JP2021500372A - Pde5阻害剤の液体充填製剤 - Google Patents

Pde5阻害剤の液体充填製剤 Download PDF

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Abstract

本開示は、カプセル及び充填製剤を含む、PDE5阻害剤の親油性塩のための組成物を提供する。充填製剤の実施態様は液体脂質ビヒクルを含有し、液体脂質ビヒクル中には活性成分が溶解されており、比較的高い量で存在する。

Description

本出願はPDE5阻害剤の液体充填製剤に関する。
背景
ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤は、***不全(ED)、さらには成人及び児童における肺高血圧症のような他の臨床的適応の処置に使用される。シルデナフィルは、PDE5阻害剤化合物の具体例であり、そして現在EDの処置のための経口錠剤投薬形態、例えばViagra(R)として処方される。ED適応症のための他の販売されている製品としては、バルデナフィル(Levitra(R))及びアバナフィル(Stendra(R))が錠剤投薬形態としても挙げられる。これらの活性物質は、少なくとも1つの約5より大きいpKaを有して塩基性であり、従って結晶性遊離塩基又は塩から開始して製剤化され得る。しかし、多数の偽造薬製品が入手可能であり、これらは患者の安全、収益損失、訴訟、ブランド侵食(brand erosion)、有効性の疑問などに対して多くの課題を生じる。
錠剤製品に加えて、口内崩壊錠及び咀嚼ソフトカプセルシルデナフィル製品は米国以外の市場で販売されている。これらの製品は、経口錠剤と比較してより迅速な作用の開始を達成するように設計されるが、これらは味が悪い。
シルデナフィルはまた、米国及び他の国々において成人における肺高血圧症処置について認可されており(Revatio(R)錠剤)、そして現在では同じ適応症について小児において臨床試験が行われている。この小児適用において、口当たりの良い経口製剤の開発は患者コンプライアンスに対して極めて重要である。
従って、PDE5阻害剤の新しい革新的な経口製剤の必要性が存在する。
要旨
PDE5阻害剤の製剤が開示される。特定の実施態様において、開示される組成物は、カプセル及び充填製剤を含み、ここで充填製剤は、シルデナフィル、バルデナフィル、アバナフィル、ウデナフィル、ミロデナフィル(mirodenafil)、ロデナフィル(lodenafil)又はそれらの組み合わせを含むか、これらからなるか又は本質的にこれらからなる活性成分、活性成分の親油性塩を形成することができるように活性成分の少なくとも90mol%の量で存在する、活性成分に対する親油性対イオン、及び25℃で液体であるか又は大部分液体である脂質ビヒクルを含み、ここで活性成分は、脂質ビヒクル中に25℃で充填製剤の少なくとも1.0質量%(遊離塩基当量として表される)の量で完全に溶解されるか又は実質的に完全に溶解される。特定の実施態様において、活性成分はシルデナフィルである。
実施態様のいずれかにおいて、組成物は少なくとも2.5質量%(遊離塩基当量として表される)の量で組成物中に存在する活性成分を含み得る。実施態様のいずれにおいても、脂質ビヒクルは、界面活性剤又は界面活性剤の混合物、場合により補助界面活性剤、及び場合によりオイルを含んでいても、本質的にこれらからなるものであっても、これらからなるものであってもよい。界面活性剤を有するいずれの実施態様においても、界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、(i)C8−C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−及びジ−エステル並びに(ii)C8−C22脂肪酸のグリセリルモノ−、ジ−、及びトリ−エステルの混合物、ポリオキシエチレンヒマシ油及び誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ビタミンE TPGS又はそれらの1つもしくはそれ以上の誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、又はそれらの組み合わせであり得る。特定の実施態様において、界面活性剤はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、又はそれらのいずれかの組み合わせであり得る。いくつかの実施態様において、界面活性剤は、(i)C8−C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−及びジ−エステル並びに(ii)カプリロカプロイルマクロゴール−8グリセリド、オレオイルマクロゴール−6グリセリド又はリノレオイルマクロゴール−6グリセリド、ラウロイルマクロゴール−32グリセリド、ステアロイルマクロゴール−32グリセリド及びマクロゴールステアレートからなる群より選択されるC8−C22脂肪酸のグリセリルモノ−、ジ−、及びトリ−エステルの混合物である。他の実施態様において、界面活性剤はポリオキシエチレンヒマシ油である。特定の実施態様において、ポリオキシエチレンヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリオキシル60硬化ヒマシ油又はそれらのいずれかの組み合わせである。他の実施態様において、界面活性剤はポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。いくつかの実施態様において、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルはポリオキシル40ステアレート、ポリオキシル40オレアート、ポリオキシル8ステアレート、ポリオキシル15ヒドロキシステアレート又はそれらの組み合わせである。
特定の実施態様において、界面活性剤はビタミンE TPGS及び/又はその誘導体である。他の実施態様において、界面活性剤はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、例えばポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー407又はそれらのいずれかの組み合わせである。
開示された製剤のいくつかの実施態様は、C8−C22脂肪酸のプロピレングリコールモノ−及びジ−エステル、ソルビタン脂肪酸エステル又はそれらの混合物を含むか、本質的にこれらからなるか又はこれらからなる補助界面活性剤を含む。他の実施態様において、補助界面活性剤は、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールジカプロレート/ジカプレート、プロピレングリコールモノラウレート又はそれらのいずれかの組み合わせを含むか、本質的にこれらからなるか又はこれらからなるC8−C22脂肪酸のプロピレングリコールモノ−又はジ−エステルである。更に他の実施態様において、補助界面活性剤は、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノアレアート、ソルビタントリオレアート又はそれらのいずれかの組み合わせを含むソルビタン脂肪酸エステルである。
いずれの実施態様においても、オイルは、グリセロールのC8−C18脂肪酸エステルを含んでいても、本質的にそれからなるものであっても、それからなるものであってもよい。あるいは、オイルはC8〜C18トリグリセリドである。更に他の実施態様において、オイルは、C8〜C18モノ−、ジ−及び/又はトリグリセリドの混合物である。いくつかの実施態様において、オイルは、アーモンドオイル、ババス油、ブラックカラント種子油、ルリヂサオイル、菜種油、ヒマシ油、ココナツオイル、タラ肝油、コーン油、綿実油、月見草油、魚油、ブドウ種子油、カラシ油、オリーブ油、パーム核油、ヤシ油、落花生油、菜種油、紅花油、ゴマ油、サメ肝油、大豆油、ヒマワリ油、クルミ油、小麦胚種油、アボカド油、糠油、硬化ヒマシ油、硬化ココナツオイル、硬化綿実油、硬化ヤシ油、硬化大豆油、部分的硬化大豆油、硬化植物油、カプリル/カプリン酸グリセリド、分画トリグリセリド、グリセリルトリカプロアート、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリル/カプリン酸グリセリル、トリカプリル/カプリン酸グリセリル、トリカプリル/カプリン/ラウリン酸グリセリル、トリカプリル/カプリン/リノール酸グリセリル、トリカプリル/カプリン/ステアリン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル又はそれらの混合物である。いずれかの実施態様において、オイルは、ラウリン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル又はそれらのいずれかの混合物を含んでいても、本質的にこれらからなるもであっても、又はこれらからなるものであってもよい。
