JP2021134172A - 化合物、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents

化合物、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL素子用の材料として有用な化合物、当該化合物を用いた有機EL素子、及び当該有機EL素子を用いた電子機器の提供。【解決手段】下記式(1)で表される化合物。(式中、環X1〜X4は、置換/無置換のベンゼン環、又は置換/無置換の1もしくは2個の窒素原子を含む6員の芳香族複素環を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、新規化合物、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が、また陰極から電子が、それぞれ発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。
有機EL素子は、陽極と陰極の間に、発光層を含む。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等の有機層を含む積層構造を有する場合もある。
特許文献1には、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として使用する化合物が開示されている。
国際公開第2013/077344号
本発明の目的は、有機EL素子用の材料として有用な新規化合物、当該新規化合物を用いた有機EL素子、及び当該有機EL素子を用いた電子機器を提供することである。
本発明によれば、以下の化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器が提供される。
1.下記式(1)で表される化合物。
Figure 2021134172
(式(1)中、
環X〜Xは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンゼン環、又は置換もしくは無置換の、1もしくは2個の窒素原子を含む、6員の芳香族複素環である。
環X〜Xのうちの少なくとも2つには、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環
からなる群から選択される1以上が縮合する。
前記環が縮合しない、X1a〜X1d、X2a〜X2d、X3a〜X3c、及びX4a〜X4cは、それぞれ独立に、
CH、
C(R)、又は
Nである。
は、置換基である。
が複数存在する場合、複数のRは互いに同一であるか、又は異なる。
隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。
a1及びRa2は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
a1及びRa2は、互いに同一であるか、あるいは異なる。)
2.1に記載の化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
3.陰極と、
陽極と、
前記陰極と前記陽極との間に配置された1又は2以上の有機層と、
を有し、
前記有機層のうちの少なくとも1層が、1に記載の化合物を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含む電子機器。
本発明によれば、有機EL素子用の材料として有用な新規化合物、当該新規化合物を用いた有機EL素子、及び当該有機EL素子を用いた電子機器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る有機EL素子の概略構成を示す図である。
[定義]
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジン環は環形成炭素数5であり、フラン環は環形成炭素数4である。また、例えば、9,9−ジフェニルフルオレニル基の環形成炭素数は13であり、9,9’−スピロビフルオレニル基の環形成炭素数は25である。
また、ベンゼン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ベンゼン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているベンゼン環の環形成炭素数は、6である。また、ナフタレン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ナフタレン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているナフタレン環の環形成炭素数は、10である。
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば、単環、縮合環、及び環集合)の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子の結合を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環の環形成原子数は10であり、フラン環の環形成原子数は5である。例えば、ピリジン環に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子の数は、ピリジン環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているピリジン環の環形成原子数は、6である。また、例えば、キナゾリン環の炭素原子に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子については、キナゾリン環の環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているキナゾリン環の環形成原子数は10である。
本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、無置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「無置換のZZ基」である場合を表し、置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「置換のZZ基」である場合を表す。
本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「無置換」とは、ZZ基における水素原子が置換基と置き換わっていないことを意味する。「無置換のZZ基」における水素原子は、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子である。
また、本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「置換」とは、ZZ基における1つ以上の水素原子が、置換基と置き換わっていることを意味する。「AA基で置換されたBB基」という場合における「置換」も同様に、BB基における1つ以上の水素原子が、AA基と置き換わっていることを意味する。
「本明細書に記載の置換基」
以下、本明細書に記載の置換基について説明する。
本明細書に記載の「無置換のアリール基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6〜50であり、好ましくは6〜30、より好ましくは6〜18である。
本明細書に記載の「無置換の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5〜50であり、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1〜50であり、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜6である。
本明細書に記載の「無置換のアルケニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2〜50であり、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜6である。
本明細書に記載の「無置換のアルキニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2〜50であり、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜6である。
本明細書に記載の「無置換のシクロアルキル基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、3〜50であり、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜6である。
本明細書に記載の「無置換のアリーレン基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6〜50であり、好ましくは6〜30、より好ましくは6〜18である。
本明細書に記載の「無置換の2価の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5〜50であり、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキレン基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1〜50であり、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜6である。
・「置換もしくは無置換のアリール基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」の具体例(具体例群G1)としては、以下の無置換のアリール基(具体例群G1A)及び置換のアリール基(具体例群G1B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「無置換のアリール基」である場合を指し、置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「置換のアリール基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アリール基」という場合は、「無置換のアリール基」と「置換のアリール基」の両方を含む。
「置換のアリール基」は、「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアリール基」としては、例えば、下記具体例群G1Aの「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの置換のアリール基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアリール基」の例、及び「置換のアリール基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアリール基」には、下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」におけるアリール基自体の炭素原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアリール基(具体例群G1A):
フェニル基、
p−ビフェニル基、
m−ビフェニル基、
o−ビフェニル基、
p−ターフェニル−4−イル基、
p−ターフェニル−3−イル基、
p−ターフェニル−2−イル基、
m−ターフェニル−4−イル基、
m−ターフェニル−3−イル基、
m−ターフェニル−2−イル基、
o−ターフェニル−4−イル基、
o−ターフェニル−3−イル基、
o−ターフェニル−2−イル基、
1−ナフチル基、
2−ナフチル基、
アントリル基、
ベンゾアントリル基、
フェナントリル基、
ベンゾフェナントリル基、
フェナレニル基、
ピレニル基、
クリセニル基、
ベンゾクリセニル基、
トリフェニレニル基、
ベンゾトリフェニレニル基、
テトラセニル基、
ペンタセニル基、
フルオレニル基、
9,9’−スピロビフルオレニル基、
ベンゾフルオレニル基、
ジベンゾフルオレニル基、
フルオランテニル基、
ベンゾフルオランテニル基、
ペリレニル基、及び
下記一般式(TEMP−1)〜(TEMP−15)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価のアリール基。
Figure 2021134172
Figure 2021134172
・置換のアリール基(具体例群G1B):
o−トリル基、
m−トリル基、
p−トリル基、
パラ−キシリル基、
メタ−キシリル基、
オルト−キシリル基、
パラ−イソプロピルフェニル基、
メタ−イソプロピルフェニル基、
オルト−イソプロピルフェニル基、
パラ−t−ブチルフェニル基、
メタ−t−ブチルフェニル基、
オルト−t−ブチルフェニル基、
3,4,5−トリメチルフェニル基、
9,9−ジメチルフルオレニル基、
9,9−ジフェニルフルオレニル基
9,9−ビス(4−メチルフェニル)フルオレニル基、
9,9−ビス(4−イソプロピルフェニル)フルオレニル基、
9,9−ビス(4−t−ブチルフェニル)フルオレニル基、
シアノフェニル基、
トリフェニルシリルフェニル基、
トリメチルシリルフェニル基、
フェニルナフチル基、
ナフチルフェニル基、及び
前記一般式(TEMP−1)〜(TEMP−15)で表される環構造から誘導される1価の基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基。
・「置換もしくは無置換の複素環基」
本明細書に記載の「複素環基」は、環形成原子にヘテロ原子を少なくとも1つ含む環状の基である。ヘテロ原子の具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、及びホウ素原子が挙げられる。
本明細書に記載の「複素環基」は、単環の基であるか、又は縮合環の基である。
本明細書に記載の「複素環基」は、芳香族複素環基であるか、又は非芳香族複素環基である。
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」の具体例(具体例群G2)としては、以下の無置換の複素環基(具体例群G2A)、及び置換の複素環基(具体例群G2B)等が挙げられる。(ここで、無置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「無置換の複素環基」である場合を指し、置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「置換の複素環基」である場合を指す。)本明細書において、単に「複素環基」という場合は、「無置換の複素環基」と「置換の複素環基」の両方を含む。
「置換の複素環基」は、「無置換の複素環基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換の複素環基」の具体例は、下記具体例群G2Aの「無置換の複素環基」の水素原子が置き換わった基、及び下記具体例群G2Bの置換の複素環基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換の複素環基」の例や「置換の複素環基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換の複素環基」には、具体例群G2Bの「置換の複素環基」における複素環基自体の環形成原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G2Bの「置換の複素環基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
具体例群G2Aは、例えば、以下の窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1)、酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2)、硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3)、及び下記一般式(TEMP−16)〜(TEMP−33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4)を含む。
具体例群G2Bは、例えば、以下の窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1)、酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2)、硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3)、及び下記一般式(TEMP−16)〜(TEMP−33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4)を含む。
・窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1):
ピロリル基、
イミダゾリル基、
ピラゾリル基、
トリアゾリル基、
テトラゾリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ピリジル基、
ピリダジニル基、
ピリミジニル基、
ピラジニル基、
トリアジニル基、
インドリル基、
イソインドリル基、
インドリジニル基、
キノリジニル基、
キノリル基、
イソキノリル基、
シンノリル基、
フタラジニル基、
キナゾリニル基、
キノキサリニル基、
ベンゾイミダゾリル基、
インダゾリル基、
フェナントロリニル基、
フェナントリジニル基、
アクリジニル基、
フェナジニル基、
カルバゾリル基、
ベンゾカルバゾリル基、
モルホリノ基、
フェノキサジニル基、
フェノチアジニル基、
アザカルバゾリル基、及びジアザカルバゾリル基。
・酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2):
フリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
キサンテニル基、
ベンゾフラニル基、
イソベンゾフラニル基、
ジベンゾフラニル基、
ナフトベンゾフラニル基、
ベンゾオキサゾリル基、
ベンゾイソキサゾリル基、
フェノキサジニル基、
モルホリノ基、
ジナフトフラニル基、
アザジベンゾフラニル基、
ジアザジベンゾフラニル基、
アザナフトベンゾフラニル基、及び
ジアザナフトベンゾフラニル基。
・硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3):
チエニル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ベンゾチオフェニル基(ベンゾチエニル基)、
イソベンゾチオフェニル基(イソベンゾチエニル基)、
ジベンゾチオフェニル基(ジベンゾチエニル基)、
ナフトベンゾチオフェニル基(ナフトベンゾチエニル基)、
ベンゾチアゾリル基、
ベンゾイソチアゾリル基、
フェノチアジニル基、
ジナフトチオフェニル基(ジナフトチエニル基)、
アザジベンゾチオフェニル基(アザジベンゾチエニル基)、
ジアザジベンゾチオフェニル基(ジアザジベンゾチエニル基)、
アザナフトベンゾチオフェニル基(アザナフトベンゾチエニル基)、及び
ジアザナフトベンゾチオフェニル基(ジアザナフトベンゾチエニル基)。
・下記一般式(TEMP−16)〜(TEMP−33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4):
Figure 2021134172
Figure 2021134172
前記一般式(TEMP−16)〜(TEMP−33)において、X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、NH、又はCHである。ただし、X及びYのうち少なくとも1つは、酸素原子、硫黄原子、又はNHである。
前記一般式(TEMP−16)〜(TEMP−33)において、X及びYの少なくともいずれかがNH、又はCHである場合、前記一般式(TEMP−16)〜(TEMP−33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基には、これらNH、又はCHから1つの水素原子を除いて得られる1価の基が含まれる。
・窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1):
(9−フェニル)カルバゾリル基、
(9−ビフェニリル)カルバゾリル基、
(9−フェニル)フェニルカルバゾリル基、
(9−ナフチル)カルバゾリル基、
ジフェニルカルバゾール−9−イル基、
フェニルカルバゾール−9−イル基、
メチルベンゾイミダゾリル基、
エチルベンゾイミダゾリル基、
フェニルトリアジニル基、
ビフェニリルトリアジニル基、
ジフェニルトリアジニル基、
フェニルキナゾリニル基、及び
ビフェニリルキナゾリニル基。
・酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2):
フェニルジベンゾフラニル基、
メチルジベンゾフラニル基、
t−ブチルジベンゾフラニル基、及び
スピロ[9H−キサンテン−9,9’−[9H]フルオレン]の1価の残基。
・硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3):
フェニルジベンゾチオフェニル基、
メチルジベンゾチオフェニル基、
t−ブチルジベンゾチオフェニル基、及び
スピロ[9H−チオキサンテン−9,9’−[9H]フルオレン]の1価の残基。
・前記一般式(TEMP−16)〜(TEMP−33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4):
