JP2021504299A - アンバー調着臭剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)[式中、基Qは、−CH=CH−CH3基または−C≡C−CH3基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物に関する。本発明の化合物の付香成分としての使用および付香組成物または付香消費財の一部としての本発明の化合物も、本発明の一部である。

Description

本発明は、香料の分野に関する。より詳細には本発明は、本明細書で以下に定義される式(I)の化合物、および付香成分としてのその使用に関する。したがって、本明細書における言及によれば、本発明は、付香組成物または香料入り消費財の一部としての本発明の化合物を含む。
背景
香料分野で最も求められている成分の1つに、アンバーグリスの印象を付与するものがある。このノートは、より多くの量感を提供することにより特にボトムノートに影響を与え、かつ付香組成物のトップノートを支持するものであり、多くの香料入り消費財で非常に高く評価され、使用されている。もともと、アンバーグリスはマッコウクジラの消化器系で生成される天然産物であり、非常に希少でかつ非常に高価である。
したがって、持続性/残留性を維持またはさらには改善しつつ、トップノートにもボトムノートにも影響を与えるべく低揮発性のウッディーおよびアンバー調の香りノートを付与し、かつホワイトアンバーノートとも呼ばれる天然のアンバーグリスノートに可能な限り近い、天然のアンバーグリスに代わるより安価な合成代替品を開発する必要がある。
米国特許出願公開第20120077722号明細書には、こうした嗅覚特性を付与する化合物として、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−プロピル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンと(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−プロピル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンとの混合物が報告されている。特に、異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−プロピル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンは、アンバーグリスおよび木の強い香りならびに高い残留性を有すると報告されている。この混合物は、アンバーグリスの最も有望な代替物の1つである。
本発明は、性能を改善しつつ従来技術の利点を有する新規化合物を提供する。上記の従来技術文献には、式(I)の化合物の感覚刺激特性についても、香料分野における該化合物の使用についても、何ら報告も示唆もなされていない。
発明の概要
本発明は、アンバーグリスに強さおよび持続性に関して非常に優れた性能を付与する式(I)の化合物に関する。
したがって、本発明の第1の対象は、式
Figure 2021504299
[式中、基Qは、−CH=CH−CH基または−C≡C−CH基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物である。
本発明の第2の対象は、上記で定義された式(I)の化合物の付香成分としての使用である。
本発明の第3の対象は、付香組成物または香料入り物品の香り特性を付与、増強、改善または変更する方法であって、上記で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量を前記組成物または物品に添加することを含む方法である。
本発明のもう1つの対象は、
i)上記で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物と、
ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
iii)任意に、少なくとも1つの香料補助剤と
を含む、付香組成物である。
本発明のもう1つの対象は、上記で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物または上記で定義された付香組成物を含む、香料入り消費財である。
本発明の最後の対象は、式
Figure 2021504299
[式中、基Q’は、−CH=CH−CH基または−C≡C−CH基を表し、基RおよびRは、互いに独立して、C1−3アルキル基を表すか、または基RおよびRは、一緒になって、C2−3アルカンジイルを表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物であるが、ただし、4,4−ジエトキシ−2−ペンチン、2−メチル−2−(1−プロピン−1−イル)−1,3−ジオキソランおよび2−メチル−2−(1−プロペニル)1,3−ジオキソランを除くものとする。
発明の説明
驚くべきことに、式(I)の化合物によって、この目的で通常使用される合成成分と比較して、最も強力で直線的なウッディーおよびアンバー調のノートが与えられることが今や見い出された。この化合物も、これまで開示されていない。
本明細書に開示されているのは、式
Figure 2021504299
[式中、基Qは、−CH=CH−CH基、−CH−CH=CH基、−C≡C−CH基、−CH−C≡CH基、シクロプロピル基または2−メチルシクロプロピル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物である。
本発明の第1の対象は、式
Figure 2021504299
[式中、基Qは、−CH=CH−CH基または−C≡C−CH基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物である。
前記化合物は、例えばウッディーおよびアンバー調のタイプの香りノートを付与するための付香成分として使用することができる。
明確にするために記すと、「その立体異性体のいずれかの1つまたはそれらの混合物としての」またはそれと同様の表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、本発明の化合物が、純粋であってもよいし、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体混合物の形態であってもよいことを意味する(例えば、5位の炭素はRである場合も、Sである場合も、それらの混合物である場合でもあり得る)。本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、5位の炭素の立体中心は、Rであっても、Sであっても、それらの混合物であってもよい。他の立体中心は、立体化学が固定されている。すなわち、式(I)の化合物の1位の炭素は、R絶対配置を有し、式(I)の化合物の3位の炭素は、S絶対配置を有し、式(I)の化合物の7位の炭素は、R絶対配置を有し、式(I)の化合物の8位の炭素は、R絶対配置を有し、式(I)の化合物の10位の炭素は、S絶対配置を有し、式(I)の化合物の13位の炭素は、R絶対配置を有する。本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、式(I)の化合物は、5位の炭素に対してR配置の異性体を少なくとも55%含み、かつ5位の炭素に対してS配置の異性体を最大で45%含む異性体混合物の形態である。好ましくは、式(I)の化合物は、5位の炭素に対してR配置の異性体を少なくとも70%含み、かつ5位の炭素に対してS配置の異性体を最大で30%含む異性体混合物の形態である。さらにより好ましくは、式(I)の化合物は、5位の炭素に対してR配置の異性体を少なくとも80%含み、かつ5位の炭素に対してS配置の異性体を最大で20%含む異性体混合物の形態である。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、前記化合物は、そのE異性体の形態であってもよいし、そのZ異性体の形態であってもよく、またそれらの混合物の形態であってもよく、例えば本発明は、同一の化学構造を有するが二重結合の配置が異なる式(I)の1つまたは複数の化合物からなる物質の組成物を含む。特に、化合物(I)は、E異性体およびZ異性体からなる混合物の形態であってよく、ここで、前記E異性体は、混合物全体の少なくとも0.5%、またはさらには混合物全体の少なくとも50%、またはさらには少なくとも75%に相当する(つまり、E/Z混合物は、75/25〜100/0で構成される)。好ましくは、式(I)の化合物は、E異性体の形態である。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、上記化合物(I)は、C20化合物である。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、本発明の化合物は、式
Figure 2021504299
[式中、基Xは、−CH=CH−基または−C≡C−基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物である。
好ましくは、基Xは、−CH=CH基であり得る。換言すれば、好ましくは、基Qは、−CH=CH−CH基であり得る。
本発明の化合物の具体例としては、非限定的な例として、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンであって、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ85:15の比で含む混合物の形態のものを挙げることができ、これは、非常に強力なウッディーでドライなアンバー調のノートを特徴とする。前記化合物は、リンバノール(limbanol)およびシダー調のコノテーションをも有する。
他の例としては、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンであって、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ98:02の比率で含む混合物の形態のものを挙げることができ、これは、強さおよび残留性を維持しつつ、上記の香りと同様の香りを有する。
他の例としては、(−)−(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−(1−プロピン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを挙げることができ、これは、上記の香りと同様であるが、やや弱い香りを有する。
本発明の化合物は、非常に強力である。上記で挙げた比較化合物はいずれも、本発明の化合物と構造的に近く、ウッディーおよびアンバー調のノートを付与するが、さほど強力ではない。
表1:比較化合物およびその香り特性
Figure 2021504299
Figure 2021504299
Figure 2021504299
Figure 2021504299
Figure 2021504299
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、式(I)の化合物は、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンまたはそれらの混合物;(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンまたはそれらの混合物;(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロピン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロピン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンまたはそれらの混合物からなる群から選択され得る。好ましくは、式(I)の化合物は、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンまたはそれらの混合物からなる群から選択され得る。
本発明の化合物の香りを、米国特許出願公開第20120077722号明細書の例Iで報告されている(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−プロピル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンおよび(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−プロピル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを含む従来技術の混合物と比較した場合、本発明の化合物は、アンバーグリスを連想させるがウッディー/リンバノール調のノートが顕著である同様のホワイトアンバーおよびウッディー調の香りを有する。さらに本発明の化合物は、明らかに強力で、より残留性の高いノートを付与する。本発明の化合物の嗅覚プロファイルは、従来技術と比較して経時的な変動がより小さく、より線形的である。換言すれば、本発明の化合物は、感覚刺激ノートの強度および持続性/残留性を改善しつつ、従来技術に特徴的なホワイトアンバーノートを付与する。本発明の化合物は、構造的に近い化合物と比較して、または同一の感覚刺激ファミリーに属する従来技術の化合物と比較して、明らかに優れている。
上記の相違によって、同様の感覚刺激印象の付与に使用する本発明の化合物を従来技術の化合物よりも低濃度で済ませることが可能となる。