実施態様のいずれかにおいて、脂質ビヒクルは、中鎖トリグリセリド、プロピレングリコールモノカプリレート及びポリオキシル35ヒマシ油を含んでいても、本質的にこれらからなるものであっても、これらからなるものであってもよい。特定の実施態様において、脂質ビヒクルは、プロピレングリコールものかプリレート、PEG−8カプリル/カプリン酸グリセリド及びポリオキシル35ヒマシ油を含む。
実施態様のいずれかにおいて、活性成分の親油性塩は、活性成分の市販の塩形態(例えば、シルデナフィルの場合はクエン酸塩、又はバルデナフィルの場合は塩酸塩)の脂質ビヒクル中の溶解度よりも少なくとも5倍大きい、脂質ビヒクル中の溶解度を有し得る。特定の実施態様において、活性成分はシルデナフィルであり、そして活性成分の親油性塩は、活性成分のクエン酸塩形態の脂質ビヒクル中の溶解度よりも少なくとも10倍大きい脂質ビヒクル中の溶解度を有する。他の実施態様において、活性成分はシルデナフィルであり、そして活性成分の親油性塩は、活性成分のクエン酸塩形態の脂質ビヒクル中の溶解度よりも少なくとも25倍大きい脂質ビヒクル中の溶解度を有する。いくつかの実施態様において、活性成分はシルデナフィルであり、そして活性成分の親油性塩は、活性成分のクエン酸塩形態の脂質ビヒクル中の溶解度よりも少なくとも50倍大きい脂質ビヒクル中の溶解度を有する。
実施態様のいずれにおいても、対イオンは、炭素原子を含有する有機分子を含んでいても、本質的にそれからなるものであっても、それからなるものであってもよい。特定の実施態様において、対イオンは、7未満のpKa値を有する少なくとも1つの酸性基を有し、そして4未満のpKa値を有する少なくとも1つの酸性基を含み得る。
実施態様のいずれにおいても、対イオンは、0より大きい、そしてより好ましくは2より大きいLopP又はcLogPを有し得る。
実施態様のいずれにおいても、対イオンは、塩における対イオン:活性成分モル質量比が2.5未満であるような、又は塩における対イオン活性成分モル質量比が1.5未満であるような分子量を有し得る。特定の実施態様において、親油性対イオンは、カルボン酸(RC(O)O−)、ホスフェート(ROP(O)O2−)、ホスホネート(RP(O)O2−)、スルホネート(RS(O)2O−)、サルフェート(ROS(O)2O−)、テトラゾリル(R−テトラゾレート)及び/又はビス(スルホニル)イミド(RSO2−N−SO2R)[ここでRは、2と24個との間の炭素原子を含有する場合により置換された炭化水素基のようないずれかの適切な基であり得、そしてこの炭化水素R基は、飽和直鎖もしくは分枝炭化水素又は飽和環式炭化水素又は不飽和環式炭化水素であり、そしてここでR基は非置換であるか、又は1、2、3、4、5、もしくは6個もしくはそれ以上の同じかもしくは異なる任意の置換基で置換されていてもよい]を含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。他の実施態様において、親油性対イオンは、デシルサルフェート、ラウリルサルフェート、7−エチル−2−メチル−4−ウンデシルサルフェート、ジオクチルスルホスクシネート(ドクサート)、オレアート、ステアレート、パルミテート、ラウレート(ドデカノエート)、カプレート(デカノエート)、カプリレート(オクタノエート)ブチルオクチルサルフェート又はそれらのいずれかの組み合わせである。さらに他の実施態様において、親油性対イオンはラウリルサルフェート、ジオクチルスルホスクシネート(ドクサート)、デシルサルフェート又はそれらのいずれかの組み合わせである。
実施態様のいずれかにおいて、活性成分は、遊離塩基当量で表された場合、充填組成物の少なくとも2.5質量%の量で存在し得る。適切な場合実施態様のいずれにおいても、充填製剤中に存在する界面活性剤の量は、10〜96質量%であり得、15〜75質量%であり得、そして25〜65質量%であり得る(ここで、充填製剤の量は、活性成分、親油性対イオン、脂質ビヒクル及び他の任意の添加物の質量を含む)。実施態様のいずれにおいても、適切な場合、充填製剤中に存在する補助界面活性剤の量は、充填製剤の0又は0.1〜60質量%であり得、5〜50質量%であり得、そして10〜40質量%であり得る。適切な場合実施態様のいずれにおいても、充填製剤中のオイルの量は、0又は0.1〜60質量%であり得、5〜50質量%であり得、そして10〜45質量%であり得る。
実施態様のいずれにおいても、適切な場合、脂質ビヒクルは、界面活性剤及び任意の補助界面活性剤を含んでいても、これらからなるものであっても、本質的にこれらからなるものであってもよく、充填製剤は、本質的に、(遊離塩基当量で)2〜40質量%の量の活性成分、2〜40質量%の量の親油性対イオン、10〜96質量%の量の界面活性剤、及び0又は0.1〜60質量%の量の補助界面活性剤からなる。適切な場合実施態様のいずれにおいても、充填製剤は、(遊離塩基当量で)4〜30質量%の量の活性成分、4〜30質量%の量の親油性対イオン、15〜75質量%の量の界面活性剤、及び5〜50質量%の量の補助界面活性剤を含んでいても、これらからなるものであっても、又は本質的にこれらからなるものであってもよい。特定の実施態様において、充填製剤は、本質的に、(遊離塩基当量で)6〜25質量%の量の活性成分、5〜20質量%の量の親油性対イオン、25〜65質量%の量の界面活性剤、及び10〜40質量%の量の補助界面活性剤からなる。いくつかの実施態様において、活性成分はシルデナフィルであり、そして親油性対イオンはドクサートである。
いずれの実施態様においても、脂質ビヒクルは、界面活性剤、任意の補助界面活性剤及び任意のオイルを含んでいても、これらからなるものであっても、本質的にこれらからなるものであってもよく、充填製剤は、本質的に、(遊離塩基当量で)2〜40質量%の量の活性成分、2〜40質量%の量の親油性対イオン、10〜60質量%の量の界面活性剤、0又は0.1〜60質量%の量の補助界面活性剤、及び0又は0.1〜60質量%の量のオイルからなる。
いずれの実施態様においても、充填製剤は、(遊離塩基当量で)5〜30質量%の量の活性成分、4〜30質量%の量の親油性対イオン、15〜50質量%の量の界面活性剤、5〜50質量%の量の補助界面活性剤、及び5〜50質量%の量のオイルを含んでいても、これらからなるものであっても、本質的にこれらからなるものであってもよい。他の実施態様において、充填製剤は、(遊離塩基当量で)6〜25質量%の量の活性成分、5〜20質量%の量の親油性対イオン、20〜40質量%の量の界面活性剤、15〜40質量%の量の補助界面活性剤、及び15〜40質量%の量のオイルを含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。他の実施態様において、溶解媒体が900ml 0.01 N HClであり37℃でUSP apparatus IIを100rpmで使用してカプルシンカーを使用するインビトロ溶解試験において、活性成分の少なくとも60質量%は30分後に溶解される。特定の実施態様において、組成物は3時間未満のTmaxを生じる。特定の実施態様において、組成物は2時間未満のTmaxを生じる。他の実施態様において、組成物は1時間未満のTmaxを生じる。
