JP2021527687A - Oga阻害剤化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)のO−GlcNAc加水分解酵素(OGA)阻害剤に関する。本発明は、そのような化合物を含む医薬組成物、そのような化合物及び組成物を調製するプロセス、並びにOGAの阻害が有益である障害(例えば、タウオパチー、特に、アルツハイマー病又は進行性核上性麻痺;及びタウ病変を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72変異により引き起こされる筋萎縮性側索硬化症又は前頭側頭葉認知症)の予防及び処置のためのそのような化合物及び組成物の使用も対象とする。
【化1】

Description

本発明は、式(I)
Figure 2021527687

(式中、ラジカルは、本明細書に定義されているとおりである)で示される構造を有するO−GlcNAc加水分解酵素(OGA)阻害剤に関する。本発明はまた、そのような化合物を含む医薬組成物、そのような化合物及び組成物を調製するプロセス、並びにOGAの阻害が有益である障害(例えばタウオパチー、特にアルツハイマー病又は進行性核上性麻痺;及びタウ病変を伴う神経変性疾患、特にC9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症又は前頭側頭葉型認知症)の予防及び処置するためのそのような化合物及び組成物の使用も対象とする。
O−GlcNAc化とは、N−アセチル−D−グルコサミン残基がセリン残基及びスレオニン残基のヒドロキシル基に転移してO−GlcNAc化タンパク質が生じるタンパク質の可逆的改変のことである。1000種を超えるそのような標的タンパク質が、真核生物の細胞基質及び核の両方で確認されている。この改変は、転写、細胞骨格プロセス、細胞周期、プロテアソーム分解、及び受容体シグナル伝達を含む広範な細胞プロセスを調節すると考えられている。
O−GlcNAc転移酵素(OGT)及びO−GlcNAc加水分解酵素(OGA)は、O−GlcNAcを標的タンパク質に付加する(OGT)か又は標的タンパク質から除去(OGA)すると説明されているわずか2種のタンパク質である。OGAは、1994年に初めて脾臓標本から精製されており、1998年に髄膜腫により発現される抗原として同定されてMGEA5と命名されており、細胞の細胞基質コンパートメントにおいて単量体として916個のアミノ(102915ダルトン)からなる。これは、タンパク質の輸送及び分泌に重要であるER関連の及びゴルジ体関連のグリコシル化プロセスとは区別されるべきであり、OGAとは異なり至適pHが酸性であるが、OGAは、中性pHで最高活性を示す。
OGAの、2個のアスパラギン酸触媒中心を有する触媒ドメインは、2個の柔軟なドメインと隣接している酵素のそのときの末端部に存在する。C−末端部は、ストークドメインが先行する推定上のHAT(ヒストンアセチル転移酵ドメイン)からなる。HAT領域が触媒作用的に活性であることは、依然としてこれから証明される必要がある。
O−GlcNAc化タンパク質、並びにOGT及びOGA自体は、特に脳及び神経細胞で豊富にあり、このことは、この改変が中枢神経系において重要な役割を果たすことを示唆する。実際、研究により、O−GlcNAc化は、神経細胞伝達、記憶形成、及び神経変性疾患の一因となる重要な調節機序であることが確認された。さらに、いくつかの動物モデルにおいて、OGTは胚発生に必須であり、ogt欠損マウスは、胚性致死性であることが示されている。OGAも哺乳動物の発生に不可欠である。2つの別々の研究により、OGAホモ接合型欠損マウスが生後24〜48時間を過ぎると生存しないことが示されている。Ogaが欠失すると、仔においてグリコーゲン動員が不足し、このため、ホモ接合型ノックアウト胎仔に由来するMEFにおいてゲノム不安定性に関連する細胞周期停止が生じた。ヘテロ接合型動物は、成体になるまで生存したが、転写及び代謝の両方に変化が見られた。
O−GlcNAcの循環の撹乱は、糖尿病等の慢性の代謝性疾患及び癌に影響を及ぼすことが知られている。Ogaのヘテロ接合性は、Apc−/+マウス癌モデルにおいて腸腫瘍発生を抑制し、Oga遺伝子(MGEA5)は、ヒト糖尿病感受性遺伝子座であることが立証されている。
加えて、O−GlcNAc改変は、神経変性疾患の発症及び進行に関与するいくつかのタンパク質で確認されており、アルツハイマー病では、タウによる神経原線維変化(NFT)タンパク質の形成についてO−GlcNAcレベルの変化量間の相関性が示唆されている。加えて、パーキンソン病では、アルファ−シヌクレインのO−GlcNAc化が説明されている。
中枢神経系において、タウの6種のスプライスバリアントが説明されている。タウは、17番染色体上でコードされており、中枢神経系で発現されるその最長の441個のアミノ酸のスプライスバリアントで存在する。これらのアイソフォームは、N−末端側の2個のインサート(エクソン2及び3)並びに微小管結合ドメイン内のエクソン10が異なる。エクソン10は、タウオパチーにおいて相当に興味深く、なぜならば、下記で説明するように、エクソン10は、タウを凝集しやすくする多重変異を有するからである。タウタンパク質は、神経細胞の微小管細胞骨格に結合して安定化させ、これは、軸索コンパートメントに沿った細胞小器官の細胞内輸送の調節に重要である。そのため、タウは、軸索の形成及びその保全性の維持に重要な役割を果たす。加えて、樹状突起スパインの生理学における役割も示唆されている。
タウの凝集は、様々ないわゆるタウオパチー、例えばPSP(進行性核上性麻痺)、ダウン症候群(DS)、FTLD(前頭側頭葉型認知症)、FTDP−17(パーキンソニズム−17を伴う前頭側頭型認知症)、ピック病(PD)、CBD(大脳皮質基底核変性症)、嗜銀顆粒病(AGD)、及びAD(アルツハイマー病)の根底にある原因の1つである。加えて、タウ病変は、C9ORF72の変異を原因とする筋萎縮性側索硬化症(ALS)又はFTLDのような更なる神経変性疾患に伴う。これらの疾患では、タウは、過剰なリン酸化によって翻訳後に改変され、これにより、タウは、微小管から引き離されて凝集しやすくなると考えられる。O−GlcNAc残基を担持するセリン残基又はスレオニン残基は、リン酸化しにくいことから、タウのO−GlcNAc化は、リン酸化の程度を調節する。これは、効果的にタウを微小管から離れにくくし、神経毒性の濃縮体(最終的に神経毒性及び神経細胞の細胞死に至る)への凝集を低減する。この機序は、神経細胞から放出されるタウ凝集体が脳内の相互連結した回路に沿って細胞から細胞へと拡散することも低減し得、この拡散は、最近では、タウが関連する認知症において病状を促進すると言われている。実際、AD患者の脳から単離された過リン酸化タウは、O−GlcNAc化のレベルを有意に減少させていたことが示された。
JNPL3タウトランスジェニックマウスに投与したOGA阻害剤は、NFTの形成及び神経細胞脱落を低減することに成功し、明らかな有害作用はなかった。この所見は、FTDに見られる変異型タウの発現を誘導し得る別のタウオパチーの齧歯類モデル(tg4510)において確認された。OGAの低分子阻害剤の投与は、タウ凝集の形成の低減に有効であり、皮質萎縮及び脳室拡大を減弱させた。
さらに、アミロイド前駆体タンパク質(APP)のO−GlcNAc化は、非アミロイド形成経路によるプロセシングに有利に作用し、可溶性のAPP断片を産生し、AD関連のアミロイド−ベータ(Aβ)を形成する開裂を回避する。
OGAの阻害によりタウのO−GlcNAc化を維持することは、上記の神経変性疾患におけるタウのリン酸化及びタウ凝集を低減し、それにより神経変性タウオパチー疾患の進行を減弱させるか又は停止するための有望な手法である。
いくつかの化合物が当該技術分野で知られており、OGA阻害活性を有することが開示されている:国際公開第2012/117219号パンフレット(Summit Corp.plc.、2012年9月7日公開)には、N−[[5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−2−イル]メチル]アルキルアミド誘導体及びN−アルキル−2−[5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−2−イル]アセトアミド誘導体が記載されており、国際公開第2014/159234号パンフレット(Merck Patent GMBH、2014年10月2日公開)は、主に、アセトアミド−チアゾリルメチル置換基又はアセトアミダゾリルメチル置換基で1位が置換された4−フェニル又はベンジル−ピペリジン及びピペラジン化合物を開示しており、国際公開第2016/0300443号パンフレット(Asceneuron S.A.、2016年3月3日公開)、国際公開第2017/144633号パンフレット及び国際公開第2017/0114639号パンフレット(Asceneuron S.A、2017年8月31日公開)は、1,4−ジ置換ピペリジン又はピペラジンを開示しており、国際公開第2017/144637号パンフレット(Asceneuron S.A、2017年8月31日公開)は、より特定した4−置換1−[1−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)エチル]−ピペラジン誘導体、1−[1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)エチル]−ピペラジン誘導体、1−[1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル)エチル]−ピペラジン誘導体、及び1−[1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)エチル]−ピペラジン誘導体を開示しており、国際公開第2017/106254号パンフレット(Merck Sharp & Dohme Corp.)には、置換N−[5−[(4−メチレン−1−ピペリジル)メチル]チアゾール−2−イル]アセトアミド化合物が記載されている。
例えば、改善された効力、良好なバイオアベイラビリティ、薬物動態及び脳浸透性、並びに/又はより良好な毒性プロファイルを有する、特性の有利なバランスを有するOGA阻害剤化合物が依然として必要とされている。従って、これらの問題の少なくともいくつかを克服する化合物を提供することが本発明の目的である。
本発明は、式(I)
Figure 2021527687

の化合物、その互変異性体及び立体異性形態であって、
は−C1〜6アルキル−C(O)−NRであり(ここで、
及びRは各々独立して水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択されるか、又はR及びRはそれらが結合している窒素原子と共にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロ環を形成している);
、R及びRは各々独立して水素、ハロ及びC1〜3アルキルから選択され;Rは(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f):
Figure 2021527687

からなる群から選択される1価の基であり(ここで、
1a、R2a、R1b及びR2bは各々独立してハロ、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキルオキシ、ポリハロC1〜3アルキルオキシ及びC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;R3aは水素、ハロ、−C(O)−OC1〜3アルキル、−C(O)−NR’R”、−N(R’’’)−C(O)−C1〜3アルキルからなる群から選択され;
4aは水素、ハロ、−CN、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキルオキシ、ポリハロC1〜3アルキルオキシ、−C(O)−OC1〜3アルキル、−C(O)−NR’R”、−N(R’’’)−C(O)−C1〜3アルキル及びHetからなる群から選択され;但し、R3a及びR4aは同時に−C(O)−OC1〜3アルキル、−C(O)−NR’R”又は−N(R’’’)−C(O)−C1〜3アルキルでなく;
R’及びR”は各々独立して水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択されるか、又はR’及びR”はそれらが結合している窒素原子と共にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロ環を形成しており;
R’’’は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され;
Hetは1つ以上の独立して選択されるC1〜3アルキル置換基で任意選択的に置換されているピラゾリル又はイミダゾリルであり;
及びXは各々独立してN及びCHから選択され、但しX又はXの少なくとも1つはNであり;
1c、R2c、R1d、R1e、R2e及びR2fは各々独立してハロ、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル及びC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
は、CH又はNを表し;
は、C又はNを表し;
Figure 2021527687

