JP2021137997A - 印刷方法および印刷装置 - Google Patents

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彩加 田中
悠太 中村
Yuta Nakamura
悠太 中村
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寛 後藤
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Yusuke Koiizuka
祐介 小飯塚
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Abstract

【課題】画質および画像堅牢性を向上し得る印刷方法を提供する。【解決手段】ノズル4nから液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いて、被印刷物にノニオン性樹脂を含有する処理液を吐出する工程並びに前記被印刷物に樹脂および色材を含有するインクを吐出する工程と、前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を洗浄液を含む払拭部材によって払拭する工程と、を有する印刷方法。前記払拭部材は、空隙を有する二層を含む。前記処理液はカチオン性物質を含む。【選択図】図1A

Description

本発明は、印刷方法および印刷装置に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を吐出し、記録部材上に付着させて、文字や画像を形成する記録方式である。この方式は、他の記録方式に比べてフルカラー化が容易であり、簡易な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があるため、近年広く用いられている。
このようなインクジェット記録方式に用いられるインクには、様々な特性が要求されている。特に、画像品質や吐出安定性の他に印字後画像の堅牢性も重要なものとなっている。
記録媒体として低もしくは非浸透性基材を用いる場合、処理液を付与することがある(特許文献1)。処理液を付与することでインクの滲み抑制や画像堅牢性が向上する。しかしこの際、処理液に含まれるカチオン性成分がノズル形成面に付着し、ノズルの目詰まりやノズル形成面の劣化につながることがある。
ノズル形成面のクリーニングについては払拭部材を用いることが知られている。特許文献2には、固体である粒子が液体中に分散した分散系液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドとワイピング部材とを相対移動することにより、ノズル形成面に付着した分散系液体をワイピング部材で払拭するワイパー装置が開示されている。このワイピング部材は、ノズル形成面側の第一層と、第一層に対してノズル形成面と反対側の第二層とを有している。第一層は、ノズル形成面に付着する分散系液体の分散媒である液滴を毛細管現象により第二層に導くとともに、分散系液体の分散質を捕捉して収容可能な空隙を有する。また、第二層は分散媒を吸収する。
本発明の目的は、画質および画像堅牢性を向上し得る印刷方法の提供にある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いて、被印刷物にノニオン性樹脂を含有する処理液を吐出する工程並びに前記被印刷物に樹脂および色材を含有するインクを吐出する工程と、前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を洗浄液を含む払拭部材によって払拭する工程と、を有する印刷方法。
本発明によれば、画質および画像堅牢性を向上し得る印刷方法を提供することができる。
図1Aは画像形成装置の一例を説明する図である。 図1Bは、ノズル形成面を払拭する機構の拡大図である。 図2は払拭部材によって払拭されるノズルプレートの構成の一例を説明する図である。 図3は画像形成装置のクリーニング部の模式的な構成を説明する図である。 図4はシート状の払拭部材の断面の一例を模式的に表した図である。
本発明は上記構成1)に係るものであるが、下記2)〜11)の構成を実施形態として含む。
2)前記払拭部材は、それぞれが空隙を有する少なくとも二層を含み、前記ノズル形成面に接触する側から第一層目の層の厚みをt1、第一層目以外の層の厚みの合計をt2としたときに、t1<t2が成り立ち、前記第一層目の層の空隙率は、少なくとも前記第一層目以外の一つの層の空隙率よりも小さい前記1)に記載の印刷方法。
3)前記払拭部材の第一層目の層の空隙率が0.70以上0.85以下である前記2)に記載の印刷方法。
4)前記払拭部材の第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率が、0.80以上0.99以下である前記2)または3)に記載の印刷方法。
5)前記払拭部材の少なくとも第一層目の層は不織布からなる前記1)〜4)のいずれかに記載の印刷方法。
6)前記処理液がカチオン性物質を含む前記1)〜5)のいずれかに記載の印刷方法。
7)前記インクに含まれる樹脂がアニオン性樹脂である前記1)〜6)のいずれかに記載の印刷方法。
8)前記インクが色材として顔料を含み、下記一般式(1)の化合物を含有する前記1)〜7)のいずれかに記載の印刷方法。
Figure 2021137997
(前記一般式(1)で表される化合物において、Rは炭素数が1以上4以下のアルキル基である。)
9)前記洗浄液がグリコールエーテル化合物、下記一般式(1)の化合物および水を含む前記1)〜8)のいずれかに記載の印刷方法。
Figure 2021137997
(前記一般式(1)で表される化合物において、Rは炭素数が1以上4以下のアルキル基である。)
10)前記ノズル表面の吐出ノズルプレートは撥インク膜を有し、該吐出ノズルプレートの撥インク膜が、含フッ素アクリレートエステル重合体を含む前記1)〜9)のいずれかに記載の印刷方法。
11)前記1)〜10)のいずれかに記載の印刷方法に用いる印刷装置であって、ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を払拭する、洗浄液を含む払拭部材と、を有し、 前記液体は、ノニオン性樹脂を含有する被印刷物に対する処理液と、樹脂および色材を含有するインクとを含む印刷装置。
本発明の印刷方法および装置は、インクジェット印刷に好適に用いることができる。
