JP2021131035A - 冷却回路の診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却水に気体が混入する異常を即座に検出する。【解決手段】内燃機関1を冷却する冷却水Wを空圧機械2に循環させて空圧機械を冷却する冷却回路の診断装置が提供される。診断装置は、空圧機械の出口側における冷却水の温度を検出する出口側温度センサ41と、出口側温度センサの検出値に基づいて、冷却水に気体が混入したか否かを判断するように構成された診断ユニット100とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は冷却回路の診断装置に係り、特に、内燃機関を冷却するための冷却水が流される冷却回路の診断装置に関する。
かかる冷却回路において、冷却水の一部を、例えばエアコンプレッサといった空圧機械に循環させ、空圧機械を冷却水により冷却する場合がある。
実開平7−33763号公報
しかし、例えば空圧機械が故障した場合、空圧機械の内部で気体が漏れ、冷却水に混入することがある。こうした気体混入が起こると、内燃機関から冷却水への熱伝達が阻害され、内燃機関が冷却不足に陥る虞がある。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、冷却水に気体が混入する異常を即座に検出することができる冷却回路の診断装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
内燃機関を冷却する冷却水を空圧機械に循環させて前記空圧機械を冷却する冷却回路の診断装置であって、
前記空圧機械の出口側における冷却水の温度を検出する出口側温度センサと、
前記出口側温度センサの検出値に基づいて、冷却水に気体が混入したか否かを判断するように構成された診断ユニットと、
を備えたことを特徴とする冷却回路の診断装置が提供される。
好ましくは、前記診断ユニットは、前記出口側温度センサの検出値に基づいて、前記空圧機械の出口側冷却水温度の低下速度を算出し、前記低下速度に基づいて冷却水に気体が混入したか否かを判断する。
好ましくは、前記診断装置は、前記空圧機械の入口側における冷却水の温度を検出する入口側温度センサをさらに備え、
前記診断ユニットは、前記出口側温度センサの検出値と前記入口側温度センサの検出値とに基づいて、冷却水に気体が混入したか否かを判断する。
好ましくは、前記診断ユニットは、冷却水に気体が混入したと判断したとき、前記空圧機械が故障したと判断する。
好ましくは、前記空圧機械は、エアコンプレッサまたはターボチャージャである。
本開示によれば、冷却水に気体が混入する異常を即座に検出することができる。
冷却回路を示す概略図である。 冷却水への空気混入前後における出口側温度センサの検出値の変化を示すタイムチャートである。 第1の診断方法に従う診断ルーチンのフローチャートである。 エアコンプレッサの故障が原因で冷却水に空気が混入したときの出口側温度センサおよび入口側温度センサの検出値の変化を示すタイムチャートである。 第2の診断方法に従う診断ルーチンのフローチャートである。 第3の診断方法に従う診断ルーチンのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1に、本実施形態に係る冷却回路を示す。冷却回路は、主に内燃機関(エンジンともいう)1を冷却水により冷却するためのものであり、同時に、空圧機械であるエアコンプレッサ2を、その冷却水により冷却するためのものでもある。
本実施形態のエンジン1は車両に動力源として搭載されたものであり、例えばエンジン1はディーゼルエンジン、車両はトラックである。しかしながら、エンジン1および車両の種類、用途等に特に限定はなく、例えばエンジン1はガソリンエンジンまたは天然ガスエンジンであってもよい。
エンジン1は周知のように、クランクケース3が一体化されたシリンダブロック4と、シリンダ5と、ピストン6と、クランクシャフト7と、コンロッド8と、シリンダヘッド9と、ガスケット10と、ヘッドカバー11とを備える。またエンジン1は、吸気管12と、その上流端に位置されたエアクリーナ13とを備える。
シリンダブロック4の内部には、冷却水が流されるウォータージャケット、すなわちシリンダジャケット14が設けられる。このシリンダジャケット14はシリンダ5の周りに形成される。
