JP2021170089A - 感光性緑色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 - Google Patents

感光性緑色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】着色パターンの残膜率が高く、水しみやパターン形状が良好な画素を形成できるカラーフィルタ用の感光性組成物、及びそれを用いて形成されたカラーフィルタを提供する。【解決手段】有機顔料(A)と、樹脂型分散剤(B)と、バインダ樹脂(C)と、重合性化合物(D)と、光重合開始剤(E)とを含む感光性緑色組成物であって、前記有機顔料(A)が、アルミニウムフタロシアニン顔料(A1)、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(A2)およびハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A3)から選ばれる1つ以上の顔料と、黄色顔料(A4)とを含み、かつ、前記光重合開始剤(E)が、オキシムエステル系光重合開始剤(E1)を含むことを特徴とする感光性緑色組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、及び電子ペーパー等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される感光性緑色組成物、並びにこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
カラーフィルタは、ガラス基板等の透明な基板上に、色相が異なる2種以上の微細な帯状のフィルタセグメントを互いに平行に(ストライプ状に)若しくは交差するように配置してなるか、又は、色相が異なる2種以上の微細なフィルタセグメントを縦方向及び横方向の各々において順番に配列するように配置してなる。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンの小さな寸法を有しており、色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
現在、カラーフィルタの製造方法としては、着色材として耐光性や耐熱性など諸耐性に優れた顔料を使用する顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。なお、顔料分散法では、以下の方法によりカラーフィルタを製造する。まず、感光性透明樹脂溶液中に顔料を分散してなる感光性着色組成物(顔料レジスト)を、ガラス等の透明基板に塗布する。乾燥によってこの塗膜から溶剤を除去した後、この塗膜を、或る色のフィルタセグメントに対応したパターンで露光する。次いで、この塗膜の未露光部を現像によって除去し、その後、必要に応じて加熱等の処理を行う。これにより、1色目のフィルタセグメントパターンを得る。そして、これと同様の操作を行うことにより他の色のフィルタセグメントパターンを形成し、カラーフィルタを完成する。
さらにカラーフィルタの上には、一般に液晶を駆動させるための透明電極が、蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成工程を一般に200℃以上の高温で行う。こうしたカラーフィルタの製造工程において、
透明電極の形成や加熱工程において、塗膜の明度低下を引き起こす原因になっており、その改善が求められている。
また、カラーフィルタの色再現特性向上のためには、感光性着色組成物中の着色剤の含有量を多くするか、あるいは膜厚を厚くする必要がある。着色剤の含有量を多くする方法においては、硬化材料である樹脂や光重合性化合物の減少により、現像性の悪化、パターン形状の悪化、塗膜耐性の悪化等の問題が生じる。また、膜厚を厚くする方法においては、膜底部まで照射光が届かず、パターン形状が不良となる等の問題が発生しやすい。さらに、カラー表示装置の薄膜化への要求は高まっており、膜厚を薄くする傾向にあるため、高濃度に着色剤を含有する感光性着色組成物においては、多官能チオールや酸化防止剤を用いる技術が特許文献1に開示されている。しかしながら、多官能チオールにより塗膜表面の光硬化が促進され、ポストベーク後でのパターン形状がオーバーハングになってしまう。また、特許文献2では、特定のオキシムエステル系化合物を光重合開始剤として用いることで、パターン形状や残膜率に有効な技術が開示されている。しかし、水しみが発生するという課題があり、残膜率、水しみおよびパターン形状のいずれも満たす技術の獲得が求められている。
特開2018−173470号公報 特開2011−209710号公報
本発明は以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、着色パターンの残膜率が高く、水しみやパターン形状が良好な画素を形成できるカラーフィルタ用の感光性組成物、及びそれを用いて形成されたカラーフィルタを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、残膜率の高い感光性緑色組成物ならびに、パターン形状に優れ、かつ水しみが抑制されたカラーフィルタ、カラー液晶表示装置を提供することができることを見出した。
すなわち、本発明は、有機顔料(A)と、樹脂型分散剤(B)と、バインダ樹脂(C)と、重合性化合物(D)と、光重合開始剤(E)とを含む感光性緑色組成物であって、
前記有機顔料(A)が、アルミニウムフタロシアニン顔料(A1)、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(A2)およびハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A3)から選ばれる1つ以上の顔料と、黄色顔料(A4)とを含み、かつ、
前記光重合開始剤(E)が、下記一般式(1)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(E1)を含むことを特徴とする感光性緑色組成物に関する。
一般式(1)
Figure 2021170089
〔一般式(1)において、R1は水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基、R2は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。nは0もしくは1を表す。R3〜R5のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される置換基で置換されており、残りは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、またはフェニル基を示し、各アルキル基およびフェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜12のアルコキシル基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。〕
一般式(2)
Figure 2021170089
〔一般式(2)において、*は、ベンゼン環との結合手を表す。Xは直接結合または酸素原子またはカルボニル基を表す。R6は直接結合または炭素数1〜12の炭化水素基を示す。R7は水酸基またはカルボキシ基を示す。〕
また、本発明は、バインダ樹脂(C)が、下記(I)および(II)から選択される側鎖にカルボキシ基および重合性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂を含むことを特徴とする上記感光性緑色組成物に関する。
(I)エポキシ基を有する重合体中のエポキシ基と、カルボキシ基含有単量体のカルボキシ基との生成物に、多塩基酸または多塩基酸無水物を反応させてなるアルカリ可溶性樹脂
(II)カルボキシ基を有する重合体中のカルボキシ基と、エポキシ基含有単量体のエポキシ基との反応物であるアルカリ可溶性樹脂
また、本発明は、さらに、重合禁止剤(F)を含むことを特徴とする上記感光性緑色組成物に関する。
また、本発明は、樹脂型分散剤(B)が、酸性官能基を有する樹脂型分散剤と塩基性官能基を有する樹脂型分散剤とを含むことを特徴とする上記感光性緑色組成物に関する。
また、本発明は、さらに、シリコーン系レベリング剤もしくはフッ素系レベリング剤(G)を2種類以上含むことを特徴とする上記感光性緑色組成物に関する。
また、本発明は、さらに、重合性化合物(D)が、エチレンオキサイド (EO)変性(メタ)アクリレートもしくはプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレートを1種類以上含むことを特徴とする上記感光性緑色組成物に関する。
また、本発明は、さらに、光重合開始剤(E)が、2種類以上のオキシムエステル系光重合開始剤を含むことを特徴とする上記感光性緑色組成物に関する。
また、本発明は、基材、および上記感光性緑色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを有するカラーフィルタに関する。
また、本発明は、上記カラーフィルタを備えてなる、液晶表示装置に関する。
本発明により、残膜率の高い感光性緑色組成物ならびに、パターン形状に優れ、かつ、水しみが抑制されたカラーフィルタ、カラー液晶表示装置を提供できる。
図1は、液晶表示装置の模式的断面図である。
以下に、本発明の感光性緑色組成物の各構成成分について説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<有機顔料(A)>
有機顔料(A)は、アルミニウムフタロシアニン顔料(A1)、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(A2)およびハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A3)からなる群より選ばれる1つ以上の顔料と、後述の黄色顔料(A4)とを含む。本発明の感光性緑色組成物は、良好な光学特性を得るために、その他有機顔料、無機顔料、染料などを併用できる。
(アルミニウムフタロシアニン顔料(A1))
アルミニウムフタロシアニン顔料(A1)は、中心金属にアルミニウム原子を有するフタロシアニン顔料である。アルミニウムフタロシアニン顔料(A1)は、例えば、特開2017−111398号公報に記載された顔料が好ましい。
(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(A2))
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(A2)は、中心金属に亜鉛原子を有し、置換基にハロゲン原子を有するフタロシアニン顔料である。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(A2)は、例えば、分子中のハロゲン原子数が平均10〜14個が好ましく、前記ハロゲン原子は、臭素原子数が平均8〜12個、塩素原子数が平均2〜5個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニンが好ましい。高度な色再現を得るために分子中のハロゲン原子数が平均11〜13個が好ましく、前記ハロゲン原子は、臭素原子数が平均8〜11個、塩素原子数が平均2〜3個がより好ましい。なお、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、ハロゲン分布を持つ顔料組成物であり、平均組成は蛍光X線分析で求める。
(ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A3))
ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A3)は、中心金属に銅原子を有するハロゲン化されたフタロシアニン顔料である。例えば、C.I.Pigment Green7、36、37等が挙げられる。これらの中でも、透過率の観点から、好ましくはC.I.Pigment Green36である。
(黄色顔料(A4))
黄色顔料では、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、192、193、194、196、198、199、213、214、231、233、特開2012−226110号公報に記載された顔料等が挙げられる。好ましくはC.I.ピグメントイエロー138、139、150、185、231、233、特開2012−226110号公報に記載された顔料である。
(その他有機顔料)
本発明においては、本発明の効果を損なわない限り、アルミニウムフタロシアニン顔料(A1)、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(A2)、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A3)、および黄色顔料(A4)以外の有機顔料を用いることが出来る。
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、291、295、296、特開2014−134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等を挙げることができる。これらの中でも、フィルタセグメントの耐熱性、耐光性、及び透過率の観点から、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、177、224、242、269、254、291、295、296、特開2014−134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料であり、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、254、291、295、296、特開2014−134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料である。
青色顔料は、例えばC.I.ピグメントブル−1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等が挙げられる。
紫色顔料は、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。
緑色顔料は、例えばC.I.ピグメントグリ−ン1、2、4、8、10、13、14、15、17、18、19、26、37、45、48、50、51、54、55等が挙げられる。
(無機顔料)
本発明においては、本発明の効果を損なわない限り、無機顔料を用いても構わない。
無機顔料は、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑
、アンバ−、合成鉄黒等が挙げられる。
(染料)
本発明においては、本発明の効果を損なわない限り、染料を用いても構わない。
