JP5698561B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器に関する。
この種の緩衝器にあっては、一般的に、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を出力軸側室とピストン側室とに区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されて一端がピストンに連結されるピストンロッドとを備えて構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
そして、この緩衝器は、制振対象の振動を減衰するために使用され、たとえば、車両のサスペンションに組み込まれる場合、制振対象である車体と車輪との間に介装されて、車体と車輪の振動を抑制するようになっている。
ところで、近年、車両にはサスペンションやエンジンといった走行に必要な機器の他にも多くの電子機器が搭載されるようになっており、ハイブリッド車に至ってはエンジンの他にモータが搭載される。このように車両には様々な多くの機器が搭載される一方、車室内のスペースも大きく確保することが要望されている。機器量の増加は、車室スペースを減少させることになるため、個々の機器を小型化することが要望され、緩衝器についても同様に小型化することが望まれる。
小型の緩衝器としては、たとえば、容器と、容器内に移動自在に挿入されガイドシャフトと、容器の開口部とガイドシャフトとに固着される円筒状マウントゴムと、ガイドシャフトの端部に連結されて容器内に収容されるダンパプレートとを備えたものがあり、この緩衝器では、ダンパプレートが容器内で軸方向移動した際に容器内の減衰液がダンパプレートの当該移動を抑制することで、減衰力を発揮する(たとえば、特許文献2参照)。
特開平10−267067号公報 特開2003−113889号公報
特開2003−113889号公報に開示された緩衝器にあっては、特開平10−267067号公報に代表されるように従来の一般的な緩衝器に比較して小型化されている。
しかしながら、特開2003−113889号公報に開示された緩衝器は、トラックなどの運転室と車体との間に使用される分には問題は無いが、車両の車体と車輪との間に介装される緩衝器として使用するには問題がある。
というのは、ガイドシャフトがマウンドゴムによって弾性支持されているので、横方向の振動が入力されると、ガイドシャフトが容器に対して傾いたりして容器内周とダンパプレートの外周で形成される流路面積が変化する。すると、ダンパプレートで発生する減衰力にバラつきが生じて減衰力が安定せず、車両の乗心地を良好に維持することができない可能性がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、小型であって、安定した減衰力を発揮して車両における乗り心地を良好に維持することができる緩衝器を提供することである。
上記した課題を解決するため、本発明の課題解決手段は、両端にそれぞれ端部側から開口して液体が充填される圧力室を備えた緩衝器本体と、上記各圧力室内にそれぞれ移動自在に挿通される出力軸と、上記各圧力室の開口部を閉塞して上記圧力室を密閉するとともに上記出力軸の外周に固着して少なくとも上記出力軸の軸方向の移動を許容する環状で弾性体からなる密閉体と、上記各圧力室を連通するとともに上記圧力室間を交流する上記液体の流れに抵抗を与える減衰通路と、上記緩衝器本体を被設置箇所へ固定するブラケットと、上記ブラケット内に設けられ、液室と気室とを有して上記液室が少なくとも上記圧力室の一方に連通される補償室とを備えたことを特徴とする。
本発明の緩衝器によれば、緩衝器本体の長さは、出力軸のストロークを確保する長さがあればよく、ピストンやベースバルブも不要であるので、一般的な緩衝器に比較して全長を短くして小型にすることができる。すなわち、本発明の緩衝器によれば、小型であって、安定した減衰力を発揮して車両における乗り心地を良好に維持することができる。また、出力軸は弾性な密閉体に固着されて弾性支持されているので、摺動部位を有しておらず、減衰力に制御できない摩擦力が付加されてしまい車両における乗り心地を損なってしまうという不具合が無い。さらに、補償室をブラケットの内部に設けることで、緩衝器本体のより一層の長手方向の短縮と径方向の小径化を図ることができ、緩衝器の車両への搭載性を向上させることができる。
