JP2021164954A - プレス部品の製造方法、曲げ戻し用の金型、プレス部品の成形方法及び高強度鋼板 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、引張強度が980MPa以上の鋼板である高強度鋼板など、スプリングバック量が大きくなる傾向の金属板を用いた場合に、特に好適である。
(1)曲げたダイ肩部稜線の曲げ戻し部に対し、凸形状を付与し、次工程で正規形状に曲げ伸ばすことで曲げ戻し部の表裏応力差が減少し、曲げ戻し部の角度変化が小さくなる。
(2)ダイ肩部稜線の曲げ戻し部に、凸形状を付与し、次工程で正規形状に曲げ伸ばすことで、曲げ戻し部にスプリングバック成分とスプリングゴー成分が共存し、材料強度変動時の角度変化量が小さくなる(材料強度感受性が低下する)。
ここで、材料強度感受性とは、金属板の材料強度変化に対する寸法精度の変化の指標であり、材料強度感受性が小さいとは、材料強度変化に対する寸法精度の変化が小さいことを指す。
このような知見に基づき本発明をなした。
また、その後に、縦壁部を目的とする正規の形状に曲げ伸ばす場合には、更に、縦壁部先端の寸法変化を低減することが可能となる。
なお、目的の部品形状として、縦壁部が上記の凸形状部からなる膨らみを許容可能であれば、その形状を最終形状としても良い。
<プレス部品形状>
本実施形態が対象とするプレス部品2のプレス部品形状は、図1のような、少なくとも一部の部品形状として、天板部1Aと天板部1Aに第1曲げ部1Cを介して連続する縦壁部1Bとからなる断面L字形状のL字形状部1を有する。すなわち、本実施形態は、少なくとも一部にL字形状部1を有するプレス部品2であれば対象となる。なお、縦壁部1Bの先端部にフランジ部が形成されていても良い。フランジ部がない場合には、縦壁部1Bはフランジを構成する。
なお、図1に記載の寸法は、実施例での寸法を併記したもので、本発明をなんら制限するものではない。
平らな金属板10を1回のプレス成形によってL字形状部1を成形する場合、例えば、図2(a)のように、天板部1Aとなる位置をパンチ50(下型)とパッド51で拘束した状態で、ダイ52(上型)をパンチ50に向けて下降させて実行する。この成形によって金属板10をパンチ50の肩部稜線で折り曲げることで、天板部1Aと縦壁部1Bとが第1曲げ部1C(パンチ肩部稜線に当接する部分)を介した断面L字状の形状とに成形される。
その後、適宜、図2(b)のような金型53、54でリストライク加工が施されることで、縦壁部1Bの整形が実行される。
一方、平坦な金属板10を2段階のプレス成形(2回成形とも記載する)でL字形状部1を成形する場合、図3に示すように、予成形工程3Aと曲げ戻し工程3Cとの二回の成形で実行される。
本実施形態では、曲げ戻し工程3Cの後にリストライク加工を行うリストライク工程3Dを有する。
また、本実施形態では、予成形工程3Aと曲げ戻し工程3Cとの間にトリム工程3Bを備える。トリム工程3Bは、例えば、予成形工程3A後の金属板10における縦壁部1Bの先端部となる領域のトリム処理を実行して、縦壁部1Bの端部形状を整える。予成形工程3Aで曲げた後にトリムを行うのは、製品の形状精度を高くするためである。
ここで、縦壁部1Bにおける、天板部1Aや第1曲げ部1Cから離れる方向(縦壁部1Bの先端に向かう方向)を離隔方向(図4、図5中、上下方法)と記載する。
予成形工程3Aは、金属板10を、第1曲げ部1Cで曲げると共に、縦壁部1Bとなる板材部分における離隔方向での途中位置である第2曲げ部1Dで第1曲げ部1Cとは反対方向に曲げるプレス成形によって、クランク形状からなる予成形形状4(図4(b)参照)の中間部品を成形する工程である。