上述のように、本発明は、付香成分としての式(I)の化合物の使用に関する。換言すれば、本発明は、付香組成物または香料入り物品または表面の香り特性を付与、増強、改善または変更する方法またはプロセスに関し、ここで該方法は、式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量を、例えばその典型的なノートを付与すべく前記組成物または物品に添加することを含む。最終的な快楽効果は、本発明の化合物の正確な供給量および感覚刺激特性に依存し得ると理解されるが、いずれにせよ本発明の化合物を添加することで、その典型的なタッチが、計量供給量に応じてノート、タッチまたはアスペクトの形態で最終製品に付与されることになる。
「式(I)の化合物の使用」とは、本明細書では、化合物(I)を含み、かつ香料産業で有利に使用することができる任意の組成物の使用とも理解されるべきである。
実際に付香成分として有利に使用することができる前記組成物も、本発明の対象である。
したがって、本発明のもう1つの対象は、
i)付香成分として、上記で定義された少なくとも1つの本発明の化合物と、
ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
iii)任意に、少なくとも1つの香料補助剤と
を含む付香組成物である。
「香料担体」とは、本明細書では、香料の観点から実質的に中性である、すなわち付香成分の感覚刺激特性を著しく変えない材料を意味する。前記担体は、液体または固体であってよい。
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち溶媒および界面活性剤系、または香料で一般的に使用される溶媒を挙げることができる。香料で一般的に使用される溶媒の性質および種類の詳細な説明は、すべてのものについて余すことなく行えるわけではない。しかし、非限定的な例として、ブチレンまたはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3−プロパントリイルトリアセテート、グルタル酸ジメチル、ジメチルアジペート1,3−ジアセチルオキシプロパン−2−イルアセテート、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノ、クエン酸トリエチルまたはそれらの混合物などの溶媒を挙げることができ、これらが最も一般的に使用されている。香料担体および香料ベースのどちらも含む組成物に関して、先に規定されたもの以外の適切な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標Isopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)で知られているもの、またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えば商標Dowanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)で知られているもの、または水添ヒマシ油、例えば商標Cremophor(登録商標)RH 40(供給元:BASF)として知られているものであってもよい。
固体担体とは、付香組成物または付香組成物の何らかの要素が化学的または物理的に結合し得る材料を表すことを意図したものである。総じて、このような固体担体は、組成物を安定化させるため、または組成物もしくはいくつかの成分の蒸発速度を制御するために使用される。固体担体の使用は当技術分野において現行のものであり、当業者は、どのようにすれば所望の効果が得られるかを知っている。しかし、固体担体の非限定的な例として、吸収性ゴムもしくはポリマー、または無機材料、例えば多孔性ポリマー、シクロデキストリン、木質材料、有機もしくは無機ゲル、クレー、石膏タルクまたはゼオライトを挙げることができる。
固体担体の他の非限定的な例としては、封入材料を挙げることができる。そのような材料の例には、壁形性成および可塑化材料、例えば単糖類、二糖類もしくは三糖類、天然もしくは化工デンプン、ハイドロコロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質またはペクチン、またはさらには参考文献に挙げられている材料、例えばH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs− und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996に挙げられている材料が含まれ得る。封入は当業者に周知のプロセスであり、例えば噴霧乾燥、アグロメレーションまたはさらには押出などの技術を用いることにより行われてよく、またコアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含むコーティング封入からなっていてもよい。
固体担体の非限定的な例としては特に、任意に高分子安定剤またはカチオン性共重合体の存在下での、重合、界面重合、コアセルベーションまたはこれらすべて(これらの技術はいずれも、従来技術に記載されている)により誘発される相分離プロセスのような技術を用いた、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリ尿素またはポリウレタンタイプの樹脂またはそれらの混合物(これらの樹脂はいずれも当業者に周知である)を含むコアシェルカプセルを挙げることができる。
樹脂は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2−ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびそれらの混合物)と、アミン、例えば尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾール等およびそれらの混合物との重縮合によって製造可能である。あるいは、予め形成された樹脂であるアルキル化ポリアミン、例えば商標Urac(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(供給元:BASF)として市販されているものを使用することも可能である。
他の樹脂は、ポリオール、例えばグリセロールと、ポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートもしくはキシリレンジイソシアネートの三量体またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットまたはキシリレンジイソシアネートの三量体のトリメチロールプロパン付加物との重縮合によって製造されるもの(Takenate(登録商標)の商品名で公知、供給元:三井化学)であり、ポリイソシアネートの中には、キシリレンジイソシアネートの三量体のトリメチロールプロパン付加物、およびヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットがある。
アミノ樹脂、すなわちメラミン系樹脂とアルデヒドの重縮合による香料の封入に関するいくつかの独創的な文献の代表例は、例えばK. Dietrichらにより発表された論文Acta Polymerica, 1989, vol. 40, p.243, 325および683、ならびに1990, vol. 41, p.91である。そのような論文には、従来技術の方法にしたがってそのようなコアシェルマイクロカプセルの製造に影響を与える様々なパラメータが既に説明されており、こうしたパラメータはまた、特許文献においてさらに詳述および例示されている。Wiggins Teape Group Limitedによる米国特許第4396670号明細書は、これの該当する早期の例である。それ以降、他の多くの著者がこの分野の文献を充実させており、ここで公開されているすべての成果を網羅することは不可能であると考えられるが、封入技術の一般的な知識は非常に重要である。そのようなマイクロカプセルの適切な使用が開示されているより最近の関連出版物の代表例は、例えばH.Y.Leeらによる論文Journal of Microencapsulation, 2002, vol. 19, p.559−569、国際公開第01/41915号またはさらにはS. Boneらによる論文Chimia, 2011, vol. 65, p.177−181である。
「香料ベース」とは本明細書では、少なくとも1つの付香補助成分を含む組成物を意味する。
前記付香補助成分は、式(I)のものではない。さらに、「付香補助成分」とは本明細書では、快楽効果を付与するための付香調製物または快楽効果を付与するための組成物に使用される化合物を意味する。換言すれば、付香成分であると考えられるべきこうした補助成分は、単に香りを有しているものとしてではなく、組成物に香りをポジティブにもしくは快いように付与することができるか、または組成物の香りをポジティブにもしくは快いように改変することができるものとして、当業者には認識されるはずである。
ベース中に存在する付香補助成分の性質および種類については、本明細書においてこれ以上の詳細な説明は保証されないが、いずれにせよすべてを余すことなく詳細に説明できるものではなく、当業者は、自身の一般知識に基づき、また用途および所望の感覚刺激効果に応じて、それらを選択することができる。一般にこれらの付香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、含窒素または含硫黄複素環式化合物および精油といった様々な化学種に属し、前記付香補助成分は、天然起源のものであっても合成起源のものであってもよい。
特に、香料配合物で一般的に使用されている、次のような付香補助成分を挙げることができる。
− アルデハイド調成分:デカナール、ドデカナール、2−メチルウンデカナール、10−ウンデセナール、オクタナールおよび/またはノネナール;
− アロマティックハーバル調成分:ユーカリ油、カンフル、ユーカリプトール、メントールおよび/またはα−ピネン;
− バルサミック調成分:クマリン、エチルバニリンおよび/またはバニリン;
− シトラス調成分:ジヒドロミルセノール、シトラール、オレンジ油、リナリルアセテート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1−P−メンテン−8−イルアセテートおよび/または1,4(8)−P−メンタジエン;
− フローラル調成分:ジヒドロジャスモン酸メチル、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール、β−イオノン、メチル−2−(メチルアミノ)ベンゾアート、(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、サリチル酸ヘキシル、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、酢酸ベルジル(verdyl acetate)、ゲラニオール、P−メンタ−1−エン−8−オール、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、1,1−ジメチル−2−フェニルエチルアセテート、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール、サリチル酸アミル、高シスジヒドロジャスモン酸メチル、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、ベルジルプロプリオナート(verdyl proprionate)、酢酸ゲラニル、テトラヒドロリナロール、シス−7−P−メンタノール、プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノアート、2−メトキシナフタレン、2,2,2−トリクロロ−1−フェニルエチルアセテート、4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、4−フェニル−2−ブタノン、酢酸イソノニル、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、イソ酪酸ベルジル(verdyl isobutyrate)および/またはメチルイオノン異性体の混合物、2−メチル−3−(3−tertブチルフェニル)プロパナール、2,5,7,7−テトラメチルオクタナール、4−(1,1−ジメチルエチル)フェニルプロパナール、3−(4−イソプロピルフェニル)プロパナール、オクタヒドロ−8,8−ジメチルナフタレン−2−カルボキシアルデヒド、オクタヒドロ−4,7−メタノインダニリデンブタナール、β−メチル−3−(1−メチルエチル)フェニルプロパナール、2−メチル−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロパナール、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタナール、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)プロパノール、シス−4−(1−メチルエチル)シクロヘキサンメタノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、3−メチル−4−フェニルブタン−2−オール、ジメチルフェニルプロパノール、2−メチル−3−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロパナール、3−(4−イソブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、3,4−ジオキシ(シクロアセトニル)トルオール、3−(1−エトキシエトキシ)−3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、α、α−ジメチル−4−エチルフェニルプロパナール、γ−メチルフェニルペンタナール;
