JP2021160300A - 仮固定複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】仮固定層と基材層を有する仮固定複合体であって、高温に曝されたときの寸法変化率が極めて小さく、且つ、仮固定層と基材層との投錨性が高い、仮固定複合体を提供する。
【解決手段】本発明の仮固定複合体は、仮固定層と基材層とシリコーン系粘着剤から形成されるシリコーン系粘着剤層を含む仮固定複合体であって、該仮固定層が発泡層またはゴム層であり、該仮固定層と該基材層とが下塗り層を介して積層されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、仮固定複合体に関する。
電子回路基板等の製造工程においては、部品の仮固定等を目的とする粘着テープが必要とされる(例えば、特許文献1〜3)。最近、仮固定材として、アクリル系粘着剤層付発泡体やウレタン系発泡体が提案されている(例えば、特許文献4、5)。
電子回路基板等の製造工程においては、ハンダリフロー工程により、基板上への部品の実装が行われる場合がある。ハンダリフロー工程は、通常、50℃前後から徐々に温度が上昇し、最高温度が300℃近くになる熱履歴を有する。ハンダリフロー工程によって、基板と実装部品の間に存在するハンダボールが溶融してハンダ付けが行われる。
電子回路基板等の製造工程に用いられる、部品の仮固定等を目的とする従来の粘着テープや仮固定材は、ハンダリフロー工程で曝されるような高温に耐えることができず、例えば、ハンダリフロー工程の前後において大きな寸法変化を生じてしまい、部品の仮固定等の目的を信頼性良く達成することができないことがある。
さらに、部品の仮固定等を目的とする従来の粘着テープや仮固定材の多くは、仮固定機能を発現する仮固定層と基材層を備えている。しかし、仮固定層は基材層との投錨性が低く、仮固定層の浮きや剥がれが起きやすいという問題がある。
特開2008−201899号公報 特開2006−332419号公報 特開2006−077072号公報 特開2010−234536号公報 特開2013−144788号公報
本発明の課題は、仮固定層と基材層を有する仮固定複合体であって、高温に曝されたときの寸法変化率が極めて小さく、且つ、仮固定層と基材層との投錨性が高い、仮固定複合体を提供することにある。
本発明の仮固定複合体は、
仮固定層と基材層とシリコーン系粘着剤から形成されるシリコーン系粘着剤層を含む仮固定複合体であって、
該仮固定層が発泡層またはゴム層であり、
該仮固定層と該基材層とが下塗り層を介して積層されてなる。
一つの実施形態においては、上記下塗り層の厚みが0.01μm〜5μmである。
一つの実施形態においては、上記下塗り層の厚みが0.1μm〜3μmである。
一つの実施形態においては、上記下塗り層を構成する下塗り剤がシリコーン系下塗り剤である。
一つの実施形態においては、上記シリコーン系下塗り剤が、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤である。
一つの実施形態においては、上記シリコーン系下塗り剤が、付加反応型シリコーン系粘着剤である。
一つの実施形態においては、上記仮固定層がシリコーン系発泡層である。
一つの実施形態においては、上記シリコーン系粘着剤層の厚みが1μm〜100μmである。
一つの実施形態においては、上記シリコーン系粘着剤層の厚みが5μm〜90μmである。
一つの実施形態においては、上記シリコーン系粘着剤層の厚みが8μm〜80μmである。
本発明によれば、仮固定層と基材層を有する仮固定複合体であって、高温に曝されたときの寸法変化率が極めて小さく、且つ、仮固定層と基材層との投錨性が高い、仮固定複合体を提供することができる。
本発明の一つの実施形態による仮固定複合体の概略断面図である。 寸法変化率の測定で用いるハンダリフロープロセスの熱履歴を表す図である。
≪≪仮固定複合体≫≫
本発明の仮固定複合体は、仮固定層と基材層とシリコーン系粘着剤から形成されるシリコーン系粘着剤層を含む。本発明の仮固定複合体は、このような構成を採用することにより、高温に曝されたときの寸法変化率が極めて小さくなり得る。仮固定層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。基材層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。シリコーン系粘着剤層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
本発明の仮固定複合体は、仮固定層と基材層とが下塗り層を介して積層されてなる。このように、仮固定層と基材層とが下塗り層を介して積層されることにより、仮固定層と基材層との投錨性が高くなり得る。
本発明の仮固定複合体は、仮固定層と下塗り層と基材層とシリコーン系粘着剤から形成されるシリコーン系粘着剤層を含んでいれば、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な他の層を含んでいてもよい。このような他の層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
本発明の仮固定複合体において、仮固定層の表面には、使用するまで、セパレーターが貼着されていてもよい。このようなセパレーターは、支持体として機能させるものではない場合、好ましくは、仮固定したい部材を本発明の仮固定複合体の上に載置する前に、仮固定層の表面から剥離する。
したがって、本発明の仮固定複合体においては、仮固定層または仮固定層の表面に貼着されたセパレーターが、好ましくは、一方の最外層となる。
本発明の仮固定複合体において、シリコーン系粘着剤層が最外層である場合は、該シリコーン系粘着剤層の表面には、使用するまで、セパレーターが貼着されていてもよい。このようなセパレーターは、支持体として機能させるものではない場合、好ましくは、使用前に、シリコーン系粘着剤層の表面から剥離する。
図1に示すように、本発明の仮固定複合体100の一つの実施形態は、仮固定層10と下塗り層20と基材層30とシリコーン系粘着剤層40を有する。図1においては、仮固定層と下塗り層と基材層とシリコーン系粘着剤層は直接に積層されてなる。
本発明の仮固定複合体の総厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは10μm〜4000μmであり、より好ましくは20μm〜3000μmであり、さらに好ましくは30μm〜2000μmであり、特に好ましくは40μm〜1000μmである。
本発明の仮固定複合体は、100mm×100mmに切り出したサンプルについて、ピーク温度が270℃のハンダリフロープロセスを通した後に温度23℃×湿度50%RHで1時間静置したときに、MD方向の寸法変化率が、好ましくは0.3%以下であり、より好ましくは0.28%以下であり、さらに好ましくは0.25%であり、特に好ましくは0.23%であり、最も好ましくは0.2%以下であり、TD方向の寸法変化率が、好ましくは0.3%以下であり、より好ましくは0.28%以下であり、さらに好ましくは0.25%であり、特に好ましくは0.23%であり、最も好ましくは0.2%以下である。上記MD方向の寸法変化率が上記範囲内にあり、上記TD方向の寸法変化率が上記範囲内にあれば、本発明の仮固定複合体は、高温に曝されたときの寸法変化率が極めて小さい発泡複合体となり得る。
なお、MD方向の寸法変化率およびTD方向の寸法変化率は下記式で求められる。
MD方向の寸法変化率(%)=[(ハンダリフロープロセスを通す前のMD方向長さ(mm)−ハンダリフロープロセスを通した後に温度23℃×湿度50%RHで1時間静置した後のMD方向長さ(mm))/ハンダリフロープロセスを通す前のMD方向長さ(mm)]×100(%)
TD方向の寸法変化率(%)=[(ハンダリフロープロセスを通す前のTD方向長さ(mm)−ハンダリフロープロセスを通した後に温度23℃×湿度50%RHで1時間静置した後のTD方向長さ(mm))/ハンダリフロープロセスを通す前のTD方向長さ(mm)]×100(%)
≪仮固定層≫
仮固定層の厚みとしては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な厚みを採用し得る。このような発泡層の厚みは、好ましくは10μm〜3500μmであり、より好ましくは20μm〜2500μmであり、さらに好ましくは30μm〜1500μmであり、特に好ましくは40μm〜950μmである。仮固定層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の仮固定複合体は、優れた仮固定性を発現し得る。
仮固定層は、発泡層またはゴム層であり、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは発泡層である。
発泡層は、好ましくは、セル(球状気泡)を有する。なお、セル(球状気泡)は、厳密な真球状の気泡でなくてもよく、例えば、部分的にひずみのある略球状の気泡や、大きなひずみを有する空間からなる気泡であってもよい。
発泡層は、好ましくは、連続気泡構造を備える発泡層である。発泡層が連続気泡構造を備えることにより、気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができる。発泡層は、より具体的には、隣接するセル間に貫通孔を有する連続気泡構造を備える。発泡層が隣接するセル間に貫通孔を有する連続気泡構造を備えることにより、発泡層の他の特徴と相まって、優れた気泡抜け性を発現でき、より気泡を咬み込むことなく部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際は糊残りなくより容易に剥がすことができる。また、発泡層の厚みを薄くしてもこれらの効果の発現を維持できる。