前記「1価の複素環基の1つ以上の水素原子」とは、該1価の複素環基の環形成炭素原子に結合している水素原子、XA及びYAの少なくともいずれかがNHである場合の窒素原子に結合している水素原子、及びXA及びYAの一方がCH2である場合のメチレン基の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子を意味する。
・「置換もしくは無置換のアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」の具体例(具体例群G3)としては、以下の無置換のアルキル基(具体例群G3A)及び置換のアルキル基(具体例群G3B)が挙げられる。(ここで、無置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「無置換のアルキル基」である場合を指し、置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「置換のアルキル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキル基」という場合は、「無置換のアルキル基」と「置換のアルキル基」の両方を含む。
「置換のアルキル基」は、「無置換のアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキル基」(具体例群G3A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のアルキル基(具体例群G3B)の例等が挙げられる。本明細書において、「無置換のアルキル基」におけるアルキル基は、鎖状のアルキル基を意味する。そのため、「無置換のアルキル基」は、直鎖である「無置換のアルキル基」、及び分岐状である「無置換のアルキル基」が含まれる。尚、ここに列挙した「無置換のアルキル基」の例や「置換のアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルキル基」には、具体例群G3Bの「置換のアルキル基」におけるアルキル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G3Bの「置換のアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルキル基(具体例群G3A):
メチル基、
エチル基、
n−プロピル基、
イソプロピル基、
n−ブチル基、
イソブチル基、
s−ブチル基、及び
t−ブチル基。
・置換のアルキル基(具体例群G3B):
ヘプタフルオロプロピル基(異性体を含む)、
ペンタフルオロエチル基、
2,2,2−トリフルオロエチル基、及び
トリフルオロメチル基。
・「置換もしくは無置換のアルケニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルケニル基」の具体例(具体例群G4)としては、以下の無置換のアルケニル基(具体例群G4A)、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルケニル基とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「無置換のアルケニル基」である場合を指し、「置換のアルケニル基」とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「置換のアルケニル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アルケニル基」という場合は、「無置換のアルケニル基」と「置換のアルケニル基」の両方を含む。
「置換のアルケニル基」は、「無置換のアルケニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルケニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルケニル基」(具体例群G4A)が置換基を有する基、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアルケニル基」の例や「置換のアルケニル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルケニル基」には、具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」におけるアルケニル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルケニル基(具体例群G4A):
ビニル基、
アリル基、
1−ブテニル基、
2−ブテニル基、及び
3−ブテニル基。
・置換のアルケニル基(具体例群G4B):
1,3−ブタンジエニル基、
1−メチルビニル基、
1−メチルアリル基、
1,1−ジメチルアリル基、
2−メチルアリル基、及び
1,2−ジメチルアリル基。
・「置換もしくは無置換のアルキニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキニル基」の具体例(具体例群G5)としては、以下の無置換のアルキニル基(具体例群G5A)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルキニル基とは、「置換もしくは無置換のアルキニル基」が「無置換のアルキニル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキニル基」という場合は、「無置換のアルキニル基」と「置換のアルキニル基」の両方を含む。
「置換のアルキニル基」は、「無置換のアルキニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキニル基」(具体例群G5A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基等が挙げられる。
・無置換のアルキニル基(具体例群G5A):
エチニル基
・「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」の具体例(具体例群G6)としては、以下の無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A)、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)等が挙げられる。(ここで、無置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「無置換のシクロアルキル基」である場合を指し、置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「置換のシクロアルキル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「シクロアルキル基」という場合は、「無置換のシクロアルキル基」と「置換のシクロアルキル基」の両方を含む。
「置換のシクロアルキル基」は、「無置換のシクロアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のシクロアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のシクロアルキル基」(具体例群G6A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のシクロアルキル基」の例や「置換のシクロアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のシクロアルキル基」には、具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」におけるシクロアルキル基自体の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A):
シクロプロピル基、
シクロブチル基、
シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、
1−アダマンチル基、
2−アダマンチル基、
1−ノルボルニル基、及び
2−ノルボルニル基。
・置換のシクロアルキル基(具体例群G6B):
4−メチルシクロヘキシル基。
・「−Si(R901)(R902)(R903)で表される基」
本明細書に記載の−Si(R901)(R902)(R903)で表される基の具体例(具体例群G7)としては、
−Si(G1)(G1)(G1)、
−Si(G1)(G2)(G2)、
−Si(G1)(G1)(G2)、
−Si(G2)(G2)(G2)、
−Si(G3)(G3)(G3)、及び
−Si(G6)(G6)(G6)
が挙げられる。ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
−Si(G1)(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
−Si(G1)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
−Si(G1)(G1)(G2)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
−Si(G2)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
−Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
−Si(G6)(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「−O−(R904)で表される基」
本明細書に記載の−O−(R904)で表される基の具体例(具体例群G8)としては、
−O(G1)、
−O(G2)、
−O(G3)、及び
−O(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「−S−(R905)で表される基」
本明細書に記載の−S−(R905)で表される基の具体例(具体例群G9)としては、
−S(G1)、
−S(G2)、
−S(G3)、及び
−S(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「−N(R906)(R907)で表される基」
本明細書に記載の−N(R906)(R907)で表される基の具体例(具体例群G10)としては、
−N(G1)(G1)、
−N(G2)(G2)、
−N(G1)(G2)、
−N(G3)(G3)、及び
−N(G6)(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
−N(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
−N(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
−N(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
−N(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる
・「ハロゲン原子」
本明細書に記載の「ハロゲン原子」の具体例(具体例群G11)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がフッ素原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子で置き換わった基(パーフルオロ基)も含む。「無置換のフルオロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1〜50であり、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜18である。「置換のフルオロアルキル基」は、「フルオロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のフルオロアルキル基」には、「置換のフルオロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のフルオロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のフルオロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がフッ素原子と置き換わった基の例等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のハロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のハロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がハロゲン原子で置き換わった基も含む。「無置換のハロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1〜50であり、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜18である。「置換のハロアルキル基」は、「ハロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のハロアルキル基」には、「置換のハロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のハロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のハロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がハロゲン原子と置き換わった基の例等が挙げられる。ハロアルキル基をハロゲン化アルキル基と称する場合がある。
・「置換もしくは無置換のアルコキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルコキシ基」の具体例としては、−O(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルコキシ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1〜50であり、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜18である。
・「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」の具体例としては、−S(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルキルチオ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1〜50であり、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜18である。
・「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」の具体例としては、−O(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールオキシ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6〜50であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
・「置換もしくは無置換のアリールチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールチオ基」の具体例としては、−S(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールチオ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6〜50であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
・「置換もしくは無置換のトリアルキルシリル基」
本明細書に記載の「トリアルキルシリル基」の具体例としては、−Si(G3)(G3)(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。−Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。「トリアルキルシリル基」の各アルキル基の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1〜50であり、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜6である。
・「置換もしくは無置換のアラルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、−(G3)−(G1)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」であり、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。従って、「アラルキル基」は、「アルキル基」の水素原子が置換基としての「アリール基」と置き換わった基であり、「置換のアルキル基」の一態様である。「無置換のアラルキル基」は、「無置換のアリール基」が置換した「無置換のアルキル基」であり、「無置換のアラルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、7〜50であり、好ましくは7〜30であり、より好ましくは7〜18である。
「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、及び2−β−ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリール基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはフェニル基、p−ビフェニル基、m−ビフェニル基、o−ビフェニル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−ターフェニル−4−イル基、o−ターフェニル−3−イル基、o−ターフェニル−2−イル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9’−スピロビフルオレニル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、及び9,9−ジフェニルフルオレニル基等である。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基、カルバゾリル基(1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、又は9−カルバゾリル基)、ベンゾカルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ナフトベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、ジアザジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、アザジベンゾチオフェニル基、ジアザジベンゾチオフェニル基、(9−フェニル)カルバゾリル基((9−フェニル)カルバゾール−1−イル基、(9−フェニル)カルバゾール−2−イル基、(9−フェニル)カルバゾール−3−イル基、又は(9−フェニル)カルバゾール−4−イル基)、(9−ビフェニリル)カルバゾリル基、(9−フェニル)フェニルカルバゾリル基、ジフェニルカルバゾール−9−イル基、フェニルカルバゾール−9−イル基、フェニルトリアジニル基、ビフェニリルトリアジニル基、ジフェニルトリアジニル基、フェニルジベンゾフラニル基、及びフェニルジベンゾチオフェニル基等である。
本明細書において、カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure 2021134172
本明細書において、(9−フェニル)カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure 2021134172
前記一般式(TEMP−Cz1)〜(TEMP−Cz9)中、*は、結合位置を表す。
本明細書において、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure 2021134172
前記一般式(TEMP−34)〜(TEMP−41)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアルキル基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びt−ブチル基等である。
・「置換もしくは無置換のアリーレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリーレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアリーレン基」の具体例(具体例群G12)としては、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換の2価の複素環基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の2価の複素環基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換の2価の複素環基」の具体例(具体例群G13)としては、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のアルキレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアルキレン基」の具体例(具体例群G14)としては、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリーレン基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP−42)〜(TEMP−68)のいずれかの基である。
