必要とされる許容可能なレベル未満であり、典型的には1000ppm未満、好ましくは100ppm未満、さらにより好ましくは30ppm未満である。
上記において定義される第3の溶媒、例えば、酢酸エチルなど、を使用することの利点は、その高い揮発性と蒸発の際の低い潜熱(368kJ/kg)であり、それは、水(2260kJ/kg)及びエタノール(841kJ/kg)より著しく低く、そのことは、方法において使用した溶媒の残留物を除去するためにより少ない量のエネルギーを必要とすること、並びに、第1の溶媒又は第2の溶媒又はそれらの組み合わせのみが使用される方法と比較して、乾燥の際にタンパク質が曝露される温度を低くすることができることを意味している。タンパク質は、高温の影響に敏感であることが知られており、例えば、噴霧乾燥の際に、著しく変性されてしまう。例えば、乳清タンパク質の最大で70%までが、噴霧乾燥の際に変性され得ることが報告されている。これに関しては、Md. Amdadul Haque, 2015, Drying and Denaturation of Proteins in Spray Drying Process, https://www.researchgate.net/publication/275100415を参照されたい。
第1及び第2の溶媒を第3の溶媒で置換するさらなる別の利点は、高温においてでさえ、酢酸エチルのようなエステルなどの非極性親油性溶媒中での植物タンパク質の変性の程度が低いことである。これに関して、D. Fukushima, 1969, Denaturation of soy proteins by organic solvents, www.aaccnet.org/publications/cc/backissues/1969/Documents/Chem46_156.pdfを参照されたい。
タンパク質含有材料から脂肪及び脂質の残留物を除去するための親油性GRAS溶媒、例えば、酢酸エチルなど、の使用は、油糧種子などの植物材料から食品グレードのタンパク質産物を製造する方法において、ヘキサンなどの鉱油に由来する有害な溶媒の使用を時代遅れなものにするという点において、さらなる利点をもたらす。これは、ミールからヘキサンの残留物を除去するために産業界によって現在採用されている、典型的には蒸気及び高温の使用を伴い、ミール中に存在するタンパク質の抽出性及び機能性を著しく制限する、従来のステップの排除も意味する。
非常に好ましい実施形態において、上記において定義される方法において使用される溶媒は、実質的に、GRAS溶媒からなる。別の非常に好ましい実施形態において、上記において定義される方法は、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒、例えば、ヘキサンなど、を使用することなく実施される。
本発明の方法は、極限条件、例えば、高温又はpHの大きなシフトなど、の使用を必要としない。むしろそれとは反対に、方法全体を通じてタンパク質が曝露される温度は、好ましくは、0〜70℃の間、より好ましくは0〜55℃の間、より好ましくは4〜50℃の間、より好ましくは4〜20℃の間、最も好ましくは10〜20℃の間の範囲に維持され、並びにpHは、好ましくは、5〜8の間の範囲に維持される。
好ましい実施形態において、ステップc)の後かつステップd)の前の第1の固体画分を、2〜12の間のpHにおいて実施される第1の溶媒を使用した追加の洗浄ステップ及びその後の固液分離ステップに供する、本発明による方法が提供される。
当業者は、3〜5の間の低いpHにおいて追加の洗浄ステップを実施することが、タンパク質性画分を不溶性状態に維持しつつ、フィチン酸のような酸性溶液に可溶である非栄養要素を洗い流すのに役立ち得ることを理解するであろう。
当業者は、高い塩基性pHにおいて追加の洗浄ステップを実施することは、マトリックスの繊維成分を無傷のままにしつつ、塩基性溶液に可溶な成分、例えば、タンパク質及び脂質など、を洗い流すために、方法のいくつかの用途において役立ち得ることも理解するであろう。
好ましい実施形態において、ステップe)の後かつステップf)の前の第1の固体画分を、第2の溶媒を使用した追加の洗浄ステップ及びその後の固液分離ステップに供する、本発明による方法が提供される。
好ましい実施形態において、ステップg)の後かつステップh)の前の第3の固体画分を、第3の溶媒を使用した追加の洗浄ステップ及びその後の固液分離ステップに供する、本発明による方法が提供される。
好ましい実施形態において、上記において定義される方法のステップh)において得られるタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維を含む。
好ましい実施形態において、本明細書において定義される方法のステップh)において得られるタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物(単純糖)と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物とを含むが、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まない。