実施態様のいずれかにおいて、組成物は、活性物質を含有するが親油性対イオンを含有しない参照投薬形態により生じた曲線下面積の75〜125%の間にある曲線下面積(AUC)を生じ得る。特定の実施態様において、活性成分はシルデナフィルであり、そして親油性対イオンはドクサートである。他の実施態様において、活性成分はシルデナフィルであり、そして親油性対イオンはラウリルサルフェートである。特定の実施態様において、組成物はシルデナフィルドクサートを含む。他の実施態様において、組成物はシルデナフィルラウリル硫酸塩を含む。他の実施態様において、活性成分はバルデナフィルであり、そして親油性対イオンはドクサートである。他の実施態様において、組成物はラウリル硫酸バルデナフィルである。
それを必要とする患者に、開示される実施態様のいずれかの組成物を含む単一投薬形態を投与することを含む、使用方法も開示される。特定の実施態様において、投薬形態は***不全を処置するために使用される。
当然のことながら、前述の一般的な記載及び以下の詳細な記載は両方とも例示であり、説明のためのみのものであり、そして特許請求される主題を制限するものではない。
図1は、イオン化形態のシルデナフィル塩基の化学構造である。
詳細な説明
定義
本明細書で使用される、不定冠詞「a」又は「an」による要素への言及は、文脈が明確に1つかつ1つのみの要素が存在することを必要としなければ、1つより多くの要素が存在する可能性を除外しない。従って、不定冠詞「a」又は「an」は、通常は「少なくとも1つ」を意味する。数値範囲の開示は、別の指示がなければ、端点を含めてその範囲内の各離散点に言及するものと理解されるべきである。数値範囲の開示において使用される用語「約」は、記述される値からの偏差が、偏差が測定変動性の結果であり、かつ/又は同じか若しくは同様の特性の結果を生じる程度まで許容されるということを示す。別の指示がなければ、明細書又は特許請求の範囲において使用される成分の量、温度のような特性、質量パーセントなどを表す全ての数は、用語「約」により修飾されていると理解されるべきである。別の指示がなければ、非明示的又は明示的に、示される数値パラメーターは、求められる所望の特性、標準的試験条件/方法下での検出限界、処理方法の限界、及び/又はパラメーターもしくは特性の性質に依存し得る近似値である。考察される先行技術と実施態様を直接的かつ明確に区別する場合、語「約」が示されていなければ実施態様数は近似値ではない。
PDE5阻害剤の経口製剤
一局面において、組成物は、カプセル及び充填製剤を含むか、カプセル及び充填製剤から本質的になるか又はカプセル及び充填製剤からなり、ここで充填製剤は、活性成分としてのPDE5阻害剤、活性成分の親油性塩を形成することができる活性成分に対する親油性対イオン、及び活性成分が溶解される脂質脂質ビヒクルを含む。カプセルは液体充填製剤を含有する。液体充填製剤は、活性成分、親油性対イオン、及び脂質ビヒクルを含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。組成物は、充填製剤中の活性成分の高い添加量を提供する。組成物は、いくつかの実施態様において、単一液体充填カプセルのみを使用して有効量の活性成分の投与を可能にすることができる。
カプセル
本発明における使用に適したカプセルとしては、脂質液体製剤を含有することができるいずれかの硬又は軟カプセルが挙げられる。本発明の組成物は、いずれかの市販のカプセル、例えばゼラチンカプセル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル、プルラン、デンプン、及びペクチンのような他の材料から製造されたカプセル、並びに本開示を読んで恩恵を受けた当業者に公知の他の適切なカプセル中に充填され得る。硬カプセルは、漏出を防ぐために当該分野で公知のように閉じられるか又は密封され得る。
活性成分
活性成分はPDE5阻害剤である。特に、本発明者らは、PDE5阻害剤の特定のサブセットが本発明の実施態様に特に適していることを発見した。従って、活性成分は、シルデナフィル、バルデナフィル、アバナフィル、ウデナフィル、ミロデナフィル、又はロデナフィル(lodenafil)であり得る。好ましい実施態様において、活性成分はシルデナフィルである。
親油性対イオン
親油性対イオンは、塩基性活性成分と塩を形成することができる有機酸から誘導される。「塩を形成することができる」により、塩基性活性成分及びアニオン性親油性対イオンが、本開示により恩恵を受ける当業者に公知の適切な条件下で反応して、(i)有機酸と塩基性活性成分との間の直接的酸−塩基反応により、又は(ii)活性成分の塩形態(例えば、塩酸塩)と親油性対イオンの塩形態(例えば、ナトリウム塩)との間のメタセシス反応(すなわち、二重置換反応)のいずれかにより、活性成分と対応する塩形態を形成することを意味する。いくつかの実施態様において、活性成分の少なくとも80質量%は、アニオン性親油性対イオンと反応して対応する塩形態を形成した。他の実施態様において、活性成分の少なくとも90質量%は、アニオン性親油性対イオンと反応して対応する塩形態を形成した。さらに他の実施態様において、活性成分の少なくとも95質量%は、アニオン性親油性対イオンと反応して対応する塩形態を形成した。なお他の実施態様において、活性成分は本質的に全てアニオン性親油性対イオンと反応して対応する塩形態を形成した。
特定の実施態様において、親油性対イオンは、脂質ビヒクル中の活性成分の溶解度を増加させるために選択される。以下の特性を使用して、塩基性PDE5阻害剤に好ましい親油性対イオンを同定することができる:
A. 対イオンは炭素原子を含有する有機分子である。
B. 対イオンは酸性pKa値を有する。対イオンは好ましくは、7未満のpKa値を有する少なくとも1つの酸性基、そしてより好ましくは4未満のpKa値を有する少なくとも1つの酸性基を有する。
C. 対イオンは親油性である。親油性の1つの尺度は化合物のLog P又はcLog Pである。Log Pは、オクタノール−水における活性成分の分配係数の対数を指す(そしてcLog Pは当該分野で公知のようにLog Pの計算値を指す)。好ましくは、Log P値は0より大きく、そしてより好ましくは2より大きく、そして3より大きくてもよい。
D. 対イオンは、塩における対イオン:活性成分(遊離塩基)モル質量比が好ましくは2.5未満、そしてより好ましくは塩における対イオン:活性成分(遊離塩基)モル質量比が1.5未満であるような分子量を有する。例としてシルデナフィルのジオクチルスルホスクシネート(ドクサート)塩を使用して、対イオン:活性成分モル質量比は422.6/474.6=0.89である。
いくつかの実施態様において、親油性対イオンは、カルボン酸(RC(O)O−)、ホスフェート(ROP(O)O2−)、ホスホネート(RP(O)O2−)、スルホネート(RS(O)2O−)、サルフェート(ROS(O)2O−)、テトラゾリル(R−テトラゾレート)、ビス(スルホニル)イミド(RS02−N−−SO2R)又はそれらのいずれかの組み合わせ[ここで、Rはいずれかの適切な基、例えば2と24個との間の炭素原子を含有する場合により置換された炭化水素基であり得、そしてここでこの炭化水素R基は、飽和直鎖又は分枝炭化水素又は飽和環式炭化水素又は不飽和環式炭化水素であり、そしてR基は非置換であるか、又は1、2、3、4、5、もしくは6つもしくはそれ以上の同じかもしくは異なる任意の置換基で置換されていてもよい]を含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。
特定の実施態様において、親油性対イオンは、アルキルサルフェート、分枝アルキルサルフェート、分枝アルキルスルホネート又は脂肪酸である。
他の実施態様において、親油性対イオンは、デシルサルフェート、ラウリルサルフェート、7−エチル−2−メチル−4−ウンデシルサルフェート、ジオクチルスルホスクシネート(ドクサート)、オレアート、ステアレート、パルミテート、ラウレート(ドデカノエート)、カプレート(デカノエート)、カプリレート(オクタノエート)又はブチルオクチルサルフェートである。
特定の実施態様において、親油性対イオンは、ラウリルサルフェート又はジオクチルスルホスクシネート(ドクサート)である。
