JP2021138947A - 樹脂組成物、硬化膜および樹脂被覆ガラス基板 - Google Patents

樹脂組成物、硬化膜および樹脂被覆ガラス基板 Download PDF

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秀行 小林
Hideyuki Kobayashi
秀行 小林
充史 諏訪
Mitsufumi Suwa
充史 諏訪
雄介 福崎
Yusuke Fukuzaki
雄介 福崎
達也 神崎
Tatsuya Kanzaki
達也 神崎
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Abstract

【課題】ガラス面強度が高く、無機膜や有機膜との密着性に優れる硬化膜を形成することができる樹脂組成物を提供する。【解決手段】少なくとも(A)分子構造中に、一般式(1)で表される部分構造と、1つ以上の脂肪族環状炭化水素が付加したエチレンからなる部分構造とを有する樹脂、(B)密着性改良剤、(C)有機溶媒および(D)界面活性剤を有する樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物とその硬化膜および樹脂被覆ガラス基板に関する。
近年、ウェアラブル端末、スマートフォン、タブレットPC(パーソナルコンピューター)などの各種表示端末は、液晶表示装置や有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置などの表示パネルの前面に、印刷用着色インキ等により加飾膜が形成されたカバーガラスを張り合わせた構成を有している。また、一部表示端末においては、ガラス上に透明電極を有する、タッチセンサー機能が付与されたカバーガラスも適用されている。しかしながら、これらの表示端末には、カバーガラスのガラス自体の強度の不足や、ガラス上の透明電極等の無機膜によるガラス強度の低下により、表示端末を落下させた場合にカバーガラスが破損しやすい課題があった。
タッチセンサー機能を有するカバーガラスとしては、カバーガラス上に導電膜およびセンサーを直接形成した、1枚のガラスが、カバーガラスとタッチセンサーの両方の機能を有するカバーガラス一体型タッチパネルが提案されている。このような構成においては、ガラス上に遮光層を形成し、遮光層上にさらに導電膜やITOなどの配線が形成されることが一般的である。カバーガラス一体型タッチパネルの製造方法として、例えば、スクリーン印刷法によりカバーガラス基板上に加飾部を形成する工程と、カバーガラス基板上の加飾部を研磨する工程と、カバーガラス基板上にオーバーコート層を塗布する工程と、オーバーコート層の上にタッチパネルセンサーを形成する工程と、タッチパネルセンサーごとにカバーガラス基板を断裁する工程と、をこの順で含む加飾カバーガラス一体型タッチパネルの製造方法(例えば、特許文献1参照)がある。しかしながら、そのような製造方法においては、ガラス面強度が不足するという課題があった。
そこで、強度を向上させる技術として、例えば、ガラス板と、透明導電膜と、透明な有機化合物からなる下地絶縁膜とを備えるセンサー一体型カバーガラス(例えば、特許文献2参照)、透光性化学強化ガラス基板と、樹脂層とを有する、表示装置用の保護板用基板(例えば、特許文献3参照)、強化処理ガラスと、透明導電膜と、硬化膜とを有する画像表示装置の前面板(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。
また、タッチパネルの表面保護膜に適した組成物として、例えば、カルボキシル基を有するトリアルコキシシランと、メタクリル基及び/又はアクリル基を有するトリアルコキシシランと、を含むトリアルコキシシランを、加水分解及び縮合させて得られるポリシロキサン、光ラジカル開始剤、(メタ)アクリロイル基及びイソシアヌレート構造を有する化合物、及び、無機粒子、を含有する、感光性シロキサン組成物(例えば、特許文献5参照)などが提案されている。
特開2012−155644号公報 国際公開第2014/30599号 特開2014−228615号公報 特開2016−124720号公報 特開2015−64516号公報
特許文献2〜3に記載された技術により、ガラス面強度を向上させることができるものの、さらに高いガラス面強度が求められている。また、近年、意匠性向上を目的として、カバーガラス上に光学調整層などの無機膜や着色層などの有機膜を形成する検討がなされており、樹脂層には各層との優れた密着性が要求されている。さらに、無機膜や有機膜の形成は、加熱や、熱水処理などを必要とするため、樹脂層には良好な耐熱性や耐水性が必要とされている。特許文献2〜3に記載された樹脂層上に無機膜や有機膜を形成すると、積層界面で剥がれが発生しやすく、無機膜や有機膜との密着性に課題があった。また、特許文献4に記載された技術により、ガラス面強度を向上させることができるものの、無機膜や有機膜との密着性が不十分である課題があった。また、特許文献5に記載された硬化膜についても、無機膜との密着性が不十分である課題があった。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み創案されたもので、ガラス面強度が高く、無機膜や有機膜との密着性に優れ、良好な耐熱性や耐水性を有する、硬化膜を形成することができる樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)特定の構造を有する樹脂、(B)密着性改良剤、(C)有機溶媒および(D)界面活性剤を組み合わせることにより、本発明の課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の目的は以下の構成により達成される。
少なくとも(A)分子構造中に、一般式(1)で表される部分構造と、一般式(2)で表される部分構造とを有する樹脂、(B)密着性改良剤、(C)有機溶媒および(D)界面活性剤を有する樹脂組成物。
Figure 2021138947
(一般式(1)中、ZおよびZは同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1以上20以下の有機基である。)
Figure 2021138947
(一般式(2)中、Y〜Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1以上20以下の有機基であり、かつ、Y〜Yのうち少なくとも一つは、脂肪族環状炭化水素基である。)
本発明によれば、ガラス面強度が高く、無機膜や有機膜との密着性に優れ、良好な耐熱性や耐水性を有する、硬化膜を得ることができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも(A)分子構造中に、一般式(1)で表される部分構造と、一般式(2)で表される部分構造とを有する樹脂、(B)密着性改良剤、(C)有機溶媒および(D)界面活性剤を有することを特徴とする。
少なくとも(A)分子構造中に、一般式(1)で表される部分構造と、一般式(2)で表される部分構造とを有する樹脂を含有することにより、ガラス面強度が高く、無機膜や有機膜との密着性に優れ、良好な耐熱性と耐水性を有する硬化膜を得ることができる。また、(B)密着性改良剤を含有することにより、無機膜や有機膜との密着性がさらに優れる、硬化膜を得ることができる。また、(C)有機溶媒を含有することにより、樹脂組成物を塗布に適した粘度に容易に調整し、塗布膜の均一性を向上させることができる。さらに、(D)界面活性剤を有することにより、塗布時のフロー性を向上させ、塗布膜の均一性を向上させることができる。
(A)樹脂
(A)分子構造中に、一般式(1)で表される部分構造と、一般式(2)で表される部分構造とを有する樹脂である。
Figure 2021138947
一般式(1)中、ZおよびZは同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1以上20以下の有機基である。
Figure 2021138947
一般式(2)中、Y〜Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1以上20以下の有機基であり、かつ、Y〜Yのうち少なくとも一つは、脂肪族環状炭化水素基である。
(A)樹脂は、一般式(1)で表される構造式を含有することで、分子極性を有し、無機膜や有機膜との密着性に優れた硬化膜となる。また、耐熱性を向上させることが可能で、入手も容易であるという観点から、一般式(1)で表される部分構造において、Zは水素またはメチル基であることが好ましく、メチル基であることが、さらに好ましい。