− フルーティ調成分:γ−ウンデカラクトン、4−デカノライド、2−メチルペンタン酸エチル、酢酸ヘキシル、2−メチルブタン酸エチル、γ−ノナラクトン、ヘプタン酸アリル、イソ酪酸2−フェノキシエチル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−酢酸エチルおよび/または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル;
− グリーン調成分:2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、2−t−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート、酢酸スチラリル、アリル(2−メチルブトキシ)アセテート、4−メチル−3−デセン−5−オール、ジフェニルエーテル、(Z)−3−ヘキセン−1−オールおよび/または1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;
− ムスク調成分:1,4−ジオキサ−5,17−シクロヘプタデカンジオン、ペンタデセノリド、3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−g−2−ベンゾピラン、(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノアート、ペンタデカノリドおよび/または(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノアート;
− ウッディ調成分:1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン、パチョリ油、パチョリ油のテルペン分、(1’R,E)−2−エチル−4−(2’,2’,3’−トリメチル−3’−シクロペンテン−1’−イル)−2−ブテン−1−オール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、メチルセドリルケトン、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび/または酢酸イソボルニル;
− 他の成分(例えばアンバー調、粉末状スパイシー調またはウォータリー調):ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2,1−b]フランおよびその立体異性体のいずれか、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、クローブ油、3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナールおよび/または3−(3−イソプロピル−1−フェニル)ブタナール。
好ましくは、本発明の化合物は、ムスク、ウッディー、アンバー調の粉末状補助成分と共に使用することができ、特にペンタデセノリド、1−(オクタヒドロ−2,3,8,8テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン、ドデカヒドロ−3a、6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フランおよびその立体異性体のいずれか、メチルイオノン異性体の混合物、2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸メチル、3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、1−[2,6,10−トリメチル−1,5,9−シクロドデカトリエン−1−イル]エタノンと1−[−4,8−ジメチル−12−メチレン−4,8−シクロドデカジエン−1−イル]エタノンと1−[−2,6,10−トリメチル−2,5,9−シクロドデカトリエン−1−イル]エタノンとの混合物またはベチバー油と共に使用することができる。
本発明による香料ベースは、上記の付香補助成分に限定されず、これらの補助成分の他の多くは、いずれにせよ例えばS. Arctanderによる書籍Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAもしくはそのより新しい版のような参照文献または同様の性質の他の著作物および香料分野の多数の特許文献に記載されている。前記補助成分は、様々な種類の付香化合物を制御された様式で放出することが知られている化合物であってもよいことも理解される。
「香料補助剤」とは本明細書においては、例えば色、特定の光に対する耐久性、化学的安定性などのようなさらなる付加的な有益性を付与しうる成分を意味する。付香組成物で一般的に使用される補助剤の性質および種類については、すべてを余すことなく詳細に記載できるものではないが、こうした成分は当業者に周知であるという言及を行わなければならない。非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:粘性剤(例えば界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤および/またはレオロジー調整剤)、安定剤(例えば防腐剤、酸化防止剤、熱/光およびまたは緩衝剤またはキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば染料および/または顔料)、防腐剤(例えば抗細菌剤または抗微生物剤または抗真菌剤または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミン類およびそれらの混合物。
当業者は、単に当技術分野の標準的な知識を適用することによってのみならず試行錯誤法によっても付香組成物の上記の成分を混合することによって、所望の効果を得るための最適な処方物を設計することが完全に可能であることが理解される。
式(I)の少なくとも1つの化合物と少なくとも1つの香料担体とからなる本発明の組成物は、本発明の特定の一実施形態、および式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの香料担体と、少なくとも1つの香料ベースと、任意に少なくとも1つの香料補助剤とを含む付香組成物からなる。
特定の実施形態によれば、上記の組成物は、式(I)の複数の化合物を含み、調香師が本発明の様々な化合物の香り調性を有するアコードまたは香料を調製することを可能にし、それによって、創作目的での新規の構成要素が創出される。
明確にするために述べると、本発明の化合物が出発物質、中間体または最終生成物として含まれていると考えられる、化学合成から直接的に得られる混合物、例えば適切な精製を行っていない反応媒体が本発明の化合物を香料に適した形態で提供しない限り、こうした混合物を本発明による付香組成物と見なすことはできないであろう。したがって、特に明記しない限り、未精製の反応混合物は総じて本発明から除外される。
前記化合物(I)を加える消費財に香りをポジティブに付与するか、またはそうした消費財の香りをポジティブに変調するために、最新の香料、すなわちファインパフューマリーまたは機能性香料のすべての分野において本発明の化合物を有利に使用することもできる。したがって本発明のもう1つの対象は、上記で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物を付香成分として含む香料入り消費財からなる。
本発明の化合物をそのまま加えることも可能であり、また本発明の化合物を本発明の付香組成物の一部として加えることも可能である。
明確にするために述べると、「香料入り消費財」とは、消費財であって、該消費財が適用される表面または空間(例えば皮膚、毛髪、テキスタイルまたは家庭内表面)に少なくとも快い付香効果を送達するものを指すことを意図している。換言すれば、本発明による香料入り消費財は、機能性配合物と、適宜、所望の消費財に応じた追加の有益剤と、本発明の少なくとも1つの化合物の嗅覚的に有効な量とを含む香料入り消費財である。明確にするために述べると、前記香料入り消費財は、非食用製品である。
香料入り消費財の成分の性質および種類については、本明細書においてこれ以上の詳細な記載は保証されないが、いずれにせよすべてを余すことなく詳細に記載できるものではなく、当業者は、自身の一般知識に基づき、また該香料入り消費財の性質および所望の効果に応じて、それらを選択することができる。
適切な香料入り消費財の非限定的な例としては、パフューム、例えばファインパフューム、スプラッシュパフュームもしくはオードパフューム、コロンもしくはシェーブローションもしくはアフターシェーブローション;布地ケア製品、例えば液体洗剤もしくは固体洗剤、布地用柔軟剤、液体セントブースターもしくは固体セントブースター、布地用リフレッシュ剤、アイロニングウォーター、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えばヘアケア製品(例えばシャンプー、カラーリング用調製物もしくはヘアスプレー、カラーケア製品、整髪用製品、デンタルケア製品)、殺菌剤、インティメイトケア製品;化粧品(例えばスキンクリームもしくはスキンローション、バニシングクリームもしくは脱臭剤もしくは制汗剤(例えばスプレーもしくはロールオン)、脱毛剤、タンニング用製品もしくは日焼け用製品もしくは日焼け後用製品、爪用製品、皮膚洗浄剤、メーキャップ品);またはスキンケア製品(例えば石鹸、シャワーもしくはバス用のムース、オイルもしくはジェル、もしくは衛生製品もしくは足/手用ケア製品);エアケア製品、例えば家庭内空間(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴もしくは車)および/または公共の空間(ホール、ホテル、モールなど)において使用することができるエアフレッシュナーもしくは「すぐに使用可能な」粉末状エアフレッシュナー;またはホームケア製品、例えばカビ除去剤、ファーニッシャー(furnisher)ケア製品、ワイプ、食器用洗剤もしくは硬質表面(例えば床、浴室、衛生用品もしくは窓掃除)清浄化剤;皮革ケア製品;カーケア製品、例えばポリッシュ、ワックスもしくはプラスチッククリーナーが挙げられる。
上述した香料入り消費財のなかには、本発明の化合物に対する攻撃的な媒体となりうるものがあるため、例えば封止によって、または例えば酵素、光、熱もしくはpH変化のような適切な外部刺激を受けると本発明の成分を放出するのに適した他の化学物質に化学的に結合させることによって、本発明の化合物があまりにも早期に分解してしまうのを防ぐことが必要となる場合がある。
本発明による化合物を前述の種々の生成物または組成物に組み込むことのできる割合は、広範囲の値の範囲内で変化する。これらの値は、付香すべき物品の性質および所望の感覚刺激効果に依存するとともに、本発明による化合物を、当技術分野で一般的に使用されている付香補助成分、溶媒または添加剤と混合する場合には、所与のベース中の補助成分の性質にも依存する。
例えば付香組成物の場合には、本発明の化合物の典型的な濃度は、本発明の化合物を組み込む該組成物の重量に対して0.0001重量%〜10重量%であるかまたはそれを上回るオーダーである。香料入り消費財の場合には、本発明の化合物の典型的な濃度は、本発明の化合物を組み込む該消費財の重量に対して0.00001重量%〜1重量%であるかまたはそれを上回るオーダーである。
本発明の化合物または類似体は、市販のセドレンジオールを、酸の存在下で、式
Figure 2021504299
[式中、Q’は、−CH=CH−CH基、−CH−CH=CH基、−C≡C−CH基、−CH−C≡CH基、シクロプロピル基または2−メチルシクロプロピル基を表し、RおよびR基は、互いに独立して、C1−3アルキル基を表すか、またはRおよびR基は、一緒になって、C2−3アルカンジイルを表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての化合物と反応させるなど、当業者に知られている方法によって製造可能である。
式(III)の化合物は新規であるため、本発明のもう1つの対象は、式
Figure 2021504299
[式中、Q’は、−CH=CH−CH基、−CH−CH=CH基、−C≡C−CH基、−CH−C≡CH基または2−メチルシクロプロピル基を表し、RおよびR基は、互いに独立して、C1−3アルキル基を表すか、またはRおよびR基は、一緒になって、C2−3アルカンジイルを表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物であるが、ただし、4,4−ジエトキシ−2−ペンチン、4,4−ジメトキシ−1−ペンテン、4,4−ジエトキシ−1−ペンチン、2−メチル−2−(1−プロピン−1−イル)−1,3−ジオキソラン、2−メチル−2−(2−プロピン−1−イル)−1,3−ジオキソラン、2−メチル−2−(2−プロペン−1−イル)−1,3−ジオキソラン、2−メチル−2−(1−プロペニル)1,3−ジオキソランおよび4−エトキシ−4−メトキシ−1−ペンテンを除くものとする。
上記の任意の実施形態によれば、式(III)の化合物は、式
Figure 2021504299
[式中、X、RおよびR基は、上記で定義されたものと同一の意味を有する]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物であるが、ただし、4,4−ジエトキシ−2−ペンチン、2−メチル−2−(1−プロピン−1−イル)−1,3−ジオキソランおよび2−メチル−2−(1−プロペニル)1,3−ジオキソランを除くものとする。
好ましくは、Q’は、−CH=CH−CH基または−C≡C−CH基であってよい。換言すれば、Xは、−CH=CH−基または−C≡C−基であってよい。
実施例
