JP2021130258A - 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 - Google Patents

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Yoichi Naganuma
陽一 長沼
祐馬 福澤
Yuma Fukuzawa
祐馬 福澤
捷太郎 玉井
Shotaro Tamai
捷太郎 玉井
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Abstract

【課題】吐出異常が発生する可能性を低減する。【解決手段】第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第1圧力室と、第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第2圧力室と、液体を吐出するノズルに連通するノズル流路と、第1方向と交差する第2方向に延在し、第1圧力室及びノズル流路を連通する第1連通流路と、第2方向に延在し、第2圧力室及びノズル流路を連通する第2連通流路と、を備え、ノズル流路は、第1連通流路に連通する第1部分と、第1部分に連通し、第1部分よりも断面積が小さい第2部分と、を備える、ことを特徴とする液体吐出ヘッド。【選択図】図6

Description

本発明は、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関する。
特許文献1に記載のように、従来から、圧力室内の液体をノズル流路に供給し、ノズル流路に供給された液体を、ノズル流路に連通するノズルから吐出する、液体吐出ヘッドに関する技術が知られている。
特開2017−013390号公報
しかし、従来の技術では、ノズル流路において液体が増粘し、当該液体の増粘に起因して、ノズルから液体を吐出しにくくなる吐出異常が生じる恐れがあった。
以上の問題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体吐出ヘッドは、第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第1圧力室と、前記第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第2圧力室と、液体を吐出するノズルに連通するノズル流路と、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、前記第1圧力室及び前記ノズル流路を連通する第1連通流路と、前記第2方向に延在し、前記第2圧力室及び前記ノズル流路を連通する第2連通流路と、を備え、前記ノズル流路は、前記第1連通流路に連通する第1部分と、前記第1部分に連通し、前記第1部分よりも断面積が小さい第2部分と、を備える、ことを特徴とする。
本発明の好適な態様に係る液体吐出装置は、第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第1圧力室と、前記第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第2圧力室と、液体を吐出するノズルに連通するノズル流路と、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、前記第1圧力室及び前記ノズル流路を連通する第1連通流路と、前記第2方向に延在し、前記第2圧力室及び前記ノズル流路を連通する第2連通流路と、を備え、前記ノズル流路は、前記第1連通流路に連通する第1部分と、前記第1部分に連通し、前記第1部分よりも断面積が小さい第2部分と、を備える、ことを特徴とする。
本発明の実施形態に係る液体吐出装置100の一例を示す構成図である。 液体吐出ヘッド1の構成の一例を示す分解斜視図である。 液体吐出ヘッド1の構成の一例を示す断面図である。 液体吐出ヘッド1の構成の一例を示す平面図である。 圧電素子PZqの構成の一例を示す断面図である。 液体吐出ヘッド1の構成の一例を示す断面図である。 ノズル流路RNの構成の一例を示す平面図である。 参考例に係る液体吐出ヘッド1Zの構成の一例を示す断面図である。 参考例に係るノズル流路RNZの構成の一例を示す平面図である。 変形例3に係る液体吐出ヘッド1Aの構成の一例を示す断面図である。 変形例3に係るノズル流路RN-Aの構成の一例を示す平面図である。 変形例4に係る液体吐出ヘッド1Bの構成の一例を示す断面図である。 変形例4に係るノズル流路RN-Bの構成の一例を示す平面図である。 変形例5に係る液体吐出ヘッド1Cの構成の一例を示す断面図である。 変形例5に係るノズル流路RN-Cの構成の一例を示す平面図である。 変形例6に係る液体吐出ヘッド1Dの構成の一例を示す分解斜視図である。 液体吐出ヘッド1Dの構成の一例を示す平面図である。 液体吐出ヘッド1Dの構成の一例を示す断面図である。 液体吐出ヘッド1Dの構成の一例を示す断面図である。 変形例6に係るノズル流路RNqの構成の一例を示す平面図である。 変形例8に係る液体吐出装置100Eの一例を示す構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。但し、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<<A.実施形態>>
以下、図1を参照しつつ、本実施形態に係る液体吐出装置100について説明する。
<<1.液体吐出装置の概要>>
図1は、本実施形態に係る液体吐出装置100の一例を示す説明図である。本実施形態に係る液体吐出装置100は、インクを媒体PPに吐出するインクジェット方式の印刷装置である。媒体PPは、例えば印刷用紙であるが、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の印刷対象が媒体PPとして利用され得る。
図1に例示される通り、液体吐出装置100は、インクを貯留する液体容器93を備える。液体容器93としては、例えば、液体吐出装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、または、インクを補充可能なインクタンク等を採用することができる。液体容器93には、色彩が相違する複数種のインクが貯留される。
図1に例示される通り、液体吐出装置100は、制御装置90と移動機構91と搬送機構92と循環機構94と、を備える。
このうち、制御装置90は、例えば、CPUまたはFPGA等の処理回路と、半導体メモリ等の記憶回路とを含み、液体吐出装置100の各要素を制御する。ここで、CPUとは、Central Processing Unitの略称であり、FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
また、移動機構91は、制御装置90による制御のもとで、媒体PPを+Y方向に搬送する。なお、以下では、+Y方向と、+Y方向とは反対の方向である−Y方向とを、Y軸方向と総称する。
また、搬送機構92は、制御装置90による制御のもとで、複数の液体吐出ヘッド1を、+X方向、及び、+X方向とは反対の方向である−X方向に往復動させる。なお、以下では、+X方向及び−X方向をX軸方向と総称する。ここで、+X方向とは、+Y方向に交差する方向である。例えば、+X方向とは、+Y方向に直交する方向である。搬送機構92は、複数の液体吐出ヘッド1を収容する収納ケース921と、収納ケース921が固定された無端ベルト922とを具備する。なお、液体容器93及び循環機構94を液体吐出ヘッド1とともに収納ケース921に収納してもよい。
また、循環機構94は、制御装置90による制御のもとで、液体容器93に貯留されたインクを、液体吐出ヘッド1に設けられた供給流路RB1に供給する。更に、循環機構94は、制御装置90による制御のもとで、液体吐出ヘッド1に設けられた排出流路RB2に貯留されたインクを回収し、当該回収したインクを、供給流路RB1に還流させる。なお、供給流路RB1及び排出流路RB2については、図3で後述する。
図1に例示される通り、液体吐出ヘッド1には、制御装置90から、液体吐出ヘッド1を駆動するための駆動信号Comと、液体吐出ヘッド1を制御するための制御信号SIと、が供給される。そして、液体吐出ヘッド1は、制御信号SIによる制御のもとで駆動信号Comにより駆動され、液体吐出ヘッド1に設けられたM個のノズルNの一部または全部から、+Z方向にインクを吐出させる。ここで、値Mは、1以上の自然数である。また、+Z方向は、+X方向及び+Y方向に交差する方向である。例えば、+Z方向は、+X方向及び+Y方向に直交する方向である。以下では、+Z方向と、+Z方向とは反対の方向である−Z方向とを、Z軸方向と総称する場合がある。なお、ノズルNについては、図2乃至図4において後述する。
液体吐出ヘッド1は、移動機構91による媒体PPの搬送と、搬送機構92による液体吐出ヘッド1の往復動とに連動して、M個のノズルNの一部又は全部からインクを吐出させて、当該吐出されたインクを媒体PPの表面に着弾させることで、媒体PPの表面に所望の画像を形成する。
<<2.液体吐出ヘッドの概要>>
以下、図2乃至図5を参照しつつ、液体吐出ヘッド1の概要を説明する。
なお、図2は、液体吐出ヘッド1の分解斜視図であり、図3は、図2におけるIII−III線の断面図であり、図4は、液体吐出ヘッド1を−Z方向から見た平面図である。
図2及び図3に例示される通り、液体吐出ヘッド1は、ノズル基板60と、コンプライアンスシート61及びコンプライアンスシート62と、連通板2と、圧力室基板3と、振動板4と、貯留室形成基板5と、配線基板8と、を備える。
図2に例示される通り、ノズル基板60は、Y軸方向に長尺で、XY平面に略平行に延在する板状の部材であり、M個のノズルNが形成される。ここで、「略平行」とは、完全に平行である場合の他に、誤差を考慮すれば平行であると看做せる場合を含む概念である。ノズル基板60は、例えば、エッチング等の半導体製造技術を利用してシリコンの単結晶基板を加工することで製造される。但し、ノズル基板60の製造には公知の材料及び製法が任意に採用され得る。また、ノズルNは、ノズル基板60に設けられた貫通孔である。本実施形態では、一例として、ノズル基板60において、M個のノズルNが、Y軸方向に延在するノズル列Lnを形成するように設けられた場合を想定する。
図2及び図3に例示される通り、ノズル基板60の−Z側には、連通板2が設けられる。連通板2は、Y軸方向に長尺で、XY平面に略平行に延在する板状の部材であり、インクの流路が形成される。
具体的には、連通板2には、1個の供給流路RA1と、1個の排出流路RA2とが形成される。このうち、供給流路RA1は、後述する供給流路RB1と連通し、Y軸方向に延在するように設けられる。また、排出流路RA2は、後述する排出流路RB2と連通し、供給流路RA1から見て−X方向においてY軸方向に延在するように設けられる。
また、連通板2には、M個のノズルNと1対1に対応するM個のノズル流路RNと、M個のノズルNと1対1に対応するM個の連通流路RR1と、M個のノズルNと1対1に対応するM個の連通流路RR2と、M個のノズルNと1対1に対応するM個の連通流路RK1と、M個のノズルNと1対1に対応するM個の連通流路RK2と、M個のノズルNと1対1に対応するM個の連通流路RX1と、M個のノズルNと1対1に対応するM個の連通流路RX2と、が形成される。なお、連通板2には、M個のノズルNに共通に設けられた1個の連通流路RX1が形成されてもよいし、また、M個のノズルNに共通に設けられた1個の連通流路RX2が形成されてもよい。
図3に例示される通り、本実施形態において、連通流路RX1は、供給流路RA1と連通し、供給流路RA1から見て−X方向においてX軸方向に延在するように設けられる。また、連通流路RK1は、連通流路RX1と連通し、連通流路RX1から見て−X方向においてZ軸方向に延在するように設けられる。また、連通流路RR1は、連通流路RK1から見て−X方向においてZ軸方向に延在するように設けられる。