Figure 2021134172
Figure 2021134172
前記一般式(TEMP−42)〜(TEMP−52)中、Q〜Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP−42)〜(TEMP−52)中、*は、結合位置を表す。
Figure 2021134172
前記一般式(TEMP−53)〜(TEMP−62)中、Q〜Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
式Q及びQ10は、単結合を介して互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式(TEMP−53)〜(TEMP−62)中、*は、結合位置を表す。
Figure 2021134172
前記一般式(TEMP−63)〜(TEMP−68)中、Q〜Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP−63)〜(TEMP−68)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の2価の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP−69)〜(TEMP−102)のいずれかの基である。
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
前記一般式(TEMP−69)〜(TEMP−82)中、Q〜Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
前記一般式(TEMP−83)〜(TEMP−102)中、Q〜Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
以上が、「本明細書に記載の置換基」についての説明である。
・「結合して環を形成する場合」
本明細書において、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず」という場合は、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合しない」場合と、を意味する。
本明細書における、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(以下、これらの場合をまとめて「結合して環を形成する場合」と称する場合がある。)について、以下、説明する。母骨格がアントラセン環である下記一般式(TEMP−103)で表されるアントラセン化合物の場合を例として説明する。
Figure 2021134172
例えば、R921〜R930のうちの「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、環を形成する」場合において、1組となる隣接する2つからなる組とは、R921とR922との組、R922とR923との組、R923とR924との組、R924とR930との組、R930とR925との組、R925とR926との組、R926とR927との組、R927とR928との組、R928とR929との組、並びにR929とR921との組である。
上記「1組以上」とは、上記隣接する2つ以上からなる組の2組以上が同時に環を形成してもよいことを意味する。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、同時にR925とR926とが互いに結合して環Qを形成した場合は、前記一般式(TEMP−103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP−104)で表される。
Figure 2021134172
「隣接する2つ以上からなる組」が環を形成する場合とは、前述の例のように隣接する「2つ」からなる組が結合する場合だけではなく、隣接する「3つ以上」からなる組が結合する場合も含む。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、かつ、R922とR923とが互いに結合して環Qを形成し、互いに隣接する3つ(R921、R922及びR923)からなる組が互いに結合して環を形成して、アントラセン母骨格に縮合する場合を意味し、この場合、前記一般式(TEMP−103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP−105)で表される。下記一般式(TEMP−105)において、環Q及び環Qは、R922を共有する。
Figure 2021134172
形成される「単環」、又は「縮合環」は、形成された環のみの構造として、飽和の環であっても不飽和の環であってもよい。「隣接する2つからなる組の1組」が「単環」、又は「縮合環」を形成する場合であっても、当該「単環」、又は「縮合環」は、飽和の環、又は不飽和の環を形成することができる。例えば、前記一般式(TEMP−104)において形成された環Q及び環Qは、それぞれ、「単環」又は「縮合環」である。また、前記一般式(TEMP−105)において形成された環Q、及び環Qは、「縮合環」である。前記一般式(TEMP−105)の環Qと環Qとは、環Qと環Qとが縮合することによって縮合環となっている。前記一般式(TMEP−104)の環Qがベンゼン環であれば、環Qは、単環である。前記一般式(TMEP−104)の環Qがナフタレン環であれば、環Qは、縮合環である。
「不飽和の環」には、芳香族炭化水素環、芳香族複素環の他、環構造中に不飽和結合、即ち、二重結合及び/又は三重結合を有する脂肪族炭化水素環(例えば、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン等)、及び不飽和結合を有する非芳香族複素環(例えば、ジヒドロピラン、イミダゾリン、ピラゾリン、キノリジン、インドリン、イソインドリン等)が含まれる。「飽和の環」には、不飽和結合を有しない脂肪族炭化水素環、又は不飽和結合を有しない非芳香族複素環が含まれる。
芳香族炭化水素環の具体例としては、具体例群G1において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
芳香族複素環の具体例としては、具体例群G2において具体例として挙げられた芳香族複素環基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
脂肪族炭化水素環の具体例としては、具体例群G6において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
「環を形成する」とは、母骨格の複数の原子のみ、あるいは母骨格の複数の原子とさらに1以上の任意の原子で環を形成することを意味する。例えば、前記一般式(TEMP−104)に示す、R921とR922とが互いに結合して形成された環Qは、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、1以上の任意の原子とで形成する環を意味する。具体例としては、R921とR922とで環Qを形成する場合において、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922とが結合するアントラセン骨格の炭素原子と、4つの炭素原子とで単環の不飽和の環を形成する場合、R921とR922とで形成する環は、ベンゼン環である。
ここで、「任意の原子」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、炭素原子、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子である。任意の原子において(例えば、炭素原子、又は窒素原子の場合)、環を形成しない結合は、水素原子等で終端されてもよいし、後述する「任意の置換基」で置換されてもよい。炭素原子以外の任意の原子を含む場合、形成される環は複素環である。
単環または縮合環を構成する「1以上の任意の原子」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは2個以上15個以下であり、より好ましくは3個以上12個以下であり、さらに好ましくは3個以上5個以下である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」、及び「縮合環」のうち、好ましくは「単環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「飽和の環」、及び「不飽和の環」のうち、好ましくは「不飽和の環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」は、好ましくはベンゼン環である。
本明細書に別途記載のない限り、「不飽和の環」は、好ましくはベンゼン環である。
「隣接する2つ以上からなる組の1組以上」が、「互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、又は「互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、母骨格の複数の原子と、1個以上15個以下の炭素原子、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子とからなる置換もしくは無置換の「不飽和の環」を形成する。
上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
上記の「飽和の環」、又は「不飽和の環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
以上が、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(「結合して環を形成する場合」)についての説明である。
・「置換もしくは無置換の」という場合の置換基
本明細書における一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基(本明細書において、「任意の置換基」と呼ぶことがある。)は、例えば、
無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、
無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
−Si(R901)(R902)(R903)、
−O−(R904)、
−S−(R905)、
−N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び
無置換の環形成原子数5〜50の複素環基
からなる群から選択される基等であり、
ここで、R901〜R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1〜50のアルキル基、
環形成炭素数6〜50のアリール基、及び
環形成原子数5〜50の複素環基
からなる群から選択される基である。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1〜18のアルキル基、
環形成炭素数6〜18のアリール基、及び
環形成原子数5〜18の複素環基
からなる群から選択される基である。
上記任意の置換基の各基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基の具体例である。
本明細書において別途記載のない限り、隣接する任意の置換基同士で、「飽和の環」、又は「不飽和の環」を形成してもよく、好ましくは、置換もしくは無置換の飽和の5員環、置換もしくは無置換の飽和の6員環、置換もしくは無置換の不飽和の5員環、又は置換もしくは無置換の不飽和の6員環を形成し、より好ましくは、ベンゼン環を形成する。
本明細書において別途記載のない限り、任意の置換基は、さらに置換基を有してもよい。任意の置換基がさらに有する置換基としては、上記任意の置換基と同様である。
本明細書において、「AA〜BB」を用いて表される数値範囲は、「AA〜BB」の前に記載される数値AAを下限値とし、「AA〜BB」の後に記載される数値BBを上限値として含む範囲を意味する。
[化合物]
本発明の一態様である化合物は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(1)中、
環X〜Xは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンゼン環、又は置換もしくは無置換の、1もしくは2個の窒素原子を含む、6員の芳香族複素環である。
環X〜Xのうちの少なくとも2つには、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環
からなる群から選択される1以上が縮合する。
前記環が縮合しない、X1a〜X1d、X2a〜X2d、X3a〜X3c、及びX4a〜X4cは、それぞれ独立に、
CH、
C(R)、又は
Nである。
は、置換基である。
が複数存在する場合、複数のRは互いに同一であるか、又は異なる。
隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。
a1及びRa2は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
a1及びRa2は、互いに同一であるか、あるいは異なる。)
上記式(1)で表される化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として有用である。
上記式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)ということがある)は、有機EL素子の発光材料として有用であり、特に、有機EL素子の発光層のドーパント材料として有用である。
化合物(1)は、これを用いて作製された有機エレクトロルミネッセンス素子を、長寿命化させる効果を有する。
以下、化合物(1)について説明する。
上記環X〜Xにおける「1もしくは2個の窒素原子を含む、6員の芳香族複素環」は、1もしくは2個の窒素原子以外は炭素原子から構成される環である。「6員の芳香族複素環」としては、下記のピリジン、ピリダジン(1,2−ジアジン)、ピリミジン(1,3−ジアジン)、及びピラジン(1,4−ジアジン)が挙げられる。
Figure 2021134172
環X〜Xのうちの少なくとも2つに縮合する、「環形成炭素数5〜50の炭化水素環」には、環形成炭素数5〜50の脂肪族炭化水素環、及び環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素環が含まれる。
「脂肪族炭化水素環」とは、炭素原子及び水素原子のみから形成された、芳香族性を示さない、単環又は2環以上が縮合した環を意味する。2環以上の脂肪族炭化水素環は、単環又は2環以上が縮合した脂肪族炭化水素環に「芳香族炭化水素環」が縮合したものも、芳香族性を示さない限り包含する。さらに「脂肪族炭化水素環」は、架橋している環、又はスピロ環も包含する。
上記環形成炭素数5〜50の脂肪族炭化水素環に含まれる単環の例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素環、及び、シクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン等の不飽和脂肪族炭化水素環が挙げられる。
Figure 2021134172
上記環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン等が挙げられる。
上記環形成原子数5〜50の複素環には、環形成原子数5〜50の非芳香族複素環、及び環形成原子数5〜50の芳香族複素環が含まれる。
「非芳香族複素環」とは、環形成原子として、O、S及びN等のヘテロ原子から選択される1以上を環形成原子として有する、単環又は2環以上が縮合した、芳香族性を示さない環を意味する。2環以上の非芳香族複素環は、単環又は2環以上が縮合した非芳香族複素環に、上記「芳香族炭化水素環」、「脂肪族炭化水素環」、及び/又は「芳香族複素環」が縮合したもののうち、芳香族性を示さないものも包含する。さらに、「非芳香族複素環」は、架橋している環、又はスピロ環も包含する。
環形成原子数5〜50の単環の非芳香族複素環としては、例えば、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール、ジヒドロオキサジン、ヘキサヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、テトラヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジオキソラン、ジオキサジン、アジリジン、ジオキソリン、オキセパン、チオラン、チイン、チアジン等が挙げられる。
環形成原子数5〜50の2環以上が縮合した非芳香族複素環としては、例えば、インドリン、イソインドリン、クロマン、イソクロマン等が挙げられる。
「芳香族複素環」とは、環形成原子として、O、S及びN等のヘテロ原子から選択される1以上を環形成原子として有する、単環又は2環以上が縮合した、芳香族性を示す環を意味する。2環以上が縮合した芳香族複素環は、単環又は2環以上が縮合した芳香族複素環に、上記「非芳香族複素環」、「脂肪族炭化水素環」、及び/又は「芳香族炭化水素環」が縮合したもののうち、芳香族性を示すものも包含する。さらに、「非芳香族複素環」は、架橋している環、又はスピロ環も包含する。
環形成原子数5〜50の単環の芳香族複素環としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリダジン(1,2−ジアジン)、ピリミジン(1,3−ジアジン)、ピラジン(1,4−ジアジン)、トリアジン、チアジン等が挙げられる。
環形成原子数5〜50の2環以上が縮合した芳香族複素環としては、例えば、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、キノリン、イソキノリン、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェノキサチジン、チエノチオフェン、ピロロピロール等が挙げられる。
前記環X〜Xのうちの少なくとも2つに、上記炭化水素環及び複素環からなる群から選択される「1以上が縮合する」とは、例えば、環X及びXであれば、1〜3個の環が縮合してもよく、環X及びXであれば、1又は2個の環が縮合してもよいことを意味する。上記縮合する環は、例えば、環Xであれば、X1aとX1b、X1bとX1c、及びX1cとX1dのいずれかで縮合が可能である。
前記縮合環は、前記環X〜Xのうちの少なくとも2つに縮合し、前記環X〜Xの任意の組み合わせで、そのうちの2つ、3つ又は4つに縮合する。
一実施形態においては、前記式(1)における縮環を有する環が、前記環X及びX、X及びX、X及びX、X及びX、又はX、X及びXである。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X〜Xのうちの2つに、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の複素環からなる群から選択される1つが縮合する。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X及びXに、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の複素環からなる群から選択される1つが縮合する。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X及びXに、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の複素環からなる群から選択される1つが縮合する。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X〜Xのうちの2つに、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の複素環からなる群から選択される、同一の環が縮合する。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X及びXに、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の複素環からなる群から選択される、同一の環が縮合する。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X及びXに、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の複素環からなる群から選択される、同一の環が縮合する。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X及びX、又は前記環X及びXに同一の環が縮合する場合、縮合する位置が対称である。
「縮合する位置が対称である」とは、例えば、Ra1及びRa2が置換しているベンゼン環を挟んで左右の化学構造が対称であることを意味する。
下記に、化合物(1)の「縮合する位置が対称」である例を示す。
Figure 2021134172
(式中、破線で表した半円は、縮合した同一の環を模式的に示す。)
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X及びX、又は前記環X及びXに同一の環が縮合し、かつ縮合する位置が対称であって、Ra1及びRa2が同一の基又は水素原子である。
一方、前記環X及びXに同一の環が縮合する場合であって、縮合する位置がベンゼン環を挟んで左右の化学構造が対称ではない例を下記に示す。
Figure 2021134172
(式中、破線で表した半円は、縮合した同一の環を模式的に示す。)
