JP2021527714A - 抗pd−1抗体及びその使用 - Google Patents

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Abstract

PD−1に結合する抗体及び抗体フラグメントによるがんの治療方法が開示されている。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願第62/687,673号(2018年6月20日出願)、及び米国仮特許出願第62/756,319号(2018年11月06日出願)の優先権を主張する。前述の出願の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
子宮内膜癌、メルケル細胞癌、及び肛門癌を含めたがんを有する一部の患者は、長期予後が不良である。これらのがんにとって、とりわけ転移性疾患に罹患する患者にとっては、さらなる新規の治療が必要である。
1つの態様において、本開示は、子宮内膜癌(例えば、転移性子宮内膜癌)の治療を必要とするヒト対象における当該子宮内膜癌を治療する方法であって、ヒトPD−1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントの治療有効量を当該ヒト対象に投与することを含み、当該抗体またはその抗原結合フラグメントが、VH相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2、及びVH CDR3を含む重鎖可変(VH)ドメインであって、
当該VH CDR1が、アミノ酸配列SYWMN(配列番号6)を含み、
当該VH CDR2が、アミノ酸配列VIHPSDSETWLDQKFKD(配列番号7)を含み、
当該VH CDR3が、アミノ酸配列EHYGTSPFAY(配列番号8)を含む、VHドメインを含み、
当該抗体が、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含む軽鎖可変(VL)ドメインであって、
当該VL CDR1が、アミノ酸配列RASESVDNYGMSFMNW(配列番号9)を含み、
当該VL CDR2が、アミノ酸配列AASNQGS(配列番号10)を含み、
当該VL CDR3が、アミノ酸配列QQSKEVPYT(配列番号11)を含む、VLドメインを含む、方法を特徴とする。
いくつかの実施形態において、子宮内膜癌は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI−H)子宮内膜癌(例えば、転移性MSI−H子宮内膜癌)である。
いくつかの実施形態において、子宮内膜癌は、ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)子宮内膜癌(例えば、転移性dMMR子宮内膜癌)である。
いくつかの実施形態において、子宮内膜癌は、DNAポリメラーゼε(POLE)エキソヌクレアーゼドメイン変異陽性子宮内膜癌(例えば、転移性POLEエキソヌクレアーゼドメイン変異陽性子宮内膜癌)である。
別の態様において、本開示は、メルケル細胞癌(例えば、転移性メルケル細胞癌)の治療を必要とするヒト対象における当該メルケル細胞癌を治療する方法であって、ヒトPD−1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントの治療有効量を当該ヒト対象に投与することを含み、当該抗体またはその抗原結合フラグメントが、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインであって、
当該VH CDR1が、アミノ酸配列SYWMN(配列番号6)を含み、
当該VH CDR2が、アミノ酸配列VIHPSDSETWLDQKFKD(配列番号7)を含み、
当該VH CDR3が、アミノ酸配列EHYGTSPFAY(配列番号8)を含む、VHドメインを含み、
当該抗体が、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLドメインであって、
当該VL CDR1が、アミノ酸配列RASESVDNYGMSFMNW(配列番号9)を含み、
当該VL CDR2が、アミノ酸配列AASNQGS(配列番号10)を含み、
当該VL CDR3が、アミノ酸配列QQSKEVPYT(配列番号11)を含む、VLドメインを含む、方法を特徴とする。
別の態様において、本開示は、肛門癌(例えば、転移性肛門癌)の治療を必要とするヒト対象における当該肛門癌を治療する方法であって、ヒトPD−1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントの治療有効量を当該ヒト対象に投与することを含み、当該抗体またはその抗原結合フラグメントが、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインであって、
当該VH CDR1が、アミノ酸配列SYWMN(配列番号6)を含み、
当該VH CDR2が、アミノ酸配列VIHPSDSETWLDQKFKD(配列番号7)を含み、
当該VH CDR3が、アミノ酸配列EHYGTSPFAY(配列番号8)を含む、VHドメインを含み、
当該抗体が、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLドメインであって、
当該VL CDR1が、アミノ酸配列RASESVDNYGMSFMNW(配列番号9)を含み、
当該VL CDR2が、アミノ酸配列AASNQGS(配列番号10)を含み、
当該VL CDR3が、アミノ酸配列QQSKEVPYT(配列番号11)を含む、VLドメインを含む、方法を特徴とする。
いくつかの実施形態において、肛門癌は、肛門管扁平上皮癌(SCAC)(例えば、転移性SCAC)である。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合フラグメントは、約1mg/kgの用量で2週間に1回投与される。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合フラグメントは、約3mg/kgの用量で2週間に1回投与される。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合フラグメントは、約3mg/kgの用量で4週間に1回投与される。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合フラグメントは、約10mg/kgの用量で2週間に1回投与される。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合フラグメントは、約10mg/kgの用量で4週間に1回投与される。
別の態様において、本開示は、がんの治療を必要とするヒト対象における当該がんを治療する方法であって、ヒトPD−1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントの有効固定用量を当該ヒト対象に投与することを含み、当該抗体またはその抗原結合フラグメントが、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインであって、
当該VH CDR1が、アミノ酸配列SYWMN(配列番号6)を含み、
当該VH CDR2が、アミノ酸配列VIHPSDSETWLDQKFKD(配列番号7)を含み、
当該VH CDR3が、アミノ酸配列EHYGTSPFAY(配列番号8)を含む、VHドメインを含み、
当該抗体が、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLドメインであって、
当該VL CDR1が、アミノ酸配列RASESVDNYGMSFMNW(配列番号9)を含み、
当該VL CDR2が、アミノ酸配列AASNQGS(配列番号10)を含み、
当該VL CDR3が、アミノ酸配列QQSKEVPYT(配列番号11)を含む、VLドメインを含む、方法を特徴とする。
治療有効固定用量を投与することを含む、このようながんを治療する方法のいくつかの実施形態において、がんは、肛門癌、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、神経膠腫、腎臓癌、肺癌、メルケル細胞癌、多発性骨髄腫、神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵臓癌、直腸癌、または肉腫である。
治療有効固定用量を投与することを含む、このようながんを治療する方法のいくつかの実施形態において、がんは、子宮内膜癌(例えば、非選択子宮内膜癌、高頻度MSI子宮内膜癌、dMMR子宮内膜癌、もしくはPOLEエキソヌクレアーゼドメイン変異陽性子宮内膜癌)、軟部組織肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、または子宮頚癌である。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合フラグメントは、約375mgの固定用量で3週間に1回投与される。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合フラグメントは、約500mgの固定用量で4週間に1回投与される。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合フラグメントは、約750mgの固定用量で4週間に1回投与される。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、VHドメインは、配列番号4に記載のアミノ酸配列を含む。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体は、重鎖を含み、重鎖は、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、VLドメインは、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体は、軽鎖を含み、軽鎖は、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、VHドメインは、配列番号4に記載のアミノ酸配列を含み、VLドメインは、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖は、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体は、ヒト化抗体である。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗原結合フラグメントは、1本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fab’フラグメント、Fscフラグメント、Fvフラグメント、scFv、sc(Fv)2、またはダイアボディである。
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗体または抗原結合フラグメントは、静脈内に投与される。
別途定義されない限り、本明細書で使用する全ての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本発明を実施または試験する際は、本明細書で説明される内容と類似するまたは同等の方法及び材料を使用することができるが、以下に例示的な方法及び材料について説明する。本明細書で言及されている全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により援用される。矛盾が生じる場合は、定義を含めて本出願が優先される。材料、方法、及び実施例は、例示的なものに過ぎず、限定的であるようには意図されていない。
本発明におけるその他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び特許請求の範囲から明らかとなる。