本発明において、処理液がノニオン性樹脂を含むことで画像堅牢性が向上する。また好適な形態において処理液がカチオン性物質を含むことによりインクのカラーブリード抑制と発色性向上を両立できる。
また好適な形態においてインクはアニオン性樹脂を含み、処理液がカチオン性物質を含む場合、アニオン性樹脂はカチオン性物質と凝集反応を起こし前記のような画質向上効果が得られる。さらに、樹脂膜の形成によりさらに強固な画像が形成され、画像堅牢性が向上する。
本発明における払拭部材と洗浄液は、ノズル形成面に生じた固着物をクリーニングすることができ、ノズル形成面劣化防止および吐出安定性向上を両立できる。
まず、本発明の払拭部材を使用する印刷装置(以下、画像形成装置とも言う)について述べる。
図1Aは、画像形成装置の一例を説明する図であり、シリアル型液滴吐出装置を備えたものである。また図2は払拭部材によって払拭されるノズルプレートの構成の一例を説明する図である。この画像形成装置について図1A及び図2に基づいて説明する。
図1Aの画像形成装置は、左右の側板に横架した主ガイド部材1及び従ガイド部材でキャリッジ3を移動可能に保持している。そして、キャリッジ3は主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7との間に架け渡したタイミングベルト8を介して主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。
このキャリッジ3は、液体吐出ヘッド(記録ヘッド)を有する。記録ヘッドは、ノズル形成面を有するノズルプレート4a、4b(区別しないときは「記録ヘッド4」という。)を有する記録ヘッドを用いることができる。記録ヘッド4は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する。また、記録ヘッド4は、複数のノズルからなるノズル列4nを主走査方向と直交する副走査方向に配置し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド4は、処理液を吐出するノズル列を含むノズル形成面を有するノズルプレートを有する態様とすることもできる。ノズルプレート4a、4bとは別のノズルプレート4c(図示せず)を設け、処理液を吐出する態様とすることもできる。
また、ノズルプレート4aのノズル列の数を3つにし、そのうち1列を、処理液の吐出に用いてもよい。
記録ヘッド4は、図2に示すようにノズルプレートを有し、それぞれのノズルプレートは、複数のノズル4nを配列した2つのノズル列Na、Nbを有する。ノズル列の数は2つに限られない。印刷装置の大きさを考慮して、任意の数のノズル列を設けることができる。
記録ヘッド4を構成する液体吐出ヘッドとしては、例えば、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータを用いることができる。
一方、用紙10を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド4に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されている。
そして、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。この搬送ベルト12は、周回移動しながら帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。
さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4の維持回復を行う維持回復機構20が配置され、他方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4から空吐出を行う空吐出受け21がそれぞれ配置されている。
維持回復機構20は、例えば記録ヘッド4のノズル形成面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材20a、ノズル形成面を払拭する機構20b、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出受けなどで構成されている。
図1Bは、ノズル形成面を払拭する機構20bの拡大図である。
機構20bは2つの側板33により支持された、払拭部材を送り出すローラー37および払拭部材を巻き取るローラー38を有し、払拭部材200の送り出しおよび巻き取りが行われる。ノズル形成面は、押し当てローラー39によって払拭部材200が押し当てられ、Y1方向に払拭部材が移動することにより、ノズル形成面が払拭される。
また、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール23を張装し、キャリッジ3にはエンコーダスケール23のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ24を設けている。これらのエンコーダスケール23とエンコーダセンサ24によってキャリッジ3の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、搬送ローラ13の軸にはコードホイール25を取り付け、このコードホイール25に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ26を設けている。これらのコードホイール25とエンコーダセンサ26によって搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイから用紙10が帯電された搬送ベルト12上に給紙されて吸着され、搬送ベルト12の周回移動によって用紙10が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド4を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙10を所定量搬送後、次の行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙10を排紙トレイに排紙する。
また、記録ヘッド4のノズル形成面のクリーニングを行う場合は、印字(記録)待機中にキャリッジ3を維持回復機構20に移動し、維持回復機構20により清掃を実施する。