(A)樹脂のZは、水素原子または炭素数1以上20以下の有機基である。さらに、Zは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基またはヘテロアリール基が好ましい。これらの基は、上述の置換基により置換されていてもよい。「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは、水素原子または重水素原子が置換したことを意味する。以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、上記と同様である。
アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。置換されている場合の追加の置換基には特に制限は無く、例えば、アルキル基、ハロゲン、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、好ましくは1以上20以下、より好ましくは1以上8以下の範囲である。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキル基部分の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、3以上20以下の範囲である。
これらの中で、Zとしては、入手の容易性やコストの点から、メチル基であることがより好ましい。
また、樹脂の耐熱性および耐水性を高める観点から、(A)樹脂中の一般式(2)で表される部分構造において、Y〜Yは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基またはヘテロアリール基が好ましい。また、これらの基は、さらに上述の置換基により置換されていてもよい。
ただし、Y〜Yのうち少なくとも一つは、脂肪族環状炭化水素基である。脂肪族環状炭化水素基とは、置換もしくは無置換の飽和環状炭化水素(シクロアルキル)基、不飽和環状炭化水素(シクロアルケニル)基などが挙げられる。なかでも、耐熱性および耐水性の観点から、飽和環状炭化水素(シクロアルキル)基が好ましい。
脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子数は、特に限定されないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である。
脂肪族環状炭化水素基を構成する炭素原子数がこれらの範囲内であることで、高い耐水性を得ることができる。
飽和環状炭化水素(シクロアルキル)基の具体例としては例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−ジビニルベンゼン、アルコキシスチレン、クロロスチレン、スチルベン、1−ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、トリフェニルエチレン、テトラフェニルエチレン、4−ビニルビフェニルなどの芳香族ビニル系モノマーの重合体の芳香環部分を水素化したものなどが挙げられる。また、ビニルシクロヘキサンなどのように飽和環状炭化水素基を有するビニルモノマーを原料として使用することも可能である。
本発明において、Y〜Yのうち少なくとも一つが脂肪族環状炭化水素基であれば、それらの組み合わせに特に制限はないが、入手の容易性やコストの観点から、Y〜Yのうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のシクロヘキシル基であることが好ましい。また、Y〜Yのうち一つが置換もしくは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つが水素原子であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物に含まれる(A)樹脂中の、一般式(1)で表される部分構造の繰り返し単位の含有量は、特に限定されないが、(A)樹脂の総量のうち、30重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましく、70重量%以上が特に好ましい。一般式(1)で表される部分構造の繰り返し単位の割合が上記範囲であることにより、ガラス面強度が高く、無機膜や有機膜との密着性に優れ、良好な耐熱性を有する硬化膜を得ることができる。また、本発明の樹脂組成物に含まれる(A)樹脂中の、一般式(1)で表される部分構造の繰り返し単位の含有量は、(A)樹脂の総量のうち、95重量%以下が好ましく、90重量%以下がより好ましく、85重量%以下がさらに好ましい。一般式(1)で表される部分構造の繰り返し単位の割合が上記範囲であることにより、樹脂組成物を硬化膜とした時の耐水性に優れる。
本発明の樹脂組成物に含まれる(A)樹脂中の、一般式(2)で表される部分構造の繰り返し単位の含有量は、特に限定されないが、(A)樹脂の総量のうち、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上が特に好ましい。一般式(2)で表される部分構造の繰り返し単位の含有量が上記範囲であることで、良好な耐水性を得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物に含まれる(A)樹脂中の、一般式(2)で表される部分構造の繰り返し単位の含有量は、(A)樹脂の総量のうち、70重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。一般式(2)で表される部分構造の繰り返し単位の割合が上記範囲であることにより、樹脂組成物を硬化膜とした時に、透明性に優れた硬化膜とすることができる。
(A)樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ガラス面強度の観点から、50,000以上が好ましく、70,000以上がより好ましく、100,000以上がさらに好ましい。また、塗布性の観点から、500,000以下が好ましく、300,000以下がより好ましく、200,000以下がさらに好ましい。重量平均分子量が上記範囲内にあれば、ガラス面強度が高く、耐水性に優れた硬化膜とすることができる。
本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定した値である。具体的には、サンプルを孔径0.45μmメンブレンフィルターで濾過後、GPC(東ソー(株)製HLC−82A)(展開溶剤:テトラヒドロフラン、展開速度:1.0ml/分、カラム:東ソー株式会社製 TSKgelG2000HXL)を用いてポリスチレン換算により求められる値である。
(A)樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜200℃が好ましく、100〜160℃がより好ましい。上記範囲内であれば、該組成物から形成される硬化膜において、より高いガラス面強度を得ることができる。
ガラス転移点は、市販の測定器[例えば、セイコー電子工業社製の示差走査熱量計(商品名 DSC6220 昇温速度 0.5℃/min)]によって、測定可能である。
これらの樹脂の合成方法は特に限定されず、公知の方法、例えば各原料モノマーを重合開始剤の存在下で共重合させるなどの方法を適宜利用することができるし、市販品を用いることもできる。(B)成分の樹脂に該当する市販品としては、三菱瓦斯化学(株)製Optimas7500、Optimas6000などが挙げられるが、これらに限定されない。
(B)密着性改良剤
本発明の樹脂組成物に密着性改良剤を含有することにより、無機膜や有機膜との密着性が向上し、信頼性の高い硬化膜を得ることができる。密着性改良剤としては、例えば、脂環式エポキシ化合物や、シランカップリング剤などが挙げられる。脂環式エポキシ化合物としては、例えば、3’,4’−エポキシシクロヘキシメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、ε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)修飾ε−カプロラクトン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールEジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAビス(プロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、水添ビスフェノールAビス(エチレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシランや、下記一般式(3)で表される化合物挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
