JP2021125370A - 多芯ケーブル - Google Patents

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Seiji Tanaka
盛治 田中
健一 佐々木
Kenichi Sasaki
健一 佐々木
祐司 越智
Yuji Ochi
祐司 越智
正道 庭田
Masamichi Niwada
正道 庭田
龍太 古屋敷
Ryuta Furuyashiki
龍太 古屋敷
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Abstract

【課題】外周面の撚り波が抑制された多芯ケーブル。【解決手段】多芯ケーブルにおいて、長手方向に垂直な断面は、内側電線領域および外側電線領域を有し、内側電線領域には、第1の内側電線と、少なくとも2つの第2の内側電線と、少なくとも2つの内側介在線とを一括的に撚り合わせることにより構成された、内側電線組が配置され、第2の内側電線および内側介在線の各々は、第1の内側電線、ならびに内側電線組を構成する第1の内側電線以外の少なくとも一つの電線と接しており、内側電線領域の面積に対する内側電線組の占める割合を充填率Qとしたとき、Q≧60%であり、外側電線領域には、同一円周上に配置された8本の外側電線と、8本の外側介在線とを一括的に撚り合わせることにより構成された、外側電線組が配置され、外側介在線は、近接する外側電線同士の間に、両方の外側電線と接するように配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、多芯ケーブルに関する。
内部に1または2以上の同軸電線と、1または2以上の絶縁電線とを含む多芯ケーブルは、例えば、電気通信機器、情報機器、産業機械、および車両など、様々な分野において使用されている。
例えば、特許文献1には、ケーブルの長手方向に垂直な断面において、同軸電線対が同一円周上に配置され、各絶縁電線が同軸電線対の片方の同軸電線と接触するように配置された多芯ケーブルが記載されている。
特開2017−4594号公報
従来の多芯ケーブルでは、外周面に、しばしば、多芯ケーブルの延伸方向に対して傾斜した方向に沿った、「撚り波」とも称される、筋状の模様が認められる場合がある。このような「撚り波」は、特性の観点からは特に問題はないものの、美感の点で問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、外周面の「撚り波」が有意に抑制された多芯ケーブルを提供することを目的とする。
本発明では、多芯ケーブルであって、
当該多芯ケーブルの長手方向に垂直な断面は、内側電線領域および外側電線領域を有し、前記内側電線領域は、前記断面の中心から第1の半径R内の領域であり、前記外側電線領域は、前記中心から第2の半径R内の領域のうち、前記内側電線領域を除く領域であり、
前記内側電線領域には、直径φの第1の内側電線と、直径φの少なくとも2つの第2の内側電線と、直径φの少なくとも2つの内側介在線とを一括的に撚り合わせることにより構成された、内側電線組が配置され、ここで、直径φ>直径φかつ直径φ>直径φであり、
前記第2の内側電線および前記内側介在線の各々は、前記第1の内側電線、ならびに前記内側電線組を構成する前記第1の内側電線以外の少なくとも一つの電線と接しており、
前記内側電線領域は、該内側電線領域の面積Sinに対する前記内側電線組の占める面積Sの割合を充填率Qとしたとき、60%以上の充填率Qを有し、
前記外側電線領域には、同一円周上に配置された8本の外側電線と、8本の外側介在線とを一括的に撚り合わせることにより構成された、外側電線組が配置され、
前記外側介在線は、近接する前記外側電線同士の間に、両方の前記外側電線と接するように配置され、
前記外側電線は直径θを有し、ここで、直径θ≧直径φであり、
前記外側介在線の各々の直径は、前記直径θよりも小さい、多芯ケーブルが提供される。
