JP2021510774A - 高い表面品質を有する6xxxアルミニウムシートの製造方法 - Google Patents

高い表面品質を有する6xxxアルミニウムシートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021510774A
JP2021510774A JP2020559027A JP2020559027A JP2021510774A JP 2021510774 A JP2021510774 A JP 2021510774A JP 2020559027 A JP2020559027 A JP 2020559027A JP 2020559027 A JP2020559027 A JP 2020559027A JP 2021510774 A JP2021510774 A JP 2021510774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
hot rolling
ingot
temperature
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020559027A
Other languages
English (en)
Inventor
ボワソネ,ロラン
マス,ジャン−フィリップ
ギリオンダ,ジル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Constellium Neuf Brisach SAS
Original Assignee
Constellium Neuf Brisach SAS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Constellium Neuf Brisach SAS filed Critical Constellium Neuf Brisach SAS
Publication of JP2021510774A publication Critical patent/JP2021510774A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/05Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys of the Al-Si-Mg type, i.e. containing silicon and magnesium in approximately equal proportions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/06Alloys based on aluminium with magnesium as the next major constituent
    • C22C21/08Alloys based on aluminium with magnesium as the next major constituent with silicon
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B3/00Rolling materials of special alloys so far as the composition of the alloy requires or permits special rolling methods or sequences ; Rolling of aluminium, copper, zinc or other non-ferrous metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/02Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/002Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working by rapid cooling or quenching; cooling agents used therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/043Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys with silicon as the next major constituent
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B3/00Rolling materials of special alloys so far as the composition of the alloy requires or permits special rolling methods or sequences ; Rolling of aluminium, copper, zinc or other non-ferrous metals
    • B21B2003/001Aluminium or its alloys

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

本発明は、6xxx系アルミニウムシートの生産方法において、6XXX系アルミニウム合金製のインゴットを均質化するステップと、熱間圧延開始温度まで直接、150℃/時から2000℃/時の範囲内の冷却率で均質化済みインゴットを冷却するステップと、熱間圧延温度、詳細には熱間圧延開始温度と熱間圧延出口温度の関係を制御しかつ/またはコイリング後の粒度を制御しながら、インゴットを熱間圧延最終厚みまで熱間圧延し、熱間圧延最終厚みで少なくとも90%の再結晶化が得られるような条件でコイリングするステップと、冷間圧延シートを得るために冷間圧延するステップと、を含む方法に関する。本発明の方法は、冷間スタンピング作業に好適な高い引張り降伏強度と優れた成形性特性ならびに高い表面品質を兼ね備えた自動車産業用のシートを製造するために極めて有益である。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車産業にとって極めて有用な6XXX系アルミニウムシートの製造方法に関する。
自動車向けのシートまたはブランクの形で、さまざまなアルミニウム合金が使用されている。これらの合金の中でも、AA6xxxアルミニウム合金系、例えばAA6016−T4は、硬度、強度さらには耐腐食性などの興味深い化学的および機械的特性を兼ね備えるものとして知られている。上述の要件に加えて、別の要件として、自動車の構成要素のためのアルミニウム合金には、打抜き加工または成形されたアルミニウムシート構成要素の表面上に出現するローピングまたはペイントブラシラインと呼ばれる好ましくないおよび/または有害な表面欠陥が無い、ということがある。ローピングラインは、典型的な打抜き、または成形作業において発生するものなどの十分な横方向歪の適用時点でのみ、圧延方向に出現する。近年、最終的な製品の外観に関連性のあるあらゆる方向表面粗化を含め、デジタル画像の分析に基づく表面品質の新規基準が現われた。このタイプの方法は、例えば、A.Guillotinら、(MATERIALS CHARACTERIZATION 61(2010)1119−1125)またはVDA(Verband Der Automobilindustrie,German Association of the Automotive Industry)リコメンデーション239−400、2017年7月、によって説明されてきた。これらの特性は、概して、AA6xxxアルミニウム合金を自動車産業における最適な材料にするものである。これらのシートの利用分野の恒常的増加そして自動車産業において求められる表面品質に向き合うため、顧客が求める所与の表面品質についてこのような製品の製造方法の速度を改善することが求められている。実際、複数の熱処理を含む現行の方法は、表面品質と成形性については有効であるものの、時間と費用がかかる場合がある。
