各図に適宜示すZ軸方向は、正の側を「上側」とし、負の側を「下側」とする上下方向である。各図に適宜示す中心軸Jは、Z軸方向と平行であり、上下方向に延びる仮想線である。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向、すなわち上下方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。以下の各実施形態において、下側は「軸方向一方側」であり、上側は「軸方向他方側」に相当する。
なお、上下方向、上側、および下側とは、単に各部の配置関係等を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態のモータ10は、インナーロータ型のモータである。図1に示すように、本実施形態のモータ10は、ハウジング11と、ロータ20と、ステータ12と、ベアリングホルダ13と、ベアリング14,15と、を備える。ハウジング11は、ロータ20、ステータ12、ベアリングホルダ13、およびベアリング14,15を内部に収容している。ハウジング11の底部は、ベアリング14を保持している。ベアリングホルダ13は、ベアリング15を保持している。ベアリング14,15は、例えば、ボールベアリングである。
ステータ12は、ロータ20と隙間を介して対向している。本実施形態においてステータ12は、ロータ20の径方向外側に位置する。ステータ12は、ロータ20を囲む環状である。ステータ12は、ステータコア12aと、インシュレータ12bと、複数のコイル12cと、を有する。図示は省略するが、ステータコア12aは、後述するロータコア30を囲む円環状のコアバックと、コアバックから径方向内側に延びる複数のティースと、を有する。複数のコイル12cは、ステータコア12aの複数のティースのそれぞれに、インシュレータ12bを介して装着されている。
ロータ20は、中心軸Jを中心として回転可能である。図2に示すように、ロータ20は、シャフト21と、ロータコア30と、マグネット40と、固定部材50と、を備える。シャフト21は、軸方向に延びる中心軸J回りに回転可能である。シャフト21は、例えば、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。図1に示すように、シャフト21は、ベアリング14,15によって中心軸J回りに回転可能に支持されている。
ロータコア30は、磁性体である。ロータコア30は、シャフト21に固定されている。図2に示すように、ロータコア30は、例えば、中心軸Jを中心とする略円柱状である。ロータコア30は、中央孔32と、収容孔33と、貫通孔34と、を有する。中央孔32は、ロータコア30を軸方向に貫通している。中央孔32は、例えば、中心軸Jを中心とする円形状の孔である。中央孔32には、シャフト21が軸方向に通されている。シャフト21は、例えば圧入等により、中央孔32内に固定されている。これにより、ロータコア30がシャフト21の外周面に固定されている。
収容孔33は、ロータコア30を軸方向に貫通している。本実施形態において収容孔33は、中心軸J回りの周方向に沿って複数設けられている。複数の収容孔33は、例えば、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。収容孔33は、例えば、8つ設けられている。収容孔33は、例えば、ロータコア30の径方向外縁部に設けられている。収容孔33は、例えば、軸方向に見て、周方向に沿って直線状に延びている。複数の収容孔33のそれぞれは、例えば、軸方向に見て、中心軸Jを中心とする正多角形状の各辺のそれぞれに沿って延びている。つまり、8つの収容孔33のそれぞれは、例えば、軸方向に見て、中心軸Jを中心とする正八角形状の各辺のそれぞれに沿って延びている。収容孔33は、例えば、軸方向に見て、略長方形状である。
貫通孔34は、ロータコア30を軸方向に貫通している。貫通孔34は、例えば、円形状の孔である。貫通孔34は、周方向に沿って複数設けられている。複数の貫通孔34は、例えば、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。貫通孔34は、例えば、8つ設けられている。複数の貫通孔34は、例えば、複数の収容孔33の径方向内側にそれぞれ配置されている。貫通孔34内に軸方向に空気が流れることで、空気によってロータ20を冷却できる。
複数の貫通孔34は、複数の大径孔34aと、複数の小径孔34bと、を含む。大径孔34aと小径孔34bとは、例えば、周方向に沿って交互に配置されている。大径孔34aと小径孔34bとは、例えば、4つずつ設けられている。小径孔34bの内径は、大径孔34aの内径よりも小さい。
図3に示すように、ロータコア30は、複数の板部材31が軸方向に積層されて構成されている。板部材31は、板面が軸方向を向く板状である。板部材31の板面は、例えば、軸方向と直交している。図示は省略するが、軸方向に隣り合う板部材31同士は、例えば、互いに一部がカシメられることで連結されている。板部材31は、例えば、電磁鋼板である。本実施形態において複数の板部材31は、1つの第1板部材31aと、複数の第2板部材31bと、を含む。