本発明では、外周面の「撚り波」が有意に抑制された多芯ケーブルを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態による多芯ケーブルの延伸方向に垂直な断面の形態を模式的に示した図である。 図2は、本発明の一実施形態による多芯ケーブルの製造方法のフローの一例を模式的に示した図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本発明の一実施形態では、多芯ケーブルであって、
当該多芯ケーブルの長手方向に垂直な断面は、内側電線領域および外側電線領域を有し、前記内側電線領域は、前記断面の中心から第1の半径R内の領域であり、前記外側電線領域は、前記中心から第2の半径R内の領域のうち、前記内側電線領域を除く領域であり、
前記内側電線領域には、直径φの第1の内側電線と、直径φの少なくとも2つの第2の内側電線と、直径φの少なくとも2つの内側介在線とを一括的に撚り合わせることにより構成された、内側電線組が配置され、ここで、直径φ>直径φかつ直径φ>直径φであり、
前記第2の内側電線および前記内側介在線の各々は、前記第1の内側電線、ならびに前記内側電線組を構成する前記第1の内側電線以外の少なくとも一つの電線と接しており、
前記内側電線領域は、該内側電線領域の面積Sinに対する前記内側電線組の占める面積Sの割合を充填率Qとしたとき、60%以上の充填率Qを有し、
前記外側電線領域には、同一円周上に配置された8本の外側電線と、8本の外側介在線とを一括的に撚り合わせることにより構成された、外側電線組が配置され、
前記外側介在線は、近接する前記外側電線同士の間に、両方の前記外側電線と接するように配置され、
前記外側電線は直径θを有し、ここで、直径θ≧直径φであり、
前記外側介在線の各々の直径は、前記直径θよりも小さい、多芯ケーブルが提供される。
前述のように、従来の多芯ケーブルでは、外被の外周面に、しばしば、「撚り波」と称される筋状の模様が認められる場合がある。
これに対して、本発明の一実施形態による多芯ケーブルは、内側電線領域において、内側電線組を構成する各線が、相互に十分に接近されているという特徴を有する。また、内側電線領域における内側電線組の充填率Qが60%以上であるという特徴を有する。すなわち、本発明の一実施形態による多芯ケーブルでは、内側電線領域において、内側電線組の存在しない部分、すなわち隙間が有意に低減されている。
また、本発明の一実施形態による多芯ケーブルでは、外側電線領域において、外側電線よりも直径の小さい8本の外側介在線は、隣接する外側電線同士の間に、両方の外側電線と接するように配置されるという特徴を有する。
このような特徴により、本発明の一実施形態による多芯ケーブルでは、外側電線領域においても、隙間が有意に低減される。
従って、本発明の一実施形態による多芯ケーブルでは、内側電線領域および外側電線領域の断面に、高い真円度が得られる。また、その結果、外側電線領域の外周に設置される外被の断面においても、高い真円度を得ることができる。
以上の効果により、本発明の一実施形態による多芯ケーブルでは、多芯ケーブルの外被の表面に生じる「撚り波」を、有意に抑制することができる。
なお、本願において、「真円度」は、対象部材の断面において、長軸の寸法に対する短軸の寸法として定められる。短軸は、中心を通る最も短い寸法であり、長軸は、中心を通り、短軸と直交する寸法である。短軸と長軸の長さが等しい場合、真円度は、最大値1となる。
(本発明の一実施形態による多芯ケーブル)
以下、図1を参照して、本発明の一実施形態による多芯ケーブルについて説明する。
図1には、本発明の一実施形態による多芯ケーブル(以下、「第1の多芯ケーブル」と称する)100の延伸方向に垂直な断面の形態を模式的に示す。
図1に示すように、第1の多芯ケーブル100は、内側電線領域102および外側電線領域104を有する。
内側電線領域102は、断面の中心Cから第1の半径R内の領域に相当する。一方、外側電線領域104は、第1の半径Rから第2の半径Rの間の領域に相当する。換言すれば、外側電線領域104は、中心Cから第2の半径R内の領域のうち、内側電線領域102を除く領域である。
内側電線領域102には、内側電線組110が配置される。内側電線組110は、直径が最も大きい1本の第1の内側電線と、直径が第1の内側電線よりも小さい、少なくとも2本の第2の内側電線と、直径が第2の内側電線よりも小さい、少なくとも2本の内側介在線とを有する。