染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等のいずれも用いることができる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。
さらに、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、直接染料の形態の場合は、酸性染料の無機塩や、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、もしくは一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物、又はこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることで耐性に優れたものとなるために、堅牢性に優れた感光性緑色組成物とすることができ、好ましい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、堅牢性に優れるため好ましく、より好ましくは、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂である場合である。
塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。中でも、塩基性染料の造塩化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに塩基性染料と、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、又は酸性染料とを造塩した、造塩化合物を用いることがより好ましいものである。
また、色素骨格に重合性不飽和基を有する場合、耐性に優れた染料とすることができ、好ましい。
染料の化学構造としては、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造を挙げることができる。
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。色素構造を形成しうる具体的な色素化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
<顔料の微細化>
本発明の感光性緑色組成物に使用する着色剤が顔料の場合、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができない場合がある。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式又は連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
<樹脂型分散剤(B)>
本発明の感光性緑色組成物は、樹脂型分散剤(B)を含み、公知の樹脂型分散剤を用いることができる。樹脂型分散剤としては、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものであれば良く、具体的には、ポリウレタン等のウレタン系分散剤、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
本発明の感光性緑色組成物は、酸性官能基を有する樹脂型分散剤と塩基性官能基を有する樹脂型分散剤とを含むことが好ましい。
(酸性官能基を有する樹脂型分散剤)
酸性官能基を有する樹脂型分散剤の好ましい例としては、芳香族カルボン酸構造を有する樹脂型分散剤が挙げられ、それらはWO2008/007776号公報、特開2008−029901号公報、特開2009−155406号公報、特開2010−185934号公報、特開2011−157416号公報、特開2009−251481号公報、特開2007−23195号公報、特開1996−143651号公報等の公知の方法で製造することができる。
(塩基性官能基を有する樹脂型分散剤)
塩基性官能基を有する樹脂型分散剤の好ましい例としては、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤などが挙げられる。
酸性官能基を有する樹脂型分散剤と塩基性官能基を有する樹脂型分散剤を含む例としては、特開2009−185277号公報に開示されている様に、芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤と、3級アミノ基を有するビニル系樹脂(樹脂型分散剤の機能を有する)とを併用する例が挙げられる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、2163、2164またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
樹脂型分散剤(B)は、有機顔料(A)に対して3〜200質量%程度使用することが好ましく、分散安定性の観点から5〜100質量%程度使用することがより好ましい。
<色素誘導体(b0)>
本発明に用いる感光性緑色組成物には、必要に応じて色素誘導体(b0)を添加することができる。
本発明に用いる色素誘導体としては、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する公知の色素誘導体を用いることができる。例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素としては、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体としては、特開2001−220520号公報、WO2009/081930号パンフレット、WO2011/052617号パンフレット、WO2012/102399号パンフレット、特開2017−156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体としては、特開2007−226161号公報、WO2016/163351号パンフレット、特開2017−165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体としては、特開昭63−264674号公報、特開平09−272812号公報、特開平10−245501号公報、特開平10−265697号公報、特開2007−079094号公報、WO2009/025325号パンフレット、キナクリドン系色素誘導体としては、特開昭48−54128号公報、特開平03−9961号公報、特開2000−273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体としては、特開2011−162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体としては、特開2007−314785号公報、トリアジン系色素誘導体としては、特開昭61−246261号公報、特開平11−199796号公報、特開2003−165922号公報、特開2003−168208号公報、特開2004−217842号公報、特開2007−314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体としては、特開2009−57478号公報、キノフタロン系色素誘導体としては、特開2003−167112号公報、特開2006−291194号公報、特開2008−31281号公報、特開2012−226110号公報、ナフトール系色素誘導体としては、特開2012−208329号公報、特開2014−5439号公報、アゾ系色素誘導体としては、特開2001−172520号公報、特開2012−172092号公報、酸性置換基としては、特開2004−307854号公報、塩基性置換基としては、特開2002−201377号公報、特開2003−171594号公報、特開2005−181383号公報、特開2005−213404号公報、などに記載の公知の色素誘導体が挙げられる。なおこれらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
<バインダ樹脂(C)>
本発明の感光性緑色組成物は、バインダ樹脂(C)を含む。バインダ樹脂(C)は、400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂を用いる。バインダ樹脂には、その主たる硬化方式で分類すると熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エチレン性不飽和二重結合等を有する活性エネルギー線硬化性樹脂などがあり、活性エネルギー線硬化性樹脂は熱可塑性樹脂であっても熱硬化の機能を併せ持つものであってもよく、さらに現像性の観点からアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。また、活性エネルギー線硬化性でない熱可塑性樹脂を含んでもよく、これについてもアルカリ可溶性であることが好ましい。これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
バインダ樹脂(C)としては、下記(I)および(II)から選択される側鎖にカルボキシ基および重合性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。
(I)エポキシ基を有する重合体中のエポキシ基と、カルボキシ基含有単量体のカルボキシ基との生成物に、多塩基酸または多塩基酸無水物を反応させてなるアルカリ可溶性樹脂
(II)カルボキシ基を有する重合体中のカルボキシ基と、エポキシ基含有単量体のエポキシ基との反応物であるアルカリ可溶性樹脂
本発明の感光性緑色組成物中のバインダ樹脂の含有量は、着色剤の全質量を基準(100質量部)として、好ましくは20〜400質量部、さらに好ましくは50〜250質量部である。成膜性及び諸耐性が良好なことから、20質量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、400質量部以下の量で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
バインダ樹脂として用いることができる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂はアルカリ可溶性であることが好ましく、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基及び/又は水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は、現像性、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明の感光性緑色組成物は、現像性、耐熱性、透明性の点から、アルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。カラーフィルタ作製時のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸基及び/又は水酸基を有する。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する樹脂を用いることがさらに好ましい。
(エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂)
本発明の感光性緑色組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有することが好ましい。特に以下に示す(i) (ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂を用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで架橋密度が上がり、薬品耐性が良好になる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体(エポキシ基を有する重合体)の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸(カルボキシ基含有単量体)のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸または多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体(カルボキシ基を有する重合体)の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(エポキシ基含有単量体)を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、また感度の点からは2個以上6個以下の水酸基を有するものを使用することが感度の点から好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
アルカリ可溶性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類、EO変性クレゾールアクリレート、n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
又、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε−カプロラクトン付加アクリル酸、ε−カプロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
又、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。又、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
又、リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの水酸基にたとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応せしめることで得ることができるモノマーが挙げられる。
(エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂)
