JP2002341574A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2002341574A
JP2002341574A JP2001143000A JP2001143000A JP2002341574A JP 2002341574 A JP2002341574 A JP 2002341574A JP 2001143000 A JP2001143000 A JP 2001143000A JP 2001143000 A JP2001143000 A JP 2001143000A JP 2002341574 A JP2002341574 A JP 2002341574A
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Akihiko Itami
明彦 伊丹
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、クリーニングブレード等と
の擦過に対する耐摩耗特性、及び繰り返し使用時の電子
写真特性が改善された高耐久の電子写真感光体を提供す
ること、トナーのクリーニング性能やクリーニングブレ
ードのめくれに対する安定性の優れた表面層を有する電
子写真感光体を提供することである。 【解決手段】 水酸基を有するポリカーボネートを架橋
してなる樹脂層を有することを特徴とする電子写真感光
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体、電
子写真感光体の製造方法と、該電子写真感光体を用いた
画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッ
ジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体(以下単に、感光
体とも云う)は有機光導電物質を含有する有機電子写真
感光体(以後、有機感光体とも云う)が最も広く用いら
れている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光
光源に対応した材料を開発しやすいこと、環境汚染のな
い材料を選択できること、製造コストが安いことなどが
他の感光体に対して有利な点であるが、欠点としては機
械的強度が弱く、多数枚の複写やプリント時に感光体表
面の劣化や傷が発生しやすいことである。
【0003】前記のような要求される様々な特性を満た
すため、これまで種々のことが検討されてきた。
【0004】上記のような有機感光体の耐久性を向上す
るための課題としてクリーニングブレード等の擦過によ
る摩耗を抑制することが強く求められてきた。そのため
のアプローチとして、感光体の表面に高強度の保護層を
設置するなどの技術が検討されてきた。例えば特開平6
−118681号公報では感光体の表面層として、コロ
イダルシリカ含有硬化性シロキサン樹脂を用いることが
報告されている。しかし、シロキサン結合(Si−O−
Si結合)が三次元的に繰り返されてなるシリカのみか
らなる保護層では、表面にクラック(亀裂)が発生した
り、感光層との接着性が悪化したり、感光層の静電特性
が低下して問題となっていた。
【0005】又、耐摩耗性と感光層との接着性を改善す
る試みとして有機ポリマーと架橋されたシロキサン成分
の両特性を併せ持つ、有機−無機のハイブリッドポリマ
ーが提案されている。例えば特開2000−22172
3号公報には電子写真感光体の保護層としてポリシロキ
サンとシリル基含有ビニル系樹脂とが化学的に結合した
重合体を含有する保護層が報告されている。しかしなが
ら、このような保護層を有する感光体は機械的な耐摩耗
特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が
不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、この
ような保護層を有する感光体はカールソンプロセス等の
最も広く使用されている電子写真方式の感光体としては
不適であった。
【0006】そこで、機械的な耐摩耗性と繰り返し使用
時の電子写真特性を同時に満足する電子写真感光体の保
護層として、本研究者等は電荷輸送性能付与基を有し、
且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を感光体の保
護層として提案してきた(特願平11−70308
号)。この保護層を有する感光体は従来の重要な課題で
あった耐摩擦特性、及び繰り返し使用時の電子写真特性
(帯電、感度、残留電位特性等)が改善され、高耐久の
有機電子写真感光体として十分に実用性を有している。
しかしながら、この保護層も又、シロキサン系樹脂特有
の高次に架橋された樹脂が生成するため、弾性的挙動の
強い保護層となり、ブレードクリーニングを用いたクリ
ーニング装置を用いると、感光体とクリーニングブレー
ド間のトルクが上昇し、トナーのクリーニング性能やク
リーニングブレードのめくれに対する安定性が低下する
といった問題がしばしば発生しやすい。更に高湿環境で
は画像の解像度が従来の有機感光体に比べて著しく低下
する問題も明らかとなった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、クリーニングブレード等と
の擦過に対する耐摩耗特性、及び繰り返し使用時の電子
写真特性(帯電、感度、残留電位特性等)が改善された
高耐久の電子写真感光体を提供すること、更に、トナー
のクリーニング性能やクリーニングブレードのめくれに
対する安定性の優れた保護層を有する感光体を提供する
こと、更に高湿環境でも鮮明な画像を得ることが出来る
保護層を有する感光体を提供することを目的とすること
であり、該電子写真感光体の製造方法、該電子写真感光
体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセス
カートリッジを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の目的は以
