JP2021128909A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2021128909A
JP2021128909A JP2020024379A JP2020024379A JP2021128909A JP 2021128909 A JP2021128909 A JP 2021128909A JP 2020024379 A JP2020024379 A JP 2020024379A JP 2020024379 A JP2020024379 A JP 2020024379A JP 2021128909 A JP2021128909 A JP 2021128909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
flow path
water
amount
water content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020024379A
Other languages
English (en)
Inventor
美保 畑▲崎▼
Miho Hatasaki
美保 畑▲崎▼
育康 加藤
Ikuyasu Kato
育康 加藤
茂樹 長谷川
Shigeki Hasegawa
茂樹 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Soken Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2020024379A priority Critical patent/JP2021128909A/ja
Publication of JP2021128909A publication Critical patent/JP2021128909A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料電池内に含まれる水量のより正確な特定に関する技術を提供すること。【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池の反応ガスの流路と、燃料電池の温度を計測する温度センサと、燃料電池による発電電流値を計測する電流センサと、記憶部とを備える。記憶部は、燃料電池の温度と、燃料電池による発電電流値と、流路内及び燃料電池の電解質膜内の水分量との間の実験に基づく関係を示す情報である水分量マップを記憶する。【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池内に含まれる液水の量を算出する技術が知られている。特許文献1には、発電電流値とアノードガスの温度とから燃料電池内の結露水の量を算出し、気液分離器への液水流入量を推定する技術が開示されている。
また、特許文献2には、燃料電池の発電により生成された液水の量から、各極における出入口水蒸気量の差と、各極から排出される液水量とを引いた値を燃料電池の含水量の変化量として算出する技術が開示されている。
特開2006−147161号公報 特許5482897号 特開2014−203562号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術において、発電電流値とアノードガスの温度とから結露水量を算出し、算出された結露水量から気液分離器への液水流入量を推定すると、推定値と、実際のアノードガス流路内の液水量との間に誤差が生じる場合があり、推定精度に改善の余地がある。
また、特許文献2に開示の技術において、各極から排出される液水量は反応ガスの流量のみに依存することを前提としている。従って、温度の変化が考慮されていないため、算出された水量と実際の水量との間に誤差が生じる場合があり、算出精度に改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、燃料電池内に含まれる水量のより正確な特定に関する技術を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池の反応ガスの流路と、前記燃料電池の温度を計測する温度センサと、前記燃料電池による発電電流値を計測する電流センサと、前記燃料電池の温度と、前記燃料電池による発電電流値と、前記流路内及び前記燃料電池の電解質膜内の水分量との間の実験に基づく関係を示す情報である水分量マップを記憶する記憶部とを備える。
本発明によれば、燃料電池内に含まれる水量のより正確な特定に関する技術を提供することができる。