ここで、本発明を以下の例によってさらに詳細に説明するが、略称は当技術分野における通常の意味を有し、温度を摂氏(℃)で示し、NMRスペクトルデータは、(別段の記載がない場合には)360MHzまたは400MHzの機器でHおよび13Cに関してCDCl中で記録したものであり、化学シフトδを、標準物質としてのTMSに対してppmで示し、結合定数JをHzで示す。
例1
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ85:15の比で含む混合物の形態での、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(本発明の化合物)
1)3−ブロモ−2−ペンタノンの製造
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた1000mLの3ツ口丸底フラスコに、2−ペンタノン172g、KClO30.4g、水140mLを装入し、50℃に加熱した。次いで、臭素(176g)を2時間かけて滴下により導入して、反応を80℃まで発熱させる。臭化物の導入の終了時に、この反応混合物を50℃でさらに40分間撹拌した後、氷/水浴で18℃に冷却した。氷水浴で反応温度を18〜28℃に維持しつつ、MgO10gを少量ずつ導入した。次いで、この混合物をセライトでろ過し、エーテルですすぎ、水相をエーテルで1回抽出した。有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した後、粗製物417gは、59%の3−ブロモ−2−ペンタノンおよび29%の1−ブロモ−2−ペンタノンを含有していた。次いで、これら2つのブロモケトンを、25cmのウィードマー(Wiedmer)カラムを用いた蒸留により分離したところ、純度95%の3−ブロモ−2−ペンタノン110gが得られた。
Figure 2021504299
2)3−ブロモ−2,2−ジメトキシペンタンの製造
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた250mLの3ツ口丸底フラスコに、3−ブロモ−2−ペンタノン41g、メタノール4.1gおよびpTSA0.3gを装入した。この溶液に20℃で、オルトギ酸トリメチル27gを70分間かけて添加したところ、この添加時に反応温度が26℃に上昇した。室温で30分後、温度を50℃に上げた。2.5時間後、オルトギ酸トリメチルをさらに2.73g添加し、反応を50℃でさらに2g続けた後、さらにオルトギ酸トリメチル2.73gをpTSA0.1gとともに添加した。50℃でさらに16時間の反応時間の後、出発物質の完全な転化が観察された。室温への冷却後、反応物を飽和NaHCOに注ぐことにより反応をクエンチし、エーテルで希釈した。相分離後、水相をエーテルで抽出し、合した有機抽出物をNaHCOでもう1回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、純度93%の粗製3−ブロモ−2,2−ジメトキシペンタン51.8gが得られた。これをビグリューカラムで蒸留したところ、純度93%の3−ブロモ−2,2−ジメトキシペンタン47.5gが得られた。
Figure 2021504299
3)(E)−2,2−ジメトキシ−3−ペンテンの製造
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、3−ブロモ−2,2−ジメトキシペンタン7.6g、DMSO50mLおよび固体カリウムt−ブトキシド7gを装入して、沈降前に反応温度を45℃まで上昇させた。この反応物をさらに15分間撹拌した後、冷水に注ぐことによりクエンチし、エーテルで希釈した。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、91%の(E)−2,2−ジメトキシ−3−ペンテンを含む7.89gの粗製物が得られた。バルブ・ツー・バルブ蒸留後、純度96%の(E)−2,2−ジメトキシ−3−ペンテン4.24gが得られた。
Figure 2021504299
4)ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ85:15の比で含む混合物の形態での、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの製造
マグネチックスターラーバーおよびディーンスタークトラップを備えた1Lの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール11g、2,2−ジメトキシ−3−ペンテン30g、pTSA0.26gおよびシクロヘキサン550mLを装入した。この混合物を10分間還流し、室温に冷却し、次いでこの反応混合物を飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチした。この反応混合物をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンと(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンとのジアステレオマー混合物((1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)=85/15)40%を含む粗製物23.2gが得られた。この粗製物を、ペンタン/エーテルのグラジエント(9/1〜6/4)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、93%の5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン((1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)/(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)=85/15)7gを単離した。
Figure 2021504299
例2
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ2:98の比で含む混合物の形態での、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(本発明の化合物)
1)(2S,3aS,4aR,5R,7aS,9R,9aR)−2−((S)−1−ブロモプロピル)−2,5,8,8,9a−ペンタメチルオクタヒドロ−4H−4a,9−メタノアズレノ[5,6−d][1,3]ジオキソールと(2R,3aS,4aR,5R,7aS,9R,9aR)−2−((R)−1−ブロモプロピル)−2,5,8,8,9a−ペンタメチルオクタヒドロ−4H−4a,9−メタノアズレノ[5,6−d][1,3]ジオキソールとの混合物の製造
マグネチックスターラーバーおよびディーンスタークトラップを備えた500mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール5g、3−ブロモ−2,2−ジメトキシペンタン(例13)で製造)22g、Al(SO−18HO0.82gおよびシクロヘキサン250mLを装入した。この混合物を39時間還流し、次いで、この反応混合物を飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチした。この反応混合物をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、(2S,3aS,4aR,5R,7aS,9R,9aR)−2−((S)−1−ブロモプロピル)−2,5,8,8,9a−ペンタメチルオクタヒドロ−4H−4a,9−メタノアズレノ[5,6−d][1,3]ジオキソールを主要な立体異性体として有する(2S,3aS,4aR,5R,7aS,9R,9aR)−2−((S)−1−ブロモプロピル)−2,5,8,8,9a−ペンタメチルオクタヒドロ−4H−4a,9−メタノアズレノ[5,6−d][1,3]ジオキソールと(2R,3aS,4aR,5R,7aS,9R,9aR)−2−((R)−1−ブロモプロピル)−2,5,8,8,9a−ペンタメチルオクタヒドロ−4H−4a,9−メタノアズレノ[5,6−d][1,3]ジオキソールとのジアステレオマー混合物を含む粗製濃縮物15.9gが得られた。この粗製物をクーゲルロールで蒸留することにより易沸騰性成分を除去したところ、残留物8.38gが残った。粗製ブロモケタールをさらに精製することなく次のステップに取り入れた。
2)ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ2:98の比で含む混合物の形態での、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの製造
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、前のステップで得られた粗製臭化物7.1g(36%)、カリウムt−ブトキシド2.6g、DMSO50mLを装入し、30分間かけて80℃に加熱して、出発物質の転化を完了させた。この反応混合物を水50mLに注ぐことによりクエンチし、次いでエーテル50mLおよびヘプタン100mLで希釈した。相分離後、水相をヘプタンで抽出し、水で3回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、41%の(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンと16%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンとを含む粗製濃縮物5.2gが得られた。この粗製物を、ペンタン/エーテルのグラジエント(97/3、次いで9/1)を用いたシリカでのクロマトグラフィーにかけたところ、純度82%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.68gと、純度95%の(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.5gとが得られた。
Figure 2021504299
例3
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ98:2の比で含む混合物の形態での、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(本発明の化合物)
例1で得られた、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンと(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンとの、それぞれ85/15の比でのジアステレオ異性体混合物をシリカカラムクロマトグラフィーによりさらに精製して、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンおよび(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンをそれぞれ98/2の比で準備した。
Figure 2021504299
例4
(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロピン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(本発明の化合物)
1)4,4−ジメトキシペンタ−2−インの製造
雰囲気下でのマグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、(公開された手順(P. Martin,M. Mueller, D. Flubacher, A. Boudier, H.−U. Blaser and D. Spielvogel Org. Proc. Res. & Dev. 2010, 14, 799−804)にしたがって製造した)ペンタ−3−イン−2−オン14.5g、メタノール5.7g、pTSA0.18g、そして最後にオルトギ酸トリメチル20.6gを、1時間かけて装入した。この反応混合物を50℃に加熱し、さらに30分間撹拌を続けた後、NaHCOに注ぎ、エーテルで希釈した。水相をエーテルで抽出し、合した抽出物をNaHCOで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、純度71%の粗製4,4−ジメトキシペンタ−2−イン41gが得られた。これを、15cmのウィードマー(Wiedmer)カラムを用いて蒸留することにより、純度92%の4,4−ジメトキシペンタ−2−イン15.6gが得られた。
Figure 2021504299
2)(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロピン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの製造
マグネチックスターラーバーおよびディーンスタークトラップを備えた250mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール2g、4,4−ジメトキシペンタ−2−イン3.2g、Al(SO−18HO0.33g、シクロヘキサン100mLを装入し、16時間かけて加熱還流し、次いで飽和NaCOに注ぐことによりクエンチし、エーテルで希釈した。相分離後、有機相を10%酒石酸NaKで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製物3.2gが得られた。これを、ペンタン/エーテル(97/3)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーで精製することにより、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロピン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.7gが得られた。バルブ・ツー・バルブ蒸留後、純度97%の5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロピン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.7gが得られた。これは、静置時に結晶化した。