例えば、図1に示した例では、内側電線組110は、1本の第1の内側電線112と、少なくとも2本の第2の内側電線114と、少なくとも2本の内側介在線116とで構成されている。
第1の内側電線112は、直径φを有し、第2の内側電線114は、直径φを有し、内側介在線116は、直径φを有する。ここで、φ>φ>φである。
なお、図1に示した例では、2本の内側介在線116は、いずれも同じ直径φを有する。ただし、これは単なる一例であって、2本の内側介在線116の直径は、φ>φの関係を満たす限り、相互に異なっていてもよい。
これに対して、各第2の内側電線114は、実質的に同じ直径、すなわち直径φを有する。
以降、第1の内側電線112、第2の内側電線114、および内側介在線116のような、内側電線組110を構成する多芯ケーブル100の長手方向に延在する線状の部材を、「内側構成線」とも称する。
内側電線組110に含まれる各「内側構成線」は、一括的に撚り合わされた状態で、内側電線領域102に配置される。
その結果、2本の第2の内側電線114および2本の内側介在線116の各々は、第1の内側電線112と接し、さらに、第1の内側電線112以外の内側構成線の少なくとも一つとも接するように配置される。
例えば、図1に示した例では、一方の第2の内側電線114は、他方の第2の内側電線114、一つの内側介在線116、および第1の内側電線112と接するように配置されている。また、各内側介在線116は、一つの第2の内側電線114、および第1の内側電線112と接するように配置されている。
内側電線組110の外周側には、内側抑え部材118が設置される。内側抑え部材118は、内側電線組110が長手方向に沿って撚り合わされた状態を維持する固定部材の役割を有する。
通常、内側抑え部材118は、内側電線組110の外周に沿って、テープ状の部材をらせん状に巻き付けることにより、構成される。
従って、内側抑え部材118の外郭により、内側電線領域102の外側形状、および内側電線領域102の第1の半径Rが定められる。同様に、内側抑え部材118の外郭により、外側電線領域104の内側形状が定められる。
一方、外側電線領域104には、外側電線組140が配置される。外側電線組140は、8本の外側電線142と、8本の外側介在線144とを有する。
外側電線142は、直径θを有し、外側介在線144は、直径θを有する。ここで、θ>θである。
なお、図1に示した例では、8本の外側介在線144は、いずれも同じ直径θを有する。ただし、これは、単なる一例であって、8本の外側介在線144の直径は、θ>θが満たされる限り、いかなる寸法を有してもよい。例えば、8本の外側介在線144の直径は、相互に異なっていてもよい。
これに対して、各外側介在線144は、実質的に同じ直径、すなわち直径θを有する。
以降、外側電線142および外側介在線144のような、外側電線組140を構成する、多芯ケーブル100の長手方向に延在する線状の部材を、「外側構成線」とも称する。
外側電線組140に含まれる各「外側構成線」は、一括的に撚り合わされた状態で、外側電線領域104に配置される。
外側電線組140の外周側には、外側抑え部材158が設置される。外側抑え部材158は、外側電線組140が長手方向に沿って撚り合わされた状態を維持する固定部材の役割を有する。
通常、外側抑え部材158は、外側電線組140の外周に沿って、テープ状の部材をらせん状に巻き付けることにより、構成される。
従って、外側抑え部材158の外郭により、外側電線領域104の外形状、および第2の半径Rが定められる。
図1に示すように、さらに、第1の多芯ケーブル100は、シールド165および外被170を有する。
シールド165は、外側電線領域104の外側抑え部材158の外周に沿って配置される。
外被170は、シールド165の外周上に設置される。
第1の多芯ケーブル100の直径は、例えば、4mm〜8mmの範囲である。
ここで、第1の多芯ケーブル100において、内側電線領域102は、第1の多芯ケーブル100の延伸方向に対して垂直な断面から見たとき、以下の(1)式で表される充填率Qが60%以上であるという特徴を有する:

