JP2021126702A - スポット溶接継手の製造方法、及びスポット溶接継手 - Google Patents

スポット溶接継手の製造方法、及びスポット溶接継手 Download PDF

Info

Publication number
JP2021126702A
JP2021126702A JP2021020880A JP2021020880A JP2021126702A JP 2021126702 A JP2021126702 A JP 2021126702A JP 2021020880 A JP2021020880 A JP 2021020880A JP 2021020880 A JP2021020880 A JP 2021020880A JP 2021126702 A JP2021126702 A JP 2021126702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
metal plate
plate assembly
electrode tip
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021020880A
Other languages
English (en)
Inventor
元 村山
Hajime Murayama
元 村山
翔 松井
Sho Matsui
翔 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Publication of JP2021126702A publication Critical patent/JP2021126702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Abstract

【課題】板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組の溶接に際して、広い適正電流範囲ΔIを確保可能な、スポット溶接継手の製造方法を提供する。さらに、板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組を溶接して得られる、高い十字引張強さを有するスポット溶接継手を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係るスポット溶接継手は、複数枚の金属板を重ね合わせた板組と、板組を接合するナゲットとを備え、板組の板厚比が4.0以上であり、第1の金属板は、板組の一方の最表面に配置され、観察用断面において観察される、ナゲットの外縁が、第1の金属板の内部に達しており、第1の金属板に面する領域において、第1の金属板からナゲットの板厚方向中央に向かって凹んでいる形状を有する。【選択図】図3A

Description

本発明は、スポット溶接継手の製造方法、及びスポット溶接継手に関する。
近年、特に自動車分野等において、車体の組立や部品の取付け等の工程で鋼板同士を溶接する際、主としてスポット溶接が用いられており、種々の手順や条件が提案されている。スポット溶接とは、重ね合わせた母材(複数枚の金属板)を、先端を適正に整形した電極の先端(電極チップ)で挟み、比較的小さい部分に電流及び加圧力を集中して局部的に加熱し、同時に電極で加圧して行う抵抗溶接である(JIS Z 3001−6)。
スポット溶接を行うにあたっては、複数の金属板を組み合わせて構成される板組の、板厚比に応じた溶接条件を検討することが必要となる。板厚比とは、板組の総板厚Tを、板組における最も薄い金属板の板厚tによって割ることで算出される値である(図1参照)。
板組の板厚比が高く、さらに最も薄い金属板が板組の表面に配されている場合、溶接不良が生じやすくなる。何故なら、板組を接合するナゲット(スポット溶接などの重ね抵抗溶接において,溶接部に生じる溶融凝固した部分)は、水冷された電極から最も離れた箇所、即ち板組の中央部を起点として生成されるからである。溶接時の電流密度が低すぎる場合、板組の中央部から開始する溶融が、最も薄い金属板まで及ばない場合がある。この場合、最も薄い金属板まで及ぶナゲットが形成されず、最も薄い金属板とその他の金属板とが接合されない(図2参照)。
このような溶接不良を避けるための手段として、溶接電流値を高めることが考えられる。しかしながら、溶接電流値が高すぎる場合、散り(スポット溶接などの重ね抵抗溶接において,金属板などの母材が局部的に過熱されて溶融飛散する現象、又はその金属)が発生し、これが接合不良を招く。
複数の金属板のすべてを接合しうるナゲット径を確保可能な溶接電流値(即ち、溶接電流値の下限値)と、散り発生を抑制可能な溶接電流値(即ち、溶接電流値の上限値)との差を、以下、適正電流範囲ΔIと称する。板組における板厚比が大きいほど、適正電流範囲ΔIが小さくなる。即ち、板厚比が大きいほど、溶接条件のロバスト性が小さくなる。
一方、機械構造部品の設計の自由度を高めるためには、高い板厚比を許容するスポット溶接が必須となる。例えば、厚い高強度鋼板を骨格部品として使用し、薄い低強度鋼板を外装部材として使用する自動車部品においては、板厚比を高くするほど、低強度鋼板の厚さが低減され、ひいては部品の重量が削減されて、燃費向上などの効果が得られる。
スポット溶接に関する先行技術として、例えば特許文献1は、複数個のワークが積層されて形成された積層体に対してスポット溶接を施す際、ワーク同士の接触面にナゲットを十分に成長させることを課題として、積層体を第1溶接チップ及び第2溶接チップで挟持するとともに、積層体の最外に位置して第1溶接チップが当接した最外ワークに対して加圧部材を当接させ、加圧部材によって最外ワーク側から積層体を加圧する工程と、加圧部材による加圧を維持して第1溶接チップと第2溶接チップとの間に通電を行う工程とを有するスポット溶接方法を開示している。
特許文献2は、板隙等の外乱の影響を抑制し、3枚以上の金属板を安定して溶接することを課題として、3枚以上の金属板の複数の界面に溶融部を形成するための加圧力及び通電する電流値を含む加工条件を、複数の界面それぞれに対して設定する加工条件設定工程と、加工条件設定工程で設定した各加工条件を、一対の電極による加圧力が高い加工条件又は通電する電流値が小さい加工条件から順番に組み合わせて、複数段階の加工条件で構成した複合条件を設定する複合条件設定工程と、複合条件設定工程で設定した複合条件に基づいて3枚以上の金属板を溶接する溶接工程とを含む抵抗スポット溶接方法を開示している。
特許文献3は、複数の鋼板を重ね合わせたスポット溶接において、鋼板間に間隙が最大2mm程度あり、さらに板厚比(重ね合わせた鋼板の板厚の総和/一番薄い鋼板の板厚)が大きい場合でも、適切な溶接継手を得ることを課題として、徐々に電流を負荷する予備通電工程と、電流値I1で一定通電を行う第一通電工程と、その後、電流値I2で通電を行う第2通電工程と、さらにその後、電流値I3で通電を行う第3通電工程を有し、I1>I2、およびI2<I3の関係であり、第3通電工程中に、スポット溶接電極による加圧力を減少させるスポット溶接方法を開示している。
特許文献4は、板厚比の大きな板組みにおいても必要サイズのナゲットを散り発生なく形成できる、抵抗スポット溶接方法を提供することを課題とし、重ね合わせた2枚以上の厚金属板の一方に薄金属板を重ね合わせた板組みを一対の電極チップで挟み、第一段および第二段の二段階からなる抵抗スポット溶接するにあたり、一対の電極チップのうちの一方の、薄板に接する電極チップを先端が、好ましくは60mm以上の曲率半径R1を有する曲面である電極チップとし、他方の厚板に接する電極チップを先端が平面又は薄板に接する電極チップの先端の曲率半径R1より大きな曲率半径を有する曲面である電極チップとし、抵抗スポット溶接を、第二段の溶接が第一段の溶接に比べ高加圧力の溶接とする抵抗スポット溶接方法を開示している。
しかしながら、特許文献1〜4に開示された技術は、溶接条件が複雑であったり、特別な電極チップ及び溶接装置等を必要としたりする点で好ましくない。
特開2012−66284号公報 特開2014−200797号公報 特開2018−30178号公報 特開2006−55898号公報
