JP2021162044A - 緩衝器 - Google Patents

緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP2021162044A
JP2021162044A JP2020061752A JP2020061752A JP2021162044A JP 2021162044 A JP2021162044 A JP 2021162044A JP 2020061752 A JP2020061752 A JP 2020061752A JP 2020061752 A JP2020061752 A JP 2020061752A JP 2021162044 A JP2021162044 A JP 2021162044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure chamber
expansion
shock absorber
contraction
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020061752A
Other languages
English (en)
Inventor
直也 加藤
Naoya Kato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
KYB Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYB Corp filed Critical KYB Corp
Priority to JP2020061752A priority Critical patent/JP2021162044A/ja
Publication of JP2021162044A publication Critical patent/JP2021162044A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】簡易な構成で、所望の大きさの減衰力を容易に得ることができる緩衝器を提供する。【解決手段】緩衝器1は、第1拡縮部10、第2拡縮部20、及び減衰部40を備えている。第1拡縮部10は、内部に作動流体が充填される第1圧力室R1を形成して拡縮自在に設けられている。第2拡縮部20は、内部に作動流体が充填される第2圧力室R2を形成して拡縮自在に設けられている。減衰部40は、第1圧力室R1及び第2圧力室R2を連通する。減衰部40は、第1圧力室R1及び第2圧力室R2の拡縮に伴って第1圧力室R1と第2圧力室R2との間を流通する作動流体の流れに抵抗を付与する。減衰部40はチョーク通路を有する。チョーク通路は、第1圧力室R1及び第2圧力室R2の間隔よりも長い流路長で形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は緩衝器に関する。
特許文献1は従来の緩衝器を開示している。この緩衝器は、空圧緩衝器本体と、出力軸と、密閉体と、減衰部とを備えている。空圧緩衝器本体は、作動流体としての気体が充填される圧力室を両端に備えた筒状に形成されている。各圧力室は弾性を有して伸縮自在に設けられた密閉体によって密閉されている。また、各圧力室は減衰部によって連通されている。減衰部は、流通する気体の流れに抵抗を付与する。これにより、特許文献1の緩衝器は、密閉体の伸縮に伴って各圧力室の大きさが変化し、気体が圧力室間を交流して減衰力を発生させることができる。
特開2012−172817号公報
特許文献1の緩衝器において、減衰部に用いる減衰弁の例としてチョーク(チョーク通路)が挙げられている。チョーク通路による減衰力は、流路の長さと断面積に依存する。特許文献1の場合、減衰部は2つの圧力室の間の仕切部に形成されている。このような減衰部にチョークを形成する場合、流路長が仕切部の長さに制限されてしまうため、所望の大きさの減衰力が得られないおそれがあった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、所望の大きさの減衰力を容易に得ることができる緩衝器を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の緩衝器は、第1拡縮部、第2拡縮部、及び減衰部を備えている。第1拡縮部は、内部に作動流体が充填される第1圧力室を形成して拡縮自在に設けられている。第2拡縮部は、内部に作動流体が充填される第2圧力室を形成して拡縮自在に設けられている。減衰部は、第1圧力室及び第2圧力室を連通する。減衰部は、第1圧力室及び第2圧力室の拡縮に伴って第1圧力室と第2圧力室との間を流通する作動流体の流れに抵抗を付与する。減衰部はチョーク通路を有する。チョーク通路は、第1圧力室及び第2圧力室の間隔よりも長い流路長で形成されている。
この緩衝器は、一方の拡縮部が拡張すると他方の拡縮部が収縮する。これにより、2つの圧力室が拡縮し、減衰部を流通する作動流体の流れが生じる。作動流体は、減衰部のチョーク通路を流通することによってその流れに抵抗が付与される。これにより、2つの拡縮部を拡縮させる力を減衰させる。チョーク通路は、2つの圧力室の間隔よりも長い流路長で形成されている。このように、本発明の緩衝器は、減衰部におけるチョーク通路の流路長が2つの圧力室の間隔に制限されることなく形成されている。このため、チョーク通路の流路長が2つの圧力室の間隔に制限される場合と比較して、得られる減衰力の大きさの幅が広がる。また、所望の減衰力に応じた流路長を自由に設定することができるとともに、流路長を確保するためだけに2つの圧力室の間隔を設定する必要もない。このため、緩衝器の設計自由度を向上させることができる。
したがって、本発明の緩衝器は、所望の大きさの減衰力を容易に得ることができる。
本発明に係る緩衝器において、減衰部は、内部の管路がチョーク通路とされた管部を有し得る。この場合、流路長が2つの圧力室の間隔よりも長いチョーク流路を容易に形成することができる。
本発明に係る緩衝器において、管部は弾性変形自在に設けられ得る。この場合、管部を弾性変形させることによって内部のチョーク通路の流路の断面積を変化させることができる。その結果、管部の弾性変形量に応じて減衰力を自在に変化させることができる。この場合、例えば、緩衝器の伸縮量に応じて管部の弾性変形量が変化する構成を採用することによって、伸縮量に応じて減衰特性の変化する緩衝器を実現することができる。