本実施形態において第1板部材31aは、複数の板部材31のうち最も上側に位置する板部材31である。図4に示すように、第1板部材31aは、抜け止め部35を有する。つまり、本実施形態においてロータコア30は、抜け止め部35を有する。抜け止め部35は、例えば、収容孔33の上側の端部における内縁から軸方向と直交する方向に突出している。本実施形態において抜け止め部35は、収容孔33ごとに2つずつ設けられている。各収容孔33において、2つの抜け止め部35は、収容孔33の上側の端部における周方向両端部の内縁にそれぞれ設けられている。抜け止め部35は、収容孔33の上側の開口の一部を塞いでいる。
図2に示すように、抜け止め部35は、マグネット40の上側に対向して配置されている。各収容孔33において2つの抜け止め部35は、例えば、マグネット40のうち径方向内側の端部における周方向両端部のそれぞれの上側に対向して配置されている。抜け止め部35の下側の面は、マグネット40の上側の面と接触していてもよいし、マグネット40の上側の面と隙間を介して軸方向に対向していてもよい。
第2板部材31bは、抜け止め部35が設けられていない点を除いて、第1板部材31aと同様の形状である。ロータコア30を構成する複数の板部材31は、例えば、最も上側に配置された第1板部材31aを除いて、全て第2板部材31bである。図3に示すように、ロータコア30の下面30aは、複数の板部材31のうち最も下側に配置された第2板部材31bの下側の面である。ロータコア30の上面30bは、複数の板部材31のうち最も上側に配置された第1板部材31aの上側の面である。本実施形態において、下面30aはロータコア30の軸方向一方側の面に相当し、上面30bはロータコア30の軸方向他方側の面に相当する。
マグネット40は、固定部材50によってロータコア30に固定されている。マグネット40は、収容孔33に収容されている。図2に示すように、本実施形態においてマグネット40は、収容孔33ごとに設けられている。つまり、本実施形態においてマグネット40は、周方向に沿って複数設けられている。マグネット40は、例えば、8つ設けられている。図2および図3に示すように、マグネット40は、例えば、軸方向に延びる直方体状である。図2に示すように、マグネット40は、例えば、軸方向に見て、当該マグネット40が収容された収容孔33が延びる方向に長い長方形状である。つまり、複数のマグネット40は、例えば、軸方向に見て、周方向に沿って直線状に延びる形状である。
各マグネット40の周方向両端部は、例えば、各収容孔33の内面のうち周方向両側に位置する面から離れて配置されている。各マグネット40の周方向両側には、例えば、空隙部が設けられている。本実施形態において各マグネット40は、各収容孔33内において径方向外側に片寄った位置に配置されている。図3に示すように、マグネット40の径方向外側面は、例えば、収容孔33の内面のうち径方向外側に位置する面に接触している。マグネット40の径方向内側面は、例えば、収容孔33の内面のうち径方向内側に位置する面から径方向外側に離れて配置されている。
マグネット40は、収容孔33のうち抜け止め部35が設けられた上端部を除く軸方向のほぼ全体に亘って設けられている。マグネット40の下側の面は、例えば、ロータコア30の下面30aと軸方向においてほぼ同じ位置に位置する。マグネット40の上側の面は、例えば、ロータコア30の上面30bよりも下側に位置する。マグネット40の軸方向の寸法は、抜け止め部35と後述する基部51との間の軸方向の距離よりも小さい。マグネット40の下側の面と基部51との軸方向の間、およびマグネット40の上側の面と抜け止め部35との軸方向の間の少なくとも一方には、隙間が設けられている。マグネット40の種類は、特に限定されない。
固定部材50は、マグネット40をロータコア30に固定する部材である。固定部材50は、基部51と、延伸部52と、を有する。図5に示すように、本実施形態において基部51は、中心軸J回りの周方向に延びている。基部51は、例えば、中心軸Jを中心とする円弧状に延びている。基部51の周方向両端部は、例えば、僅かな隙間を介して互いに対向して配置されている。基部51は、例えば、軸方向に見て、円環状の一部がスリットによって周方向に分断された形状である。基部51は、例えば、板面が軸方向を向く板状である。基部51の板面は、例えば、軸方向と直交している。
図2および図3に示すように、本実施形態において基部51は、複数の収容孔33の下側に位置する。基部51は、例えば、各収容孔33の下側の開口をほぼ全体に亘って塞いでいる。本実施形態において基部51は、マグネット40の下側に対向して配置されている。基部51の上側の面は、マグネット40の下側の面に接触していてもよいし、マグネット40の下側の面と隙間を介して対向していてもよい。
図3に示すように、基部51は、ロータコア30の下面30aに接触している。基部51の径方向外縁部は、例えば、収容孔33よりも径方向外側に位置する。基部51の径方向外縁部は、下面30aのうち収容孔33の径方向外側に位置する部分に接触している。基部51の径方向内縁部の径方向位置は、例えば、収容孔33の径方向内縁部の径方向位置と同じである。