シリンダヘッド9の内部にも、冷却水が流されるウォータージャケット、すなわちヘッドジャケット15が設けられる。このヘッドジャケット15は、図示しない吸排気ポートおよびインジェクタの周りに形成される。ヘッドジャケット15は、冷却水流れ方向においてシリンダジャケット14の下流側に位置される。
なおシリンダジャケット14には、図示しないウォーターポンプから冷却水が供給される。この他、冷却回路は、周知のように、エンジン等の冷却に使用され高温となった冷却水を外気により冷却するラジエータ等を備える。
このエンジン1に付帯してエアコンプレッサ2が設けられる。エアコンプレッサ2は、簡略化して示す動力伝達機構16を介して、エンジン1のクランクシャフト7により駆動される。図では理解容易のためエアコンプレッサ2をエンジン1から離間して示すが、実際には多くの場合、エアコンプレッサ2はエンジン1に一体的に結合される。動力伝達機構16は、ギア機構から構成されるが、チェーン機構またはベルト機構等によって構成されてもよい。なお理解容易のため、エアコンプレッサ2を実際より拡大して示してある。
本実施形態のエアコンプレッサ2はピストン式のものであり、エンジン1と類似の構成を有する。すなわち、エアコンプレッサ2は、クランクケース23が一体化されたシリンダブロック24と、シリンダ25と、ピストン26と、クランクシャフト27と、コンロッド28と、シリンダヘッド29とを備える。但し、エアコンプレッサ2の種類はピストン式に限らず任意である。
シリンダヘッド29には吸気ポート30と排気ポート31が設けられる。吸気ポート30には、空気導入通路を画成する空気導入管32の下流端が接続される。空気導入管32の上流端は、エアクリーナ13の直後の位置で吸気管12に接続される。
排気ポート31には、空気排出通路を画成する空気排出管33の上流端が接続される。空気排出管33の下流端は、圧縮空気を貯留するエアタンク34に接続される。エアタンク34には、圧縮空気を利用する複数の空圧機器が接続される。これら空圧機器は、例えば空圧ブレーキ35、エアサスペンション36、およびその他の空圧機器37である。
吸気ポート30と排気ポート31にはそれぞれ吸気リードバルブ38と排気リードバルブ39が設けられる。エアコンプレッサ2の作動は次の通りである。空気の流れを白抜き矢印および符号Aで示す。
エアコンプレッサ2のクランクシャフト27が、動力伝達機構16を介してエンジン1のクランクシャフト7により駆動されたとき、ピストン26が昇降して吸気と排気を繰り返す。ピストン26の下降時に吸気が行われ、このとき、エアクリーナ13直後で吸気管12から吸い込まれた空気が、空気導入管32、吸気ポート30を通じ、吸気リードバルブ38を開いてシリンダ25内に導入される。このとき排気リードバルブ39は開弁しない。
ピストン26の上昇時に排気が行われ、このとき、シリンダ25内から排気ポート31、空気排出管33を通じてエアタンク34に圧縮空気が送られる。このとき排気リードバルブ39は開弁されるが、吸気リードバルブ38は開弁されない。こうしてエアタンク34には圧縮空気が蓄積される。
ピストン26で圧縮されることにより生成された圧縮空気は、吸気よりも温度上昇し、高温となる。この圧縮空気を何等冷却しないで排気ポート31から排出すると、その下流側に設置された非耐熱部品(例えばゴム製シール)が圧縮空気の熱で損傷する虞がある。よってこうした非耐熱部品を熱的に保護するため、排気ポート31からの排出前に圧縮空気をエアコンプレッサ2内部で冷却する。このため、エアコンプレッサ2のシリンダヘッド29内部には、冷却水が流されるウォータージャケット、すなわちコンプレッサジャケット52が設けられる。
コンプレッサジャケット52の入口と出口は、コンプレッサジャケット52内で冷却水ができるだけ効率良く流れるよう、また圧縮空気の冷却効率が最大となるよう、最適な位置に設けられている。コンプレッサジャケット52の入口には、冷却水導入通路を画成する冷却水導入管53の下流端が接続されている。冷却水導入管53の上流端は、エンジン1のシリンダジャケット14に接続されている。