充填率Q(%)=(S/Sin)×100 (1)式

ここで、Sinは、内側電線領域102の断面積であり、Sは、該断面において内側電線組110が占める面積である。
また、第1の多芯ケーブル100において、外側介在線144は、隣り合う外側電線142同士の間に、両方の外側電線142と接するように配置される。
これらの特徴により、第1の多芯ケーブル100では、外被170に撚り波が発生することを有意に抑制することができる。
(構成部材)
次に、本発明の一実施形態による多芯ケーブルを構成する各部材について、より詳しく説明する。なお、ここでは、明確化のため、各構成部材を表す際に、図1に示した参照符号を使用する。
(第1の内側電線112)
内側電線領域102に配置される第1の内側電線112は、導体を含み、導線として機能する構成を有する。第1の内側電線112は、例えば、絶縁電線または同軸電線であってもよい。図1に示した例では、第1の内側電線112は、絶縁電線で構成されている。
第1の内側電線112が絶縁電線である場合、第1の内側電線112は、中心導体と、該中心導体を被覆する絶縁層との少なくとも2層で構成される。
中心導体は、例えば、銅線または銅合金線の単線であってもよい。単線には、スズまたは銀などがめっきされていてもよい。あるいは、中心導体は、複数本の電線を撚って構成された、撚り線であってもよい。
中心導体の外径は、例えば0.1mm〜1.0mmの範囲である。
絶縁層は、例えば、フッ素樹脂のような樹脂で構成される。樹脂は、例えば、ポリエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PFA)、およびポリメチルペンテンからなる群から選定されてもよい。
絶縁層の厚さは、例えば0.1mm〜0.5mmの範囲である。
一方、第1の内側電線112が同軸電線である場合、第1の内側電線112は、内側導体、第1の絶縁層、外側導体、および第2の絶縁層の、少なくとも4層で構成される。
このうち、内側導体および第1の絶縁層は、前述の絶縁電線と同様の構成を有してもよい。
外側導体は、例えば、複数本の金属細線を第1の絶縁層の外周に、らせん状に巻き付けることにより構成される。金属細線としては、前述の中心導体と同様のものが使用できる。
また、第2の絶縁層は、例えば、Mylar(登録商標)で構成されてもよい。あるいは、第2の絶縁層は、第1の絶縁層と同様の材料で構成されてもよい。
第1の内側電線112の直径φは、例えば、0.2mm〜1.5mmの範囲である。
(第2の内側電線114)
内側電線領域102に配置される第2の内側電線114は、導体を含み、導線として機能する構成を有する。
内側電線領域102は、絶縁電線であっても、同軸電線であってもよい。なお、これらの構成は、前述の(第1の内側電線112)の欄において既に記載されているため、ここでは詳細を省略する。
第2の内側電線114の直径φは、φ>φである限り、特に限られない。直径φは、例えば、0.2mm〜0.5mmの範囲である。
内側電線領域102に配置される第2の内側電線114の数は、2以上である限り、特に限られないが、通常は、2本〜4本の範囲である。
(内側介在線116)
内側介在線116には、大きく分けて2種類の形態が存在する。
内側介在線116の第1の形態は、導体を含み、導線として機能する構成である。この場合、内側介在線116は、前述のような、絶縁電線または同軸電線であってもよい。内側介在線116は、導体が銅箔糸でありETFEからなる絶縁層を有する錦糸線であってもよい。
一方、内側介在線116の第2の形態は、導体を含まない構成(非導線)である。この場合、内側介在線116は、導線としては機能せず、内側電線領域102において、内側電線組110の充填率Qを調整するための部材として配置される。
そのような内側介在線116は、例えば非導電性材料の繊維で構成されてもよい。非導電性材料の繊維としては、例えば、アラミド繊維のような樹脂繊維が想定される。
内側介在線116の数は、2以上である限り、特に限られない。内側介在線116は、例えば、内側電線領域102に、3本〜5本配置されてもよい。