下の構成により達成される。
【0009】1.前記式(1)で表されるポリカーボネ
ートを架橋してなる樹脂層を有することを特徴とする電
子写真感光体。
【0010】2.前記ポリカーボネートの架橋が架橋剤
を用いて行われることを特徴とする前記1に記載の電子
写真感光体。
【0011】3.前記架橋剤がポリイソシアネート化合
物であることを特徴とする前記1又は2に記載の電子写
真感光体。
【0012】4.前記樹脂層が電荷輸送性化合物を含有
することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載
の電子写真感光体。
【0013】5.前記ポリカーボネートを架橋してなる
樹脂層が電荷輸送性基により修飾されていることを特徴
とする前記1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光
体。
【0014】6.前記樹脂層が、酸化防止剤を含有する
ことを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の電
子写真感光体。
【0015】7.前記樹脂層が、数平均粒径5nm〜5
μmの微粒子を含有することを特徴とする前記1〜6の
いずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0016】8.前記微粒子がフッ素原子を含有する有
機微粒子であることを特徴とする前記7に記載の電子写
真感光体。
【0017】9.前記樹脂層が表面層であることを特徴
とする前記1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光
体。
【0018】10.導電性支持体上に少なくとも樹脂層
を設けてなる電子写真感光体の製造方法において、該樹
脂層は前記式(1)で表される水酸基を持つポリカーボ
ネート及び架橋剤を含有する塗布液を塗布した後、硬化
することにより形成されることを特徴とする電子写真感
光体の製造方法。
【0019】11.前記塗布液が電荷輸送性化合物を含
有することを特徴とする前記10に記載の電子写真感光
体の製造方法。
【0020】12.前記電荷輸送性化合物が反応性電荷
輸送性化合物であることを特徴とする前記11に記載の
電子写真感光体の製造方法。
【0021】13.前記反応性電荷輸送性化合物が水酸
基を有する電荷輸送性化合物であることを特徴とする前
記12に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0022】14.前記架橋剤がポリイソシアネート化
合物であることを特徴とする前記11〜13のいずれか
1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0023】15.前記樹脂層が表面層であることを特
徴とする前記11〜14のいずれか1項に記載の電子写
真感光体の製造方法。
【0024】16.前記1〜9のいずれか1項に記載の
電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電工程、像露光
工程、現像工程、クリーニング工程の各工程を経て画像
形成することを特徴とする画像形成方法。
【0025】17.前記16に記載の画像形成方法を用
いることを特徴とする画像形成装置。
【0026】18.前記17に用いられる画像形成装置
に用いられるプロセスカートリッジにおいて、前記1〜
9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と帯電器、像
露光器、現像器、クリーニング器のいずれか1つとが一
体に組み合わされており、該画像形成装置に出し入れ自
由に構成されていることを特徴とするプロセスカートリ
ッジ。
【0027】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の樹脂層とは導電性支持体上に樹脂を用いて形成さ
れた層、即ち樹脂を含有する層であり、その樹脂層の機
能とは直接関係しないものである。
【0028】本発明の電子写真感光体が有する樹脂層は
ポリカーボネートを架橋させた樹脂層を有する。このポ
リカーボネートの架橋構造は前記式(1)の水酸基を有
するポリカーボネートを用い、該水酸基をイソシアネー
ト化合物等の架橋剤と反応させて形成することができ
る。
【0029】前記式(1)中、ハロゲン原子としては、
フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。ア
ルキル基としては、メチル基、エチル基及びプロピル基
等が挙げられ、炭素数が1〜5であることが好ましい。
アリール基としては、フェニル基及びナフチル基が挙げ
られ、炭素数が6〜12であることが好ましい。アルケ
ニル基としては、ビニル基及びアリル基等が挙げられ、
炭素数が2〜5であることが好ましい。アルコキシ基と
しては、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等が
挙げられ、炭素数が1〜5であることが好ましい。アラ
ルキル基としては、ベンジル基等が挙げられ、炭素数が
7〜17であることが好ましい。
【0030】R1〜R10が有してもよい置換基として
は、上述のようなアルキル基、アルケニル基、アルコキ
シ基、ハロゲン原子及びジメチルシロキサン基等が挙げ
られる。
【0031】前記式(1)で示される構成単位を有する
ポリカーボネートは、下記式(2)で示されるビスフェ
ノール式(2)
【0032】
【化2】
【0033】(式中、R1〜R10はそれぞれ、前記式
(1)におけると同義。)をホスゲン、炭酸エステルあ
るいはクロロホーメートと反応して得られる。この際、
上記ビスフェノールは単独で用いてもよく、また、他の
ビスフェノールと混合して用いてもよい。
【0034】上記式(2)で示されるビスフェノールの
好ましい例を以下に示すが、本発明はこれらに限られる
ものではない。