本発明に係る緩衝器において、チョーク通路はらせん状に形成され得る。この場合、所望の流路長を確保しつつチョーク通路の省スペース化を図ることができる。また、例えば、このようなチョーク通路を弾性変形自在な管部の内部に形成した場合には、管部にコイルばねと同様の機能を発揮させることができる。
本発明に係る緩衝器において、チョーク通路は、第1圧力室及び第2圧力室のうちの少なくとも一方に配置され得る。この場合、緩衝器に対して初期荷重が作用した時に、少なくとも第1圧力室及び第2圧力室のうちの収縮する側の圧力室に、管部等のチョーク通路を形成する部材が収納されていることによって、その部材によって初期荷重を受けることができる。また、チョーク通路を形成するためのスペースを別途形成する必要がないため、緩衝器の省スペース化を図ることができる。また、例えば、このようなチョーク通路を弾性変形自在ならせん状の管部の内部に形成した場合には、圧力室を形成する拡縮部の収縮によって密着するまで管部が収縮した際に、管部をクッションゴムのように機能させることができる。すなわち、この場合の管部は、拡縮部の収縮によって密着状態から更に収縮しようとする方向の力を受けることによって、コイルばねの素線に相当する管が径方向に変形することによる弾性反発力を作用させる。これに加えて、管部が密着状態から収縮方向に更に変形する場合には、密着していない状態における変形量よりも極めて大きな変形量で内部のチョーク通路の流路断面が変形する。これにより、チョーク通路の流路抵抗が更に大きくなり、より大きな減衰力を発揮することができる。したがって、減衰部が、第1圧力室及び第2圧力室のうちの少なくとも一方に配置されるチョーク通路を有し、且つこのチョーク通路が管部の内部の管路として形成されており、且つ管部が弾性変形自在に設けられている場合には、拡縮部の収縮量が大きくなるにつれてそれを抑制するより大きな減衰力を発揮できる減衰部を実現することができる。
実施形態1に係る緩衝器を取り付けた車両を模式的に示す図である。 図1の要部拡大図である。 実施形態1に係る緩衝器の作用を説明するための図であり、図2の状態よりも車輪が上方に移動した状態を示す。 実施形態1に係る緩衝器の作用を説明するための図であり、図2の状態よりも車輪が下方に移動した状態を示す。 実施形態2に係る緩衝器を取り付けた車両を模式的に示す図である。 実施形態3に係る緩衝器を模式的に示す図である。 実施形態4に係る緩衝器を模式的に示す図である。 実施形態5に係る緩衝器を模式的に示す図である。 実施形態6に係る緩衝器を模式的に示す図である。 実施形態7に係る緩衝器を模式的に示す図である。
本発明の緩衝器を具体化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、車両に取り付けられる緩衝器を例示する。また、緩衝器の作動流体として、気体である空気を例示する。また、以下の説明において、上下、左右方向とは、緩衝器の取り付けられる車両における上下、左右方向を意味しており、図1〜図4に表れる上下、左右方向をそれぞれ示すものとする。
<実施形態1>
実施形態1の緩衝器1は、図1及び図2に示すように、車両Vに取り付けられる。車両Vは、ボディBに対して車輪Wを上下方向に相対移動自在に支持するサスペンション装置2を備えている。サスペンション装置2は、2つのサスペンションアーム3,4を備えている。サスペンション装置2は、これら2つのサスペンションアーム3,4が上下に並んで配置されたいわゆるダブルウィッシュボーン式である。各サスペンションアーム3,4は、ボディBに回動自在に支持されている。具体的には、サスペンションアーム3は、その基端側が車両Vの前後方向に延びる回動軸C1周りに回動自在に支持されている。サスペンションアーム4は、その基端側が回動軸C1の上方に設定された回動軸C2周りに回動自在に支持されている。回動軸C2は、回動軸C1と同様に、車両Vの前後方向に延びて設定されている。サスペンションアーム3,4の各先端側は、基端側から車両Vの左右方向(図1では、左方向)に延伸して車輪W側のナックルKに回動自在にそれぞれ接続されている。
サスペンション装置2は、ボディBと車輪Wとの間に取り付けられる図示しない懸架ばねを備えている。懸架ばねは、ボディBに対して車輪Wが下方に相対移動する方向の弾性力を付与する。このような車両Vにおいて、懸架ばねによって支持されるボディBと、このボディBに対して固定的に配置される各種部材等がばね上部材であり、懸架ばねに吊り下がる車輪W、ナックルK、サスペンションアーム3,4等、ボディBに対して相対移動可能に配置された各種部材がばね下部材である。緩衝器1は、懸架ばねの弾性力が作用した状態のばね上部材群とばね下部材群との相対移動に対して抵抗を付与することで、それらの相対移動を抑制して減衰させる。緩衝器1は、ばね上部材であるボディBと、ばね下部材であるサスペンションアーム3,4との間に取り付けられる。
図1及び図2に示すように、緩衝器1は、第1拡縮部10、第2拡縮部20、中間部材30、及び減衰部40を備えている。第1拡縮部10は、内部に作動流体が充填される第1圧力室R1を形成して拡縮自在に設けられている。本実施形態における第1拡縮部10は、軸方向の両端が気密に閉塞された筒状をなしており、軸方向に伸縮自在に設けられている。第1拡縮部10は、車両Vに取り付けられた状態において、伸縮方向の一端である下端10Aがサスペンションアーム3に接続される。第1拡縮部10の伸縮方向の他端である上端10Bは、後述する中間部材30に接続されている。
第2拡縮部20は、内部に作動流体が充填される第2圧力室R2を形成して拡縮自在に設けられている。本実施形態において、第2拡縮部20は、第1拡縮部10と略同等の構成を採用しており、軸方向の両端が気密に閉塞された筒状をなし、軸方向に伸縮自在に設けられている。第2拡縮部20は、伸縮方向の一端である上端20Bが、車両Vに取り付けられた状態においてサスペンションアーム4に接続される。第2拡縮部20の伸縮方向の他端である下端20Aは後述する中間部材30に接続されている。
