JP2021160160A - 加飾フィルム及び加飾成形体 - Google Patents

加飾フィルム及び加飾成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する加飾フィルムを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、加飾層と、接着層とを有する加飾フィルムであって、接着層は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペンフェノール系樹脂と、スチレン系樹脂と、を含有する加飾フィルムに関する。また、本発明は、加飾フィルムを、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に貼合してなる加飾成形体に関するものでもある。【選択図】図1

Description

本発明は、加飾フィルム及び加飾成形体に関する。
従来、自動車内外装部品、家電用部品、建材用部品などの表面を保護したり、装飾(加飾)をする場合、射出成形や真空成形によって成形体を加工した後、成形体の表面にスプレー塗装などで塗料を塗布し、乾燥・加熱硬化させることが行われていた。しかし、この様な塗装は、揮発性有機溶剤の排出が作業環境を悪化させるという問題に加え、成形部品ごとの作業工程と生産設備が必要となることや、塗料の重ね塗りが必要となるため塗料の歩留りが悪く、生産性が低いという問題があった。
近年は、自動車内外装部品、家電用部品、建材用部品などを軽量化する目的で、成形体として樹脂成形体の使用が進んでいる。樹脂成形体の装飾(加飾)には、スプレー塗装が適さない場合が多く、樹脂成形体の表面を加飾するために、様々な手法が開発されている。中でも、成形体の最表面を、加飾フィルムで加飾して加飾成形体を得る方法は、塗料等を使って表面に塗布又は印刷する方法よりも、意匠の自由度が高く、生産性も優れるといった利点を有する。また、加飾フィルムを用いた加飾方法は、三次元的な凹凸を有する成形体表面も加飾をすることができるため、様々な用途に用いられている。
例えば、特許文献1には、基材層と、粘着剤層とを有する加飾成形用積層体であって、粘着剤層がシリコーン系粘着剤層と、アクリル系粘着剤層を有する加飾成形用積層体が開示されている。また、特許文献2には、表層フィルムの下面に接着層を有する真空成形用シートが開示されている。ここでは、接着層に、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂にポリイソシアネート1.5〜2.5当量を配合し硬化したものを用いている。
特許文献3には、射出成形同時転写加飾法に用いられる加飾フィルムが開示されている。ここでは、基材上に離型層、保護層、着色層及び接着剤層をこの順に積層してなる射出成形同時転写用の三次元成形加飾フィルムが開示されており、接着剤層に用いられる樹脂として、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂が挙げられている。
特開2017−154410号公報 特開2010−120209号公報 特開2011−88420号公報
加飾成形体においては、当然ながら被着体と加飾フィルムが十分に密着しており、容易に剥離しないことが求められている。しかしながら、被着体にポリプロピレン樹脂の素材を用いた場合に、従来の加飾成形用粘着シート(加飾フィルム)を用いると、被着体に対する加飾フィルムの密着性が十分に発揮されないという問題があった。
また、加飾フィルムを保管したり輸送したりする際には、加飾フィルム同士を剥離フィルムを介さずに積層したり、加飾フィルムをロール状の巻回体とする場合がある。しかしながら、このような場合、積層された加飾フィルム同士が強固に接着し、ブロッキングする場合があり問題となっていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する加飾フィルムであって、耐ブロッキング性に優れた加飾フィルムを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、加飾層と接着層とを有する加飾フィルムにおいて、接着層に、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体、テルペンフェノール系樹脂、及びスチレン系樹脂を配合することで、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して、優れた密着性を発揮し、かつ耐ブロッキング性に優れた加飾フィルムが得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 加飾層と、接着層とを有する加飾フィルムであって、
接着層は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペンフェノール系樹脂と、スチレン系樹脂と、を含有する加飾フィルム。
[2] 23℃、相対湿度50%、かつ下記測定条件で測定されるプローブタックのピーク値が1.0N/5mmφ以下である、[1]に記載の加飾フィルム;
(プローブタック値の測定条件)
測定機器:タッキング試験機 TAC1000(株式会社レスカ製)
プローブ直径:5mmφ
プローブ材質:SUS304
プローブ温度:50℃
ステージ温度:50℃
プローブ押付け荷重:200gf
プローブ押付けおよび引き剥がし速度:1mm/秒
プローブ押付け保持時間:60秒。
[3] ブロック共重合体は、
イソペンタン由来構造から構成されるブロック及びスチレン系ポリマーから構成されるブロックを含むブロック共重合体である、[1]又は[2]に記載の加飾フィルム。