別の好ましい実施形態において、本明細書において定義される方法のステップh)において得られるタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物(単純糖)と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物と乾物ベースで4重量%未満、好ましくは2重量%未満の脂肪、油、及び脂質とを含むが、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まない。
別の好ましい実施形態において、本明細書において定義される方法のステップh)において得られるタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、さらにより好ましくは少なくとも30重量%、さらにより好ましくは少なくとも50重量%の在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物と、乾物ベースで4重量%未満、好ましくは2重量%未満の脂肪、油、及び脂質とを含むが、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まない。
さらなる別の好ましい実施形態において、本明細書において定義される方法のステップh)において得られるタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物(単純糖)と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物とを含むが、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まず、並びに、少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%の乳化活性(EA)を有する。
別の好ましい実施形態において、本明細書において定義される方法のステップh)において得られるタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、さらにより好ましくは少なくとも30重量%、さらにより好ましくは少なくとも50重量%の在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物(単純糖)と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物と、乾物ベースで4重量%未満、好ましくは2重量%未満の脂肪、油、及び脂質とを含むが、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まず、並びに、少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%のEAを有する。
本発明は、上記において説明される性質を有するタンパク質−繊維濃縮物を調製するための方法を提供するものであり、一態様において、本発明は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維を含むが、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まない、タンパク質−繊維濃縮物であって、好ましくは、本発明による方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物を提供する。
別の態様において、本発明は、本発明による方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物を提供する。
本発明によるタンパク質−繊維濃縮物は、好ましくは、乾物ベースで4重量%未満の脂肪、油、及び脂質を含む。好ましくは、本発明によるタンパク質−繊維濃縮物は、少なくとも3g/gの吸水能力及び少なくとも1g/gの脂肪吸収能力を示す。
特に、本発明による菜種ケーキ由来のタンパク質−繊維濃縮物の場合、タンパク質−繊維濃縮物の含む脂肪、油、及び脂質が、乾物ベースで1重量%未満であることは、より好ましい。本発明による菜種ケーキに由来するタンパク質−繊維濃縮物が、少なくとも5g/g、より好ましくは少なくとも7g/g、最も好ましくは少なくとも9g/gの吸水能力と、少なくとも5g/g、より好ましくは少なくとも6g/gの脂肪吸収能力とを示すことは、特に好ましい。
本発明によるタンパク質−繊維濃縮物は、好ましくは、30〜70%の間、より好ましくは40〜55%の間の乳化活性と、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%の乳化安定性とを示す。
好ましい実施形態において、本明細書において定義されるタンパク質−繊維濃縮物又は本明細書において定義される方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物(単純糖)と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物とを含み、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まない。