本発明は、板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組の溶接に際して、広い適正電流範囲ΔIを確保可能な、スポット溶接継手の製造方法を提供する。さらに本発明は、板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組を溶接して得られる、高い十字引張強さを有するスポット溶接継手を提供する。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の一態様に係るスポット溶接継手は、複数枚の金属板を重ね合わせた板組と、前記板組を接合するナゲットとを備え、前記板組における最も薄い金属板を、第1の金属板と定義したとき、前記第1の金属板は、前記板組の一方の最表面に配置され、前記板組の総板厚を前記第1の金属板の板厚によって割ることで算出される、前記板組の板厚比が4.0以上であり、前記板組の表面に垂直であり、かつ前記ナゲットの平面視での中心軸を通る観察用断面において観察される、前記ナゲットの外縁が、前記第1の金属板の内部に達しており、前記観察用断面において観察される、前記ナゲットの前記外縁が、前記第1の金属板に面する領域において、前記第1の金属板から前記ナゲットの板厚方向中央に向かって凹んでいる形状を有する。
(2)上記(1)に記載のスポット溶接継手では、前記金属板の枚数が3枚以上であり、前記観察用断面において測定される、前記第1の金属板と、これに隣接する金属板との接触面におけるナゲット径が、その他の金属板同士の接触面におけるナゲット径よりも大きくてもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載のスポット溶接継手では、前記金属板の枚数が3枚以上であり、前記板組の他方の最表面に配置される前記金属板を、第2の金属板と定義し、前記第2の金属板に隣接する前記金属板を、第3の金属板と定義し、前記第2の金属板及び前記第3の金属板のうち薄い方の板厚を、t´と定義したとき、前記観察用断面において測定される、前記第2の金属板と前記第3の金属板との接触面におけるナゲット径が、3√t´以上であってもよい。
(4)本発明の別の態様に係るスポット溶接継手の製造方法は、複数枚の金属板を重ね合わせた板組を、対向する第1の電極チップ及び第2の電極チップを用いて挟んでスポット溶接を行う工程を備え、前記板組の総板厚を、前記板組における最も薄い金属板の板厚によって割ることで算出される、前記板組の板厚比を4.0以上とし、最も薄い前記金属板を、前記板組の最表面に配置し、前記第2の電極チップを、最も薄い前記金属板が配置された側に配置し、前記第1の電極チップ、及び前記第2の電極チップを前記板組に押し付けて加圧力を加える際に、最も薄い前記金属板と前記第2の電極チップとの接触面積S2と、前記第1の電極チップと前記金属板との接触面積S1の比S2/S1を、0.10≦S2/S1≦0.90とする。
(5)上記(4)に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記第1の電極チップ、及び前記第2の電極チップを前記板組に押し付けて加圧力を加える際に、前記板組を前記第2の電極チップに向けて曲げることにより、S2/S1を0.10≦S2/S1≦0.90としてもよい。
(6)上記(5)に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記金属板の枚数を3枚以上とし、前記板組の板厚比を5.0以上とし、前記第1の電極チップ、及び前記第2の電極チップを前記板組に押し付けて加圧力を加える際に、前記最も薄い金属板と、これに接触する前記金属板との接触面積S4、及び、前記第1の電極チップと接する前記金属板と、これに接触する金属板との間の接触面積S3を、S4<S3の関係を満たすようにしてもよい。
(7)上記(5)又は(6)に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記複数枚の前記金属板を重ね合わせた前記板組を、対向する前記第1の電極チップ及び前記第2の電極チップを用いて挟む前に、前記第1の電極チップを前記板組の一方の表面に接触させる工程と、前記第2の電極チップを、前記板組の他方の表面から離した状態で配置する工程と、前記第1の電極チップを前記板組に押し付けて加圧力を加え、これにより前記第2の電極チップと前記板組の前記他方の表面とを接触させる工程とをさらに備えてもよい。
(8)上記(7)に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記第2の電極チップが配された電極を固定電極とし、前記第1の電極チップが配された電極を可動電極としてもよい。
(9)上記(7)又は(8)に記載のスポット溶接継手の製造方法では、板組固定手段を用いて前記板組の溶接点の周囲を固定してもよい。
(10)上記(9)に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記板組固定手段を、2つの板組固定手段とし、前記溶接点を、2つの前記板組固定手段によって固定された2箇所がなす直線上に配置してもよい。
(11)上記(9)に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記板組固定手段を、3つ以上の板組固定手段とし、前記板組固定手段を用いて前記板組を固定する箇所が正多角形を構成するように、3つ以上の前記板組固定手段を配置し、前記溶接点を、前記正多角形の内部に配置してもよい。
(12)上記(9)に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記板組固定手段を用いて前記板組を固定する箇所が円形、又は楕円形を構成するように前記板組固定手段を配置し、前記溶接点を、前記円形又は楕円形の内部に配置してもよい。
(13)上記(5)〜(11)のいずれか一項に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記第1の電極チップ、及び前記第2の電極チップの先端形状を実質的に同一としてもよい。
(14)上記(7)〜(13)のいずれか一項に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記第1の電極チップを前記板組に接触させ、加圧を開始する段階での、前記第2の電極チップの先端と前記板組との間の隙間の大きさであるクリアランスを、0.5〜2.5mmとしてもよい。
(15)上記(5)〜(13)のいずれか一項に記載のスポット溶接継手の製造方法では、前記板組を前記第2の電極チップに向けて曲げる量を、0.5〜2.5mmとしてもよい。
本発明によれば、板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組の溶接に際して、広い適正電流範囲ΔIを確保可能な、スポット溶接継手の製造方法を提供することができる。さらに本発明によれば、板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組を溶接して得られる、高い十字引張強さを有するスポット溶接継手を提供することができる。
板厚比を説明するための、板組の断面模式図である。 接合不良が生じたスポット溶接継手の断面模式図である。 本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法によって得られたスポット溶接継手の一例の断面写真である。 本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法によって得られたスポット溶接継手の一例の断面模式図である。 対向する第1の電極チップ及び第2の電極チップを用いて板組を挟んだ状態の一例を説明する断面模式図である。 第2の電極チップに向けて板組を曲げた状態の一例を説明する断面模式図である。 S1〜S4を測定する箇所の一例を図示した、板組の断面模式図である。 S1〜S4を測定する箇所の一例を図示した、板組の断面模式図である。 第2の電極チップに向けて板組を曲げるための各工程における、板組の断面模式図である。 板組固定手段の形状の一例を説明する斜視図である。 例3のスポット溶接継手のナゲットの断面模式図である。 例4のスポット溶接継手のナゲットの断面模式図である。 例5のスポット溶接継手のナゲットの断面模式図である。