【0035】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパノール、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパノール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニ
ル)プロパノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−クロロフェニル)プロパノール、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパノール、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニ
ル)プロパノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジクロロフェニル)プロパノール、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロ
パノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
タノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ェネチルアルコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3−メチルブタノール、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−4−ペンテノール これらの中では、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパノールが特に好ましい。
【0036】前記式(1)の水酸基を有するポリカーボ
ネートを架橋し、架橋したポリカーボネート構造の樹脂
層を形成するには、該ポリカーボネートの水酸基と反応
し、架橋構造を形成する架橋剤を用いることが好まし
い。このような架橋剤としてはポリイソシアネート化合
物、ポリエピクロルヒドリン化合物等を用いることが出
来る。特にポリイソシアネート化合物を架橋剤として用
いると、クリーニングブレードとの摩擦に対し高強度の
ウレタン結合を有する樹脂層を形成する事が出来る。以
下好ましい架橋剤を例示するが、本発明に用いられる架
橋剤はこれらに限られるものではない。
【0037】2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニレ
ンメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニレンメ
タンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート等のポリイソシアネート化合物(イソシアネ
ート基を2個以上含有する化合物)が挙げられる。
【0038】又、本発明の樹脂層は電荷輸送性化合物を
含有することが好ましい。上記樹脂層中に共存させる電
荷輸送性化合物としてはこれまで公知の電荷輸送性物質
を用いることが出来る。電荷輸送物質(CTM)として
は公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができ
る。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合
物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化
合物などを用いることができる。
【0039】又、前記ポリカーボネートを架橋してなる
樹脂層が電荷輸送性基により修飾されていることが好ま
しい。
【0040】上記ポリカーボネートを架橋してなる樹脂
層が電荷輸送性基で修飾されるとは、上記架橋したポリ
カーボネート樹脂の部分構造として電荷輸送性基が取り
込まれた構造を意味する。部分構造としては樹脂の連鎖
構造の中に取り込まれた部分構造でもよく、ペンダント
構造であってもよい。
【0041】ここで電荷輸送性基とは電子或いは正孔の
ドリフト移動度を有する性質を示す化学構造基、或いは
電荷輸送性化合物残基であり、又別の定義としてはTi
me−Of−Flight法などの電荷輸送性能を検知
できる公知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が
得られる構造基、或いは電荷輸送性化合物残基である。
【0042】前記ポリカーボネートを架橋してなる樹脂
を電荷輸送性基により修飾するには以下のような反応性
電荷輸送化合物を用い、架橋剤等との反応により、電荷
輸送性基を架橋構造の中に組み込むことにより達成され
る。
【0043】即ち、架橋剤と反応する反応性電荷輸送性
化合物としては水酸基、メルカプト基、アミン基、カル
ボン酸基等の活性水素を有する電荷輸送性化合物等が挙
げられる。
【0044】反応性電荷輸送性化合物としては以下のよ
うな化合物が挙げられるが、本発明に用いられる反応性
電荷輸送性化合物はこれらに限られるものではない。
【0045】
【化3】
【0046】
【化4】
【0047】
【化5】
【0048】本発明の反応性電荷輸送性化合物としては
同一分子内に複数の反応性基を有する化合物が好まし
い。このことにより、反応性電荷輸送性化合物は架橋剤
との反応性が向上し、架橋剤との反応を通して電荷輸送
性基をポリカーボネート樹脂層の部分構造に取り込み、
本発明の架橋したポリカーボネート樹脂層に良好な電荷
輸送特性を付与する。
【0049】本発明で用いられる反応性電荷輸送性化合
物の分子量は700以下、100以上が好ましい。70
0以下の反応性電荷輸送性化合物を用いることにより、
残電上昇が小さく電子写真特性が良好で、且つクリーニ
ング性の優れた樹脂層を形成できる。更に、450以
下、100以上の分子量の反応性電荷輸送性化合物が好
ましい。
【0050】本発明の樹脂層の膜厚は0.03〜30μ
m、好ましくは0.3〜10μm、最も好ましくは0.