また、連通流路RX2は、排出流路RA2と連通し、排出流路RA2から見て+X方向においてX軸方向に延在するように設けられる。また、連通流路RK2は、連通流路RX2と連通し、連通流路RX2から見て+X方向においてZ軸方向に延在するように設けられる。また、連通流路RR2は、連通流路RK2から見て+X方向であって、連通流路RR1から見て−X方向において、Z軸方向に延在するように設けられる。
また、ノズル流路RNは、連通流路RR1及び連通流路RR2を連通し、連通流路RR1から見て−X方向であって、連通流路RR2から見て+X方向において、X軸方向に延在するように設けられる。ノズル流路RNは、当該ノズル流路RNに対応するノズルNに連通する。
なお、連通板2は、例えば、半導体製造技術を利用してシリコンの単結晶基板を加工することで製造される。但し、連通板2の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
図2及び図3に例示される通り、連通板2の−Z側には、圧力室基板3が設けられる。圧力室基板3は、Y軸方向に長尺で、XY平面に略平行に延在する板状の部材であり、インクの流路が形成される。
具体的には、圧力室基板3には、M個のノズルNと1対1に対応するM個の圧力室CB1と、M個のノズルNと1対1に対応するM個の圧力室CB2と、が形成される。このうち、圧力室CB1は、連通流路RK1及び連通流路RR1を連通し、Z軸方向から見た場合に、連通流路RK1の+X側の端部と、連通流路RR1の−X側の端部とを結び、X軸方向に延在するように設けられる。また、圧力室CB2は、連通流路RK2及び連通流路RR2を連通し、Z軸方向から見た場合に、連通流路RK2の−X側の端部と、連通流路RR2の+X側の端部とを結び、X軸方向に延在するように設けられる。
なお、圧力室基板3は、例えば、半導体製造技術を利用してシリコンの単結晶基板を加工することで製造される。但し、圧力室基板3の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
なお、以下では、供給流路RA1及び排出流路RA2を連通するインクの流路を、循環流路RJと称する。
図4に例示される通り、供給流路RA1及び排出流路RA2は、M個のノズルNと1対1に対応するM個の循環流路RJにより連通される。各循環流路RJは、上述のとおり、供給流路RA1に連通する連通流路RX1と、連通流路RX1に連通する連通流路RK1と、連通流路RK1に連通する圧力室CB1と、圧力室CB1に連通する連通流路RR1と、連通流路RR1に連通するノズル流路RNと、ノズル流路RNに連通する連通流路RR2と、連通流路RR2に連通する圧力室CB2と、圧力室CB2に連通する連通流路RK2と、連通流路RK2及び排出流路RA2を連通する連通流路RX2と、を含む。なお、本実施形態では、一例として、各循環流路RJが、X軸方向に延在する場合を想定する。
図2及び図3に例示される通り、圧力室基板3の−Z側には、振動板4が設けられる。振動板4は、Y軸方向に長尺で、XY平面に略平行に延在する板状の部材であって、弾性的に振動可能な部材である。
図2及び図3に例示される通り、振動板4の−Z側には、M個の圧力室CB1に1対1に対応するM個の圧電素子PZ1と、M個の圧力室CB2に1対1に対応するM個の圧電素子PZ2と、が設けられる。以下では、圧電素子PZ1及び圧電素子PZ2を、圧電素子PZqと総称する。圧電素子PZqは、駆動信号Comの電位変化に応じて変形する受動素子である。換言すれば、圧電素子PZqは、駆動信号Comの電気エネルギーを運動エネルギーに変換する、エネルギー変換素子の一例である。なお、以下では、液体吐出ヘッド1のうち、圧電素子PZqに対応する構成要素または信号を示す符号に、添え字「q」を付する場合がある。
図5は、圧電素子PZqの近傍を拡大した断面図である。
図5に例示される通り、圧電素子PZqは、所定の基準電位VBSが供給される下部電極ZDqと、駆動信号Comが供給される上部電極ZUqとの間に、圧電体ZMqを介在させた積層体である。圧電素子PZqは、例えば、−Z方向から見たときに、下部電極ZDqと上部電極ZUqと圧電体ZMqとが重なる部分である。また、圧電素子PZqの+Z方向には、圧力室CBqが設けられる。
上述の通り、圧電素子PZqは、駆動信号Comの電位変化に応じて駆動されて変形する。振動板4は、圧電素子PZqの変形に連動して振動する。振動板4が振動すると、圧力室CBq内の圧力が変動する。そして、圧力室CBq内の圧力が変動することで、圧力室CBqの内部に充填されたインクが、連通流路RRq及びノズル流路RNを経由して、ノズルNから吐出される。
図2及び図3に例示される通り、振動板4の−Z側の面には、配線基板8が実装される。配線基板8は、制御装置90及び液体吐出ヘッド1を電気的に接続するための部品である。配線基板8としては、例えば、FPCまたはFFC等の可撓性の配線基板が好適に採用される。ここで、FPCとは、Flexible Printed Circuitの略称であり、また、FFCとは、Flexible Flat Cableの略称である。配線基板8には、駆動回路81が実装される。駆動回路81は、制御信号SIによる制御のもとで、圧電素子PZqに対して、駆動信号Comを供給するか否かを切り替える電気回路である。図5に例示される通り、駆動回路81は、配線810を介して、圧電素子PZqの有する上部電極ZUqに対して駆動信号Comを供給する。
なお、以下では、圧電素子PZ1に供給される駆動信号Comを、駆動信号Com1と称し、圧電素子PZ2に供給される駆動信号Comを、駆動信号Com2と称する場合がある。本実施形態では、ノズルNからインクを吐出させる際に、駆動回路81がノズルNに対応する圧電素子PZ1に供給する駆動信号Com1の波形と、駆動回路81がノズルNに対応する圧電素子PZ2に供給する駆動信号Com2の波形とが、略同じである場合を想定する。ここで、「略同じ」とは、完全に同一である場合の他に、誤差を考慮すれば同一であると看做せる場合を含む概念である。
図2及び図3に例示される通り、連通板2の−Z側には、貯留室形成基板5が設けられる。貯留室形成基板5は、Y軸方向に長尺な部材であり、インクの流路が形成される。
具体的には、貯留室形成基板5には、1個の供給流路RB1と、1個の排出流路RB2とが形成される。このうち、供給流路RB1は、供給流路RA1と連通し、供給流路RA1から見て−Z方向において、Y軸方向に延在するように設けられる。また、排出流路RB2は、排出流路RA2と連通し、排出流路RA2から見て−Z方向であって、供給流路RB1から見て−X方向において、Y軸方向に延在するように設けられる。
また、貯留室形成基板5には、供給流路RB1と連通する導入口51と、排出流路RB2と連通する排出口52とが設けられる。そして、供給流路RB1には、液体容器93から、導入口51を介してインクが供給される。また、排出流路RB2に貯留されたインクは、排出口52を介して回収される。
また、貯留室形成基板5には、開口50が設けられる。開口50の内側には、圧力室基板3と、振動板4と、配線基板8とが設けられる。
なお、貯留室形成基板5は、例えば、樹脂材料の射出成形により形成される。但し、貯留室形成基板5の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
本実施形態において、液体容器93から導入口51に供給されたインクは、供給流路RB1を経由して、供給流路RA1に流入する。そして、供給流路RA1に流入したインクの一部は、連通流路RX1及び連通流路RK1を経由して、圧力室CB1に流入する。また、圧力室CB1に流入したインクの一部は、連通流路RR1とノズル流路RNと連通流路RR2とを経由して、圧力室CB2に流入する。そして、圧力室CB2に流入したインクの一部は、連通流路RK2と連通流路RX2と排出流路RA2と排出流路RB2とを経由して、排出口52から排出される。
なお、駆動信号Com1により圧電素子PZ1が駆動される場合、圧力室CB1内部に充填されているインクの一部は、連通流路RR1とノズル流路RNとを経由して、ノズルNから吐出される。また、駆動信号Com2により圧電素子PZ2が駆動される場合、圧力室CB2内部に充填されているインクの一部は、連通流路RR2とノズル流路RNとを経由して、ノズルNから吐出される。
図2及び図3に例示される通り、連通板2の+Z側の面上には、供給流路RA1と連通流路RX1と連通流路RK1とを閉塞するように、コンプライアンスシート61が設けられる。コンプライアンスシート61は、弾性材料から形成されており、供給流路RA1、連通流路RX1、及び、連通流路RK1内のインクの圧力変動を吸収する。また、連通板2の+Z側の面上には、排出流路RA2と連通流路RX2と連通流路RK2とを閉塞するように、コンプライアンスシート62が設けられる。コンプライアンスシート62は、弾性材料から形成されており、排出流路RA2、連通流路RX2、及び、連通流路RK2内のインクの圧力変動を吸収する。
以上のように、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1は、供給流路RA1から循環流路RJを経由して排出流路RA2へと、インクを循環させる。このため、本実施形態では、圧力室CBq内部のインクがノズルNから吐出されない期間が存在する場合であっても、圧力室CBq内部及びノズル流路RN等において、インクが滞留した状態が継続することを防止できる。よって、本実施形態では、圧力室CBq及びノズル流路RN内部のインクがノズルNから吐出されない期間が存在する場合であっても、圧力室CBq及びノズル流路RN内部のインクが増粘することを抑制することが可能となり、インクの増粘に起因してノズルNからインクが吐出できなくなる吐出異常の発生を予防することができる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1は、圧力室CB1内部に充填されているインクと、圧力室CB2内部に充填されているインクとを、ノズルNから吐出することができる。このため、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1では、例えば、1個の圧力室CBq内部に充填されているインクのみをノズルNから吐出する態様と比較して、ノズルNからのインクの吐出量を増大させることが可能となる。
<<3.ノズル流路の形状>>
以下、図6及び図7を参照しつつ、ノズル流路RNの形状を説明する。
図6は、循環流路RJのうち、ノズル流路RN、連通流路RR1、及び、連通流路RR2を、+Y方向から見た断面図である。
図6に例示されるように、ノズル流路RNは、連通流路RNb1と、連通流路RNb2と、連通流路RNt1と、連通流路RNt2と、連通流路RNcと、を備える。
このうち、連通流路RNb1は、連通流路RR1と連通し、連通流路RR1から見て−X方向においてX軸方向に延在するように設けられる。そして、連通流路RNb1は、Y軸方向から見た場合に、+Z側の壁面HNaと、−Z側の壁面HNb1と、を有する。ここで、壁面HNaは、Y軸方向から見た場合に、X軸方向に延在する壁面である。また、壁面HNb1は、Y軸方向から見た場合に、壁面HNaよりも−Z側において、X軸方向に延在する壁面である。
また、連通流路RNt1は、連通流路RNb1と連通し、連通流路RNb1から見て−X方向においてX軸方向に延在するように設けられる。そして、連通流路RNt1は、Y軸方向から見た場合に、+Z側の壁面HNaと、−Z側の壁面HNt1と、を有する。このうち、壁面HNt1は、壁面HNb1に接続し、Y軸方向から見た場合に、壁面HNaよりも−Z側において、W1方向に延在する壁面である。ここで、W1方向とは、+X方向及び−Z方向の間の方向である。
