JP2021148781A - アンカーを備えるエスケープを備える機械式計時器用ムーブメント - Google Patents

アンカーを備えるエスケープを備える機械式計時器用ムーブメント Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃に強い磁気的及び機械的なエスケープを備える計時器用ムーブメント。【解決手段】機械式共振器2と、複数の歯42があるエスケープ車16を備えるエスケープ12と、アンカー14を備える。アンカーは、スティック20と、2つの機械的パレット28、29を備える2つのアーム24、26によって形成され、機械的パレットは、アンカーが交互的運動をしているときに、エスケープ車の各位置に応じていずれかの歯と接触する可能性が高く、エスケープ車が好ましくない位置にあるとき、アンカー揺動による損傷を回避するために、アンカーは、曲がって弾性変形することができるように構成され、弾性変形の間に、計時器用ムーブメントが通常の機能時に機械式共振器が有することができる最大の機械的エネルギーをアンカーが弾性的に吸収することを可能にするような弾性的能力を2つの機械的パレットのそれぞれとアンカーのフォーク18の間にて有する。【選択図】図1A

Description

本発明は、一方ではエスケープ車と連係し、他方では機械式共振器と連係するアンカーを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメントに関する。このアンカーの回転軸は、機械式共振器の回転軸とは異なる。
特に、本発明は、エスケープ車とアンカーの間の磁気的結合システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメントに関する。このアンカーは、スイス式アンカーの場合と同様に、機械式共振器の周期的運動と同期するがこのような運動とは異なるような交互運動を行う。磁気的エスケープは、磁石を備えるエスケープであって、これらの磁石が部分的にアンカー上に配置され部分的にエスケープ車上に配置されて、アンカーとエスケープ車の間に磁気的結合を発生させるものとして定められる。
スイス式アンカーを備えるエスケープが、非常に長い間知られている。通常の機能時に、エスケープ車の歯は、所定の方法でアンカーの2つのパレットと連係して、機械式共振器、一般的には、渦巻き式バランス、の振動と同期するエスケープ車のステップごとの回転を可能にする。バレルばねの弛緩のためにエスケープ車に与えられる力結合が弱くなると、エスケープによって発生し共振器に伝達される維持パルスは、強度が漸進的に低下し、これによって、前記力結合がしきい値よりも小さくなってエスケープ車が最終的に止まったときに、共振器に蓄積されるエネルギーが比較的小さくなる。したがって、エスケープ車の角度的止め位置に応じてパレットと歯の間の潜在的な終端衝撃が発生したときにエスケープ車のパレット又は歯が損傷してしまうリスクは、比較的低いが、なくならない。この状況は、エスケープ車を一定の力で駆動するシステムを計時器用ムーブメントが備える場合に、より大きな問題となる。なぜなら、エスケープ車及びその駆動が止まるまで、エスケープ機能全体に沿って、実質的に同じ機械的エネルギーを共振器が保持するからである。したがって、計時器用ムーブメントが完成した際に偶発的な事象が発生するリスクが大きくなってしまう。
本発明の発明者は、ハイブリッド、すなわち、磁気的及び機械的な、エスケープを備える計時器用ムーブメントの場合に、上記の問題が大きな問題となることを観察した。実際に、アンカーとエスケープ車の間の終端衝撃のリスクが、ハイブリッドエスケープの場合、すなわち、アンカーとエスケープ車の間の磁気的結合システムを備えるエスケープの場合に、著しく大きくなることがわかった。これにおいて、ポテンシャル磁気的エネルギーの傾斜によって、エスケープ車がアイドル状態である間に、ステップの終わりにて磁気パルスを発生させる前に、エスケープ車のステップごとの回転の各ステップにおいて、エスケープにポテンシャル磁気的エネルギーを蓄積することが可能になり、したがって、エスケープ車には、エスケープの少なくとも1つの機能段階においてアンカーの機械的パレットと連係するように設けられた歯がある(例えば、発明の詳細な説明において説明するように、始動時及び/又は計時器用ムーブメントの通常の機能時に、各ステップにおいてエスケープ車から運動エネルギーを吸収し、さらに、可能性としては、エスケープ車のための角度的止め位置を定めるため)。実際に、この種のエスケープにおいては、共振器がまだ公称の機械的エネルギーを備えるときに、リスクのある角位置にてエスケープ車が止まるリスクが組み合わさってしまう。まず、維持パルスは、エスケープ車に与えられる力結合が特定の下側しきい値以上であれば、一定の値を有する磁気パルスである。そして、前記力結合が前記下限を下になるとすぐに、エスケープ車は、次のポテンシャル磁気的エネルギーの傾斜を正しく昇ることができなくなり、これによって、エスケープ車は、次の通常の角度的止め位置で止まるのではなく、ポテンシャル磁気的エネルギーの傾斜の実質的に底部にて又はこの傾斜に沿って止まる。それから、このような事象の間に機械式共振器が通常のように振動するにしたがって、機械式共振器は、実質的に一定の強度(公称強度)の磁気パルスを以前に受けていたので、機械的パレットが、アンカーの次の揺動の間に歯に対向している場合、深刻な衝撃が発生して、エスケープ車やアンカー、又は機械式共振器を損傷してしまう可能性がある。したがって、発明者によって明らかにされるこの広範な技術的課題には、適切な技術的解決策が必要である。