本発明の感光性緑色組成物は、塗膜の硬化度合を調整するために、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂を含有することができる。少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と、その他の前記エチレン性不飽和単量体を1種以上用いて合成し、側鎖にエチレン性不飽和結合を付与しないことで、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂が得ることができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、アルカリ現像溶解性を付与するために、2,000以上40,000以下であり、3,000以上300,00以下が好ましく、4,000以上20,000以下がより好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が2,000未満であると基板に対する密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。40,000を超えるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価は、アルカリ現像溶解性を付与するために50以上〜200以下(KOHmg/g)であり、70以上180以下の範囲が好ましく、より好ましくは90以上170以下の範囲である。酸価が50未満であるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。200を超えると基板への密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。
(熱硬化性化合物(CE))
本発明においては、バインダ樹脂として熱硬化性化合物(CE)を含むことが出来る。本発明の感光性緑色組成物を用いてカラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
熱硬化性化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の感光性緑色組成物ではエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましく用いられる。
(エポキシ化合物(CE−1))
エポキシ化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
このようなエポキシ化合物の例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ化合物であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
市販品としては、例えば、エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P、エピコート191P(以上は商品名;油化シェルエポキシ(株)製)、エピコート1004、エピコート1256(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学(株)製)、EPPN−501H、502H(商品名;日本化薬(株)製)、JER 1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、JER 157S65、157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN−201(商品名;日本化薬(株)製)、JER152、JER154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020(以上は商品名;日本化薬(株)製)、セロキサイド2021、EHPE−3150(以上商品名;ダイセル化学工業(株)製)、デナコールEX−211、212、252、313、314、321、411、421、512、521、611、612、614、614B、622、711、721、(以上は商品名;ナガセケムテックス(株)製)、TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S(日産化学工業株式会社製)等が挙げられる。
などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ化合物の配合量は、着色剤100質量部に対し、0.5〜300質量部であることが好ましく、1.0〜50質量部であることがより好ましい。0.5質量部未満ではコントラスト比および耐熱性改善効果が小さく、300質量部より多いとフォトリソグラフィーによるフィルタセグメント形成時に不具合を生ずる場合がある。
(オキセタン化合物(CE−2))
本発明の感光性緑色組成物には、オキセタン化合物を添加することが好ましい。オキセタン化合物としては、オキセタン基を有する公知の化合物を特に限定されず使用することができる。オキセタン化合物は、オキセタン基が1官能であるもの、オキセタン基が2官能であるもの、オキセタン基が2官能以上であるものが挙げられる。
オキセタン基が1官能のものとしては、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート、 (3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−メタクリロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
具体例としては、大阪有機化学工業株式会社製OXE−10、OXE−30、東亞合成株式会社製OXT−101、OXT−212等が挙げられる。
オキセタン基が2官能のものとしては、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル−3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−フェノキシメチル)オキセタン、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコースビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
具体例としては、宇部興産株式会社製、OXBP、OXTP、東亞合成株式会社製OXT−121、OXT−221等が挙げられる。
オキセタン基が2官能以上であるものとしては、
ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE−30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。このような重合体は、公知の重合法を用いて得ることができる。
本発明の感光性緑色組成物に用いられるオキセタン化合物の含有量は、感光性緑色組成物の固形分100質量%中、通常0.5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%である。オキセタン化合物の含有量が、前記の範囲にあると水シミが良好で、かつ耐薬品性が高い優れた塗膜が得られるため好ましい。
(メラミン化合物)
本発明におけるメラミン化合物とは、メラミン環構造を有する化合物を指す。メラミン化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。本発明において好ましいのは、メチロール型やエーテル型であり、メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上のメラミン化合物である。メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0未満であると、反応点が少なく、硬化時の架橋構造が十分に密にならないため熱処理工程によるコントラスト比低下抑制やNMP耐性改善の効果が小さくなる場合がある。
市販品としては、例えば、二カラックMW−30HM、MW−390、MW−100LM、MX−750LM、MW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MS−11、MW−24X、MS−001、MX−002、MX−730、MX−750、MX−708、MX−706、MX−042、MX−45、MX−500、MX−520、MX−43、MX−417、MX−410(三和ケミカル社製)、サイメル232、235、236、238、285、300、301、303、350、370(日本サイテックインダストリーズ社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でもメラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上である、二カラックMW−30HM、MW−390、MW−100LM、MX−750LM、MW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MS−11、MW−24X、MX−45(三和ケミカル社製)サイメル232、235、236、238、300、301、303、350(日本サイテックインダストリーズ社製)などが、密な架橋構造が得られる点で好ましい。
(硬化剤)
また本発明の感光性緑色組成物には、熱硬化性化合物の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤(硬化促進剤)などを含んでいてもよい。硬化剤としては、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性化合物と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。硬化剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性化合物100質量部に対し、0.01〜15質量部が好ましい。
<重合性化合物(D)>
本発明の感光性緑色組成物は、有機顔料(A)、樹脂型分散剤(B)、バインダ樹脂(C)、重合性化合物(D)、及び光重合開始剤(E)を含むことを特徴とする感光性緑色組成物を含む。重合性化合物(D)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
重合性化合物(D)としては、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーが挙げられるが、中でも酸基を有する重合性化合物、ウレタン結合を有する重合性化合物、エチレンオキサイド (EO)変性もしくはプロピレンオキサイド(PO)変性された重合性化合物が好ましく、エチレンオキサイド (EO)変性もしくはプロピレンオキサイド(PO)変性された重合性化合物が特に好ましい。
(酸基を有する重合性化合物)
本発明における重合性化合物は、酸基を有する重合性化合物を含有してもよい。酸基としては、スルホン酸基やカルボキシル基、リン酸基等を挙げることができる。
酸基を有する重合性化合物としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレート又はモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレート又はモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられるが、本発明の効果はこれらに限定されるものではない。
これらの市販品としては、大阪有機社製のビスコート#2500P、及び東亜合成社製アロニックスM−5300、M−5400、M−5700、M−510、M−520等を好適に使用することができる。
(ウレタン結合を有する重合性化合物)
本発明における重合性化合物は、エチレン性不飽和結合とウレタン結合を少なくとも1つずつ含有する重合性化合物を含有してもよい。例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートや、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
これらの市販品としては、共栄社化学社製のAH−600、AT−600、UA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、UF−8001G、DAUA−167、新中村化学工業社製のUA−160TM、大阪有機化学工業社製のUV−4108F、UV−4117F等を好適に使用することができる。
上記の重合性化合物は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の感光性緑色組成物には、重合性化合物(D)として、エチレンオキサイド (EO)変性(メタ)アクリレートもしくはプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレートを1種類以上含むことが好ましい。エチレンオキサイド (EO)変性(メタ)アクリレートもしくはプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレートのような、(EO)変性ユニットまたは(PO)変性ユニットを有すると、本願に使われるオキシムエステル系光重合開始剤(E1)と水素結合を形成することで、ラジカル発生部位と反応部位が近接することができ、より効率的な光硬化を促進する効果があると考えらえる。その結果、水しみの抑制や高残膜率を達成することが出来る。
これらの例としては、光重合性化合物は、トリメチロールプロパン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジトリメチロールプロパン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、グリセリン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジグリセリン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びこれらのアルキレンオキサイド変性化合物からなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。上記(メタ)アクリレート化合物は、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3以上の(メタ)アクリロイル基を有する、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。
ここで、ジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は、例えば、ジトリメチロールプロパンと、(メタ)アクリル酸とをエステル化する方法、又は、中性触媒使用によるエステル交換法により得ることができる。当該化合物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記の化合物は、一分子中におけるエステル結合の数が2以上であることが好ましく、エステル結合の数が2〜4の化合物が混合していてもよい。
また、ジグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は、例えば、ジグリセリンと、(メタ)アクリル酸とをエステル化する方法、又は、中性触媒使用によるエステル交換法により得ることができる。当該化合物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記の化合物は、一分子中におけるエステル結合の数が2以上であることが好ましく、エステル結合の数が2〜4の化合物が混合していてもよい。