Figure 2021138947
上記一般式(3)中、各Rはそれぞれ同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基を表す。アルキル基はさらに置換基を有していても良い。nは0あるいは1を表す。Rは炭素数3〜30の3価の有機基を表す。Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、ヒドロキシル基、およびフェノキシ基を表す。なお、Rのこれらの基のうち、ヒドロキシル基以外はさらに置換基を有していても良い。
上記一般式(3)で示されるシランカップリング剤としては、例えば、3−(tert−ブチルカルバモイル)―6−(トリメトキシシリル)ヘキサン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(イソプロピルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)ヘキサン酸、2−(2−(イソプロピルアミノ)−2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(イソブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)ヘキサン酸、3−(tert−ペンチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)ヘキサン酸、2−(2―(tert−ペンチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、6−(ジメトキシメチルシリル)−3−(tert−ブチルカルバモイル)ヘキサン酸、5−(ジメトキシ(メチル)シリル−2−(2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル)ペンタン酸、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ブタン酸、2−(tert−ブチルカルバモイル)−4−(2−(トリメトキシシリル)エチル)シクロヘキサンカルボン酸、2−(tert−ブチルカルバモイル)−5−(2−(トリメトキシシリル)エチル)シクロヘキサンカルボン酸などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の樹脂組成物における密着性改良剤の含有量は、基板との密着性をより向上させる観点から、固形分中、0.1重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。一方、密着性改良剤の含有量は、加熱による色変化を抑制する観点から、固形分中、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
(C)有機溶剤
本発明の樹脂有機溶媒として、大気圧下の沸点が150℃以上、250℃以下の有機溶媒と、150℃未満の有機溶媒を組み合わせることが好ましい。沸点が150℃以上、250℃以下の有機溶媒を含有することにより、塗布時に適度に有機溶媒が揮発して塗膜の乾燥が進行するため、塗布ムラを抑制し、膜厚均一性を向上させることができる。さらに、大気圧下の沸点が150℃未満の有機溶媒を含有することにより、後述する本発明の硬化膜中への有機溶媒の残存を抑制することができる。硬化膜中への有機溶媒の残存を抑制し、耐薬品性および密着性を長期間より向上させる観点から、大気圧下の沸点が150℃未満の有機溶媒を、有機溶媒全体の50重量%以上含有することが好ましい。
大気圧下の沸点が150℃未満の有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソペンチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸メトキシメチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−メトキシプロピル−2−アセテート、アセトール、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、乳酸メチル、トルエン、シクロペンタノン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、ベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノンが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
大気圧下の沸点が150℃以上、250℃以下の有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、酢酸2−エトキシエチル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、乳酸エチル、乳酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
有機溶媒の含有量は、塗布方法などに応じて任意に設定することができる。例えば、スピンコーティングにより膜形成を行う場合には、樹脂組成物中、50重量%以上、95重量%以下とすることが一般的である。
(D)界面活性剤
界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;含フッ素熱分解性界面活性剤;ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤;ポリアルキレンオキシド系界面活性剤;ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤;ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤;ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
これらの中でも、はじき等の塗布性不良を抑制するとともに、表面張力を低減し塗膜乾燥時のムラを抑制する観点から、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、含フッ素熱分解性界面活性剤、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤が好ましい。また、含フッ素熱分解性界面活性剤は、硬化膜の形成時に熱分解するため、膜の表面状態が変化し、無機膜や有機膜との密着性が向上するため、さらに好ましい。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、“メガファック”(登録商標)F142D、同F172、同F173、同F183、同F445、同F470、同F475、同F477(以上、DIC(株)製)、NBX−15、FTX−218((株)ネオス製)などが挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、“BYK”(登録商標)−333、BYK−301、BYK−331、BYK−345、BYK−307(ビックケミー・ジャパン(株)製)などが挙げられる。含フッ素熱分解性界面活性剤の市販品としては、例えば、“メガファック”(登録商標)DS−21(DIC(株)製)などが挙げられる。ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤の市販品としては、例えば、“BYK”(登録商標)−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、“シルフェイス”(登録商標)SAG002、同SAG005、同SAG0503A、同SAG008(以上、日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、(E)着色剤をさらに含有してもよい。(E)着色剤を含有することで、樹脂層の色味を調整し、カバーガラスの強化に加えて、意匠性を向上させることも可能となる。(E)着色剤としては、例えば、以下に記載する顔料を使用することが好ましい。好ましい赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(以下、「PR」)PR7、PR9、PR14、PR41、PR48、PR48:1、PR48:2、PR48:3、PR48:4、PR57:1、PR81、PR81:1、PR81:2、PR81:3、PR81:4、PR97、PR122、PR123、PR144、PR146、PR149、PR166、PR168、PR169、PR176、PR177、PR178、PR179、PR180、PR184、PR185、PR187、PR192、PR200、PR202、PR208、PR209、PR210、PR215、PR216、PR217、PR220、PR223、PR224、PR226、PR227、PR228、PR240、PR242、PR246、PR254,PR255、PR255、PR264、PR270、PR272、PR273、PR274、PR276、PR277、PR278、PR279、PR280、PR281,PR283、PR284、PR285、PR286、PR287などが挙げられる。またBr−DPPのような臭素化ジケトピロロピロールを用いることも好ましい。