実施態様のいずれにおいても、組成物は、活性成分と塩形態を形成するために必要なアニオン性親油性対イオンの化学量論量の少なくとも80%を含み得、又は他の実施態様では活性成分の塩形態を形成するために必要なアニオン性親油性対イオンの化学量論量の少なくとも90%を含み得、又は他の実施態様では活性成分の塩形態を形成するために必要なアニオン性親油性対イオンの化学量論量の少なくとも100%を含み得る。
脂質ビヒクル
脂質ビヒクルは、液体充填カプセルの形態において溶解された形態で活性物質の親油性塩を送達するように設計される。好ましい脂質ビヒクルは、25℃で液体であるか又は25℃で大部分液体である(ここで製剤はこの温度で自由流動性であるが、脂質ビヒクル中には添加物のいくらかの固体粒子が存在していてもよい)。大部分液体により、脂質ビヒクル(例えば、活性成分も親油性対イオンも含まない)中の固体の量が脂質ビヒクルの総質量の10質量%未満であることを意味する。脂質ビヒクル中の固体の量は、脂質ビヒクルの総質量の5質量%未満であり得、又は脂質ビヒクルの総質量の2質量%未満であり得る。いくつかの実施態様において、脂質ビヒクルは、充填製剤をカプセルに充填するために使用される温度において完全に液体である(例えば、固体成分無し)。いくつかの実施態様において、脂質ビヒクルは35℃で液体であり、又は40℃で液体であり、又は50℃で液体である。
活性物質の親油性塩は、周囲条件(例えば25℃)よりも高い温度で脂質ビヒクル中に組み込まれ得、最適な製剤は、長期間にわたる25℃での、例えば最短3か月貯蔵で製剤からの活性物質のいずれの相分離又は沈殿(すなわち、物理的不安定性の徴候)も示さないものである。
脂質ビヒクルは、界面活性剤、場合により補助界面活性剤;及び場合によりオイルを含む。別の実施態様において、脂質ビヒクルは共溶媒を含む。脂質ビヒクルの他の特性としては、カプセルからの破裂及び放出の際に水性流体(例えば、胃液)中に迅速に分散する能力が挙げられる。脂質ビヒクルが溶液中で、特に胃及び小腸において、例えばエマルション、ナノエマルション又はマイクロエマルションの形成により活性物質を維持することが特定の実施態様においてさらに好ましい。脂質ビヒクルがカプセルシェルの物理的特性、すなわち、胃腸管において迅速に溶解及び破裂するその能力又はその物理的完全性に負の影響を及ぼさないことが、特定の実施態様においてさらに有利である。
親油性対イオン及び脂質ビヒクルは、脂質ビヒクル中の活性成分の比較的高い溶解度を達成するように選択される。活性成分は、脂質ビヒクル中に実質的に完全に又は完全に溶解され、活性物質が分子レベルでビヒクル中に均一に分散されることを意味する(非晶質又は結晶性の活性物質粒子は存在しない)。脂質ビヒクル中への溶解は、適用可能な質量%で脂質ビヒクルに活性成分を加え、続いて30℃(又は別の適切な温度)で、取り出したサンプルの偏光顕微鏡によりいずれの溶解していない活性成分が存在していないこと、すなわち活性物質の完全な組み込みが確認されるまで混合することにより評価され得る。
界面活性剤
界面活性剤(又は界面活性剤混合物)は、活性物質の親油性塩を溶解させ、そして水性流体中での分散の際に活性物質の親油性塩を可溶化するように選択される。製剤がオイルも含有する場合、界面活性剤は、乳化剤としても機能し、そして希釈されない場合及び胃腸液中で活性物質の親油性塩を溶解する際にオイルと相乗的に機能するように含められる。同様に、製剤が補助界面活性剤も含有する場合、界面活性剤及び補助界面活性剤はまた、希釈されない場合及び胃腸液中で活性物質の親油性塩を溶解する際に、及び存在する場合ビヒクルのオイル成分を乳化させる際に相乗的に作用する。
特定の実施態様において、界面活性剤は以下の特性を有する:非イオン性;8より大きい親水性−親油性バランス。界面活性剤は、ポリオキシエチレンヒマシ油及び/又はその誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、(i)C8−C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−及びジ−エステル、並びに(ii)C8−C22脂肪酸のグリセリルモノ−、ジ−、及びトリ−エステルの混合物、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ビタミンE TPGS及び/又はその誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー又はそれらのいずれかの組み合わせであり得る。
ポリオキシエチレンヒマシ油及び誘導体は、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、又はポリオキシル60硬化ヒマシ油であり得、そしてKolliphor(R)、EtocasTM、CroduretTMのような商標名で販売される。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、販売されるポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、又はポリソルベート85であり得、そしてTween(R)、及びMontanox(R)のような商標名で販売される。
C8−C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−及びジ−エステル並びにC8−C22脂肪酸のグリセロールモノ−、ジ−、及びトリエステルとしては、カプリロカプロイルマクロゴール−8グリセリド、オレイルマクロゴール−6グリセリド、リノレオイルマクロゴール−6グリセリド、ラウロイルマクロゴール−32グリセリド、ステアロイルマクロゴール−32グリセリド及びマクロゴールステアレートが挙げられ、そしてLabrasol(R)、Labrafil(R)、Acconon(R)及びGelucire(R)のような商標名で販売される。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、限定されないが、MyrjTM及びKolliphor(R)HS−15のような商標名で販売される、ポリオキシル 15ヒドロキシステアレート、ポリオキシル8ステアレート、ポリオキシル40ステアレート及びポリオキシル40オレアートが挙げられる。
ポリオキシエチレン−ポリプロピレンコポリマーとしては、限定されないが、Pluronic(R)又はLutrol(R)又はSynperonicTMのような商標名で販売される、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー407が挙げられる。
充填製剤中に存在する界面活性剤の量は、10〜96質量%であり得、15〜75質量%であり得、そして25〜65質量%であり得る(ここで、充填製剤の量は、活性成分、親油性対イオン、脂質ビヒクル及び他の任意の添加物の質量を含む)。
補助界面活性剤
任意の補助界面活性剤は、活性物質の親油性塩を溶解させる際に界面活性剤と相乗的に作用するように、そして水性流体中の分散の際に活性物質の親油性塩を可溶化するように選択される。一般に、補助界面活性剤は以下の特性を有する:非イオンであり、1と8との間の親水性−親油性バランスである。例となる補助界面活性剤としては:C8−C22脂肪酸のプロピレングリコールモノ−及びジ−エステル、例えば、限定されないが、CapryolTM 90、LauroglycolTM90、Labrafac(R)PG、Capmul(R)のような商標名で販売される、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールジカプロレート/ジカプレート、プロピレングリコールモノラウレート;並びにソルビタン脂肪酸エステル、例えば、限定されないが、Span(R)及びMontane(R)のような商標名で販売されるソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタントリオレアートが挙げられる。
充填製剤中に存在する補助界面活性剤の量は、充填製剤の0〜60質量%、又は0.5〜60質量%であり得、又は5〜50質量%であり得、又は10〜40質量%であり得る。
オイル