好ましい実施形態において、本明細書において定義されるタンパク質−繊維濃縮物又は本明細書において定義される方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物(単純糖)と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物と、乾物ベースで4重量%未満、好ましくは2重量%未満の脂肪、油、及び脂質とを含み、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まない。
別の好ましい実施形態において、本明細書において定義されるタンパク質−繊維濃縮物又は本明細書において定義される方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、さらにより好ましくは少なくとも30重量%、さらにより好ましくは少なくとも50重量%の在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物(単純糖)と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物と、乾物ベースで4重量%未満、好ましくは2重量%未満の脂肪、油、及び脂質とを含み、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まない。
さらなる別の好ましい実施形態において、本明細書において定義されるタンパク質−繊維濃縮物又は本明細書において定義される方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物とを含み、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まず、並びに、少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%のEAを有する。
別の好ましい実施形態において、本明細書において定義されるタンパク質−繊維濃縮物又は本明細書において定義される方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物は、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、さらにより好ましくは少なくとも30重量%、さらにより好ましくは少なくとも50重量%の在来繊維と、乾物ベースで1重量%未満の炭水化物(単純糖)と、乾物ベースで0.1重量%未満のフェノール化合物と、乾物ベースで4重量%未満、好ましくは2重量%未満の脂肪、油、及び脂質とを含み、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒は含まず、並びに、少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%のEAを有する。
上記において既に説明したように、本発明によるタンパク質−繊維濃縮物を得るための方法は、とりわけ溶媒の選択により、食品における使用に対して最適化された。したがって、本発明はさらに、食品における、本発明によるタンパク質−繊維濃縮物の使用を提供する。
本発明について、上記において説明したある特定の実施形態を参照することによって説明してきた。これらの実施形態が当業者に周知の様々な変更及び代替の形態を受け入れる余地のあることは認められるであろう。
その上、本明細書及びその特許請求の範囲の適切な理解のため、動詞「含むため(to comprise)」及びその活用形は、その語句に続く品目が含まれるが、具体的に言及されない品目も排除されないことを意味するために、非限定的な意味において使用されることは理解されるべきである。さらに、不定冠詞「a」又は「an」による要素への参照は、文脈が、要素が唯一無二において存在することを明確に必要とする場合を除いて、複数の要素が存在する可能性を排除しない。したがって、不定冠詞「a」又は「an」は、通常、「少なくとも1つ」を意味する。
(実施例1)
実施例1の実験の目的は、本発明の方法に従って、3種の異なる油糧種子:大豆(実施例1a)、ヒマワリケーキ(実施例1b)、及び菜種ケーキ(実施例1c)、から繊維−タンパク質濃縮物の試料を作製することである。
方法の概略図が図1に示されており、プロセスパラメーターに対する設定値は、セクション「方法の詳細」において与えられる。
(方法の詳細)
方法は、下記において説明されるように9のプロセスステップを含む。これらのステップに関連する重要なパラメーター及びプロセス情報を以下にまとめる。
(1.パルプの調製)
細分された油糧種子ケーキ(菜種、ヒマワリ)又は植物原材料(大豆)を、別々の容器において、パルプを均一にするために必要な最小限の努力において1:4(w/w)の比で抽出媒体と混合することにより、パルプを調製する。
(2.ALSEOS装置での抽出)
ALSEOS 7Lシステムの概略図を図1に示す。ALSEOS装置の作動原理は、国際公開第2016/093698号において説明されており、なお、この文献は、参照により本明細書に組み入れられる。
1a(大豆)及び1b(ヒマワリケーキ)では、ALSEOS 7L(==カラム体積 7L)を使用した
1c(菜種ケーキ)では、ALSEOS 30L(==カラム体積 30L)を使用した
