JP2021515553A - 抗pla2−gib抗体およびその使用 - Google Patents

抗pla2−gib抗体およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗PLA2−GIB抗体およびその使用、特に試料中のヒトPLA2−GIBを検出するためのものに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、抗PLA2−GIB抗体およびその使用、特に、試料中のヒトPLA2−GIBを検出するためのものに関する。本発明は、特に、PLA2−GIBの成熟分泌型およびプロ型を識別できる、または、PLA2―GIBの両方の型を結合できる新規なモノクローナル抗体を開示する。本発明はまた、そのような抗体またはその断片を使用して試料中のPLA2−GIBを検出する、または投与する方法、さらにそのプロ型および分泌型を区別する方法ならびにそれらの方法を実施するのに適したキットを提供する。
グループIB膵臓ホスホリパーゼA2(PLA2−GIB)は、低分子量(14kD)で、非常に安定(7ジスルフィド結合)な分泌タンパク質であり、リン脂質のsn−2脂肪アシル結合の加水分解を触媒して、遊離脂肪酸およびリゾリン脂質(LambeauおよびGelb、2008)を放出する。ヒトでは、PLA2−GIB遺伝子は主に膵臓で発現され、十二指腸、空腸、および胃では発現レベルが低くなる(Eskola等、1983a)(NevalainenおよびHaapanen、1993)。辺縁部の発現では、肺、目(Kolko等、2007)、精巣など他の組織で報告されている。ヒト膵臓では、PLA2−GIBは、主に膵腺房細胞の頂端チモーゲン顆粒部分で合成される(Eskola等、1983a)。PLA2−GIBは、膵島β細胞のインスリン分泌顆粒でも検出され、グルコース刺激膵島からのインスリンと共に分泌される(Ramanadham等、1998)。
PLA2−GIBは、最初、不活性なプロ型(プロ型sPLA2−GIB)として膵液中に分泌され、プロペプチドのタンパク質分解切断によって活性化され、活性な成熟分泌型(sPLA2−GIB)に至る。生体外実験では、トリプシンおよびプラスミンがプロ型sPLA2−GIBを良好な効力で活性化できることが示唆された(Nakano等、1994)。
PLA2−GIBは、消化管での役割に加えて、ヒト血漿においても循環している((Nishijima等、1983)(Eskola等、1983b)(Sternby、1984)(Nevalainen等、1985)(Kitagawa等、1991))。本発明者らは以前に、sPLA2−GIBを免疫応答の主要な内因性因子として特徴付けた。それらにおいて、sPLA2−GIBは、例えばウイルス血症HIV感染患者で観察されるCD4Tリンパ球の不応答に潜む機序に重要な役割を果たしていることを実証した。
したがって、PLA2−GIBの正確かつ高感度な検出を可能にする方法が必要とされている。また、プロ型および成熟分泌型PLA2−GIBを識別できる方法およびキットが必要とされている。
本発明により、新規な抗PLA2−GIB抗体およびその使用を提供する。本発明により、また、そのような抗体を使用したPLA2−GIBの検出または投与方法、ならびにそれを含むキットを提供する。
第1の態様では、本発明は、モノクローナル抗体、またはその断片に関し、より具体的には、ヒトsPLA2−GIBタンパク質に結合し、かつヒトsPLA2−GIBへの配列番号2を含む軽鎖可変領域および配列番号4を含む重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体(14G9)の結合を競合阻害する、モノクローナル抗体、またはその断片に関する。
別の態様では、本発明は、ヒトsPLA2−GIBタンパク質のエピトープに結合するモノクローナル抗体、またはその断片に関し、当該エピトープは、配列番号26を参照して、ヒトsPLA2−GIBタンパク質のW3、R6、K7、K10、C77、Y75、G79およびS80から選択されるアミノ酸残基の少なくとも1つを含む。
さらなる態様では、本発明は、ヒトプロ型sPLA2−GIBタンパク質に結合し、かつヒトプロ型sPLA2−GIBへの配列番号15を含む軽鎖可変領域および配列番号17を含む重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体(8G11)の結合を競合阻害する、モノクローナル抗体、またはその断片に関する。
別の態様では、本発明は、ヒトPLA2−GIBタンパク質の分泌型(sPLA2−GIB)およびプロ型(プロ型sPLA2−GIB)の両方に結合するモノクローナル抗体またはその断片に関する。特に、実施形態では、前述の抗体もしくは断片は、(i)配列番号19を含む軽鎖可変領域および配列番号21を含む重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体(1C11)、または、(ii)配列番号23を含む軽鎖可変領域および配列番号25を含む重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体(7A10)、のプロ型および/もしくは分泌型ヒトPLA2−GIBタンパク質への結合を競合阻害する。
本発明の抗体の特定の例としては、例えば、14G9、24B2、22C6、28A1、28A3、34G3、22H5、7C5、8G11、18D9、1C11、4G11、7H12、7E2、7A10、36G10、3B2、18A6および13H8、ならびにそれらの断片がある。
本発明は、さらに、本発明の抗体またはその断片をコードする単離された核酸、および、好ましくは、プロモーターに作動可能に連結されたこのような核酸を含むベクターに関する。
本発明はさらに、上記で定義された核酸またはベクターを含む宿主細胞に関する。
さらなる態様では、本発明は、本発明の抗体を産生する方法に関し、当該抗体の発現に適した条件下において上記で定義された宿主細胞を培養し、かつ場合により当該抗体を回収する方法を含む。
別の態様では、本発明は、上記で定義された抗体、核酸、ベクターまたは宿主細胞を含む組成物に関する。
別の態様では、本発明は、対象の病態診断、予防又は治療に使用する上記で定義された抗体または組成物、特に、PLA2−GIBの活性に関連する条件に関する。
さらなる態様では、本発明は上記で定義された抗体または断片を使用してヒトPLA2−GIBタンパク質を検出するための方法に関する。当該方法を、成熟分泌型(sPLA2−GIB)、プロ型(プロ型sPLA2−GIB)および/または両方の型のヒトPLA2−GIBタンパク質の存在を検出するために使用し、実施し得る。そのような方法または抗体を、試料中のPLA2−GIBの存在もしくは量を検出または投与(または定量化)し、さらに、そのプロ型および成熟分泌型の比率を評価するために使用し得る。この方法は、特に、PLA2−GIBの活性と関連する対象の病態を検出し、または監視するのに有用である。
さらなる態様では、本発明は、免疫反応、もしくは抗体−抗原複合体を実行、検出または定量化するための、本明細書に記載した抗体の少なくとも1つ、またはその断片、および試薬を含むキットに関する。
#14G9抗体によるsPLA2−GIB酵素活性の阻害を示す。データに4PLロジスティック非線形回帰モデルをフィッティングさせ、モデルから相対IC50値を推定した。 #6F7抗体によるsPLA2−GIB酵素活性の阻害を示す。 #1C11抗体によるsPLA2−GIB酵素活性の阻害を示す。 間接ELISAにおける抗sPLA2−GIB抗体の希釈曲線を示す。データに4PLロジスティック非線形回帰モデルをフィッティングさせ、モデルから相対EC50値を推定した。 間接ELISAにおける抗sPLA2−GIB抗体の希釈曲線を示す。データに4PLロジスティック非線形回帰モデルをフィッティングさせ、モデルから相対EC50値を推定した。 間接ELISAにおける抗sPLA2−GIB抗体の希釈曲線を示す。データに4PLロジスティック非線形回帰モデルをフィッティングさせ、モデルから相対EC50値を推定した。 間接ELISAにおける抗sPLA2−GIB抗体の希釈曲線を示す。データに4PLロジスティック非線形回帰モデルをフィッティングさせ、モデルから相対EC50値を推定した。 間接ELISAにおける抗sPLA2−GIB抗体の希釈曲線を示す。データに4PLロジスティック非線形回帰モデルをフィッティングさせ、モデルから相対EC50値を推定した。 間接ELISAにおける抗sPLA2−GIB抗体の希釈曲線を示す。データに4PLロジスティック非線形回帰モデルをフィッティングさせ、モデルから相対EC50値を推定した。 競合ELISAによる抗体の比較を示す。 競合ELISAによる抗体の比較を示す。 競合ELISAによる抗体の比較を示す。 競合ELISAによる抗体の比較を示す。 競合ELISAによる抗体の比較を示す。 競合ELISAによる抗体の比較を示す。 1mgのモノクローナル抗体14G9による、マウス脾細胞から分離されたCD4T細胞におけるリン酸化STAT5の核移行に対する100μgのsPLA2−GIBの阻害効果の生体内阻害を示す。900μgのアイソタイプ対照mAbを注入しても、有意な影響は観察されなかった。 エピトープ同定を示す。Fab#2B2/sPLA2−GIB複合体の非共有結合、sPLA2−GIBバックボーンは黄色、#2B2のFab軽鎖は水色、#2B2のFab重鎖は緑である。
表1は、プロ型sPLA2−IBおよびsPLA2−IBに対する36のmAbについての説明である。免疫に使用される抗原、アイソタイプ、sPLA2酵素活性阻害および間接ELISAによって決定されたプロ型sPLA2およびsPLA2−IBに対する各サブクローンの相対的な親和性を記載する。