本発明者らは、板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組の溶接において、適正電流範囲ΔIを拡大する手段について検討を重ねた。そして本発明者らは、電極チップと板組との接触面積を、板組の第1面と第2面とで相違させた場合に、ナゲットの形状が非対称となることを知見した。
電極チップと板組との接触面積が狭いほど、電流密度が高くなり、金属板の温度上昇量が大きくなる。そのため、対向する第1の電極チップ及び第2の電極チップを用いて板組を挟んでスポット溶接を行うに際し、第1の電極チップの接触面積を第2の電極チップの接触面積より大きくすると、ナゲットは第2の電極チップに向けて偏って形成されると推定された。
この知見によって得られた、ナゲットを一方の板組表面に偏らせて形成する方法を、本発明者らは、板厚比が大きい板組のスポット溶接に適用した。最も薄い金属板と電極チップとの接触面積を減少させ、ナゲットを最も薄い金属板の方に偏らせて形成することで、低い電流値であっても最も薄い金属板を他の金属板と接合することが可能となった。
さらに本発明者らは、一方の電極チップと板組との間にクリアランスを設けた状態(即ち、一方の電極チップが板組と離隔され、他方の電極チップが板組と接触した状態)で、板組への加圧をすることで、電極チップの接触面積を好ましく制御できることを知見した。これは、クリアランスを設けた状態で加圧をすると板組が曲がり、これにより電極チップの接触面積が変化するからであると推定される。
通常のスポット溶接では、一対の電極チップを上下に配置し、板組を下側の電極チップ上に載置し、次いで上側の電極チップを下方に動かして、板組に加圧する。従って通常のスポット溶接では、加圧の時点でクリアランスが存在せず、板組が曲げられることはない。また、板組を曲げた状態でスポット溶接をした場合、継手に歪みが生じたり、LME(液体金属脆化)が生じたりすることが懸念されてきた。一方、板組を曲げた状態でスポット溶接をすることの利点は何ら認識されていなかった。以上の理由により、電極チップと板組との間のクリアランスは、解消されるべき外乱要素であると当業者の間では考えられてきた。しかしながら、本発明者らの知見によれば、板組を曲げることにより、適正電流範囲ΔIを拡大することができる。ただし、板組を過剰に曲げると散りが発生しやすくなり、適正電流範囲ΔIが狭まることも判明した。
上述の知見によって得られた、本発明の一態様に係るスポット溶接継手の製造方法は、複数枚の金属板を重ね合わせた板組を、対向する第1の電極チップ及び第2の電極チップを用いて挟んでスポット溶接を行う工程を備え、板組の総板厚を、板組における最も薄い金属板の板厚によって割ることで算出される、板組の板厚比を4.0以上とし、最も薄い金属板を、板組の最表面に配置し、第2の電極チップを、最も薄い金属板が配置された側に配置し、第1の電極チップ、及び第2の電極チップを板組に押し付けて加圧力を加える際に、最も薄い金属板と第2の電極チップとの接触面積S2と、第1の電極チップと金属板との接触面積S1の比S2/S1を0.10≦S2/S1≦0.90とする。以下、本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態に係るスポット溶接継手1の製造方法は、複数枚の金属板111を重ね合わせた板組11を、対向する第1の電極チップA及び第2の電極チップBを用いて挟んでスポット溶接を行う工程を含む。ここで、複数枚の金属板111の材質は特に限定されない。例えば、金属板111が鋼板であってもよい。少なくとも1枚以上の鋼板を、引張強さが780MPa以上、又は980MPa以上の高強度鋼板とすると、スポット溶接継手1の強度を飛躍的に高めることができるので好ましい。一方、金属板111がアルミ板などであってもよい。また、金属板111がその表面にめっき層を有していてもよい。また、複数枚の金属板111の引張強さが異なっていてもよい。複数の金属板111の枚数は、2枚以上の任意の値とすることができる。
複数枚の金属板111の厚さは、これを重ね合わせた板組11の板厚比が4.0以上となるように適宜選択される。板厚比とは、板組11の総板厚T(即ち、複数枚の金属板111の板厚の合計値)を、板組11における最も薄い金属板111minの板厚tによって割ることで算出される値である。また、図6に示されるように、この最も薄い金属板111minが、板組11の最表面に配置される。
このような板組11のスポット溶接にあたり、溶接電流値が低すぎる場合、板組11の中央部から開始する溶融が、最も薄い金属板111minまで及ばない。この場合、図2に示されるように、最も薄い金属板111minまで及ぶナゲット12が形成されず、最も薄い金属板111minとその他の金属板111とが接合されない。一方、溶接電流値が高すぎる場合、散りが発生し、これが接合不良を招く。複数の金属板111のすべてを接合しうるナゲット径を確保可能な溶接電流値(即ち、溶接電流値の下限値)と、散り発生を抑制可能な溶接電流値(即ち、溶接電流値の上限値)との差を、以下、適正電流範囲ΔIと称する。板組における板厚比が大きいほど、適正電流範囲ΔIが小さくなる。即ち、板厚比が大きいほど、溶接条件のロバスト性が小さくなる。
一方、機械構造部品の設計の自由度を高めるためには、高い板厚比を許容するスポット溶接が必須となる。例えば、厚い高強度鋼板を骨格部品として使用し、薄い低強度鋼板を外装部材として使用する自動車部品においては、板厚比を高くするほど、低強度鋼板の厚さが低減され、ひいては部品の重量が削減されて、燃費向上などの効果が得られる。以上の理由により、本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法では、板組11の板厚比を4.0以上と定めた。板厚比は4.5以上、5.0以上、5.5以上、又は6.0以上であってもよい。板厚比の上限は特に設けないが、例えば板厚比を8.0以下、7.5以下、又は7.0以下としてもよい。
板厚比が高い板組を確実に接合するために、本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法では、第2の電極チップBを、最も薄い金属板111minが配置された側に配置し、第1の電極チップA、及び第2の電極チップBを板組11に押し付けて加圧力を加える際に、最も薄い金属板111minと第2の電極チップBとの接触面積S2と、第1の電極チップAと金属板111との接触面積S1の比S2/S1を0.10≦S2/S1≦0.90とすることが良いことが、種々実験することによって明らかになった。ここで「接触面積」とは、後述する感圧紙を用いて測定される値である。また、S1及びS2の測定箇所は、図6において破線で囲まれた箇所である。
スポット溶接の際、電流は、一方の電極チップから板組11を経由して他方の電極チップに流れる。この電流が流れる経路(電流経路)が狭いほど、電流密度が高くなり、溶接の際の金属板111の最高温度が上昇する。ここで、通常のスポット溶接においては、一方の電極及び板組表面の接触面積と、他方の電極及び板組表面の接触面積とは実質的に等しい。従って、板組11はほぼ均一に加熱される。
一方、本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法では、最も薄い金属板111minと第2の電極チップBとの接触面積S2が、第1の電極チップAと金属板111との接触面積S1の90%以下とされる。これにより、最も薄い金属板111minと第2の電極チップBとの接触面は、第1の電極チップAと金属板111との接触面よりも強く加熱されることとなる。その結果、本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法によって得られたナゲット12は、図3A及び図3Bに例示されるように、最も薄い金属板111minの側に偏って形成される。このような条件の下でナゲット12を形成することで、比較的低い電流値のスポット溶接において、最も薄い金属板111minを他の金属板111と確実に接合することができるようになる。換言すると、S2/S1≦0.90の関係式を満たすことにより、板厚比が高い板組11のスポット溶接における適正電流範囲ΔIを大幅に拡大することができる。S2/S1≦0.8、S2/S1≦0.7、又はS2/S1≦0.6であってもよい。