本明細書で説明される抗PD−1抗体は、子宮内膜癌、メルケル細胞癌、及び肛門癌を治療するために使用することができる。
PD−1
プログラム死−1(「PD−1」、「CD279」の別名でも知られる)は、免疫応答を広く負に調節するT細胞調節物質の拡張CD28/CTLA−4ファミリーの、およそ31kDのI型膜タンパク質メンバーである(Ishida,Y.et al.(1992)“Induced Expression Of PD−1,A Novel Member Of The Immunoglobulin Gene Superfamily,Upon Programmed Cell Death”EMBO J.11:3887−3895;米国特許出願公開第2007/0202100号、第2008/0311117号、第2009/00110667号;米国特許第6,808,710、第7,101,550号、第7,488,802号、第7,635,757号、第7,722,868号;PCT出願公開第WO01/14557号)。
PD−1は、活性化されたT細胞、B細胞、及び単球で発現し(Agata,Y.et al.(1996)“Expression Of The PD−1 Antigen On The Surface Of Stimulated Mouse T And B Lymphocytes,”Int.Immunol.8(5):765−772;Yamazaki,T.et al.(2002)“Expression Of Programmed Death 1 Ligands By Murine T−Cells And APC”J.Immunol.169:5538−5545)、ナチュラルキラー(NK)T細胞では低レベルで発現する(Nishimura,H. et al.(2000)“Facilitation Of Beta Selection And Modification Of Positive Selection In The Thymus Of PD−1−Deficient Mice”J.Exp. Med.191:891−898;Martin−Orozco,N.et al.(2007)“Inhibitory Costimulation And Anti− Tumor Immunity”Semin. Cancer Biol.17(4):288−298)。
PD−1の細胞外領域は、CTLA−4における同等のドメインに対し23%の同一性を有する単一の免疫グロブリン(Ig)Vドメインからなる(Martin−Orozco,N.et al.(2007)“Inhibitory Costimulation And Anti−Tumor Immunity”Semin. Cancer Biol.17(4):288−298)。細胞外IgVドメインの後には、膜貫通領域及び細胞内尾部が続く。細胞内尾部は、免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ及び免疫受容体チロシンベースのスイッチモチーフに位置する2つのリン酸化部位を含み、このことは、PD−1がTCRシグナルを負に調節することを示唆するものである(Ishida,Y.et al.(1992)“Induced Expression Of PD−1,A Novel Member Of The Immunoglobulin Gene Superfamily,Upon Programmed Cell Death,”EMBO J.11:3887−3895;Blank,C.et al.(2006)“Contribution Of The PD−Ll/PD−1 Pathway To T−Cell Exhaustion:An Update On Implications For Chronic Infections And Tumor Evasion Cancer,”Immunol. Immunother.56(5):739−745)。
PD−1は、B7−H1及びB7−DCに結合することにより、その免疫系阻害を媒介する(Flies,D.B.et al.(2007)“The New B7s:Playing a Pivotal Role in Tumor Immunity”J.Immunother.30(3):251−260;米国特許第6,803,192号、第7,794,710号;米国特許出願公開第2005/0059051号、第2009/0055944号、第2009/0274666号、第2009/0313687号;PCT出願公開第WO01/39722号、第WO02/086083号)。
ヒトPD−1タンパク質(GenBankアクセッション番号NP_005009)のアミノ酸は、
MQIPQAPWPVVWAVLQLGWRPGWFLDSPDRPWNPPTFSPALLVVTEGDNATFTCSFSNTSESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTQLPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLRAELRVTERRAEVPTAHPSPSPRPAGQFQTLVVGVVGGLLGSLVLLVWVLAVICSRAARGTIGARRTGQPLKEDPSAVPVFSVDYGELDFQWREKTPEPPVPCVPEQTEYATIVFPSGMGTSSPARRGSADGPRSAQPLRPEDGHCSWPL(配列番号1)である。
抗PD−1抗体
本開示は、ヒトPD−1に結合するヒト化IgG4モノクローナル抗体であるモノクローナル抗体ANTIBODY Xの配列を含む。WO2017019846及びUS2019/0127467のhPD−1 mAb 7(1.2)を参照(これらの内容は、参照により援用される)。成熟ANTIBODY Xの重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列を以下に示す。可変重鎖(VH)ドメイン及び可変軽鎖(VL)ドメインの相補性決定領域(CDR)1、2、及び3を、成熟VL及びVH配列のNからC末端の順に、いずれも下線及び太字で示す。以下に示す成熟重鎖(配列番号2)及び成熟軽鎖(配列番号3)からなる抗体をANTIBODY Xと称する。
成熟ANTIBODY X重鎖(HC)
Figure 2021527714

Figure 2021527714
(配列番号2)
成熟ANTIBODY X軽鎖(LC)
Figure 2021527714

Figure 2021527714
(配列番号3)
ANTIBODY Xの可変重鎖(VH)ドメインは、以下のアミノ酸配列を有する。
Figure 2021527714

Figure 2021527714
(配列番号4)
ANTIBODY Xの可変軽鎖(VL)ドメインは、以下のアミノ酸配列を有する。
Figure 2021527714

Figure 2021527714
(配列番号5)
ANTIBODY XのVH CDRのアミノ酸配列を以下に示す。
VH CDR1:SYWMN(配列番号6)
VH CDR2:VIHPSDSETWLDQKFKD(配列番号7)
VH CDR3:EHYGTSPFAY(配列番号8)
ANTIBODY XのVL CDRのアミノ酸配列を以下に示す。
VL CDR1:RASESVDNYGMSFMNW(配列番号9)
VL CDR2:AASNQGS(配列番号10)
VL CDR3:QQSKEVPYT(配列番号11)
ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体は、ヒト重鎖及び軽鎖定常領域を含む。ある特定の実施形態において、重鎖定常領域は、CH1ドメイン及びヒンジ領域を含む。いくつかの実施形態において、重鎖定常領域は、CH2ドメインを含む。いくつかの実施形態において、重鎖定常領域は、CH3ドメインを含む。いくつかの実施形態において、重鎖定常領域は、CH1、CH2、及びCH3ドメインを含む。重鎖定常領域が置換を含む場合、このような置換は抗体の特性を修飾する(例えば、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基の数、エフェクター細胞機能、または補体機能のうちの1つ以上を増加または減少させる)。ある特定の実施形態において、抗体は、IgG抗体である。特定の実施形態において、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4からなる群より選択される。
抗体(例えば、ANTIBODY X)は、例えば、示されたアミノ酸配列をコードする合成遺伝子を調製及び発現することにより、またはヒト生殖系列遺伝子を変異させて示されたアミノ酸配列をコードする遺伝子を提供することにより、作製することができる。さらに、この抗体及びその他の抗PD−1抗体は、例えば、以下の方法のうちの1つ以上を使用して得ることができる。
ヒト化抗体は、抗原結合に直接関与しないFv可変領域の配列を、同等のヒトFv可変領域由来の配列で置き換えることにより、生成することができる。ヒト化抗体を生成するための一般的な方法は、Morrison,S.L.,Science,229:1202−1207(1985)、Oi et al.,BioTechniques,4:214(1986)、ならびにUS5,585,089、US5,693,761、US5,693,762、US5,859,205、及びUS6,407,213により示されている。これらの方法は、重鎖または軽鎖のうちの少なくとも1つから免疫グロブリンFv可変領域の全部または一部をコードする核酸配列を単離すること、操作すること、及び発現することを含む。このような核酸の供給源は当業者に周知されており、例えば、上記のように、所定の標的に対する抗体を産生するハイブリドーマ、生殖系列免疫グロブリン遺伝子、または合成コンストラクトから得ることができる。次に、ヒト化抗体をコードする組換えDNAを適切な発現ベクター内でクローニングしてもよい。
例えば、ヒト生殖系列配列は、Tomlinson,I.A.et al.,J.Mol.Biol.,227:776−798(1992);Cook,G.P.et al.,Immunol. Today,16:237−242(1995);Chothia,D.et al.,J.Mol.Bio.227:799−817(1992);及びTomlinson et al.,EMBO J.,14:4628−4638(1995)で開示されている。V BASEディレクトリーは、ヒト免疫グロブリン可変領域配列の包括的なディレクトリー(Tomlinson,I.A.et al. MRC Centre for Protein Engineering,Cambridge,UKによる編集)を提供する。これらの配列は、例えば、フレームワーク領域及びCDRのための、ヒト配列の供給源として使用することができる。また、コンセンサスヒトフレームワーク領域も、例えば、米国特許第6,300,064号で説明されているように使用することができる。
抗体をヒト化するために、その他の方法も使用することができる。例えば、その他の方法は、抗体の3次元構造、結合決定基に3次元的に近接するフレームワーク位置、及び免疫原性ペプチド配列を説明することができる。例えば、WO90/07861;米国特許第5,693,762号、第5,693,761号、第5,585,089号、第5,530,101号、及び第6,407,213号;Tempest et al.(1991)Biotechnology 9:266−271を参照。さらに別の方法は、「ヒューマニアリング」と称され、例えば、U.S.2005−008625で説明されている。