図1で示した記録ヘッド4は、図2に示すように、ノズル形成面を有するノズルプレート4a、4b
を有する記録ヘッドを用いることができる。それぞれのノズルプレートは、複数のノズル4nを配列した2つのノズル列Na、Nbを有する。ノズルプレート4aの一方のノズル列Naはブラック(K)の液滴を、他方のノズル列Nbはシアン(C)の液滴を吐出する。ノズルプレート4bの一方のノズル列Naはマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列Nbはイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、ノズルプレート4cを用い、ノズル列Na、Nbのうち、一方、または両方を処理液の吐出に用いることができる。
ノズル形成面を払拭する機構20bは、図3に示すように、主にシート状の払拭部材320とシート状の払拭部材を送り出すローラ410と、送り出された払拭部材320をノズル形成面に押し当てる押し当てローラ400と、払拭に使われた払拭部材320を回収する巻き取りローラ420とで構成される。また、シート状の払拭部材のほかに、ノズル形成面を払拭するゴムブレード等を備えていてもよい。押し当てローラ400はバネを用いて、払拭部材320とノズル形成面の距離を調整することで、押し当て力を調整することができる。押し当て部材はローラに限らず、固定された樹脂やゴムの部材であってもよい。ゴムブレード等を備えている場合、シート状の払拭部材にゴムブレード等を当接させる機構を設けて、シート状の払拭部材にゴムブレード等のクリーニング機能を持たせてもよい。
払拭部材に洗浄液を一定量塗布した後、払拭部材がノズル形成面に押し当てられながら払拭部材320と記録ヘッド4とが相対的に移動することでノズル形成面に付着した異物500を払拭する。ノズル形成面に付着する異物500としては、ノズルからインクを吐出した際に発生するミストインクや、クリーニング等でノズルからインクを吸引したときに付着するインク、ミストインクやキャップ部材に付着したインクがノズル形成面で乾燥した固着物、被印刷物から発生する紙粉などが挙げられる。洗浄液はあらかじめ払拭部材320に含ませておいてもよい。特に、長時間の待機などでノズル形成面でインクが乾燥し、固着していると想定されるときには、洗浄液を含んだシート状の払拭部材でノズル形成面を複数回払拭して取り除くことが望ましい。
図4はシート状の払拭部材320の断面の一例を模式的に表したものである。
図4に示したシート状の払拭部材320はそれぞれが空隙を有する不織布の積層体からなり、ノズル形成面側から第一層目の層610と第二層目の層620との二層構造となっている。これ以外にも、例えば吸収したインクの裏写り防止や払拭部材の強度向上を目的としてフィルムを裏打ちした三層構造や、吸収性の異なる複数の吸収層を第二層以降に設けた多層構造などでもよい。
払拭部材を構成する材料として、不織布のほかに、織布や編布、多孔質体などが挙げられる。特に第一層目は、厚さと空隙率のコントロールが比較的容易な不織布を用いるのが好ましい。不織布や織布、編布などの繊維の材質としては、綿、麻、絹、パルプ、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン、キュプラ、アクリル、ポリ乳酸、などが挙げられる。1種類の繊維からなる不織布だけではなく、複数種類の繊維が混ざった不織布でもよい。多孔質体としては、ポリウレタン、ポリオレフィン、PVAなどが挙げられる。不織布の製造法として、ウェブの形成には例えば湿式や乾式、スパンボンド、メルトブローン、フラッシュ紡糸などの方法が、ウェブの結合には例えばスパンレースやサーマルボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチなどの方法が挙げられる。
払拭部材は、ノズル形成面に接触する側から第一層目の層の厚みをt1、第一層目以外の層の厚みの合計をt2としたときに、t1<t2が成り立ち、前記第一層目の層の空隙率は、少なくとも前記第一層目以外の一つの層の空隙率よりも小さいことが好ましい。これにより、固着物に対するかきとり性が向上し、固着物払拭性が良くなる。ここで、空隙率は以下のように計算される。
Figure 2021137997
払拭部材がシート状の不織布等の場合には、上記の「真密度」はシートを形成する繊維の真密度であり、「見掛の密度」はシート状の材料の目付量と厚さから「目付量÷厚さ]で求めることができる。
目付量は、単位面積当たりの質量を表す。
第一層目の層の空隙率が大きすぎると固着物の払拭性が悪くなり、また、第一層目の層の空隙率が小さすぎるとフィルム状になってしまい、液体の透過性が悪くなる。このため、第一層目の層の空隙率は0.70以上0.85以下であることが好ましく、0.75以上0.82以下がさらに好ましい。
また、少なくとも一つの第一層目以外の層の空隙率は0.80以上0.99以下であることが好ましい。第一層目以外の層の空隙率が上記範囲内にあることで、液体の吸収性を向上させることができる。これらの第一層目の層と第一層目以外の層を組み合わせることにより、固着物のかきとり性と液体の吸収性を両立させ、払拭性を向上させることができる。
払拭部材の少なくとも第一層目の層は不織布からなることが好ましい。不織布とすることで厚み及び空隙率を所望の数値範囲に容易に設定することができる。
本発明の効果向上の観点から、第一層目の層の空隙率と、第二層目の層の空隙率との差は、0.01〜0.5が好ましく、0.02〜0.25がさらに好ましい。
また払拭部材の厚さは0.1mm以上3mm以下が好ましく、0.2mm以上0.7mm以下がより好ましい。払拭部材の厚さが0.1mm以上であることで、払拭部材の面積あたりの液体の飽和吸水量が十分となり、払拭する対象である液体を十分に吸収できる。また、払拭部材の厚さが3mm以下であることで、第一層目の層から第一層目以外の層へ好適に液体成分を移動させ、第一層目以外の層に液体成分を吸収させることができる効果が損なわれず、装置の小型化が可能となる。
払拭部材において、第一層目の層の厚さと、第二層目の層の厚さとの差は、0.1mm〜1mmが好ましく、0.2mm〜0.5mmがさらに好ましい。
次に、本発明の処理液について述べる。
本発明の処理液はノニオン性樹脂を含むものであり、カチオン性物質をさらに含むことが好ましい。
<カチオン性物質>
処理液が含むカチオン性物質としては、多価金属化合物やカチオン性樹脂などが挙げられる。カチオン性物質はインク中の顔料やアニオン性樹脂を速やかに凝集させ、カラーブリードを抑制するとともに発色性を向上させる。