一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器を車両の車体と車輪との間に介装した状態を示す図である。 他の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 別の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1に示すように、一実施の形態における緩衝器Dは、両端にそれぞれ端部側から開口して内部に液体が充填される圧力室R1,R2を備えた緩衝器本体1と、各圧力室R1,R2内にそれぞれ移動自在に挿通される出力軸2,3と、各圧力室R1,R2の開口部を閉塞して当該圧力室R1,R2を密閉するとともに出力軸2,3の外周を保持するとともに少なくとも出力軸2,3の軸方向の移動を許容する環状の密閉体4,5と、各圧力室R1,R2を連通するとともに圧力室R1,R2間を交流する液体の流れに抵抗を与える減衰通路6,7とを備えて構成されている。
以下、緩衝器Dの各部について詳細に説明する。緩衝器本体1は、中央ブロック1aと、中央ブロック1aの両側に設けた両端となる筒部1b,1cとを備えて構成されており、この両端の筒部1b,1c内に圧力室R1,R2が形成されている。
筒部1bの図1中下端と筒部1cの図1中上端は、中央ブロック1aにて閉塞されており、筒部1bの図1中上端と筒部1cの図1中下端は外部へ開放されて開口部とされている。
つづいて、筒部1b,1c、出力軸2,3および密閉体4,5について詳細に説明するが、筒部1bと筒部1c、出力軸2と出力軸3、密閉体4と密閉体5は、同じ構造であるので、説明の簡単のため、同じ構造の部材の説明に際しては符号に括弧を付して説明の重複を避けることとする。
出力軸2(3)は、この場合、棒状とされているが、形状は限定されるものではなく、車両へ搭載する際に被制振対象へ連結可能であればよい。
筒部1b(1c)内には、出力軸2(3)が移動自在に挿通されており、この出力軸2(3)は、外周が筒部1b(1c)の開口部に固定された環状の密閉体4(5)の内周で保持されている。より詳しくは、密閉体4(5)の内周は、出力軸2(3)の外周に溶着や接着などによって強固に固着しており、また、その外周は、筒部1b(1c)の内周に溶着や接着などによって強固に固着している。なお、図示はしないが、筒部1b(1c)の開口端に密閉体4(5)の外周が固着された保持部材を設けて、筒部1b(1c)に当該保持部材を固定することによって、筒部1b(1c)と密閉体4(5)とを一体化するようにしてもよい。
密閉体4(5)は、たとえば、ゴム、合成ゴム、樹脂或いは合成樹脂等、または、それらの組み合わせで形成された弾性体の他、ダイヤフラムやベローズであってもよく、出力軸2(3)と筒部1b(1c)との間をシールしつつ、筒部1b(1c)に対する出力軸2(3)の図1中上下方向移動を許容することができればよい。
このように、この密閉体4(5)によって出力軸2(3)は、軸方向移動が可能に支持されているので、密閉体4(5)が撓むことによって緩衝器本体1に対して軸方向となる図1中上下方向へストロークすることが可能となっている。また、この例では、密閉体4(5)は、ゴム等の弾性体とされており、径方向へも撓むことができるので、出力軸2(3)は緩衝器本体1に対して図1中横方向へ若干の移動が可能で、首振り運動することもできるようになっている。なお、密閉体4(5)が出力軸2(3)の横方向への移動を規制したり、撓み方に指向性をもたせるために、密閉体4(5)内に芯金を設けるようにしてもよい。芯金は、密閉体4(5)を成型する際に、インサート成型することで設けることが可能である。
そして、筒部1b(1c)の開口部と出力軸2(3)との間に密閉体4(5)が装着されることで、筒部1b(1c)の開口部が閉塞されて、圧力室R1(R2)が密閉される。
これら圧力室R1,R2内には、水、水溶液、油その他の液体が充填されている。液体は、緩衝器本体1、出力軸2,3および密閉体4,5を浸食したり腐蝕させたりするものでなければよい。
そして、中央ブロック1aには、上記圧力室R1と圧力室R2とを連通する減衰通路6,7が設けられている。減衰通路6は、圧力室R1と圧力室R2とを連通する通路6aと、圧力室R1から圧力室R2へ向かう流れのみを許容する逆止弁6bと、通過する液体の流れに抵抗を与える減衰弁6cとを備えており、当該逆止弁6bによって、圧力室R1から圧力室R2へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定されるとともに、通過する液体に減衰弁6cで抵抗を与えるようになっている。すなわち、減衰通路6は、一方側の減衰通路に対応している。また、減衰通路7は、圧力室R2と圧力室R1とを連通する通路7aと、圧力室R2から圧力室R1へ向かう流れのみを許容する逆止弁7bと、通過する液体の流れに抵抗を与える減衰弁7cとを備えており、当該逆止弁7bによって、圧力室R2から圧力室R1へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定されるとともに、通過する液体に減衰弁7cで抵抗を与えるようになっている。すなわち、減衰通路7は、他方側の減衰通路に対応している。