上記のジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物としては、電極腐食の抑制力及び現像容易性をより向上させる観点から、アルキレンオキサイド変性ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド変性ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド変性ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド変性ジグリセリンジ(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド変性ジグリセリントリ(メタ)アクリレート化合物、及びアルキレンオキサイド変性ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、アルキレンオキサイド変性ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート化合物及びアルキレンオキサイド変性ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含むことがより好ましい。
ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びこれらのアルキレンオキサイド変性化合物が挙げられる。これらのうち、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えばトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びこれらのアルキレンオキサイド変性化合物が挙げられる。これらのうち、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えばペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びこれらのアルキレンオキサイド変性化合物が挙げられる。これらのうち、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
グリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えばグリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、及びこれらのアルキレンオキサイド変性化合物が挙げられる。これらのうち、グリセリントリ(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
(その他の重合性化合物)
その他の重合性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、メタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
重合性化合物の配合量は、感光性緑色組成物の全固形分を基準(100質量部)として、1〜50質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から2〜40質量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤(E)>
本発明の感光性緑色組成物は、光重合開始剤(E)として下記一般式(1)で表される構造を有するオキシムエステル系光重合開始剤(E1)を含む。オキシムエステル系光重合開始剤(E1)を含むことで、該組成物を用いてカラーフィルタセグメントを製造する工程において、水しみの発生の抑制、かつ高残膜率および優れたパターン形状を得ることが出来る。
(オキシムエステル系光重合開始剤(E1))
一般式(1)
Figure 2021170089
〔一般式(1)において、R1は水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基、R2は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。nは0もしくは1を表す。R3〜R5のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される置換基で置換されており、残りは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、またはフェニル基を示し、各アルキル基およびフェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜12のアルコキシル基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。〕
1およびR2の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。炭化水素基は、鎖状であっても環状であってもよく、また分岐を有していても有していなくてもよい。
3〜R5のうち1つ以上は、下記一般式(2)で表される末端に水酸基を有する置換基である。
一般式(2)
Figure 2021170089
*は、ベンゼン環との結合手を表す。Xは直接結合または酸素原子またはカルボニル基を表す。R6は炭素数1〜12の炭化水素基であり、具体例としてはメチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。炭化水素基は、鎖状であっても環状であってもよく、また分岐を有していても有していなくてもよい。R7は水酸基またはカルボキシ基を示す。
3〜R5のうち、一般式(2)で表される置換基でないものは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、またはフェニル基を示し、各アルキル基およびフェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜12のアルコキシル基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。
上記一般式(1)で示される化合物の中で好ましい例としては、下記化学式(3)〜(6)の化合物が挙げられる。これらの化合物は、特開2011−132215号公報等の公知の方法で製造することができる。
化学式(3)
Figure 2021170089
化学式(4)
Figure 2021170089
化学式(5)
Figure 2021170089
化学式(6)
Figure 2021170089
これらの末端に水酸基を有する化合物は、バインダ樹脂や光重合性単量体と水素結合を形成することで、ラジカル発生部位と反応部位が近接することができ、より効率的な光硬化を促進する効果があると考えらえる。その結果、水しみの抑制や高残膜率を達成することが出来る。また、バインダ樹脂や光重合性単量体との相溶性も良化することで、ポストベークでの適度な熱フロー性が付与されたため、適切なパターン形状が得られたと考えられる。
<その他の光重合開始剤(E2)>
その他の光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリノ)フェニル]−2−(フェニルメチル)−1−ブタノン、又は2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
市販品としては、アセトフェノン系化合物としては、全てIGM Resins社製で「Omnirad 907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、「Omnirad 369E」(2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリノ)フェニル]−2−(フェニルメチル)−1−ブタノン)、「Omnirad 379EG」(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、ホスフィン系化合物としては、全てIGM Resins社製で「Omnirad 819」(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)、「Omnirad TPO」(ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド)、などが挙げられる。
光重合開始剤(E)の含有量は、感光性緑色組成物の溶剤を除いた質量100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から1〜10質量部であることがより好ましい。0.5質量部よりも少ない場合、形成パターンの基材との密着性が悪くなり、20質量部を超えると現像性に問題が生じることや、230℃熱処理後の明度低下が生じる場合がある。
光重合開始剤(E1)の光重合開始剤(E)における含有量は、光重合開始剤(E)の質量100質量部に対して、50〜100質量部であることが好ましく、80〜100質量部であることがより好ましい。
光重合開始剤(E)が、2種類以上のオキシムエステル系光重合開始剤を含むことが好ましい。この場合、一般式(1)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(E1)を2種以上含んでも、一般式(1)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(E1)と一般式(1)以外のオキシムエステル系光重合開始剤とを含んでいてもよい。
<重合禁止剤(F)>
本発明の感光性緑色組成物には、本発明の水しみ抑制効果をさらに高めるために、重合禁止剤を含有させることが好ましい。
たとえば、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−t−ブチルカテコール、3−t−ブチルカテコール、4−t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、2−t−ブチルレゾルシノール、4−t−ブチルレゾルシノール等のアルキルレゾルシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシンがあげられ、また、好ましい例として、ヒンダードフェノール系の重合禁止剤が挙げられ、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ハイドロキノン、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ハイドロキノン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、4,4’,4”−(1−メチルプロパニル−3−イリデン)トリス(6−tert−ブチル−m−クレゾール、6,6’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ブチリデンジ−m−クレゾール、オクタデシル 3−(3,5−ジ−tetr−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2,2’−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、イソオクチル 3−(3,5−ジ−tetr−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、カルシウムビス[3,5−ジ(tert−ブチル)−4−ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート]、ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)](、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、及び4−[[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールなどが挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、感光性緑色組成物の溶剤を除いた質量100質量部に対して、0.01〜0.5質量部が好ましい。この範囲において、重合禁止剤の効果が大きくなり、テーパーの直線性や塗膜のシワ、パターン解像性等が良好になる。
<レベリング剤(G)>
本発明の感光性緑色組成物には、透明基板上での組成物の塗布性、着色被膜の乾燥性を良好することを目的として、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
本発明の感光性緑色組成物に界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の添加量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.001〜2.5質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜2.0質量%である。この範囲内であることで、感光性緑色組成物の塗布性とパターン密着性、透過率のバランスが良好となる。
本発明の感光性緑色組成物は、界面活性剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。また、レベリング剤の種類としては、フッ素系レベリング剤もしくはシリコーン系レベリング剤であることが好ましい。
本発明の感光性緑色組成物には、シリコーン系レベリング剤もしくはフッ素系レベリング剤(G)を2種類以上含むことが好ましく、中でもフッ素系レベリング剤を2種類含むと、水しみが低減されるため好ましい。
フッ素系レベリング剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤又はレベリング剤が挙げられる。
市販品としては、AGCセイミケミカル株式会社製サーフロンS−242、S−243、S−420、S−611、S−651、S−386、DIC株式会社製メガファックF−253、F−477、F−551、F−552、F−554、F−555、F−558、F−560、F−563、F−570、F−575,F−576、R−40−LM、R−41、RS−72−K、DS−21、住友スリーエム株式会社製FC−4430、FC−4432、三菱マテリアル電子化成株式会社製EF−PP31N09、EF−PP33G1、EF−PP32C1、株式会社ネオス製フタージェント602A等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
さらに具体的には、ビックケミー社製BYK−300、306、310、313、315N、320、322、323、330、331、333、342、345/346、347、348、349、370、377、378、3455、UV3510、3570、東レ・ダウコーニング株式会社製FZ−7002、2110、2122、2123、2191、5609、信越化学工業株式会社製X−22−4952、X−22−4272、X−22−6266、KF−351A、KF−354L、KF−355A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、X−22−4515、KF−6004、KP−341等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