[4] テルペンフェノール系樹脂の軟化点は125〜170℃であり、
テルペンフェノール系樹脂の数平均分子量は800〜1500である、[1]〜[3]のいずれかに記載の加飾フィルム。
[5] テルペンフェノール系樹脂の含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して、40〜200質量部である、[1]〜[4]のいずれかに記載の加飾フィルム。
[6] 接着層の厚みは、0.5〜20μmである、[1]〜[5]のいずれかに記載の加飾フィルム。
[7] 加飾フィルムは、フィルムインサート成形法又はインモールド成形法による被着体加飾用である、[1]〜[6]のいずれかに記載の加飾フィルム。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の加飾フィルムを、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に貼合してなる加飾成形体。
[9] 自動車部材、電子機器又は建材用である、[8]に記載の加飾成形体。
本発明によれば、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して優れた密着性を発揮し、かつ耐ブロッキング性に優れた加飾フィルムを得ることができる。
図1は、加飾フィルムの構成の一例を表す断面図である。 図2は、加飾成形体の構成の一例を表す断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(加飾フィルム)
本発明は、加飾層と、接着層とを有する加飾フィルムに関する。ここで、接着層は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペンフェノール系樹脂と、スチレン系樹脂と、を含有する。本発明の加飾フィルムは、上記構成を有するため、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して優れた密着性を発揮する。このため、本発明の加飾フィルムは、ポリプロピレン樹脂を主成分として含む被着体への貼合用として好ましく用いられる。また、本発明の加飾フィルムは、上記構成を有するため、耐ブロッキング性にも優れている。このため、本発明の加飾フィルム同士を剥離フィルムを介さずに積層したり、加飾フィルムをロール状の巻回体とした場合であっても、使用時には各加飾フィルムを容易に引き剥がすことができる。
従来、加飾成形体の被着体としては、ポリカーボネート系樹脂やABS樹脂が用いられていた。このため、ポリプロピレン樹脂を主成分として含む被着体を加飾するための加飾フィルムについては、その具体的構成について十分な検討がなされていなかった。そこで、本発明者らは、加飾フィルムの接着層の構成について検討を行った。その結果、本発明者らは、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペンフェノール系樹脂と、スチレン系樹脂と、を含有する接着層を形成することで、ポリプロピレン樹脂を主成分として含む被着体に対して優れた密着性を発揮する加飾フィルムを得ることに成功した。
また、本発明の加飾フィルムは耐ブロッキング性にも優れている。ここで、耐ブロッキング性は、以下の方法で評価できる。まず加飾フィルムを20mm×20mmのサイズに切り出したもの10枚作製する。この加飾フィルムを加飾層と接着層が接するように10枚重ね、50mm×50mm×2mm厚のソーダガラス2枚の間に挟み1kgの錘を乗せて、50℃の恒温層で24時間処理する。次いで恒温層から取り出して錘を乗せた状態で23℃、相対湿度50%の環境下に24時間静置した後、錘とガラス板を除去して10枚の加飾フィルム同士が問題なく剥がれた場合に、耐ブロッキング性に優れていると評価できる。本発明の加飾フィルムは耐ブロッキング性に優れる加飾フィルムであるため、加飾フィルムを例えば、ロール上の巻回体とした場合であっても、ブロッキングすることが抑制されている。
本発明の加飾フィルムにおいては、23℃、相対湿度50%、かつ下記測定条件で測定されるプローブタックのピーク値が1.0N/5mmφ以下であることが好ましい。
(プローブタック値の測定条件)
測定機器:タッキング試験機 TAC1000(株式会社レスカ製)
プローブ直径:5mmφ
プローブ材質:SUS304
プローブ温度:50℃
ステージ温度:50℃
プローブ押付け荷重:200gf
プローブ押付けおよび引き剥がし速度:1mm/秒
プローブ押付け保持時間:60秒
プローブタックのピーク値が上記範囲内であれば、加飾フィルム同士を剥離フィルムを介さずに積層したり、ロール状に巻回した場合の耐ブロッキング性をより効果的に高めることができる。
本発明の加飾フィルムは、フィルムインサート成形法又はインモールド成形法による被着体加飾用であることが好ましい。フィルムインサート成形法やインモールド成形法においては、加飾フィルムを予め3次元形状に加工した後、金型のキャビティに配置し、被着体を構成する溶融樹脂を金型内に射出することで加飾フィルムと被着体が一体化した加飾成形体が得られる。
図1は、本発明の加飾フィルムの構成の一例を説明する断面図である。図1に示されるように、加飾フィルム30は、加飾層21と、接着層11とを有する。加飾フィルム30において、加飾層21と接着層11の間には、他の層が設けられていてもよいが、本実施形態においては、加飾層21と接着層11は直接接するように積層されていることが好ましい。