により表される環の各々は、
(i)窒素及び酸素から各々独立して選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を有する5員若しくは6員の不飽和複素環であって、ハロ、C1〜3アルキル、及びオキソから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の不飽和複素環を形成するか、又は
(ii)窒素、酸素、及び硫黄から各々独立して選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を有する5員若しくは6員の芳香族複素環であって、ハロ、−CN、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、及びポリハロC1〜3アルキルから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている芳香族複素環を形成する、
化合物、並びにその互変異性体及び立体異性形態、並びにこれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本発明の実例は、薬学的に許容される担体と、上記化合物の内のいずれかとを含む医薬組成物である。本発明の一例は、上記化合物の内のいずれかと、薬学的に許容される担体とを混合することによって製造される医薬組成物である。本発明を例示するものは、医薬組成物を製造するプロセスであって、上記化合物の内のいずれかと、薬学的に許容される担体とを混合することを含むプロセスである。
本発明を例示するものは、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)の阻害により媒介される障害を予防するか又は処置する方法であって、必要とする対象に、上記の化合物又は医薬組成物の内のいずれかの治療上有効な量を、投与することを含む方法である。本発明をさらに例示するものは、OGAを阻害する方法であって、必要とする対象に、上記の化合物又は医薬組成物の内のいずれかの予防上有効な量又は治療上有効な量を投与することを含む方法である。
本発明の一例は、タウオパチー(特に、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、パーキンソニズム−17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー);又はタウ病理に付随して起こる神経変性疾患(特に、C9ORF72変異により引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭型認知症から選択される神経変性疾患)から選択される障害を予防するか又は処置する方法であって、必要とする対象に、上記の化合物又は医薬組成物の内のいずれかの予防上有効な量又は治療上有効な量を投与することを含む方法である。
本発明の別の例は、必要とする対象での、タウオパチー(特に、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、パーキンソニズム−17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー);又はタウ病理に付随して起こる神経変性疾患(特に、C9ORF72変異により引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭型認知症から選択される神経変性疾患)の予防又は処置における使用のための上記化合物の内のいずれかである。
本発明は、本明細書において上記に定義したとおりの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される付加塩及び溶媒和物を対象とする。式(I)の化合物は、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)の阻害剤であり、タウオパチー(特に、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、パーキンソニズム−17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー)の予防若しくは処置に有用であり得るか;又はタウ病理に付随して起こる神経変性疾患(特に、C9ORF72変異により引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭型認知症から選択される神経変性疾患)の予防若しくは処置に有用であり得る。
特定の実施形態では、本発明は、上で定義した式(I)の化合物、その互変異性体及び立体異性形態[式中、
は−C1〜3アルキル−C(O)−NRであり(ここで、
及びRは各々独立して水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択されるか、又はR及びRはそれらが結合している窒素原子と共にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロ環を形成している);
、R及びRは各々独立して水素、ハロ及びC1〜3アルキルから選択され;
は(a)、(b)、(d)及び(f)からなる群から選択される1価の基であり(ここで、
1a、R2a、R1b及びR2bは各々独立してハロ、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキルオキシ、ポリハロC1〜3アルキルオキシ及びC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
3aは水素であり;
4aは水素、ハロ、−CN、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキルオキシ及びポリハロC1〜3アルキルオキシからなる群から選択され;
及びXは各々独立してN及びCHから選択され、但しX及びXの少なくとも1つはNであり;
1d及びR2fは各々独立してC1〜3アルキルから選択され;
はCHを表し;
Figure 2021527687

によって表される環の各々は
(i)窒素及び酸素から各々独立して選択される1若しくは2個のヘテロ原子を有し、ハロ及びC1〜3アルキルから各々独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の不飽和ヘテロ環;又は
(ii)窒素及び酸素から各々独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有し、C1〜3アルキルから各々独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の芳香族ヘテロ環を形成している)]、
並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
特定の実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物、その互変異性体及び立体異性形態であって、
は−C1〜3アルキル−C(O)−NRであり(ここで、
及びRは各々独立して水素及び
1〜3アルキルからなる群から選択されるか、又はR及びRはそれらが結合している窒素原子と共にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロ環を形成している);
、R、及びRは、各々独立して、水素、ハロ、及びC1〜3アルキルからなる群から選択され;
は、(a)、(b)、(d)、及び(f)からなる群から選択される一価のラジカルであり、
式中、
1a、R2a、R1b、及びR2bは、各々独立して、ハロ、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、及びポリハロC1〜3アルキルオキシからなる群から選択され;
3aは、水素であり;
4aは、水素、ハロ、−CN、C1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、及びポリハロC1〜3アルキルオキシからなる群から選択され;
及びXは、各々独立して、N及びCHから選択され、但し、X又はXの少なくとも一方はNであり;
1d、R2fは、各々独立して、C1〜3アルキルから選択され;
は、CHを表し;
Figure 2021527687

により表される環の各々は、
(i)1個若しくは2個の窒素原子を有する5員若しくは6員の不飽和複素環であって、ハロ、及びC1〜3アルキルから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の不飽和複素環を形成するか、又は
(ii)1個若しくは2個の窒素原子を有する5員若しくは6員の芳香族複素環であって、C1〜3アルキルから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の芳香族複素環を形成する、
化合物、並びにその互変異性体及び立体異性形態、並びにこれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
特定の実施形態では、本発明は、本明細書に言及されている式(I)の化合物であって、Rは、−C1〜3アルキル−C(O)−NRであり(ここで、−NRは、−NH、−NHCH、−NH(CH、−N(CH)(CHCH)、アゼチジン−1−イル、及びピロリジン−1−イルからなる群から選択される)、化合物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物であって、R、R及びRは各々独立して水素及びメチルから選択される化合物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物であって、R1a、R2a、R1b及びR2bは各々独立してフルオロ、クロロ、メチル、イソプロピル、CF、−OCH及び−OCFからなる群から選択される化合物を対象とする。
別の実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物をであって、R4aは水素、フルオロ、−CN、CF及び−OCFからなる群から選択される化合物を対象とする。
別の実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物であって、XはNで、XはCHであるか、又はXはCHで、XはNであるか、又はX及びXは両方ともNである化合物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物であって、R1d及びR2fは各々独立してメチル又はイソプロピルである化合物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物であって、R
Figure 2021527687

からなる群から選択される化合物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物であって、R
Figure 2021527687

からなる群から選択される化合物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物であって、R
Figure 2021527687

からなる群から選択される化合物を対象とする。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書で言及される式(I)の化合物であって、R
Figure 2021527687

からなる群から選択される化合物を対象とする。
定義
「ハロ」は、フルオロ、クロロ及びブロモを指すものとし;「オキソ」は、=O、すなわち、炭素原子に二重に結合した酸素原子を示すものとし;「C1〜3アルキル」は、1、2又は3個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の飽和アルキル基、それぞれ例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピルを示すものとし;「C1〜6アルキル」は、1、2、3又は4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状の飽和アルキル基、それぞれ例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、ブチル、1−メチル−プロピル、2−メチル−1−プロピル、1,1−ジメチルエチルなどを示すものとし;「C1〜3アルキルオキシ」は、エーテル基(ここで、C1〜3アルキルは上で定義されたとおりである)を示すものとし、本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「モノ−及びポリハロC1〜3アルキル」は、上で定義されたとおりの1、2、3個、又は可能であればそれより多いハロ原子で置換された、上で定義されたとおりのC1〜3アルキルを指し、本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「モノ−及びポリハロC1〜3アルキルオキシ」は、上で定義されたとおりの1、2、3個、又は可能であればそれより多いハロ原子で置換された、上で定義されたとおりのC1〜3アルキルオキシを指し;「C3〜6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを示し;「窒素及び酸素から各々独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有する5員又は6員の不飽和ヘテロ環には、以下に限定されないが、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキソランなどが含まれ、オキソで置換された場合、その用語には、例えば、ラクタム(例えば、ピロリジノン、ピペリジノン)が含まれ;「窒素、酸素及び硫黄から各々独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有する5員又は6員の芳香族ヘテロ環」には、以下に限定されないが、ピロール、フラン、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジンなどが含まれる。
一般に、「置換された」という用語は、本発明で使用される場合は常に、別途示さない限り、又は文脈から明らかでない限り、「置換された」を使用する表現で示される原子又はラジカル上の1個又は複数個の水素(特に、1〜3個の水素、好ましくは1又は2個の水素、より好ましくは1個の水素)が、示された群からの置換基の選択で置き換えられることを示すことが意図されているが、但し、通常の原子価を超えず、置換の結果、化学的に安定な化合物(即ち、反応混合物からの有用な程度の純度への単離、及び治療剤への製剤化に十分に耐える堅牢さを有する化合物)が得られるものとする。
「対象」という用語は、本明細書で使用される場合、処置、観察、又は実験の目的物であるか又は目的物となった動物(好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト)を指す。従って、本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、患者、及び本明細書で定義されている疾患又は病態を発症するリスクのある無症候性の又は発症前の個体を包含する。
「治療上有効な量」という用語は、本明細書で使用される場合、研究者、獣医師、医師、又は他の臨床医によって求められている、組織系、動物、又はヒトにおける生物学的な又は医学的な反応(処置される疾患又は障害の症状の軽減を含む)を誘発する活性化合物又は医薬剤の量を意味している。「予防上有効な量」という用語は、本明細書で使用される場合、予防される疾患又は障害の発症の可能性を実質的に低減する活性化合物又は医薬剤の量を意味している。
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、特定成分を特定量で含む生成物、及び特定成分の特定量での組合せから直接的に又は間接的に得られる任意の生成物を包含するように意図されている。
上記及び下記では、「式(I)の化合物」という用語は、その付加塩、溶媒和物、及び立体異性体を含むように意図されている。「立体異性体」又は「立体化学的異性形態」という用語は、上記又は下記で互換的に使用される。
本発明は、式(I)の化合物の全ての立体異性体を、純粋な立体異性体又は2種以上の立体異性体の混合物として含む。エナンチオマーとは、重ね合わせることができない互いの鏡像となっている立体異性体のことである。エナンチオマーの一対の1:1混合物は、ラセミ体又はラセミ混合物である。ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、即ち、それらは鏡像の関係にない。化合物が二重結合を含む場合、置換基は、E配置又はZ配置となり得る。化合物が二置換シクロアルキル基を含む場合、置換基は、シス配置又はトランス配置となり得る。従って、本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、及びこれらの混合物を含む。絶対配置は、カーン・インゴルド・プレローグシステム(Cahn−Ingold−Prelog system)に従って特定される。不斉原子における配置は、R又はSで指定される。絶対配置が不明である分割化合物を、平面偏光を回転させる方向に応じて(+)又は(−)で示し得る。特定の立体異性体が同定される場合、これは、前記立体異性体が他の異性体を実質的に含まないことを意味しており、即ち、他の異性体を50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、より一層好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満のみ伴うことを意味している。そのため、式(I)の化合物が例えば(R)と特定される場合には、これは、この化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味しており、式(I)の化合物が例えばEと特定される場合には、これは、この化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味しており、式(I)の化合物が例えばシスと特定される場合には、これは、この化合物がトランス異性体を実質的に含まないことを意味している。
医薬で使用される場合、本発明の化合物の付加塩は、毒性のない「薬学的に許容される付加塩」を指す。しかしながら、他の塩が本発明に係る化合物又はその薬学的に許容される付加塩の調製で有用である場合がある。本化合物の好適な薬学的に許容される付加塩として、例えば、化合物の溶液と、薬学的に許容される酸(例えば、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、又はリン酸)の溶液とを混合することにより形成され得る酸付加塩が挙げられる。さらに、本発明の化合物が酸部分を有する場合には、その薬学的に許容される好適な付加塩として、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩、及び好適な有機配位子と形成される塩(例えば第四級アンモニウム塩)が挙げられ得る。
薬学的に許容される付加塩の調製で使用され得る代表的な酸として下記が挙げられるが、これらに限定されない:酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、ベータ−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、及びウンデシレン酸。薬学的に許容される付加塩の調製で使用され得る代表的な塩基として、下記が挙げられるが、これらに限定されない:アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、ジメチルエタノール−アミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレン−ジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、及び水酸化亜鉛。
化合物の名称は、Chemical Abstracts Service(CAS)により承認されている命名規則に従って生成されたか、又はInternational Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)により承認されている命名規則に従って生成された。
最終化合物の調製
本発明に係る化合物を、一般に、それぞれが当業者に既知の一連の工程により調製し得る。具体的には、本化合物を、下記の合成方法に従って調製し得る。式(I)の化合物を、当該技術分野で既知の分割手順に従って互いに分離され得るエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成し得る。式(I)のラセミ化合物を、好適なキラル酸との反応により、対応するジアステレオマー塩形態に変換し得る。その後、前記ジアステレオマー塩形態は、例えば選択的結晶化又は分別結晶化により分離され、エナンチオマーは、アルカリによりそれから遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する代替的な方法として、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーが挙げられる。前記純粋な立体化学的異性形態を、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性形態からも誘導し得るが、但し、この反応は立体特異的に起こるものとする。
実験手順1
式(I)の最終化合物(式中、Rは、−C1〜6アルキル−C(O)−NRである)を、反応スキーム1に従って式(II−a)の中間体化合物と式(III)の化合物とを反応させることにより調製し得る。この反応を、この反応を完了させるのに適した期間にわたり、加熱条件(例えば130℃)下にて、触媒(例えば、Pd(OAc))及び適切なリン配位子(例えばキサントホス)の存在下で、塩基(例えば、CsCO)の存在下にて適切な反応不活性溶媒(例えばBuOH等)中で実施する。反応スキーム1において、全ての変数は式(I)のように定義されており、ハロはハロゲンを表し、特にブロモ又はクロロを表す。
Figure 2021527687
実験手順2
或いは、式(I)の最終化合物は、反応スキーム2に従って、式(II−b)の中間体化合物を式(IV)の化合物と反応させることによって調製することができる。反応は、例えばDMFなどの好適な反応不活性溶媒中、NaHなどの塩基の存在下、例えば0℃〜室温などの好適な温度で、反応を完了させるのに好適な時間行う。反応スキーム2において、全ての変数は、式(I)のように定義され、ハロは、ハロゲン、特にブロモ又はクロロを表す。
Figure 2021527687
実験手順3
或いは、式(I)の最終化合物は、反応スキーム3に従って、式(II−c)の中間体化合物を式(V)の化合物と反応させることによって調製することができる。アミドを形成するために、以下のようないくつかの条件を利用することができる:(a)HOBt及びカルボジイミド(例えば、EDCI)などのカップリング剤、DIPEAなどの好適な塩基の存在下、DCM及び/又はDMFなどの反応不活性溶媒中、熱的条件下(例えば、室温で反応を行うことによって);(b)T3P(登録商標)などのカップリング剤、トリエチルアミンなどの好適な塩基の存在下、THFなどの反応不活性溶媒中、好適な条件下(例えば、室温〜50℃などの熱的条件);(c)HBTUなどのカップリング剤、DIPEAなどの塩基の存在下、DMFなどの反応不活性溶媒中、好適な温度(例えば、室温)で。反応スキーム3において、全ての変数は式(I)のように定義される。
Figure 2021527687
実験手順4
式(II−a)の中間体化合物は、反応スキーム4、工程(i)に従って調製することができる。式(VI)の中間体化合物は、例えばDMFなどの反応不活性溶媒中、例えばNaHなどの好適な塩基の存在下、0℃〜室温などの好適な温度で、式(IV)の化合物と反応させることができる。式(II〜c)の中間体化合物は、反応スキーム4、工程(ii)〜(iii)に従って調製することができる。したがって、式(VI)の化合物は、例えばDMFなどの反応不活性溶媒中、例えばNaHなどの好適な塩基の存在下、0℃〜室温などの好適な温度で、式(VII)の化合物と反応させることができる。得られた式(VIII)の化合物は、その後、好適な酸性条件(例えば、DCM中のTFA)又は塩基性条件(例えば、THF及び/又は水中のLiOH)下で加水分解することができる。
反応スキーム4において、全ての変数は、式(I)のように定義され、ハロは、ハロゲン、特にブロモ又はクロロを表す。
Figure 2021527687
実験手順5
式(II−b)の中間体化合物は、反応スキーム5に従って調製することができる。
したがって、式(IX)の化合物(式中、PGは保護基(例えば、フェニルスルホニル)を表す)を、好適な条件下、例えば、DCM中のmCPBAによって酸化して、式(X)の中間体を得ることができる。ACN及びジオキサン中、好適な温度、例えば70℃で、好適なハロゲン化剤(例えば、POBr)と反応させることにより、式(XI)の中間体が得られ、これを、次いで、式(III)の中間体と、実験手順1に記載の条件下で反応させることにより、式(XII)の中間体を得ることができる。(XII)中の保護基は好適な条件下(例えば、PGがフェニルスルホニルである場合、MeOH中、NaOHで処理することによって)で切断することができる。
Figure 2021527687