コンプレッサジャケット52の出口には、冷却水排出通路を画成する冷却水排出管54の上流端が接続されている。冷却水排出管54の下流端は、エンジン1のヘッドジャケット15に接続されている。冷却水の流れを黒塗り矢印および符号Wで示す。
冷却水は、シリンダジャケット14から冷却水導入管53を通じてコンプレッサジャケット52内に導入され、コンプレッサジャケット52内をその入口から出口まで流れる。この過程で、主に排気ポート31内の圧縮空気を冷却する。この冷却により温度上昇した冷却水は、冷却水排出管54を通じてヘッドジャケット15に戻される。こうして冷却水がエアコンプレッサ2を循環される。
かかる冷却回路の異常を検出するため、診断装置が設けられる。診断装置は、冷却水排出管54に設けられた出口側温度センサ41と、診断ユニットとして機能する制御ユニット、回路要素(circuitry)もしくはコントローラとしての電子制御ユニット(ECU(Electronic Control Unit)という)100とを備える。ECU100は、エンジン全体の制御を司るものでもある。診断装置はさらに、冷却水導入管53に設けられた入口側温度センサ42を備える。
出口側温度センサ41は、冷却水排出管54を流れる冷却水の温度、すなわちエアコンプレッサ2の出口側における冷却水の温度を検出するためのものであり、ECU100に接続される。ECU100は、少なくとも出口側温度センサ41の検出値に基づいて、冷却水に気体が混入したか否かを判断するように構成されている。
入口側温度センサ42は、冷却水導入管53を流れる冷却水の温度、すなわちエアコンプレッサ2の入口側における冷却水の温度を検出するためのものであり、ECU100に接続される。
診断装置はさらに、エンジン1側に設けられたエンジン水温センサ43を備える。エンジン水温センサ43は、冷却水流れ方向において入口側温度センサ42より上流側かつエンジン1側、例えばシリンダジャケット14内の冷却水の温度を検出するためのものであり、ECU100に接続される。
以下、診断装置による診断方法を説明する。ここではまず、入口側温度センサ42およびエンジン水温センサ43の検出値を用いない第1の診断方法を説明する。
例えばエアコンプレッサ2が故障した場合、エアコンプレッサ2の内部で空気が漏れ、冷却水に混入することがある。例えば、排気ポート31とコンプレッサジャケット52の間の隔壁にクラックが発生すると、排気ポート31内の圧縮空気がクラックを通じてコンプレッサジャケット52内に入り、その中の冷却水に混入する。また、排気ポート31とコンプレッサジャケット52の間をシールするシール部材がある場合、このシール部材が熱劣化等により損傷しても、同様の問題が起こる。圧縮空気に含まれる油分に起因したスラッジにより空気排出管33内が一部閉塞され、排気圧が上昇した場合には、空気漏れが益々起き易くなる。これらの他にも、冷却水への空気混入の原因は様々考えられ、吸気側でも混入は起こり得る。
こうした空気混入が起こると、エンジン1から冷却水への熱伝達が阻害され、エンジン1が冷却不足に陥る虞がある。すなわち、エアコンプレッサ2内部で空気が混入した冷却水は、冷却水排出管54を通じてエンジン1のヘッドジャケット15に戻される。するとシリンダヘッド9から、ヘッドジャケット15内の冷却水への熱伝達が悪化し、エンジン1が冷却不足に陥る。場合によってはエンジンがオーバーヒートしたり、最悪焼き付いたりする。
そこで本実施形態では、ECU100により、冷却水に空気が混入したか否かを判断し、冷却水に空気が混入する異常を即座に検出するようにしている。
図2には、冷却水への空気混入前後における出口側温度センサ41の検出値、すなわち検出出口温度T2の変化を示す。横軸は時間t、縦軸は冷却水温度Tである。
図示するように、冷却水に空気が混入すると、検出出口温度T2は急激に低下する。T2aが混入前、T2bが混入後の温度である。このように温度が低下する理由は、冷却水より空気の方が比熱容量が大きく、高温になりづらいため、空気混入が起こると、冷却水より低温の混入空気の検出頻度が高くなるためである。
よってこの特性を活かし、ECU100は、検出出口温度T2に基づいて、エアコンプレッサ2の出口側冷却水温度の低下速度ΔT2を算出し、この低下速度ΔT2に基づいて、冷却水に空気が混入したか否かを判断する。具体的には、低下速度ΔT2が所定のしきい値ΔT2s以上のときには空気混入ありと判断し、低下速度ΔT2がしきい値ΔT2s未満のときには空気混入なしと判断する。しきい値ΔT2sについては、例えば、空気混入がないときの低下速度ΔT2の最大値が予め実験的に求められ、これより僅かに大きい値がしきい値ΔT2sとして設定される。