1〜5μmであることが望ましい。本発明においては樹
脂層の膜厚がこのように比較的厚くても、従来から問題
となっていた感度や残留電位等の静電特性を低下させる
ことなく、耐摩耗特性、トナーのクリーニング性能やク
リーニングブレードのめくれに対する安定性を向上させ
ることができる。更に高湿環境でも鮮明な画像を得るこ
とが出来る。
【0051】上記のような樹脂層には、本発明の効果を
阻害しない範囲内で、金属酸化物粒子が配合されていて
よい。金属酸化物粒子を配合することによって本発明の
樹脂層の耐摩耗特性をさらに向上させることができ、ト
ナーのクリーニング性能やクリーニングブレードのめく
れに対する安定性を向上させることができる。
【0052】前記金属酸化物粒子の数平均一次粒径は5
nm〜500nmであることが好ましい。これらの金属
酸化物粒子は通常は液相法によって合成され、コロイド
粒子として得ることができる。金属原子の例としてはS
i、Ti、Al、Cr、Zr、Sn、Fe、Mg、M
n、Ni、Cuなどが挙げられる。配合量としては、樹
脂層全質量の0.1〜30質量%が好ましい。これらの
配合量が30質量%を越えるとクリーニング性能が劣化
し、高湿環境での画像が劣化する。
【0053】また、樹脂層には、有機微粒子等が配合さ
れていてよい。これらを配合することによって樹脂層の
表面エネルギーを低下させ、クリーニング特性を向上さ
せることができる。有機微粒子としては、フッ素樹脂、
シリコーン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂等が挙
げられ、特に良好なものとしてはポリテトラフルオロエ
チレン、ポリフッ化ビニルデン等のフッ素樹脂ならびに
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂が挙
げられる。有機微粒子は1種または2種以上混合して用
いてもよい。
【0054】有機微粒子の大きさとしては、数平均粒径
が0.01〜5.0μm、好ましくは0.05〜1.0
μmであることが望ましい。有機微粒子の配合量は、樹
脂層全質量の0.1〜30質量%が好ましい。これらの
配合量が30質量%を越えると感光体の感度が低下し、
繰り返し使用時に、感光体の残留電位が上昇しカブリが
生じる。
【0055】また本発明中の樹脂層にはヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファ
イト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、
環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0056】ここでヒンダードフェノールとはフェノー
ル化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を
有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基が
アルコキシに変成されていても良い)。
【0057】又、ヒンダードアミンは、例えば下記式で
示される有機基を有する化合物類が挙げられる。
【0058】
【化6】
【0059】式中のR13は水素原子又は1価の有機基、
14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原
子、水酸基又は1価の有機基を示す。
【0060】ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化
防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P
7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0061】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。
【0062】以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙
げる。
【0063】
【化7】
【0064】
【化8】
【0065】又、製品化されている酸化防止剤としては
以下のような化合物、例えば「イルガノックス107
6」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス
1098」、「イルガノックス245」、「イルガノッ
クス1330」、「イルガノックス3114」、「イル
ガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール
系、「サノールLS2626」、「サノールLS76
5」、「サノールLS2626」、「サノールLS77
0」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、
「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マー
クLA67」、「マークLA62」、「マークLA6
8」、「マークLA63」以上ヒンダードアミン系、
「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」以
上チオエーテル系、「マーク2112」、「マークPE
P−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP
−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」
以上ホスファイト系が挙げられる。これらの中で特にヒ
ンダードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が
好ましい。酸化防止剤の添加量としては樹脂層固形分の
総質量100部に対し、0.1〜10質量部を用いるこ
とが好ましい。
【0066】次に、前記樹脂層の製造方法について記載
する。本発明において樹脂層は上記のような樹脂層が形
成されればいかなる方法によって形成されてよい。以下
に、代表的な本発明の樹脂層の製造方法について記載す
る。
【0067】本発明の樹脂層は前記式(1)で表される
水酸基を持つポリカーボネート及び架橋剤を含有する塗
布液を塗布した後、硬化することにより形成される。
【0068】前記塗布液は、電荷輸送性化合物を含有す
ることがより好ましい。更に前記電荷輸送性化合物が反
応性電荷輸送性化合物である場合は、反応性電荷輸送性
化合物とポリイソシアネート化合物等の架橋剤が反応
し、ポリカーボネートの架橋反応と共に、架橋した樹脂
の中に電荷輸送性基が部分構造として形成される。
【0069】この場合、反応性電荷輸送性化合物とポリ
イソシアネート化合物等の架橋剤と混合し、予め反応性
電荷輸送性化合物とポリイソシアネート化合物との反応
を進行させてから、前記ポリカーボネートを混合した塗
布液を塗布、硬化してもよい。
【0070】当該硬化によって、ポリカーボネートはウ
レタン結合等により架橋され、3次元化され、これによ
って耐摩耗性、感光層との接着性およびクリーニング特
性の良好な樹脂層が形成される。
【0071】本発明の樹脂層の形成において、前記式
(1)のポリカーボネートの水酸基総モル数M1と架橋
剤の総モル数M2の比(M1/M2)が0.01〜10が
好ましく、更にM1/M2が0.1〜5が好ましく、0.
3〜3が最も好ましい。
【0072】M1/M2を0.01〜10の範囲で使用す
ることにより、樹脂層の膜強度を適宜に調整でき、繰り
返し画像形成においても耐摩耗性に優れ且つ良好な濃度
の画像が得られる感光体を形成することが出来る。
【0073】本発明の樹脂層の形成において、前記式
(1)のポリカーボネートの質量数m 1と電荷輸送性化
合物の質量数m2の比(m1/m2)は0.01〜10が
好ましく、更にm1/m2が0.1〜5が好ましく、0.