一般的な形態において、本発明は、機械式共振器、特に、渦巻状のバランスと、及びこの機械式共振器に接続されたエスケープとを備える計時器用ムーブメントに関する。このエスケープは、複数の突出部、特に、歯、があるエスケープ車と、及びフォークと2つの機械的パレットがあるアンカーによって形成されている。このアンカーは、機械式共振器のピンと連係するように設計されており、前記2つの機械的パレットは、計時器用ムーブメントの少なくとも特定の機能段階において複数の歯と連係するように設計されている。この計時器用ムーブメントは、エスケープ車が複数の突出部にそれぞれ対応する複数の角位置のうちのいずれかの角位置θに位置しているときに、2つの停滞位置のうちの第1の停滞位置から第2の停滞位置の方向へのアンカーの揺動の間に、前記アンカーが第2の停滞位置の側から、機械式共振器と一体化されたピンの離脱角位置に到達することができる前に、前記アンカーの2つの機械的パレットのうちの1つが、これらの突出部のうちの1つの歯に当接するように構成している。本発明によると、前記アンカーが揺動している間に、前記機械的パレットが前記突出部に当接し前記機械式共振器が前記アンカーによって制動されつつ、前記フォークの2つのホーンのうちの一方のホーンにおける前記フォークにて係合する機械式共振器の前記ピンによって与えられる力の作用によって弾性変形をすることによって、前記アンカーは前記フォークに平行な前記アンカーの基本平面内にて曲がることができるように構成している。また、このアンカーは、前記弾性変形の間に、前記計時器用ムーブメントが通常の機能時に前記機械式共振器が有することができる最大の機械的エネルギーを前記アンカーが弾性エネルギーの形態で吸収することを可能にするような弾性的能力を前記2つの機械的パレットのそれぞれと前記フォークの間にて有する。
主な実施形態において、前記エスケープは、前記エスケープ車と前記アンカーを磁気的につなぐ磁気的システムを備え、この磁気的システムは、計時器用ムーブメントの通常機能時に、実質的に一定のエネルギーを有する磁気パルスを発生するように構成しており、これによって、この機械式共振器のピンと前記アンカーのフォークの間の相互作用を介して前記機械式共振器の振動を維持する。
特定の形態の1つにおいて、前記磁気パルスは、2つの磁気的パレットを形成する2つの磁石をそれぞれ支持する2つの機械的パレットにて発生する。前記アンカーは、前記計時器用ムーブメントの通常の機能時に、磁気パルスのそれぞれによって発生する実質的に磁気的な力結合をフォークに伝達することができるように構成しており、これによって、前記機械式共振器の振動を維持する。
以下、添付の図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。これは例として与えられるものであり、これに限定されるものではない。
図1A〜1Fは、本発明の主要実施形態に係る計時器用ムーブメントを部分的に示しており、これは、特定の角位置にてエスケープ車が止まっていた後の順次的な位置におけるものを示している。 図1A〜1Fは、本発明の主要実施形態に係る計時器用ムーブメントを部分的に示しており、これは、特定の角位置にてエスケープ車が止まっていた後の順次的な位置におけるものを示している。 図1A〜1Fは、本発明の主要実施形態に係る計時器用ムーブメントを部分的に示しており、これは、特定の角位置にてエスケープ車が止まっていた後の順次的な位置におけるものを示している。 図1A〜1Fは、本発明の主要実施形態に係る計時器用ムーブメントを部分的に示しており、これは、特定の角位置にてエスケープ車が止まっていた後の順次的な位置におけるものを示している。 図1A〜1Fは、本発明の主要実施形態に係る計時器用ムーブメントを部分的に示しており、これは、特定の角位置にてエスケープ車が止まっていた後の順次的な位置におけるものを示している。 図1A〜1Fは、本発明の主要実施形態に係る計時器用ムーブメントを部分的に示しており、これは、特定の角位置にてエスケープ車が止まっていた後の順次的な位置におけるものを示している。
添付の図面を用いて、本発明に係る計時器用ムーブメントの主要実施形態について説明する。この計時器用ムーブメントは、機械的タイプのものであり、機械式共振器2を備え、この機械式共振器2においては、軸4、ノッチが形成された小型ディスク6、及びピン10のみを示している。計時器用ムーブメントは、機械式共振器2に関連づけられたエスケープ12を備え、小型ディスク6及びピン10は、このエスケープを形成する要素である。エスケープ12は、さらに、エスケープ車16と、機械式共振器とは分離している要素であるアンカー14を備え、このアンカー14の単一の回転軸は、前記機械式共振器2の回転軸とは異なる。