抗体は、ヒトFc領域、例えば、野生型Fc領域、または1つ以上の改変を含むFc領域を含むことができる。1つの実施形態において、定常領域は、抗体の特性を修飾するように改変(例えば、変異)が行われる(例えば、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基の数、エフェクター細胞機能、または補体機能のうちの1つ以上を増加または減少させる)。例えば、ヒトIgG1定常領域は、1つ以上の残基、例えば、残基234及び237(Kabatナンバリングに基づく)のうちの1つ以上において変異させることができる。抗体は、エフェクター機能、例えば、Fc受容体結合及び補体活性化を低減または改変する重鎖のCH2領域内に変異を有し得る。例えば、抗体は、米国特許第5,624,821号及び第5,648,260号で説明されているような変異を有し得る。また、抗体はまた、当技術分野で開示されているように(例えば、Angal et al.(1993)Mol.Immunol.30:105−08)、IgG4のヒンジ領域内の変異のような免疫グロブリンの2つの重鎖間のジスルフィド結合を安定化する変異も有し得る。例えば、U.S.2005−0037000を参照。
抗PD−1抗体は、全長抗体の形態、または抗PD−1抗体の低分子量形態(例えば、生物学的に活性の抗体フラグメントもしくはミニボディ)(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、Fd、dAb、scFv、及びsc(Fv)2)をとることができる。本開示に包含される他の抗PD−1抗体としては、単一の可変鎖(例えば、VHまたはVL)を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはその生物学的に活性のフラグメントが挙げられる。例えば、Moller et al.,J.Biol.Chem.,285(49):38348−38361(2010);Harmsen et al.,Appl. Microbiol. Biotechnol.,77(1):13−22 (2007);U.S.2005/0079574;及びDavies et al.(1996)Protein Eng.,9(6):531−7を参照。sdAbは、全抗体と同様に特異的抗原に選択的に結合することができる。分子量がわずか12〜15kDaのsdAbは、一般的な抗体よりもはるかに小さく、Fabフラグメント及び1本鎖可変フラグメントよりもさらに小さい。
本明細書では、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントとその1つ以上の酸性バリアントとの混合物を含む組成物であって、例えば、酸性バリアント(複数可)の量が、約80%、70%、60%、60%、50%、40%、30%、30%、20%、10%、5%、または1%未満である、組成物が提供される。また、少なくとも1つの脱アミド化部位を含む抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組成物であって、例えば、少なくとも約90%の抗PD−1抗体が脱アミド化されていない(すなわち、抗体の約10%未満が脱アミド化されている)ように組成物のpHが約5.0〜約6.5である、組成物も提供される。ある特定の実施形態において、抗体の約5%、3%、2%、または1%未満が脱アミド化されている。pHは、5.0〜6.0(例えば、5.5または6.0)とすることができる。ある特定の実施形態において、組成物のpHは、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、または6.5である。
「酸性バリアント」とは、(例えば、カチオン交換クロマトグラフィーによる定量において)目的ポリペプチドよりも酸性である、目的ポリペプチドのバリアントである。酸性バリアントの一例は、脱アミド化バリアントである。
ポリペプチド分子の「脱アミド化」バリアントとは、元のポリペプチドの1つ以上のアスパラギン残基(複数可)がアスパラギン酸に変換されている、すなわち、中性アミド側鎖が全体的に酸性特性を有する残基に変換されているポリペプチドである。
抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組成物に関して本明細書で使用する「混合物」という用語は、所望の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメント及びその1つ以上の酸性バリアントが共に存在することを意味する。酸性バリアントは、主として脱アミド化抗PD−1抗体を含み、微量のその他の酸性バリアント(複数可)を含む。
ある特定の実施形態において、脱アミド化を排除するように変異した抗体の結合親和性(K)、オンレート(Kオン)、及び/またはオフレート(Kオフ)は、野生型抗体のものと類似しており、例えば、約5倍、2倍、1倍(100%)、50%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%未満の差を有する。
抗体フラグメント
抗体フラグメント(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Facb、及びFv)は、インタクト抗体のタンパク質分解消化によって調製することができる。例えば、抗体フラグメントは、全抗体を酵素(例えば、パパイン、ペプシン、またはプラスミン)で処理することによって得ることができる。全抗体のパパイン消化によってF(ab)2またはFabフラグメントが産生され、全抗体のペプシン消化によってF(ab’)2またはFab’が得られ、全抗体のプラスミン消化によってFacbフラグメントが産生される。
代替的に、抗体フラグメントは組換えによって産生することができる。例えば、目的抗体フラグメントをコードする核酸を構築し、発現ベクター内に導入し、好適な宿主細胞内で発現させることができる。例えば、Co,M.S.et al.,J.Immunol.,152:2968−2976(1994);Better,M.and Horwitz,A.H.,Methods in Enzymology,178:476−496(1989);Plueckthun,A.and Skerra,A.,Methods in Enzymology,178:476−496(1989);Lamoyi,E.,Methods in Enzymology,121:652−663(1989);Rousseaux, J. et al.,Methods in Enzymology,(1989)121:663−669(1989);及びBird,R.E.et al.,TIBTECH,9:132−137(1991)を参照。抗体フラグメントは、E.coli内で発現させ、そこから分泌させることができ、このようにして抗体フラグメントを容易に大量生産することができる。抗体フラグメントは、抗体ファージライブラリから単離することができる。代替的に、Fab’−SHフラグメントをE.coliから直接回収し化学的にカップリングして、F(ab)2フラグメントを形成することができる(Carter et al.,Bio/Technology,10:163−167(1992))。別のアプローチによれば、F(ab’)2フラグメントを組換え宿主細胞培養物から直接単離することができる。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含むin vivo半減期が増加したFab及びF(ab’)2フラグメントが、米国特許第5,869,046号で説明されている。
ミニボディ
抗PD−1抗体のミニボディとしては、ダイアボディ、1本鎖(scFv)、及び1本鎖(Fv)2(sc(Fv)2)が挙げられる。
「ダイアボディ」とは、遺伝子融合によって構築された2価のミニボディである(例えば、Holliger,P.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,90:6444−6448(1993);EP 404,097;WO 93/11161を参照)。ダイアボディは、2つのポリペプチド鎖から構成された2量体である。ダイアボディの各ポリペプチド鎖のVL及びVHドメインは、リンカーによって結合している。リンカーを構成するアミノ酸残基数は、2〜12残基(例えば、3〜10残基または5もしくは約5残基)とすることができる。ダイアボディ内のポリペプチドのリンカーは、典型的には非常に短いため、VL及びVHが互いに結合することができない。したがって、同じポリペプチド鎖内でコードされたVL及びVHは、1本鎖可変領域フラグメントを形成するのではなく、異なる1本鎖可変領域フラグメントと共に2量体を形成する。その結果、ダイアボディは、2つの抗原結合部位を有する。
scFvは、VH及びVLをリンカーで結合することによって得られる1本鎖ポリペプチド抗体である(例えば、Huston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,85:5879−5883(1988);及びPlickthun,“The Pharmacology of Monoclonal Antibodies”Vol.113,Ed Resenburg and Moore,Springer Verlag,New York,pp.269−315,(1994)を参照)。結合させるVHとVLの順序は特に限定されず、任意の順序で配置することができる。配置の例としては、[VH]リンカー[VL]、または[VL]リンカー[VH]が挙げられる。scFv内のH鎖V領域及びL鎖V領域は、本明細書で説明される任意の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントに由来し得る。
sc(Fv)2とは、2つのVH及び2つのVLがリンカーによって結合して単一の鎖を形成するミニボディである(Hudson,et al.,J.Immunol. Methods,(1999)231:177−189(1999))。sc(Fv)2は、例えば、scFvをリンカーと接続することによって調製することができる。本発明のsc(Fv)2は、好ましくは、2つのVH及び2つのVLが、1本鎖ポリペプチドのN末端からVH、VL、VH、及びVL([VH]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VL])の順に配置される抗体を含む。ただし、2つのVH及び2つのVLの順序は、上記の配置に限定されず、任意の順に配置することができる。
二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有する抗体である。例示的な二重特異性抗体は、PD−1タンパク質の2つの異なるエピトープに結合することができる。その他のこのような抗体は、PD−1結合部位を、別のタンパク質の結合部位と組み合わせることができる。二重特異性抗体は、全長抗体またはその低分子量形態(例えば、F(ab’)二重特異性抗体、sc(Fv)2二重特異性抗体、ダイアボディ二重特異性抗体)として調製することができる。
全長二重特異性抗体の従来的な生産は、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の共発現に基づくものであり、これらの2つの鎖は異なる特異性を有する(Millstein et al.,Nature,305:537−539(1983))。異なるアプローチでは、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメインを免疫グロブリン定常ドメイン配列と融合させる。免疫グロブリン重鎖融合物及び(所望の場合)免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAは、別々の発現ベクターに挿入し、好適な宿主細胞に同時形質移入する。これにより、3つのポリペプチドフラグメントの割合をより柔軟に調整することができる。ただし、少なくとも2つのポリペプチド鎖を等しい比率で発現することで高収率が得られる場合は、2つまたは3つ全てのポリペプチド鎖のコード配列を単一の発現ベクターに挿入することが可能である。