反応スキーム5において、全ての変数は式(I)のように定義されており、ハロはハロゲンを表し、特にブロモ又はクロロを表す。
式(VI)及び(IX)の中間体化合物は、市販されているか、又は当業者に既知の反応手順によって合成し得る。
薬理
本発明の化合物及びその薬学的に許容される組成物は、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)を阻害し、従って、タウ病態を伴う疾患(タウオパチーとしても既知である)及びタウ封入体を有する疾患の処置又は予防において有用であり得る。そのような疾患として下記が挙げられるが、これらに限定されない:アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソン痴呆症候群、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳障害、大脳皮質基底核変性症、石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、第17番染色体と関連する前頭側頭型認知症及びパーキンソニズム(MAPT変異に起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異に起因する)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループパーキンソン症候群、筋強直性ジストロフィー、脳の鉄沈着を伴う神経変性、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン病、ピック病、脳炎後パーキンソン症候群、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化のみの認知症、並びにグリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチー。
本明細書で使用される場合、「処置」という用語は、疾患の進行を遅延し得るか、中断し得るか、阻止し得るか、若しくは停止するか又は症状を軽減し得る全てのプロセスを指すことが意図されているが、必ずしも全ての症状の完全な排除を示すものではない。本明細書で使用される場合、「予防」という用語は、疾患の発症を遅延し得るか、中断し得るか、阻止し得るか又は停止し得る全てのプロセスを指すことが意図されている。
本発明はまた、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソン痴呆症候群、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳障害、大脳皮質基底核変性症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、家族性イギリス型認知症、家族性デンマーク型認知症、第17番染色体と関連する前頭側頭型認知症及びパーキンソニズム(MAPT変異に起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異に起因する)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループ型パーキンソニズム、筋緊張性ジストロフィー、脳内鉄沈着を伴う神経変性症、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン病、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化型認知症、並びにグリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチーからなる群から選択される疾患又は病態の処置又は予防での使用のための一般式(I)による化合物、その立体異性形態、又はこれらの薬学的に許容される酸付加塩若しくは塩基付加塩にも関する。
本発明はまた、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソン痴呆症候群、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳障害、大脳皮質基底核変性症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、家族性イギリス型認知症、家族性デンマーク型認知症、第17番染色体と関連する前頭側頭型認知症及びパーキンソニズム(MAPT変異に起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異に起因する)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループ型パーキンソニズム、筋緊張性ジストロフィー、脳内鉄沈着を伴う神経変性症、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン病、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化のみの認知症、並びにグリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチーからなる群から選択される疾患又は病態の処置、予防、改善、制御、又はリスクの低減での使用のための一般式(I)による化合物、その立体異性形態、又はこれらの薬学的に許容される酸付加塩若しくは塩基付加塩にも関する。
疾患若しくは病態は、特に、タウオパチーから選択され得、より特定すると、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉認知症、パーキンソニズム−17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチーから選択され得るか、又は疾患若しくは病態は、特に、タウ病態を伴う神経変性疾患であり得、より特定すると、C9ORF72変異により引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭葉認知症から選択される神経変性疾患であり得る。
アルツハイマー病及びタウオパチー疾患における発症前状態
近年、米国(US)国立老化研究所(National Institute for Aging)及び国際ワーキンググループ(International Working Group)は、発症前(無症候性)段階のADをより明確に定義するためのガイドラインを提案した(Dubois B,et al.Lancet Neurol.2014;13:614−629;Sperling,RA,et al.Alzheimers Dement.2011;7:280−292)。仮説モデルは、Aβの蓄積及びタウ凝集が、明白な臨床的障害が発現する何年も前に始まることを前提とする。アミロイド蓄積の上昇、タウ凝集、及びADの発症の重要な危険因子は、年齢(即ち65歳以上)、APOE遺伝子型、及び家族歴である。臨床的に正常な75歳より高齢の個体のおよそ3分の1は、アミロイド及びタウのPET画像診断(タウについて現在あまり進んでいない)でAβ又はタウの蓄積のエビデンスを示す。加えて、CSF測定値においてAベータレベルの減少が観察される一方、改変されていないタウ及びリン酸化されたタウのレベルは、CSFにおいて上昇している。類似の所見が大規模な剖検調査に見られ、早くも20歳以下で脳内にタウ凝集体が検出されていることが示されている。アミロイド陽性(Aβ+)の臨床的に正常な個体は、一貫して他のバイオマーカーで「AD様中間形質」のエビデンスを示し、これには、機能的磁気共鳴画像法(MRI)と安静時機能的結合との両方における機能的ネットワーク活動の崩壊、フルオロデオキシグルコース18F(FDG)の代謝低下、皮質薄化、及び萎縮の加速が含まれる。時系列データを積み上げると、やはり、Aβ+の臨床的に正常な個体は、認知機能低下、並びに軽度認知障害(MCI)及びAD認知症への進行のリスクが増大していることが強く示されている。アルツハイマー病の科学界には、これらのAβ+の臨床的に正常な個体がAD病理の連続体の初期段階を呈しているという意見の一致がある。そのため、Aβの産生又はタウの凝集を減少させる治療剤の介入は、広範な神経変性が起こる前の病期で開始さされると、より有効になりそうであると主張されてきた。多くの製薬会社は、現在、前駆性ADにおけるBACEの阻害を試験中である。
バイオマーカー研究の発展の結果、現在では、最初の症状が発生する前の前臨床段階でのアルツハイマー病を特定することが可能である。前臨床アルツハイマー病に関する様々な問題(例えば定義及び用語、範囲、自然経過、進行のマーカー、及び無症候段階での疾患の検出の倫理的重大性)は全て、Alzheimer’s&Dementia 12(2016)292−323で概説されている。
前臨床アルツハイマー病又はタウオパチーにおいて、個体は、2つのカテゴリーで識別され得る。PETスキャンでアミロイドベータ若しくはタウ凝集のエビデンスがあるか、又はCSF Aベータ、タウ、及びリン酸タウに変化のある、認知が正常な個体は、「アルツハイマー病のリスク状態にある無症候性(AR−AD)」又は「タウオパチーの無症候状態」であると定義される。家族性アルツハイマー病の完全浸透性優性常染色体の変異を有する個体は、「症状が出る前のアルツハイマー病」を有すると言われる。タウタンパク質内の優性常染色体の変異は、同様に、多様な形態のタウオパチーに関して説明されている。
そのため、ある実施形態では、本発明は、発症前アルツハイマー病、前駆性アルツハイマー病、又はタウオパチーの様々な形態で観測されるタウ関連の神経変性のリスクの制御又は低減での使用するための一般式(I)による化合物、その立体異性形態、又はこれらの薬学的に許容される酸付加塩若しくは塩基付加塩にも関する。
本明細書において上述したように、「処置」という用語は、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではないが、上記の障害のいずれかの対症処置を指す場合もある。式(I)の化合物の有用性に鑑みて、本明細書において上述した疾患のいずれか1つに罹患している温血動物(例えばヒト)等の対象を処置する方法、又は本明細書において上述した疾患のいずれか1つに罹患している温血動物(例えばヒト)等の対象を予防する方法が提供される。
前記方法は、温血動物(例えばヒト)等の対象への、式(I)の化合物、その立体異性形態、これらの薬学的に許容される付加塩又は溶媒和物の予防上有効な量又は治療上有効な量の投与、即ち全身投与又は局所投与(好ましくは経口投与)を含む。
従って、本発明はまた、本明細書において上述した疾患のいずれかを予防する及び/又は処置する方法であって、必要とする対象に、本発明に係る化合物の予防上有効な量又は治療上有効な量を投与することを含む方法にも関する。
本発明はまた、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)の活性を調節する方法であって、本発明に係る及び特許請求の範囲で定義される化合物又は本発明に係る及び特許請求の範囲で定義される医薬組成物の予防上有効な量又は治療上有効な量を、必要とする対象に投与することを含む方法にも関する。
処置方法は、1日当たり1〜4回摂取する投薬計画で活性成分を投与することも含み得る。これらの処置方法では、本発明に係る化合物は、投与前に好ましくは製剤化される。本明細書において下記で説明するように、好適な医薬製剤は、公知であり且つ容易に入手可能な成分を使用して、既知の手順で調製される。
上述した障害のいずれか又はそれらの症状を処置するのに又は予防するのに好適であり得る本発明の化合物を、単独で投与し得るか、又は1種若しくは複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与し得る。併用治療には、式(I)の化合物及び1種又は複数種の追加の治療剤を含む単一医薬投与製剤の投与、並びに式(I)の化合物及び各追加の治療剤(それ自体個別の医薬投与製剤中)の投与が含まれる。例えば、式(I)の化合物及び治療剤を錠剤若しくはカプセル剤等の単一経口投与組成物で一緒に患者に投与し得るか、又は各薬剤を個別の経口投与製剤で投与し得る。
当業者は、本明細書で言及されている疾患又は病態の別の命名法、疾病分類、及び分類体系に精通しているであろう。例えば、American Psychiatric AssociationのDiagnostic&Statistical Manual of Mental Disordersの第5版(DSM−5(商標))は、神経認知障害群(NCD)(重度と軽度の両方)、特にアルツハイマー病に起因する神経認知障害等の用語を使用する。そのような用語は、当業者により、本明細書で言及されている疾患又は病態の一部の別の名称として使用され得る。
医薬組成物
本発明はまた、O−GlcNAc加水分解酵素(OGA)の阻害が有益である疾患(例えば、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、パーキンソニズム−17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、嗜銀顆粒病、C9ORF72変異により引き起こされる筋萎縮性側索硬化症又は前頭側頭型認知症)を予防するための又は処置するための組成物であって、式(I)に係る化合物の治療上有効な量と、薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む組成物も提供する。
活性成分を単独で投与することが可能であるが、活性成分を医薬組成物として提供することが好ましい。従って、本発明は、本発明に係る化合物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物をさらに提供する。担体又は希釈剤は、組成物の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
本発明の医薬組成物を、薬学の技術分野において公知の任意の方法により調製し得る。治療上有効な量の特定の化合物は、活性成分として、塩基形態又は付加塩形態において、薬学的に許容される担体と組み合わされて密接な混合物にされるが、これは、投与に所望される製剤の形態に応じて多様な形態をとり得る。これらの医薬組成物は、好ましくは、経口投与、経皮投与、若しくは非経口投与等の全身投与;又は吸入、鼻腔スプレー、点眼剤によるか又はクリーム、ゲル、若しくはシャンプー等による局所投与に好適な単位剤形であることが望ましい。例えば、経口剤形での組成物の調製では、通常の医薬媒体のいずれかを使用し得、例えば懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、及び液剤等の経口液体製剤の場合には、水、グリコール、油、及びアルコール、並びに同類のものを使用し得;又は散剤、丸剤、カプセル剤、及び錠剤の場合には、固体担体(例えば、デンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、及び同類のもの)を使用し得る。錠剤及びカプセル剤は、その投与が容易であるために、最も有利な経口単位剤形であり、その場合には、固体医薬担体が当然使用される。非経口組成物の場合には、担体は、通常、滅菌水を少なくとも大部分含むことになるが、例えば溶解性を促進する他の成分が含まれ得る。例えば、注射用溶液であって、担体が、生理食塩水、グルコース溶液、又は生理食塩水とグルコース溶液との混合物を含む、注射用溶液を調製し得る。注射用懸濁剤も調製し得、その場合には、適切な液体担体、懸濁化剤、及び同類のものが使用され得る。経皮投与に好適な組成物では、担体は、皮膚に重大な有害作用を引き起こさない任意の性質の少量の好適な添加剤と任意選択的に組み合わせて、浸透促進剤及び/又は好適な湿潤剤を任意選択的に含む。前記添加剤は、皮膚への投与を容易にし得、及び/又は所望の組成物の調製に役立ち得る。これらの組成物を、様々な方法で(例えば、経皮貼付剤、スポットオン製剤、又は軟膏剤として)投与し得る。
投与及び投与量を均一を容易にするために、上述の医薬組成物を単位剤形で製剤化することが特に有利である。単位剤形は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単位投与量として好適な、物理的に別々の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共に、所望の治療効果を生じるように算出された所定量の活性成分を含む。そのような単位剤形の例としては、錠剤(割線入り錠剤又はコーティング錠を含む)、カプセル剤、丸剤、分包散剤、カシェ剤、注射用溶液又は注射用懸濁剤、小さじ量、大さじ量、及び同類のもの、並びにそれらを分割して複合化したものがある。
正確な投与量及び投与頻度は、当業者に公知であるように、使用される式(I)の特定の化合物、処置される特定の病態、処置される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度、及び全身の健康状態、並びにその個体が摂取している可能性がある他の医薬によって異なる。さらに、前記有効1日量が、処置対象の応答に応じて、及び/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、減少され得るか又は増加され得ることは明らかである。
投与方法に応じて、本医薬組成物は、0.05〜99重量%の、好ましくは0.1〜70重量%の、より好ましくは0.1〜50重量%の活性成分と、1〜99.95重量%の、好ましくは30〜99.9重量%の、より好ましくは50〜99.9重量%の薬学的に許容される担体と含むことになり、パーセンテージは全て、この組成物の全重量に基づく。
本化合物を、経口投与、経皮投与、若しくは非経口投与等の全身投与;又は吸入、鼻腔スプレー、点眼剤を介したもの、又はクリーム、ゲル、シャンプー、若しくは同類ものを介したもの等の局所投与のために使用し得る。本化合物を、好ましくは経口投与する。正確な投与量及び投与頻度は、当業者に公知であるように、使用される式(I)に係る特定の化合物、処置される特定の病態、処置される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度、及び全身の健康状態、並びにその個体が摂取している可能性がある他の医薬によって異なる。さらに、前記有効1日量が、処置対象の応答に応じて、及び/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、減少され得るか又は増加され得ることは明らかである。
単回剤形を製造するために担体材料と組み合わされ得る式(I)の化合物の量は、処置される疾患、哺乳動物種、及び特定の投与方式に応じて変動するであろう。しかし、一般的な指針として、本発明の化合物についての好適な単位用量は、例えば、好ましくは0.1mg〜約1000mgの活性化合物を含み得る。好ましい単位用量は、1mg〜約500mgである。より好ましい単位用量は、1mg〜約300mgである。より一層好ましい単位用量は、1mg〜約100mgである。そのような単位用量を、70kgの成人の総投与量が、1回の投与につき対象の体重1kg当たり0.001〜約15mgの範囲になるように、1日に1回超投与し得、例えば、1日に2回、3回、4回、5回、又は6回投与し得るが、好ましくは1日に1回又は2回投与し得る。好ましい投与量は、1回の投与につき対象の体重1kg当たり0.01〜約1.5mgであり、そのような療法は、数週間又は数ヶ月間にわたる可能性があり、場合により数年間にわたる可能性がある。しかし、当業者によく理解されているように、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、使用する特定の化合物の活性、処置される個体の年齢、体重、全身の健康状態、性別、及び食事、投与時間及び投与経路、***率;以前投与された他の薬物、並びに治療を受ける特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依存することが理解されるであろう。
典型的な投与量は、1日1回若しくは1日複数回服用される1つの1mg〜約100mg錠剤若しくは1mg〜約300mgであり得るか、又は1日1回服用され且つ比較的高含有量の活性成分を含む1つの徐放性カプセル剤若しくは錠剤であり得る。徐放効果を、異なるpH値で溶解するカプセル材料により、浸透圧で徐々に放出するカプセルにより、又は他の既知の任意の放出制御手段により得ることができる。
当業者に明らかであるように、これらの範囲外の投与量を使用することが必要となる場合があり得る。さらに、臨床医又は処置医は、個々の患者の応答と共に治療を開始する、中断する、調整する、又は終了する方法及び時点を知っているであろうことにも留意されたい。
本発明はまた、本発明に係る化合物、「リーフレット」とも呼ばれる処方情報、ブリスターパッケージ又はボトル、及び容器を含むキットも提供する。さらに、本発明は、本発明に係る医薬組成物、「リーフレット」とも呼ばれる処方情報、ブリスターパッケージ又はボトル、及び容器を含むキットを提供する。処方情報には、本発明に係る化合物又は医薬組成物の投与に関する患者への助言又は指示が好ましくは含まれる。特に、処方情報には、必要とする対象におけるタウオパチーの予防及び/又は処置のために本発明に係る化合物又は医薬組成物がどのように使用されるべきかについて、前記本発明に係る化合物又は医薬組成物の投与に関する患者への助言又は指示が含められる。そのため、ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物若しくはその立体異性体、又はこれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は前記化合物を含む医薬組成物と、タウオパチーを予防するか又は処置するための指示書とを含むキットオブパーツを提供する。本明細書で言及されるキットは、特に、市販に好適な医薬パッケージであり得る。
上記で提供される組成物、方法、及びキットに関して、当業者は、それぞれでの使用に好ましい化合物が上記で好ましいと記載されている化合物であることを理解するであろう。この組成物、方法、及びキットに関してさらに一層好ましい化合物は、下記の非限定的な実施例で提供される化合物である。
実験の部
以下、用語「m.p.」は融点を意味し、「min」は分を意味し、「AcOH」は酢酸を意味し、「aq.」は水性を意味し、「DIBAL」は水素化ジイソブチルアルミニウムを意味し、「r.m.」は反応混合物を意味し、「r.t.」又は「RT」は室温を意味し、「rac」又は「RS」はラセミを意味し、「sat.」は飽和を意味し、「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、「SFC−MS」は超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「LC−MS」は液体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「HOBt」は1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味し、「NP」は順相を意味し、「RP」は逆相を意味し、「Rt」は保持時間(分)を意味し、「[M+H]」は化合物の遊離塩基のプロトン化質量を意味し、「wt」は重量を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「DCE」はジクロロエタンを意味し、「DCM」はジクロロメタンを意味し、「DME」は1,2−ジメトキシエタンを意味し、「DMF」はジメチルホルムアミドを意味し、「DIPEA」はN,N−ジイソプロピルエチルアミンを意味し、「EDC」はエチルカルボジイミドを意味し、「EtO」はジエチルエーテルを意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「MeCN」はアセトニトリルを意味し、「MW」はマイクロ波を意味し、「org.」は有機を意味し、「sol.」は溶液を意味し、「Boc」はtert−ブトキシカルボニルを意味し、「TLC」は薄層クロマトグラフィーを意味し、「Pd/C」はパラジウム炭素を意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「T3P」はプロピルホスホン酸無水物溶液、「Pd(OAc)」は酢酸パラジウム(II)を意味し、「Pddba」はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を意味し、「PdCl(dppf)」は1,1’−[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を意味し、「Pd(PPh」はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を意味し、「キサントホス」は4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンを意味し、「HBTU」はN,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファートを意味し、「i−PrOH」はイソプロピルアルコールを意味する。
マイクロ波補助反応を、シングルモード式反応器:Initiator(商標)Sixty EXPマイクロ波反応器(Biotage AB)又はマルチモード式反応器:MicroSYNTH Labstation(Milestone,Inc.)で実施した。
薄層クロマトグラフィー(TLC)を、試薬級溶媒を使用してシリカゲル60 F254プレート(Merck)で実行した。オープンカラムクロマトグラフィーを、標準的な技術を使用して、シリカゲル、粒径60Å、メッシュ=230〜400(Merck)で実施した。
自動フラッシュカラムクロマトグラフィーを、下記の様々なフラッシュシステムで、不規則なシリカゲル、粒径15〜40μm(順相ディスポーザブルフラッシュカラム)により、接続の準備ができているカートリッジを使用して実施した:Armen InstrumentのSPOTシステム若しくはLAFLASHシステム、又はInterchimのPuriFlash(登録商標)430evoシステム、又はAgilentの971−FPシステム、又はBiotageのIsolera 1SVシステム。
中間体の調製
中間体1の調製
Figure 2021527687