延伸部52は、基部51から上側に延びて、収容孔33に通されている。延伸部52は、例えば、収容孔33に下側から挿入されて、収容孔33よりも上側に突出している。図2に示すように、本実施形態において延伸部52は、収容孔33ごとに設けられている。つまり、本実施形態において延伸部52は、周方向に沿って複数設けられている。複数の延伸部52は、例えば、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。延伸部52は、例えば、8つ設けられている。図5に示すように、本実施形態において複数の延伸部52は、基部51の径方向内縁部から上側に延びている。つまり、本実施形態において基部51は、複数の延伸部52を繋いでいる。
図3に示すように、延伸部52は、マグネット支持部53と、ロータコア支持部54と、を有する。マグネット支持部53は、収容孔33内に位置する。本実施形態においてマグネット支持部53は、マグネット40よりも径方向内側に位置する。マグネット支持部53は、マグネット40の径方向内側面と収容孔33の内面のうち径方向内側に位置する面との径方向の隙間に位置する。マグネット40の径方向内側面と収容孔33の内面のうち径方向内側に位置する面との径方向の隙間は、板状の延伸部52の板厚よりも大きい。
マグネット支持部53は、軸方向に延びている。より詳細には、マグネット支持部53は、基部51の径方向内縁部から上側に延びている。マグネット支持部53は、板面が径方向を向く板状である。本実施形態においてマグネット支持部53は、第1直線部53aと、第1連結部53bと、接触部53cと、第2連結部53dと、第2直線部53eと、を下側から上側に向かってこの順に有する。
第1直線部53aは、基部51の径方向内縁部から真上に直線状に延びている。第1直線部53aの下側の端部は、マグネット支持部53の下側の端部である。第1直線部53aの径方向内側面は、収容孔33の内面のうち径方向内側に位置する面に接触している。第1直線部53aの径方向外側面は、マグネット40の径方向内側面から径方向内側に離れて配置されている。第1連結部53bは、第1直線部53aの上側の端部から上側斜め径方向外側に延びている。第1連結部53bは、第1直線部53aと接触部53cとを軸方向に連結している。
接触部53cは、第1連結部53bの上側の端部から真上に直線状に延びている。接触部53cの径方向外側面は、マグネット40の径方向内側面に接触している。接触部53cの径方向内側面は、収容孔33の内面のうち径方向内側に位置する面から径方向外側に離れて配置されている。接触部53cの軸方向の寸法は、例えば、マグネット支持部53における他の部分の軸方向の寸法よりも大きい。つまり、接触部53cの軸方向の寸法は、例えば、第1直線部53aの軸方向の寸法、第1連結部53bの軸方向の寸法、第2連結部53dの軸方向の寸法、および第2直線部53eの軸方向の寸法よりも大きい。第2連結部53dは、接触部53cの上側の端部から上側斜め径方向内側に延びている。第2連結部53dは、接触部53cと第2直線部53eとを軸方向に連結している。
第2直線部53eは、第2連結部53dの上側の端部から真上に直線状に延びている。第2直線部53eの上側の端部は、マグネット支持部53の上側の端部である。第2直線部53eの径方向内側面は、収容孔33の内面のうち径方向内側に位置する面に接触している。第2直線部53eの径方向外側面は、マグネット40の径方向内側面から径方向内側に離れて配置されている。第2直線部53eの軸方向の寸法は、例えば、第1直線部53aの軸方向の寸法よりも小さい。
マグネット支持部53は、第1連結部53bおよび第2連結部53dが軸方向に対して斜めに設けられることで、接触部53cが径方向外側に突出した形状となっている。接触部53cは、第1連結部53bおよび第2連結部53dが板バネとして機能することで、径方向に弾性変位可能である。これにより、マグネット支持部53は、径方向に弾性変形可能な弾性体として機能する。
マグネット支持部53は、収容孔33内に収容された状態において、収容孔33の内面のうち径方向内側に位置する面とマグネット40の径方向内側面とに挟まれて、接触部53cが第1直線部53aおよび第2直線部53eに対して径方向内側に弾性変位した状態となっている。つまり、マグネット支持部53は、収容孔33内において、マグネット支持部53が接触する部材に対して径方向に弾性力を加えることが可能な状態となっている。これにより、マグネット支持部53は、接触部53cを介してマグネット40に径方向外側向きの力を加えている。マグネット40は、マグネット支持部53から径方向外側向きの力を受けることで、収容孔33の内面のうち径方向外側に位置する面に押し付けられている。このようにして、マグネット支持部53は、マグネット40を収容孔33の内面に押し付けている。
本実施形態においてロータコア支持部54は、マグネット支持部53の上側の端部から径方向内側に突出している。ロータコア支持部54は、例えば、板面が軸方向を向く板状である。ロータコア支持部54の板面は、例えば、軸方向と直交している。ロータコア支持部54は、ロータコア30の上側に位置する。ロータコア支持部54の径方向内側の端部は、貫通孔34よりも径方向外側に位置する。
