JP2021174003A - Euvリソグラフィ用反射型マスクブランク - Google Patents

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Abstract

【課題】位相差175度〜185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)をもつと同時に、エッチングしやすく、表面の平滑性が高い吸収層を備えた、ハーフトーン型に適したEUVマスクブランクを提供する。【解決手段】基板11上に、EUV光を反射する反射層12と、EUV光を吸収する吸収層14とがこの順に形成されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク1aであって、吸収層が、タンタル(Ta)と、ニオブ(Nb)とを含有し、(ラザフォード後方散乱分光法(RBS)で測定される)吸収層におけるTaとNbとの組成比(at%)(Ta:Nb)が4:1〜1:4の範囲であり、out of plane XRD法で、2θ:20°〜50°に観測される吸収層由来の回折ピーク中、最も強度の高いピークの半値幅FWHMが1.0°以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造等に使用されるEUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外)リソグラフィ用反射型マスクブランク(以下、本明細書において、「EUVマスクブランク」という。)に関する。
従来、半導体産業において、Si基板等に微細なパターンからなる集積回路を形成する上で必要な微細パターンの転写技術として、可視光や紫外光を用いたフォトリソグラフィ法が使用されてきた。しかし、半導体デバイスの微細化が加速する一方で、従来のフォトリソグラフィ法の限界に近づいてきた。フォトリソグラフィ法の場合、パターンの解像限界は露光波長の1/2程度である。液浸法を用いても露光波長の1/4程度と言われており、ArFレーザ(193nm)の液浸法を用いても20nm〜30nm程度が限界と予想される。そこで20nm〜30nm以降の露光技術として、ArFレーザよりさらに短波長のEUV光を用いた露光技術のEUVリソグラフィが有望視されている。本明細書において、EUV光とは、軟X線領域または真空紫外線領域の波長の光線を指す。具体的には波長10nm〜20nm程度、特に13.5nm±0.3nm程度の光線を指す。
EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすく、かつこの波長で物質の屈折率が1に近い。そのため、従来の可視光または紫外光を用いたフォトリソグラフィのような屈折光学系を使用できない。このため、EUVリソグラフィでは、反射光学系、すなわち反射型フォトマスクとミラーとが使用される。
一方で、光の短波長化とは別に、位相シフトマスクを利用した解像度向上技術が提案されている。位相シフトマスクは、マスクパターンの透過部を、隣接する透過部とは異なる物質または形状とすることにより、それらを透過した光に180度の位相差を与えるものである。したがって両透過部の間の領域では、180度位相の異なる透過回折光同士が打ち消し合い、光強度が極めて小さくなって、マスクコントラストが向上し、結果的に転写時の焦点深度が拡大するとともに転写精度が向上する。なお、位相差は原理上180度が最良であるが、実質的に175度〜185度程度であれば、解像度向上効果は十分得られる。
位相シフトマスクの一種であるハーフトーン型マスクは、マスクパターンを構成する材料として、露光光に対する半透過性の薄膜を吸収層として用い、透過率を数%程度(通常は基板透過光に対して2.5%〜15.0%程度)まで減衰させつつ、通常の基板透過光と175度〜185度程度の位相差を与えることで、パターンエッジ部の解像度を向上させ、転写精度を向上させる位相シフトマスクである。
ここで、ハーフトーン型マスクにおける、透過率の適正範囲について説明する。従来のエキシマレーザ用のハーフトーン型マスクでは、露光波長である紫外線に対して、吸収層の透過率が一般的には2.5%〜15.0%という光学条件を満足することが望ましい。この理由として、まず露光波長での吸収層の透過率が2.5%未満だと、隣接した透過パターン部を透過した光の回折光が重なり合ったとき、打ち消しあい効果が小さくなる。逆に透過率が15.0%を超えてしまうと、露光条件によってはレジストの解像限界を越えてしまい、吸収層を光が透過した領域に余分なパターンができてしまう。
EUV露光は反射光学系を用い、NA(開口数)が小さいうえに、波長が短いため、特有の課題として、ミラーやマスクの表面凹凸の影響を受けやすく、目標とする微細な線幅を精度良く解像することは容易ではない。このため、従来のエキシマレーザ露光等で用いられているハーフトーン型マスクの原理を、反射光学系を用いたEUV露光においても適用可能とするハーフトーン型EUVマスクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
EUVマスクのような反射型マスクにおいても、位相シフト効果による解像度向上の原理は同じであるので、上記の「透過率」が「反射率」に置き換わるだけで、その適正値はほとんど同じである。すなわち、吸収層におけるEUV光の反射率が2.5%〜15.0%であることが、反射層からのEUV光の反射光と、吸収層からのEUV光の反射光との位相差が175度〜185度の場合における(以下、本明細書において、「位相差175度〜185度における」と記載する。)、反射率の選択性の広さ(自由度)が広くなるため、望ましいと考えられる。
ハーフトーン型EUVマスクの使用は、原理的にはEUVリソグラフィにおいて、解像性を向上させる、有効な手段である。しかし、ハーフトーン型EUVマスクにおいても最適な反射率は、露光条件や転写するパターンに依存し、一概に決めることは難しい。
以上のことから、ハーフトーン型EUVマスクにおける吸収層は、位相差175度〜185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)をもつと同時に、エッチングしやすい膜が要求される。
特許文献1に記載の発明では、吸収層の材料として、Ta(タンタル)およびNb(ニオブ)を有する材料を選定することで、反射率の選択性の広さ(自由度)を持つと同時に、エッチングの加工精度が高くなるとしている。
特許第5266988号
しかし、TaとNbとの化合物は高い結晶性を有しており、吸収層の材料として用いた場合、膜の表面粗さが大きい、パターンニング後のラインエッジラフネス(LER)が大きいなどの課題があることが明らかになった。
一方、バイナリ型のEUVマスクにおいて、TaNやTaBNなどの窒化物を吸収層に用いることで、膜構造がアモルファス化することが知られているが、EUV光に対する反射率が2.0%未満と低すぎるため、ハーフトーン型EUVマスクの吸収層には不適である。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するため、位相差175度〜185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)をもつと同時に、エッチングしやすく、表面の平滑性が高い吸収層を備えた、ハーフトーン型EUVマスクに適したEUVマスクブランクの提供を課題とする。