アンカー14は、一方では、2つのホーン19a及び19bがあるフォーク18及びガードピン8を端とするスティック20によって形成され、他方では、2つのアーム24及び26によって形成され、これらのアーム24及び26の自由端は、2つの機械的パレット28及び29をそれぞれ形成する。これらの2つの機械的パレット28及び29は、アンカー14の2つの磁気的パレットを形成する2つの磁石30及び32をそれぞれ支持する。機械式共振器2の通常の振動時に、2つの制限ピン21及び22によって定められる2つの停滞位置の間にて、機械式共振器2の振動と同期するような交互運動をアンカーがするように、機械式共振器2はアンカーと結合する。アンカーは、順次的な時間間隔の間にこれらの2つの停滞位置に交互にとどまる。
エスケープ車16は、ディスク34上にて構成している周期的磁化構造36を備え、このディスク34は、好ましくは、非磁性材料によって作られる(ディスクが強磁性材料によって作られている場合には、外部磁場がエスケープ車に大きな力結合を与える可能性があり、このような外部磁場の影響をエスケープ車が受けないように磁場を伝達しないようにする)。この構造36には、全体的に円弧状である磁化部分38があり、これらの磁化部分38は、2つの磁気的パレット30及び32に対するポテンシャル磁気的エネルギーの増大傾斜を定める。これらの磁気的パレット30及び32のそれぞれは、周期的磁化構造36の軸方向の磁化の極性とは反対方向の極性を有するように軸方向に磁化されており、これによって、磁気的パレット30及び32と磁化構造36の間に磁気的反発を発生させる。磁化部分38のそれぞれは、増大する単調な幅を有する。特に、磁化部分38の幅は、その有効長さ全体にわたって、中心における角度の関数として線形的に増加する。1つの好ましい形態において、周期的磁化構造36は、その外周が円形であるように構成しており、この磁化構造36の円の円弧における磁化部分38は、同じ構成を有し、エスケープ車の回転軸のまわりに環状に配置されるように構成している。
一般的な形態において、ポテンシャル磁気的エネルギーの増大傾斜それぞれは、アンカーが2つの停滞位置のうちの一方の所定の停滞位置にあるときに2つの磁気的パレットのそれぞれがその傾斜を昇ることができるようにされ、エスケープ車に与えられる力結合が、公称力結合と実質的に等しく(一定の力でエスケープ車を駆動するシステムを備える機械式ムーブメントの場合)、又は計時器用ムーブメントの通常の機能を確実にするように与えられる値の範囲内である(1つのシリンダー又は直列に複数が設けられている場合には複数のシリンダーの巻きの程度の関数としてエスケープ車に与えられる可変な力結合を有する標準的な機械式ムーブメントの場合)ようにされる。このポテンシャル磁気的エネルギーの増大傾斜は、アンカーがその2つの停滞位置の間にて交互運動を行うとき、及びエスケープ車に与えられる力結合が前記公称力結合に等しいとき又は通常の機能時にこの力結合のために設定された値の範囲内であるときに、アンカーが第1及び第2の停滞位置にそれぞれ位置している間に、第1及び第2の磁気的パレットのそれぞれによって順次的に昇られ、アンカーの交互運動の間にはこれらの第1及び第2の磁気的パレットによって交互的に昇られる。これらの2つの磁気的パレット及び磁気ポテンシャルエネルギーの増大傾斜は、所与の傾斜に対応する残りの位置からアンカーが磁気ポテンシャルエネルギーの当該所与の傾斜に対応する停滞位置から他方の停滞位置の方へと揺動によって動いたときに、2つの磁気的パレットのいずれかが、このポテンシャル磁気的エネルギーの増大傾斜のいずれかを昇った後に、アンカーがその運動方向にて力の磁気パルスを受けることができるように構成している。
また、周期的磁化構造36は、2つの磁気的パレットそれぞれに対して、磁化部分38によって定められたポテンシャル磁気的エネルギーの増大傾斜の後にそれぞれ配置される磁気バリア46を定め、これらの磁気バリア46は、特に、構造36の磁化領域46によって形成され、これらの磁気バリアの半径方向の寸法は、アンカー14の磁気的パレットを形成する2つの磁石30及び32それぞれの長手方向の寸法構成と実質的に等しい又はこれよりも大きい。別の形態において、磁気バリアは設けず、この場合、磁化部分38は、部分的に、下で説明する突出部42の下に延在する。
エスケープ車は、さらに、ポテンシャル磁気的エネルギーの増大傾斜にそれぞれ関連づけられた突出部を備える。これらの突出部は、ディスク40から半径方向に延在している歯42によって形成され、このディスク40は、エスケープ車と一体化されており、磁化構造36を支持するディスク34の上に位置する。これらの歯42はそれぞれ、磁化部分38の後に、磁化部分38の最も広い端の側から位置しており、対応する磁化領域46に部分的に重なり合う。これらの歯42及び機械的パレット28、29は、非磁性材料によって形成される。好ましくは、ディスク40も非磁性材料によって形成され、歯42と同じ材料である。