ただし、S2/S1が小さすぎると、最も薄い金属板111minと第2の電極チップBとの接触面において散りが発生しやすくなり、適正電流範囲ΔIが狭くなる。従って、0.10≦S2/S1とする。0.20≦S2/S1、0.30≦S2/S1、又は0.40≦S2/S1であってもよい。
S2/S1を上述の範囲内に制御する手段は特に限定されない。例えば図4に示されるように、最も薄い金属板111minに接触する第2の電極チップBのサイズを、第1の電極チップAのサイズより小さくすることにより、S2/S1を0.10≦S2/S1≦0.90とすることができる。この手段によれば、既存のスポット溶接設備に大きな変更を加えることなく、本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法を行なうことができる。
また、例えば図5に示されるように、第1の電極チップA、及び第2の電極チップBを板組11に押し付けて加圧力を加える際に、板組11を第2の電極チップBに向けて(第2の電極チップB側に凸になるように)曲げてもよい。これにより、最も薄い金属板111minと第2の電極チップBとの接触面積S2を減少させ、かつ、第1の電極チップAと金属板111との接触面積S1を増大させることができる。この際の、板組11の曲率半径は特に限定されない。電極チップ形状などに応じて、S2/S1を0.10≦S2/S1≦0.90とすることができる板組11の曲率半径を、適宜選択すれば良い。この手段によれば、第1の電極チップA及び第2の電極チップBの先端形状を実質的に同一としながら、本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法を行なうことができる。これにより、溶接作業環境を簡素化することができる。
板組11を第2の電極チップBに向けて曲げる量(換言すると、第1の電極チップAを板組11に押し付ける際の、第1の電極チップAの移動距離)も特に限定されない。しかし、例えば、板組11を第2の電極チップBに向けて曲げる量を0.5〜2.5mmとすることが好ましい。板組11を第2の電極チップBに向けて曲げる量を0.5mm以上とすることにより、S2/S1を一層好ましい範囲内とすることができる。また、板組11を第2の電極チップBに向けて曲げる量を2.5mm以下とすることにより、スポット溶接継手の接合強度を一層高めることができる。後述するように、スポット溶接継手の接合強度を一層高めるためには、板組11の一方の最表層に配された最も薄い金属板111minを他の金属板111と接合することに加えて、板組の他方の最表層に配された金属板と他の金属板111との接合強度も高めることが好ましい。板組11を第2の電極チップBに向けて曲げる量を2.5mm以下とすることにより、板組の他方の最表面に配置される金属板のナゲット径を大きくして、板組の他方の最表層に配された金属板と他の金属板111との接合強度を一層高めることができる。
板組11を曲げることによって電極チップと板組表面との接触面積を制御する場合であって、かつ、金属板111の枚数が3枚以上である場合、板組11の内部における金属板111同士の接触面積をさらに制御することが好ましい。例えば、第1の電極チップA、及び第2の電極チップBを板組11に押し付けて加圧力を加える際に、最も薄い金属板111minと、これに接触する金属板111との接触面積S4、及び、第1の電極チップAと接する前記金属板111と、これと接触する金属板111との間の接触面積S3を、S4<S3の関係を満たすようにしてもよい。この場合、板組11の板厚比を5.0以上としてもよい。
板組11を構成する金属板の枚数が3枚である場合、図6に示されるように、最も薄い金属板111minに接触する金属板111と、第1の電極チップAと接する前記金属板111に接触する金属板111とは同一である。一方、板組11を構成する金属板の枚数が4枚以上である場合、図7に示されるように、最も薄い金属板111minに接触する金属板111と、第1の電極チップAと接する前記金属板111に接触する金属板111とは異なるものとなる。なお、図7では金属板の枚数を4枚としているが、当然ながら、金属板の枚数を5枚以上にすることも妨げられない。参考のために、S1〜S4に該当する接触面を図6及び図7に示す。
0.10≦S2/S1≦0.90の関係、及びS4<S3の関係の両方を満たすように板組11を曲げると、ナゲットの形成箇所を、最も薄い金属板111minに向けて一層顕著に偏らせることができる。従って、板厚比が高い板組のスポット溶接における適正電流範囲ΔIを一層拡大することができる。
なお、板組11において、最も薄い金属板111minが2枚以上となることも許容される。最も薄い金属板111minが板組に複数含まれる場合、板組の最表面にないもの(即ち板組の内部にあるもの)は、接合不良の原因とならないので、他の金属板と同様に取り扱うことができる。
最も薄い金属板111minが板組に複数含まれ、且つ、板組11の両方の最表面に最も薄い金属板111minが配されている場合は、2枚の最も薄い金属板111minのうち一方に対して、上述した手順でのスポット溶接を行い、次いで他方の最も薄い金属板111minに対して再度、上述した手順でのスポット溶接を行えばよい。これにより、接合強度を確保することができる。同一箇所に2回のスポット溶接を行ったとしても、接合強度は損なわれない。また、部品の構造及び用途次第で、すべての金属板の接合強度が確保されていなくともよい場合もある。この場合は、接合強度が要求される側の最表面に配された最も薄い金属板111minのみに対して、上述のスポット溶接を実施してもよい。換言すると、板組の2つの最表面のうち、1以上の最表面に対して上述のスポット溶接を実施するスポット溶接継手の製造方法は、本実施形態に係る製造方法とみなすことができる。
接触面積は、感圧紙を用いて測定する。例えば電極チップと金属板との接触面積を測定する場合は、電極チップと金属板との間に感圧紙を挟んだ状態で、電極チップを金属板に所定圧力で押し付ける。その後、電極チップを金属板から離隔させ、感圧紙を回収し、変色箇所の面積を測定すれば、電極チップと金属板との接触面積を推定することができる。金属板同士の接触面積を測定する場合は、金属板の間に感圧紙を挟んだ状態で電極チップを金属板に所定圧力で押し付け、その後感圧紙を回収して、変色箇所の面積を測定すればよい。加圧力と接触面積との関係をスポット溶接の実施前に調査することで、スポット溶接時の接触面積を推定することができる。
板組11を第2の電極チップBに向けて曲げる手段は特に限定されない。例えば図8に示されるように、複数枚の金属板111を重ね合わせた板組11を、対向する第1の電極チップA及び第2の電極チップBを用いて挟む前に、第1の電極チップAを板組11の一方の表面に接触させる工程s1と、第2の電極チップBを、板組11の他方の表面から離した状態で配置する工程s2と、第1の電極チップAを板組11に押し付けて加圧力を加え、これにより第2の電極チップBと板組11の他方の表面とを接触させる工程s3とを、さらにスポット溶接継手の製造方法に設けることにより、板組11を第2の電極チップBに向けて曲げてもよい。この場合、第2の電極チップBが配された電極を固定電極とし、第1の電極チップAが配された電極を可動電極とすることが好ましい。なお、第2の電極チップBを、板組11の他方の表面から離した状態で配置する工程s2の後で、第1の電極チップAを板組11の一方の表面に接触させるs1を実施してもよい。
図8に示される手順で板組11を曲げるにあたり、板組固定手段Cを用いて、板組11の溶接点の周囲を固定することが好ましい。溶接点とは、板組11における、第1の電極チップ及び第2の電極チップが接触する箇所のことである。板組固定手段Cの構成は特に限定されないが、好ましい実施形態を以下に例示する。