本願発明者らは、上記課題を解決するため、基板上に、EUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収層とがこの順に形成されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、
吸収層が、タンタル(Ta)と、ニオブ(Nb)とを含有し、吸収層におけるTa(at%)とNb(at%)との組成比(Ta:Nb)が4:1〜1:4の範囲であり、
out of plane XRD法で、2θ:20°〜50°に観測される吸収層由来の回折ピーク中、最も強度の高いピークの半値幅FWHMが1.0°以上であることを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクを提供する。
本発明のEUVマスクブランクは、位相差175度〜185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)をもつと同時に、エッチングしやすく、表面の平滑性が高い吸収層を有するため、ハーフトーン型のEUVマスクに好適である。
図1は、本発明のEUVマスクブランクの1実施形態を示す概略断面図である。 図2は、本発明のEUVマスクブランクの別の1実施形態を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本発明のEUVマスクブランクを説明する。
図1は、本発明のEUVマスクブランクの1実施形態を示す概略断面図である。図1に示すEUVマスクブランク1aは、基板11上にEUV光を反射する反射層12と、反射層12の保護層13と、EUV光を吸収する吸収層14と、が、この順に形成されている。但し、本発明のEUVマスクブランクにおいて、図1に示す構成中、基板11、反射層12、および吸収層14のみが必須であり、保護層13は任意の構成要素である。
なお、反射層12の保護層13とは、吸収層14のパターン形成時に反射層12を保護する目的で設けられる層である。
以下、EUVマスクブランク1aの個々の構成要素を説明する。
基板11は、EUVマスクブランク用の基板としての特性を満たす。そのため、基板11は、低熱膨張係数(具体的には、20℃における熱膨張係数が0±0.05×10-7/℃が好ましく、特に好ましくは0±0.03×10-7/℃)を有し、平滑性、平坦度、およびマスクブランクまたはパターン形成後のフォトマスクの洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れる。基板11としては、具体的には低熱膨張係数を有するガラス、例えばSiO2−TiO2系ガラス等を用いるが、これに限定されず、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスや石英ガラスやシリコンや金属等の基板も使用できる。
基板11は、表面粗さ(rms)0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有すると、パターン形成後のフォトマスクにおいて高反射率および転写精度が得られるため好ましい。
基板11の大きさや厚さ等はマスクの設計値等により適宜決定される。後で示す実施例では外形6インチ(152mm)角で、厚さ0.25インチ(6.3mm)のSiO2−TiO2系ガラスを使用した。
基板11の反射層12が形成される側の表面に欠点が存在しないのが好ましい。しかし、欠点が存在していても、凹状欠点および/または凸状欠点によって位相欠点が生じなければよい。具体的には、凹状欠点の深さおよび凸状欠点の高さが2nm以下、かつこれら凹状欠点および凸状欠点の半値幅が60nm以下が好ましい。凹状欠点の半値幅とは、凹状欠点の深さの1/2深さ位置での幅を指す。凸状欠点の半値幅とは、凸状欠点の高さの1/2高さ位置での幅を指す。
反射層12は、EUVマスクブランクの反射層として所望の特性を有する限り特に限定されない。ここで、反射層12に特に要求される特性は、高EUV光線反射率である。具体的には、EUV光の波長領域の光線を入射角6度で反射層12表面に照射した際に、波長13.5nm付近の光線反射率の最大値が60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。また、反射層12の上に保護層13を設けた場合でも、波長13.5nm付近の光線反射率の最大値が60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。
反射層12としては、高EUV光線反射率を達成できるため、通常は高屈折率層と低屈折率層を交互に複数回積層させた多層反射膜が使用される。反射層12をなす多層反射膜において、高屈折率層には、Moが広く使用され、低屈折率層にはSiが広く使用される。すなわち、Mo/Si多層反射膜が最も一般的である。但し、多層反射膜はこれに限定されず、Ru/Si多層反射膜、Mo/Be多層反射膜、Mo化合物/Si化合物多層反射膜、Si/Mo/Ru多層反射膜、Si/Mo/Ru/Mo多層反射膜、Si/Ru/Mo/Ru多層反射膜も使用できる。
反射層12をなす多層反射膜を構成する各層の膜厚および層の繰り返し単位の数は、使用する膜材料および反射層に要求されるEUV光線反射率に応じて適宜選択できる。Mo/Si多層反射膜を例にとると、EUV光線反射率の最大値が60%以上の反射層12とするには、多層反射膜は膜厚2.3±0.1nmのMo層と、膜厚4.5±0.1nmのSi層とを繰り返し単位数が30〜60になるように積層させればよい。
なお、反射層12をなす多層反射膜を構成する各層は、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等、周知の成膜方法を用いて所望の厚さに成膜すればよい。例えば、イオンビームスパッタリング法を用いてSi/Mo多層反射膜を形成する場合、ターゲットとしてSiターゲットを用い、スパッタガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300V〜1500V、成膜速度0.030nm/sec〜0.300nm/secで厚さ4.5nmになるようにSi膜を成膜し、次に、ターゲットとしてMoターゲットを用い、スパッタガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300V〜1500V、成膜速度0.030nm/sec〜0.300nm/secで厚さ2.3nmになるようにMo膜を成膜するのが好ましい。これを1周期として、Si膜およびMo膜を40周期〜50周期積層することによりSi/Mo多層反射膜が成膜される。
反射層12表面の酸化を防止するため、反射層12をなす多層反射膜の最上層は酸化されにくい材料の層とするのが好ましい。酸化されにくい材料の層は反射層12のキャップ層として機能する。キャップ層として機能する酸化されにくい材料の層の具体例としては、Si層がある。反射層12をなす多層反射膜がSi/Mo多層反射膜である場合、最上層をSi層とすることにより、該最上層がキャップ層として機能する。その場合キャップ層の膜厚は、11±2nmが好ましい。