Figure 2021504299
例5
(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1Z)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(本発明の化合物)
例4で得られた化合物0.5gを、室温でH1バールで、エタノール(50mL)中のリンドラー触媒53mgを用いて水素化した。この反応混合物をろ過し、濃縮したところ、純度89%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1Z)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.47gが得られた。これを、シリカでのクロマトグラフィー(ペンタン/エーテル、95/5)にかけたところ、純度97%のシス−ケタール(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1Z)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.36gが得られた。クーゲルロールでの蒸留後、97%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1Z)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.35gが得られた。
Figure 2021504299
例6
(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5−シクロプロピル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール5g、シクロプロピルメチルケトン8.8g、オルトギ酸トリメチル2.5g、シクロヘキサン80mLを装入し、0℃に冷却した。次いで、このスラリーにTMSOTf0.08gを装入し、0℃で2時間、そして室温で1時間撹拌して部分的に転化させ、次いで、この反応混合物を飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチし、エーテルで希釈した。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製物5.22gが得られ、これは、静置時に固化した。この固形物を、ヘキサン/EtOAc(9/1)中で再結晶させたところ、純粋なセドレンジオール結晶(8%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5−シクロプロピル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンで汚染)1.7gと、33%のケタール(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5−シクロプロピル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを含む母液3.3gとが得られた。この母液を、ペンタン/エーテル(95/5)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーで精製することにより、純度93%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5−シクロプロピル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.1gと、6%のセドラノンとが得られた。この物質を再度シリカでのクロマトグラフィーにかけたところ、純度97%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5−シクロプロピル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.7gが得られた。
Figure 2021504299
例7
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ91:9の比で含む混合物の形態での、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[2−メチルシクロプロピル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(比較化合物)
1)1−(2−メチルシクロプロピル)エタン−1−オンの製造
メカニカルスターラーを備えた1500mLの反応フラスコをN雰囲気下に配置し、60%NaH26g、次いでDMSO300mLを装入した。このスラリーを0℃に冷却した後、1時間でトリメチルスルホキソニウムヨージドを少量ずつ導入した。次いで、3−ペンテン−2−オン(純度70%、残分:メシチルオキシド)を30分間かけて添加したところ、温度が20℃に上昇した。この反応物をさらに3時間撹拌して出発ケトンの転化を完了させ、次いで飽和NHClを加えることによりクエンチし、次いでエーテル200mLで希釈した。水相をエーテルで抽出し、合した有機抽出物を、飽和NHCl、10%NaSO、NaHCOおよびブラインで連続して洗浄した。NaSOで乾燥させ、この反応混合物を大気圧でロータリーエバポレーターで濃縮した後に、粗製物85gが得られ、これを15cmのウィードマー(Wiedmer)カラムで分画することにより、純度64%のシクロプロパン化ケトン1−(2−メチルシクロプロピル)エタン−1−オン25.5gが、エーテル31gおよびポット残留物29gとともに得られた。ケトン1−(2−メチルシクロプロピル)エタン−1−オンを、さらに精製することなく使用した。
2)1−(1,1−ジメトキシエチル)−2−メチルシクロプロパンの製造
25℃で、マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた250mLの3ツ口丸底フラスコに、純度64%の1−(2−メチルシクロプロピル)エタン−1−オン20g、メタノール63g、p−トルエンスルホン酸0.015gおよびオルトギ酸トリメチル21gを装入したところ、反応温度が34℃に上昇した。室温で50分後、飽和NaHCOに注ぐことにより反応をクエンチし、エーテルで希釈した。相分離後、水相をエーテルで抽出し、合した有機抽出物をNaHCOでもう1回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、純度32%の粗製物1−(1,1−ジメトキシエチル)−2−メチルシクロプロパン44gが得られた。これを、15cmのウィードマー(Wiedmer)カラムで蒸留したところ、所望の生成物が分解された。15〜21%のケタール1−(1,1−ジメトキシエチル)−2−メチルシクロプロパンを含む蒸留画分を合し(8.6g)、ペンタン/エーテル(97/2)を用いたシリカでのクロマトグラフィーにかけたところ、純度80%のケタール1−(1,1−ジメトキシエチル)−2−メチルシクロプロパン2gが得られた。
Figure 2021504299
3)ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ91:9の比で含む混合物の形態での、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[2−メチルシクロプロピル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの製造
マグネチックスターラーバーおよびディーンスタークトラップを備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール1.25g、純度80%の1−(1,1−ジメトキシエチル)−2−メチルシクロプロパン1.93g、p−トルエンスルホン酸0.03g、シクロヘキサン70mLを装入し、45分間還流し、次いでこの反応混合物を飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチし、エーテルで希釈した。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、47%の粗製物5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[2−メチルシクロプロピル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.81gが得られた。これを、ヘキサン/EtOAc(95/5)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーで精製し、次いでクーゲルロールで蒸留することにより、純度94%の5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[2−メチルシクロプロピル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.93gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ91:9の比(R/S=91/9)で含む混合物の形で得られた。
Figure 2021504299
例8
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ12:88の比で含む混合物の形態での、7,9,9,13−テトラメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた50mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール2g、3−メチル−ブタ−2−エナール7g、シュウ酸0.04gおよびシクロペンタン20mLを装入した。この混合物を室温で4日間撹拌して、出発物質の80%を転化させた。この反応混合物をエーテルで2回抽出し、希NaOH水溶液で2回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製濃縮物2.68gが得られた。この粗製物をシリカでのクロマトグラフィーにかけるが、その際に、最初にペンタン/エーテル=99/1で開始し、次いで溶出溶媒の極性を徐々に高めることにより、バルブ・ツー・バルブ蒸留後に、純度91%の7,9,9,13−テトラメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.8gが、ジアステレオマー(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−7,9,9,13−テトラメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンと(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−7,9,9,13−テトラメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンとの88/12の混合物として得られた。
Figure 2021504299
例9
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ8:92または41:59の比で含む混合物の形態での、7,9,9,13−テトラメチル−5−(1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた50mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール2g、クロトンアルデヒド6g、シュウ酸0.04gおよびシクロペンタン20mLを装入した。この混合物を室温で5日間撹拌した後、希NaOH水溶液でクエンチした。この反応混合物をエーテルで2回抽出し、水で2回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製濃縮物2.27gが得られた。この粗製物を、シクロヘキサン/酢酸エチル=9/1でのシリカでのクロマトグラフィーにかけ、精製画分をクーゲルロールで蒸留したところ、純度85%の7,9,9,13−テトラメチル−5−(1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.79gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)と(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)との92/8の混合物として得られ、かつ純度100%の7,9,9,13−テトラメチル−5−(1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.71gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)と(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)との59/41の混合物として得られた。 ジアステレオ異性体(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)と(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)との92/8の混合物のRMN