板組固定手段Cの構成は、例えば板組11を固定することが可能なクランプ、及び板組11を載置することが可能な載置面を備えるものとすることができる。図8において、板組固定手段Cは、板組11の下側に配置されているが、上側に配置されてもよい。また、図8において板組固定手段Cは第1の電極チップAと対向するように配置されているが、第2の電極チップBと対向するように配置されてもよい。
図8において、板組固定手段Cは2つ設けられ、これらが板組11を2点支持している。この場合、溶接点を、2つの板組固定手段Cによって固定された2箇所がなす直線上に配置することが好ましい。これにより、安定的に板組への加圧を行うことができる。さらに好ましくは、溶接点を、2つの板組固定手段Cによって固定された2箇所の中点に配置する。
板組固定手段Cの数を3以上にすることも妨げられない。この場合、板組固定手段Cを用いて板組11を固定する箇所が正多角形を構成するように、3つ以上の板組固定手段Cを配置し、溶接点を、正多角形の内部に配置することが好ましい。さらに好ましくは、溶接点を、正多角形の重心に配置する。また、板組固定手段Cの数が4つである場合、板組固定手段Cを用いて板組11を固定する箇所がなす図形が正方形ではなくひし形であってもよい。
一方、板組固定手段Cが、電極チップを収納可能な円形、楕円形、又は多角形の穴を有する載置面を備えてもよい。このような載置面を備える板組固定手段Cによれば、板組11の加圧の際に、溶接点の周囲が、載置面の穴C1の端部において固定されることとなる。換言すると、板組固定手段Cを用いて板組11を固定する箇所が円形、楕円形、又は多角形を構成することとなり、溶接点は、円形、楕円形、又は多角形の内部に配置されることとなる。好ましくは、溶接点は、円形または楕円形の中心や、多角形の重心に配置される。このような構成によれば、電極チップを用いた板組11の加圧が一層安定する。図9は、穴C1が円形である板組固定手段Cの例である。
クリアランス、即ち、第1の電極チップを板組に接触させ、加圧を開始する段階での、第2の電極チップの先端と板組との間の隙間の大きさは特に限定されない。しかし、例えば、クリアランスを0.5〜2.5mmとすることが好ましい。クリアランスを0.5mm以上とすることにより、S2/S1を一層好ましい範囲内とすることができる。また、クリアランスを2.5mm以下とすることにより、スポット溶接継手の接合強度を一層高めることができる。後述するように、スポット溶接継手の接合強度を一層高めるためには、板組の一方の最表層に配された最も薄い金属板111minを他の金属板111と接合することに加えて、板組の他方の最表層に配された金属板と他の金属板111との接合強度も高めることが好ましい。クリアランスを2.5mm以下とすることにより、板組の他方の最表面に配置される金属板のナゲット径を大きくして、板組の他方の最表層に配された金属板と他の金属板111との接合強度を一層高めることができる。なお、クリアランスは、上述された、板組11を第2の電極チップBに向けて曲げる量と略同一である。
次に、本発明の別の態様に係るスポット溶接継手1について説明する。本発明の別の態様に係るスポット溶接継手1は、上述された本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法によって得られるスポット溶接継手の一例である。ただし、以下に説明する要件を満たすスポット溶接継手1は、その製造方法にかかわらず、高い十字引張強さを有するので、本実施形態に係るスポット溶接継手とみなされることに留意されたい。
図3A及び図3Bに例示されるように、本実施形態に係るスポット溶接継手1は、複数枚の金属板111を重ね合わせた板組11と、板組11を接合するナゲット12とを備え、板組11における最も薄い金属板111minを、第1の金属板111minと定義したとき、第1の金属板111minは、板組11の一方の最表面に配置され、板組11の総板厚を第1の金属板111minの板厚によって割ることで算出される、板組11の板厚比が4.0以上であり、板組11の表面に垂直であり、かつナゲット12の平面視での中心軸を通る観察用断面において観察される、ナゲット12の外縁が、第1の金属板111minの内部に達しており、観察用断面において観察される、ナゲット12の外縁が、第1の金属板111minに面する領域において、第1の金属板111minからナゲット12の板厚方向中央に向かって凹んでいる形状を有する。
複数枚の金属板111の材質、及び厚さは特に限定されない。上述した本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法において例示された事項を、適宜適用することができる。なお、板組11において、最も薄い金属板111minが2枚以上となることも許容される。板組11の内部に配された金属板は、たとえ板厚が小さくとも、板組11の接合の妨げとはならない。また、最も薄い金属板111minが、その両方の最表面に配される板組11は、より高い十字引張強さが求められる一方の最表面について本実施形態を適用しても良く、両方の最表面について本実施形態を適用しても良い。上述したように、本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法を、同一箇所に2回実施することにより、両方の最表面について本実施形態を適用して、全ての金属板の強度を高めることができる。一方、部品の構造及び用途次第で、すべての金属板の接合強度が確保されていなくともよい場合もある。この場合は、接合強度が要求される側の最表面に配された最も薄い金属板111minのみに対して、本実施形態の構成を適用してもよい。換言すると、板組の2つの最表面のうち、1以上の最表面における最も薄い金属板111minが上述の要件を満たすスポット溶接継手は、本実施形態に係るスポット溶接継手とみなすことができる。
板組11の板厚比が4.0以上とされる理由、及び最も薄い金属板である第1の金属板111minが板組11の一方の最表面に配置される理由は、上述した本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法において説明された通りである。また、本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法において例示された好ましい板厚比を、本実施形態に係るスポット溶接継手1に適宜適用することができる。
本実施形態に係るスポット溶接継手1では、金属板111の表面に垂直かつナゲット12の中心軸を通る断面において観察されるナゲット12の外縁が、第1の金属板111minの内部に達している。これにより、本実施形態に係るスポット溶接継手1は、板組11の一方の最表面に配された第1の金属板111minを、他の金属板111と確実に接合することができる。
また、本実施形態に係るスポット溶接継手1では、観察用断面において観察されるナゲット12の外縁が、第1の金属板111minに面する領域において、第1の金属板111minからナゲット12の板厚方向中央に向かって凹んでいる形状を有する。ここで、観察用断面とは、板組11の表面に垂直であり、かつナゲット12の平面視での中心軸を通る断面を意味する。通常のナゲット12の断面は楕円形を有するので、断面形状の観点から、本実施形態に係るスポット溶接継手1のナゲット12は、通常のものとは著しく異なる。この凹みは、例えば上述された本実施形態に係るスポット溶接継手の製造方法の過程で形成されるものである。
スポット溶接装置において用いられる電極チップは、その内部に冷媒が流通する構成を有している。従って、電極チップは、スポット溶接の際に、金属板111を冷却する。しかしながら、S2/S1を0.10〜0.90の範囲内としてスポット溶接継手1を製造した場合、最も薄い金属板(即ち第1の金属板111min)と第2の電極チップBとの接触面の周囲は、第2の電極チップBによる冷却効果を受け難い。そのため、S2/S1を0.10〜0.90の範囲内としてスポット溶接継手1を製造した場合、第1の金属板111minと第2の電極チップBとの接触面の直下よりも、その周囲の方が、金属板111の溶融が進展しやすい。本実施形態に係るスポット溶接継手1のナゲット12の外縁は、上述の理由により、その中心に向けて凹んだ形状を有しうるのである。換言すると、本実施形態に係るスポット溶接継手1のナゲット12の外縁は、第1の金属板111minに面する領域において、板組11の外部に向けて延伸する2つの突起を有しうる。これにより、本実施形態に係るスポット溶接継手1は、板組11の一方の最表面に配された第1の金属板111minを、他の金属板111と確実に接合することができる。