保護層13は、エッチングプロセス、通常はドライエッチングプロセスにより吸収層14にパターン形成する際に、反射層12がエッチングプロセスによりダメージを受けないよう、反射層12の保護を目的として設けられる。したがって保護層の材質としては、吸収層14のエッチングプロセスによる影響を受けにくい、つまりこのエッチング速度が吸収層14よりも遅く、しかもこのエッチングプロセスによるダメージを受けにくい物質が選択される。上記の特性を満たすため、保護層13は、ルテニウム(Ru)を含有する材料からなることが好ましい。Ruを含有する材料の具体例としては、RuおよびRu化合物(RuB、RuSi、RuNb、RuTi、RuY、RuZr、RuLa等)が例示される。Ruを含有する材料としては、当該材料中にRuを40.0at%以上含有する材料が好ましく、より好ましくは50.0at%以上、さらに好ましくは55.0at%以上含有する材料である。
保護層13の厚さは1nm〜20nmが好ましく、1nm〜5nmがより好ましい。
保護層13は、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等の周知の成膜方法を用いて成膜する。マグネトロンスパッタリング法によりRu膜を成膜する場合、ターゲットとしてRuターゲットを用い、スパッタガスとしてArガス(ガス圧1.0×10-2Pa〜1.0×100Pa)を使用して投入電圧30V〜1500V、成膜速度0.020nm/sec〜1.000nm/secで厚さ2nm〜5nmとなるように成膜するのが好ましい。
上記したように、ハーフトーン型EUVマスクにおける吸収層は、位相差175度〜185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)をもつと同時に、エッチングしやすく、表面の平滑性が高いことが求められる。
本発明のEUVマスクブランク1aでは、吸収層14が、タンタル(Ta)と、ニオブ(Nb)とを含有し、ラザフォード後方散乱分光法(RBS)で測定される吸収層14におけるTa(at%)とNb(at%)との組成比(Ta:Nb)が4:1〜1:4の範囲である。上記組成の吸収層14は、位相差175度〜185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)を持つと同時に、エッチングの加工精度が高い。Nbが1:4の組成比(Ta:Nb)より多いと、EUV光学定数の消衰係数kが低くなり、EUV反射率が高くなりすぎるため、ハーフトーン型EUVマスクの吸収層として十分な効果が得られず、また吸収層の洗浄液耐性が低下する。
一方、Taが4:1の組成比(Ta:Nb)より多いと、EUV光学定数の消衰係数kが高くなり、EUV反射率が低くなりすぎるため、ハーフトーン型EUVマスクの吸収層として十分な効果が得られない。
吸収層14におけるTaとNbとの組成比(Ta:Nb)は、3:1〜1:3の範囲が好ましく、7:3〜3:7の範囲がより好ましい。
ハーフトーン型EUVマスクの吸収層は、EUV光学定数の屈折率nが0.935〜0.963であり、消衰係数kが、0.008〜0.030であるのが好ましい。
本発明のEUVマスクブランク1aでは、吸収層14が上記組成であることに加えて、out of plane XRD法で、2θ:20°〜50°に観測される吸収層由来の回折ピーク中、最も強度の高いピークの半値幅FWHM(以下、本明細書中、半値幅FWHMと言う。)が1.0°以上である。これにより、結晶性が抑制され、吸収層14表面の平滑性が高くなる。
具体的には、吸収層14表面の表面粗さ(rms)が、0.50nm以下が好ましく、0.40nm以下がより好ましく、0.30nm以下がさらに好ましい。
本発明における吸収層14は、半値幅FWHMが2.0°以上が好ましく、3.0°以上がより好ましい。また本発明における吸収層14は、半値幅FWHMが8.0°以下が好ましく、6.0°以下がより好ましく、5.0°以下がさらに好ましい。
半値幅FWHMが1.0°以上の吸収層14は、吸収層14形成時の成膜条件の制御によっても得ることができる。
例えば、ガス圧をより高くする、投入電力をより低くする、スパッタターゲットと基板との距離をより長くする、からなる群から選ばれる少なくとも一種を実施することによっても得ることができる。
本発明のEUVマスクブランク1aでは、吸収層14が、TaおよびNbに加えて、さらに、水素(H)、ボロン(B)、窒素(N)および酸素(O)からなる群から選択される少なくとも1つを所定量含有することでも、半値幅FWHMが1.0°以上の吸収層が得られる。
吸収層14がBを含有する場合、吸収層におけるB含有量が5.0at%以上であれば、半値幅FWHMが1.0°以上の吸収層が得られる。但し、吸収層におけるB含有量が多すぎると、吸収層の洗浄液耐性が低下するため、20.0at%以下が好ましい。
吸収層におけるB含有量は、7.0at%〜15.0at%が好ましく、8.0at%〜12.0at%がより好ましい。
吸収層14がNを含有する場合、吸収層におけるN含有量が10.0at%以上であれば、半値幅FWHMが1.0°以上の吸収層が得られる。但し、吸収層におけるN含有量が多すぎると、吸収層の洗浄液耐性が低下するため、35.0at%以下が好ましい。
吸収層におけるN含有量は、15.0at%〜30.0at%がより好ましく、20.0at%〜25.0at%がさらに好ましい。
吸収層14がHを含有する場合、吸収層におけるH含有量が0.1at%以上であれば、半値幅FWHMが1.0°以上の吸収層が得られる。但し、吸収層におけるH含有量が多すぎると、吸収層の洗浄液耐性が低下するため、15.0at%以下が好ましく、13.0at%以下がより好ましい。
吸収層におけるH含有量は、0.1at%〜10.0at%がより好ましく、0.1at%〜8.0at%がさらに好ましい。
吸収層14がOを含有する場合、吸収層におけるO含有量が1.0at%以上であれば、半値幅FWHMが1.0°以上の吸収層が得られる。但し、吸収層におけるO含有量が多すぎると以下の問題がある。吸収層14のように、Taを含有する吸収層のエッチングは、フッ素系ガスを用いたドライエッチング、および酸素ガスを含まない塩素系ガスを用いたドライエッチングの順に行う。吸収層におけるO含有量が多すぎると、酸素を含まない塩素系ガスを用いたドライエッチングのエッチングレートが急激に低下する。そのため、吸収層におけるO含有量が20.0at%以下が好ましい。
吸収層におけるO含有量は、2.0at%〜15.0at%がより好ましく、5.0at%〜10.0at%がさらに好ましい。
吸収層14が、H、B、NおよびOからなる群から選択される2種以上を含有する場合、吸収層におけるそれら2種以上の元素の含有量をそれぞれ上記範囲とすることで、半値幅FWHMが1.0°以上の吸収層が得られ、かつ吸収層の洗浄液耐性が良好になる。
TaおよびNbに加えて、さらに、H、B、NおよびOからなる群から選択される少なくとも1つを含有する吸収層14は、公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法またはイオンビームスパッタリング法により形成できる。
スパッタリング法によって、Ta、NbおよびBを含有する吸収層を形成する場合、不活性ガス雰囲気中で、Taターゲットと、Nbターゲットと、Bターゲットとを用いたスパッタリング法、Taと、Nbと、Bとを含有するターゲットを用いたスパッタリング法、Taと、Nbとを含有するターゲットと、Bターゲットとを用いたスパッタリング法、Taと、Bとを含有するターゲットと、Nbターゲットとを用いたスパッタリング法、または、Taを含有するターゲットと、Nbと、Bとを含有するターゲットを用いたスパッタリング法を実施すればよい。マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタガス:Arガス(ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)