ALSEOS装置に、(1)において調製したパルプを装入する(1CV==作業容量の100%、まで)。新たな抽出溶媒を、ALSEOSカラムの底部においてフローディストリビュータによって供給し、カラムにおいて垂直に位置されたろ過装置を通過させた後、粗抽出物が、ろ液側において収集される。カラムに保持された固体残留物は、次いで、繊維−タンパク質濃縮物へとさらに処理される。抽出ステップの詳細は、下記及び表1に示す。
a)抽出媒体:2%のNaCl、0.1%のNaSO
b)温度:15℃
c)抽出のpH:天然(5〜6.5の間のpH)
d)抽出の目標容量:>1CV(==>1a及び1bにおいて使用されるALSEOS 7の場合は7L、1cにおいて使用されるALSEOS 30Lの場合は>30L)
e)媒体流量範囲:0.25〜0.5CV/時
(3.遠心分離による固液分離)
a)時間:30分
b)温度:4℃
c)相対遠心力:4000G
(4.STR(撹拌槽型反応器)におけるEtOHステップ)
a)ステップ3において得られたペレットの5倍量の70%EtOH(体積/体積)を加えた
b)投薬時間−10分
c)インキュベーション時間−10分
(5.遠心分離による固液分離)
a)時間:30分
b)温度:4℃
c)相対遠心力:4000G
(6.STR(撹拌槽型反応器)における酢酸エチルステップ1)
a)ステップ5において得られた湿潤ペレットの5倍量の酢酸エチル(99.5%純度)を加えた
b)添加時間−迅速に一度に加える
c)インキュベーション時間−30分
(7.遠心分離による固液分離)
a)時間:30分
b)温度:4℃
c)相対遠心力:4000G
(8.酢酸エチルステップ2)
a)酢酸エチル−酢酸エチルステップ7の後の湿潤タンパク質沈殿物の5倍
b)添加時間−迅速に一度に加える
c)インキュベーション時間−30分
(9.遠心分離による固液分離)
a)時間:30分
b)温度:4℃
c)相対遠心力:4000G
(10.真空棚段乾燥機での乾燥)
a)時間:24〜48時間
b)温度:50℃
c)真空乾燥機の圧力:10mbar
Figure 2021529546
抽出後の第1の固体画分を、本発明の方法により、タンパク質−繊維濃縮物へと処理することにより(上記ステップ2〜10)、以下の量のタンパク質−繊維濃縮物を得た。
大豆から351g
菜種ケーキから103g
菜種ケーキから220g
(分析試験の結果)
「Methods used to characterize the raw plant material and protein−fibre concentrates」に記載される方法に従って、分析試験を実施した。理化学的及び機能特性を含むタンパク質−繊維濃縮物の特徴を表2に示す。
Figure 2021529546
実施例において使用した主要な設備を表3に示す。
Figure 2021529546
供給源植物材料の特徴:実施例において使用した植物原材料(大豆)及びケーキ(ヒマワリ、菜種)を表4に示す。
Figure 2021529546
説明した方法は、植物起源の異なる原料物質からタンパク質−繊維濃縮物を生成することができた。得られた全てのタンパク質−繊維濃縮物に対して、機能性パラメーターES及びEAは、高水準である。菜種濃縮物は、高水準の吸水能力(WAC=6.23g(水)/g(試料))及び油吸収能力(OAC=3.24g(油)/g(試料))において明確にそれ自身を区別する。
(実施例2)
実施例2において、2つの異なる油糧種子、すなわち、菜種及び大豆から繊維−タンパク質濃縮物を製造した。
方法の出発原料は、以下のように製造した。2.5kgの菜種ケーキ及び2kgの大豆を得るために、原材料を磨砕し、篩にかけた。1mm未満の粒子サイズの画分を得るために、磨砕した材料を篩にかけ、画分をさらに処理した。
磨砕し篩がけした菜種ケーキは、以下において出発原料「R」と呼ぶ。同様に、磨砕し篩がけした大豆は、以下において出発原料「S」と呼ぶ。
その後、1.5kgの菜種ケーキ及び1kgの大豆(磨砕及び篩がけしたもの)を、個別に、ヘキサンで脱脂した。菜種の場合、1.5kgの磨砕し篩がけした菜種ケーキを、機械的撹拌機上のビーカーにおいて、0.5時間かけて4.5L(2970g)のヘキサンと混合した(最初に、100rpmにおいてアンカー式混合要素によって、並びに3回洗浄後、250rpmにおいてプロペラ式混合要素によって)。その後、結果として得られる懸濁液を遠心分離処理した(4000G、30分間、22℃)。上澄みを別の容器に注ぎ入れ、残った残留物を4.5Lのヘキサンと混合した。得られる上澄みが透明になるまで同じ手順を12回繰り返したが、それは、(十分な)脂肪が材料から除去されたことを示した。遠心分離機においてデカントした後、残留物を、40℃及び100mbarにおいて20〜22時間真空乾燥した。後続のステップにおいて、残留物を半分に分割し、その一方を、90±2℃において1時間トースト処理(蒸気処理)し、再び乾燥させた。このようにして得られた試料は、以下において出発原料R+H+Tと呼ぶ。
同様に、1kgの磨砕し篩がけした大豆を、3L(1980g)のヘキサンと混合し、それを同じ方式において処理した。R+H+Tの製造のための方法との唯一の違いは、機械的撹拌の際の200rpmの使用と合計で9回の洗浄ステップであった。このようにして得られた試料は、以下において出発原料S+H+Tと呼ばれる。