任意のオイルは、界面活性剤及び補助界面活性剤(存在する場合)と相乗的に作用して、活性物質の親油性塩を溶解するように、そして水性流体中の分散の際に活性物質の親油性塩を可溶化するように選択される。一般に、オイルは以下の特性を有する:非イオン性であり、水と大部分非混和性であり、可消化官能基を含有する。
例となるオイルとしては:C8−C18トリグリセリド[これらとしては、限定されないが、アーモンドオイル、ババス油、ブラックカラント種子油、ルリヂサオイル、菜種油(canola oil)、ヒマシ油、ココナッツオイル、タラ肝油、コーンオイル、綿実油、月見草油、魚油、ブドウ種子油、カラシ油、オリーブ油、パーム核油、ヤシ油、落花生油、菜種油(rapeseed oil)、サフラワー油、ゴマ油、サメ肝油、大豆油、ヒマワリ油、クルミ油、小麦胚種油、アボカド油、糠油、硬化ヒマシ油、硬化ココナツオイル、硬化綿実油、硬化ヤシ油、硬化大豆油、部分硬化大豆油、硬化植物油、カプリル/カプリン酸グリセリド、分画トリグリセリド、グリセリルトリカプレート、グリセリルトリカプロエート、グリセリルトリカプリレート、グリセリルトリカプリレート/カプレート、グリセリルトリカプリレート/カプレート、グリセリルトリカプリレート/カプレート/ラウレート、グリセリルトリカプリレート/カプレート/リノレート、グリセリルトリカプリレート/カプレート/ステアレート、グリセリルトリラウレートが挙げられる]、並びにグリセロールのC8−C18脂肪酸モノ−、ジ及び/又はトリ−エステル混合物[これらとしては、限定されないが、グリセリルリノレート、グリセリルオレアート、グリセリルステアレート、グリセリルカプリレート、グリセリルカプレート及びそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる]が挙げられる。後者の群のオイルは、PeceolTM 、MaisineTM、Geleol(R)、Capmul(R)及びImwitor(R)のような様々な商標名で販売される。
充填製剤中に存在するオイルの量は、0〜60質量%であり得、0.5〜60質量%であり得、5〜50質量%であり得、又は10〜45質量%であり得る。
共溶媒
別の実施態様において、脂質ビヒクルは共溶媒を含む。共溶媒は水溶性有機溶媒である。共溶媒はしばしば界面活性剤、補助界面活性剤及び界面活性剤オイル又は補助界面活性剤オイルブレンドと混和性であるので、これらを使用して、脂質ベースのビヒクル中の薬物溶解度を増加させることができ、そしてGI管中の水性流体と接触した際の脂質ビヒクルの分散を促進することができる。共溶媒はまた、界面活性剤、補助界面活性剤又はオイルが存在しない場合に脂質ビヒクル自体として使用することもできる。例となる共溶媒としては、プロピレンカーボネート、トリアセチン、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール類、例えばPEG 400、グリコフロール、エタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オレイン酸、N−メチルピロリドン、乳酸エチル、及びクエン酸トリエチルが挙げられる。
存在する共溶媒の量は、活性成分、親油性対イオン、及び充填製剤に存在する場合他の物質に依存して変わり得る。いくつかの実施態様において、充填製剤は、10質量%未満又は10質量%に等しい共溶媒、例えば7若しくは5若しくは2若しくは1%未満又は7若しくは5若しくは2若しくは1%に等しい共溶媒を含有する。なおさらなる実施態様において、脂質製剤又は脂質ビヒクルは共溶媒を含有しない。いくつかの実施態様において、共溶媒は少なくとも10%の量で存在し、50%の量で存在し得、そして96%の量で存在し得る。一実施態様において、充填製剤は本質的に、活性成分、親油性対イオン、及び共溶媒からなる。いくつかの実施態様において、脂質ビヒクルは、1つ又はそれ以上のオイル又は脂質を含有し、さらなる界面活性剤も、補助界面活性剤も共乳化剤(co−emulsifiers)も共溶媒も含まず、すなわち、本質的に1つ又はそれ以上のオイル又は脂質からなる。いくつかのさらなる実施態様において、脂質ビヒクルは、1つ又はそれ以上の界面活性剤とともに、場合により1つ又はそれ以上の共溶媒とともに、1つ又はそれ以上のオイル又は脂質を含有する。いくつかのさらなる実施態様において、脂質ビヒクルは、1つ又はそれ以上の水溶性界面活性剤とともに、場合により1つ又はそれ以上の共溶媒とともに1つ又はそれ以上のオイル又は脂質を含有する。いくつかの実施態様において、脂質ビヒクルは、オイル/脂質、界面活性剤及び共溶媒の混合物を含有する。いくつかの実施態様において、脂質ビヒクルは、本質的に1つ又はそれ以上の界面活性剤/補助界面活性剤/共乳化剤、及び/又は溶媒/共溶媒からなる。
他の任意の添加物
脂質ビヒクルに加えられる他の任意の添加物としては、活性物質及び/又は脂質ビヒクルの化学的分解を最少にするための抗酸化剤が挙げられる。例の抗酸化剤としては、限定されないが、ビタミンE、トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート(TPGS)、ローズマリー抽出物、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、又はそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
脂質ビヒクル中の抗酸化剤の量は、0〜5質量%又は0.1〜5質量%であり得る。
増粘剤又は色素のような他の添加物は、このような添加物が脂質ビヒクル中の活性成分の溶解度に不利な影響を及ぼさないかぎり、比較的少量で存在していてもよい。いくつかの実施態様において、このような添加物は、脂質ビヒクルの5質量%未満を構成し、そして脂質ビヒクルの2質量%未満の量で存在し得る。
例となる脂質ビヒクル
脂質ビヒクルが界面活性剤及び任意の補助界面活性剤を含むか、これらからなるか、又は本質的にこれらからなるいくつかの実施態様において、充填製剤は、(遊離塩基当量で)2〜40質量%の量の活性成分、2〜40質量%の量の親油性対イオン、10〜96質量%の量の界面活性剤、及び0〜60質量%又は0.1〜60質量%の量の補助界面活性剤を含むか又は本質的にこれらからなる。他の実施態様において、充填製剤は、(遊離塩基当量で)4〜30質量%の量の活性成分、4〜30質量%の量の親油性対イオン、15〜75質量%の量の界面活性剤、及び5〜50質量%の量の補助界面活性剤を含むか、これらからなるか、又は本質的にこれらからなる。他の実施態様において、充填製剤は、(遊離塩基当量で)6〜25質量%の量の活性成分、5〜20質量%の量の親油性対イオン、25〜65質量%の量の界面活性剤、及び10〜40質量%の量の補助界面活性剤を含むか、これらからなるか、又は本質的にこれらからなる。特定の実施態様において、活性成分はシルデナフィルであり、そして親油性対イオンはドクサートである。
脂質ビヒクルが界面活性剤、任意の補助界面活性剤及び任意のオイルを含むいくつかの実施態様において、充填製剤は、(遊離塩基当量で)2〜40質量%の量の活性成分、2〜40質量%の量の親油性対イオン、10〜60質量%の量の界面活性剤、0〜60質量%又は0.1〜60質量%の量の補助界面活性剤、及び0〜60質量%又は0.1〜60質量%の量のオイルを含むか、これらからなるか、又は本質的にこれらからなる。他の実施態様において、充填製剤は、(遊離塩基当量で)5〜30質量%の活性成分、4〜30質量%の量の親油性対イオン、15〜50質量%の量の界面活性剤、5〜50質量%の量の補助界面活性剤、及び5〜50質量%の量のオイルを含むか、これらからなるか、又は本質的にこれらからなる。他の実施態様において、充填製剤は、本質的に、(遊離塩基当量で)6〜25質量%の量の活性成分、5〜20質量%の量の親油性対イオン、20〜40質量%の量の界面活性剤、15〜40質量%の量の補助界面活性剤、及び15〜40質量%の量のオイルからなる。開示される実施態様のいずれかにおいて、活性成分はシルデナフィルであり得、そして親油性対イオンはドクサートである。
充填製剤における活性物質負荷