米国特許第6652678号明細書は、6000系アルミニウム合金のインゴットを自己焼鈍シートに変換する方法において、インゴットを、まず少なくとも560℃、次に450℃〜480℃での2段階均質化処理に付すこと、そしてその後、450℃〜480℃の熱間圧延開始温度および320℃〜360℃の熱間圧延最終温度で均質化済みインゴットを熱間圧延することを含む方法について記載している。結果として得られる熱間圧延シートは、著しく低い立方晶再結晶化成分を有する。
米国特許出願公開第2016/0201158号明細書は、6xxx系アルミニウムシートの生産方法において、インゴットを形成するために6xxx系アルミニウム合金を鋳造するステップと、インゴットを均質化するステップと、熱間圧延中間製品を生産するためにインゴットを、a)出口温度でのコイリングの後、直ちに焼鈍炉内に入れる、またはb)出口温度でのコイリングの後、室温まで冷却し、その後焼鈍炉内に入れることが後に続く、熱間圧延するステップと、焼鈍ステップと、冷間圧延ステップと、シートを連続焼鈍および溶体化熱処理プロセスに付すステップ、を含む方法について記載している。この出願では、自己焼鈍の方法に関する問題を詳しく述べている。
欧州特許出願公開第1375691号明細書は、主要合金成分としてSiおよびMgを含有する6000型のアルミニウム合金の圧延シートの生産方法において、インゴットを均質化処理に付すステップと、100℃/時以上の冷却率で350℃未満の温度まで、任意には室温まで冷却するステップと、300〜500℃の温度まで再び加熱し、それを熱間圧延に付すステップと、熱間圧延製品を冷間圧延するステップと、焼入れステップが後に続く冷間圧延シートを400℃以上の温度で溶体化処理するステップとを含む方法について記載している。
欧州特許出願公開第0786535号明細書は、0.4重量%以上1.7重量%未満のSi、0.2重量%以上1.2重量%未満のMgおよび残余分のAlおよび不可避的不純物を含有するアルミニウム合金インゴットを、500℃以上の温度で均質化し、結果として得られた製品を500℃以上の温度から350〜450℃の範囲内の温度まで冷却し、熱間圧延を開始し、熱間圧延ステップを200〜300℃の範囲内の温度で終了し、結果として得られた製品を、溶体化処理の直前に50%以上の圧下比で冷間圧延に付し、冷間圧延製品を次に溶体化処理し、この処理において、2℃/秒以上の温度上昇率で500〜580℃の範囲内の温度で10分以下の時間保持し、結果として得られた製品を硬化に付し、そこで5℃/秒以上の冷却速度で100℃以下の温度まで冷却する、方法について記載している。
アルミニウム合金シートの成形性に関しては、それが、合金中の析出を構成するAl−Fe−Si、Mg−Si粒子などの粒子の粒度、ならびに合金のテクスチャに関係付けされるということが示されている。例えば、特開2012−077319号公報、特開2006−241548号公報、特開2004−010982号公報、特開2003−226926号公報は、これらの粒子の粒度および分布の制御、質感および結果としてのr値の制御を視点に入れた方法を提案する。
その一方で、上述のような成形性の改善に関連する提案と並行して、成形後の外観品質との関係におけるローピング耐性の改善を目的としたいくつかの新たな取り組みも同様に報告されてきている。これらによると、ローピングの発生は、材料の再結晶化挙動に関係している。そして、ローピング発生を抑える方策として、合金インゴットの均質化後に実施される熱間圧延などを用いたシート生産の段階において再結晶化を制御することが提案されてきた。このようなローピング耐性の改善の実際的方策として、特許第2823797号公報および特許第3590685号公報は、450℃以下の比較的低い温度に熱間圧延の開始温度を主に設定することによって熱間圧延中の結晶粒の粗大化を抑え、後続する冷間加工および溶体化処理後の材料構造を制御しようとしている。特開第2009−263781号公報は、熱間圧延の後、温暖部域内での異なる円周速度の圧延そして低温部域内での異なる円周速度の圧延を実施することについて述べている。ここで、特許3590685号公報および特開2012−77318号公報および特開2010−242215号公報は、熱間圧延の後に中間焼鈍を行なうかまたは、短時間の冷間圧延を実施した後に中間焼鈍を行なうことを提案している。
特開2015−067857号公報は、自動車のパネル向けのAl−Mg−Siベースのアルミニウム合金シートの製造方法において、Si:0.4〜1.5重量%、Mg:0.2〜1.2重量%、Cu:0.001〜1.0重量%、Zn:0.5重量%以下、Ti:0.1重量%未満、B:50ppm以下を含み、さらにMn:0.30重量%以下、Cr:0.20重量%以下、Zr:0.15重量%以下のうちの一つまたは二以上を含み、残りがAlおよび不可避的不純物であるインゴットを調製し、前記インゴットを450℃超の温度で均質化処理し、100℃/時超の冷却速度で350℃未満まで冷却し、再び380℃〜500℃の温度で再加熱し、圧延プロセスを開始するべく熱間圧延を行ない、厚み4〜20mmのプレートを創出し、前記プレートを、プレート厚み減少率が20%超でありプレート厚みが2mm超となるような形で冷間圧延し、350〜580℃の温度で中間焼鈍し、さらに冷間圧延し、その後450〜600℃の温度範囲で溶体化処理した後100℃/分超の平均冷却速度で150℃未満の温度まで急速に冷却させ、急速冷却プロセス後60分間以内に、10〜500分間40〜120℃内に留まるように熱処理を行うことを特徴とする方法について記載している。
米国特許第6652678号明細書 米国特許出願公開第2016/0201158号明細書 欧州特許出願公開第1375691号明細書 欧州特許出願公開第0786535号明細書 特開2012−077319号公報 特開2006−241548号公報 特開2004−010982号公報 特開2003−226926号公報 特許2823797号公報 特許3590685号公報 特開2009−263781号公報 特開2012−077318号公報 特開2010−242215号公報 特開2015−067857号公報
A.Guillotinら、(MATERIALS CHARACTERIZATION 61(2010)1119−1125) VDA(Verband Der Automobilindustrie,German Association of the Automotive Industry)リコメンデーション239−400、2017年7月
したがって、冷間打抜き作業に好適な高い引張り降伏強度および優れた成形性特性ならびに高い表面品質および高い耐腐食性を兼ね備え、特に生産性の高い6xxx系アルミニウム合金シートの改良型生産方法に対するニーズが、自動車産業において存在する。
本発明の目的は、6xxx系アルミニウムシートの生産方法において、