連続気泡構造が存在するかどうかの観察は、低真空走査電子顕微鏡(「S−3400N型走査電子顕微鏡」、日立ハイテクフィールディング社製)により、発泡層断面の拡大画像を取り込み、セル壁の貫通孔の有無を確認することによって行うことができる。
発泡層は、連続気泡率が、好ましくは90%以上であり、より好ましくは90%〜100%であり、さらに好ましくは92%〜100%であり、さらに好ましくは95%〜100%であり、特に好ましくは99%〜100%であり、最も好ましくは実質的に100%である。発泡層の連続気泡率が上記範囲にあれば、発泡層の他の特徴と相まって、より優れた気泡抜け性を発現でき、より一層気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際は糊残りなくより一層容易に剥がすことができる。また、発泡層の厚みを薄くしてもこれらの効果の発現をより維持できる。
連続気泡率は、例えば、下記のようにして測定することができる。すなわち、発泡層を水中に沈め、−750mmHgの減圧下で3分間放置することで、気泡中の空気を水に置換し、吸収された水の質量を図り、水の密度を1.0g/cmとして吸収された水の体積を算出し、下記の式により算出する。
連続気泡率(%)={(吸水した水の体積)/(気泡部分体積)}×100
なお、気泡部分体積は、例えば、下記の式により算出する。ここで、樹脂密度は、発泡層を形成する樹脂中の乳化剤を除いて作製した樹脂成形体の密度を測定することで得られる値である。
気泡部分体積(cm)={(発泡体(発泡シート)の質量)/(発泡体(発泡シート)の見かけ密度)}−{(発泡体(発泡シート)の質量)/(樹脂密度)}
発泡層は、平均セル径が、好ましくは1μm〜200μmであり、より好ましくは1.5μm〜180μmであり、さらに好ましくは2μm〜170μmであり、特に好ましくは2.5μm〜160μmであり、最も好ましくは3μm〜150μmである。発泡層において、平均セル径が上記範囲にあれば、発泡層の他の特徴と相まって、より優れた気泡抜け性を発現でき、より一層気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際は糊残りなくより一層容易に剥がすことができる。また、発泡層の厚みを薄くしてもこれらの効果の発現をより維持できる。
発泡層は、好ましくは、全セルの90%以上のセル径が300μm以下であり、より好ましくは、全セルの92%以上のセル径が300μm以下であり、さらに好ましくは、全セルの95%以上のセル径が300μm以下であり、特に好ましくは、全セルの97%以上のセル径が300μm以下であり、最も好ましくは、全セルの実質的に100%のセル径が300μm以下である。また、発泡層は、より好ましくは、全セルの90%以上のセル径が250μm以下であり、さらに好ましくは、全セルの90%以上のセル径が200μm以下であり、特に好ましくは、全セルの90%以上のセル径が180μm以下であり、最も好ましくは、全セルの90%以上のセル径が150μm以下である。発泡層において、300μm以下のセル径の割合や全セルの90%以上のセル径が上記範囲にあれば、発泡層の他の特徴と相まって、より優れた気泡抜け性を発現でき、より一層気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際は糊残りなくより一層容易に剥がすことができる。また、発泡層の厚みを薄くしてもこれらの効果の発現をより維持できる。
発泡層は、全セル中の最大セル径が、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは250μm以下であり、さらに好ましくは200μm以下であり、特に好ましくは180μm以下であり、最も好ましくは150μm以下である。発泡層において、全セル中の最大セル径が上記範囲にあれば、発泡層の他の特徴と相まって、より優れた気泡抜け性を発現でき、より一層気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際は糊残りなくより一層容易に剥がすことができる。また、発泡層の厚みを薄くしてもこれらの効果の発現をより維持できる。
発泡層は、全セル中の最小セル径が、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは80μm以下であり、さらに好ましくは70μm以下であり、特に好ましくは60μm以下であり、最も好ましくは50μm以下である。発泡層において、全セル中の最小セル径が上記範囲にあれば、発泡層の他の特徴と相まって、より優れた気泡抜け性を発現でき、より一層気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際は糊残りなくより一層容易に剥がすことができる。また、発泡層の厚みを薄くしてもこれらの効果の発現をより維持できる。
このように、発泡層が、好ましくは、連続気泡構造を備え、また、好ましくは、セル径が上記のように微細であることにより、優れた気泡抜け性を発現でき、気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際は糊残りなく剥がすことができ、仮固定複合体に好適なものとなる。
平均セル径は、例えば、低真空走査電子顕微鏡(「S−3400N型走査電子顕微鏡」、日立ハイテクサイエンスシステムズ社製)により、発泡層断面の拡大画像を取り込み、画像解析することにより求めることができる。解析するセル数としては、例えば20個である。同様の方法で、最小セル径(μm)および最大セル径(μm)を求めることができる。
発泡層は、好ましくは、表面開口部を有する。ここにいう表面開口部とは、発泡層の表面に存在する、ある大きさの平均孔径を有する開口部を意味する。発泡層が表面開口部を有することにより、本発明の吸着仮固定シートは、より気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際に糊残りなくより容易に剥がすことができる。これは、表面開口部が、適切な吸盤として働くためと推察され、これにより、発泡層を有する本発明の仮固定複合体は、上記のような優れた仮固定性をより発現できる。
表面開口部の開口率は、好ましくは1%〜99%であり、より好ましくは2%〜95%であり、さらに好ましくは3%〜90%であり、特に好ましくは4%〜85%であり、最も好ましくは5%〜80%である。表面開口部の開口率が上記範囲にあれば、本発明の仮固定複合体は、より気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際に糊残りなくより容易に剥がすことができる。
表面開口部の平均孔径は、好ましくは150μm以下であり、より好ましくは0.5μm〜145μmであり、さらに好ましくは1.0μm〜140μmであり、特に好ましくは1.5μm〜135μmであり、最も好ましくは2.0μm〜130μmである。表面開口部の平均孔径が上記範囲にあれば、本発明の仮固定複合体は、より気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際に糊残りなくより容易に剥がすことができる。
表面開口部の平均孔径は、例えば、低真空走査電子顕微鏡(「S−3400N型走査電子顕微鏡」、日立ハイテクフィールディング社製)により、発泡層表面の拡大画像を取り込み、画像解析することにより求めることができる。解析する孔数は、例えば20個である。
発泡層の見かけ密度は、好ましくは0.15g/cm〜0.90g/cmであり、より好ましくは0.20g/cm〜0.85g/cmであり、さらに好ましくは0.25g/cm〜0.80g/cmであり、特に好ましくは0.30g/cm〜0.75g/cmである。発泡層の見かけ密度が上記範囲にあれば、発泡層の他の特徴と相まって、より気泡を咬み込むことなく、部材を発泡層上に効果的に仮固定することができ、仮固定を解除する際は糊残りなくより容易に剥がすことができる。また、発泡層の厚みを薄くしてもこれらの効果の発現を維持できる。
発泡層は、その表面の算術平均表面粗さRaが、好ましくは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.2μm〜9μmであり、さらに好ましくは0.3μm〜8.5μmであり、特に好ましくは0.4μm〜8μmである。発泡層の表面が、このような範囲の算術平均表面粗さRaを有することにより、本発明の仮固定複合体は、表面と同じ方向にはより十分なせん断接着力を有し、表面に対して垂直方向にはより弱い接着力を有することができる。
発泡層の表面には、前述したように、使用するまで、セパレーターが貼着されていてもよい。このようなセパレーターは、支持体として機能させるものではない場合、好ましくは、仮固定したい部材を本発明の発泡複合体に載置する前に、発泡層の表面から剥離する。
セパレーターの厚みは、好ましくは1μm〜500μmであり、より好ましくは3μm〜450μmであり、さらに好ましくは5μm〜400μmであり、特に好ましくは10μm〜300μmである。
セパレーターとしては、例えば、紙、プラスチックフィルム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、表面がシリコーン処理やフッ化シリコーン処理されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミド(ナイロン)フィルム、芳香族ポリアミド(アラミド)フィルムなどが挙げられる。