表2は、競合ELISAによって決定された組換えヒトsPLA2−IBおよび組換えヒトプロ型sPLA2−IBに対するELISA IC50値を示す。
表3は、表面プラズモン共鳴による組換えヒトsPLA2−IBおよび組換えヒトプロ型sPLA2−IBに対するKdの決定値を示す。
表4は、競合ELISAによるエピトープマッピングを示す。結果は、自己競合のシグナルを差し引いた後のシグナルのパーセンテージとして表され、0%は最大競合、100%は競合が無いことを表す。
表5は、プロ型sPLA2−IB、sPLA2−IB、または両方の型に特化したサンドイッチELISAの分析性能の概要を示す。
表6は、明らかに健康な男性および女性間のプロ型sPLA2−IB、総sPLA2−IBおよびsPLA2−IBの分布、ならびに年齢およびBMIとの相関関係を示す。
表7は、明らかに健康な男性と女性の間のプロ型sPLA2−IB、sPLA2−IBおよび両方の型のパーセンタイル分布を示す。
(定義)
本明細書で使用する場合、「PLA2−GIB」という用語は、グループIBの膵臓ホスホリパーゼA2を指す。PLA2−GIBは、さまざまな哺乳動物種から同定され、かつ複製されてきた。ヒトPLA2−GIBタンパク質は、例えば、LambeauおよびGelb(2008)に開示されている。その配列は、Genbank番号NP_000919で入手できる。
ヒトPLA2−GIBのアミノ酸配列の一例を以下に示す(配列番号1)。
MKLLVLAVLL TVAAA DSGIS PR AVWQFRKM IKCVIPGSDP FLEYNNYGCY CGLGGSGTPV DELDKCCQTH DNCYDQAKKL DSCKFLLDNP YTHTYSYSCS GSAITCSSKN KECEAFICNC DRNAAICFSK APYNKAHKNL DTKKYCQS
配列番号1のアミノ酸1〜15位はシグナル配列であり、配列番号1のアミノ酸16〜22位は、プロペプチド配列である。
本発明の文脈内で、「PLA2−GIB」という用語は、好ましくは、ヒトPLA2−GIBを指す。
ヒトPLA2−GIBタンパク質は、2つの異なる形態で存在する可能性がある。すなわち、不活性なプロ型(プロ型sPLA2−GIB)は、プロペプチドのタンパク質分解開裂によって活性化され、成熟した分泌型(sPLA2−GIB)になる。PLA2−GIBという用語は、プロ型および/または成熟型などのタンパク質の任意の形態を含む。典型的には、成熟分泌型は、配列番号1(配列番号26)のアミノ酸残基23〜148位の配列、または多型性もしくは組み換えから生じる変異体などのその任意の天然変異体を含む。「プロ型sPLA2−GIB」または「プロ型PLA2−GIB」の用語は、好ましくは、配列番号1のアミノ酸残基16〜148位の配列を含むタンパク質、または多型性もしくは組み換えから生じる変異体などのその任意の天然変異体を指す。
一般に、「抗体」という用語は、重鎖および軽鎖を含む任意の免疫グロブリン型分子を指す。典型的な抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖からなる基本的な単量体「H2L2」構造を持つ。重鎖のそれぞれは軽鎖とペアになる。重鎖および軽鎖は、「可変領域」または「可変ドメイン」を含む。重鎖の可変ドメインは「VH」と呼ばれることがある。軽鎖の可変ドメインは「VL」と呼ばれる場合がある。これらのドメインは、一般的に抗体の最も変化しやすい部分であり、抗原結合部位を含む。軽鎖または重鎖可変領域(VLまたはVH)は、「相補性決定領域」または「CDR」と呼ばれる3つの超可変領域によって遮られたフレームワーク領域から成る。
抗体の「断片」は、抗原結合を与える抗体の任意の部分を指す。断片は通常、Fab、Fab’2、ScFv、ナノ体、またはCDRを指す。
抗体の変異体は、抗原特異性を保持して化学的又は生物学的に修飾された任意の抗体を含む。特定の変異体は、標識された抗体であり、抗体の検出または捕捉を可能にする標識(マーカー、トレーサー、タグなど)を運ぶ。このような変異体の例としては、融合分子の検出、または定量化を可能にするレポーターペプチドのような1つ以上のタンパク質又はペプチドと共有結合または非共有結合によって関連付けられた抗体によって形成された融合分子が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明の抗体変異体をビオチン化などで操作し、検出及び/又は定量化可能である。
好ましい実施形態では、本発明の抗体および断片ならびに変異体は、単離される。「単離された」抗体は、その自然環境の成分から分離されたものである。特に、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換または逆相HPLC)によって決定されるように、95%または99%を超える純度まで精製され得る。抗体純度の評価方法の概説については、例えば、Flatman等によるJ. Chromatogr.B 848:79−87(2007)を参照されたい。
抗体は、抗原に対して「選択的」であるか、またはそのような抗体が他の分子と比較して前記抗原への優先的な結合を示す場合、抗原を「選択的に結合」する。選択性は、競合ELISAまたはBiacore(登録商標)アッセイによって決定できる。選択性を示す親和性/結合力の違いは、検出可能な選好性、たとえば1:1.1を超える比、または約1:5、1:10、1:100、1:1000以上を超える比などである。
「競合的に阻害する」という用語は、抗体が参照抗体のsPLA2−GIBへの結合を低減または阻害または置換できることを示す。競合アッセイは、例えば、競合ELISAまたは他の結合アッセイなどの標準的な技術を使用して実行することができる。典型的には、競合的結合アッセイは、一般に固体基質または細胞のいずれかに結合した精製標的抗原、非標識試験抗体および標識参照抗体を含む。競合阻害は、試験抗体の存在下で結合した標識抗体の量を測定することによって測定される。通常、試験抗体は、参照抗体の量の約5〜500倍など、過剰に存在する。典型的には、ELISAの場合、試験抗体は100倍過剰であり、酵素的方法の場合、試験抗体は10倍過剰である。過剰に存在する試験抗体が抗原への参照抗体の結合の少なくとも70%を阻害または置換する場合、それは前述の参照抗体を競合的に阻害すると見なされる。特定の実施形態では、100倍過剰に存在する試験抗体が、ELISAにおいて抗原への参照抗体の結合の少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%を阻害または置換する場合、それは前述の参照抗体を競合的に阻害すると見なされる。好ましい競合抗体は、共通のアミノ酸残基を共有するエピトープに結合する。
(発明を実施するための形態)
本発明は、ヒトPLA2−GIBタンパク質に結合する新規なモノクローナル抗体、そのような抗体の断片、およびそれらの使用、特に試料中のPLA2−GIBを検出、定量化または監視するための使用、およびsPLA2−GIBを阻害するための使用に関する。
発明者らは以前、sPLA2−GIBを、ウイルス血症HIV感染患者などのCD4Tリンパ球の不応答に潜む機序で重要な役割を果たすと特定した。発明者は、今回、異なる種類の免疫原を使用して抗PLA2−GIBモノクローナル抗体を生成した。当該免疫原は、特に、本質的にプロ領域を含むペプチドを使用して、適切な特異性を持つ抗体を生成するように設計された。本発明者らは、約40のモノクローナル抗体の製造および試験をし、最も適切な特異性、親和性および活性を有する抗体を選択した。選択した抗体の配列、およびいくつかのエピトープを決定した。これらの抗体により、単独でも組み合わせでも、PLA2−GIBの効率的な検出および/または阻害が可能になる。また、それらを、試料中のプロおよび分泌型PLA2−GIBを識別する方法を設計するために使用することができる。
第1の態様では、本発明は、このようにヒトPLA2−GIBに結合するモノクローナル抗体、またはその断片に関する。本発明の特定の抗体は、成熟分泌型ヒトPLA2−GIBに選択的に結合する。本発明の他の特定の抗体は、プロ型ヒトPLA2−GIB、または成熟分泌型およびプロ型ヒトPLA2−GIBの両方に選択的に結合する。本発明のモノクローナル抗体または断片を、ヒトPLA2−GIBの型を識別するために使用し得る。それらをまた、成熟分泌型ヒトPLA2−GIBを特異的に阻害するために使用し得る。
(sPLA2−GIBに対しての抗体)
ある特定の態様では、本発明は、成熟分泌型ヒトPLA2−GIB(sPLA2−GIB)に結合し、好ましくはsPLA2−GIBに選択的に結合するモノクローナル抗体、またはその断片に関する。
そのような抗体の特定の例は、14G9である。抗体14G9を、sPLA2−GIBを用いた免疫化によって生成した。14G9抗体を、sPLA2−GIBに対する非常に高い親和性、強力な中和活性、およびその選択性に基づいて選択した。14G9の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を決定し、この抗体の組換え産生が可能となった。さらに、sPLA2−GIB上の14G9のエピトープも決定した。
試験の結果、14G9はsPLA2−GIBに選択的に結合できることが判明した。また、14G9は、生体外および生体内でsPLA2−GIBを阻害できることも判明した。したがって、この抗体は、当該タンパク質を選択的に検出または阻害するための優れた特性を示す。本発明者らが調製したさらなるモノクローナル抗体について、sPLA2−GIBへの14G9の結合を競合的に阻害する能力について試験した。モノクローナル抗体24B2、22C6、28A1、28A3、34G3、22H5および7C5は、実際、sPLA2−GIBへの14G9の結合を競合的に阻害できることが判明した(表4を参照)。さらに、このような競合する抗体がPLA2−GIBに結合して中和できることを確認し(表1を参照)、この抗体グループの関連性を確認した。