Figure 2021504299
例10
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ9:91の比で含む混合物の形態での、7,9,9,13−テトラメチル−5−(3−ブテン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた50mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール1g、4−ペンテナール3.5g、シュウ酸0.02gおよびシクロペンタン10mLを装入した。この混合物を室温で4日間撹拌して25%を転化させ、次いで希NaOH水溶液でクエンチした。この反応混合物をエーテルで2回抽出し、水で2回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製濃縮物1.76gが得られた。この粗製物を、シクロヘキサン/酢酸エチル=9/1でのシリカでのクロマトグラフィーにかけ、次いでクーゲルロールで蒸留したところ、純度97%の7,9,9,13−テトラメチル−5−(3−ブテン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.23gが、ジアステレオマー(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)と(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)との91/9の混合物が得られた。
Figure 2021504299
例11
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ82:18の比で含む混合物の形態での、5−(3−ブテン−1−イル)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよびディーンスタークトラップを備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール1g、5−ペンテン−2−オン2g、pTSA0.038gおよびシクロヘキサン50mLを装入した。この反応物を17時間還流して出発物質の転化を完了させ、室温に冷却し、次いでこの反応混合物を飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチした。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5−(3−ブテン−1−イル)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンおよび(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5−(3−ブテン−1−イル)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンがそれぞれ82/18の比であるジアステレオマー混合物45%を含む粗製物1.1gが得られた。この粗製物を、ペンタン/エーテルのグラジエント(95/5〜9/1)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、純度96%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5−(3−ブテン−1−イル)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンおよび(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5−(3−ブテン−1−イル)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.5gが、それぞれ82/18の比で得られた。
Figure 2021504299
例12
ジアステレオ異性体(1R,1’R,3’S,7’R,8’R,10’S,13’R)および(1S,1’R,3’S,7’R,8’R,10’S,13’R)をそれぞれ59:41の比で含む混合物の形態での、7’,9’,9’,13’−テトラメチル−4’,6’−ジオキサスピロ[シクロヘキサン−1,5’−テトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカン]−2−エンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよびディーンスタークトラップを備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール1g、3,3−ジメトキシシクロヘキサ−1−エン3g、pTSA0.03gおよびシクロヘキサン50mLを装入した。この反応物を2時間還流して出発物質の転化を完了させ、室温に冷却し、次いで飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチした。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、(1R,1’R,3’S,7’R,8’R,10’S,13’R)−7’,9’,9’,13’−テトラメチル−4’,6’−ジオキサスピロ[シクロヘキサン−1,5’−テトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン]−2−エンおよび(1R,1’R,3’S,7’R,8’R,10’S,13’R)−7’,9’,9’,13’−テトラメチル−4’,6’−ジオキサスピロ[シクロヘキサン−1,5’−テトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン]−2−エンがそれぞれ59/41のモル比であるジアステレオマー混合物39%を含む粗製物3.2gが得られた。この粗製物を、ペンタン/エーテルのグラジエント(95/5〜9/1)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製したところ、84%の7’,9’,9’,13’−テトラメチル−4’,6’−ジオキサスピロ[シクロヘキサン−1,5’−テトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン]−2−エン0.81gが得られ、これを慎重にバルブ・ツー・バルブ蒸留した後に、純度95%の7’,9’,9’,13’−テトラメチル−4’,6’−ジオキサスピロ[シクロヘキサン−1,5’−テトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン]−2−エン0.64gが、ジアステレオマー(1R,1’R,3’S,7’R,8’R,10’S,13’R)および(1S,1’R,3’S,7’R,8’R,10’S,13’R)の60/40の混合物として得られた。
Figure 2021504299
例13
ジアステレオ異性体(1S,1’R,3’S,7’R,8’R,10’S,13’R)および(1R,1’R,3’S,7’R,8’R,10’S,13’R)をそれぞれ32:68の比で含む混合物の形態での、7’,9’,9’,13’−テトラメチル−4’,6’−ジオキサスピロ[シクロペンタン−1,5’−テトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカン]−2−エンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた250mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール1.9g、3,3−ジメトキシシクロペンタ−1−エン5g、Al(SO−18HO0.16gおよびシクロヘキサン150mLを装入した。この反応物を50℃で21時間加熱した後、飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチした。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製物6.6gが得られた。この粗製物を、ペンタン/エーテル(1回目の分離9/1、2回目の分離95/5〜9/1)を用いた2回の連続シリカカラムクロマトグラフィーにより精製したところ、最終的に、72%の5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−ビニル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.81gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ68:32の比で含む混合物の形態で得られ、これを慎重にバルブ・ツー・バルブ蒸留した後に、純度94%の5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−ビニル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.51gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ68:32の比で含む混合物の形態で得られた。
Figure 2021504299
例14
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ59:41の比で含む混合物の形態での、5−エチル−7,9,9,13−テトラメチル−5−ビニル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよびディーンスタークトラップを備えた250mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール3g、2−エチル−2−ビニル−1,3−ジオキソラン8g、pTSA0.072gおよびシクロヘキサン150mLを装入した。この反応物を24時間還流し、室温に冷却し、次いで飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチした。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、5.15gの粗製物が得られた。これを、ペンタン/エーテル(1回目のクロマトグラフィー95/5、2回目のクロマトグラフィー97/3)を用いた2回の連続シリカカラムクロマトグラフィーにより精製したところ、純度96%の5−エチル−7,9,9,13−テトラメチル−5−ビニル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.6gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ59:41の比で含む混合物の形態で得られた。
Figure 2021504299
例15
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ92:8の比で含む混合物の形態での、5−エチル−7,9,9,13−テトラメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール4g、(E)−ヘキサ−4−エン−3−オン8.2g、オルトギ酸トリメチル1.8g、シクロヘキサン70mLを装入し、0℃に冷却した。次いで、このスラリーにTMSOTf0.06gを装入し、0℃で2.5時間撹拌し、次いでそれを飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチし、エーテルで希釈する。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製物11gが得られた。これを、ペンタン/エーテル(95/5)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、純度96%の5−エチル−7,9,9,13−テトラメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.2gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ92:8の比で含む混合物の形で得られ、これをバルブ・ツー・バルブ蒸留した後に、純度97%の5−エチル−7,9,9,13−テトラメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン1.1gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ92:8の比で含む混合物の形で得られた。
Figure 2021504299
例16
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ88:12の比で含む混合物の形態での、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−ビニル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜 1,10 〜.0〜 3,7 〜]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール4g、3−ブテン−2−オン5.9g、オルトギ酸トリメチル1.8g、シクロヘキサン70mLを装入し、0℃に冷却した。次いで、このスラリーにTMSOTf0.037gを装入し、0℃で2時間、次いで室温で3時間撹拌して、出発ジオールを部分的に転化させた。この反応物を飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチし、エーテルで希釈する。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製物6.1gが得られた。この粗製物にペンタンを装入して、未反応のセドレンジオールを沈殿させた。この固形物をろ過により分離した後、母液を再濃縮して4.1gの物質を得て、これを、ペンタン/エーテル(97/3)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、純度95%の5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−ビニル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン0.25gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ89:11の比で含む混合物の形態で得られた。
