JP2021174883A - 金属板、金属樹脂複合体、および半導体ディバイス - Google Patents

金属板、金属樹脂複合体、および半導体ディバイス Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、金属板と樹脂部材とで閉空間を形成したときの、当該閉空間内と当該閉空間外との間での密閉性を向上させることが可能な金属板を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の金属板は、樹脂部材により被覆される被覆領域を表面に有するものであって、前記金属板と前記樹脂部材とを含む部材で形成される閉空間内から当該閉空間外へ当該金属板の表面を走査する方向に対して交差するように、前記金属板の表面から窪んで形成された少なくとも1つの筋状凹部を含む凹部形成領域が存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、金属板、金属樹脂複合体、および半導体ディバイスに関する。
従来より、金属材と、その表面に設けて表面を被覆する樹脂部材との密着性を向上させるため、種々の技術が開示されている。例えば、特許文献1に開示される技術では、リードフレームとして用いられる金属板の表面に凹凸を形成し、さらに凸部の先端を押し潰してカギ部を形成しており、それにより、金属板とその表面を被覆する樹脂部材との間の密着性を向上させている。
特開2007−258587号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術のように、従来の技術では、金属板とその表面を被覆する樹脂部材との間の密着性については向上させ得るものの、金属板と当該樹脂部材とを含む部材で閉空間を形成した場合に、当該閉空間内と当該閉空間外との間での密閉性については向上させる余地があった。特に、当該金属板をリードフレームとした半導体ディバイスに用いる際、金属板および樹脂部材等を含む部材で半導体チップを封入させて閉空間を形成するところ、密閉性が不十分の場合、その間から水分が閉空間外から閉空間内へ浸透するおそれがあり、浸透した場合には、リードフレームと電気的に接続されて使用時に発熱する半導体チップが水分と接触して動作不良を起こし得る。
そこで、本発明の一実施形態では、金属板と樹脂部材とを含む部材で閉空間を形成したときの、当該閉空間内と当該閉空間外との間での密閉性を向上させることが可能な金属板、金属樹脂複合体および半導体ディバイスを提供することを目的とする。
本発明の金属板は、一実施形態において、樹脂部材により被覆される被覆領域を表面に有する金属板であって、
前記金属板と前記樹脂部材とを含む部材で形成される閉空間内から当該閉空間外へ当該金属板の表面を走査する方向に対して交差するように、前記金属板の表面から窪んで形成された少なくとも1つの筋状凹部を含む凹部形成領域が存在する、金属板である。
本発明の樹脂複合体は、一実施形態において、上記の金属板と、当該金属板の被覆領域を覆って配置された樹脂部材とを備える、金属樹脂複合体である。
本発明の半導体ディバイスは、一実施形態において、上記の金属樹脂複合体と、当該金属樹脂複合体の前記リードフレームと電気的に接続された半導体チップとを備える、半導体ディバイスである。
本発明によれば、金属板と樹脂部材とを含む部材で閉空間を形成したときの、当該閉空間内と当該閉空間外との間での密閉性を向上させることが可能な金属板、金属樹脂複合体および半導体ディバイスを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る金属板を模式的に示す平面図である。 図1の金属板の被覆領域周辺を拡大して模式的に示す平面図である。 図1の金属板を、金属板の被覆領域に樹脂部材を配置した状態で模式的に示す平面図である。 図3のa−a線に沿う断面を模式的に示す図である。 図1の凹部形成領域の一部をその長手方向に直交する断面を拡大して示す図である。 図5の凹部形成領域の1本の筋状凹部をその長手方向に直交する断面を拡大して示す図である。 図6の筋状凹部の変形例をその長手方向に直交する断面を拡大して示す図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)を詳細に説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の金属板は、図1に示すように、樹脂部材11(図3および図4参照)により被覆される被覆領域A1を表面に有する金属板10であり、金属板10は、特に限定されるものではないが、銅、アルミニウムもしくは鉄又はそれらの合金等を含む材料より形成することができる。
本実施形態の金属板10は、金属板10と樹脂部材11とを含む部材で閉空間を形成するために用いることができ、当該閉空間に、例えば水分に接触すると動作不良を起こしたり故障したりする恐れのある半導体チップやその他の機器などの封入物を封入することができる。