米国特許第5,731,168号で説明されている別のアプローチに従って、1対の抗体分子間の界面を操作して、組換え細胞培養物から回収されるヘテロ2量体の割合を最大化してもよい。好ましい界面は、CH3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第1の抗体分子の界面からの1つ以上の小さいアミノ酸側鎖は、より大きい側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置き換えられる。大きい方のアミノ酸側鎖を小さい方のアミノ酸側鎖(例えば、アラニンまたはトレオニン)で置き換えることにより、大きい側鎖(複数可)に同一または類似の大きさの代償的「空洞」が第2の抗体分子の界面上に作出される。これにより、他の不要な最終産物(例えば、ホモ2量体)よりもヘテロ2量体の収率を増加させる機構がもたらされる。
二重特異性抗体には、架橋または「ヘテロ結合体」抗体が含まれる。例えば、ヘテロ結合体における一方の抗体はアビジンと、他方の抗体はビオチンと結合させることができる。ヘテロ結合体抗体は、任意の好都合な架橋法を用いて作製することができる。
「ダイアボディ」技術は、二重特異性抗体フラグメントを作製するための代替的な機構を提供する。フラグメントは、非常に短いために同じ鎖上の2つのドメイン間の対合が不可能なリンカーによってVLと接続するVHを含む。したがって、一方のフラグメントのVH及びVLドメインは、もう一方のフラグメントの相補的VL及びVHドメインと強制的に対合させられ、それによって2つの抗原結合部位が形成される。
多価抗体
多価抗体は、抗体が結合する抗原を発現する細胞により、2価抗体よりも速く内在化(及び/または異化)させることができる。本明細書で説明される抗体は、3つ以上の抗原結合部位を有する多価抗体(例えば、4価抗体)であってもよく、多価抗体は、抗体のポリペプチド鎖をコードする核酸の組換え発現によって容易に産生することができる。多価抗体は、2量体化ドメインと、3つ以上の抗原結合部位を含むことができる。例示的な抗量体化ドメインは、Fc領域またはヒンジ領域を含む(またはそれらからなる)。多価抗体は、3〜約8つ(例えば、4つ)の抗原結合部位を含む(またはそれからなる)ことができる。多価抗体は、任意選択で、少なくとも1つのポリペプチド鎖(例えば、少なくとも2つのポリペプチド鎖)を含み、このポリペプチド鎖(複数可)は、2つ以上の可変ドメインを含む。例えば、ポリペプチド鎖(複数可)は、VD1−(X1)−VD2−(X2)−Fcを含むことができる(配列中、VD1は、第1の可変ドメインであり、VD2は、第2の可変ドメインであり、Fcは、Fc領域のポリペプチド鎖であり、X1及びX2は、アミノ酸またはペプチドスペーサーを表し、nは、0または1である)。
結合体化抗体
本明細書で開示される抗体は、様々な分子に結合する結合体化抗体であってもよく、このような分子としては、高分子物質、例えば、ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGで修飾されたポリエチレンイミン(PEI)(PEI−PEG)、ポリグルタミン酸(PGA)(N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)コポリマー)、ヒアルロン酸、放射性材料(例えば、90Y、131I)蛍光物質、発光物質、ハプテン、酵素、金属キレート、薬物、及び毒素(例えば、カリケアミシン、Pseudomonas外毒素A、リシン(例えば、脱グリコシル化リシンA鎖))が挙げられる。
1つの実施形態において、抗PD−1抗体の細胞毒性作用を改善し、結果的に抗体の治療有効性を改善するため、抗体を細胞毒性の高い物質(放射性同位体及び細胞毒性薬剤を含む)と結合体化させる。このような結合体は、抗体によって認識されない細胞を温存しながら、標的部位(すなわち、抗体が認識する抗原を発現する細胞)に対し選択的に毒性負荷を送達することができる。毒性を最小限に抑えるため、結合体は概して、血清半減期が短い分子(したがって、マウス配列及びIgG3またはIgG4アイソタイプの使用)に基づいて操作する。
ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、循環中(例えば、血液、血清、または他の組織中)でのその安定化及び/または保持を、例えば、少なくとも1.5、2、5、10、または50倍改善する部分で修飾される。例えば、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ポリマー、例えば、実質的に非抗原性のポリマー、例えば、ポリアルキレンオキシドまたはポリエチレンオキシドと会合する(例えば、結合体化する)ことができる。好適なポリマーは、重量によって大幅に異なる。分子数の平均重量が約200〜約35,000ダルトン(または約1,000〜約15,000、及び2000〜約12,500)の範囲のポリマーを使用することができる。例えば、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、水溶性ポリマー、例えば、親水性ポリビニルポリマー、例えば、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンと結合体化することができる。このようなポリマーの例としては、ブロックコポリマーの水溶性が維持されるという条件において、ポリアルキレンオキシドホモポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、これらのコポリマー、及びこれらのブロックコポリマーが挙げられる。さらなる有用なポリマーとしては、ポリオキシアルキレン、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、及びポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックコポリマー、ポリメタクリレート、カルボマー、及び分枝状または非分枝状多糖類が挙げられる。
上記の結合体化抗体は、本明細書で説明される抗体またはその低分子量形態に化学修飾を実施することによって調製することができる。抗体を修飾するための方法は、当技術分野で周知されている(例えば、US5057313及びUS5156840)。
抗体を産生する方法
抗体は、細菌細胞または真核細胞内で産生することができる。いくつかの抗体、例えば、Fab’は、細菌細胞、例えば、E.coli細胞内で産生することができる。また、抗体は、真核細胞、例えば、形質転換細胞株(例えば、CHO、293E、COS)内で産生することもできる。加えて、抗体(例えば、scFv)は、酵母細胞、例えば、Pichia(例えば、Powers et al.,J Immunol Methods.251:123−35(2001)を参照)、Hanseula、またはSaccharomyces内で発現させることができる。目的抗体を産生するには、抗体をコードするポリヌクレオチドを構築し、発現ベクター内に導入し、次いで適切な宿主細胞内で発現させる。標準的な分子生物学技法を使用して、組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞に形質移入し、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、抗体を回収する。
抗体を細菌細胞(例えば、E.coli)内で発現させる場合、発現ベクターは、細菌細胞内でのベクターの増幅を許容する特性を有するべきである。さらに、JM109、DH5α、HB101、またはXL1−BlueなどのE.coliを宿主として使用する場合、ベクターは、プロモーター、例えばlacZプロモーター(Ward et al.,341:544−546(1989)、araBプロモーター(Better et al.,Science,240:1041−1043(1988))、またはE.coli内での効率的な発現を可能にするT7プロモーターを有しなければならない。このようなベクターの例としては、例えば、M13シリーズベクター、pUCシリーズベクター、pBR322、pBluescript、pCR−Script、pGEX−5X−1(Pharmacia)、「QIAexpressシステム」(QIAGEN)、pEGFP、及びpET(この発現ベクターを使用する場合、宿主は好ましくはT7 RNAポリメラーゼを発現するBL21である)が挙げられる。発現ベクターは、抗体分泌のためのシグナル配列を含むことができる。E.coliのペリプラズム内に産生させるために、pelBシグナル配列(Lei et al.,J.Bacteriol.,169:4379(1987))を抗体分泌のためのシグナル配列として使用することができる。細菌発現については、塩化カルシウム法またはエレクトロポレーション法を使用して、発現ベクターを細菌細胞内に導入することができる。
抗体を動物細胞(例えば、CHO、COS、及びNIH3T3細胞)内で発現させる場合、発現ベクターは、このような細胞内での発現に必要なプロモーター、例えば、SV40プロモーター(Mulligan et al.,Nature,277:108(1979))、MMLV−LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushima et al.,Nucleic Acids Res.,18:5322(1990))、またはCMVプロモーターを含む。免疫グロブリンまたはそのドメインをコードする核酸配列に加えて、組換え発現ベクターは、さらなる配列、例えば、宿主細胞内のベクターの複製を調節する配列(例えば、複製起点)及び選択マーカー遺伝子を保有することができる。選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(例えば、米国特許第4,399,216号、第4,634,665号、及び第5,179,017号を参照)。例えば、典型的に選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞に薬物(例えば、G418、ハイグロマイシン、またはメトトレキサート)に対する耐性を付与する。選択マーカーを有するベクターの例としては、pMAM、pDR2、pBK−RSV、pBK−CMV、pOPRSV、及びpOP13が挙げられる。
1つの実施形態において、抗体は、哺乳類細胞内で産生される。抗体を発現させるための例示的な哺乳類宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)(Urlaub and Chasin(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216−4220で説明されているdhfr CHO細胞を含む(例えば、Kaufman and Sharp(1982)Mol.Biol.159:601−621で説明されているようなDHFR選択マーカーと共に使用))、ヒト胎児由来腎臓293細胞(例えば、293、293E、293T)、COS細胞、NIH3T3細胞、リンパ球細胞株、例えば、NS0骨髄腫細胞及びSP2細胞、ならびにトランスジェニック動物、例えば、トランスジェニック哺乳類からの細胞が挙げられる。例えば、細胞は、乳腺上皮細胞である。
抗体発現の例示的なシステムでは、抗PD−1抗体の抗体重鎖及び抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクター(例えば、ANTIBODY X)は、リン酸カルシウム媒介形質移入によってdhfr CHO細胞に導入される。組換え発現ベクター内で、抗体の重鎖及び軽鎖遺伝子は各々、エンハンサー/プロモーター調節エレメント(例えば、SV40、CMVアデノウイルスなどに由来するもの、例えば、CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントまたはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメント)と作動可能に結合して、遺伝子の高レベルの転写を推進する。組換え発現ベクターはDHFR遺伝子も保有し、これにより、メトトレキサートの選択/増幅を用いてベクターで形質移入したCHO細胞の選択が可能になる。選択された形質転換体宿主細胞は、抗体の重鎖及び軽鎖の発現を可能にするために培養し、培地から抗体を回収する。