一実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す図である。 一実施形態に係る単位セルの概略構成を示す図である。 一実施形態における水分量の推定方法を説明するための概念図である。 一実施形態における気液分離器の貯水量の推定方法を説明するための概念図である。 一実施形態における水分量マップを概念的に示すグラフの例である。 一実施形態における水分量マップを概念的に示すグラフの例である。 一実施形態における気液分離器の貯水量と、時間との間の関係を示すグラフの例である。 一実施形態における気液分離器の貯水量の推定方法を説明するための概念図である。 一実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す図である。 一実施形態における掃気時間マップを概念的に示すグラフの例である。 一実施形態における電流密度と全体含水量の関係を示すグラフの例である。 一実施形態における電流密度と掃気時間の関係を示すグラフの例である。 一実施形態における電流密度と全体含水量の関係を示すグラフの例である。 一実施形態における電流密度と、反応ガス流路及び電解質膜の含水量との間の関係を示すグラフの例である。 一実施形態における電流密度と全体含水量の関係を示すグラフの例である。 一実施形態における電流密度と掃気時間の関係を示すグラフの例である。 一実施形態における制御装置による処理の制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、発明の範囲をこれらに限定するものではない。
図1は、本実施形態に係る燃料電池システム100の構成を示している。図1に示すように、燃料電池システム100は、燃料電池スタック12、水素供給源13、アノードガス供給流路14、アノードガス排出流路15、循環流路16、気液分離器17、カソードガス供給流路20、カソードガス排出流路21、電流計22、電圧計23、温度計32、及び制御装置24を備える。
燃料電池スタック12は、複数の単位セル11が積層されて構成される。単位セル11は、例えば、供給された水素と酸素とを化学反応させることにより電気を発生させる発電体である。本実施形態において、単位セル11又は燃料電池スタック12を燃料電池とも称する。
図2を参照して、燃料電池スタック12を形成する単位セル11の構成を説明する。図2に示すように、単位セル11の相対する面の一方には、アノードセパレータ6が積層され、他方の面には、カソードセパレータ7が積層されている。
単位セル11において、電解質膜1を挟むようにアノード触媒層2及びカソード触媒層3が設けられている。また、アノード触媒層2における電解質膜1との積層面と相対する面には、アノード拡散層4が積層されている。カソード触媒層3における電解質膜1との積層面と相対する面には、カソード拡散層5が積層されている。
アノードセパレータ6において、アノード拡散層4の面にアノードガス流路8が積層されている。アノードガス流路8のアノード拡散層4の積層面と相対する面には、冷却水流路10が積層されている。
カソードセパレータ7において、カソード拡散層5の面には、カソードガス流路9が積層されている。カソードガス流路9のカソード拡散層5の積層面と相対する面には、冷却水流路10が積層されている。
図1に戻る。水素供給源13、アノードガス供給流路14、アノードガス排出流路15、循環流路16、及び気液分離器17は、燃料電池システム100のアノード側のガス供給及び排出系を構成する。水素供給源13からアノードガス供給流路14を介して燃料電池スタック12にアノードガス(水素ガス)が供給される。また、燃料電池スタック12からアノードガス排出流路15を介して排出された水素ガスは、循環流路16を介してアノードガス供給流路14に再び戻される。アノードガス排出流路15又は循環流路16には、気液分離器17が設けられている。気液分離器17は、燃料電池スタック12から排出された水素ガスから分離した液水を貯水する。気液分離器17に貯水された液水は、アノードガス排出流路15に設けられた排出弁18を介して外部に放出される。
カソードガス供給流路20及びカソードガス排出流路21は、燃料電池システム100のカソード側のガス供給及び排出系を構成する。カソードガス供給流路20には、ターボコンプレッサ19が設けられている。カソードガス供給流路20は、ターボコンプレッサ19を介して空気(カソードガス)を燃料電池スタック12に供給する。カソードガス排出流路21は、燃料電池スタック12から排出される空気を外部に排出する。
制御装置24は、インピーダンス測定装置26、含水量推定部30、貯水量推定部25、排出弁制御部31、及び記憶部33を備える。制御装置24は、図示しないが、制御装置24における処理の実行を制御するプロセッサを備える。