図示している好ましい形態において、歯42は、アンカーの2つの機械的パレット28、29も延在している基本平面内に延在している。2つの磁石30、32は、2つの機械的パレット28、29によってそれぞれ支持されており、また、前記基本平面内に位置している。図面には、前記基本平面の下に位置している下側磁化構造のみを示している。しかし、好ましい形態において、エスケープ車は、さらに、上側磁化構造を備え、これは、下側磁化構造と同じ構成を有し、上側ディスクによって支持され、この上側ディスクは、好ましくは、非磁性材料によって作られる。下側及び上側磁化構造は一緒に、周期的な磁化構造を形成する。これらの磁化構造どうしは、同じ磁極性を有し、これは、アンカーの2つの磁石30、32の極性とは反対方向であり、これらの磁化構造は、2つの磁気的パレット28、29を形成するこれら2つの磁石30、32が、好ましくは同じ距離離れて、位置している幾何学的平面の両側に配置される。
本発明の主題をより詳細に説明する前に、主要実施形態のエスケープの特定の特徴を説明する。この特徴によって、一方においては、通常の機能時のふるまいを改善させることを可能にし(すなわち、始動段階の後に介在する安定した機能時に、公称力結合に実質的に等しい、又は計時器用ムーブメントの通常の機能、特に、エスケープ車のステップごとの正しい回転、を確実にするように与えられる値の範囲内である、力結合MREがエスケープ車に与えられる)、他方においては、エスケープと機械式共振器によって形成されるアセンブリーの自動始動を可能にする。
まず、アンカー14とエスケープ車16は、通常の機能時に、アンカーの揺動の後に、対応する磁気的パレットがポテンシャル磁気的エネルギーの増大傾斜のいずれかを昇った後に、エスケープ車の歯42のうちの1つが、2つの機械的パレットの一方又は他方のパレットにおいて、少なくとも1回の衝撃を受けるように構成している。この衝撃は、前記揺動後に大きくなった運動エネルギーを少なくとも部分的にエスケープ車から散逸させるようにはたらく。エスケープ車の歯は、エスケープ車の各ステップにおいて、機械式共振器の次の維持パルスに対応するエスケープにおけるポテンシャル磁気的エネルギーの蓄積の後に、このエスケープ車の運動エネルギーを吸収するように設けられ、したがって、ステップ毎の回転の各ステップの間の終端振動を制限する。
好ましい形態において、通常の機能時に、エスケープ車が一時的に止まった後に、歯42は、2つの機械的パレットのうちの一方又は他方によって形成されるアンカーの機械的止めを押す。したがって、エスケープは、ハイブリッドエスケープ、すなわち、磁気的及び機械的なエスケープである。したがって、標準的な運動においては、通常の機能時に、かつ、力結合MREのPVM値の全範囲に対して、エスケープ車は、2つの機械的パレットのいずれかに対して、そのエスケープ車の歯のいずれかにおける少なくとも1回の第1の衝撃の後であって、アンカーを追従する揺動の前に、一時的に不動化されて、特定の歯が特定の機械的パレットを押すような角度的止め位置にされる。したがって、各角度的止め位置は、機械的パレットに支持される歯によって定められる。
そして、歯42及び機械的パレット28、29は、計時器用ムーブメントの止めの後のバレルばねが再び巻かれるときには、エスケープ車16が意図した回転方向に再び回転することが可能になり、2つの機械的パレット28、29のうちの少なくとも1つが、エスケープ車の歯42に接触し、これらの機械的パレット28、29は、エスケープ車16がアンカー14に、機械的始動力結合、そして、したがって、機械的始動パルスを与えることができるように構成している。したがって、エスケープ12と機械式共振器2によって形成されるアセンブリー、したがって、機械式計時器用ムーブメント、が効果的で迅速な自動始動をすることが可能となる。特に、前記始動トルクを受けるエスケープ車は、歯と当該機械的パレットとの接触によって止まらないが、この歯は、始動トルクの少なくとも大部分をアンカーに伝達することができる。
図示している好ましい形態において、歯42のそれぞれには、回転軸を中心とするエスケープ車16の極座標系において、第1の傾斜面がある。この第1の傾斜面は、エスケープ車16が対応する角位置θの範囲を横断する間に、第1及び第2の機械的パレット28、29のそれぞれが、始動段階において、前記第1の傾斜面上を摺動することができるように傾斜している。極座標系における「傾斜面」は、半径方向でも接線方向でもない面として定められる。また、エスケープ車に関連づけられた極座標系における、アンカーの2つの機械的パレットのそれぞれには、そのパレットがエスケープ車の歯42の1つに接触しているときに、第2の傾斜面がある。エスケープ車が歯と関心事の機械的パレットの間の接触領域に対応する角位置θの範囲を横断するときに、第2の傾斜面は、歯42のそれぞれが、始動段階において、この第2の傾斜面上を摺動することができるように構成している。
以下、本発明の特定の主題を詳細に説明する。説明している主要実施形態を参照すると、アンカー14は、以下を備える。
− アンカーのために設けられる単一の幾何学的回転軸にセンタリングされる単一のピボット軸50を備える。
− 前記ピボット軸50が固定される堅固な接続部分25を備え、この接続部分25は、前記ピボット軸50を横断する。伝統的な接続部分においては、その2つの端において、穴がある2つの石によって回転ガイドされる2つのピボットを備える。
− 第1の端において接続部分25に接続され、第2の端において2つの機械的パレット28、29を備えるような2つのアーム24、26を備える。これらの2つの機械的パレット28、29は、少なくともエスケープの特定の機能段階の間に、任意の突出部/複数の突出部の歯/エスケープ車の歯42と接触することができ、上述のように、これらの突出部と連係することができるように構成している。