抗体は、トランスジェニック動物によって産生することもできる。例えば、米国特許第5,849,992号は、トランスジェニック哺乳類の乳腺内で抗体を発現させる方法を説明している。乳汁特異的プロモーターと、目的抗体をコードする核酸と、分泌のためのシグナル配列とを含む導入遺伝子が構築される。このようなトランスジェニック哺乳類の雌によって産生される乳汁は、その中に分泌された目的抗体を含む。抗体は乳汁から精製することも、一部の用途向けに直接使用することもできる。本明細書で説明される核酸のうちの1つ以上を含む動物も提供される。
本開示の抗体は、宿主細胞の内部または外部(例えば、培地)から単離することができ、実質的に純粋で均質な抗体として精製することができる。抗体精製のために一般的に使用される単離及び精製の方法を抗体の単離及び精製に使用することができ、特定の方法に限定されない。抗体は、例えば、カラムクロマトグラフィー、濾過、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈殿、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動、透析、及び再結晶を適切に選択し組み合わせることにより、単離及び精製することができる。クロマトグラフィーには、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、及び吸着クロマトグラフィーが含まれる(Strategies for Protein Purification and Characterization:A Laboratory Course Manual.Ed Daniel R.Marshak et al.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1996)。クロマトグラフィーは、液相クロマトグラフィー(例えば、HPLC及びFPLC)を用いて行うことができる。アフィニティークロマトグラフィー用に使用されるカラムとしては、プロテインAカラム及びプロテインGカラムが挙げられる。プロテインAカラムを用いたカラムの例としては、Hyper D、POROS、及びSepharose FF(GE Healthcare Biosciences)が挙げられる。本開示は、これらの精製方法を用いて高度に精製した抗体も含む。
グリコシル化改変を伴う抗PD−1抗体
異なるグリコフォームは、薬物動態、薬力学、受容体相互作用、組織特異的標的化を含めた治療薬の特性に深く影響し得る(Graddis et al.,2002,Curr Pharm Biotechnol.3:285−297)。特に、抗体の場合、オリゴ糖構造は、抗体のエフェクター機能(例えば、CDCを誘導する補体複合体C1との結合、及びADCC経路の調節を担うFcγR受容体との結合)に加えて、プロテアーゼ耐性、FcRn受容体により媒介される抗体の血清半減期、食作用及び抗体フィードバックに関連する特性に影響を及ぼし得る(Nose and Wigzell,1983;Leatherbarrow and Dwek,1983;Leatherbarrow et al.,1985;Walker et al.,1989;Carter et al.,1992,PNAS,89:4285−4289)。
したがって、抗体のエフェクター機能を調節する別の手段は、抗体定常領域のグリコシル化を改変することが含まれる。グリコシル化改変としては、例えば、グリコシル化残基の数の減少または増加、グリコシル化残基のパターンまたは位置の変化、及び糖構造(複数可)の変化が挙げられる。ヒトIgGに見られるオリゴ糖は、エフェクター機能の程度に影響を及ぼし(Raju,T.S.BioProcess International April 2003.44−53)、ヒトIgGオリゴ糖の微小不均一性は、CDCやADCCなどの生物学的機能、様々なFc受容体への結合、及びClqタンパク質への結合に影響を及ぼし得る(Wright A. & Morrison SL. TIBTECH 1997,15 26−32;Shields et al.J Biol Chem.2001 276(9):6591−604;Shields et al. J Biol Chem.2002;277(30):26733−40;Shinkawa et al.J Biol Chem.2003 278(5):3466−73;Umana et al.Nat Biotechnol.1999 Feb;17(2):176−80)。例えば、IgGがC1qに結合し補体カスケードを活性化する能力は、2つのCH2ドメイン(通常はAsn297で固定されている)の間に位置する炭水化物部分の存在、不在、または修飾に依存し得る(Ward and Ghetie,Therapeutic Immunology 2 :77−94(1995)。
Fc含有ポリペプチド、例えば、IgG抗体などの抗体におけるグリコシル化部位は、標準的な技法によって同定することができる。グリコシル化部位の同定は、実験によるものであってもよく、配列分析またはモデリングデータに基づいてもよい。コンセンサスモチーフ、すなわち、様々なグリコシルトランスフェラーゼによって認識されるアミノ酸配列について説明されている。例えば、N−結合グリコシル化モチーフのコンセンサスモチーフは、多くの場合、NXTまたはNXSである(Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸とすることができる)。潜在的なグリコシル化モチーフを位置特定するためのいくつかのアルゴリズムについても説明されている。したがって、抗体またはFc含有フラグメント内の潜在的なグリコシル化部位を特定するには、抗体の配列は、公開されたデータベース(例えば、Center for Biological Sequence Analysisが提供するウェブサイト)を用いて調べることができる(N−結合グリコシル化部位の予測についてはNetNGlycサービスを、O−結合グリコシル化部位の予測についてはNetOGlycサービスを参照)。
in vivo研究により、アグリコシル抗体のエフェクター機能が低減することが確認されている。例えば、アグリコシル抗CD8抗体は、マウスのCD8担持細胞を枯渇不可能であり(Isaacs,1992 J.Immunol.148:3062)、アグリコシル抗CD3抗体は、マウスまたはヒトのサイトカイン放出症候群を誘発しない(Boyd,1995(前掲);Friend,1999 Transplantation 68:1632)。PD−1抗体のアグリコシル化形態もエフェクター機能低減が見られる。
重要なことには、CH2ドメイン内のグリカンの除去はエフェクター機能に顕著な影響を及ぼすように見えるものの、その他の抗体の機能的及び物理的特性は改変されずに保たれる。具体的には、グリカンの除去は、血清半減期及び抗原への結合にほとんどまたは全く影響を及ぼさないことが示されている(Nose,1983(前掲);Tao,1989(前掲);Dorai,1991(前掲);Hand,1992(前掲);Hobbs,1992 Mol.Immunol.29:949)。
本発明の抗PD−1抗体は、(第2のPD−1特異的抗体との比較で)エフェクター機能の増加または減少を誘発するように修飾または改変することができる。抗体のグリコシル化部位を改変するための方法は、例えば、米国特許第6,350,861号及び米国特許第5,714,350号、WO05/18572及びWO05/03175に記載されている。これらの方法を使用して、グリコシル化の改変、低減、または不在を伴う本発明の抗PD−1抗体を産生することができる。
適応症
本明細書で説明される抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、がんを含めた様々な障害を治療または予防するために使用することができる。抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントの投与によって治療または予防することができるがんとしては、副腎癌、肛門癌、AIDS関連癌、胞状軟部肉腫、膀胱癌、骨癌、脳及び脊髄癌、乳癌、頚動脈小体腫瘍、子宮頚癌、軟骨肉腫、脊索腫、嫌色素性腎細胞癌、明細胞癌、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚良性線維性組織球腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、上衣腫、子宮内膜癌、ユーイング腫瘍、骨外性粘液様軟骨肉腫、骨線維形成不全(fibrogenesis imperfecta ossium)、線維性骨異形成、胆嚢または胆管癌、胃癌、妊娠性絨毛性疾患、生殖細胞腫瘍、頭頚部癌、肝細胞癌、膵島細胞腫瘍、カポシ肉腫、腎臓癌、白血病、脂肪腫/良性脂肪腫性腫瘍、脂肪肉腫/悪性脂肪腫性腫瘍、肝臓癌、リンパ腫、肺癌、髄芽細胞腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、多発性内分泌新生物、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、神経芽腫、神経内分泌腫瘍、卵巣癌、膵臓癌、乳頭状甲状腺癌、副甲状腺腫瘍、小児癌、末梢神経鞘腫瘍、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、前立腺癌、後部ブドウ膜黒色腫、希少血液疾患、腎転移性癌、ラブドイド腫瘍、横紋筋肉腫、肉腫、皮膚癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌、滑膜肉腫、精巣癌、胸腺癌、胸腺腫、甲状腺転移性癌、ならびに子宮癌が挙げられる。
詳細には、本明細書で説明される抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、肛門癌、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、神経膠腫、腎臓癌、肺癌、メルケル細胞癌、多発性骨髄腫、神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵臓癌、直腸癌、及び肉腫の治療で使用することができる。
詳細には、本明細書で説明される抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、子宮内膜癌(非選択子宮内膜癌、高頻度MSI子宮内膜癌、dMMR子宮内膜癌、及び/またはPOLEエキソヌクレアーゼドメイン変異陽性子宮内膜癌を含む)、軟部組織肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、ならびに子宮頚癌の治療で使用することができる。
肛門管扁平上皮癌
肛門管扁平上皮癌(SCAC)は、消化器系癌のほぼ3%を占め、HPV及びHIV感染との関連性のために頻度が増加している。ほとんどの患者は限局性疾患を有するが、全身転移は患者の約25%で発症し、このような個体の5年生存率は不良である。白金ベースレジメンによるサルベージ化学療法は、受け入れられている標準治療であるが、応答は持続的ではなく、このような治療の後の無増悪生存期間及び全生存期間は月単位で測定されるに過ぎない。第一選択化学療法後に進行する患者に対する受け入れられたサルベージ治療は存在しない。
メルケル細胞癌
メルケル細胞癌は、メルケル細胞ポリオーマウイルス、UV照射、及び免疫抑制などの複数の要因に起因する、希少で攻撃的な皮膚の悪性腫瘍である。この疾患は、典型的には、肌色の薄いタイプの高齢者に見られ、他の皮膚悪性腫瘍と比較して予後が不良であり、生存率が低い。手術及び/または放射線療法が適応とされるが、これは局所領域の疾患に対し潜在的に治癒性であり、再発が一般的である。
MCCを有する患者の5年生存率は、原発性限局性腫瘍、局部リンパ節転移(または局所再発)を伴う腫瘍、及び遠隔転移を伴う腫瘍で、それぞれ75%、59%、及び25%である。患者の30%超が遠隔転移性疾患に罹患し、これらの患者の5年生存率はおよそ10%にとどまる。