3〜3が最も好ましい。
【0074】m1/m2を0.01〜10の範囲で使用す
ることにより、樹脂層の電荷輸送性を適宜に調整でき、
繰り返し画像形成において、鮮明で、良好な画像が得ら
れる感光体を形成することが出来る。
【0075】上記いずれの製造方法でも、原料となる前
記式(1)で表される水酸基を持つポリカーボネート、
架橋剤、電荷輸送性化合物の塗布液中の質量比は10
0:1〜400:1〜1000の配合比が好ましい。
【0076】前記式(1)で表される水酸基を持つポリ
カーボネート、架橋剤、反応性電荷輸送性化合物反応を
促進するためには、塗布液中、或いは塗布液生成過程で
硬化促進剤(触媒)を添加することが好ましい。
【0077】硬化促進剤としては、ナフテン酸、オクチ
ル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカ
リ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのア
ルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p−トル
エンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチレン
ジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エ
タノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬
化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系
化合物、(C492Sn(OCOC11232、(C4
92Sn(OCOCH=CHCOOCH32、(C4
92Sn(OCOCH=CHCOOC492、(C8
172Sn(OCOC11 232、(C8172Sn
(OCOCH=CHCOOCH32、(C8172Sn
(OCOCH=CHCOOC492、(C8172
n(OCOCH=CHCOOC8172、Sn(OCO
CC8172、などのカルボン酸型有機スズ化合物;
(C492Sn(SCH2COO)2、(C492Sn
(SCH2COOC8172、(C8172Sn(SC
2COO)2、(C8172Sn(SCH 2CH2CO
O)2、(C8172Sn(SCH2COOCH2CH2
COCH2S)2、(C8172Sn(SCH2COOC
2CH2CH2CH2OCOCH2S)2、(C8172
n(SCH2COOC8172、(C8172Sn(S
CH2COOC12252などのメルカプチド型有機スズ
化合物;(C492SnO、(C8172SnO、
(C492SnO、(C8172SnOなどの有機ス
ズオキサイドとエチルシリケート、エチルシリケート4
0、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル
酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物など
の有機スズ化合物などが使用される。
【0078】上記塗布液中の硬化促進剤の添加量は、塗
布液固形分(固形分とは塗布液成分中の乾燥後に残留す
る成分を意味する)100質量部に対して0.1〜20
質量部、好ましくは0.5〜100質量部である。これ
らの量が少なすぎると膜の強度が低下するおそれがあ
り、一方、多すぎると塗液のポットライフが悪化する。
【0079】又、上記塗布液には前記した金属酸化物粒
子、有機微粒子、酸化防止剤を必要に応じて添加し、本
発明の樹脂層を作製することが出来る。
【0080】樹脂層の塗布液を塗布した後の硬化条件
は、使用される有機ケイ素化合物の反応性に依存する
が、60〜150℃にて30分〜6時間の乾燥を行わせ
るのが好ましい。
【0081】これらの硬化反応を促進するためには有機
溶媒が存在することが好ましい。ここで使用可能な有機
溶媒としては、アルコール類、芳香族炭化水素類、エー
テル類、ケトン類、エステル類などが好適である。有機
溶媒の使用量は有機ケイ素化合物に対して限定されるも
のではなく、使用目的に応じて調整される。
【0082】硬化反応促進させる溶媒としては前記式
(1)で表される水酸基を持つポリカーボネート、架橋
剤、反応性電荷輸送性化合物等を均一に溶解させる溶媒
が好ましく用いられる。これらの溶媒としてはアルコー
ル類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エス
テル類などが用いられるが、特に下記に例示ような溶媒
が好ましい。
【0083】アルコール系溶媒としては炭素数1〜4の
アルコール、即ちメタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、is
o−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノールが好ましく用いられる。
【0084】非アルコール系溶媒としてはエチルメチル
ケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系の溶媒が好ましく用いられる。
【0085】本発明においては、樹脂層塗布液の全固形
分濃度を調整し、併せて粘度も調整するために、有機溶
媒を使用することができる。このような有機溶媒として
は、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケ
トン類、エステル類等の有機溶剤を使用することが好ま
しい。前記アルコール類としては、例えば1価または2
価のアルコールを挙げることができ、具体的にはメタノ
ール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチ
ルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルア
ルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn
−プロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチ
ルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等を挙
げることができる。これらのうち、炭素数1〜8の1価
の飽和脂肪族アルコールが好ましい。また、前記芳香族
炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等を挙げることができ、前記エーテル類の具体例
としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を挙げる
ことができ、前記エステル類の具体例としては、酢酸エ
チル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、炭酸プロピ
レン等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単
独または2種以上を混合して使用することができる。有
機溶媒の添加方法は特に限定されるものではなく、本発
明の樹脂層塗布液を調製する際および/または調製後の
適宜の段階で添加することができる。
【0086】次に、前記樹脂層以外の本発明の感光体構
成について記載する。本発明の樹脂層を有する感光体と
してはセレンやアモルファスシリコン等を用いた無機感
光体にも適用できるが、本発明の目的からは有機電子写
真感光体(有機感光体とも云う)に本発明の樹脂層を適
用することが好ましい。本発明において、有機感光体と
は電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及
び電荷輸送機能のいずれか一方の機能を有機化合物に持
たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機
電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光
体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成し
た感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0087】有機感光体の層構成は、特に限定はない
が、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸
送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)
等の感光層とその上に保護層として本発明の樹脂層を塗
設した構成をとるのが好ましい。
【0088】導電性支持体 本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシー
ト状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置
をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の
方が好ましい。
【0089】円筒状導電性支持体とは回転することによ
りエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持
体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm
以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円
度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難に