− 伝統的な形態で2つのホーン19a、19bを備えるフォーク18を備える。このフォーク18は、機械式共振器2とそのピン10を介して連係するように構成しており、このピン10は、機械式共振器2の中心軸4に接続される。
− 第1の端にて接続部分25に、第2の端にてフォーク18に接続されるスティック20を備える。このスティック20は、その第1の端とその第2の端の間で自由となっている。
好ましい形態において、接続部分、スティック及び2つのアームは、一体化された部品によって形成される。好ましい形態において、この一体化された部品は金属材料によって作られる。
上述した2つの機能の一方及び/又は他方の機能、すなわち、通常の機能時のエスケープ車のステップごとの回転の間のエスケープ車の振動の減衰、及び/又は機械式共振器及びエスケープ、特に、磁気式エスケープ、によって形成されるアセンブリーの自動始動、を可能にするために歯42を導入することは、図1Bに示しているように、エスケープ車16が複数の歯にそれぞれ対応する複数の角位置のうちのいずれかの角位置θに位置しているときに、2つの停滞位置のうちの第1の停滞位置から第2の停滞位置の方向へのアンカー14の揺動の間に、アンカーが第2の停滞位置の側からピンの離脱角位置に到達することができる前に、2つの機械的パレットのうちの1つが、これらの歯のうちの1つの歯に当接することを意味する。機械式共振器、特に、渦巻き式バランス、のピンに対する「離脱角位置」は、特定の理由又は他の理由で、ピンがフォークから離脱することができる角位置(アンカーのゼロ角位置を定める中央位置の両側)として定められる。これは、すなわち、2つのホーン19a及び19bによって形成される空洞をこれらのホーンのうちの1つに当接することなく出て、アンカーがその2つの停滞位置のうちの一方又は他方の位置に到達する前に作用するこの離脱位置にアンカーを正しく動かすことができる角位置である。なお、このことは、衝撃や終端摩擦を受けることなくピンがフォークを正しく出ることができることを確実にするための通常の安全角度に起因する。このような衝撃や終端摩擦は、交互変動ごとにエネルギーを失うことを招き、機械式共振器の振動を崩壊させる。
すでに記載したように、バレルばねが弛緩すると、シリンダーがギヤ列及びエスケープ車に与えることができる力結合がこのような通常の機能を確実にするために不十分であるために、計時器用ムーブメントが通常の機能をしなくなる瞬間がある。特定の時点において、図1Aに示しているように、エスケープ車16は、最終的に、ステップごとの回転を止め、特定の角位置θにて止まるが、この時点における機械式共振器は、常に振動しており、さらに、特に、上記の磁気的システムをエスケープ12が備える場合に、実質的に公称の、したがって、比較的大きい、機械的エネルギーを有することができる。直前の段落に記載したように、特に、磁気的維持パルスを与える上記の磁気的システムをエスケープ12が備える場合、エスケープ車16は、複数の歯42にそれぞれ対応する複数の角位置θの任意の角位置で止まることができ、図1Bに示しているように、アンカーがピンの離脱角位置に達する前に、2つの機械的パレットのうちの1つが前記歯に当接する。図1Bは、機械的パレット29の端48が、その機械的パレット29が当接する歯42の頭部43の頂上にて衝撃を受けるような特に好ましくないケースを示している。このような場合、関心事の歯42上にアンカーによって与えられる力の合計は、エスケープ車に関連づけられた極座標系において実質的に半径方向であり、これによって、エスケープ車は回転駆動されず、大きい衝撃を受ける。
なお、ここで問題となっている大きな衝撃は、機械的パレットと歯が接触する瞬間に関連しておらず、振動共振器のピンがフォーク18の2つのホーン19a及び19bの間に挿入され磁気パルスがアンカーに与えられる間に前記衝撃が発生することを考慮すると、特定の持続時間を有する半径方向の力のパルスである。前記衝撃の間に、半径方向の力のパルスは、いくつかの成分によって構成する。すなわち、まず、運動が止められたアンカー14の慣性に起因する成分があり、第2に、フォーク18とピン10の間の結合を介して、運動エネルギーが実質的に最大でありつつ、振動が止まった機械的振動共振器2における機械的エネルギー貯蔵に起因する主要な成分があり、第3に、磁気パルスがアンカーに供給される間に衝撃が発生するということに起因する磁気的成分(図1Bに矢印で示している)がある。したがって、機械式パレット29の端部分48がその機械式パレット29に当接する歯の頭部43と接触すると、アンカー14がピン10に支持されるホーン19bを介して機械式共振器2を駆動し、そして、その場合にのみ、非常に短い時間間隔の後に、前記ピン10がフォーク18のホーン19aに当接し、そして、揺動していたアンカーの早期止めに起因して強い減速を発生させるものと考えられる。