内側介在線116の直径φは、φ>φである限り、特に限られない。直径φは、例えば、0.1mm〜0.4mmの範囲である。
なお、前述のように、各内側介在線116の直径は、実質的に等しくても、相互に異なっていてもよい。
前述の図1に示した例では、2本の内側介在線116は、いずれも導線として機能する絶縁電線で構成されている。しかしながら、これらのうちの少なくとも1本は、非導線であってもよい。
(内側抑え部材118)
前述のように、内側抑え部材118は、内側電線組110が長手方向に沿って撚り合わされた状態を維持する固定部材の役割を有する。
内側抑え部材118は、例えば、テープ状部材を、内側電線組110の外周に沿ってらせん状に巻き付けることにより、構成される。
そのようなテープ状部材は、例えば、ポリエステルで構成されてもよい。
あるいは、テープ状部材は、例えば、導電層と非導電層の積層体で構成されてもよい。この場合、導電層は、例えば、アルミニウムのような金属で構成されてもよい。また、非導電層は、例えば、ポリエステルのような樹脂で構成されてもよい。この場合、テープ状部材は、導電層が内側となり、非導電層が外側となるようにして、内側電線組110に巻き付けられてもよい。
内側抑え部材118の厚さは、これに限られるものではないが、例えば、5μm〜30μmの範囲である。
(内側電線領域102)
前述の(1)式で表される内側電線領域102の充填率Qは、60%以上であり、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
前述の第1の半径R(図1参照)は、例えば、0.3mm〜1.1mmの範囲であってもよい。
(外側電線142)
外側電線領域104に配置される外側電線142は、導体を含み、導線として機能する構成を有する。外側電線142は、例えば、絶縁電線であっても、同軸電線であってもよい。図1に示した例では、各外側電線142は、4層構造の同軸電線で構成されている。
そのような絶縁電線および同軸電線の構成については、既に説明されているため、ここではこれ以上説明しない。
外側電線142の直径θは、第1の多芯ケーブル100に含まれる各種電線の中で最も大きい。
外側電線142の直径θは、例えば、0.3mm〜1.5mmの範囲である。
(外側介在線144)
外側介在線144には、内側介在線116と同様、2種類の形態が存在する。すなわち、外側介在線144は、導線として機能する構成であっても、導体を含まない非導線の構成であってもよい。
外側介在線144の直径θは、θ>θである限り、特に限られない。直径θは、例えば、0.2mm〜0.5mmの範囲である。
なお、前述のように、各外側介在線144の直径は、実質的に等しくても、相互に異なっていてもよい。
また、第1の多芯ケーブル100の断面において、各外側介在線144の中心は、外側電線142の各々の中心を結ぶことにより形成される八角形よりも外側にあることが好ましい。錦糸線である外側介在線144とアラミド繊維からなる外側介在線144を交互に外側電線142の間に配置すると好ましい。
8本の外側介在線144をこのように配置することにより、外側電線領域104の真円度を、より高めることが可能になる。また、これにより、外被170の外周面に撚り波が発生することをより抑制できる。
(外側抑え部材158)
前述のように、外側抑え部材158は、外側電線組140が長手方向に沿って撚り合わされた状態を維持する固定部材の役割を有する。
外側抑え部材158としては、例えば、前述の内側抑え部材118と同様のものを利用することができる。
(外側電線領域104)
外側電線領域104の真円度は、0.82以上であり、0.88以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましい。
また、外側電線領域104は、第1の多芯ケーブル100の延伸方向に対して垂直な断面から見たとき、以下の(2)式で表される第2の充填率Tが60%以上であることが好ましい:

第2の充填率T(%)=(S/Sout)×100 (2)式

ここで、Soutは、外側電線領域104の断面積であり、Sは、外側電線領域104の断面において外側電線組140が占める面積である。