また、連通流路RNb2は、連通流路RR2と連通し、連通流路RR2から見て+X方向においてX軸方向に延在するように設けられる。そして、連通流路RNb2は、Y軸方向から見た場合に、+Z側の壁面HNaと、−Z側の壁面HNb2と、を有する。ここで、壁面HNb2は、Y軸方向から見た場合に、壁面HNaよりも−Z側において、X軸方向に延在する壁面である。
また、連通流路RNt2は、連通流路RNb2と連通し、連通流路RNb2から見て+X方向においてX軸方向に延在するように設けられる。そして、連通流路RNt2は、Y軸方向から見た場合に、+Z側の壁面HNaと、−Z側の壁面HNt2と、を有する。このうち、壁面HNt2は、壁面HNb2に接続し、Y軸方向から見た場合に、壁面HNaよりも−Z側において、W2方向に延在する壁面である。ここで、W2方向とは、−X方向及び−Z方向の間の方向である。
また、連通流路RNcは、連通流路RNt1及び連通流路RNt2を連通し、連通流路RNt1から見て−X方向であって、連通流路RNt2から見て+X方向において、X軸方向に延在するように設けられる。また、連通流路RNcは、ノズルNと連通する。そして、連通流路RNcは、Y軸方向から見た場合に、+Z側の壁面HNaと、−Z側の壁面HNcと、を有する。このうち、壁面HNcは、壁面HNt1及び壁面HNt2に接続し、Y軸方向から見た場合に、壁面HNaよりも−Z側において、X軸方向に延在する壁面である。
なお、本実施形態では、X軸方向における壁面HNcの長さが、X軸方向における壁面HNb1の長さよりも短い場合を、一例として想定する。すなわち、本実施形態では、連通流路RNcの流路長が、連通流路RNb1の流路長よりも短い場合を、一例として想定する。
また、本実施形態では、X軸方向における壁面HNcの長さが、X軸方向における壁面HNb2の長さよりも短い場合を、一例として想定する。すなわち、本実施形態では、連通流路RNcの流路長が、連通流路RNb2の流路長よりも短い場合を、一例として想定する。
また、以下では、Z軸方向における連通流路RNcの幅、すなわち、Z軸方向における壁面HNa及び壁面HNcの間の幅を、幅dZcと称する。また、以下では、Z軸方向における連通流路RNb1の幅、すなわち、Z軸方向における壁面HNa及び壁面HNb1の間の幅を、幅dZb1と称する。また、以下では、Z軸方向における連通流路RNb2の幅、すなわち、Z軸方向における壁面HNa及び壁面HNb2の間の幅を、幅dZb2と称する。幅dZb1及び幅dZb2は「第3の幅」の一例であり、幅dZcは「第4の幅」の一例である。
図6に例示されるように、本実施形態では、幅dZc及び幅dZb1の間に、「dZc<dZb1」が成立するように、壁面HNc及び壁面HNb1が設けられる。換言すれば、壁面HNb1は、壁面HNcよりも、−Z側に設けられる。より具体的には、本実施形態では、「0.7<(dZc÷dZb1)<0.9」を満たすように、壁面HNc及び壁面HNb1が設けられる。但し、壁面HNc及び壁面HNb1は、「0.5<(dZc÷dZb1)<1.0」を満たすように設けられればよい。
また、本実施形態では、幅dZc及び幅dZb2の間に、「dZc<dZb2」が成立するように、壁面HNc及び壁面HNb2が設けられる。換言すれば、壁面HNb2は、壁面HNcよりも、−Z側に設けられる。より具体的には、本実施形態では、「0.7<(dZc÷dZb2)<0.9」を満たすように、壁面HNc及び壁面HNb2が設けられる。但し、壁面HNc及び壁面HNb2は、「0.5<(dZc÷dZb2)<1.0」を満たすように設けられればよい。
なお、本実施形態では、幅dZb1及び幅dZb2が略同じとなるように、壁面HNb1及び壁面HNb2が設けられる。但し、幅dZb1及び幅dZb2が異なるように、壁面HNb1及び壁面HNb2が設けられてもよい。
なお、本実施形態において、壁面HNt1は、Y軸方向から見た場合に方向W1に延在するように設けられるが、本実施形態はこのような態様に限定されるものではない。壁面HNt1は、Y軸方向から見た場合に、+X方向に向かうにつれて、壁面HNt1及び壁面HNaの間隔が漸次的に広がるように設けられてもよい。例えば、連通流路RNt1において、X軸方向における位置Ps11と、X軸方向において位置Ps11よりも−X側の位置Ps12とを設定した場合、位置Ps11における壁面HNt1及び壁面HNaの間隔が、位置Ps12における壁面HNt1及び壁面HNaの間隔よりも広くなるように、壁面HNt1を設けてもよい。
また、本実施形態において、壁面HNt2は、Y軸方向から見た場合にW2方向に延在するように設けられるが、本実施形態はこのような態様に限定されるものではない。壁面HNt2は、Y軸方向から見た場合に、−X方向に向かうにつれて、壁面HNt2及び壁面HNaの間隔が漸次的に広がるように設けられてもよい。例えば、連通流路RNt2において、X軸方向における位置Ps21と、X軸方向において位置Ps21よりも+X側の位置Ps22とを設定した場合、位置Ps21における壁面HNt2及び壁面HNaの間隔が、位置Ps22における壁面HNt2及び壁面HNaの間隔よりも広くなるように、壁面HNt2を設けてもよい。
なお、本実施形態では、連通流路RNb1から連通流路RNcの間の連通流路RNt1において、Z軸方向における幅が、漸次的に変化する部分を有する態様について例示したが、必ずしも、連通流路RNb1から連通流路RNcの間の連通流路RNt1において、Z軸方向における幅が漸次的に変化する部分を持たなくともよい。例えば、連通流路RNt1において、Z軸方向における幅は、X軸方向の特定位置で幅dZb1から幅dZcへと急峻に変化しても良い。同様に、本実施形態では、連通流路RNb2から連通流路RNcの間の連通流路RNt2において、Z軸方向における幅が、漸次的に変化する部分を有する態様について例示したが、必ずしも、連通流路RNb2から連通流路RNcの間の連通流路RNt2において、Z軸方向における幅が漸次的に変化する部分を持たなくともよい。例えば、連通流路RNt2において、Z軸方向における幅は、X軸方向の特定位置で幅dZb2から幅dZcへと急峻に変化しても良い。
図7は、ノズル流路RNを−Z方向から見た断面図である。
図7に例示されるように、連通流路RNb1は、Z軸方向から見た場合に、+Y側の壁面Hb11と、−Y側の壁面Hb12と、を有する。このうち、壁面Hb11は、Z軸方向から見た場合に、X軸方向に延在する壁面である。また、壁面Hb12は、Z軸方向から見た場合に、壁面Hb11よりも−Y側において、X軸方向に延在する壁面である。
また、連通流路RNt1は、Z軸方向から見た場合に、+Y側の壁面Ht11と、−Y側の壁面Ht12と、を有する。このうち、壁面Ht11は、壁面Hb11に接続し、Z軸方向から見た場合に、壁面Hb11よりも−X側において、W11方向に延在する壁面である。ここで、W11方向とは、+X方向及び+Y方向の間の方向である。また、壁面Ht12は、壁面Hb12に接続し、Z軸方向から見た場合に、壁面Ht11よりも−Y側であって、壁面Hb12よりも−X側において、W12方向に延在する壁面である。ここで、W12方向とは、+X方向及び−Y方向の間の方向である。
また、連通流路RNb2は、Z軸方向から見た場合に、+Y側の壁面Hb21と、−Y側の壁面Hb22と、を有する。このうち、壁面Hb21は、Z軸方向から見た場合に、X軸方向に延在する壁面である。また、壁面Hb22は、Z軸方向から見た場合に、壁面Hb21よりも−Y側において、X軸方向に延在する壁面である。
また、連通流路RNt2は、Z軸方向から見た場合に、+Y側の壁面Ht21と、−Y側の壁面Ht22と、を有する。このうち、壁面Ht21は、壁面Hb21に接続し、Z軸方向から見た場合に、壁面Hb21よりも+X側において、W21方向に延在する壁面である。ここで、W21方向とは、−X方向及び+Y方向の間の方向である。また、壁面Ht22は、壁面Hb22に接続し、Z軸方向から見た場合に、壁面Ht21よりも−Y側であって、壁面Hb22よりも+X側において、W22方向に延在する壁面である。ここで、W22方向とは、−X方向及び−Y方向の間の方向である。
また、連通流路RNcは、Z軸方向から見た場合に、+Y側の壁面Hc1と、−Y側の壁面Hc2と、を有する。このうち、壁面Hc1は、壁面Ht11及び壁面Ht21に接続し、Z軸方向から見た場合に、壁面Ht11よりも−X側であって、壁面Ht21よりも+X側において、X軸方向に延在する壁面である。また、壁面Hc2は、壁面Ht12及び壁面Ht22に接続し、Z軸方向から見た場合に、壁面Ht12よりも−X側であって、壁面Ht22よりも+X側において、X軸方向に延在する壁面である。
なお、以下では、Y軸方向(「Z軸方向及び連通流路RNcの延在方向に交差する方向」の一例)における連通流路RNcの幅、すなわち、Y軸方向における壁面Hc1及び壁面Hc2の間の幅を、幅dYcと称する。また、以下では、Y軸方向(「Z軸方向及び連通流路RNb1の延在方向に交差する方向」の一例)における連通流路RNb1の幅、すなわち、Y軸方向における壁面Hb11及び壁面Hb12の間の幅を、幅dYb1と称する。また、以下では、Y軸方向(「Z軸方向及び連通流路RNb2の延在方向に交差する方向」の一例)における連通流路RNb2の幅、すなわち、Y軸方向における壁面Hb21及び壁面Hb22の間の幅を、幅dYb2と称する。幅dYb1及び幅dYb2は第1の幅の一例であり、幅dYcは第2の幅の一例である。
図7に例示されるように、本実施形態では、幅dYc及び幅dYb1の間に、「dYc<dYb1」が成立するように、壁面Hc1、壁面Hc2、壁面Hb11、及び、壁面Hb12が設けられる。例えば、壁面Hc1は、壁面Hb11よりも−Y側に設けられ、壁面Hc2は、壁面Hb12よりも+Y側に設けられる。より具体的には、本実施形態では、「0.7<(dYc÷dYb1)<0.9」を満たすように、壁面Hc1、壁面Hc2、壁面Hb11、及び、壁面Hb12が設けられる。但し、壁面Hc1、壁面Hc2、壁面Hb11、及び、壁面Hb12は、「0.5<(dYc÷dYb1)<1.0」を満たすように設けられればよい。
また、本実施形態では、幅dYc及び幅dYb2の間に、「dYc<dYb2」が成立するように、壁面Hc1、壁面Hc2、壁面Hb21、及び、壁面Hb22が設けられる。例えば、壁面Hc1は、壁面Hb21よりも−Y側に設けられ、壁面Hc2は、壁面Hb22よりも+Y側に設けられる。より具体的には、本実施形態では、「0.7<(dYc÷dYb2)<0.9」を満たすように、壁面Hc1、壁面Hc2、壁面Hb21、及び、壁面Hb22が設けられる。但し、壁面Hc1、壁面Hc2、壁面Hb21、及び、壁面Hb22は、「0.5<(dYc÷dYb2)<1.0」を満たすように設けられればよい。
なお、本実施形態では、幅dYb1及び幅dYb2が略同じとなるように、壁面Hb11、壁面Hb12、壁面Hb21、及び、壁面Hb22が設けられる。但し、幅dYb1及び幅dYb2が異なるように、壁面Hb11、壁面Hb12、壁面Hb21、及び、壁面Hb22が設けられてもよい。
なお、本実施形態において、壁面Ht11は、Z軸方向から見た場合にW11方向に延在するように設けられ、また、壁面Ht12は、Z軸方向から見た場合にW12方向に延在するように設けられるが、本実施形態はこのような態様に限定されるものではない。壁面Ht11及び壁面Ht12は、Z軸方向から見た場合に、+X方向に向かうにつれて、壁面Ht11及び壁面Ht12の間隔が漸次的に広がるように設けられてもよい。例えば、連通流路RNt1において、位置Ps11における壁面Ht11及び壁面Ht12の間隔が、位置Ps12における壁面Ht11及び壁面Ht12の間隔よりも広くなるように、壁面Ht11及び壁面Ht12を設けてもよい。