さらに具体的には、花王株式会社製エマルゲン103、104P、106、108、109P、120、123P、130K、147、150、210P、220、306P、320P、350、404、408、409PV、420、430、705、707、709、1108、1118S−70、1135S−70、1150S−60、2020G−HA、2025G、LS−106、LS−110、LS−114、MS−110、A−60、A−90、B−66、PP−290、ラテムルPD−420、PD−430、PD−430S、PD450、レオドールSP−L10、SP−P10、SP−S10V、SP−S20、SP−S30V、SP−O10V、SP−O30V、スーパーSP−L10、AS−10V、AO−10V、AO−15V、TW−L120、TW−L106、TW−P120、TW−S120V、TW−S320V、TW−O120V、TW−O106V、TW−IS399C、スーパーTW−L120、430V、440V、460V、MS−50、MS−60、MO−60、MS−165V、エマノーン1112、3199V、3299V、3299RV、4110、CH−25、CH−40、CH−60(K)、アミート102、105、105A、302、320、アミノーンPK−02S、L−02、ホモゲノールL−95、株式会社ADEKA社製アデカプルロニック(登録商標)L−23、31、44、61、62、64、71、72、101、121、TR−701、702、704、913R、共栄社化学株式会社製(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としてはアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
さらに具体的には、花王株式会社製アセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
さらに具体的には、株式会社ネオス製フタージェント100、150、株式会社ADEKA社製アデカホープYES−25、アデカコールTS−230E、PS−440E、EC−8600等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
さらに具体的には、花王株式会社製アンヒトール20AB、20BS、24B、55AB、86B、20Y−B、20N等が挙げられる。
<チオール系連鎖移動剤(H)>
感光性緑色組成物は、連鎖移動剤を含有できる。連鎖移動剤は、チオール系連鎖移動剤が好ましい。チオール系連鎖移動剤は、光重合開始剤と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、感光性緑色組成物の感度が向上する。
チオール系連鎖移動剤は、チオール基(SH基)2以上有するある多官能チオールが好ましい。なお、チオール系連鎖移動剤は、SH基を4以上有することがより好ましい。官能基数が増えると被膜の表面から最深部まで光硬化し易くなる。
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられる。
チオール系連鎖移動剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
チオール系連鎖移動剤の含有量は、感光性緑色組成物の不揮発分100質量%中、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。適量含有すると光感度、テーパー形状が向上し、被膜表面にシワが発生し難くなる。
<紫外線吸収剤(J)>
発明の感光性緑色組成物は、紫外線吸収剤を含んでも良い。本発明における紫外線吸収剤とは、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5〜70質量%が好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記より少ない場合、紫外線吸収剤の効果が小さく、解像性が確保できず、上記より多い場合には、感度が低くなり画素はがれやホール径が設計値より大きくなってしまうといった不具合が発生することがある。
このとき感光性緑色組成物が増感剤を含む場合には、光重合開始剤の含有量に増感剤の含有量を含むこととする。
また、光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量は、感光性緑色組成物の固形分100質量%中、1〜20質量%が好ましい。光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量が上記より少ない場合、密着性が弱まり画素はがれが発生し、上記より多い場合には、感度が高すぎ解像性が悪くなることがある。
このとき感光性緑色組成物が増感剤を含む場合には、光重合開始剤の含有量に増感剤の含有量を含むこととする。
ベンゾトリアゾール系有機化合物としては2−(5メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2−メトキシ−1−メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−エチルヘキシル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。その他ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、株式会社BASF社製TINUVIN P、PS、234、326、329、384−2、900、928、99−2、1130、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−29、LA−31RG、LA−32、LA−36、ケミプロ化成株式会社製KEMISORB71、73、74、79、279、大塚化学株式会社製RUVA−93等が挙げられる。
トリアジン系有機化合物としては、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−[3−(ドデシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル」−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、ケミプロ化成社製KEMISORB 102、BASF社製TINUVIN 400、405、460、477、479、1577ED、ADEKA社アデカスタブLA−46、LA−F70、サンケミカル社製CYASORB UV−1164等が挙げられる。
ベンゾフェノン系有機化合物としては、2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸−3水温、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、ケミプロ化成株式会社製KEMISORB 10、11、11S、12、111、シプロ化成株式会社製SEESORB 101、107、株式会社ADEKA社製アデカスタブ1413、サンケミカル株式会社製UV−12等が挙げられる。
サリチル酸エステル系有機化合物としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル、サリチル酸−t−ブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
<酸化防止剤(K)>
本発明の感光性緑色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、感光性緑色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。特に感光性緑色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜架橋成分量が少なくなるため高感度の架橋成分の使用や、光重合開始剤の増量といった対応を取るため熱工程の黄変が強くなる現象が見られる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、ラジカル補足機能、又は過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、及びヒドロキシルアミン系の化合物があげられ、公知の酸化防止剤が使用できる。また、本発明で用いられる酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有していないものが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はイオウ系酸化防止剤が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カルボネート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジイル]−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールと3,5,5−トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピリペリジル)[[3,5−ビス(1,1ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピリペリジルセバケート、ポリ[[6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル]−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−C12−21およびC18不飽和脂肪酸エステル、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−52、LA−57、LA−63P、LA−68、LA−72、LA−77Y、LA−77G、LA−81、LA−82、LA−87、LA−402F、LA−502XP、ケミプロ化成株式会社製KAMISTAB29、62、77、94、株式会社BASF製Tinuvin249、TINUVIN111FDL、123、144、292、5100、サンケミカル株式会社製サイアソーブUV−3346、UV−3529、UV−3853等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12〜C15アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェノールアルキルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシル4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−ホスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジt−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他ホスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、株式会社ADEKA製アデカスタブPEP−36、PEP−8、HP−10、2112、1178、1500、C、135A、3010、TPP、株式会社BASF製IRGAFOS168、クラリアントケミカルズ株式会社製HostanoxP−EPQ等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−ビス{〔3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ〕メチル}プロパン−1,3−ジイルビス〔3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3’−チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、株式会社ADEKA製アデカスタブAO−412S、AO−503、ケミプロ化成株式会社製KEMINOXPLS等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、感光性緑色組成物の固形分100質量%中、0.5〜5.0質量%の場合、透過率、分光特性、及び感度が良好であるためより好ましい。
<貯蔵安定剤(L)>
本発明の感光性緑色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量を基準(100質量%)として、0.1〜10質量%の量で用いることができる。
<密着向上剤(M)>
本発明の感光性緑色組成物には、基材との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることができる。密着向上剤による密着性が向上することにより、細線の再現性が良好となり解像度が向上する。
密着向上剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類などのシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、感光性緑色組成物中の着色剤100質量部に対し、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。この範囲内で効果が大きくなり、密着性、解像性、感度のバランスが良好であるためより好ましい。
<溶剤(N)>
本発明の感光性緑色組成物には、ガラス等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布して着色膜を形成することを容易にするために溶剤を含有させる。溶剤は、感光性緑色組成物の塗布性が良好であることに加え、感光性緑色組成物の各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
溶剤としては、当該分野で通常使用される溶剤を用いることが出来、沸点、SP値、蒸発速度、粘度などの性能を勘案し、塗布条件(速度、乾燥条件など)に合わせて適宜、単独または混合して使用される。
使用される溶剤としては、例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル-n-プロピルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテートなどが挙げられる。
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどが挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
これらの溶剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤を含むことが好ましい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等がより好ましい。
