JP2021194911A - インクジェット印刷装置および印刷方法 - Google Patents

インクジェット印刷装置および印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021194911A
JP2021194911A JP2021043793A JP2021043793A JP2021194911A JP 2021194911 A JP2021194911 A JP 2021194911A JP 2021043793 A JP2021043793 A JP 2021043793A JP 2021043793 A JP2021043793 A JP 2021043793A JP 2021194911 A JP2021194911 A JP 2021194911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inkjet
line head
head unit
nozzles
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021043793A
Other languages
English (en)
Inventor
隆史 井上
Takashi Inoue
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to TW110114397A priority Critical patent/TW202146253A/zh
Priority to CN202110596856.XA priority patent/CN113771494A/zh
Publication of JP2021194911A publication Critical patent/JP2021194911A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】複数のノズルのピッチを任意に調整することができるインクジェット印刷装置において、部品点数を抑制すること。【解決手段】インクジェット印刷装置は、第1ベース部材、および、印刷面と直交する軸線回りに第1ベース部材に対して相対回転可能に第1ベース部材に取り付けられており、かつ、複数のノズルが直線状に配置されている複数の第1インクジェットヘッドを備える第1ラインヘッドユニットと、第1ラインヘッドユニットを、印刷面と直交する軸線回りに印刷面に対して相対回転させるラインヘッドユニット回転機構部と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット印刷装置および印刷方法に関する。
近年、インクジェット印刷装置を用いてデバイスを製造する方法が注目されている。インクジェット印刷装置は、ノズルと印刷対象物の塗布目標部との位置関係を制御しながら複数のノズルから液滴を吐出する。印刷対象物としては、表示デバイスに代表されるように印刷対象物の塗布目標部が一定のピッチで配列されているものがある。
その場合に、複数のノズルを一定のピッチで配置したインクジェットヘッドを印刷対象物面と直交する軸線回りに回転させることによって、着弾した液滴のピッチと塗布対象物の塗布目標部のピッチとを合わせるように塗布する方法が開示されている。(例えば、特許文献1)。
特許第4971560号公報
しかしながら、近年表示パネルの大型化が進み、使用するインクジェットヘッドの数が増えており、各インクジェットヘッドに2つの駆動機構を搭載する従来の方式では、駆動軸数が膨大に増え、コストおよび設備管理の観点で問題になってきている。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、複数のノズルのピッチを任
意に調整することができるインクジェット印刷装置において、部品点数を抑制することを目的とする。
本発明の一態様におけるインクジェット印刷装置は、第1ベース部材、および、印刷面と直交する軸線回りに第1ベース部材に対して相対回転可能に第1ベース部材に取り付けられており、かつ、複数のノズルが直線状に配置されている同じ種類のインクを塗布する複数の第1インクジェットヘッドを備える第1ラインヘッドユニットと、第1ラインヘッドユニットを、印刷面と直交する軸線回りに印刷面に対して相対回転させるラインヘッドユニット回転機構部と、を備えている。
また、本発明の一態様における印刷方法は、第1ベース部材、および、印刷面と直交する軸線回りに第1ベース部材に対して相対回転可能に第1ベース部材に取り付けられており、かつ、複数のノズルが直線状に配置されている同じ種類のインクを塗布する複数の第1インクジェットヘッドを備える第1ラインヘッドユニットと、第1ラインヘッドユニットを、印刷面と直交する軸線回りに印刷面に対して相対回転させるラインヘッドユニット回転機構部と、を備えているインクジェット印刷装置を用いた印刷方法であって、印刷面が移動する方向と直交する方向における複数のノズルの間の距離を、所定の精細度に対応する距離にするように、複数の第1インクジェットヘッドを回転させるステップと、印刷面が移動する方向と直交する方向における、複数の第1インクジェットヘッドの中の互いに隣接する2つの第1インクジェットヘッドの距離を、所定の精細度に対応する距離とするように、ラインヘッドユニット回転機構部によって第1ラインヘッドユニットを回転させるステップと、印刷面を第1ラインヘッドユニットに対して移動させて、複数のノズルからインクを印刷面に向けて吐出して印刷するステップと、を含んでいる。
ディスプレイパネルの平面図である。 本発明の実施の形態1に係るインクジェット印刷装置の概略平面図である。 図2に示すインクジェット印刷装置に搭載したラインヘッドユニットおよびラインヘッドユニットΦ回転機構を示す概略平面図である。 図2に示すインクジェット印刷装置において、ラインヘッドユニットを回転させた状態を示す概略平面図である。 図2に示すインクジェット印刷装置において第1の精細度のディスプレイパネルを印刷する場合のノズル位置と印刷対象位置との関係を示す平面図である。 図2に示すインクジェット印刷装置において第2の精細度のディスプレイパネルを印刷する場合のノズル位置と印刷対象位置との関係を示す平面図である。 図2に示すインクジェット印刷装置において第3の精細度のディスプレイパネルを印刷する場合においてノズル位置と印刷対象位置が合致しない場合を示す平面図である。 図2に示す実施の形態1のインクジェット印刷装置において第3の精細度のディスプレイパネルを印刷する場合のノズル位置と印刷対象位置との関係を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係るインクジェット印刷装置に搭載したラインヘッドユニットの概略平面図である。 図9に示すインクジェット印刷装置に搭載した1つのラインヘッドユニットにおいて第1の精細度に合せるように傾き調整した状態を示す平面図である。 図9に示すインクジェット印刷装置において第1の精細度の印刷を行えるように2つのラインヘッドを組み合わせたデュアルラインヘッドユニットを示す平面図である。 図9に示すインクジェット印刷装置において第4の精細度の印刷を行うようにデュアルラインヘッドユニットの位置調整を行った状態を示す平面図である。 実施の形態2のインクジェット印刷装置の概略平面図である。 本発明の実施の形態3のインクジェット印刷装置に搭載したラインヘッドとそのラインヘッドを回転させる回転機構を示す概略平面図である。 実施の形態1から実施の形態3のラインヘッドに搭載したインクジェットヘッドのノズル位置を示す平面図である。 ラインヘッドユニットに搭載したインクジェットヘッドを傾きθに傾斜させた時のA列のノズルとB列のノズルのY方向位置ズレを示す平面図である。 ラインヘッドユニットに搭載する1列800ノズルのインクジェットヘッドのノズル位置を示す平面図である。 実施の形態1から実施の形態3のラインヘッドユニットに搭載する1列に800個のノズルが形成されたインクジェットヘッドを傾きθに傾斜させた時のA列のノズルとB列のノズルのY方向位置ズレを示す平面図である。 実施の形態1および実施の形態3においてディスプレイパネルの精細度とラインヘッドユニットの回転角度との関係を示すグラフ(低精細度側)である。 実施の形態1および実施の形態3においてディスプレイパネルの精細度とラインヘッドユニット内のインクジェットヘッドの使用ノズル数との関係を示すグラフ(低精細度側)である。 実施の形態1および実施の形態3においてディスプレイパネルの精細度とB列ノズルのノズル位置のズレ量との関係を示すグラフ(低精細度側)である。 実施の形態1および実施の形態3においてディスプレイパネルの精細度とラインヘッドユニットの回転角度との関係を示すグラフ(高精細度側)である。 実施の形態1および実施の形態3においてディスプレイパネルの精細度と使用ノズル数との関係を示すグラフ(高精細度側)である。 実施の形態1および実施の形態3においてディスプレイパネルの精細度とB列ノズルのノズル位置のズレ量との関係を示すグラフ(高精細度側)である。 実施の形態2においてディスプレイパネルの精細度とラインヘッドユニットの回転角度との関係を示すグラフ(低精細度側)である。 実施の形態2においてディスプレイパネルの精細度と副ラインヘッドユニット内のインクジェットヘッドの使用ノズル数との関係を示すグラフ(低精細度側)である。 実施の形態2においてディスプレイパネルの精細度とB列のノズルのノズル位置のズレ量との関係を示すグラフ(低精細度側)である。 実施の形態2においてディスプレイパネルの精細度と対応するラインヘッドの回転角度との関係を示すグラフ(高精細度側)である。 実施の形態2においてディスプレイパネルの精細度と副ラインヘッド内インクジェットヘッドの使用ノズル数との関係を示すグラフ(高精細度側)である。 実施の形態2においてディスプレイパネルの精細度とB列のノズルのノズル位置のズレ量との関係を示すグラフ(高精細度側)である。