図2に示すように、第1拡縮部10は、ベローズ11及び2つの蓋部材12,13を有して構成されている。ベローズ11は、両端が開口した筒状をなしている。ベローズ11はゴム製である。ベローズ11は、外部からの荷重を受けて弾性変形し、外部からの荷重が除かれると元の形状(例えば、図2の形状)に弾性的に復元する。蓋部材12,13は金属製の円板状をなす部材である。蓋部材12,13は、ベローズ11の軸方向両端の開口をそれぞれ気密に閉塞する。第1拡縮部10は、これらベローズ11及び蓋部材12,13により囲んだ第1圧力室R1を内部に形成している。第2拡縮部20は、第1拡縮部10と同様の構成であり、ベローズ11及び2つの蓋部材12,13のそれぞれ相当するベローズ21及び2つの蓋部材22,23を有して構成されている。第2拡縮部20は、これらベローズ21及び蓋部材22,23により囲んだ第2圧力室R2を内部に形成している。
中間部材30は、第1拡縮部10と第2拡縮部20との間に配置されて第1拡縮部10と第2拡縮部20とを連結している。中間部材30は、偏平な円柱状に形成されている。上述のように、中間部材30の軸方向の両端には、第1拡縮部10の上端10B及び第2拡縮部20の下端20Aがそれぞれ接続されている。これにより、本実施形態の中間部材30は、第1拡縮部10及び第2拡縮部20を伸縮方向に直列に連結している。また、これにより、中間部材30は、第1圧力室R1及び第2圧力室R2を、中間部材30の軸方向長さ程度、より詳細には、中間部材30の軸方向長さと、第1拡縮部10の蓋部材13の板厚と、第2拡縮部20の蓋部材22の板厚との和と略同等の間隔で配置している。また、中間部材30は、緩衝器1が車両Vに取り付けられた状態において、車両VのボディBに固定的に接続される。本実施形態の場合、中間部材30は、固定部材31を介してボディBに固定されている。中間部材30は貫通流路30Aを形成している。貫通流路30Aは、中間部材30の軸方向に貫通して形成されている。貫通流路30Aは、後述する第1管部41及び第2管部42の内部の管路である第1管路41A及び第2管路42Aを連通する。
緩衝器1は、車両Vに取り付けられた状態において、下から第1拡縮部10、中間部材30、及び第2拡縮部20の順に、上下方向に並んで配置される。緩衝器1は、車両Vに取り付けられた状態において、下端側の第1拡縮部10がサスペンションアーム3に接続されるとともに、上端側の第2拡縮部20がサスペンションアーム4に接続される。また、上述のように、中間部材30は、緩衝器1が車両Vに取り付けられた状態において、車両VのボディBに固定的に配置される。これにより、緩衝器1は、ボディBと車輪Wの上下方向の相対移動に伴って第1拡縮部10及び第2拡縮部20が上下方向に伸縮することで、第1圧力室R1及び第2圧力室R2の容積が変化する。
具体的には、緩衝器1は、ボディBに対して車輪Wが上方に相対移動した場合、第1拡縮部10が収縮して第1圧力室R1の容積が減少するとともに、第2拡縮部20が伸長して第2圧力室R2の容積が増加する(図3参照)。一方、緩衝器1は、ボディBに対して車輪Wが下方に相対移動した場合、第1拡縮部10が伸長して第1圧力室R1の容積が増加するとともに、第2拡縮部20が収縮して第2圧力室R2の容積が減少する(図4参照)。
減衰部40は、第1圧力室R1及び第2圧力室R2を連通する。減衰部40は、第1圧力室R1及び第2圧力室R2の拡縮に伴って第1圧力室R1と第2圧力室R2との間を流通する作動流体の流れに抵抗を付与する。本実施形態の場合、減衰部40は、図1及び図2に示すように、第1管部41及び第2管部42を有して構成されている。
第1管部41は、断面略円形の管状のゴムをらせん状に成形してなる。第1管部41は第1圧力室R1内に配置されている。第1管部41の軸方向(伸縮方向)の両端は、第1拡縮部10の軸方向両端の蓋部材12,13にそれぞれ接続されている。第1管部41は、圧縮コイルばねのように自然長の状態よりも軸方向に圧縮された状態で第1圧力室R1内に収納されており、蓋部材12,13の間で第1拡縮部10の伸長方向への弾性力を作用させている。
第2管部42は、第1管部41と略同等の構成であり、断面略円形の管状のゴムをらせん状に成形してなる。第2管部42は、第2圧力室R2内に配置されている。第2管部42の軸方向(伸縮方向)の両端は、第2拡縮部20の軸方向両端の蓋部材22,23にそれぞれ接続されている。第2管部42は、第1管部41と同様に、圧縮コイルばねのように自然長の状態よりも軸方向に圧縮された状態で第2圧力室R2内に収納されており、蓋部材22,23の間で第2拡縮部20の伸長方向への弾性力を作用させている。
第1管部41と第2管部42とは、互いの対向方向にコイルばねの圧縮による弾性力を作用させている。第1管部41のばね係数と第2管部42のばね係数は略同等としている。したがって、緩衝器1は、外部からの力が入力されていない自然な状態では、これら第1管部41及び第2管部42のばね力が略平衡している。また、これら第1管部41及び第2管部42のらせん形状による弾性力は、第1拡縮部10と第2拡縮部20の各ベローズ11,21の弾性力に比して極めて小さい。したがって、仮に第1管部41又は第2管部42の一方のみの弾性力が第1拡縮部10及び第2拡縮部20の伸縮方向に作用したとしても、これによって第1拡縮部10及び第2拡縮部20の伸縮に大きな影響を及ぼすことはない。
減衰部40はチョーク通路を有している。このチョーク通路の長さは、第1圧力室R1と第2圧力室R2の間隔よりも長く設定されている。具体的には、本実施形態において、チョーク通路は、第1管部41の内部の管路41A、第2管部42の内部の管路42A、及び貫通流路30Aである。したがって、チョーク通路の長さは、第1圧力室R1と第2圧力室R2の間隔と略同等の長さで形成された貫通流路30Aの長さに加えて、管路41A,42Aの長さで形成されている。
チョーク通路は、流体の流通抵抗の大きさが流体の流通速度に比例するいわゆるチョーク特性の減衰力を生じさせる通路である。このため、チョーク通路は、減衰力の大きさが孔径の二乗に比例するオリフィスと比較して、減衰力の大きさの制御が容易である。チョーク特性は、流路断面における直径(非円形断面の場合は、等価水力直径)に比して流路長さが十分に長い場合に発生する。例えば、流路長さが流路断面の直径の5倍以上で形成されている場合に、チョーク特性が発生する流路となる。また、チョーク通路によって生じる減衰力の大きさは流路長と流路径に依存する。このため、チョーク通路は、流路長の大きさを調整することによって、十分な大きさの流路径を確保しながら所望の大きさの減衰力を発生することができる。
次に、実施形態1の緩衝器1の作用について説明する。
車両Vにおいて、ボディBに対して車輪Wの相対移動が生じていない状態では、緩衝器1は第1圧力室R1及び第2圧力室R2の圧力が平衡した状態となっている。この状態では、第1圧力室R1と第2圧力室R2との間で作動流体は流通しておらず、減衰力は発生しない。