組成物の実施態様は、充填製剤中の活性成分の高い負荷を達成することができる。親油性対イオン及び脂質ビヒクルは、脂質ビヒクルが実質的な量の活性成分を溶解することができるように選択される。様々な脂質ビヒクル成分の適合性は、界面活性剤、補助界面活性剤及びオイル中の活性物質の親油性塩の溶解度を評価することにより決定され得る。ついで脂質ビヒクルは、脂質中の活性物質の十分な溶解度をもたらすように選択され得る。例えば、様々な界面活性剤、補助界面活性剤、オイル及び今日溶媒中のシルデナフィルの親油性塩の溶解度を以下に示す:
Figure 2021500372
上の溶解度結果から、脂質ビヒクルは、最初は1グラム以下の活性物質の目標用量を溶解する能力を有する、例えば目標溶解度100mg/gの成分に基づいて設計され得る。より少量の脂質ビヒクルを用いて目標用量の送達を達成するために、より高い濃度で、例えば200mg/gで目標用量を溶解する成分を選択することが有利である。このような濃度は、シルデナフィルの親油性塩形態を使用して可能であるが、遊離塩基形態を使用した場合は不可能である。
得られた組成物は、活性物質の親油性塩形態を使用した場合、充填製剤中の活性成分の比較的高い負荷を達成する。いくつかの実施態様において、組成物中に存在する活性成分の量(遊離塩基当量)は、充填製剤の少なくとも2.5質量%である。他の実施態様において、組成物中に存在する活性成分(遊離塩基)の量は、充填製剤の少なくとも5質量%であり、充填製剤の少なくとも7.5質量%であり得、そして充填製剤の少なくとも10質量%であり得、そして製剤の少なくとも15質量%であり得、そして製剤の少なくとも20質量%であり得る。
他の実施態様において、充填製剤の質量は800mg未満であり、そして組成物中の活性成分の量(遊離塩基当量)は、活性物質の親油性塩形態を使用した場合、少なくとも25mgであり、少なくとも50mgであり得、少なくとも75mgであり得、そして少なくとも100mgであり得る。
他の実施態様において、充填製剤の質量は600mg未満であり、そして活性物質の親油性塩形態を使用した場合、組成物中の活性成分の量(遊離塩基当量)は少なくとも25mgであり、少なくとも50mgであり得、少なくとも75mgであり得、そして少なくとも100mgであり得る。
他の実施態様において、充填製剤の質量は450mg未満であり、そして活性物質の親油性塩形態を使用した場合、組成物中の活性成分の量(遊離塩基当量)は少なくとも25mgであり、少なくとも50mgであり得、少なくとも75mgであり得、そして少なくとも100mgであり得る。
主要な試験結果としては、(i)単相ビヒクルを形成するための異なる成分の混和性、(ii)活性物質の目標用量を十分に溶解させる能力、及び/又は(iii)カプセルからの即時放出及び活性物質の継続可溶化のような性能指標が挙げられる。
性能
いくつかの実施態様において、組成物は、カプセルからの活性成分の即時放出及び継続した良好な可溶化を提供することができる。これらの特性は、溶解媒体が、例えば、900ml 0.01N HClであり37℃でUSP apparatus IIを100rpmで使用しカプセルシンカーを使用して行われるインビトロ溶解試験において評価され得る。脂質製剤試験において、少量(<5%)のラウリル硫酸ナトリウム又はポリソルベート80のような適切な界面活性剤を溶解媒体中にも含めることは任意である。いくつかの実施態様において、組成物がこのような溶解試験で評価される場合、活性成分の少なくとも60質量%は30分後に溶解されている。他の実施態様において、組成物がこのような溶解試験で評価される場合、活性成分の少なくとも80質量%は30分後に溶解されている。
いくつかの実施態様において、組成物はインビボでの比較的速い開始をもたらす。開始時間は、動物又はヒトの試験において評価され得、そして血液中の活性成分の最大濃度までの時間を測定する(例えば、Tmax)。いくつかの実施態様において、組成物は3時間未満のTmaxを生じる。いくつかの実施態様において、組成物は2時間未満のTmaxを生じる。他の実施態様において、組成物は1時間未満のTmaxを生じる。
ヒト又は動物における性能の他のインビボマーカーとしては、薬物吸収の全体の程度が挙げられ、これはしばしば血液(血清又は血漿)対曲線下面積(AUC)値により測定される。いくつかの実施態様において、組成物は参照投薬形態(市販の錠剤投薬形態、又は遊離形態若しくは市販の塩形態を含有する別の投薬形態であり得る)により生成されるAUC値の50〜150%以内であるAUC値を生じる。いくつかの実施態様において、組成物は、参照投薬形態により生成されたAUC値の75〜125%以内であるAUC値を生じる。
使用方法
本明細書において開示される組成物の実施態様は、PDE5阻害剤の投与が示されるいずれかの適応症を処置するために使用され得る。方法の実施態様は、本明細書に開示される組成物を投与することにより***不全を処置するために提供される。他の実施態様において、本明細書に開示される組成物を含有する単一液体充填カプセルを投与することにより***不全を処置するための方法が提供される。他の実施態様において、本明細書に開示される組成物を投与することにより肺高血圧症を処置するための方法が提供される。他の実施態様において、本明細書に開示される組成物を含有する単一液体充填カプセルを投与することにより肺高血圧症を処置するための方法が提供される。
当然のことながら、本明細書に記載される実施態様は、それらに限定されない。本開示の他の実施態様は、明細書の考慮及び開示される実施態様の実施から当業者に明らかとなる。以下の実施例は例示のみとみなされるべきであり、本開示の真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲により示される。
実施例1−塩製造
シルデナフィルのいくつかの塩を以下のように製造した。
シルデナフィルHCl製造:250mL無水ジエチルエーテル中シルデナフィル遊離塩基(5.0g、10.5mmol)に5.3mLジエチルエーテル中HCl(2.0M溶液)を加え、得られた溶液を4時間撹拌し、濾過し、そしてジエチルエテールの冷却した一部で洗浄して所望の生成物を白色固体(5.33g、99%)として得た。
シルデナフィルドクサート:シルデナフィルHCl(1.53g、3.0mmol)及びドクサートナトリウム(1.33g、3.0 mmol)を丸底フラスコ中に量り取り、そして酢酸エチル(100mL)/水(50mL)中に懸濁させて3時間撹拌した。得られた混合物を分液漏斗に移し、そして有機層を分離し、水層をさらに酢酸エチル2x100mLで洗浄し、合わせた有機物を、硝酸銀沈殿試験で陰性になるまで蒸留水(50mLずつ)で洗浄し戻した。溶液を乾燥し(硫酸ナトリウム=Na2SO4)、濾過し、そして真空で濃縮して所望の生成物を白色固体(2.61g、収率=97%)として得、この生成物をジエチルエーテル中に溶解し、続いて石油スピリットを用いて沈殿させることにより結晶化することができた。得られたシルデナフィルドクサートの結晶性粉末は、融点70.9℃を有していた(対照的に、シルデナフィル遊離塩基の融点は約195℃である)。対イオンcLog P=5.96。
シルデナフィルラウリル硫酸塩:シルデナフィルHCl(1.54g、3.0mmol)及びラウリル硫酸ナトリウム(869mg、3.0mmol)を丸底フラスコ中に量り取り、そして酢酸エチル(100mL)/水(50mL)中に懸濁させ、そして4時間撹拌した。得られた混合物を分液漏斗に移し、そして有機層を分離し、水層をさらに2x100mL酢酸エチルで洗浄し、合わせた有機物を硝酸銀沈殿試験が陰性になるまで蒸留水(50mLずつ)で洗浄し戻した。溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そして真空で濃縮して所望の生成物を白色固体(2.19g、98%)として得、この生成物を、酢酸エチルに溶解し、続いて石油スピリットを用いて沈殿させることにより結晶化することができた。シルデナフィルラウリル硫酸塩の得られた結晶性粉末は、103〜118℃の間の融点を有していた(対照的に、シルデナフィル遊離塩基の融点は約195℃である)。対イオンcLog P=5.39