特に、本発明の効果をより発現させ得る点で、シリコーン処理やフッ化シリコーン処理などの表面処理がなされていないプラスチックフィルムが、セパレーターとして、発泡層の少なくとも一方の表面に貼着されていることが好ましい。このようなセパレーターとしては、特に好ましくは、シリコーン処理やフッ化シリコーン処理などの表面処理がなされていないポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである。
上記のようなセパレーターとしては、その表面の算術平均表面粗さRaが、好ましくは0.1μm〜5μmであり、より好ましくは0.15μm〜4.5μmであり、さらに好ましくは0.2μm〜4μmであり、特に好ましくは0.22μm〜3.5μmである。このような範囲の算術平均表面粗さRaの表面を有するセパレーターを採用することにより、このようなセパレーターを、仮固定したい部材を本発明の発泡複合体に載置する前に発泡層の表面から剥離することにより、本発明の仮固定複合体は、表面と同じ方向にはより十分なせん断接着力を有し、表面に対して垂直方向にはより弱い接着力を有することができる。
発泡層の一つの実施形態はシリコーン系発泡層である。発泡層がシリコーン系発泡層であることにより、本発明の効果がより発現し得る。
シリコーン系発泡層は、好ましくは、シリコーン樹脂組成物の熱硬化によって形成される。
シリコーン樹脂組成物は、好ましくは、下記の(A)〜(F)からなる群から選ばれる少なくとも1種の要件を満たす。
すなわち、シリコーン樹脂組成物は、好ましくは、
(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンを含む、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンを、上記(A)成分中のアルケニル基1モルに対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が0.4モル〜20モルとなる量で含む、
(C)(A)成分100質量部に対して、水と無機系増粘剤からなる混合物100質量部〜1000質量部を含む、
(D)(D−1)HLBの値が3以上であるノニオン系界面活性剤および(D−2)HLBの値が3未満であるノニオン系界面活性剤からなる界面活性剤を、(D−2)成分に対する(D−1)成分の質量比が0.1質量部〜100質量部で含む、
(E)ヒドロシリル化反応触媒を含む、
(F)(A)成分100質量部に対して、硬化遅延剤0.001質量部〜5質量部を含む、
からなる群から選ばれる少なくとも1種の要件を満たす。
(A)成分は、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、シリコーン樹脂組成物の主剤である。
(A)成分中のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基などが挙げられ、好ましくは、ビニル基である。また、(A)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子結合有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基;などが挙げられ、好ましくは、メチル基である。
(A)成分としては、具体的には、例えば、ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体が挙げられ、好ましくは、主鎖が実質的に直鎖状であるジオルガノポリシロキサンである。
(B)成分は、一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであり、シリコーン樹脂組成物の架橋剤である。
(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の結合位置としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な結合位置が採用され得る。このような結合位置としては、例えば、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖などが挙げられる。(B)成分中の水素原子以外のケイ素原子結合有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基;などが挙げられ、好ましくは、メチル基である。
(B)成分としては、具体的には、例えば、ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、(CHSiO1/2で示されるシロキサン単位とH(CHSiO1/2で示されるシロキサン単位とSiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンなどが挙げられ、好ましくは、直鎖状のオルガノポリシロキサンである。
(B)成分の含有量は、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が、好ましくは0.4モル〜20モルの範囲内となる量であり、より好ましくは1.5モル〜20モルの範囲内となる量であり、さらに好ましくは1.5モル〜10モルの範囲内となる量である。これは、(B)成分中のケイ素原子結合水素のモル数が上記範囲内であると、得られる発泡複合体の圧縮永久歪が改善されるからである。
(C)成分は水と無機系増粘剤からなる混合物であり、シリコーン樹脂組成物を架橋して得られるシリコーンゴムから(C)成分中の水を除去することにより、シリコーンゴムスポンジとするための成分である。(A)成分中に(C)成分が安定して分散することから、(C)成分中の水はイオン交換水であることが好ましい。
(C)成分中の無機系増粘剤は、水の粘度を高め、(A)成分中に(C)成分が容易に分散し、(C)成分の分散状態を安定させるために配合される。この無機増粘剤としては、天然または合成のものがあり、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、バイデライトおよびノントロナイト等の天然または合成のスメクタイトクレー;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;これらとカルボキシビニルポリマーなどの水溶性有機ポリマーとの複合品;などが挙げられ、好ましくは、ベントナイトやモンモリロナイトなどのスメクタイトクレーである。このような、スメクタイトクレーとしては、例えば、水熱合成品であるスメクトンSA(クニミネ工業(株)製)、天然精製品であるベンゲル((株)ホージュン製)が入手可能である。これらのスメクタイトクレーのpHは発泡層の耐熱性を維持する点からpH5.0〜9.0の範囲内であることが好ましい。また、(C)成分中の無機系増粘剤の含有量は、水100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜10質量部の範囲内であり、より好ましくは0.5質量部〜5質量部の範囲内である。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは100質量部〜1000質量部の範囲内であり、より好ましくは100質量部〜800質量部の範囲内であり、さらに好ましくは100質量部〜500質量部の範囲であり、特に好ましくは200質量部〜500質量部の範囲内であり、最も好ましくは200質量部〜350質量部の範囲内である。これは、(C)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、低密度の発泡層を形成できるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、均一で微細な連続気泡構造を有する発泡層を形成できるからである。
(D)成分の界面活性剤は、好ましくは、(D−1)HLBの値が3以上であるノニオン系界面活性剤および(D−2)HLBの値が3未満であるノニオン系界面活性剤からなる。(D)成分の界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。
(D)成分は、好ましくは、(D−1)成分と(D−2)成分からなり、(D−2)成分に対する(D−1)成分の質量比が、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは1以上であり、さらに好ましくは5以上であり、さらに好ましくは8以上であり、特に好ましくは10以上であり、最も好ましくは15以上である。また、(D−2)成分に対する(D−1)成分の質量比は、好ましくは100以下であり、より好ましくは80以下であり、さらに好ましくは70以下であり、特に好ましくは60以下であり、最も好ましくは50以下である。これは、この質量比が上記下限より大きくなれば、均一で微細な連続気泡構造を有する低密度の発泡層を形成することができるからであり、一方、上記上限より小さくなれば、(A)成分と(B)成分中に(C)成分を安定性良く分散することができ、結果として、均一で微細な連続気泡構造を有する発泡層を形成することができるからである。
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、好ましくは0.1質量部〜15質量部の範囲内であり、より好ましくは0.2質量部〜3質量部の範囲内である。これは、(D)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、均一で微細な連続気泡構造を有する発泡層を形成できるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、耐熱性の優れる発泡層を形成できるからである。
