JP2021115777A - 樹脂複合体製造方法および樹脂複合体製造設備 - Google Patents

樹脂複合体製造方法および樹脂複合体製造設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2021115777A
JP2021115777A JP2020010881A JP2020010881A JP2021115777A JP 2021115777 A JP2021115777 A JP 2021115777A JP 2020010881 A JP2020010881 A JP 2020010881A JP 2020010881 A JP2020010881 A JP 2020010881A JP 2021115777 A JP2021115777 A JP 2021115777A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
resin
inner mold
fiber
molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020010881A
Other languages
English (en)
Inventor
洋一郎 福永
Yoichiro Fukunaga
洋一郎 福永
翔一 平塚
Shoichi Hiratsuka
翔一 平塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Plastics Co Ltd filed Critical Sekisui Plastics Co Ltd
Priority to JP2020010881A priority Critical patent/JP2021115777A/ja
Publication of JP2021115777A publication Critical patent/JP2021115777A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】効率良く樹脂複合体を製造すること。【解決手段】外型と内型とに分離可能な成形型を用い、成形後に内型だけを熱プレス機本体から取り外し、新たな内型を熱プレス機本体にセットして次なる成形を実施できるようにする。【選択図】 図7

Description

本発明は、樹脂複合体製造方法および樹脂複合体製造設備に関し、より詳しくは、樹脂発泡体で構成された芯材と、樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層とを備えた樹脂複合体を製造するための製造方法とその設備とに関する。
従来、樹脂発泡体で構成された芯材と、樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層とを備え、前記芯材が前記繊維強化樹脂層で覆われている樹脂複合体は、外殻となる繊維強化樹脂層が高い強度を有し、コアとなる芯材が軽量であるために優れた軽量性と強度との両立が求められる用途などにおいて広く利用されている。
この種の樹脂複合体の製造方法としては、樹脂発泡体の表面に繊維強化樹脂材を仮接着するなどして被成形体を作製し、該被成形体を熱プレスする方法(下記特許文献1参照)が知られている。
この種の製造方法では、通常、熱プレス装置として、雄型と雌型とが一組となった成形型を備えたものが用いられる。
特開2018− 53037号公報
前述のような方法で樹脂複合体を作製する場合、成形型と、該成形型を加熱するとともに加圧するプレス機本体とを備えた熱プレス装置が用いられる。
そして、樹脂複合体は、被成形物を収容した成形型に対してプレス機本体での熱プレスが行われることで作製される。
この種の製造方法では、通常、第1回目の熱プレスが終了した後に成形型から製品(樹脂複合体)が取り出され、必要に応じて成形型を掃除するなどした後に次の被成形物を仕込んで第2回目の熱プレスが実施される。
そして、このような作業が繰り返されることによって複数の製品が作製される。
上記のような樹脂複合体の製造においては、1つの製品の作製を開始してから2つ目の製品を作製し始めるまでの期間(以下「タクトタイム」ともいう)を短縮することが要望されている。
しかしながら従来の樹脂複合体製造方法ではタクトタイムが十分短期化されておらず上記要望が満足される状況にはなっていない。
そこで本発明は、上記のような要望を満足させ得る樹脂複合体製造設備を提供し、生産効率に優れた樹脂複合体製造方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、
樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層と、樹脂発泡体で構成された芯材とを備え、該芯材が前記繊維強化樹脂層で覆われている樹脂複合体を製造するための樹脂複合体製造方法であって、
前記樹脂発泡体の表面上に前記繊維強化樹脂材が重なった状態の被成形物を熱プレスし、前記樹脂発泡体と前記繊維強化樹脂材とを加熱状態で接着させる熱プレス工程を実施し、
該熱プレス工程は、前記被成形物を成形して前記樹脂複合体を作製するための成形型と、該成形型を加熱するとともに加圧するプレス機本体とを備えた熱プレス装置を用いて実施し、
該成形型が、前記樹脂複合体の形状に対応した成形空間を有する内型と、該内型に外側から接する外型とを有し、
前記内型と前記外型とは、前記熱プレスに際して前記プレス機本体からの圧力と熱とが前記外側を通じて前記内型に伝達されるようにプレス機本体に装着され、
前記内型が、前記外型を前記プレス機本体に固定したままで該外型から分離できるように前記プレス機本体に装着されており、
第1の内型と第2の内型とを含む複数の前記内型を用い、
前記第1の内型で前記熱プレス工程を実施した後に、該熱プレス工程で加熱されたままの状態になっている前記外型と前記第1の内型とを分離する分離工程を実施し、
該分離工程では、前記プレス機本体に固定されている前記外型から前記第1の内型を分離し、