前記衝撃の間に機械式共振器2の制動の激しさが大きい/強度が大きいほど、機械式共振器2によってホーン19aに与えられる直交方向の力FROが大きくなり、これには、アンカー14に関連する極座標系における実質的に接線方向の構成が貢献しており、この共振器2を制動するアンカー14の反力FFRは、衝撃開始時に強い(これらの力の方向を図1Cに示している)。このことは大きな問題を発生させる。なぜなら、図1A〜1Cに示しているような事象が発生したときに、エスケープ車の一部分、又はさらには機械式共振器の一部分において、アンカー14がその破損又は劣化を回避することができるように配置されており構成しているからである。前記大きな衝撃の間に共振器のピンによって与えられる力の強度を低減し、したがって、激しすぎる瞬間的な制約を回避するために、減速の強度を低減するために、比較的長く持続する衝撃が与えられる。そして、アンカーは、機械式共振器が振動時に伝達され止めたエネルギーを弾性的に吸収することができるように構成している。
このために、アンカー14は、前記のように衝撃が発生したときに、揺動しているときに、フォーク18に平行(すなわち、フォークのホーンが延在している基本平面と平行であることであり、一致する場合を含む)なアンカーの基本平面において、曲がることができるように構成している。これは、関心事の機械的パレットが歯に当接し、機械式共振器がアンカーによって制動されている間に、フォーク18内にてその2つのホーン19a、19bのうちの一方のホーンに係合するピン10によって与えられる力FROの作用によって弾性変形をすることによる。また、このアンカー14には、2つの機械的パレット28、29のそれぞれと、フォーク18の間に弾性的能力があり、このことによって、このアンカー14は、前記弾性変形の間に、計時器用ムーブメントの通常の機能の間に機械式共振器2が有し得る最大の機械的エネルギーを弾性的に吸収することが可能である。なお、この弾性的能力には、ある程度の安全マージンがある。なぜなら、衝撃の間に、ある程度のエネルギーの散逸があるためである。これは、特に、エスケープ車、機械式共振器及びアンカーのベアリングに対するものであり、また、関連する様々な構造、特に、ディスク40、に対するものである。このようにして、エスケープ及び機械式共振器に対するいずれの破損又は損傷をも回避することができる。「弾性的能力」は、弾性エネルギーを吸収する能力を定める。本発明に係るアンカーの特徴のおかげで、厳しい衝撃を回避することができ、機械式共振器の機械的エネルギーの漸進的な散逸が可能になる。
上記の状況に伴って機械的パレットとエスケープ車の歯の間の最初の衝撃が発生したときに、アンカーは弾性変形をして、機械式共振器の機械的エネルギーの大部分を吸収することを可能にする。これは、たとえこの機械的エネルギーが計時器用ムーブメントの通常の機能時における公称エネルギーに対応する場合にも可能にする。図示している形態において、スティック20は、機械式共振器の機械的エネルギーの前記大部分を実質的に吸収することができるように構成している。図示している形態において、スティック20は、曲がっており、特に、全体的に「白鳥の首」状に曲がっている。他の形態も可能であり、実質的にまっすぐなスティックも可能である。このような曲がった構成には、一般的に接続部分25とフォーク18の間のスティックの長さを大きくすることができることに起因する利点がある。この「白鳥の首」状の形は、フォークが2つの機械的パレットのうちの1つに比較的近くにありつつ、比較的長いスティックを備えることを可能にする。図示しているような共振器の中心軸4の相対的ポジショニングとなっている構成においては、当業者であれば、機械的パレット29を延長するように、最も短いフォークをアーム26に接続するであろう。したがって、振動共振器からの運動エネルギーの吸収はほとんどなくなる。
図示している特定の形態において、2つの機械的パレット28、29それぞれの端面(終端傾斜面)とフォーク18の間に延在するアンカー14の幾何学的な中心線は、2つの区画20a及び24a、又は20a及び26aにわたる合計長さを有し、この合計長さは、対応するアーム24又は26及びスティック20とともに関心事の機械的パレットによって定められ(図1Aの破線を参照)、フォークの最も近い端面上にある幾何学的な中心線24a上の点と、このフォークの2つのホーンによって形成される空洞の基部の中央とを通る直線52の長さの少なくとも2倍である(図1B参照)。このような弾性変形能力は、上記で定められる合計長さにわたって与えることができ、また、この合計長さの一部のみに与えることもできる。したがって、第1の形態においては、スティックとアームには、互いに異なることができる弾性変形能力があり、第2の形態においては、実質的にこの弾性能力を有するのはスティックである。第3の形態において、実質的に弾性的能力を有するのはアーム24及び26である。