加飾層21は単層であってもよく、基材に顔料や染料が練りこまれた着色フィルムであってもよい。なお、図1においては、加飾層21は単層で描画しているが、加飾層21は少なくとも基材と加飾性層を含む多層構造を有していてもよい。加飾層21が基材と加飾性層を含む場合、加飾層21における加飾性層は接着層11と接する面に設けられていてもよい。また、加飾性層は加飾フィルムの最表層(接着層11と接する逆面)に設けられてもよく、このような場合、加飾性層のさらに表層側に加飾層とは別にハードコート層や反射防止層などの機能層が設けられていてもよい。
なお、本発明の加飾フィルムをフィルムインサート成形に用いる場合は、加飾層21の最表層(接着層11と接する逆面)には加飾性層とは別にハードコート層や反射防止層などの機能層を設けていてもよい。
一方で、本発明の加飾フィルムをインモールド成形に用いる場合は、加飾層21の加飾性層は必ず接着層11と接する面に設けられ、成形後に基材と加飾性層が容易に剥がれるように離型性を有する基材を用いるか、もしくは、基材と加飾性層の間に離型層を設けることで、基材(離型層)と加飾性層とが接するように構成されていることが好ましい。
(接着層)
加飾フィルムは、接着層を有する。本発明において、接着層は、加飾層の両面に設けられていてもよいが、加飾層のいずれか一方の面に一層設けられていることが好ましい。
本実施形態において、接着層は、ブロック共重合体とテルペンフェノール系樹脂を含む。ここで、ブロック共重合体は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含む。テルペンフェノール系樹脂の含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して40質量部以上であることが好ましく、45質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、55質量部以上であることが特に好ましい。また、テルペンフェノール系樹脂の含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して200質量部以下であることが好ましく、180質量部以下であることがより好ましく、160質量部以下であることがさらに好ましく、140質量部以下であることが特に好ましい。テルペンフェノール系樹脂の含有量を上記範囲内とすることにより、加飾フィルムはポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して優れた密着性を発揮することができる。また、テルペンフェノール系樹脂の含有量を上記範囲内とすることにより、接着層と加飾層の層間密着性を高めることもできる。
また、ブロック共重合体とテルペンフェノール系樹脂の合計含有量は、接着層の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。ブロック共重合体とテルペンフェノール系樹脂の合計含有量を上記範囲とすることにより、加飾フィルムはポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して優れた密着性を発揮することができ、さらに、接着層と加飾層の層間密着性を高めることができる。
接着層に含まれるブロック共重合体は、イソペンタン由来構造から構成されるブロック及びスチレン系ポリマーから構成されるブロックを含むことが好ましい。本明細書において、イソペンタン由来構造とは、以下の構造である。そして、イソペンタン由来構造から構成されるブロックは、上記構造のイソペンタン由来構造が重合してなるブロックである。なお、イソペンタン由来構造は、プロピレン・エチレン共重合体であることが好ましい。
Figure 2021160160
スチレン系ポリマーから構成されるブロックは、スチレン重合体やα−メチルスチレン重合体から構成されるブロックであることが好ましい。
接着層に含まれるブロック共重合体は、イソペンタン由来構造から構成されるブロック及びスチレン系ポリマーから構成されるブロックに加えて、他のポリマーから構成されるブロックを含んでいてもよい。他のポリマーから構成されるブロックとしては、例えば、エチレン由来構造から構成されるブロックや、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーから構成されるブロック等が挙げられる。
接着層に含まれるブロック共重合体において、イソペンタン由来構造から構成されるブロックをAとし、スチレン系ポリマーから構成されるブロックをBとした場合、ブロック共重合体は、A−B構造のジブロック共重合体であってもよく、A−B−A構造や、B−A−B構造のトリブロック共重合体であってもよい。また、−A−B−A−B−構造のように各ブロックの繰り返し構造を有するブロック共重合体であってもよい。さらに、上述したように、他のポリマーから構成されるブロックをさらに含むブロック共重合体であってもよい。
接着層に含まれるブロック共重合体は、そのポリマー鎖にさらに置換基を有していてもよく、例えば、置換基として不飽和結合を有する置換基を有するブロック共重合体を用いてもよい。
上述したブロック共重合体は公知方法により重合により作製してもよいが、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、クラレ社製のセプトン1020、セプトン2002、セプトン4033、セプトンHG252等を用いることができる。
接着層は、上述したブロック共重合体に加えて、テルペンフェノール系樹脂とスチレン系樹脂とを含む。なお、スチレン系樹脂は、上述したブロック共重合体に含まれるスチレン系ポリマーから構成されるブロックとは別の樹脂である。テルペンフェノール系樹脂は、テルペンモノマーとフェノールを共重合した樹脂である。