− 好ましくは、0.3〜1.5重量%のSi、0.1〜1.2重量%のMgおよび0.5重量%以下のCu、0.03〜0.5重量%のMnおよび/または0.01〜0.4重量%のCr、0.03〜0.4重量%のFe、最大0.5重量%のZn、最大0.2重量%のV、最大0.2重量%のZr、最大0.1重量%のTi、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05重量%かつ合計0.15重量%の不可避的不純物を含む6XXX系アルミニウム合金製のインゴットを均質化するステップと、
− 熱間圧延開始温度HRSTまで直接、150℃/時から2000℃/時の範囲内の冷却率で均質化済みインゴットを冷却するステップと、
− インゴットを熱間圧延最終厚みまで熱間圧延し、熱間圧延最終厚みおよび熱間圧延出口温度で、少なくとも90%の再結晶が得られるような条件でコイリングするステップであって、ここで前記HRSTは350℃〜450℃であり、熱間圧延出口温度が少なくとも300℃で、1.2×HRST−135℃と1.2×HRST−109℃の間に含まれ、かつ/または長手方向で160μm未満というASTM E−112の切断法に準じた中間厚みと4分の1厚みの間のL/ST断面での平均粒度を得るように設定されている、ステップと、
− 冷間圧延シートを得るために冷間圧延するステップと、
を含む方法にある。
本発明の別の目的は、VDAリコメンデーション239−400による、4.8未満、好ましくは4.5未満という表面品質を有する、本発明の方法により得ることのできる、溶体化熱処理され焼入れされた6xxx系アルミニウムシートにある。
本発明のさらに別の目的は、自動車産業における、本発明に係る溶体化熱処理され焼入れされた6xxx系アルミニウムシートの使用にある。
以下で言及する全てのアルミニウム合金は、別段の記載がないかぎり、アルミニウム協会が定期的に刊行するRegistration Record Series中で定義する規則および呼称を用いて表わされている。
言及される冶金学的質別は、欧州規格EN−515を用いて呼称されている。
全ての合金組成は、重量%単位で提供されている。
発明者らは、6xxxアルミニウム合金系を製造するための先行技術の方法が、強度、成形性特性および耐腐食性を損なうことなくかつ表面品質の改善を伴って、改善可能であることを発見した。
本発明によると、6xxx系アルミニウム合金を用いて、鋳造、典型的には直接チル鋳造により、インゴットが調製される。インゴットの厚みは好ましくは少なくとも250mm、または少なくとも350mmそして好適には、プロセスの生産性を改善するため、少なくとも400mm、さらには少なくとも500mmまたは600mmもの厚みを有する非常に厚いゲージのインゴットである。好ましくは、インゴットは幅が1000〜2000mmで、長さが2000〜8000mmである。
Si含有量は0.3重量%〜1.5重量%である。
Siは、本発明の合金系の基礎を成す合金化元素であり、Mgと共に強度の改善に寄与する。Si含有量が0.3重量%未満である場合、上述の効果は不十分であり得、一方1.5重量%を超える含有量は、粗なSi粒子および粗なMg−Siベース粒子の発生をひき起こす可能性があり、曲げ加工性の降下を導く。したがってSi含有量は好ましくは0.3〜1.5重量%の範囲内で設定される。最小Si含有量は、0.55重量%または0.6重量%または0.7重量%または0.8重量%または0.9重量%または1.0重量%または1.1重量%が有利であり得る。最大Si含有量は、1.4重量%、または1.3重量%または1.2重量%、または1.1重量%が有利であり得る。
Mgも同様に、本発明の目標である合金系のベースを形成する合金化元素であり、SiおよびMgと共に、強度の改善に寄与する。Mg含有量は0.1重量%〜1.2重量%である。Mg含有量が0.1重量%未満である場合、強度の改善に寄与するG.P.ゾーン形成は、塗料焼付けの時点での析出硬化に起因して減少し、したがって、強度の改善は不十分であり得る。一方で、1.2重量%を超える含有量は、粗なMg−Siベース粒子の発生をひき起こし、曲げ加工性の低下を導く可能性がある。最小Mg含有量は、0.15重量%または0.20重量%または0.25重量%または0.30重量%または0.35重量%または0.40重量%または0.45重量%または0.50重量%または0.55重量%が有利であり得る。最大Mg含有量は、0.90重量%または0.85重量%または0.80重量%または0.75重量%または0.70重量%または0.65重量%または0.60重量%または0.55重量%が有利であり得る。
SiおよびMg含有量にはいくつかの有利な組合せがある。一実施形態において、Si含有量は、1.1重量%〜1.5重量%、好ましくは1.2重量%〜1.4重量%であり、Mg含有量は、0.1重量%〜0.5重量%、好ましくは0.2重量%〜0.4重量%である。別の実施形態において、Si含有量は、0.7重量%〜1.1重量%、好ましくは0.8重量%〜1.0重量%であり、Mg含有量は0.2重量%〜0.6重量%、好ましくは0.3重量%〜0.5重量%である。さらに別の実施形態において、Si含有量は0.55重量%〜0.95重量%、好ましくは0.65重量%〜0.85重量%であり、Mg含有量は、0.45重量%〜0.85重量%、好ましくは0.50重量%〜0.75重量%である。
高い表面品質を可能にする本発明のプロセスパラメータは、多くとも0.5重量%、好ましくは多くとも0.2重量%、そして好適には多くとも0.1重量%のCu含有量について定義されたものである。
MnおよびCrは、強度の改善、結晶粒微細化および構造の安定化のために有効な元素である。それぞれMn含有量が0.03重量%未満、および/またはCr含有量が0.01重量%未満である場合、上述の効果は不十分である。一方で、0.5重量%を超えるMn含有量および/または0.4重量%を超えるCr含有量は、上述の効果の飽和をひき起こすのみならず、成形性、特に縁曲げに対する不利な影響を有し得る多数の金属間化合物の生成もひき起こす可能性がある。その結果、Mn含有量は0.03〜0.5重量%の範囲内および/またはCrは0.01〜0.4重量%の範囲内にそれぞれ設定される。好適には、Mn含有量は0.04〜0.3重量%の範囲内、および/またはCrは0.02〜0.3重量%の範囲内にそれぞれ設定される。
Feも同様に、強度の改善および結晶粒微細化のための有効な元素である。Fe含有量が0.03重量%未満であると、十分な効果を生み出さない可能性があり、一方、Fe含有量が0.4重量%を超えると、曲げ加工性を低下させ得る多数の金属間化合物の生成をひき起こす可能性がある。その結果、Fe含有量は、0.03重量%〜0.4重量%、好ましくは0.1重量%〜0.3重量%の範囲内に設定される。一実施形態において、Fe含有量は0.2重量%未満である。
Znは、本発明の利点から逸脱することなく、最大0.5重量%、好ましくは最大0.2重量%まで添加可能である。一実施形態において、Znは不可避的不純物の中に入る。
Vは、本発明の利点から逸脱することなく最大0.2重量%、好ましくは最大0.1重量%まで添加可能である。一実施形態において、Vは不可避的不純物の中に入る。
Zrは、本発明の利点から逸脱することなく最大0.2重量%、好ましくは最大0.1重量%まで添加可能である。一実施形態において、Zrは、不可避的不純物の中に入る。
Ti、TiBなどの結晶粒微細化剤は、典型的に、最大0.1重量%そして好ましくは0.01〜0.05重量%の合計Ti含有量で添加される。
残余分は、アルミニウムおよび最大各々0.05重量%かつ合計0.15重量%の不可避的不純物である。