予成形工程3Aは、例えば、図4(a)、図5(a)に示すように、天板部1Aとなる位置をパンチ56(下型)とパッド57で拘束した状態で、ダイ55(上型)をパンチ56に向けて下降させて実行する。この成形によって、金属板10をパンチ56の肩部稜線で折り曲げることで、天板部1Aと縦壁部1Bとの間の第1曲げ部1C(パンチ肩部稜線に当接する部分)を形成すると共に、ダイ55の肩部稜線で縦壁部1Bとなる板材の途中位置を第1曲げ部1Cとは反対方向に曲げて第2曲げ部1Dを形成して、クランク状の予成形形状4となる(図4(b)参照)。
上記説明では、予成形工程3Aのプレス成形として、パッドフォーム成形を例示したが、予成形工程3Aのプレス成形として、フォーム成形やドロー成形等を採用しても構わない。
曲げ戻し工程3Cでは、予成形工程3Aで成形した予成形形状4の第2曲げ部1Dを曲げ戻すプレス成形を実行する。
曲げ戻し工程3Cは、例えば、図4(b)に示すように、天板部1Aとなる位置をパンチ58(下型)とパッド60で拘束した状態で、ダイ59(上型)をパンチ58に向けて下降させて実行する。この成形の際に、図5(b)のように、縦壁部1Bとなる板材を、パンチ58の側壁部に形成されるパンチ側成形面58Aと、ダイ59の側壁部に形成されるダイ側成形面59Aで挟み込むことで、第2曲げ部1Dが曲げ戻されて縦壁部1Bとなる。
そのため、従来にあっては、曲げ戻し工程3C用の金型における、縦壁部1Bを成形する成形面(パンチ側成形面58A及びダイ側成形面59A)は、目的とするL形状部1での縦壁部1Bの面と同じ、平坦な平面として設定される。
ここで、この平坦な面(目的とするL形状部1での縦壁部1Bの面と等価)を、基準面Hと記載する。
これに対し、本実施形態では、曲げ戻し工程3Cで曲げ戻す際に、図5(c)に示すように、縦壁部1Bとなる板材部分に対し、離隔方向の断面が予成形工程3Aでの第2曲げ部1Dの凸方向と反対方向に凸となる凸形状部5を付与する。このとき、凸形状部5における最大突出部の位置が、第2曲げ部1Dであった領域内に配置されるように設計する。
具体的には、図5、図6に示すように、パンチ側成形面58Aを、基準面Hに対し、上記の凸形状部5に対応する位置に凸形状部5に倣った膨らみ部を付与した凸形状58Aaとし、ダイ側成形面59Aを、基準面Hに対し、上記の凸形状部5に対応する位置に凸形状部5に倣ったへこみ形状59Aaを付与した形状とする。
離隔方向における凸形状部5の線長は、第2曲げ部1Dの線長以上であることが好ましい。また、離隔方向における凸形状部5の線長は、例えば、第2曲げ部1Dの線長の2倍以下とする
また、凸形状部5の最大突出部位置での高さを1mm以上が好ましい。また、凸形状部5の最大突出部位置での高さは、例えば、板厚以上で板厚の10倍以下とする。
曲げ戻し工程3Cにおいて、成形面を有する金型を用いることで、縦壁部1Bの第2曲げ部1Dであった領域(曲げ戻し部1E)に凸形状部5が付与される。
なお、凸形状部5の高さは、例えば、基準面Hを基準に求めればよい。
凹形状部6は、凸形状部5の左右両側の少なくとも一方に設ければ良い。凹形状部6は、その曲率半径などを調整することで、曲げ戻し後の表層の圧縮応力を調整可能である。なお、凹形状部6は、隔離方向の断面が、凸形状部5とは反対側に凸となった形状である。
リストライク工程3Dでは、図4(c)、図5(c)に示すように、縦壁部1Bに対して、金型59〜61によって、目的とする縦壁部1Bの形状に整形するリストライク加工を施す。
<1回成形の場合>
平らな金属板10を1回のプレス成形によってL字形状部1を成形した場合、曲げ稜線(第1曲げ部1C)の表層(凸側)には引張の応力が発生し裏層(凹側)には圧縮の応力が発生する。そして、離型時にこれらの応力が解放されることで、スプリングバックが発生し、曲げ稜線部の角度変化が生じる。このように、1回成形でL字形状部1を成形する場合、金属板10に付与される曲げ稜線はパンチ肩部のみとなる。
ここで、L字形状部1を上述のように二段階で成形、すなわち予成形工程3Aで縦壁部1Bの途中まで成形し、次工程の曲げ戻し工程3Cで、第2曲げ部1Dが平坦となる位置まで曲げ戻して目的のL字形状部1を成形する場合を想定する。