従来の方法について、特許文献1の図7および図12を用いて説明する。特許文献1の図7はインクジェットヘッドユニットの底面を示す図であり、特許文献1の図12は印刷対象物を示す図である。
特許文献1の図7に示すように、インクジェットヘッドユニットは、ヘッド取付ベース120、基準面120a、120b、Rインクジェットヘッド121a〜121h、Gインクジェットヘッド122a〜122h、および、Bインクジェットヘッド123a〜123hを備えている。
各Rインクジェットヘッド121a〜121hには、直線状に一定ピッチで200個のノズルが形成されている。例えば、Rインクジェットヘッド121aにおいて、ノズル121a1は1番目のノズルを示し、ノズル121a200は200番目のノズルを示している。このことは、Gインクジェットヘッド122a〜122h、および、Bインクジェットヘッド123a〜123hについても同様である。また、各インクジェットヘッドには、θ方向の回転駆動機構と、ノズル列方向の並進駆動機構を備えている。
特許文献1の図12に示すように、印刷対象物においては、赤色着色画素100a、青色着色画素100bおよび緑色着色画素100cが、X方向沿ってこの順を繰り返すように、かつ、同一着色画素のピッチは190.5μmで一定に配置されている。
次に、以上の印刷対象物にインクジェットヘッドのノズルから液滴を吐出して塗布する従来方法を説明する。
インクジェットヘッドユニットに搭載されている各インクジェットヘッド121a〜121h、122a〜122h、123a〜123hにおける両端のノズル、例えばインクジェットヘッド121aのノズル121a1とノズル121a200とのX方向のピッチをノズル穴位置計測用カメラで計測する。続けて、ノズル穴位置計測用カメラの計測結果に基づいて、ノズル121a1とノズル121a200とのX方向のピッチが190.5μmになるようにRインクジェットヘッド121aの回転方向の位置を回転駆動機構で調節する。これを全てのインクジェットヘッド121a〜121h、122a〜122h、123a〜123hについて行う。
更に、X方向に互いに隣り合うRインクジェットヘッド121a〜121hにおいて、1番目のノズル、例えばノズル121a1とノズル121b1のX方向のピッチが38.100mmになるように、インクジェットヘッド121a〜121hの位置を並進駆動機構で調節する。これを全てのインクジェットヘッド121a〜121h、122a〜122h、123a〜123hについて行う。
続けて、Y方向に違いに隣り合うインクジェットヘッド121a、122a、123aにおいて、ノズル121a1、ノズル122a1、および、ノズル123a1のX方向のピッチが、それぞれ画素ピッチの1/3の63.5μmになるように、インクジェットヘッド121a,122a,123aの位置を並進駆動機構で調節する。これを全てのインクジェットヘッド121a〜121h、122a〜122h、123a〜123hについて行う。
このように全インクジェットヘッド121a〜121h、122a〜122h、123a〜123hの位置を調整することにより、全インクジェットヘッド121a〜121h、122a〜122h、123a〜123hのX方向ノズルピッチと印刷対象物のX方向画素ピッチを合わせ込む。
次に、印刷対象物のX、Y、θ方向のアライメントを行ってから、インクジェットヘッドユニットの下方で印刷対象物を走査させて、インクジェットヘッド121a〜121h、122a〜122h、123a〜123hが必要なタイミングでインクを吐出する。これにより、印刷対象物に精度良くインクを塗布することができる。
しかしながら、近年表示パネルの大型化が進み、また塗布乾燥ムラを抑えるために、印刷対象基板の全幅を1回の走査で塗布する要望が高まっている。また、使用するインクジェットヘッドの数が増えており、各インクジェットヘッドに2つの駆動機構を搭載する従来の方式では、駆動軸数が膨大に増え、コストおよび設備管理の観点で問題になってきている。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、複数のノズルのピッチを任意に調整することができるインクジェット印刷装置において、部品点数を抑制することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の一態様におけるインクジェット印刷装置は、第1ベース部材、および、印刷面と直交する軸線回りに第1ベース部材に対して相対回転可能に第1ベース部材に取り付けられており、かつ、複数のノズルが直線状に配置されている複数の第1インクジェットヘッドを備える第1ラインヘッドユニットと、第1ラインヘッドユニットを、印刷面と直交する軸線回りに印刷面に対して相対回転させるラインヘッドユニット回転機構部と、を備えている。
また、本発明の一態様における印刷方法は、第1ベース部材、および、印刷面と直交する軸線回りに第1ベース部材に対して相対回転可能に第1ベース部材に取り付けられており、かつ、複数のノズルが直線状に配置されている複数の第1インクジェットヘッドを備える第1ラインヘッドユニットと、第1ラインヘッドユニットを、印刷面と直交する軸線回りに印刷面に対して相対回転させるラインヘッドユニット回転機構部と、を備えているインクジェット印刷装置を用いた印刷方法であって、印刷面が移動する方向と直交する方向における複数のノズルの間の距離を、所定の精細度に対応する距離にするように、複数の第1インクジェットヘッドを回転させるステップと、印刷面が移動する方向と直交する方向における、複数の第1インクジェットヘッドの中の互いに隣接する2つの第1インクジェットヘッドの距離を、所定の精細度に対応する距離とするように、ラインヘッドユニット回転機構部によって第1ラインヘッドユニットを回転させるステップと、印刷面を第1ラインヘッドユニットに対して移動させて、複数のノズルからインクを印刷面に向けて吐出して印刷するステップと、を含んでいる。
本発明のインクジェット印刷装置および印刷方法によれば、複数のノズルのピッチを任意に調整することができるインクジェット印刷装置において、部品点数を抑制することができる。
以下、本発明のインクジェット印刷装置1の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、インクジェット印刷装置1の塗布対象であるディスプレイパネル2の平面図である。図1に示すように基板3上には、赤色画素3a、青色画素3b、緑色画素3cが繰り返し配置されており、同じ色の画素間のY方向距離に相当するピッチ(Pp)は基板3内で一定になっている。Y方向は、図1の上下方向である。基板3の板面は、「印刷面」の一例である。
図2は、実施の形態1のインクジェット印刷装置1の概略平面図である。図3は、実施の形態1のインクジェット印刷装置1に搭載されたラインヘッドユニット20、および、ラインヘッドユニット20の全体を回転させるラインヘッドユニットΦ回転機構22の概略平面図である。ラインヘッドユニットΦ回転機構22は、「ラインヘッドユニット回転機構部」の一例である。
図2を用いてインクジェット印刷装置1の全体像について説明し、図3を用いてラインヘッドユニット20について説明する。なお、各図において、印刷方向をX方向、印刷方向と直交する幅方向をY方向とする。印刷方向は、印刷面が移動する方向と同じである。また、各図における紙面手前側および紙面奥側を、インクジェット印刷装置1の上方および下方として説明する。
<構成>
図2に示すように、インクジェット印刷装置1は、定盤17と、定盤17の上に設置された基板搬送ステージ12と、定盤17上のY方向両側に設置されたヘッドユニット支持部16と、ヘッドユニット支持部16上にラインヘッドユニットΦ回転機構22を介してラインヘッドユニット20と、を備えている。
なお、ラインヘッドユニット20は、各吐出するインクごとに別のラインヘッドユニットである。例えば、赤色インク用、青色インク用、緑色インク用で別である。それぞれ順に、塗布がされる。
基板搬送ステージ12は、定盤17にX方向に沿って延びるように設置されたX軸ガイド13と、X軸ガイド13上にX方向に沿って移動可能に支持されたX軸スライダ9と、X軸スライダ9上に設置された不図示のYα駆動機構を介して搭載された基板吸着テーブル11と、を備えている。基板吸着テーブル11の上には、印刷対象のディスプレイパネル2がXY平面に対して平行に吸着固定できるようになっている。
X軸スライダ9の位置は、不図示のX軸スライダ制御手段によって制御される。X軸スライダ制御手段は、具体的には、X軸スライダ9の位置を検出するX軸位置検出手段15の検出結果がX軸スライダ9の目標位置となるように、X軸スライダ9を駆動するX軸リニモータ14の駆動量をフィードバック制御する。
不図示のYα駆動機構は、X軸スライダ9に対して基板吸着テーブル11をY方向に沿って移動させ、かつ、XY面に直交する軸線回りに回転させるものである。以下、この軸線回りの方向をα方向と記載する。Yα駆動機構は、不図示のYα制御手段によって制御される。Yα制御手段は、基板吸着テーブル11のY方向の目標位置およびα方向の目標位置に基づいて、Yα駆動機構を制御する。
また、定盤17上にはディスプレイパネル2のX方向の位置、Y方向の位置およびα方向の位置を計測するための不図示のアライメントカメラが設置されている。
ラインヘッドユニット20は、図3に示すように、上面視長方形状に形成されたラインヘッドベース21、複数のインクジェットヘッド24、固定リンク23aおよび可動リンク23bを備えている。ラインヘッドベース21は、「第1ベース部材」、「第2ベース部材」の一例である。可動リンク23bは、「連結部材」の一例である。インクジェットヘッド24は、「第1インクジェットヘッド」、「第2インクジェットヘッド」の一例である。
