JP2021119750A - 豚デルタコロナウイルスの増殖方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 豚デルタコロナウイルスの製造方法等を提供すること。【解決手段】 豚デルタコロナウイルスを、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、前記発育鶏卵を培養して、前記ウイルスを増殖させる工程、及び前記発育鶏卵から、前記ウイルスを含む卵内容物を回収する工程を含む、豚デルタコロナウイルスの製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、豚デルタコロナウイルスの増殖方法に関し、より詳しくは、当該方法を用いた、該ウイルスの製造方法、該ウイルスを含むワクチンの製造方法、及び該ウイルスの検査方法に関する。
豚デルタコロナウイルス(PDCoV)は、2014年から始まった北米における豚流行性下痢ウイルス(PEDV)の大流行の最中、PEDVに因らない下痢症個体から新たに分離されたことから注目を集めた。その後、日本を含めた多くの国で豚デルタコロナウイルスによる下痢症流行の報告が相次いでおり、豚デルタコロナウイルスに対するワクチン開発が世界的に希求されている。
豚デルタコロナウイルスは、豚に病原性を示すウイルスとして研究が開始されてから6年程度しか経過していない。そのため、当該ウイルスを扱う技術と呼べるべきものは殆どない。現在のところ、豚デルタコロナウイルスを豚に感染させることなくウイルスを増殖させる手法は、豚腎臓由来株化細胞であるLLC−Porcine Kideney(PK)細胞あるいは豚精巣由来株化細胞であるswine testicular細胞を用いる手法が報告されている(非特許文献1)。
しかしながら、このような細胞の培養には高度な専門的技術(熟練した無菌操作技術等)が必要となる。さらに、かかる方法によるワクチン製造には、大量に細胞を培養する必要があるため、大規模な設備を要する。また、大量培養を実施する過程においては、株化細胞を増殖させるために、トリプシン処理に代表される細胞分散のための処理をすることが必要となる。しかしながら、細胞を培養するための培地にはトリプシンを不活化する牛胎仔由来の血清が含まれているため、それを洗浄する作業が発生する。さらに、培養に用いられ得る牛胎仔血清には、未知の病原体や有毒化学物質が混入している可能性もあり、安全性において問題視される。
そのため、培養細胞を用いることなく、豚デルタコロナウイルスを効率よく増殖させる方法の開発が求められているが、そのような方法はまだない。
国際公開第2009/050390号
Hu H,et al.,J Clin Microbiol,53,1537−1548.(2015)
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、豚デルタコロナウイルスの増殖方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ね、インフルエンザウイルスを増殖するために用いられる、発育鶏卵を用いた方法(例えば、特許文献1)に着目した。かかる方法は、インフルエンザウイルスを発育鶏卵に感染させ、培養後、尿膜腔液(漿尿液)から増殖した当該ウイルスを回収する方法であるが、インフルエンザウイルスと異なり、豚デルタコロナウイルスは鳥(ニワトリ等)への感染性が示されていない。そのため、当該ウイルスが発育鶏卵に感染し、増殖できるかは定かではなかった。
そこで、本発明者らは、発育鶏卵における豚デルタコロナウイルスの増殖性を検討した。その結果、インフルエンザウイルスの増殖に用いられる、孵卵10〜12日目の発育鶏卵では豚デルタコロナウイルスの増殖を検出することができなかった。一方、孵卵8日目以内の発育鶏卵であれば、豚デルタコロナウイルスを増殖できることを見出した。
さらに、糞便試料を発育鶏卵に接種することで当該ウイルスも増殖させることが可能であることも明らかにした。糞便には、トリプシンを不活化する多量のタンパク質が含まれていることから、培養細胞を用いた方法では、糞便試料中の豚デルタコロナウイルスを増殖させ、ひいては検査することが極めて困難である。一方、糞便試料を発育鶏卵に接種することで当該ウイルスを増殖させることが可能となるため、当該試料を対象とした豚デルタコロナウイルスの検査も可能となることも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、発育鶏卵を用いた、豚デルタコロナウイルス、及び該ウイルスを含むワクチンの製造方法、並びに前記ウイルスの検査方法に関し、具体的には以下を提供する。