より詳細には、本実施形態の金属板10は、図1に示すように、全体として板状であり、その用途に合わせた形状を有することができる。具体的には、図1の金属板10は、平面視で中央に、金属板10の両面に開口して該両面を貫通する開口部12が設けられており、開口部12の周囲に位置する方形状の金属片部10a(図中には大きい金属片部10aが4つ、小さい金属片部10aが2つ存在している)と、金属片部10aと連結部10bで接続された外周部10cと、を含んで構成されている。また、各金属片部10aは、それぞれの開口部12側の部分が開口部12の内側に向かって延びる張出部分10dとなっている。
また、金属板10は、図1、図2に示すように、表面の中に、樹脂部材11により被覆される被覆領域A1を表面に有している。具体的には、金属板10の張出部分10dの両方の表面上には、図1および図2に示すように被覆領域A1が設けられている。
そして、本実施形態の金属板10では、図3、図3の断面図である図4に示すように、金属板10の当該被覆領域A1に樹脂部材11が配置され得る。さらに、金属板10には、樹脂部材11が金属板10の表面を覆うように樹脂部材11が設けられることで、金属板10と樹脂部材11とを含む部材で閉空間S1を区画し形成する(以下、閉空間S1を区画するものを区画部材とも称す)。
具体的に図示の例では、図3および図4に示すように、樹脂部材11(第1樹脂部材11a)が、金属板10の両側の表面の被覆領域A1に、また、隣り合う金属片部10a(被覆領域A1)の間を連結するように、金属板10の開口部12の内側の部分(空間)に、配置されている。さらに、図示の例では、金属板10の開口部12の内側周辺に閉空間S1が形成されている。つまり、図示の例では、金属板10の両方の表面に被覆領域A1が存在し、両方の表面に存在する被覆領域A1にそれぞれ樹脂部材11が設けられ、閉空間S1が形成されている。
このようにして形成された閉空間S1は、閉空間S1の内部に封入物を封入する空間(領域)が形成されていれば、区画部材と封入物との間には、空間(隙間)が存在していてもよいし、空間(隙間)が存在していなくてもよい(図4の例では、空間(隙間)が存在している)。また、この例では、図1に示すように、金属板10の両面を貫通する開口部12を有する金属板10を用いて、開口部12内に封入物を配置し、開口部12付近から開口部12内に閉空間S1を形成させているが、金属板10の表面上に封入物を配置して、それを覆うように閉空間S1を形成させることもできる。
また、本実施形態において、被覆領域A1に配置する樹脂部材11は、樹脂材料を含むものであれば特に限定されず、一つの種類の樹脂材料からなるものであっても、複数の樹脂材料を混合あるいは積層させたものであってもよく、さらに、樹脂材料には接着性を備える樹脂材料(接着剤)も含む。また、閉空間S1を形成する部材(区画部材)は、金属板10と樹脂部材11の他、放熱性を有する部材を用いることができ、例えば、本実施形態の金属板以外の、銅製やアルミニウム合金製などの金属板10であってもよい(例えば、図4の例では、区画部材として、蓋材17(金属製(銅製)の板)を用いている)。
ここで、本実施形態の金属板10では、上記の被覆領域A1に、金属板10の表面から窪んで形成された少なくとも1つの筋状凹部13を含む凹部形成領域A2が設けられ、また、筋状凹部13は、金属板10と樹脂部材11とで形成する閉空間S1内から閉空間S1外へ金属板10の表面を走査する方向に対して交差している。
より詳細には、図2に示すように、凹部形成領域A2は、被覆領域A1内に、より具体的には金属板10の金属片部10aの被覆領域A1内に、当該凹部形成領域A2の全体が被覆領域A1内に含まれるように形成されており、金属板10の表面から窪んで形成された少なくとも1本(図示の例では、10本)の筋状凹部13を含む。筋状凹部13は、上記のように形成される閉空間S1内から閉空間S1外へ金属板10の表面を走査する方向(以下、走査方向とも称す)に対して交差しており、換言すれば、筋状凹部13は、走査方向に対して傾斜もしくは直交し、走査方向に沿う方向にならないようになっている。なお、図示の例では、各凹部形成領域A2中のそれぞれの筋状凹部13は、図1に示すように、走査方向(図中の矢印Ds)に対して直交している。
図示の例では、凹部形成領域A2に含まれる筋状凹部13が複数本であるが、複数の筋状凹部13は、互いに平行になるよう設けられる。なお、凹部形成領域A2中に筋状凹部13が複数本含まれる場合、筋状凹部13は上述のように互いに厳密に平行に延びなくてもよいが、互いに交差しないことが好ましい。例えば一の筋状凹部13の延在方向と他の筋状凹部13の延在方向とで形成される角度(鋭角側)が5°以下であれば許容され得る。
また、凹部形成領域A2は、被覆領域A1内に、その全体が含まれるように設けられることが好ましいが、凹部形成領域A2の一部が被覆領域A1内にあり、他の一部が被覆領域A1外にあってもよい。たとえば、凹部形成領域A2が被覆領域A1内側から外側へ延在していてもよい。また、金属板10の表面には、被覆領域A1以外の部分に例えば筋状に延びる凹部が別途形成されていてもよい。
このように、本実施形態において、被覆領域A1に、筋状凹部13を含む凹部形成領域A2が設けられ、また、筋状凹部13を走査方向に対して交差するように配置することにより、金属板10と当該樹脂部材11とを含む部材で閉空間S1を形成したときの、当該閉空間S1内と当該閉空間S1外との間での密閉性を向上させることができる。