各インクジェットヘッド24a〜24jの第1端部は、リンク回転軸部材23cによって固定リンク23aに、リンク回転軸部材23cの中心軸回りに相対回転可能に接続されている。また、各インクジェットヘッド24a〜24jの第2端部は、リンク回転軸部材23cによって可動リンク23bに、リンク回転軸部材23cの中心軸回りに相対回転可能に接続されている。固定リンク23aと可動リンク23bとは互いに平行となるように配置されている。各インクジェットヘッド24a〜24jは、互いに平行に、かつ等間隔になるように配置されている。すなわち、各インクジェットヘッド24a〜24j、固定リンク23aおよび可動リンク23bは、平行リンク機構23を構成する。リンク回転軸部材23cの中心軸は、ディスプレイパネル2の印刷面(すなわち、基板3の板面)と直交する。
固定リンク23aは、固定リンク23aの長手方向がラインヘッドベース21の長手方向に沿うように、ラインヘッドベース21に固定されている。可動リンク23bは、可動リンク23bの長手方向がラインヘッドベース21の長手方向に沿うように、かつ、ラインヘッドベース21に対して相対的に平行移動可能に、ラインヘッドベース21に配置されている。
可動リンク23bの両端部は、具体的には、可動リンク横摺動ガイド23gを介して、θ軸テーブル25aに接続されている。可動リンク横摺動ガイド23gによって可動リンク23bは、ラインヘッドベース21の長手方向と直交する方向に沿って、ラインヘッドベース21に対して相対移動する。θ軸テーブル25aは、θ軸ガイド25gを介してラインヘッドベース21に配置されている。θ軸ガイド25gによってθ軸テーブル25aは、ラインヘッドベース21の長手方向に沿ってラインヘッドベース21に対して相対移動する。θ軸テーブル25aおよびθ軸ガイド25gによってθ軸摺動機構25を構成する。
また、θ軸テーブル25aは、θ軸ボールねじ26sに嵌合する不図示のナット部に接続されている。θ軸ボールねじ26sは、θ軸モータ26mに連結されている。θ軸モータ26mはθ軸モータブラケット26bを介してラインヘッドベース21に固定されている。θ軸モータ26mが駆動することにより、θ軸ガイド25gに沿ってθ軸テーブル25aが移動する。θ軸モータ26m、θ軸ボールねじ26sおよびθ軸モータブラケット26bによってθ軸駆動部26を構成する。
さらに、θ軸テーブル25aには、θ軸テーブル25aの位置を検出する不図示のθ軸位置検出手段が取り付けられている。θ軸テーブル25aの位置は、不図示のθ軸位置制御手段によって制御される。θ軸位置制御手段は、具体的には、θ軸位置検出手段の検出結果がθ軸テーブル25aの目標位置となるように、θ軸モータ26mの駆動量をフィードバック制御する。平行リンク機構23とθ軸摺動機構25とθ軸駆動部26とによってインクジェットヘッドθ回転機構29を構成している。可動リンク23bがインクジェットヘッドθ回転機構29によって平行移動することによって、インクジェットヘッド24はラインヘッドベース21に対して相対回転する。インクジェットヘッド24がX方向に対して回転した角度を、第1角度θと記載する。第1角度θは、X方向とインクジェットヘッド24の長手方向とがなす角度である。インクジェットヘッドθ回転機構29は、「インクジェットヘッド回転機構部」の一例である。
ラインヘッドユニットΦ回転機構22は、ラインヘッドΦ回転軸部材22c、φ軸ガイド22g2、Φ軸テーブル22t、回転摺動機構22rおよびΦ軸横摺動ガイド22g1を備えている。ラインヘッドΦ回転軸部材22cは、定盤17上のY方向両側に設置されたヘッドユニット支持部16の一方側の上面に配置され、ヘッドユニット支持部16とラインヘッドベース21の第1端部とを接続する。ラインヘッドΦ回転軸部材22cによってラインヘッドベース21は、XY平面と直交するラインヘッドΦ回転軸部材22cの中心軸回りに、ヘッドユニット支持部16に対して相対回転する。Φ回転軸部材22cの中心軸は、ディスプレイパネル2の印刷面(すなわち、基板3の板面)と直交する。
Φ軸ガイド22g2は、ヘッドユニット支持部16の他方側の上面に配置され、Φ軸テーブル22tをヘッドユニット支持部16に対してX方向に沿って相対移動させる。回転摺動機構22rは、Φ軸テーブル22tの上面に配置され、Φ軸テーブル22tとΦ軸横摺動ガイド22g1とを接続する。回転摺動機構22rによって、Φ軸横摺動ガイド22g1は、XY平面と直交して回転摺動機構22rを通る軸線回りに、Φ軸テーブル22tに対して相対回転する。Φ軸横摺動ガイド22g1には、ラインヘッドベース21の第2端部が接続される。第2端部は、複数のインクジェットヘッド24を挟んで第1端部とは反対に位置する。Φ軸横摺動ガイド22g1によって、ラインヘッドベース21は、Φ軸横摺動ガイド22g1が延びる方向に、回転摺動機構22rに対して相対移動する。
また、ヘッドユニット支持部16の他方側の上面には、φ軸モータブラケット22bを介してφ軸モータ22mが取り付けられている。φ軸モータ22mは、Φ軸ボールねじ22sと連結され、φ軸ボールねじ22sに篏合する不図示のナット部はφ軸テーブル22tに連結されている。このように構成されることにより、φ軸モータ22mが回転することによってΦ軸テーブル22tがX方向に移動する。一方、ヘッドユニット支持部16の一方側に配置されたΦ回転軸部材22cの軸線回りにラインヘッドユニット20が相対回転する。すなわち、ラインヘッドユニットΦ回転機構22によってラインヘッドユニット20は、ヘッドユニット支持部16に対して相対回転する。ラインヘッドユニット20がY方向に対して回転した角度を、第2角度Φと記載する。第2角度Φは、Y方向とラインヘッドユニット20の長手方向とがなす角度である。ラインヘッドユニット20の傾斜が図3に示す状態になった時の実施の形態1のインクジェット印刷装置1の概略平面図を図4に示す。
また、インクジェット印刷装置1には、ラインヘッドユニット20に搭載された全てのインクジェットヘッド24に設けられた各ノズルの吐出駆動を制御する不図示のインクジェット吐出制御部を備えている。インクジェット吐出制御部は、X軸位置検出手段15の出力信号、インクジェットヘッド24の長手方向のX方向に対する角度(すなわち第1角度θ)およびラインヘッドユニット20の長手方向のY方向に対する角度(すなわち第2角度Φ)に基づいて各ノズルの吐出タイミングを制御できるようになっている。各ノズルは、下方に向けてインクを吐出する。
なお、図3において、インクジェットヘッド24aには、4個のノズル24a1〜24a4が直線状に並んでいる状態が示されている。しかしながら、これは簡易的にノズルの配置を示したものであり、実際のインクジェットヘッド24においては、図15Aに示すように、直線状のA列に沿って400個のノズル24aA1〜24aA400が一定の間隔で配置されている。また、直線状のB列に沿って400個のノズル24aB1〜24aB400が一定の間隔で配置されている。A列とB列とは、互いに平行に配置されている。A列およびB列は、「ノズル列」の一例である。
<動作>
次に、上記の構成のインクジェット印刷装置1の印刷動作について説明する。
(1)まずラインヘッドユニット20に配置された全てのノズルにおけるY方向のピッチを印刷対象のディスプレイパネル2の精細度Pdに合せる動作について図5から図8を用いて説明する。
図5は実施の形態1のインクジェット印刷装置1において第1の精細度Pdを有するディスプレイパネル2aを印刷する場合のノズル位置と印刷対象位置の関係を説明する平面図である。図6は実施の形態1のインクジェット印刷装置1において第2の精細度Pdを有するディスプレイパネル2bを印刷する場合のノズル位置と印刷対象位置の関係を説明する平面図である。図7は実施の形態1のインクジェット印刷装置1において第3の精細度Pdを有するディスプレイパネル2cを印刷する場合のノズル位置と印刷対象位置が合致しない場合を説明する平面図である。図8は実施の形態1のインクジェット印刷装置1において第3の精細度Pdのディスプレイパネル2cを印刷する場合のノズル位置と印刷対象位置の関係を説明する平面図である。
図5において、Mpは、固定リンク23aにおいて互いに隣り合うリンク回転軸部材23cの中心軸間の距離である。MpΦは、MpのY方向距離であり、互いに隣り合うインクジェットヘッド24のY方向間隔に相当する。MpΦは、式(1)で表される。Φは、第2角度である。
MpΦ=Mp×cosΦ ・・・式(1)
また、Npは任意のインクジェットヘッド24において互いに隣り合うノズル間の距離である。θは、第1角度である。Hpは1つのインクジェットヘッド24において互いに隣り合うノズル間のY方向距離に相当する。Hpは、式(2)で表される。Hpは、ディスプレイパネル2の同一色間のY方向距離に相当するPpに合わせるように第1角度θを変化させて調整される。Hpは、インクジェットヘッド24のラインヘッドベース21に対する相対回転の前後で、2倍以上変化してもよい。
Hp=Np×sinθ ・・・式(2)
ここで、ラインヘッドユニット20に配置された全てのノズルにおけるY方向のピッチをHpと等しくするためには、式(3)を満たす必要がある。そのために式(1)に基づいて、第2角度Φを変化させて、MpΦを調整する。nは、任意のインクジェットヘッド24において印刷に必要なノズル数である(詳細は後述する)。
MpΦ=n×Hp ・・・式(3)
また、移動する印刷面に対してインクを吐出する領域(Y方向における印刷幅)をPwとする。1つのインクジェットヘッド24において直線状に並ぶノズル数をNnとすると、Pwは、式(4)で表される。