好ましい黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(以下、「PY」)12、PY13、PY17、PY20、PY24、PY83、PY86、PY93、PY95、PY109、PY110、PY117、PY125、PY129、PY137、PY138、PY139、PY147、PY148、PY150、PY153、PY154、PY166、PY168、PY85などが挙げられる。
好ましいオレンジ色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ(以下、「PO」)13、PO31、PO36、PO38、PO40、PO42、PO43、PO51、PO55、PO59、PO61、PO64、PO65、PO71などが挙げられる。好ましい緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリ−ン(以下、「PG」)7、PG10、PG36、PG37、PG58、PG59などが挙げられる。
好ましい青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(以下、「PB」)15:3、PB15:4、PB15:6、PB21、PB22、PB60又はPB64などが挙げられる。
好ましい紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット(以下「PV」)19、PV23、PV29、PV30、PV37、PV40又はPV50などが挙げられる(以上、番号はいずれもカラーインデックスNo.)。
前述の顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理又は塩基性処理等の表面処理がされていても構わず、分散剤として顔料誘導体が添加されていても構わない。
また(E)着色剤として、染料を使用することも好ましい。好ましい染料としては、例えば、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料、酸性媒染染料などが挙げられる。また、上記染料をレーキ化して用いたり、染料と含窒素化合物との造塩化合物として用いることも好ましい。これら染料の具体例としては、例えば、アゾ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、ローダミン系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、メロシアニン系染料、スチルベン系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、フルオラン系染料、スピロピラン系染料、フタロシアニン系染料、インジゴ系染料、フルギド系染料、ニッケル錯体系染料又はアズレン系染料が挙げられる。染料は樹脂組成物中に溶解させても、顔料のように粒子として分散しても良い。
本発明の樹脂組成物における(E)着色剤は、前述の顔料と染料を2種類以上含有しても良い。
本発明の樹脂組成物に占める着色剤の割合は、固形分中の1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましい。固形分中に占める着色剤の割合が1重量%以上であると、カバーガラスの意匠性を向上させることが可能になる。また、着色剤以外の構成成分と良好な相溶性を有し、優れた塗布性を発現する観点から、固形分中に占める着色剤の割合が30重量%以下であることが好ましい。
顔料を含有する樹脂組成物の場合、顔料、樹脂及び溶剤、並びに、適宜追加される分散剤を、分散機により分散して顔料分散液を調製した後、その他の各種材料を加えることによって製造できる。顔料は、予めその粉体に溶剤等を添加して、分散機により剪断応力を印加し、二次粒子(粒子径は1〜50μm程度)を微細化しておく必要がある。剪断応力を印加するための分散機としては、例えば、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、3本ロールミルおよびアトライター等が挙げられるが、分散効率に優れるビーズミルが好ましい。ビーズミルで用いる分散ビーズとしては、ジルコニアビーズ、アルミナビーズおよびガラスビーズなどが挙げられるが、ジルコニアビーズが好ましい。
上記の分散剤としては、例えば、顔料の中間体若しくは顔料の誘導体等の低分子分散剤又は高分子分散剤が挙げられる。顔料の誘導体としては、例えば、顔料の適度な湿潤や安定化を保つための、主顔料構造のアルキルアミン変性体、カルボン酸誘導体又はスルホン酸誘導体などが挙げられるが、微細顔料の安定化に顕著な効果を有する、顔料骨格のスルホン酸誘導体が好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ポリエステル、ポリアルキルアミン、ポリアリルアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミドおよびポリアミドイミド等の重合体又は共重合体などが挙げられる。
中でも、塩基性基を有する高分子分散剤が好ましい。塩基性基を有する、市販品の高分子分散剤としては、例えば、“ソルスパース”(登録商標。以下同じ。)(アビシア社製)、“EFKA”(登録商標)(エフカ社製)、“アジスパー”(登録商標。以下同じ)(味の素ファインテクノ社製)および“BYK”(登録商標)(ビックケミー社製)などが挙げられるが、中でも“ソルスパース”24000、“EFKA”4300、同じく4330、4340、“アジスパー”PB821同じくPB822ならびに“BYK”161、161、163、2000、2001、6919および21116が好ましい。高分子分散剤の添加量は、顔料に対して2〜100質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。高分子分散剤の添加量を2質量%よりおおきくすることで、良好な顔料分散安定性を得ることができる。一方、100質量%以下とすることで、顔料以外の成分と良好な相溶性を確保することができる。分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤、リン酸系分散剤、シリコーン系分散剤などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、架橋剤をさらに含有してもよい。本発明の脂組成物に架橋剤を含有することにより、樹脂の架橋が促進され、硬化膜の架橋度が高くなり、硬化膜の信頼性が向上する。硬化剤としては、例えば、窒素含有有機物、イソシアネート化合物およびその重合体、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、硬化剤の安定性、塗布膜の加工性などの観点から、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体が好ましく用いられる。
次に、本発明の樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の樹脂組成物の製造方法としては、(A)樹脂、(B)密着性改良剤、(C)有機溶剤(D)界面活性剤、および必要に応じてその他成分を撹拌・混合する方法が一般的である。
本発明の樹脂組成物を硬化させることにより、本発明の硬化膜を得ることができる。