より詳細には、被覆領域A1に、筋状凹部13を含む凹部形成領域A2が設けられることにより、金属板10の表面を被覆する樹脂部材11が筋状凹部13の内部に入り込んでアンカー効果を効果的に発揮することができると考えられ、金属板10とその表面を被覆する樹脂部材11との間の密着性を向上させることができる。また、この際、筋状凹部13を走査方向に対して交差するように配置することにより、閉空間S1内と閉空間S1外との間での密閉性も向上させることができる。具体的には、水分などの流体の、閉空間S1外から閉空間S1内への浸透は、金属板10と樹脂部材11との間(界面)を通ることで生じ得るところ、筋状凹部13を走査方向に対して交差するように配置することにより、流体が浸透する際に筋状凹部13内に嵌まり込んだ樹脂部材11の界面を横切ることを要することとなる。したがって、流体が浸透することを妨げることができ、その結果、密閉性を向上させることができる。なお、例えば筋状凹部13に代えて、金属板10の表面から窪んで形成された点状凹部とした場合には、被覆領域A1内に、点状凹部間の平坦な部分が存在し、流体の浸透を十分に妨げることができない。
また、後述するように、筋状凹部13がプレス加工で形成される場合、潰した部分の金属材料(肉)が筋状凹部13の周囲に逃げる。その結果、筋状凹部13の短手方向に金属板10の表面から***した凸状の筋が形成される。これにより、筋状凹部13だけでなく、筋状凸部によっても、流体の浸透を妨げることができる。
なお、この例では、図4に示すように、凹部形成領域A2が金属板10の両方の表面に設け、その両方の表面に設けられた凹部形成領域A2に配置した樹脂部材11と、金属板10を含む部材により閉空間S1が形成されている。このように、本実施形態では、閉空間S1が、金属板10の両方の表面に配置された樹脂部材11を含んで形成される場合には、金属板10の一方の表面の被覆領域A1と、他方の表面の被覆領域A1との両方に凹部形成領域A2がそれぞれ設けられることが好ましく、これにより、密閉性をより向上させることができる。
ところで、凹部形成領域A2は、図2に示すように、凹部形成領域A2の長手方向両端部14が、金属板10の縁に位置している。より詳細には、凹部形成領域A2(図示の例では、金属片部10aの張出部分10dに位置する凹部形成領域A2)の長手方向両端部14は、金属板10の縁の中でも開口部12の周囲の縁に位置し、且つ、凹部形成領域A2の長手方向中間部15は、当該開口部12から離間している。換言すれば、凹部形成領域A2に含まれる筋状凹部13の長手方向両端部16が、金属板10(図示の例では、金属片部10aの張出部分10d)の表面内で終端せず、開口部12の周囲の縁まで延びている(なお、凹部形成領域A2の長手方向両端部14は筋状凹部13の長手方向両端部16でもある)。また、凹部形成領域A2の長手方向中間部15、具体的には端部以外の部分が、開口部12の周囲の縁から離間し、金属板10(図示の例では、金属片部10aの張出部分10d)の表面内に位置している。
このように、本実施形態において、凹部形成領域A2の長手方向両端部14が、金属板10の縁に位置することにより、凹部形成領域A2の長手方向両端部14が金属板10の縁以外の部分、例えば、金属板10の表面中に位置する場合と比較して、より密閉性を向上させることができる。具体的には、凹部形成領域A2の長手方向両端部14が金属板10の縁以外の部分、例えば、金属板10の表面中に位置する場合には、水分等の流体が凹部形成領域A2の長手方向端部から、長手方向に凹部形成領域A2内に入り込んで筋状凹部13の内部に沿って移動して、閉空間S1外から閉空間内への浸透するおそれがある。一方、凹部形成領域A2の長手方向両端部14が、金属板10の縁に位置する場合には、樹脂部材11が金属板10の表面の被覆領域A1から金属板10の縁に回り込んで縁も覆うことができるので、水分等の流体が浸透することをより確実に妨げることができ、その結果、密閉性を向上させることができる。
さらに、凹部形成領域A2の長手方向両端部14が、金属板10の縁の中でも開口部12の周囲の縁に、位置し、且つ、凹部形成領域A2の長手方向中間部15が、当該開口部12から離間することにより、凹部形成領域A2の端部からの水分等の流体の浸透を防ぐとともに、凹部形成領域A2の長手方向中間部15での水分等の流体の浸透もより防ぐことができる。
なお、本実施形態においては、凹部形成領域A2は長手方向に両方の端部を有するが、例えば無端とすることもできる。この場合、金属板10の表面上に凹部形成領域A2の端部がなく、凹部形成領域A2は、平面視で、例えば環状など閉じた形状にすることができる。
ここで、凹部形成領域A2に含まれる筋状凹部13は、凹部形成領域A2の断面図である図5に示されるように、深さD(mm)、幅W(mm)を有する。
凹部形成領域A2に含まれる筋状凹部13の深さDは、0.010mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.030mm以上である。深さDを0.010mm以上にすることにより、閉空間S1内と閉空間S1外との間での密閉性をより向上させることができる。また、深さDを0.030mm以上とすることにより、密閉性を十分に向上させることができ、これにより、例えば、樹脂部材11を金属板10に配置した金属樹脂複合体20を加熱しても、密閉性をより確保することができる。