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X〜Xのうちの2つに、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10の複素環からなる群から選択される、異なる環が縮合する。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X〜Xのうちの少なくとも1つに縮合する環が、下記式(a1)〜(a4)のいずれかで表される部分構造を有する。
Figure 2021134172
(式(a1)〜(a4)中、
*は、前記式(1)における、環X〜Xのいずれかとの結合部位である。
a1は、
O、
S、
NH、
N(R)、又は
CH(Ra)、
C(Rである。
a11〜Xa18、Xa22〜Xa29は、それぞれ独立に、
CH、
C(R)、又は
Nである。
a21は、
CH
CH(R)、
C(R
NH、又は
N(R)である。
は、置換基である。
が複数存在する場合、複数のRは互いに同一であるか、あるいは異なる。
隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
一実施形態においては、前記式(a1)におけるXa11〜Xa14が、それぞれ独立に、CH、又はC(R)である。
一実施形態においては、前記式(a1)におけるXa11〜Xa14が、CHである。
一実施形態においては、前記式(a2)におけるXa15〜Xa18が、それぞれ独立に、CH、又はC(R)である。
一実施形態においては、前記式(a2)におけるXa15〜Xa18が、CHである。
一実施形態においては、前記式(a2)におけるYa1が、O、S、N(R)、又は
C(Rである。
一実施形態においては、前記式(a2)におけるYa1が、O、S、フェニル基が置換したN、又はメチル基2個が置換したCである。
一実施形態においては、前記式(a3)におけるXa21が、NH、又はN(R)である。
一実施形態においては、前記式(a3)におけるXa22及びXa23の一方が、CH、又はC(R)であり、他方がNである。
一実施形態においては、前記式(a4)におけるXa24〜Xa29が、それぞれ独立に、CH、又はC(R)である。
一実施形態においては、前記式(a4)におけるXa24〜Xa29が、CHである。
一実施形態においては、前記式(1)における前記式(a2)で表される部分構造が、下記式(a2−1)〜(a2−5)のいずれかで表される部分構造である。
Figure 2021134172
(式(a2−1)〜(a2−5)中、*、Xa15〜Xa18、及びRは、前記式(a2)で定義した通りである。
m1及びm2は、それぞれ独立に、0〜5、好ましくは0又は1の整数である。m1及びm2がそれぞれ独立に0の場合、置換基Rの代わりに水素原子が結合する。
m1又はm2が2以上の場合、2個以上のRは互いに同一であるか、又は異なる。)
一実施形態においては、前記式(1)における前記式(a3)で表される部分構造が、下記式(a3−1)で表される部分構造である。
Figure 2021134172
(式(a3−1)中、*、Xa22、及びRは、前記式(a3)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記式(1)で表される化合物が、下記式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(2−1)〜(2−3)中、環X〜X、X1a〜X1d、X2a〜X2d、X3a〜X3c、X4a〜X4c、Ra1及びRa2は、前記式(1)で定義した通りである。
a11〜Xa14は、それぞれ独立に、
CH、
C(R)、又は
Nである。
それぞれ2個存在するXa11〜Xa14は、それぞれ互いに同一であるか、あるいは異なる。
は、置換基である。
が2個以上存在する場合、2個以上のRは、それぞれ互いに同一であるか、又は異なる。
隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
一実施形態においては、前記式(2−1)〜(2−3)におけるXa11〜Xa14は、それぞれ独立に、CH、又はC(R)である。
一実施形態においては、前記式(2−1)〜(2−3)におけるXa11〜Xa14は、CHである。
一実施形態においては、前記式(1)で表される化合物が、前記式(2−2)で表される化合物、又は前記式(2−3)で表される化合物である。
一実施形態においては、前記式(2−2)におけるX1d及びX2d、又はX3a及びX4aが、それぞれ独立に、CH、又はNである。
一実施形態においては、前記式(2−2)におけるX1d及びX2dが、Nである。
一実施形態においては、前記式(2−2)におけるX3a及びX4aが、Nである。
一実施形態においては、前記式(1)で表される化合物が、下記式(3−1)又は(3−2)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(3−1)及び(3−2)中、環X〜X、X1a、X1b、X1d、X2a、X2b、X2d、X3a〜X3c、X4a〜X4c、Ra1及びRa2は、前記式(1)で定義した通りである。
a1は、
O、
S、
NH、
N(R)、又は
C(Rである。
a15〜Xa18は、それぞれ独立に、
CH、
C(R)、又は
Nである。
それぞれ2個存在するYa1、及びXa15〜Xa18は、それぞれ互いに同一であるか、あるいは異なる。
は、置換基である。
が2個以上存在する場合、2個以上のRは、それぞれ互いに同一であるか、又は異なる。
隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
一実施形態においては、前記式(3−1)及び(3−2)におけるYa1が、O、S、N(R)、又はC(Rである。
一実施形態においては、前記式(3−1)及び(3−2)におけるYa1が、O、S、フェニル基が置換したN、又はメチル基2個が置換したCである。
一実施形態においては、前記式(1)で表される化合物が、下記式(4−1)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(4−1)中、環X〜X、X1a、X1d、X2a、X2d、X3a〜X3c、X4a〜X4c、Ra1及びRa2は、前記式(1)で定義した通りである。
a21は、
CH
CH(R)、
C(R
NH、又は
N(R)である。
a22及びXa23は、それぞれ独立に、
CH、
C(R)、又は
Nである。
それぞれ2個存在するXa21〜Xa23は、それぞれ互いに同一であるか、あるいは異なる。
は、置換基である。
が複数存在する場合、複数のRは互いに同一であるか、あるいは異なる。
隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
一実施形態においては、前記式(4−1)におけるXa21が、それぞれ独立に、NH、又はN(R)である。
一実施形態においては、前記式(4−1)におけるXa21が、N(R)である。
一実施形態においては、前記式(4−1)におけるXa21が、フェニル基が置換したNである。
一実施形態においては、前記式(4−1)におけるXa22及びXa23の一方が、Nであり、他方がCH、又はC(R)である。
一実施形態においては、前記式(1)で表される化合物が、下記式(5−1)〜(5−4)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(5−1)〜(5−4)中、環X〜X、X1a〜X1d、X2a〜X2d、X3a、X3c、X4a、X4c、Ra1及びRa2は、前記式(1)で定義した通りである。
a1は、
O、
S、
NH、
N(R)、又は
C(Rである。
a15〜Xa18は、それぞれ独立に、
CH、
C(R)、又は
Nである。
それぞれ2個存在するYa1、及びXa15〜Xa18は、それぞれ互いに同一であるか、あるいは異なる。
は、置換基である。
が2個以上存在する場合、2個以上のRは、それぞれ互いに同一であるか、又は異なる。
隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
一実施形態においては、前記式(5−1)及び(5−2)におけるYa1が、それぞれ独立に、O、S、N(R)、又はC(Rである。
一実施形態においては、前記式(5−1)及び(5−2)におけるYa1が、それぞれ独立に、O、S、フェニル基が置換したN、又はメチル基2個が置換したCである。
一実施形態においては、前記式(5−1)及び(5−2)における2つのYa1が、O、S、N(R)、又はC(Rである。
一実施形態においては、前記式(5−1)及び(5−2)における2つのYa1が、N(R)である。
一実施形態においては、前記式(5−1)及び(5−2)における2つのYa1が、フェニル基が置換したNである。
一実施形態においては、前記式(1)におけるRa1及びRa2が、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X〜Xが、それぞれ独立に、ベンゼン環、又は1個の窒素原子を含む6員の芳香族複素環である。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X〜Xのうちの2つが、1又は2個の窒素原子を含む6員の芳香族複素環であり、残りの2つがベンゼン環である。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X及びXが、それぞれ独立に、1個の窒素原子を含む6員の芳香族複素環である。
一実施形態においては、前記式(1)における前記環X及びXが、それぞれ独立に、1個の窒素原子を含む6員の芳香族複素環である。
一実施形態においては、前記環X〜Xが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンゼン環である。
一実施形態においては、前記環X〜Xが、無置換のベンゼン環である。
一実施形態においては、前記式(1)におけるX1d及びX2dが、窒素原子である。
一実施形態においては、前記式(1)におけるX3a及びX4aが、窒素原子である。
一実施形態においては、前記式(1)における置換基Rが、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
−Si(R901)(R902)(R903)、
−O−(R904)、
−S−(R905)、
−N(R906)(R907)、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基
からなる群から選択される。
ここで、R901〜R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。R901〜R907が2個以上存在する場合、2個以上のR901〜R907のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。
一実施形態においては、前記式(1)における置換基Rが、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10のシクロアルキル基、
−Si(R901)(R902)(R903)、
−O−(R904)、
−S−(R905)、
−N(R906)(R907)、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14のアリール基、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30、好ましくは5〜20、より好ましくは5〜14の1価の複素環基
からなる群から選択される。
一実施形態においては、R901〜R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30、好ましくは5〜20、より好ましくは5〜14の1価の複素環基である。R901〜R907が2個以上存在する場合、2個以上のR901〜R907のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。
一実施形態においては、前記式(1)における置換基Rが、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜10のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50、好ましくは3〜30、より好ましくは3〜20、さらに好ましくは3〜10のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50、好ましくは6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜14のアリール基、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜14の1価の複素環基
からなる群から選択される。
一実施形態においては、Rが、
ハロゲン原子(フッ素原子、ヨウ素原子等)、
シアノ基、
ニトロ基、
炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等)、
置換の炭素数1〜5のアルキル基(トリフルオロメチル基等のフルオロアルキル基)、
環形成炭素数6〜14のアリール基(フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基等)、
環形成原子数5〜14の1価の複素環基、及び
−Si(R901)(R902)(R903)(トリメチルシリル基等)
からなる群から選択される。
上記原子及び基については、本願明細書の[定義]に詳細に説明されている通りである。
以下に、式(1)で表される化合物の具体例を記載するが、これらは例示に過ぎず、式(1)で表される化合物は下記具体例に限定されるものではない。
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
上記式(1)で表される化合物は、後述する実施例に記載の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応や原料を用いることで、製造することができる。
[有機エレクトロルミネッセンス素子用材料]
本発明の一態様の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、前記式(1)で表される化合物を含む。
化合物(1)を有機EL素子用材料として用いることにより、得られる素子の寿命を向上させることができる。
一実施形態においては、前記有機EL素子用材料は、有機EL素子の発光材料として用いられる。
一実施形態においては、前記有機EL素子用材料は、有機EL素子の発光層のドーパント材料として用いられる。
本発明の一態様の有機EL素子用材料は、化合物(1)のみからなっていてもよいし、化合物(1)及び化合物(1)とは異なる物質(化合物又は材料)を含んでいてもよい。
[有機エレクトロルミネッセンス素子]
本発明の一態様に係る有機EL素子は、
陰極と、
陽極と、
前記陰極と前記陽極との間に配置された1又は2以上の有機層と、
を有し、
前記有機層のうちの少なくとも1層が、上記式(1)で表される化合物を含有する。
化合物(1)を有機層に含むことで、長寿命の有機EL素子が得られる。
本発明の一態様の有機EL素子の概略構成を図1を参照して説明する。
有機EL素子1は、基板2と、陽極3と、陰極10と、前記陽極3と前記陰極10の間にある有機層4とを有し、前記有機層4は発光層5を含む。前記陽極3と前記発光層5との間に第1の層(正孔輸送層)6とを有する。一実施形態においては、さらに、陽極3と第1の層(正孔輸送層)6との間に正孔注入層7を有していてもよい。また、発光層5と陰極10との間に電子注入層、電子輸送層(図示せず)を形成してもよい。また、発光層5の陽極3側に電子阻止層(図示せず)を、発光層5の陰極10側に正孔阻止層(図示せず)をそれぞれ設けてもよい。これにより、電子や正孔を発光層5に閉じ込めて、発光層5における励起子の生成効率をさらに高めることができる。
一実施形態においては、前記有機層が発光層を含み、
前記発光層が、前記化合物を含む。
一実施形態においては、前記有機層が、前記化合物と同一ではない第2の化合物を含む。
一実施形態においては、前記第2の化合物が、複素環化合物又は縮合芳香族化合物である。
一実施形態においては、前記第2の化合物が、アントラセン誘導体から選ばれる化合物である。
一実施形態においては、前記第2の化合物が、下記式(10)で表される化合物である。
<式(10)で表される化合物>
Figure 2021134172
[式(10)中、
101〜R110のうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR101〜R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換基R、又は
下記式(11)で表される基である。
−L101−Ar101 (11)
(式(11)中、
101は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の2価の複素環基である。
Ar101は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。)
前記置換基Rは、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
−Si(R901)(R902)(R903)、
−O−(R904)、
−S−(R905)、
−N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
前記置換基Rが2個以上存在する場合、2個以上の前記置換基Rは同一でもよく、異なっていてもよい。
901〜R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
901〜R907が2個以上存在する場合、2個以上のR901〜R907のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。
但し、前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR101〜R110の少なくとも1つは、前記式(11)で表される基である。前記式(11)が2以上存在する場合、2以上の前記式(11)で表される基のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。]
上記式(10)で表される化合物は、水素原子として、重水素原子を有していてもよい。
一実施形態においては、前記式(10)中のAr101の少なくとも1つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
一実施形態においては、前記式(10)中のAr101の少なくとも1つが、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
一実施形態においては、前記式(10)中の全てのAr101が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。複数のAr101は、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
一実施形態においては、前記式(10)中のAr101のうちの1つが置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基であり、残りのAr101が置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。複数のAr101は、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
一実施形態においては、前記式(10)中のL101の少なくとも1つが、単結合である。
一実施形態においては、前記式(10)中のL101の全てが、単結合である。
一実施形態においては、前記式(10)中のL101の少なくとも1つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基である。
一実施形態においては、前記式(10)中のL101の少なくとも1つが、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のナフチル基である。
一実施形態においては、前記式(10)中の−L101−Ar101で表される基が、
置換もしくは無置換のフェニル基、
置換もしくは無置換のナフチル基、
置換もしくは無置換のビフェニル基、
置換もしくは無置換のフェナントレニル基、
置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、
置換もしくは無置換のフルオレニル基、
置換もしくは無置換のベンゾフルオレニル基、
置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、
置換もしくは無置換のナフトベンゾフラニル基、
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、及び
置換もしくは無置換のカルバゾリル基からなる群から選択される。
一実施形態においては、前記式(10)中の置換基Rが、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
−Si(R901)(R902)(R903)、
−O−(R904)、
−S−(R905)、
−N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
901〜R907は、前記式(10)で定義した通りである。
一実施形態においては、前記式(10)中の「置換もしくは無置換の」の置換基が、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
−Si(R901)(R902)(R903)、
−O−(R904)、
−S−(R905)、