なる。
【0090】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0091】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0092】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0093】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0094】又本発明に最も好ましく用いられる中間層
はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有
機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中
間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜
厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0095】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0096】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0097】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0098】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0099】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0100】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0101】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0102】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0103】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜40μmが好ましい。
【0104】保護層 保護層として本発明の樹脂層を感光体の表面に設けるこ
とにより、本発明の最も好ましい層構成を有する感光体
を得ることができる。
【0105】尚、本発明の表面層とは感光体の表面を形
成している層のことを意味し、必ずしも保護層とは限ら
ない。
【0106】中間層、感光層等の層形成に用いられる溶
媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルア
ミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、ト
リエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−
ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプ
ロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−
トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサ
ン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパ
ノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシ
ド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれら
に限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用
いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の
混合溶媒として用いることもできる。
【0107】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないた
め、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は
円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗
布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお本発明
の樹脂層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが
最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば
特開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0108】図1は本発明の画像形成方法の1例として
の画像形成装置の断面図である。図1に於いて50は像
担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層を
ドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した
感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52
はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム
50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えら
れる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形
成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を
用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面
の除電をしてもよい。
【0109】感光体への一様帯電の後、像露光器(像露
光手段)53により画像信号に基づいた像露光が行われ
る。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオ
ードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー53
1、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を
曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静
電潜像が形成される。
【0110】ここで反転現像とは帯電器52により、感
光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち
感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程(手段)
により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部
電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電
位により現像されない。
【0111】その静電潜像は次いで現像器(現像手段)
54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーと
キャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設け
られていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転
する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像
器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送
量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪
拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給
量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像
剤の搬送量は適用される電子写真感光体の線速及び現像
剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200m
g/cm2の範囲である。
【0112】現像剤は、例えばフェライトをコアとして
そのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカー
ボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分子量ポリオ
レフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を
外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制
部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現
像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像ス
リーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バ
イアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感
光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。
感光体の電位測定は電位センサー547を図1のように
現像位置上部に設けて行う。
【0113】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0114】転写域においてはトナーと逆極性の電荷を
付与する転写電極(転写手段)58により感光体上のト
ナーが給紙された記録紙Pに転写される。
【0115】次いで記録紙Pは分離電極(分離手段)5
9によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面より
分離して定着装置(定着手段)60に搬送され、熱ロー
ラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によって
トナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外
部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極
59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退
避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0116】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブ
レード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、
再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯
電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0117】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0118】本発明の画像形成方法及び画像形成装置は
電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンタ
ー及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一
般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディス
プレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置
にも幅広く適用することができる。
【0119】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0120】合成例 ポリカーボネート(A)の合成 水酸化ナトリウム3.7(kg)を水42(l)に溶解
し、更に水温を20℃に保ちながら2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパノール2(kg)、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン6(kg)
及びハイドロサルファイト8(g)を溶解した。更に、
メチレンクロライド28(l)を加えて攪拌しながら、
p−t−ブチルフェノール78(g)を加えた。次いで
ホスゲン2.34(kg)を60分かけて吹き込んだ
後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、更にトリエチル
アミン8(g)を加えて、60分間攪拌を行った。反応
液を水相と有機層に分離し、有機相をリン酸で中和した
後、洗液が中性になるまで水洗を行った後、イソプロパ
ノール35(l)を加えて重合物を沈殿させ、濾過、乾
燥を行い、水酸基を有するポリカーボネート(A)を作
製した。得られたポリカーボネート(A)の粘度平均分
子量(Mv)を測定したところ30,000であった。
【0121】感光体1の作製 下記の様に感光体1を作製した。
【0122】 〈下引き層〉 チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬製) 30部 シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17部 2−プロパノール 150部 上記塗布液を用いてφ100mmの円筒形の導電性支持
体上に、乾燥膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0123】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、ブ ラッグ角2θ(±0.2)の27.2度に最大ピークを有するチタニルフタロシ アニン) 60部 シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700部 2−ブタノン 2000部 を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生
層を形成した。
【0124】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 225部 ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300部 酸化防止剤(例示化合物1−3) 6部 ジクロロメタン 2000部 を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0125】 〈保護層〉 ポリカーボネート(A) 400部 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 300部 1,3−ジオキソラン 5000部 トルエン 1000部 を混合し、均一に溶解した。その後、トルイレンジイソ
シアネート(TDI:日本ポリウレタン社製)20部を
加えて溶解し、塗布液を調製した。この塗布液を前記電
荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により乾燥膜厚3
μmの保護層を形成し、120℃、1時間の加熱硬化を
行い、ポリカーボネートを架橋した保護層を有する感光
体1を作製した。
【0126】感光体2の作製 感光体1において保護層に用いた塗布液に酸化防止剤
(例示化合物2−1)2部を加えた以外は感光体1と同
様にしてポリカーボネートを架橋した保護層を有する感
光体2を作製した。
【0127】感光体3の作製 感光体1と同様にして電荷輸送層まで作成した。
【0128】 〈保護層〉 ポリカーボネート(A) 400部 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 300部 フッ素系アクリルグラフトポリマー(GF300:東亜合成社製) 5部 1,3−ジオキソラン 5000部 トルエン 1000部 を混合し、均一に溶解した。次いで平均粒径0.2μm
のPTFE粒子(ルブロンL2:ダイキン工業社製)2
0部を加え、サンドミルで10時間分散してコーティン
グ液を調製した。その後、トルイレンジイソシアネート
(TDI:日本ポリウレタン社製)20部を加えて溶解
させて得た塗布液を用い、前記電荷輸送層の上に円形量
規制型塗布装置により乾燥膜厚3μmの保護層を形成
し、120℃、1時間の加熱硬化を行い、ポリカーボネ
ートを架橋した保護層を有する感光体3を作製した。
【0129】感光体4の作製 感光体1において保護層に用いた塗布液の電荷輸送性物
質を例示化合物(B−1)の反応性電荷輸送性化合物に
代えた以外は感光体1と同様にしてポリカーボネートを
架橋した保護層を有する感光体4を作製した。
【0130】感光体5の作製 感光体1において電荷発生層までは同様にして作製し
た。
【0131】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 225部 ポリカーボネート(A) 300部 酸化防止剤(例示化合物1−3) 6部 ジクロロメタン 2000部 を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液にジイソシアネート化合物(TDI)25部を加
えて溶解させ、電荷発生層の上に円形量規制型塗布装置
により乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、110
℃、1時間の加熱硬化を行い、ポリカーボネートを架橋
した電荷輸送層を有する感光体5を作製した。
【0132】感光体6の作製(比較例用感光体) 感光体1において保護層を設置せず、120℃、1時間
の加熱乾燥を行い、感光体6を作製した。
【0133】1.評価 評価機としてコニカ社製デジタル複写機Konica7
075(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転
写、爪分離、ブレードクリーニング、クリーニング補助
ブラシローラー採用プロセスを有する)を用い、該複写
機に感光体1〜6を搭載し評価した。クリーニング性及
び画像評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、
ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオ
リジナル画像をA4中性紙にコピーして行った。環境条
件は最も厳しいと思われる高温高湿環境(30℃、80