(E)成分は、シリコーン樹脂組成物のヒドロシリル化反応を促進するためのヒドロシリル化反応触媒であり、例えば、白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒が挙げられ、好ましくは白金系触媒である。このような(E)成分としては、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、白金のオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムなどが挙げられる。
(E)成分の含有量は、シリコーン樹脂組成物を架橋させるに十分な量であり、具体的には、(A)成分および(B)成分の合計量に対して、(E)成分中の触媒金属が、質量換算で、好ましくは0.01ppm〜500ppmの範囲内となる量であり、より好ましくは0.1ppm〜100ppmの範囲内となる量である。
シリコーン樹脂組成物の硬化速度や作業可使時間を調整するため、(F)硬化遅延剤を含有してもよい。このような(F)成分としては、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−フェニル−1−ブチン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールなどのアルキンアルコールが挙げられる。(F)成分の含有量は、シリコーン樹脂組成物の使用方法や成形方法に応じて適宜選択され、一般的には、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.001質量部〜5質量部の範囲内である。
シリコーン樹脂組成物には、得られる発泡層の強度を向上させるという点から、さらに(G)補強性シリカ微粉末を含有してもよい。このような補強性シリカ微粉末としては、そのBET比表面積が、好ましくは50m/g〜350m/gであり、より好ましくは80m/g〜250m/gである。このような補強性シリカ微粉末としては、例えば、ヒュームドシリカ、沈降シリカなどが挙げられる。また、これらの補強性シリカ微粉末は、オルガノシラン等で表面処理されていてもよい。
(G)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは多くとも20質量部であり、より好ましくは多くとも15質量部であり、さらに好ましくは多くとも10質量部である。また、(G)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは少なくとも0.1質量部である。
シリコーン樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラックやベンガラ等の顔料を含有してもよい。
シリコーン樹脂組成物は、上記各成分あるいはこれらに必要に応じて各種添加剤を配合した組成物を公知の混練手段により均一に混合することにより容易に製造することができる。ここで使用するミキサーとしては、(C)成分と(D)成分を(A)成分に十分に分散させることができるものであれば、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なミキサーを採用し得る。このようなミキサーとしては、例えば、ホモミキサー、パドルミキサー、ホモディスパー、コロイドミル、真空混合攪拌ミキサー、自転公転ミキサーなどが挙げられる。
発泡層は、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法によって製造し得る。このような製造方法としては、例えば、発泡層を形成する樹脂組成物(例えば、シリコーン樹脂組成物)をセパレーターA上に塗工し、該塗工した樹脂組成物の該セパレーターAと反対側の表面上にセパレーターBを載置し、熱硬化を行った後、該セパレーターAおよび該セパレーターBから選ばれる少なくとも1種を剥離する。
セパレーターAおよびセパレーターBとしては、例えば、紙、プラスチックフィルム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、表面がシリコーン処理やフッ化シリコーン処理されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミド(ナイロン)フィルム、芳香族ポリアミド(アラミド)フィルムなどが挙げられ、特に、本発明の効果をより発現させ得る点で、シリコーン処理やフッ化シリコーン処理などの表面処理がなされていないプラスチックフィルムが好ましい。このようなセパレーターとしては、特に好ましくは、シリコーン処理やフッ化シリコーン処理などの表面処理がなされていないポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである。
セパレーターAおよびセパレーターBの厚みは、それぞれ、好ましくは1μm〜500μmであり、より好ましくは3μm〜450μmであり、さらに好ましくは5μm〜400μmであり、特に好ましくは10μm〜300μmである。
発泡層の製造方法の一例として、発泡層がシリコーン系発泡層である場合について説明する。発泡層が他の発泡層である場合は、下記の製造方法の説明を、例えば、シリコーン樹脂組成物を該他の発泡層の原料としての組成物に置き換えて読めばよい。
シリコーン系発泡層の製造方法の一つの実施形態は、少なくとも熱硬化性シリコーン樹脂と水を含むシリコーン樹脂組成物をセパレーターA上に塗工し(以下、この工程を工程(1)とする)、該塗工したシリコーン樹脂組成物の該セパレーターAと反対側の表面上にセパレーターBを載置し(以下、この工程を工程(2)とする)、該シリコーン樹脂組成物を熱硬化させ(以下、この工程を工程(3)とする)、該セパレーターAおよび該セパレーターBから選ばれる少なくとも1種を剥離したものを加熱乾燥させて(以下、この工程を工程(4)とする)シリコーン系発泡層を形成する。
シリコーン系発泡層の製造方法の別の一つの実施形態は、少なくとも熱硬化性シリコーン樹脂と水を含むシリコーン樹脂組成物をセパレーターA上に塗工し(以下、この工程を工程(1)とする)、該塗工したシリコーン樹脂組成物の該セパレーターAと反対側の表面上にセパレーターBを載置し(以下、この工程を工程(2)とする)、該シリコーン樹脂組成物を熱硬化させ(以下、この工程を工程(3)とする)、該セパレーターAおよび該セパレーターBから選ばれる少なくとも1種を剥離したものを加熱乾燥させ(以下、この工程を工程(4)とする)、支持体と貼り合わせて(以下、この工程を工程(5)とする)シリコーン系発泡層を形成する。
セパレーターAやセパレーターBがそのまま支持体として用いられる場合には、発泡層との投錨性を上げるために、支持体となるセパレーターAやセパレーターBの表面にシランカップリング剤等の下塗り剤を塗布したり、コロナ処理やプラズマ処理などの表面処理を行ったりしてもよい。
工程(4)における加熱乾燥の際に除去しないセパレーターがある場合は、該セパレーターとして用い得る剥離ライナーは、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、紙やプラスチックフィルムの基材(ライナー基材)の表面がフッ化シリコーン処理された剥離ライナーである。工程(4)における加熱乾燥の際に除去しないセパレーターがある場合の該セパレーターとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、紙やプラスチックフィルムの基材(ライナー基材)の表面がフッ化シリコーン処理された剥離ライナーを用いることによって、加熱乾燥後の剥離を容易に行うことができる。また、セパレーターAやセパレーターBには、粘着剤層が設けられていてもよい。
工程(1)において使用するセパレーターAと工程(2)において使用するセパレーターBは、同一のものであってもよいし、異種のものであってもよい。また、工程(1)において使用するセパレーターAと工程(2)において使用するセパレーターBは、それぞれ、1層のみのものであってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。
工程(1)において使用するセパレーターAおよび工程(2)において使用するセパレーターBの、シリコーン樹脂組成物に接する方の表面の親水性・疎水性の程度によって、該表面に接する該シリコーン樹脂組成物の表面形状が変化する。例えば、セパレーターAやセパレーターBとしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのような親水性の高いセパレーターを用いる場合は、該セパレーターに接するシリコーン樹脂組成物の表面において微細な径の表面開口部を多く存在させることができる。また、例えば、セパレーターAやセパレーターBとしてフッ化シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)剥離ライナーのような疎水性の高いセパレーターを用いる場合は、該セパレーターに接するシリコーン樹脂組成物の表面において微細な径の表面開口部を少なく存在させることができる。したがって、シリコーン系発泡層に対して高い通気性や高い吸着性を発現させたい場合には、親水性の高いセパレーターを用いることが好ましく、シリコーン系発泡層に対して高い止水性や高い防塵性を発現させたい場合には、疎水性の高いセパレーターを用いることが好ましい。また、シリコーン系発泡層とセパレーターとの再剥離性が必要な場合は、疎水性の高いセパレーターを用いることが好ましい。なお、親水性・疎水性の程度は、例えば、水との接触角によって定義することができる。例えば、水との接触角が90度未満の場合を親水性、水との接触角が90度以上の場合を疎水性と定義し得る。