インピーダンス測定装置26は、重畳信号負荷部27、計測部28、及びインピーダンス算出部29を備える。重畳信号負荷部27は、燃料電池スタック12の負荷に正弦波である重畳信号を付加する。計測部28は、電流計22(電流センサ)により測定された燃料電池スタック12による発電電流値、電圧計23により測定された燃料電池スタック12の電圧値、及び温度計32(温度センサ)により測定された燃料電池スタック12の温度を取得する。インピーダンス算出部29は、燃料電池スタック12のインピーダンスを演算により算出する。
含水量推定部30は、アノード及びカソードの各電極の反応ガスの流路、並びにMEGA(Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)などの電解質膜内に含まれる水分量を推定する。
図3を参照して、含水量推定部30による水分量の推定方法を説明する。まず、実験により、燃料電池スタック12における電解質膜1、及び反応ガスの流路(アノードガス流路8、及びカソードガス流路9)に含まれる水量が、燃料電池スタック12による発電電流値ごと、及び燃料電池スタック12の温度値ごとに導出される。導出された電解質膜1、アノードガス流路8、及びカソードガス流路9に含まれる水量の値と、発電電流値と、温度値との間の関係を示す情報であるセル内極間含水量分布マップ(水分量マップ情報)が記憶部33に記憶される。
含水量推定部30は、上記の水分量マップ情報を参照して、ある発電電流値及び温度値(電流計22により測定された電流値及び温度計32により測定された温度値)のときの燃料電池システム100に含まれる水分量(液水の量)を推定することができる。推定される水分量は、電解質膜1、アノードガス流路8、及びカソードガス流路9に含まれる水分量を含む。
上記の実験で各流路及び電解質膜1に含まれる水量を導出することにより、発明者らは、発電電流値が大きいほど発電により生成される水量が多くなるが、ガス流量の影響を大きく受ける発電温度が存在し、実際にアノードガス流路8内に存在する水量は、発電電流値に比例しない場合があることを見出した。
また、発明者らは、温度が高くなるほど電解質膜1を透過して結露する水量は多くなるが、発電により生成される水量は少なくなるため、ガス温度が高い場合であっても、必ずしもアノード流路内の液水量が多くはならないことを見出した。
従って、上記の水分量マップ情報を参照して、所定の発電電流値及び温度値のときの水分量を推定することにより、精度よく含水量を推定することが可能である。
図1に戻る。貯水量推定部25は、気液分離器17に貯水された液水(水分)の量を演算により推定する。気液分離器17の貯水量は、アノードガス排出流路15から(燃料電池システム100の各部から)気液分離器17への液水排出量と、気液分離器17からの液水の排出量とから算出される。
図4を参照して、貯水量推定部25による気液分離器17の貯水量の推定方法を詳細に説明する。貯水量推定部25は、記憶部33に記憶されたセル内極間含水量分布マップ(水分量マップ情報)を参照して、測定された燃料電池スタック12の発電電流値及び温度に対応するアノードガス流路8に含まれる水分量を特定する。さらに、貯水量推定部25は、特定された水分量及びアノードガスの流速等に基づいて、アノードガス排出流路15から(燃料電池システム100の各部から)気液分離器17への液水排出速度を演算する。また、貯水量推定部25は、気液分離器17からの排水速度を演算する。
貯水量推定部25は、演算された気液分離器17への液水排出速度から、演算された気液分離器17からの排水速度を減算することにより、気液分離器17の貯水速度を演算する。貯水量推定部25は、貯水速度に基づいて、気液分離器17の貯水量の前回の推定時から現在までの時間Δtにおける貯水増加量を演算する。貯水量推定部25は、貯水増加量に前回推定された貯水量を加算することにより、現在の貯水量の推定値を演算する。
従来では、発電電流値が大きいほど生成される水の量も多くなり、さらに、ガス温度が高いほど電解質膜を透過して結露により生成される水の量が多くなり、その結果、気液分離器17へ流入する液水量も多くなることを前提としている。
しかしながら、実際には、例えば、温度が低いときは電解質膜が保持できる水分量が多く、そのため、流路内の含水量はガス流量に大きく依存される。ガス流量の少ない低電流密度時では、電解質膜内でより多くの水分を保持できるため、電解質膜からアノードガス流路に移動する液水の量もより多くなる。その結果、アノードガス流路内に含まれる水分量は増える。