0℃の4−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン([60290−21−3]、4.74g、31.07mmol)のDMF(72.16mL)溶液に、NaH(60%鉱油分散液、1.74g、43.49mmol)を加え、反応混合物をrtに温め、30min間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド([2675−89−0]、3.83mL、37.28mmol)を加え、反応混合物をrtに2時間加温した。NaHCOsat.sol.を添加し、有機層をEtOAcで抽出し、次いで、水及び塩水で洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、溶媒を除去した。
残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc 80/20〜0/100)により精製して、I−1(6.34g、収率68%)を白色固体として得た。
以下の中間体を、4−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン([1000342−68−6])又は4−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン([60290−21−3])と示した試薬とから同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
Figure 2021527687
中間体7の調製
Figure 2021527687

1−メチル−1H−インドール−4−アミン([85696−95−3]、481mg、3.29mmol)の乾燥DCM(9.62mL)中混合物に、N−クロロスクシンイミド(461.32mg、3.45mmol)を0℃で少しずつ加え、反応混合物を0℃で30min間、次いで、rtで30min間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離剤:DCM/ヘプタン(30/70〜80/20))により精製した。所望の画分を濃縮して、I−7(240mg、40%)を得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−7について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−53の調製
Figure 2021527687

N−クロロスクシンイミド(400mg、3.00mmol)を、2−(ジフルオロメトキシ)−6−メチルアニリン[139909−66−3](520mg、2.85mmol)のDMF(9.5mL)溶液に添加した。この反応混合物を66℃で1時間撹拌し、水に注いだ。水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、0%から35%への勾配)により精製して、I−53(476mg、80%)を得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−53について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体8の調製
Figure 2021527687

注意 乾燥したガラス器具を使用し、窒素雰囲気下で反応を行う。
I−7(221mg、1.22mmol)、メチル亜鉛クロリド([5158−46−3]、1.22mL、2M、2.45mmol)及びビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)([53199−31−8]、93.79mg、0.18mmol)の乾燥THF(10mL)中混合物をrtで2時間撹拌し、次いで、60℃で48時間撹拌した。
次いで、NHCl飽和sat.sol.で反応を停止させ、水層になるまで蒸発させ、これをDCMで抽出し、MgSOで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離液:DCM/MeOH 100/0〜90/10)により精製した。所望の画分を濃縮して、I−8(42mg、21%)を白色固体として得た。
中間体9の調製
Figure 2021527687

3,5−ジクロロピリダジン−4−アミン([53180−76−0]、100mg、0.61mmol)、トリメチルボロキシン([823−96−1]、30.62mg、0.24mmol)及びKCOsat.sol.(12.5mL)のDME(2.5mL)中混合物を窒素で脱気した。Pd(PPh(42.28mg、0.037mmol)を添加し、rmを再び脱気した。次いで、反応混合物を撹拌し、窒素雰囲気下、160℃で4時間、圧力管中で加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を水/DCMに取り、有機相を分離し、MgSOで乾燥し、再び蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離液:DCM/MeOH(100/0〜92/8)により精製した。所望の画分を蒸発させて、I−9(33mg、収率37.69%)を白色固体として得た。
中間体10の調製
Figure 2021527687