Pw=Nn×Hp ・・・式(4)
図5に示すラインヘッドユニット20の状態は、リンク回転軸部材23c間の距離に相当するMpがディスプレイパネル2の同一色間のピッチ(Pp)のn倍(図3においては4倍)になっており、かつ、印刷幅(Pw)が、Mpと一致している状態を示している。
また、図5に示すインクジェットヘッド24の第1角度θは、ラインヘッドユニット20に配置された全てのノズルにおけるY方向のピッチを、Hpにて等しくかつ最小にできる状態である。すなわち、図5に示すインクジェットヘッド24の第1角度θは、1回の走査において最も精細にインクを塗布できる状態である。インクジェットヘッド24の第1角度θが図5に示す角度より小さい場合は、ラインヘッドユニット20に配置された全てのノズルにおけるY方向のピッチがHpよりも広くなるところが現れる。よって、1回の走査では印刷出来ないため、複数回の走査を繰り返して印刷する必要がある。
図2〜図4において、1つのインクジェットヘッド24には簡易的に4個のノズルしか示されていないが、実施の形態1〜3で実際に使用したインクジェットヘッド24のノズルは、図15Aに示すように、A列およびB列のそれぞれに400個のノズルが配置されている。本実施例では図15Aの2つの列のうち、A列のノズルを使用する。また、図5に示すディスプレイパネル2aが有する第1の精細度Pdは、440ppi(pixels per inch)である。以下、図15Aのインクジェットヘッド24が配置されたラインヘッドユニット20を用いて、ディスプレイパネル2aを印刷する場合について説明する。
図15Aに示したように、インクジェットヘッド24は、Np=0.16933333mm(=169.33333μm)に設定され、かつ、上述したように、Nn=400個に設定されている。また、ラインヘッドユニット20は、Mp=23090.909μmに設定されている。よって、インクジェットヘッドθ回転機構29を制御してθ=19.93227degになるようにインクジェットヘッド24を回転させた場合、Hp=57.727273μmになる(式(2))。
このとき、Mp/Hp=400であり、MpがHpの整数倍になっている。このため、式(1)にて第2角度Φを0degとすることによりMpΦ=Mpとなり、式(3)が成立する。よって、ラインヘッドユニットΦ回転機構22を制御して、第2角度Φを0degにする。このとき、n=400である。
また、このとき、式(4)よりPw=23090.90μmとなる。よって、Pw=Mpとなっている。また、式(3)が成立しているため、ラインヘッドユニット20に配置された全てのノズルにおけるY方向のピッチはHpにて等しくなっている。
このように設定されたラインヘッドユニット20によってディスプレイパネル2aの印刷をおこなうと、ディスプレイパネル2aの同一色間のY方向距離に相当するピッチ(Pp)は、Hpと等しくなる(すなわち、Pp=Hp=57.72726μm)。よって、ディスプレイパネル2aの精細度Pdは、式(5)により、440ppiとなり、第1の精細度Pdに相当する。
Pd=25400/Pp ・・・式(5)
また、この場合、印刷方向(X方向)に沿って互いに隣り合うノズルは存在しない。すなわち、全てのノズルが印刷に使用される。インクジェットヘッド24には上述したように400個のノズルが形成されているため、1つのインクジェットヘッド24において印刷に使用されるノズルの個数は、400個である。また、このことは、式(3)に示すnによって表される。すなわち、nは、1つのインクジェットヘッド24において印刷に必要なノズル数を示している。
次に、本実施例で、第2の精細度Pdを有するディスプレイパネル2bを、ラインヘッドユニット20を用いて印刷する場合について図6を用いて説明する。第2の精細度Pdは、220ppiである。
精細度Pdが220ppiである場合、式(5)より、Pp=115.454545μmとなる。Hp=Ppとするため、式(2)より、θ=42.98588degに設定する。また、式(4)よりPw=46181.8μmとなるため、Pw/Mp=2となる。よって、Mp/Hp=200(=n)であるため、MpがHpの整数倍になっている。したがって、第2角度Φ=0degに設定することで、式(3)を満たす。この場合、ラインヘッドユニット20に配置された全てのノズルにおけるY方向のピッチはHpにて等しくなる。これらによって、インクジェットヘッドθ回転機構29を制御してθ=42.98588degになるようにインクジェットヘッド24を位置決めし、ラインヘッドユニットΦ回転機構22を制御してΦ=0degになるようにラインヘッドユニット20を位置決めすれば良い。
なお、この場合は、Pw/Mp=2となるので、図6に示すように、印刷方向(X方向)に沿って互いに隣り合うインクジェットヘッド24のノズルが位置する。よって、一方のノズルからインクが吐出されなくなっても、もう他方のノズルからインクを吐出することで一方のノズルの不具合を補うことができる。換言すれば、1つのインクジェットヘッド24において全てのノズルを印刷に使用しなくてもよい。この場合、1つのインクジェットヘッド24において印刷に必要なノズル数は、n=200個である。
図6に示すように、複数のインクジェットヘッド24の中の互いに隣接する2つのインクジェットヘッド24が、移動する印刷面に対してインクを吐出する領域Pwは、互いに重複している。例えば、インクジェットヘッド24bの印刷領域Pw1は、インクジェットヘッド24cの印刷領域Pw2の半分と重複している。なお、これに限らず、インクジェットヘッド24bの印刷領域Pw1は、インクジェットヘッド24cの印刷領域Pw2の半分を超えて重複してもよい。
次に本実施例で、第3の精細度Pdを有するディスプレイパネル2cを、ラインヘッドユニット20を用いて印刷する場合について図7および図8を用いて説明する。第3の精細度Pdは、222ppiである。
精細度Pdが222ppiの場合、式(5)よりPp=114.414414μmとなる。Hp=Ppとするため、式(2)より、θ=42.50665degに設定する。また、第2角度Φ=0degである場合、式(4)よりPw=45765.76577μmとなるため、Pw/Mp=1.9819812となる。また、Mp/Hp=201.8181であるため、MpがHpの整数倍になっていない。よって、第2角度Φ=0degでは、式(3)は満たされない。
ここで、MpをHpの整数倍にするために、第2角度Φを調整する。以下、式(3)において、MpΦをHpの201倍、すなわち、n=201とする場合について説明する。n=201としたのは、第2角度Φ=0degである場合におけるMp/Hp(=201.8181)より小さくて最も近い整数であることによる。
n=201とした場合、式(3)からMpΦ=201×Hp=22997.29μmとなる。ここで、Mp=23090.9μmであるため、式(1)より、第2角度Φ=5.160897degとなる。
なお、第2角度Φ=0である状態と第2角度Φ=5.160897degである状態における、図7に示すインクジェットヘッド24aのノズルと、インクジェットヘッド24bのノズルとのY方向のズレ量Δpは、以下のように表される。
Δp=(201.8181―201)×Hp=93.60242μm
これらよって、インクジェットヘッドθ回転機構29を制御してθ=42.50665degになるようにインクジェットヘッド24を位置決めする。また、ラインヘッドユニットΦ回転機構22を制御してΦ=5.1608970degになるようにラインヘッドユニット20を位置決めする(図8)。これらにより、ラインヘッドユニット20に配置された全てのノズルにおけるY方向のピッチをHp(=114.4144μm)に合せることができる。よって、Pp=114.414414μmとなるため、精細度Pdが222ppiとなる。なお、この場合、n=201であるため、1つのインクジェットヘッド24において、201個のノズルが印刷に使用される。
以上のように、図8に示したように、第1角度θをディスプレイパネル2の精細度Pdに応じて設定することで、1つのインクジェットヘッド24に形成されている複数のノズル間のY方向距離(Hp)が調整される。更に、第2角度Φをディスプレイパネル2の精細度Pdに応じて設定することで、複数のインクジェットヘッド24の幅方向(Y方向)の間隔が調整される。これらによって、ラインヘッドユニット20に配置された全てのノズルにおけるY方向のピッチを、ディスプレイパネル2の精細度Pdに合わせることができる。
ここまでは、精細度Pd=440ppi、220ppi、222ppiにおけるノズルのピッチの調整方法について説明した。ここで、低精細度側(220〜230ppi)および高精細度側(430〜440ppi)の精細度Pdにおける第2角度Φと印刷に使用されるノズルの個数(以下、使用ノズル数と記載する。)の計算結果を図17A、図17B、図18Aおよび図18Bに示す。
図17Aは、ディスプレイパネル2の精細度Pdとラインヘッドユニット20の第2角度Φとの関係を示すグラフ(低精細度側)である。図17Bは、ディスプレイパネル2の精細度Pdとインクジェットヘッド24の使用ノズル数との関係を示すグラフ(低精細度側)である。図18Aは、ディスプレイパネル2の精細度Pdとラインヘッドユニット20の第2角度Φとの関係を示すグラフ(高精細度側)である。図18Bは、ディスプレイパネル2の精細度Pdとインクジェットヘッド24の使用ノズル数との関係を示すグラフ(高精細度側)である。
図17A、17Bにおいて、精細度Pd=220ppi(第2の精細度Pd)である場合、上述したように、ラインヘッドユニット20の第2角度Φは0degになっており(図17A)、使用ノズル数は200個になっている(図17B)。