出発原料のpHは、それぞれ、R、R+T+H、S及びS+T+Hに対して5.74、5.78、6.45、及び6.38として特定した。これらのpHにおいて、タンパク質は、それらの天然の状態にある。
タンパク質−繊維濃縮物を得るために、出発原料R、S、R+T+H、及びS+T+Hを、同じ後続のプロセスステップに供した。
さらなる方法は、10のステップを含む。特に明記されない限り、使用される主要な設備は、実施例1において使用したものと同様である(表3)。STR(撹拌槽型反応器)装置において、各出発原料を抽出溶媒に懸濁させ、結果として得られた混合物を、機械的撹拌機による激しい混合に供することにより、抽出ステップを実施した。続いて、懸濁液を遠心分離処理し、上澄みを捨て、残った残留物を混合機によって70%のEtOHと混合し、再び遠心分離処理した。結果として得られた上澄みを注ぎ出し、残った残留物を、混合機によって酢酸エチルと混合し、続いて遠心分離処理した。結果として得られた上澄みを別々の容器に注ぎ入れ(さらなる蒸留のために)、残留物を真空予備乾燥し、磨砕し、篩がけして、再び真空乾燥した。
出発原料R、R+T+H、S、及びS+T+Hによって実施した方法を、それぞれ、実験2a、2b、2c、及び2dと呼ぶ。実験2a及び2cは、本発明による。全てのプロセスパラメーターを以下にまとめる。
(1.STR装置での抽出)
a)原材料を、比1:4(w/w)において抽出媒体と混合し、STRにおいて抽出した
b)抽出媒体:0.9%のNaCl、0.1%のNaSO、0.1%のEtOH96%、0.1%のE211
c)媒体温度:15℃
d)懸濁のために使用した媒体の量:出発原料の4倍[重量比]
e)懸濁時間:10分
f)抽出時のpH:元来のpH、その後、pH値:4.0に調整した
g)混合速度:200〜350rpm
h)混合時間:30分
(2.遠心分離による固液分離)
a)時間:20分
b)温度:22℃
c)相対遠心力:4000G
(3.STR装置でのEtOHステップ)
a)70%のEtOH:湿潤残留物の5倍[重量比]
b)添加時間:迅速に一度に加える
c)混合時間:1分
(4.遠心分離による固液分離)
a)時間:20分
b)温度:22℃
c)相対遠心力:4000G
(5.酢酸エチルステップ)
a)酢酸エチル−湿潤残留物の5倍[重量比]
b)添加時間−迅速に一度に加える
c)混合時間:1分
(6.遠心分離による固液分離)
a)時間:20分
b)温度:22℃
c)相対遠心力:4000G
(7.予備乾燥)
a)予備乾燥時間:20〜22時間
b)予備乾燥温度:40℃
c)予備乾燥圧力:100mbar
(8.磨砕)
a)乳棒位置:1〜8
b)時間:5分後
c)サイクルでの繰返し数:2〜9
(9.篩がけ)
a)振幅:2mm
b)時間:3分。
c)メッシュ:150μm
d)インターバル時間:10秒間
(10.乾燥)
a)時間:72時間
b)温度:70℃
c)真空乾燥機の圧力:100mbar未満
出発原料R、R+T+H、S、及びS+T+Hの性質を表5に列挙する。実験2a、2b、2c、及び2dの後に結果として得られるタンパク質−繊維濃縮物の性質を表6に列挙する。
Figure 2021529546

Figure 2021529546
実施例2から以下の結論が導かれた。
i)酢酸エチルを使用することで、タンパク質−繊維濃縮物から脂質を効率的に除去することができる。酢酸エチルは、ヘキサンに対する良好な代替手段である。
ii)エタノールを使用することで、タンパク質−繊維濃縮物からフェノール化合物を効率的に除去することができる。
iii)従来のヘキサンによる洗浄及びトースト処理は、EA(エマルションを形成する能力)及びNS(窒素溶解度)に対して悪影響を有する。一般的に、EA及びNSの高い値は、食品配合物中のタンパク質成分の有用性の指標と考えられる。本発明による方法は、従来のヘキサンによる洗浄及びトースト処理が適用される方法よりも、EA及びNSの値が高いタンパク質−繊維濃縮物を提供する。
[分析方法及び設備の説明]
(植物原材料及びタンパク質−繊維濃縮物をキャラクタリゼーションするために使用した方法)
(タンパク質含有量)
タンパク質−繊維濃縮物中のタンパク質含有量を、AOAC Official Method 2001.11(2005)に従ってKjeldahl法によって特定した。タンパク質の量(重量%)を特定するために、6.25の換算係数を使用した。
(乾物含有量)
試料(2.0±0.5gの植物原材料、1.0±0.5gのタンパク質−繊維濃縮物)を、105℃の温度において、湿度分析計に位置した。乾燥前後の試料の重量における差から、水分量を特定した。
(脂肪含有量)
Weibull−Stoldt法により脂肪含有量を特定した。試料を10%(v/v)HCl溶液によって加水分解し、赤外線加熱システムにおいて300℃に加熱した。加水分解した試料を、抽出システムにおいて石油エーテルによって抽出した。脂肪含有量(X)を以下の式に従って計算した:
Figure 2021529546

式中、
aは、乾燥後の脂肪試料の入ったガラス試料管の質量であり(g);
bは、乾燥後のガラス試料管の質量であり(g);並びに
cは、試料の質量である(g)。