ロータコア支持部54は、ロータコア30の上面30bに接触している。ロータコア支持部54の下側の面は、例えば、上面30bのうち収容孔33の径方向内側かつ貫通孔34の径方向外側に位置する部分に接触している。ロータコア支持部54の下側の面は、例えば、上面30bにおける収容孔33の周縁部のうち径方向内側部分に接触している。
本実施形態においてロータコア支持部54は、延伸部52の上側の端部がカシメられたカシメ部である。本明細書においてカシメ部とは、例えば、プレス加工等によって部材の一部が塑性変形させられて作られた部分を意味する。つまり、ロータコア支持部54は、延伸部52の上側の端部が塑性変形させられて作られた部分である。本実施形態においてロータコア支持部54は、延伸部52の上側の端部が径方向内側に折り曲げられて塑性変形させられることで作られている。ロータコア支持部54は、マグネット支持部53の上側の端部に対して径方向内側にカシメられている。なお、図5に示す固定部材50は、延伸部52の上側の端部がカシメられる前の状態、すなわちロータコア支持部54が作られる前の状態を示している。
本実施形態において固定部材50は、単一の部材である。固定部材50は、例えば、板金製である。つまり、固定部材50は、例えば、板金に機械加工を施すことで作られている。固定部材50を作る作業者等は、板金からプレス加工等によって打ち抜いた図6に示す金属部材150をプレス加工等によって折り曲げることで、図5に示す状態の固定部材50、すなわちロータコア支持部54が作られる前の状態の固定部材50を作る。
なお、本明細書において「作業者等」とは、各作業を行う作業者および設備機器等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、設備機器等のみによって行われてもよいし、作業者と設備機器等とによって行われてもよい。
図6に示すように、金属部材150は、第1部分151と、複数の第2部分152と、を有する。第1部分151は、直線状に延びる長方形板状の部分である。複数の第2部分152は、第1部分151から、第1部分151が延びる方向と直交する方向に直線状に延びる長方形板状の部分である。第2部分152が延びる方向は、第1部分151の板面と平行な方向である。複数の第2部分152は、第1部分151が延びる方向に沿って間隔を空けて並んで配置されている。第1部分151の板面と第2部分152の板面とは、互いに平行である。
第1部分151は、第1部分151の板面と平行な平面内において円弧状に折り曲げられて基部51となる部分である。第2部分152は、板面に直交する方向に折り曲げられて延伸部52となる部分である。第2部分152は、例えば、図6に示す一点鎖線および二点鎖線に沿って折り曲げられることで、ロータコア支持部54が作られる前の延伸部52、すなわち図5に示す延伸部52となる。一点鎖線に沿って第2部分152が折り曲げられる向きは、二点鎖線に沿って第2部分152が折り曲げられる向きと逆向きである。作業者等は、例えば、第2部分152を一点鎖線および二点鎖線に沿って折り曲げた後に、第1部分151を円弧状に折り曲げる。第2部分152を折り曲げる際、作業者等は、例えば、複数の第2部分152をまとめて折り曲げる。
作業者等は、ロータコア30の収容孔33内のそれぞれにマグネット40を下側から挿入した後、図5に示す状態の固定部材50の各延伸部52を各収容孔33内に下側から挿し込む。作業者等は、基部51の上側の面がロータコア30の下面30aに接触するまで延伸部52を収容孔33内に挿し込む。作業者等は、収容孔33の上側の開口から上側に突出した延伸部52の上端部を径方向内側にカシメて、ロータコア30の上面30bに接触させる。これにより、ロータコア30の上面30bに接触するロータコア支持部54が作られ、マグネット40および固定部材50がロータコア30に対して組み付けられる。なお、マグネット40および固定部材50をロータコア30に対して組み付ける際、作業者等は、例えば、ロータコア30の姿勢を上下に反転させて各作業を行ってもよい。
本実施形態によれば、マグネット40をロータコア30に固定する固定部材50は、ロータコア30の下面30aに接触する基部51と、基部51から上側に延びて、収容孔33に通された延伸部52と、を有する。延伸部52は、マグネット40を収容孔33の内面に押し付けるマグネット支持部53と、ロータコア30の上面30bに接触するロータコア支持部54と、を有する。マグネット支持部53によってマグネット40を収容孔33の内面に押し付けることで、マグネット40をロータコア30に対して固定できる。また、基部51がロータコア30の下面30aに接触し、ロータコア支持部54がロータコア30の上面30bに接触することで、固定部材50がロータコア30に対して軸方向に外れることを抑制できる。また、基部51とロータコア支持部54とによってロータコア30を軸方向の両側から押さえることができるため、ロータコア30を構成する板部材31の一部がめくれることを抑制できる。