成膜速度:2.0nm/min〜60.0nm/min、好ましくは3.5nm/min〜45.0nm/min、より好ましくは5nm/min〜30.0nm/min
ターゲット面積当たりの投入電力密度:0.3W/cm2〜13.0W/cm2、好ましくは0.6W/cm2〜12.0W/cm2、より好ましくは1.0W/cm2〜10.0W/cm2
ターゲットと基板間距離:50mm〜500mm、好ましくは100mm〜400mm、より好ましくは150mm〜300mm
スパッタリング法によって、Ta、NbおよびNを含有する吸収層を形成する場合、不活性とN2とを含む雰囲気中で、Taターゲットと、Nbターゲットとを用いたスパッタリング法、または、Taと、Nbとを含むターゲットを用いたスパッタリング法を実施すればよい。マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(N2ガス濃度1.0vol%〜80.0vol%、好ましくは2.0vol%〜75.0vol%、より好ましくは3.0vol%〜70.0vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)
成膜速度:2.0nm/min〜60.0nm/min、好ましくは3.5nm/min〜45.0nm/min、より好ましくは5.0nm/min〜30.0nm/min
ターゲット面積当たりの投入電力密度:0.3W/cm2〜13.0W/cm2、好ましくは0.6W/cm2〜12.0W/cm2、より好ましくは1.0W/cm2〜10.0W/cm2
ターゲットと基板間距離:50mm〜500mm、好ましくは100mm〜400mm、より好ましくは150mm〜300mm
スパッタリング法によって、Ta、NbおよびHを含有する吸収層を形成する場合、不活性ガスとH2とを含む雰囲気中で、Taターゲットと、Nbターゲットとを用いたスパッタリング法、または、Taと、Nbとを含むターゲットを用いたスパッタリング法を実施すればよい。マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタガス:ArとH2の混合ガス(H2ガス濃度1.0vol%〜80.0vol%、好ましくは2.0vol%〜75.0vol%、より好ましくは3.0vol%〜70.0vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)
成膜速度:2.0nm/min〜60.0nm/min、好ましくは3.5nm/min〜45.0nm/min、より好ましくは5.0nm/min〜30.0nm/min
ターゲット面積当たりの投入電力密度:0.3W/cm2〜13.0W/cm2、好ましくは0.6W/cm2〜12.0W/cm2、より好ましくは1.0W/cm2〜10.0W/cm2
ターゲットと基板間距離:50mm〜500mm、好ましくは100mm〜400mm、より好ましくは150mm〜300mm
スパッタリング法によって、Ta、NbおよびOを含有する吸収層を形成する場合、不活性ガスとO2とを含む雰囲気中で、Taターゲットと、Nbターゲットとを用いたスパッタリング法、または、Taと、Nbとを含むターゲットを用いたスパッタリング法を実施すればよい。マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(O2ガス濃度0.5vol%〜80.0vol%、好ましくは1.0vol%〜75.0vol%、より好ましくは2.0vol%〜70.0vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)
投入電力:30W〜1000W、好ましくは50W〜750W、より好ましくは80W〜500W
成膜速度:2.0nm/min〜60nm/min、好ましくは3.5nm/min〜45nm/min、より好ましくは5nm/min〜30nm/min
ターゲット面積当たりの投入電力密度:0.3W/cm2〜13.0W/cm2、好ましくは0.6W/cm2〜11.0W/cm2、より好ましくは1.0W/cm2〜9.0W/cm2
ターゲットと基板間距離:50mm〜500mm、好ましくは100mm〜400mm、より好ましくは150mm〜300mm
EUVマスクブランク1aにおける吸収層14は、膜厚が50nm〜75nmが好ましい。
位相差175度〜185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)をもつためには、EUV光の波長領域の光線を入射角6度で吸収層14表面に照射した際の波長13.5nm付近の光線反射率を、吸収層表面のEUV光線反射率とし、EUV光の波長領域の光線を入射角6度で反射層12表面に照射した際の波長13.5nm付近の光線反射率を、反射層表面のEUV光線反射率とするとき、吸収層表面のEUV光線反射率と、反射層表面のEUV光線反射率との相対反射率((吸収層表面のEUV光線反射率/反射層表面のEUV光線反射率)×100)が、2.5%〜15.0%が好ましい。
なお、反射層12からのEUV光の反射光と、吸収層14からのEUV光の反射光との位相差が175度〜185度であることが、位相シフトマスクとしての効果が最大化されるため好ましいが、反射層12からのEUV光の反射光と、吸収層14からのEUV光の反射光との位相差が150度〜220度であれば、位相シフトマスクとしての効果を得ることができる。
本発明のEUVマスクブランク1aは、吸収層14表面の平滑性が高い。具体的には、吸収層14表面の表面粗さ(rms)が0.50nm以下が好ましく、0.40nm以下がより好ましく、0.30nm以下がさらに好ましい。また吸収層14表面の表面粗さ(rms)が0.01nm以上が好ましい。
なお、後述する実施例では、吸収層14表面の表面粗さ(rms)を原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)を用いて測定しているが、JIS−B0601−2001に基づき表面粗さ(rms)を測定することもできる。
一般的に、ハーフトーン型EUVマスクは、その作製プロセスにおいても、露光での使用期間においても、酸やアルカリ等を用いた洗浄液による洗浄に度重なり晒される。
本発明のEUVマスクブランク1aは、吸収層14の洗浄液耐性が高いことが好ましい。具体的には、後述する実施例に記載の手順でSPM耐性試験を2回実施した際、吸収層14の減少量が0.50nm以下が好ましい。
吸収層の緻密性が高いほど洗浄液耐性が高くなる傾向があるため、本発明のEUVマスクブランク1aは、吸収層14の密度が10.0g/cm3〜15.0g/cm3が好ましい。
平坦度が高いほど、パターン形成後のフォトマスクにおいて高いEUV光の反射率および転写精度が得られるため、本発明のEUVマスクブランク1aは、吸収層14が形成された面の平坦度(トータルbow)が300nm以下が好ましい。なおEUVマスクブランクの平坦度は、例えばフジノン社製平坦度測定機によって測定することができる。
図2は、本発明のEUVマスクブランクの別の1実施形態を示す概略断面図である。図2に示すEUVマスクブランク1bは、基板11上にEUV光を反射する反射層12と、反射層12の保護層13と、EUV光を吸収する吸収層14と、マスクパターンの検査に使用する検査光における低反射層15と、ハードマスク層16と、が、この順に形成されている。