<1> 豚デルタコロナウイルスの製造方法であって、
豚デルタコロナウイルスを、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、
前記発育鶏卵を培養して、前記ウイルスを増殖させる工程、及び
前記発育鶏卵から、前記ウイルスを含む卵内容物を回収する工程
を含む、方法。
<2> 豚デルタコロナウイルスを含むワクチンの製造方法であって、
豚デルタコロナウイルスを、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、
前記発育鶏卵を培養して、前記ウイルスを増殖させる工程、
前記発育鶏卵から、前記ウイルスを含む卵内容物を回収する工程、
前記卵内容物から前記ウイルスを単離し、薬理学上許容される担体又は媒体と混合する工程
を含む、方法。
<3> 豚デルタコロナウイルスの検査方法であって、
被検試料を、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、
前記発育鶏卵を培養する工程、
前記発育鶏卵における、豚デルタコロナウイルスを検出する工程、及び
前記工程にて、豚デルタコロナウイルスの増殖が検出された場合に、前記被検試料は当該ウイルスを含有していると判定する工程
を含む、方法。
<4> 豚デルタコロナウイルス又は被検試料の接種部位が、発育鶏卵の尿膜腔内である、<1>〜<3>のうちのいずれか一項に記載の方法。
<5> 豚デルタコロナウイルス又は被検試料を接種する発育鶏卵が、孵卵5〜7日の発育鶏卵である、<1>〜<4>のうちのいずれか一項に記載の方法。
本発明によれば、豚デルタコロナウイルスの製造方法を提供することが可能となる。後述の実施例に示すとおり、発育鶏卵1個から回収される10mlの尿膜腔液に含まれるウイルス量を細胞培養によって得るためには、1700cmの細胞培養用ローラーボトル2.37個も必要となる。このように、本発明によれば、大規模な設備等を要せずとも、大量に豚デルタコロナウイルスを製造することが可能となる。
また、LLC−PK細胞のような培養細胞を用いたウイルス増殖法においては、トリプシン処理及びそれに伴う洗浄処理等、煩雑な作業を要する。さらに、高度な細胞培養技術も要する。一方、本発明においては豚デルタコロナウイルスを含む試料を発育鶏卵に直接接種するのみで当該ウイルスを増殖させることが可能となる。さらに、発育鶏卵によるウイルス増殖法は、オートメーション化によって短時間に大量のウイルスを増殖させることを可能とする。このように、本発明によれば豚デルタコロナウイルスを効率良く製造することが可能となる。
また、豚デルタコロナウイルスを含み得る糞便には、トリプシンを不活化する多量のタンパク質が含まれていることから、培養細胞を用いた方法では、糞便中の当該ウイルスを増殖することが極めて困難となる。一方、本発明によれば、糞便を発育鶏卵に接種することで当該ウイルスを増殖させることが可能となる。そのため、当該試料を対象とした豚デルタコロナウイルスの検査も可能となる。
孵卵日数の違いによる発育鶏卵の豚デルタコロナウイルス(PDCoV)に対する感受性の違いを示すグラフである。3〜12日の孵卵期間の発育鶏卵にウイルス液を接種し、48時間の孵卵後に尿膜腔液を回収した。そして、回収液に含まれるウイルス由来遺伝子量をリアルタイムRT−PCRにより検出した。 孵卵日数の違いによる発育鶏卵の豚デルタコロナウイルス(PDCoV)に対する感受性の違いを示すグラフである。0〜2日の孵卵期間の発育鶏卵にウイルスを接種し、48時間あるいは120時間の孵卵後に尿膜腔液を回収した。 発育鶏卵を用いた豚デルタコロナウイルス(PDCoV)の継代数とウイルスの増殖効率との関係を示すグラフである。2,000コピー/0.1mlのウイルスを発育鶏卵に接種することにより連続継代し、リアルタイムRT−PCRにより尿膜腔液10ml中に含まれるウイルス遺伝子量を算出した。
(豚デルタコロナウイルスの製造方法)
後述の実施例に示すとおり、本発明者らが、発育鶏卵における豚デルタコロナウイルスの増殖性を検討した結果、インフルエンザウイルスの増殖に用いられる、孵卵10〜12日目の発育鶏卵では豚デルタコロナウイルスの増殖を検出することができなかった。一方、孵卵8日目以内の発育鶏卵を用いた場合には、豚デルタコロナウイルスを増殖できることを明らかにした。したがって、本発明は、