本発明に好適である特に好ましいアルミニウム合金組成は、AA6005、AA6022、およびAA6016である。
本発明の第1の好ましい実施形態において、前記6xxx系アルミニウム合金は、重量%で、Si:0.55〜0.95、Mg:0.45〜0.85、Cu:最大0.1、Mn:0.03〜0.1、Fe:0.05〜0.20、Ti:最大0.05、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05かつ合計0.15の不可避的不純物を含む。この第1の好ましい実施形態では、2%の伸長および185℃で20分間の焼付硬化後のLT方向での引張り降伏強度TYSは有利には225MPa超、そして好ましくは235〜265MPaである。この実施形態は、高い強度を得るために有益である。
本発明の第2の好ましい実施形態において、前記6xxx系アルミニウム合金は、重量%で、Si:0.7〜1.5、Mg:0.1〜0.8、Cu:最大0.2、Mn:0.03〜0.3、Fe:0.03〜0.4、Ti:最大0.1、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05かつ合計0.15の不可避的不純物を含み、好ましくは、Si:0.8〜1.1、Mg:0.2〜0.6、Cu:最大0.1、Mn:0.03〜0.2、Fe:0.1〜0.3、Ti:最大0.05、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05かつ合計0.15の不可避的不純物を含む。この第2の好ましい実施形態では、2%の伸長および185℃で20分間の焼付硬化後のLT方向での引張り降伏強度TYSは有利には200〜225MPa、そして好ましくは210〜220MPaに含まれる。この実施形態は、高い成形性を得るために有益である。
インゴットは、次に、典型的には500℃〜590℃の温度、好ましくは500℃〜570℃、より好ましくは540℃〜560℃の温度で、典型的には0.5〜24時間の期間、例えば少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間、均質化される。一実施形態において、均質化は、高くとも555℃の温度で実施される。均質化は、一段階で、または初期溶融を回避するため、温度が上昇する複数の段階で実施されてよい。
均質化の後、インゴットは、150℃/時〜2000℃/時の範囲内の冷却率で、直接熱間圧延開始温度まで冷却される。好ましくは、冷却率は少なくとも200℃/時、好ましくは少なくとも250℃/時、そして好適には少なくとも300℃/時である。一実施形態において、冷却率は、高くとも1500℃/時または高くとも1000℃/時または高くとも500℃/時である。本発明の冷却率は、好ましくは、インゴットの中間厚みおよび/または4分の1厚みにおいておよび/またはインゴットの平均、典型的には均質化温度と熱間圧延温度の間、好ましくは500℃と熱間圧延温度の間の温度範囲内で得られる。全体が参照により組込まれている国際公開第2016/012691号中で開示されている冷却設備のような装置および同文献中で説明されている方法は、インゴットを冷却するために好適である。インゴットの厚みが少なくとも250mmまたは少なくとも350mm、そして好適には少なくとも400mm、さらには少なくとも500mmまたは600mmであり、ここで好ましくはインゴットが幅1000〜2000mm、長さ2000〜8000mmである場合、熱間圧延の開始時点で、熱間圧延開始温度において、均質化温度から冷却されたインゴット全体にわたり40℃未満そして好適には30℃未満の温度差が得られることが有利である。40℃未満または好ましくは30℃未満の温度差が得られない場合、所望される熱間圧延開始温度がインゴット内で局所的に得られない可能性があり、機械的特性も得られない可能性がある。好ましくは、冷却ステップは、少なくとも2段階、すなわち、インゴットの上下の2つの大きな表面を噴霧する目的でチャンバの上部部分と下部部分に分割された加圧下の噴霧液または冷却液を噴霧するためのノズルランプを含む前記チャンバ内でインゴットが冷却される第1の噴霧段階、およびインゴットのフォーマットおよび冷却値に応じて2〜30分間持続する、好ましくは内部反射壁を伴うトンネル内における静止空気中での熱均等化という補足的段階で実施される。好ましくは、熱均等化段階は、10分未満である。好ましくは、インゴット縁部上の小さな表面は、冷却液または加圧下の噴霧液を直接噴霧することによって冷却されない。好ましくは、噴霧および熱均等化段階は、非常に厚いインゴットの場合および80℃超の全体平均冷却については、反復される。好ましくは、噴霧中にあるものを含めた冷却液は、水そして好ましくは脱イオン水である。好ましくは、インゴットの頭部および脚部、または典型的に端部の300〜600mmは、高温の頭部と脚部を維持するためにインゴットの残りの部分に比べて冷却の程度が低く、これは、可逆式熱間圧延中インゴットを係合しておくための有益な構成である。一実施形態においては、頭部と脚部の冷却はノズルのランプをオンオフ切換えすることによって調節される。別の実施形態においては、頭部および脚部の冷却は、スクリーンの存在によって調節される。好ましくは、噴霧段階は反復され熱均等化は反復されず、インゴットの頭部および脚部、または典型的には端部の300〜600mmは、噴霧チャンバのうちの少なくとも1つの中で、インゴットの残りの部分とは異なる形で冷却される。好ましくは、インゴットの長手方向の熱均一性は、噴霧システムとの関係におけるインゴットの相対的運動によって改善される。すなわち、インゴットは、固定型噴霧システムに対面したまたはその逆の往復運動で、通過または移動する。好ましくは、インゴットの横断方向熱均一性は、ノズルまたは噴霧ノズルをオンオフ切換えることまたは前記噴霧をスクリーニングすることで、インゴットの幅内の噴霧を調節することによって保証される。有利には、インゴットは、噴霧チャンバ内を水平方向に移動し、その速度は20mm/秒以上である。均質化後の冷却速度をこのような形で調節する理由は、冷却速度が低く過ぎる場合には、過度に粗でかつ場合によっては多数のMg−Siベースの粒子が析出する傾向があり、製品は溶体化が困難なものとなり得るが、冷却速度が高過ぎる場合には、過度に細かくかつ場合によっては僅かなMg−Siベースの粒子が析出する可能性があり、製品は熱間圧延の出口において再結晶化が困難なものとなり得るということにある。本発明において、インゴットの中間厚みおよび/または4分の1厚みにおけるおよび/またはインゴットの平均での温度を得るための方法は、埋め込まれた熱電素子を用いこれでインゴットを測定するか、または熱伝達モデルを用いて計算を行なうことからなっていてよい。
冷却率は、熱間圧延温度における保持時間が15分未満、好ましくは10分未満そして好適には5分未満となるように調整される。
熱間圧延ステップにおいて、熱間圧延後のコイリングのための温度の設定は重要である。本発明では、前述の均質化後の冷却により、適切な粒子分布を得ること、そして再結晶化の促進作用および粒界移動を妨害せず溶体化が容易である制御された粒度の粒子を有するインゴットに対して熱間圧延を行なうことが可能になる。ここで、得られた熱間圧延シートのためのコイリング温度を適切に設定することで、熱間圧延出口において再結晶化が生み出され、表面品質の改善のための材料構造のベースを成す再結晶化された構造を得ることが可能になる。