金属板111の枚数が3枚以上である場合、観察用断面において測定される、第1の金属板111minと、これに隣接する金属板111との接触面Pにおけるナゲット径D1が、第1の金属板111min以外の金属板111同士の接触面pにおけるナゲット径よりも大きいことが好ましい。接触面Pにおけるナゲット径D1とは、観察用断面において測定される、接触面Pとナゲット12の外縁との2つの交点間の距離である。同様に、接触面pにおけるナゲット径とは、観察用断面において測定される、接触面pとナゲット12の外縁との2つの交点間の距離である。金属板111の枚数が4枚以上である場合、接触面pの数は2以上となるが、この場合においては、全ての接触面pにおけるナゲット径よりも接触面Pにおけるナゲット径が大きければ、上述の要件は満たされる。
上述されたように、S2/S1を0.10〜0.90の範囲内としてスポット溶接継手を製造した場合、第1の金属板111minと第2の電極チップBとの接触面の直下よりも、その周囲の方が、金属板111の溶融が進展しやすい。そのため、本実施形態に係るスポット溶接継手1のナゲット12の外縁は、第1の金属板111minに向かって広がる形状を有しうる。これにより、本実施形態に係るスポット溶接継手1は、板組11の一方の最表面に配された第1の金属板111minを、他の金属板111と、一層確実に接合することができる。
また、金属板111の枚数が3枚以上である場合、板組11の他方の最表面(即ち、第1の金属板111minが配される最表面とは反対側の最表面)に配置される金属板を、第2の金属板111と定義し、第2の金属板111に隣接する金属板を第3の金属板111と定義し、第2の金属板111及び第3の金属板111のうち薄い方の板厚をt´と定義したとき、前記観察用断面において測定される、第2の金属板111と第3の金属板111との接触面におけるナゲット径D2が、3√t´以上であることが好ましく、3.5√t´以上または4√t´以上であることがより好ましい。なお、第2の金属板は、上述された第1の電極チップAと接する金属板111と同じである。また、第2の金属板111及び第3の金属板111の板厚が同一である場合、第2の金属板111及び第3の金属板111の板厚がt´と定義される。
スポット溶接継手1の十字引張試験において最も剥離が生じやすいのは、第1の金属板111minと、これに隣接する金属板111との界面である。2番目に剥離が生じやすいのは、第2の金属板111と、これに隣接する第3の金属板111との界面である。従って、最も剥離が生じやすい界面におけるナゲット径D1に加えて、二番目に剥離が生じやすい界面におけるナゲット径D2を増大させ、3√t´以上とすることにより、スポット溶接継手1の十字引張強さを一層高めることができる。例えば、スポット溶接継手1の製造の際に、板組11を第2の電極チップBに向けて曲げる量(又はクリアランス)を2.5mm以下とすることにより、第2の金属板111とこれに隣接する第3の金属板111との界面におけるナゲット径D2を大きくして、これらの接合強度を一層高めることができる。
本実施形態に係るスポット溶接継手、及びスポット溶接継手の製造方法では、板組11の最表面にある金属板よりも、板組11の内部にある金属板の方が薄い構成も許容される。板組11の内部に配された金属板は、たとえ板厚が小さくとも、板組11の接合の妨げとはならないからである。この場合、第1の金属板は、「最も薄い金属板」ではなく、「板組の最表面に配された金属板のうち薄い方」であると定義される(板組の最表面に配された金属板2枚が同一板厚である場合は、本実施形態では考慮しない)。従ってこの場合、本実施形態に係るスポット溶接継手は、複数枚の金属板を重ね合わせた板組と、板組を接合するナゲットと有し、板組の最表面に配された金属板のうち薄い方を、第1金属板と定義したとき、板組の総板厚を第1の金属板の板厚によって割ることで算出される、板組の板厚比が4.0以上であり、板組の表面に垂直であり、かつナゲットの平面視での中心軸を通る観察用断面において観察される、ナゲットの外縁が、第1の金属板の内部に達しており、観察用断面において観察される、ナゲットの外縁が、第1の金属板に面する領域において、第1の金属板からナゲットの板厚方向中央に向かって凹んでいる形状を有し、最も薄い金属板が板組の内部に配されていてもよい。
(実施例1)
以下の条件で、種々のスポット溶接継手を作製した。
−溶接機:定置式交流スポット溶接機
−板組:(1)薄板(板厚0.7mm) SCGA270C
(2)厚板(板厚1.6mm) SCGA780DP
(3)厚板(板厚2.3mm) SCGA980DP
(上記1〜3の順番で重ね合わせた)
−電極:DR6φ−40R(第1及び第2の電極チップの両方)
−加圧力:400kgf(3.92kN)
−スクイズ:50cyc
−通電:28cyc
−保持:18cyc
−クリアランス:0〜2.8mmの範囲内
−板組固定手段同士の間隔:60mm
接触面積は、感圧紙(市販の圧力・面圧測定フィルム)を各板の間に挟み、電流を流さずに加圧だけを行うことによって、測定した。
板厚から算出される、上記板組の板厚比は6.6であった。また、上記板組において、最も薄い金属板である薄板(1)は、板組の最表面に配された。なお、クリアランスとは、第1の電極チップを板組に接触させ、加圧を開始する段階での、第2の電極チップの先端と板組との間の隙間の大きさを意味する。クリアランスが存在する条件で第1の電極チップを板組に押し付けて加圧力を加え、これにより第2の電極チップと板組の他方の表面とを接触させると、板組が第2の電極チップに向けて曲げられることとなる。
溶接の際の接触面積、及び適正電流範囲ΔIを表1に示す。なお、ΔI薄/厚とは、薄板と厚板との間の適正電流範囲(即ち、上記鋼板1及び2の間の適正電流範囲)を示し、ΔI厚/厚とは、厚板と厚板との間の適正電流範囲(即ち、上記鋼板2及び3の間の適正電流範囲)を示す。
Figure 2021126702
例4は、クリアランスを設けずにスポット溶接を行った例である。これは、従来技術によるスポット溶接に相当する。ここでは、S1及びS2が実質的に等しく、S/Sが1.00となった。従って、板厚比が6.6である板組に対しては、ΔI薄/厚に関して、極めて狭い適正電流範囲しか確保することができなかった。従来技術によるスポット溶接では、このため、板厚比を低い値に抑制することが通常である。
一方、クリアランスを設けた例1、2、5及び6では、板厚比が6.6である板組に対しても、広い適正電流範囲を確保することができた。この例1、例2、例5及び例6では、S/Sが0.10以上0.90以下の範囲内に制御されていた。また、S3>S4の条件をさらに満たす例2と例6では、例1、例5と比較して一層広い適正電流範囲が確保されていた。
例3では、クリアランスを設けたことによって、薄板と厚板との間の適正電流範囲を一層高めることができた。しかしながら、例3では、厚板と厚板との間の適正電流範囲が狭くなった。これは、S/Sが0.10未満となったことにより、散りが発生しやすくなったからである。
以上の結果によれば、S/Sを0.10以上0.90以下の範囲内に制御することにより、板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組の溶接に際して、広い適正電流範囲ΔIを確保可能であることが示された。
(実施例2)
表2に示す条件で、種々のスポット溶接継手を作製した。なお、表2に示される電極の種類、及びクリアランス以外の溶接条件は、実施例1における溶接条件と同一とした。
Figure 2021126702
表2の条件で製造されたスポット溶接継手に対し、十字引張試験を実施して、十字引張強さを測定し、その結果を表3に記載した。十字引張試験は、JIS Z 3137:1999「抵抗スポット及びプロジェクション溶接継手の十字引張試験に対する試験片寸法及び試験方法」に準拠して実施した。試験の際、引張応力は、薄板(1)と厚板(2)との間に加えた。従って、この試験によって得られた十字引張強さは、薄板(1)及び厚板(2)の接合力の評価指標となる。十字引張強さが3.4kN以上のスポット溶接継手を、十字引張強さに優れたスポット溶接継手と判断した。