また、本実施形態において、壁面Ht21は、Z軸方向から見た場合にW21方向に延在するように設けられ、また、壁面Ht22は、Z軸方向から見た場合にW22方向に延在するように設けられるが、本実施形態はこのような態様に限定されるものではない。壁面Ht21及び壁面Ht22は、Z軸方向から見た場合に、−X方向に向かうにつれて、壁面Ht21及び壁面Ht22の間隔が漸次的に広がるように設けられてもよい。例えば、連通流路RNt2において、位置Ps21における壁面Ht21及び壁面Ht22の間隔が、位置Ps22における壁面Ht21及び壁面Ht22の間隔よりも広くなるように、壁面Ht21及び壁面Ht22を設けてもよい。
なお、本実施形態では、連通流路RNb1から連通流路RNcの間の連通流路RNt1において、Y軸方向における幅が、漸次的に変化する部分を有する態様について例示したが、必ずしも、連通流路RNb1から連通流路RNcの間の連通流路RNt1において、Y軸方向における幅が漸次的に変化する部分を持たなくともよい。例えば、連通流路RNt1において、Y軸方向における幅は、X軸方向の特定位置で幅dYb1から幅dYcへと急峻に変化しても良い。同様に、本実施形態では、連通流路RNb2から連通流路RNcの間の連通流路RNt2において、Y軸方向における幅が、漸次的に変化する部分を有する態様について例示したが、必ずしも、連通流路RNb2から連通流路RNcの間の連通流路RNt2において、Y軸方向における幅が漸次的に変化する部分を持たなくともよい。例えば、連通流路RNt2において、Y軸方向における幅は、X軸方向の特定位置で幅dYb2から幅dYcへと急峻に変化しても良い。
このように、本実施形態において、ノズル流路RNは、連通流路RNb1と、連通流路RNb2と、連通流路RNb1よりも断面積が小さく、且つ、連通流路RNb2よりも断面積が小さい連通流路RNcと、を有する。
このため、本実施形態では、連通流路RNcにおけるインクの流速を、連通流路RNb1におけるインクの流速、及び、連通流路RNb2におけるインクの流速よりも速くすることが可能となる。なお、本実施形態において、「一の流路の断面積」とは、一の流路を、当該一の流路に対応する一の切断面により切断した場合における、当該切断面の面積である。例えば、「一の流路の断面積」とは、一の流路を、当該流路内でのインクの流れ方向から見たときの流路の断面積であってもよい。ここで、「一の流路に対応する一の切断面」とは、一の流路を平面で切断した場合に、当該切断面の面積が最小となるような平面であってもよい。
また、本実施形態において、ノズル流路RNは、連通流路RNb1よりも断面積が小さく、且つ、連通流路RNcよりも断面積が大きい連通流路RNt1と、連通流路RNb2よりも断面積が小さく、且つ、連通流路RNcよりも断面積が大きい連通流路RNt2と、を有する。そして、連通流路RNt1は、位置Ps11における断面積が、位置Ps12における断面積よりも大きくなるように設けられる。また、連通流路RNt2は、位置Ps21における断面積が、位置Ps22における断面積よりも大きくなるように設けられる。
このため、本実施形態では、連通流路RNb1から連通流路RNcに至る連通流路RNt1において、インクの流れを円滑にすることが可能となり、また、連通流路RNb2から連通流路RNcに至る連通流路RNt2において、インクの流れを円滑にすることが可能となる。
<<4.参考例>>
以下、本実施形態の効果を明確化するために、図8及び図9を参照しつつ、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zについて説明する。なお、液体吐出ヘッド1Zは、ノズル流路RNの代わりに、ノズル流路RNZを備える点を除き、実施形態に係る液体吐出ヘッド1と同様に構成されている。
図8は、ノズル流路RNZを+Y方向から見た断面図である。また、図9は、ノズル流路RNZを−Z方向から見た平面図である。
図8に示すように、ノズル流路RNZは、連通流路RR1及び連通流路RR2を連通し、Y軸方向から見た場合に、+Z側の壁面HNaと、−Z側の壁面HNbと、を有する。ここで、壁面HNbは、Y軸方向から見た場合に、壁面HNaよりも−Z側において、X軸方向に延在する壁面である。壁面HNa及び壁面HNbは、Y軸方向から見た場合に、Z軸方向における壁面HNa及び壁面HNbの間隔が、一定の幅dZbZとなるように設けられる。
また、図9に示すように、ノズル流路RNZは、Z軸方向から見た場合に、+Y側の壁面HZ1と、−Y側の壁面HZ2と、を有する。ここで、壁面HZ1は、Z軸方向から見た場合に、X軸方向に延在する壁面であり、壁面HZ2は、Z軸方向から見た場合に、壁面HZ1よりも−Y側において、X軸方向に延在する壁面である。壁面HZ1及び壁面HZ2は、Z軸方向から見た場合に、Y軸方向における壁面HZ1及び壁面HZ2の間隔が、一定の幅dYbZとなるように設けられる。
参考例に係る液体吐出ヘッド1Zでは、例えば、連通流路RR1において+Z方向に進んでいるインクが、ノズル流路RNZにおいて−X方向に進行方向を変化させる。更に、ノズル流路RNZにおいて+X方向に進んでいるインクのうち、壁面HNbの付近を進んでいるインクは、壁面HNbからの摩擦抵抗を比較的大きく受けることになる。このため、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zでは、ノズル流路RNZのうち、ノズルNの−Z側であって、壁面HNbの近傍の領域Arにおいて、インクの流速が低下し、インクが滞留する可能性が生じる。そして、領域Arにおいてインクが滞留する場合、領域Arに存在するインクが増粘し、当該インクの増粘に起因して、ノズルNからインクを吐出し難くなる吐出異常が発生する可能性が生じる。そして、吐出異常が発生する場合、媒体PPに対して形成される画像の画質が低下する。
また、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zでは、ノズル流路RNZにおいて+X方向に進んでいるインクのうち、壁面HZ1または壁面HZ2の付近を進んでいるインクもまた、壁面HZ1または壁面HZ2からの摩擦抵抗を比較的大きく受けることになる。よって、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zでは、壁面HZ1及び壁面HZ2の近傍においても、インクの流速が低下し、インクが滞留する虞がある。
これに対して、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1では、ノズル流路RNにおいて、連通流路RNb1よりも断面積が小さく、且つ、連通流路RNb2よりも断面積が小さい連通流路RNcが設けられる。この場合、連通流路RNcにおけるインクの流速は、連通流路RNb1におけるインクの流速、及び、連通流路RNb2におけるインクの流速よりも速くなる。これに伴い、ノズル内部においてインクの対流も生じ易くなる。これらのため、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1では、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、ノズル流路RNのうちノズルNの−Z側の領域、+Y側の領域、及び、−Y側の領域におけるインクの流速の低下を抑制することができる。すなわち、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1では、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、ノズル流路RNのうちノズルNの−Z側の領域、+Y側の領域、及び、−Y側の領域において、インクが滞留する可能性を抑制し、ノズル流路RNのうちノズルNの−Z側の領域、+Y側の領域、及び、−Y側の領域において、インクが増粘する可能性を低減することができる。このため、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1では、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。これにより、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1では、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、媒体PPに対してより高画質の画像を形成することができる。
また、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zでは、例えば、一のノズル流路RNZとY軸方向において隣り合う他のノズル流路RNZにおけるインクの流れに伴う振動が、壁面HZ1または壁面HZ2を介して、一のノズル流路RNZへと伝播する。この結果、一のノズル流路RNZに設けられたノズルNからのインクの吐出が、駆動信号Comの定める吐出量及び吐出速度とは異なる吐出量及び吐出速度となり、一のノズル流路RNZに設けられたノズルNからのインクの吐出が不正確となる、所謂クロストークが発生する可能性がある。
これに対して、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1では、Y軸方向における連通流路RNcの幅dYcが、Y軸方向における連通流路RNb1の幅dYb1、及び、Y軸方向における連通流路RNb2の幅dYb2よりも狭くなるように、連通流路RNcが設けられる。このため、本実施形態によれば、参考例と比較して、一のノズル流路RNと、一のノズル流路RNにY軸方向において隣り合う他のノズル流路RNとの間の間隔を、ノズルNの近傍において広くすることができる。これにより、本実施形態によれば、参考例と比較して、一のノズル流路RNと他のノズル流路RNとの間において、クロストークが発生する可能性を低く抑えることができる。
更に、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1では、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcが、Z軸方向における連通流路RNb1の幅dZb1、及び、Z軸方向における連通流路RNb2の幅dZb2よりも狭くなるように、連通流路RNcが設けられる。このため、本実施形態によれば、参考例と比較して、ノズルNの近傍において、他のノズル流路RNから、一のノズル流路RNに対して伝達する振動を小さく抑えることが可能となる。これにより、本実施形態によれば、参考例と比較して、一のノズル流路RNと他のノズル流路RNとの間において、クロストークが発生する可能性を低く抑えることができる。
<<5.実施形態の纏め>>
以上において説明したように、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1は、+X方向に延在し、インクに圧力を付与する圧力室CB1と、+X方向に延在し、インクに圧力を付与する圧力室CB2と、インクを吐出するノズルNに連通するノズル流路RNと、+X方向と交差する+Z方向に延在し、圧力室CB1及びノズル流路RNを連通する連通流路RR1と、+Z方向に延在し、圧力室CB2及びノズル流路RNを連通する連通流路RR2と、を備え、ノズル流路RNは、連通流路RR1に連通する連通流路RNb1と、連通流路RNb1に連通し、連通流路RNb1よりも断面積が小さい連通流路RNcと、を備える、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1には、ノズル流路RNにおいて、連通流路RNb1よりも断面積が小さい連通流路RNcが設けられる。よって、本実施形態では、連通流路RNcの断面積が連通流路RNb1の断面積以上である態様と比較して、連通流路RNcにおいてインクの流速が低下する可能性を低く抑えることができる。また、ノズルN内部でインクが増粘する前に新鮮な状態にノズル内のインクを置き換えることができる。このため、本実施形態では、連通流路RNcの断面積が連通流路RNb1の断面積以上である態様と比較して、連通流路RNcにおいてインクが増粘する可能性を低減することができ、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1は、圧力室CB1及び圧力室CB2が、連通流路RR1、ノズル流路RN、及び、連通流路RR2を介して連通しているため、圧力室CB1及び圧力室CB2の間において、インクの流れを生じさせることができる。このため、本実施形態では、圧力室CB1及び圧力室CB2が連通していない態様と比較して、ノズル流路RN等においてインクが滞留する可能性を低減することができる。これにより、本実施形態では、圧力室CB1及び圧力室CB2が連通していない態様と比較して、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。