2−メチル−4−(トリフルオロメチル)アニリン([67169−22−6]、5g、28.55mmol)、KBr(1.02g、8.55mmol)及びモリブデン酸六アンモニウム([12027−67−7]、83.06mg、0.071mmol)のHOAc(25.72mL、449.66mmol)懸濁液に、rtで(Easymax(商標)において)、過ホウ酸ナトリウム四水和物([7632−04−4]、1.21g、7.84mmol)を添加した。追加のKBr(1.02g、8.55mmol)、モリブデン酸六アンモニウム(83.06mg、0.071mmol)及び過ホウ酸ナトリウム四水和物(1.21g、7.84mmol)を10分毎に分割して添加し(3×)、1時間後、反応物をKBr(1.02g、8.55mmol)、モリブデン酸六アンモニウム(83.06mg、0.071mmol)及び過ホウ酸ナトリウム四水和物(1.21g、7.84mmol)の最終部分で処理した。1時間後、混合物を水に注ぎ、固体重炭酸ナトリウムで中和し、ジエチルエーテルで抽出し、水、次いで、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、I−10(7.1g、98%)を褐色油状物として得た。
中間体I−57の調製
Figure 2021527687

N−ブロモスクシンイミド(3.26g、18.3mmol)をDMF(10mL)に溶解し、4,5−ジフルオロ−2−メチルアニリン[875664−57−6](2.50g、17.5mmol)の無水DMF(21.3mL)溶液に0℃で滴下した。反応混合物をゆっくりと室温に温め、15min間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ出し、EtOで抽出し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から70:30への勾配)により精製して、I−57(1.8g、46%)を褐色固体として得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−57について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−60の調製
Figure 2021527687

3−ブロモ−4−メチルピリジン(300mg、1.74mmol)をCHCl(9.8mL)及びHO(3mL)の混合物に溶解した溶液に、スルフィン酸亜鉛(1.0g、3.00mmol)を0℃で添加し、この反応混合物を激しく撹拌した。tert−ブチルヒドロペルオキシド(純度70%、0.72ml、5.23mmol)を滴下し、反応混合物を50℃で48時間撹拌した。追加量のスルフィン酸亜鉛(1.00g、3.00ミリモル)を加え、反応混合物を50℃でさらに24時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、pH=7になるまでNaHCO/EDTAの飽和溶液を添加した。溶液をDCMで希釈し、EDTA二ナトリウム塩/NaHCO溶液で洗浄した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM)により精製して、I−60(165mg、34%、純度88%)を白色固体として得た。
中間体11の調製
Figure 2021527687

I−10(4g、15.74mmol)、イソプレンボロン酸ピナコールエステル([126726−62−3]、2910.43mg、17.32mmol)及びPd(PPh(1091.67mg、0.94mmol)のKCOsat.sol.(0.5mL)及びDME(64.55mL)中混合物を撹拌し、窒素雰囲気下、120℃で90分間、圧力管中で加熱した。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣を水/DCMに取り、有機相を分離し、MgSOで乾燥し、再び蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離液:ヘプタン/EtOAc、100/0から50/50への勾配)により精製した。純粋な画分を蒸発させて、I−11(2.19g、65%)を褐色油状物として得た。
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−11について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体12の調製
Figure 2021527687

I−11(2.19g、10.18mmol)、Pd/C(10%、1082.9mg、1.02mmol)のMeOH(266.37mL)中混合物をrtで2時間水素化した。触媒を濾過し、濾液を蒸発させて、I−12(2.2g、収率99.52%)を褐色油状物として得た。
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−12について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体13の調製
Figure 2021527687

2,3−ピリジンジアミン(112g、1.03mmol)及び3−ブロモ−2−ブタノン(190g、1.26mmol)のEtOH(1.85L)溶液をN下で22時間還流した。次いで、反応混合物をrtに冷却し、固体を濾過し、EtOH(約200mL)で洗浄し、EtOから再結晶させ、真空中で乾燥させて、I−13(92.3g、37%)を得た。
中間体14の調製
Figure 2021527687

I−13(36.3g、0.15mmol)及び無水NaOAc(5.56g、0.07mmol)の50℃のAcOH(100mL)溶液に、Br(24.21g、0.15mmol)のAcOH(120mL)溶液を1.5時間かけて添加し、混合物を50℃で一晩撹拌した。次いで、混合物をrtに冷却し、EtO(1.5L)を添加し、得られた固体を濾過し、EtOで洗浄した。この固体をNaOH(3N、1.3L)に添加し、rtで20min間撹拌し、次いで、水層をDCM(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカ;溶離液 DCM/MeOH(NH3) 100〜98/2)によって精製した。得られた固体をDCMでトリチュレートしてI−14(20g、56%)を得た
中間体15の調製
Figure 2021527687

I−14(1000mg、4.165mmol)のジオキサン(10mL)及びNaHCOaq.soln.(10mL)溶液に、4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−メチルエテニル)−1,3,2−ジオキサボロラン([126726−62−3]、839.86mg、4.998mmol)及びPd(PPh(481.288mg、0.416mmol)mLを添加し、次いで、MWを用いて150℃で10分間、反応物を加熱した。反応混合物をEtOAcを用いて希釈し、塩水で洗浄し、有機画分をMgSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM/(NHのMeOH溶液))、100/0から97/3への勾配)により精製して、I−15(750mg、収率89.47%)を得た。
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−15について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体20の調製
Figure 2021527687

I−15(750mg、3.726mmol)のEtOH(20mL)溶液に、Pd/C(10%、3965.545mg、3.73mmol)を添加し、反応混合物を水素雰囲気下で2時間撹拌した。反応混合物を珪藻土で濾過し、減圧濃縮した。粗混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM/(NHのMeOH溶液)、100/0から97/3への勾配)により精製して、I−20(680mg、90%)を得た。
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−20について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−67の調製
Figure 2021527687

3−ブロモ−5−メチルピリジン−4−アミン(5.00g、27mmol)、イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(6.70g、40mmol)、Pd(PPh(3.20g、2.70mmol)、1,4−ジオキサン(50mL)、及びNaHCO(sat.aq.、50mL)の混合物を16時間還流させながら撹拌した。次いで、懸濁液を冷却し、透明な相分離に達するまで水及びDCMで希釈した。水相をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、移動相 勾配:0〜3%7N NH/MeOH/DCM)により精製した。残渣を別の画分(1.5g)と合わせ、i−PrOH(20mL)に溶解した。この混合物をHCl(6M i−PrOH溶液、9mL、54mmol)で処理し、週末にかけて撹拌した。混合物を氷冷し、生成物を濾過によって集めて、I−67(4.5g、76%)を白色固体として得た。
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−67について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−69の調製
Figure 2021527687

I−67(1.5g、8.12mmol)を10℃に冷却し、HSO(3.42mL、50%水溶液)を撹拌しながら10min間かけて滴下した。反応混合物を週末にかけて0℃で撹拌した。反応混合物をNaOH(100mL)の氷***液に添加し、KCOを添加した。水相をCHClで抽出した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をEtOと共に撹拌した。得られた固体を濾別し、 ℃で乾燥して、I−69(449mg、33%)を得た。
中間体I−70の調製
Figure 2021527687

密閉管に、5−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン[5413−85−4](1.50g、9.15mmol)、イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(1.72mL、9.15mmol)、Pd(PPh(1.09g、9.24mmol)、1,4−ジオキサン(22mL)、及びNaHCO(sat.、aq.、22mL)を入れた。反応混合物を還流下で16時間撹拌し、室温に冷却し、透明な相分離まで水及びDCMで希釈した。水相をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮してI−70を得、これをそのまま次の工程で使用した。
中間体I−71の調製
Figure 2021527687

I−70の1,4−ジオキサン(16.3mL)懸濁液に、トリメチルボロキシン(3.7mL、26.5mmol)を添加した。Pd(dppf)Cl(324mg、442μmol)及びKCO(3.67g、26.5mmol)を添加し、反応混合物をNでパージした。反応混合物を90℃で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗混合物を、分取HPLC(固定相:RP Vydac Denali C18−10μm、200g、内径5cm、移動相:0.25%NHHCO水溶液、MeOH)により精製して、I−71(612mg、2工程で49%)を得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−71について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−74の調製
Figure 2021527687

2,4−ジブロモ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミン[1214365−67−9](900mg、2.81mmol)を1,4−ジオキサン(7.2mL)及び水(0.9mL)の混合物に溶解した。トリメチルボロキシン(1.13mL、8.07mmol)、Pd(ddpf)Cl・DCM(206mg、0.25mmol)及びKCO(1.17g、8.47mmol)を添加し、反応混合物をマイクロ波照射下、140℃で1時間加熱した。混合物を別の画分(0.31mmol)と合わせ、水及びEtOAcで希釈した。水層を抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM)により精製して、I−74(424mg、72%)を得た
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−74について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−76の調製
Figure 2021527687

2,6−ジブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)アニリン[88149−49−9](1.00g、2.99mmol)、トリメチルボロキシン(0.93mL、6.55mmol)、Pd(PPh(207mg、0.18mmol)及びKCO(1.24g、8.96mmol)の1,4−ジオキサン(1.56mL)中混合物を130℃で2時間撹拌した。反応混合物を水及びDCMで希釈した。層を分離し、有機相を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から70:30への勾配)により精製して、I−76(220mg、36%)を得た。
中間体I−77の調製
Figure 2021527687

密閉管に、2−ブロモ−6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)アニリン[109919−26−8](1.00g、3.64mmol)、トリメチルボロキシン(0.61mL、4.37mmol)、Pd(PPh(0.43g、368μmol)、1,4−ジオキサン(8.6mL)、KCO(1.00g、7.29mmol)及び水(1.32mL)を入れた。反応混合物を90℃で一晩撹拌し、120℃でさらに2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、透明な相分離まで水及びDCMで希釈した。水相をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から90:10への勾配)により精製して、I−77(376mg、49%)を得た。
中間体I−78の調製
Figure 2021527687

I−71(612mg、4.10mmol)のMeOH(25mL)溶液に、Pd/C(5%、175mg、0.08mmol)を添加し、反応混合物をH雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、I−78(634mg、85%)を得た。
中間体I−79の調製
Figure 2021527687

密閉管において、1,4−ジオキサン(12mL)及び水(3mL)中にメチルボロン酸[13061−96−6](151mg、2.52mmol)、I−58(529mg、2.10mmol)及びNaCO(667mg、6.30mmol)を混合し撹拌した混合物に、Pd(dppf)Cl2・(CHCl)(85.7mg、0.11mmol)を、N雰囲気下で添加した。反応混合物を90℃で16時間撹拌し、水で希釈した。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から90:10への勾配)により精製して、I−79を無色油状物として得た。
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−79について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−81の調製
Figure 2021527687

4−ブロモ−2−イソプロピル−6−メチルアニリン[773887−07−3](871mg、3.82mmol)、1−メチル−1H−ピラゾール−4−ボロン酸[847818−55−7](744mg、4.58mmol)及びNaCO(1.21g、11.4mmol)の1,4−ジオキサン(16.3mL)及び水(68.9(L))中混合物をNで5min間パージした。PdCl(dppf)(156mg、0.19mmol)を加え、反応混合物を100℃で6時間撹拌した。混合物を水及びEtOAcで希釈した。
水相を抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から50:50への勾配)により精製して、I−81(855mg、97%)を得た。
中間体I−82の調製
Figure 2021527687

2−ブロモ−4−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)アニリン[875664−27−0](1.00g,3.88mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)懸濁液に、エチルボロン酸[4433−63−0](573mg,7.75mmol)、Pd(dppf)Cl(142mg,0.19mmol)及びKCO(1.61g,11.6mmol)を加えた。反応混合物を、密閉管中、N雰囲気下、120℃で3時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から70:30への勾配)により精製して、I−82(0.51g、63%)を得た。
中間体I−83の調製
Figure 2021527687

I−57(650mg、2.93mmol)の無水THF(14.6mL)中混合物をNで10分間脱気した。反応混合物の温度を室温に維持しながら、Pd(t−BuP)(43.9mg、85.9μmol)を添加し、続いてシリンジを用いてメチル亜鉛クロリド(2MのTHF溶液、2.20mL、4.40mmol)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、水で希釈した。混合物をダイカライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた(水が残った)。水(20mL)を加え、残渣をDCMで抽出した。有機相を乾燥し(MgSO)、濾過し、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から70:30への勾配)により精製して、I−83(430mg、93%)を得た。
中間体I−84の合成
Figure 2021527687