これまで、転移性MCCは、小細胞肺癌に使用されるものに類似する化学療法レジメンで治療されてきた。白金ベース化学療法は、短期間の高い初期応答率をもたらす。この疾患の化学療法で生存率の利点が実証されたことはない。また、化学療法は、特に高齢の患者において、重度の毒性及び毒性死のリスクにも関連する。
子宮内膜癌
子宮内膜癌は、米国人女性が罹患するがんとしては4番目に多く、推定60,050件の新規症例が診断されており、推定で10,470件の子宮内膜癌関連の死亡が発生し、米国人女性におけるがん関連死としては6番目に多い。全世界においては、子宮内膜癌は、女性におけるがん関連死としては4番目に多い。子宮内膜癌は、女性を苦しめる最も一般的な婦人科悪性腫瘍であり、腺癌が最も一般的な組織像である。初期段階で診断されたがんは、手術及び/または放射線療法の治療選択肢により良好な予後がもたらされるが、進行性の後期段階がんは、治療選択肢が限られ、5年生存率は20〜60%の範囲となる。局所進行性がんまたは転移がんの標準治療としては、ホルモン療法、ドキソルビシンなどの単剤化学療法、またはカルボプラチン及びドセタキセルなどの白金ベースの併用化学療法レジメンのような全身治療が挙げられる。このような患者の長期予後が不良であることを考慮すると、さらなる新規の治療法が必要である。
医薬組成物
本明細書で説明される抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、例えば、本明細書で説明される障害を治療するための、対象への投与用の医薬組成物として製剤化することができる。典型的には、医薬組成物は、医薬的に許容される担体を含む。本明細書で使用する場合、「医薬的に許容される担体」には、あらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤、抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤、及び生理的に適合性のものが含まれる。組成物は、医薬的に許容される塩、例えば、酸付加塩または塩基付加塩を含むことができる(例えば、Berge,S.M.,et al.(1977)J.Pharm.Sci.66:1−19を参照)。
医薬製剤は、十分に確立された技術であり、例えば、Gennaro(ed.),Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th ed.,Lippincott,Williams & Wilkins(2000)(ISBN:0683306472);Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th Ed.,Lippincott Williams & Wilkins Publishers(1999)(ISBN:0683305727);及びKibbe(ed.),Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association,3rd ed.(2000)(ISBN:091733096X)でさらに説明されている。
医薬組成物は、様々な形態をとることができる。このような形態には、例えば、液体、半固体、及び固体の剤形、例えば、溶液(例えば、注射用及び点滴用溶液)、分散液または懸濁液、錠剤、丸薬、粉末、リポソーム、及び坐剤が含まれる。好ましい形態は、意図される投与様式及び治療用途に依存し得る。典型的には、本明細書で説明される薬剤のための組成物は、注射用または点滴用溶液の形態をとる。
組成物は、溶液、マイクロエマルジョン溶媒、分散液、リポソーム、または高濃度で安定した保管に適したその他の秩序構造として製剤化することができる。無菌注射溶液は、本明細書で説明される必要量の薬剤を、必要に応じて上に挙げた成分のうちの1つまたは組合せと共に適切な溶媒中に組み込み、次に濾過滅菌することによって調製することができる。概して、分散液は本明細書で説明される薬剤を、基本分散媒と上に挙げた他の成分のうち必要な成分とを含む無菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。無菌注射溶液の調製用の無菌粉末の場合、好ましい調製方法は真空乾燥及びフリーズドライであり、これらを用いることで事前に滅菌濾過した溶液から本明細書で説明される薬剤及び任意の追加的な所望成分を含む粉末がもたらされる。溶液の適正な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散させる場合には必要な粒径の維持により、そして界面活性剤の使用により、維持することができる。注射用組成物の持続的吸収は、組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩及びゼラチンを含めることによって得ることができる。
ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、急速放出に対し化合物を保護する担体、例えば、制御放出製剤(インプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む)で調製することができる。生分解性、生体適合性のポリマー、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸を使用することができる。このような製剤を調製するための多くの方法が特許されているか、または一般的に知られている。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York(1978)を参照。
投与
抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントは、様々な方法により、対象、例えば、それを必要とする対象、例えば、ヒト対象に投与することができる。多くの用途において、投与経路は、静脈内注射または点滴(IV)、皮下注射(SC)、腹腔内(IP)、または筋肉内注射のうちの1つである。関節内送達を使用することも可能である。その他の非経口投与様式も使用することができる。このような様式の例としては、動脈内、髄腔内、被膜内、眼窩内、心臓内、皮内、気管内、皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、及び硬膜外、及び胸骨内の注射が挙げられる。場合によっては、投与は経口であってもよい。
また、抗体またはその抗原結合フラグメントの投与経路及び/または様式は、例えば、対象をモニターすることにより、例えば、断層撮影画像を用いて、例えば、腫瘍を視覚化するために、個々の症例に合わせて調整することができる。
抗体またはその抗原結合フラグメントは、固定用量として、またはmg/kg患者体重用量で投与することができる。また、用量は、抗PD−1抗体に対する抗体の産生を低減または回避するように選択することもできる。投薬レジメンは、所望の反応(例えば、治療応答または組合せによる治療効果)をもたらすように調整される。概して、生物学的に利用可能な量の薬剤を対象に提供するために、抗PD−1抗体(及び任意選択で第2の薬剤)の用量を使用することができる。例えば、約0.1〜100mg/kg、約0.5〜100mg/kg、約1mg/kg〜100mg/kg、約0.5〜20mg/kg、約0.1〜10mg/kg、または約1〜10mg/kgの範囲の用量を投与することができる。他の用量も使用することができる。特定の実施形態において、抗PD−1抗体による治療を必要とする対象は、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、または約40mg/kgの用量で抗体を投与される。用量または投薬量に関しての「約」という用語は、記載用量の±10%である範囲を示すように意図されており、例えば、約3mg/kgの用量は、2.7mg/kgから3.3mg/kg患者体重の間となる。
組成物は、約1mg/mL〜100mg/ml、または約10mg/mL〜100mg/ml、または約50〜250mg/mL、または約100〜150mg/ml、または約100〜250mg/mlの抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを含むことができる。
本明細書で使用する投薬単位形態、または「固定用量」もしくは「フラット用量」とは、治療を行う対象の単位投薬量に適した物理的に別々の単位を指し、各単位は、必要とされる医薬担体と関連して、そして任意選択で他方の薬剤と関連して所望の治療効果をもたらすように計算された所定の量の活性化合物を含む。単回または複数回の投薬を行うことができる。代替的に、または追加として、抗体は持続点滴を介し投与することができる。例示的な固定用量としては、約375mg、約500mg、及び約750mgが挙げられる。いくつかの実施形態において、用量または投薬量に関しての「約」という用語は、記載用量の±10%である範囲を示すように意図されており、例えば、約375mgの用量は、337.5mgから412.5mgの間となる。
抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントの用量は、例えば、少なくとも2回用量、3回用量、5回用量、10回用量またはそれ以上を例えば、1日1回もしくは2回、または1週間に約1〜4回、または好ましくは1週間に1回、2週間に1回(2週間ごと)、3週間に1回、1ヵ月に1回、例えば、約1から12週間の間、好ましくは2から8週間の間、より好ましくは約3から7週間の間、さらにより好ましくは約4、5、または6週間を包含するのに十分な周期的間隔(治療期間)で投与することができる。対象を有効に治療するのに必要な投薬量及びタイミングに影響を及ぼし得る要因としては、例えば、疾患または障害の重症度、製剤、送達経路、過去の治療、対象の全体的健康状態及び/または年齢、及び存在する他の疾患が挙げられる。さらに、化合物の治療有効量による対象の治療には、単回の治療、または好ましくは一連の治療も含まれ得る。
例示的な投薬レジメンは、3週間に1回、約375mgの固定用量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することを含む。別の例示的な投薬レジメンは、4週間に1回、約500mgの固定用量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することを含む。さらに別の例示的な投薬レジメンは、4週間に1回、約750mgの固定用量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することを含む。
例示的な体重ベースの投薬レジメンは、2週間に1回、約1mg/kgの投薬量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することを含む。別の例示的な体重ベースの投薬レジメンは、2週間に1回、約3mg/kgの投薬量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することを含む。別の例示的な体重ベースの投薬レジメンは、4週間に1回、約3mg/kgの投薬量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することを含む。別の例示的な体重ベースの投薬レジメンは、2週間に1回、約10mg/kgの投薬量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することを含む。別の例示的な体重ベースの投薬レジメンは、4週間に1回、約10mg/kgの投薬量の抗PD−1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することを含む。