多価金属化合物としては、以下に限定されないが、例えば、チタン化合物、クロム化合物、銅化合物、コバルト化合物、ストロンチウム化合物、バリウム化合物、鉄化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物及びニッケル化合物、並びにこれらの塩(多価金属塩)が挙げられる。
これら多価金属化合物の中でも、顔料を効果的に凝集させることができるため、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、およびニッケル化合物からなる群より選択される一種以上が好ましく、カルシウムやマグネシウム等のアルカリ土類金属がより好ましい。
なお、多価金属化合物はイオン性のものが好ましい。特に、上記多価金属化合物がカルシウム塩である場合、反応液の安定性がより良好となる。
上記の多価金属化合物の具体例としては、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
これらの中でも、潮解性による処理液付与部分の強度低下を防ぐ目的で酢酸カルシウムが好ましい。
前記多価金属イオンは処理液全体に対する濃度が0.05〜0.5モル/kgであるとき、カラーブリードを十分に抑制するとともに、貯蔵安定性に優れるため好適である。
<カチオン性樹脂>
カチオン性樹脂とは、正電荷を示す官能基、例えば、第1級、第2級又は第3級アミノ基、ピリジン基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、ピラゾール基、又はベンゾピラゾール基等を持つ樹脂である。
カチオン性樹脂としては、例えば、カチオン性のウレタン樹脂、カチオン性のオレフィン樹脂、カチオン性のアリルアミン樹脂等が挙げられる。
カチオン性のウレタン樹脂としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。カチオン性のウレタン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、ハイドラン CP−7010、CP−7020、CP−7030、CP−7040、CP−7050、CP−7060、CP−7610(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)、スーパーフレックス 600、610、620、630、640、650(商品名、第一工業製薬株式会社製)、ウレタンエマルジョン WBR−2120C、WBR−2122C(商品名、大成ファインケミカル株式会社製)等を用いることができる。
カチオン性のオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン等のオレフィンを構造骨格に有するものであり、公知のものを適宜選択して用いることができる。また、カチオン性のオレフィン樹脂は、水や有機溶剤等を含む溶媒に分散させたエマルジョン状態であってもよい。カチオン性のオレフィン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、アローベースCB−1200、CD−1200(商品名、ユニチカ株式会社製)等が挙げられる。
カチオン性のアリルアミン樹脂としては、公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアリルアミンアミド硫酸塩、アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩コポリマー、アリルアミン酢酸塩・ジアリルアミン酢酸塩コポリマー、アリルアミン酢酸塩・ジアリルアミン酢酸塩コポリマー、アリルアミン塩酸塩・ジメチルアリルアミン塩酸塩コポリマー、アリルアミン・ジメチルアリルアミンコポリマー、ポリジアリルアミン塩酸塩、ポリメチルジアリルアミン塩酸塩、ポリメチルジアリルアミンアミド硫酸塩、ポリメチルジアリルアミン酢酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルアミン酢酸塩・二酸化硫黄コポリマー、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄コポリマー、メチルジアリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄コポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄コポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミドコポリマー等を挙げることができる。このようなカチオン性のアリルアミン系樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、PAA−HCL−01、PAA−HCL−03、PAA−HCL−05、PAA−HCL−3L、PAA−HCL−10L、PAA−H−HCL、PAA−SA、PAA−01、PAA−03、PAA−05、PAA−08、PAA−15、PAA−15C、PAA−25、PAA−H−10C、PAA−D11−HCL、PAA−D41−HCL、PAA−D19−HCL、PAS−21CL、PAS−M−1L、PAS−M−1、PAS−22SA、PAS−M−1A、PAS−H−1L、PAS−H−5L、PAS−H−10L、PAS−92、PAS−92A、PAS−J−81L、PAS−J−81(商品名、ニットーボーメディカル会社製)、ハイモ Neo−600、ハイモロック Q−101、Q−311、Q−501、ハイマックス SC−505、SC−505(商品名、ハイモ株式会社製)等を用いることができる。
カチオン性樹脂は処理液全体に対する樹脂固形分濃度が0.1質量%〜10質量%であるとき、カラーブリードを十分に抑制するとともに、吐出安定性、貯蔵安定性に優れるため好適である。
<ノニオン性樹脂>
ノニオン性樹脂とは、電荷を示す官能基を有さない樹脂である。また、環状構造を有する基を導入することで、立体障害を生じさせ、分散性に優れた樹脂を用いることもできる。
樹脂の化学構造に特に限定はなく、分散可能な樹脂であればどのようなものでも使用することができるが、ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、およびこれらの共重合体から選ばれる少なくとも1つであるとき、様々な基材(被印刷物)に対する強固な密着性が得られるため好ましく、さらにエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹脂、オレフィン変性ウレタン樹脂であることがさらに好ましい。