低下速度ΔT2の算出方法については、例えば次の方法が可能である。図示するように、ECU100は、検出出口温度T2を所定の演算周期τ毎に取得する。時刻t1,t2,・・・t7(総称してtnとする)は、演算周期τだけ間隔を隔てた演算時期である。
ECU100は、演算周期τ毎に、前回の演算時期tn-1の検出出口温度T2n-1から、今回の演算時期tnの検出出口温度T2nを減じて、今回の演算時期tnの低下速度ΔT2nを算出する。つまりECU100は、演算周期τ毎に、検出出口温度T2の微分値を算出する。そしてこの低下速度ΔT2nがしきい値ΔT2s以上なら空気混入あり、しきい値ΔT2s未満なら空気混入なしと判断する。
図示例は、時刻t4ではじめて低下速度ΔT2がしきい値ΔT2s以上となった場合を示す。このときの低下速度ΔT2は、時刻t3の検出出口温度T2から時刻t4の検出出口温度T2を減じて得られる。
別法として、ECU100は、演算周期τ毎に、m回前(mは2以上の整数)の演算時期tn-mの検出出口温度T2n-mから、今回の演算時期tnの検出出口温度T2nを減じて、今回の演算時期tnの低下速度ΔT2n’を算出する。そしてこの低下速度ΔT2n’がしきい値ΔT2s以上なら空気混入あり、しきい値ΔT2s未満なら空気混入なしと判断する。
図示例は、m=2として、時刻t4ではじめて低下速度ΔT2’しきい値ΔT2s以上となった場合を示す。このときの低下速度ΔT2は、時刻t2の検出出口温度T2から時刻t4の検出出口温度T2を減じて得られる。mは任意に設定可能である。
図3を参照して、第1の診断方法に従う診断ルーチンを説明する。図示するルーチンはECU100により演算周期τ(例えば10msec)毎に繰り返し実行される。
ECU100は、ステップS101において、出口側温度センサ41により検出された冷却水温度、すなわち検出出口温度T2を取得する。そしてステップS102において、例えば前述のいずれかの方法により、冷却水温度の低下速度ΔT2を算出する。
ECU100は、ステップS103において、低下速度ΔT2がしきい値ΔT2s以上か否かを判断する。しきい値ΔT2s未満のときにはルーチンを終える。これによりECU100は実質的に、空気混入なしと判断することとなる。
他方、しきい値ΔT2s以上のときには、ECU100は、ステップS104に進んで空気混入ありと判断し、ステップS105で警告灯等の警告装置を起動(オン)してルーチンを終える。警告装置の起動によりユーザーに必要な整備を促すことができ、異常を早期に解消できる。
好ましくはECU100は、ステップS104で空気混入ありと判断したとき、同時に、エアコンプレッサ2が故障したと判断する。エアコンプレッサ2の故障により冷却水に空気が混入した可能性が高いからである。これにより、異常原因も特定し、後の整備を容易にすることができる。この場合好ましくは、空気混入とエアコンプレッサ故障に対応する診断コードをECU100に書き込み、後の整備時に読み出せるようにする。
なお、一旦空気混入ありと判断されたら、本ルーチンの実行はその後停止され、警告のみが維持される。
次に、入口側温度センサ42の検出値を用いる第2の診断方法を説明する。
図4には、エアコンプレッサ2の故障が原因で冷却水に空気が混入したときの、検出出口温度T2と、入口側温度センサ42の検出値すなわち検出入口温度T1との変化を示す。
図示するように、この場合も検出出口温度T2は急激に低下する。一方、検出入口温度T1は実質的に変化しない。エアコンプレッサ2の入口側の冷却水には空気が混入しないからである。ここで空気混入前の時点(例えば時刻t2)で、検出出口温度T2は検出入口温度T1より高い。その理由は、コンプレッサジャケット52内の冷却水が圧縮空気により加熱されるからである。
このように、エアコンプレッサ2の故障が原因で冷却水に空気が混入すると、検出出口温度T2と検出入口温度T1の差が小さくなる。よってこの特性を活かし、ECU100は、検出出口温度T2と検出入口温度T1に基づいて、冷却水に空気が混入したか否かを判断する。具体的には、検出出口温度T2と検出入口温度T1の温度差ΔT12(=T2−T1)に基づいて、エアコンプレッサ2の出口側の冷却水に空気が混入したか否かを判断する。