好ましくは、熱間圧延開始温度(HRST)は、350℃〜450℃である。いくつかの実施形態において、熱間圧延開始温度は、少なくとも370℃、または少なくとも375℃または少なくとも380℃、または少なくとも385℃、少なくとも390℃、または少なくとも395℃、または少なくとも400℃、または少なくとも405℃である。いくつかの実施形態において、熱間圧延開始温度は、高くとも445℃、または高くとも440℃、または高くとも435℃、または高くとも430℃、または高くとも425℃または高くとも420℃である。典型的には、熱間圧延開始温度とは、インゴットの中間長さおよび中間厚みにおける温度を意味するが、インゴット内部の温度差は低いものであることから、熱間圧延開始温度は、接触プローブを用いて、表面上の中間幅において測定されてよい。インゴットは好ましくは、熱間圧延最終厚みまで熱間圧延され、熱間圧延最終厚みにおいて少なくとも90%の再結晶化が得られるような条件で、熱間圧延最終厚みでコイリングされる。熱間圧延最終厚みを熱間圧延出口厚みと呼ぶこともでき、これは熱間圧延後に得られる厚みである。熱間圧延最終厚みは、熱間圧延の後に冷間圧延が実施される場合、製品最終厚みより大きい。好ましくは、インゴットは、熱間圧延最終厚みまで熱間圧延され、熱間圧延最終厚みにおいて少なくとも98%の再結晶化、典型的には約100%の再結晶化が得られるような条件において熱間圧延最終厚みでコイリングされる。少なくとも90%または98%の再結晶化とは、それぞれ、熱間圧延の後に得られたストリップの幅全体にわたる少なくとも3つの場所で測定された再結晶化率が、少なくとも90%または98%の最小値を有することを意味する。典型的には、再結晶化は、シートの厚み全体にわたり変動する。
熱間圧延最終厚みにおいて再結晶化を得るために、コイリング温度としても知られる熱間圧延出口温度は、少なくとも300℃である。一実施形態において、熱間圧延出口温度は、少なくとも310℃または少なくとも330℃または少なくとも332℃または少なくとも335℃、または少なくとも337℃または少なくとも340℃または少なくとも342℃、または少なくとも345℃である。一実施形態において、熱間圧延出口温度は、高くとも380℃である。熱間圧延の最終スタンド中の厚み圧下率も同様に、再結晶化率および製品の最終的特性に影響を及ぼす可能性があり、好ましくは熱間圧延の最終スタンド中の厚み圧下率は少なくとも25%である。一実施形態において、これは少なくとも27%または少なくとも30%、または少なくとも32%である。一実施形態において、これは、多くとも60%である。熱間圧延最終厚みは典型的には2〜13mmである。
当該発明者らは、意外にも、熱間圧延の温度、詳細には熱間圧延開始温度HRSTと熱間圧延出口温度の関係を制御することによって、および/またはコイリング後の粒度を制御することによって、最終製品の高い表面品質を得ることが可能であるということを発見した。詳細には、熱間圧延出口温度が1.2×HRST−135℃と1.2×HRST−109℃の間に含まれかつ/または長手方向で160μm未満というASTM E−112の切断法に準じた中間厚みと4分の1厚みの間のL/ST断面での平均粒度を得るように設定されている場合、表面品質は著しく改善される。好ましくは、熱間圧延出口温度は少なくとも1.2×HRST−123℃でありかつ/または高くとも1.2×HRST−115℃でありかつ/または長手方向で150μm未満というASTM E−112の切断法に準じた中間厚みと4分の1厚みの間のL/ST断面での平均粒度を得るように設定されている。表面品質に関する限り、本発明のプロセスでは、4.8未満、有利には4.5未満、好ましくは4.0未満、さらには3.8未満のVDAリコメンデーション239−400によるクォーテーションを、好ましくはT4質別について得ることができる。
冷間圧延は、アルミニウムシートの厚みをさらに減少させるため、熱間圧延ステップの直後に実施される。本発明の方法によると、十分な強度、成形性、表面品質および耐腐食性を得るために、熱間圧延後または冷間圧延中の焼鈍および/または溶体化熱処理は、必要ではない。好ましくは、熱間圧延後または冷間圧延中の焼鈍および/または溶体化熱処理は全く実施されない。冷間圧延の後に直接得られたシートは、冷間圧延シートと呼ばれる。冷間圧延シートの厚みは、典型的に0.5〜2mmである。
一実施形態において、冷間圧延圧下率は、少なくとも50%、または少なくとも65%、または少なくとも70%または少なくとも75%または少なくとも80%である。典型的には、冷間圧延圧下率は、約80%である。
冷間圧延圧下率の有利な実施形態は、改善された機械的特性を得ることおよび/または表面品質などの表面特性にとって有利な粒度を得ることを可能にすることができる。
冷間圧延シートは、溶体化の後に高い表面品質および優れた機械的特性を提供しながら、溶体化が容易であることを少なくとも理由としており、有利である。
冷間圧延の後、冷間圧延シートは有利にはさらに連続焼鈍ライン中で溶体化熱処理され焼入れされる。好ましくは、連続焼鈍ラインは、540℃における等価保持時間、
Figure 2021510774
が45秒未満、好ましくは35秒未満そして好適には25秒未満となるような形で運転され、等価保持時間は、
Figure 2021510774
によって計算され、式中Qは146kJ/molの活性化エネルギであり、R=8.314J/molである。
典型的には、連続焼鈍ラインは、シートの加熱率が400℃超の金属温度については少なくとも10℃/秒、520℃超の時間が5秒〜25秒、そして焼入れ率が、0.9〜1.1mmのゲージについて少なくとも10℃/秒、好ましくは少なくとも15℃/秒となるような形で運転される。好ましい溶体化熱処理温度は、典型的には540℃超かつ570℃未満の固相線温度に近い温度である。溶体化熱処理後のコイリング温度は、好ましくは50℃〜90℃、そして好適には60℃〜80℃である。
溶体化熱処理および焼入れの後、シートはT4質別まで時効され得る。T4質別まで時効された後、シートは切断され、その最終形状に形成され、塗装され、焼付け硬化され得る。
本発明の方法は、冷間スタンピング作業に好適な高い引張り降伏強度と優れた成形性特性、ならびに高い表面品質および高い耐腐食性を高い生産性と共に兼ね備えた、自動車産業用のシートを製造するために極めて有益である。
[実施例1]
この実施例では、重量%でSi:0.9、Mg:0.4、Mn:0.1、Fe:0.2、Cu:0.08、Ti:0.04、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05重量%かつ合計0.15重量%までの不可避的不純物という組成を有する合金でできた3つのインゴットを、520mmの厚みを有する圧延インゴットへと鋳造し、加工した。
インゴットを、560℃の温度で2時間均質化した。均質化の後、インゴットを300℃/時の中間厚みにおける冷却率で、直接熱間圧延開始温度まで冷却した。均質化温度から冷却したインゴット全体にわたり30℃未満の温度差が得られた。この温度差に達した時点で、待つことなく熱間圧延を開始した。均質化後にインゴットを冷却し、均質化温度から冷却されたインゴット全体にわたり30℃未満の温度差を得るために、国際公開第2016/012691号に記載の装置を使用した。
表1に開示する条件で、インゴットを熱間圧延した。熱間圧延機は、可逆圧延機と4スタンドのタンデム圧延機で構成され、スタンドはC3〜C6と名付けられ、こうしてC6中での圧延は熱間圧延の最終スタンドとなっている。
Figure 2021510774