豚デルタコロナウイルスを、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、
前記発育鶏卵を培養して、前記ウイルスを増殖させる工程、及び
前記発育鶏卵から、前記ウイルスを含む卵内容物を回収する工程
を含む、豚デルタコロナウイルスの製造方法を、提供する。
「豚デルタコロナウイルス(Porcine deltacoronavirus)は、PDCoV、PDCV、Swine Deltacoronavirus(SDCoV)とも称され、一本鎖(+)RNAウイルスのニドウイルス目のコロナウイルス科、コロナウイルス亜科、デルタコロナウイルス属に属する、豚由来のウイルスである。
本発明において発育鶏卵に接種する豚デルタコロナウイルスとしては、前述のとおりであるが、単離された当該ウイルス自体のみならず、前記ウイルスを含み得る試料であってもよい。かかる「試料」としては、豚の***物・分泌物(糞便、尿、口腔液、***等)、豚由来の組織、豚由来の細胞、それらの培養物、洗浄液若しくは抽出物、又は豚の飼育環境(飼育施設等)の洗浄液若しくはその培養物が挙げられる。また、後述の実施例に示すとおり、かかる試料には、発育鶏卵に対して毒性を示す物質が含まれ得ることもあり、試料は適宜希釈、ろ過されていてもよい。希釈には、例えば、水、生理食塩水、緩衝液(リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、Tris緩衝液等)、培地(イーグル培地、DMEM培地、RPMI1640培地、αMEM培地等)が適宜用いられる。また培地は、抗生物質、血清等の培地添加物を含むものであってもよい。希釈率は、特に制限はなく、当業者であれば試料の種類に合わせ適宜調整し得るが、例えば10〜10倍、好ましくは10〜10である。また、前記毒性を中和、減弱するという観点から、試料に該毒性物質を中和又は減弱できる物質(例えば、EDTA化合物等のキレート剤、カーボン構造を持つ粒子(ビーズ))を添加してもよい。
前述の豚デルタコロナウイルスを接種する「発育鶏卵」は、交配させて得られたニワトリの卵を8日以内孵卵させたものを意味する。ニワトリの種類としては特に制限はなく、例えば、白色レグホン、茶色レグホン、バードロック、サセックス、ニューハンプシャー、ロードアイランド、オーストラロープ種、コーンウォール、ミノルカ、アムロクス、カリフォルニアグレー、イタリアパートリッジカラーが挙げられる。そして、このようなニワトリを交配させ、雌ニワトリから得られた卵は、通常10〜20℃に保存される。なお、当該卵は、後述の実施例に示すとおり、有精卵であることの確認がとれないものであってもよい。
次に、36〜38℃の温度に移すことにより「孵卵」が開始される。本発明において、この温度条件下における孵卵期間は、後述の実施例に示すとおり、8日以内であればよく、好ましくは0〜7日目、より好ましくは3〜7日、さらに好ましくは5〜7日である。また、他の条件としては、通常湿度は60〜80%であり、また暗条件であることが好ましい。
次に、前記孵卵期間を経た発育鶏卵に豚デルタコロナウイルスを接種する。その接種部位としては、発育鶏卵内において、後述の培養後、豚デルタコロナウイルスが増殖し得る限り特に制限はないが、例えば、尿膜腔内、羊膜腔内、漿尿膜上、卵黄嚢内、血管内、胎仔内が挙げられる。これらの部位において、機械(自動接種機)による接種方法が確立しているという観点から、尿膜腔内に接種することが好ましい。
豚デルタコロナウイルスの接種量としては、特に制限はないが、1〜10 EID50、好ましくは10〜10 EID50、より好ましくは5×10〜5×10 EID50である。