<着色組成物の製造方法>
本発明の感光性緑色組成物は、あらかじめ、顔料を、分散剤、バインダ樹脂及び/又は溶剤中に、好ましくは分散助剤(色素誘導体や界面活性剤)と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して着色組成物とすることができる。このとき、2種以上の顔料を同時に着色剤担体(バインダ樹脂及び/又は溶剤)に分散しても良いし、別々に着色剤担体に分散したものを混合しても良い。
<顔料の分散粒子径>
着色組成物における顔料の平均分散粒子径は、30〜200nmの範囲が好ましい。より好ましくは、40〜120nmの範囲である。この範囲であると、粘度、分散安定性が高く、この着色組成物を単独あるいは混合し、さらに重合性化合物(D)および光重合開始剤(E)を加えると、粘度、分散安定性のみならず、感度が高く、現像速度が速い感光性緑色組成物を得ることが出来、それを用いてカラーフィルタを作製すると高品質なカラーフィルタとなる。
顔料の分散粒子径の測定方法としては、動的光散乱法(FFTパワースペクトル法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA‐EX150を用い、粒子透過性を吸収モード、粒子形状を非球形とし、D50を平均径とすることが挙げられる。測定用の希釈溶剤は分散体に使用した溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
<感光性緑色組成物の製造方法>
また、感光性緑色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色組成物と、光重合性単量体及び/又は光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の分散助剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
<粗大粒子の除去>
本発明の感光性緑色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように感光性緑色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、及び青色フィルタセグメントを具備する。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、及び黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
カラーフィルタは、印刷法又はフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した感光性緑色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性緑色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して露光(放射線の照射)を行う。その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の感光性緑色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
本発明のカラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、カラー液晶表示装置が製造される。このカラー液晶表示装置は、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
また、本発明のカラーフィルタは、カラー液晶表示装置以外にカラー固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、及び電子ペーパー等の製造に使用することもできる。
<液晶表示装置>
本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、光源とを具備する。光源としては、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本発明においては赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。図1は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置10の概略断面図である。図1に示す装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスター)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
液晶LCは、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In-Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスター)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
白色LED光源としては、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものがあり、430nm〜485nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ3)を有し、530nm〜580nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ4)を有し、600nm〜650nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ5)を有し、かつ波長λ3における発光強度I3と波長λ4における発光強度I4の比(I4/I3)が0.2以上0.4以下であり、波長λ3における発光強度I3と波長λ5における発光強度I5の比(I5/I3)が0.1以上1.3以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED1)や、430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長(λ1)を有し、530nm〜580nmの範囲内に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.2以上0.7以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED2)が好ましい。
LED1としては、具体的にはNSSW306D−HG−V1(日亜化学社製)、NSSW304D−HG−V1(日亜化学社製)等が挙げられる。
LED2としては、具体的にはNSSW440(日亜化学社製)、NSSW304D(日亜化学社製)等が挙げられる。

以下に、実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」及び「%」とは、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価(mgKOH/g)、アミン価(mgKOH/g)は以下の通りである。
(樹脂の平均分子量)
バインダ樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK−GEL SUPER HZM−N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてTHF溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。
サンプルは1wt%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットル注入した。分子量はいずれもポリスチレン換算値である。
(樹脂の酸価(mgKOH/g))
樹脂溶液0.5〜1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
(微細化フタロシアニン顔料A1−1)
式(7)
Figure 2021170089
(微細化フタロシアニン顔料A1−2)
式(8)
Figure 2021170089
(微細化フタロシアニン顔料A1−3)
式(9)
Figure 2021170089
(微細化フタロシアニン顔料A1−4)
式(10)
Figure 2021170089
(微細化フタロシアニン顔料A1−5)
式(11)
Figure 2021170089
(微細化フタロシアニン顔料(A2−1))
フタロシアニン顔料C.I.ピグメントグリーン58(DIC社製「FASTGEN GREEN A110」)を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化フタロシアニン顔料(A2−1)97部を得た。
(微細化フタロシアニン顔料(A1−1/A2−1))
微細化フタロシアニン顔料(A1−1)と微細化フタロシアニン顔料(A2−1)とを同量混合し、微細化フタロシアニン顔料(A1−1/A2−1)とした。
(微細化フタロシアニン顔料(A2−2))
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム109部、塩化ナトリウム15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素74部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過することにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、微細化フタロシアニン顔料(A2−2)を得た。得られた微細化フタロシアニン顔料(A2−2)は、リガク社製ZSX100Eによる蛍光X線分析から、1分子中のハロゲン原子数が平均13.97個であり、そのうち臭素原子数が平均11.46個、塩素原子数が平均2.51個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
(微細化フタロシアニン顔料(A2−3))
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム109部、塩化ナトリウム15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素59部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過することにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、微細化フタロシアニン顔料(A2−3)を得た。得られた微細化フタロシアニン顔料(A2−3)は、蛍光X線分析から、1分子中のハロゲン原子数が平均12.71個であり、そのうち臭素原子数が平均10.22個、塩素原子数が平均2.49個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
(微細化フタロシアニン顔料(A2−4))
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム109部、塩化ナトリウム15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素44部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過することにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、微細化フタロシアニン顔料(A2−4)を得た。得られた微細化フタロシアニン顔料(A2−4)は、蛍光X線分析から、1分子中のハロゲン原子数が平均11.98個であり、そのうち臭素原子数が平均9.00個、塩素原子数が平均2.98個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
(微細化フタロシアニン顔料(A2−5))
300mLフラスコに、塩化スルフリル109部、塩化アルミニウム131部、塩化ナトリウム18部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素52部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過することにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、微細化フタロシアニン顔料(A2−5)を得た。得られた微細化フタロシアニン顔料(A2−5)は、蛍光X線分析から、1分子中のハロゲン原子数が平均12.69個であり、そのうち臭素原子数が平均8.54個、塩素原子数が平均4.16個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
(微細化フタロシアニン顔料(A2−6))
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム72部、塩化ナトリウム 15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素29部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過することにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、微細化フタロシアニン顔料(A2−6)を得た。得られた微細化フタロシアニン顔料(A2−6)は、蛍光X線分析から、1分子中のハロゲン原子数が平均8.88個であり、そのうち臭素原子数が平均6.90個、塩素原子数が平均1.98個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
(微細化フタロシアニン顔料(A3))
フタロシアニン顔料C.I.ピグメントグリーン36を 200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化フタロシアニン顔料(A3)を得た。
<微細化黄色顔料の製造>
(微細化黄色顔料(A4−1〜3))
特開2012−226110号公報の実施例に従って下記式(12)〜(14)のキノフタロン顔料の微細化フタロシアニン顔料(A4−1〜3)を作成した。以下に、その構造を示す。
(微細化黄色顔料A4−1)
式(12)
Figure 2021170089
(微細化黄色顔料A4−2)
式(13)
Figure 2021170089
(微細化黄色顔料A4−3)
式(14)
Figure 2021170089
(微細化黄色顔料(A4−4))
C.I.ピグメントイエロー138(PY138)(BASF社製「パリオトールイエローK0960−HD」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の微細化黄色顔料(A4−4)を得た。
(微細化黄色顔料(A4−5))