熱間圧延後の熱間圧延ストリップの再結晶化率は100%であった。
ストリップを、最終厚み1mmのシートまでさらに冷間圧延した。連続焼鈍ライン内で、540℃での等価保持時間が約30秒となるようにシートを溶体化熱処理し、焼入れした。
VDAリコメンデーション239−400に準じて、表面品質を測定した。詳細には、シート試料を、圧延方向に対して横断方向に、10%塑性的に予歪付与した。表面を清浄し、表面を水で湿らせ、テープを適用し、テープの下にある水および気泡を除去し、柔らかい布でテープを乾燥させ、圧延方向に対し横断方向で2回前後の恒常な圧力を用いて研削工具を移動させてテープを研削し、表面から複製をそして黒色背景上のキャリーオーバを除去し、気泡と水を除去し、布でテープを乾燥させることによって、予歪表面の複製を創出した。複製をスキャンした。スキャン解像度は、「灰色の陰影」で300dpiであった。表面品質「ローピング値RK」の評価および決定は、VDAリコメンデーション239−400中に記載の指示およびMacroにしたがって行なった。低いRK値は、高い表面品質に対応する。
RK値を表2に提示する。
Figure 2021510774
本発明に係るインゴット2の表面品質は、インゴット1および3に比べてはるかに改善されていた。
T4シート(自然時効6日後)およびこれらのT4時効シート由来の焼付硬化シート(2%の伸長および185℃で20分)の0.2%の引張り降伏強度TYSおよび極限引張り強度UTSを、当業者にとっては公知の方法を用いて横断方向で決定した。引張試験を、ISO/DIS 6892−1に準じて行なった。結果を表3に提供する。
Figure 2021510774
[実施例2]
この実施例では、重量%でSi:1.3、Mg:0.3、Mn:0.1、Fe:0.2、Cu:0.09、Ti:0.03、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05重量%かつ合計0.15重量%までの不可避的不純物という組成を有する合金でできた6つのインゴットを、520mmの厚みを有する圧延インゴットへと鋳造し、加工した。
インゴットを、実施例1にある通りに均質化し、冷却した。
表4に開示する条件で、インゴットを熱間圧延した。熱間圧延機は、可逆圧延機と4スタンドのタンデム圧延機で構成され、スタンドはC3〜C6と名付けられ、こうしてC6中での圧延は熱間圧延の最終スタンドとなっている。
Figure 2021510774
熱間圧延後の熱間圧延ストリップの再結晶化率は100%であった。コイルが冷却された時点でASTME−112の切断法に準じた中間厚みと4分の1厚みの間のL/ST断面での平均粒度を測定した。結果は同様に表4に提示されている。
ストリップを、最終厚み1mmのシートまでさらに冷間圧延した。連続焼鈍ライン内で、540℃での等価保持時間が約30秒となるようにシートを溶体化熱処理し、焼入れした。
実施例1にある通り、VDAリコメンデーション239−400に準じて表面品質を測定した。
ローピング値RKを表5に提示する。
Figure 2021510774
本発明に係るインゴット4〜7の表面品質は、インゴット8および9に比べてはるかに改善されていた。
T4シート(自然時効6日後)およびこれらのT4時効シート由来の焼付硬化シート(2%の伸長および185℃で20分)の0.2%の引張り降伏強度TYSおよび極限引張り強度UTSを、当業者にとっては公知の方法を用いて横断方向で決定した。引張試験を、ISO/DIS 6892−1に準じて行なった。結果を表6に提供する。
Figure 2021510774
[実施例3]
この実施例では、重量%でSi:0.75、Mg:0.65、Mn:0.1、Fe<0.16、Ti:0.04、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05重量%かつ合計0.15重量%までの不可避的不純物という組成を有する合金でできた3つのインゴットを、厚み500mmの圧延インゴットへと鋳造し、加工した。
インゴットを、実施例1にある通りに均質化し、冷却した。
表7に開示する条件で、インゴットを熱間圧延した。熱間圧延機は、可逆圧延機と4スタンドのタンデム圧延機で構成され、スタンドはC3〜C6と名付けられ、こうしてC6中での圧延は熱間圧延の最終スタンドとなっている。
Figure 2021510774
熱間圧延後の熱間圧延ストリップの再結晶化率は100%であった。
ストリップを、最終厚み約1mmのシートまでさらに冷間圧延した。連続焼鈍ライン内で、540℃での等価保持時間が約30秒となるようにシートを溶体化熱処理し、焼入れした。
実施例1にある通りに、VDAリコメンデーション239−400に準じて表面品質を測定した。
ローピング値RKを表8に提示する。
Figure 2021510774
本発明に係るインゴット10および11の表面品質は、インゴット12に比べてはるかに改善されていた。
T4シート(自然時効6日後)およびこれらのT4時効シート由来の焼付硬化シート(2%の伸長および185℃で20分)の0.2%の引張り降伏強度TYSおよび極限引張り強度UTSを、当業者にとっては公知の方法を用いて横断方向で決定した。引張試験を、ISO/DIS 6892−1に準じて行なった。結果を表9に提供する。
Figure 2021510774

Claims (17)

  1. 6xxx系アルミニウムシートの生産方法において、
    − 好ましくは、0.3〜1.5重量%のSi、0.1〜1.2重量%のMgおよび0.5重量%以下のCu、0.03〜0.5重量%のMnおよび/または0.01〜0.4重量%のCr、0.03〜0.4重量%のFe、最大0.5重量%のZn、最大0.2重量%のV、最大0.2重量%のZr、最大0.1重量%のTi、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05重量%かつ合計0.15重量%の不可避的不純物を含む6XXX系アルミニウム合金製のインゴットを均質化するステップと、
    − 熱間圧延開始温度HRSTまで直接、150℃/時から2000℃/時の範囲内の冷却率で均質化済みインゴットを冷却するステップと、
    − インゴットを熱間圧延最終厚みまで熱間圧延し、熱間圧延最終厚みおよび熱間圧延出口温度で、少なくとも90%の再結晶が得られるような条件でコイリングするステップであって、ここで前記HRSTは350℃〜450℃であり、熱間圧延出口温度が少なくとも300℃で、1.2×HRST−135℃と1.2×HRST−109℃の間に含まれ、かつ/または長手方向で160μm未満というASTM E−112の切断法に準じた中間厚みと4分の1厚みの間のL/ST断面での平均粒度を得るように設定されている、ステップと、
    − 冷間圧延シートを得るために冷間圧延するステップと、
    を含む方法。
  2. 熱間圧延の最終スタンド中の厚みの圧下率が少なくとも25%である、請求項1に記載の方法。
  3. 冷間圧延圧下率が少なくとも50%である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 熱間圧延出口温度が少なくとも1.2×HRST−123℃でありかつ/または高くとも1.2×HRST−115℃でありかつ/または長手方向で150μm未満というASTM E−112の切断法に準じた中間厚みと4分の1厚みの間のL/ST断面での平均粒度を得るように設定されている、請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 熱間圧延開始温度が少なくとも390℃である、請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 冷間圧延シートがさらに、連続焼鈍ライン内で溶体化熱処理され焼入れされる、請求項1から5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 連続焼鈍ラインは、540℃における等価保持時間、