このように、マグネット40をロータコア30に固定する固定部材50に基部51とロータコア支持部54とを設け、固定部材50を積層された複数の板部材31を押さえる部材としても利用することで、他の部材を別途設けることなく、板部材31がめくれることを抑制できる。そのため、板部材31がめくれることを抑制しつつ、ロータ20の部品点数が増加することを抑制できる。これにより、ロータ20の組立工数が増加することを抑制でき、モータ10の組立工数が増加することを抑制できる。したがって、ロータ20の製造コストおよびモータ10の製造コストを低減できる。
また、固定部材50をロータコア30に取り付けることによって、ロータコア30に対するマグネット40の固定作業と、積層された複数の板部材31を押さえる作業と、を容易に行うことができる。そのため、例えば、ロータコア30およびマグネット40をインサート部材とするインサート成形によってマグネット40および板部材31を押さえる樹脂部材を作る場合等に比べて、ロータコア30に対するマグネット40の固定作業および積層された複数の板部材31を押さえる作業を行うために必要な時間および工数を低減できる。したがって、ロータ20の製造コストおよびモータ10の製造コストをより低減できる。
また、本実施形態によれば、収容孔33は、中心軸J回りの周方向に沿って複数設けられている。マグネット40および延伸部52は、それぞれ収容孔33ごとに設けられている。基部51は、中心軸J回りの周方向に延び、かつ、複数の延伸部52を繋いでいる。そのため、各マグネット40を各延伸部52のマグネット支持部53によってそれぞれロータコア30に固定できる。また、複数の延伸部52のロータコア支持部54によって板部材31を押さえることができる。そのため、板部材31がめくれることをより好適に抑制できる。
また、複数の延伸部52が1つの基部51によって繋げられているため、1つの固定部材50をロータコア30に取り付けることで、複数の延伸部52をまとめてロータコア30に取り付けられる。したがって、例えば基部51と延伸部52とを1つずつ有する固定部材が複数設けられる場合に比べて、固定部材50をロータコア30に取り付ける際の作業性を向上でき、かつ、固定部材50をロータコア30に取り付ける作業に要する作業時間を短縮することができる。また、基部51と延伸部52とを1つずつ有する固定部材を複数作る場合に比べて、固定部材50を製造するための工数を低減できる。これにより、固定部材50の製造コストを低減でき、ロータ20の製造コストおよびモータ10の製造コストをより低減できる。
また、本実施形態によれば、ロータコア支持部54は、延伸部52の上側の端部がカシメられたカシメ部である。そのため、上述したように延伸部52を収容孔33に通してから延伸部52の上端部をカシメることで容易かつ好適にロータコア支持部54を作ることができる。また、ロータコア支持部54を的確にロータコア30の上面30bに接触させやすい。そのため、複数の板部材31をより好適に押さえることができる。
また、本実施形態によれば、固定部材50は、単一の部材である。そのため、ロータ20の部品点数およびモータ10の部品点数が増加することをより抑制できる。また、複数の部材を連結して固定部材50を作る場合に比べて、固定部材50を製造するための工数を低減できる。これらにより、ロータ20の製造コストおよびモータ10の製造コストをより低減できる。
また、本実施形態によれば、固定部材50は、板金製である。そのため、例えば固定部材50をダイカスト等によって作る場合に比べて、固定部材50の製造コストを低減できる。これにより、ロータ20の製造コストおよびモータ10の製造コストをより低減できる。また、延伸部52が板状となるため、延伸部52の上端部をカシメてロータコア支持部54を作ることが容易である。
また、本実施形態によれば、基部51は、マグネット40の下側に対向して配置されている。ロータコア30は、マグネット40の上側に対向して配置された抜け止め部35を有する。そのため、基部51と抜け止め部35とによってマグネット40を軸方向に挟むことができる。これにより、マグネット40が収容孔33内から軸方向に抜け出ること、およびマグネット40が軸方向に位置ずれすることを抑制できる。さらに、マグネット40が軸方向に位置ずれすることを抑制できるので、複数のマグネット40の軸方向位置を好適に揃えやすく、各マグネット40によって生じる磁界の範囲が軸方向にバラつくことを抑制できる。そのため、固定部材50を用いることで、磁気特性に優れたロータ20を低コストに作製可能である。また、マグネット40の軸方向位置のバラつきを抑制できることで、例えばマグネット40の磁界を検出可能な磁気センサを設ける場合には、マグネット40と当該磁気センサとの軸方向の距離がバラつくことを抑制できる。そのため、当該磁気センサによってマグネット40の磁界を好適に検出可能である。
また、例えば、マグネット支持部53がマグネット40よりも径方向内側に位置する場合においてロータコア支持部54がマグネット支持部53の上側の端部から径方向外側に突出する場合、ロータコア支持部54をロータコア30の上面30bに接触させるためには、ロータコア支持部54を収容孔33よりも径方向外側まで延ばす必要がある。そのため、ロータコア支持部54によって板部材31を押さえることができる面積を好適に確保するためには、ロータコア支持部54の径方向の寸法を比較的大きくする必要がある。