−N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
901〜R907は、前記式(10)で定義した通りである。
一実施形態においては、前記式(10)中の「置換もしくは無置換の」の置換基が、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
−Si(R901)(R902)(R903)、
−O−(R904)、
−S−(R905)、
−N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
901〜R907は、前記式(10)で定義した通りである。
一実施形態においては、前記式(10)中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
炭素数1〜18のアルキル基、
環形成炭素数6〜18のアリール基、及び
環形成原子数5〜18の1価の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、前記式(10)中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜5のアルキル基である。
一実施形態においては、前記式(10)で表される化合物が、下記式(20)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(20)中、R101〜R108、L101及びAr101は、前記式(10)で定義した通りである。)
上記式(20)で表される化合物は、水素原子として、重水素原子を有していてもよい。
即ち、一実施形態においては、前記式(10)又は式(20)で表される化合物は、前記式(11)で表される基を少なくとも2つ有する。
一実施形態においては、前記式(10)又は式(20)で表される化合物は、前記式(11)で表される基を2つ又は3つ有する。
一実施形態においては、前記式(10)及び(20)中のR101〜R110が、前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
一実施形態においては、前記式(10)及び(20)中のR101〜R110が、水素原子である。
一実施形態においては、前記式(20)で表される化合物が、下記式(30)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(30)中、L101及びAr101は、前記式(10)で定義した通りである。
101A〜R108Aのうち隣接する2つは、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
101A〜R108Aは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
前記置換基Rは、前記式(10)で定義した通りである。)
即ち、上記式(30)で表される化合物は、前記式(11)で表される基を2つ有する化合物である。
上記式(30)で表される化合物は、水素原子として、実質的に軽水素原子のみを有する。
尚、「実質的に軽水素原子のみを有する」とは、同一構造であって、水素原子として軽水素原子のみを有する化合物(軽水素体)と重水素原子を有する化合物(重水素体)との合計に対する軽水素体の割合が90モル%以上、95モル%以上又は99モル%以上である場合を意味する。
一実施形態においては、前記式(30)で表される化合物が、下記式(31)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(31)中、L101及びAr101は、前記式(10)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、前記式(30)で定義した通りである。
は、O、S、N(R131)、又はC(R132)(R133)である。
121〜R128、及びR131〜R133のうちの1つはL101と結合する単結合である。
101と結合する単結合ではないR121〜R128のうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
101と結合する単結合ではなく、かつ前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR121〜R128は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
前記置換基Rは前記式(10)で定義した通りである。
101と結合する単結合ではないR131〜R133は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
131〜R133が2個以上存在する場合、2個以上のR131〜R133のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)
一実施形態においては、前記式(31)で表される化合物が、下記式(32)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(32)中、R101A〜R108A、L101、Ar101、R121〜R128、R132及びR133は、前記式(31)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記式(31)で表される化合物が、下記式(33)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(33)中、R101A〜R108A、L101、Ar101、及びR121〜R128は、前記式(31)で定義した通りである。
は、O、S、又はNR131である。
131は、前記式(31)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記式(31)で表される化合物が、下記式(34)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(34)中、R101A〜R108A、L101及びAr101は、前記式(31)で定義した通りである。
は、O、S又はNR131である。
131は、前記式(31)で定義した通りである。
121A〜R128Aのうちの1つはL101と結合する単結合である。
101と結合する単結合ではないR121A〜R128Aのうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
101と結合する単結合ではないR121A〜R128Aは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
前記置換基Rは前記式(10)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記式(31)で表される化合物が、下記式(35)で表される化合物である。
Figure 2021134172
[式(35)中、R101A〜R108A、L101、Ar101及びXは、前記式(31)で定義した通りである。
121A〜R124Aのうちの隣接する2個以上の1組以上は、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
125B及びR126B、R126B及びR127B、並びにR127B及びR128Bのうちのいずれか1組は、互いに結合して、下記式(35a)又は(35b)で表される環を形成する。
Figure 2021134172
(式(35a)及び(35b)中、
2つの*は、それぞれ、R125B及びRR126B、R126B及びR127B、並びにR127B及びR128Bのうちのいずれか1組と結合する。
141〜R144は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
前記置換基Rは、前記式(10)で定義した通りである。
は、O又はSである。)
121A〜R124A、前記式(35a)又は(35b)で表される環を形成しないR125B〜R128B、及びR141〜R144のうちの1つはL101と結合する単結合である。
101と結合する単結合ではないR121A〜R124A、及びL101と結合する単結合ではなく、かつ前記式(35a)又は(35b)で表される環を形成しないR125B〜R128Bは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
前記置換基Rは、前記式(10)で定義した通りである。]
一実施形態においては、前記式(35)で表される化合物が、下記式(36)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(36)中、R101A〜R108A、L101、Ar101、及びR125B〜R128Bは、前記式(35)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記式(34)で表される化合物が、下記式(37)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(37)中、R101A〜R108A、R125A〜R128A、L101及びAr101は、前記式(34)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記式(30)〜(37)中のR101A〜R108Aが、水素原子である。
一実施形態においては、前記式(10)で表される化合物が、下記式(40)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(40)中、L101及びAr101は、前記式(10)で定義した通りである。
101A、及びR103A〜R108Aのうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR101A、及びR103A〜R108Aは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
前記置換基Rは、前記式(10)で定義した通りである。)
即ち、前記式(40)で表される化合物は、前記式(11)で表される基を3つ有する化合物である。また、上記式(40)で表される化合物は、水素原子として、実質的に軽水素原子のみを有する。
一実施形態においては、前記式(40)で表される化合物が、下記式(41)で表される。
Figure 2021134172
(式(41)中、L101及びAr101は、前記式(40)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記式(40)で表される化合物が、下記式(42−1)〜(42−3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(42−1)〜(42−3)中、R101A〜R108A、L101及びAr101は、前記式(40)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記式(42−1)〜(42−3)で表される化合物が、下記式(43−1)〜(43−3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(43−1)〜(43−3)中、L101及びAr101は、前記式(40)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記式(40)、(41)、(42−1)〜(42−3)、及び(43−1)〜(43−3)における−L101−Ar101で表される基が、
置換もしくは無置換のフェニル基、
置換もしくは無置換のナフチル基、
置換もしくは無置換のビフェニル基、
置換もしくは無置換のフェナントレニル基、
置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、
置換もしくは無置換のフルオレニル基、
置換もしくは無置換のベンゾフルオレニル基、
置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、
置換もしくは無置換のナフトベンゾフラニル基、
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、及び
置換もしくは無置換のカルバゾリル基からなる群から選択される。
一実施形態においては、前記式(10)又は式(20)で表される化合物は、これらの化合物が有する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である化合物を含む。
一実施形態においては、前記式(20)中の
水素原子であるR101〜R108
前記置換基RであるR101〜R108が有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
前記式(30)〜(37)で表される化合物は、これらの化合物が有する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である化合物を含む。
一実施形態においては、前記式(30)〜(37)で表される化合物中のアントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記式(30)で表される化合物が、下記式(30D)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(30D)中、R101A〜R108A、L101及びAr101は、前記式(30)で定義した通りである。
但し、水素原子であるR101A〜R110A
前記置換基RであるR101A〜R110Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
即ち、上記式(30D)で表される化合物は、前記式(30)で表される化合物が有する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である化合物である。
一実施形態においては、前記式(30D)中の水素原子であるR101A〜R108Aのうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記式(30D)で表される化合物が、下記式(31D)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(31D)中、R101A〜R108A、L101及びAr101は、前記式(30D)で定義した通りである。
は、O又はSである。
121〜R128のうちの1つはL101と結合する単結合である。
101と結合する単結合ではないR121〜R128のうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
101と結合する単結合ではなく、かつ前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR121〜R128は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
前記置換基Rは、前記式(10)で定義した通りである。
但し、水素原子であるR101A〜R110A
前記置換基RであるR101A〜R110Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子
水素原子であるR121〜R128、及び
前記置換基RであるR121〜R128が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記式(31D)で表される化合物が、下記式(32D)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(32D)中、R101A〜R108A、R125A〜R128A、L101及びAr101は、前記式(31D)で定義した通りである。
但し、
水素原子であるR101A〜R108A
前記置換基RであるR101A〜R108Aが有する水素原子、
水素原子であるR125A〜R128A
前記置換基RであるR125A〜R128Aが有する水素原子、
式(32D)中のジベンゾフラン骨格の炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記式(32D)で表される化合物が、下記式(32D−1)又は(32D−2)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(32D−1)及び(32D−2)中、R101A〜R108A、R125A〜R128A、L101及びAr101は、前記式(32D)で定義した通りである。
但し、
水素原子であるR101A〜R108A
前記置換基RであるR101A〜R108Aが有する水素原子、
水素原子であるR125A〜R128A
前記置換基RであるR125A〜R128Aが有する水素原子、
式(32D−1)及び(32D−2)中のジベンゾフラン骨格の炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記式(40)、(41)、(42−1)〜(42−3)又は(43−1)〜(43−3)で表される化合物が有する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記式(41)で表される化合物中のアントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子(水素原子であるR101A〜R108A)のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記式(40)で表される化合物が、下記式(40D)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(40D)中、L101及びAr101は、前記式(10)で定義した通りである。
101A、及びR103A〜R108Aのうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
101A、及びR103A〜R108Aは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rである。
前記置換基Rは、前記式(10)で定義した通りである。
但し、水素原子であるR101A、及びR103A〜R108A
前記置換基RであるR101A、及びR103A〜R108Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子、
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記式(40D)中のR101A、及びR103A〜R108Aのうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記式(40D)で表される化合物が、下記式(41D)で表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(41D)中、L101及びAr101は、前記式(40D)で定義した通りである。
但し、式(41D)中の
アントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子、
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記式(40D)で表される化合物が、下記式(42D−1)〜(42D−3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(42D−1)〜(42D−3)中、R101A〜R108A、L101及びAr101は、前記式(40D)で定義した通りである。
但し、前記式(42D−1)中の
水素原子であるR101A、及びR103A〜R108A
前記置換基RであるR101A、及びR103A〜R108Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、並びに
前記式(42D−1)中のフェニル基を構成する炭素原子に結合する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
前記式(42D−2)中の水素原子であるR101A、及びR103A〜R108A
前記置換基RであるR101A、及びR103A〜R108Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、並びに
前記式(42D−2)中のナフチル基を構成する炭素原子に結合する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
前記式(42D−3)中の水素原子であるR101A、及びR103A〜R108A
前記置換基RであるR101A、及びR103A〜R108Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、並びに
前記式(42D−3)中のナフチル基を構成する炭素原子に結合する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記式(42D−1)〜(42D−3)で表される化合物が、下記式(43D−1)〜(43D−3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2021134172
(式(43D−1)〜(43D−3)中、L101及びAr101は、前記式(40D)で定義した通りである。
但し、前記式(43D−1)中のアントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、及び
前記式(43D−1)中のフェニル基を構成する炭素原子に結合する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
前記式(43D−2)中のアントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、及び
前記式(43D−2)中のナフチル基を構成する炭素原子に結合する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