医薬組成物は、本明細書で説明される薬剤の「治療有効量」を含むことができる。このような有効量は、投与された薬剤の効果、または複数の薬剤が使用される場合の薬剤の組合せ効果に基づいて決定することができる。また、薬剤の「治療有効量」は、個体の疾患状態、年齢、性別、及び体重などの要因、ならびに個体の所望の反応(例えば、少なくとも1つの障害パラメーターの改善、または障害の少なくとも1つの症状の改善)を誘発する化合物の能力によっても変動し得る。治療有効量は、組成物の任意の毒性または有害な作用よりも治療的に有益な作用が上回ることでもある。
以下は、本発明の実施の例である。これらの例は、いかなる形においても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
以下の実施例は、特許請求対象の発明をより十分に例示するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。特定の材料が言及されている範囲内において、それは単なる例示目的のものであり、本発明を限定する意図はない。当業者は、発明の範囲から逸脱することなく、発明能力の行使を伴わずに同等の手段または反応物を開発することができる。
実施例1:白金ベース化学療法後に進行した肛門管扁平上皮癌(SCAC)を有する参加者におけるANTIBODY Xの第2相試験
本試験は、標準治療のプラチナベース化学療法レジメンで進行した局所進行性または転移性SCACの参加者を対象とする非盲検単一群多施設第2相試験である。HIV感染が十分にコントロールされた参加者を適格とする。全ての参加者に、推奨される第2相用量500mg IV Q4Wの抗体Xを投与する。主要エンドポイントは、RECIST v1.1を用いた独立中央判定によって決定されたORRとする。
本試験は、3つの期間:スクリーニング、治験薬治療、及び追跡調査からなる。治療は、臨床的疾患進行、許容できない毒性、死亡、同意の撤回、追跡調査不能、または任意のその他の理由による早期中止がない場合は、最大2年間継続することができる。
CRを達成した参加者は、メディカルモニターと相談して、追加の2サイクル後にANTIBODY Xを中止することができる。
治療は、各28日サイクルの1日目に60分かけて静脈内点滴により投与する。その後の治療サイクルは、以下の基準が満たされるまで(最大12週間)遅延させるものとする。
・ヘモグロビン≧8gm/dL。
・ANC≧1.0×109/L。
・血小板数≧75×109/L。
・ALT/AST/ビリルビン≦グレード2。
・許容できない毒性以外で、全ての免疫関連毒性≦グレード1まで解決すること(ホルモン補充で制御される内分泌障害を除く)。
・全ての非免疫関連毒性がグレード≦1またはベースラインまで解決すること(脱毛症または非輸血依存性貧血を除く)。グレード3以下の一過性無症候性臨床検査値上昇は、参加者が無症候性であり、上昇が臨床的に重要でなく、メディカルモニターと協議されている場合(例えば、アミラーゼ、リパーゼ)、投与の中断または減量は求められない。
・コルチコステロイドの1日用量≦10mgプレドニゾンまたは同等の量。
追跡調査期間は、参加者が2年間の治験薬投与を完了したか、または治験薬を早期中止したときに開始する。参加者は、治験薬の最終投与から90日間、または別の抗がん療法の開始までのいずれか早い方まで、AEの評価を受ける。
参加者は、治療を中止したら追跡調査期間に入り、試験完了まで生存率の評価を受ける。疾患の進行を経験せずに試験治療を中止した参加者は、追跡調査期間に入り、疾患の進行、新規抗がん治療の開始、同意の撤回、追跡調査不能、試験終了、または死亡を経験するまで、活動のスケジュールに従って継続的に腫瘍評価を受ける。
AEに対しては、ANTIBODY Xの用量変更が認められる。各治療サイクルの開始前に、参加者は、ANTIBODY Xの投与を受ける前に治療継続基準を満たさなければならない。治療サイクルの開始時に基準が満たされない場合、ANTIBODY X点滴は、任意の異常な臨床検査結果またはAEを解決できるようにするために最大12週間遅延する場合がある。参加者は、サイクルの開始予定から12週間以内に再治療基準が満たされない場合、試験の実薬治療部分を中止するものとする。解決したら、参加者が試験にさらに参加する上で不適切となる医学的状態またはその他の状況が存在しないと治験責任医師が判断した場合、参加者は治療を再開することができる。許容できない毒性のためにANTIBODY Xを中止しなければならない場合、参加者は実薬治療を中止し、試験の追跡調査期間に入るものとする。
実施例2:転移性メルケル細胞癌(MCC)を有する参加者におけるANTIBODY Xの第2相試験
本試験は、転移性MCCを有する参加者におけるANTIBODY Xの臨床活性及び安全性を評価するために設計された、第2相非盲検単一群多施設試験である。本試験では、転移性MCCを有する参加者を登録する。参加者には、化学療法未治療の者に加えて、以前に化学療法を受けたことがあるが、それ以外の点では全ての適格基準を満たす者が含まれる。全ての参加者は、中央病理審査用に組織試料(新鮮または保存)を提出しなければならない。病理検査によって確認されていないMCCを有する参加者は、試験治療を継続することができるが、有効性分析のために置き換えられる。
スクリーニング中に適格基準を満たす全ての参加者にANTIBODY Xによる治療を行う。主要エンドポイントは、RECIST v1.1に従ってICRにより決定されたORRである。
試験治療は、28日に1回の静脈内点滴により、推奨される第2相用量500mgの単剤療法ANTIBODY Xを投与することからなる。治験薬を用いた治療は、臨床的疾患進行、許容できない毒性、死亡、同意の撤回、追跡調査不能、または任意のその他の理由による早期中止がない場合は、最大2年間継続することができる。
本試験は、3つの期間:スクリーニング、治験薬治療、及び追跡調査からなる。
適格な参加者に対し、単剤ANTIBODY X 500mgを、各28日サイクルの1日目に60分かけて静脈内点滴により投与して治療する。各サイクルで満たす必要のある治療前基準としては、以下のものが挙げられる。
・ヘモグロビン≧8g/dL
・ANC≧1.0×109/L
・血小板数≧75×109/L
・ALT/AST/ビリルビン≦グレード2
・全ての免疫関連毒性≦グレード1まで解決すること(ホルモン補充で制御される内分泌障害を除く)
・全ての非免疫関連毒性がグレード≦1またはベースラインまで解決すること(脱毛症または非輸血依存性貧血を除く)。グレード3以下の一過性無症候性臨床検査値上昇は、参加者が無症候性であり、上昇が臨床的に重要でなく、メディカルモニターと協議されている場合、投与の中断または減量は求められない。
追跡調査期間は、参加者が試験治療を完了したか、または早期中止したときに開始する。参加者は、試験治療の最終投与後最大90日間、AE及びその他の安全性パラメーターについて評価を受ける。
参加者は、治療を中止したら追跡調査期間に入り、試験完了まで生存率の評価を受ける。疾患の進行を経験せずに試験治療を中止した参加者は、追跡調査期間に入り、疾患の進行、新規抗がん治療の開始、同意の撤回、追跡調査不能、試験終了、または死亡を経験するまで、活動のスケジュールに従って継続的に腫瘍評価を受ける。
AEに対しては、ANTIBODY Xの用量変更が認められる。各治療サイクルの開始前に、参加者は、ANTIBODY Xの投与を受ける前に治療継続基準を満たさなければならない。治療サイクルの開始時に基準が満たされない場合、ANTIBODY X点滴は、任意の異常な臨床検査結果またはAEを解決できるようにするために最大12週間遅延する場合がある。参加者は、サイクルの開始予定から12週間以内に再治療基準が満たされない場合、試験の実薬治療部分を中止するものとする。解決したら、参加者が試験にさらに参加する上で不適切となる医学的状態またはその他の状況が存在しないと治験責任医師が判断した場合、参加者は治療を再開することができる。許容できない毒性のためにANTIBODY Xを中止しなければならない場合、参加者は実薬治療を中止し、試験の追跡調査期間に入るものとする。
実施例3:子宮内膜癌を有する患者におけるANTIBODY Xの安全性、忍容性、及び薬物動態の第1相試験
本試験は、再発性/難治性で切除不能な局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者における、2週間または4週間ごとに静脈内投与するANTIBODY Xの安全性、忍容性、PK、PD、免疫原性、及び予備的抗腫瘍活性を特徴づけるように設計された第1相非盲検用量漸増コホート拡大試験である。
本試験は、用量漸増フェーズ及びその後のコホート拡大フェーズの2つのフェーズからなる。
試験に登録した全ての患者に対し、ANTIBODY Xを静脈内点滴として60分かけて投与する。本試験期間中の治療間隔を定義する目的で、1サイクルは28日または4週間として定義する。ANTIBODY X投与は、用量漸増フェーズ及び拡大フェーズで2つのスケジュール:2週間に1回(Q2W)または4週間に1回(Q4W)を検討し、さらに、拡大フェーズでのみANTIBODY X(Q4W)のフラット/固定投与スケジュールを検討する。用量漸増フェーズ及びコホート拡大フェーズの両方において、患者の腫瘍評価は、最初の6サイクル(24週間)では2サイクル(8週間)ごとに得られ、その後は治療来院の終了まで3サイクル(12週間)ごとに得られる。それぞれのサイクルの終了前の7日以内にこれらのスキャンを実施することができる。患者が臨床的に安定性を保ち、免疫関連進行性疾患(irPD)を経験しておらず、治験薬の恒久的中止を必要とする許容できない毒性を経験していない場合、ANTIBODY Xによる治療は最大24サイクル(約2年)継続することができる。治験薬の最終投与後、全ての患者に対し、30日間の安全性追跡調査期間の安全性評価、及び2年間の生存追跡調査期間における6ヵ月ごとの生存性評価について追跡調査を行う。
子宮内膜癌コホート内では、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI−H)、ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)、及び/またはDNAポリメラーゼε(POLE)エキソヌクレアーゼドメイン変異陽性疾患の患者を最低10人登録する。
患者に対し、本試験の用量漸増フェーズからそのスケジュールにおいて確立された用量で、2週間または4週間に1回、3mg/kg(または1mg/kg Q2Wもしくは10mg/kg Q2Wもしくは10mg/kg Q4W)のANTIBODY Xを投与する。フラット/固定用量コホートの患者には、500mg Q4Wまたは750mg Q4WのいずれかでANTIBODY Xを投与する。
実施例4:がんを有する患者におけるANTIBODY Xの安全性、忍容性、及び薬物動態の第1相試験
本試験は、再発性/難治性で切除不能な局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者における、2、3、または4週間ごとに静脈内投与するANTIBODY Xの安全性、忍容性、PK、PD、免疫原性、及び予備的抗腫瘍活性を特徴づけるように設計された第1相非盲検用量漸増コホート拡大試験である。
本試験は、用量漸増フェーズ及びその後のコホート拡大フェーズの2つのフェーズからなる。
試験に登録した全ての患者に対し、ANTIBODY Xを静脈内点滴として60分かけて投与する。本試験期間中の治療間隔を定義する目的で、Q2WまたはQ4W用量を投与する患者については、1サイクルを28日または4週間として定義する。Q3W用量を投与する患者については、1サイクルを21日または3週間として定義する。用量漸増フェーズ及びコホート拡大フェーズの両方において、腫瘍評価は、Q2WまたはQ4W用量を投与する患者については最初の24週間は8週間ごとに、Q3Wを投与する患者については最初の27週間は9週間ごとに得られ、その後は治療来院の終了まで12週間ごとに得られる。それぞれのサイクルの終了前の7日以内にこれらのスキャンを実施することができる。患者が臨床的に安定性を保ち、臨床的進行を経験しておらず、治験薬の恒久的中止を必要とする許容できない毒性を経験していない場合、ANTIBODY Xによる治療を最大2年間継続することができる。治験薬の最終投与後、全ての患者に対し、30日間の安全性追跡調査期間の安全性評価、及び2年間の生存追跡調査期間における6ヵ月ごとの生存性評価について追跡調査を行う。