なお、豚デルタコロナウイルスのEID50は、例えば次のようにして算出することができる。先ず、PBSを用いて、対象とする豚デルタコロナウイルスの10倍希釈系列を作製する。次いで、各希釈試料0.1mlを、上述の条件で管理された孵卵6日目の発育鶏卵の尿膜腔内に、各希釈系列につき6個以上接種する。48時間後に回収した尿膜腔液に含まれるウイルス量をリアルタイムPCRにより測定する。より具体的には、核酸抽出キット等を使用し、回収液に含まれるウイルス由来のRNAを抽出する。この時、発育鶏卵の尿膜腔内に接種したものと同じ0.1mlのウイルス液を用意し、同様にRNAを抽出する。発育鶏卵の尿膜腔から回収される液は概ね10mlであるため、リアルタイムPCRによって測定される発育鶏卵に接種した0.1ml中に含まれるRNA量に100倍した数値を孵卵前のウイルス量として仮定する。そして、この孵卵前のウイルス量よりも多いウイルスがリアルタイムPCRによって検出されたものを豚デルタコロナウイルスに感染した発育鶏卵として判定することによって、50%の卵が感染するウイルス量が算出される。あるいは、上述のLLC−PK細胞やswine testicular細胞を用いて算出することも可能である(非特許文献1におけるTCIDアッセイ 参照のほど)。
また、接種後の培養温度としては、豚デルタコロナウイルスが増殖できる温度であれば特に制限はなく、例えば28〜40℃、好ましくは30〜39℃、より好ましくは36〜38℃の温度である。接種後の培養期間としては、例えば24〜240時間、好ましくは48〜120時間である。
そして、本発明においては、かかる培養後の発育鶏卵から、卵内容物を回収することにより、増殖した豚デルタコロナウイルスを得ることができる。回収する卵内容物としては、増殖した豚デルタコロナウイルスを含有する限り、特に制限はなく、卵内容物の全部であってもよく、一部であってもよい。卵内容物の一部としては、例えば、尿膜腔液(漿尿液)、卵黄、胎仔が挙げられるが、機械(自動採液機)による回収方法が確立しているという観点から、尿膜腔液を回収することが好ましい。
(豚デルタコロナウイルスを含むワクチンの製造方法)
後述の実施例に示すとおり、本発明によれば、発育鶏卵において、効率よく大量に豚デルタコロナウイルスを増殖させることが可能である。そして、このように増殖させた豚デルタコロナウイルスはワクチンの材料として有用である。したがって、本発明は、
豚デルタコロナウイルスを、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、
前記発育鶏卵を培養して、前記ウイルスを増殖させる工程、
前記発育鶏卵から、前記ウイルスを含む卵内容物を回収する工程、
前記卵内容物から前記ウイルスを単離し、薬理学上許容される担体又は媒体と混合する工程
を含む、豚デルタコロナウイルスを含むワクチンの製造方法を、提供する。
発育鶏卵において豚デルタコロナウイルスを増殖させる迄の工程については、上述の(豚デルタコロナウイルスの製造方法)に記載のとおりである。増殖した豚デルタコロナウイルスの「単離」は、前記卵内容物からの分離、精製及び/又は濃縮を意味する。前記ウイルスの単離方法としては、例えば、卵内容物のろ過、遠心分離(超遠心法、密度勾配遠心法等)、クロマトグラフィー法(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー)、濃縮(硫酸アンモニウム、樹脂カラム、ポリエチレングリコール塩析等)が挙げられる。
このようにして単離された豚デルタコロナウイルスは、そのままワクチン(所謂、生ワクチン)として用いてもよく、弱毒化生形態(所謂、生弱毒化ウイルス)にて用いてよく、不活化形態にてワクチンとして用いてもよい。さらに、免疫原性を有する限り、これら単離された豚デルタコロナウイルスの一部(タンパク質、ポリペプチド、糖、糖タンパク質、脂質、核酸等)をワクチンとして用いてもよい。
生弱毒化ウイルスは、野外から分離されたウイルスと比較して低減した毒性レベルを有するウイルスを意味する。弱毒化ウイルスは、公知の方法、例えば、突然変異誘発物質の存在下での増殖、インビトロでの連続〈長期間)継代による培養細胞への馴化、自然生育環境から逸脱した条件下(例えば、高温条件下)での増殖に豚デルタコロナウイルスを供することによって得ることができる。また、ゲノム編集、遺伝子改変技術等を用いて、ウイルスの特定遺伝子を欠損又は組み換えることによっても、生弱毒化ウイルスを得ることができる。
ウイルスの不活化も、当業者であれば、公知の方法を用いて行うことができる、かかる不活化の方法としては、ホルムアルデヒド処理、UV照射、X線照射、電子線照射、ガンマ線照射、アルキル化処理、エチレン−イミン処理、チメロサール処理、β−プロピオラクトン処理、グルタルアルデヒド処理が挙げられる。