ある特定の態様では、本発明は、成熟分泌型ヒトPLA2−GIBに結合し、ヒトsPLA2−GIBへのモノクローナル抗体14G9の結合を競合的に阻害する、任意のモノクローナル抗体、変異体またはその断片に関する。
さらに特定の実施形態では、本発明は、ヒトsPLA2−GIBタンパク質の(配列番号26を参照して)W3、R6、K7、K10、C77、Y75、G79およびS80から選択したアミノ酸残基の少なくとも1つを含むエピトープに結合するモノクローナル抗体、変異体、またはその断片に関する。好ましい態様では、本発明の抗体、変異体および断片は、ヒトsPLA2−GIBタンパク質のW3、R6、K7、K10、C77、Y75、G79およびS80から選択したアミノ酸残基の少なくとも2、3、4、5、6、7つ又は全てを含むエピトープに結合する。モノクローナル抗体14G9のエピトープは、本発明者が決定したように、軽鎖に結合するアミノ酸残基W3、R6、およびK7、ならびに重鎖に結合するアミノ酸残基K10、C77、Y75、G79及びS80を含むことが判明した。したがって、本発明はまた、それらのエピトープ中に14G9のエピトープの少なくとも1つのアミノ酸残基、好ましくは少なくとも2つ以上を有する抗体およびその断片に関する。
より特定の実施形態では、本発明のモノクローナル抗体は、抗体14G9またはその変異体もしくは断片である。
抗体14G9の軽及び重鎖の可変領域はそれぞれ、配列番号2および4で提供されている。
より特定の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体であって、(i)配列番号2の軽鎖可変領域CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、および(ii)配列番号4の重鎖可変領域CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含むものに関する。
配列番号2を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−L1:アミノ酸残基QDVSTA(配列番号27)
・DR−L2:アミノ酸残基WAS(配列番号28)
・DR−L3:アミノ酸残基QQDYSTPPT(配列番号29)
配列番号4を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−H1:アミノ酸残基GYTFTNYW(配列番号30)
・CDR−H2:アミノ酸残基IDPSDTRT(配列番号31)
・CDR−H3:アミノ酸残基ARQTLYYEALDY(配列番号32)
より特定の実施形態では、本発明は、配列番号2から成る、もしくは本質的に成る軽鎖可変領域、および/または、配列番号4から成る、もしくは本質的に成る重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体に関する。
別の実施形態では、本発明のモノクローナル抗体は、抗体22C6、またはその変異体もしくは断片である。
22C6の軽鎖可変領域および重鎖可変領域のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号7および9で提供されている。
より特定の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体であって、(i)配列番号7の軽鎖可変領域CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、および(ii)配列番号9の重鎖可変領域CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含むものに関する。
配列番号7を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−L1:アミノ酸残基SSISPNF(配列番号33)
・CDR−L2:アミノ酸残基RTS(配列番号34)
・CDR−L3:アミノ酸残基HQGNSLPLT(配列番号35)
配列番号9を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−H1:アミノ酸残基GHSITDDNYY(配列番号36)
・CDR−H2:アミノ酸残基ITSAGNT(配列番号37)
・CDR−H3:アミノ酸残基ARDSTDGDFYFEK(配列番号38)
より特定の実施形態では、本発明は、配列番号7から成る、もしくは本質的に成る軽鎖可変領域、および/または、配列番号9から成る、もしくは本質的に成る重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体に関する。
別のより特定の実施形態では、本発明のモノクローナル抗体は、抗体24B2、またはその変異体もしくは断片である。
24B2の軽鎖可変領域および重鎖可変領域のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号11および13で提供されている。
より特定の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体であって、(i)配列番号11の軽鎖可変領域CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、および(ii)配列番号13の重鎖可変領域CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含むものに関する。
配列番号11を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−L1:アミノ酸残基ESVDNYGISF(配列番号39)
・CDR−L2:アミノ酸残基RAS(配列番号40)
・CDR−L3:アミノ酸残基QQSSRDLFT(配列番号41)
配列番号13を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−H1:アミノ酸残基GHSITDDNYY(配列番号42)
・CDR−H2:アミノ酸残基ITSSGST(配列番号43)
・CDR−H3:アミノ酸残基ARDSTDGDFYFEK(配列番号44)
より特定の実施形態では、本発明は、配列番号11から成る、もしくは本質的に成る軽鎖可変領域、および/または、配列番号13から成る、もしくは本質的に成る重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体に関する。
sPLA2−GIBに対する抗体は選択的であり、本質的にはそのタンパク質の成熟分泌型のみに結合する。特に、14G9はsPLA2−GIBに結合し、本質的にそのプロ型には結合しない。
(プロ型PLA2−GIBに対する抗体)
ある特定の態様では、本発明は、プロ型ヒトPLA2−GIB(プロ型PLA2−GIB)に結合し、好ましくはプロ型PLA2−GIBに選択的に結合するモノクローナル抗体、またはその断片に関する。
そのような抗体の特定の例は、8G11である。抗体8G11を、PLA2−GIBのN末端部を含むペプチドを用いた免疫化によって生成した。当該抗体を、プロ型PLA2−GIBに対する非常に高い親和性およびプロ型に対する選択性に基づいて選択した。8G11の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を決定し、この抗体の組換え産生が可能になった。本発明者らが調製したさらなるモノクローナル抗体について、プロ型PLA2−GIBへの8G11の結合を競合的に阻害する能力について試験した。モノクローナル抗体18D9は、実際、プロ型PLA2−GIBへの8G11の結合を競合的に阻害できることが判明した(表4を参照)。
ある特定の実施形態では、本発明は、このように、プロ型ヒトPLA2−GIBに結合し、ヒトsPLA2−GIBへのモノクローナル抗体8G11の結合を競合的に阻害する、任意のモノクローナル抗体、またはその変異体もしくは断片に関する。
より特定の実施形態では、本発明のモノクローナル抗体は、抗体8G11、またはその変異体もしくは断片である。
8G11の軽鎖可変領域および重鎖可変領域のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号15および17に提供されている。
より特定の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体であって、(i)配列番号15の軽鎖可変領域CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、および(ii)配列番号17の重鎖可変領域CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含むものに関する。
配列番号15を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−L1:アミノ酸残基KSVSTSGYSY(配列番号45)
・CDR−L2:アミノ酸残基LVS(配列番号:46)
配列番号17を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−H1:アミノ酸残基GYTFNDDE(配列番号47)
・CDR−H2:アミノ酸残基IDPETGGT(配列番号48)
・CDR−H3:アミノ酸残基QLIFHGNPYYCMDY(配列番号49)