ノニオン性樹脂はノニオン性樹脂粒子(樹脂エマルション)として処理液に含めてもよい。
ノニオン性樹脂粒子としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。カチオン性のウレタン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、スーパーフレッ クス500M、スーパーフレックスE−2000(商品名、第一工業製薬社製)、ハイドランWLI−611(DIC株式会社製)などが挙げられる。
ノニオン樹脂のTgは−30〜30℃であることが好ましい。
Tgが-30℃以上であれば樹脂皮膜が十分強靭なものとなり、処理液層がより堅牢なものとなり、30℃以下であれば樹脂の成膜性が向上し、充分な柔軟性も担保されるため基材密着性が強固なものとなり好ましい。
ノニオン性樹脂は処理液全体に対する樹脂固形分濃度が0.5質量%〜20質量%となるように添加することが好ましい。
0.5質量%以上で樹脂が充分に基材を被覆することができるため密着性が向上し、20質量%以下であれば膜厚が厚くなりすぎないため密着性の低下の恐れが無い。
本発明の処理液の媒体は水性であるが、必要に応じて水以外のものを添加してもよく、そのようなものとして例えば水溶性有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等のその他微量添加剤などが挙げられる。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、処理液の浸透性を向上させることができる。
有機溶剤の処理液中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、処理液の乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が、使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
処理液中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
次に、本発明のインクについて述べる。
本発明のインクは樹脂および色材を含有する。また、前記樹脂はアニオン性樹脂であることが好ましい。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
インクに用いることのできる有機溶剤は、特に限定されないが、上記処理液に用いられる有機溶剤として例示した有機溶剤を用いることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
インクに下記一般式(1)で表される化合物を含有することで、良好な払拭性を得られ、好ましい。
Figure 2021137997
(前記一般式(1)で表される化合物において、Rは炭素数が1以上4以下のアルキル基であり、例えば、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。)
インク中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、5.0〜20.0質量%が好ましく、8.0〜15.0質量%がさらに好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては画像堅牢性の観点から顔料を使用することができる。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。また、顔料として、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
また染料も使用できる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂>
本発明におけるインクには、樹脂を添加することにより画像堅牢性が向上する。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
本発明における樹脂はアニオン性であることが好ましい。ここで、アニオン性樹脂とは、負電荷を示す官能基、例えば、COO、SO 等を持つ樹脂である。
また、これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。インクに用いることのできる上記添加剤は、上記処理液に用いられる添加剤と同じである。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
次に、本発明に用いられる洗浄液について述べる。
本発明に用いられる洗浄液は、グリコールエーテル化合物、その他の有機溶剤および水を含有するのが好ましく、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。この洗浄液を含む払拭部材によってノズル形成面を払拭することで、ノズル形成面に形成された固着物の除去が容易になる。なお、本実施形態に用いられるこの洗浄液は、例えばグリコールエーテル化合物を含有することでノズル形成面のインク固着物の洗浄を容易にし、水を含有することで多価金属化合物固着物の洗浄を容易にすることができ、好ましい。
<グリコールエーテル化合物>
グリコールエーテル化合物は、インクなどの液体が固着して形成される固着物に対して作用する力が強く、洗浄液を用いた固着物の払拭性を向上させることができる。グリコールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
洗浄液全量に対するグリコールエーテル化合物の含有量としては特に制限はないが、1.0質量%以上30.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以上20.0質量%以下がより好ましい。含有量が、1.0質量%以上30.0質量%以下であれば、洗浄液を用いた固着物の払拭性、払拭後のインクの吐出安定性を両立することができる。
<他の有機溶剤>