精細度Pdが220ppiから徐々に大きくなると、使用ノズル数は200個のまま第2角度Φが徐々に大きくなる。そして、使用ノズル数が200個、かつ、第2角度Φが6deg近傍である時点の精細度Pdと、使用ノズル数が201個、かつ、第2角度Φが0である時点の精細度Pdがほぼ同じとなる。このように、精細度Pdが大きくなると、使用ノズル数が増加し、第2角度Φが増減を繰り返す。
また高精細度側においても図18A、18Bに示すように上述した低精細度側の図17A、17Bと同様に、精細度Pdが大きくなると、使用ノズル数が増加し、第2角度Φが増減を繰り返す。高精細度側においては、例えば、使用ノズル数が391個、かつ、第2角度Φが4deg近傍である時点の精細度Pdと、使用ノズル数が392個、かつ、第2角度Φが0である時点の精細度Pdがほぼ同じとなる。以上のように精細度Pdが220ppi〜440ppiの範囲において、第2角度Φの範囲は0〜6degとしておけば十分である。
なお、第2角度Φ=0となる精細度Pdは、図17A、図18Aに示すように、およそ1ppi毎に存在する。すなわち、およそ1ppi毎に、ラインヘッドユニット20が回転不要となる精細度Pdを印刷できる。
なお本実施例では、1回の走査で塗布できる最大の精細度Pdとして、図5の440ppiとなるように設計したが、複数回の印刷走査で塗布するので良ければ、更なる高精細パネルに対して対応できる。
また低精細度側については、図6にて精細度Pdが220ppiである例を示したが、図5にて示す精細度Pdが440ppiの設定にて、ノズルをY方向において1個おきに使用することで220ppiに対応することもできる。またこの場合、第1角度θを大きくし、さらに第2角度Φを調整することで、110ppiまで対応できる。さらにこの場合、使用するノズルのピッチを広げることで、さらに精細度Pdを小さくすることができる。このように、すべてのノズルを使用した状態で440ppiから、その半分の220ppiまで対応できるように設計にすることで、440ppi以下の任意の精細度Pdに対応することができる。
また、本実施例で使用したインクジェットヘッド24は図15Aに示すように、B列は、A列に対して平行に8.0433mm離れた位置に配置されている。B列は、A列に対して、A列に沿った方向に84.66667μmずらして、配置されている。図15Bは、このインクジェットヘッド24を第1角度θ傾けた場合において、A列に配置されたノズルとB列に配置されたノズルとが、Y方向において最小となるズレ量ΔYを説明する平面図である。
ズレ量ΔYを低精細度側(220〜230ppi)と高精細度側(430〜440ppi)で計算した結果を、図17C,18Cに示す。図17C,18Cにおいて、点71にて示すズレ量ΔY=0となる精細度Pdでは、A列のノズルとB列のノズルとが印刷方向(X方向)に沿って互いに隣り合う。
このようにインクジェットヘッド24に複数の列を設けて、ズレ量ΔYが0になる精細度Pdを選択した場合、一方の列の全てのノズルを印刷に使用しないようにすることができる。よって、他方の列のノズルからインクが吐出されない不具合に対応することができるため、インクジェット印刷装置1の稼働率を高めることに繋げることができる。
(2)次にディスプレイパネル2のアライメント方法について図2を用いて説明する。
ディスプレイパネル2は、基板吸着テーブル11上に吸着されてXY平面に平行に配置される。続けて、ディスプレイパネル2内の不図示のアライメントマークや画素などの位置を不図示のアライメントカメラで検出する。さらに、印刷方向(X方向)に対して画素の並びが平行になるように、基板吸着テーブル11の下の不図示のYα駆動機構を動作させて基板吸着テーブル11を回転させる。
更に、ノズルおよび基板3のX方向およびY方向の相対位置をアライメントカメラで計測して調整する。その際、予め第1角度θおよび第2角度Φが調整されたラインヘッドユニット20によってテスト用の基板(不図示)に印刷する。そのテスト用の基板に印刷された画素をアライメントカメラで計測することによってノズルとアライメントカメラの位置関係を校正する。校正されたアライメントカメラによって、ディスプレイパネル2の画素とノズル位置との位置ズレを調整する。この場合、Y方向の位置ズレについてはYα駆動機構によって調整する。また、X方向の位置ズレについては、X軸スライダ9によって調整する。なお、上記のように1種類の第1角度θおよび第2角度Φの組み合わせでテスト印刷を行って画素をアライメントカメラで計測することにより、アライメントカメラとノズルとの位置関係を確認する。
そして、目標とする精細度Pdに基づいて設定された第1角度θおよび第2角度Φがインクジェット吐出制御部に入力される。インクジェット吐出制御部は、入力された第1角度θおよび第2角度Φに基づいて、各ノズルの吐出タイミングを、ディスプレイパネルのX方向の画素位置に合せて吐出できるように演算する。
(3)最後に実際の印刷動作について図2を用いて説明する。
図2に示すインクジェット印刷装置1には、1つのラインヘッドユニット20が配置されている。上述した1つのラインヘッドユニット20は1色のインクを吐出するように構成されている。よって、図1に示すディスプレイパネル2のように3色の印刷が必要な場合、インクジェット印刷装置1には、色調が異なるインクを吐出する3つのラインヘッドユニット20が印刷方向(X方向)に沿って一列に配置される。
3つのラインヘッドユニット20それぞれについて、上記(1)でノズルのY方向のピッチの調整、および、上記(2)で印刷対象のディスプレイパネル2とノズルとの相対位置の調整を色調に応じて行う。続けて、X軸スライダ9を図2に実線にて示す位置から図2に破線にて示す位置まで走査させる。このとき、基板吸着テーブル11上のディスプレイパネル2は、3つのラインヘッドユニット20のインクジェットヘッド24の下方を、一定の速度にて通過する。
ディスプレイパネル2が3つのラインヘッドユニット20のインクジェットヘッド24の下方を通過する際に、3つのラインヘッドユニット20の各ノズルはインクジェット吐出制御部から送信される吐出指令によって液滴を吐出する。これにより、目標とする精細度Pdを有するディスプレイパネルが印刷される。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について図9から図13を用いて説明する。実施の形態2と実施の形態1との違いは、インクジェット印刷装置1がラインヘッドユニット20を複数備えていることである。
図9に示す実施の形態2のラインヘッドユニット20は、リンク回転軸部材23c間の距離Mpが、上述した実施の形態1の2倍に相当するMp=46181.82μm(=46.18182mm)に設定されている。使用するインクジェットヘッド24の幅が広い場合や、リンク回転軸部材23cをより精密なものにするためにリンク回転軸部材23cが大きくなった場合、Mpを大きく設定することが考えられる。その他の説明しない事項は、実施の形態1と同様である。
このようにMpを設定した場合、精細度Pd=220ppi(すなわち、Pp=Hp=115.4545μm)に対応するには、式(2)より、第1角度θ=42.98588degに設定する。
またPwは、式(4)より、Pw=46181.82μm(=46.18182mm)となる。この場合、Pw=Mpとなるため、インクジェットヘッド24のノズルの全てが印刷に使用される。
本実施例で、220ppiより高い精細度Pdに対応させる場合、第1角度θをさらに小さくする。この場合、互いに隣り合うインクジェットヘッド24の間において、ノズルのY方向のピッチがHpよりも広くなるところが現れる。
図10は精細度Pd=440ppi(すなわち、Pp=Hp=57.72727μm)に対応するようにインクジェットヘッド24を回転させた場合を説明する図である。この場合、第1角度θは、式(2)より、θ=19.93227degに設定される。さらに、印刷幅Pwは、Pw=23090.90μm(=23.09090mm)となる。この場合、Pw=(1/2)×Mpとなって隣り合うインクジェットヘッド24の間に、Pwと同じ幅の印刷されないエリア(ノズルのY方向のピッチがHpよりも広くなるエリア)が現れる。図10に示すエリア30a,30c,30e,30g,30iは、印刷されるエリアである。また、エリア30b,30d,30f,30hは、印刷されないエリアである。
この場合、図11のように主ラインヘッドユニット20Aによって印刷されないエリアを補完するための副ラインヘッドユニット20Bを配置する。これにより、印刷されないエリアが現れないようにすることができる。主ラインヘッドユニット20Aは、「第1ラインヘッドユニット」の一例である。副ラインヘッドユニット20Bは、「第2ラインヘッドユニット」の一例である。
主ラインヘッドユニット20Aおよび副ラインヘッドユニット20Bは、デュアルラインヘッドユニット43を構成する。デュアルラインヘッドユニット43について図11を用いて説明する。またデュアルラインヘッドユニット43を搭載したインクジェット印刷装置1を図13に示す。
<構成>
本実施例では、ラインヘッドユニット用ガントリ40を備えている。ラインヘッドユニット用ガントリ40は、2つのラインヘッドユニット20A、20Bを同時に回転させるものである。また、本実施例は、ガントリΦ回転機構42と、副ラインヘッドユニット20Bをラインヘッドユニット用ガントリ40に沿って横移動させるラインヘッドユニット移載機構50をさらに備えている。ラインヘッドユニット移載機構50は、「移動機構部」の一例である。
まずガントリΦ回転機構42について構成を説明する。ガントリΦ回転機構42は、ガントリΦ回転軸部材42c、Φ軸ガイド42g2、Φ軸テーブル42t、回転摺動機構42rおよびΦ軸横摺動ガイド42g1を備えている。