NaH(60%鉱油分散液、649mg、16.2mmol)を、2−ヒドロキシ−4−メチル−3−ニトロピリジン[21901−18−8](1.00g、6.49mmol)のMeCN(70mL)中スラリーに、N雰囲気下、0℃で添加した。反応混合物を室温で45分間撹拌し、2,2−ジフルオロ−(フルオロスルホニル)酢酸[1717−59−5](0.89mL、8.37mmol)を滴下した。反応混合物を20℃で一晩撹拌した。NHCl(sat.、aq.)を加え、混合物をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮乾固した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から50:50への勾配)により精製して、I−84(670mg、51%)を得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−84について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−86の調製
Figure 2021527687

2−ブロモ−4−メチル−3−ニトロピリジン[23056−45−3](4.00g、18.4mmol)のトルエン(200mL)溶液に、トリブチル(1−エトキシビニル)スズ(10.2mL、30.2mmol)及びPd(PPh(2.34g、2.03mmol)を加えた。この反応混合物を100℃で16時間撹拌した。追加量のトリブチル(1−エトキシビニル)スズ(3.5mL)を添加し、反応混合物をさらに4時間撹拌した。HCl(37%HO溶液、38.5mL、461mmol)を0℃で添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物の反応をKF(aq.、100mL)で停止させた。混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から70:30への勾配)により精製して、I−86(2.64g、72%)を得た
中間体I−87の調製
Figure 2021527687

0℃のI−86(1.45g、8.05mmol)のTHF(19.2mL)溶液に、メチルマグネシウムブロミド(1.4M溶液、7.67mL、10.7mmol)を滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。追加量のメチルマグネシウムブロミド(0.5当量)を添加し、反応混合物をさらに1時間撹拌した。反応物の反応をNHCl(sat.、aq.)で停止させ、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH、100:0から99:1への勾配)により精製して、I−87(977mg、41%)を得た。
中間体I−88の調製
Figure 2021527687

−78℃の4−フルオロ−2−ニトロトルエン[446−10−6](1.00g、6.45mmol)のTHF(10mL)溶液に、反応混合物の内部温度を−75℃未満に維持しながら、N−クロロスクシンイミド(2.58g、19.3mmol)及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1M溶液、12.9mL、12.9mmol)を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、HCl(5%)とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、有機相を乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc)により精製して、I−88(3.62g、59%)を得た。
中間体I−89の調製
Figure 2021527687

I−84(0.81g、3.97mmol)をEtOH(22mL)、THF(7.4mL)及び水(7.4mL)に溶解した。鉄(1.77g、31.7mmol)及びNHCl(2.55g、47.6mmol)を添加した。密閉管中、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物をEtOHで希釈し、Celite(登録商標)で濾過した。Celite(登録商標)(パッド)をEtOHで洗浄し、濾液を減圧下で約2mLに濃縮した。溶液をDCMで希釈し、NaHCO(sat.、aq.)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、I−89(685mg、収率79%、純度80%)を得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−89について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−94の調製
Figure 2021527687

4−ブロモ−2−クロロ−6−メチルアニリン[30273−42−8](650mg、2.95mmol)のDMF(20mL)溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.05g、4.13mmol)、KOAc(0.87g、8.84mmol)及びPdCl(dppf)(216mg、0.295mmol)を加えた。反応混合物を100℃で1時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ出し、水相をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層をCelite(登録商標)プラグに通した。濾液を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、I−94(780mg)を得、これをそのまま次の工程で使用した。
中間体I−95の調製
Figure 2021527687

キサントホス(123mg、0.21mmol)及びPddba(66.7mg、72.9μmol)を、I−94及びCFCHI(0.58mL、5.83mmol)の1,4−ジオキサン(32.8mL)中混合物に、N雰囲気下で添加した。水(1.45mL)及びCsCO(3.80g、11.7mmol)を連続して添加し、反応混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、1,4−ジオキサンで希釈し、Celite(登録商標)パッドで濾過した。濾液を水及び塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOac、100:0から0:100への勾配)により精製して、I−95(147mg、2工程で15%)を得た。
中間体I−96の調製
Figure 2021527687

2−アミノ−5−フルオロ−3−メチル安息香酸メチル[952479−98−0](3.21g、17.5mmol)及び2,5−ヘキサンジオン[110−13−4](4.11mL、35.0mmol)のアセトン(30mL)中混合物を還流しながら2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、冷水に注いだ。混合物をDCMで希釈した。層を分離し、水相をDCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から90:10への勾配)により精製して、I−96(1.77g、39%)を得た。
中間体I−97の調製
Figure 2021527687

0℃のI−96(1.77g、6.77mmol)のTHF(24.4mL)溶液に、メチルマグネシウムブロミド(1.4M溶液、29.0mL、40.6mmol)を滴下した。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応物の反応をNHCl(sat.、aq.)で停止させ、EtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から90:10への勾配)により精製して、I−97を得た。
中間体I−98の調製
Figure 2021527687

I−97をEtOH(61.7mL)及び水(33mL)に溶解した溶液を、塩酸ヒドロキシルアミン(15.6g、225mmol)及びKOH(7.104g、126.6mmol)で処理し、100℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、残渣をEtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から50:50への勾配)により精製して、I−98(220mg、2工程で17%)を得た。
中間体I−99の調製
Figure 2021527687

I−92(233mg、1.40mmol)のTHF(17mL)溶液に、白金(5.46mg、0.03mmol)を添加し、反応混合物をH雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を別の画分(1.40mmol)と合わせ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH、100:0から90:10への勾配)によって精製して、I−99(224mg、48%)を得た。
中間体I−100の調製
Figure 2021527687

1−ヨード−2,4−ジメチル−3−ニトロベンゼン[56404−21−8](1.50g、5.41mmol)、メチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート[680−15−9](6.24g、32.5mmol)、CuI(1.24g、6.50mmol)及びDIPEA(0.70g、5.41mmol)の無水DMF(13.9mL)中混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ出し、水相をEtOで抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ペンタン/EtO、100:0から90:10への勾配)により精製して、I−100(840mg、71%)を黄色油状物として得た。
中間体I−101の調製
Figure 2021527687

I−100(1.12g、5.11mmol)のMeOH(49.1mL)溶液に、Pd/C(10%、5.44mg、5.1μmol)を添加した。この反応混合物をH雰囲気下、室温で18時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から80:20への勾配)により精製して、I−101(810mg、84%)を無色油状物として得た。
中間体I−102の調製
Figure 2021527687

雰囲気下でメタンスルホン酸(19.5mL、301mmol)に五酸化二リン(2.35g、16.5mmol)を加え、この混合物を室温で5時間撹拌した。N−メチル−2−(3−ニトロフェニル)アセトアミド[19281−10−8](2.60g、13.4mmol)及びパラホルムアルデヒド(508mg、16.1mmol)を加え、80℃で48時間撹拌した。この反応混合物を0℃に冷却した後、水で希釈した。残渣をEtOAcに溶解し、NaOH(5M、aq.)でpHを8に調整した。水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から0:100への勾配)により精製して、I−102(302mg、11%)を白色固体として得た。
中間体I−103の調製
Figure 2021527687

Pd/C(純度10%、71.7mg、67.3μmol)を、1,5−ジメチル−6−ニトロ−1H−インダゾール[78416−45−2](515mg、2.69mmol)のEtOH(10mL)溶液に添加した。この混合物をHでパージし、反応混合物をH雰囲気下、50℃で16時間撹拌した。混合物をCelite(登録商標)で濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から50:50への勾配)により精製して、I−103(315mg、72%)を橙色固体として得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−103について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−105の調製
Figure 2021527687

I−103(310mg、1.92mmol)をDCM(15mL)に溶解した。臭素(0.10mL、2.02mmol)のDCM(4mL)溶液を滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、DCMで希釈した。混合物を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から80:20への勾配)により精製して、I−105(362mg、78%)を淡橙色固体として得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−105について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−108の調製
Figure 2021527687

NaCO(479mg、4.52mmo)を1,4−ジオキサン(4mL)及びHO(1mL)に溶解し撹拌した溶液に、I−105(362mg、1.51mmol)及びメチルボロン酸[13061−96−6](230mg、3.77mmol)を添加した。Pd(dppf)Cl・(DCM)(61.6mg、75.4μmol)を加え、この反応混合物105℃で16時間撹拌した。反応混合物を水及びEtOAcで希釈した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から80:20への勾配)により精製して、I−108(162mg、61%)を淡黄色固体として得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−108について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体25の調製
Figure 2021527687

EasyMax 400mL反応器に、1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン([109113−39−5]、12g、46.458mmol)のDCM(315mL)溶液を入れた。この溶液にmCPBA(12.026g、69.686mmol)を加えた。この反応混合物をrtで60min間撹拌し、亜硫酸ナトリウム水溶液で反応を停止させた。水層を分離し、有機層を重炭酸ナトリウム水溶液及び塩水で洗浄した。有機層を単離し、乾燥し(MgSO)、減圧濃縮して、クリーム色の固体を得た。この固体をACN中で結晶化させて、I−25(8.3g、65%)を得た。濾液を濃縮してI−25の第2のバッチ(3.5g)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離液:DCM/7N NHのMeOH溶液 100/0〜95/5)により精製して1.8gの化合物を得、これをACN中で結晶化させて追加のバッチのI−25(1.39g、11%)を得た。
中間体26の調製
Figure 2021527687

EasyMax反応器において、I−25(9.7g、35.363mmol)を、N雰囲気下、乾燥ACN(138mL)及び乾燥ジオキサン(138mL)に溶解した。この溶液に、リン酸オキシブロミド(32.394g、112.995mmol)を少量ずつ加えた。。得られた混合物を70℃で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、DCM及び水をこの混合物に加えた。有機層を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮して、粗生成物(36g)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離液:ヘプタン/EtOAc 100/0〜0/100)により精製して、I−26(8.6g、72%)を白色固体として得た。
中間体27の調製
Figure 2021527687

I−26(1g、2.966mmol)、3−アミノ−2,4−ジメチルピリジン(398.5mg、3.262mmol)及びCsCO(2.126g、6.524mmol)のtBuOH(12mL)中混合物を窒素で脱気した。Pd(OAc)(66.6mg、0.297mmol)及びキサントホス(171.6mg、0.297mmol)を添加し、混合物を120℃で1時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、粗生成物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮して、粗生成物(1.3g)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離液:DCM/7N NHのMeOH溶液 100/0〜95/5)によって精製した。残渣(1g)を分取HPLC(固定相:XBridge Prep C18 3.5μm、4.6×100mm;移動相:0.2%NHHCO水溶液、MeOH)によりさらに精製して、I−27(560mg、収率50%)を得た。
中間体28の調製
Figure 2021527687

I−27(1.2g、3.171mmol)及びNaOH(1MのHO溶液、9.5mL、9.512mmol)をMeOH(19mL)中で撹拌した。反応混合物を40℃で撹拌した。1時間後、数滴の1M HClを添加して反応を停止させた。反応混合物を真空中で蒸発させ、残渣に水を加えた。懸濁した固体を集め、EtOAcを加え、水層をEtOAc(3×)で抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮して、粗生成物(1.2g)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離液:DCM/7N NHのMeOH溶液 100/0〜95/5)により精製して、I−28(245mg、32)を得た。
中間体29の調製
Figure 2021527687

4−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン([1000342−68−6]、350mg、1.776mmol)のDMF(11mL)溶液を撹拌し、この溶液に水素化ナトリウム(0.071g、1.78mmol)を1min間かけて添加した。この混合物を窒素下、rtで1時間撹拌した。ブロモ酢酸tert−ブチル(0.262mL、1.776mmol)を滴下し、混合物をrtで12時間撹拌した。混合物を水及びEtOAcで希釈した。有機層を水(×2)及び塩水で洗浄し、次いで、分離し、乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/ヘプタン 0/100〜30/70)により精製した。所望の画分を集め、減圧濃縮して、I−29(415mg、75%)を白色固体として得た。
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−29について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体32A及び32Bの調製
Figure 2021527687

3,5−ジメチルピリジン−4−アミン(111.17mg、0.91mmol)及びI−31(208.00mg、0.7mmol)のDMF(7.5mL)溶液を撹拌し、この溶液にPddba(25.64mg、0.028mmol)、キサントホス(40.50mg、0.07mmol)及びCsCO(456.15mg、1.4mmol)を添加した。この反応混合物を105℃で24時間撹拌し、次いで、それをrtに冷却し、珪藻土で濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液をNaHCOとEtOAcとの間で分配した。水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物を95%[25mM NHHCO]−5%[MeCN:MeOH 1:1]から0%[25mM NHHCO]−100%[MeCN:MeOH 1:1]への逆相により精製した。所望の画分を集め、減圧濃縮して、I−32a(41mg、19%)及びI−32b(17mg、7%)を淡黄色固体として得た。
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−32a/bについて記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体39の調製
Figure 2021527687