他の有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、下記一般式(1)の化合物等が挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
有機溶剤の合計含有量としては、特に制限はないが、洗浄液全量に対して、10.0質量%以上50.0質量%以下が好ましく、20.0質量%以上30.0質量%以下がより好ましい。
洗浄液に下記一般式(1)で表される化合物を含有することで、良好な払拭性を得られ、好ましい。
Figure 2021137997
(前記一般式(1)で表される化合物において、Rは炭素数が1以上4以下のアルキル基であり、例えば、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。)
洗浄液中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、20.0〜50.0質量%が好ましく、30.0〜40.0質量%がさらに好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、及びアニオン系界面活性剤のいずれも使用可能であるが、ポリオキシアルキレン界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が好ましく、洗浄液を用いた固着物の払拭性、及び洗浄液の保存安定性の点から、ポリオキシアルキレン界面活性剤が特に好ましい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリオキシアルキレン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレン界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、エマルゲンA−60(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル)、エマルゲンLS−106(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル)、エマルゲンLS−110(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル)(いずれも、花王株式会社製、高級アルコール系エーテル型非イオン性界面活性剤)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 2021137997
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
洗浄液全量に対する界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、保存安定性の点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上3質量%以下が更に好ましい。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水などが挙げられる。
洗浄液全量に対する水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、洗浄液の全量に対して20.0質量%以上80.0質量%以下が好ましく、30.0質量%以上60.0質量%以下がより好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
上記その他の成分は、上記処理液に用いられる添加剤と同じである。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
また、特に記載が無い場合、実施例、比較例の調製、評価等は、25℃、相対湿度60%の条件下で行った。
<ノニオン性樹脂エマルションの調製>
ノニオン性樹脂エマルションとして、ハイドランWLI−611(DIC株式会社製)を用いた。
<カチオン性樹脂エマルションの調製>
カチオン性樹脂エマルションとして、スーパーフレックス 620(第一工業製薬株式会社製)を用いた。
<処理液の調製>
処理液の調製は、表1に記載したとおりの処方で混合攪拌し、0.5μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより作製した。数値は質量パーセント表記である。
なお、界面活性剤、防腐剤は以下のものを使用した。
エマルゲンLS−106(花王社製界面活性剤)
プロキセルLV(アビシア製防腐剤)
Figure 2021137997
<顔料分散体の調製>
(ブラック顔料分散体の調製)
東海カーボン社製のカーボンブラック:シーストSP(SRF−LS)100gを、2.5N(規定)の次亜塩素酸ナトリウム溶液3000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行い、カーボンブラックの表面にカルボン酸基が付与された顔料を得た。
この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
次いで、該顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜による限外濾過を行い、更に、超音波分散を行って、顔料固形分を20%に濃縮した体積平均粒径100nmのブラック顔料分散体を得た。
(ブラック染料の調製)
ブラック染料として、PRO−JET Fast Black 2 Liquid(富士フィルムイメージングカラーラント株式会社製)を用いた。
<アニオン性樹脂エマルションの調製>
アニオン性樹脂エマルションとして、タケラックW−5661(三井化学株式会社製)を用いた。
<ノニオン性樹脂エマルションの調製>
ノニオン性樹脂エマルションとして、ハイドランWLI−611(DIC株式会社製)を用いた。
<ブラックインクの調製>
インクの調製は、表2に記載したとおりの処方で混合攪拌し、0.5μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより作製した。数値は質量パーセント表記である。
なお、界面活性剤および防腐剤は以下のものを使用した。
FS−300(DuPont社製フッ素系界面活性剤)
プロキセルLV(アビシア製防腐剤)
Figure 2021137997
<洗浄液の調製>
洗浄液の調製は、表3に記載したとおりの処方で混合攪拌し、5μmのフィルター(ザルトリウス社製ミニザルト)にて濾過してろ過することにより作製した。数値は質量パーセント表記である。