ガントリΦ回転軸部材42cは、定盤17上の両側に設置されたヘッドユニット支持部16の一方側の上面に配置されている。ガントリΦ回転軸部材42cは、ヘッドユニット支持部16とラインヘッドユニット用ガントリ40の第1端部とを接続する。ガントリΦ回転軸部材42cによってラインヘッドユニット用ガントリ40は、XY平面と直交するガントリΦ回転軸部材42cの中心軸回りに、ヘッドユニット支持部16に対して相対回転する。
Φ軸ガイド42g2は、ヘッドユニット支持部16の他方側の上面に配置され、Φ軸テーブル42tをヘッドユニット支持部16に対してX方向に沿って相対移動させる。回転摺動機構42rは、Φ軸テーブル42tの上面に配置され、Φ軸テーブル42tとΦ軸横摺動ガイド42g1とを接続する。回転摺動機構42rによって、Φ軸横摺動ガイド42g1は、XY平面と直交して回転摺動機構42rを通る軸線回りに、Φ軸テーブル42tに対して相対回転する。Φ軸横摺動ガイド42g1には、ラインヘッドユニット用ガントリ40の第2端部が接続される。Φ軸横摺動ガイド42g1によって、ラインヘッドユニット用ガントリ40は、Φ軸横摺動ガイド42g1が延びる方向に、回転摺動機構42rに対して相対移動する。
また、ヘッドユニット支持部16の他方側の上面には、φ軸モータブラケット42bを介してφ軸モータ42mが取り付けられている。φ軸モータ42mは、Φ軸ボールねじ42sと連結され、Φ軸ボールねじ42sに篏合する不図示のナット部はΦ軸テーブル42tに連結されている。このように構成されることにより、φ軸モータ42mが回転することによってΦ軸テーブル42tがX方向に移動する。一方、ヘッドユニット支持部16の一方側に配置されたガントリΦ回転軸部材42cの軸線回りにラインヘッドユニット用ガントリ40が相対回転する。すなわち、ガントリΦ回転機構42によってラインヘッドユニット用ガントリ40は、ヘッドユニット支持部16に対して傾斜する。
ラインヘッドユニット用ガントリ40の一方側には、副ラインヘッドユニット20Bが配置されている。ラインヘッドユニット用ガントリ40他方側には、主ラインヘッドユニット20Aが配置されている。これらによって、ラインヘッドユニット用ガントリ40が回転することにより、2つのラインヘッドユニット20A、20Bは回転する。
次にラインヘッドユニット移載機構50について構成を説明する。ラインヘッドユニット移載機構50は、副ラインヘッドユニット20Bを、ラインヘッドユニット用ガントリ40の一方側の側面に沿って移動させるものである。
ラインヘッドユニット用ガントリ40の一方側の側面には、ラインヘッドユニット用ガントリ40の一方側の側面に沿って延びるラインヘッドユニット移載軸ガイド50gを介してラインヘッドユニット移載軸テーブル50tが配置されている。ラインヘッドユニット用ガントリ40には、ラインヘッドユニット移載軸モータブラケット50bを介してラインヘッドユニット移載軸モータ50mが配置されている。ラインヘッドユニット移載軸モータ50mには、ラインヘッドユニット移載軸ボールねじ50sが連結されている。ラインヘッドユニット移載軸ボールねじ50sに沿って移動する不図示のナット部は、ラインヘッドユニット移載軸テーブル50tに連結されている。
また、ラインヘッドユニット移載軸テーブル50tの位置は、不図示のラインヘッドユニット移載軸制御手段によって制御される。ラインヘッドユニット移載軸制御手段は、具体的には、ラインヘッドユニット移載軸テーブル50tの位置を検出する不図示のラインヘッドユニット移載軸テーブル位置検出手段の検出結果がラインヘッドユニット移載軸テーブル50tの目標位置となるように、ラインヘッドユニット移載軸テーブル50tをラインヘッドユニット移載軸モータ50mの駆動量をフィードバック制御する。
また、ラインヘッドユニット移載軸テーブル50tには、副ラインヘッドユニット20Bが固定されている。一方、ラインヘッドユニット用ガントリ40の他方側の側面にはラインヘッドユニット取付プレート41を介して主ラインヘッドユニット20Aが固定されている。すなわち、ラインヘッドユニット移載機構50は、副ラインヘッドユニット20Bを、ラインヘッドユニット移載軸ガイド50gに沿って、ラインヘッドユニット用ガントリ40に対して相対移動させる。
<動作>
次に、本実施例のインクジェット印刷装置1の印刷動作について説明する。主ラインヘッドユニット20Aのノズル位置の調整を行うガントリΦ回転機構42の動作については、上述した実施の形態1のラインヘッドユニットΦ回転機構22の動作と同様である。よって、主ラインヘッドユニット20Aのノズル位置の調整については省略し、副ラインヘッドユニット20Bのノズル位置の調整について説明する。
前述したように、本実施例において、220ppi以上の精細度Pdに対応する場合には、図11に示すように主ラインヘッドユニット20Aによって印刷されないエリア30b、30d、30f、30h、30jについては副ラインヘッドユニット20Bによって補完する必要がある。
図11は、図10と同じ精細度Pdである440ppi(Pp=Hp=57.72727μm)のディスプレイパネル2を塗布する場合を示す図である。この場合、インクジェットヘッド24の第1角度θは、θ=19.93227degに設定される。よって、印刷幅Pw=23090.90μm(=23.09090mm)となる。また、本実施例では、Mp=46181.82μm(=46.18182mm)に設定されているため、印刷幅Pw=(1/2)×Mpとなる。よって、上述したように、互いに隣り合うインクジェットヘッド24の間に、印刷されないエリアが現れる。
また、Mp=800×Hpとなるため、MpはHpの整数倍になる。したがって、第2角度Φ=0に設定する。具体的には、ガントリΦ回転機構42によって第2角度Φ=0となるように調整する。また、各ラインヘッドユニット20A,20Bのインクジェットヘッドθ回転機構29については第1角度θ=19.93227degになるように調整する。
さらに、副ラインヘッドユニット20Bの位置は、ラインヘッドユニット移載機構50によって調整される。副ラインヘッドユニット20Bの位置は、具体的には、副ラインヘッドユニット20Bによって印刷できるエリア30b,30d,30f,30h,30jが、主ラインヘッドユニット20Aによって印刷されないエリア30b,30d,30f,30h,30jに対応するように、かつ、ノズルのY方向のピッチが同じになるように調整される。この副ラインヘッドユニット20Bのノズルの位置の調整は、実施の形態1で行ったように、テスト用の基板へ印刷した画素をアライメントカメラで計測することによって行われる。
次に、精細度Pd=439.95ppiの場合について、図12を用いて説明する。図12においては、副ラインヘッドユニット20Bのインクジェットヘッド24にて印刷に使用されるノズルが1個減った状態を示している。印刷に実際に使用したインクジェットヘッド24のノズル数は400個であるので、399個のノズルが印刷に使用される。
精細度Pd=439.95ppiの場合、式(5)より、Pp=Hp=57.733833μmとなる。この場合、主ラインヘッドユニット20Aにおける印刷幅Pwは、式(4)より、Pw=23093.533μmとなる。一方、副ラインヘッドユニット20Bにおいては、399個のノズルが印刷に使用されるため、副ラインヘッドユニット20Bの印刷幅Pwは、Pw=23035.799μmとなる。よって、ラインヘッドユニット20A,20Bの印刷幅Pwを合計した印刷幅Pwは、Pw=46129.332μmとなる。この合計した印刷幅PwとMpΦとが一致するように第2角度Φを設定する。
この場合、第2角度Φは、式(1)より、Φ=2.731930degとなる。一方、第1角度θは、式(2)より、θ=19.934632degとなる。このように算出された第1角度θおよび第2角度Φとなるように、ガントリΦ回転機構42およびインクジェットヘッドθ回転機構29を制御する。
さらに、上述したように、副ラインヘッドユニット20Bの位置は、ラインヘッドユニット移載機構50によって調整される。すなわち、副ラインヘッドユニット20Bによって印刷できるエリア30b,30d,30f,30h,30jが、主ラインヘッドユニット20Aによって印刷されないエリア30b,30d,30f,30h,30jに対応するように、かつ、ノズルのY方向のピッチが同じになるように調整される。これにより、精細度Pd=439.95ppiとなる。
ここまでは、精細度Pd=440ppi、439.95ppiにおけるノズルのピッチの調整方法について説明した。ここで、低精細度側(220〜230ppi)および高精細度側(430〜440ppi)の精細度Pdにおける第2角度Φと副ラインヘッドユニット20Bのインクジェットヘッド24の使用ノズル数の計算結果を図19A、図19B、図20Aおよび図20Bに示す。
図19Aは、ディスプレイパネル2の精細度Pdとラインヘッドユニット20の第2角度Φとの関係を示すグラフ(低精細度側)である。図19Bは、ディスプレイパネル2の精細度Pdと副ラインヘッドユニット20Bにおける使用ノズル数との関係を示すグラフ(低精細度側)である。図20Aは、ディスプレイパネル2の精細度Pdとラインヘッドユニット20の第2角度Φとの関係を示すグラフ(高精細度側)である。図20Bは、ディスプレイパネル2の精細度Pdと副ラインヘッドユニット20Bにおける使用ノズル数との関係を示すグラフ(高精細度側)である。
図19Aにおいて、精細度Pd=220ppiである場合、第2角度Φ=0になっている。また、図19Bにおいて、使用ノズル数は0個になっている。この場合は副ラインヘッドユニット20Bによる印刷は不要であることを示している。