(フェノール含有量)
A. Sigerら, Rosliny Oleiste − Oilseed Crops, 2004, XXV(1), 263〜274によって説明されるように、Folin−Ciocialteu法によってフェノール化合物の含有量を特定した。吸収度をλ725nmにおいて測定した。
(フィチン酸塩含有量)
V.A. McKie and B.V. McCleary, Journal of AOAC International, 2016, 99(3), 738〜743によって説明されるように、フィチン酸(総リン)アッセイキットメガザイムにより、フィチン酸(フィチン酸塩)/総リンアッセイ手順K− PHYTY 08/14に従って、フィチン酸塩含有量分析を行った。
(炭水化物含有量)
アルカリ及び高温媒体中での還元糖及び3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)の化学反応は、結果として、G.L. Miller, Analytical Chemistry, 1959, 31, 426〜428に記載されるような着色した生成物を生じる。
本発明によるタンパク質−繊維濃縮物又は本発明による方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物は、1重量%未満の炭水化物(単純糖)を含む。用語「炭水化物(単純糖)」は、本明細書において使用される場合、水溶性のモノサッカライド、ジサッカライド、及びオリゴサッカライドを意味し、その量は、最初に炭水化物を「単純糖」とも呼ばれる還元糖に変換することによって決定される。タンパク質−繊維濃縮物中の(水溶性)炭水化物濃度を、(a)水溶性のモノサッカライド、ジサッカライド、及びオリゴサッカライドを酸加水分解に供することにより、還元糖を得、(b)アルカリ及び高温媒体中において還元糖を3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)と反応させて、結果として変色を生じ、(c)λ540nmでの分光測定により赤〜茶色の強度を測定し、(d)標準物質としてグルコースを用いた校正曲線からタンパク質−繊維濃縮物中の炭水化物含有量を導き出すことによって決定した。
(酢酸エチル含有量)
ヘキサンによる抽出と、その後の水素炎イオン化検出器(GC−FID)分析によるガスクロマトグラフィによって試料を調製した。キャピラリカラムStabilwax−DA(30m×0.25mm×0.25μm)を使用して、クロマトグラフ分離を実施し、注入器S/SLを使用した。検出器及び注入器の温度は、それぞれ、250℃及び200℃であり、注入容量は1μLであり、ヘリウム流は1mL/分であった。オーブン温度を30℃で5分間維持し、次いで、115℃の最終温度にブログラムして、それを2分間維持した。水素を40mL/分の流量においてキャリアガスとして使用し、合成空気流量は、280mL/分であり、分割比は1:25であった。
(エタノール含有量)
脱イオン水による抽出と、その後の水素炎イオン化検出器(GC−FID)分析によるガスクロマトグラフィによって試料を調製した。キャピラリカラムStabilwax−DA(30m×0.25mm×0.25μm)を使用して、クロマトグラフ分離を実施し、注入器PTVを使用した。検出器及び注入器の温度は、それぞれ、250℃及び200℃であり、注入容量は0.5μLであり、ヘリウム流は1mL/分であった。オーブン温度を70℃で4分間維持し、次いで、230℃の最終温度にブログラムして、それを15分間維持した。水素を、40mL/分の流量においてキャリアガスとして使用し、合成空気流量は、280mL/分であり、分割比は1:20であった。
(乳化活性(EA)及び乳化安定性(ES))
以下の軽微な修正を加えた、J. Vioqueら, Journal of the American Oil Chemists’ Society, 2000, 77(4), 447〜450によって説明される方法に従って、乳化活性及び乳化安定性を特定した。
試料(3.5g)を、50mlの脱塩水と共に、10000rpmにおいて30秒間ホモジナイズした。次いで、25mlの菜種油を加え、混合物を10000rpmにおいて30秒間ホモジナイズした。菜種油の別の一部(25ml)を加え、次いで、10000rpmにおいて90秒間ホモジナイズした。デュプリケートにおいて、エマルションを22℃において1100gを5分間遠心分離処理した。乳化活性を以下のように計算した:
Figure 2021529546
乳化活性測定の後に得られる試料を、85℃で15分間加熱し、次いで、15分間冷却した。次に、試料を、22℃において、1100gで5分間遠心分離処理した。以下のように乳化安定性を計算した。
Figure 2021529546
(吸水能力(WAC) 油吸収能力(OAC))
M. Garcia−Vaqueroら, Food Research International, 2017, 99(3), 971〜978によって説明される方法に従って、水及び油の吸収を特定した。
(窒素溶解度(NS))
以下の修正を加えた、Cheungら, Food biophysics, 2015 10(1 ), 30〜38によって説明される方法に従って、窒素溶解度を特定した。