I−33(47mg、0.133mmol)のDCM(1.533mL)溶液を撹拌し、この溶液にTFA(0.408mL、5.334mmol)を添加した。この混合物をrtで16時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、高真空下で乾燥して、I−39(38.52mg)を褐色油状物として得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−39について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体42の調製
Figure 2021527687

I−34(200mg、0.465mmol)をTHF(3.80mL)及びHO(0.95mL)に溶解した溶液に、LiOH.HO(23.43mg、0.558mmol)を添加した。この反応混合物をrtで1時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、高真空下で乾燥して、I−42(159.2mg、98%)を白色固体として得、これをさらに精製することなく次の反応工程で使用した。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−42について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−115の調製
Figure 2021527687

Pd(OAc)(16.5mg、73.7μmol)、キサントホス(95.9mg、0.17mmol)及びCsCO(1.20g、3.69mmol)の無水1,4−ジオキサン(10mL)中の撹拌混合物に、N雰囲気下で、アセトアミド(120mg、2.03mmol)及び中間体I−1(438mg、1.84mmol)を添加した。この反応混合物を90℃で18時間撹拌した。残渣をEtOAc及び水に溶解した。有機層を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc、100:0から0:100への勾配)により精製して、I−115(166mg、35%)を黄色固体として得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−115について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−117の調製
Figure 2021527687

I−115(166mg、0.64ミリモル)のMeOH(2mL)溶液にHCl(1.25M MeOH溶液、2.55mL)を加え、この反応混合物を80℃で72時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。NaHCOを加え、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、I−117を得た。
以下の中間体を、示した出発物質から、I−117について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
中間体I−119の調製
Figure 2021527687

I−114のTFA塩(2.00g、5.42mmol)、エチルアミン塩酸塩(442mg、5.42mmol)、HBTU(2.06g、5.42mmol)及びDIPEA(5.60mL、32.5mmol)のDCM(80mL)中混合物を室温で2時間撹拌した。NaOH(1N、aq.、5mL)を加え、混合物を5min間撹拌した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH、100:0から98:2への勾配)により精製して、I−119(0.74g、48%)を得た。
以下の中間体を、示した出発物質及び試薬から、I−119について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
最終化合物の調製
化合物番号1の調製
Figure 2021527687

I−1(2.2g、9.26mmol)、4−メチル−2−(1−メチルエチル)−3−ピリジンアミン([1698293−93−4]、1.53g、10.18mmol)及びCsCO(6.64g、20.37mmol)のtBuOH(40mL、426.32mmol)中混合物を窒素で脱気した。Pd(OAc)(207.87mg、0.93mmol)及びキサントホス(535.75mg、0.93mmol)を加え、この反応混合物を130℃で90min間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を水/DCM+5gのNaHCO中に取り、次いで、濾過した。有機層を分離し、水相をDCMで2回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発させ、次いで、この粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(順相シリカ;溶離液:(MeOH/NHのMeOH溶液、7N)/DCM、0/100〜95/5により精製した。純粋な画分を熱ACNから再結晶化し、化合物番号1(1098mg、収率33.74%)を白色固体として得た。
以下の化合物を、対応する中間体と示した試薬との反応によって、化合物番号1の合成と同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
化合物番号85の調製
Figure 2021527687

I−2(200mg、0.71mmol)、I−69(100mg、0.60mmol)及びCsCO(396mg、1.21mmol)の無水DMF(1.43mL)中混合物をNで脱気した。キサントホス(46.6mg、80.6μmol)及びPd(OAc)(36.6mg、0.163mmol)を添加し、この反応混合物を120℃で4時間撹拌した。反応混合物を冷却し、DCM及びHOで希釈した。水相をDCMで抽出し、乾燥し(MgSO)、濾過し、MIKと共蒸発させた。粗混合物を、分取HPLC(固定相:RP Vydac Denali C18−10μm、200g、内径5cm、移動相:0.25%NHHCO水溶液、MeCN)により精製して、化合物85(37mg、17%)を得た。
以下の化合物を、示した中間体及び試薬から、化合物85について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
化合物30の調製
Figure 2021527687

I−28(50mg、0.21mmol)をDMF(2mL)に溶解した。NaH(60%鉱油分散液、9.2mg、0.231mmol)を0℃で添加し、次いで、rtで撹拌した。ガスの発生が停止したところで、2−ブロモアセトアミド(35mg、0.252mmol)を0℃で添加した。次いで、反応混合物をrtで16時間撹拌し、水で反応を停止させ、EtOAcを添加した。水層をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮して、粗生成物(65mg)を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶離液:DCM/7N NHのMeOH溶液 100/0〜95/5)により精製して、化合物30(6.4mg、10%)を得た。
以下の化合物を、示した出発物質及び試薬から化合物30について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
化合物31の調製
Figure 2021527687

I−32a(41mg、0.13mmol)、HOBt水和物(21.42mg、0.16mmol)、DIPEA(0.069mL、0.40mmol)、及びEDC.HCl(30.39mg、0.16mmol)をDCM(2.04mL)及びDMF(0.5mL)に溶解し撹拌した溶液に、ジメチルアミン塩酸塩(12.93mg、0.16mmol)をrtで加え、この反応混合物をrtで16時間撹拌した。NaHCO飽和溶液及びEtOAcを加え、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/DCM 0/100〜10/90)により精製した。所望の画分を集め、濃縮して化合物番号31(13mg、29%)を白色固体として得た。
以下の化合物を、対応する中間体と示した試薬との反応によって、化合物番号31の合成と同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
化合物34の調製
Figure 2021527687

I−44(31.04mg、0.1mmol)、T3P(登録商標)([68957−94−8]、0.149mL、0.25mmol)及びEtN(0.035mL、0.25mmol)のTHF(1mL)溶液を撹拌し、ジメチルアミン溶液(2M THF溶液、0.15mL、0.3mmol)を、rtで添加した。この反応混合物を50℃で3時間撹拌した。混合物をsatNHClで希釈し、EtOAcで抽出した。水層をEtOAc(×2)で抽出した。合わせた有機相を乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/CHCl 0/100〜10/90)により精製した。所望の画分を集め、減圧濃縮して化合物番号34(10mg、30%)を白色固体として得た。
化合物35の調製
Figure 2021527687

I−42(63.04mg、0.18mmol)及びDIPEA(0.094mL、0.54mmol)のDMF(5.57mL)溶液を撹拌し、HBTU(88.74mg、0.23mmol)をrtで添加した。この反応混合物をrtで30min間攪拌した。次いで、ジメチルアミン溶液(2M THF溶液、0.099mL、0.198mmol)を加え、混合物をrtで16時間撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、粗生成物を72%[25mM NHHCO]−28%[MeCN:MeOH1:1]から36%[25mM NHHCO]−64%[MeCN:MeOH1:1]への逆相により精製した。所望の画分を集め、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/CHCl 0/20〜1/20)により再度精製した。所望の画分を集め、減圧濃縮して化合物番号35(13mg、19%)を白色固体として得た。
以下の化合物を、対応する中間体と示した試薬との反応によって、化合物番号35の合成と同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
化合物32をまた、I−39及びNHMeから出発して、この手順に従って調製した()
化合物91の調製
Figure 2021527687

Pddba(8.25mg、9.01μmol)、キサントホス(13.0mg、22.5μmol)及びCsCO(110mg、0.34mmol)を、Nをバブリングしながら密閉管中でDMF(2.25mL)に溶解した。I−49(42.0mg、0.25mmol)及びI−1(53.5mg、0.23mmol)を加え、反応混合物を室温で10min間撹拌した。次いで、反応混合物を110℃で20時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)で濾過し、EtOAcで洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、粗混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(移動相:HCOOH(0.1%)/(MeCN:MeOH、1:1)、95:5から63:37への勾配)により精製して、化合物91(42mg、50%)を白色固体として得た。
以下の化合物を、示した中間体及び試薬から、化合物番号91について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
化合物110の調製
Figure 2021527687

キサントホス(35.0mg、60.5μmol)及びCsCO(296mg、0.91mmol)をDMF(10mL)及び1,4−ジオキサン(10mL)に混合した混合物に、Nをバブリングしながら、Pddba(27.7mg、30.2μmol)を添加した。この混合物を40℃で5min間撹拌し、3−ブロモ−4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリジン[1448776−80−4](165mg、0.61mmol)を添加した。混合物を10min間撹拌し、I−117(132mg、0.61mmol)を添加した。反応混合物を95℃で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、水相をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、Celite(登録商標)で濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。粗混合物を逆相クロマトグラフィー(移動相:NHCO(25mM HO溶液)/(MeCN/MeOH、1:1)、90:10から54:46への勾配)により精製した。残渣をEtOでトリチュレートして、化合物110(23.3mg、10%)を白色固体として得た。
以下の化合物を、示した出発物質及び試薬から、化合物110について記載したのと同様の方法で調製した。
Figure 2021527687
化合物113の調製
Figure 2021527687

4−フルオロ−2,6−ジメチルアニリン[392−70−1](64.4mg、0.46mmol)及びI−1(100mg、0.42mmol)の1,4−ジオキサン(1.5mL)溶液を撹拌し、Pd(OAc)(3.78mg、16.8μmol)、キサントホス(21.9mg、37.9μmol)及びCsCO(274mg、0.84mmol)を添加した。密閉管において、反応混合物を90℃で12時間撹拌し、室温まで冷却し、Celite(登録商標)で濾過した。残渣をEtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させた。粗混合物を逆相クロマトグラフィー(移動相:[NHOAc(65mM HO溶液)/MeCN(90:10)]/[MeCN/MeOH(1:1)]、90:10から54:46への勾配により精製して、化合物113(56mg、39%)を白色固体として得た。
化合物114の調製
Figure 2021527687