ワクチン製造において、単離した豚デルタコロナウイルスに混合する「薬理学上許容される担体」としては、例えば、安定剤、賦形剤、防腐剤、界面活性剤、キレート剤、結合剤が挙げられる。「薬理学上許容される媒体」としては、例えば、水、生理食塩水、緩衝液(リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、Tris緩衝液等)が挙げられる。これら担体及び媒体は、当業者であれば、ワクチンの剤型、使用方法に応じて、当該分野に用いられる公知の物を適宜又は組み合わせて選択して用いることができる。また、ワクチンの形態としては、特に制限はなく、例えば、懸濁液の形態であってもよく、凍結乾燥された形態であってもよい。
ワクチン効果を増強するという観点から、更にアジュバントを混合してもよい。アジュバントとしては、例えば、アルミニウムゲルアジュバント等の無機物質、微生物若しくは微生物由来物質(BCG、ムラミルジペプチド、百日せき菌、百日せきトキシン、コレラトキシン等)、界面活性作用物質(サポニン、デオキシコール酸等)、油性物質(鉱油、植物油、動物油等)のエマルジョン、ミョウバン等が挙げられる。
(豚デルタコロナウイルスの検査方法)
後述の実施例に示すとおり、本発明によれば、発育鶏卵において、効率良く大量に豚デルタコロナウイルスを増殖させることが可能である。特に、豚デルタコロナウイルスを含み得る糞便には、トリプシンを不活化する多量のタンパク質が含まれていることから、培養細胞を用いた方法では、糞便中の当該ウイルスを増殖させることが極めて困難となる。一方、本発明によれば、糞便を発育鶏卵に接種することで当該ウイルスを増殖させることが可能となるため、このような試料も対象とした豚デルタコロナウイルスの検査も可能となる。したがって、本発明は、
被検試料を、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、
前記発育鶏卵を培養する工程、
前記発育鶏卵における、豚デルタコロナウイルスを検出する工程、及び
前記工程にて、豚デルタコロナウイルスの増殖が検出された場合に、前記被検試料は当該ウイルスを含有していると判定する工程
を含む、豚デルタコロナウイルスの検査方法を、提供する。
発育鶏卵において豚デルタコロナウイルスを増殖させる迄の工程については、上述の(豚デルタコロナウイルスの製造方法)に記載のとおりである。また「被検試料」としては、豚デルタコロナウイルスが存在し得る試料であれば特に制限はなく、上述の豚の糞便等が挙げられる。
豚デルタコロナウイルスの検出対象については、上記同様に、発育鶏卵の卵内容物の全部であってもよく、一部であってもよい。卵内容物の一部としては、例えば、尿膜腔液(漿尿液)、卵黄、胎仔が挙げられるが、上述のとおり、発育鶏卵からの機械による尿膜腔液の回収が確立しているという観点から、尿膜腔液を検出対象とすることが好ましい。
発育鶏卵における豚デルタコロナウイルスの検出は、当業者であれば適宜公知のウイルス検出方法を用い行なうことができる。かかる方法としては、後述の実施例に示すとおり、例えば、細胞変性効果(CPE)を指標とするCPE試験が挙げられる。また、豚デルタコロナウイルスに由来する遺伝子又はその発現を検出する方法も利用することができる。ここで、遺伝子の発現は、転写レベル(mRNAレベル)であっても翻訳レベル(タンパク質レベル)であってもよい。遺伝子(ゲノムRNA)又はmRNAを検出する方法としては、例えば、PCR(RT−PCR、リアルタイムPCR、定量PCR)、DNAマイクロアレイ解析法、ノーザンブロッティング又はサザンブロッティング、in situ ハイブリダイゼーション、ドットブロット、RNaseプロテクションアッセイ法、質量分析法が挙げられる。また、所謂次世代シークエンシング法においてリード数をカウントすることにより、遺伝子又はmRNAレベルを定量的に検出することができる。また、タンパク質を検出する方法としては、例えば、ELISA法、抗体アレイ、イムノブロッティング、イメージングサイトメトリー、フローサイトメトリー、ラジオイムノアッセイ、免疫沈降法、免疫組織化学的染色法等の抗体を用いて検出する方法(免疫学的手法)や、質量分析法が挙げられる。
なお、当業者であれば、ウイルス検出方法の種類に応じ、適宜統計学的手法を用い、また必要に応じ閾値(カットオフ)を設け、得られた結果に基づき、豚デルタコロナウイルスの増殖の有無を判断することができる。そして、該ウイルスの増殖が認められた場合には、被検試料が当該ウイルスを含有していると判定される。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また本実施例は、下記材料及び方法を用いて行なった。