工程(3)においては、シリコーン樹脂組成物を熱硬化させる。この熱硬化の温度は、効率的にシリコーン樹脂組成物を熱硬化させ得る点で、好ましくは50℃以上100℃未満である。熱硬化の温度が50℃未満では、熱硬化に時間がかかりすぎるおそれがある。熱硬化の温度が100℃以上では、セパレーターAおよびセパレーターBに挟まれて略密閉状態となったシリコーン樹脂組成物中の水分が揮発することにより、形成するセルの粗大化や高密度化が起こるおそれがある。なお、工程(3)によってシリコーン樹脂組成物から形成するものをシリコーン系発泡層前駆体と称することとする。
工程(3)のように、シリコーン樹脂組成物をセパレーターAおよびセパレーターBで挟んだ略密閉状態において熱硬化するという特殊な熱硬化方法を行うことにより、シリコーン樹脂組成物中の水分が除去されない状態において熱硬化され、続く工程(4)との連携により、連続気泡構造を有しセル径が微細なシリコーン系発泡層を効果的に得ることが可能となる。
工程(4)においては、セパレーターAおよびセパレーターBから選ばれる少なくとも1種を剥離したものを加熱乾燥させる。セパレーターAおよびセパレーターBから選ばれる少なくとも1種を剥離させることにより、工程(3)における上記略密閉状態が解放され、この解放状態において加熱乾燥させることにより、工程(3)で形成されたシリコーン系発泡層前駆体から水分が効率的に揮発して除去され、シリコーン系発泡層が得られる。シリコーン系発泡層を効果的に形成させ得る点で、工程(4)における加熱乾燥温度は、120℃〜250℃が好ましい。工程(4)における加熱乾燥温度が120℃未満では、乾燥および硬化に時間がかかりすぎるおそれがあり、また、連続気泡構造を有しセル径が微細なシリコーン系発泡層が得られないおそれがある。工程(4)における加熱乾燥温度が250℃を超えると、基材の収縮や膨張により層形成が困難となるおそれがある。
工程(5)においては、工程(4)の後、支持体と貼り合わせることにより、シリコーン系発泡層を形成する。
仮固定層がゴム層の場合は、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なゴム層を採用し得る。このようなゴム層としては、好ましくは、シリコーン系ゴム層である。ゴム層としてシリコーン系ゴム層を採用すれば、本発明の効果をより発現させ得る。
≪基材層≫
本発明の仮固定複合体は、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な基材層を有する。
基材層の厚みとしては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な厚みを採用し得る。このような基材層の厚みは、好ましくは2μm〜500μmであり、より好ましくは5μm〜450μmであり、さらに好ましくは10μm〜400μmであり、特に好ましくは20μm〜350μmである。
基材層としては、例えば、プラスチックフィルム、紙、不織布、金属箔、金属メッシュ、ガラス、ガラスクロスなどが挙げられる。基材層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。また、基材層とそれと隣接する層の投錨性を上げるために、基材層の表面にシランカップリング剤等の下塗り剤を塗布したり、コロナ処理やプラズマ処理などの表面処理を行ったりしてもよい。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミド(ナイロン)フィルム、芳香族ポリアミド(アラミド)フィルムなどが挙げられる。これらのプラスチックフィルムの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、ポリイミドフィルムが好ましい。
≪下塗り層≫
下塗り層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは0.01μm〜5μmであり、より好ましくは0.1μm〜3μmである。
下塗り層を構成する下塗り剤としては、その組成は特に限定されず、公知のものから適宜選択することができる。特に投錨性を発現させ得る点で、シリコーン系下塗り剤が好ましい。
シリコーン系下塗り剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なシリコーン系下塗り剤を採用し得る。このようなシリコーン系下塗り剤としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、例えば、一般的に多く用いられている、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤(過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤)や、付加反応型シリコーン系粘着剤を、薄い厚みで形成することで、シリコーン系下塗り剤として好適に用いることができる。
過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤を採用すると、加熱によるラジカル発生に伴い基材と下塗剤の間の密着性に優れる。
付加反応型シリコーン系粘着剤を採用すると、低温で塗布することができ、基材の加熱による伸縮を押さえることができ、外観などに優れる。
過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤や付加反応型シリコーン系粘着剤は、市販品を使用することができ、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤の具体例としては、例えば、信越化学製のKR−3006A/BT、ダウ・東レ社製のSH4280PSAなどが挙げられる。また、付加反応型シリコーン系粘着剤の具体例としては、例えば、信越化学製のX−40−3501、ダウ・東レ社製のBY24−712、GE東芝シリコーン社製のTSE32Xなどが挙げられる。
≪シリコーン系粘着剤層≫
シリコーン系粘着剤層の厚みとしては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な厚みを採用し得る。このようなシリコーン系粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm〜100μmであり、より好ましくは5μm〜90μmであり、さらに好ましくは8μm〜80μmであり、特に好ましくは10μm〜70μmである。シリコーン系粘着剤層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の仮固定複合体は、優れた仮固定性を発現し得る。
シリコーン系粘着剤層を形成するシリコーン系粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なシリコーン系粘着剤を採用し得る。ここで、「シリコーン系粘着剤層を形成するシリコーン系粘着剤」とは、シリコーン系粘着剤層の形成に用いられるシリコーン系粘着剤を意味する。一般に、粘着剤層は、最終的に該粘着剤層となる材料組成物の硬化反応等によって形成されるものであり、粘着剤層そのものを物としての組成として特定できない事情があるため、本明細書においては、シリコーン系粘着剤層について、「シリコーン系粘着剤から形成されるシリコーン系粘着剤層」という表現で規定する。
シリコーン系粘着剤としては、代表的には、例えば、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤(過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤と称することもある)、付加反応型シリコーン系粘着剤などが挙げられる。シリコーン系粘着剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
<過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤>
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は、代表的には、ポリジメチルシロキサンの長鎖の重合体であるシリコーンゴムと3次元構造のシリコーンレジンを含む。過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は、架橋によって硬化させるために、架橋剤として、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物を含有し得る。架橋剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。この場合、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤においては、代表的には、有機過酸化物から発生したラジカルが、シリコーンゴムのSi−CH基の水素を引き抜き、生成したSiCHラジカル同士が結合して架橋反応が進行する。