前記式(43D−3)中のアントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、及び
前記式(43D−3)中のナフチル基を構成する炭素原子に結合する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記式(20)で表される化合物において、Ar101の少なくとも1つは、下記式(50)で表される構造を有する1価の基である。
Figure 2021134172
(式(50)中、
151は、O、S又はC(R161)(R162)である。
151〜R160のうちの1つは、L101と結合する単結合である。
101と結合する単結合ではない、R151〜R154のうちの隣接する2以上、及びR155〜R160のうちの隣接する2以上のうちの1組以上は互いに結合して置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
161とR162は、互いに結合して置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR161及びR162、並びにL101と結合する単結合ではなく、かつ前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR151〜R160は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基Rである。
前記置換基Rは、前記式(10)で定義した通りである。
前記式(50)で表される構造を有する1価の基ではないAr101は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の2価の複素環基である。)
前記式(50)におけるL101との単結合となる位置は特に限定されない。
一実施形態においては、前記式(50)中のR151〜R154のうちの1つ、又はR155〜R160のうちの1つが、L101と結合する単結合である。
一実施形態においては、Ar101が、下記式(50−R152)、(50−R153)、(50−R154)、(50−R157)又は(50−R158)で表される1価の基である。
Figure 2021134172
(式(50−R152)、(50−R153)、(50−R154)、(50−R157)及び(50−R158)中、X151、R151〜R160は、前記式(50)で定義した通りである。
*は、L101と結合する。)
式(10)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。式(10)で表される化合物は、これらの具体例に限定されない。下記具体例中、Meはメチル基を、Dは重水素原子を示す。
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
Figure 2021134172
一実施形態においては、前記発光層が、さらに、遅延蛍光性のホスト化合物を含む。
一実施形態においては、本発明の一態様の有機EL素子は、青色発光素子である。
以下、本発明の一態様に係る有機EL素子の層構成について説明する。
本発明の一態様に係る有機EL素子は、陰極及び陽極からなる1対の電極間に有機層を備えている。有機層は、有機化合物を包含する層を少なくとも1層含む。あるいはまた、有機層は、有機化合物を包含する複数の層が積層されてなる。有機層は、1又は複数の有機化合物のみからなる層を有してもよい。有機層は、有機化合物と、無機化合物とを同時に包含する層を有してもよい。有機層は、1又は複数の無機化合物のみからなる層を有してもよい。
有機層が包含する層のうちの少なくとも1層が、発光層である。有機層は、例えば、1層の発光層として構成されていてもよく、また、有機EL素子の層構成で採用され得る他の層を含んでいてもよい。有機EL素子の層構成で採用され得る層としては、特に限定されるものではないが、例えば、陽極と発光層との間に設けられる正孔輸送帯域(正孔輸送層、正孔注入層、電子阻止層、励起子阻止層等)、発光層、スペース層、陰極と発光層との間に設けられる電子輸送帯域(電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層等)等が挙げられる。
本発明の一態様に係る有機EL素子は、例えば、蛍光又は燐光発光型の単色発光素子であってもよく、蛍光/燐光ハイブリッド型の白色発光素子であってもよい。また、単独の発光ユニットを有するシンプル型であってもよく、複数の発光ユニットを有するタンデム型であってもよい。
尚、「発光ユニット」とは、有機層を含み、該有機層のうちの少なくとも1層が発光層であり、注入された正孔と電子が再結合することにより発光する最小単位を言う。
また、本明細書に記載の「発光層」とは、発光機能を有する有機層である。発光層は、例えば、燐光発光層、蛍光発光層等であり、また、1層でも複数層でもよい。
発光ユニットは、燐光発光層や蛍光発光層を複数有する積層型であってもよく、この場合、例えば、燐光発光層で生成された励起子が蛍光発光層に拡散することを防ぐためのスペース層を各発光層の間に有していてもよい。
シンプル型有機EL素子としては、例えば、陽極/発光ユニット/陰極のような素子構成が挙げられる。
発光ユニットの代表的な層構成を以下に示す。カッコ内の層は任意である。
(a)(正孔注入層/)正孔輸送層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(b)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(c)(正孔注入層/)正孔輸送層/第1蛍光発光層/第2蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(d)(正孔注入層/)正孔輸送層/第1燐光発光層/第2燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(e)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(f)(正孔注入層/)正孔輸送層/第1燐光発光層/第2燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(g)(正孔注入層/)正孔輸送層/第1燐光発光層/スペース層/第2燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(h)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/第1蛍光発光層/第2蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(i)(正孔注入層/)正孔輸送層/電子阻止層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(j)(正孔注入層/)正孔輸送層/電子阻止層/燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(k)(正孔注入層/)正孔輸送層/励起子阻止層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(l)(正孔注入層/)正孔輸送層/励起子阻止層/燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(m)(正孔注入層/)第1正孔輸送層/第2正孔輸送層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(n)(正孔注入層/)第1正孔輸送層/第2正孔輸送層/蛍光発光層(/第1電子輸送層/第2電子輸送層/電子注入層)
(o)(正孔注入層/)第1正孔輸送層/第2正孔輸送層/燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(p)(正孔注入層/)第1正孔輸送層/第2正孔輸送層/燐光発光層(/第1電子輸送層/第2電子輸送層/電子注入層)
(q)(正孔注入層/)正孔輸送層/蛍光発光層/正孔阻止層(/電子輸送層/電子注入層)
(r)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層/正孔阻止層(/電子輸送層/電子注入層)
(s)(正孔注入層/)正孔輸送層/蛍光発光層/励起子阻止層(/電子輸送層/電子注入層)
(t)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層/励起子阻止層(/電子輸送層/電子注入層)
ただし、本発明の一態様に係る有機EL素子の層構成は、これらに限定されるものではない。例えば、有機EL素子が、正孔注入層及び正孔輸送層を有する場合には、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、有機EL素子が、電子注入層及び電子輸送層を有する場合には、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられていることが好ましい。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層のそれぞれは、1層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
複数の燐光発光層、及び、燐光発光層と蛍光発光層は、それぞれ互いに異なる色の発光層であってもよい。例えば、前記発光ユニット(f)は、正孔輸送層/第1燐光発光層(赤色発光)/第2燐光発光層(緑色発光)/スペース層/蛍光発光層(青色発光)/電子輸送層とすることもできる。
尚、各発光層と、正孔輸送層又はスペース層との間に、電子阻止層を設けてもよい。また、各発光層と電子輸送層との間に、正孔阻止層を設けてもよい。電子阻止層や正孔阻止層を設けることにより、電子又は正孔を発光層内に閉じ込めて、発光層における電荷の再結合確率を高め、発光効率を向上させることができる。
タンデム型有機EL素子の代表的な素子構成としては、例えば、陽極/第1発光ユニット/中間層/第2発光ユニット/陰極のような素子構成が挙げられる。
第1発光ユニット及び第2発光ユニットは、例えば、それぞれ独立に、上述した発光ユニットから選択することができる。
中間層は、一般的に、中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、コネクター層、又は中間絶縁層とも呼ばれる。中間層は、第1発光ユニットに電子を、第2発光ユニットに正孔を供給する層であり、公知の材料により形成することができる。
以下、本明細書に記載の有機EL素子の各層の機能や材料等について説明する。
(基板)
基板は、有機EL素子の支持体として用いられる。基板は、波長400〜700nmの可視光領域の光の透過率が50%以上であることが好ましく、また、平滑な基板が好ましい。基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、石英ガラス、プラスチック等が挙げられる。また、基板として、可撓性基板を用いることができる。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブルな)基板を指し、例えば、プラスチック基板等が挙げられる。プラスチック基板を形成する材料の具体例としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
(陽極)
陽極としては、例えば、金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物等であって、仕事関数の大きい(具体的には、4.0eV以上)ものを用いることが好ましい。陽極の材料の具体例としては、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、ケイ素もしくは酸化ケイ素を含有する酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化亜鉛を含有する酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。また、金、銀、白金、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、チタン、及びこれらの金属の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
陽極は、通常、これらの材料をスパッタリング法により基板上に成膜することにより形成される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対して1〜10質量%の酸化亜鉛を添加したターゲットを用いて、スパッタリング法により形成することができる。また、例えば、酸化タングステン、又は酸化亜鉛を含有する酸化インジウムは、酸化インジウムに対して酸化タングステンを0.5〜5質量%、又は酸化亜鉛を0.1〜1質量%添加したターゲットを用いて、スパッタリング法により形成することができる。
陽極の他の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法等が挙げられる。例えば、銀ペースト等を用いる場合は、塗布法やインクジェット法等を用いることができる。
尚、陽極に接して形成される正孔注入層は、陽極の仕事関数に関係なく正孔注入が容易である材料を用いて形成される。このため、陽極には、一般的な電極材料、例えば、金属、合金、導電性化合物、これらの混合物を用いることができる。具体的には、リチウム、セシウム等のアルカリ金属;マグネシウム;カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属;これらの金属を含む合金(例えば、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム);ユーロピウム、イッテルビウム等の希土類金属;希土類金属を含む合金等の仕事関数の小さい材料を陽極に用いることもできる。
(正孔注入層)
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層であり、陽極から有機層に正孔を注入する機能を有する。正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、芳香族アミン化合物、電子吸引性(アクセプター性)の化合物、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)等が挙げられる。これらの中でも、芳香族アミン化合物、アクセプター性の化合物が好ましく、より好ましくはアクセプター性の化合物である。
芳香族アミン化合物の具体例としては、4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4”−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等が挙げられる。
アクセプター性の化合物としては、例えば、電子吸引基を有する複素環誘導体、電子吸引基を有するキノン誘導体、アリールボラン誘導体、ヘテロアリールボラン誘導体等が好ましく、具体例としては、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:F4TCNQ)、1,2,3−トリス[(シアノ)(4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチレン]シクロプロパン等が挙げられる。
アクセプター性の化合物を用いる場合、正孔注入層は、さらにマトリックス材料を含むことが好ましい。マトリックス材料としては、有機EL素子用の材料として公知の材料を用いることができ、例えば、電子供与性(ドナー性)の化合物を用いることが好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層であり、陽極から有機層に正孔を輸送する機能を有する。
正孔輸送性の高い物質としては、10−6cm/(V・s)以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましく、例えば、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、高分子化合物等が挙げられる。
芳香族アミン化合物の具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4”−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)等が挙げられる。
カルバゾール誘導体の具体例としては、4,4’−ジ(9−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、9−[4−(9−カルバゾリル)フェニル]−10−フェニルアントラセン(略称:CzPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)等が挙げられる。
アントラセン誘導体の具体例としては、2−t−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)などが挙げられる。
高分子化合物の具体例としては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、及びポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等が挙げられる。
電子輸送性よりも正孔輸送性の方が高い化合物であれば、正孔輸送層に、これら以外の物質を用いてもよい。
正孔輸送層は、単層でもよく、2層以上が積層されていてもよい。この場合、発光層に近い側に、正孔輸送性の高い物質のうち、エネルギーギャップのより大きい物質を含む層を配置することが好ましい。
(発光層)
発光層は、発光性の高い物質(ドーパント材料)を含む層である。ドーパント材料としては、種々の材料を用いることができ、例えば、蛍光発光性化合物(蛍光ドーパント)、燐光発光性化合物(燐光ドーパント)等を用いることができる。蛍光発光性化合物とは、一重項励起状態から発光可能な化合物であり、これを含む発光層は蛍光発光層と呼ばれる。また、燐光発光性化合物とは、三重項励起状態から発光可能な化合物であり、これを含む発光層は、燐光発光層と呼ばれる。
発光層は、通常、ドーパント材料、及びこれを効率よく発光させるためのホスト材料を含有する。尚、ドーパント材料は、文献によっては、ゲスト材料、エミッター、又は発光材料と称する場合もある。また、ホスト材料は、文献によっては、マトリックス材料と称する場合もある。
1つの発光層に、複数のドーパント材料、及び複数のホスト材料を含んでもよい。また、発光層が複数であってもよい。
本明細書では、蛍光ドーパントと組み合わされたホスト材料を、「蛍光ホスト」と称し、燐光ドーパントと組み合わされたホスト材料を「燐光ホスト」と称する。尚、蛍光ホストと燐光ホストとは、分子構造のみで区分されるものではない。燐光ホストとは、燐光ドーパントを含有する燐光発光層を形成する材料であるが、蛍光発光層を形成する材料として利用できないことを意味するものではない。蛍光ホストについても同様である。また、蛍光ホストとして遅延蛍光性(熱活性化遅延蛍光性)の化合物を用いることもできる。
発光層におけるドーパント材料の含有量は、特に限定されるものではないが、十分な発光及び濃度消光の観点から、例えば、0.1〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜30質量%、さらに好ましくは1〜30質量%、よりさらに好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。
<蛍光ドーパント>
蛍光ドーパントとしては、例えば、前記式(1)で表される化合物や、縮合多環芳香族誘導体、スチリルアミン誘導体、縮合環アミン誘導体、ホウ素含有化合物、ピロール誘導体、インドール誘導体、カルバゾール誘導体等が挙げられる。これらの中でも、縮合環アミン誘導体、ホウ素含有化合物、カルバゾール誘導体が好ましい。
縮合環アミン誘導体としては、例えば、ジアミノピレン誘導体、ジアミノクリセン誘導体、ジアミノアントラセン誘導体、ジアミノフルオレン誘導体、ベンゾフロ骨格が1つ以上縮環したジアミノフルオレン誘導体等が挙げられる。
ホウ素含有化合物としては、例えば、ピロメテン誘導体、トリフェニルボラン誘導体等が挙げられる。
青色系の蛍光ドーパントとしては、例えば、前記式(1)で表される化合物や、ピレン誘導体、スチリルアミン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、フルオレン誘導体、ジアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体等が挙げられる。具体的には、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)等が挙げられる。
緑色系の蛍光ドーパントとしては、例えば、芳香族アミン誘導体等が挙げられる。具体的には、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)等が挙げられる。
赤色系の蛍光ドーパントとしては、テトラセン誘導体、ジアミン誘導体等が挙げられる。具体的には、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)等が挙げられる。
<燐光ドーパント>
燐光ドーパントとしては、例えば、燐光発光性の重金属錯体、燐光発光性の希土類金属錯体が挙げられる。
重金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等が挙げられる。重金属錯体は、イリジウム、オスミウム、及び白金から選択される金属のオルトメタル化錯体が好ましい。
希土類金属錯体としては、例えば、テルビウム錯体、ユーロピウム錯体等が挙げられる。具体的には、トリス(アセチルアセトナート)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)(Phen))等が挙げられる。これらの希土類金属錯体は、異なる多重度間の電子遷移により、希土類金属イオンが発光するため、燐光ドーパントとして好ましい。