タンパク質含有試料を150mMのNaClに溶解させ(2重量%の濃度)、0.1MのHCl又は0.1MのNaOHによってpHを7.0に調節することによって、タンパク質溶液を調製した。結果として得られる溶液を、激しく振盪しながら、22℃で1時間インキュベートした。続いて、試料を4000g超において30分間遠心分離処理し、結果として得られる上澄みを収集した。上澄みの可溶性タンパク質含有量及びタンパク質含有試料中のタンパク質の総量を、Kjeldahl法(×6.25)によって分析した。窒素溶解度(NS)を以下のように定義した。
Figure 2021529546
(灰分)
Commission Regulation (EC) No 152/2009 of 27.01.2009, Identification of crude ash in forage, 56頁に従って灰分含有量を特定した。
(総繊維)
AOAC Official Method 991.43, Total, soluble, and insoluble dietary fibre in foods, Enzymatic − gravimetric method, MES−TRIS buffer, USA, 1994に従って総繊維含有量を特定した。
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Claims (28)

  1. 植物材料からタンパク質−繊維濃縮物を調製する方法であって、前記植物材料が、乾燥重量ベースで10〜50重量%の間のタンパク質を含み、前記方法が、以下のステップ:
    a)前記植物材料を粉砕又は細分することにより固体ケーキを生成するステップと;
    b)ステップa)において得た前記固体ケーキを、第1の溶媒の総重量に対して少なくとも90重量%の水を含む第1の溶媒を使用して抽出することにより、第1の固体画分と第1の液体画分との混合物を得るステップと;
    c)前記第1の液体画分を前記第1の固体画分から分離するステップと;
    d)ステップc)において得た前記第1の固体画分に第2の溶媒を加えるステップであり、第2の溶媒が、第2の溶媒の総重量に対して少なくとも60重量%の、室温において水と混和性である1〜5個の炭素原子を有するアルコールを含む、ステップと;
    e)ステップd)において得た前記混合物を、ろ過、沈降、遠心分離、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される技術を使用して第2の液体画分及び第2の固体画分に分離するステップと;
    f)ステップe)において得た前記第2の固体画分に第3の溶媒を加えるステップであり、前記第3の溶媒が、第3の溶媒の総重量に対して少なくとも90重量%の、最大で5個までの炭素原子を有する無極性の親油性有機エステルを含み、最大で5個までの炭素原子を有する無極性の親油性有機エステルが、室温において、少なくとも部分的に前記第1の溶媒と混和性であり並びに前記第2の溶媒と完全に混和性であり、第3の溶媒の量が、液相全体が別々の液相へと分離しないように選択される、ステップと;
    g)ステップf)において得た前記混合物を、ろ過、沈降、遠心分離、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される技術を使用して第3の液体画分及び第3の固体画分に分離するステップと;
    h)ステップg)において得た前記第3の固体画分を、真空乾燥、噴霧乾燥、過熱蒸気乾燥、及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される技術に供することにより、タンパク質−繊維濃縮物を得るステップであり、タンパク質及び在来繊維の総量が、前記濃縮物の総乾燥重量に対して少なくとも30重量%である、ステップと
    を含む、方法。
  2. ステップa)前の植物材料から、好ましくは脱ぷ処理、剥皮処理、及び乾式分別の好適な方法を用いて、被膜、樹皮、殻、外皮などの形態を有する、タンパク質が乏しくリグニンが豊富な外層を、少なくとも部分的に枯渇させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記植物材料が、ステップa)の前に、機械的手段、好ましくはコールドプレスを使用して、少なくとも部分的に脱脂処理される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 機械的手段を使用する前記脱脂処理ステップにおいて、有機溶媒も無機溶媒も使用されない、請求項3に記載の方法。