テルペンフェノール系樹脂の軟化点は125℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。また、テルペンフェノール系樹脂の軟化点は170℃以下であることが好ましく、165℃以下であることがより好ましく、160℃以下であることがさらに好ましい。なお、テルペンフェノール系樹脂の軟化点は、JIS K2207に記載の方法に準じて自動軟化点測定装置(FLEX SCIENTIFIC 社製、EX−719PD4)を用いて測定した値である。
テルペンフェノール系樹脂の数平均分子量は、800以上であることが好ましく、850以上であることがより好ましく、900以上であることがさらに好ましい。また、テルペンフェノール系樹脂の数平均分子量は、1500以下であることが好ましく、1400以下であることがより好ましく、1300以下であることがさらに好ましい。なお、テルペンフェノール系樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、分子量が既知である標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を用いて換算して求めた値である。
テルペンフェノール系樹脂としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル社製のYS ポリスター T130、YS ポリスター T145、YS ポリスター T160、YS ポリスター S145、YS ポリスター G150等を用いることができる。
スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ポリαメチルスチレン等を挙げることができる。
スチレン系樹脂は、溶剤に可溶な樹脂であることが好ましい。ここで、溶剤に可溶である状態とは、23℃のトルエンに対する溶解度が5g/100g以上であり、かつゲル分率が1%未満である状態をいう。
スチレン系樹脂の数平均分子量は、500以上であることが好ましく、550以上であることがより好ましく、600以上であることがさらに好ましい。また、スチレン系樹脂の数平均分子量は、2000以下であることが好ましく、1900以下であることがより好ましく、1800以下であることがさらに好ましい。なお、スチレン系樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、分子量が既知である標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を用いて換算して求めた値である。
スチレン系樹脂の含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましい。また、スチレン系樹脂の含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して、60質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることがさらに好ましい。スチレン系樹脂の含有量を上記範囲内とすることにより、加飾フィルムは、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対する密着性を損なうことなく、ロール状の巻回体とした際の耐ブロッキング性をより効果的に発揮することができる。
スチレン系樹脂としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、三井化学社製、FTR8100、FTR2140、ヤスハラケミカル社製、YSレジンSX100等を用いることができる。
接着層は、上述したブロック共重合体や樹脂の他に、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤(又は老化防止剤)、シランカップリング剤、テルペンフェノール系樹脂やスチレン系樹脂以外の粘着付与剤、オイル成分、軟化剤、架橋剤、顔料、水素引抜型開始剤等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプト基を含有するメルカプト系シランカップリング剤や、エポキシ基を有するエポキシ系シランカップリング剤、ビニル基を有するビニル系シランカップリング剤等が挙げられる。これらの中でも、本発明の用途ではメルカプト系シランカップリング剤を用いることが好ましい。メルカプト系シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、トリエトキシ(2−メルカプトエチル)シラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、10−メルカプトデシルトリエトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリエトキシシランなどが例示できる。
テルペンフェノール系樹脂やスチレン系樹脂以外の粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂などの石油系樹脂を挙げることができる。
オイル成分としてはパラフィン系やナフテン系のシステムオイルが好ましく、ゴムの劣化が起き難い等の理由から、パラフィン系のシステムオイルがより好ましく用いられる。
水素引抜型開始剤としては、ベンゾイルギ酸メチルや4メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物が挙げられる。
接着層の厚みは、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、接着層の厚みは、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。本実施形態においては、このように接着層の厚みを薄くすることも可能となる。
(加飾層)