車両Vにおいて、ボディBに対して車輪Wが上方に相対移動し、これに伴ってサスペンションアーム3,4が上方に移動した場合、例えば、図2に示す状態から図3に示す状態になった場合には、第1拡縮部10が上下方向に収縮して第1圧力室R1の容積が減少する。一方、第2拡縮部20は、上下方向に伸長して第2圧力室R2の容積が増大する。これにより、第1圧力室R1内の作動流体は圧縮されて圧力が上昇するとともに第2圧力室R2内の作動流体は膨張して圧力が低下する。すなわち、第1圧力室R1と第2圧力室R2との間で圧力差が生じる。この圧力差によって作動流体の流れが生じる。具体的には、作動流体は、第1圧力室R1から第1管部41の内部の管路41Aに流入し、貫通流路30A、第2管路42Aを経て第2圧力室R2へ流通する。これにより、第1管路41A、貫通流路30A、及び第2管路42Aによるチョーク特性の減衰力が生じる。
この時、第1管部41は、第1拡縮部10の収縮に伴って収縮する。これにより、第1管部41は圧縮コイルばねのように作用する。すなわち、第1管部41は、第1拡縮部10が収縮すると、この収縮に抗する方向にコイルばね形状による弾性反発力を作用させる。この弾性反発力は圧縮量に応じて大きくなる。このように、第1管部41は、第1拡縮部10の収縮に伴って収縮して弾性反発力を発生させることにより、第1拡縮部10の収縮を妨げる。一方、第2管部42は、第2拡縮部20の伸長に伴って伸長する。第2管部42は、圧縮された状態で第2圧力室R2に収納されているため、第2拡縮部20が伸長するにつれて伸長方向に作用させた弾性力を小さくしつつ伸長する。このように、第1管部41及び第2管部42は、第1拡縮部10の収縮及び第2拡縮部20の伸長に伴って、それらを妨げる方向の抗力を相対的に大きくする。
また、第1管部41は、第1拡縮部10の収縮に伴う収縮によって、内部の管路41Aの流路断面の変形が生じる。具体的には、略円形状の流路断面が収縮量に応じて略楕円形状に偏平に変形する。第2管部42は、第2拡縮部20の伸長に伴う伸長によって、内部の管路42Aの流路断面が伸長量に応じて略楕円形状に偏平に変形する。内部の管路41A,42Aの流路断面の変形量が大きくなると、これに伴って流路の断面積が小さくなるため、第1管路41A及び第2管路42Aを流通する作動流体の流通抵抗が流路断面の変形量に応じて大きくなる。すなわち、緩衝器1は、第1拡縮部10の収縮量及び第2拡縮部20の伸長量がそれぞれ大きくなるにつれて減衰力もより大きくなる。
更に、第1管部41は、第1拡縮部10の収縮によって密着するまで収縮したときには、クッションゴムのように機能する。すなわち、第1管部41は、第1拡縮部10の収縮によって密着状態から更に収縮しようとする方向の力を受けることによって、コイルばねの素線に相当する管が径方向に圧縮されて変形することによる弾性反発力を作用させる。これに加えて、第1管部41が密着状態から収縮方向に更に変形する場合には、密着していない状態における変形量よりも極めて大きな変形量で内部の管路41Aの流路断面が変形する。これにより、第1管部41は、内部の管路41Aを流通する作動流体の流通抵抗がより大きくなり、より大きな減衰力を発生する。このように、第1管部41は、密着状態において収縮方向の力を更に受けた場合には、密着していない状態において生じる抗力よりも更に大きな抗力を作用させ、第1拡縮部10のそれ以上の収縮をより強く抑制する。したがって、緩衝器1は、ボディBに対する車輪Wの上方への相対移動が大きくなるにつれて、それを抑制するより大きな抗力を発生する。
一方、車両Vにおいて、ボディBに対して車輪Wが下方に相対移動した場合、例えば、図2に示す状態から図4に示す状態になった場合には、緩衝器1は、上述の車輪が上方に相対移動した場合とは反対方向に動作する。これにより、緩衝器1では、作動流体の第2圧力室R2から第1圧力室R1への流れが生じる。これにより、第2管路42A、貫通流路30A、及び第1管路41Aによるチョーク特性の減衰力が生じる。
この時、第2管部42は、第2拡縮部20の収縮に伴って収縮して圧縮コイルばねのように作用する。これにより、第2管部42は、第2拡縮部20の収縮に抗する方向にコイルばね形状による弾性反発力を作用させ、第2拡縮部20の収縮を妨げる。一方、第1管部41は、第1拡縮部10の伸長に伴って、伸長方向に作用させた弾性力を小さくしつつ伸長する。
また、この時、第2管部42は、第2拡縮部20の収縮に伴う収縮によって内部の管路42Aの流路断面の変形が生じる。第1管部41は、第1拡縮部10の伸長に伴う伸長によって内部の管路41Aの流路断面の変形が生じる。そして、これら管路41A,42Aの流路断面の変形量が大きさに応じて流路の断面積が小さくなり、第1管路41A及び第2管路42Aを流通する作動流体の流通抵抗が流路断面の変形量に応じて大きくなる。すなわち、緩衝器1は、第1拡縮部10の伸長量及び第2拡縮部20の収縮量がそれぞれ大きくなるにつれて減衰力もより大きくなる。
更に、第2管部42は、第2拡縮部20の収縮によって密着するまで収縮したときには、管が径方向に変形することによる弾性反発力を作用させ、更に収縮しようとする第2拡縮部20に対してクッションゴムのように機能する。これに加えて、第2管部42は、密着していない状態における変形量よりも極めて大きな変形量で内部の管路42Aの流路断面が変形し、作動流体の流通抵抗がより大きくなり、より大きな減衰力を発生する。このように、第2管部42は、密着状態において収縮方向の力を更に受けた場合には、密着していない状態において生じる抗力よりも更に大きな抗力を作用させ、第2拡縮部20のそれ以上の収縮をより強く抑制する。したがって、緩衝器1は、ボディBに対する車輪Wの下方への相対移動が大きくなるにつれて、それを抑制するより大きな抗力を発生する。
以上より、実施形態1の緩衝器1は、第1拡縮部10及び第2拡縮部20の一方が拡張すると他方が収縮する。これにより、2つの圧力室R1,R2が拡縮し、減衰部40を流通する作動流体の流れが生じる。作動流体は、減衰部40のチョーク通路を流通することによってその流れに抵抗が付与される。これにより、第1拡縮部10及び第2拡縮部20を拡縮させる力を減衰させる。チョーク通路は、第1圧力室R1及び第2圧力室R2の間隔よりも長い流路長で形成されている。このように、緩衝器1は、減衰部40におけるチョーク通路の流路長が2つの圧力室R1,R2の間隔に制限されることなく形成されている。このため、チョーク通路の流路長が2つの圧力室の間隔に制限される場合と比較して、得られる減衰力の大きさの幅が広がる。また、所望の減衰力に応じた流路長を自由に設定することができるとともに、流路長を確保するためだけに2つの圧力室の間隔を設定する必要もない。このため、緩衝器の設計自由度を向上させることができる。