シルデナフィル 7−エチル−2−メチルウンデカン−4−イル サルフェート:シルデナフィルHCl(345mg、0.7mmol)を丸底フラスコ中に量り取り、そして酢酸エチル(30mL)/水(10mL)、0.74mL Niaproof−4(R)溶液(水中約27%)中に懸濁して3時間撹拌した。得られた混合物を分液漏斗に移し、そして有機層を分離し、水層をさらに2x30mL酢酸エチルで洗浄し、合わせた有機物を、硝酸銀沈殿試験で陰性になるまで蒸留水(10mLずつ)で洗浄し戻した。溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そして真空で濃縮して所望の生成物を白色固体(493mg、95%)として得、これをさらにジエチルエーテルトリチュレーションにより精製した。対イオンcLog P=5.9。
実施例2
充填組成物を、最初に以下の成分を有するガラスバイアル中で脂質ビヒクルを準備し、ついで脂質ビヒクルに活性成分の親油性塩を加えることにより製造した。得られた充填製剤を、ついで30〜40℃で活性成分が完全に溶解するまで混合した。
活性成分の完全な溶解を、薬物結晶が存在しないことを確認するために偏光顕微鏡を使用して確認した。
Figure 2021500372
この実施例において、プロピレングリコールモノカプリレートは補助界面活性剤であり、PEG−8カプリル/カプリン酸グリセリド及びポリオキシル35ヒマシ油は両方とも界面活性剤である。
充填製剤を、25℃/65% RHで3ヶ月間の物理的安定性(密閉バイアル中)を評価し、そして物理的に安定であることがわかった。
実施例3
充填製剤を実施例2のように製造した。活性成分の完全な溶解を、薬物結晶が存在しないことを確認するために偏光顕微鏡を使用して確認した。
Figure 2021500372
この実施例において、中鎖トリグリセリドはオイルであり、プロピレングリコールモノカプリレートは補助界面活性剤であり、そしてポリオキシル35ヒマシ油は界面活性剤である。
充填製剤を、25℃/65% RHで3ヶ月間の物理的安定性(密閉バイアル中)について評価し、物理的に安定であることがわかった。
実施例4
Figure 2021500372
製剤を、25℃/65% RHで3ヶ月間の物理的安定性(密閉バイアル中)について評価し、そして物理的に安定であることがわかった。
実施例5
組成物のインビボでの薬物動態を評価するために、絶食した雄性スプラーグドーリーラット(250〜300g)において実験を行った。試験の1日前に、ラットをイソフルランで麻酔し、そして右頸動脈を、ポリエチレン管を用いて外科的にカニューレ処置して血液収集を容易にした。動物を終夜回復させ、そして水を自由に与えながら、用量投与の12時間前まで及び4時間後まで絶食させた。シルデナフィル親油性塩を、1mL Milli−Q水に均一に分散させた脂質製剤(実施例2又は実施例3約280mg)としてラットに投与した。クエン酸シルデナフィル(対照)を、0.5% (質量/体積)カルボキシメチルセルロース、0.4% Tween(R)80、及び0.9%質量/体積塩化ナトリウム水溶液を含む水溶液/水性懸濁液として投与した。全ての処置を経口経管栄養により投与し、そして目標用量はシルデナフィル遊離塩基当量25mg/kg(ラットあたり約6〜7mg)であった。
結果を以下の表に示す:
Figure 2021500372
処置間のAUC値における統計的(対応がない場合の(non−paired)ANOVA統計検定)差異は無く、クエン酸シルデナフィル水性懸濁液の懸濁液と比較して、シルデナフィル親油性塩の良好な吸収性を強調する。
実施例6
シルデナフィルドデカノエート(ラウレート)を以下のように製造した。シルデナフィルHCl(250mg、0.49mmol)及びドデカン酸ナトリウム(109mg、0.49mmol)を10mLメタノールに懸濁させ、そして終夜周囲温度で撹拌した。得られた懸濁液を真空で濃縮して残留物を得、これを10mLクロロホルムに懸濁させ、この濁った溶液を濾過し、そしてろ液を真空で濃縮して所望の生成物(313mg、収率=95%)を得た。シルデナフィルドデカノエートの得られた結晶性粉末は、約90℃で溶融を開始し、そして180℃までに完全に溶融した(対照的に、シルデナフィル遊離塩基の融点は約195℃である)。対イオンcLog P=4.48。
実施例7
シルデナフィルドクサート及び共溶媒を含有するカプセルのための充填組成物を以下のように製造した。共溶媒PEG 400をガラスバイアルに加え、続いて得られた充填組成物が24質量%シルデナフィルドクサート及び76質量%PEG 400であるような量のシルデナフィルドクサートを加えた。ついで、得られた充填製剤を、30〜40℃でシルデナフィルドクサートが完全に溶解するまで混合した。
実施例8
シルデナフィルドクサート、オイル及び界面活性剤を含有するカプセルのための充填組成物を以下のように製造した。グリセリルモノカプリレート(商標名Imwitor(R)308で販売される)(脂質/オイル)及びポリソルベート80(商標名Tween80で販売される)(界面活性剤)をガラスバイアルに加え、続いて、得られる充填組成物が24質量%シルデナフィルドクサート、30.4質量%グリセリルモノカプリレート、及び45.6質量%ポリソルベート80であるような量のシルデナフィルドクサートを加えた。ついで得られた充填製剤を、シルデナフィルドクサートが完全に溶解するまで30〜40℃で混合した。
実施例9
バルデナフィルドクサートを以下のように製造した。バルデナフィルHCl(525 mg、1.0mmol)及びドクサートナトリウム(444mg、1.0mmol)を丸底フラスコ中に量り取り、そして酢酸エチル(10mL)/水(10mL)に溶解し、そして4時間撹拌した。得られた混合物を分液漏斗に移し、そして有機層を分離し、水層をさらに2x10mL酢酸エチルで洗浄し、合わせた有機物を、硝酸銀試験で陰性になるまで蒸留水(10mLずつ)で洗浄し戻した。溶液を乾燥し(硫酸ナトリウム=Na2SO4)、濾過し、そして真空で濃縮し、そして高真空下で乾燥して所望の生成物を非晶質固体として得た(893mg、収率=98%)。得られたバルデナフィルドクサートの非晶質粉末は、45〜65℃の間に固体−液体転移を有しており、そして測定されたガラス転移温度は約20℃であった(対照的に、バルデナフィル塩基の融点は約192℃である)。
実施例10
バルデナフィルラウリル硫酸塩を以下のように製造した。バルデナフィルHCl(539mg、1.03mmol)及びラウリル硫酸ナトリウム(296mg、1.03mmol)を丸底フラスコ中に量り取り、そして酢酸エチル(10mL)/水(10mL)に溶解し、そして3時間撹拌した。得られた混合物を分液漏斗に移し、そして有機層を分離し、水層をさらに2x10mL酢酸エチルで洗浄し、合わせた有機物を、硝酸銀試験で陰性になるまで蒸留水(10mLずつ)で洗浄し戻した。溶液を乾燥し(硫酸ナトリウム=NaSO)、濾過し、そして真空で濃縮して所望の生成物を白色固体として得た(731mg、収率=98%)。得られたバルデナフィルラウリル硫酸塩の非晶質粉末は、70〜85℃で固体−液体転移を有していた(対照的に、バルデナフィル塩基の融点は約192℃である)。この生成物は酢酸エチルから結晶化することができた。
実施例11
バルデナフィルドデカン酸塩(ラウリン酸塩)を以下のように製造した。バルデナフィルHCl(250mg、0.48mmol)及びドデカン酸ナトリウム(106mg、0.48mmol)を10mLメタノールに溶解し、そして周囲温度で終夜撹拌した。得られた溶液を真空で濃縮して残留物を得、これを10mLクロロホルムに懸濁させ、濁った溶液を濾過し、そして濾液を真空で濃縮して所望の生成物(315mg、収率=96%)を得た。得られたバルデナフィルドデカン酸塩の結晶性粉末は、約95℃の溶融開始、そして175℃までに完全な溶融を有していた(対照的に、バルデナフィル塩基の融点は約192℃である)。対イオンcLog P=4.48。
実施例12
バルデナフィルドデシルスルホン酸塩:バルデナフィルHCl(400mg、0.76mmol)及びドデシルスルホン酸ナトリウム(207mg、0.76mmol)を10mLメタノールに溶解し、そして終夜周囲温度で撹拌した。得られた溶液を真空で濃縮して残留物を得、これを1:1クロロホルム:メタノール(10mL)に懸濁し、濁った溶液を濾過し、そして濾液を真空で濃縮して所望の生成物(507mg、収率=90%)を得た。得られたバルデナフィルドデシルスルホン酸塩の結晶性粉末は、約130℃の溶融開始及び165℃までの完全な溶融を有していた(対照的に、バルデナフィル塩基の融点は約192℃である)。対イオンcLog P=4.07。