青色系の燐光ドーパントとしては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等が挙げられる。具体的には、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(3’,5’−ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)等が挙げられる。
緑色系の燐光ドーパントとしては、例えば、イリジウム錯体等が挙げられる。具体的には、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)(acac))等が挙げられる。
赤色系の燐光ドーパントとしては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体、テルビウム錯体、ユーロピウム錯体等が挙げられる。具体的には、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))、(アセチルアセトナート)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等が挙げられる。
<ホスト材料>
ホスト材料としては、例えば、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体;インドール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、イソキノリン誘導体、キナゾリン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素環化合物;ナフタレン誘導体、トリフェニレン誘導体、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ナフタセン誘導体、フルオランテン誘導体等の縮合芳香族化合物;トリアリールアミン誘導体、縮合多環芳香族アミン誘導体等の芳香族アミン化合物等が挙げられる。ホスト材料は、複数種を併用してもよい。
金属錯体の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)等が挙げられる。
複素環化合物の具体例としては、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等が挙げられる。
縮合芳香族化合物の具体例としては、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3”−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン等が挙げられる。
芳香族アミン化合物の具体例としては、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB又はα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)等が挙げられる。
蛍光ホストとしては、蛍光ドーパントよりも高い一重項準位を有する化合物が好ましく、例えば、複素環化合物、縮合芳香族化合物等が挙げられる。縮合芳香族化合物としては、例えば、前記式(10)で表される化合物や、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ナフタセン誘導体等が好ましい。また、蛍光ホストとして遅延蛍光性(熱活性化遅延蛍光性)の化合物を用いることもできる。
燐光ホストとしては、燐光ドーパントよりも高い三重項準位を有する化合物が好ましく、例えば、金属錯体、複素環化合物、縮合芳香族化合物等が挙げられる。これらの中でも、例えば、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、イソキノリン誘導体、キナゾリン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ナフタレン誘導体、トリフェニレン誘導体、フェナントレン誘導体、フルオランテン誘導体等が好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送性の高い物質としては、10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましく、例えば、金属錯体、芳香族複素環化合物、芳香族炭化水素化合物、高分子化合物等が挙げられる。
金属錯体としては、例えば、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)等が挙げられる。
芳香族複素環化合物としては、例えば、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、ベンズイミダゾフェナントリジン誘導体等のイミダゾール誘導体;ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体等のアジン誘導体;キノリン誘導体、イソキノリン誘導体、フェナントロリン誘導体等の含窒素六員環構造を含む化合物(複素環にホスフィンオキサイド系の置換基を有するものも含む。)等が挙げられる。具体的には、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(ptert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等が挙げられる。
芳香族炭化水素化合物としては、例えば、アントラセン誘導体、フルオランテン誘導体等が挙げられる。
高分子化合物の具体例としては、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)等が挙げられる。
正孔輸送性よりも電子輸送性の方が高い化合物であれば、電子輸送層に、これら以外の物質を用いてもよい。
電子輸送層は、単層でもよく、2層以上が積層されていてもよい。この場合、発光層に近い側に、電子輸送性の高い物質のうち、エネルギーギャップのより大きい物質を含む層を配置することが好ましい。
電子輸送層には、例えば、アルカリ金属、マグネシウム、アルカリ土類金属、これらのうちの2以上の金属を含む合金等の金属;8−キノリノラトリチウム(略称:Liq)等のアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等の金属化合物が含まれていてもよい。 アルカリ金属、マグネシウム、アルカリ土類金属、又はこれらのうちの2以上の金属を含む合金等の金属が、電子輸送層に含まれる場合、その含有量は、特に限定されるものではないが、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
アルカリ金属化合物、又はアルカリ土類金属化合物等の金属化合物の金属化合物が電子輸送層に含まれる場合、その含有量は、1〜99質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜90質量%である。尚、電子輸送層が複数層である場合の発光層側にある層は、これらの金属化合物のみで形成することもできる。
(電子注入層)
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層であり、陰極から発光層へ効率よく電子注入する機能を有する。電子注入性の高い物質としては、例えば、アルカリ金属、マグネシウム、アルカリ土類金属、これらの化合物等が挙げられる。具体的には、リチウム、セシウム、カルシウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム、リチウム酸化物等が挙げられる。その他、電子輸送性を有する物質に、アルカリ金属、マグネシウム、アルカリ土類金属、又はこれらの化合物を含有させたもの、例えば、Alqにマグネシウムを含有させたもの等を用いることもできる。
また、電子注入層には、有機化合物及びドナー性の化合物を含む複合材料を用いることもできる。有機化合物がドナー性の化合物から電子を受け取るため、このような複合材料は電子注入性及び電子輸送性に優れている。
有機化合物としては、受け取った電子の輸送性に優れた物質が好ましく、例えば、上述した電子輸送性の高い物質である金属錯体や芳香族複素環化合物等を用いることができる。
ドナー性の化合物としては、有機化合物に電子を供与することができる物質であればよく、例えば、アルカリ金属、マグネシウム、アルカリ土類金属、希土類金属等が挙げられる。具体的には、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、具体的には、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(陰極)
陰極は、金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物等であって、仕事関数の小さい(具体的には、3.8eV以下)ものを用いることが好ましい。陰極の材料としては、例えば、リチウム、セシウム等のアルカリ金属;マグネシウム;カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属;これらの金属を含む合金(例えば、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム);ユーロピウム、イッテルビウム等の希土類金属;希土類金属を含む合金等が挙げられる。
陰極は、通常、真空蒸着法やスパッタリング法で形成される。また、銀ペースト等を用いる場合は、塗布法やインクジェット法等を用いることができる。
また、電子注入層が設けられる場合、仕事関数の大小に関わらず、アルミニウム、銀、ITO、グラフェン、ケイ素もしくは酸化ケイ素を含有する酸化インジウム−酸化スズ等、種々の導電性材料を用いて陰極を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
(絶縁層)
有機EL素子は、薄膜に電界を印加するため、リークやショートによる画素欠陥が生じやすい。これを防止するために、一対の電極間に薄膜絶縁層を挿入してもよい。
絶縁層に用いられる物質の具体例としては、酸化アルミニウム、フッ化リチウム、酸化リチウム、フッ化セシウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化バナジウム等が挙げられる。絶縁層には、これらの混合物を用いることもでき、また、これらの物質を含む複数の層の積層体とすることもできる。
(スペース層)
スペース層は、例えば、蛍光発光層と燐光発光層とを積層する場合に、燐光発光層で生成する励起子の蛍光発光層への拡散の防止や、キャリアバランスの調整のために、両層間に設けられる。スペース層は、複数の燐光発光層の間等に設けることもできる。
スペース層は、複数の発光層間に設けられるため、電子輸送性及び正孔輸送性を兼ね備えた物質で形成することが好ましい。また、隣接する燐光発光層内の三重項エネルギーの拡散を防止する観点から、三重項エネルギーが2.6eV以上であることが好ましい。
スペース層に用いられる物質としては、上述した正孔輸送層に用いられる物質と同様のものが挙げられる。
(電子阻止層、正孔阻止層、励起子阻止層)
発光層に隣接して、電子阻止層、正孔阻止層、励起子(トリプレット)阻止層等を設けてもよい。
電子阻止層とは、発光層から正孔輸送層へ電子が漏出することを阻止する機能を有する層である。正孔阻止層とは、発光層から電子輸送層へ正孔が漏出することを阻止する機能を有する層である。励起子阻止層は、発光層で生成した励起子が隣接する層へ拡散することを阻止し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する層である。
(キャッピング層)
有機EL素子は、取り出される光の強度を光干渉効果により調節するため、陰極の上部にキャッピング層を備えることができる。
キャッピング層としては、例えば、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、窒化ケイ素、及びシリコン化合物(酸化ケイ素等)などを用いることができる。
また、芳香族アミン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、フルオレン誘導体、又はジベンゾフラン誘導体をキャッピング層に用いることもできる。
また、これらの物質を含む層を積層させた積層体も、キャッピング層として用いることができる。
(中間層)
タンデム型有機EL素子では、中間層が設けられる。
(層形成方法)
有機EL素子の各層の形成方法は、別途の記載がない限り、特に限定されるものではない。形成方法としては、乾式成膜法、湿式成膜法等の公知の方法を用いることができる。乾式成膜法の具体例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法等が挙げられる。湿式成膜法の具体例としては、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法等の各種塗布法が挙げられる。
(膜厚)
有機EL素子の各層の膜厚は、別途の記載がない限り、特に限定されるものではない。膜厚が小さすぎると、ピンホール等の欠陥が生じやすく、十分な発光輝度が得られない。一方、膜厚が大きすぎると、高い駆動電圧が必要となり、効率が低下する。このような観点から、膜厚は、通常、1nm〜10μmが好ましく、より好ましくは1nm〜0.2μmである。
[電子機器]
本発明の一態様に係る電子機器は、上述した本発明の一態様に係る有機EL素子を備えている。電子機器の具体例としては、有機ELパネルモジュール等の表示部品;テレビ、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の表示装置;照明、車両用灯具の発光装置等が挙げられる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
<化合物>
実施例1及び2の有機EL素子の製造に用いた、式(1)で表される化合物を以下に示す。
Figure 2021134172
比較例1の有機EL素子の製造に用いた化合物を以下に示す。
Figure 2021134172
実施例1及び2、並びに比較例1の有機EL素子の製造に用いた、他の化合物を以下に示す。
Figure 2021134172
<有機EL素子の作製>
有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
(実施例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITOの膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極が形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HIを蒸着し、膜厚5nmの化合物HI膜を形成した。このHI膜は、正孔注入層として機能する。
このHI膜の成膜に続けて化合物HT1を蒸着し、HI膜上に膜厚80nmのHT1膜を成膜した。このHT1膜は第1の正孔輸送層として機能する。
HT1膜の成膜に続けて化合物HT2を蒸着し、HT1膜上に膜厚10nmのHT2膜を成膜した。このHT2膜は第2の正孔輸送層として機能する。
HT2膜上にBH−1(ホスト材料)及びBD−1(ドーパント材料)を化合物の割合(重量比)が2%となるように共蒸着し、膜厚25nmの発光層を成膜した。
この発光層上にHBLを蒸着し、膜厚10nmの電子輸送層を形成した。この電子輸送層上に電子注入材料であるETを蒸着して、膜厚15nmの電子注入層を形成した。この電子注入層上にLiFを蒸着して、膜厚1nmのLiF膜を形成した。このLiF膜上に金属Alを蒸着して、膜厚80nmの金属陰極を形成した。
以上のようにして有機EL素子を作製した。
実施例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次の通りである。
ITO(130)/HI(5)/HT1(80)/HT2(10)/BH-1:BD-1(25, 98%:2%)/HBL(10)/ET(15)/LiF(1)/Al(80)
尚、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。また、同じく括弧内において、パーセント表示された数字は、当該層における第1の化合物、及び第2の化合物の割合(質量%)を示す。
<有機EL素子の評価>
電流密度が50mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加し、初期輝度に対して輝度が95%となるまでの時間を測定した寿命LT95の結果を表1に示す。
Figure 2021134172
表1の結果から、式(1)で表される化合物をドーパント材料として用いた実施例1及び2の有機EL素子は、比較例1の素子に比べて長寿命であることがわかる。
<化合物の合成>
合成例1:化合物BD−1の合成
下記合成経路で、化合物BD−1を合成した。
Figure 2021134172
500mLフラスコに、2−ブロモ−3−クロロアニリン(10.3g、50mmol)と塩酸(130mL)を加えて、0℃に氷冷した。亜硝酸ナトリウム(3.80g、55mmol)を水に溶かして、フラスコ内に滴下した。0℃で30分間攪拌してから、塩酸(30mL)に溶かした塩化スズ二水和物(23.7g、105mmol)をゆっくりと加えて、室温で1時間攪拌した。濾過により中間体1を回収した。
中間体1をすべて500mLのフラスコに移して、メタノール(50mL)に溶解させた。シクロヘキサノン(5.89g、60mmol)と硝酸アンモニウムセリウム(IV)(CAN;5.48g、10mmmol)を加えて、70℃で加熱攪拌した。3時間後、室温まで放冷して、濃縮した。得られた固体はシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製を行い、中間体2(5.12g、18mmol)を得た。LC/MSによって中間体2の構造を決定した。
300mLのフラスコに、中間体2(5.12g、18mmol)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ;7.73g、34mmol)、アセトニトリル(MeCN;50mL)を入れて、室温で1時間攪拌した。反応溶液を濃縮してから、カラムクロマトグラフィーによって精製を行って、中間体3(2.38g、8.5mmol)を得た。LC/MSによって中間体3の構造を決定した。
100mLのフラスコに、中間体3(2.38g、8.5mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP;1.04g、8.5mmol)をいれて、アセトニトリル(50mL)に溶解させた。二炭酸ジ−tert−ブチル(BocO;2.77g、12.7mmol)をゆっくりと加えた後、室温で30分攪拌した。反応溶液を濃縮してから、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体4(3.20g、8.4mmol)を得た。LC/MSによって中間体4の構造を決定した。
200mLの三ツ口フラスコに、中間体4(3.20g、8.4mmol)を入れて、テトラヒドロフラン(THF;90mL)に溶解させた。ドライアイス/アセトンバスで−78℃まで冷やした後、n−ブチルリチウム(nBuLi;5.8mL、9.3mmol)を滴下して、30分攪拌した。この反応溶液に、トリメトキシボラン(B(OMe);2.62g、25.2mmol)を加えて、室温で3時間攪拌した。さらに、1N HCl(10mL)加えて30分攪拌した。酢酸エチルで抽出してから、食塩水で洗浄して、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製を行って、中間体5(1.36g、5.5mmol)を得た。
200mLの三ツ口フラスコに、中間体5(1.36g、5.5mmol)、1,3−ジブロモ−4,6−ジヨードベンゼン(1.22g、2.5mmol)、炭酸カリウム(1.04g、7.5mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh;0.29g、0.25mmol)、トルエン(50mL)、エタノール(10mL)、水(10mL)を加えて、加熱還流させた。5時間攪拌した後、室温まで放冷した。酢酸エチルで抽出してから、水と食塩水で洗浄した。濃縮してから、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、中間体6(1.0g、1.5mmol)を得た。LC/MSによって中間体6の構造を決定した。
100mLの三ツ口フラスコに、中間体6(1.0g、1.5mmol)、ヨウ化銅(0.28g、1.5mmol)、1,2−シクロヘキシルジアミン(CHDA;0.17g、1.5mmol)、リン酸三カリウム(1.43g、4.5mmol)、ジメチルアセトアミド(DMAc;30mL)を加えて、150℃で加熱攪拌した。5時間後、室温まで放冷したのち、水を加え析出した固体を濾過によって回収した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、中間体7(0.32g、0.7mmol)を得た。LC/MSによって中間体7の構造を決定した。
100mLの三ツ口フラスコに、中間体7(0.32g、0.7mmol)、中間体8((0.50g、1.7mmol)、Pddba(32mg、0.035mmol)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(P(t−Bu)HBF;20mg、0.070mmol)、炭酸カリウム(0.29g、2.1mmol)、トルエン(10mL)、エタノール(2mL)、水(2mL)を加えた。5時間加熱還流した後、室温まで放冷した。ジクロロメタンで抽出してから、食塩水で洗浄した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、中間体9(0.28g、0.38mmol)を得た。LC/MSによって中間体9の構造を決定した。