Figure 2021504299
例17
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ67:33の比で含む混合物の形態での、5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜 1,10 〜.0〜 3,7 〜]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール5g、4−メチル−3−ペンテン−2−オン10.3g、オルトギ酸トリメチル2.2g、シクロヘキサン120mLを装入し、0℃に冷却した。次いで、このスラリーにTMSOTf0.035gを装入し、0℃で3時間撹拌して、出発ジオールを部分的に転化させた。この反応物を飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチし、エーテルで希釈する。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製物17gが得られた。この粗製物を、最初に純ペンタン、続いてペンタン/エーテルグラジエント97/3、次いで95/5を用いて直径7cmのシリカカラムに流し込んだところ、純度49%の5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン2.71gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ88:12の比で含む混合物の形態で得られ、これは、静置時に結晶化した。次いで、この固形物をクーゲルロールで慎重に蒸留してより軽い成分を除去したところ、純度96%の5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン2.04gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ94/6の比で含む混合物の形態で得られた。蒸留した物質をヘキサンでさらに再結晶化させた。この結晶をろ過し、冷ヘキサンで洗浄した後、純度97%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン1.12gが得られた。母液をロータリーエバポレーターで濃縮し、固形物残渣を再結晶させたところ、純度97%の(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン0.21gの第2の生成物が得られた。得られた母液を濃縮した後、バルブ・ツー・バルブ蒸留することにより、純度97%の7,9,9,13−ペンタメチル−5−(2−メチル−1−プロペン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン0.32gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ67/33の比で含む混合物の形態で得られた。
Figure 2021504299
例18
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ79:21の比で含む混合物の形態での、5−イソプロペニル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜 1,10 〜.0〜 3,7 〜]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた250mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール5g、3−メチルブタ−3−エン−2−オン8.8g、オルトギ酸トリメチル2.2g、シクロヘキサン120mLを装入し、0℃に冷却した。次いで、このスラリーにTMSOTf0.035gを装入し、0℃で6時間撹拌し、次いで飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチし、エーテルで希釈した。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製物15gが得られた。これを、ペンタン/エーテルのグラジエント(97/3、次いで95/5)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製したところ、純度95%の5−イソプロペニル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン1.55gが得られた。バルブ・ツー・バルブ蒸留後に、純度91%の5−イソプロペニル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン1.37gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ79/21の比で含む混合物の形態で得られ、これは、静置時に結晶化した。
Figure 2021504299
例19
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ78:22の比で含む混合物の形態での、5−[(2E)−2−ブテン−2−イル]−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜 1,10 〜.0〜 3,7 〜]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグネチックスターラーバーおよび還流冷却器を備えた100mLの3ツ口丸底フラスコに、セドレンジオール5g、(E)−3−メチルペンタ−3−エン−2−オン10.3g、オルトギ酸トリメチル2.2g、シクロヘキサン75mLを装入し、0℃に冷却した。次いで、このスラリーにTMSOTf0.06gを装入し、0℃で6時間撹拌し、次いでこれを飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチし、エーテルで希釈した。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮したところ、粗製物12.5gが得られた。これを、ペンタン/エーテル(95/5)を用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製したところ、純度96%の5−[(2E)−2−ブテン−2−イル]−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン1.2gが得られた。バルブ・ツー・バルブ蒸留後、純度96%の5−[(2E)−2−ブテン−2−イル]−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0〜1,10〜.0〜3,7〜]テトラデカン1.19gが、ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ78:22の比で含む混合物の形態で得られ、これは、静置時に結晶化した。
Figure 2021504299
例20
1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5−エチニル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0 1,10 .0 3,7 ]テトラデカンの合成(比較化合物)
マグスターバーおよびディーンスタークトラップを備えた25mLのシュレンク管に、Al(SO十八水和物0.13g、セドレンジオール0.9g、シクロヘキサン15mLおよび3,3−ジメトキシ−1−ブチン1.3gを装入した。この混合物をN雰囲気下に配置し、88℃の油浴温度で46時間加熱還流し、次いでこれを飽和NaHCOに注ぐことによりクエンチした。相分離後、水相をエーテルで2回抽出し、合し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮したところ、ワックス状の油1.18gが得られた。これを、15:1のペンタン/エーテルを用いたシリカでのクロマトグラフィーにかけたところ、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5−エチニル−5,7,9,9,13−ペンタメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン0.109gが得られた。
Figure 2021504299
例21
付香組成物の製造
最終製品に15%の分量で配合した男性用ファインフレグランス用付香組成物を、以下の成分の混合により製造した。
Figure 2021504299
Figure 2021504299
Figure 2021504299
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ85:15の比で含む混合物の形態での5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを10%含むジプロピレングリコール溶液200重量部を添加することにより、上記組成物中のジプロピレングリコール200重量部を置き換えて、該組成物に、強化されたウッディー−ドライおよびアンバー調のコノテーションを付与した。このコノテーションは、より強力で、よりはっきりとしており、より直線的で、24時間後であってもトップノートにおいて知覚された。この性能は、トップノートにおいて、24時間後であっても優れている。
10%の(−)−(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−(1−プロピン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを含む同量のジプロピレングリコール溶液を使用してジプロピレングリコール200重量部を置き換えた場合にも、同様の効果が得られた。
本発明の化合物に代えて、10%のAmbrocenide(登録商標)((−)−(1R,3S,7R,8R,10S,13R)−5,5,7,9,9,13−ヘキサメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0(1,10).0(3,7)]テトラデカン;供給元 Symrise(ドイツ))を含む同量のジプロピレングリコール溶液を使用してジプロピレングリコール200重量部を置き換えた場合には、該組成物はウッディー−ドライ調のコノテーションを有するものの、アニマリックノートをも、特にトップノートに含み、これは24時間後にはかなり減少した。
本発明の化合物に代えて、米国特許出願公開第20120077722号明細書の例Iに報告されている(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−プロピル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンおよび(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−プロピル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン含む混合物を10%含む同量のジプロピレングリコール溶液を使用してジプロピレングリコール200重量部を置き換えた場合、該組成物は、量感があり温かみのあるアンバー調のコノテーションを得た。この効果は、Ambrocenide(登録商標)の場合よりもわずかであったが、経時的により一定であり、24時間後にもまだ知覚された。
組成物全体に対する影響は、従来技術の両成分よりも本発明の化合物の方が明らかに優れていた。上記組成物に添加した本発明の化合物がAmbrocenide(登録商標)または米国特許出願公開第20120077722号明細書の例1に例示されている化合物の五分の一であった場合でも、本発明の化合物は、ボトムノートにおいてもトップノートにおいても、さらにより強力で、かつより残留性が高い。
例1および例4の本発明の化合物は、従来の両成分より明らかにより強力なボトムノートおよびトップノートを有する。
例22
付香組成物の製造
最終製品に1.5%の分量で配合した液体洗剤用の付香組成物を、以下の成分の混合により製造した。
Figure 2021504299
Figure 2021504299
ジアステレオ異性体(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)および(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)をそれぞれ85:15の比で含む混合物の形態での5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを10%含むジプロピレングリコール溶液100重量部を添加することにより、上記組成物中のジプロピレングリコール100重量部を置き換えて、該組成物に、強化されたウッディー−ドライおよびアンバー調の、より強力なコノテーションを付与した。本発明の化合物によってもたらされるこのノートは、そのままの、濡れた、および乾いた布地において高度に知覚される。本発明の化合物は非常に強力であるため、分量が過剰であると認識された。