より特定の実施形態では、本発明は、配列番号15から成る、もしくは本質的に成る軽鎖可変領域、および/または、配列番号17から成る、もしくは本質的に成る重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体に関する。
プロ型PLA2−GIBに対する抗体は選択的であり、本質的にはそのタンパク質のプロ型のみに結合する。特に、8G11はプロ型PLA2−GIBに結合し、本質的に当該タンパク質のsPLA2−GIBの型には結合しない。
(sPLA2−GIBおよびプロ型PLA2−GIBに対する2重抗体)
特定の態様では、本発明は、ヒトPLA2−GIBの成熟分泌型(sPLA2−GIB)およびプロ型(プロ型PLA2−GIB)の両方に結合するモノクローナル抗体、またはその断片に関する。
そのような抗体の特定の例は、1C11である。抗体1C11を、sPLA2−GIBを用いた免疫化によって生成した。当該抗体を、プロ型PLA2−GIBおよびsPLA2−GIBの両方に対する非常に高い親和性に基づいて選択した。1C11の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を決定し、この抗体の組換え産生が可能になった。本発明者らが調製したさらなるモノクローナル抗体について、プロ型PLA2−GIBおよび/またはsPLA2−GIBへの1C11の結合を競合的に阻害する能力について試験した。モノクローナル抗体4G11、7H12および7E2は、実際、1C11の結合を競合的に阻害できることが判明した(表4を参照)。
ある特定の実施形態では、本発明は、このように、ヒトPLA2−GIBに結合し、モノクローナル抗体1C11のヒトプロ型PLA2−GIBおよび/またはヒトsPLA2−GIBへの結合、好ましくはヒトプロ型PLA2−GIBおよびヒトsPLA2−GIBへの結合を競合的に阻害する、任意のモノクローナル抗体、またはその変異体もしくは断片に関する。
より特定の実施形態では、本発明のモノクローナル抗体は、抗体1C11、またはその変異体もしくは断片である。
1C11の軽鎖可変領域および重鎖可変領域のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号19および21に提供されている。
より特定の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体であって、(i)配列番号19の軽鎖可変領域CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、および(ii)配列番号21の重鎖可変領域CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含むものに関する。
配列番号19を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−L1:アミノ酸残基SSVSY(配列番号50)
・CDR−L2:アミノ酸残基EIS(配列番号51)
・CDR−L3:アミノ酸残基QSWNFOLLS(配列番号52)
配列番号21を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−H1:アミノ酸残基GYAFSSFW(配列番号53)
・CDR−H2:アミノ酸残基IYPGDGDI(配列番号54)
・CDR−H3:アミノ酸残基VRGWAWFPY(配列番号55)
より特定の実施形態では、本発明は、配列番号19から成る、もしくは本質的に成る軽鎖可変領域、および/または、配列番号21から成る、もしくは本質的に成る重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体に関する。
そのような抗体の別の例は、7A10である。抗体7A10を、sPLA2−GIBを用いた免疫化によって生成した。当該抗体を、プロ型PLA2−GIBおよびsPLA2−GIBの両方に対する非常に高い親和性に基づいて選択した。7A10の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を決定し、この抗体の組換え産生が可能になった。本発明者らが調製したさらなるモノクローナル抗体について、プロ型PLA2−GIBおよび/またはsPLA2−GIBへの7A10の結合を競合的に阻害する能力について試験した。モノクローナル抗体36G10、3B2、18A6および13H8は、実際、7A10の結合を競合的に阻害できることが判明した(表4を参照)。
ある特定の実施形態では、本発明は、このように、ヒトPLA2−GIBに結合し、モノクローナル抗体7A10のヒトプロ型PLA2−GIBおよび/またはヒトsPLA2−GIBへの結合、好ましくはヒトプロ型PLA2−GIBおよびヒトsPLA2−GIBへの結合を競合的に阻害する、任意のモノクローナル抗体、またはその変異体もしくは断片に関する。
より特定の実施形態では、本発明のモノクローナル抗体は、抗体7A10、またはその変異体もしくは断片である。
7A10の軽鎖可変領域および重鎖可変領域のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号23および25に提供されている。
より特定の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体であって、(i)配列番号23の軽鎖可変領域CDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、および(ii)配列番号25の重鎖可変領域CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含むものに関する。
配列番号23を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−L1:アミノ酸残基QGISIW(配列番号56)
・CDR−L2:アミノ酸残基KAS(配列番号57)
・CDR−L3:アミノ酸残基LQSQSYPLT(配列番号58)
配列番号25を参照すると、3つのCDR領域は、以下のアミノ酸残基に対応する。
・CDR−H1:アミノ酸残基GFSLTSYG(配列番号59)
・CDR−H2:アミノ酸残基IWGDGST(配列番号60)
・CDR−H3:アミノ酸残基AKEGGLRRGVYFDY(配列番号61)
より特定の実施形態では、本発明は、配列番号23から成る、もしくは本質的に成る軽鎖可変領域、および/または、配列番号25から成る、もしくは本質的に成る重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体に関する。
本発明の抗体は、典型的には免疫グロブリンG(IgG)抗体である。IgG抗体は、重鎖の定常領域のアミノ配列の違いに応じて、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4の4つのアイソタイプに分類できる。本発明の抗体は、任意のIgGアイソタイプに属し得る。
(核酸、ベクター、宿主細胞)
また、本発明は、上記で定義された抗体またはその断片をコードする複数の核酸、およびそのような核酸を含む複製もしくは発現ベクター、ならびに組換え宿主細胞に関する。
別の態様では、本発明は、本発明の抗体をコードする核酸分子、または前記コード配列に相補的な核酸に関する。好ましくは、当該核酸は、単離または精製された核酸である。
核酸は、DNA(cDNAもしくはgDNA)、RNA、またはそれらの混合物であり得る。それは、一本鎖型もしくは二本鎖型またはその2つの混合であり得る。それは、例えば、修飾された結合、修飾されたプリンもしくはピリミジン塩基、または修飾された糖などを含む、修飾されたヌクレオチドを含むことができる。それは、化学合成、組換え、および突然変異誘発を含む、当業者に公知の任意の方法によって調製され得る。本発明に係る核酸を、本発明に係る抗体の配列から推定することができ、核酸が転写される宿主細胞に従ってコドン使用頻度を適合させることができる。これらの工程は、当業者に周知の方法に従って実行することができ、それらのいくつかは、Sambrook等による参照マニュアル(J.Sambrook、D.Russell編、「Molecular cloning:a laboratory manual」、第3版、コールドスプリングハーバー社、2001)に記載されている。
本発明の核酸は、前述の抗体の軽鎖を含むアミノ酸配列および/もしくは重鎖を含むアミノ酸配列をコードしてもよく、またはそのようなコード配列に相補的であってもよい。
そのような核酸配列の特定の例は、配列番号3、5、6、8、10、12、14、16、18、20、22及び24のいずれか、およびその相補的な配列を含む。
本発明はさらに、本発明の核酸を含むベクターを提供する。必要に応じて、ベクターは、本発明のいくつかの核酸を含み得る。特に、当該ベクターは、調節領域、すなわち1つ以上の制御配列を含む領域に作動可能に連結された本発明の核酸を含み得る。必要に応じて、当該ベクターは、いくつかの調節領域に作動可能に連結された本発明のいくつかの核酸を含み得る。
「制御配列」という用語は、コード領域の発現に必要な核酸配列を意味する。制御配列は、内因性または異種であり得る。周知の制御配列であり、当業者によって現在使用されているものが好ましい。そのような制御配列には、プロモーター、シグナルペプチド配列および転写ターミネーターが含まれるが、これらに限定されない。
「作動可能に連結された」という用語は、制御配列がコード領域の発現を指示するように、制御配列がコード配列に対して適切な位置に配置される構成を意味する。
本発明はさらに、宿主細胞を形質転換、形質移入または形質導入するための、本発明に係る核酸またはベクターの使用に関する。