外側電線領域104を(2)式を満たすように構成した場合、外被170の外周面に生じ得る撚り波を、よりいっそう抑制することができる。
第2の充填率Tは、65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
前述の第2の半径R(図1参照)は、例えば、0.6mm〜3.0mmの範囲であってもよい。
(シールド165)
シールド165は、金属のような導電性材料で構成される。
シールド165は、例えば、銅のような金属細線を横巻きまたは編組して構成されてもよい。金属細線の直径は、0.03mm〜0.08mmの範囲であってもよい。
また、シールド165は、内周層および外周層の2層構造であってもよい。この場合、シールド165の内周層は、複数の金属細線を、外側抑え部材158の外周に、らせん状に巻き付けることにより構成され、外周層は、複数の金属細線を、内周層の外周に、らせん状に巻き付けることにより構成されてもよい。
なお、この場合、外側電線組140の撚り方向(以下、「方向A」という)、外側抑え部材158の巻き方向(以下、「方向B」という)、シールド165の内周層の巻き方向(以下、「方向C」という)、およびシールド165の外周層の巻き方向(以下、「方向D」という)は、以下のように選定することが好ましい:
方向Aを第1の方向としたとき、方向Bを第1の方向とは逆の第2の方向とし、方向Cを第1の方向とし、方向Dを第2の方向とする。
例えば、方向Aを右巻き方向としたとき、方向Bは左巻き方向とし、方向Cは右巻き方向とし、方向Dは左巻き方向とする。あるいは、方向Aを左巻き方向としたとき、方向Bは右巻き方向とし、方向Cは左巻き方向とし、方向Dは右巻き方向とする。
方向A〜方向Dをこのように選定した場合、直前の部材の巻き方向が外観に与え得る影響を、次の部材の巻き方向により打ち消すことができる。また、第1の多軸ケーブル100全体としても、巻き方向の影響が相互に打ち消される。
従って、このような巻き方向を採用した場合、外側電線領域104の真円度がさらに向上する。外側電線領域104の真円度は、例えば、少なくとも0.9まで上昇し得る。
また、その結果、外被170に生じ得る撚り波を、よりいっそう抑制することが可能になる。
(外被170)
外被170は、例えば、樹脂のような非導電性材料で構成される。外被170は、ポリ塩化ビニル、またはポリオレフィン系樹脂で構成されてもよい。
外被170の厚さは、例えば、0.4mm〜1.0mmの範囲である。
(本発明の一実施形態による多芯ケーブルの製造方法)
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態による多芯ケーブルの製造方法の一例について、簡単に説明する。
図2には、本発明の一実施形態による多芯ケーブルの製造方法のフローを模式的に示す。
図2に示すように、本発明の一実施形態による多芯ケーブルの製造方法(以下、「第1の製造方法」と称する)は、
内側電線組を形成する工程(工程S110)と、
内側電線組の外側に、外側電線組を形成する工程(工程S120)と、
外側電線組の外側に、シールドを形成する工程(工程S130)と、
シールドの外側に、外被を形成する工程(工程S140)と、
を有する。
以下、各工程について、より詳しく説明する。なお、以降の記載では、明確化のため、第1の多芯ケーブル100を例に、その製造方法について説明する。従って、各部材を表す際には、図1に示した参照符号を使用する。
(工程S110)
まず、内側電線組110に含まれる、それぞれの内側構成線が作製される。
内側電線組110は、1本の第1の内側電線112と、少なくとも2本の第2の内側電線114と、少なくとも2本の内側介在線116とを含む。なお、内側電線組110に含まれる第2の内側電線114および内側介在線116の数は、内側電線組110を一括で撚り合わせた際に、前述の(1)式で表される充填率Qが60%以上となるように選定される。
例えば、図1に示した例では、1本の第1の内側電線112と、2本の第2の内側電線114と、2本の内側介在線116とがそれぞれ作製される。
各内側構成線は、従来の方法で作製されてもよい。