100mLの三ツ口フラスコに、中間体9(0.28g、0.38mmol)、酢酸パラジウム(0.17g、0.076mmol)、酢酸銅(0.21g、1.1mmol)、DMF(10mL)を加えて、150℃で加熱攪拌した。5時間後、室温まで放冷して、反応系に水を加えた。析出した固体を濾過によって回収した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。続いて、ジメトキシエタンおよび酢酸エチルで懸濁洗浄を行って、目的物10(化合物BD−1)(95mg、0.13mmol)を得た。LC/MSによって目的物10(化合物BD−1)の構造を決定した。
合成例2:化合物BD−2の合成
下記合成経路で、化合物BD−2を合成した。
Figure 2021134172
中間体11は、中間体3と同様に、2−ブロモ−5−クロロアニリンから合成した。
300mLのフラスコに、中間体11(5.6g、20mmol)、HBpin(3.84g、30mmol)、Pddba(0.55g、0.6mmol)、2−ジクロロヘキシルホスフィノ−2’、4’、6’−トリイソプロピルビフェニル(XPhos;0.57、1.2mmol)、トリエチルアミン(4.05g、40mmol)、ジオキサン(100mL)を加えて、100℃で加熱攪拌した。8時間後、室温まで放冷して、反応溶液を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、中間体12(3.70g、11.3mmol)を得た。
200mLの三ツ口フラスコに、中間体12(3.70g、11.3mmol)、1,3−ジブロモ−4,6−ジヨードベンゼン(2.44g、5.0mmol)、炭酸カリウム(2.08g、15.0mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh)0.57g、0.50mmol)、トルエン(100mL)、エタノール(20mL)、水(20mL)を加えて、加熱還流させた。7時間攪拌した後、室温まで放冷した。酢酸エチルで抽出してから、水と食塩水で洗浄した。濃縮してから、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、中間体13(2.7g、4.2mmol)を得た。LC/MSによって中間体13の構造を決定した。
100mLの三ツ口フラスコに、中間体13(2.7g、4.2mmol)、ヨウ化銅(0.80g、4.2mmol)、1,2−シクロヘキシルジアミン(CHDA;0.48g、4.2mmol)、リン酸三カリウム(2.81g、12.4mmol)、DMAc(70mL)を加えて、150℃で加熱攪拌した。5時間後、室温まで放冷したのち、水を加え析出した固体を濾過によって回収した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、中間体14(0.95g、2.0mmol)を得た。LC/MSによって中間体14の構造を決定した。
100mLの三ツ口フラスコに、中間体14(0.95g、2.0mmol)、中間体8(1.48g、5.0mmol)、Pddba(92mg、0.1mmol)、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(P(t−Bu)HBF;58mg、0.2mmol)、炭酸カリウム(0.83g、6.0mmol)、トルエン(20mL)、エタノール(4mL)、水(4mL)を加えた。7時間加熱還流した後、室温まで放冷した。ジクロロメタンで抽出してから、食塩水で洗浄した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、中間体15(0.69g、0.94mmol)を得た。LC/MSによって中間体15の構造を決定した。
100mLの三ツ口フラスコに、中間体15(0.69g、0.94mmol)、酢酸パラジウム(0.22g、0.1mmol)、酢酸銅(0.49g、2.7mmol)、DMF(30mL)を加えて、150℃で加熱攪拌した。5時間後、室温まで放冷して、反応系に水を加えた。析出した固体を濾過によって回収した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。トルエンおよび酢酸エチルで懸濁洗浄を行って、目的物16(化合物BD−2)(0.23g、0.31mmol)を得た。LC/MSによって目的物16(化合物BD−2)の構造を決定した。
1 有機EL素子
2 基板
3 陽極
4 有機層
5 発光層
6 正孔輸送層
7 正孔注入層
10 陰極

Claims (34)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    Figure 2021134172
    (式(1)中、
    環X〜Xは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンゼン環、又は置換もしくは無置換の、1もしくは2個の窒素原子を含む、6員の芳香族複素環である。
    環X〜Xのうちの少なくとも2つには、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環
    からなる群から選択される1以上が縮合する。
    前記環が縮合しない、X1a〜X1d、X2a〜X2d、X3a〜X3c、及びX4a〜X4cは、それぞれ独立に、
    CH、
    C(R)、又は
    Nである。
    は、置換基である。
    が複数存在する場合、複数のRは互いに同一であるか、又は異なる。
    隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。
    a1及びRa2は、それぞれ独立に、
    水素原子、又は
    置換基Rである。
    a1及びRa2は、互いに同一であるか、あるいは異なる。)
  2. 前記環X〜Xのうちの2つに、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環からなる群から選択される1つが縮合する、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記環X及びXに、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環からなる群から選択される1つが縮合する、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 前記環X及びXに、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環からなる群から選択される1つが縮合する、請求項1又は2に記載の化合物。
  5. 前記環X〜Xのうちの2つに、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環からなる群から選択される、同一の環が縮合する、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. 前記環X及びXに、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環からなる群から選択される、同一の環が縮合する、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. 前記環X及びXに、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環からなる群から選択される、同一の環が縮合する、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  8. 前記環X〜Xのうちの2つに、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜50の炭化水素環、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環からなる群から選択される、異なる環が縮合する、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  9. 前記環X〜Xのうちの少なくとも1つに縮合する環が、下記式(a1)〜(a4)のいずれかで表される部分構造を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
    Figure 2021134172
    (式(a1)〜(a4)中、
    *は、前記式(1)における、環X〜Xのいずれかとの結合部位である。
    a1は、
    O、
    S、
    NH、
    N(R)、又は
    CH(Ra)、
    C(Rである。
    a11〜Xa18、Xa22〜Xa29は、それぞれ独立に、
    CH、
    C(R)、又は
    Nである。
    a21は、
    CH
    CH(R)、
    C(R
    NH、又は
    N(R)である。
    は、置換基である。
    が複数存在する場合、複数のRは互いに同一であるか、あるいは異なる。
    隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
  10. 前記式(a2)で表される部分構造が、下記式(a2−1)〜(a2−5)のいずれかで表される部分構造である、請求項9に記載の化合物。
    Figure 2021134172
    (式(a2−1)〜(a2−5)中、*、Xa15〜Xa18、及びRは、前記式(a2)で定義した通りである。
    m1及びm2は、それぞれ独立に、0〜5の整数である。m1及びm2がそれぞれ独立に0の場合、置換基Rの代わりに水素原子が結合する。
    m1又はm2が2以上の場合、2個以上のRは互いに同一であるか、又は異なる。)
  11. 前記式(a3)で表される部分構造が、下記式(a3−1)で表される部分構造である、請求項9に記載の化合物。
    Figure 2021134172
    (式(a3−1)中、*、Xa22、及びRは、前記式(a3)で定義した通りである。)
  12. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表される化合物である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
    Figure 2021134172
    (式(2−1)〜(2−3)中、環X〜X、X1a〜X1d、X2a〜X2d、X3a〜X3c、X4a〜X4c、Ra1及びRa2は、前記式(1)で定義した通りである。
    a11〜Xa14は、それぞれ独立に、
    CH、
    C(R)、又は
    Nである。
    それぞれ2個存在するXa11〜Xa14は、それぞれ互いに同一であるか、あるいは異なる。
    は、置換基である。
    が2個以上存在する場合、2個以上のRは、それぞれ互いに同一であるか、又は異なる。
    隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
  13. 前記式(1)で表される化合物が、前記式(2−2)で表される化合物、又は前記式(2−3)で表される化合物である、請求項12に記載の化合物。
  14. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(3−1)又は(3−2)のいずれかで表される化合物である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
    Figure 2021134172
    (式(3−1)及び(3−2)中、環X〜X、X1a、X1b、X1d、X2a、X2b、X2d、X3a〜X3c、X4a〜X4c、Ra1及びRa2は、前記式(1)で定義した通りである。
    a1は、
    O、
    S、
    NH、
    N(R)、又は
    C(Rである。
    a15〜Xa18は、それぞれ独立に、
    CH、
    C(R)、又は
    Nである。
    それぞれ2個存在するYa1、及びXa15〜Xa18は、それぞれ互いに同一であるか、あるいは異なる。
    は、置換基である。
    が2個以上存在する場合、2個以上のRは、それぞれ互いに同一であるか、又は異なる。
    隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
  15. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(4−1)で表される化合物である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
    Figure 2021134172
    (式(4−1)中、環X〜X、X1a、X1d、X2a、X2d、X3a〜X3c、X4a〜X4c、Ra1及びRa2は、前記式(1)で定義した通りである。
    a21は、
    CH
    CH(R)、
    C(R
    NH、又は
    N(R)である。
    a22及びXa23は、それぞれ独立に、
    CH、
    C(R)、又は
    Nである。
    それぞれ2個存在するXa21〜Xa23は、それぞれ互いに同一であるか、あるいは異なる。
    は、置換基である。
    が複数存在する場合、複数のRは互いに同一であるか、あるいは異なる。
    隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
  16. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(5−1)〜(5−4)のいずれかで表される化合物である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
    Figure 2021134172
    (式(5−1)〜(5−4)中、環X〜X、X1a〜X1d、X2a〜X2d、X3a、X3c、X4a、X4c、Ra1及びRa2は、前記式(1)で定義した通りである。
    a1は、
    O、
    S、
    NH、
    N(R)、又は
    C(Rである。
    a15〜Xa18は、それぞれ独立に、
    CH、
    C(R)、又は
    Nである。
    それぞれ2個存在するYa1、及びXa15〜Xa18は、それぞれ互いに同一であるか、あるいは異なる。
    は、置換基である。
    が2個以上存在する場合、2個以上のRは、それぞれ互いに同一であるか、又は異なる。
    隣接する2個以上のRは、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは当該環を形成しない。)
  17. a1及びRa2が、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。
  18. 前記環X〜Xが、それぞれ独立に、ベンゼン環、又は1個の窒素原子を含む6員の芳香族複素環である、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物。
  19. 前記環X〜Xのうちの2つが、1又は2個の窒素原子を含む6員の芳香族複素環であり、残りの2つがベンゼン環である、請求項18に記載の化合物。
  20. 前記環X及びXが、それぞれ独立に、1個の窒素原子を含む6員の芳香族複素環である、請求項1〜19のいずれかに記載の化合物。
  21. 前記環X及びXが、それぞれ独立に、1個の窒素原子を含む6員の芳香族複素環である、請求項1〜19のいずれかに記載の化合物。
  22. 置換基Rが、
    ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
    −Si(R901)(R902)(R903)、
    −O−(R904)、
    −S−(R905)、
    −N(R906)(R907)、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基
    からなる群から選択される(ここで、R901〜R907は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。R901〜R907が2個以上存在する場合、2個以上のR901〜R907のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)、請求項1〜21のいずれかに記載の化合物。
  23. 置換基Rが、
    ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基
    からなる群から選択される、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物。
  24. 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料である、請求項1〜23のいずれかに記載の化合物。
  25. 請求項1〜23のいずれかに記載の化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  26. 陰極と、
    陽極と、
    前記陰極と前記陽極との間に配置された1又は2以上の有機層と、
    を有し、
    前記有機層のうちの少なくとも1層が、請求項1〜23のいずれかに記載の化合物を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  27. 前記有機層が発光層を含み、
    前記発光層が、前記化合物を含む、請求項26に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  28. 前記有機層が、前記化合物と同一ではない第2の化合物を含む、請求項26又は27に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  29. 前記第2の化合物が、複素環化合物又は縮合芳香族化合物である、請求項28に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  30. 前記第2の化合物が、アントラセン誘導体から選ばれる化合物である、請求項28又は29に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  31. 前記第2の化合物が、下記式(10)で表される化合物である、請求項28〜30のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2021134172
    [式(10)中、
    101〜R110のうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成するか、あるいは前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
    前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR101〜R110は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換基R、又は
    下記式(11)で表される基である。
    −L101−Ar101 (11)
    (式(11)中、
    101は、
    単結合、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の2価の複素環基である。
    Ar101は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。)
    前記置換基Rは、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
    −Si(R901)(R902)(R903)、
    −O−(R904)、
    −S−(R905)、
    −N(R906)(R907)、
    ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    前記置換基Rが2個以上存在する場合、2個以上の前記置換基Rは同一でもよく、異なっていてもよい。
    901〜R907は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    901〜R907が2個以上存在する場合、2個以上のR901〜R907のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。
    但し、前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR101〜R110の少なくとも1つは、前記式(11)で表される基である。前記式(11)が2以上存在する場合、2以上の前記式(11)で表される基のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。]
  32. 前記発光層が、さらに、遅延蛍光性のホスト化合物を含む、請求項27〜31のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  33. 青色発光素子である、請求項26〜32のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  34. 請求項26〜33のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含む電子機器。

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