一方、ガス流量の多い高電流密度時では、反応ガスが多く流れることにより電解質膜内で多くの水分を保持できなくなるため、電解質膜からアノードガス流路に移動する水分量も少なくなる。その結果、アノードガス流路内に含まれる水分量も少ない。しかしながら、より高電流密度になると、生成される水の量が多いため、反応ガスの流量が多くても電解質膜内の水分は多く、アノードガス流路内に含まれる水分量も多くなる。
つまり、発電電流値が大きいほど生成される水の量が増えるが、アノードガス流路に含まれる水分量も増えるとは限らない。
図5Aは、低温時における燃料電池スタック12による発電電流に基づく電流密度と、アノードガス流路8(An流路)、カソードガス流路9(Ca流路)、及び電解質膜1(MEGA)内に含まれる水分量(含水量)との間の関係の例を示すグラフである。この関係は、実験に基づくものである。
図5Aのグラフの中央付近から左側において、電流密度が下がるほど、カソードガス流路9に含まれる水分量が増えていることが示されている。また、グラフの中央付近から右側において、電流密度が上がるほど、カソードガス流路9に含まれる水分量が増えていることが示されている。
次に、温度が高いときについて説明する。温度が高いときは、水蒸気分圧の影響により電解質膜で保持できる水分量が少ない。そのため、電解質膜が保持する水分量は、反応ガスの流量によって影響を受けにくいため、反応ガスの流量が多いほど(すなわち、生成される水の量が多いほど)、アノードガス流路内に含まれる水分量も多くなる。しかしながら、電解質膜内で保持できる水分量が少ないときは、電解質膜からアノードガス流路へ移動する水分量も少ない。そのため、温度が高いほど、気液分離器へ流入する液水量もより多くなるとは限らない。
図5Bは、高温時における燃料電池スタック12による発電電流に基づく電流密度と、アノードガス流路8(An流路)、カソードガス流路9(Ca流路)、及び電解質膜1(MEGA)内に含まれる水分量(含水量)との間の関係の例を示すグラフである。この関係は、実験に基づくものである。なお、図5A及び図5Bに示すグラフを上述の水分量マップとして把握することもできる。
図5Bに示すように、電流密度が高いほど、水分量が増えている場合もあるが、含水量が増えていない場合もある。
従って、図5A及び図5Bを参照して説明した例からも把握できるように、記憶部33に記憶された上述の水分量マップ情報を使用することで、反応ガスの流量や温度による電解質膜1の可能水分保持量を考慮したアノードガス流路8内の水分量を算出できるため、精度よく気液分離器17の貯水量を推定することが可能である。
図6は、気液分離器17の貯水量の実測値(実測)、従来技術による推定方法(従来)、又は本実施形態による推定方法(本実施形態)のそれぞれについて、気液分離器17の貯水量と、時間との間の関係の例をグラフで示している。貯水量の減少は、排出弁制御部31の制御による排出弁18を介した排水によるものである。
図6に示すように、従来技術による推定方法よりも、本実施形態による推定方法の方がより実測値に近い値となっている。
変形例として、反応ガスの流量及び温度に応じた電解質膜の可能水分保持量が考慮された方法であれば、気液分離器17の貯水量の推定のために、水分量マップ情報が使用されなくてもよい。
また、本実施形態において、含水量を使用して作成した水分量マップ情報を貯水量の推定のために使用したが、総含水量における反応ガス流路の含水量と電解質膜の含水量の比率を示す比率マップ情報を使用して貯水量を推定してもよい。例えば、特許文献3に開示されているような含水量曲線マップ(含水量マップ)を使用して総含水量を算出し、算出された総含水量と、含水量の比率を示す比率マップを使用して貯水量を推定することができる。
図7には、含水量曲線マップと、セル内極間含水量分布マップ(比率マップ)を使用した貯水量の推定方法の例が概念的に示されている。この例によれば、含水量曲線マップを使用して総含水量を算出する。セル内極間含水量分布マップを使用して、総含水量における反応ガス流路の含水量と電解質膜の含水量の比率を特定する。
また、セル内が乾いているときは、含水量が増えるまでに時間を要する。さらに、発電開始後、電解質膜内及びカソードガス流路内の含水量が増加し、その後、アノードガス流路内の含水量が増加する。従って、含水量比率を遅れ演算により補正することで、より正確な含水量を算出することができる。
次に、各極(アノード及びカソード)の掃気時間の判定方法について説明する。
図8に示すように、制御装置24は、掃気時間判定部41、流量・掃気時間制御部42、及び記憶部33を備える。図8に示す制御装置24は、図1の制御装置24が有する他の構成も備える。