(孵卵日数の異なる発育鶏卵へのウイルス接種)
豚デルタコロナウイルスは、2017年に山形県の豚から分離されたYGT株を用いた。発育鶏卵(孵化鶏卵と同義)は、コンベンショナルグレードのものを使用し、孵卵するまでの期間は10℃で保管した。孵卵0〜12日目までの各日について、0.1ml(10 50%卵感染量(Egg Infectious Dose:EID50)/ml)のウイルス液を発育鶏卵の尿膜腔内に接種し、37℃で48時間孵卵した後に4℃に移動した。また、孵卵0〜2日後の発育鶏卵については、ウイルス液接種後、120時間孵卵した後に回収した群も設定した。回収した尿膜腔液(漿尿液と同義)は、細胞に接種、あるいは核酸を抽出するまで−80℃で保存した。
(発育鶏卵を用いた豚デルタコロナウイルスの連続継代)
孵卵6日目の発育鶏卵4〜6個を用いて、0.1ml(2×10コピー)のウイルス液を発育鶏卵の尿膜腔内に接種し、37℃で48時間孵卵した後に4℃に移動した。回収した尿膜腔液は、細胞に接種、あるいは核酸を抽出するまで−80℃で保存した。回収した尿膜腔液に含まれるウイルス量をリアルタイムRT−PCRを用いて測定し、PBSを用いて希釈した同量のウイルスを孵卵6日目の発育鶏卵に接種することを6代まで継続して行った。
(発育鶏卵を用いた豚10%糞乳剤からの豚デルタコロナウイルスの分離)
約110日齢の健康豚の糞を、その10倍量の培地に混合した。培地は、イーグル培地(シグマ社製)にペニシリン(10,000 ユニット/ml)、ストレプトマイシン(10,000μg/ml)及びゲンタマイシン(30μg/ml)を添加して調製したものを用いた。得られた10%豚糞含有培地を、室温で10分間の遠心分離(3,000rpm)処理に供し、上清を0.45μmフィルターでろ過したものを10%糞乳剤として使用した。10%糞乳剤を用いて豚デルタコロナウイルス(10 EID50/ml)を10〜10倍まで階段希釈し、それぞれのウイルス希釈液を孵卵6日目の発育鶏卵6個ずつの尿膜腔内に0.1ml接種し、37℃で48時間孵卵した後に4℃に移動した。回収した尿膜腔液は、細胞に接種、あるいは核酸を抽出するまで−20℃で保存した。
(ウイルス力価の測定)
発育鶏卵あるいは豚糞乳剤に含まれる豚デルタコロナウイルスの力価測定には細胞変性効果(CPE)を指標とした。豚腎臓由来株化細胞(LLC−PK1細胞(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 JCRB細胞バンク 細胞番号;JCRB0060)(Hull RN,et al.,Thromb Res,10,669−677.(1977))の培養には、イーグル培地(シグマ)に8%牛胎子血清(FBS)、ペニシリン(10,000 unit/mL)、ストレプトマイシン(10,000μg/mL)を添加した培地を使用した(Hu H,et al.,J Clin Microbiol,53,1537−1548.(2015))。ウイルス接種は、単層に培養した細胞に発育鶏卵から回収した尿膜腔液、あるいは10%糞乳剤を接種した。37℃で2時間ウイルスを吸着させた後、細胞をPBSで洗浄し、培養液を添加して5日間静置培養を行った。吸着及び培養には培養液にトリプシン(製品名:GIBCO(登録商標)Trypsin、Thermo Fisher Scientific Inc.,(U.S.A.)社製)10μg/mlを添加した。
(リアルタイムRT−PCRによる豚デルタコロナウイルス遺伝子量の測定)
発育鶏卵から回収された漿尿液あるいは培養細胞の上清に含まれるウイルス量は、リアルタイムPCRによって測定した。材料からのウイルスRNAの抽出は、ウイルスRNA精製用キット(製品名:QIAamp Viral RNA Mini Kit、QIAGEN(Germany)社製)を用い、One Step PrimeScript RT−PCR Kit (Perfect Real Time)(TAKARA BIO INC(Japan)社製)を用いてリアルタイムRT−PCRを行った。豚デルタコロナウイルスの核酸を増幅する手法は、Marthaler et alらの報告(Marthaler D. et al.,Emerg Infect Dis,20(8):1347−50.(2014))に従い、豚デルタコロナウイルスの膜蛋白質をコードする遺伝子の一部を増幅するプライマーを使用した。
フォワードプライマー:ATGACCACATGGCTCCAA(配列番号:1)