したがって、アンカーは、弾性変形能力と、かなり大きい弾性エネルギーを吸収する能力を有する必要があり、これらの関連する能力は、当業者であれば所望の値を得るように選択して判断することができるであろういくつかのパラメーターに応じて決まる。すでに述べたように、形態が役割を果たすことができ、したがって、機械的パレットとフォークの間の材料経路の長さが決まる。他のパラメーターも役割を果たし、特に、選択される材料及び様々な横断面も役割を果たす。なお、アンカーの最小横断面も役割を果たし、これは、弾性エネルギーの吸収を損なってもアンカーの一部の柔軟性を大きくするように、小さすぎる必要はない。説明した主要実施形態において、機械式共振器の振動を維持するための磁気パルスが、2つの磁気的パレットを形成する2つの磁石30、32をそれぞれ支持する2つの機械的パレット28、29にて発生する。このようにして、アンカー14は、計時器用ムーブメント、したがって、エスケープ、の通常の機能時に、機械式共振器の振動を維持するために、磁気パルスそれぞれによって発生する磁気的力結合をそのフォークに実質的に伝達することができるように構成している。なお、この状態は、機械式共振器2が通常の機能時に有する機械的エネルギーよりも磁気パルスのエネルギーの量がはるかに小さいことのために、容易に実装することができる。
最後に、図1B〜1Fを参照しながら、エスケープ車16が図1Aに示している好ましくない位置にて止まり、機械式共振器2が止まるまでこの位置に留まるような仮想的な場合における、様々な特定の時点にて発生する一連の事象について説明する。図1Bにおいて、上述したように、フォーク18に入り込んでいるピン10は、ホーン19aに当接し、一方、アンカーは、フォークがペグ22に支持されるような停滞位置から、このフォークがペグ21に支持されるような停滞位置の方へと動く運動を止められる。機械的パレットと歯の間の衝撃の開始時に、アンカーの回転中心におけるホーン19bとペグ22の間に形成される角度は、特定の値α1を有する。共振器は、この時点で、実質的に運動エネルギーの形態であって、公称の、したがって、相当に大きいような機械的エネルギーを有し、この共振器は、漸減する力FROを与えることによってホーン19aを押し、一方、ここでは特にスティック20である、アンカーは、弾性エネルギーの形態にて共振器の運動エネルギーの大部分を吸収することによって曲がる。したがって、図1Cに示しているように、上にて定められた角度は増加する。この図1Cにおいては、その角度の値α2は、値α1よりも大きく、例えば、約2倍の値である。この図1Cは、機械式共振器がその速さの大部分(したがって、その運動エネルギーも)が減った場合の構成を示している。そして、ピン10がフォークから出ることがありうる離脱角度にピン10が達する前に、必ず、機械式共振器は、図1Dに示しているように、角度的止め位置を経て、その運動方向の早期反転を行う。この図1Dにおいては、前に時計回りに回転していた共振器が反時計回りに回転している。ホーン19aを介したアンカーの作用によって、共振器は、アンカーに蓄積された弾性エネルギーの大部分を回収して加速することとなる。このことによって、共振器の振幅は、衝撃前よりも小さいが特定の振動振幅となる。
図1Eに示しているように、ピン10は、アンカー14のスティック20によって推進されて、フォーク18から離脱することによって、フォーク18から出ることができる。そして、その後の交互運動の間に、図1A〜1Eを参照して説明したものと同様の新しいシーケンスが再び動作する。しかし、最初の衝撃にてエネルギーを失った機械式共振器2は、アンカー14の曲がりを小さくする。このようにして、図1Fに示しているように、機械式共振器の振動は、機械式ムーブメント、特に、ハイブリッドエスケープ、を損傷することなく、迅速に減衰し、最終的に止まる。
2 機械式共振器
4 軸
6 小型ディスク
8 ガードピン
10 ピン
12 エスケープ
14 アンカー
16 エスケープ車
18 フォーク
19a、19b ホーン
20 スティック
21、22 制限ピン
24、26 アーム
25 接続部分
28、29 機械的パレット
30、32 磁石
36 構造
38 磁化部分
40 ディスク
42 突出部
46 磁化領域
50 ピボット軸

Claims (10)

  1. 機械式共振器(2)と、及びこの機械式共振器に接続されたエスケープ(12)とを備える計時器用ムーブメントであって、
    前記エスケープは、複数の突出部(42)があるエスケープ車(16)と、及び前記機械式共振器から分離しており単一の幾何学的回転軸を有するアンカー(14)とを備え、
    前記機械式共振器は、前記機械式共振器が振動状態に維持されるときに、アンカーは、2つの停滞位置の間の交互運動を行うように前記アンカーに結合しており、
    これらの停滞位置においては、順次的な時間間隔の間に前記アンカーが交互に停滞し、
    前記アンカーは、前記単一の幾何学的回転軸にセンタリングされる単一のピボット軸(50)と、前記ピボット軸が固定される堅固な接続部分(25)と、2つのアーム(24、26)と、フォーク(18)と、及びスティック(20)とを備え、
    前記2つのアーム(24、26)は、それらの第1の端において前記接続部分に接続しており、前記2つのアーム(24、26)は、それらの第2の端において2つの機械的パレット(28、29)をそれぞれ備え、
    この機械的パレット(28、29)のそれぞれは、前記エスケープ車から突き出ている前記複数の突出部のうちのいずれかの突出部と接触することができ、
    前記機械的パレット(28、29)は、少なくとも前記計時器用ムーブメントの始動段階又は通常の機能時に前記突出部と連係するように構成しており、
    前記フォーク(18)は、2つのホーン(19a、19b)を備え、前記機械式共振器の軸(4)と一体化されたピン(10)を介して前記機械式共振器と連係するように構成しており、