なお、本実施形態において、圧力室CB1は「第1圧力室」の一例であり、圧力室CB2は「第2圧力室」の一例であり、連通流路RR1は「第1連通流路」の一例であり、連通流路RR2は「第2連通流路」の一例であり、連通流路RNb1は「第1部分」の一例であり、連通流路RNcは「第2部分」の一例であり、+X方向は「第1方向」の一例であり、+Z方向は「第2方向」の一例であり、インクは「液体」の一例である。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1は、−X方向に延在し、インクに圧力を付与する圧力室CB2と、−X方向に延在し、インクに圧力を付与する圧力室CB1と、インクを吐出するノズルNに連通するノズル流路RNと、−X方向と交差する+Z方向に延在し、圧力室CB2及びノズル流路RNを連通する連通流路RR2と、+Z方向に延在し、圧力室CB1及びノズル流路RNを連通する連通流路RR1と、を備え、ノズル流路RNは、連通流路RR2に連通する連通流路RNb2と、連通流路RNb2に連通し、連通流路RNb2よりも断面積が小さい連通流路RNcと、を備える、ことを特徴とする。
よって、本実施形態では、連通流路RNcの断面積が連通流路RNb2の断面積以上である態様と比較して、連通流路RNcにおいてインクの流速が低下する可能性を低く抑えることができる。このため、本実施形態では、連通流路RNcの断面積が連通流路RNb2の断面積以上である態様と比較して、連通流路RNcにおいてインクが増粘する可能性を低減することができ、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。
なお、本実施形態において、圧力室CB2は「第1圧力室」の他の例であり、圧力室CB1は「第2圧力室」の他の例であり、連通流路RR2は「第1連通流路」の他の例であり、連通流路RR1は「第2連通流路」の他の例であり、連通流路RNb2は「第1部分」の他の例であり、−X方向は「第1方向」の他の例である。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1において、連通流路RNb1及び連通流路RNcは+X方向に延在し、+X方向及び+Z方向に交差する+Y方向における連通流路RNcの幅dYcは、+Y方向における連通流路RNb1の幅dYb1よりも狭い、ことを特徴とする。この場合、+Y方向における連通流路RNcの幅dYcは、+Y方向における連通流路RNb1の幅dYb1の半分よりも大きい、ことを特徴としてもよい。また、この場合、+Y方向において、+Z方向から連通流路RNcを見た場合に連通流路RNcが有する2つの壁面Hc1及び壁面Hc2は、+Z方向から連通流路RNb1を見た場合に連通流路RNb1が有する2つの壁面Hb11及び壁面Hb12の間に位置してもよい。
このため、本実施形態では、+Y方向における連通流路RNcの幅dYcが、+Y方向における連通流路RNb1の幅dYb1以上である態様と比較して、連通流路RNcにおいてインクが増粘する可能性を低減することができ、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1において、+Z方向における連通流路RNcの幅dZcは、+Z方向における連通流路RNb1の幅dZb1よりも狭い、ことを特徴とする。この場合、+Z方向における連通流路RNcの幅dZcは、+Z方向における連通流路RNb1の幅dZb1の半分よりも大きい、ことを特徴としてもよい。また、この場合、連通流路RNcの壁面のうち+Z方向においてノズルNから最も遠い壁面HNcと、ノズルNとの+Z方向における距離は、連通流路RNb1の壁面のうち+Z方向においてノズルNから最も遠い壁面HNb1と、ノズルNとの+Z方向における距離よりも短い、ことを特徴としてもよい。
このため、本実施形態では、+Z方向における連通流路RNcの幅dZcが、+Z方向における連通流路RNb1の幅dZb1以上である態様と比較して、連通流路RNcにおいてインクが増粘する可能性を低減することができ、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1において、連通流路RNcの流路長は、連通流路RNb1の流路長よりも短い、ことを特徴とする。
このため、本実施形態では、連通流路RNcの流路長が連通流路RNb1の流路長以上である態様と比較して、ノズル流路RNの流路抵抗を低減することができる。よって、本実施形態では、連通流路RNcの流路長が連通流路RNb1の流路長以上である態様と比較して、連通流路RR1からノズル流路RNを経由して連通流路RR2へとインクを循環させるためのエネルギーを低減することができ、液体吐出ヘッド1の駆動に係る電力を低減することが可能となる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1において、連通流路RNb1及び連通流路RNcの間には、連通流路RNb1よりも断面積が小さく、連通流路RNcよりも断面積が大きい連通流路RNt1が設けられ、連通流路RNt1のうち、位置Ps11に対応する部分の断面積は、連通流路RNt1のうち、位置Ps11に対応する部分及び連通流路RNcの間の、位置Ps12に対応する部分の断面積よりも大きい、ことを特徴とする。
このため、本実施形態では、連通流路RNb1及び連通流路RNcの間に連通流路RNt1が設けられていない態様と比較して、連通流路RNb1及び連通流路RNcの間のインクの流れを円滑にすることができる。
なお、本実施形態において、連通流路RNt1は「接続部分」の一例であり、位置Ps11に対応する部分は「第1接続部分」の一例であり、位置Ps12に対応する部分は「第2接続部分」の一例である。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1において、ノズル流路RNは、連通流路RR2に連通し、連通流路RNcよりも断面積が大きい連通流路RNb2を備える、ことを特徴とする。
よって、本実施形態では、連通流路RNcの断面積が連通流路RNb2の断面積以上である態様と比較して、連通流路RNcにおいてインクが増粘する可能性を低減することができ、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。
なお、本実施形態において、連通流路RNb2は「第3部分」の一例である。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1において、連通流路RNb1の流路長と、連通流路RNb2の流路長は、略同じである、ことを特徴とする。
このため、本実施形態によれば、連通流路RNb1の流路長と連通流路RNb2の流路長とが異なる態様と比較して、圧力室CB1に充填されているインクをノズルNから吐出させるための制御と、圧力室CB2に充填されているインクをノズルNから吐出させるための制御とを、簡素化することが可能となる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1において、連通流路RNb1の断面積と、連通流路RNb2の断面積とは、略同じである、ことを特徴とする。
このため、本実施形態によれば、連通流路RNb1の断面積と連通流路RNb2の断面積とが異なる態様と比較して、圧力室CB1に充填されているインクをノズルNから吐出させるための制御と、圧力室CB2に充填されているインクをノズルNから吐出させるための制御とを、簡素化することが可能となる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1において、ノズル流路RNは、連通流路RNcにおいて、ノズルNに連通する、ことを特徴とする。
連通流路RNcは、ノズルNが連通された部分であるため、連通流路RNb1及び連通流路RNb2に比べ、インクが滞留したときに吐出異常が生じ易くなる部分である。よって、本実施形態では、ノズル流路RNのうち連通流路RNc以外の部分においてノズルNに連通する態様と比較して、ノズルNの近傍においてインクが増粘する可能性を低減することができ、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。
また、連通流路RNb1及び連通流路RNb2は、連通流路RNcよりもインクが滞留したときに吐出異常が生じにくいため、断面積を連通流路RNcよりも大きくして、流路抵抗が増大することを抑制し、ノズルNへのインクの供給不足を抑制することができる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1は、圧力室CB1に連通し、圧力室CB1にインクを供給する供給流路RA1と、圧力室CB2に連通し、圧力室CB2からインクが排出される排出流路RA2と、を備える、ことを特徴とする。
このため、本実施形態によれば、圧力室CB1及び圧力室CB2の間において、インクの流れを生じさせることができる。よって、本実施形態では、圧力室CB1及び圧力室CB2の間においてインクの流れが生じない態様と比較して、ノズル流路RN等においてインクが増粘する可能性を低減することができる。これにより、本実施形態では、圧力室CB1及び圧力室CB2の間においてインクの流れが生じない態様と比較して、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1は、圧力室CB1及び圧力室CB2が設けられた圧力室基板3と、ノズル流路RN、連通流路RR1、及び、連通流路RR2が設けられた連通板2と、ノズルNが設けられたノズル基板60と、を備える、ことを特徴とする。
このため、本実施形態によれば、圧力室CB1、圧力室CB2、ノズル流路RN、連通流路RR1、連通流路RR2、及び、ノズルNを、半導体製造技術を利用して製造することができる。よって、本実施形態では、圧力室CB1、圧力室CB2、ノズル流路RN、連通流路RR1、連通流路RR2、及び、ノズルNを、微細化及び高密度化することが可能となる。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1は、駆動信号Com1の供給に応じて、圧力室CB1内のインクに圧力を付与する圧電素子PZ1と、駆動信号Com2の供給に応じて、圧力室CB2内のインクに圧力を付与する圧電素子PZ2と、を備える、ことを特徴とする。
このため、本実施形態によれば、1個の圧力室CBq内のインクに圧力を付与する圧電素子PZqのみを備える態様と比較して、ノズルNからのインクの吐出量を増大させることが可能となる。
なお、本実施形態において、圧電素子PZ1は「第1素子」の一例であり、圧電素子PZ2は「第2素子」の一例であり、駆動信号Com1は「第1駆動信号」の一例であり、駆動信号Com2は「第2駆動信号」の一例である。
また、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1において、駆動信号Com1の波形と、駆動信号Com2の波形とは、略同じである、ことを特徴とする。