したがって、実施形態1の緩衝器1は、所望の大きさの減衰力を容易に得ることができる。
また、実施形態1の緩衝器1において、減衰部40は、内部の管路41A,42Aがチョーク通路とされた第1管部41及び第2管部42を有している。このため、流路長が2つの圧力室の間隔よりも長いチョーク流路を容易に形成することができる。すなわち、管を用いることによって、チョーク通路の長さや経路を自在に設定することができる。
また、実施形態1の緩衝器1において、チョーク通路はらせん状に形成されている。このため、所望の流路長を確保しつつチョーク通路の省スペース化を図ることができる。
また、実施形態1の緩衝器1において、チョーク通路は、第1圧力室R1及び第2圧力室R2内に配置されている。このため、チョーク通路を形成するためのスペースを別途形成する必要がないため、緩衝器の省スペース化を図ることができる。
また、緩衝器1は、チョーク通路を形成するらせん状の第1管部41が第1圧力室R1内に収納されている。このため、緩衝器1に作用する車両VのボディB等による初期荷重を第1管部41によって受けることができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る緩衝器201について説明する。緩衝器201は、図5に示すように、第2管部に相当する管部を備えておらず、貫通流路30Aと第2圧力室R2とが直接的に連通している。また、第1管部241は、ばね鋼により形成されている。これらの点において、実施形態2の緩衝器201は実施形態1の緩衝器1と相違する。その他の点において、実施形態1と同様の構成には同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
緩衝器201は、図5に示すように、実施形態1の緩衝器1と同様に車両Vのサスペンション装置2に組み込まれている。緩衝器201は、ばね鋼により形成された第1管部241が実施形態1のゴム製の第1管部41よりも大きな弾性力を作用させる。第1管部241による弾性力の大きさは、自然状態におけるベローズ11,21を弾性変形させ得る大きさ、すなわち、第1拡縮部10及び第2拡縮部20を拡縮させ得る大きさで作用している。緩衝器201は、第1圧力室R1内に収納された第1管部241のみを備え、第2圧力室R2内には管部は備えられていない。このため、緩衝器201は、自然状態において、第1拡縮部10を軸方向に伸長させ、第2拡縮部20を収縮させる方向の力が作用している。
第1管部241の内部の管路241Aは、実施形態1と同様に、中間部材30に形成された貫通流路30Aに連通している。実施形態2の緩衝器201において、減衰部240は第1管部241及び中間部材30により構成される。したがって、本実施形態において、減衰部240が有するチョーク通路は、第1管部241の内部の管路241A及び貫通流路30Aにより構成されている。
このような構成の緩衝器201もまた、実施形態1と同様の効果を奏する。
また、実施形態2の緩衝器201において、減衰部240のチョーク通路は、第1管路241A及び貫通流路30Aにより構成されている。このため、実施形態2のチョーク通路は、第2管路に相当する管路が設けられていない分、実施形態1のチョーク通路の流路長よりも短い簡易な構成とすることができる。なお、上述のように、チョーク通路による減衰力の大きさは、流路長及び流路断面積に依存する。このため、実施形態2における減衰部240が有するチョーク流路の流路長さが実施形態1の減衰部40が有するチョーク通路の流路長さよりも短く形成されていても、流路の断面積の設定により同等の減衰力を発生させることが可能である。
また、サスペンション装置2には、車輪Wの接地状態において、重力の作用により車輪Wに対してボディBが下方に相対移動する方向の荷重が生じている。このため、緩衝器201には、第1拡縮部10を収縮させて第2拡縮部20を伸長させる方向の初期荷重が作用する。一方、緩衝器201は、第1拡縮部10に収納された第1管部241を有しており、第1管部241はコイル形状による弾性反発力を第1拡縮部10が伸長する方向に作用させている。これにより、緩衝器201は、図5に示すようにして車両Vのサスペンション装置2に組み込まれた状態において、第1管部241のばね力によってボディBに対して車輪Wが下方に(車輪Wに対してボディBが上方に)相対移動する方向の力を作用させる。このため、緩衝器201は、第1管部241の弾性反発力によってボディBの荷重を受けることができる。このように、緩衝器201は、第1管部241が第1拡縮部10に収納されて伸長方向に弾性反発力を作用させていることによって、第1管部241をサスペンション装置2の懸架ばねとして機能させることができる。緩衝器201は、第1管部241が車両Vの荷重を支え得る十分なばね力を発生する構成を採用することによって、サスペンション装置2の懸架ばねを担うことができる。この場合、簡易な構成の車両のサスペンション装置を実現することができる。
<実施形態3>
次に、実施形態3に係る緩衝器301について説明する。緩衝器301は、図6に示すように、第1管部341及び第2管部342の軸方向の長さが異なる点において、実施形態1の緩衝器1と相違する。その他の点において、実施形態1と同様の構成には同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6に示すように、緩衝器301において、第1管部341及び第2管部342は、実施形態1の第1管部41及び第2管部42の長さの半分程度の長さで形成されている。第1管部341は、一端が第1拡縮部10の蓋部材13に接続されている。第1管部341の他端は、蓋部材12には接続されておらず、自由端とされている。同様に、第2管部342は、一端が第2拡縮部20の蓋部材22に接続され、他端が自由端とされている。