EUVマスクブランク1bの構成要素のうち、基板11、反射層12、保護層13、および吸収層14は、上記したEUVマスクブランク1aと同様であるので省略する。
低反射層15はマスクパターンの検査に使用する検査光において、低反射となる膜で構成される。EUVマスクを作製する際、吸収層にパターンを形成した後、このパターンが設計通りに形成されているか検査する。このマスクパターンの検査では、検査光として通常、波長190〜260nm程度の光を使用する。つまり、この波長190〜260nm程度の光の反射率の差、具体的には、吸収層14がパターン形成により除去されて露出した面と、パターン形成により除去されずに残った吸収層14表面と、の反射率の差によって検査される。ここで、前者は反射層12表面または保護層13表面である。したがって、検査光の波長に対する反射層12表面または保護層13表面と、吸収層14表面と、の反射率の差が小さいと検査時のコントラストが悪くなり、正確な検査ができない。
上記した構成の吸収層14は、検査光の波長について見た場合、光線反射率が必ずしも十分低いとは言えない。この結果、検査光の波長での吸収層14表面の反射率と、反射層12表面または保護層13表面の反射率と、の差が小さくなり、検査時のコントラストが十分得られない可能性がある。検査時のコントラストが十分得られないと、マスク検査においてパターンの欠陥を十分判別できず、正確な欠陥検査を行えない。
本発明のEUVマスクブランク1bでは、吸収層14上に検査光における低反射層15を形成すれば、検査光の波長での光線反射率が極めて低くなり、検査時のコントラストが良好となる。
低反射層15は、上記の特性を達成するため、検査光の波長の屈折率が吸収層14よりも低い材料で構成される。
上記の特性を達成するため、本発明のEUVマスクブランク1bでは、低反射層15の構成材料として、TaおよびOを含有する材料を用いることが好ましい。
低反射層15に用いるTaおよびOを含有する材料は、TaおよびO以外に、上記した他の元素を含有してもよい。TaおよびO以外に上記した他の元素を含有する材料の具体例としては、Nb、B、Nが挙げられる。
吸収層14上に低反射層15を形成する場合、両者の合計膜厚が50nm〜75nmが好ましい。
上記した構成の低反射層15は、公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法またはイオンビームスパッタリング法により形成できる。
例えば、低反射層15として、マグネトロンスパッタリング法を用いてTaONH膜を形成する場合、ターゲットとして、Taターゲットを用い、スパッタガスとして、ArとO2との混合ガス(H2ガス濃度1.0vol%〜50.0vol%、O2ガス濃度1.0vol%〜80.0vol%、N2ガス濃度1.0vol%〜80.0vol%、Arガス濃度5.0vol%〜95.0vol%、ガス圧1.0×10-1Pa〜5.0×100Pa)を使用して、投入電力30W〜3000W、成膜速度0.01nm/min〜60nm/minで、厚さ1.5nm〜30nmでの成膜が好ましい。
なお、Ar以外の不活性ガスを使用する場合、その不活性ガスの濃度が上記したArガス濃度と同じ濃度範囲にする。
EUVマスクブランク1bでは、EUV光の波長領域の光線を入射角6度で低反射層15表面に照射した際の波長13.5nm付近の光線反射率を、低反射層表面のEUV光線反射率とするとき、低反射層表面のEUV光線反射率と、反射層表面のEUV光線反射率との相対反射率((低反射層表面のEUV光線反射率/反射層表面のEUV光線反射率)×100)が、2.5%〜15.0%が好ましい。
EUVマスクブランク1bでは、反射層12からのEUV光の反射光と、低反射層15からのEUV光の反射光との位相差が175度〜185度が、位相シフトマスクとしての効果が十分得られるため好ましいが、反射層12からのEUV光の反射光と、低反射層15からのEUV光の反射光との位相差が150度〜220度であれば、位相シフトマスクとしての効果を得ることができる。
本発明のEUVマスクブランク1bは、低反射層15表面の表面粗さ(rms)が0.50nm以下が好ましく、0.40nm以下がより好ましく、0.30nm以下がさらに好ましい。また低反射層15表面の表面粗さ(rms)が0.01nm以上が好ましい。
本発明のEUVマスクブランク1bは、低反射層15の密度が5.0g/cm3〜8.5g/cm3が好ましく、5.0g/cm3〜8.2g/cm3がより好ましい。
なお、本発明のEUVマスクブランク1bにおいて、吸収層14上に低反射層15の形成が好ましいのは、パターンの検査光の波長とEUV光の波長とが異なるからである。したがって、パターンの検査光としてEUV光(波長13.5nm付近)を使用する場合、吸収層14上に低反射層15を形成する必要はないと考えられる。検査光の波長は、パターン寸法が小さくなるに伴い短波長側にシフトする傾向があり、将来的には193nm、さらには13.5nmにシフトすると考えられる。検査光の波長が13.5nmの場合、吸収層14上に低反射層15を形成する必要はないと考えられる。
ハードマスク層16は、吸収層14および低反射層15のエッチング条件におけるエッチング選択比が十分高いことが求められる。これを達成するため、吸収層14および低反射層15のエッチング条件に対して、ハードマスク層16が十分なエッチング耐性を有する必要がある。
上記したように、吸収層や低反射層がTaを含有する材料からなる場合、吸収層のエッチングは、フッ素系ガスを用いたドライエッチング、および酸素ガスを含まない塩素系ガスを用いたドライエッチングの順に行う。そのため、ハードマスク層16は、フッ素系ガスを用いたドライエッチング、および酸素ガスを含まない塩素系ガスを用いたドライエッチングに対して、高いエッチング耐性を有することが求められる。
上記した要求を満たすため、本発明のEUVマスクブランク1bのハードマスク層16は、クロム(Cr)と、NおよびOからなる群から選択される少なくとも一方を含有する。具体的には、例えば、CrおよびNを含有するCrN膜、CrおよびOを含有するCrO膜、Cr、OおよびNを含有するCrON膜が挙げられる。
ハードマスク層16の膜厚は、2nm〜30nmが好ましく、2nm〜25nmがより好ましく、2〜10nmがさらに好ましい。
上記のハードマスク層16は公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法を実施することにより形成できる。
スパッタリング法によって、CrO膜を形成する場合、He、Ar、Ne、Kr、Xeのうち少なくともひとつを含む不活性ガス(以下、単に不活性ガスと記載する。)と、O2ガスとを含む雰囲気中でCrターゲットを用いたスパッタリング法を実施すればよい。マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタガス:ArとO2の混合ガス
2ガス濃度15.0vol%〜100.0vol%、好ましくは20.0vol%〜80.0vol%
Arガス濃度0.0vol%〜85.0vol%、好ましくは20.0vol%〜80.0vol%
ガス圧5.0×10-2〜1.0×100Pa、好ましくは1.0×10-1〜8.0×10-1Pa、より好ましくは2.0×10-1〜4.0×10-1Pa
ターゲット面積当たりの投入電力密度:2.0W/cm2〜13.0W/cm2、好ましくは3.0W/cm2〜12.0W/cm2、より好ましくは4.0W/cm2〜10.0W/cm2