有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル類(過酸化t−ブチルベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ過酸化ベンゾイルヘキサン、ジベンゾイルパーオキサイド、4、4'−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、3、3'−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、2、2'−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、2、2'、4、4'−テトラクロロジベンゾイルパーオキサイド、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル)、過酸化クミル、過酸化t−ブチルクミル、過酸化t−ブチル、過酸化t−ブチルイソブチレート、過酸化t−ブチル−2−エチルヘキサノエート、2,2−ビス過酸化t−ブチルオクタン、1,1−ビス過酸化t−ブチルシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの中でも、添加量を変えることにより粘着特性の調整を行い易いという観点から、過酸化ベンゾイル類が好ましい。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤中の有機過酸化物の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な配合量を採用し得る。代表的には、有機過酸化物の配合量は、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤の固形分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜10質量部であり、より好ましくは0.1質量部〜5質量部である。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は、紫外線吸収剤や光安定剤等が含まれているプライマー層を介して他の層(基材層など)に塗布される場合や、他の層(基材層など)に紫外線吸収剤等が含まれている場合に、硬化阻害が生じ難くなるため、硬化能力を一層発現できる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、また、これらの化合物の特性基を側鎖にもつ(メタ)アクリレートを重合させた高分子タイプの紫外線吸収剤などが挙げられる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(HALSなど)やヒンダードフェノール系光安定剤が挙げられる。このような紫外線吸収剤や光安定剤は、それぞれ、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は、例えば、30質量%〜70質量%の有機溶剤溶液(ヘキサンのようなパラフィン系有機溶剤の溶液やトルエン、キシレンのような芳香族系有機溶剤の溶液)として調製または市販されている。すなわち、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は、好ましくは30質量%〜70質量%の有機溶剤を含む溶液(代表的には、塗工液)である。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤から形成されるシリコーン系粘着剤層は、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤の塗工液を任意の適切な基材(基材層など)に塗布して溶剤を蒸発後、加熱硬化させて、シリコーン系粘着剤層を形成させる。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤からシリコーン系粘着剤層を形成する際の加熱硬化の温度は、好ましくは130℃〜200℃であり、より好ましくは140℃〜180℃である。過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤からシリコーン系粘着剤層を形成する際の加熱硬化の時間は、好ましくは1分〜15分であり、より好ましくは3分〜7分である。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤の市販品としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のYR3340、YR3286、PSA610−SM、XR37−B6722、ダウ・東レ社のSE4200、SH4280、信越化学工業社製のKR−100、KR−101−10(トルエン溶剤型)、KR−120、KR−130、X−40−3287(イソパラフィン溶剤型)などが挙げられる。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なその他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、有機溶媒、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、着色剤、フィラー、濡れ性調整剤などが挙げられる。
<付加反応型シリコーン系粘着剤>
付加反応型シリコーン系粘着剤は、好ましくは、主剤、架橋剤、および必要に応じて硬化触媒を含有する。付加反応型シリコーン系粘着剤は、低温での一次硬化だけで使用することが可能であり、高温での2次硬化を必要としないという利点がある。したがって、付加反応型シリコーン系粘着剤を採用すると、比較的低温でシリコーン系粘着剤層の製造が可能となり、エネルギー経済性に優れる。
付加反応型シリコーン系粘着剤は、通常、シリコーン系樹脂成分とシリコーン系ゴム成分との混合物からなる主剤、ヒドロシリル基(SiH基)含有の架橋剤、および必要に応じて硬化触媒を含む。
シリコーン系樹脂成分は、代表的には、オルガノクロルシランまたはオルガノアルコキシシランを加水分解した後、脱水縮合反応を行うことにより得られる網状構造のオルガノポリシロキサンである。シリコーン系樹脂成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
シリコーン系ゴム成分は、代表的には、直鎖構造を有するジオルガノポリシロキサンである。シリコーン系ゴム成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
シリコーン系樹脂成分、シリコーン系ゴム成分のいずれにおいても、オルガノ基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などが挙げられる。オルガノ基は、一部、ビニル基、ヘキセニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、オクテニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルメチル基、(メタ)アクリロイルプロピル基、シクロヘキセニル基のような不飽和基に置換されていてもよい。
付加反応型シリコーン系粘着剤においては、不飽和基とヒドロシリル基との付加反応によって架橋が進行して網状の構造が形成され、粘着性が発現する。ビニル基のような不飽和基の数は、オルガノ基100個に対して、好ましくは0.05個〜3.0個であり、より好ましくは0.1個〜2.5個である。オルガノ基100個に対する不飽和基の数を0.05個以上とすることにより、ヒドロシリル基との反応性が低下して硬化しにくくなるのを防止して適度な粘着力を付与することができる。オルガノ基100個に対する不飽和基の数を3.0個以下とすることにより、粘着剤の架橋密度が高くなり粘着力および凝集力が大きくなって被着面に悪影響を与えるのを防止し得る。
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、信越化学工業社製のKS−3703(ビニル基の数がメチル基100個に対して0.6個であるもの)、ダウ・東レ社製のBY23−753(ビニル基の数がメチル基100個に対して0.1個であるもの)、BY24−162(ビニル基の数がメチル基100個に対して1.4個であるもの)、SD4560PSA、SD4570PSA、SD4580PSA、SD4584PSA、SD4585PSA、SD4587L、SD4592PSAなどが挙げられる。
シリコーン系ゴム成分としては、例えば、信越化学工業社製のKS−3800(ビニル基の数がメチル基100個に対して7.6個であるもの)、ダウ・東レ社製のBY24−162(ビニル基の数がメチル基100個に対して1.4個であるもの)、BY24−843(不飽和基を有していない)、SD−7292(ビニル基の数がメチル基100個に対して5.0個であるもの)などが挙げられる。
架橋剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。架橋剤としては、例えば、シロキサン系架橋剤(シリコーン系架橋剤)が挙げられる。シロキサン系架橋剤としては、例えば、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンが挙げられる。このようなポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおいて、水素原子が結合しているケイ素原子には、水素原子以外に各種有機基が結合していてもよい。このような有機基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基;ハロゲン化アルキル基;などが挙げられる。このような有機基としては、合成や取り扱いの観点から、メチル基が好ましい。また、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの骨格構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれの骨格構造を有していてもよく、好ましくは直鎖状である。