加飾フィルムは、加飾層を有する。ここで、加飾層は、基材に顔料や染料が練りこまれた単層の着色フィルムであってもよい。また、加飾層は、基材と加飾性層を含む多層フィルムであってもよい。
加飾層が基材と加飾性層を含む多層フィルムである場合、加飾性層は、加飾フィルムの最表面(接着層の接する側の逆面)に設けられる層であってもよく、接着層に接する側に設けられる層であってもよいが、接着層に接する側の面に設けられる層であることが好ましい。特に、加飾フィルムがインモールド成形に用いられる場合には、加飾性層は接着層に接する側の面に設けられる必要がある。一方、加飾フィルムがフィルムインサート成形に用いられる場合にも加飾性層は接着層に接する側の面に設けられることが好ましいが、加飾フィルムの最表面(接着層の接する側の逆面)に設けられてもよく、この場合、さらに最表層にはハードコート層や反射防止層などの機能層が設けられてもよい。
加飾性層は、印刷層であることが好ましい。印刷層は、例えば熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を主剤とするインクを用いて、上記フィルム状の基材の一方の面側に印刷を施すことによって形成される。印刷は、例えばインクジェット印刷、スクリーン印刷等の公知の印刷方法を採用することができる。印刷を施すフィルム状の基材としては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、及び、スチレンの共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル、スチレンの共重合体)、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ウレタン樹脂等を挙げることができる。これらの基材は、成形工程において被着体に追従する形で延伸可能なものであることが好ましい。また、フィルム状の基材は通常透明なフィルムを用いるが、意匠性を付与するためにカーボン(グラファイト)等の着色剤が配合されていてもよく、有色の層であってもよい。
加飾層は印刷層を保護するために、さらに表面保護層や印刷保護層を有していてもよい。表面保護層は、加飾層において、最も露出表面側に配置され、耐傷性や耐候性を高める働きをする層であることが好ましい。このため、表面保護層は硬化性樹脂層を含む層であることが好ましく、ハードコート層であることがより好ましい。中でも、硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であることが好ましく、紫外線硬化性樹脂であることがより好ましい。この場合、表面保護層を形成するための樹脂組成物は、例えば、紫外線硬化性樹脂に加えて光重合開始剤を含むことが好ましい。また、加飾性層が印刷により形成される場合は、用いられるインキによってはキズがつきやすいため、傷付き防止のためハードコート層のような印刷保護層をインキ層の上に設けてもよい。
表面保護層は、さらに微粒子を含んでもよい。微粒子としては、例えば、無機微粒子を挙げることができ、金属酸化物を好ましく例示することができる。また、必要に応じて、顔料や染料を含んでもよい。また、表面保護層は、必要に応じて、顔料分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、ハルス、酸化防止剤、帯電防止剤、耐磨耗防止剤、ブロッキング防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。
加飾層は、さらにプロテクトフィルムや最表層に粘着剤層がある場合はセパレーター層を含んでいてもよい。プロテクトフィルムやセパレーター層は、表面保護層を一時的に保護するために設けられるものである。例えば、使用時までに表面保護層や印刷層に傷がつくこと等を防止するために設けられる。プロテクトフィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体からなる自着性フィルムや、PETフィルムなどにウレタン系及び/又はアクリル系の再剥離性を有する粘着剤層を積層した微粘着フィルムであることが好ましい。セパレーター層は、例えば、上述したような基材層の表面にシリコーン等の剥離層を設けた構成であることが好ましい。このようなセパレーター層は、製造工程や使用時に剥離され、加飾フィルムや加飾成形体から除去される。
加飾層の構成としては、例えば、以下のような層構成が挙げられる。なお、各層を接着するために、必要に応じて各層の間には粘着剤層や易接着材層が設けられていてもよい。
(1)基材層のみからなる構成(着色フィルムなど基材に顔料や染料が練りこまれている)(一般的にこの構成はフィルムインサート成形に用いられインモールド成形には用いられない)
(2)基材層、印刷層、印刷保護層がこの順で設けられた構成
(3)表面保護層、印刷層、基材層がこの順で設けられた構成
(4)基材層、印刷層がこの順で設けられた構成
(5)機能層、基材層、印刷層がこの順で設けられた構成
(一般的にこの構成はフィルムインサート成形に用いられインモールド成形には用いられない)
(6)基材層、離型層、印刷保護層、印刷層がこの順で設けられた構成
(一般的にこの構成はインモールド成形に用いられフィルムインサート成形には用いられない)
(7)上述した(1)〜(6)の構成の最表面にさらにプロテクトフィルムが設けられた構成
(8)上述した(1)〜(6)の構成の最表面にさらに粘着剤層及びセパレーター層が設けられた構成
各層を接着するために粘着剤層が設けられる場合、粘着剤層を構成する粘着剤としては、公知の粘着剤を利用することができる。粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。粘着剤は、溶剤系、無溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよい。