本発明はまた、本発明の1つもしくはいくつかの核酸および/または本発明の1つもしくはいくつかのベクターを含む宿主細胞を提供する。
「宿主細胞」という用語はまた、複製中に生じる突然変異のために親宿主細胞と同一ではない親宿主細胞の任意の子孫を包含する。
抗体をコードしているベクターの複製または発現に適した宿主細胞には、本明細書に記載の原核細胞または真核細胞が含まれる。
例えば、特にグリコシル化およびFcエフェクター機能が必要とされない場合、抗体は細菌において産生され得る。細菌における抗体断片およびポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、第5,789,199号、および第5,840,523号明細書を参照されたい(また、Charltonによる「Methods in Molecular Biology」、Vol.248(B.K.C. Lo編、Humana Press、Totowa、NJ、2003)、pp.245〜254の大腸菌における抗体断片の発現についての記載も参照)。発現後、抗体を、可溶性画分で細菌細胞溶解物から単離することができ、さらに精製することができる。
原核生物に加えて、糸状菌または酵母などの真核微生物は、グリコシル化経路が「ヒト化」されている真菌および酵母菌株を含む、抗体をコードするベクターにとって適切な複製または発現宿主であり、部分的なまたは完全なヒトのグリコシル化パターンを有する抗体を産生する。Gerngrossによる「Nat. Biotech. 22」、1409〜1414、2004、およびLi等による「Nat. Biotech. 24」、210〜215、2006を参照されたい。
グリコシル化抗体の発現に適切な宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物および脊椎動物)に由来する。無脊椎動物細胞の例には、植物および昆虫細胞が含まれる。特にスポドプテラ・フルギペルダ細胞の形質移入のために、昆虫細胞と組み合わせて使用できる多数のバキュロウイルス株が確認された。植物細胞培養物も宿主として利用できる。例えば、米国特許第5,959,177号、第6,040,498号、第6,420,548号、第7,125,978号、および第6,417,429号明細書を参照されたい。
脊椎動物細胞も宿主として使用できる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合されている哺乳動物細胞株は、有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例には、SV40(COS−7)によって形質転換されたサル腎臓CV1株、ヒト胚腎臓株(例えば、グラハム等による「J. Gen. Virol.」、36:59、1977に記載されているように293個または293細胞)、ベビーハムスター腎細胞(BHK)、マウスセルトリ細胞(例えば、メイザーによる「Biol. Reprod. 23」、243〜251、1980に記載されたTM4細胞)、サル腎細胞(CV1)、アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76)、ヒト子宮頸がん細胞(HELA)、イヌ腎細胞(MDCK)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝細胞(Hep G2)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562)、例えばメイザー等による「Annals N.Y. Acad. Sci. 383」、44〜68、1982に記載されたTRI細胞、MRC5細胞、およびFS4細胞がある。他の有用な哺乳動物宿主細胞株には、DHFR−CHO細胞を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(Urlaub等による「Proc. Natl. Acad.Sci. USA」、77:4216、1980)、およびY0、NS0、Sp2/0などの骨髄腫細胞株がある。抗体産生に適した特定の哺乳動物宿主細胞株の概観については、例えば、YazakiおよびWuによる「Methods in Molecular Biology」、Vol.248(BKC Lo編、Humana Press、Totowa、NJ)、pp.255〜268、2003を参照されたい。
本発明はまた、本発明の核酸または本発明のベクターを含む宿主細胞を、上記で提供されるように、抗体の発現に適した条件下で培養すること、および場合により当該宿主細胞または宿主細胞培養培地から前述の抗体を回収することを含む、本発明の抗体を産生する方法に関する。必要に応じて、回収された抗体はさらに精製または単離され得る。適切な培地、培養条件および産生方法は当業者に周知であり、宿主細胞および産生される抗体に従って容易に選択することができる。
(検出、投与、診断の方法)
さらなる態様では、本発明は、上記で定義した抗体または断片を使用してヒトPLA2−GIBを検出するための方法に関する。この方法は、成熟分泌型(sPLA2−GIB)、プロ型(プロ型sPLA2−GIB)、および/または両方の型のヒトPLA2−GIBタンパク質の存在を検出するために使用または実施することができる。そのような方法または抗体は、試料中のPLA2−GIBの存在または量を検出または投与(または定量化)するため、およびそのプロ型および成熟分泌型の比率を評価するために使用され得る。当該方法は、PLA2−GIBの活性に関連する対象の病態を検出または監視するのに特に有用である。
ある特定の実施形態では、当該方法は、a)試料を提供し、およびb)上記で定義した抗体または断片を使用して、試料中のヒトPLA2−GIBタンパク質について、成熟分泌型(sPLA2−GIB)、プロ型(プロ型PLA2−GIB)および/もしくは両方の型の存在または量を検出する。
ある特定の実施形態では、前述の抗体として、14G9、24B2、22C6、28A1、28A3、34G3、22H5および7C5、またはそれらの断片もしくは変異体から選択し、そして前述の方法により、sPLA2−GIBの存在または量を検出することが可能である。
別の特定の実施形態では、前述の抗体として、8G11および18D9、またはそれらの断片もしくは変異体から選択し、前述の方法により、プロ型PLA2−GIBの存在または量を検出することが可能である。
別の特定の実施形態では、前述の抗体として、1C11、7A10、36G10、3B2、18A6、13H8、4G11、7H12および7E2、またはそれらの断片もしくは変異体から選択し、前述の方法により、PLA2−GIBの総量を検出することが可能である。
典型的には、検出工程b)は、(i)試料または試料の生物学的複製を、本明細書に記載のモノクローナル抗体またはその断片もしくは変異体のいずれかと接触させる工程、および(ii)工程(i)で形成された抗体−抗原複合体の存在を検出する工程を含む。
抗体−抗原複合体の存在の検出は、当業者にそれ自体周知であり、文献に広く記載されている任意の技術によって実施することができる。典型的には、検出は、好ましくは第1の捕捉抗体のエピトープとは異なるエピトープに結合する、PLA2−GIBに対する第2の抗体を用いて行うことができる。あるいは、当該捕捉抗体に標識を付し、前述の検出工程で、典型的には未結合の抗体を除去した後に、反応中の標識された量を測定することを含み得る。
ある特定の実施形態では、本発明の抗体、変異体または断片の任意の組み合わせを使用して、試料中のヒトPLA2−GIBタンパク質について、成熟分泌型(sPLA2−GIB)、プロ型(プロ型PLA2−GIB)および/または両方の型を別々に検出するように、当該試料を複製に分割する。
より特定の実施形態では、当該試料を少なくとも2つの複製に分割し、1つの複製を、14G9、24B2、22C6、28A1、28A3、34G3、22H5および7C5から選択した抗体、またはその断片もしくは変異体と接触させることにより、sPLA2−GIBの存在または量の検出が可能であり、1つの複製を、8G11および18D9から選択した抗体、またはその断片もしくは変異体と接触させることにより、プロ型PLA2−GIBの存在または量の検出が可能である。
より特定の実施形態では、当該試料を、さらなる複製に分割し、1C11、7A10、36G10、3B2、18A6、13H8、4G11、7H12および7E2から選択した抗体、またはその断片もしくはその変異体と接触させることにより、PLA2−GIBの総量の検出が可能である。
ある好ましい実施形態では、本方法は、14G9またはその変異体もしくは断片をsPLA2−GIBの存在または量の検出に、8G11またはその変異体もしくは断片をプロ型PLA2−GIBの存在または量の検出に、7A10またはその変異体もしくは断片を試料中のPLA2−GIBの総量の検出に、利用する。
前述の抗体を、表面または粒子上に固定しても、しなくてもよい。反応は、マイクロプレートなどの任意の適切な支持体または容器で、チップ上、ボトル内などで行うことができる。
好ましくは、検出工程(ii)では、例えば、レポーター基に結合され、または検出可能に操作された、標識抗体を利用し、より好ましくは、当該抗体をビオチン化する。より特定の実施形態では、前述の複合体を検出するために使用する抗体を、モノクローナル抗体1C11、4G11、7H12および7E2、ならびにその変異体および断片から選択し、より好ましくは、ビオチン化抗体1C11とする。
前述の方法は、血清試料、血漿試料、全血、生物学的流体などの任意の生物学的試料のような任意の試料で使用することができる。より特定の実施形態では、上述の方法のいずれかにおいて使用する試料を、対象から得る。当該試料を、検出の前に、希釈、濃縮などにより処理してもよい。本発明の方法で使用する前に、凍結乾燥、滅菌、凍結などしてもよい。