例えば、第1の内側電線112が絶縁電線の場合、第1の内側電線112は、中心導体の周囲に絶縁層を押出成形することにより構成されてもよい。
また、第2の内側電線114が前述のような同軸線の場合、第2の内側電線114は、内側導体の周囲に第1の絶縁層を押出成形されてもよい。次に、第1の絶縁層に導体を巻き付けて外側導体を形成し、さらに外側導体に樹脂テープを巻き付けることにより、第2の絶縁層を形成してもよい。
なお、前述のように、内側介在線116は、絶縁電線であっても、導体を含まない線部材であってもよい。
次に、製作された6本の内側構成線を、相互に対して所定の位置に配置する。さらに、これらの内側構成線を、一括で撚り合わせる。これにより、内側電線組110が構成される。
その後、内側電線組110の外周に沿って、内側抑え部材118用のテープが巻き付けられてもよい。これにより、内側電線組110に含まれる内側構成線の、相互に対する位置が固定される。また、真円に近い、内側電線領域102が画定される。
(工程S120)
次に、外側電線組140に含まれる、それぞれの外側構成線が作製される。
外側電線組140は、8本の外側電線142と、8本の外側介在線144とを含む。
外側電線組140は、前述の第1の内側電線112または第2の内側電線114と同様の方法により、作製されてもよい。また、外側介在線144は、前述の内側介在線116と同様の方法により、作製されてもよい。
なお、8本の外側介在線144の直径θは、実質的に等しくても、相互に異なっていてもよい。また、外側電線組140に含まれる8本の外側介在線144のそれぞれの直径θは、以降の工程で、内側電線組110の周囲に外側電線組140を一括で撚り合わせた際に、前述の(2)式で表される第2の充填率Tが60%以上となるように選定されてもよい。
次に、内側電線組110の外側に、製作された合計16本の外側構成線を、相互に対して所定の位置に配置する。また、これらの外側構成線を、一括で撚り合わせる。これにより、外側電線組140が構成される。
その後、外側電線組140の外周に沿って、外側抑え部材158用のテープが巻き付けられてもよい。これにより、外側電線組140に含まれる外側構成線の、相互に対する位置が固定される。また、真円に近い、外側電線領域104が画定される。
(工程S130)
次に、外側電線組140の外側に、シールド165が形成される。
前述のように、シールド165は、外側電線組140の外周に沿って、導体をらせん巻きすることにより、形成されてもよい。
(工程S140)
次に、シールド165の外側に、外被170が形成される。
外被170は、例えばウレタン樹脂のような、外被170形成用の材料を、シールド165の外周に沿って押出成形することにより、形成されてもよい。
以上の工程により、例えば、図1に示したような断面を有する、第1の多芯ケーブル100が製造される。
ここで、前述のように、工程S120〜工程S130において、外側電線組140の撚り方向(方向A)、外側抑え部材158の巻き方向(方向B)、シールド165の内周層の巻き方向(方向C)、およびシールド165の外周層の巻き方向(方向D)は、相互に逆向きとなるように選定されることが好ましい。
例えば、方向Aを右巻き方向としたとき、方向Bは左巻き方向とし、方向Cは右巻き方向とし、方向Dは左巻き方向とする。あるいは、方向Aを左巻き方向としたとき、方向Bは右巻き方向とし、方向Cは左巻き方向とし、方向Dは右巻き方向とする。
このような巻き方向を採用した場合、外側電線領域104の真円度が向上し、外被170に生じ得る撚り波を、よりいっそう抑制することが可能になる。
以上、本発明の一実施形態による多芯ケーブルおよびその製造方法の例について説明した。しかしながら、これらの構成は、単なる一例であって、限定的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定められる。
100 第1の多芯ケーブル
102 内側電線領域
104 外側電線領域
110 内側電線組
112 第1の内側電線
114 第2の内側電線
116 内側介在線
118 内側抑え部材
140 外側電線組
142 外側電線
144 外側介在線
158 外側抑え部材