(加飾フィルムの製造方法)
本発明の加飾フィルムの製造方法は、加飾層上に、接着剤組成物を塗工し、乾燥又は硬化させることで、接着層を形成する工程を含む。
接着剤組成物は、既存の方法により塗工することができる。溶剤に溶解して製造した接着剤組成物を用いる場合は、ナイフコーター等で塗工した後、乾燥炉にて溶剤を乾燥させることでシート化できる。一方、加熱による混練法で製造した粘着剤を用いる場合は、予め加熱することにより接着剤組成物を軟化さることが可能なホットメルトコーダーを用いることによりシート化が可能となる。
本発明の加飾フィルムは耐ブロッキング性に優れているため、剥離フィルムなどを用いずにロール状の巻回体としてもよい。このように、本発明は、加飾フィルムのロール状体に関するものであってもよい。
(加飾成形体)
本発明は、加飾フィルムを、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に貼合してなる加飾成形体に関するものでもある。なお、加飾成形体においては、被着体と、少なくとも加飾フィルム(又はインモールド成形の場合は加飾層)が接着層を介して一体化した状態であり、被着体の表面の少なくとも一部が加飾フィルム(又は加飾層)によって被覆された状態である。
図2は、加飾成形体の構成の一例を説明する断面図である。図2に示されるように、加飾成形体100は、被着体50に、加飾フィルム30が積層された構成を有する。図2に示されるように、加飾フィルム30は、加飾層(又はインモールド成形の場合は加飾性層)21と接着層11を有しており、接着層11が被着体50に直接貼り合わされている。
被着体は、ポリプロピレン樹脂を含む。ここで、被着体は、ポリプロピレン樹脂を主成分として含むものである。具体的には、被着体における、ポリプロピレン樹脂の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。なお、被着体におけるポリプロピレン樹脂の含有量は、100質量%であってもよく、被着体は、ポリプロピレン樹脂からなるものであってもよい。
ポリプロピレン樹脂を含む被着体の形状は特に限定されるものではなく、板状であってもよく、3次元立体形状を有するものであってもよい。また、被着体は、その表面の一部に凹凸構造を有するものであってもよい。
加飾成形体は、自動車部材、電子機器又は建材用であることが好ましい。本発明は、上述した加飾成形体を含む自動車部材、電子機器又は建材に関するものであってもよい。自動車部材としては、例えば、ボディー、バンパー、スポイラー、ミラー、ホイール、エンブレム、内装材等の部品等が挙げられる。また、電子機器としては、家電製品等の電子機器や、パソコンといった液晶表示装置等を挙げることができる。建材としては、家具、建築材料等を挙げることができる。さらに、被着体は、道路用資材(例えば、交通標識、防音壁等)、トンネル用資材(例えば、側壁板等)、楽器、容器、事務用品、スポーツ用品、玩具等であってもよい。
(加飾成形体の製造方法)
加飾成形体の製造方法は、加飾フィルムを被着体に貼合する工程を含むことが好ましい。加飾成形体の製造方法としては、例えば、熱プレス成形、インモールド成形、フィルムインサート成形、真空条件下又は減圧条件下における成形等を挙げることができる。中でも、加飾成形体の製造方法は、フィルムインサート成形法又はインモールド成形法であることが好ましく、上述した加飾フィルムは、フィルムインサート成形法又はインモールド成形法における加飾成形用に適した加飾フィルムである。
加飾成形体の製造方法として、インモールド成形を採用する場合には、加飾フィルムを射出成形機の金型内に固定し、金型内に被着体を構成するポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂組成物を射出し、該樹脂組成物を固化した後、加飾層の基材のみを除去することで加飾成形体を得る。また、加飾成形体の製造方法として、フィルムインサート成形法を採用する場合には、加飾フィルムを射出成形機の成形金型内に固定し、成形金型内にポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂組成物を射出し、該樹脂組成物を固化することで加飾成形体を得る。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<接着剤組成物の製造>
接着剤組成物(A−1)
下記構造式で表される構造を有するブロック共重合体(クラレ社製、セプトン1020)100質量部、テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS ポリスター T130、軟化点130℃、分子量900)60質量部、ポリスチレン樹脂(三井化学社製、FTR8100、分子量800)30質量部、酸化防止剤(BASF社製、IRGANOX1010)0.6質量部を、固形分濃度が30質量%になるようにトルエンに溶解して接着剤組成物(A−1)を得た。
Figure 2021160160
接着剤組成物(A−2)
ブロック共重合体として下記構造式で表される構造を有する樹脂(クラレ社製、セプトン2002)を使用した以外は接着剤組成物(A−1)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−2)を得た。
Figure 2021160160
接着剤組成物(A−3)
ブロック共重合体として下記構造式で表される構造を有する樹脂(クラレ社製、セプトン4033)を使用した以外は接着剤組成物(A−1)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−3)を得た。