特定の実施形態では、この方法を、PLA2−GIBのプロ型および成熟分泌型の比の評価に使用する。
他の特定の実施形態では、上記方法を、PLA2−GIBの活性に関連する対象の病態を監視するために使用することができる。PLA2−GIBの活性に関連する病態の例には、例えば、ウイルス血症HIV感染患者のCD4Tリンパ球の不応答がある。
さらなる態様では、本発明は、免疫反応もしくは抗体−抗原複合体を実施、検出または定量するための、本明細書に記載される少なくとも1つの抗体またはその断片、および試薬を含むキットに関する。
本発明のさらなる態様および利点について、以下の実験の項で開示する。
(材料および方法)
1−ヒト組換えプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBタンパク質の産生
ヒトのプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBを、公開された手順(Singer等、2002;Rouault等、2007)に従って産生した。
2−抗sPLA2−GIBおよび抗プロ型sPLA2−GIB抗体の生成
最初の一連の免疫を、組換えヒトsPLA2および組換えヒトプロ型sPLA2−GIBでマウスを免疫することにより、行った。2回目の一連の免疫を、ヒトPLA2−GIBプロペプチドに対応する18個のアミノ酸ペプチド(配列NH2−DSGISPRAVWQFRKMIKC−COOH、配列番号62)でマウスを免疫し、その後、成熟活性sPLA2−GIBの最初の11個のアミノ酸(配列番号1のアミノ酸残基16〜33位を参照)で免疫することにより、行った。mAbを、プロテインA親和性により精製し、定量化した。mAbのIg類を、製造元の指示に従って市販のマウスmAbアイソタイピングキットで決定した。
3−sPLA2−GIB酵素活性の阻害
異なるモノクローナル抗体(mAb)によるsPLA2−GIB酵素活性の阻害を、公開された手順(Rouault等、2007)に従って試験した。要するに、組換えヒトsPLA2−GIB(0.1nM)について、ハイブリドーマ細胞培養上清(データを示さない)の量を増やしながら、またはヒトsPLA2−GIBを標的とする精製ウサギポリクローナル免疫血清もしくは精製モノクローナル抗体の量を増やしながら(0.1、0.3、1、および3μg)、37℃で30分間インキュベートした。その後、[3H]−オレイン酸で放射標識し加圧滅菌した大腸菌の膜をsPLA2−GIB活性緩衝液のリン脂質基質として用いて、sPLA2−GIB酵素活性を測定した。300μLの停止緩衝液を加えて反応を停止後、混合物を10000gで5分間遠心分離し、放出された[3H]−オレイン酸を含む上清を数えた。
結果を、市販の蛍光酵素活性アッセイを使用して確認した。組換えヒトsPLA2−GIB(3nM)を、室温で120分間精製モノクローナル抗体を増加させながらインキュベートした。sPLA2−GIB酵素活性を、その後、選択的蛍光測定法(AteroDX(登録商標)sPLA2活性、Aterovax社、パリ、フランス)を用いて測定した。結果は、試料1mLあたりのユニット(U/mL)で表され、1ユニットは、1分で1nmolの生成物の放出を触媒するsPLA2−GIB酵素の量として定義される。アッセイの検出限界は17U/mLで、線形分析範囲の上限は232U/mL、機能感度(20%)は21U/mLである。平均実行内変動および平均アッセイ内変動はそれぞれ、5.9%および8.9%である。両方法の結果を、Prism(登録商標)ソフトウェア(Graph Pad)を使用した4パラメーターフィット分析で分析し、IC50として報告した。
4−間接ELISA
マイクロプレートウェルを、通常、一晩4℃、pH7.5のPBS中で100ngの組換えヒトsPLA2−GIBまたはプロ型sPLA2−GIBにより、コーティングした。試料ウェルを0.05%のTween(登録商標)20を含むPBSで3回洗浄した。最終洗浄後、試料ウェルをPBS緩衝液中で1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むブロッキング溶液により室温で60分間処理した。0.05%のTween(登録商標)20を含むPBSで洗浄後、ヒトのプロ型sPLA2−GIBまたはsPLA2−GIBに対して、mAbを(10ng/mLから最大3μg/mLまで)増量しながら抗原がコーティングされたウェルに加え、室温で120分間インキュベートした。0.05%のTween(登録商標)20を含むPBSで洗浄した後、HRP共役ヤギ抗マウスIgGまたはIgAポリクローナル抗体試薬でmAbの結合を検出し、比色基質を使用して現像した。溶液中の抗原濃度に対するシグナルの依存性を、Prism(登録商標)ソフトウェア(Graph Pad)を使用した4パラメーターフィット分析で分析し、EC50として報告した。
5−競合ELISA
プロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBに対する抗体の結合親和性を、プレートベースの競合免疫測定法によって測定した。競合ELISAのために、要するに、様々なレベルの抗体の一定量を、抗原タンパク質であるヒトsPLA2−GIBまたはプロ型sPLA2−GIBの0〜10μg/mlの範囲の連続希釈物と予備混合し、室温で2時間インキュベートし、抗体および抗原の間の擬似結合平衡に到達させた。これらの溶液を、次いで、96ウェルのsPLA2−GIBまたはプロ型sPLA2−GIBを予めコーティングしたプレートに移し、混合物中の遊離抗体をプレートにコーティングしたsPLA2−GIBまたはプロ型sPLA2−GIBに結合させた。プレートは、通常、一晩4℃のPBS溶液中で30〜100ngのヒトsPLA2−GIBまたはプロ型sPLA2−GIBタンパク質でコーティングをし、続いてBSA非特異的ブロッキングを行った。溶液中の過剰な抗体を洗い流した後、プレート結合抗体をHRP共役ヤギ抗マウスIgGまたはIgAポリクローナル抗体試薬で検出し、比色基質を使用して現像した。溶液中の抗原濃度に対するシグナルの依存性を、Prism(登録商標)ソフトウェア(Graph Pad)を使用した4パラメーターフィット分析で分析し、IC50として報告した。
6−SPRによる親和性の決定
上記の選択した抗体へのプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBの結合の親和定数(KD)を、リアルタイムバイオセンサー表面プラズモン共鳴アッセイ(BIAcore(登録商標))での表面速度論により決定した。より具体的には、ヒトプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBに対する前述の抗体の親和性をBIAcore(登録商標)2000を用いて測定した。前述の抗体を抗マウスIgG表面上で捕捉し、様々な濃度の組換えプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBタンパク質に曝露した。BIAevaluationソフトウェアを使用した速度論的分析を行って、会合および解離速度定数を求めた。
7−エピトープマッピングおよびmAb競合
マイクロプレートウェルを、通常、一晩4℃、pH7.5のPBS中で10ngの組換えヒトsPLA2−GIBまたはプロ型sPLA2−GIBにより、コーティングした。試料ウェルを0.05%のTween(登録商標)20を含むPBSで3回洗浄した。最終洗浄後、試料ウェルをPBS緩衝液中で1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むブロッキング溶液により室温で60分間処理した。0.05%のTween(登録商標)20を含むPBSで洗浄後、ビオチン化mAb(#14G9、#1C11、#8G11または#7A10)10ngを1μgの非ビオチン化mAbの存在下で抗原がコーティングされたウェルに添加し、室温で120分間インキュベートした。0.05%のTween(登録商標)20を含むPBSで洗浄後、ストレプトアビジン−HRP共役体でmAbの結合を検出し、比色基質を使用して現像した。
8−mAb可変領域の配列化
mAbsの可変領域を、古典的な手順に従って配列化した。要するに、ハイブリドーマ細胞から高純度のRNAを抽出し、高忠実度の逆転写酵素を使用して相補的なDNA鎖を合成した。高忠実度PCRを使用して生成されたPCR産物と、抗体重鎖および軽鎖をコードするcDNAを特異的にターゲットする縮重プライマーを直接配列化(二重鎖配列化)した。cDNA配列を分析し、組み立てた。ペプチド配列を、抗体の構造に応じて翻訳し検証した。
9−sPLA2−GIBおよびプロ型sPLA2−GIBサンドイッチELISAの開発