このように、二段階で成形した場合、第1曲げ部1Cに加えて、第2曲げ部1Dであった曲げ戻し部1Eにもスプリングバックによる角度変化が同方向に生じる。
このため、1回成形に比べ、縦壁部1Bの先端での寸法変化量は大きくなる。
これに対し、本実施形態では、曲げ戻し成形の際に、縦壁部1Bに当接するパンチ側成形面58A及びダイ側成形面59Aに、凸形状58Aa又はへこみ形状59Aaを、縦壁部1Bとなる板材における曲げ戻し部1Eとなる位置を当接させる領域と重なる位置に形成した金型を用いて、第2曲げ部1Dに対し曲げ戻し成形を実行する。
この結果、本実施形態では、この曲げ戻しの際に、縦壁部1Bにおける、曲げ戻し部1Eと重なる領域に対し、離隔方向の断面が、第2曲げ部1Dでの凸方向とは反対方向への凸となるように膨らんだ凸形状部5を付与する。
曲げ戻し部1Eでの表層の引張応力が若干増加するものの、凸形状部5を部分的に形成することで凸形状部5の両側に形成された2つの凹形状部6となる部分に圧縮応力が発生し、2つの凹形状部6となる部分に発生する圧縮応力で曲げ戻し部1Eに発生する引張応力を相殺する。これによって、凸形状部5を形成しない従来法の場合に比べて、縦壁部1Bの先端でのスプリングバック量が低減することを確認した。
ここで、離隔方向における凸形状部5の線長が長い方が、圧縮応力も引張応力も広い範囲で供給される。
また、本実施形態では、凹形状部6が曲げ戻し部1Eに重ならないように配置されているが、一部曲げ戻し部1Eと重なっていても構わない。
リストライク加工によって、上記の凸形状部5及び凸形状部5を潰すように曲げ伸ばし成形を実行する。
このリストライク加工の効果は、従来のリストライク加工の効果と異なり、曲げ戻し部1Eの表層の引張応力が消し込まれると共に、両側の凹形状部6で発生していた圧縮応力も消し込まれる。この結果、更に、より有効にスプリングバック量が減少する。
また、その後に、縦壁部1Bを目的とする部品形状に曲げ伸ばすことで、更に、縦壁部1Bの先端の寸法変化を低減することが可能となる。
なお、目的の部品形状として、縦壁部1Bが上記の凸形状部5からなる膨らみを許容可能であれば、その形状を最終形状としても良い。
本実施形態は、例えば次のような効果を奏する。
(1)本実施形態は、天板部1Aと上記天板部1Aに第1曲げ部1Cを介して連続する縦壁部1Bとを有するプレス部品形状に、金属板10をプレス成形してプレス部品2を製造するプレス部品2の製造方法であって、上記縦壁部1Bにおける、上記天板部1Aから離れる方向を離隔方向としたとき、上記金属板10を、上記第1曲げ部1Cで曲げると共に、上記縦壁部1Bとなる板材部分における上記離隔方向での途中位置である第2曲げ部1Dで上記第1曲げ部1Cとは反対方向に曲げる予成形工程3Aと、上記予成形工程3Aの後に、上記第2曲げ部1Dを曲げ戻す曲げ戻し工程3Cと、を備え、上記曲げ戻し工程3Cで曲げ戻す際に、上記縦壁部1Bとなる板材部分に対し、上記離隔方向の断面が上記予成形工程3Aでの上記第2曲げ部1Dの凸方向と反対方向に凸となる凸形状部5を付与し、上記凸形状部5における最大突出部の位置を、上記第2曲げ部1Dであった領域内に配置する。
例えば、上記縦壁部1Bとなる板材に当接する金型の成形面は、上記縦壁部1Bとなる板材部分に対し、上記凸形状部5と共に、上記離隔方向における上記凸形状部5の両側の少なくとも一方に凹形状部6を付与可能な形状となっている曲げ戻し用の金型を採用する。
この構成によれば、曲げ戻しの際に、凸形状部5の両側の少なくとも一方に形成される凹形状部6によって付与れる圧縮応力を調整可能となる。
この構成によれば、更に、縦壁部1Bの先端でのスプリングバック量を低減可能となる。
この構成によれば、確実にスプリングバック量を低減可能となる。
スプリングバックが発生しやすい高強度鋼板であっても、確実にスプリングバック量を低減可能となる。