精細度Pdが220ppiから徐々に大きくなると、使用ノズル数は200個のまま第2角度Φが徐々に大きくなる。そして、使用ノズル数が0個、かつ、第2角度Φが4deg近傍である時点の精細度Pdと、使用ノズル数が1個、かつ、第2角度Φが0である時点の精細度Pdがほぼ同じとなる。このように、精細度Pdが大きくなると、使用ノズル数が増加し、第2角度Φが増減を繰り返す。
また高精細度側においても図20A、図20Bに示すように上述した低精細度側の図19A、19Bと同様に、精細度Pdが大きくなると、使用ノズル数が増加し、第2角度Φが増減を繰り返す。高精細度側においては、例えば、使用ノズル数が382個、かつ、第2角度Φが3deg近傍である時点の精細度Pdと、使用ノズル数が383個、かつ、第2角度Φが0である時点の精細度Pdがほぼ同じとなる。以上のように精細度Pdが220ppi〜440ppiの範囲において、第2角度Φの範囲は0〜4degとしておけば十分である。
なお、第2角度Φ=0すなわちラインヘッドユニット20が回転不要となる精細度Pdは、図19A、図20Aに示すように、およそ0.5ppi毎に存在する。また、実施の形態1の時の図17Aと図19Aを比べると、図19Aにおける第2角度Φ=0となる周期は、図17Aにおける第2角度Φ=0となる周期の約半分になっている。これは、実施の形態1では、400ノズルの担当区間を1ノズル単位で調整するのに対して実施の形態2の場合は、800ノズルの担当区間を1ノズル単位で調整するからである。また、実施の形態2では、実施の形態1に対して第2角度Φの最大値が小さくすることができる。ズレ量ΔYを低精細度側(220〜230ppi)と高精細度側(430〜440ppi)で計算した結果を、図19C,20Cに示す。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について図14を用いて説明する。第1角度θを調整するのに、実施の形態1ではθ軸駆動部26を用いていたのに対して、実施の形態3では可動リンク23bの両端を別々の駆動軸で駆動する。説明しない事項は、実施の形態1,2と同様である。
本実施例では、θ軸テーブル25aの一方側に可動リンクR駆動モータブラケット27bを介して可動リンクR駆動モータ27mが取り付けられている。可動リンクR駆動モータ27mには、可動リンクR駆動ボールねじ27sが連結されている。可動リンクR駆動ボールねじ27sのナット部が可動リンク23bの一方側の端部に連結される。可動リンクR駆動モータ27mは、不図示の可動リンクR駆動軸制御手段によって制御される。可動リンクR駆動軸制御手段は、可動リンク23bの一方側の端部の位置を検出する不図示の可動リンクR駆動軸位置検出手段の検出結果が、可動リンク23bの一方側の端部の目標位置となるように可動リンクR駆動モータ27mの駆動量をフィードバック制御する。
一方、θ軸テーブル25aの他方側に可動リンクL駆動モータブラケット28bを介して可動リンクL駆動モータ28mが取り付けられている。可動リンクL駆動モータ28mには、可動リンクL駆動ボールねじ28sが連結されている。可動リンクL駆動ボールねじ28sのナット部が可動リンク23bの他方側の端部に連結される。可動リンクL駆動モータ28mは、不図示の可動リンクL駆動軸制御手段によって制御される。可動リンクL駆動軸制御手段は、可動リンク23bの他方側の端部の位置を検出する不図示の可動リンクL駆動軸位置検出手段の検出結果が、可動リンク23bの他方側の端部の目標位置となるように可動リンクL駆動モータ28mの駆動量をフィードバック制御する。さらに、可動リンクR駆動軸制御手段および可動リンクL駆動軸制御手段によって、可動リンク23bの一方側の端部および他方側の端部の移動量を同じにすることができる。
以上のように可動リンク23bの両側の端部それぞれに駆動軸を配置した場合、実施の形態1のように1つの駆動軸を配置した場合と比べて、可動リンク23bを高精度に駆動することができる。よって、インクジェットヘッド24をより高精度に回転させることができる。
なお、本実施の形態においては、図15Aに示す1列に400個のノズルが形成されているインクジェットヘッド24を使用したが、これに代えて、図16A,16Bに示す1列に800個のノズルが形成されたインクジェットヘッド24を使用してもよい。精細度Pd=440ppiに対応する第1角度θに設定された場合、使用ノズル数は400個であるため、1列に800個のノズルが形成されたインクジェットヘッド24では、印刷に使用されないノズルがある。また、このとき、互いに隣り合うインクジェットヘッド24において、印刷方向(X方向)に沿って互いに隣り合うノズルがある。よって、互いに隣り合うノズルのうち一方のノズルからインクが吐出されない不具合に対応することができる。
その不具合に対応可能な条件は、式(6)によって示される。精細度Pd=440ppiの場合、式(5)より、Pp=Hp=57.72727μmとなる。1つのインクジェットヘッド24に形成されたノズルが800個である場合、式(4)より、Pw=4681.818μmとなる。また、Mp=23090.909μmに設定されている。この場合、式(6)を満たすので、インクが吐出されない不具合に対応なノズルがある。
Pw≧2×Mp ・・・式(6)
なお、本実施の形態では、インクジェットヘッド24の両端それぞれにリンク回転軸部材23cを配置した。ここで、インクジェットヘッド24はノズル詰まりなどで交換する必要が生じることが有る。そのため、ラインヘッドユニット20は、インクジェットヘッド24を着脱可能な取付プレート(不図示)をさらに備えてもよい。この場合、リンク回転軸部材23cは、取付プレートの両端に配置される。インクジェットヘッド24は、この取付プレートに対して着脱可能かつ交換可能に取り付けられる。また、インクジェットヘッド24は、リンク回転軸部材23cに対して、精度良く位置決めされる必要がある。そのために拡張ピン等を利用して、取付プレートにインクジェットヘッド24を取り付ける。
なお、本実施例におけるラインヘッドユニット20は、インクジェットヘッド24の個数は10個であるが、本発明の方式によれば、更にインクジェットヘッド24の個数を増やしても、インクジェットヘッド24の回転を調整するラインヘッドユニットΦ回転機構22およびインクジェットヘッドθ回転機構29の個数は増加しない。
以上のように、実施の形態1〜3のインクジェット印刷装置によれば、印刷対象物の幅を広くするために使用するインクジェットヘッド24の数を増やしてもインクジェットヘッド24を駆動する機構を増やすこと無く、ノズルの印刷方向に直交する方向のピッチを任意に調整することができる。
本発明の前記態様にかかるインクジェット印刷装置は、高精細で一定ピッチの印刷対象物にインク等を塗布するのに有効であり、有機ELの発光体、ホール輸送層、又は電子輸送層の印刷、又は、カラーフィルターの印刷等におけるインクジェット印刷装置に適用することができる。
1 インクジェット印刷装置
2 ディスプレイパネル
3 基板
20 ラインヘッドユニット
20A 主ラインヘッドユニット
20B 副ラインヘッドユニット
21 ラインヘッドベース(第1ベース部材、第2ベース部材)
22 ラインヘッドユニットΦ回転機構(ラインヘッドユニット回転機構部)
23 平行リンク機構
23a 固定リンク
23b 可動リンク(連結部材)
24 インクジェットヘッド(第1インクジェットヘッド、第2インクジェットヘッド)
24a1 ノズル
24a2 ノズル
24a3 ノズル
24a4 ノズル
25 θ軸摺動機構
29 インクジェットヘッドθ回転機構(インクジェットヘッド回転機構部)
40 ラインヘッドユニット用ガントリ
43 デュアルラインヘッドユニット
50 ラインヘッドユニット移載機構(移動機構部)
Pd 精細度
θ 第1角度
Φ 第2角度

Claims (15)

  1. 第1ベース部材、および、印刷面と直交する軸線回りに前記第1ベース部材に対して相対回転可能に前記第1ベース部材に取り付けられており、かつ、複数のノズルが直線状に配置されている同じ種類のインクを塗布する複数の第1インクジェットヘッドを備える第1ラインヘッドユニットと、
    前記第1ラインヘッドユニットを、前記印刷面と直交する軸線回りに前記印刷面に対して相対回転させるラインヘッドユニット回転機構部と、を備えているインクジェット印刷装置。
  2. 第2ベース部材、および、前記印刷面と直交する軸線回りに前記第2ベース部材に対して相対回転可能に前記第2ベース部材に取り付けられており、かつ、複数のノズルが直線状に配置されている同じ種類のインクを塗布する複数の第2インクジェットヘッドを備える第2ラインヘッドユニットと、
    前記第1ラインヘッドユニットを、前記第2ラインヘッドユニットに対して、前記印刷面が移動する方向と交差する方向に相対移動させる移動機構部と、をさらに備えている、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記第1ラインヘッドユニットは、前記複数の第1インクジェットヘッドの各一端部を連結する連結部材をさらに備え、
    前記第1ベース部材、前記複数の第1インクジェットヘッドおよび前記連結部材は、平行リンク機構を構成している、請求項1または2に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記第1ラインヘッドユニットは、前記連結部材を前記第1ベース部材に対して相対移動させることで、前記第1ベース部材に対して前記複数の第1インクジェットヘッドを相対回転させるインクジェットヘッド回転機構部をさらに備える、
    請求項3に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 前記複数の第1インクジェットヘッドの中の互いに隣接する2つの第1インクジェットヘッドが、移動する前記印刷面に対してインクを吐出する領域は、互いに重複している、請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  6. 同じ種類のインクを塗布する前記2つの第1インクジェットヘッドが、移動する前記印刷面に対してインクを吐出する領域は、互いに半分以上重複している、請求項5に記載のインクジェット印刷装置。