イソインドリン系黄色顔料C.I.pigment yellow 139(チバ・ジャパン社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(A4−5)を得た。
(微細化黄色顔料(A4−6))
金属錯体系黄色顔料(C.I.pigment yellow 150、ランクセス社製 「Yellow Pigment E4GN」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(A4−6)を得た。平均一次粒子径は36.6nmであった。
(微細化黄色顔料(A4−7))
黄色顔料C.I.Pigment Yellow 185(チバ・ジャパン社製「パリオトールエローD1155」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、120℃で8時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(A4−7)を得た。
<色素誘導体(b0)>
下記の通りの色素誘導体を使用した。
色素誘導体(b0-1)
Figure 2021170089
RMAT
Pcは、フタロシアニン骨格を表す。
色素誘導体(b0-2)
Figure 2021170089
以下に示す略語の意味は、以下の通りである。
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
EHMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル
BMA:メタクリル酸n−ブチル
BzMA:メタクリル酸ベンジル
MMA:メタクリル酸メチル
DMAPMA:ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタクリルアミド
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<樹脂型分散剤(B)溶液の製造>
(樹脂型分散剤(B−1)溶液の製造)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた500mL丸底4口セパラブルフラスコに、テトラヒドロフラン(THF)250質量部及び開始剤のジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール5.81質量部を、添加用ロートを介して加え、充分に窒素置換を行った。触媒のテトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートの1モル/Lアセトニトリル溶液0.5質量部を、シリンジを用いて注入し、親溶剤性を有するブロック用モノマーのHEMA19.7質量部、EHMA7.5質量部、BMA12.9質量部、BzMA10.7質量部、MMA30.9質量部を、添加用ロートを用いて60分かけて滴下した。反応フラスコを氷浴で冷却することにより、温度を40℃未満に保った。1時間後、色材吸着機能ブロック用モノマーであるDMAPMA18.3質量部を20分かけて滴下した。1時間反応させた後、メタノール1質量部を加えて反応を停止させた。得られたブロック共重合体THF溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行い、一般式(1)で表される構成単位を含む色材吸着機能ブロックと親溶剤性を有するブロックとを含む化合物(B1)を得た。さらに、固形分20質量%にPGMAcを添加して調整し、樹脂型分散剤(B−1)溶液を得た。
(樹脂型分散剤(B−2)溶液の製造)
100mL丸底フラスコ中でPGMAc40.6質量部に、化合物(B1)を10.0質量部溶解し、フェニルホスフィン酸(東京化成製)0.75質量部(化合物(B1)のDMAPMAユニット1.0モルに対し、フェニルホスフィン酸が0.50モル)加え、反応温度30℃で20時間攪拌し、固形分20質量%にPGMAcを添加して調整し、樹脂型分散剤(B−2)溶液を得た。
(樹脂型分散剤(B−3)溶液の製造)
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、MMA100部、i−ブチルメタクリレート70部、BzMA20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、固形分測定で固形分20%となるようPGMAcを加えて希釈し、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8500の樹脂型分散剤(B−3)溶液を得た。
(樹脂型分散剤(B−4)溶液の製造)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、1−ドデカノール62.6部、ε−カプロラクトン287.4部、触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で4時間加熱、撹拌した。固形分測定により98%が反応したことを確認したのち、無水ピロメリット酸73.3部を加え、120℃で2時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。PGMAcで固形分調整することにより固形分20%の樹脂型分散剤(B−4)溶液を得た。得られた分散剤は常温で白色固形であり、酸価は49mgKOH/gであった。
<バインダ樹脂(C)の製造例>
(バインダ樹脂(C−1)液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、BMA37.2部、HEMA12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(C−1)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(バインダ樹脂(C−2)液の調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、BzMA10部、グリシジルメタクリレート18.2部、MMA25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(C−2)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
(バインダ樹脂(C−3)液の調製)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、BzMA70.5g(0.40モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成社製FA−513M)22.0g(0.10モル)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gからなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5g[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9gおよびハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け、酸価が79mgKOH/gの感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(C−3)液を調製した。質量平均分子量(Mw)は13,000であった。
(バインダ樹脂(C−4)液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、HEMA8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してバインダ樹脂(C−4)を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(バインダ樹脂(C−5)液の調製)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート40部、メタクリル酸40部、MMA120部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート( 日本油脂製「パーブチルO 」)4部、PGMAc40部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール8部、PGMAc32部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMAc395部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃ まで昇温した。反応槽の温度が90℃ に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃ に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110 ℃ にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル7 0 部、2,2’−メチレンビス(4−メチルー6−t−ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃ で12時間反応させた。その後、PGMAc150部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(C−5)液を得た。樹脂の重量平均分子量は18000 、固形分当たりの酸価は2mgKOH/gであった。
(バインダ樹脂(C−M)液の調製)
バインダ樹脂(C−2)〜(C−5)液を同量混合し、バインダ樹脂(C−M)液とした。
<着色組成物(単色)の製造方法>
[製造例1]
(着色組成物(R−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が25質量%の着色組成物(R−1)を作製した。
顔料(A1−1) :20部
樹脂型分散剤液1(B−1:不揮発分20%液) : 3部
樹脂型分散剤液2(B−3:不揮発分20%液) : 2部
バインダ樹脂(C−1:不揮発分20%液) :20部
溶剤(N) :55部
[製造例2〜36]
(着色組成物(R−2〜36)の作製)
表1に記載した通りの材料種、質量に変更した以外は、製造例1と同様に着色組成物(R−2〜36)を作製した。
Figure 2021170089
<感光性緑色組成物の製造方法>
[実施例1]
(感光性緑色組成物(X−1))
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性緑色組成物(X−1)を得た。
緑色組成物(R−1:不揮発分25%) :35.0部
着色組成物(R−25:不揮発分25%) :15.0部
バインダ樹脂(C−M:不揮発分20%) :12.6部
熱硬化性化合物(CE−1) :1.0部
熱硬化性化合物(CE−2) :1.0部
光重合性単量体(D−1) :5.5部
光重合開始剤(E1−3) :1.45部
重合禁止剤(F−1) :0.05部
レベリング剤(G−1:不揮発分3%) :1.0部
チオール系連鎖移動剤(H) :0.5部
紫外線吸収剤(J) :0.1部
酸化防止剤(K) :0.1部
貯蔵安定剤(L) :0.1部
密着向上剤(M) :0.2部
溶剤(N) :25.95部
[実施例2〜66、比較例1〜5]
(感光性緑色組成物(X−2〜71)の作製)
実施例1の感光性緑色組成物の材料種類と質量を表2に記載した通りに変更した以外は、実施例1と同様に行い感光性緑色組成物(X−2〜71)をそれぞれ作製した。尚、それぞれの原料については、以下の通りである。
Figure 2021170089
<熱硬化性化合物(CE)>
・エポキシ化合物(CE−1)
(CE−1−1)2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−
エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物
[EHPE−3150(ダイセル社製)]、
(CE−1−2)ソルビトールのグリシジルエーテル化エポキシ化合物
[デナコールEX611(ナガセケムテックス株式会社製)]、
(CE−1−3)イソシアヌル酸トリグリシジル
(CE−1−1)〜(CE−1−3)をそれぞれ同量混合し、エポキシ化合物(CE−1)とした。
・オキセタン化合物(CE−2):
3−エチル−3−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]オキセタン
[アロンオキセタンOXT−221(東亞合成株式会社製)]
<重合性化合物(D)>
(D−1)トリメチロールプロパントリアクリレート
[アロニックスM309(東亞合成株式会社製)]
(D−2)トリメチロールプロパンエチレンオキサイド (EO)変性トリアクリレート
[アロニックスM350(東亞合成株式会社製)]
(D−3)トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド (PO)変性トリアクリレート
[アロニックスM310(東亞合成株式会社製)]
(D−M)以下の(D−4)〜(D−9)をそれぞれ同量にて混合し、光重合性単量体(D−M)とした。
(D−4)ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート
[アロニックスM402(東亞合成株式会社製)]
(D−5)多塩基酸性アクリルオリゴマー
[アロニックスM520(東亞合成株式会社製)]
(D−6)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
[KAYARAD DPCA−30(日本化薬社製)]
(D−7)下記による多官能ウレタンアクリレート
内容量が1リットル5つ口反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(432g、ヘキサメチレンジイソシアネート84gを仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(D−7)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(D−7)の占める割合は、70質量%であり、残部を他の光重合性モノマーで占めている。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
(D−8)2官能のビスフェノールA型(メタ)アクリレート
[ABE−300(新中村化学社製)]
(D−9)エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート
[A−9300(新中村化学社製)]
<光重合開始剤(E)>
(E1−1)化学式(3)で表される化合物
(E1−2)化学式(4)で表される化合物
(E1−3)化学式(5)で表される化合物
(E1−4)化学式(6)で表される化合物
(E2−5)1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]