該分離工程の後に、新たな前記被成形物を収容した前記第2の内型を前記第1の内型に代えて前記プレス機本体に装着し、該第2の内型を使って再び前記熱プレス工程を実施する樹脂複合体製造方法、を提供する。
上記課題を解決するために本発明は、
樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層と、樹脂発泡体で構成された芯材とを備え、該芯材が前記繊維強化樹脂層で覆われている樹脂複合体を製造する樹脂複合体製造設備であって、
前記樹脂発泡体の表面上に前記繊維強化樹脂材が重なった状態の被成形物を熱プレスし、前記樹脂発泡体と前記繊維強化樹脂材とを加熱状態で接着して前記樹脂複合体を作製するための熱プレス装置を備え、
該熱プレス装置は、
前記被成形物を成形して前記樹脂複合体を作製するための成形型と、
該成形型を加熱するとともに加圧するプレス機本体とを備え、
該成形型が、
前記樹脂複合体の形状に対応した成形空間を有する内型と、
該内型に外側から接する外型とを有し、
前記内型と前記外型とは、前記熱プレスに際して前記プレス機本体からの圧力と熱とが前記外側を通じて前記内型に伝達されるようにプレス機本体に装着されており、
前記内型が、前記外型を前記プレス機本体に固定したままで該外型から分離できるように前記プレス機本体に装着されている樹脂複合体製造設備、を提供する。
本発明によればタクトタイムを短期化可能な樹脂複合体製造設備が提供され、効率良く樹脂複合体を製造可能な樹脂複合体製造方法が提供され得る。
一態様の樹脂複合体を示した概略斜視図。 樹脂複合体の概略断面図(図1のII−II線矢視断面図)。 樹脂複合体の芯材を構成するために用いられる樹脂発泡体を示した概略斜視図。 樹脂複合体の繊維強化樹脂層(第1繊維強化樹脂層)を構成するために用いられる繊維強化樹脂材(第1繊維強化樹脂材)を示した概略平面図。 樹脂複合体の繊維強化樹脂層(第2繊維強化樹脂層)を構成するために用いられる繊維強化樹脂材(第2繊維強化樹脂材)を示した概略平面図。 樹脂複合体の製造に用いられる製造設備の一例を示した概略正面図。 樹脂複合体の製造方法の手順の一例を示した概略図。 樹脂複合体の製造に用いられる内型の一例を示した概略斜視図。 樹脂複合体の製造に用いられる内型の一例を示した一部切欠き斜視断面図。 一態様による減圧工程が行われている内型の様子を示した概略図。 他態様による減圧工程が行われている内型の様子を示した概略図。
以下に本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の製造方法によって作製される樹脂複合体の一態様を例示した概略斜視図である。
なお、以下においては、図1における横方向(矢印Xの方向)を“横方向”、“幅方向”、又は、“左右方向”と称し、奥行き方向(矢印Yの方向)を“縦方向”、“長さ方向”、又は、“前後方向”と称する場合がある。
また、以下においては、この横方向Xと奥行き方向Yとに平行する平面に沿った方向を“水平方向”と称し、前記平面に対して直交する方向(矢印Zの方向)を“厚み方向”、“上下方向”、“高さ方向”又は“垂直方向”などと称する場合がある。
図1とその断面図(図1のII−II線矢視断面図)である図2に示すように、本実施形態で作製される樹脂複合体Aは、逆四角錐台(逆切頭四角錐)形状を有する本体部Axと、該本体部Axの上部の外周縁に沿って立設された鍔部Ayとを備えている。
前記本体部Axは、平面視における形状が矩形となって水平方向に広がる底面Ax1と、平面視における形状が該底面Ax1よりも一回り大きな矩形となって前記底面Ax1の上方において水平方向に広がる天面Ax2と、前記底面Ax1の4辺と前記天面Ax2の4辺とをそれぞれ結ぶ4つの側面Ax3とを備えている。
前記鍔部Ayは、前記本体部Axの4つの前記側面Ax3をそれぞれ前記天面Ax2よりも上方に一定高さで延設した状態となるように形成されている。
即ち、前記鍔部Ayは、上方に向けて外広がりとなるように形成されており、該鍔部Ayと前記天面Ax2とで画定される空間は逆四角錐台形状となっている。
言い換えると、本実施形態の樹脂複合体Aは、逆四角錐台形状に凹入した凹入部Aaが上面側に形成されている。
本実施形態の樹脂複合体Aは、芯材A1と、該芯材A1の表面に積層された繊維強化樹脂層A2とを有している。
より詳しくは、本実施形態の樹脂複合体Aは、図3に示すような樹脂発泡体A1’で構成された芯材A1と、樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材A2’(図4、図5)で構成された繊維強化樹脂層A2とを備えている。
本実施形態の樹脂複合体Aは、前記本体部Axよりも一回り小さな逆四角錐台形状を有する芯材A1と、該芯材A1に上側から積層されている第1繊維強化樹脂層A21と、前記芯材A1に下側から積層されている第2繊維強化樹脂層A22とを備えている。
前記第1繊維強化樹脂層A21は、前記本体部Axの天面Ax2と前記鍔部Ayの内面Ay1とを構成している。
前記第2繊維強化樹脂層A22は、前記本体部Axの底面Ax1と側面Ax3と前記鍔部Ayの外面Ay2とを構成している。
即ち、本実施形態の前記鍔部Ayは、前記芯材A1が設けられておらず、前記第1繊維強化樹脂層A21と前記第2繊維強化樹脂層A22とが直接積層されている。
本実施形態の前記芯材A1を構成する樹脂発泡体A1’は、材質や構造などが特に限定されない。
前記樹脂発泡体A1’は、ビーズ発泡成形体であっても、押出発泡法によって作製されたシートやボードであってもよい。
前記樹脂発泡体A1’は、発泡剤を含んだ樹脂塊を発泡させた発泡ブロックなどであってもよい。
樹脂発泡体A1’は、上記のようなものに対して二次加工(例えば、切削加工やプレス成形加工など)が施されたものであってもよい。
本実施形態における前記樹脂発泡体A1’は、種々の形状のものが簡便に得られることからビーズ発泡成形体であることが好ましい。