このため、本実施形態によれば、駆動信号Com1の波形と駆動信号Com2の波形とが異なる態様と比較して、圧力室CB1に充填されているインクをノズルNから吐出させるための制御と、圧力室CB2に充填されているインクをノズルNから吐出させるための制御とを、簡素化することが可能となる。
<<B.変形例>>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
<変形例1>
上述した実施形態において、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcが、Z軸方向における連通流路RNb1の幅dZb1、及び、Z軸方向における連通流路RNb2の幅dZb2よりも狭いが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、連通流路RNcの断面積が、連通流路RNb1の断面積よりも小さく、且つ、連通流路RNb2の断面積よりも小さければ、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcが、Z軸方向における連通流路RNb1の幅dZb1、及び、Z軸方向における連通流路RNb2の幅dZb2と、略同じであってもよい。具体的には、Y軸方向における連通流路RNcの幅dYcが、Y軸方向における連通流路RNb1の幅dYb1、及び、Y軸方向における連通流路RNb2の幅dYb2よりも狭ければ、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcが、Z軸方向における連通流路RNb1の幅dZb1、及び、Z軸方向における連通流路RNb2の幅dZb2と、略同じであってもよい。
<変形例2>
上述した実施形態において、Y軸方向における連通流路RNcの幅dYcが、Y軸方向における連通流路RNb1の幅dYb1、及び、Y軸方向における連通流路RNb2の幅dYb2よりも狭いが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、連通流路RNcの断面積が、連通流路RNb1の断面積よりも小さく、且つ、連通流路RNb2の断面積よりも小さければ、Y軸方向における連通流路RNcの幅dYcが、Y軸方向における連通流路RNb1の幅dYb1、及び、Y軸方向における連通流路RNb2の幅dYb2と、略同じであってもよい。具体的には、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcが、Z軸方向における連通流路RNb1の幅dZb1、及び、Z軸方向における連通流路RNb2の幅dZb2よりも狭ければ、Y軸方向における連通流路RNcの幅dYcが、Y軸方向における連通流路RNb1の幅dYb1、及び、Y軸方向における連通流路RNb2の幅dYb2と、略同じであってもよい。
<変形例3>
上述した実施形態並びに変形例1及び2において、連通流路RNb2の断面積は、連通流路RNb1の断面積と略同じであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、連通流路RNb2の断面積は、連通流路RNb1の断面積よりも小さくてもよい。例えば、連通流路RNb2の断面積は、連通流路RNcの断面積と略同じであってもよい。
図10は、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Aを、+Y方向から見た断面図である。液体吐出ヘッド1Aは、ノズル流路RNの代わりに、ノズル流路RN-Aを備える点を除き、実施形態に係る液体吐出ヘッド1と同様に構成されている。図10に示すように、ノズル流路RN-Aは、連通流路RNt2を備えない点において、実施形態に係るノズル流路RNと相違する。なお、ノズル流路RN-Aにおいて、連通流路RNb2は、Z軸方向における連通流路RNb2の幅dZb2と、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcとが、略同じとなるように設けられる。
図11は、本変形例に係るノズル流路RN-Aを、−Z方向から見た平面図である。図11に示すように、ノズル流路RN-Aにおいて、連通流路RNb2は、Y軸方向における連通流路RNb2の幅dYb2と、Y軸方向における連通流路RNcの幅dYcとが、略同じとなるように設けられる。
本変形例においても、実施形態と同様に、連通流路RNcの断面積が、連通流路RNb1の断面積よりも小さい。このため、本変形例においても、実施形態と同様に、連通流路RNcにおけるインクの流速を、連通流路RNb1におけるインクの流速よりも速くすることが可能となる。すなわち、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Aでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、ノズル流路RN-AのうちノズルNの−Z側の領域において、インクが滞留する可能性を抑制することができる。このため、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Aでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。これにより、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Aでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、媒体PPに対してより高画質の画像を形成することができる。
また、本変形例では、連通流路RNb2の断面積が、連通流路RNb1の断面積よりも小さい。このため、本変形例では、連通流路RNb2におけるインクの流速を、連通流路RNb1におけるインクの流速よりも速くすることが可能となる。よって、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Aでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、ノズル流路RN-Aからのインクの排出を促進することが可能となり、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。
<変形例4>
上述した実施形態並びに変形例1及び2において、連通流路RNb1の断面積は、連通流路RNb2の断面積と略同じであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、連通流路RNb1の断面積は、連通流路RNb2の断面積よりも小さくてもよい。例えば、連通流路RNb1の断面積は、連通流路RNcの断面積と略同じであってもよい。
図12は、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Bを、+Y方向から見た断面図である。液体吐出ヘッド1Bは、ノズル流路RNの代わりに、ノズル流路RN-Bを備える点を除き、実施形態に係る液体吐出ヘッド1と同様に構成されている。図12に示すように、ノズル流路RN-Bは、連通流路RNt1を備えない点において、実施形態に係るノズル流路RNと相違する。なお、ノズル流路RN-Bにおいて、連通流路RNb1は、Z軸方向における連通流路RNb1の幅dZb1と、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcとが、略同じとなるように設けられる。
図13は、本変形例に係るノズル流路RN-Bを、−Z方向から見た平面図である。図13に示すように、ノズル流路RN-Bにおいて、連通流路RNb1は、Y軸方向における連通流路RNb1の幅dYb1と、Y軸方向における連通流路RNcの幅dYcとが、略同じとなるように設けられる。
本変形例においても、実施形態と同様に、連通流路RNcの断面積が、連通流路RNb2の断面積よりも小さい。このため、本変形例においても、実施形態と同様に、連通流路RNcにおけるインクの流速を、連通流路RNb2におけるインクの流速よりも速くすることが可能となる。すなわち、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Bでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、ノズル流路RN-BのうちノズルNの−Z側の領域において、インクが滞留する可能性を抑制することができる。このため、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Bでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。これにより、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Bでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、媒体PPに対してより高画質の画像を形成することができる。
<変形例5>
上述した実施形態並びに変形例1乃至4において、ノズル流路RN、ノズル流路RN-A、及び、ノズル流路RN-Bは、X軸方向に延在するように設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、ノズル流路RN等は、X軸方向とは異なる方向に延在する部分を有していてもよい。
図14は、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Cを、+Y方向から見た断面図である。液体吐出ヘッド1Cは、ノズル流路RNの代わりに、ノズル流路RN-Cを備える点を除き、実施形態に係る液体吐出ヘッド1と同様に構成されている。
図14に示すように、ノズル流路RN-Cは、連通流路RNt1及び連通流路RNt2を備えない点において、実施形態に係るノズル流路RNと相違する。なお、ノズル流路RN-Cにおいて、連通流路RNb1は、Z軸方向における連通流路RNb1の幅dZb1と、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcとが、略同じとなるように設けられる。但し、ノズル流路RN-Cにおいて、連通流路RNb1は、Z軸方向における連通流路RNb1の幅dZb1が、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcよりも大きくなるように設けられてもよい。また、ノズル流路RN-Cにおいて、連通流路RNb2は、Z軸方向における連通流路RNb2の幅dZb2と、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcとが、略同じとなるように設けられる。但し、ノズル流路RN-Cにおいて、連通流路RNb2は、Z軸方向における連通流路RNb2の幅dZb2が、Z軸方向における連通流路RNcの幅dZcよりも大きくなるように設けられてもよい。
図15は、本変形例に係るノズル流路RN-Cを、−Z方向から見た平面図である。
図15に示すように、本変形例では、ノズル流路RN-Cにおいて、連通流路RNcが、Wc方向に延在するように設けられる。ここで、Wc方向とは、+X方向と+Y方向との間の方向である。
また、ノズル流路RN-Cにおいて、連通流路RNcは、Wc方向に直交する方向における連通流路RNcの幅dWcが、Y軸方向における連通流路RNb1の幅dYb1よりも小さく、且つ、Y軸方向における連通流路RNb2の幅dYb2よりも小さくなるように設けられる。