%RH)にて連続20万枚コピー行いハーフトーン、ベ
タ白画像、ベタ黒画像を作製し下記の評価を行った。
【0134】評価基準 画像濃度(マクベス社製RD−918を使用して測定。
紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
初期及び1万枚コピー毎20万枚コピーまで評価し
た。) ◎:黒ベタ画像が1.2以上 ○:黒ベタ画像が1.2未満〜1.0 ×:黒ベタ画像が1.0未満 解像度(文字画像の判別容易性で判定) ○:初期と20万枚コピー後の解像度に差がない △:ハーフトーン画像で20万枚コピー後の解像度に軽
微な低下有り ×:20万枚コピー後の解像度に顕著な低下有り クリーニング性(10万、15万及び20万枚コピー終
了後にA3紙に連続10枚複写を行い、ベタ白部でのト
ナーのすり抜け発生の有無で判定) ◎:20万枚でトナーのすり抜け発生なし ○:15万枚までトナーのすり抜け発生なし ×:10万枚未満でトナーのすり抜け発生 ブレードめくれ ◎:20万枚まで発生なし ○:軽微な部分めくれあり ×:ブレードめくれ発生 2.クリーニングブレードの起動トルク測定 20万枚コピー後のドラムカートリッジを用い、複写機
本体のドラム軸に連結したトルクゲージ(MODEL
6BTG:TOHNICHI社製)を回転させて起動ト
ルクを測定した。測定は5回行い、平均値を採用した。 3.感光体膜厚減耗量 減耗量は実写評価開始時と20万枚コピー終了時に測定
した感光体の平均膜厚の差分を求め、膜厚減耗量とし
た。
【0135】膜厚測定法 感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定
し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦
電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行
い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とす
る。
【0136】その他評価条件 尚、デジタル複写機Konica7075を用いたその
他の評価条件は下記の条件に設定した。
【0137】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0138】現像条件 DCバイアス;−550V 現像剤は、フェライトをコアとして絶縁性樹脂をコーテ
ィングしたキャリアとポリエステル系樹脂粒子に、シリ
カ、酸化チタン等を外添したトナーの現像剤を使用。
【0139】転写条件 転写極;コロナ帯電方式 クリーニング条件 クリーニング部に硬度67°、反発弾性55%、厚さ2
(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウ
ンター方向に線圧19(g/cm)となるように重り荷
重方式で当接した。
【0140】評価結果を結果を表1に示した。
【0141】
【表1】
【0142】表1から明らかなように本発明の樹脂層を
表面層に用いた感光体1〜5は本発明外の感光体6に比
し、膜厚減耗量及びクリーニング性が改善されている。
更に画像濃度、解像度等の画像特性も優れており、画像
特性及びクリーニング性の両方が安定していることが示
されている。
【0143】
【発明の効果】前記実施例からも明らかなように本発明
の樹脂層を表面層として有する感光体を用いることによ
り、クリーニングブレード等との擦過に対する耐摩耗特
性、及びクリーニング性が改善され、長期に亘って鮮明
で、良好な画像を形成できる電子写真画像を提供出来
る。又、本発明は該感光体の製造方法、該感光体を用い
た画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッ
ジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成
装置の断面図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体) 51 帯電前露光部 52 帯電器 53 像露光器 54 現像器 541 現像スリーブ 543,544 現像剤攪拌搬送部材 547 電位センサー 57 給紙ローラー 58 転写電極 59 分離電極(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるポリカーボネー
    トを架橋してなる樹脂層を有することを特徴とする電子
    写真感光体。 式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは
    未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアリール
    基、置換若しくは未置換のアルケニル基を表し、R2
    水酸基又は水酸基を含有する有機基、R3〜R10は水素
    原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換のアルキル
    基、置換若しくは未置換のアリール基、置換若しくは未
    置換のアルケニル基、置換若しくは未置換のアルコキシ
    基、置換若しくは未置換のアラルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 前記ポリカーボネートの架橋が架橋剤を
    用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記架橋剤がポリイソシアネート化合物
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写
    真感光体。
  4. 【請求項4】 前記樹脂層が電荷輸送性化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記ポリカーボネートを架橋してなる樹
    脂層が電荷輸送性基により修飾されていることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 前記樹脂層が、酸化防止剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記樹脂層が、数平均粒径5nm〜5μ
    mの微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記微粒子がフッ素原子を含有する有機
    微粒子であることを特徴とする請求項7に記載の電子写
    真感光体。
  9. 【請求項9】 前記樹脂層が表面層であることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光
    体。
  10. 【請求項10】 導電性支持体上に少なくとも樹脂層を
    設けてなる電子写真感光体の製造方法において、該樹脂
    層は前記式(1)で表される水酸基を持つポリカーボネ
    ート及び架橋剤を含有する塗布液を塗布した後、硬化す
    ることにより形成されることを特徴とする電子写真感光
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記塗布液が電荷輸送性化合物を含有
    することを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光
    体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記電荷輸送性化合物が反応性電荷輸
    送性化合物であることを特徴とする請求項11に記載の
    電子写真感光体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記反応性電荷輸送性化合物が水酸基
    を有する電荷輸送性化合物であることを特徴とする請求
    項12に記載の電子写真感光体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記架橋剤がポリイソシアネート化合
    物であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか
    1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記樹脂層が表面層であることを特徴
    とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の電子写
    真感光体の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電工程、像露光
    工程、現像工程、クリーニング工程の各工程を経て画像
    形成することを特徴とする画像形成方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の画像形成方法を用
    いることを特徴とする画像形成装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に用いられる画像形成装置
    に用いられるプロセスカートリッジにおいて、請求項1
    〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と帯電器、
    像露光器、現像器、クリーニング器のいずれか1つとが
    一体に組み合わされており、該画像形成装置に出し入れ
    自由に構成されていることを特徴とするプロセスカート
    リッジ。
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