Figure 2021160160
接着剤組成物(A−4)
テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS ポリスター T130、軟化点130℃、分子量900)の添加量を160質量部に変更した以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−4)を得た。
接着剤組成物(A−5)
テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS ポリスター T130、軟化点130℃、分子量900)を、テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS ポリスター T160、軟化点160℃、分子量1300)に変更した以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−5)を得た。
接着剤組成物(A−6)
ポリスチレン樹脂(三井化学社製、FTR8100、分子量800)を、ポリスチレン樹脂(三井化学社製、FTR2140 分子量1900)に変更した以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−6)を得た。
接着剤組成物(B−1)
イソペンタン由来構造を有するブロック共重合体の代わりに、イソペンタン由来構造を有さない下記構造式で表される水添ポリブタジエン系樹脂(クラレ社製、セプトン8004)を使用した以外は接着剤組成物(A−1)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(B−1)を得た。
Figure 2021160160
接着剤組成物(B−2)
テルペンフェノール系樹脂を添加しなかった以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(B−2)を得た。
接着剤組成物(B−3)
スチレン系樹脂を添加しなかった以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(B−3)を得た。
接着剤組成物(B−4)
テルペンフェノール系樹脂の代わりにテルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS レジンPX1250 、軟化点125℃、分子量1100)に変更した以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(B−4)を得た。
<加飾フィルムの作製>
(実施例1)
上記で作製した接着剤組成物(A−1)を、ナイフコーターを用いてアクリルフィルム(クラレ社製、パラピュア HIグレード 75μm)に、乾燥後の接着層の厚みが5μmとなるように塗工した後、100℃で3分間乾燥して溶剤のトルエンを揮発乾燥させた。このようにして、接着層を有する加飾フィルムを得た。
(実施例2)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−2)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例3)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−3)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例4)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−4)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例5)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−5)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例6)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−6)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例7)
乾燥後の接着層の厚みを1μmに変更した以外は、実施例3と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例8)
乾燥後の接着層の厚みを20μmに変更した以外は、実施例3と同様にして加飾フィルムを得た。
(比較例1)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(B−1)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(比較例2)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(B−2)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(比較例3)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(B−3)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(比較例4)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(B−4)に変更した以外は、比較例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(プローブタックの測定方法)