成膜速度:0.010nm/sec〜0.400nm/sec、好ましくは0.015nm/sec〜0.300nm/sec、より好ましくは0.020nm/sec〜0.200nm/sec
ターゲットと基板間距離:50mm〜500mm、好ましくは100mm〜400mm、より好ましくは150mm〜300mm
スパッタリング法によって、CrN膜を形成する場合、不活性ガスと、N2とを含む雰囲気中でCrターゲットを用いたスパッタリング法を実施すればよい。マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタガス:ArとN2の混合ガス
2ガス濃度15.0vol%〜100.0vol%、好ましくは20.0vol%〜80.0vol%
Arガス濃度0.0vol%〜85.0vol%、好ましくは20.0vol%〜80.0vol%
ガス圧5.0×10-2Pa〜1.0×100Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜8.0×10-1Pa、より好ましくは2.0×10-1Pa〜4.0×10-1Pa
ターゲット面積当たりの投入電力密度:2.0W/cm2〜13.0W/cm2、好ましくは3.0W/cm2〜12.0W/cm2、より好ましくは4.0W/cm2〜10.0W/cm2
成膜速度:0.010nm/sec〜0.400nm/sec、好ましくは0.015nm/sec〜0.300nm/sec、より好ましくは0.020nm/sec〜0.200nm/sec
ターゲットと基板間距離:50mm〜500mm、好ましくは100mm〜400mm、より好ましくは150mm〜300mm
スパッタリング法によって、CrON膜を形成する場合、不活性ガスと、O2と、N2とを含む雰囲気中でCrターゲットを用いたスパッタリング法を実施すればよい。マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタガス:ArとO2とN2の混合ガス
2ガス濃度14.9vol%〜99.9vol%、好ましくは20.0vol%〜80.0vol%
2ガス濃度0.1vol%〜85.0vol%、好ましくは0.5vol%〜80.0vol%
Arガス濃度0.0vol%〜85.0vol%、好ましくは20.0vol%〜80.0vol%
ガス圧5.0×10-2Pa〜1.0×100Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜8.0×10-1Pa、より好ましくは2.0×10-1Pa〜4.0×10-1Pa
ターゲット面積当たりの投入電力密度:2.0W/cm2〜13.0W/cm2、好ましくは3.0W/cm2〜12.0W/cm2、より好ましくは4.0W/cm2〜10.0W/cm2
成膜速度:0.010nm/sec〜0.400nm/sec、好ましくは0.015nm/sec〜0.300nm/sec、より好ましくは0.020nm/sec〜0.200nm/sec
ターゲットと基板間距離:50mm〜500mm、好ましくは100mm〜400mm、より好ましくは150mm〜300mm
なお、Ar以外の不活性ガスを使用する場合、その不活性ガスの濃度が上記したArガス濃度と同じ濃度範囲にする。また、複数種類の不活性ガスを使用する場合、不活性ガスの合計濃度を上記したArガス濃度と同じ濃度範囲にする。
本発明のEUVマスクブランク1bは、ハードマスク層16が形成された面の平坦度(トータルbow)が300nm以下であることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランク1a,1bは、反射層12、保護層13、吸収層14、低反射層15およびハードマスク層16、ならびに必要に応じて形成される保護層以外に、EUVマスクブランクの分野において公知の機能膜を有していてもよい。このような機能膜の具体例としては、例えば、特表2003−501823号公報に記載されているもののように、基板の静電チャッキングを促すために、基板の裏面側に施される高誘電性コーティングが挙げられる。ここで、基板の裏面とは、図1の基板11において、反射層12が形成されている側とは反対側の面を指す。このような目的で基板の裏面に施す高誘電性コーティングは、シート抵抗が100Ω/□以下となるように、構成材料の電気伝導率と厚さを選択する。高誘電性コーティングの構成材料としては、公知の文献に記載されているものから広く選択できる。例えば、特表2003−501823号公報に記載の高誘電率のコーティング、具体的には、シリコン、TiN、モリブデン、クロム、TaSiからなるコーティングを適用できる。高誘電性コーティングの厚さは、例えば10〜1000nmとできる。
高誘電性コーティングは、公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電解メッキ法を用いて形成できる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。例1〜例8のうち、例1、6〜7が比較例、例2〜5、8が実施例である。
例1
例1では、図1に示すEUVマスクブランク1aを作製する。
成膜用の基板11として、SiO2−TiO2系のガラス基板(外形6インチ(152mm)角、厚さが6.3mm)を使用する。このガラス基板の20℃における熱膨張係数は0.02×10-7/℃、ヤング率は67GPa、ポアソン比は0.17、比剛性は3.07×1072/s2である。このガラス基板を研磨により、表面粗さ(rms)が0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度に形成する。
基板11の裏面側には、マグネトロンスパッタリング法を用いて厚さ100nmのCr膜を成膜することによって、シート抵抗100Ω/□の高誘電性コーティングを施す。
平板形状をした通常の静電チャックに、形成したCr膜を介して基板11(外形6インチ(152mm)角、厚さ6.3mm)を固定して、該基板11の表面上にイオンビームスパッタリング法を用いてSi膜およびMo膜を交互に成膜することを40周期繰り返すことにより、合計膜厚272nm((4.5nm+2.3nm)×40)のSi/Mo多層反射膜(反射層12)を形成する。
さらに、Si/Mo多層反射膜(反射層12)上に、イオンビームスパッタリング法を用いてRu膜(膜厚2.5nm)と成膜することにより、保護層13を形成する。
Si膜、Mo膜およびRu膜の成膜条件は以下の通りである。
Si膜の成膜条件
ターゲット:Siターゲット(ホウ素ドープ)
スパッタガス:Arガス(ガス圧2.0×10-2Pa)
電圧:700V
成膜速度:0.077nm/sec
膜厚:4.5nm
Mo膜の成膜条件
ターゲット:Moターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧2.0×10-2Pa)
電圧:700V
成膜速度:0.064nm/sec
膜厚:2.3nm
Ru膜の成膜条件
ターゲット:Ruターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧2.0×10-2Pa)
電圧:500V
成膜速度:0.023nm/sec
膜厚:2.5nm
次に、保護層上に、TaおよびNbを含有する吸収層14(TaNb膜)を、マグネトロンスパッタリング法を用いて形成する。吸収層14の成膜条件は以下の通りである。
吸収層14(TaNb膜)の成膜条件