第1管部341の内部の管路341A、及び第2管部342の内部の管路342Aは、それぞれ中間部材30側の一端において貫通流路30Aに連通している。これら第1管部341の内部の管路341Aと、貫通流路30Aと、第2管部342の内部の管路342Aは、チョーク通路とされている。このように、実施形態3の緩衝器301において、減衰部340は、これら第1管部341、中間部材30、及び第2管部342により構成される。
このような構成の緩衝器301もまた、実施形態1と同様の効果を奏する。
また、実施形態3の緩衝器301において、減衰部340のチョーク通路は、第1管路341Aと、貫通流路30Aと、第2管路342Aにより構成されている。このため、実施形態1のチョーク通路の流路長よりも第1管路341A及び第2管路342Aの流路長が短い分短くなっている。しかしながら、上述のように、チョーク通路による減衰力の大きさは、流路長及び流路断面積に依存する。このため、実施形態1の第1管路41A及び第2管路42Aよりも短い流路長さの第1管路341A及び第2管路342Aであっても、流路の断面積の設定により、実施形態1の緩衝器1と同等の減衰力を発生可能な緩衝器を実現することができる。
また、実施形態3の緩衝器301は、第1管部341及び第2管部342のそれぞれの一端が自由端とされている。これにより、緩衝器301は、第1管部341及び第2管部342のコイルばね形状による弾性反発力や、第1管路341A及び第2管路342Aの流路断面の変形による作動流体の流通抵抗の変化を生じさせることなく、第1拡縮部10及び第2拡縮部20を拡縮する。このため、緩衝器301は、第1管路341A、貫通流路30A、及び第2管路342Aによるチョーク特性の減衰力のみを作用させることができる。その結果、より簡易な減衰特性の緩衝器を実現することができる。
また、実施形態3の緩衝器301は、第1拡縮部10又は第2拡縮部20の収縮量が所定以上になった場合には、第1管部341又は第2管部342の自由端に蓋部材12,23が当接するようになり、実施形態1と同様に、弾性反発力を作用させることができるようになる。更に、第1拡縮部10又は第2拡縮部20の収縮量が更に増加して第1管部341又は第2管部342が密着した場合には、実施形態1と同様に、第1管部341及び第2管部342をクッションゴムのように機能させることができる。
<実施形態4>
次に、実施形態4に係る緩衝器401について説明する。緩衝器401は、図7に示すように、第1管部441及び第2管部442が2重に巻かれて形成されている点において、実施形態1の緩衝器1と相違する。その他の点において、実施形態1と同様の構成には同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7に示すように、緩衝器401において、第1管部441及び第2管部442は、内側コイル451,461、及び外側コイル452,462の2重巻きで形成されている。第1管部441の内側コイル451及び外側コイル452は2つの蓋部材12,13の間で軸方向にコイル状にそれぞれ延びている。第2管部442の内側コイル461及び外側コイル462は2つの蓋部材22,23の間で軸方向にコイル状にそれぞれ延びている。これにより、第1管部441の内側コイル451及び外側コイル452は2つの蓋部材12,13の間で、第2管部442の内側コイル461及び外側コイル462は2つの蓋部材22,23の間で、それぞれ弾性反発力を作用させている。
第1管部441の内部の管路441Aは、内側コイル451及び外側コイル452において一連のチョーク通路として形成されている。第2管部442の内部の管路442Aは、内側コイル461と外側コイル462とが一連のチョーク通路として形成されている。第1管部441及び第2管部442は、内側コイル451,461の一端において内部の各管路441A,442Aが貫通流路30Aに連通している。内側コイル451,461の各他端は、外側コイル452,462の各他端にそれぞれ接続されて連通している。外側コイル452,462は、それぞれ他端側から中間部材30側にコイル状に延伸して蓋部材13,22に当接している。外側コイル452,462は、中間部材30側の端部において第1圧力室R1及び第2圧力室R2にそれぞれ開放されている。
このような構成の緩衝器401もまた、実施形態1と同様の効果を奏する。
また、実施形態4の緩衝器401において、減衰部440のチョーク通路は、第1管路441Aと、貫通流路30Aと、第2管路442Aにより構成されている。このため、実施形態1のチョーク通路の流路長よりも長い流路長のチョーク通路を容易に形成することができる。また、より長い流路長の通路を形成できるので、流路断面積のより大きなチョーク通路とすることができ、チョーク通路の閉塞のおそれの回避を図ることができる。
また、実施形態4の緩衝器401は、第1管部441及び第2管部442のそれぞれが、内側コイル451,461及び外側コイル452,462の2重に巻かれて形成されている。これにより、緩衝器401は、実施形態1と比較して、コイルばね形状による弾性反発力がより大きく作用する構成を容易に実現することができる。
<実施形態5>
次に、実施形態5に係る緩衝器501について説明する。緩衝器501は、図8に示すように、中間部材530が2つの貫通流路530B,530Cを形成しており、これら2つの貫通流路530B,530Cのそれぞれに、実施形態1と同様の第1管部41の管路41A及び第2管部42の管路42Aが別々に連通している点において、実施形態1と相違する。その他の点において、実施形態1と同様の構成には同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8に示すように、緩衝器501において、中間部材530は、第1貫通流路530B及び第2貫通流路530Cを形成している。これら第1貫通流路530B及び第2貫通流路530Cは、実施形態1の貫通流路30Aと同様にチョーク通路を構成する。これら2つの貫通流路530B,530Cのうち、第1貫通流路530Bには第1管部41の内部の管路41Aが連通しており、第2貫通流路530Cには第2管部42の内部の管路42Aが連通している。実施形態5の緩衝器501において、減衰部540は第1管部41、第2管部42、及び中間部材530により構成されるが、この減衰部540が有するチョーク通路は、第1管部41の内部の管路41A及び第1貫通流路530Bにより構成される第1のチョーク通路と、第2管部42の内部の管路42A及び第2貫通流路530Cにより構成される第2のチョーク通路と、の2系統のチョーク通路が並列に形成されている。