図3を参照して説明した方法により、水分量マップ情報を使用して、ある電流値及び温度に対応する電解質膜1、アノードガス流路8、及びカソードガス流路9の含水量を算出することができる。掃気時間判定部41は、算出された含水量に基づいて、掃気時間を算出(判定)する。流量・掃気時間制御部42は、掃気時間判定部41により判定された掃気時間に基づいて、燃料電池システムの掃気を制御する。
発明者らは、実験的に各流路内及び電解質膜内の含水量を導出することにより、発電電流値が大きいほど生成水量は多くなるが、反応ガス流量の影響を大きく受ける発電温度が存在するため、実際に流路内に存在する液水量は、発電電流値に比例しない場合があることを見出した。
さらに発明者らは、温度が高いほど電解質膜が保持できる液水量が少なくなるため、セル全体の含水量と反応ガスの流量が同じでも、掃気時に含水量を低減可能な限界値は温度によって異なることを見出した。
つまり、セル内の含水量が多くても、電解質膜が保持できる水量(最適含水量)が多い場合、流路に含まれている液水量は少ない。そのため、この場合において、発明者らは、掃気時間は短くてもよいことを見出した。
従って、本実施形態では、水分量マップ情報と、実験とに基づいて、発電電流値及び温度ごとの最適な掃気時間を特定し、当該掃気時間と、発電電流値と、温度との関係を示す掃気時間マップを作成し、記憶部33に記憶しておく。これにより、記憶部33に記憶された掃気時間マップを使用して、発電電流値及び温度に基づく最適な掃気時間を算出することができる。
図9には、発電電流値(電流密度)及び温度と、最適な掃気時間(パージ時間)との関係を示す掃気時間マップを概念的にグラフで示している。図9の上のグラフは、カソード(Ca)及びアノード(An)のそれぞれについて、温度が低いときの電流密度と、掃気時間との間の関係を示すグラフである。図9の下のグラフは、カソード及びアノードのそれぞれについて、温度が高いときの電流密度と、掃気時間との間の関係を示している。図9に示す例によれば、温度により掃気時間マップのグラフの形状が異なることが把握できる。
このような掃気時間マップを用いることで、電解質膜が保持できる液水量も考慮することができ、各極の掃気時間の最適化を図ることができる。その結果、システム始動時の性能低下や残水による影響を抑制することができる。
全体含水量から掃気時間を算出すると、例えば、低い温度の時は全体含水量が多く、高い温度のときは、全体含水量が少ない場合がある。
図10Aは、温度が低いときと高いときにおける電流密度と全体含水量の関係の例をグラフで示している。図10Aが示すように、低温の場合、高温の場合と比較して、全体含水量が多い場合がある。
図10Bは、図10Aのグラフが示す全体含水量に基づいて掃気時間(パージ時間)を決めたときの電流密度と、パージ時間との間の関係をグラフで示している。図10A及び図10Bのグラフが示すように、全体含水量の増減と、掃気時間の増減が対応している。
次に、図11A及び図11Bを参照して、電解質膜が保持できる液水量も考慮して掃気時間を決定する場合について説明する。
図11Aは、温度が低いときと高いときにおける電流密度と全体含水量の関係の例をグラフで示している。
図11Bは、全体含水量が図11Aに示すような状態にあるときにおける、電流密度と、電解質膜(MEGA)内、アノードガス流路(An)内、及びカソードガス流路(Ca)内の含水量との間の関係の例をグラフで示している。より詳細には、図11Bは、温度が低いときと高いときにおける電流密度と、電解質膜内、アノードガス流路内、及びカソードガス流路内の含水量との間の関係の例をグラフで示している。
図11Bが示すように、低温の場合、高温の場合と比較して、電解質膜内の含水量は、低温時の方が高温時よりもかなり多い。電解質膜内の含水量が多いときは、それに応じて、全体含水量に対して、アノードガス流路内、及びカソードガス流路内の含水量は少なくなる。逆に、電解質膜内の含水量が少ないときは、それに応じて、全体含水量に対して、アノードガス流路内、及びカソードガス流路内の含水量は多くなる。従って、電解質膜内の含水量を考慮して、アノード及びカソードの掃気時間を決定することにより、より適切に掃気時間を決定することができる。
図12A及び図12Bを参照して、より適切に決定された掃気時間について説明する。図12Aは、温度が低温のとき及び高温のときにおける電流密度と含水量の関係の例をグラフで示している。図12Aが示すように、低温の場合、高温の場合と比較して、全体含水量が多い場合がある。
図12Bは、温度が低温のとき及び高温のときにおける電流密度と、各極の最適なパージ時間との間の関係を示している。図12A及び図12Bに示されているように、低温の時の方が高温のときよりも全体含水量が多くても、温度が低温のときの方が高温のときよりもパージ時間が短い場合がある。
