JP2021165580A - クラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
クラッチカバー組立体10は、エンジンのフライホイール3に対してクラッチディスク組立体4のクラッチディスク5を押し付けてクラッチを連結し(クラッチオン)、あるいは押し付けを解除してクラッチを切断する(クラッチオフ)ための装置である。なお、クラッチディスク5は、摩擦フェーシング6とクッショニングプレート7とを有し、軸方向に所定範囲内でたわみ可能なクッショニング機能を有している。
クラッチカバー11は、図1及び図2に示すように、概ね皿形状のプレート部材であり、外周部が例えばボルト15によりフライホイール3に装着可能である。クラッチカバー11は、フライホイール3の外周部に対して軸方向に隙間をあけて対向する円板状部分11aを有している。
プレッシャプレート12は、フライホイール3に対向する側に押圧面12aが形成された環状の部材である。押圧面12aとフライホイール3との間には、クラッチディスク組立体4のクラッチディスク5が配置される。プレッシャプレート12には、押圧面12aと反対側に軸方向に突出する複数の突出部12bが形成されている。複数の突出部12bは、同じ円周上に並べて配置されている。
ダイヤフラムスプリング13は、クラッチカバー11とプレッシャプレート12との間に配置された円板状部材であり、環状弾性部13aと、環状弾性部13aの内周部から径方向内側に延びる複数のレバー部13bとから構成されている。環状弾性部13aの内周部はプレッシャプレート12の突出部12bに当接している。環状弾性部13aの外周部はワイヤリング20(図1参照)を介してクラッチカバー11に支持されている。この状態で、環状弾性部13aはプレッシャプレート12をフライホイール3側に付勢している。ダイヤフラムスプリング13の複数のレバー部13bの円周方向間はスリットになっており、そのスリットの外周部には小判状の孔13cが形成されている。ダイヤフラムスプリング13のレバー部13bの先端に、プルタイプのレリーズ装置2が係合している。
レリーズ装置2は、ダイヤフラムスプリング13の内周端部を、トランスミッション側に移動させて、クラッチ装置1をクラッチオフにするための装置である。以下、レリーズ装置2について簡単に説明する。
摩耗報知機構14は、クラッチディスク5の摩擦フェーシング6が所定量摩耗したときに、摩擦フェーシング6に対するプレッシャプレート12の押圧力を不均一にして、摩擦フェーシング6の摩耗を運転者に報知する機構である。すなわち、摩擦フェーシング6に対するプレッシャプレート12の押圧力が不均一になると、クラッチが徐々に滑り出す、あるいはジャダーが発生する。特に、ジャダーが発生すると、ステアリングが異常な振動を起こしたり、異音が発生したり、左右に振れたりする等の現象が起きる。このため、運転者は、摩擦フェーシング6が所定量摩耗したことに気づくことになる。したがって、前記の「所定量」を、摩擦フェーシング6の摩耗限界よりも小さい値に設定することにより、摩擦フェーシング6が摩耗限界に到達する前に、運転者はクラッチディスク組立体4を交換する等の対応が可能になる。
具体的には、摩耗報知機構14は、摩擦フェーシング6が所定量摩耗したときに、プレッシャプレート12の円周方向の一部がフライホイール3側へ移動するのを禁止する。これを実現するために、この実施形態では、前述のように、4個のリーマボルト18のうちの3個のリーマボルト18の頭部18a(当接部の一例)と、クラッチカバー11の表面と、の隙間をDに設定し、残りの1個のリーマボルト18の頭部18aと、クラッチカバー11の表面と、の隙間をd(<D)に設定している。すなわち、摩耗報知機構14は、複数のリーマボルト18と、リーマボルト18の頭部18aと、とクラッチカバー11の表面と、の隙間によって構成されている。
摩擦フェーシング6が摩耗していない初期状態では、3個のリーマボルト18の隙間はDであり、1個のリーマボルト18の隙間はdに確保されている。そして、長期間の使用によって摩擦フェーシング6が摩耗してくると、プレッシャプレート12がフライホイール3側に移動し、隙間D,dは徐々に小さくなる。
ここで、隙間D,dは、クラッチディスク組立体4及びクラッチカバー組立体10を含むクラッチ装置1をフライホイール3に装着する際に、図5及び図6に示すようなスペースブロック30が挿入される部分である。図5はスペースブロックの正面図、図6はその側面図である。
このクラッチカバー組立体10では、レリーズ装置2がダイヤフラムスプリング13のレバー部13bの先端に荷重を与えていない状態では、環状弾性部13aがプレッシャプレート12に押圧荷重を与えている。その結果、クラッチディスク組立体4の摩擦フェーシング6がフライホイール3に押し付けられ、クラッチディスク組立体4にトルクが伝達される。
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
4 クラッチディスク組立体
6 摩擦フェーシング
10 クラッチカバー組立体
11 クラッチカバー
12 プレッシャプレート
13 ダイヤフラムスプリング
14 摩耗報知機構
16 ストラッププレート
18 リーマボルト
18a リーマボルトの頭部(当接部)
30 スペースブロック
D,d 隙間
Claims (5)
- 駆動源側のフライホイールにクラッチディスク組立体の摩擦フェーシングを押し付け及び押し付け解除するためのクラッチカバー組立体であって、
前記フライホイールに固定されるクラッチカバーと、
前記クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、前記フライホイールとの間で前記摩擦フェーシングを挟むためのプレッシャプレートと、
前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャプレートを前記フライホイール側に付勢して前記プレッシャプレートに押圧力を付与するとともに、内周端部が前記フライホイールから離れる側に移動させられることによって前記付勢力が解除されるダイヤフラムスプリングと、
前記摩擦フェーシングが所定量摩耗したときに、前記摩擦フェーシングに対する前記プレッシャプレートの押圧力を不均一にして前記摩擦フェーシングの摩耗を報知する摩耗報知機構と、
を備えたクラッチカバー組立体。
- 前記摩耗報知機構は、前記摩擦フェーシングが所定量摩耗したときに、前記プレッシャプレートの円周方向の一部が前記フライホイール側へ移動するのを禁止する、請求項1に記載のクラッチカバー組立体。
- 前記摩耗報知機構は、第1端部及び第2端部を有する複数の検知部材を有し、
前記第1端部は、前記プレッシャプレートに固定され、
前記第2端部は、前記クラッチカバーを貫通するとともに前記クラッチカバーの表面と所定の隙間を介して対向し、前記クラッチカバーに当接可能な当接部を有し、
前記複数の検知部材の少なくとも1つの検知部材の当接部と前記クラッチカバーとの間の隙間は、他の検知部材の当接部と前記クラッチカバーとの隙間よりも狭く設定されている、
請求項2に記載のクラッチカバー組立体。
- 前記プレッシャプレートと前記クラッチカバーとを連結する複数のストラッププレートをさらに備え、
前記検知部材は、前記ストラッププレートを前記プレッシャプレートに固定するものである、
請求項3に記載のクラッチカバー組立体。
- 前記クラッチカバーと前記検知部材の当接部との間の隙間は、前記クラッチディスク組立体と前記クラッチカバー組立体とを、前記フライホイールに装着された位置関係に保持するためのスペースブロックが挿入される隙間である、請求項3又は4に記載のクラッチカバー組立体。
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