本変形例においても、実施形態と同様に、連通流路RNcの断面積が、連通流路RNb1の断面積よりも小さく、且つ、連通流路RNb2の断面積よりも小さい。このため、本変形例においても、実施形態と同様に、連通流路RNcにおけるインクの流速を、連通流路RNb1におけるインクの流速、及び、連通流路RNb2におけるインクの流速よりも速くすることが可能となる。すなわち、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Cでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、ノズル流路RN-CのうちノズルNの−Z側の領域において、インクが滞留する可能性を抑制することができる。このため、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Cでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、インクの増粘に起因する吐出異常が発生する可能性を低減することができる。これにより、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Cでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、媒体PPに対してより高画質の画像を形成することができる。
<変形例6>
上述した実施形態並びに変形例1乃至5では、各ノズルNに対応して、圧電素子PZ1及び圧電素子PZ2の2個の圧電素子PZqが設けられる態様を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、各ノズルNに対応して、1個の圧電素子PZが設けられてもよい。
図16は、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Dの分解斜視図である。
図16に示すように、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Dは、ノズル基板60の代わりにノズル基板60Dを備える点と、連通板2の代わりに連通板2Dを備える点と、圧力室基板3の代わりに圧力室基板3Dを備える点と、振動板4の代わりに振動板4Dを備える点と、において、実施形態に係る液体吐出ヘッド1と相違する。
このうち、ノズル基板60Dは、ノズル列Lnが設けられる代わりに、ノズル列Ln1とノズル列Ln2とが設けられる点において、実施形態に係るノズル基板60と相違する。ここで、ノズル列Ln1は、Y軸方向に延在するように設けられたM1個のノズルNの集合である。また、ノズル列Ln2は、ノズル列Ln1よりも−X側において、Y軸方向に延在するように設けられたM2個のノズルNの集合である。ここで、値M1及び値M2は、「M1+M2=M」を満たす、1以上の自然数である。なお、本変形例では、値Mが2以上の自然数である場合を想定する。また、以下では、ノズル列Ln1を構成するノズルNを、ノズルN1と称し、ノズル列Ln2を構成するノズルNを、ノズルN2と称する場合がある。
また、連通板2Dは、M個の連通流路RX1、M個の連通流路RX2、M個の連通流路RK1、M個の連通流路RK2、M個の連通流路RR1、及び、M個の連通流路RR2の代わりに、M1個のノズルN1と1対1に対応するM1個の連通流路RX1と、M2個のノズルN2と1対1に対応するM2個の連通流路RX2と、M1個のノズルN1と1対1に対応するM1個の連通流路RK1と、M2個のノズルN2と1対1に対応するM2個の連通流路RK2と、M1個のノズルN1と1対1に対応するM1個の連通流路RR1と、M2個のノズルN2と1対1に対応するM2個の連通流路RR2と、が設けられる点において、実施形態に係る連通板2と相違する。また、連通板2Dは、連通板2と同様に、Y軸方向に延在する供給流路RA1と、供給流路RA1から見て−X方向においてY軸方向に延在する排出流路RA2と、が形成される。
また、圧力室基板3Dは、M個の圧力室CB1及びM個の圧力室CB2の代わりに、M1個のノズルN1と1対1に対応するM1個の圧力室CB1と、M2個のノズルN2と1対1に対応するM2個の圧力室CB2と、が形成される点において、実施形態に係る圧力室基板3と相違する。
また、振動板4Dは、M個の圧電素子PZ1及びM個の圧電素子PZ1の代わりに、M1個のノズルN1と1対1に対応するM1個の圧電素子PZ1と、M2個のノズルN2と1対1に対応するM2個の圧電素子PZ2と、が形成される点において、実施形態に係る振動板4と相違する。
図17は、液体吐出ヘッド1DをZ軸方向から見た平面図である。
本変形例において、液体吐出ヘッド1Dは、ノズル基板60Bに設けられたM個のノズルNと1対1に対応するM個の循環流路RJを有する。以下では、ノズルN1に対応して設けられる循環流路RJを、循環流路RJ1と称し、ノズルN2に対応して設けられる循環流路RJを、循環流路RJ2と称する場合がある。すなわち、本変形例において、供給流路RA1及び排出流路RA2は、M1個の循環流路RJ1とM2個の循環流路RJ2とにより連通される。
また、本変形例では、Y軸方向において、循環流路RJ1と循環流路RJ2とが交互に配置される。また、本変形例において、互いに隣り合う循環流路RJ1及び循環流路RJ2のY軸方向の間隔が、間隔dYとなるように、M1個の循環流路RJ1と、M2個の循環流路RJ2とが配置される。
上述のとおり、循環流路RJ1は、圧力室CB1を有し、循環流路RJ2は、圧力室CB2を有する。本変形例では、図17に示すように、圧力室CB1は、ノズルN1よりも+X側に設けられ、圧力室CB2は、ノズルN2よりも−X側に設けられる。そして、上述のとおり、ノズルN1が属するノズル列Ln1は、ノズルN2が属するノズル列Ln2よりも、+X側に設けられる。このため、本変形例において、圧力室CB1は、圧力室CB2よりも+X側に位置することになる。
また、本変形例において、循環流路RJは、圧力室CBqのY軸方向の幅が、幅dCYとなり、圧力室CBq以外の部分の幅が、幅dRY以下となるように設けられる。そして、本変形例では、間隔dY及び幅dCYが、「dY<dCY」を満たし、且つ、間隔dY及び幅dRYが「dRY>dY」を満たすように、M1個の循環流路RJ1と、M2個の循環流路RJ2とが設けられる場合を想定する。なお、図17においては簡単のため、及びわかり易さのため、間隔dY及び幅dRYが「dY>dRY」となる態様を記載しているが、間隔dY及び幅dRYは、「dRY>dY」となってもよいし、または、圧力室CBq以外の部分の少なくとも一部は、間隔dYよりも大きくなってもよい。
図18及び図19を用いて説明するように、本変形例では、Y軸方向に隣接する循環流路RJ1と循環流路RJ2の間において、X軸方向の各位置で、Z軸方向に重畳する部分は殆どない。それゆえ、循環流路RJ1と循環流路RJ2の間で構造クロストークはほぼ生じず、循環流路RJ2を挟む2つの循環流路RJ1の間や、循環流路RJ1を挟む2つの循環流路RJ2の間での構造クロストークのみを考慮すればよい。そのため、X軸方向において圧力室CB1及び圧力室CB2が同一の位置に設けられる態様と比較して、循環流路RJのピッチを、狭くすることが可能となる。また、本変形例によれば、循環流路RJのピッチを狭くした上で、循環流路RJにおける流路抵抗を小さくすることも可能である。更に、本変形例によれば、循環流路RJのピッチを狭くした上で、圧力室CB1及び圧力室CB2のY軸方向における幅dCYを大きくすることで、圧力室CB1及び圧力室CB2の容積を確保することも可能となる。
図18は、循環流路RJ1を通るように、XZ平面に平行に液体吐出ヘッド1Dを切断した断面図である。また、図19は、循環流路RJ2を通るように、XZ平面に平行に液体吐出ヘッド1Dを切断した断面図である。
図18及び図19に示すように、本変形例において、連通板2Dは、基板21と、基板22とを含む。ここで、基板21及び基板22は、例えば、エッチング等の半導体製造技術を利用してシリコンの単結晶基板を加工することで製造される。但し、基板21及び基板22の製造には公知の材料及び製法が任意に採用され得る。
図18に示すように、本変形例において、循環流路RJ1は、供給流路RA1に連通し、基板21及び基板22に形成された連通流路RX1と、連通流路RX1に連通し、基板21及び基板22に形成された連通流路RK1と、連通流路RK1に連通し、圧力室基板3Dに形成された圧力室CB1と、圧力室CB1に連通し、基板21及び基板22に形成された連通流路RR1と、連通流路RR1及びノズルN1に連通し、基板21に形成されたノズル流路RN1と、ノズル流路RN1に連通し、基板21に形成された流路RL1と、流路RL1に連通し、基板22に形成された流路R11と、流路R11に連通し、基板21に形成された流路R12と、流路R12に連通し、ノズル基板60Dに形成された流路R13と、流路R13に連通し、基板21に形成された流路R14と、流路R14に連通し、基板22に形成された流路R15と、流路R15及び排出流路RA2を連通し、基板21及び基板22に形成された流路R16と、を有する。なお、流路RL1、流路R11、流路R12、流路R13、流路R14、流路R15、及び、流路R16を、流路R10と称する場合がある。
また、図19に示すように、本変形例において、循環流路RJ2は、排出流路RA2に連通し、基板21及び基板22に形成された連通流路RX2と、連通流路RX2に連通し、基板21及び基板22に形成された連通流路RK2と、連通流路RK2に連通し、圧力室基板3Dに形成された圧力室CB2と、圧力室CB2に連通し、基板21及び基板22に形成された連通流路RR2と、連通流路RR2及びノズルN2に連通し、基板21に形成されたノズル流路RN2と、ノズル流路RN2に連通し、基板21に形成された流路RL2と、流路RL2に連通し、基板22に形成された流路R21と、流路R21に連通し、基板21に形成された流路R22と、流路R22に連通し、ノズル基板60Dに形成された流路R23と、流路R23に連通し、基板21に形成された流路R24と、流路R23に連通し、基板22に形成された流路R25と、流路R25及び供給流路RA1を連通し、基板21及び基板22に形成された流路R26と、を有する。なお、流路RL2、流路R21、流路R22、流路R23、流路R24、流路R25、及び、流路R26を、流路R20と称する場合がある。
以下では、ノズル流路RN1及びノズル流路RN2を、ノズル流路RNqと総称する場合がある。また、以下では、ノズルN1及びノズルN2を、ノズルNqと総称する場合がある。また、以下では、循環流路RJ1及び循環流路RJ2を、循環流路RJqと総称する場合がある。
図20は、液体吐出ヘッド1Dを+Y方向から見た場合の、ノズル流路RNqの断面図である。
図20に例示されるように、ノズル流路RNqは、ノズル流路RNと同様に、連通流路RNb1と、連通流路RNb2と、連通流路RNt1と、連通流路RNt2と、連通流路RNcと、を有する。なお、ノズル流路RNqにおいて、壁面HNc、壁面HNt1、及び、壁面HNt2は、例えば、基板21に形成される。
本変形例に係るノズル流路RNqにおいては、ノズル流路RNと同様に、連通流路RNcが、連通流路RNb1よりも断面積が小さく、且つ、連通流路RNb2よりも断面積が小さくなるように設けられる。
このため、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Dでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、ノズル流路RNqのうちノズルNqの−Z側の領域におけるインクの流速の低下を抑制することができる。すなわち、本変形例に係る液体吐出ヘッド1Dでは、参考例に係る液体吐出ヘッド1Zと比較して、ノズル流路RNqのうちノズルNqの−Z側の領域において、インクが滞留する可能性を抑制し、ノズル流路RNqのうちノズルNqの−Z側の領域において、インクが増粘する可能性を低減することができる。
また、本変形例に係るノズル流路RNqにおいては、ノズル流路RNと同様に、連通流路RNt1が、連通流路RNb1よりも断面積が小さく、且つ、連通流路RNcよりも断面積が大きくなるように設けられる。また、本変形例に係るノズル流路RNqにおいては、ノズル流路RNと同様に、連通流路RNt2が、連通流路RNb2よりも断面積が小さく、且つ、連通流路RNcよりも断面積が大きくなるように設けられる。