掃気時間は、全体含水量と、温度に応じて電解質膜で保持可能な含水量とを考慮して算出される必要がある。そのため、上記の掃気時間マップを使用して各極の掃気時間を決定することにより、掃気時間を最適化することができる。
図13を参照して、燃料電池システム100を搭載した車両における制御装置24による各極の掃気処理の制御を説明する。
車両の停止(ステップS11)の後、制御装置24は、燃料電池スタック12の発電電流値と、セル入り口温度値(冷却水温度値)を読み込む(ステップS12)。制御装置24は、掃気時間マップを参照して、ステップS12で読み込んだ電流値及び温度値に基づいて、アノード及びカソードのそれぞれの掃気時間を算出する(ステップS13)。
その後、制御装置24は、カソードの掃気の開始(ステップS14)と、アノードの掃気の開始(ステップS16)を制御する。制御装置24は、カソード及びアノードのそれぞれの掃気時間が経過したか否かを判断する(ステップS15、S17)。カソードの掃気時間が経過したとき(ステップS15のYes)、制御装置24は、カソードの掃気を終了する(ステップS18)。同様に、アノードの掃気時間が経過したとき(ステップS17のYes)、制御装置24は、アノードの掃気を終了する(ステップS18)。
以上のように本実施形態によれば、燃料電池システム100は、燃料電池スタック12と、温度計32と、電流計22とを備える。燃料電池スタック12は、複数の単位セル11を積層して形成される。単位セル11は、アノード電極(アノード触媒層2)、カソード電極(カソード触媒層3)、電解質膜1、反応ガス流路(アノードガス流路8及びカソードガス流路9)を有する単位セル11を有する。燃料電池システム100は、水分量マップを記憶する。水分量マップは、燃料電池(燃料電池スタック12)の温度と、燃料電池による発電電流値と、反応ガス流路内及び燃料電池の電解質膜1内の水分量との間の実験に基づく関係を示す情報である。
従って、本実施形態によれば、燃料電池内に含まれる水量のより正確な特定に関する技術を提供できる。
本実施形態によれば、燃料電池システム100は、燃料電池の燃料供給源(水素供給源13)と、燃料ガスを燃料電池に供給する供給流路(例えば、アノードガス流路8)と、循環流路16と、気液分離器17と、制御装置24と、アノードガス排出流路15と、排出弁18と、電流計22と、温度計32とを備える。制御装置24は、気液分離器17内に貯水された水分量を推定する。制御装置24は、温度ごとのガス流量依存性(ガス流量に対する流路内の含水量の依存性)と温度による電解質膜1の可能水分保持量と、燃料電池による発電電流値に基づくアノードガス流路8内の水分量と、燃料電池システム100内の結露速度と、気液分離器17からの排水速度とに基づいて、気液分離器17内に貯水された水分量を推定する。
本実施形態によれば、燃料電池内のアノードガス流路8内の水分量は、水分量マップから算出される。水分量マップは、燃料電池(燃料電池スタック12)の温度と、燃料電池による発電電流値と、反応ガス流路内及び燃料電池の電解質膜1内の水分量との間の実験に基づく関係を示す情報である。
本実施形態によれば、制御装置24は、温度ごとのガス流量依存性と、温度ごとの電解質膜1の可能水分保持量を考慮して、燃料電池内のアノードガス流路8、カソードガス流路9、及び電解質膜1に含まれる含水量を取得する。制御装置24は、取得した含水量に基づいて、各ガス流路内の掃気時間を決定する。
本実施形態によれば、燃料電池内のアノードガス流路8、カソードガス流路9、及び電解質膜1に含まれる含水量は、水分量マップから算出される。水分量マップは、燃料電池(燃料電池スタック12)の温度と、燃料電池による発電電流値と、反応ガス流路(アノードガス流路8及びカソードガス流路9のそれぞれ)内及び燃料電池の電解質膜1内の水分量との間の実験に基づく関係を示す情報である。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はかかる実施形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
100 燃料電池システム
1 電解質膜
2 アノード触媒層
3 カソード触媒層
4 アノード拡散層
5 カソード拡散層
6 アノードセパレータ
7カソードセパレータ
8 アノードガス流路
9 カソードガス流路
10 冷却水流路
11 単位セル
12 燃料電池スタック
13 水素供給源
14 アノードガス供給流路
15 アノードガス排出流路
16 循環流路
17 気液分離器
18 排出弁
19 ターボコンプレッサ
20 カソードガス供給流路