各実施例及び比較例で得た加飾フィルムを用いて、以下の方法で評価した。
まず加飾フィルムを50mm×50mmのサイズに切り出したものをタッキング試験機TAC1000(株式会社レスカ製)のステージの上に接着剤層が上(プローブ側)になるようにセットして以下の条件で位置を変えて5回測定して、平均値を算出した
<測定条件>
プローブ直径:5mmφ
プローブ材質:SUS304
プローブ温度:50℃
ステージ温度:50℃
プローブ押付け荷重:200gf
プローブ押付けおよび引き剥がし速度:1mm/秒
プローブ押付け保持時間:60秒
(密着性評価)
<加飾成形体の作製>
各実施例及び比較例で得た加飾フィルムを用いてフィルムインサート成形法により加飾成形体を作製した。まず、成形品の大きさが100mm×100mm×2mmの板状となる金型の内側に、接着層が射出樹脂側になるように加飾フィルムをセットした。続いて加飾フィルムをセットした金型を60℃に加温した後、200℃に加熱溶融したポリプロピレン(三菱ケミカル社製、ノバテックTMPP)を金型に流し込み、室温まで冷却してから加飾成形体を金型より取り出すことで加飾成形体を得た。
<評価>
上記で作製した加飾成形体を23℃、相対湿度50%の環境下で24時間養生した後、加飾フィルムとポリプロピレン樹脂被着体の密着性をJIS K 5600−5−6に準拠し評価した。具体的には、以下のようにしてクロスカット法による密着試験を行った。
まず、加飾フィルム側からかみそりを用いて1mm×1mmの碁盤目が100マスできるように切込みを入れた後、セロハンテープ(ニチバン社製、CT28)を指で上から押し付けるようにして加飾フィルムに密着させた後に剥離した。100マスの内、全てのマス目で加飾フィルムが剥離していない場合を100/100、全てのマス目で剥離している場合を0/100とし、加飾フィルムが剥離していないマス目を数え、以下の評価基準にて加飾フィルムの密着性を評価した。
A:80/100〜100/100
B:50/100〜79/100
C:0/100〜49/100
(耐ブロッキング性)
各実施例及び比較例で得た加飾フィルムを用いて、以下の方法で評価した。まず加飾フィルムを20mm×20mmのサイズに切り出したもの10枚作製した。この加飾フィルムを加飾層と接着層が接するように10枚重ね、50mm×50mm×2mm厚のソーダガラス2枚の間に挟み1kgの錘を乗せて、50℃の恒温層で24時間処理した。
次いで恒温層から取り出して錘を乗せた状態で23℃、相対湿度50%の環境下に24時間静置した後、錘とガラス板を除去して10枚の加飾フィルム同士がブロッキングしていないか以下の基準で評価した。
A:全ての加飾フィルムが問題なく剥がれる
B:10枚中1枚以上剥がれないものがある
Figure 2021160160
Figure 2021160160
実施例で得られた加飾フィルムは、ポリプロピレン樹脂被着体に対して良好な密着性を示した。また、実施例で得られた加飾フィルムは、耐ブロッキング性にも優れていた。一方、比較例で得られた加飾フィルムにおいては、ポリプロピレン樹脂被着体に対する密着性と耐ブロッキング性が両立されていなかった。
21 加飾層
11 接着層
30 加飾フィルム
50 被着体
100 加飾成形体

Claims (9)

  1. 加飾層と、接着層とを有する加飾フィルムであって、
    前記接着層は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペンフェノール系樹脂と、スチレン系樹脂と、を含有する加飾フィルム。
  2. 23℃、相対湿度50%、かつ下記測定条件で測定されるプローブタックのピーク値が1.0N/5mmφ以下である、請求項1に記載の加飾フィルム;
    (プローブタック値の測定条件)
    測定機器:タッキング試験機 TAC1000(株式会社レスカ製)
    プローブ直径:5mmφ
    プローブ材質:SUS304
    プローブ温度:50℃
    ステージ温度:50℃
    プローブ押付け荷重:200gf
    プローブ押付けおよび引き剥がし速度:1mm/秒
    プローブ押付け保持時間:60秒。
  3. 前記ブロック共重合体は、
    イソペンタン由来構造から構成されるブロック及びスチレン系ポリマーから構成されるブロックを含むブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の加飾フィルム。
  4. 前記テルペンフェノール系樹脂の軟化点は125〜170℃であり、
    前記テルペンフェノール系樹脂の数平均分子量は800〜1500である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  5. 前記テルペンフェノール系樹脂の含有量は、前記ブロック共重合体100質量部に対して、40〜200質量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  6. 前記接着層の厚みは、0.5〜20μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  7. 前記加飾フィルムは、フィルムインサート成形法又はインモールド成形法による被着体加飾用である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の加飾フィルムを、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に貼合してなる加飾成形体。
  9. 自動車部材、電子機器又は建材用である、請求項8に記載の加飾成形体。
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