化合物85(203mg、0.46mmol)をDCM(2mL)に混合した混合物に、DAST(0.18mL、1.38mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物をNaHCOで希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、移動相:DCM/(MeOH/NH)、100:0から98:2への勾配)によって精製した。第2の精製を、分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel IC20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4%i−PrNH)により行い、化合物114(18mg、11%)を得た。
分析の部
融点
値は、ピーク値又は融解範囲であり、この分析方法に通常付随する実験上の不確実性を伴って得られる。DSC823e又はDSC1 STAR(DSCとして示される)& Mettler Toledo MP50:
多くの化合物に関して、DSC823e又はDSC1 STAR(Mettler−Toledo)で融点を測定した。融点を、10℃/分の温度勾配で測定した。最高温度は300℃であった。多くの化合物に関して、MP50(Mettler−Toledo)で融点を測定した。融点を、10℃/分の温度勾配で測定した。
LCMS
基本手順
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、それぞれの方法で指定されたLCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)検出器又はUV検出器、及びカラムを使用して実施した。必要に応じて、追加の検出器を含めた(下の方法の表を参照されたい)。
カラムからの流れを、大気圧イオン源を装備した質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、滞留時間等)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ取得を、適切なソフトウェアで実施した。化合物を、その実測保持時間(R)及びイオンで説明する。データの表に別に明記されていない場合、報告する分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M−H](脱プロトン化分子)に相当する。化合物が直接イオン化可能でなかった場合、付加体の種類を特定する(即ち、[M+NH、[M+HCOO]等)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Cl)の場合には、報告する値は、最低同位体質量に関して得られた値である。得られた結果は全て、使用した方法に通常付随する実験上の不確実性を伴っていた。
以下、「SQD」はシングル四重極検出器、「MSD」は、質量選択検出器、「RT」は、室温、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド、「DAD」はダイオードアレイ検出器「HSS」は、高強度シリカを意味する。LCMS方法コード(流量はmL/分で表し、カラム温度(T)は℃で表し、分析時間は分で表す)
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
薬理学的な実施例
1)OGA−生化学的アッセイ
このアッセイは、組換えヒト髄膜腫発現抗原5(MGEA5)(O−GlcNAcアーゼ(OGA)とも称される)によるフルオレセインモノ−β−D−N−アセチル−グルコサミン(FM−GlcNAc)の加水分解の阻害基づく(Mariappa et al.2015,Biochem J 470:255)。FM−GlcNAcが加水分解されると(マーカー遺伝子技術、cat# M1485)、β−D−N−グルコサミンアセテート及びフルオレセインが形成される。フルオレセインの蛍光を、励起波長485nm及び発光波長538nmで測定し得る。酵素活性が増加すると、蛍光シグナルが増加する。完全長OGA酵素を、OriGeneから購入した(cat# TP322411)。この酵素を、−20℃にて、25mM トリス.HCl、pH7.3、100mMグリシン、10%グリセリン中で保管した。Thiamet G及びGlcNAcStatinを、参照化合物として試験した(Yuzwa et al.2008 Nature Chemical Biology 4:483;Yuzwa et al.2012 Nature Chemical Biology 8:393)。このアッセイを、0.005% Tween−20を補充した200mMクエン酸/リン酸緩衝液中で実施した。NaHPO2HO(Sigma、#C0759)35.6gを水1Lに溶解させて、200mM溶液を得た。クエン酸(Merck、#1.06580)19.2gを水1Lに溶解させて、100mM溶液を得た。リン酸ナトリウム溶液のpHを、クエン酸溶液で7.2に調整した。反応を停止するための緩衝液は、500mM炭酸緩衝液pH11.0からなる。FM−GlcNAc 734mgをDMSO 5.48mLに溶解させて250mM溶液を得、−20℃で保管した。OGAを2nM濃度で使用し、FM−GlcNAcを100uM最終濃度で使用した。希釈物を、アッセイ緩衝液で調製した。化合物50nlをDMSOに溶解させ、Black Proxiplate(商標)384 Plusアッセイプレート(Perkin Elmer、#6008269)に分注し、次にfl−OGA酵素混合物3μlを添加した。プレートを室温で60分にわたりプレインキュベートし、次いでFM−GlcNAc基質混合物2μlを添加した。最終DMSO濃度は、1%を超えなかった。プレートを1000rpmで1分にわたり手短に遠心分離し、6時間にわたり室温でインキュベートした。反応を停止するために、停止緩衝液5μlを添加し、プレートを再度1000rpmで1分間遠心分離した。Thermo Scientific Fluoroskan Ascent又はPerkinElmer EnVisionの中で、励起波長485nm及び発光波長538nmで蛍光を定量した。分析のため、最小二乗和法により、最良適合曲線をフィットさせる。これにより、IC50値及びヒル係数が得られた。高対照(阻害剤なし)及び低対照(標準阻害剤の飽和濃度)を使用して、最小値及び最大値を定義した。
2)OGA−細胞アッセイ
P301L変異型ヒトタウ(アイソフォーム2N4R)へ誘導可能なHEK293細胞を、Janssenで樹立した。Thiamet−Gを、プレートバリデーション(高対照)のため及び参照化合物(参照EC50アッセイバリデーション)としての両方に使用した。OGA阻害を、前述のO−GlcNAc化残基を検出するモノクローナル抗体(CTD110.6;Cell Signaling、#9875)を使用して、O−GlcNAc化タンパク質を免疫細胞化学(ICC)的に検出することにより評価する(Dorfmueller et al.2010 Chemistry & biology,17:1250)。OGAの阻害は、O−GlcNAc化タンパク質レベルの増加をもたらし、それは、実験においてシグナルの増加をもたらす。細胞培養の品質管理及び即座の化合物毒性のおよその推定(存在する場合)を得るために、細胞核をHoechstで染色する。ICC画像をPerkin Elmer Opera Phenixプレート顕微鏡で撮像し、提供されたソフトウェアPerkin Elmer Harmony 4.1で数値化する。標準的な手順に従ってDMEM高グルコース(Sigma、#D5796)中で細胞を増殖させた。細胞アッセイの2日前に細胞を分離させ、計数し、ポリ−D−リシン(PDL)コート96ウェル(Greiner、#655946)プレートに100μlのアッセイ培地(GlcNAc化の基礎レベルを低下させるために、低グルコース培地を用いる)中において12,000細胞/cm(1ウェル当たり4,000個の細胞)の細胞密度で播種する(Park et al.2014 The Journal of biological chemistry 289:13519)。化合物の試験日にアッセイプレートから培地を除去し、新鮮なアッセイ培地90μlを補充した。このウェルに、化合物10μlを最終濃度10倍で添加した。プレートを遠心分離し、直後に6時間にわたり細胞インキュベーター中でインキュベートした。DMSO濃度を、0.2%に設定した。培地を、吸引を適用して廃棄する。細胞を染色するために、培地を除去し、細胞をD−PBS(Sigma、#D8537)100μlで1回洗浄した。次の工程から先では、特に言及しない限り、アッセイ体積を常に50μlとし、インキュベーションを、撹拌することなく室温で実施した。細胞を、室温で15分にわたり、4%パラホルムアルデヒド(PFA、Alpha aesar、#043368)PBS溶液50μlで固定した。次いで、PFA PBS溶液を廃棄し、細胞を10mM トリス緩衝液(LifeTechnologies、#15567−027)、150mM NaCl(LifeTechnologies、#24740−0110、0.1% Triton X(Alpha aesar、#A16046)、pH7.5(ICC緩衝液)で1回洗浄した後、10分にわたり同一の緩衝液で透過処理した。次に、室温で45〜60分にわたり、5%ヤギ血清(Sigma、#G9023)を含むICCで試料をブロックする。次いで、試料を、一晩4℃で、一次抗体(市販品供給元からの1/1000、上記参照)と共にインキュベートし、次にICC緩衝液で5分にわたり3回洗浄した。試料を、二次蛍光抗体(1/500希釈、Lifetechnologies、#A−21042)と共にインキュベートし、核を、1時間にわたり、ICC(Lifetechnologies、#H3570)中に1μg/mlの最終濃度のHoechst 33342で染色した。分析前に、試料をICC系緩衝液で5分にわたり2回手作業で洗浄した。画像化を、20×水浸対物レンズを使用し、1ウェル当たり9視野を記録するPerkin Elmer Phenix Operaを使用して実施する。488nmでの強度読み出しを、ウェル中の全タンパク質のO−GlcNAc化レベルの尺度として使用する。化合物の潜在的毒性を評価するために、Hoechst染色を使用して核を計数した。IC50値を、パラメトリック非線形回帰モデルフィッティングを使用して算出する。最大阻害として、200uM濃度のThiamet Gが各プレート上に存在する。さらに、Thiamet Gの濃度応答を各プレートで算出する。
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687
Figure 2021527687

Claims (14)

  1. 式(I)
    Figure 2021527687

    の化合物、又はその互変異性体若しくは立体異性形態であって、
    は−C1〜6アルキル−C(O)−NRであり(ここで、
    及びRは各々独立して水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択されるか、又はR及びRはそれらが結合している窒素原子と共にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロ環を形成している);
    、R、及びRは、各々独立して、水素、ハロ、及びC1〜3アルキルからなる群から選択され;
    は、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、及び(f):
    Figure 2021527687

    からなる群から選択される一価のラジカルであり、
    式中、
    1a、R2a、R1b、及びR2bは、各々独立して、ハロ、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキルオキシ、ポリハロC1〜3アルキルオキシ、及びC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
    3aは、水素、ハロ、−C(O)−OC1〜3アルキル、−C(O)−NR’R’’、−N(R’’’)−C(O)−C1〜3アルキルからなる群から選択され;
    4aは、水素、ハロ、−CN、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキルオキシ、ポリハロC1〜3アルキルオキシ、−C(O)−OC1〜3アルキル、−C(O)−NR’R’’、−N(R’’’)−C(O)−C1〜3アルキル、及びHetからなる群から選択され;
    但し、R3a及びR4aは、同時に、−C(O)−OC1〜3アルキル、−C(O)−NR’R’’、又は−N(R’’’)−C(O)−C1〜3アルキルではなく;
    R’及びR’’は、各々独立して、水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択されるか、又はR’及びR’’は、これらが結合している窒素原子と一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成し;
    R’’’は、水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され;
    Hetは、1個又は複数個の独立して選択されるC1〜3アルキル置換基で任意選択的に置換されているピラゾリル又はイミダゾリルであり;
    及びXは、各々独立して、N及びCHから選択され、但し、X又はXの少なくとも一方はNであり;
    1c、R2c、R1d、R1e、R2e及びR2fは、各々独立して、ハロ、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、及びC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
    は、CH又はNを表し;
    は、C又はNを表し;
    Figure 2021527687

    により表される環の各々は、
    (i)窒素及び酸素から各々独立して選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を有する5員若しくは6員の不飽和複素環であって、ハロ、C1〜3アルキル、及びオキソから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の不飽和複素環を形成するか、又は
    (ii)窒素、酸素、及び硫黄から各々独立して選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を有する5員若しくは6員の芳香族複素環であって、ハロ、−CN、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、及びポリハロC1〜3アルキルから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の芳香族複素環を形成する、
    化合物、若しくはその互変異性体若しくは立体異性形態、又はこれらの薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物。
  2. は−C1〜3アルキル−C(O)−NRであり(ここで、
    及びRは各々独立して水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択されるか、又はR及びRはそれらが結合している窒素原子と共にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロ環を形成している);
    、R、及びRは、各々独立して、水素、ハロ、及びC1〜3アルキルからなる群から選択され;
    は、(a)、(b)、(d)、及び(f)からなる群から選択される一価のラジカルであり、
    式中、
    1a、R2a、R1b、及びR2bは、各々独立して、ハロ、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキルオキシ、ポリハロC1〜3アルキルオキシ、及びC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
    3aは、水素であり;
    4aは、水素、ハロ、−CN、C1〜3アルキル、モノハロC1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、モノハロC1〜3アルキルオキシ、及びポリハロC1〜3アルキルオキシからなる群から選択され;
    及びXは、各々独立して、N及びCHから選択され、但し、X又はXの少なくとも一方はNであり;
    1d、R2fは、各々独立して、C1〜3アルキルから選択され;
    は、CHを表し;
    Figure 2021527687

    により表される環の各々は、
    (i)窒素及び酸素から各々独立して選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を有する5員若しくは6員の不飽和複素環であって、ハロ及びC1〜3アルキルから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の不飽和複素環を形成するか、又は
    (ii)窒素及び酸素から各々独立して選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を有する5員若しくは6員の芳香族複素環であって、C1〜3アルキルから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の芳香族複素環を形成する、
    請求項1に記載の化合物。
  3. は−C1〜3アルキル−C(O)−NRであり(ここで、
    及びRは各々独立して水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択されるか、又はR及びRはそれらが結合している窒素原子と共にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロ環を形成している);
    、R、及びRは、各々独立して、水素、ハロ、及びC1〜3アルキルからなる群から選択され;
    は、(a)、(b)、(d)、及び(f)からなる群から選択される一価のラジカルであり、
    式中、
    1a、R2a、R1b、及びR2bは、各々独立して、ハロ、C1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、及びポリハロC1〜3アルキルオキシからなる群から選択され;
    3aは、水素であり;
    4aは、水素、ハロ、−CN、C1〜3アルキル、ポリハロC1〜3アルキル、C1〜3アルキルオキシ、及びポリハロC1〜3アルキルオキシからなる群から選択され;
    及びXは、各々独立して、N及びCHから選択され、但し、X又はXの少なくとも一方はNであり;
    1d、及びR2fは、各々独立して、C1〜3アルキルから選択され、
    は、CHを表し;
    Figure 2021527687

    により表される環の各々は、
    (i)1個若しくは2個の窒素原子を有する5員若しくは6員の不飽和複素環であって、ハロ、及びC1〜3アルキルから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の不飽和複素環を形成するか、又は
    (ii)1個若しくは2個の窒素原子を有する5員若しくは6員の芳香族複素環であって、C1〜3アルキルから各々独立して選択される1個若しくは複数個の置換基で任意選択的に置換されている5員若しくは6員の芳香族複素環を形成する、
    請求項1又は2に記載の化合物。
  4. は−C1〜3アルキル−C(O)−NRであり(ここで、−NRは−NH、−NHCH、−NH(CH、−N(CH)(CHCH)、アゼチジン−1−イル及びピロリジン−1−イルからなる群から選択される)、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 、R及びRは各々独立して水素及びメチルから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 1a、R2a、R1b及びR2bは各々独立してフルオロ、クロロ、メチル、イソプロピル、CF、−OCH及び−OCFからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. はNで、XはCHであるか、又はXはCHで、XはNであるか、又はX及びXは両方ともNである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 1d及びR2fは各々独立してメチル又はイソプロピルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物の予防上有効な量又は治療上有効な量と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  10. 医薬組成物を調製するプロセスであって、薬学的に許容される担体と、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物の予防上有効な量又は治療上有効な量とを混合することを含むプロセス。
  11. 医薬として使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又は請求項9に記載の医薬組成物。
  12. タウオパチー、特に、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉認知症、パーキンソニズム−17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー;又はタウ病態を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72変異により引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭葉認知症から選択される神経変性疾患の処置又は予防での使用のための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又は請求項9に記載の医薬組成物。
  13. タウオパチー、特に、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉認知症、パーキンソニズム−17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー;又はタウ病態を伴う神経変性疾患、特に、C9ORF72変異により引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭葉認知症から選択される神経変性疾患からなる群から選択される障害を予防するか又は処置する方法であって、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又は請求項9に記載の医薬組成物の予防上有効な量又は治療上有効な量を、必要とする対象に投与することを含む方法。
  14. O−GlcNAc加水分解酵素を阻害する方法であって、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又は請求項9に記載の医薬組成物の予防上有効な量又は治療上有効な量を、必要とする対象に投与することを含む方法。
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