ターゲット:Taターゲット、Nbターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧:4.0×10-1Pa)
Taターゲット面積当たりの投入電力密度:8.0W/cm2
Taターゲットと基板間距離:300mm
Nbターゲット面積当たりの投入電力密度:5.8W/cm2
Nbターゲットと基板間距離:300mm
成膜速度:5.0nm/min
膜厚:59nm
上記の手順で得られたEUVマスクブランク1aに対し、下記の評価(1)〜(7)を実施する。下記評価(1)〜(7)は、シリコンウエハ上に吸収層(TaNb膜)成膜したものも、同様な評価結果が得られる。
(1)膜組成
吸収層(TaNb膜)の組成を、ラザフォード後方散乱分光装置(Rutherford Back Scattering Spectroscopy)(神戸製鋼社製)を用いて測定する。吸収層(TaNb膜)の組成比(at%)は、Ta:Nb=65.0:35.0である。
本実施例では、ラザフォード後方散乱分光装置を用いて吸収層の組成比を測定しているが、X線光電分光法(XPS)やエネルギー分散型X線分析(EDX)等の他の測定法でも吸収層の組成比を測定可能である。
(2)膜厚および膜密度
吸収層(TaNb膜)の膜厚および膜密度をX線反射率法(XRR(X−ray Reflectometry))を用いて測定する。
(3)EUV波長領域の位相差および相対反射率の計算
反射層12からのEUV光の反射光と、吸収層14からのEUV光の反射光との位相差、および、吸収層14表面のEUV光線反射率と、反射層12表面のEUV光線反射率との相対反射率を光学シミュレーションにより求める。シミュレーションに必要な反射層の光学定数はCenter for X−Ray Optics,Lawrence Berkeley National Laboratoryのデータベースの値を用いる。また吸収層の光学定数は、13.5nm領域の反射率の「角度依存性」を測定することにより評価したものを使用する。
具体的には、EUV反射率とEUV光の入射角度、および光学定数は、以下の式で表される。
R=|(sinθ−((n+ik)2−cos2θ)1/2)/(sinθ+((n+ik)2−cos2θ)1/2)|
ここで、θはEUV光の入射角度、Rは入射角度θにおけるEUV反射率、nは吸収層の屈折率、kは吸収層の消衰係数である。各EUV入射角度における反射率測定値を、前式を用いてフィッティングすることにより、EUV光学定数((屈折率(n)、消衰係数(k)))を見積もることができる。
(4)吸収層由来の結晶ピーク
吸収層(TaNb膜)に対し、out of plane XRD法による測定を実施する。2θ:20°〜50°に観測される吸収層由来の回折ピーク中、最も強度の高いピークについて、半値幅FWHMを求める。
(5)SPM耐性
吸収層(TaNb膜)を、100℃のSPM(硫酸過水、硫酸:過酸化水素水=3:1の混合液)に20分間浸漬後、純水リンスを行った。SPMへの浸漬の前後に膜厚を測定し、浸漬前後の膜厚の変化を求める。下記表中、正の数値は膜厚の減少、負の数値は膜厚の増加を示している。
SPM耐性試験は2回実施する。
(6)表面粗さ(rms)
吸収層(TaNb膜)表面の表面粗さ(rms)を原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)を用いて測定する。
(7)Cl2エッチングレート
ICP(誘導結合方式)プラズマエッチング装置の試料台上に、吸収層(TaNb膜)が形成された試料を設置し、以下に示す条件でICPプラズマエッチングして、エッチングレートを求める。
ICPアンテナバイアス:200W
基板バイアス:40W
エッチング時間:30sec
トリガー圧力:5.0×100Pa
エッチング圧力:3.0×10-1Pa
エッチングガス:Cl2/He
ガス流量(Cl2/He):4/16sccm
例2
例2は、吸収層14として、下記条件でTa、NbおよびBを含有する吸収層(TaNbB膜)を成膜した以外は、例1と同様の手順で実施する。
吸収層(TaNbB膜)の成膜条件
ターゲット:TaB(Ta:B=60:40)ターゲット、Nbターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧:2.2×10-1Pa)
TaBターゲット面積当たりの投入電力密度:6.4W/cm2
TaBターゲットと基板間距離:150mm
Nbターゲット面積当たりの投入電力密度:4.7W/cm2
Nbターゲットと基板間距離:150mm
成膜速度:14.0nm/min
膜厚:59nm
例3
例3は、吸収層14として、下記条件でTa、NbおよびBを含有する吸収層(TaNbB膜)を成膜した以外は、例1と同様の手順で実施する。
吸収層(TaNbB膜)の成膜条件
ターゲット:TaB(Ta:B=60:40)ターゲット、Nbターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧:2.2×10-1Pa)
TaBターゲット面積当たりの投入電力密度:9.9W/cm2
TaBターゲットと基板間距離:150mm
Nbターゲット面積当たりの投入電力密度:2.5W/cm2
Nbターゲットと基板間距離:150mm
成膜速度:7.6nm/min
膜厚:59nm
例4
例4は、吸収層14として、下記条件でTa、NbおよびNを含有する吸収層(TaNbN膜)を成膜した以外は、例1と同様の手順で実施する。
吸収層(TaNbN膜)の成膜条件
ターゲット:Taターゲット、Nbターゲット
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(Ar:96.2vol%、N2:3.8vol%、ガス圧:2.2×10-1Pa)
Taターゲット面積当たりの投入電力密度:9.9W/cm2
Taターゲットと基板間距離:150mm
Nbターゲット面積当たりの投入電力密度:7.4W/cm2
Nbターゲットと基板間距離:150mm
成膜速度:24.8nm/min
膜厚:59nm
例5
例5は、吸収層14として、下記条件でTa、NbおよびNを含有する吸収層(TaNbN膜)を成膜した以外は、例1と同様の手順で実施する。
吸収層(TaNbN膜)の成膜条件
ターゲット:Taターゲット、Nbターゲット
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(Ar:90.0vol%、N2:10.0vol%、ガス圧:2.2×10-1Pa)
Taターゲット面積当たりの投入電力密度:9.9W/cm2
Taターゲットと基板間距離:150mm
Nbターゲット面積当たりの投入電力密度:7.4W/cm2
Nbターゲットと基板間距離:150mm
成膜速度:26.9nm/min
膜厚:59nm
例6
例6は、吸収層14として、下記条件でTaおよびNを含有する吸収層(TaN膜)を成膜した以外は、例1と同様の手順で実施する。
吸収層(TaN膜)の成膜条件
ターゲット:Taターゲット
スパッタガス:ArとKrとN2の混合ガス(Ar:43.0vol%、Kr:43.0vol%、N2:14.0vol%、ガス圧:2.6×10-1Pa)
ターゲット面積当たりの投入電力密度:9.9W/cm2
ターゲットと基板間距離:150mm
成膜速度:14.2nm/min
膜厚:60nm
例7
例7は、吸収層14として、Ta、BおよびNを含有する吸収層(TaBN膜)を成膜した以外は、例1と同様の手順で実施する。
吸収層(TaBN膜)の成膜条件
ターゲット:TaB(Ta:B=60:40)ターゲット