また、密閉性の観点からは深さDの上限値は特に限定されないが、金属板10の寸法精度を確保し強度等の物性への影響を避ける観点からは、深さDは金属板10の厚さの50%以下であることが好ましい。また具体的な値としては、深さDは0.050mm以下であることが好ましい。
凹部形成領域A2に含まれる筋状凹部13の幅Wは、0.030〜0.400mmであることが好ましく、より好ましくは0.040〜0.300mmである。幅Wを上記の範囲とすることにより、効果的にアンカー効果を発揮しやすくなり閉空間S1内と閉空間S1外との間での密閉性をより向上させることができる。
凹部形成領域A2の筋状凹部13の深さD(mm)の、筋状凹部13の幅W(mm)に対する比率を、0.2以上とすることが好ましく、より好ましくは0.4以上である。当該比率を0.2以上とすることにより、閉空間S1内と閉空間S1外との間での密閉性をより向上させることができる。
また、密閉性の向上の観点からは特にその上限値は限定されないが、凹部形成領域A2の効率的な形成の観点からは、凹部形成領域A2の筋状凹部13の深さD(mm)の、筋状凹部13の幅W(mm)に対する比率を、1.5以下とすることが好ましく、より好ましくは1.0以下であり、さらに好ましくは0.9以下である。
なお、筋状凹部13の深さDは、図5に示すように、筋状凹部13の開口部から底面まで金属板10の厚み方向に沿って測った最大深さを意味し、例えば、筋状凹部13の開口部の縁が、金属板10の表面よりもわずかに盛り上がる場合(例えば、後述するように、金属板10の表面に筋状凹部13を形成するためのプレス加工した場合には、プレス時の肉流れにより、筋状凹部13の開口部の縁が、図面からは明らかではないが、盛り上がる形状になる。)、深さDを測定するための起点である筋状凹部13の開口部は、そのように金属板10の表面よりも盛り上がった頂点を指す(以下、筋状凹部13の開口部の縁が、金属板10の表面よりもわずかに盛り上がる場合には、筋状凹部13の開口部とは開口部の中でもその頂点を指すものとする)。
また、筋状凹部13の幅Wは、筋状凹部13の長手方向に直交する断面において、筋状凹部13の開口部での幅である。
そして、図5に示すように、凹部形成領域A2に筋状凹部13が複数含まれる場合には、隣り合う筋状凹部13はピッチ長P(mm)の間隔で設けられる。
隣り合う筋状凹部13のピッチ長P(mm)は、図5に示すように、筋状凹部13が配列される周期であり、具体的には、筋状凹部13の長手方向に直交する断面において、筋状凹部13の幅W(mm)に、隣り合う筋状凹部13間の離隔距離L(mm)を足り合わせた長さである。
また、隣り合う筋状凹部13間の離隔距離L(mm)は、筋状凹部13の長手方向に直交する断面において、一方の筋状凹部13の開口部から、隣り合う他方の筋状凹部13の開口部までの距離である。
隣り合う筋状凹部13間の離隔距離Lは、0.040〜0.500mmであることが好ましく、より好ましくは0.060〜0.500mmであり、さらに好ましくは0.070〜0.300mmである。当該離隔距離Lを上記の範囲とすることにより、効果的にアンカー効果を発揮しやすくなり閉空間S1内と閉空間S1外との間での密閉性をより向上させることができる。
凹部形成領域A2に含まれる筋状凹部13の本数は、1本以上であれば特に限定されないが、2本以上であることが好ましく、より好ましくは5本以上である。当該本数を2本以上とすることにより、効果的に密閉性を向上させることができる。
また、密閉性の観点からはその上限値は特に限定されないが、当該本数は15本以下であることが好ましい。当該本数を15本以下とすることにより、金属板10の寸法精度を確保し強度等の物性への影響を避けることができる。
ここで、本実施形態において、筋状凹部13の形状は、特に限定されず任意にすることができる。図示の例では、図6に示すように、被覆領域A1から外側に向かって開く開口部に連なって該筋状凹部13を区画する内面13aを有する。そして、該内面13aは、筋状凹部13の最も深い箇所に位置する平面状の底面13bと、開口部と底面13bとをつなぐ側面13cとで形成されている。
このような平面状の底面13bを有する筋状凹部13では、その底面13bが、開口部の面積に対して20%〜60%の面積を有することが好ましい。筋状凹部13の底面13bの面積が、開口部の面積の20%を下回ると、筋状凹部13の内面13aが深くなるにつれて先細りになりすぎることにより、底面13b付近に樹脂部材11が入り込みにくくなって、そこに比較的大きな空気層が形成されるおそれがある。一方、筋状凹部13の底面13bの面積が、開口部の面積の60%を超える場合は、底面13bと側面13cとが交わる部分の角部が鋭くなり、そこに樹脂部材11が入り込みにくくなって比較的大きな空気層が形成されることが懸念される。底面13bの面積は、開口部の面積の40%〜60%とすることがより一層好ましい。
