JP2021195549A - 重合体ラテックス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、特に紙塗工用組成物のバインダーとして使用した際、塗工紙製造工程での塗工操業性に優れ、かつ塗工紙のドライピック強度及び耐ブリスター性に優れた重合体ラテックスを提供する。【解決手段】重合体ラテックスであって、該重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分が13.0%以下であることを特徴とする重合体ラテックス。【選択図】 なし

Description

本発明は、重合体ラテックスに関し、好ましくは紙塗工用としてのその使用に関する。
重合体ラテックスは、紙塗工、カーペットのバックサイジング、合板や突板などの木製品、電池の電極、タイヤコード分野等におけるバインダーとして広く用いられている。塗工紙は塗工原紙の表面に紙塗工用組成物を塗布、乾燥して製造される。塗工紙は印刷物に広く利用され、高品質の塗工紙を得るために顔料と水性バインダーとを主成分とした紙塗工用組成物の研究・改良が進められている。水性バインダーとしてはデンプンなどの天然バインダーやスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス等の合成ゴムバインダーが広く用いられている。中でも共役ジエン系ラテックスやアクリル系ラテックスは、品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されており、バインダーの性能が紙塗工用組成物の性能や塗工紙作成時の操業性あるいは最終的な塗工紙製品の表面強度、印刷光沢などの品質に影響することが知られている。
近年、紙加工分野において高速塗工化、高生産化が進められている中、合成ゴムバインダーの品質設計や製造方法に関してはさまざまな検討がされ、技術改良が紹介されている。
上記諸物性の高バランス化を目指し、共重合体の溶媒溶解部の分子量をコントロールする方法を用いた共役ジエン系ラテックスが提案されている。例えば、特許文献1では重合体ラテックスにおいて、ラテックスフィルムのテトラヒドラフラン溶解分のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が2000以上10万未満とすることで紙塗工用組成物の塗工操業性に優れ、またドライピック強度及び耐ブリスター性が良好な塗工紙が得られることが開示されている。さらに、特許文献2では、共役ジエン系ラテックスに関し第一に重合体を製造する際に用いる単量体混合物の組成を特定範囲に定めること、第二に共役ジエン系ラテックスを製造する際に、特定の成分の存在下で単量体混合物を乳化重合することにより得られるものにより、塗工作業性に優れ、高い印刷光沢を発現しつつ、共役ジエン系ラテックスの粘度を下げ且つ良好な塗工紙表面の耐ベタツキ性を同時に満足することができる紙塗被用のバインダーが提供できることが開示されている。
しかし、これらのさまざまな改良技術は、紙塗工用重合体ラテックスに要求される高レベルの品質を満足するに至っておらず、更なる改良が強く求められていた。
特開2012−140518号公報
特開2011−225716号公報
本発明は、特に紙塗工用組成物のバインダーとして使用した際、塗工紙製造工程での塗工操業性に優れ、かつ塗工紙のドライピック強度及び耐ブリスター性に優れた重合体ラテックスを提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分が13.0%以下であることで、上記課題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下で構成される。
[1] 重合体ラテックスであって、該重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分が13.0%以下であることを特徴とする重合体ラテックス。
[2] 紙塗工用である[1]に記載の重合体ラテックス。
本発明の重合体ラテックスは、各種用途の塗工組成物のバインダーとして使用した際、塗工操業性に優れ、かつ塗工層の接着強度及び表面外観に優れたものが得られる。特に紙塗工用組成物のバインダーとして使用した際は、塗工紙製造工程での塗工操業性に優れ、かつ塗工紙のドライピック強度及び耐ブリスター性に優れた塗工紙が得られる。
本発明の重合体ラテックスの組成は、特に限定されないが、例えば、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、メタクリル酸メチル・ブタジエンゴム(MBR)、ブタジエンゴム(BR)などの共役ジエン系ラテックス;(メタ)アクリル酸エステルを主単量体としたアクリル系ラテックス;天然ゴムラテックス;クロロプレンゴムラテックス;酢酸ビニル系ラテックス;シリコーン系ラテックスなどを1種または2種以上使用できる。中でも、共役ジエン系ラテックス、およびアクリル系ラテックスが好ましい。ここでいうアクリル系ラテックスとは、脂肪族共役ジエン系単量体に由来する構造単位が10重量%未満のものである。
共役ジエン系ラテックスとしては、脂肪族共役ジエン系単量体10〜80重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.1〜15重量%及びその他の共重合可能な単量体5〜89.9重量%を重合して成ることが好ましい。
脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
脂肪族共役ジエン系単量体の含有量は、10〜80重量%であることが好ましく、25〜60重量%であることがより好ましい。上記範囲に調整することで、接着強度と操業性のバランスに優れるものが得られる。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などの1塩基酸または2塩基酸(無水物)を1種又は2種以上使用することができる。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体の含有量は、0.1〜15重量%であることが好ましく、2〜10重量%であることがより好ましい。上記範囲に調整することで、重合体ラテックスの水への分散性と粘度のバランスに優れるものが得られる。