図1に示すような部品形状モデルに成形する解析条件で、1回成形、従来の二段階成形、本発明例の二段階成形についてシミュレーション解析(プレス成形解析及びスプリングバック)を実行した。
従来の二段階成形では、曲げ戻し工程3Cでの縦壁部1Bを成形する金型の成形面を断面直線状(基準面H)に設定した。
一方、発明例の二段階成形では、曲げ戻し工程3Cでの縦壁部1Bを成形する金型の成形面として、断面直線状(基準面H)をベースとし、当該成形面58A、59Aを、本発明に基づく凸形状部5に倣った凸形状58Aa若しくはへこみ形状59Aaを付与した形状とした。
また、成形される金属板10として、表1に示す高強度鋼板を用いた。
そして、縦壁部1Bの先端でのスプリングバック量と縦壁部1Bでの応力状態とを比較して評価を実行した。
(応力状態の比較)
<1回成形の場合>
1回成形の場合、図7に示すように、第1曲げ部1Cの表層に引張応力が発生した。
その後のリストライク工程3Dを実行することによって、第1曲げ部1Cの表層に発生した引張応力が若干小さくなった。
従来の二段階成形の場合、図8に示すように予成形工程3Aによって、第1曲げ部1Cの表層に引張応力が、第2曲げ部1Dの表層に圧縮応力が発生した。次に、曲げ戻し工程3Cによって、第1曲げ部1Cの表層に引張応力が、曲げ戻し部1E(第2曲げ部1D)の表層に引張応力が発生していた。更に、その後のリストライク工程3Dによって、曲げ戻し部1E(第2曲げ部1D)の引張応力が若干小さくなった。ただし、その低減は、本発明例よりも大幅に小さい。
一方、発明例の二段階成形の場合、図9に示すように、曲げ戻し工程3Cによって、第1曲げ部1Cの表層に引張応力が、曲げ戻し部1E(第2曲げ部1D)の表層に引張応力が発生していたが、曲げ戻し部1Eの上下位置(凹形状58Abの位置)に圧縮応力が発生していた。
更に、その後のリストライク工程3Dによって、図9に示すように、第1曲げ部1Cの表層に発生した引張応力が若干小さくなると共に、曲げ戻し部1E(第2曲げ部1D)の引張応力が消し込まれていることが分かった。また、曲げ戻し部1Eの上下位置に発生していた圧縮応力も小さくなっていた。
1回成形、従来の二段階成形、及び本発明例の二段階成形で、の曲げ戻し工程3C後、及びリストライク工程3D後の、各スプリングバック量と材料強度感受性を求めたところ、図11、及び図12の結果を得た。このとき、図10に示すように、曲げ戻し工程3Cでの成形面58Aに隔離方向に沿って部分的に凸形状58Aaを設けた。
図11から分かるように、本発明例の二段階成形でのスプリングバック量は、1回成形でのリストライク加工前のスプリングバック量に近い値となることが分かった。また、本発明例の二段階成形でのスプリングバック量は、曲げ戻し工程3C後もリストライク工程3D後も共に、従来の二段階成形に比べて小さく抑えられることが分かった。
ここで、図12では、材料強度感受性の指標として、引張強度が1180MPaの金属板と引張強度が980MPaの金属板とを用いた場合における、両者のスプリングバック量の差の絶対値を採用した。
また、従来の二段階成形、本発明例の二段階成形での曲げ戻し工程3C後における縦壁部1Bのスプリングバック状態を、図13に示す。これは、本発明例の二段階成形での成形面に設けた凸形状58Aaの曲率半径を20mm(R20)、40mm(R40)、60mm(R60)とした場合について、従来の二段階成形(曲率半径=0mm)と比較したものである。
更に、リストライク工程3D後の、従来の二段階成形、本発明例の二段階成形でのスプリングバックの状態を、図14に示す。
図14から分かるように、本発明例の二段階成形では、従来の二段階成形に比べてスプリングバック量が低減し、且つ、成形面に設ける凸形状58Aaの曲率半径に関わらず、ほぼ同程度のスプリングバック量となることが分かった。
この場合も、縦壁部1Bの先端でのスプリングバック量を求めたところ、従来の二段階成形に比べてスプリングバック量が低減し、且つ、成形面に設ける凸形状58Aaの高さに関わらず、ほぼ同程度のスプリングバック量となることが分かった。