用量漸増フェーズでは、ANTIBODY Xは経時的漸増用量で評価する。評価対象のANTIBODY Xの用量レベルは、2週間に1回(Q2W)または4週間に1回(Q4W)の間隔の1mg/kg、3mg/kg、及び10mg/kgを含む。例えば、患者に対し、本試験の用量漸増フェーズからそのスケジュールにおいて確立された用量で、1mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、3mg/kg Q4W、10mg/kg Q2W、または10mg/kg Q4WでANTIBODY Xを投与する。
コホート拡大フェーズには、子宮内膜癌(未選択、高頻度MSI及びdMMR)、軟部組織肉腫、非小細胞肺癌、子宮頚癌を有する患者を含む腫瘍特異的コホート、ならびに任意の腫瘍組織像(腫瘍アグノスティック)のコホートが含まれる。評価対象のANTIBODY Xの用量レベルは、2週間に1回の3mg/kg、例えば、3mg/kg Q2Wを含み、3週間または4週間に1回の375mg、500mg、及び750mg、例えば、375mg Q3W、500mg Q4W、または750mg Q4Wのフラット/固定投与を含む。
その他の実施形態
本発明をその詳細な説明と併せて説明してきたが、以上の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示することを意図しており、限定することは意図していない。その他の態様、利点、及び変更は以下の特許請求の範囲内にある。

Claims (26)

  1. 子宮内膜癌の治療を必要とするヒト対象における前記子宮内膜癌を治療する方法であって、ヒトPD−1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントの治療有効量を前記ヒト対象に投与することを含み、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、VH相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2、及びVH CDR3を含む重鎖可変(VH)ドメインであって、
    前記VH CDR1が、アミノ酸配列SYWMN(配列番号6)を含み、
    前記VH CDR2が、アミノ酸配列VIHPSDSETWLDQKFKD(配列番号7)を含み、
    前記VH CDR3が、アミノ酸配列EHYGTSPFAY(配列番号8)を含む、前記VHドメインを含み、
    前記抗体が、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含む軽鎖可変(VL)ドメインであって、
    前記VL CDR1が、アミノ酸配列RASESVDNYGMSFMNW(配列番号9)を含み、
    前記VL CDR2が、アミノ酸配列AASNQGS(配列番号10)を含み、
    前記VL CDR3が、アミノ酸配列QQSKEVPYT(配列番号11)を含む、前記VLドメインを含む、前記方法。
  2. 前記子宮内膜癌が、高頻度マイクロサテライト不安定性子宮内膜癌である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記子宮内膜癌が、ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)子宮内膜癌である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記子宮内膜癌が、DNAポリメラーゼε(POLE)エキソヌクレアーゼドメイン変異陽性子宮内膜癌である、請求項1に記載の方法。
  5. メルケル細胞癌の治療を必要とするヒト対象における前記メルケル細胞癌を治療する方法であって、ヒトPD−1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントの治療有効量を前記ヒト対象に投与することを含み、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインであって、
    前記VH CDR1が、アミノ酸配列SYWMN(配列番号6)を含み、
    前記VH CDR2が、アミノ酸配列VIHPSDSETWLDQKFKD(配列番号7)を含み、
    前記VH CDR3が、アミノ酸配列EHYGTSPFAY(配列番号8)を含む、前記VHドメインを含み、
    前記抗体が、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLドメインであって、
    前記VL CDR1が、アミノ酸配列RASESVDNYGMSFMNW(配列番号9)を含み、
    前記VL CDR2が、アミノ酸配列AASNQGS(配列番号10)を含み、
    前記VL CDR3が、アミノ酸配列QQSKEVPYT(配列番号11)を含む、前記VLドメインを含む、前記方法。
  6. 肛門癌の治療を必要とするヒト対象における前記肛門癌を治療する方法であって、ヒトPD−1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントの治療有効量を前記ヒト対象に投与することを含み、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインであって、
    前記VH CDR1が、アミノ酸配列SYWMN(配列番号6)を含み、
    前記VH CDR2が、アミノ酸配列VIHPSDSETWLDQKFKD(配列番号7)を含み、
    前記VH CDR3が、アミノ酸配列EHYGTSPFAY(配列番号8)を含む、前記VHドメインを含み、
    前記抗体が、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLドメインであって、
    前記VL CDR1が、アミノ酸配列RASESVDNYGMSFMNW(配列番号9)を含み、
    前記VL CDR2が、アミノ酸配列AASNQGS(配列番号10)を含み、
    前記VL CDR3が、アミノ酸配列QQSKEVPYT(配列番号11)を含む、前記VLドメインを含む、前記方法。
  7. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、1mg/kgの用量で2週間に1回投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、3mg/kgの用量で2週間に1回投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、3mg/kgの用量で4週間に1回投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、10mg/kgの用量で2週間に1回投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、10mg/kgの用量で4週間に1回投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  12. がんの治療を必要とするヒト対象における前記がんを治療する方法であって、ヒトPD−1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントの有効固定用量を前記ヒト対象に投与することを含み、前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、VH CDR1、VH CDR2、及びVH CDR3を含むVHドメインであって、
    前記VH CDR1が、アミノ酸配列SYWMN(配列番号6)を含み、
    前記VH CDR2が、アミノ酸配列VIHPSDSETWLDQKFKD(配列番号7)を含み、
    前記VH CDR3が、アミノ酸配列EHYGTSPFAY(配列番号8)を含む、前記VHドメインを含み、
    前記抗体が、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含むVLドメインであって、
    前記VL CDR1が、アミノ酸配列RASESVDNYGMSFMNW(配列番号9)を含み、
    前記VL CDR2が、アミノ酸配列AASNQGS(配列番号10)を含み、
    前記VL CDR3が、アミノ酸配列QQSKEVPYT(配列番号11)を含む、前記VLドメインを含む、前記方法。
  13. 前記がんが、肛門癌、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、神経膠腫、腎臓癌、肺癌、メルケル細胞癌、多発性骨髄腫、神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵臓癌、直腸癌、または肉腫である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記子宮内膜癌が、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI−H)子宮内膜癌、ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)子宮内膜癌、及びDNAポリメラーゼε(POLE)エキソヌクレアーゼドメイン変異陽性子宮内膜癌からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記VHドメインが、配列番号4に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記抗体が、重鎖を含み、前記重鎖が、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記VLドメインが、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記抗体が、軽鎖を含み、前記軽鎖が、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記VHドメインが、配列番号4に記載のアミノ酸配列を含み、前記VLドメインが、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖が、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記抗体が、ヒト化抗体である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記抗原結合フラグメントが、1本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fab’フラグメント、Fscフラグメント、Fvフラグメント、scFv、sc(Fv)2、またはダイアボディである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、静脈内に投与される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、375mgの用量で3週間に1回投与される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、500mgの用量で4週間に1回投与される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記抗体または抗原結合フラグメントが、750mgの用量で4週間に1回投与される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
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