架橋剤は、シリコーン系樹脂成分およびシリコーン系ゴム成分のビニル基のような不飽和基1個に対して、ケイ素原子に結合した水素原子が、好ましくは0.5個以上10個以下であり、より好ましくは1個以上2.5個以下である。
硬化触媒は、代表的には、シリコーン系樹脂成分およびシリコーン系ゴム成分中の不飽和基と架橋剤中のSi−H基とのヒドロシリル化反応を促進させるために使用される。硬化触媒は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
硬化触媒としては、例えば、白金系の触媒、すなわち、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコール溶液との反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサン化合物との反応物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル基含有シロキサン錯体、白金−リン錯体などが挙げられる。このような硬化触媒の具体例は、例えば、特開2006−28311号公報や特開平10−147758号公報に記載されている。具体的な市販品としては、例えば、ダウ・東レ社製のSRX−212、信越化学工業社製のPL−50Tなどが挙げられる。
硬化触媒の含有割合は、白金分として、シリコーン系樹脂成分とシリコーン系ゴム成分の合計量に対して、好ましくは5質量ppm〜2000質量ppmであり、より好ましくは10質量ppm〜500質量ppmである。
付加反応型シリコーン系粘着剤においては、常温でも粘着力が発現するが、加熱または活性エネルギー線の照射を行うことにより、シリコーン系樹脂成分とシリコーン系ゴム成分の架橋剤による架橋反応を促進させることが、粘着力の安定性の面から好ましい。
加熱で架橋反応を促進させる場合の加熱温度は、好ましくは60℃〜140℃であり、より好ましくは80℃〜130℃である。
活性エネルギー線を照射して架橋反応を促進させる場合、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有する活性エネルギー線、すなわち、紫外線などの活性光または電子線などを利用できる。電子線を照射して架橋させる場合、光重合開始剤を必要としないが、紫外線などの活性光を照射して架橋させる場合には、光重合開始剤を存在させることが好ましい。紫外線照射させる場合の光重合開始剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な光重合開始剤を採用し得る。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、α−ジケトン類、α−ジケトンジアルキルアセタール類、アントラキノン類、チオキサントン類などが挙げられる。光重合開始剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。光重合開始剤の使用量は、シリコーン系樹脂成分とシリコーン系ゴム成分との混合物からなる主剤と架橋剤との合計量100質量部に対し、好ましくは0.01質量部〜30質量部であり、より好ましくは0.05質量部〜20質量部である。
活性エネルギー線を照射して架橋反応を促進させる場合の、照射条件としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な照射条件を採用し得る。
付加反応型シリコーン系粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なその他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、有機溶媒、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、着色剤、フィラー、濡れ性調整剤などが挙げられる。
≪≪発泡複合体の製造方法≫≫
本発明の発泡複合体は、任意の適切な方法によって製造し得る。
本発明の発泡複合体が、図1に示すように、仮固定層と下塗り層と基材層とシリコーン系粘着剤層は直接に積層されてなる場合、その製造方法としては、例えば、基材層の片面に下塗り層を形成し、その反対側に粘着剤層を形成してセパレーターを粘着剤面に貼り合わせ、次に、熱硬化性シリコーン樹脂と水を含むシリコーン樹脂組成物を下塗り剤面に塗工し、該塗工したシリコーン樹脂組成物と反対側の表面上にセパレーターを載置し、該シリコーン樹脂組成物を熱硬化させ、該セパレーターを剥離したものを加熱乾燥させてシリコーン系発泡層を形成する方法、などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「質量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「質量%」を意味する。
<厚みの測定>
3D測定レーザー顕微鏡(LEXT OLS4000、オリンパス(株)社製)にて、高精度・対物レンズ10倍の設定でガラス板(マイクロスライドガラスS、松浪硝子工業株式会社製)に測定対象物(例えば、吸着仮固定シート)を乗せ、ガラス板表面から測定対象物の最上部までの3D画像を測定し、その高さを厚みとした。
<見掛け密度の測定>
50mm×50mmの打ち抜き刃型にて測定対象物を打ち抜き、厚みは前述した<厚みの測定>の値を用い、これらの値から測定対象物の体積を算出した。
次に、測定対象物の質量を最小目盛り0.01g以上の上皿天秤にて測定した。これらの値より、測定対象物の見掛け密度(g/cm)を算出した。
<算術平均表面粗さRaの測定>
3D測定レーザー顕微鏡(LEXT OLS4000、オリンパス(株)社製)にて、高精度・対物レンズ10倍の設定で3D画像を測定し、JIS B0601(1994)に準拠して算術平均粗さRaを求めた。
<寸法変化率の測定>
(MD方向の寸法変化率)
仮固定複合体を100mm×100mmに切り出し、最外層に位置する粘着剤層(セパレーターが貼着されている場合はそれを剥離したもの)をSUS403BA板に貼付して測定サンプルとした。その後、ノギスを用いて、長さ方向3点(両端部と中心部の位置の幅長さ)を小数点第2位まで測定し、その平均値を求めた。
続いて、測定サンプルを図2のような熱履歴のかかるハンダリフロープロセスに1回通した後、23℃×50%RHで1時間静置した後、リフロー前に計測した同じ位置を、ノギスを用いて小数点第2位まで測定し、その平均値を求めた。
MD方向の寸法変化率を下記式によって算出した。
MD方向の寸法変化率(%)=[(ハンダリフロープロセスを通す前のMD方向長さ(mm)−ハンダリフロープロセスを通した後に温度23℃×湿度50%RHで1時間静置した後のMD方向長さ(mm))/ハンダリフロープロセスを通す前のMD方向長さ(mm)]×100(%)
MD方向の寸法変化率が0.3%以下の場合を○、0.3%以上の場合を×とした。
(TD方向の寸法変化率)
仮固定複合体を100mm×100mmに切り出し、最外層に位置する粘着剤層をSUS403BA板に貼付して測定サンプルとした。その後、ノギスを用いて、横方向3点(両端部と中心部の位置の幅長さ)を小数点第2位まで測定し、その平均値を求めた。
続いて、測定サンプルを図4のような熱履歴のかかるハンダリフロープロセスに1回通した後、23℃×50%RHで1時間静置した後、リフロー前に計測した同じ位置を、ノギスを用いて小数点第2位まで測定し、その平均値を求めた。
TD方向の寸法変化率を下記式によって算出した。
TD方向の寸法変化率(%)=[(ハンダリフロープロセスを通す前のTD方向長さ(mm)−ハンダリフロープロセスを通した後に温度23℃×湿度50%RHで1時間静置した後のTD方向長さ(mm))/ハンダリフロープロセスを通す前のTD方向長さ(mm)]×100(%)
TD方向の寸法変化率が0.3%以下の場合を○、0.3%以上の場合を×とした。
<投錨力の測定>
仮固定複合体の最外層に位置する仮固定層(セパレーターが貼着されている場合はそれを剥離したもの)の表面に、シリコーン系粘着剤(SH4280、ダウ・東レ社製、過酸化物架橋)/PET基材(25μm)の積層体のシリコーン系粘着剤側を、2kgローラーで1往復して圧着し、その後、20mm幅にカットした。30分間養生した後に、引張角度90度、引剥がし速度150mm/分で引き剥がした時の破壊形態を評価した。
仮固定層が凝集破壊する破壊形態、および、仮固定層が凝集破壊せずに仮固定層と上記積層体のシリコーン系粘着剤との間で界面破壊したときの荷重が2N/20mm以上の破壊形態の場合を○とした。仮固定層が凝集破壊せずに仮固定層と上記積層体のシリコーン系粘着剤層との間で界面破壊したときの荷重が2N/20mm未満の破壊形態の場合を×とした。
〔製造例1〕:シリコーン系ゴム層(1)の製造
付加反応型シリコーン系粘着剤(ダウ・東レ社製、SD4592、SRX−212)をn−ヘプタンで固形分濃度0.3%に希釈して、ガラスエポキシ基材の片面に乾燥厚み1μmになるように形成した。その反対側に、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤(ダウ・東レ社製、SH4280)から形成されたシリコーン系粘着剤層を形成し、フッ化シリコーン処理を施されたPETセパレーターを粘着剤層に貼り合わせた。次に、熱硬化性シリコーン樹脂(ダウ・東レ社製、RBL−9200)を下塗り剤面に塗布し、該塗工したシリコーン樹脂組成物の表面上にPETフィルム(東レ社製、ルミラー、厚み38μm)を貼付して該シリコーン樹脂組成物を熱硬化させ、該PETフィルムを剥離したものを加熱乾燥させて、シリコーンゴム層(1)を製造した。