これに対して、本実施形態によれば、マグネット支持部53はマグネット40よりも径方向内側に位置し、ロータコア支持部54は、マグネット支持部53の上側の端部から径方向内側に突出している。そのため、ロータコア支持部54の径方向の寸法が小さくても、ロータコア支持部54をロータコア30の上面30bに接触させやすい。これにより、ロータコア支持部54が径方向外側に突出する場合に比べて、ロータコア支持部54の径方向の寸法を小さくしつつ、ロータコア支持部54によって板部材31を押さえることができる面積を好適に確保しやすい。したがって、ロータコア支持部54の径方向の寸法を小さくして固定部材50の製造コストを低減しつつ、ロータコア支持部54によって板部材31を好適に押さえやすい。
また、本実施形態によれば、接触部53cの軸方向の寸法は、第1直線部53aの軸方向の寸法、第1連結部53bの軸方向の寸法、第2連結部53dの軸方向の寸法、および第2直線部53eの軸方向の寸法よりも大きい。そのため、接触部53cの軸方向の寸法を比較的大きくできる。これにより、マグネット支持部53が収容孔33内においてマグネット40と接触する面積を大きくできる。したがって、接触部53cを介してマグネット40に径方向外側向きの力を好適に加えることができ、マグネット支持部53によってマグネット40を収容孔33内に好適に固定できる。
また、本実施形態によれば、接触部53cは、マグネット支持部53のうち第2連結部53dおよび第2直線部53eよりも基部51に近い位置に設けられた部分である。つまり、接触部53cは、マグネット支持部53の上側の端部よりも基部51に近い側に設けられている。そのため、例えば接触部53cがマグネット支持部53の上側の端部に設けられている場合に比べて、延伸部52を収容孔33内に下側から挿し込み始める際に、延伸部52の上側の端部がマグネット40に接触しにくい。これにより、延伸部52を収容孔33内に通しやすい。したがって、固定部材50をロータコア30に、より取り付けやすくできる。特に、本実施形態では、マグネット支持部53の上側の端部には軸方向に直線状に延びる第2直線部53eが設けられており、第2直線部53eと接触部53cとの軸方向の間には、軸方向に対して斜めに延びる第2連結部53dが設けられている。そのため、延伸部52を収容孔33内に下側から挿し込む際に、第2直線部53eを収容孔33の下側の開口から挿入しやすい。また、斜めに延びる第2連結部53dによって、接触部53cを径方向に弾性変位させつつ、接触部53cを収容孔33の径方向内側面とマグネット40の径方向内側面との間に入れやすい。
また、本実施形態によれば、各マグネット支持部53によって、各マグネット40は、各収容孔33内の径方向外側面に押し付けられている。そのため、各収容孔33内の径方向外側面によって、各マグネット40を径方向に位置決めできる。これにより、作業者等による作業の精度等によらず、各マグネット40の径方向位置を好適に揃えることができる。つまり、各マグネット40の径方向位置がバラつくことを抑制できる。したがって、ロータ20の磁気特性を向上でき、出力トルク等のモータ10の品質を向上できる。また、ロータ20が回転する際に生じる遠心力に起因して生じる振動および偏荷重を低減できる。そのため、ロータ20を支持するベアリング14,15への負荷も低減できる。これにより、モータ10の寿命を向上できる。また、固定部材50を用いることで、ロータ20を組み立てる際にマグネット40の径方向位置にバラつきが生じにくいため、ロータ20の磁気特性にバラつきが生じることを抑制できる。これにより、出力トルク等のモータ10の品質にバラつきが生じることを抑制できる。
(第1実施形態の変形例)
図7に示すモータ210のロータ220において、固定部材250の基部251は、基部本体251aと、折返し部255と、を有する。基部本体251aは、上述した基部51と同様の形状である。折返し部255は、基部本体251aの径方向内縁部から下側に突出し、径方向内側かつ上側に折り返されてマグネット支持部53の下側の端部に繋がっている。折返し部255は、例えば、図6に示す金属部材150の第2部分152を第1部分151に対して板面に直交する向きに根元から折り曲げた後、さらに第2部分152を逆向きに折り返すことで作られる。モータ210のその他の構成は、上述したモータ10のその他の構成と同様にできる。
本変形例によれば、折返し部255が設けられることで、基部251と延伸部52との接続部分における剛性を高めることができる。そのため、延伸部52が基部251に対して変位しにくくなり、延伸部52のマグネット支持部53およびロータコア支持部54によってマグネット40および板部材31を好適に押さえた状態を維持しやすくできる。また、固定部材250を板金製とする場合に、板金の厚さを薄くしても、基部251と延伸部52との接続部分における剛性を確保しやすい。そのため、固定部材250を作るための板金の厚さを薄くすることができる。これにより、固定部材250の製造コストをより低減できる。したがって、ロータ220の製造コストおよびモータ210の製造コストをより低減できる。また、板金の厚さを薄くすることで固定部材250を軽量化できるため、ロータ220およびモータ210を軽量化できる。