また、この実施の形態の場合、通路6aの逆止弁6bと減衰弁6cとの間と通路7aの逆止弁7bと減衰弁7cとの間を補償通路8で結び、この補償通路8を中央ブロック1aの内部に形成した補償室Rへ連通してある。
補償室Rは、中央ブロック1a内に形成した中空部で形成されており、中空部内にはアキュムレータ9が収容されている。このアキュムレータ9は、弾性な袋であって内部に気体が充填されていて、気室Gを形成していて、補償室R内を気室Gと補償通路8に通じる液室Lを区画している。なお、補償室R内に気室Gと液室Lを形成するには、上記の他にも、たとえば、中空部内に摺動自在にフリーピストンを挿入して、当該フリーピストンで気室Gと液室Lを仕切ってもよい。また、フリーピストンを用いる場合、気室G側からばねで附勢して液室Lを加圧するようにしてもよく、その場合には、気室Gを大気開放することも可能である。
そして、このように構成された緩衝器Dは、たとえば、図2に示すように、車両の車体Bに緩衝器本体1を連結し、車体Bに対して車輪Wを図2中上下方向へ移動可能に支持するアッパーアーム10とロアアーム11にそれぞれ出力軸2と出力軸3を連結することで、被制振対象である車体Bと車輪Wとの間に介装することができるようになっている。なお、緩衝器本体1をアッパーアーム10とロアアーム11の一方または両方に連結し、出力軸2,3を車体Bに連結してもよい。
より詳しくは、出力軸2の圧力室外へ突出した先端には、アイ型ブラケット2aが設けられており、このアイ型ブラケット2aをアッパーアーム10にピン結合することができるようになっており、また、出力軸3の圧力室外へ突出した先端にも同様に、アイ型ブラケット3aが設けられており、このアイ型ブラケット3aをロアアーム11にピン結合することができるようになっている。
したがって、車輪Wが車体Bに対して図2中上方向へ移動し、アッパーアーム10とロアアーム11が車体Bの連結部を中心に図中反時計回りに回転すると、当該回転により出力軸2が緩衝器本体1に対して図2中上方へ引き上げられ、出力軸3が緩衝器本体1に対して図2中上方へ押し上げられることになる。反対に、車輪Wが車体Bに対して図2中下方向へ移動し、アッパーアーム10とロアアーム11が車体Bの連結部を中心に図中時計回りに回転すると、当該回転により出力軸2が緩衝器本体1に対して図2中下方へ押し下げられ、出力軸3が緩衝器本体1に対して図2中下方へ引き下げられることになる。なお、出力軸2,3は、上記アッパーアーム10とロアアーム11の回転により緩衝器本体1に対してその軸線が傾く運動を強いられるが、密閉体4,5が撓んで出力軸2,3の当該運動が許容され、緩衝器本体1の筒部1b,1cには過大な負荷がかからない。
このように、出力軸2と出力軸3は、アッパーアーム10とロアアーム11によって、ほぼ同期して上下方向に移動することになる。そして、緩衝器本体1に対して出力軸2が図1中上方向へ移動して圧力室R1を拡大すると、出力軸3も図1中上方へ移動して圧力室R2の容積を縮小し、圧力室R1の拡大分の容積と圧力室R2の縮小分の容積とがほぼ等しくなる。出力軸2,3が図1中下方へ移動する場合は、圧力室R1が縮小し圧力室R2が拡大するが、その際も、圧力室R1の減少分の容積と圧力室R2の拡大分の容積とがほぼ等しくなる。なお、出力軸2,3の緩衝器本体1に対する上下動による圧力室R1と圧力室R2の変化容積が出力軸2,3の傾き方向の運動によって差が生じても、補償室Rが当該容積差分の液体を気室Gの拡大或いは縮小によって液室Lで吸収或いは圧力室R1,R2へ排出することで補償する。また、補償室Rは、温度変化によって液体の体積変化する場合にも、当該体積変化を気室Gの拡大或いは縮小によって液室Lで吸収或いは圧力室R1,R2へ液体を排出することで補償する。また、補償室Rは、圧力室R1,R2内に充填される液体を気室Gの圧力で加圧しており、液体に溶け込んだ気体による液体の剛性低下の影響を抑制して、減衰力発生応答性を向上させる。
なお、減衰弁6c,7cは、オリフィス、チョーク、リーフバルブ、ポペット弁等の減衰弁の他、ロータリバルブ、ソレノイドバルブといった可変減衰弁も用いることができ、リーフバルブ、ポペット弁といったそれ自体で逆止弁としての機能を有する場合には、逆止弁6b,7bを廃することもできる。その場合、補償室Rは、減衰通路6と減衰通路7のいずれか一方に液室Lを連通するか、減衰通路6,7とは別個に圧力室R1,R2の一方または両方に液室Lを連通するようにすればよい。また、液体を磁気粘性流体とする場合には、減衰弁6c,7cの代わりに減衰通路6,7に磁気粘性流体に磁界を作用させるコイルや磁石を設けてもよく、さらに、液体を電気粘性流体とする場合には、減衰弁6c,7cの代わりに減衰通路6,7に電気粘性流体に電界を作用させる電極を設けてもよい。