なお、図6に示すように、断面視で略直線状になる側面13cは、底面13bに立てた垂線に対して2°〜10°の範囲内の角度θで傾斜することが好適である。この傾斜角度θが大きすぎると、アンカー効果が十分に得られないことが懸念される。傾斜角度θが小さいと、筋状凹部13を例えばプレス加工により形成する場合において、プレス加工で使用するパンチで筋状凹部13を形成した際に、パンチが筋状凹部13から抜けにくくなるおそれがある。
あるいは、図7に示す変形例のように、側面から底面にかけて曲面状の内面13dを有する筋状凹部13とすることも可能である。図7に示す筋状凹部13の内面13dは、開口部から側面を経て底面に至るまで曲面状であり、さらに言えば、該曲面状は断面視で円弧状である。
このような曲面状の内面13dを有する筋状凹部13も、その全体にわたって樹脂が充填されやすいので、空気層の形成抑制の観点から好適である。
ところで、凹部形成領域A2は、曲線状の筋状凹部13や直線状の筋状凹部13を含んでいてもよいが、図2や図3に示すように、直線状の筋状凹部13を含むことが好ましい。直線状の筋状凹部13を含むことにより、金型部品を作りやすく、生産性を高くすることができる。
また、本実施形態においては、金属板10の表面のうち少なくとも凹部形成領域A2が存在する表面部分が粗化面であることが好ましく、具体的には、当該表面部分の算術平均粗さRaが0.4μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、さらに好ましくは0.8μm以上である。金属板10の表面のうち少なくとも凹部形成領域A2が存在する表面部分を粗化面とすることにより、より効果的に密閉性を向上させることができる。また、当該表面部分の粗さRaを0.4μm以上とすることにより、さらに効果的に密閉性を向上させることができる。
また、密閉性の観点からはその上限値は特に限定されないが、粗さRaが大きくなりすぎるとその形成の効率性が低下する傾向があることから当該粗さRaは2.0μm以下であることが好ましい。
ここでいう算出平均粗さRaは、JIS B0601に準拠して測定する。なお、上記の粗化面は、粗化処理を施すことができる。粗化面は、実体顕微鏡やSEMにより確認可能である。粗化処理が施されていない場合は光沢面になり、粗化処理を施すと非光沢面になるので、目視でも判別可能である。
ところで、図4に示すように、図示の金属板10は、金属板10の両方の表面上に被覆領域A1を有し、両方の被覆領域A1上に凹部形成領域A2が設けられている。また、図示の例では、一方の凹部形成領域A2に含まれる筋状凹部13と他方の凹部形成領域A2に含まれる筋状凹部13とは、それぞれ同じ形状および寸法となっている。
ただし、本実施形態において、凹部形成領域A2は、金属板10の両方の表面上ではなく一方の表面上だけに設けられていてもよい。また、両方の表面上に設けられる場合には、それぞれの凹部形成領域A2に含まれる筋状凹部13は形状や寸法が異なっていてもよい。
そして、図4に示すように、それぞれの凹部形成領域A2が、金属板10の断面視において、交互に(千鳥状に)設けられていることが好ましく、厚さ方向で重複していないことがより好ましい。このようにすることで深さDをより大きく取っても金属板10の寸法精度を確保し強度等の物性への影響を避けることができる。
さらに好ましくは、厚さ方向から視たときに、一方の表面の筋状凹部13の開口部が、他方の表面の筋状凹部13の開口部より筋状凹部13のピッチ長P(mm)の1/2までずれて位置している。
また、ここで、本実施形態における金属板10の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1〜3.0mmとすることができ、当該厚さの範囲にすることにより、半導体ディバイスに好適に用いやすくすることができる。
以上に述べたような金属板10は、その被覆領域A1に樹脂部材11が配置される種々の用途に用いることが可能であるが、なかでも、半導体ディバイスに使用されることに特に適している。半導体ディバイスに用いる場合には、本実施形態の金属板10はリードフレームとして用いることができ、金属板10の被覆領域A1が位置する部分および閉空間S1内に位置する金属板10の部分をインナーリードとすることができ、また、当該インナーリードに続く、閉空間S1の外部領域に位置する金属板10の部分をアウターリードとすることができる。具体的には、図2に示す金属板10をリードフレームとして用いる場合には、例えば、開口部12の内側を半導体チップを配置する領域とし、その周囲の金属片部10aのうち、被覆領域A1が位置する部分およびそれよりも開口部12側の部分をインナーリードとし、被覆領域A1よりも金属板10の周囲側の部分をアウターリードとすることができる。また、金属板10の外周部10cをリードフレーム全体を支える外枠とすることができる。
また、上記の金属板10は、樹脂部材11との密着性や密閉性が高いことから、たとえば、防水コネクタ又は、防水性を必要とするカメラ部品もしくはスマートフォン部品等のインサート部品に用いることも好適である。