    Figure 2021510774
    が45秒未満、好ましくは35秒未満そして好適には25秒未満となるような形で運転され、等価保持時間は、
    Figure 2021510774
    によって計算され、式中Qは146kJ/molの活性化エネルギであり、R=8.314J/molである、請求項6に記載の方法。
  8. 溶体化熱処理および焼入れの後、シートがT4質別まで時効され、切断され、その最終形状に形成され、塗装され、焼付け硬化される、請求項6または7に記載の方法。
  9. インゴットの厚みが少なくとも250mmであり、好ましくはインゴットが幅1000〜2000mm、長さ2000〜8000mmであり、熱間圧延開始温度において、均質化温度から冷却されたインゴット全体にわたり40℃未満の温度差が得られる、請求項1から8のいずれか一つに記載の方法。
  10. 冷却ステップが、少なくとも2段階、すなわち、インゴットの上下の2つの大きな表面に噴霧する目的でチャンバの上部部分と下部部分に分割された加圧下の噴霧液または冷却液を噴霧するためのノズルランプを含む前記チャンバ内で前記インゴットが冷却される第1の噴霧段階、および2〜30分間持続する、内部反射壁を伴うトンネル内における静止空気中での熱均等化という補足的段階で実施される、請求項1から9のいずれか一つに記載の方法。
  11. VDAリコメンデーション239−400による、4.8未満、好ましくは4.5未満という表面品質を有する、請求項6から8のいずれか一つに記載の方法により得ることのできる、溶体化熱処理され焼入れされた6xxx系アルミニウムシート。
  12. 重量%で、Si:0.55〜0.95、Mg:0.45〜0.85、Cu:最大0.1、Mn:0.03〜0.1、Fe:0.05〜0.20、Ti:最大0.05、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05かつ合計0.15の不可避的不純物を含む、請求項11に記載の6xxx系アルミニウムシート。
  13. 2%の伸長および185℃で20分間の焼付硬化後のLT方向でのTYSが225MPa超、そして好ましくは235〜265MPaである、請求項12に記載の6xxx系アルミニウムシート。
  14. 重量%で、Si:0.7〜1.5、Mg:0.1〜0.8、Cu:最大0.2、Mn:0.03〜0.3、Fe:0.03〜0.4、Ti:最大0.1、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05かつ合計0.15の不可避的不純物を含む、請求項11に記載の6xxx系アルミニウムシート。
  15. 重量%で、Si:0.8〜1.1、Mg:0.2〜0.6、Cu:最大0.1、Mn:0.03〜0.2、Fe:0.1〜0.3、Ti:最大0.05、残余分のアルミニウムおよび最大各々0.05かつ合計0.15の不可避的不純物を含む、請求項14に記載の6xxx系アルミニウムシート。
  16. 2%の伸長および185℃で20分間の焼付硬化後のLT方向でのTYSが200〜225MPa、そして好ましくは210〜220MPaに含まれる、請求項14または16に記載の6xxx系アルミニウムシート。
  17. 自動車産業における、請求項11から16のいずれか一つに記載の溶体化熱処理され焼入れされた6xxx系アルミニウムシートの使用。
JP2020559027A 2018-01-16 2019-01-15 高い表面品質を有する6xxxアルミニウムシートの製造方法 Pending JP2021510774A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1850349 2018-01-16
FR1850349A FR3076837B1 (fr) 2018-01-16 2018-01-16 Procede de fabrication de toles minces en alliage d'aluminium 6xxx a haute qualite de surface
PCT/EP2019/050978 WO2019141693A1 (en) 2018-01-16 2019-01-15 Method of making 6xxx aluminium sheets with high surface quality

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021510774A true JP2021510774A (ja) 2021-04-30

Family

ID=62873404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020559027A Pending JP2021510774A (ja) 2018-01-16 2019-01-15 高い表面品質を有する6xxxアルミニウムシートの製造方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20200340091A1 (ja)
EP (1) EP3740599B1 (ja)
JP (1) JP2021510774A (ja)
KR (1) KR20200106166A (ja)
CN (1) CN111556903A (ja)
CA (1) CA3086313A1 (ja)
FR (1) FR3076837B1 (ja)
WO (1) WO2019141693A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6208389B1 (ja) * 2016-07-14 2017-10-04 株式会社Uacj 曲げ加工性及び耐リジング性に優れたアルミニウム合金からなる成形加工用アルミニウム合金圧延材の製造方法
CN110735073B (zh) * 2019-11-04 2020-12-18 苏州大学 一种高质量6系铝合金挤压铸坯及其制备方法
WO2021168065A1 (en) * 2020-02-19 2021-08-26 Novelis Inc. Metal products with improved bond durability and related methods
WO2022026825A1 (en) * 2020-07-31 2022-02-03 Arconic Technologies Llc New 6xxx aluminum alloys and methods for producing the same
KR20220063628A (ko) * 2020-11-10 2022-05-17 한국재료연구원 Al-Mg-Si계 알루미늄 합금 및 그 제조방법
EP4190932A1 (en) * 2021-12-01 2023-06-07 Constellium Bowling Green LLC 6xxx series aluminium alloy sheets, plates or blanks with improved formabilty