次に、本発明の樹脂組成物から硬化膜を形成する方法について、例を挙げて説明する。
樹脂組成物をガラス基板上に塗布して、塗膜を得る。ガラス基板としては、例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、およびこれらガラスを用いた化学強化ガラス等が挙げられる。塗布方法としては、例えば、スピンナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ダイコーティング、ロールコーティングなどが挙げられる。塗膜の膜厚は、塗布方法等によって適宜選択することができる。乾燥後の膜厚を1〜150μmとすることが一般的である。
得られた塗膜を乾燥して、乾燥膜を得る。乾燥方法としては、例えば、加熱乾燥、風乾、減圧乾燥、赤外線照射等が挙げられる。加熱乾燥装置としては、例えば、オーブン、ホットプレートなどが挙げられる。乾燥温度は50〜150℃が好ましく、乾燥時間は1分間〜数時間が好ましい。さらに、加熱処理(ポストベイク)することにより、硬化膜を得ることができる。加熱処理は、空気中、窒素雰囲気下、真空状態のいずれで行ってもよい。加熱温度は120〜300℃が好ましく、加熱時間は0.25〜5時間が好ましい。加熱温度を連続的に変化させてもよいし、段階的に変化させてもよい。
本発明の樹脂組成物は、スマートフォンやタブレットPC等の表示デバイス、車載ディスプレイやインパネの前面に付与されるカバーガラスのガラス強化樹脂層形成に好適に利用できる。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
合成例、調製例および実施例に用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MMB−AC:3−メトキシ−3メチル−1−ブチルアセテート
<評価方法>
「塗布外観」
スピンコーター(商品名1H−360S、ミカサ(株)製)を用いて、各実施例および比較例により得られた樹脂組成物を、5cm角のテンパックスガラス基板上に、キュア後の膜厚が1.5μmとなるようにスピンコートし、ホットプレート(商品名SCW−636、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、温度90℃で2分間プリベークした後、オーブン(商品名IHPS−222、エスペック(株)製)を用いて、空気中、温度230℃で30分間キュアし、硬化膜を作製した。得られた硬化膜を蛍光灯下において目視観察し、以下の基準により膜厚ムラの有無を評価した。工業的利用の観点から、AおよびBを合格とした。
A:蛍光灯下での塗膜観察において、ムラが確認されない。
B:蛍光灯下での塗膜観察において、ムラが確認される。
「透過率」
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物を用いて、前述の<塗布外観>と同様の方法で硬化膜を作成した。硬化膜について、紫外−可視分光光度計UV−2600((株)島津製作所製)を用いて、膜厚1.5μm、測定波長400nmにおける透過率を測定した。
「ガラス面強度」
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物を用いて、前述の<塗布外観>と同様の方法で硬化膜を作成した。得られた硬化膜をサポートリング(φ35mm)上に置き、ロードリング(φ17.5mm)を10mm/minの速度で押し込んだ際にガラスが破断する強度を静的試験装置AG−Xplus((株)島津製作所製)により測定し、以下の基準によりガラス面強度を判定した。工業的利用の観点から、AおよびBを合格とした。なお、硬化膜のないガラスのみでのガラス面強度は800MPaであった。
A:ガラス面強度が1000MPa以上。
B:ガラス面強度が900MPa以上100MPa未満。
C:ガラス面強度が800以上900MPa未満。
「ガラス基板との密着性」
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物を用いて、前述の<塗布外観>と同様の方法で硬化膜を作成した。さらに、硬化膜付きガラス基板を沸騰した純水に10分間浸漬し、熱水処理を実施した。熱水処理前の硬化膜を付きガラス基板と、熱水処理後の硬化膜付きガラス基板について、JIS「K5400」8.5.2(1990)碁盤目テープ法に準じて硬化膜とガラス基板との密着性を評価した。すなわち、ガラス基板上の硬化膜の膜表面に、カッターナイフでガラス板の素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作製した。切られた硬化膜表面にセロハン粘着テープ(幅=18mm、粘着力=3.7N/10mm)を張り付け、消しゴム(JIS S6050合格品)で擦って密着させ、テープの一端を持ち、板に直角に保ち瞬間的に剥離した。その後、マス目の残存数を目視によって計数し、マス目の剥離面積により以下のように判定し、3B以上を合格とした。
5B:剥離面積=0%
4B:剥離面積=0%を超え5%未満
3B:剥離面積=5%以上15%未満
2B:剥離面積=15%以上35%未満
1B:剥離面積=35%以上65%未満
0B:剥離面積=65%以上100%未満。
「有機膜との密着性」
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物を用いて、前述の<塗布外観>と同様の方法で硬化膜を作成した。得られた硬化膜の上に、スクリーン印刷機を用いて、黒色インク(帝国インキ製造(株)製、GLS−HF979)を乾燥後膜厚が8μmとなるように塗布し、熱風オーブンにより160℃、1時間加熱して熱硬化させた。さらに、硬化膜および黒色膜を積層したガラス基板を沸騰した純水に10分間浸漬し、熱水処理を実施した。熱水処理前の硬化膜と黒色膜を積層したガラス基板、熱水処理後の硬化膜と黒色膜を積層したガラス基板について、JIS「K5400」8.5.2(1990)碁盤目テープ法に準じて硬化膜と黒色膜との密着性を評価した。すなわち、ガラス基板上の硬化膜と黒色膜の積層膜表面に、カッターナイフでガラス板の素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作製した。切られた黒色膜表面にセロハン粘着テープ(幅=18mm、粘着力=3.7N/10mm)を張り付け、消しゴム(JIS S6050合格品)で擦って密着させ、テープの一端を持ち、板に直角に保ち瞬間的に剥離した。その後、黒色膜のみが硬化膜の表面から剥離したマス目の数を目視によって計数した。
剥離されなかったマス目のうち、黒色膜のみ剥離したマス目について、その面積により以下のように判定し、3B以上を合格とした。
5B:剥離面積=0%
4B:剥離面積=0%を超え5%未満
3B:剥離面積=5%以上15%未満
2B:剥離面積=15%以上35%未満
1B:剥離面積=35%以上65%未満
0B:剥離面積=65%以上100%未満。
「金属無機膜との密着性」
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物を用いて、前述の<塗布外観>と同様の方法で硬化膜を作成した。得られた硬化膜の上に、SiOを膜厚100nmになるよう90℃で蒸着し、さらにNbを膜厚100nmになるよう90℃で蒸着した。さらに、硬化膜とSiO膜およびNb膜を積層したガラス基板を沸騰した純水に10分間浸漬し、熱水処理を施した。熱水処理前の硬化膜とSiO膜およびNb膜を積層したガラス基板と、熱水処理後の硬化膜とSiO膜およびNb膜を積層したガラス基板について、JIS「K5400」8.5.2(1990)碁盤目テープ法に準じて硬化膜と無機膜との密着性を評価した。すなわち、ガラス基板上の硬化膜と無機膜の積層膜表面に、カッターナイフでガラス板の素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作製した。切られた金属無機膜の表面にセロハン粘着テープ(幅=18mm、粘着力=3.7N/10mm)を張り付け、消しゴム(JIS S6050合格品)で擦って密着させ、テープの一端を持ち、板に直角に保ち瞬間的に剥離した際。その後、金属無機膜のみが硬化膜の表面から剥離したマス目の数を目視によって計数した。
剥離されなかったマス目のうち、金属無機膜のみ剥離したマス目について、その面積により以下のように判定し、3B以上を合格とした。
5B:剥離面積=0%
4B:剥離面積=0%を超え5%未満
3B:剥離面積=5%以上15%未満
2B:剥離面積=15%以上35%未満
1B:剥離面積=35%以上65%未満
0B:剥離面積=65%以上100%未満。