21 カソードガス排出流路
22 電流計
23 電圧計
24 制御装置
25 貯水量推定部
26 インピーダンス測定装置
27 重畳信号負荷部
28 計測部
29 インピーダンス算出部
30 含水量推定部
31 排出弁制御部
32 温度計
33 記憶部

Claims (1)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池の反応ガスの流路と、
    前記燃料電池の温度を計測する温度センサと、
    前記燃料電池による発電電流値を計測する電流センサと、
    前記燃料電池の温度と、前記燃料電池による発電電流値と、前記流路内及び前記燃料電池の電解質膜内の水分量との間の実験に基づく関係を示す情報である水分量マップを記憶する記憶部と
    を備える燃料電池システム。
JP2020024379A 2020-02-17 2020-02-17 燃料電池システム Pending JP2021128909A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020024379A JP2021128909A (ja) 2020-02-17 2020-02-17 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020024379A JP2021128909A (ja) 2020-02-17 2020-02-17 燃料電池システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021128909A true JP2021128909A (ja) 2021-09-02

Family

ID=77488873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020024379A Pending JP2021128909A (ja) 2020-02-17 2020-02-17 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021128909A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5581890B2 (ja) 燃料電池システム、および、燃料電池システムの制御方法
CA2598835C (en) Fuel cell system with detection module for detecting electrolyte membrane wet state, and method of detecting or controlling electrolyte membrane wet state
JP6308305B2 (ja) 燃料電池システム及びその制御方法
JP5936976B2 (ja) 燃料電池の運転方法
KR20110033950A (ko) 연료전지의 수소농도 추정장치, 연료전지시스템
JP4678132B2 (ja) 燃料電池システム
US9941530B2 (en) Fuel cell system including water content estimation
JP2008269920A (ja) 燃料電池システム
KR20080036649A (ko) 연료전지 시스템 및 연료전지 시스템의 운전방법
JP2003036875A (ja) 燃料電池内部の水分測定方法
US8658322B2 (en) Fuel cell system
JP2019204773A (ja) 燃料電池システム
JP5459223B2 (ja) 燃料電池システム
JP4457942B2 (ja) 燃料電池システム
KR20130124941A (ko) 양성자 교환막의 전기삼투 전송계수 측정방법 및 이 측정방법을 수행하기 위한 장치
JP2021128909A (ja) 燃料電池システム
US20230290980A1 (en) Fuel cell system and valve control method for fuel cell system
JP2010135194A (ja) 燃料電池装置
JP5773084B2 (ja) 燃料電池システム
JP2011216415A (ja) 燃料電池システム、および燃料電池システムの膜湿潤状態判定方法
JP2020198208A (ja) 燃料電池システム
JP2006092801A (ja) 燃料電池システム
JP5233589B2 (ja) 燃料電池運転制御方法及び燃料電池システム
JP5493695B2 (ja) 燃料電池システム
JP2011100564A (ja) 燃料電池システム