このような構成の緩衝器501もまた、実施形態1と同様の効果を奏する。
また、実施形態5の緩衝器501において、減衰部540は、第1管路41A及び貫通流路530Bにより構成された第1チョーク通路と、第2管路42A及び貫通流路530Cにより構成された第2チョーク通路と、の2系統の並列なチョーク通路を有している。このため、実施形態1のチョーク通路の流路長よりも短く、且つ並列に2系統設けられている分流路断面積が増加する。しかしながら、上述のように、チョーク通路による減衰力の大きさは、流路長及び流路断面積に依存する。このため、実施形態1の減衰部40が有するチョーク通路よりも流路長さが短く形成されたチョーク流路を有する実施形態5の減衰部540であっても、流路の断面積の設定によって、実施形態1の減衰部40と同等の減衰力を発生させることが可能である。
<実施形態6>
次に、実施形態6に係る緩衝器601について説明する。緩衝器601は、図9に示すように、中間部材630が2つの貫通流路630B,630Cを形成しており、これら2つの貫通流路630B,630Cのそれぞれに、実施形態1と同様の第1管部41の管路41A及び第2管部42の管路42Aが別々に連通している点は実施形態5と同様である。しかしながら、実施形態6の緩衝器601は、2つの貫通流路630B,630Cのそれぞれに逆止弁630D,630Eが設けられている点において、実施形態5と相違する。その他の点において、実施形態1と同様の構成には同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9に示すように、実施形態6の緩衝器601において、減衰部640は第1管部41、第2管部42、及び中間部材630により構成される。中間部材630は、第1貫通流路630B及び第2貫通流路630Cを形成している。これら第1貫通流路630B及び第2貫通流路630Cは、実施形態1の貫通流路30Aと同様にチョーク通路を構成する。これら2つの貫通流路630B,630Cのうち、第1貫通流路630Bには、第1管部41の内部の管路41Aが連通しているとともに、第1逆止弁630Dが設けられている。第2貫通流路630Cには、第2管部42の内部の管路42Aが連通しているとともに、第2逆止弁630Eが設けられている。
減衰部640が有するチョーク通路は、第1管部41の内部の管路41A、第1貫通流路630B、及び第1逆止弁630Dにより構成される第1のチョーク通路と、第2管部42の内部の管路42A、第2貫通流路630C、及び第2逆止弁630Eにより構成される第2のチョーク通路と、の2系統のチョーク通路である。これらのうち、第1チョーク通路は、第1逆止弁630Dの作用により、第1圧力室R1から第2圧力室R2への作動流体の流れを許容し、その反対の流れを阻止する。第2チョーク通路は、第2逆止弁630Eの作用により、第2圧力室R2から第1圧力室R1への作動流体の流れを許容し、その反対の流れを阻止する。
このような構成の緩衝器601もまた、実施形態1と同様の効果を奏する。
また、実施形態6の緩衝器601において、減衰部640は、第1管路41A、貫通流路630B、及び第1逆止弁630Dにより構成された第1チョーク通路と、第2管路42A、貫通流路630C、及び第2逆止弁630Eにより構成された第2チョーク通路と、の2系統のチョーク通路を有している。そして、第1チョーク通路は、第1圧力室R1から第2圧力室R2への作動流体の流れのみを許容し、第2チョーク通路は、第2圧力室R2から第1圧力室R1への作動流体の流れのみを許容する。
このような構成により、緩衝器601は、作動流体が第1チョーク通路を流通する場合である第1圧力室R1が収縮し第2圧力室R2が伸長する場合と、作動流体が第2チョーク通路を流通する場合である第1圧力室R1が伸長し第2圧力室R2が収縮する場合とにおいて、減衰特性の異なる緩衝器を実現することができる。
<実施形態7>
次に、実施形態7に係る緩衝器701について説明する。緩衝器701は、図10に示すように、実施形態1の第1管部41及び第2管部42と同様の管部を備えているが、これらの管部の中間部にそれぞれオリフィスが形成されている点において、実施形態1と相違する。その他の点において、実施形態1と同様の構成には同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
実施形態7の緩衝器701において、減衰部740は第1管部741、第2管部742、及び中間部材30により構成される。第1管部741及び第2管部742にはオリフィス741B,742Bが形成されている。
このような構成の緩衝器701もまた、実施形態1と同様の効果を奏する。
また、緩衝器701は、第1管路741A及び第2管路742Aを流通する作動流体の流速が所定値以下の場合には、オリフィス741B,742Bを通過する作動流体によってオリフィス特性の減衰力を発生することができる。一方、第1管路741A及び第2管路742Aを流通する作動流体の流速が所定値を超える場合には、チョーク通路である第1管路741A及び第2管路742Aを流通する作動流体によってチョーク特性の減衰力を発生することができる。
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態1〜7に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記各実施形態では、緩衝器が車両に取り付けられる形態を例示したが、本発明に係る緩衝器の用途はこれに限定されない。
(2)上記各実施形態では、作動流体として空気を例示したが、本発明に係る作動流体としては、他の気体であってもよいし、作動油等の液体であってもよい。
(3)上記各実施形態では、第1拡縮部及び第2拡縮部を略同様の構成及び大きさで設けた形態を例示したが、2つの拡縮部の構成や大きさは異なっていてもよい。
(4)上記各実施形態では、第1拡縮部及び第2拡縮部がそれぞれゴム製のベローズを有して構成された形態を例示したが、第1拡縮部及び第2拡縮部は、金属製のベローズやローリングローブ等を有して構成された形態であってもよい。
(5)上記各実施形態では、減衰部が内部の管路をチョーク通路とする管部を有する形態を例示したが、これは必須ではない。減衰部は、ブロック状の部材の内部にチョーク通路が形成されている形態であってもよい。この場合、例えば、3Dプリンタ等によって形成することにより、ブロック状の部材の内部に所望の流路形状を容易に得ることができる。