リバースプライマー:CAGCTCTTGCCCATGTAGCTT(配列番号:2)
プローブ:FAM−CACACCAGTCGTTAAGCATGGCAAGCT−BHQ(配列番号:3、「FAM」及び「BHQ」は、各々標識物質 フルオレセイン及びブラックホールクエンチャーを示す)。
なお、本発明者らが使用したYGT株の膜蛋白質遺伝子に既報の配列と1塩基の置換が認められたため、下線を付した配列をCからTに変更したフォワードプライマーを利用した。定量解析のために、標的遺伝子を含む2本鎖DNAを人工合成し(Thermo Fisher Scientific Inc.,U.S.A.)、それを鋳型としてリアルタイムRT−PCRを行い、検量線(標準曲線)を作成した。解析には、リアルタイムPCRシステム(製品名:Quant Studio 5 Real−Time PCR system、Thermo Fisher Scientific Inc.,USA社製)を用いた。
(統計解析)
2群間における統計処理にはStudent’s t−testを用い、統計的有意差をP<0.05とした。また、図1及び2(グラフ)においては平均値±標準誤差で示した。リアルタイムRT−PCRによる遺伝子量の解析では、ウイルスが増殖していなくても発育鶏卵に接種したウイルス遺伝子を検出してしまうことから、Cut off lineを設定した。6個の発育鶏卵に他の試験群と同様の孵卵日数、投与量でウイルスを接種し、孵卵器に戻さずに4℃で鶏胚を死亡させて、全量の尿膜腔液を回収した。尿膜腔液はよく混和した後に試験群と同様の手法で核酸を抽出し、リアルタイムRT−PCRで遺伝子量を測定し、計測値に3×標準偏差値で最大誤差範囲をCut off lineとして陽性の基準とした。
(実施例1) 豚デルタコロナウイルスの発育鶏卵に対する感受性
下記表1に示すとおり、豚デルタコロナウイルスは、孵卵期間が2日から8日の発育鶏卵で増殖した。一方、通常、インフルエンザウイルスの培養に用いられる10日から12日の孵卵日数では豚デルタコロナウイルスの増殖は認められなかった。孵卵期間2日と8日では、それぞれ30.0%及び11.1%の発育鶏卵でウイルスの増殖を認めたのみであったが、3日から7日の発育鶏卵では、試験個数が異なっていても75.0%以上の発育鶏卵でウイルスの増殖が認められた。
Figure 2021119750
さらに、図1に示すとおり、回収されたウイルス量の違いを比較したところ、孵卵日数が5日及び7日の発育鶏卵で特に多くのウイルスが回収されたが、孵卵日数が3日及び6日の発育鶏卵で得られたウイルス量との間に有意差は認められなかった。
また、図2に示すとおり、尿膜腔液を回収するまでに有精卵であることを確認できない孵卵期間が0、1、2日の発育鶏卵についても同様の試験を行った結果、孵卵期間が2日の発育鶏卵では3/10個でウイルスの増殖が確認されたが、孵卵期間が0日及び1日の発育鶏卵ではウイルスの増殖が認められなかった。
しかしながら、ウイルス接種後の培養期間を48時間から120時間に延長することによって、発育鶏卵が豚デルタコロナウイルスに対する感受性を獲得し、尿膜液内に残存するウイルスが発育鶏卵内の細胞に感染するかどうかを確認したところ、孵卵期間が0日の発育鶏卵であってもウイルスの増殖が認められた(図2 参照)。一方、48時間の判定ではウイルスの増殖が確認されなかった孵卵期間9、10、11日の発育鶏卵について、観察期間を168時間まで延長した群を設定したが(n=6)、ウイルスの増殖は確認されなかった(データ未掲載)。
(実施例2) 豚デルタコロナウイルスの発育鶏卵を用いた連続継代による増殖効率の変化
リアルタイムRT−PCRの結果を元に、2,000コピーの遺伝子量の豚デルタコロナウイルスを含むように希釈した尿膜腔液を発育鶏卵に接種することにより連続継代したところ、図3に示すとおり、6代目までに尿膜腔液10mlに含まれると推定されるウイルス量に減少傾向が認められた(R=0.439)。しかし、最も平均値の差が大きくなった2代目及び4代目の間にも有意差が認められなかったことから、6代までの継代ではウイルスの増殖効率に変化はないと推定された。また、発育鶏卵を用いて継代した豚デルタコロナウイルスが孵卵日数の進んだ発育鶏卵に対して感染性を獲得するかどうかを検証するため、孵卵期間が9日の発育鶏卵12個に、2,000コピーの遺伝子量の3〜6代目の豚デルタコロナウイルスを接種したところ、ウイルスの増殖は認められなかった(データ未掲載)。