その他の共重合可能な単量体としては、アルケニル芳香族系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド系単量体、スルホン酸基を含有する単量体などが挙げられる。
アルケニル芳香族系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチル−α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特にスチレンの使用が好ましい。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどの単量体が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特にアクリロニトリル又はメタクリロニトリルの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
不飽和カルボン酸アミド系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
スルホン酸基を含有する単量体としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、及びこれらの塩等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記単量体の他にも、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等、乳化重合において使用される単量体は何れも使用可能である。さらに、ポリビニルアルコール(PVA);エチレン− 酢酸ビニル共重合体のけん化物、ポリ−α−ヒドロキシビニルアルコールに代表されるビニルアルコール樹脂;カルボキシメチルセルロースに代表されるセルロース誘導体等の水酸基を含有するポリマーの存在下で重合することもできる。
その他の共重合可能な単量体の含有量は、5〜89.9重量%であることが好ましく、30〜73重量%であることがより好ましい。
アクリル系ラテックスとしては、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体15〜99.9重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.1〜70重量%及びその他の共重合可能な単量体0〜84.9重量%を重合して成ることが好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体としては、上述で記載したものを使用することができる。特に、ブチルアクリレートの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体の含有量は、15〜99.9重量%であることが好ましく、20〜90重量%であることがより好ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、上述で記載したものを使用することができる。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体の含有量は、0.1〜70重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。
その他の共重合可能な単量体としては、脂肪族共役ジエン系単量体、アルケニル芳香族系単量体、シアン化ビニル系単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド系単量体、スルホン酸基を含有する単量体などが挙げられ、上述で記載したものを使用することができる。さらに、ポリビニルアルコール(PVA);エチレン− 酢酸ビニル共重合体のけん化物、ポリ−α−ヒドロキシビニルアルコールに代表されるビニルアルコール樹脂;カルボキシメチルセルロースに代表されるセルロース誘導体等の水酸基を含有するポリマーの存在下で重合することもできる。
その他の共重合可能な単量体の含有量は、0〜84.9重量%であることが好ましく、5〜60重量%であることがより好ましい。
本発明の重合体ラテックスは、上述の単量体を使用して、公知の乳化重合法により製造することができる。乳化重合を行う際には、上記単量体の他、乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、更に必要に応じて、連鎖移動剤、還元剤等を使用することができる。
乳化剤(界面活性剤)としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性乳化剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性乳化剤を1種又は2種以上併用して使用することができる。乳化剤の配合量は特に限定されないが、単量体100重量部に対して0.2〜3.5重量部が好ましい。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤;クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどの油溶性重合開始剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオキサイド、及びt−ブチルハイドロパーオキサイドから選択することが好ましい。重合開始剤の配合量は特に制限されないが、単量体組成、重合反応系のpH、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整される。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、及びn−ステアリルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、及びジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、及びテトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、及びスチレン化フェノールなどのフェノール系化合物;アリルアルコールなどのアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロモメタン、及び四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、及びα−ベンジルオキシアクリルアミドなどのビニルエーテル;トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノレン、及びα−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