CN117305670B (zh) * 2023-11-30 2024-02-02 中铝材料应用研究院有限公司 具有高烘烤强度的6000系列铝合金板材及其制备方法

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59685B2 (ja) 1974-11-13 1984-01-07 トヨタ自動車株式会社 ナイネンキカンノ ノウコンゴウキキヨウキユウソウチ
JP2823797B2 (ja) 1994-02-16 1998-11-11 住友軽金属工業株式会社 成形加工用アルミニウム合金板の製造方法
JP3590685B2 (ja) * 1994-12-27 2004-11-17 本田技研工業株式会社 自動車外板用アルミニウム合金板の製造方法
AU2816300A (en) * 1999-03-01 2000-09-21 Alcan International Limited Aa6000 aluminium sheet method
EP1967598B2 (en) 2001-03-28 2015-11-25 Sumitomo Light Metal Industries, Ltd. Aluminum alloy sheet with excellent formability and paint bake hardenability and method for production thereof
JP4383039B2 (ja) 2001-11-30 2009-12-16 トヨタ自動車株式会社 曲げ加工性に優れたアルミニウム合金板の製造方法
JP3833574B2 (ja) 2002-06-07 2006-10-11 株式会社神戸製鋼所 曲げ加工性とプレス成形性に優れたアルミニウム合金板
JP2006241548A (ja) 2005-03-04 2006-09-14 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 曲げ加工性に優れたAl−Mg−Si系合金板材とその製造方法および該板材から得られる自動車外板
WO2009123011A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 株式会社神戸製鋼所 成形加工後の表面性状に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法
JP5406745B2 (ja) 2009-03-19 2014-02-05 株式会社神戸製鋼所 成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板
JP5683193B2 (ja) 2010-09-30 2015-03-11 株式会社Uacj 耐リジング性に優れた成形加工用アルミニウム合金圧延板およびその製造方法
JP5865582B2 (ja) 2010-09-30 2016-02-17 株式会社Uacj 曲げ加工性に優れた成形加工用アルミニウム合金板およびその製造方法
EP2914391B1 (de) * 2012-10-30 2018-09-26 Hydro Aluminium Rolled Products GmbH Aluminiumverbundwerkstoff und verfahren zur umformung
JP6005544B2 (ja) * 2013-02-13 2016-10-12 株式会社神戸製鋼所 焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板
JP5882380B2 (ja) * 2013-04-09 2016-03-09 株式会社神戸製鋼所 プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法
JP6301095B2 (ja) * 2013-09-27 2018-03-28 株式会社Uacj 自動車パネル用Al−Mg−Si系アルミニウム合金板及びその製造方法
FR3024058B1 (fr) 2014-07-23 2016-07-15 Constellium France Procede et equipement de refroidissement
JP6224549B2 (ja) * 2014-08-27 2017-11-01 株式会社神戸製鋼所 耐糸錆性に優れたアルミニウム合金板
US9828652B2 (en) 2015-01-12 2017-11-28 Novelis Inc. Highly formable automotive aluminum sheet with reduced or no surface roping and a method of preparation
JP6208389B1 (ja) * 2016-07-14 2017-10-04 株式会社Uacj 曲げ加工性及び耐リジング性に優れたアルミニウム合金からなる成形加工用アルミニウム合金圧延材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
FR3076837B1 (fr) 2020-01-03
EP3740599A1 (en) 2020-11-25
WO2019141693A1 (en) 2019-07-25
US20200340091A1 (en) 2020-10-29
EP3740599B1 (en) 2023-09-06
KR20200106166A (ko) 2020-09-11
CN111556903A (zh) 2020-08-18
FR3076837A1 (fr) 2019-07-19
CA3086313A1 (en) 2019-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7041664B2 (ja) 6xxxアルミニウムシートの製造方法
JP2021510774A (ja) 高い表面品質を有する6xxxアルミニウムシートの製造方法
EP3540085B1 (en) Highly formable automotive aluminum sheet with reduced or no surface roping and a method of preparation
JP4901757B2 (ja) アルミニウム合金板、及びその製造方法
CN113166858B (zh) 制备具有高表面质量的6xxx铝板的方法
KR101974624B1 (ko) Almgsi 알루미늄 스트립 제조 방법
TW201807210A (zh) Al-Mg-Si系合金材、Al-Mg-Si系合金板及Al-Mg-Si系合金板之製造方法
JP2009173973A (ja) 成形時のリジングマーク性に優れたアルミニウム合金板
JPH09137243A (ja) プレス成形後曲げ性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法
JP2004238657A (ja) アウタパネル用アルミニウム合金板の製造方法
JP2000160272A (ja) プレス成形性に優れたAl合金板
JPH0718389A (ja) 成形用Al−Mg系合金板の製造方法
JP2003328095A (ja) 成形加工用アルミニウム合金板の製造方法
JPH05345963A (ja) 高成形性アルミニウム合金板の製造方法
JP4257179B2 (ja) 成形加工用t4処理アルミニウム合金圧延板およびその製造方法