発育鶏卵を用いて5代目まで継代した2,000コピーの遺伝子量の豚デルタコロナウイルスを含むように希釈した豚デルタコロナウイルスをLLC−PK細胞に接種し、回収された遺伝子量を元に細胞培養によるウイルスの増殖効率について発育鶏卵を用いた場合と比較した。なお、ウイルス接種後の培養時間は、どちらも48時間に設定した。その結果、LLC−PK細胞において、96ウェル マイクロプレートの1ウェルからは、平均1.3×10コピー/100μlのウイルス遺伝子が検出された。一方、同じ量のウイルスを接種した発育鶏卵一個からは、平均1.7×10コピー/10mlのウイルス遺伝子が検出された。発育鶏卵1個から回収される10mlの尿膜腔液に含まれるウイルス量を細胞培養によって得るためには、1.2×10倍の面積が必要になるため、1700cmの細胞培養用ローラーボトル2.37個が必要になることが明らかとなった。
(実施例3) 豚10%糞乳剤からのウイルス分離
豚10%糞乳剤を用いて作製した豚デルタコロナウイルスの10倍階段希釈液を発育鶏卵に接種したものは、リアルタイムRT−PCRによって、LLC−PK細胞に接種したものは細胞変性効果(CPE)によって、各々ウイルスの増殖を判定した。
Figure 2021119750
その結果、表2に示すとおり、培養細胞であるLLC−PK細胞では、希釈倍率に依存してCPEの確認できた検体が6/6個から2/6まで減り、10及び10希釈液からは検出できなくなった。一方、発育鶏卵では、10及び10希釈液から検出できなかった点では同様であったが、10希釈液においても83.3%の発育鶏卵でウイルスの増殖を認めた。しかし、10及び10希釈液を接種した試験群において、接種翌日にそれぞれ3個及び1個の胚が死亡しており、ウイルスの増殖が確認されなかったことから、胚の死亡はウイルスの増殖に起因するものではなく、糞乳剤の毒性によるものと推察された。このことから、発育鶏卵を用いた豚デルタコロナウイルスのウイルス分離手法は、培養細胞を用いた手法よりも高効率であるが、糞の成分によっては10倍以上に希釈することや、糞乳剤に含まれる毒性成分を中和、あるいは減弱する成分の添加が必要であることが示された。
以上説明したように、本発明によれば、豚デルタコロナウイルスを効率よく増殖させることが可能となり、当該ウイルスに対するワクチンの製造、開発が可能となる。また、豚デルタコロナウイルスを検出(検査、診断)することも可能となる。

Claims (5)

  1. 豚デルタコロナウイルスの製造方法であって、
    豚デルタコロナウイルスを、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、
    前記発育鶏卵を培養して、前記ウイルスを増殖させる工程、及び
    前記発育鶏卵から、前記ウイルスを含む卵内容物を回収する工程
    を含む、方法。
  2. 豚デルタコロナウイルスを含むワクチンの製造方法であって、
    豚デルタコロナウイルスを、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、
    前記発育鶏卵を培養して、前記ウイルスを増殖させる工程、
    前記発育鶏卵から、前記ウイルスを含む卵内容物を回収する工程、
    前記卵内容物から前記ウイルスを単離し、薬理学上許容される担体又は媒体と混合する工程
    を含む、方法。
  3. 豚デルタコロナウイルスの検査方法であって、
    被検試料を、孵卵8日以内の発育鶏卵に接種する工程、
    前記発育鶏卵を培養する工程、
    前記発育鶏卵における、豚デルタコロナウイルスを検出する工程、及び
    前記工程にて、豚デルタコロナウイルスの増殖が検出された場合に、前記被検試料は当該ウイルスを含有していると判定する工程
    を含む、方法。
  4. 豚デルタコロナウイルス又は被検試料の接種部位が、発育鶏卵の尿膜腔内である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
  5. 豚デルタコロナウイルス又は被検試料を接種する発育鶏卵が、孵卵5〜7日の発育鶏卵である、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法。
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