また、例えば、マグネット40を収容孔33の上側の開口から挿入可能な構成において、固定部材250をロータコア30に取り付けてからマグネット40を上側から収容孔33に挿入する場合に、マグネット40が磁力によって収容孔33内に吸い込まれて基部251に上側から衝突しても、基部251が延伸部52に対して変形することを抑制できる。これにより、マグネット40の位置がずれることを抑制できる。
<第2実施形態>
図8に示すように、本実施形態のモータ310のロータ320において、ロータコア330は、第1実施形態のロータコア30に対して第1板部材331aの形状が異なる。第1板部材331aの抜け止め部335は、収容孔33の上端部における径方向外側の内面から径方向内側に突出している。抜け止め部335は、収容孔33の上側の開口のうち径方向内側の端部を除いた全体を覆っている。本実施形態において収容孔33のうち第1板部材331aの上側に露出している部分の形状は、固定部材350を構成する板金の板厚よりも幅が広いスリット状である。本実施形態において抜け止め部335は、例えば、マグネット40の上側の全体を覆っている。
本実施形態の固定部材350において、延伸部352のロータコア支持部354は、マグネット支持部353の上側の端部から径方向外側に突出している。ロータコア支持部354は、抜け止め部335の上側の面に少なくとも一部が接触している。これにより、ロータコア支持部354によって第1板部材331aを上側から押さえることができる。したがって、ロータコア330を構成する複数の板部材31がめくれることを抑制できる。本実施形態においてロータコア支持部354は、ほぼ全体が抜け止め部335の上側の面に接触している。モータ310のその他の構成は、第1実施形態のモータ10のその他の構成と同様にできる。なお、ロータコア支持部354は、抜け止め部335の上側の面に対してどのように接触していてもよい。ロータコア支持部354と抜け止め部335とは、例えば、点接触していてもよい。
本実施形態によれば、ロータコア支持部354が延伸部352の上側の端部から径方向外側に突出している。そのため、収容孔33の径方向内側に貫通孔34が設けられる場合にロータコア支持部354の径方向の寸法を大きくしても、ロータコア支持部354が貫通孔34を塞ぐことがない。これにより、ロータコア支持部354によって貫通孔34内を流れる空気が阻害されることがない。したがって、貫通孔34内に空気を好適に流すことができ、ロータ320を好適に冷却できる。
<第3実施形態>
図9に示すように、本実施形態のモータ410のロータ420において、ロータコア430は、第1実施形態と異なり、第1板部材31aを有しない。ロータコア430を構成する複数の板部材31は、例えば、第2板部材31bのみを含む。ロータコア430は、第1実施形態と異なり、抜け止め部35を有しない。
本実施形態の固定部材450における延伸部452の上端部は、周方向に間隔を空けて二股に分かれている。二股に分かれた延伸部452の上端部の一方は、ロータコア支持部454である。ロータコア支持部454は、マグネット支持部53の上端部から径方向内側に突出している。ロータコア支持部454は、例えば、延伸部452の上端部が径方向内側にカシメられたカシメ部である。ロータコア支持部454は、ロータコア430の上側の面に接触している。本実施形態においてロータコア430の上側の面は、複数の板部材31のうち最も上側に位置する第2板部材31bの上側の面である。
二股に分かれた延伸部452の上端部の他方は、マグネット支持部53の上側の端部から径方向外側に突出する突出部456である。つまり、本実施形態において延伸部452は、突出部456を有する。突出部456は、例えば、延伸部452の上端部が径方向外側にカシメられたカシメ部である。
突出部456は、収容孔33の少なくとも一部を上側から覆っている。本実施形態において突出部456は、収容孔33の一部を上側から覆っている。突出部456は、マグネット40の上側に対向して配置されている。突出部456の下側の面は、マグネット40の上側の面に接触していてもよいし、マグネット40の上側の面と隙間を介して対向していてもよい。本実施形態においてマグネット40の上側の面は、ロータコア430の上側の面と軸方向において同じ位置に配置されている。モータ410のその他の構成は、上述した各実施形態のモータのその他の構成と同様にできる。なお、本実施形態において、径方向内側は、「径方向一方側」に相当し、径方向外側は「径方向他方側」に相当する。
本実施形態によれば、延伸部452は、収容孔33の少なくとも一部を上側から覆う突出部456を有する。そのため、ロータコア430に抜け止め部35を設けなくても、突出部456によって、マグネット40が収容孔33から上側に抜け出ることを抑制できる。また、突出部456をカシメ部とする場合、突出部456をマグネット40の上側の面に好適に接触させやすい。そのため、マグネット40をより好適に軸方向に保持できる。
また、突出部456をカシメ部とする場合、突出部456をカシメて作る前においては、収容孔33の上側の開口を、マグネット40を挿入可能な状態にしておくことができる。そのため、例えば、二股に分かれた延伸部452の上端部のうち一方をカシメてロータコア支持部454を作り、ロータコア430に固定部材450を取り付けた後に、マグネット40を収容孔33の上側から入れる組立方法を採用できる。これにより、ロータ420の組立方法の自由度を向上できる。