    前記スティック(20)は、その第1の端にて前記接続部分(25)に、その第2の端にて前記フォークに接続しており、
    前記スティックは、その第1の端とその第2の端の間にて自由であり、
    前記複数の突出部のそれぞれにそれぞれ対応する複数の角位置範囲の任意の角位置θに前記エスケープ車が位置しているときに、前記アンカーが揺動して前記2つの停滞位置のうちの第1の停滞位置から第2の停滞位置の方向へと動いている間に、前記2つの機械的パレットのうちの一方の機械的パレットが、前記第2の停滞位置の側から前記ピンの係合解除の角位置に前記アンカーが達することができる前に、前記突出部のうちの1つに当接し、
    前記アンカーが揺動している間に、前記機械的パレットが前記突出部に当接し前記機械式共振器が前記アンカーによって制動されつつ、前記フォークの2つのホーンのうちの一方のホーンにおける前記フォークにて係合する前記ピンによって与えられる力の作用によって弾性変形をすることによって、前記アンカーは前記フォークに平行な前記アンカーの基本平面内にて曲がることができるように構成しており、
    前記アンカーは、前記弾性変形の間に、前記計時器用ムーブメントが通常の機能時に前記機械式共振器が有することができる最大の機械的エネルギーを前記アンカーが弾性的に吸収することを可能にするような弾性的能力を前記2つの機械的パレットのそれぞれと前記フォークの間にて有する
    ことを特徴とする計時器用ムーブメント。
  2. 前記エスケープ又は前記エスケープ車の駆動機構は、前記計時器用ムーブメントの通常の機能時に、前記エスケープ車(16)が、前記計時器用ムーブメントの通常の機能時に前記機械式共振器(2)の振動を維持するための実質的に一定のエネルギーを有する維持パルスを前記アンカーに与える
    ことを特徴とする請求項1に記載の計時器用ムーブメント。
  3. 前記エスケープは、前記エスケープ車と前記アンカーを磁気的に結合する磁気的システム(30、32、36)を備え、
    この磁気的システムは、計時器用ムーブメントの通常の機能の間に、一定のエネルギーを有する前記維持パルスを形成する磁気パルスを発生させるように構成している
    ことを特徴とする請求項2に記載の計時器用ムーブメント。
  4. 前記突出部(42)は、前記計時器用ムーブメントの通常の機能時に、前記エスケープ車のステップごとの回転の順次的なステップの終わりにて、前記突出部の間にて前記2つの機械的パレットを交互に用いて、衝撃に起因する前記エスケープ車(16)の運動エネルギーの吸収を可能にするように構成している
    ことを特徴とする請求項3に記載の計時器用ムーブメント。
  5. 前記突出部(42)は、前記計時器用ムーブメントが止まった後にバレルばねがリセットされたときに、前記機械式共振器(2)と前記エスケープ(12)によって形成されるアセンブリーの自動始動を可能にするように構成しており、これによって、前記エスケープ車が再度回転駆動される
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の計時器用ムーブメント。
  6. 前記磁気パルスは、2つの磁気的パレットを形成する2つの磁石(30、32)をそれぞれ支持する2つの機械的パレット(28、29)にて発生し、
    前記アンカーは、前記計時器用ムーブメントの通常の機能時に、磁気パルスのそれぞれによって発生する実質的に磁気的な力結合をフォーク(18)に伝達することができるように構成しており、これによって、前記機械式共振器の振動を維持する
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の計時器用ムーブメント。
  7. 前記スティック(20)は、曲がっており、特に、全体的に「白鳥の首」状に曲がっている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の計時器用ムーブメント。
  8. 前記2つの機械的パレットそれぞれの端面と前記フォークの間の前記アンカーの幾何学的中央線は、対応するアーム(24、26)と一緒に関心事の機械的パレット(29)によって、そして、前記スティック(20)によって、それぞれ定められる2つの区画(24a、20a及び26a、20a)にわたる合計長さを有し、
    この合計長さは、前記端面上の前記幾何学的中心線の点と、前記フォークの前記2つのホーンによって形成される空洞の基部の中央の間の直線(52)の長さの少なくとも2倍である
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の計時器用ムーブメント。
  9. 前記接続部分(25)、前記スティック(20)、及び前記2つのアーム(24、26)は、一体化された部品によって形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の計時器用ムーブメント。
  10. 前記一体化された部品は、金属材料によって作られている
    ことを特徴とする請求項9に記載の計時器用ムーブメント。
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