「重量平均分子量測定」
合成例1〜13における(A)樹脂の重量平均分子量は、以下の方法により求めた。GPC分析装置(HLC−8220;東ソー(株)製)を用い、流動層としてテトラヒドロフランを用いて、「JIS K7252−3(制定年月日:2008/03/20)」に基づきGPC分析を行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
H−NMRの測定」
合成例1〜13における(A)樹脂のH−NMRは、超伝導FTNMR EX−270(日本電子(株)製)を用い、重クロロホルム溶液にて測定を行った。
合成例1 樹脂(A−1)
モノマー成分として、メタクリル酸メチル74.5重量とスチレン24.5重量%、および、重合開始剤として、0.005重量%のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、からなるモノマー組成物100重量部に対し、溶媒としてジエチレングリコールジエチルエーテルを400重量部の割合で混合し、ヘリカルリボン付き10リットル混合槽に1kg/時間で連続的にフィードして、平均滞留時間2.5時間、重合温度150℃で連続重合を行った。
重合槽液面が一定となるように、底部から重合液を抜き出し、150℃に維持しながら、ベント口を備えた押出機に導入して揮発分を脱揮しつつ樹脂を押し出した。
得られた樹脂をジオキサンに溶解し、10重量%ジオキサン溶液を調製した。1000mLオートクレーブ装置に10重量%ジオキサン溶液を500重量部、10重量%Pd/C(和光純薬(株)製)を1重量部仕込み、水素圧10MPaで、200℃で15時間保持して、スチレン由来の芳香環の水素化反応を行った。フィルターによりPd/Cを除去した後、得られた樹脂液をメタノール中に沈殿精製することで、樹脂(A−1)を得た。なお、得られた樹脂(A−1)の重量平均分子量は150,000(ポリスチレン換算)であった。
H−NMR測定により、樹脂(A−1)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂(A−1)は、一般式(1)で表される部分構造を75.0重量%、一般式(2)表される部分構造を25.0重量%含む樹脂であることがわかった。また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち、一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。
合成例2 樹脂(A−2)の合成
モノマー成分として、メタクリル酸メチル29.5重量%とスチレン70.5重量%、および、重合開始剤として0.005重量%のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエートからなるモノマー組成物、を用いたこと以外は樹脂(A−1)と同様の操作を行い、樹脂(A−2)を合成した。なお、得られた樹脂(A−2)の重量平均分子量は107,000(ポリスチレン換算)であった。

H−NMR測定により、樹脂(A−2)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂(A−2)は、一般式(1)で表される部分構造を30.0重量%、一般式(2)表される部分構造を70.0重量%含む樹脂であることがわかった。また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。
合成例3 樹脂(A−3)
モノマー成分として、メタクリル酸メチル49.0重量%とスチレン51.0重量%、および、重合開始剤として0.005重量%のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエートからなるモノマー組成物、を用いたこと以外は樹脂(A−1)と同様の操作を行い、樹脂(A−3)を合成した。なお、得られた樹脂(A−3)の重量平均分子量は125,000(ポリスチレン換算)であった。
H−NMR測定により、樹脂(A−3)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂Bは、一般式(1)で表される部分構造を50.0重量%、一般式(2)表される部分構造を50.0重量%含む樹脂であることがわかった。また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち、一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。
合成例4 樹脂(A−4)の合成
モノマー成分として、メタクリル酸メチル59.0重量%とスチレン41.0重量%、および、重合開始剤として0.005重量%のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエートからなるモノマー組成物、を用いたこと以外は樹脂(A−1)と同様の操作を行い、樹脂(A−4)を合成した。なお、得られた樹脂(A−4)の重量平均分子量は134,000(ポリスチレン換算)であった。
H−NMR測定により、樹脂(A−4)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂Cは、一般式(1)で表される部分構造を60.0重量%、一般式(2)表される部分構造を40.0重量%含む樹脂であることがわかった。また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち、一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。
合成例5 樹脂(A−5)の合成
モノマー成分として、メタクリル酸メチル84.0重量%とスチレン16.0重量%、および、重合開始剤として0.005重量%のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエートからなるモノマー組成物、を用いたこと以外は樹脂(A−1)と同様の操作を行い、樹脂(A−5)を合成した。なお、得られた樹脂(A−5)の重量平均分子量は163,000(ポリスチレン換算)であった。
H−NMR測定により、樹脂(A−5)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂Eは、一般式(1)で表される部分構造を85.0重量%、一般式(2)表される部分構造を15.0重量%含む樹脂であることがわかった。また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。
合成例6 樹脂(A−6)の合成
モノマー成分として、メタクリル酸メチル94.5重量%とスチレン5.5重量%、および、重合開始剤として0.005重量%のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエートからなるモノマー組成物、を用いたこと以外は樹脂(A−1)同様の操作を行い、樹脂(A−6)を合成した。なお、得られた樹脂(A−6)の重量平均分子量は173,000(ポリスチレン換算)であった。
H−NMR測定により、樹脂(A−6)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂(A−6)は、一般式(1)で表される部分構造を95.0重量%、一般式(2)表される部分構造を5.0重量%含む樹脂であることがわかった。また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。
合成例7 樹脂(A−7)の合成
樹脂(A−7)についてはOptimas6000(三菱瓦斯化学(株)製 PMMA−水添スチレン共重合体)を用いた。なお、得られた樹脂(A−7)の重量平均分子量は133,000(ポリスチレン換算)であった。
H−NMR測定により、樹脂(A−7)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)で表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂(A−7)は、一般式(1)で表される部分構造を61.0重量%、一般式(2)表される部分構造を39.0重量%含む樹脂であることがわかった。また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。
合成例8 樹脂(A−8)の合成
樹脂(A−8)についてはOptimas7500(三菱瓦斯化学(株)製 PMMA−水添スチレン共重合体)を用いた。なお、得られた樹脂(A−8)の重量平均分子量は156,000(ポリスチレン換算)であった。