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成を採用することもできる。固定部材は、複数の部材が連結されて構成されていてもよい。固定部材を構成する材料は、特に限定されない。固定部材は、樹脂製であってもよい。固定部材は、ダイカスト等、型に材料を流し込んで成形する方法によって製造されてもよい。固定部材は、複数設けられていてもよい。この場合、各固定部材は、1つの基部と、少なくとも1つの延伸部と、を有してもよい。1つの固定部材が有する延伸部の数は、特に限定されない。1つの固定部材は、延伸部を1つのみ有してもよい。基部の形状は、特に限定されない。基部は、全周に亘って繋がった円環状であってもよい。
マグネット支持部は、収容孔内においてマグネットに対していずれの位置に配置されてもよい。マグネット支持部は、収容孔内においてマグネットより径方向外側に位置してもよいし、収容孔内においてマグネットと周方向に隣り合う位置に位置してもよい。マグネット支持部がマグネットより径方向外側に位置する場合、マグネット支持部は、例えば、マグネットを収容孔の内面のうち径方向内側に位置する面に押し付ける。マグネット支持部がマグネットの周方向一方側に位置する場合、マグネット支持部は、例えば、マグネットを収容孔の内面のうち周方向他方側に位置する面に押し付ける。例えば、上述した第1実施形態において、マグネット40の周方向両側に設けられる空隙部のいずれかにマグネット支持部53が配置されてもよい。マグネット支持部の形状は、マグネットを収容孔の内面に押し付けることが可能であれば、特に限定されない。
マグネット支持部がマグネットよりも径方向外側に位置する場合、ロータコア支持部がマグネット支持部の軸方向他方側の端部から径方向外側に突出し、かつ、延伸部がマグネット支持部の軸方向他方側の端部から径方向内側に突出する突出部を有してもよい。この構成においても、突出部が収容孔の少なくとも一部を軸方向他方側から覆うことで、第3実施形態と同様に、突出部によって、マグネットが収容孔から抜け出ることを抑制できる。なお、この場合、径方向外側が「径方向一方側」に相当し、径方向内側が「径方向他方側」に相当する。
延伸部に設けられた突出部は、ロータコアの軸方向他方側の面に接触してもよい。例えば、上述した第3実施形態において、突出部456が径方向外側にさらに突出して、ロータコア430の上側の面のうち収容孔33よりも径方向外側に位置する部分に接触してもよい。この場合、突出部456によって、マグネット40が上側に抜け出ることを抑制しつつ、板部材31を押さえることもできる。そのため、板部材31をより好適に押さえることができる。
ロータコア支持部は、ロータコアの軸方向他方側の面に接触するならば、どのような形状であってもよい。ロータコア支持部は、少なくとも一部がロータコアの軸方向他方側の面に接触していればよい。ロータコア支持部は、カシメ部でなくてもよい。この場合、ロータコア支持部は、例えば、ダイカストによって成形された部分であってもよい。ロータコア支持部は、1つの延伸部に2つ以上設けられていてもよい。固定部材は、ロータコア支持部を有しない延伸部を有してもよい。例えば、上述した第1実施形態において複数の延伸部52のうち一部の延伸部52がロータコア支持部54を有しない構成であってもよい。
マグネットの形状は、特に限定されない。マグネットの数は、特に限定されない。マグネットは、1つのみ設けられてもよい。この場合、マグネットは、中心軸を囲む環状であってもよい。ロータコアを構成する複数の板部材の材料は、特に限定されない。複数の板部材は、異なる形状を有する板部材を3種類以上含んでもよい。板部材の数は、2枚以上であれば、特に限定されない。上述した第4実施形態においてロータコア430は、抜け止め部を有してもよい。
ロータコアに設けられた収容孔の軸方向に見た形状は、特に限定されない。ロータコアには、軸方向に見て径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる向きに延びる一対の収容孔が設けられていてもよい。この場合、一対の収容孔は、周方向に沿って複数対設けられてもよい。また、この場合、一対の収容孔は、軸方向に見て、径方向に対して斜めに延びる略長方形状であってもよい。また、この場合、一対の収容孔は、軸方向に見て、径方向外側に開口するV字形状に沿って配置されていてもよい。なお、一対の収容孔は、軸方向に見て径方向外側に向かうに従って互いに周方向に近づく向きに延びてもよい。この場合、一対の収容孔は、軸方向に見て、径方向内側に開口するV字形状に沿って配置されてもよい。
本発明が適用されるモータの用途は、特に限定されない。モータは、例えば、車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。以上、本明細書において説明した構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。