  5. 前記植物材料が、乾燥重量ベースで少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%の脂肪、油、及び脂質を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップb)における前記抽出が、低剪断条件下において実施される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップc)における前記第1の固体画分からの前記第1の液体画分の前記分離が、遠心分離、ろ過、及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される技術を使用して実施される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップb)の前記第1の溶媒が、水又は、塩と任意選択によりさらなる添加剤とを含む水溶液である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 室温で水と混和性である、1〜5個の炭素原子を有する前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール、ブタノール、イソ−ブタノール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 室温において水と混和性である、1〜5個の炭素原子を有する前記アルコールが、エタノールである、請求項9に記載の方法。
  11. ステップb)において使用される前記第1の溶媒とステップd)において使用される前記第2の溶媒の重量比が、1:10〜1:1の間、好ましくは1:3〜2:3の間である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ステップf)において使用される前記第3の溶媒中の、最大で5個までの炭素原子を有する前記無極性親油性有機エステルが、酢酸エチルである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒、例えば、ヘキサンなど、を使用することなく実施される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 0〜70℃の間、好ましくは0〜55℃の間の温度において実施される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 5〜8の間のpHにおいて実施される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. ステップc)の後かつステップd)の前の前記第1の固体画分を、2〜12の間のpHにおいて実施される第1の溶媒を使用した追加の洗浄ステップ及びその後の固液分離ステップに供する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. ステップe)の後かつステップf)の前の前記第1の固体画分を、第2の溶媒と第1の溶媒との混合物を使用した追加の洗浄ステップ並びにその後の固液分離ステップに供する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. ステップg)の後かつステップh)の前の前記第3の固体画分を、前記第3の溶媒を使用した追加の洗浄ステップ及びその後の固液分離ステップに供する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記植物材料が、野菜、果実、種子、マメ科植物、穀物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記植物材料が、油糧種子、例えば、菜種、キャノーラ、ヒマワリ、紅花、及び綿実種子など、豆類、例えば、大豆及び他の豆、マメ科植物及びエンドウ豆など、例えば、ヒヨコ豆、赤レンズ豆、緑レンズ豆、黄レンズ豆、及び茶レンズ豆など、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記植物材料が、油糧種子、例えば、菜種、キャノーラ、ヒマワリ種、亜麻仁、紅花種、綿実種子、及びそれらの組み合わせなど、からなる群から選択され、好ましくは、前記植物材料が、菜種である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記タンパク質−繊維濃縮物が、乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維を含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 乾物ベースで少なくとも30重量%の在来タンパク質及び在来繊維と、1重量%未満の炭水化物(単純糖)と、0.1重量%未満のフェノール化合物とを含むが、6個以上の炭素原子を有する有機溶媒又は無機溶媒を含まない、タンパク質−繊維濃縮物。
  24. 請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法によって得ることが可能なタンパク質−繊維濃縮物。
  25. 乾物ベースで4重量%未満の脂肪、油、及び脂質を含む、請求項23又は24に記載のタンパク質−繊維濃縮物。
  26. 少なくとも3g/gの吸水能力及び少なくとも1g/gの脂肪吸収能力を示す、請求項23〜25のいずれか一項に記載のタンパク質−繊維濃縮物。
  27. 30〜70%の間の乳化活性を示す、請求項23〜25のいずれか一項に記載のタンパク質−繊維濃縮物。
  28. 食品における、請求項23〜27のいずれか一項に記載のタンパク質−繊維濃縮物の使用。
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