還元剤としては、例えば、デキストロース、及びサッカロースなどの還元糖類;ジメチルアニリン、及びトリエタノールアミンなどのアミン類;L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、及びクエン酸などのカルボン酸類及びその塩;亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、及びベンズアルデヒドスルホン酸塩などが挙げられる。特にホルムアルデヒドスルホン酸塩から選択することが好ましい。還元剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
また、上記乳化重合には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用することができる。
さらには、必要に応じて酸素補足剤、キレート剤、分散剤等の公知の添加剤を用いることも差し支えなく、これらは種類、使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することが出来る。更には消泡剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤などの公知の添加剤を用いることも差し支えなく、これらも種類、使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することが出来る。
乳化重合時の温度は、安全性に配慮した槽内圧力及び生産性の観点から、20〜100℃の範囲に設定することが好ましく、25〜85℃がより好ましく、30〜70℃がさらに好ましく、30〜60℃が特に好ましい。
乳化重合時の単量体成分ならびにその他の成分を添加する方法としては、例えば、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、及びパワーフィード方法が挙げられる。中でも、連続添加方法(以下、「連添」という場合もある)を採用することが好ましい。さらに、連添を複数回行ってもよい。
乳化重合の反応時間については、例えば、生産性の観点から、1〜15時間とすることが好ましく、2〜10時間とすることがより好ましい。
また、乳化重合は、ポリマー転化率が97%を超えたことを確認して反応を終了させることが好ましい。こうして、重合体ラテックスが得られる。なお、ポリマー転化率は、固形分量から算出、又は重合槽を冷却した熱量から算出できる。
得られた重合体ラテックスは、分散安定性の観点から、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどにより、pHが5〜9.5に調整されることが好ましく、5.5〜8.5に調整されることがより好ましい。
また、得られた重合体ラテックスは、水蒸気蒸留等の方法により、未反応単量体及び他の低沸点化合物が除去されていることが好ましい。
本発明の重合体ラテックスは、重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分が13.0%以下であることが必要であり、10.0%以下が好ましく、5.0%以下がより好ましい。テトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分が13.0%を超えると例えば、紙塗工用組成物に用いた際、塗工操業性、ドライピック強度及び耐ブリスター性のバランスに劣る傾向にある。
重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算) が200を超えて3000以下の成分は、実施例に記載の方法で求めることができる。
重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分を13.0%以下に調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、重合温度を下げる、重合転化率を下げる、連鎖移動剤を用いる、重合反応中の未反応モノマー濃度を上げること等が挙げられる。
本発明の重合体ラテックスの平均粒子径については、特に制限はないが、40nm以上300nm以下であることが好ましく、上限としては150nm以下であることがより好ましく、110nm以下であることが特に好ましい。
本発明の重合体ラテックスのトルエン不溶分については、特に制限はないが、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることが特に好ましい。
本発明の重合体ラテックスは、バインダーとして機能することから紙塗工用、電池電極用、タイヤコード用、カーペットのバッキング用、木質接着用など多岐用途に用いることができる。中でも塗工組成物のバインダーとしての使用である紙塗工用、電池電極用に用いることが好ましく、紙塗工用に用いることがより好ましい。
紙塗工用に用いる場合、重合体ラテックスは顔料と配合され、紙塗工用組成物として用いる。
紙塗工用組成物に配合する顔料としては、公知の顔料、例えば、カオリンクレー、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、あるいはポリスチレンラテックスのような有機顔料をそれぞれ単独または混合して使用することができる。また、紙塗工用組成物中の重合体ラテックスの含有量は顔料100重量部(固形分)に対して2〜20重量部(固形分)を使用することが好ましく、4〜15重量部がより好ましい。上記範囲となるように調整することにより優れた接着強度と耐ブリスター性のバランスを得ることができる。