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(Ar:80.0vol%、N2:20.0vol%、ガス圧:2.2×10-1Pa)
ターゲット面積当たりの投入電力密度:9.9W/cm2
ターゲットと基板間距離:150mm
成膜速度:14.4nm/min
膜厚:60nm
例8
例8は、吸収層14として、Ta、NbおよびOを含有する吸収層(TaNbO膜)を成膜した以外は、例1と同様の手順で実施する。
吸収層(TaNbO膜)の成膜条件
ターゲット:Taターゲット、Nbターゲット
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(Ar:97.9vol%、O2:2.1vol%、ガス圧:2.2×10-1Pa)
Taターゲット面積当たりの投入電力密度:9.9W/cm2
Taターゲットと基板間距離:150mm
Nbターゲット面積当たりの投入電力密度:8.9W/cm2
Nbターゲットと基板間距離:150mm
成膜速度:18.8nm/min
膜厚:59nm
Figure 2021174003
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半値幅FWHMが1.0°未満の例1は、吸収層表面の表面粗さが0.50nm超である。半値幅FWHMが1.0°以上の例2〜5、8は、吸収層表面の表面粗さが0.50nm以下である。
吸収層14が、Bを5.0〜20.0at%含有する例2、Nを10.0〜35.0at%含有する例4、およびOを1.0〜20.0at%含有する例8は、SPM耐性に優れている。また、TaBN膜の例7は、SPM耐性が劣っている。
TaN膜の例6、TaBN膜の例7は、吸収層14表面のEUV光線反射率と、反射層12表面のEUV光線反射率との相対反射率が2.5%未満と低すぎるため、ハーフトーン型EUVマスクの吸収層には不適である。
1:EUVマスクブランク
11:基板
12:反射層(多層反射膜)
13:保護層
14:吸収層
15:低反射層
16:ハードマスク層

Claims (17)

  1. 基板上に、EUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収層とがこの順に形成されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、
    前記吸収層が、タンタル(Ta)と、ニオブ(Nb)とを含有し、前記吸収層におけるTa(at%)とNb(at%)との組成比(Ta:Nb)が4:1〜1:4の範囲であり、
    out of plane XRD法で、2θ:20°〜50°に観測される吸収層由来の回折ピーク中、最も強度の高いピークの半値幅FWHMが1.0°以上であることを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  2. 前記吸収層が、さらに、水素(H)、ボロン(B)、窒素(N)および酸素(O)からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項1に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  3. 前記吸収層が、Bを5.0〜20.0at%含有する、請求項2に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  4. 前記吸収層が、Nを10.0〜35.0at%含有する、請求項2または3に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  5. 前記吸収層が、Hを0.1〜15.0at%含有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  6. 前記吸収層が、Oを1.0〜20.0at%含有する、請求項2〜5のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  7. 前記吸収層のEUV光学定数の屈折率が0.935〜0.963、消衰係数が0.008〜0.030である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  8. 前記反射層からのEUV光の反射光と、前記吸収層からのEUV光の反射光との位相差が150度〜220度であり、前記吸収層表面のEUV光線反射率と、前記反射層表面のEUV光線反射率との相対反射率((吸収層表面のEUV光線反射率/反射層表面のEUV光線反射率)×100)が2.5%〜15.0%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  9. 前記吸収層表面の表面粗さ(rms)が、0.50nm以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  10. 前記吸収層の上に、ハードマスク層を有しており、前記ハードマスク層が、クロム(Cr)と、窒素(N)および酸素(O)からなる群から選択される少なくとも1つとを含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  11. 前記吸収層の上に、マスクパターンの検査光(波長190〜260nm)に対する低反射層を有しており、前記低反射層が、タンタル(Ta)と、酸素(O)とを含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  12. 前記吸収層と前記低反射層との合計膜厚が50〜75nmである、請求項11に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  13. 前記吸収層の密度が10〜15g/cm3であり、前記低反射層の密度が5〜8.2g/cm3である、請求項11または12に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  14. 前記反射層からのEUV光の反射光と、前記低反射層からのEUV光の反射光との位相差が150度〜220度であり、前記低反射層表面のEUV光線反射率と、前記反射層表面のEUV光線反射率との相対反射率((低反射層表面のEUV光線反射率/反射層表面のEUV光線反射率)×100)が2.5%〜15.0%である、請求項11〜13のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  15. 前記低反射層表面の表面粗さ(rms)が、0.50nm以下である、請求項11〜14のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  16. 前記低反射層の上に、ハードマスク層を有しており、前記ハードマスク層が、前記ハードマスク層が、クロム(Cr)と、窒素(N)および酸素(O)からなる群から選択される少なくとも1つとを含有する、請求項11〜15のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  17. 前記吸収層が形成された面の平坦度が300nm以下である、請求項1〜16のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
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