また、表2の条件で製造されたスポット溶接継手を、板面の表面に垂直かつナゲットの平面視での中心軸を通る面において切断した。そして、これにより得られた観察用断面においてナゲット形状を評価し、その結果を表3に記載した。具体的には、以下に挙げる要素の測定をした。
−最も薄い金属板(第1の金属板)と、これに隣接する金属板との接触面におけるナゲット径(表3において「薄厚ナゲット」と表記)
−第1の金属板が配される最表面とは反対側の最表面に配された金属板(第2の金属板)と、これに隣接する金属板との接触面におけるナゲット径(表3において「厚厚ナゲット」と表記)
−ナゲットの外縁のうち、第1の金属板に面する領域の曲率半径Rの逆数(表3において「1/R」と記載)
なお、ナゲットの外縁がナゲット中心から離れる方向に凸である場合、1/Rを正の値で表記し、ナゲットの外縁がナゲット中心に近づく方向に凸である場合、1/Rを負の値で表記した。曲率半径が0である場合、1/Rは算出できないので、表3には「−」と表記した。1/Rが負の値である場合、ナゲットの外縁が、第1の金属板に面する領域において、ナゲットの中心に向けて凹んでいる形状を有することになる。
また、ナゲットの外縁が、第1の金属板の内部に達していない場合、薄厚ナゲットD1の値は「0」と表記した。
また、厚厚ナゲットのナゲット径D2が、上述の3√t´(mm)以上であるかも判定した。厚厚ナゲットを形成する両金属板(2,3)の板厚はそれぞれ1.6mmと2.3mmであるから、薄い方の板厚t´は1.6mmとなり、3√t´は3.8mmとなる。D2が3.8mm以上である場合、「D2>3√t´」の欄に「〇」と記載し、それ以外の場合は同欄に「×」と記載した。
さらに、薄厚ナゲットD1及び厚厚ナゲットD2の大小関係も評価した。薄厚ナゲットD1が厚厚ナゲットD2よりも大きい場合、「D1>D2」欄に「〇」と記載し、それ以外の場合は同欄に「×」と記載した。
Figure 2021126702
例1及び例2のスポット溶接継手においては、ナゲットの外縁が第1の金属板の内部に達しており、さらに、第1の金属板に面する領域において、ナゲットの中心に向けて凹んでいる形状を有していた。そのため、例1及び例2のスポット溶接継手は、十字引張強さに優れた。また、例1のスポット溶接継手は、薄厚ナゲットD1が、その他の金属板同士の接触面におけるナゲット径厚厚ナゲットD2よりも大きいので、十字引張強さが一層優れた。
例3及び例4のスポット溶接継手においては、ナゲットの外縁が第1の金属板の内部に達しておらず、さらに、第1の金属板に面する領域において、ナゲットの中心に向けて凹んでいなかった。そのため、例3及び例4のスポット溶接継手は、十字引張強さが不足した。
例5のスポット溶接継手においては、ナゲットの外縁が第1の金属板の内部に達し、十字引張強さも判定基準を満たしていたものの、第1の金属板に面する領域において、ナゲットの中心に向けて凹んでおらず、本実施形態に係るナゲット形状とはならない。また、例5で使用される先端にW(タングステン)を埋め込んだ電極は高価であり、コスト面のデメリットがある。タングステン電極を用いることによって、例5のスポット溶接継手は、例3及び例4よりも若干十字引張強さを高めることができた。しかしながら、例5のスポット溶接継手は、クロム銅電極を用いた発明例1及び2よりも十字引張強さが低かった。
参考のために、例3、例4、及び例5のスポット溶接継手の断面模式図を図10A〜図10Cに示す。例3(図10A)及び例4(図10B)では、ナゲットの外縁が第1の金属板の内部に達していなかった。例5(図10C)では、ナゲットの外縁が第1の金属板の内部に達していたが、ナゲットが凹みを有しなかった。
本発明によれば、板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組の溶接に際して、広い適正電流範囲ΔIを確保可能な、スポット溶接継手の製造方法を提供することができる。さらに本発明によれば、板厚比が高く、しかも最も薄い金属板が最表面に配された板組を溶接して得られる、高い十字引張強さを有するスポット溶接継手を提供することができる。従って、本発明は高い産業上の利用可能性を有する。
1 スポット溶接継手
11 板組
111 金属板
111min 最も薄い金属板(第1の金属板)
111 第1の電極チップAと接する金属板(第2の金属板)
111 第3の金属板
12 ナゲット
A 第1の電極チップ
B 第2の電極チップ
C 板組固定手段
C1 穴
D1 第1の金属板と、これに隣接する金属板との接触面におけるナゲット径
D2 第2の金属板と、これに隣接する金属板との接触面におけるナゲット径

Claims (15)

  1. 複数枚の金属板を重ね合わせた板組と、
    前記板組を接合するナゲットと
    を備え、
    前記板組における最も薄い金属板を、第1の金属板と定義したとき、
    前記第1の金属板は、前記板組の一方の最表面に配置され、
    前記板組の総板厚を前記第1の金属板の板厚によって割ることで算出される、前記板組の板厚比が4.0以上であり、
    前記板組の表面に垂直であり、かつ前記ナゲットの平面視での中心軸を通る観察用断面において観察される、前記ナゲットの外縁が、前記第1の金属板の内部に達しており、
    前記観察用断面において観察される、前記ナゲットの前記外縁が、前記第1の金属板に面する領域において、前記第1の金属板から前記ナゲットの板厚方向中央に向かって凹んでいる形状を有する
    スポット溶接継手。
  2. 前記金属板の枚数が3枚以上であり、
    前記観察用断面において測定される、前記第1の金属板と、これに隣接する金属板との接触面におけるナゲット径が、その他の金属板同士の接触面におけるナゲット径よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接継手。
  3. 前記金属板の枚数が3枚以上であり、
    前記板組の他方の最表面に配置される前記金属板を、第2の金属板と定義し、前記第2の金属板に隣接する前記金属板を、第3の金属板と定義し、前記第2の金属板及び前記第3の金属板のうち薄い方の板厚を、t´と定義したとき、
    前記観察用断面において測定される、前記第2の金属板と前記第3の金属板との接触面におけるナゲット径が、3√t´以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスポット溶接継手。
  4. 複数枚の金属板を重ね合わせた板組を、対向する第1の電極チップ及び第2の電極チップを用いて挟んでスポット溶接を行う工程を備え、
    前記板組の総板厚を、前記板組における最も薄い金属板の板厚によって割ることで算出される、前記板組の板厚比を4.0以上とし、
    最も薄い前記金属板を、前記板組の最表面に配置し、
    前記第2の電極チップを、最も薄い前記金属板が配置された側に配置し、
    前記第1の電極チップ、及び前記第2の電極チップを前記板組に押し付けて加圧力を加える際に、最も薄い前記金属板と前記第2の電極チップとの接触面積S2と、前記第1の電極チップと前記金属板との接触面積S1の比S2/S1を、0.10≦S2/S1≦0.90とする
    スポット溶接継手の製造方法。
  5. 前記第1の電極チップ、及び前記第2の電極チップを前記板組に押し付けて加圧力を加える際に、前記板組を前記第2の電極チップに向けて曲げることにより、S2/S1を0.10≦S2/S1≦0.90とする
    ことを特徴とする請求項4に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  6. 前記金属板の枚数を3枚以上とし、
    前記板組の板厚比を5.0以上とし、
    前記第1の電極チップ、及び前記第2の電極チップを前記板組に押し付けて加圧力を加える際に、
    前記最も薄い金属板と、これに接触する前記金属板との接触面積S4、及び、