実施例13
充填組成物を、最初に以下の成分を有する脂質ビヒクルをガラスバイアル中で製造することにより製造した:プロピレングリコールモノカプリレート(商標名CapryolTM90で販売される)、PEG−8カプリル/カプリン酸グリセリド(商標名Labrasol(R)で販売される)、そしてポリオキシル35ヒマシ油(商標名Kolliphor(R)ELで販売される)。ついでバルデナフィルドクサートを、充填組成物が24.0質量%バルデナフィルドクサート、15.2質量%プロピレングリコールモノカプリレート、30.4質量%PEG−8カプリル/カプリン酸グリセリド、及び30.4質量%ポリオキシル35ヒマシ油となるような量で脂質ビヒクルに加えた。ついで得られた充填製剤を30〜40℃でバルデナフィルドクサートが完全に溶解するまで混合した。
実施例14
充填組成物を、最初に以下の成分を有する脂質ビヒクルをガラスバイアル中で製造することにより製造した:プロピレングリコールモノカプリレート(商標名CapryolTM90で販売される)、PEG−8カプリル/カプリン酸グリセリド(商標名Labrasol(R)で販売される)、及びポリオキシル35ヒマシ油(商標名Kolliphor(R)ELで販売される)。ついでバルデナフィルドデカン酸塩を、充填組成物が3.5質量%バルデナフィルドデカン酸塩、19.3質量%プロピレングリコールモノカプリレート、38.6質量%PEG−8カプリル/カプリン酸グリセリド、及び38.6質量%ポリオキシル35ヒマシ油であるような量で脂質ビヒクルに加えた。ついで得られた充填製剤を、30〜40℃でバルデナフィルドデカン酸塩が完全に溶解するまで混合した。
開示される発明の原理が適用され得る多くの可能な実施態様を考慮すれば、示される実施態様は本発明の好ましい例のみのものであり、本発明の範囲を限定するとは解釈されるべきではないということが認識されるはずである。むしろ、本発明の範囲は以下の特許請求により定義される。従って本発明者らは、これらの特許請求の範囲及び精神内の全てを本発明者らの発明として特許請求する。

Claims (15)

  1. カプセル及び充填製剤を含む組成物であって、ここで充填製剤は:
    a. シルデナフィル、バルデナフィル、アバナフィル、ウデナフィル、ミロデナフィル及びロデナフィルから選択される活性成分;
    b. 活性成分の親油性塩を形成することができるように活性成分の少なくとも90mol%の量で存在する、活性成分に対する親油性対イオン;及び
    c. 25℃で液体であるか又は大部分液体である脂質ビヒクル;
    を含み、
    ここで活性成分は、脂質ビヒクル中に25℃で充填製剤の少なくとも1.0質量%(遊離塩基当量として表される)の量で完全に溶解される、上記組成物。
  2. 活性成分は組成物中に少なくとも2.5質量%(遊離塩基当量として表される)の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
  3. 脂質ビヒクルは:
    a) 界面活性剤又は界面活性剤の混合物;
    b) 場合により補助界面活性剤;及び
    c) 場合によりオイル
    を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 上記脂質ビヒクルは共溶媒を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 界面活性剤は:
    a) ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;
    b) (i)C8−C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−及びジ−エステル、並びに(ii)C8−C22脂肪酸のグリセリルモノ−、ジ−、及びトリ−エステルの混合物;
    c) ポリオキシエチレンヒマシ油及び誘導体;
    d) ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
    e) ビタミンE TPGS及びその誘導体;
    f) ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、又は
    g) それらのいずれかの組み合わせ
    である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 補助界面活性剤は:C8−C22脂肪酸のプロピレングリコールモノ−及びジ−エステル;並びにソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. オイルはグリセロールのC8−C18脂肪酸エステルを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 活性成分がシルデナフィルである場合、活性成分の親油性塩は、脂質ビヒクル中の活性成分のクエン酸塩形態の溶解度よりも少なくとも5倍大きい脂質ビヒクル中の溶解度を有し、そして活性成分がバルデナフィルである場合、活性成分の親油性塩は、脂質ビヒクル中の活性成分の塩酸塩形態の溶解度よりも少なくとも5倍大きい脂質ビヒクル中の溶解度を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 対イオンは、7未満のpKa値を有する少なくとも1つの酸性基、そしてより好ましくは4未満のpKa値を有する少なくとも1つの酸性基を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 対イオンは、塩における対イオン:活性成分モル質量比が好ましくは2.5未満であるような、そしてより好ましくは塩における対イオン:活性成分モル質量比が1.5未満であるような分子量を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 親油性対イオンがデシルサルフェート、ラウリルサルフェート、7−エチル−2−メチル−4−ウンデシルサルフェート、ジオクチルスルホスクシネート(ドクサート)、オレエート、ステアレート、パルミテート、ラウレート(ドデカノエート)、カプレート(デカノエート)、カプリレート(オクタノエート)、又はブチルオクチルサルフェートである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 充填製剤中に存在する界面活性剤の量は10〜96質量%であるか、又は15〜75質量%であるか、又は25〜65質量%であり、充填製剤中に存在する補助界面活性剤の量は0〜60質量%であるか、5〜50質量%であるか、又は10〜40質量%であり、そして充填製剤中に存在するオイルの量は0〜60質量%であるか、又は5〜50質量%であるか、又は10〜45質量%である(ここで、充填製剤の量は、活性成分、親油性対イオン、脂質ビヒクル及びいずれかの他の任意の賦形剤の質量を含む)、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 脂質ビヒクルは、本質的に界面活性剤及び任意の補助界面活性剤からなり、充填製剤は、本質的に(遊離塩基当量で)2〜40質量%の量の活性成分、2〜40質量%の量の親油性対イオン、10〜96質量%の量の界面活性剤、及び0又は0.1〜60質量%の量の補助界面活性剤からなる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 共溶媒を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. シルデナフィルドクサート、シルデナフィルラウリル硫酸塩、シルデナフィルデシル硫酸塩及びシルデナフィルドデカン酸塩から選択される活性成分を含む、組成物。
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