  7. 同じ種類のインクを塗布する前記2つの第1インクジェットヘッドの一方に配置されているノズルと、前記2つの第1インクジェットヘッドの他方に配置されているノズルは、前記印刷面が移動する方向に沿うように位置することが可能であるように構成されている、請求項5または6に記載のインクジェット印刷装置。
  8. 前記複数の第1インクジェットヘッドが並ぶ方向に沿った、前記複数の第1インクジェットヘッドの1つに配置された互いに隣接する2つのノズルの距離が、前記複数の第1インクジェットヘッドの前記第1ベース部材に対する相対回転の前後で、2倍以上変化することが可能であるように構成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  9. 前記複数の第1インクジェットヘッドには、それぞれ前記複数のノズルで構成される複数のノズル列が配置されており、
    前記複数のノズル列の一方に配置されているノズルと、前記複数のノズル列の他方に配置されているノズルは、前記印刷面が移動する方向に沿うように位置することが可能であるように構成されている、請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  10. 第1ラインヘッドユニットは、前記複数の第1インクジェットヘッドを着脱可能に取り付ける取付プレートをさらに備え、
    前記複数の第1インクジェットヘッドは、前記取付プレートを介して前記第1ラインヘッドユニットに取り付けられている、請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  11. 第1ベース部材、および、印刷面と直交する軸線回りに前記第1ベース部材に対して相対回転可能に前記第1ベース部材に取り付けられており、かつ、複数のノズルが直線状に配置されている同じ種類のインクを塗布する複数の第1インクジェットヘッドを備える第1ラインヘッドユニットと、
    前記第1ラインヘッドユニットを、前記印刷面と直交する軸線回りに前記印刷面に対して相対回転させるラインヘッドユニット回転機構部と、を備えているインクジェット印刷装置を用いた印刷方法であって、
    前記印刷面が移動する方向と直交する方向における前記複数のノズルの間の距離を、所定の精細度に対応する距離にするように、前記複数の第1インクジェットヘッドを回転させるステップと、
    前記印刷面が移動する方向と直交する方向における、前記複数の第1インクジェットヘッドの中の互いに隣接する2つの第1インクジェットヘッドの距離を、前記所定の精細度に対応する距離とするように、前記ラインヘッドユニット回転機構部によって前記第1ラインヘッドユニットを回転させるステップと、
    前記印刷面を前記第1ラインヘッドユニットに対して移動させて、前記複数のノズルからインクを前記印刷面に向けて吐出して印刷するステップと、を含んでいる、印刷方法。
  12. 前記複数の第1インクジェットヘッドの中の互いに隣接する2つの第1インクジェットヘッドのうち、一方の第1インクジェットヘッドに配置されているノズルと、他方の第1インクジェットヘッドに配置されているノズルとを、前記印刷面が移動する方向に沿って位置するように、前記ラインヘッドユニット回転機構部によって前記第1ラインヘッドユニットを回転させるステップをさらに含んでいる、請求項11に記載の印刷方法。
  13. 前記複数の第1インクジェットヘッドには、それぞれ前記複数のノズルで構成される複数のノズル列が配置されており、
    前記複数のノズル列の一方に配置されているノズルと、前記複数のノズル列の他方に配置されているノズルとが、前記印刷面が移動する方向に沿って位置するように、前記ラインヘッドユニット回転機構部によって前記第1ラインヘッドユニットを回転させるステップをさらに含んでいる、請求項11または12に記載の印刷方法。
  14. 前記インクジェットヘッド回転機構部は、前記第1ベース部材に対して前記連結部材を相対移動させる第1のモータを含む、
    請求項4に記載のインクジェット印刷装置。
  15. さらに、定盤を備え、
    前記第1ベース部材は、第1端部と、前記複数の第1インクジェットヘッドを挟んで前記第1端部とは反対の第2端部とを有し、
    前記第1端部は、前記定盤に回転可能に支持され、
    前記ラインヘッドユニット回転機構部は、前記定盤に対して前記第2端部を移動させることにより、前記第1端部を中心に前記第1ベース部材を回転させる第2のモータを含む、
    請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
JP2021043793A 2020-06-09 2021-03-17 インクジェット印刷装置および印刷方法 Pending JP2021194911A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW110114397A TW202146253A (zh) 2020-06-09 2021-04-21 噴墨印刷裝置及印刷方法
CN202110596856.XA CN113771494A (zh) 2020-06-09 2021-05-28 喷墨印刷装置以及印刷方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020100289 2020-06-09
JP2020100289 2020-06-09

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021194911A true JP2021194911A (ja) 2021-12-27

Family

ID=79198009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021043793A Pending JP2021194911A (ja) 2020-06-09 2021-03-17 インクジェット印刷装置および印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021194911A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060093751A1 (en) System and methods for inkjet printing for flat panel displays
US6667795B2 (en) Head unit, display device panel manufacturing apparatus for manufacturing panel for display device using the head unit, manufacturing method thereof, manufacturing method of liquid crystal display device having color filter, and device having the liquid crystal display device
US7347530B2 (en) Inkjet printing of color filters
KR101065977B1 (ko) 잉크 젯 프린터 헤드 정렬 방법 및 그 장치
JP5792478B2 (ja) プリンティング方法及びプリンティング装置
JP4679912B2 (ja) パターン形成装置、ヘッドユニット装置、ヘッドユニット制御方法
WO2006052828A2 (en) Methods and apparatus for inkjet printing
JP2002082216A (ja) カラーフィルタ製造装置及び該装置のノズル位置調整方法
KR100786995B1 (ko) 잉크젯 인쇄장치
JP2002189115A (ja) カラーフィルタ製造装置及びこれを用いた製造方法
JP2006239570A (ja) パターン形成装置、位置決め装置、位置決め方法、及び吐出部
JP4376606B2 (ja) パターン形成装置、パターン形成方法
JP2021194911A (ja) インクジェット印刷装置および印刷方法
JP2007090191A (ja) インキ吐出印刷装置
JP2021133289A (ja) インクジェット印刷方法、およびインクジェット印刷装置
KR20140135606A (ko) 잉크제트장치 및 잉크제트장치의 헤드 배치방법
TW202146253A (zh) 噴墨印刷裝置及印刷方法
KR20060032857A (ko) 잉크젯 프린팅 장치 및 잉크젯 프린팅 장치의 헤드위치조절방법
JP2006205004A (ja) パターン形成装置、ヘッドユニット、ヘッドの位置決め方法
JP4887845B2 (ja) インクジェット塗工装置
KR102012378B1 (ko) 인쇄 헤드 조립체, 인쇄 장치 및 인쇄 헤드 정렬 방법
JP3982185B2 (ja) フィルタ製造装置及びフィルタ製造方法並びにフィルタ
JP2004111074A (ja) 有機el表示装置の製造装置と、その製造方法
JP2008073607A (ja) ノズル位置調整機構を備えた液滴塗布装置
KR101759132B1 (ko) 도포장치 및 도포방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240115