165 シールド
170 外被

Claims (9)

  1. 多芯ケーブルであって、
    当該多芯ケーブルの長手方向に垂直な断面は、内側電線領域および外側電線領域を有し、前記内側電線領域は、前記断面の中心から第1の半径R内の領域であり、前記外側電線領域は、前記中心から第2の半径R内の領域のうち、前記内側電線領域を除く領域であり、
    前記内側電線領域には、直径φの第1の内側電線と、直径φの少なくとも2つの第2の内側電線と、直径φの少なくとも2つの内側介在線とを一括的に撚り合わせることにより構成された、内側電線組が配置され、ここで、直径φ>直径φかつ直径φ>直径φであり、
    前記第2の内側電線および前記内側介在線の各々は、前記第1の内側電線、ならびに前記内側電線組を構成する前記第1の内側電線以外の少なくとも一つの電線と接しており、
    前記内側電線領域は、該内側電線領域の面積Sinに対する前記内側電線組の占める面積Sの割合を充填率Qとしたとき、60%以上の充填率Qを有し、
    前記外側電線領域には、同一円周上に配置された8本の外側電線と、8本の外側介在線とを一括的に撚り合わせることにより構成された、外側電線組が配置され、
    前記外側介在線は、近接する前記外側電線同士の間に、両方の前記外側電線と接するように配置され、
    前記外側電線は直径θを有し、ここで、直径θ≧直径φであり、
    前記外側介在線の各々の直径は、前記直径θよりも小さい、多芯ケーブル。
  2. 前記内側電線領域の外周は、前記内側電線組にらせん巻きされた内側抑え部材により定められ、
    前記外側電線領域の外周は、前記外側電線組にらせん巻きされた外側抑え部材により定められる、請求項1に記載の多芯ケーブル。
  3. 前記外側抑え巻きの外周には、シールドが配置され、
    前記シールドは、前記外側抑え部材の外周にらせん巻きされた第1の導線部分と、該第1の導線部分上にらせん巻きされた第2の導線部分とを有する、請求項2に記載の多芯ケーブル。
  4. 前記外側電線組は、前記外側電線および前記外側介在線を、一括的に第1の方向に撚り合わせることにより構成され、
    前記外側抑え部材は、前記外側電線組に、前記第1の方向とは反対の、第2の方向に巻き付けられて構成され、
    前記シールドの前記第1の導線部分は、前記外側抑え部材に、前記第1の方向に巻き付けられて構成され、
    前記シールドの前記第2の導線部分は、前記シールドの前記第1の導線部分に、前記第2の方向に巻き付けられて構成される、請求項3に記載の多芯ケーブル。
  5. 前記内側介在線は、導線を有さず、または
    前記内側介在線の少なくとも1本は、導線を有する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の多芯ケーブル。
  6. 前記外側介在線は、導線を有さず、または
    前記外側介在線の少なくとも1本は、導線を有する、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の多芯ケーブル。
  7. 一つの第2の内側電線は、前記第1の内側電線、他の前記第2の内側電線の一つ、および前記内側介在線の一つと接触している、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の多芯ケーブル。
  8. 当該多芯ケーブルの長手方向に垂直な断面から見たとき、前記外側介在線の各々の中心は、前記外側電線の各々の中心を結ぶことにより形成される八角形よりも外側にある、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の多芯ケーブル。
  9. 前記外側電線領域は、該外側電線領域の面積Soutに対する前記外側電線組の占める面積Sの割合を第2の充填率Tとしたとき、60%以上の第2の充填率Tを有する、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の多芯ケーブル。
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