H−NMR測定により、樹脂(A−8)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂Hは、一般式(1)で表される部分構造を77.0重量%、一般式(2)表される部分構造を23.0重量%含む樹脂であることがわかった。また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。
合成例9 樹脂(A−9)の合成
モノマー成分として、アクリル酸メチル74.7重量%とスチレン24.3重量%、および、重合開始剤として0.005重量%のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、からなるモノマー組成物、を用いたこと以外は樹脂(A−1)と同様の操作を行い、樹脂(A−9)を合成した。なお、得られた樹脂(A−9)の重量平均分子量は153,000(ポリスチレン換算)であった。
H−NMR測定により、樹脂(A−9)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂(A−9)は、一般式(1)で表される部分構造を75.0重量%、一般式(2)表される部分構造を25.0重量%含む樹脂であることがわかった。
また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。
合成例10 樹脂(A−10)
樹脂(A−10)についてはBR−85(三菱ケミカル(株)製、PMMA)を用いた。
H−NMR測定により、樹脂(A−10)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂(A−10)は、一般式(1)で表される部分構造を100.0重量%、一般式(2)表される部分構造を含まない樹脂であることがわかった。なお、得られた樹脂(A−10)の重量平均分子量は280,000(ポリスチレン換算)であった。
合成例11 樹脂(A−11)の合成
モノマー成分として、スチレン100.0重量%、および、重合開始剤として0.005重量% のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエートからなるモノマー組成物、を用いたこと以外は樹脂(A−1)と同様の操作を行い、樹脂(A−11)を合成した。
H−NMR測定により、樹脂(A−11)は、一般式(1)表される部分構造を含まず、一般式(2)表される構造を100重量%含む樹脂であることがわかった。また、一般式(2)で表される部分構造のY〜Yのうち一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であることがわかった。なお、得られた樹脂(A−11)の重量平均分子量は98,000(ポリスチレン換算)であった。
合成例12 樹脂(A−12)の合成
樹脂(A−12)についてはセプトンV9827(クラレ(株)製 水添スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)を用いた。樹脂(A−12)は、一般式(1)で表される部分構造は含まず、一般式(2)で表される部分構造を100重量%有し、かつY〜Yのうち一つは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つは水素原子であるが、一般式(1)で表される部分構造は含まない樹脂である。なお、得られた樹脂(A−12)の重量平均分子量は90,000(ポリスチレン換算)であった。
合成例13 樹脂(A−13)の合成
モノマー成分として、メタクリル酸メチル74.5重量%とスチレン24.5重量%、および、重合開始剤として0.005重量%のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエートからなるモノマー組成物を用い、スチレン由来の芳香環の水素化反応を実施しなかった以外は樹脂(A−1)と同様の操作を行い、樹脂(A−13)を合成した。
H−NMR測定により、樹脂(A−13)中の、一般式(1)で表される部分構造と一般式(2)表される部分構造との含有量を算出したところ、樹脂(A−13)は、一般式(1)で表される部分構造を75.0重量%、一般式(2)表される部分構造を持たない樹脂であることがわかった。
合成例14 シランカップリング剤(G―1)溶液
PGMEA200gに3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物41.97g(0.16mol)とt−ブチルアミン11.70g(0.16mol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、40℃にて2時間撹拌した。その後80℃まで昇温し、6時間加熱撹拌した。得られた溶液を固形分濃度が20重量%になるようにPGMEAを追加し、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸の混合溶液であるシランカップリング剤(G―1)溶液を得た。
〔実施例1〕
樹脂(A)として、樹脂(A―1)7.820gと、密着性改良剤(B)として、シランカップリング剤(G−1)の20重量%PGMEA希釈溶液0.800gを、有機溶媒(C)として、MMB−AC(沸点=174℃)36.80g、PGMEA(沸点=146℃)54.38gの混合溶媒に溶解させ、界面活性剤(D)として、含フッ素熱分解性界面活性剤(商品名「DS−21」DIC(株)製)のPGMEA10重量%溶液0.200g(濃度200ppmに相当)を加え、撹拌した。次いで1.00μmのフィルターでろ過を行い、固形分濃度8重量%の樹脂組成物(P−1)を得た。得られた樹脂組成物(P−1)について、前述の方法により、塗布外観、透過率、ガラス面強度、有機膜密着性、無機金属膜密着性を評価した。
[実施例2〜9]
樹脂(A−1)の代わりに、それぞれ樹脂(A−2)〜(A−9)を使用した以外は実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−2)〜(P−9)を得た。得られた樹脂組成物(P−2)〜(P−9)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例10]
樹脂(A―1)の量を7.940gに変更し、シランカップリング剤(G−1)の20重量%PGMEA希釈溶液の量を0.200gに変更し、混合溶媒のMMB−ACを36.80g、PGMEAを54.86gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−10)を得た。得られた樹脂組成物(P−10)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例11]
樹脂(A―1)の量を7.580gに変更し、シランカップリング剤(G−1)の20重量%PGMEA希釈溶液の量を2.000gに変更し、混合溶媒のMMB−ACを36.80g、PGMEAを53.42gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−11)を得た。得られた樹脂組成物(P−11)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例12]
シランカップリング剤(G−1)の代わりに、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(“セロキサイド”(登録商標)−2021P(商品名)、ダイセル(株)製)の20重量%PGMEA希釈溶液0.800gを使用した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−12)を得た。得られた樹脂組成物(P−12)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例13]
シランカップリング剤(G−1)の代わりに、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−303(商品名)、信越化学(株)製)の20重量%PGMEA希釈溶液0.800gを使用した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−13)を得た。得られた樹脂組成物(P−13)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例14]