(6)上記実施形態では、減衰部がらせん状のチョーク通路を有する形態を例示したが、チョーク通路の形態はらせん状に限定されず、例えば、蛇行状、渦巻き状、ウェブ状等であることができる。
(7)上記各実施形態では、中間部材を備え、第1拡縮部及び第2拡縮部を直列に連結する形態を例示したが、これは必須ではない。第1拡縮部及び第2拡縮部は、連結されていなくてもよく、一方が収縮した際に他方が拡張する形態で、それぞれ単独に設けられていてもよい。
(8)上記実施形態では、管部が弾性変形自在に設けられる形態として、管部の材質がゴム、ばね鋼等である形態を例示したが、管部を弾性変形自在に設ける形態はこれらに限定されるものではない。弾性変形自在な管部の形態として、管部が弾性材料で形成される場合には、例示した材質以外の他の弾性材料で形成されてもよい。
1,201,301,401,501,601,701…緩衝器、2…サスペンション装置、3…サスペンションアーム、4…サスペンションアーム、10…第1拡縮部、10A…第1拡縮部の下端、10B…第1拡縮部の上端、11,21…ベローズ、12,13,22,23…蓋部材、20…第2拡縮部、20A…第2拡縮部の下端、20B…第2拡縮部の上端、30,530,630…中間部材、30A…貫通流路、31…固定部材、40,240,340,440,540,640,740…減衰部、41,241,341,441,741…第1管部、41A,241A,341A,441A,741A…第1管路、42,342,442,742…第2管部、42A,342A,442A,742A…第2管路、451,461…内側コイル、452,462…外側コイル、530B,630B…第1貫通流路、530C,630C…第2貫通流路、630D…第1逆止弁、630E…第2逆止弁、741B,742B…オリフィス、B…ボディ、C1,C2…回動軸、K…ナックル、R1…第1圧力室、R2…第2圧力室、V…車両、W…車輪

Claims (5)

  1. 内部に作動流体が充填される第1圧力室を形成して拡縮自在に設けられた第1拡縮部と、
    内部に作動流体が充填される第2圧力室を形成して拡縮自在に設けられた第2拡縮部と、
    前記第1圧力室及び前記第2圧力室を連通し、前記第1圧力室及び前記第2圧力室の拡縮に伴って前記第1圧力室と前記第2圧力室との間を流通する前記作動流体の流れに抵抗を付与する減衰部と、
    を備えており、
    前記減衰部は、前記第1圧力室及び前記第2圧力室の間隔よりも長い流路長で形成されたチョーク通路を有していることを特徴とする緩衝器。
  2. 前記減衰部は、内部の管路を前記チョーク通路とする管部を有していることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記管部は弾性変形自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の緩衝器。
  4. 前記チョーク通路はらせん状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の緩衝器。
  5. 前記チョーク通路は、前記第1圧力室及び前記第2圧力室のうちの少なくとも一方内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の緩衝器。
JP2020061752A 2020-03-31 2020-03-31 緩衝器 Pending JP2021162044A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020061752A JP2021162044A (ja) 2020-03-31 2020-03-31 緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020061752A JP2021162044A (ja) 2020-03-31 2020-03-31 緩衝器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021162044A true JP2021162044A (ja) 2021-10-11

Family

ID=78002959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020061752A Pending JP2021162044A (ja) 2020-03-31 2020-03-31 緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021162044A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6427986B1 (en) Air suspension apparatus
JP4890272B2 (ja) 気体式のショックアブソーバのロッドガイド及びシールシステム
JP5758235B2 (ja) 緩衝器
JP3391487B2 (ja) 4輪車用懸架装置
JP2013224743A (ja) ベースラインバルビングを行う連続的に可変なバルブを備えるショックアブソーバ
JP4842966B2 (ja) 車輪を案内するエアスプリング兼ダンパーユニット
JP2013518217A (ja) 流体イナーター
US6811168B2 (en) Wheel suspension of a motor vehicle
WO2007029861A1 (ja) 油圧緩衝器の減衰力発生機構
JP6654920B2 (ja) サスペンション装置
JP2021162044A (ja) 緩衝器
WO2020241402A1 (ja) 緩衝器
JP2021162045A (ja) 緩衝器
WO2020241403A1 (ja) サスペンション装置
JP6197499B2 (ja) サスペンション装置
JP4868166B2 (ja) 流体圧緩衝器
JP5789104B2 (ja) 空圧緩衝器
JP2016205596A (ja) 緩衝器
JP2011094691A (ja) 緩衝器
JP5698561B2 (ja) 緩衝器
JP6280934B2 (ja) トーション装置
JP2018069949A (ja) ダイナミックダンパ
JP6764269B2 (ja) 緩衝器
JP2010007817A (ja) 流体圧緩衝器
JP2006151325A (ja) 車両のサスペンション装置