具体的には、温度差ΔT12が所定のしきい値ΔT12s以下のときには空気混入ありと判断し、温度差ΔT12がしきい値ΔT12sより大きいときには空気混入なしと判断する。しきい値ΔT12sについても前記同様、例えば、空気混入がないときの温度差ΔT12の最小値が予め実験的に求められ、これより僅かに小さい値がしきい値ΔT12sとして設定される。
検出入口温度T1を考慮するので、エンジン運転状態の変化等による検出入口温度T1の変化の影響を排除でき、より正確に空気混入を検出することができる。
検出出口温度T2および検出入口温度T1の取得と温度差ΔT12の算出とは演算周期τ毎に行われる。図示例は、時刻t4ではじめて温度差ΔT12がしきい値ΔT12s以下となった場合を示す。
図5を参照して、第2の診断方法に従う診断ルーチンを説明する。
ECU100は、ステップS201において、出口側温度センサ41および入口側温度センサ42によりそれぞれ検出された冷却水温度、すなわち検出出口温度T2および検出入口温度T1を取得する。そしてステップS202において、両者の温度差ΔT12を算出する。
ECU100は、ステップS203において、温度差ΔT12がしきい値ΔT12s以下か否かを判断する。しきい値ΔT12sより大きいときにはルーチンを終える。これによりECU100は実質的に、空気混入なしと判断することとなる。
他方、しきい値ΔT12s以下のときには、ECU100は、ステップS204に進んで空気混入ありと判断すると同時に、エアコンプレッサ2が故障したと判断する。このときには、エアコンプレッサ2の故障が原因で空気混入が起こった蓋然性が極めて高いからである。ECU100は、空気混入とエアコンプレッサ故障に対応する診断コードをECU100に書き込み、後の整備時に読み出せるようにする。
この後ECU100は、ステップS205で警告装置を起動してルーチンを終える。
このように第2の診断方法によれば、空気混入という異常を検出できるのみならず、その異常原因をエアコンプレッサ2の故障というように特定することができ、後の整備を容易化することができる。
次に、エンジン水温センサ43の検出値をさらに用いる第3の診断方法を説明する。
冷却水に気体が混入する原因には、エアコンプレッサ2の故障だけでなく、極希ではあるが、エアコンプレッサ2以外の部品の故障、例えばエンジン1やウォーターポンプの故障もある。こうした部品にクラックまたはシール損傷等の故障が発生すると、空気、吸気、燃焼ガス、ブローバイガスまたは排気といった気体が冷却水通路内の冷却水に混入し、前記同様の問題が発生する。なお冷却水通路とは、冷却水が流れる任意の空間をいう。例えばシリンダ5とシリンダジャケット14の間の隔壁にクラックが入ると、こうした気体混入が発生する。
よって本方法では、気体混入を検出した場合に、その異常原因をエアコンプレッサ2またはそれ以外の部品に区別して特定する。
冷却水流れ方向における、入口側温度センサ42の上流側かつエンジン水温センサ43の下流側の冷却水通路(センサ間通路という)に気体が混入すると、図4に示した関係と同様、エンジン水温センサ43の検出値すなわち検出エンジン水温Twは変化しないが、検出入口温度T1は急激に低下する。よってECU100は、検出入口温度T1と検出エンジン水温Twに基づいて、具体的には両者の温度差ΔTw1(=T1−Tw)に基づいて、気体混入の有無を判断し、同時に異常原因を特定する。なおセンサ間通路にはシリンダジャケット14と、冷却水導入管53内の通路とが含まれる。
図6を参照して、第3の診断方法に従う診断ルーチンを説明する。
ECU100は、ステップS301において、出口側温度センサ41、入口側温度センサ42およびエンジン水温センサ43によりそれぞれ検出された検出出口温度T2、検出入口温度T1および検出エンジン水温Twを取得する。
そしてECU100は、ステップS302において、検出出口温度T2および検出入口温度T1の温度差ΔT12と、検出入口温度T1および検出エンジン水温Twの温度差ΔTw1とを算出する。