また、必要に応じて澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性合成バインダーなどを使用しても差し支えない。
さらに、紙塗工用組成物を調製する際には、その他の助剤、例えば分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど)、消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミド、尿素など)、防腐剤、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍光染料、カラー保水性向上剤(カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)を必要に応じて添加しても良い。
紙塗工用組成物を塗工用紙へ塗布する方法には、公知の技術、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーターなどのいずれの塗工機を使用しても差し支えない。また、塗工後、表面を乾燥し、カレンダーリングなどにより仕上げる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部及び%は特に断りのない限り重量基準によるものである。また実施例における諸物性の評価は次の方法で実施した。
実施例1
撹拌機を備え、耐圧性の重合反応器に、重合水140部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0部、過硫酸カリウム1.2部及び、表1の1段目重合成分を一括して仕込み、30℃に昇温し、表1に示す2段目重合成分を6時間連続添加し、重合反応させた。重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。次いで、アンモニア水を用いて、pHを7に調整し、未反応単量体及び他の低沸点化合物を除去するために水蒸気蒸留し、重合体ラテックスAを得た。
実施例2
重合温度を40℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い、重合体ラテックスBを得た。
実施例3
撹拌機を備え、耐圧性の重合反応器に、重合水140部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4部、過硫酸カリウム1.2部及び表1に示す1段目重合成分を一括して仕込み、60℃に昇温し、60℃に維持したまま、表1に示す2段目重合成分を6時間連続添加した。2段目重合成分添加終了後、温度を85℃に昇温し、さらに重合を継続して、重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。次いで、アンモニア水を用いて、pHを7に調整し、未反応単量体及び他の低沸点化合物を除去するために水蒸気蒸留を行い、重合体ラテックスCを得た。
実施例4
撹拌機を備え、耐圧性の重合反応器に、重合水140部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0部、過硫酸カリウム1.2部及び表1に示す1段目重合成分を一括して仕込み、70℃に昇温し、70℃に維持したまま、表1に示す2段目重合成分を6時間連続添加した。2段目重合成分添加終了後、温度を85℃に昇温し、さらに重合を継続して、重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。次いで、アンモニア水を用いて、pHを7に調整し、未反応単量体及び他の低沸点化合物を除去するために水蒸気蒸留を行い、重合体ラテックスDを得た。
比較例1
60℃から70℃に反応温度を変更した以外は、実施例3と同様に行い、重合体ラテックスEを得た。
重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分の割合
< 試料調整方法>
重合体ラテックスを室温で24時間乾燥し、さらに24時間室温で真空乾燥させることでフィルムを作成した。得られたフィルムを約5mm角に切断した後、水で16時間還流することで水溶解分を除去し、2晩室温真空乾燥した。その後、テトラヒドロフラン( 安定剤不含) にて16時間還流し、得られたテトラヒドロフラン溶液を濾過、濃縮乾燥乾固し、さらに2晩室温真空乾燥させることで、重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分を得た。
得られた重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分が、テトラヒドロフラン( 液クロ用)10ml中に約0.03gとなるように溶解した後、ディスポーザブルフィルター( 仕様: 株式会社島津製作所、液クロ・非水系13N 孔径0.45μm)でろ過し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定用試料とした。
<GPC条件>
測定装置: アジレント・テクノロジー(株)L C − 1260 infinity
データ処理装置: システムインスツルメンツ(株) マイクロ7 Plus Data Station
分析カラム:アジレント・テクノロジー(株):PL gel 10マイクロm Mixed−B (300mm×7.5mm)×3本
ガードカラム: アジレント・テクノロジー(株)PL gel 10マイクロm Mixed−B (50mm×7.5mm)
カラムオーブン:50℃
キャリアー液: テトラヒドロフラン( 液クロ用)
流量:1ml/min
検出器:RI
サンプル注入量:100μl
<算出方法>