    前記第1の電極チップと接する前記金属板と、これに接触する金属板との間の接触面積S3
    を、S4<S3の関係を満たすようにする
    ことを特徴とする請求項5に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  7. 前記複数枚の前記金属板を重ね合わせた前記板組を、対向する前記第1の電極チップ及び前記第2の電極チップを用いて挟む前に、
    前記第1の電極チップを前記板組の一方の表面に接触させる工程と、
    前記第2の電極チップを、前記板組の他方の表面から離した状態で配置する工程と、
    前記第1の電極チップを前記板組に押し付けて加圧力を加え、これにより前記第2の電極チップと前記板組の前記他方の表面とを接触させる工程と
    をさらに備えることを特徴とする請求項5又は6に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  8. 前記第2の電極チップが配された電極を固定電極とし、前記第1の電極チップが配された電極を可動電極とすることを特徴とする請求項7に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  9. 板組固定手段を用いて前記板組の溶接点の周囲を固定することを特徴とする請求項7又は8に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  10. 前記板組固定手段を、2つの板組固定手段とし、
    前記溶接点を、2つの前記板組固定手段によって固定された2箇所がなす直線上に配置する
    ことを特徴とする請求項9に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  11. 前記板組固定手段を、3つ以上の板組固定手段とし、
    前記板組固定手段を用いて前記板組を固定する箇所が正多角形を構成するように、3つ以上の前記板組固定手段を配置し、
    前記溶接点を、前記正多角形の内部に配置する
    ことを特徴とする請求項9に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  12. 前記板組固定手段を用いて前記板組を固定する箇所が円形、又は楕円形を構成するように前記板組固定手段を配置し、
    前記溶接点を、前記円形又は楕円形の内部に配置する
    ことを特徴とする請求項9に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  13. 前記第1の電極チップ、及び前記第2の電極チップの先端形状を実質的に同一とすることを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  14. 前記第1の電極チップを前記板組に接触させ、加圧を開始する段階での、前記第2の電極チップの先端と前記板組との間の隙間の大きさであるクリアランスを、0.5〜2.5mmとすることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載のスポット溶接継手の製造方法。
  15. 前記板組を前記第2の電極チップに向けて曲げる量を、0.5〜2.5mmとすることを特徴とする請求項5〜13のいずれか一項に記載のスポット溶接継手の製造方法。
JP2021020880A 2020-02-17 2021-02-12 スポット溶接継手の製造方法、及びスポット溶接継手 Pending JP2021126702A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020024156 2020-02-17
JP2020024156 2020-02-17

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021126702A true JP2021126702A (ja) 2021-09-02

Family

ID=77487484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021020880A Pending JP2021126702A (ja) 2020-02-17 2021-02-12 スポット溶接継手の製造方法、及びスポット溶接継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021126702A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022018306A (ja) * 2020-07-15 2022-01-27 フタバ産業株式会社 抵抗スポット溶接方法及び抵抗スポット溶接装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022018306A (ja) * 2020-07-15 2022-01-27 フタバ産業株式会社 抵抗スポット溶接方法及び抵抗スポット溶接装置
JP7160864B2 (ja) 2020-07-15 2022-10-25 フタバ産業株式会社 抵抗スポット溶接方法及び抵抗スポット溶接装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6006805B2 (ja) 異種材を接合するための方法
JP5599553B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
WO2016147551A1 (ja) 抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法
JP2000197969A (ja) 一体化成形用ブランクおよびその成形方法
JP2006055898A (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP5187806B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
WO2015133099A1 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2021126702A (ja) スポット溶接継手の製造方法、及びスポット溶接継手
JP2008290099A (ja) 抵抗スポット溶接方法
JPH0985454A (ja) 融点を異にする二種の金属部材の重ね合せ接合方法
JP5609966B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2021508599A (ja) 自動車の部品として使用される溶接鋼部品及び当該溶接鋼部品の製造方法
JP7115223B2 (ja) 抵抗スポット溶接継手の製造方法
WO2015133096A1 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2009095881A (ja) 溶接構造部材の製造方法
WO2020203375A1 (ja) アルミニウム材のスポット溶接方法及びアルミニウム材
JP4859732B2 (ja) 異材ミグ接合継手及び異材ミグ接合方法
JPH07164172A (ja) 金属板の重ね合せ接合方法
JP2022000315A (ja) ウェルドボンド継手の製造方法
JP2002224858A (ja) 差厚継手の接合方法
JP6418224B2 (ja) スポット溶接物の製造方法およびスポット溶接電極
JP6811063B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法
JP2022148636A (ja) スポット溶接部材の製造方法、及びスポット溶接部材
WO2022219968A1 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP6794006B2 (ja) 抵抗スポット溶接継手、抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231019