このため、本変形例では、連通流路RNb1から連通流路RNcに至る連通流路RNt1において、インクの流れを円滑にすることが可能となり、また、連通流路RNb2から連通流路RNcに至る連通流路RNt2において、インクの流れを円滑にすることが可能となる。
<変形例7>
上述した実施形態及び変形例1乃至6では、図4に示すように、圧力室CBqの形状が、Z軸方向から見たときに矩形である態様を一例として示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。Z軸方向から見たときの圧力室CBqの形状は任意であってもよい。例えば、Z軸方向から見たときの圧力室CBqの形状として、平行四辺形または台形を採用してもよい。また、Z軸方向から見たときの循環流路RJの形状も、図4に示す形状に限定されるものではない。Z軸方向から見たときの循環流路RJの形状は任意であってもよい。
<変形例8>
上述した実施形態及び変形例1乃至7では、液体吐出ヘッド1、液体吐出ヘッド1A、液体吐出ヘッド1B、液体吐出ヘッド1C、または、液体吐出ヘッド1Dを搭載した収納ケース921を、Y軸方向に往復動させるシリアル方式の液体吐出装置100を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。液体吐出装置は、複数のノズルNが、媒体PPの全幅に亘り分布する、ライン方式の液体吐出装置であってもよい。
図21は、本変形例に係る液体吐出装置100Eの構成の一例を示す図である。液体吐出装置100Eは、制御装置90の代わりに制御装置90Eを備える点と、収納ケース921の代わりに収納ケース921Eを備える点と、無端ベルト922を備えない点とにおいて、実施形態に係る液体吐出装置100と相違する。制御装置90Eは、無端ベルト922を制御する信号を出力しない点において、制御装置90と相違する。収納ケース921Eは、Y軸方向を長手方向とする複数の液体吐出ヘッド1が、媒体PPの全幅に亘り分布するように設けられている。なお、収納ケース921Eには、液体吐出ヘッド1の代わりに、液体吐出ヘッド1A、液体吐出ヘッド1B、液体吐出ヘッド1C、または、液体吐出ヘッド1Dが搭載されてもよい。
<変形例9>
上述した実施形態及び変形例1乃至8では、圧力室CBの内部に圧力を付与するエネルギー変換素子として、電気エネルギーを運動エネルギーに変換する圧電素子PZを例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。圧力室CBの内部に圧力を付与するエネルギー変換素子としては、例えば、電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、加熱により圧力室CBの内部に気泡を発生させて、圧力室CBの内部の圧力を変動させる発熱素子を採用してもよい。発熱素子は、例えば、駆動信号Comの供給により発熱体が発熱する素子であってもよい。
<変形例10>
上述した実施形態及び変形例1乃至9で例示した液体吐出装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置及びコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線及び電極を形成する製造装置として利用される。
<変形例11>
本発明の液体吐出ヘッドは、上述した形態に限られない。1のノズル流路に対して1の圧電素子が設けられ、ノズル配列方向に隣接する流路が同じ形状である形態であっても、本発明を適用することができる。
1…液体吐出ヘッド、2…連通板、3…圧力室基板、4…振動板、5…貯留室形成基板、8…配線基板、60…ノズル基板、100…液体吐出装置、CB1…圧力室、CB2…圧力室、Hb11…壁面、Hb12…壁面、Hb21…壁面、Hb22…壁面、Hc1…壁面、Hc2…壁面、HNa…壁面、HNb1…壁面、HNb2…壁面、HNc…壁面、HNt1…壁面、HNt2…壁面、Ht11…壁面、Ht12…壁面、Ht21…壁面、Ht22…壁面、N…ノズル、PZ1…圧電素子、PZ2…圧電素子、RA1…供給流路、RA2…排出流路、RK1…連通流路、RK2…連通流路、RN…ノズル流路、RNb1…連通流路、RNb2…連通流路、RNc…連通流路、RNt1…連通流路、RNt2…連通流路、RR1…連通流路、RR2…連通流路、RX1…連通流路、RX2…連通流路。

Claims (19)

  1. 第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第1圧力室と、
    前記第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第2圧力室と、
    液体を吐出するノズルに連通するノズル流路と、
    前記第1方向と交差する第2方向に延在し、前記第1圧力室及び前記ノズル流路を連通する第1連通流路と、
    前記第2方向に延在し、前記第2圧力室及び前記ノズル流路を連通する第2連通流路と、
    を備え、
    前記ノズル流路は、
    前記第1連通流路に連通する第1部分と、
    前記第1部分に連通し、前記第1部分よりも断面積が小さい第2部分と、
    を備える、
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記第2方向と前記第1部分の延在方向とに交差する方向における前記第1部分の幅は、第1の幅であり、
    前記第2方向と前記第2部分の延在方向とに交差する方向における前記第2部分の幅は、前記第1の幅よりも小さい第2の幅である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記第2の幅は、
    前記第1の幅の半分よりも大きい、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記第2方向と前記第1部分の延在方向とに交差する方向において、
    前記第2方向から前記第2部分を見た場合に前記第2部分が有する2つの壁面は、
    前記第2方向から前記第1部分を見た場合に前記第1部分が有する2つの壁面の間に位置する、
    ことを特徴とする、請求項2または3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記第2方向における前記第1部分の幅は、第3の幅であり、
    前記第2方向における前記第2部分の幅は、前記第3の幅よりも小さい第4の幅である、
    ことを特徴とする、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記第4の幅は、
    前記第3の幅の半分よりも大きい、
    ことを特徴とする、請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記第2部分の壁面のうち前記第2方向において前記ノズルから最も遠い壁面と、前記ノズルと、の前記第2方向における距離は、
    前記第1部分の壁面のうち前記第2方向において前記ノズルから最も遠い壁面と、前記ノズルと、の前記第2方向における距離よりも短い、
    ことを特徴とする、請求項5または6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記第2部分の流路長は、前記第1部分の流路長よりも短い、
    ことを特徴とする、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記第1部分と前記第2部分との間には、
    前記第1部分よりも断面積が小さく、前記第2部分よりも断面積が大きい接続部分が設けられ、
    前記接続部分のうち第1接続部分の断面積は、
    前記接続部分のうち前記第1接続部分及び前記第2部分の間の第2接続部分の断面積よりも大きい、
    ことを特徴とする、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記ノズル流路は、
    前記第2連通流路に連通し、前記第2部分よりも断面積が大きい第3部分を備える、
    ことを特徴とする、請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記第1部分の流路長と、前記第3部分の流路長とは、略同じである、
    ことを特徴とする、請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記第1部分の断面積と、前記第3部分の断面積とは、略同じである、
    ことを特徴とする、請求項10または11に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記ノズル流路は、
    前記第2部分において、前記ノズルに連通する、
    ことを特徴とする、請求項1乃至12のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 前記第1圧力室に連通し、前記第1圧力室に液体を供給する供給流路と、
    前記第2圧力室に連通し、前記第2圧力室から液体が排出される排出流路と、
    を備える、
    ことを特徴とする、請求項1乃至13のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  15. 前記第2圧力室に連通し、前記第2圧力室に液体を供給する供給流路と、
    前記第1圧力室に連通し、前記第1圧力室から液体が排出される排出流路と、
    を備える、
    ことを特徴とする、請求項1乃至13のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  16. 前記第1圧力室、及び、前記第2圧力室が設けられた圧力室基板と、
    前記ノズル流路、前記第1連通流路、及び、前記第2連通流路が設けられた連通板と、
    前記ノズルが設けられたノズル基板と、
    を備える、
    ことを特徴とする、請求項1乃至15のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  17. 第1駆動信号の供給に応じて、前記第1圧力室内の液体に圧力を付与する第1素子と、
    第2駆動信号の供給に応じて、前記第2圧力室内の液体に圧力を付与する第2素子と、
    を備える、
    ことを特徴とする、請求項1乃至16のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  18. 前記第1駆動信号の波形と、
    前記第2駆動信号の波形とは、略同じである、
    ことを特徴とする、請求項17に記載の液体吐出ヘッド。
  19. 第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第1圧力室と、
    前記第1方向に延在し、液体に圧力を付与する第2圧力室と、
    液体を吐出するノズルに連通するノズル流路と、
    前記第1方向と交差する第2方向に延在し、前記第1圧力室及び前記ノズル流路を連通する第1連通流路と、
    前記第2方向に延在し、前記第2圧力室及び前記ノズル流路を連通する第2連通流路と、
    を備え、
    前記ノズル流路は、
    前記第1連通流路に連通する第1部分と、
    前記第1部分に連通し、前記第1部分よりも断面積が小さい第2部分と、
    を備える、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
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