上記のmAbを使用することにより、プロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIBまたは両方の型に特化したサンドイッチELISAを構築した。プロ型sPLA2−GIB検出のため、#8G11mAbを捕捉抗体として使用し、#1C11mAbを曝露mAbとして使用した。sPLA2−GIB検出のため、#14G9mAbを捕捉抗体として使用し、#1C11mAbを曝露mAbとして使用した。両方の型を検出するために、#7A10mAbを捕捉抗体として使用し、#1C11mAbを曝露mAbとして使用した。マイクロプレートの性質、ウェルの最終容量、インキュベートの時間と温度、ストレプトアビジン−HRPの性質と濃度、アッセイ緩衝液の組成、添加した界面活性剤の性質と濃度などのさまざまなパラメータを検討して、アッセイを最適化した。典型的なアッセイ条件は次のとおりである。すなわち、#8G11または#14G9がコーティングされたマイクロプレートを、組換えヒトプロ型sPLA2−GIBまたはsPLA2−GIB標準(アッセイ緩衝液中のタンパク質濃度が様々である)と1時間インキュベートして、較正曲線を作成した。EDTA血漿試料を希釈緩衝液でそれぞれのウェルに希釈(5〜50倍)し、ELISAプレートを室温で1時間インキュベートした。吸引後、ウェルを0.05%のTween(登録商標)20を含むPBSで3回洗浄し、ビオチン化#1C11共役体を室温で30分間ウェルに添加した。0.05%のTween(登録商標)20を含むPBSで洗浄した後、ストレプトアビジン−HRP共役体により室温で15分間処理することにより、mAbの結合を検出した。TMBを加え、反応を停止し、マイクロプレートリーダーで450nmでの吸光度を決定した。Prism(登録商標)ソフトウェア(Graph Pad)を使用して、4パラメーターフィット分析でシグナルを分析した。
10−ヒト血漿試料中のsPLA2−GIBおよびプロ型sPLA2−GIB濃度の測定
年齢、性別、ボディマス指数(Bioreclamation IVT社)が既知の明らかに健康な99人のドナーからなる商業コホートのEDTA血漿試料を、上記で開発した条件によるプロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIB、および両方の型(総PLA2−GIB)を検出する3つの異なるELISAアッセイで試験した。パラメータ間の相関を、ノンパラメトリック検定(R. Spearman)を使用して評価した。
(結果)
(抗sPLA2−GIB抗体および抗プロ型sPLA2−GIB抗体の生成)
モノクローナル抗体を、組換えヒトプロ型sPLA2−GIB、組換えヒトsPLA2−GIBまたはヒトsPLA2−GIBプロペプチドに対応する18アミノ酸ペプチドおよびその後の成熟活性sPLA2−GIBの最初の11アミノ酸でマウスを免疫することによって産生した。各サブクローンの生成に使用した抗原を表1に示す。
(sPLA2酵素活性の阻害による抗体のスクリーニング)
異なるmAbのsPLA2−GIB酵素活性を阻害する能力について、精製モノクローナル抗体を増量させながら、放射標識された膜を組み換えヒトsPLA2−GIBでインキュベートすることによって試験した。結果を、試験した最高濃度のmAbで観察された酵素活性の阻害率として表し、表1に示す。
(間接ELISAによる抗体の比較)
異なるmAbについて、間接的ELISA法において、ヒトのsPLA2−GIBまたはプロ型sPLA2−GIBによりマイクロプレートをコーティングし、結合したmAbをHRP共役ヤギ抗マウスIgGポリクローナル抗体試薬により検出することによって、比較した。典型的なシグナル曲線の例を図2に示し、それらのプロファイルから推定したEC50を表1に示す。
(競合ELISAによる抗体の親和性決定)
ヒトプロ型sPLA2−GIBおよびヒトsPLA2−GIBに対する抗体の結合親和性について、それぞれ、プレートベースの競合免疫測定法によって測定した。要するに、様々なレベルの抗体の一定量を、抗原タンパク質の連続希釈物と予備混合し、抗体と抗原の間の擬似結合平衡に到達させた。これらの溶液を、次いで、抗原を予めコーティングしたプレートに移し、混合物中の遊離抗体をプレートにコーティングしたsPLA2−GIBまたはプロ型sPLA2−GIBに結合させた。プレート結合抗体をHRP共役ポリクローナル抗体試薬で検出した。滴定曲線の例を図3に示す。データを4PLロジスティック非線形回帰モデルでフィッティングし、当該モデルから相対IC50値を推定した(表2)。
(SPRによる抗体の親和性測定)
上記の選択した抗体へのプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBの結合の親和定数(KD)を、リアルタイムバイオセンサー表面プラズモン共鳴アッセイ(BIAcore(登録商標))での表面速度論により決定した。より具体的には、ヒトプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBに対する前述の抗体の親和性をBIAcore(登録商標)2000を用いて測定した。前述の抗体を抗マウスIgG表面上で捕捉し、様々な濃度の組換えプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBタンパク質に曝露した。BIAevaluationソフトウェアを使用した速度論的分析を行って、会合および解離速度定数を求めた(表3)。
(エピトープマッピングおよびmAb競合)
#14G9、#1C11、#8G11、および#7A10mAbのエピトープマッピングを競合ELISAで評価した。ビオチン化mAbである#14G9、#1C11、#8G11または#7A10を、過剰な非ビオチン化mAbの存在下で、sPLA2−GIBまたはプロ型sPLA2−GIBをコーティングしたプレートに添加した。その後、結合したmAbをストレプトアビジン−HRP共役体で検出した。結果を、自己競合を差し引いた後のシグナルのパーセンテージとして表し、0%は最大競合、100%は競合が無いことを表す(表4)。
(可変領域の配列化)
本発明の抗体の軽鎖および重鎖の可変領域のアミノ酸および核酸配列を決定し、配列表に提示している。
(サンドイッチELISAによるプロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIBまたは両方の型の検出)
プロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIBまたは両方の型に特化したサンドイッチELISAを、適合するmAbのペアを用いて開発した(表5を参照)。チモーゲン不活性型酵素を特異的に捕捉するため#8G11mAbを使用し、成熟型酵素を捕捉するため成熟型sPLA2−GIBに非常に特異なmAbとして#14G9サブクローンを使用し、両方の型を捕捉するため#7A10mAbを使用した。高親和性#1C11サブクローンのビオチン化共役体を使用して、捕捉した抗原を検出した。異なるアッセイ条件を最適化し、3つの異なるサンドイッチELISAの分析性能を評価した。それぞれ、プロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIBおよび両方の型に特化したものである。これら3つの異なるアッセイの分析性能の概要を表5に示す。
アッセイの精度について、2つのヒト血清試料にプロ型sPLA2−GIBまたはsPLA2−GIBを添加して試験した。3つのアッセイでの回収率は80%から120%であり、マトリックスの効果が限定的であることを示す。検出のアッセイ限界について、ゼロキャリブレーターからの平均+3SD評価に基づいて推定し、プロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIBまたは両方の型において、それぞれ0.1ng/mL、0.02ng/mL、0.10ng/mlと決定した。ヒト血清試料は、内因的な量のプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIBを含むので、下限の定量化を試験する前に、まず、#8G11または#14G9mAbでヒト血清試料を枯渇させた。LLOQについて、枯渇したヒト血清の平均光学密度に基づいて、プロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIB、または両方の型のアッセイにおいて、それぞれ0.04ng/mL、0.02ng/mL、0.08ng/mLと推定した。HLOQについて、組換えプロ型sPLA2−GIBまたはsPLA2−GIBを増量して添加した試料の評価に基づいて、プロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIB、または両方の型のアッセイにおいて、それぞれ5ng/ml、1ng/mLまたは5ng/mLと決定した。実行内および実行間CV(アッセイ精度)について、ダイナミックレンジ全体に分布する3つのヒト血清を繰り返し試験することによって決定した。実行内および実行間CVは、2.3%〜14.5%間の範囲であることが判明した(詳細は表5を参照)。3つの異なるアッセイで、高リウマチ因子レベル(最大600UI/mL)の6つのヒト試料を試験したところ、有意な干渉は観察されなかった。アッセイの直線性について、連続的に希釈した高レベルの試料を試験することによって決定した。回収の平均%は80%および120%の間であり、3つのアッセイで良好な直線性を示した。
(ヒト血漿試料中のプロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIBまたは両方の型の濃度測定)
上記のELISAサンドイッチ法を使用して、25〜59歳の臨床的に適切な年齢範囲内の50人の明らかに健康な男性および49人の明らかに健康な女性からの合計99試料で、年齢、性別、およびボディマス指数(BMI)によるプロ型sPLA2−GIBおよびsPLA2−GIB分布を調べた。この集団の平均(標準偏差SD)年齢は41.5(9.8)歳で、平均(SD)BMIは30.5(7.9)であった。
分析した母集団全体で、プロ型sPLA2−GIBレベルは、1.0〜16.3ng/mLの範囲であった。平均(SD)のプロ型sPLA2−GIBレベルは、7.8(2.8)ng/mL、中央値は7.5ng/mLであった。sPLA2−GIBのレベルは、25pg/mL〜1.3ng/mL、および平均(SD)は、287(243)pg/mL、中央値は231pg/mLであった。総sPLA2−GIBレベルは、2.5〜20.5ng/mLの範囲で、平均(SD)は、9.3(3.2)ng/mL、中央値は9.1ng/mLであった。