さて、上述のように構成された緩衝器Dにあっては、上記したように、車体Bと車輪Wとの間に介装されることで、出力軸2,3が緩衝器本体1に対して図1中上下方向へ移動する。
そして、出力軸2,3が緩衝器本体1に対して図1中上方へ移動する場合、圧力室R1の容積が拡大され圧力室R2の容積が減少するので、圧力室R2から圧力室R1へ液体が移動しようとする。この場合、液体は、逆止弁6bは閉じており通過できないので、減衰通路7における逆止弁7bを開いて圧力室R2から圧力室R1へ移動する。この液体の流れに減衰弁7cが抵抗を与えるので、圧力室R2内の圧力が上昇して、緩衝器Dは、筒部1cの内径断面積に圧力室R2の圧力変化分を乗じた減衰力を発揮して、出力軸3の筒部1c内への侵入を妨げる。つまり、緩衝器Dは、車体Bに対する車輪Wの図2中上方向への移動を抑制する減衰力を発揮する。反対に、出力軸2,3が緩衝器本体1に対して図1中下方へ移動する場合、圧力室R2の容積が拡大され圧力室R1の容積が減少するので、圧力室R1から圧力室R2へ液体が移動しようとする。この場合、液体は、逆止弁7bは閉じており通過できないので、減衰通路6における逆止弁6bを開いて圧力室R1から圧力室R2へ移動する。この液体の流れに減衰弁6cが抵抗を与えるので、圧力室R1内の圧力が上昇して、緩衝器Dは、筒部1bの内径断面積に圧力室R1の圧力変化分を乗じた減衰力を発揮して、出力軸2の筒部1b内への侵入を妨げる。つまり、緩衝器Dは、車体Bに対する車輪Wの図2中下方向への移動を抑制する減衰力を発揮する。
このように、緩衝器Dは、減衰力を発揮するのであるが、減衰力は、圧力室R1,R2を交流する液体の流れに抵抗を与える減衰通路6,7で発生され、出力軸2,3が緩衝器本体1に対して傾いたり偏心したりしても、減衰通路6,7の流路面積に変化は無く、通過流量も安定しているので、安定した減衰力を発揮することが可能である。よって、この緩衝器Dは、安定した減衰力を発揮して車両における乗り心地を良好に維持することができる。
また、この緩衝器Dは、出力軸2,3が緩衝器本体1に対して図1中上方へ移動する場合には、減衰通路7における減衰弁7cで減衰力を発揮し、出力軸2,3が緩衝器本体1に対して図1中下方へ移動する場合には、減衰通路6における減衰弁6cで減衰力を発揮するので、減衰弁6c,7cが液体の流れに与える抵抗を異ならしめれば、出力軸2,3が緩衝器本体1に対して上方移動する際に発生する減衰力の特性と出力軸2,3が緩衝器本体1に対して下方移動する際に発生する減衰力の特性を異ならせることができる。そして、この緩衝器Dは、筒部1b,1cの長さは、出力軸2,3のストロークを確保する長さがあればよく、ピストンやベースバルブも不要であるので、一般的な緩衝器に比較して全長を短くして小型にすることができる。
したがって、この発明の緩衝器Dによれば、小型であって、安定した減衰力を発揮して車両における乗り心地を良好に維持することができる。
また、筒部1b,1cの内径面積を受圧面積として減衰力を発揮するとともに圧力室R1,R2を昇圧することで減衰力を発揮するので、従来のダンパプレートを備えた緩衝器や片出力軸型の緩衝器に比較して、構造的に出力軸2,3の上下方向のいずれにも高減衰力を発揮しやすく有利である。
また、出力軸2,3は密閉体4に弾性支持されて緩衝器本体1に一体化されており、一般的な緩衝器に見られるピストンロッドとロッドガイド、シリンダとピストンと言った摺動部位を有していないので、この緩衝器Dでは、減衰力に制御できない摩擦力が付加されてしまい車両における乗り心地を損なってしまうことがない。なお、この緩衝器Dにあっては、補償室R内に気室Gを区画するに際し、アキュムレータ9を用いることで、補償室Rにおいても摺動部を廃して摩擦力を生じないようになっているので、補償室Rにおける摩擦力が減衰力に与える影響をも排除している。
なお、図3に示した他の実施の形態の緩衝器D1のように、出力軸2,3内に補償室R3,R4を設けるようにしてもよい。この他の実施の形態の緩衝器D1では、出力軸2,3内に補償室R3,R4を設ける点が緩衝器Dと異なるのみであり、同じ部材については、説明が重複するので同じ符号を付すようにして、詳しい説明を省略する。