また、成形面に設けた凸形状58Aaに倣った凸形状部5が、曲げ戻し工程3Cによって縦壁部1Bに形成された。
以上のように、本発明に基づく二段階成形を採用することで、二段階成形で縦壁部1Bを形成しても、スプリングバック量を抑えることができることが分かった。
1A 天板部
1B 縦壁部
1C 第1曲げ部
1D 第2曲げ部
1E 曲げ戻し部
2 プレス部品
3A 予成形工程
3B トリム工程
3C 曲げ戻し工程
3D リストライク工程
4 予成形形状
5 凸形状部
6 凹形状部
10 金属板
58A パンチ側成形面
59A ダイ側成形面
58Aa 凸形状
58Ab 凹形状
59A ダイ側成形面
H 基準面
Claims (8)
- 天板部と上記天板部に第1曲げ部を介して連続する縦壁部とを有するプレス部品形状に、金属板をプレス成形してプレス部品を製造するプレス部品の製造方法であって、
上記縦壁部における、上記天板部から離れる方向を離隔方向としたとき、
上記金属板を、上記第1曲げ部で曲げると共に、上記縦壁部となる板材部分における上記離隔方向での途中位置である第2曲げ部で上記第1曲げ部とは反対方向に曲げる予成形工程と、
上記予成形工程の後に、上記第2曲げ部を曲げ戻す曲げ戻し工程と、を備え、
上記曲げ戻し工程で曲げ戻す際に、上記縦壁部となる板材部分に対し、上記離隔方向の断面が上記予成形工程での上記第2曲げ部の凸方向と反対方向に凸となる凸形状部を付与し、
上記凸形状部における最大突出部の位置を、上記第2曲げ部であった領域内に配置する、
ことを特徴とするプレス部品の製造方法。 - 上記曲げ戻し工程で曲げ戻す際に、上記凸形状部と共に、上記離隔方向における上記凸形状部の両側の少なくとも一方に凹形状部を付与することを特徴とする請求項1に記載したプレス部品の製造方法。
- 上記曲げ戻し工程の後に、上記縦壁部となる板材部分を、目的の縦壁部の板形状にリストライク加工を施すリストライク工程を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したプレス部品の製造方法。
- 上記凸形状部の最大突出部位置での高さを1mm以上とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
- 天板部と上記天板部に第1曲げ部を介して連続する縦壁部とを有するプレス部品形状に金属板をプレス成形するために、上記金属板を、上記第1曲げ部で曲げ且つ上記縦壁部となる板材部分の途中位置である第2曲げ部で上記第1曲げ部とは反対方向に曲げた予成形形状に成形する予成形工程と、上記予成形工程後に上記第2曲げ部を曲げ戻す曲げ戻し工程とを有するプレス部品の製造方法における、上記曲げ戻し工程で用いられる金型であって、
上記縦壁部となる板材に当接する金型の成形面が、上記縦壁部となる板材部分に対し、上記第1曲げ部から離隔する方向の断面が上記予成形工程での上記第2曲げ部の凸方向と反対方向に凸となり且つその凸の最大突出部の位置が上記第2曲げ部となる領域内に配置された凸形状部を付与可能な形状となっている、
ことを特徴とする曲げ戻し用の金型。 - 上記縦壁部となる板材に当接する金型の成形面は、上記縦壁部となる板材部分に対し、上記凸形状部と共に、上記凸形状部の両側の少なくとも一方に凹形状部を付与可能な形状となっている、ことを特徴とする請求項5に記載した曲げ戻し用の金型。
- 請求項5又は請求項6に記載の金型で、縦壁部となる板材部分を曲げ戻した後に、当該縦壁部を目的とする縦壁部の板形状にリストライク加工を施すことを特徴とするプレス部品の成形方法。
- 上記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のプレス部品の製造方法のための、引張強度が980MPa以上の高強度鋼板。
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