得られたクロマトグラフに、サンプルを注入した時間を0分として、検出時間5分の点と40分の点を線で結んで、ベースラインとした。このベースラインより検出強度が大きい部分を全体のピークとして、ピーク全体の面積を求めた。次に全体のピーク中から分子量(ポリスチレン換算)200以下の成分の面積を求めた。同様に全体のピーク中から分子量(ポリスチレン換算)3000以下の成分の面積を求めた。得られたそれぞれの面積から、下記の式により分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分(%)を求めた。
(分子量(ポリスチレン換算)200以下の成分の面積)÷(ピーク全体の面積)×100=(分子量(ポリスチレン換算)200以下の成分(%))
(分子量(ポリスチレン換算)3000以下の成分の面積)÷(ピーク全体の面積)×100=(分子量(ポリスチレン換算)3000以下の成分(%))
(分子量(ポリスチレン換算)3000以下の成分(%)) −(分子量(ポリスチレン換算)200以下の成分(%))=(分子量(ポリスチレン換算) が200を超えて3000以下の成分(%))
重合体ラテックスの耐ベタツキ性評価
バッキングロール等への重合体ラテックスの付着しやすさの目安として、重合体ラテックスのフィルムの耐べタツキ性(粘着性)について試験を行った。耐べタツキ性に優れるほど、バッキングロール等に重合体ラテックスが付着しにくく、塗工紙製造工程での操業性に優れることを示す。
ポリエステルフィルムに各重合体ラテックスを塗布量12g/m2で塗工し、120℃のオーブン中で1分間乾燥後、1cm幅の短冊状に切る。黒色台紙上に、全てのラテックスフィルムの短冊を並べて貼り付ける。その上に濾紙を重ねて、ラボ試験用熱カレンダーを用い110℃に加熱した熱ロール間を通し圧着する。その後、濾紙を剥がした後の、濾紙の繊維の各ラテックスフィルム表面上への付着状態を目視で判断し、各ラテックスフィルムの耐ベタツキ性を比較した。繊維の付着が少ないものは耐ベタツキ性に優れる、繊維の付着が多いものは耐ベタツキ性が劣るとして、5級(優)から1級(劣)まで相対的に評価した。
<塗工紙の作製>
下記に示した配合処方に従って紙塗工用組成物を作製した。なお、紙塗工用組成物は、水酸化ナトリウムでpH9.5に調整し、純水を必要量添加することによって固形分濃度を67重量%に調整した。
(配合処方)
カオリン(白石カルシウム(株)製、カオファイン):30重量部
重質炭酸カルシウム((株)ファイマテック製、FMT−90):70重量部
変性デンプン(日本食品化工(株)製、MS4600):2重量部
重合体ラテックス:8重量部(固形分換算値)
塗工原紙(坪量65g/m2)に、紙塗工用組成物を片面あたりの塗被量が10g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でカレンダー処理を行って塗工紙を得た。
塗工紙のドライピック強度の評価
RI印刷機を用い、各塗工紙にピッキングテスト用インキ(DICグラフィックス(株)製)を同時に印刷した。得られた印刷物を塗工上質紙に押し当ててインキを写し取り、インキが写し取られなかった部分(白抜け部分)をピッキング発生箇所と見なした。このときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に評価した。
塗工紙の耐ブリスター性の評価
各塗工紙試料の試験片(4cm×5cm)について、オフセット印刷用インキ(東洋インキ(株)製、WDレオエックス)を用いてRI印刷機で両面の印刷を行い、印刷後の試験片を、23℃×50%RHの恒温恒湿器中で24時間調湿した。ブリスターテスター((株)オースギ製)を用い、熱風で試験板を加温し、試験片がブリスターを発生する試験板の最低温度を求めた。発生温度が高いものほど耐ブリスター性に優れる。
下記表1中の各成分は下記の略語にて示す。
(単量体)
BDE:ブタジエン
STY:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
ACN:アクリロニトリル
AA:アクリル酸
(他の化合物)
EML:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製、ネオペレックス G−15)(アニオン性乳化剤)
KPS:過硫酸カリウム(重合開始剤)
EDTA−4Na:エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
SFS:ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
NaHCO:炭酸水素ナトリウム
TMTM:テトラメチルチウラムモノスルフィド
CHX:シクロヘキセン(不飽和炭化水素)
TDM:t−ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤)
分子量200〜3000:重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分(%)
Figure 2021195549
表1に示すとおり、重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算) が200を超えて3000以下の成分が13.0%以下である重合体ラテックスを用いることで、塗工操業性、ドライピック強度、及び耐ブリスター性のバランスに優れることがわかる。
上記のとおり、本発明の重合体ラテックスは、特に紙塗工用組成物のバインダーとして使用した際、塗工紙製造工程での塗工操業性に優れ、かつ塗工紙のドライピック強度及び耐ブリスター性に優れるものであり、紙塗工用組成物のバインダーとして用いることが極めて有用である。また、本発明のバインダーは、耐粘着性、接着強度及び熱をかけたときの変形のしやすさのバランスが良好であることから、これらの効果を必要とする他の用途においても有用である。

























Claims (2)

  1. 重合体ラテックスであって、該重合体ラテックスのテトラヒドロフラン溶解分中の分子量(ポリスチレン換算)が200を超えて3000以下の成分が13.0%以下であることを特徴とする重合体ラテックス。
  2. 紙塗工用である請求項1に記載の重合体ラテックス。









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