含フッ素熱分解性界面活性剤(商品名「DS−21」DIC(株)製)のPGMEA10重量%溶液0.200gの代わりに、含フッ素界面活性剤(商品名「F−477」DIC(株)製)のPGMEA10重量%溶液0.200gを使用した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−14)を得た。得られた樹脂組成物(P−14)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例15]
樹脂(A―1)の量を7.420gに変更し、架橋剤として、メラミン樹脂化合物(“ニカラック”(登録商標)MW−100LM(商品名)、三和化成(株)製)0.400gを新たに添加し、混合溶媒のMMB−ACを36.80g、PGMEAを54.38gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−15)を得た。得られた樹脂組成物(P−15)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例16]
ピグメントブルー15:6(DIC(株)製 EP193)を150g、高分子分散剤(ビックケミー製“BYK”(登録商標)−6919(以下BYK6919))を75g、バインダーポリマー(ダイセル・オルネクス(株)製、“サイクロマーP”(登録商標)、(ACA)ZのPGMEA45重量%溶液(以下サイクロマー))を100g、PGMEAを675g混合してスラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーをダイノーミルとチューブでつなぎ、メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用して、周速14m/sで8時間の分散処理を行い、青用分散液(E−1)を調整した。
樹脂(A―1)の量を7.100gに変更し、混合溶媒のMMB−ACを36.80g、PGMEAを52.43gに変更し、青用分散液(E−1)を2.667g添加した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−16)を得た。得られた樹脂組成物(P−16)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例17]
有機溶媒(C)として、MMB−AC(沸点=174℃)を添加せず、有機溶媒をPGMEA91.18gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−17)を得た。得られた樹脂組成物(P−17)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[比較例1〜4]
樹脂(A−1)の代わりに、それぞれ樹脂(A−10)〜(A−13)を使用した以外は実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−18)〜(P−21)を得た。得られた樹脂組成物(P−18)〜(P−21)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[比較例5]
シランカップリング剤(G―1)溶液を添加せず、樹脂(A―1)の量を7.980gに変更し、混合溶媒のMMB−ACを36.80g、PGMEAを55.02gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−22)を得た。得られた樹脂組成物(P−22)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
[比較例6]
含フッ素熱分解性界面活性剤(商品名「DS−21」DIC(株)製)のPGMEA10重量%溶液0.020g(濃度200ppmに相当)を添加せず、樹脂(A―1)の量を7.840gに変更し、混合溶媒のMMB−ACを36.80g、PGMEAを54.56gに変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(P−23)を得た。得られた樹脂組成物(P−23)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例1〜17、比較例1〜7の組成を表1〜2に、評価結果を表3〜4に示す。
Figure 2021138947
Figure 2021138947
Figure 2021138947
Figure 2021138947
実施例において作製した樹脂組成物は、硬化膜を形成した際のガラス面強度が高く、無機膜や有機膜との密着性が優れていることがわかる。
本発明の樹脂組成物は、ガラス面強度が高く、無機膜や有機膜との密着性に優れる硬化膜を形成することができるため、スマートフォン等の表示デバイス向けの信頼性に優れたカバーガラスを形成することが可能となる。

Claims (11)

  1. 少なくとも(A)分子構造中に、一般式(1)で表される部分構造と、一般式(2)で表される部分構造とを有する樹脂、(B)密着性改良剤、(C)有機溶媒および(D)界面活性剤を有する樹脂組成物。
    Figure 2021138947
    (一般式(1)中、ZおよびZは同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1以上20以下の有機基である。)
    Figure 2021138947
    (一般式(2)中、Y〜Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1以上20以下の有機基であり、かつ、Y〜Yのうち少なくとも一つは、脂肪族環状炭化水素基である。)
  2. 前記一般式(2)のY〜Yのうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のシクロヘキシル基である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 下記一般式(2)のY〜Yのうち一つが置換もしくは無置換のシクロヘキシル基であり、その他三つが水素原子である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(A)樹脂の、重量平均分子量が5万以上、20万以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. (B)密着性改良剤として、少なくとも、一般式(3)で表される化合物を有する請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
    Figure 2021138947
    (各Rはそれぞれ同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基を表す。アルキル基はさらに置換基を有していても良い。nは0あるいは1を表す。Rは炭素数3〜30の3価の有機基を表す。Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、ヒドロキシル基、およびフェノキシ基を表す。なお、Rのこれらの基のうち、ヒドロキシル基以外はさらに置換基を有していても良い。)
  6. (C)有機溶剤として、大気圧下における沸点が150℃以上250℃以下のエステル系有機溶剤と、大気圧下における沸点が150℃未満のエステル系溶剤を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. (D)界面活性剤として、少なくとも、熱分解性界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. さらに、(E)着色剤を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. ガラス強化樹脂層形成用である請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜。
  11. ガラス基板上に請求項10に記載の硬化膜を有する樹脂被覆ガラス基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114085436A (zh) * 2021-12-04 2022-02-25 浙江华正新材料股份有限公司 胶液、半固化片、电路基板、印制电路板

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