なお、界面活性剤は以下のものを使用した。
エマルゲンLS−106(花王社製界面活性剤)
Figure 2021137997
次にインクジェットヘッドに装着するノズルプレートの作製について、説明する。
<ノズルプレートAの作製>
<<含フッ素アクリレートエステル重合体Aの合成>>
−エチレンオキサイド鎖含有フッ素モノマー(MPOERfA)の合成−
エチレンオキサイド鎖含有フッ素モノマーの合成反応の反応式を以下に示す。
Figure 2021137997
ただし、前記反応式中、nの平均は8〜9である。
四つ口フラスコに片末端メトキシポリエチレングリコール(平均EO数:8〜9、ユニオックスM−400,日油株式会社製)52.13g、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.94gを仕込んだ。 窒素気流下、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン50gを30−40分かけて、発熱に注意しながら室温で滴下した。滴下終了後、約2時間、室温で反応を続けた後、ガスクロマトグラフィー(GC)で3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパンのピークが消滅していることを確認した。これにターシャリーブチルカテコール0.03gを加えてよく攪拌した。更に、トリエチルアミン14.81gを加えてアクリル酸クロリド12.04gを発熱に注意しながら、約20分間かけて滴下した。滴下終了後、約2時間、室温で反応を続けた後、GCでアクリル酸クロリドのピークがほぼ消滅していることを確認した。生成物の同定はIRスペクトル、H−NMR、19F−NMRスペクトルより行った。
−含フッ素アクリレートエステル重合体Aの合成−
200mLの四つ口フラスコに、前記合成したMPOERfAモノマーを10質量%、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート60質量%、ポリエチレングリコールモノアクリレート(EO:10モル、日油株式会社製、AE−400)20質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量%、アセトアセトキシエチルメタクリレート2.5質量%、及びジメチルアミノエチルアクリレート2.5質量%のモノマー組成に対して、イソプロピルアルコール60gを仕込んで60分間、窒素を吹き込んで、系内の空気を窒素で置換した。窒素フローを続けながら、内温を75℃〜80℃に昇温後、アゾビスイソブチロニトリル0.25gを添加して、8時間、重合反応を行った。ガスクロマトグラフィー(GC)及びゲルパーミエーションクロマトグラフィーで重合液を分析したところ、モノマー由来のピークがほぼ消失し、共重合体由来のピークが発生していることを確認した。また、共重合体の重量平均分子量は17,000(ポリスチレン換算)であった。 最後に、酢酸0.42gを加えて中和し、含フッ素アクリレートエステル共重合体Aの20質量%溶液になるように水で希釈した。
−ノズルプレートの作製−
次に、縦34mm×横16mm、平均厚み20μmのステンレス鋼(SUS304)製のノズル基板を用意した。なお、前記ノズル基板には、平均孔径が25μmのノズル孔が該ノズル孔の中心間の最短距離であるピッチが85μm(300dpi)で、320個/列に配列したノズル孔列が4列形成されている。
前記ノズル基板のインク吐出側の面に、作製した含フッ素アクリレートエステル重合体Aの20質量%溶液をディッピング法にて塗布し、乾燥することにより、平均厚みが50nmの撥インク膜を形成した。
以上により、ノズルプレートAを作製した。 この際、ノズル孔を水溶性樹脂にて、またノズル基板の裏面はテープにてマスキングし、撥インク膜を形成後、剥離除去した。 また、120℃で1時間加熱して撥インク膜を形成した。
このように、ノズルプレートが撥インク膜を有し、該吐出ノズルプレートの撥インク膜が、含フッ素アクリレートエステル重合体を含むことにより、払拭性の点で有利となる。
<ノズルプレートBの作製>
シリコーンレジン溶液(SR 2441 RESIN,東レダウコーニング株式会社製)を用意した。
前記と同じノズル基板のインク吐出側の面に、前記シリコーンレジン溶液をディッピング法にて塗布し、乾燥することにより、平均厚みが100nmの撥インク膜を形成した。以上により、製造例104のノズルプレートBを作製した。この際、ノズル孔を水溶性樹脂にて、またノズル基板の裏面はテープにてマスキングし、撥インク膜形成後、剥離除去した。これを大気下、150℃で2時間加熱硬化させて撥インク膜とした。
<実施例1〜25、比較例1〜4>
処理液、インクをノズルから吐出させる吐出装置と、払拭部材とを有する画像形成装置に、上記で作製した処理液、ブラックインク、洗浄液と、表4に示した払拭部材とを組み合わせて、以下の評価を行った。表4に示した払拭部材は、それぞれが空隙を有する少なくとも2層を含み、シート状のものを用いた。
[評価]
<払拭性>
インクジェットヘッドとしてリコー MH5440を用い、ヘッドのノズルプレート上に上記で調製した処理液を0.1ml滴下し、1時間放置した。その上からブラックインクを0.1ml滴下後、15時間放置し、処理液およびインクの固着したノズルプレートを作製した。
下記表4に示した払拭部材と洗浄液を使用し、払拭部材に洗浄液を20μl/cm塗布した後、前記ノズルプレートのノズル形成面を拭き取った。拭き取る際の条件は、押し当て力3N、拭き取り速度50mm/sとした。
(評価方法)
払拭後のノズルプレートを目視で判別し、固着物が除去された払拭回数を評価した。下記評価基準で、△以上が実用可能な範囲であり、○が好ましく、◎がさらに好ましい。
(評価基準)
◎:5回のクリーニングでノズルプレート上の固着物が除去された。
○:7回のクリーニングでノズルプレート上の固着物が除去された。
△:10回以下のクリーニングでノズルプレート上の固着物が除去された。
×:10回のクリーニングで、固着物が残存している。
<吐出安定性>