この他の実施の形態の緩衝器D1では、出力軸2内に補償室R3を設け、出力軸3内に補償室R4を設けている。補償室R3内には、フリーピストン13を摺動自在に挿入されており、当該フリーピストン13によって、液室L1と気室G1とに区画されている。そして、液室L1は、出力軸2内に設けた補償通路14によって圧力室R1に連通されている。また、補償室R4内には、フリーピストン15を摺動自在に挿入されており、当該フリーピストン15によって、液室L2と気室G2とに区画されている。そして、液室L2は、出力軸3内に設けた補償通路16によって圧力室R2に連通されている。
この他の実施の形態の緩衝器D1にあっても、出力軸2,3が上下方向に移動して、圧力室R1或いは圧力室R2内を昇圧するので、これによって減衰力を発揮する。そのため、上記緩衝器Dと同様の作用、効果を奏することができる。また、この他の実施の形態の緩衝器D1にあっては、補償室R3,R4を出力軸2,3内に設けているので、中央ブロック1aに補償室Rを設ける緩衝器Dに比較して、より軽量および小型となる。なお、補償室R3,R4のうち、何れか一方のみを設けるようにしてもよい。
さらに、図4に示した別の実施の形態における緩衝器D2は、緩衝器本体1の中央ブロック1aに補償室Rを設ける代わりに、緩衝器本体1を保持するとともに緩衝器本体1を車体Bへ固定するブラケット17を設けて、当該ブラケット17に補償室R5を設けている。
ブラケット17は、車体Bに固定される固定部17aと、緩衝器本体1を保持する保持部17bと、固定部17aと保持部17bとを接続する腕17cとを備えている。
そして、固定部17aの内部に補償室R5を設けている。補償室R5内には、アキュムレータ18が収容されており、このアキュムレータ18で内部の気室G3と液室L3とを区画している。また、固定部17a内に減衰通路6,7の逆止弁6b,7bと減衰弁6c,7cも設けられており、液室L3は、補償通路19を介して減衰通路6,7に連通されている。
このように、緩衝器D2は、緩衝器Dで緩衝器本体1に設けていた逆止弁6b,7b、減衰弁6c,7cおよび補償室R5をブラケット17の内部に設けることで、緩衝器本体1のより一層の長手方向の短縮と径方向の小径化を図ることができ、緩衝器D2の車両への搭載性を向上させることができる。補償室R5のみをブラケット17内に設ける場合にも、緩衝器Dに比較して緩衝器本体1のより一層の長手方向の短縮と径方向の小径化を図ることができる。
なお、上記した各実施の形態の緩衝器D,D1,D2において、減衰通路6,7の代わりに圧力室R1と圧力室R2とを液体が双方向へ通過することを許容する減衰通路を設けてもよい。また、筒部1bと筒部1cの内径を異ならしめることも可能であり、その場合には、内径が大きい方の出力軸を緩衝器本体から突出させる方向の附勢力を緩衝器に常に発揮させることが可能である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1 緩衝器本体
2,3 出力軸
4,5 密閉体
6,7 減衰通路
6b,7b 逆止弁
6c,7c 減衰弁
16 ブラケット
D,D1,D2 緩衝器
G,G1,G2,G3 気室
L,L1,L2,L3 液室
R,R3,R4,R5 補償室
R1,R2 圧力室

Claims (3)

  1. 両端にそれぞれ端部側から開口して液体が充填される圧力室を備えた緩衝器本体と、
    上記各圧力室内にそれぞれ移動自在に挿通される出力軸と、
    上記各圧力室の開口部を閉塞して上記圧力室を密閉するとともに上記出力軸の外周に固着して少なくとも上記出力軸の軸方向の移動を許容する環状で弾性体からなる密閉体と、
    上記各圧力室を連通するとともに上記圧力室間を交流する上記液体の流れに抵抗を与える減衰通路と
    上記緩衝器本体を被設置箇所へ固定するブラケットと、
    上記ブラケット内に設けられ、液室と気室とを有して上記液室が少なくとも上記圧力室の一方に連通される補償室とを備えた
    ことを特徴とする緩衝器。
  2. 上記減衰通路は、上記圧力室の一方から他方へ向かう流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える一方側の減衰通路と、上記圧力室の他方から一方へ向かう流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える他方側の減衰通路とを備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 上記一方側の減衰通路と上記他方側の減衰通路が共に減衰弁と逆止弁とを備え、上記ブラケット内に減衰弁と逆止弁とを設けた
    ことを特徴とする請求項に記載の緩衝器。
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