患者特性を表6に提示し、性別および年齢によるパーセンタイル分布、およびプロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIB、両方の型(総量)レベルの平均(SD)を表7に示す。表6に示されるように、プロ型sPLA2−GIB、sPLA2−GIBまたは両方の型のレベルおよび性別、年齢、もしくはBMIの間の相関は、試験した母集団内では観察されなかった。
プロ型sPLA2−GIBおよび総sPLA2−GIBレベルは強く相関し(スピアマンR=0.938、p<0.0001)、一方、プロ型sPLA2およびsPLA2−GIBレベルは弱くしか相関しなかった(スピアマンR=0.318、p=0.002)。
(sPLA2−IBによるリン酸化STAT5の核移行の阻害に対する#14G9mAbの生体内効果)
CD4T細胞中でのIL−7誘導リン酸化STAT5の核移行に対するsPLA2−IB注入の阻害効果を生体内で相殺する#14G9mAbの能力について試験し、マウスに最初、1mgの#14G9mAbを注入し、その後、100μgのsPLA2−GIBを注入した。処置されたマウスの脾細胞から単離されたCD4T細胞におけるリン酸化STAT5の核移行を、その後、共焦点顕微鏡によって分析した。
図4に示すように、マウスに100μgのsPLA2−GIBを注入すると、脾細胞から分離されたCD4T細胞中のリン酸化STAT5の核移行が60%阻害された。この効果は、先に1mgの#14G9mAbを注入することによって完全に無効になったが、対照の注入では有意な効果は観察されなかった。
(エピトープの定義)
ヒト化型#14G9の抗原結合性(Fab)断片をその抗原と一緒に共結晶化し、sPLA2−GIBおよびその共結晶のX線回折データをソレイユ シンクロトロン(サン・トーバン、フランス)のPROXIMA−1ビームラインで収集した。結晶は、非対称ユニットごとに2つのsPLA2−GIB/Fab複合体を持つP21空間グループ(a=71.9Å、b=83.8Å、c=103.9Å;α=β=99.58°)に属する。sPLA2−GIB/Fab複合体構造の解明により、複合体における非共有相互作用に関与する重要な残基の同定およびエピトープの定義が可能になった。図5に示すように、sPLA2−GIBにおいて、W3、R6、およびK7は、抗原結合性軽鎖との相互作用に関与し、K10、C77、Y75、G79およびS80は、抗原結合性重鎖との相互作用に関与する。
(配列リスト)
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n.d.:不検出.t1/2:半減期定数(=1/koff).
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Claims (20)

  1. 配列番号2を含む軽鎖可変領域および配列番号4を含む重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体14G9のヒトsPLA2−GIBに対する結合を競合阻害する、ヒトsPLA2−GIBタンパク質に結合するモノクローナル抗体、またはその変異体もしくは断片。
  2. sPLA2−GIBを阻害する、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  3. 配列番号26を参照して、ヒトsPLA2−GIBタンパク質のW3、R6、K7、K10、C77、Y75、G79およびS80から選択された少なくとも1つのアミノ酸残基を含むエピトープに結合する、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  4. ヒトsPLA2−GIBタンパク質のW3、R6、K7、K10、C77、Y75、G79およびS80から選択された少なくとも1つのアミノ酸残基を含むエピトープに結合する、モノクローナル抗体またはその断片。
  5. 配列番号2の前記軽鎖可変領域のCDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、並びに配列番号4の前記重鎖可変境域のCDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  6. 配列番号5の前記軽鎖可変領域のCDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、並びに配列番号7の前記重鎖可変境域のCDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  7. 配列番号11の前記軽鎖可変領域のCDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、並びに配列番号13の前記重鎖可変境域のCDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  8. 配列番号15を含む軽鎖可変領域および配列番号17を含む重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体8G11のヒトプロ型PLA2−GIBに対する結合を競合阻害する、ヒトプロ型PLA2−GIBタンパク質に結合するモノクローナル抗体またはその断片。
  9. 配列番号15の前記軽鎖可変領域のCDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、並びに配列番号17の前記重鎖可変境域のCDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含む、請求項8に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  10. ヒトPLA2−GIBタンパク質の分泌型(sPLA2−GIB)およびプロ型(プロ型PLA2−GIB)の両方に結合するモノクローナル抗体またはその断片。
  11. 配列番号19を含む軽鎖可変領域および配列番号21を含む重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体1C11の分泌および/またはプロ型ヒトPLA2−GIBタンパク質に対する結合を競合阻害する、請求項10に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  12. 配列番号19の前記軽鎖可変領域のCDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、並びに配列番号21の前記重鎖可変境域のCDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含む、請求項11に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  13. 配列番号23を含む軽鎖可変領域および配列番号25を含む重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体7A10の分泌および/またはプロ型ヒトPLA2−GIBタンパク質への結合を競合阻害する、請求項11に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  14. 配列番号23の前記軽鎖可変領域のCDR−L1、CDR−L2、およびCDR−L3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−L1、CDR−L2、および/もしくはCDR−L3を含む軽鎖可変領域、並びに配列番号25の前記重鎖可変境域のCDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3のそれぞれから成る、または本質的に成るCDR−H1、CDR−H2、および/もしくはCDR−H3を含む重鎖可変領域を含む、請求項13に記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の抗体を含む組成物。
  16. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の抗体、その軽鎖もしくは重鎖、またはその可変ドメインをコードする核酸。
  17. 試料中のヒトPLA2−GIBタンパク質を検出するための方法であって、
    (i)前記試料を請求項1〜14のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体と接触させ、
    (ii)工程(i)で形成された抗体−抗原複合体の存在を検出する、方法。
  18. 前記試料を反復して分割し、前記成熟分泌型(sPLA2−GIB)、前記プロ型(プロ型PLA2−GIB)、および/または前記ヒトPLA2−GIBタンパク質の両方の型を別々に検出する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記成熟分泌型(sPLA2−GIB)、前記プロ型(プロ型PLA2−GIB)、および/または前記ヒトPLA2−GIBタンパク質全体の量を投与する、または監視する、請求項17または18に記載の方法。
  20. 免疫反応もしくは抗体−抗原複合体を実行、検出または定量化するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の抗体の少なくとも1つまたはその断片、および試薬を含むキット。

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