〔製造例2〕:シリコーン系発泡層(1)の製造
ビニル基含有量0.28質量%のジメチルポリシロキサン:83.45質量部、ケイ素原子結合水素原子含有量0.7質量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン:6.40質量部(上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本メチルハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子が5モルとなる量)、スメクタイトクレー(水系添加剤、有機ポリマー複合精製ベントナイト、(株)ホージュン製):0.85質量部、イオン交換水:99.16質量部、ヘキサメチルジシラザンで表面処理したBET比表面積225m2/gのフュームドシリカ:6.50質量部、ベンガラ(商品名:バイフェロクス、バイエル社製):2.40質量部、ノニオン系界面活性剤(ソルビタン脂肪酸エステル、商品名:レオドールSP−O10V、花王社製HLB4.3):0.98質量部、ノニオン系界面活性剤(ソルビタン脂肪酸エステル、商品名:レオドールSP−O30V、花王社製HLB1.8):0.045質量部、1−エチニル−1−シクロヘキサノール:0.02質量部および白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液(白金金属含有量約4000ppm):0.22質量部を、あわとり錬太郎(シンキー社製)で15分間乳化し、次いで、乳化液を室温で5分間減圧乾燥して脱泡を行い、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物をフロロシリコーン処理PETフィルム(ニッパシートPET38x1−SS4A、ニッパ社製)上にアプリケータを用いて塗布し、その上からPETフィルム(ルミラーS10、東レ社製)を被せて、熱風オーブンによって85℃で6分間加熱し、樹脂組成物を硬化させた。硬化後、PETフィルムを剥離し、さらに、200℃で3分間加熱乾燥を行い、見掛け密度が0.5g/cm、厚みが0.2mmのシリコーン系発泡層(1)を製造した。
〔実施例1〕:仮固定複合体(1)
シリコーン系ゴム層(1)(厚み=0.2μm)/シリコーン下塗り層(1)(厚み=1μm)/ガラスエポキシ基材層(利昌工業製、BG3520、厚み=100μm)/過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤(SH4280、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=50μm)の積層体である仮固定複合体(1)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕:仮固定複合体(2)
最外層のシリコーン系粘着剤層を、付加反応型シリコーン系粘着剤(SD4592、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=75μm)に代えた以外は、実施例1と同様に行い、シリコーン系ゴム層(1)(厚み=0.2μm)/シリコーン下塗り層(1)(厚み=1μm)/ガラスエポキシ基材層(利昌工業製、BG3520製、厚み=100μm)/付加反応型シリコーン系粘着剤(SD4592、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=50μm)の積層体である仮固定複合体(2)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例3〕:仮固定複合体(3)
シリコーン系ゴム層(1)をシリコーン系発泡層(1)に代え、ガラスエポキシ基材層をポリイミド基材層(東レ・デュポン社製、カプトン300H、厚み=75μm)に代えた以外は、実施例1と同様に行い、シリコーン系発泡層(1)(厚み=0.2μm)/シリコーン下塗り層(1)(厚み=1μm)/ポリイミド基材層(東レ・デュポン社製、カプトン300H、厚み=75μm)/過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤(SH4280、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=50μm)の積層体である仮固定複合体(3)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例4〕:仮固定複合体(4)
最外層のシリコーン系粘着剤層を、付加反応型シリコーン系粘着剤(SD4592、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=50μm)に代えた以外は、実施例3と同様に行い、シリコーン系発泡層(1)(厚み=0.2μm)/シリコーン下塗り層(1)(厚み=1μm)/ポリイミド基材層(東レ・デュポン社製、カプトン300H、厚み=75μm)/付加反応型シリコーン系粘着剤(SD4592、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=50μm)の積層体である仮固定複合体(4)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例1〕:仮固定複合体(C1)
シリコーン下塗り層(1)を設けなかった以外は、実施例1と同様に行い、シリコーン系ゴム層(1)(厚み=0.2μm)/ガラスエポキシ基材層(利昌工業製、BG3520製、厚み=100μm)/過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤(SH4280、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=50μm)の積層体である仮固定複合体(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例2〕:仮固定複合体(C2)
シリコーン下塗り層(1)を設けなかった以外は、実施例2と同様に行い、シリコーン系ゴム層(1)(厚み=0.2μm)/ガラスエポキシ基材層(利昌工業製、BG3520製、厚み=100μm)/付加反応型シリコーン系粘着剤(SD4592、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=50μm)の積層体である仮固定複合体(C2)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例3〕:仮固定複合体(C3)
シリコーン下塗り層(1)を設けなかった以外は、実施例3と同様に行い、シリコーン系発泡層(1)(厚み=0.2μm)/ポリイミド基材層(東レ・デュポン社製、カプトン300H、厚み=75μm)/過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤(SH4280、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=50μm)の積層体である仮固定複合体(C3)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例4〕:仮固定複合体(C4)
シリコーン下塗り層(1)を設けなかった以外は、実施例4と同様に行い、シリコーン系発泡層(1)(厚み=0.2μm)/ポリイミド基材層(東レ・デュポン社製、カプトン300H、厚み=75μm)/付加反応型シリコーン系粘着剤(SD4592、ダウ・東レ社製)から形成されたシリコーン系粘着剤層(厚み=50μm)の積層体である仮固定複合体(C4)を得た。
結果を表1に示した。
Figure 2021160300
本発明の仮固定複合体は、例えば、電子回路基板等の製造工程における部品の仮固定等に好適に利用可能である。
10 仮固定層
20 下塗り層
30 基材層
40 シリコーン系粘着剤層
100 仮固定複合体

Claims (10)

  1. 仮固定層と基材層とシリコーン系粘着剤から形成されるシリコーン系粘着剤層を含む仮固定複合体であって、
    該仮固定層が発泡層またはゴム層であり、
    該仮固定層と該基材層とが下塗り層を介して積層されてなる、
    仮固定複合体。
  2. 前記下塗り層の厚みが0.01μm〜5μmである、請求項1に記載の仮固定複合体。
  3. 前記下塗り層の厚みが0.1μm〜3μmである、請求項2に記載の仮固定複合体。
  4. 前記下塗り層を構成する下塗り剤がシリコーン系下塗り剤である、請求項1から3までのいずれかに記載の仮固定複合体。
  5. 前記シリコーン系下塗り剤が、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤である、請求項4に記載の仮固定複合体。
  6. 前記シリコーン系下塗り剤が、付加反応型シリコーン系粘着剤である、請求項4に記載の仮固定複合体。
  7. 前記仮固定層がシリコーン系発泡層である、請求項1から6までのいずれかに記載の仮固定複合体。
  8. 前記シリコーン系粘着剤層の厚みが1μm〜100μmである、請求項1から7までのいずれかに記載の仮固定複合体。
  9. 前記シリコーン系粘着剤層の厚みが5μm〜90μmである、請求項8に記載の仮固定複合体。
  10. 前記シリコーン系粘着剤層の厚みが8μm〜80μmである、請求項9に記載の仮固定複合体。
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