ECU100は、ステップS303において、温度差ΔTw1が所定のしきい値ΔTw1s以下か否かを判断する。しきい値ΔTw1s以下のときには、ECU100は、ステップS304に進んで、センサ間通路で気体混入ありと判断する。同時にECU100は、この異常に対応する診断コードをECU100に書き込み、後の整備時に読み出せるようにする。
この後ECU100は、ステップS305で警告装置を起動してルーチンを終える。
他方、ステップS303で温度差ΔTw1がしきい値ΔTw1sより大きいときには、ECU100はステップS306に進み、温度差ΔT12がしきい値ΔT12s以下か否かを判断する。
しきい値ΔT12s以下のときには、ECU100は、ステップS307に進んで、エアコンプレッサ2で気体(具体的には空気)混入ありと判断し、この異常に対応する診断コードを自身に書き込む。そしてステップS305で警告装置を起動してルーチンを終える。
ステップS306で温度差ΔT12がしきい値ΔT12sより大きいときには、ECU100はルーチンを終え、実質的に気体混入なしと判断する。
このように第3の診断方法によれば、気体混入を検出した場合に異常原因をエアコンプレッサ2の故障とエンジン1側の故障とに区別して特定することができ、後の整備を一層容易化することができる。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。
(1)例えば、エンジン1内の冷却水流れ方向において前記とは逆に、ヘッドジャケット15を上流側、シリンダジャケット14を下流側に配置してもよい。そしてこれに対応して、冷却水導入管53の下流端をヘッドジャケット15に接続し、冷却水排出管54の下流端をシリンダジャケット14に接続してもよい。
(2)第2および第3の診断方法において、検出出口温度T2と検出入口温度T1の温度差ΔT12(=T2−T1)の代わりに、両者の温度比R12(=T2/T1)に基づいて、気体混入の有無等を判断してもよい。第3の診断方法における温度差ΔTw1についても同様である。
(3)冷却対象の空圧機械はエアコンプレッサに限らず、例えばターボチャージャであってもよい。ターボチャージャでは、タービンベアリングを支持するセンターハウジングを冷却水により冷却するが、このセンターハウジング内の冷却水通路と、タービンまたはコンプレッサとを仕切る隔壁、シール等に損傷が生じると、排気または吸気が冷却水通路内の冷却水に混入する虞がある。本開示は、こうした混入を検出するのにも好適である。
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
2 エアコンプレッサ
41 出口側温度センサ
42 入口側温度センサ
100 電子制御ユニット(ECU)
W 冷却水

Claims (5)

  1. 内燃機関を冷却する冷却水を空圧機械に循環させて前記空圧機械を冷却する冷却回路の診断装置であって、
    前記空圧機械の出口側における冷却水の温度を検出する出口側温度センサと、
    前記出口側温度センサの検出値に基づいて、冷却水に気体が混入したか否かを判断するように構成された診断ユニットと、
    を備えたことを特徴とする冷却回路の診断装置。
  2. 前記診断ユニットは、前記出口側温度センサの検出値に基づいて、前記空圧機械の出口側冷却水温度の低下速度を算出し、前記低下速度に基づいて冷却水に気体が混入したか否かを判断する
    請求項1に記載の冷却回路の診断装置。
  3. 前記空圧機械の入口側における冷却水の温度を検出する入口側温度センサをさらに備え、
    前記診断ユニットは、前記出口側温度センサの検出値と前記入口側温度センサの検出値とに基づいて、冷却水に気体が混入したか否かを判断する
    請求項1に記載の冷却回路の診断装置。
  4. 前記診断ユニットは、冷却水に気体が混入したと判断したとき、前記空圧機械が故障したと判断する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却回路の診断装置。
  5. 前記空圧機械は、エアコンプレッサまたはターボチャージャである
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却回路の診断装置。
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