[イルガキュアOXE01(BASFジャパン社製)]
(E2−6)化学式(17)で表される化合物
化学式(17)
Figure 2021170089
(E2−7)化学式(18)で表される化合物
化学式(18)
Figure 2021170089
(E2−8)エタン−1−オン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)
[イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)]
(E2−M)以下の(E2−9)〜(E2−15)をそれぞれ同量にて混合し、光重合開始剤(E2−M)とした。
(E2−9)2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
[イルガキュア907(BASFジャパン社製)]
(E2−10)2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
[イルガキュア379(BASFジャパン社製)]
(E2−11)2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーホスフィンオキサイド
[ルシリンTPO(チバ・ジャパン社製)]
(E2−12)2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
[ビイミダゾール(黒金化成社製)]
(E2−13)p−ジメチルアミノアセトフェノン
[DMA(ダイキファイン社製)]
(E2−14)1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル] −2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン
[イルガキュア2959(BASFジャパン社製)]
(E2−15)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド
[イルガキュア819(BASFジャパン社製)]
(E1−1/E1−3):(E1−1)と(E1−3)を同量混合した。
(E1−2/E1−3):(E1−2)と(E1−3)を同量混合した。
(E1−3/E1−4):(E1−3)と(E1−4)を同量混合した。
(E1−3/E2−5):(E1−3)と(E2−5)を同量混合した。
(E1−3/E2−6):(E1−3)と(E2−6)を同量混合した。
(E1−3/E2−7):(E1−3)と(E2−7)を同量混合した。
(E1−3/E2−8):(E1−3)と(E2−8)を同量混合した。
(E1−3/E2−M):(E1−3)と(E2−M)を同量混合した。
<重合禁止剤(F)>
(F−1)2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
(F−2)メチルヒドロキノン
(F−M)以下の(F−3),(F−4)をそれぞれ同量にて混合し、光重合開始剤(F−M)とした。
(F−3)3−メチルカテコール
(F−4)t−ブチルヒドロキノン
<レベリング剤(G)>
(G−1)DIC株式会社製「メガファックF−575」 3部をPGMAc97部に混合した溶液
(G−2)ビックケミー社製「BYK−330 」 3部をPGMAc97部に混合した溶液
(G−3)花王株式会社製「エマルゲン103」 3部をPGMAc97部に混合した溶液
(G−4)DIC株式会社製「メガファックF−563」 3部をPGMAc97部に混合した溶液
(G−5)ビックケミー社製「BYK−323 」 3部をPGMAc97部に混合した溶液
(G−1/G−2)(G−1)と(G−2)を同量混合し、(G−1/G−2)とした。
(G−1/G−3)(G−1)と(G−3)を同量混合し、(G−1/G−3)とした。
(G−1/G−4)(G−1)と(G−4)を同量混合し、(G−1/G−4)とした。
(G−2/G−3)(G−2)と(G−3)を同量混合し、(G−2/G−3)とした。
(G−2/G−5)(G−2)と(G−5)を同量混合し、(G−2/G−5)とした。
<チオール系連鎖移動剤(H)>
(H−1)トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)
[TEMB(昭和電工社製)]
(H−2)トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)
[TPMB(昭和電工社製)]
(H−3)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
[PEMP(堺化学工業社製)]
(H−4)トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)
[TMMP(堺化学工業社製)]
(H−5)トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート
[TEMPIC(堺化学工業社製)]
以上、(H−1)〜(H−5)をそれぞれ同量にて混合し、チオール系連鎖移動剤(H)とした。
<紫外線吸収剤(J)>
(J−1)2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
[TINUVIN400(BASFジャパン社製)]
(J−2)2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール
[TINUVIN900(BASFジャパン社製)]
以上、(J−1)(J−2)をそれぞれ同量にて混合し、紫外線吸収剤(J)とした。
<酸化防止剤(K)>
(K−1)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(K−2)3,3'−チオジプロパン酸ジオクタデシル
(K−3)トリス[2,4−ジ−(t)−ブチルフェニル]ホスフィン
(K−4)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
(K−5)サリチル酸p−オクチルフェニル
以上、(K−1)〜(K−5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(K)とした。
<貯蔵安定剤(L)>
トリフェニルホスフィン(北興化学工業社製「TPP」)
<密着向上剤(M)>
(M−1)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM−403(信越化学工業株式会社製)]
(M−2)3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBE−503(信越化学工業株式会社製)]
(M−3)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM−603(信越化学工業株式会社製)]
(M−4)3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM−803(信越化学工業株式会社製)]
以上、(M−1)〜(M−4)をそれぞれ同量にて混合し、密着向上剤(M)とした。
<溶剤(N) >
(N−1)PGMAc 60部
(N−2)3−エトキシプロピオン酸エチル 10部
(N−3)プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
(N−4)シクロヘキサノールアセテート 10部
(N−5)ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
以上、(N−1)〜(N−5)をそれぞれ上記質量部にて混合し、溶剤(N)とした。
<感光性緑色組成物の評価>
各試験を下記の方法で行った。試験の結果を表3に示す。
評価ランクの意味は、以下の通り。
◎:極めて良好
○:良好
△:実用可能
×:実用には適さない
<残膜率評価>
得られた感光性緑色組成物について、100mm×100mm、0.7mmのガラス基板上に膜厚3.4μmとなるように塗布し、100μm幅のストライプパターンを有するマスクを通して40mJ/cm2の条件下にて紫外線露光を行った。その後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液に、23℃で40秒間浸漬して現像し、純水で洗浄することにより、パターンを得た。得られた塗膜について、230℃のオーブンで20分間加熱処理(ポストベーク)を施し、ポストベーク前後での膜厚変化(残膜率)を以下の式から算出した。
残膜率=ポストベーク後の膜厚/ポストベーク前の膜厚×100
評価基準は以下の通り。
◎:85%以上
○:80%以上85%未満
△:75%以上80%未満
×:75%未満
<水しみ評価>
得られた感光性緑色組成物について、100mm×100mm、0.7mmのガラス基板上に膜厚3.4μmとなるように塗布し、40mJ/cm2の条件下にて紫外線露光を行った。その後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液に、23℃で40秒間浸漬して、純水で洗浄することにより、ベタ塗り基板を得て、水しみを拡大鏡で観察した。評価基準は以下の通り。
◎:水しみがなかった。
○:水しみがベタ部分の10%未満であった。
△:水しみがベタ部分の10%以上〜30%未満であった。
×:水しみがベタ部分の30%以上であった。
<パターン形状評価>
得られた感光性緑色組成物について、100mm×100mm、0.7mmのガラス基板上に膜厚3.4μmとなるように塗布し、100μm幅のストライプパターンを有するマスクを通して40mJ/cm2の条件下にて紫外線露光を行った。その後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液に、23℃で40秒間浸漬して現像し、純水で洗浄することにより、パターンを得た。得られた塗膜について、230℃のオーブンで20分間加熱処理(ポストベーク)を施し、走査型電子顕微鏡(日立ハイテック社製「S−3000H」)にてパターン形状を確認した。評価は幅100μmのストライプ型パターンの断面のSEM画像を取り込み、基材とパターン断面の端部とのテーパー角度を分度器を用いて以下のように評価した。
◎:テーパー角度40度以上50度未満
○:テーパー角度30度以上40度未満もしくは50度以上60度未満
△:テーパー角度30度未満もしくは60度以上70度未満
×:テーパー角度70度以上
Figure 2021170089
10 液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶

Claims (9)

  1. 有機顔料(A)と、樹脂型分散剤(B)と、バインダ樹脂(C)と、重合性化合物(D)と、光重合開始剤(E)とを含む感光性緑色組成物であって、
    前記有機顔料(A)が、アルミニウムフタロシアニン顔料(A1)、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(A2)およびハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A3)から選ばれる1つ以上の顔料と、黄色顔料(A4)とを含み、かつ、
    前記光重合開始剤(E)が、下記一般式(1)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(E1)を含むことを特徴とする感光性緑色組成物。
    一般式(1)
    Figure 2021170089
    〔一般式(1)において、R1は水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基、R2は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。nは0もしくは1を表す。R3〜R5のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される置換基で置換されており、残りは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、またはフェニル基を示し、各アルキル基およびフェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜12のアルコキシル基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。〕
    一般式(2)
    Figure 2021170089
    〔一般式(2)において、*は、ベンゼン環との結合手を表す。Xは直接結合または酸素原子またはカルボニル基を表す。R6は直接結合または炭素数1〜12の炭化水素基を示す。R7は水酸基またはカルボキシ基を示す。〕
  2. バインダ樹脂(C)が、下記(I)および(II)から選択される側鎖にカルボキシ基および重合性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の感光性緑色組成物。
    (I)エポキシ基を有する重合体中のエポキシ基と、カルボキシ基含有単量体のカルボキシ基との生成物に、多塩基酸または多塩基酸無水物を反応させてなるアルカリ可溶性樹脂
    (II)カルボキシ基を有する重合体中のカルボキシ基と、エポキシ基含有単量体のエポキシ基との反応物であるアルカリ可溶性樹脂
  3. さらに、重合禁止剤(F)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の感光性緑色組成物。
  4. 樹脂型分散剤(B)が、酸性官能基を有する樹脂型分散剤と塩基性官能基を有する樹脂型分散剤とを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の感光性緑色組成物。
  5. さらに、シリコーン系レベリング剤もしくはフッ素系レベリング剤(G)を2種類以上含むことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の感光性緑色組成物。
  6. さらに、重合性化合物(D)が、エチレンオキサイド (EO)変性(メタ)アクリレートもしくはプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレートを1種類以上含むことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の感光性緑色組成物。
  7. さらに、光重合開始剤(E)が、2種類以上のオキシムエステル系光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の感光性緑色組成物。
  8. 基材、および請求項1〜7いずれかに記載の感光性緑色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを有するカラーフィルタ。
  9. 請求項8記載のカラーフィルタを備えてなる、液晶表示装置。
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