前記処理液とブラックインクを搭載したプリンター(リコー製IPSio GXe3300)を用いて間欠印写を行い、吐出安定性を評価した。100%dutyの印字チャートをマイペーパー(株式会社NBSリコー製)20枚連続で印写後、20分間吐出を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返して、累計1000枚印写後、前記洗浄液を20μl/cm塗布した払拭部材でノズル形成面をふき取った後、もう一度同チャートを印写したときの5%チャートベタ部の筋、白抜け、噴射乱れの有無を目視で評価した。拭き取る際の条件は、押し当て力3N、拭き取り速度50mm/sとした。評価基準は次のようにした。
(評価基準)
〇:ベタ部に筋・白抜け・噴射乱れがほぼ認められない。
△:ベタ部に若干の筋・白抜け・噴射乱れが認められる。
×:ベタ部全域にわたって、筋・白抜け・噴射乱れが認められる。
これらの基準において、〇以上を許容範囲とする。
<滲み>
前記処理液をリコー製IPSio GXe3300を用いて、インクジェット方式で吐出し、PET(株式会社きもと製TPー188)にベタ印字し、60℃で3分間乾燥させた。続いてこの処理液印字部に前記ブラックインクを搭載したプリンター(リコー製IPSio GXe3300)を用いてゴシック体の白抜け文字チャートをインクジェット方式で印字し、80℃で2分乾燥した。
得られた画像の文字の可読性を肉眼で判断し、以下の基準で目視評価し、Bまでを許容範囲とした。
(評価基準)
A:3ptゴシック体が可読である。
B:3ptは非可読であるが、4ptは可読である。
C:4ptは非可読であるが、5ptは可読である。
D:5ptが非可読である。
<画像堅牢性>
前記処理液をリコー製IPSio GXe3300を用いて、インクジェット方式で吐出し、PET(株式会社きもと製TPー188)にベタ印字し、60℃で3分間乾燥させた。続いてこの処理液印字部に前記ブラックインクを搭載したプリンター(リコー製IPSio GXe3300)を用いてベタチャートを印字し、80℃で2分乾燥した。
ベタ部を乾いた木綿(カナキン3号)で400gの加重をかけて擦過し、下記基準により画像堅牢性を判定し、Bまでを許容範囲とした。
(評価基準)
A:100回以上擦っても画像が変化しない。
B:100回擦った段階で多少の傷が残るが画像濃度には影響しない。
C:100回擦過する間に画像濃度が低下してしまう。
D:50回以下の擦過にて画像濃度が低下してしまう。
結果を表4に示す。
Figure 2021137997
表4の結果から、各実施例では画質および画像堅牢性に優れるとともに、十分な払拭性および吐出安定性を示した。
1 主ガイド部材
3 キャリッジ
4 記録ヘッド
4a、4b ノズルプレート
4n ノズル
5 主走査モータ
6 駆動プーリ
7 従動プーリ
8 タイミングベルト
10 用紙
12 搬送ベルト
13 搬送ローラ
14 テンションローラ
16 副走査モータ
17 タイミングベルト
18 タイミングプーリ
20 維持回復機構
21 空吐出受け
20a キャップ部材
20b ノズル形成面を払拭する機構
23 エンコーダスケール
24 エンコーダセンサ
25 コードホイール
26 エンコーダセンサ
33 側板
37 払拭部材を送り出すローラー
38 払拭部材を巻き取るローラー
39 押し当てローラー
200 払拭部材
320 払拭部材
400 押し当てローラ
410 ローラ
420 巻き取りローラ
500 異物
610 第一層目の層
620 第二層目の層
Na、Nb ノズル列
特開2017−189889号公報 特開2014−188900号公報

Claims (11)

  1. ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いて、被印刷物にノニオン性樹脂を含有する処理液を吐出する工程並びに前記被印刷物に樹脂および色材を含有するインクを吐出する工程と、前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を洗浄液を含む払拭部材によって払拭する工程と、を有する印刷方法。
  2. 前記払拭部材は、それぞれが空隙を有する少なくとも二層を含み、前記ノズル形成面に接触する側から第一層目の層の厚みをt1、第一層目以外の層の厚みの合計をt2としたときに、t1<t2が成り立ち、前記第一層目の層の空隙率は、少なくとも前記第一層目以外の一つの層の空隙率よりも小さい請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前記払拭部材の第一層目の層の空隙率が0.70以上0.85以下である請求項2に記載の印刷方法。
  4. 前記払拭部材の第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率が、0.80以上0.99以下である請求項2または3に記載の印刷方法。
  5. 前記払拭部材の少なくとも第一層目の層は不織布からなる請求項1〜4のいずれかに記載の印刷方法。
  6. 前記処理液がカチオン性物質を含む請求項1〜5のいずれかに記載の印刷方法。
  7. 前記インクに含まれる樹脂がアニオン性樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の印刷方法。
  8. 前記インクが色材として顔料を含み、下記一般式(1)の化合物を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の印刷方法。
    Figure 2021137997
    (前記一般式(1)で表される化合物において、Rは炭素数が1以上4以下のアルキル基である。)
  9. 前記洗浄液がグリコールエーテル化合物、下記一般式(1)の化合物および水を含む請求項1〜8のいずれかに記載の印刷方法。
    Figure 2021137997
    (前記一般式(1)で表される化合物において、Rは炭素数が1以上4以下のアルキル基である。)
  10. 前記ノズル表面の吐出ノズルプレートは撥インク膜を有し、該吐出ノズルプレートの撥インク膜が、含フッ素アクリレートエステル重合体を含む請求項1〜9のいずれかに記載の印刷方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の印刷方法に用いる印刷装置であって、ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を払拭する、洗浄液を含む払拭部材と、を有し、前記液体は、ノニオン性樹脂を含有する被印刷物に対する処理液と、樹脂および色材を含有するインクとを含む印刷装置。

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