また、図3に示す、被覆領域A1に樹脂部材11を配置した状態で示す金属板10(換言すれば、後述の金属樹脂複合体20)では、図示の手前側を表側とし、奥側を裏側としているが、ここでの表側および裏側とは、金属板10の両方の表面のうちの一方の表面と、その裏側の他方の表面とを区別するために用いたものであり、「表側」と「裏側」とを入れ替えて解釈することも可能である。
さらに、図示は省略するが、凹部形成領域A2内に、金属板10の両方の表面に開口する穴部を設けることができる。これにより、穴の中にも樹脂が充填されるので強度向上が期待できる。
続いて、本実施形態の金属板10の製造方法について説明する。
本実施形態において、まず、非加工の板状金属材料を、プレス加工等の方法で図1に示すような所望の形状にして凹部形成領域A2が形成されていない金属板10を得る。ついで、この凹部形成領域A2が形成されていない金属板10のうちの所望の位置(図1の例では、金属片部10aの張出部分10dの被覆領域A1)に、凹部形成領域A2を形成するための、表面に筋状凸部が少なくとも1本設けられたパンチを用いてプレス加工を行う。なお、図4に示す例のように、金属板10の両方の表面上に、凹部形成領域A2が設けられる場合には、凹部形成領域A2が形成されていない金属板10に対して、両方の表面のうち一方の表面から順にプレス加工を施すこともできるが、特に、図4に示すように、それぞれの凹部形成領域A2が金属板10の断面視において、交互に(千鳥状に)設けられている場合には、両方の表面に対して、同時にプレス加工を施すことが好ましい。両方の表面から同時に行うことにより、金属板10の形状や寸法をより維持しやすい。
なお、金属板10の筋状凹部13を形成するためのパンチについて、パンチの筋状凸部の形状は、特に限定されず、例えば、筋状凸部の長手方向に直交する断面形状を台形状や砲弾形状(台形状の角を曲面にした形状であり、例えば円形状または楕円形状)とすることができる。しかし、金属板10の形状や寸法を十分に維持しつつ、筋状凹部13の深さDをより確保する観点からは、砲弾形状が好ましい。
また、金属板10の筋状凹部13をこのようにプレス加工した場合であって、筋状凹部13の長手方向の端部が金属板10の縁に位置する場合には、筋状凹部13の端部が位置する金属板10の縁(側面)には、プレス加工によって金属の肉がはみ出し(盛り上がり)、凹凸形状ができる。
続いて、本実施形態の金属板10の製造方法においては、上記のように凹部形成領域A2を設けた後、金属板10の寸法が大きくなった場合には(例えば、プレス加工等によって寸法が大きくなった場合)、所望の寸法に合致するよう、広がった部分を切断(プレス打ち抜き)することができる。
さらに、凹部形成領域A2を設け、任意の追加の切断を行った後、金属板10の表面を粗化処理することができる。粗化処理を行う場合には、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの化学酸化剤等を用いて行うことができる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。粗化処理に用いられる粗化液は、一般にpH調整剤などとして水酸化ナトリウムなどのアルカリを含む。
次いで、本実施形態の金属樹脂複合体20について説明する。
本実施形態の金属樹脂複合体20は、図3、図4に示すように、先述の本発明の実施形態の金属板10と、当該金属板10の被覆領域A1を覆って配置された樹脂部材11とを備える。
より詳細には、金属樹脂複合体20は、図示の例では、図4に示すように、樹脂部材11(第1樹脂部材11a)が、金属板10の両方の表面に位置する被覆領域A1に配置され、凹部形成領域A2を覆うように形成されるが、このように、樹脂部材11が、凹部形成領域A2を覆うことで、樹脂部材11は、凹部形成領域A2の筋状凹部13の内部に入り込んだ状態とすることができる。また、この例の金属樹脂複合体20は、金属板10の両方の表面に位置する被覆領域A1に樹脂部材11が配置されるとともに、金属板10の開口部12の内側に、相互に離間する被覆領域A1を連結するように樹脂部材11が設けられている。このように、この例の金属樹脂複合体20では、金属板10の被覆領域A1上に樹脂部材11を配置し、また、金属板10の開口部12の内側にも樹脂部材11を配置することで、金属樹脂複合体20の開口部12内の開口面が、金属板10自体の有する開口部12の開口面よりも狭くなっており、そのように配置した樹脂部材11が平面視で方形状に閉じた形状を形成している。なお、本実施形態の金属樹脂複合体20は、図4の破線に示す、第2樹脂部材11b、樹脂部材11としての接着剤11cも備えていてもよい(第2樹脂部材11bは第1樹脂部材11aの表面上に、接着剤11cを介して積層するように設けられている。なお、図3では第2樹脂部材11bは省略している。)。
樹脂部材11の材料としては、特に限定されないが、例えば、液晶ポリマー、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。特に、液晶ポリマーは金属との接合性が悪いため、本実施形態の金属樹脂複合体20はより金属と樹脂部材11との密閉性が改善される。なお、図示の例のように、被覆領域A1上に第1樹脂部材11aを設けた後、さらに閉空間S1を形成するための部材を設ける場合には、被覆領域A1上に設ける第1樹脂部材11aは、上記のように、特に限定されないが、例えば、液晶ポリマー、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができ、特に、液晶ポリマーを用いる場合には、本実施形態の金属樹脂複合体20はより金属と樹脂部材11との密閉性が改善される。