10%の(−)−(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−(1−プロピン−1−イル)−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを含む同量のジプロピレングリコール溶液を使用して、ジプロピレングリコール200重量部を置き換えた場合にも、同様の効果が得られた。
本発明の化合物に代えて、10%のAmbrocenide(登録商標)((−)−(1R,3S,7R,8R,10S,13R)−5,5,7,9,9,13−ヘキサメチル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.0(1,10).0(3,7)]テトラデカン; 供給元 Symrise(ドイツ))を含む同量のジプロピレングリコール溶液を使用して、ジプロピレングリコール100重量部を置き換えた場合、該組成物は、ウッディー−ドライ調のコノテーションを得たが、これにはアニマリックノートも含まれ、これは特に、そのままの、および濡れた布地で検出可能であるが、乾いた布地では影響がはるかに小さかった。
本発明の化合物に代えて、米国特許出願公開第20120077722号明細書の例Iに報告されている(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−プロピル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンおよび(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−プロピル−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンを含む混合物を10%含む同量のジプロピレングリコール溶液を使用してジプロピレングリコール100重量部を置き換えた場合、該組成物は、量感があり温かみのあるアンバー調のコノテーションを得た。このコノテーションは、そのままの、および濡れた布地において認められ、またより低い程度で乾いた布地において認められる。
例23
本発明の化合物を含むオードトワレの製造
穏やかに振盪しながらエタノールに本発明の例21の組成物をオードトワレの総重量に対して15重量%添加することにより、オードトワレを製造した。
例24
本発明の化合物を含む液体洗剤の製造
Figure 2021504299
穏やかに振盪しながら表2の無香料液体洗剤配合物に本発明の例22の組成物を液体洗剤の総重量に対して0.5〜1.5重量%添加することにより、液体洗剤を製造した。
例25
本発明の化合物の残留性の測定
布地(木綿またはポリエステルのパイル地タオル2.0kg)を、標準的な欧州の水平軸機(Miele Novotronic W 900−79 CH)で40℃で洗濯した。洗濯開始時には、洗剤用引出しを通して、本発明の例1の化合物1%または従来技術の化合物1%を含むジプロピレングリコール溶液0.5%を含む表2の新たに製造した液体洗剤の計量分75gが存在していた。この布地の香り強度を、洗濯後、そしてさらに布地を一晩吊り干しした後に、訓練を受けた4名のパネリストのパネルによって評価した。洗剤の香り強度も、訓練を受けた4名のパネリストのパネルによって評価した。パネリストに、タオルおよび洗剤の香り強度を1から10の尺度で評価するよう依頼し、ここで、1は無臭に相当し、10は非常に強力な香りに相当する。
Figure 2021504299
以下の結果は、同一濃度の本発明の化合物が、いずれの段階でも、すなわち、布地の種類に関係なく、そのままの、濡れた布地または乾いた布地において、従来技術の化合物と比較して優れていることを明確に示している。
例26
本発明の化合物を含む布地用柔軟剤の製造
Figure 2021504299
メチルビス[エチル(タロウェート)]−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを秤量して65℃に加熱することにより、柔軟剤を製造した。次いで、水および1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを反応器に入れ、撹拌しながら65℃に加熱した。上記混合物に、メチルビス[エチル(タロウェート)]−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを加えた。この混合物を15分間撹拌し、CaClを加えた。次いで、本発明の例23の組成物を、柔軟剤の総重量に対して0.5〜2重量%添加した。この混合物を15分間撹拌し、撹拌しながら室温に冷却した(粘度測定:結果35±5mPa・s(せん断速度106s−1))。
例27
本発明の組成物を含む透明性が等方的なシャンプーの製造
Figure 2021504299
ポリクオタニウム−10を水に分散させることによりシャンプーを製造した。相Aの残りの成分を、各添加後に十分に混合しながら次々に添加することにより別々に混合した。この予混合物をポリクオタニウム−10分散液に加え、さらに5分間混合した。次いで、かき混ぜながら、予混合相Bおよび予混合相Cを加えた(Monomuls 90L−12を加熱してTexapon NSO IS中に溶融させた)。かき混ぜながら、相Dおよび相Eを加えた。pH5.5〜6.0になるまでクエン酸溶液でpHを調整して、無香料シャンプー配合物を得た。
香料入りシャンプーを、シャンプーの総重量に対して0.4〜0.8重量%の例23の本発明の組成物を表5の無香料シャンプー製剤に穏やかに振盪しながら添加することにより製造した。
例28
本発明の組成物を含む構造化シャワージェルの製造
Figure 2021504299
穏やかに振盪しながら表6の無香料シャワージェル配合物に本発明の例23の組成物をシャワージェルの総重量に対して0.5〜1.5重量%添加することにより、シャワージェルを製造した。
例29
本発明の組成物を含む透明なシャワージェルの製造
Figure 2021504299
穏やかに振盪しながら表7の無香料シャワージェル配合物に本発明の例23の組成物をシャワージェルの総重量に対して0.5〜1.5重量%添加することにより、透明なシャワージェルを製造した。
例30
本発明の組成物を含む乳白色のシャワージェルの製造
Figure 2021504299
穏やかに振盪しながら表8の無香料シャワージェル配合物に本発明の例23の組成物をシャワージェルの総重量に対して0.5〜1.5重量%添加することにより、透明なシャワージェルを製造した。
例31
本発明の組成物を含む真珠光沢色のシャンプーの製造
Figure 2021504299
Figure 2021504299
水およびEDTA・四ナトリウム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびポリクオタニウム−10に分散させることにより、シャンプーを製造した。相Aが均質になったら、10%NaOH溶液(相B)を添加した。次いで、予混合した相Cを加え、この混合物を75℃に加熱した。相Dの成分を加え、均質になるまで混合した。この混合物を冷却した。45℃で、混合しながら相E成分を加えた。25%NaCl溶液で最終粘度を調整し、10%NaOH溶液でpHを5.5〜6に調整した。
穏やかに振盪しながら表9の無香料シャンプー配合物に本発明の例23の組成物をシャンプーの総重量に対して0.4〜0.8重量%添加することにより、香料入りの真珠光沢色のシャンプーを製造した。
例32
本発明の組成物を含む構造化シャワージェルの製造
Figure 2021504299
穏やかに振盪しながら表10の無香料シャワージェル配合物に本発明の例23の組成物をシャワージェルの総重量に対して0.5〜1.5重量%添加することにより、透明なシャワージェルを製造した。

Claims (15)


  1. Figure 2021504299
    [式中、基Qは、−CH=CH−CH基または−C≡C−CH基を表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物。
  2. 前記基Qが、−CH=CH−CH基であることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
  3. 前記化合物(I)が、E異性体およびZ異性体からなる混合物の形態であり、前記E異性体は、前記混合物全体の少なくとも75%に相当し、前記Z異性体は、前記混合物全体の最大で25%に相当することを特徴とする、請求項2記載の化合物。
  4. 二重結合がE配置であることを特徴とする、請求項3記載の化合物。
  5. 前記式(I)の化合物が、5位の炭素に対してR配置の異性体を少なくとも55%含み、かつ5位の炭素に対してS配置の異性体を最大で45%含む異性体混合物の形態であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の化合物。
  6. 前記式(I)の化合物が、5位の炭素に対してR配置の異性体を少なくとも70%含み、かつ5位の炭素に対してS配置の異性体を最大で30%含む異性体混合物の形態であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の化合物。
  7. 前記式(I)の化合物が、5位の炭素に対してR配置の異性体を少なくとも80%含み、かつ5位の炭素に対してS配置の異性体を最大で20%含む異性体混合物の形態であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の化合物。
  8. 前記式(I)の化合物が、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[(1E)−1−プロペン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンまたはそれらの混合物、(1R,3S,5R,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロピン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカン、(1R,3S,5S,7R,8R,10S,13R)−5,7,9,9,13−ペンタメチル−5−[1−プロピン−1−イル]−4,6−ジオキサテトラシクロ[6.5.1.01,10.03,7]テトラデカンまたはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項で定義された式(I)の化合物の、付香成分としての使用。
  10. 付香組成物または香料入り物品の香り特性を付与、増強、改善または変更する方法であって、請求項1から8までのいずれか1項で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量を前記組成物または物品に添加することを含む、方法。
  11. i)請求項1から8までのいずれか1項で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物と、
    ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
    iii)任意に、少なくとも1つの香料補助剤と
    を含む、付香組成物。
  12. 請求項1から8までのいずれか1項で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物または請求項11で定義された付香組成物を含む、香料入り消費財。
  13. パフューム、布地ケア製品、ボディケア製品、化粧品、スキンケア製品、エアケア製品またはホームケア製品であることを特徴とする、請求項12記載の香料入り消費財。
  14. ファインパフューム、スプラッシュパフュームもしくはオードパフューム、コロン、シェーブローションもしくはアフターシェーブローション、液体洗剤もしくは固体洗剤、布地用柔軟剤、布地用リフレッシュ剤、アイロニングウォーター、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、カラーリング用調製物、カラーケア製品、整髪用製品、デンタルケア製品、殺菌剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、バニシングクリーム、脱臭剤もしくは制汗剤、脱毛剤、タンニング用製品もしくは日焼け用製品、爪用製品、皮膚洗浄剤、メーキャップ品、香料入り石鹸、シャワーもしくはバス用のムース、オイルもしくはジェル、または足/手用ケア製品、衛生製品、エアフレッシュナー、「すぐに使用可能な」粉末状エアフレッシュナー、カビ除去剤、ファーニッシャー(furnisher)ケア製品、ワイプ、食器用洗剤もしくは硬質表面清浄化剤、皮革ケア製品、カーケア製品であることを特徴とする、請求項13記載の香料入り消費財。

  15. Figure 2021504299
    [式中、Q’は、−CH=CH−CH基または−C≡C−CH基を表し、RおよびR基は、互いに独立して、C1−3アルキル基を表すか、またはRおよびR基は、一緒になって、C2−3アルカンジイルを表す]の化合物であって、その立体異性体のいずれかの1つの形態でのまたはそれらの混合物としての、化合物であるが、ただし、4,4−ジエトキシ−2−ペンチン、2−メチル−2−(1−プロピン−1−イル)−1,3−ジオキソランおよび2−メチル−2−(1−プロペニル)1,3−ジオキソランを除くものとする、化合物。
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