金属板10の被覆領域A1への樹脂部材11の配置は、たとえば、インサート成形等により行うことができる。
また、図示の金属樹脂複合体20は、金属板10の両方の表面のそれぞれに被覆領域A1と凹部形成領域A2とを有し、また、両方の表面の被覆領域A1上に樹脂部材11が配置されているが、図示は省略するが、一方の表面のみに、被覆領域A1および凹部形成領域A2が形成されること、及び/又は、一方の表面のみに樹脂部材11が配置されることもある。
また、本実施形態の金属樹脂複合体20において、金属板10を、半導体チップが電気的に接続されるリードフレームとして用いることができる。
なお、図示の例の金属樹脂複合体20の樹脂部材11は、その厚さが数ミリ程度であり、金属板10と樹脂部材11とを含む部材で閉空間S1が形成されていない。しかし、本実施形態の金属樹脂複合体20は、金属板10と、当該金属板10の被覆領域A1を覆って配置された樹脂部材11とを備えるものであり、当該金属板10と当該樹脂部材11とを含む部材で閉空間S1が形成されているものも、図3に示すように金属板10と樹脂部材11とを含む部材で閉空間S1が形成されていなくても、その後の工程を経ることで金属板10と樹脂部材11とを含む部材で閉空間S1が形成されるものであってもよい。
つまり、図示の例のような金属樹脂複合体20は、金属板10と樹脂部材11とを含む部材で閉空間S1が形成されていないが、金属板10をリードフレームとして用い、半導体チップを開口部12内に配置した後に、先に金属板10に設けた樹脂部材11(第1樹脂部材11a)と同じ材料または異なる材料の樹脂部材11(第2樹脂部材11b)と、それら樹脂部材11(第1樹脂部材11aと第2樹脂部材11b)の間に設けた、樹脂部材11としての接着剤11cと、銅製の蓋材17とで、先に設けた樹脂部材11(第1樹脂部材11a)を含むように覆うことで、閉空間S1が形成された半導体ディバイスを得ることができる。このようにして得られた半導体ディバイスにおける閉空間S1は、第1樹脂部材11aと第2樹脂部材11bを含む樹脂部材11と、金属板10と、蓋材17とによって、形成されている。
続いて、本実施形態の半導体ディバイスについて説明する。
本実施形態の半導体ディバイスは、先述の本発明の実施形態の金属樹脂複合体20と、当該金属樹脂複合体20のリードフレームと電気的に接続された半導体チップとを備える。より詳細には、金属板10の張出部分10dと半導体チップ(図示せず)とがボンディングワイヤを介して接続され得る。
本実施形態の半導体ディバイスでは、先述の本発明の実施形態の金属板10を、半導体チップと電気的に接続されたリードフレームとすることができる。リードフレームは、たとえば、半導体チップを配置するダイパッドと、ダイパッドの周囲のインナーリードやアウターリード等のリードと、リードフレーム全体を支える外枠とを有するものがあるが、図1等に示す金属板10は、開口部12を有し、ダイパッドを設けていないが、このような場合には、図4に示すように、金属樹脂複合体20の下面側の表面上に半導体チップを配置する蓋材17を設けて、そこに半導体チップを配置することができる。
本実施形態の半導体ディバイスの製造方法は、特に限定されないが、先述の本発明の実施形態の金属樹脂複合体20として、図3に示すように閉空間S1が形成される前のものを用い、半導体チップを所定の位置に配置し、さらに当該半導体チップとリードフレームとを電気的に接続した後、閉空間S1を形成するための部材(例えば、図示の例では樹脂部材11(第2樹脂部材11bおよび接着剤11c)、蓋材17)で封止することで、製造することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記の例に限定されることは無く、本発明には、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではない。
実施例において、樹脂部材を配置した金属板を作製し、密閉性を検証した。
まず、実施例および比較例で用いた金属樹脂複合体、またその評価方法について以下説明する。
実施例1の金属樹脂複合体は、図1に示すような金属板を用い、樹脂部材をインサート成形により被覆領域に配置して作製した図3に示すような金属樹脂複合体である。具体的には、銅で形成された厚さ0.150mmの金属板を用い、凹部形成領域が金属板の両面に設けられていた。凹部形成領域は、10本の筋状凹部を含み、幅Wが0.040mm、ピッチ長Pが0.100mmであった。また、金属板の表面は、粗化処理されており、算術平均粗さが0.5μmであった。なお、筋状凹部の深さDは表1に示す。また、樹脂部材は表1に示すものを用いたが、インサート成形では、樹脂部材が十分に流動して各筋状凹部に充填されるような条件で、樹脂部材を配置した。
実施例2〜5の金属樹脂複合体は、表1に示すように深さDを変化させた以外、実施例1と同様に製造した。また、比較例1の金属樹脂複合体は、凹部形成領域(および筋状凹部)を設けなかった以外、実施例1と同様に製造した。
なお、実施例、比較例で用いた樹脂部材は、LCP樹脂(JX液晶株式会社製、M−350B)を用いた。
各実施例・比較例の金属樹脂複合体は、レッドチェック試験を行って、図3に示すように配置した樹脂部材と金属板との間を赤色の試験液が浸透するかどうかを検証した。具体的には、金属樹脂複合体の開口部の周囲の縁に、試験液を針金の先端で微量塗布し、0.5時間放置し、樹脂部材の外側に漏れなければ(浸透していなければ)良好とした。各実施例、比較例について、用いた金属樹脂複合体は、加熱前の金属樹脂複合体を5検体、加熱後(260℃2時間)の金属樹脂複合体を5検体とした。表1において、5検体のうち、漏れがなかった検体数nをn/5と表記し、n=0の場合を×、1≦n≦4の場合を〇、n=5の場合を◎とした。
Figure 2021174883
表1よりわかるように、金属板の被覆領域に凹部形成領域を設けた実施例1〜5は、密閉性の向上が確認された。また、筋状凹部の深さDを0.030mm以上とした実施例3〜5では、金属樹脂複合体を加熱しても密閉性を確保していることが確認された。
本発明によれば、金属板と当該樹脂部材とを含む部材で閉空間を形成したときの、当該閉空間内と当該閉空間外との間での密閉性を向上させることが可能な金属板、金属樹脂複合体および半導体ディバイスを提供することができる。
10:金属板
10a:金属片部
10b:連結部
10c:外周部
10d:張出部分
10e:金属板の縁
11:樹脂部材
11a:樹脂部材(第1樹脂部材)
11b:樹脂部材(第2樹脂部材)
11c:接着剤
12:開口部
13:筋状凹部
13a、13d:内面
13b:底面
13c:側面
14:(凹部形成領域の)長手方向端部
15:(凹部形成領域の)長手方向中間部
16:(筋状凹部の)長手方向端部
17:蓋材
20:金属樹脂複合体
A1:被覆領域
A2:凹部形成領域
S1:閉空間
Ds:走査方向
D:深さ
W:幅
P:ピッチ長
L:離隔距離

Claims (14)

  1. 樹脂部材により被覆される被覆領域を表面に有する金属板であって、
    前記金属板と前記樹脂部材とを含む部材で形成される閉空間内から当該閉空間外へ当該金属板の表面を走査する方向に対して交差するように、前記金属板の表面から窪んで形成された少なくとも1つの筋状凹部を含む凹部形成領域が存在する、金属板。
  2. 前記凹部形成領域が前記被覆領域内に形成されている、請求項1に記載の金属板。
  3. 前記凹部形成領域の長手方向両端部が、前記金属板の縁に位置する、請求項1または2に記載の金属板。
  4. 前記金属板が、当該金属板の両面を貫通する開口部を有し、
    前記凹部形成領域の長手方向両端部が前記開口部の周囲の縁に位置し、且つ、前記凹部形成領域の長手方向中間部は、当該開口部から離間する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属板。
  5. 前記凹部形成領域の前記筋状凹部の深さD(mm)の、当該筋状凹部の幅W(mm)に対する比率が0.2以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属板。
  6. 前記凹部形成領域の前記筋状凹部の深さDが0.010mm以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属板。
  7. 前記金属板が銅または銅合金により形成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属板。
  8. 前記凹部形成領域が、平面視で直線状の筋状凹部を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属板。
  9. 前記凹部形成領域が複数の筋状凹部を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属板。
  10. 前記金属板の表面のうち少なくとも前記凹部形成領域が存在する表面部分は、算術平均粗さが0.5μm以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の金属板。
  11. 前記凹部形成領域が前記金属板の両方の表面に存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の金属板。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の金属板と、当該金属板の被覆領域を覆って配置された樹脂部材とを備える、金属樹脂複合体。
  13. 前記金属板が、半導体チップが電気的に接続されるリードフレームである、請求項12に記載の金属樹脂複合体。
  14. 請求項13に記載の金属樹脂複合体と、当該金属樹脂複合体の前記リードフレームと電気的に接続された半導体チップとを備える、半導体ディバイス。
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