ビーズ発泡成形体は、複数の樹脂発泡粒子(A11,A12・・・)どうしが融着されているため高い発泡倍率でありながら優れた強度を発揮する点においても好適である。
前記樹脂発泡体A1’を構成する樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂などのポリエステル樹脂;GPPS、HIPS、ポリαメチルスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、COP、COCなどのオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
前記樹脂発泡体A1’を構成する樹脂は、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリエーテルスルホン樹脂(PESU)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、ポリスルホン樹脂(PSU)などのエンジニアリングプラスチックであってもよい。
前記樹脂発泡体A1’は、単一の樹脂で構成されても2種以上の樹脂を含んでいてもよい。
前記樹脂発泡体A1’は、高い強度を有する点において、ポリエチレンテレフタレート樹脂製であるか、又は、ポリカーボネート樹脂製であることが好ましい。
即ち、本実施形態の樹脂発泡体A1’は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製のビーズ発泡成形体であるか、又は、ポリカーボネート樹脂製のビーズ発泡成形体であるかであることが特に好ましい。
前記樹脂発泡体A1’としては、例えば、発泡倍率が10倍以上100倍以下のものを用いることができる。
前記樹脂発泡体A1’の発泡倍率は、20倍以上であることが好ましく、30倍以上であることがより好ましく、40倍以上であることがさらに好ましい。
前記繊維強化樹脂層A2が積層された後の前記芯材A1もこのような発泡倍率を有していることが好ましい。
即ち、前記芯材A1の発泡倍率は、10倍以上100倍以下とすることができ、20倍以上であることが好ましく、30倍以上であることがより好ましく、40倍以上であることがさらに好ましい。
尚、発泡倍率とは、前記樹脂発泡体A1’を構成する樹脂の非発泡状態での密度を前記樹脂発泡体A1’や前記芯材A1の見掛け密度で除して求めることができる。
樹脂の非発泡状態での密度は、JIS K7112:1999「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に記載のA法(水中置換法)によって求めることができる。
樹脂発泡体A1’や前記芯材A1の見掛け密度は、JIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方」記載の方法で測定できる。
より詳しくは、前記樹脂発泡体A1’や前記芯材A1から、100cm以上の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定した上で、見掛け密度は、次式により算出される。
尚、試験片としては、原則的には、作製した後72時間以上経過した樹脂発泡体や樹脂複合体から切り出し、温度23±2℃、湿度50±5%の雰囲気下に16時間以上放置したものを用いる。

見掛け密度(kg/m)=試験片質量(g)/試験片体積(mm)×10
前記芯材A1に積層される前記第1繊維強化樹脂層A21と前記第2繊維強化樹脂層A22とは、材質や厚みが共通していても異なっていてもよい。
本実施形態での前記第1繊維強化樹脂層A21は、図4に示すような第1繊維強化樹脂材A21’で構成されており、前記第2繊維強化樹脂層A22は、図5に示すような第2繊維強化樹脂材A22’で構成されている。
前記第1繊維強化樹脂材A21’と前記第2繊維強化樹脂材A22’とのそれぞれは、単層構造であっても積層構造を有していてもよい。
前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’は、前記繊維が短繊維の状態で含まれていても連続繊維の状態で含まれていてもよい。
前記繊維は、紡績糸となって前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’に含まれていてもフィラメント糸となって前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’に含まれていてもよい。
前記繊維は、前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’において不織布や織布を構成していてもよい。
本実施形態における前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’は、前記繊維で構成された不織布や織布などの基材シートを有していることが好ましく、前記樹脂が該基材シートに含浸されていることが好ましい。
前記基材シートが、織物である場合、織り方としては、例えば、平織、綾織、朱子織などのいずれでもよい。
前記基材シートは、連続繊維が一方向にのみ引き揃えられたものであってもよい。
即ち、前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’は、UD(Uni Direction)などと称されるものであってもよい。
本実施形態の前記繊維は、ガラス繊維、カーボン繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、ステンレス繊維、スチール繊維などの無機繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維などの有機繊維;ボロン繊維などが挙げられる。
該繊維は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
本実施形態の前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’は、炭素繊維で構成された1又は2以上の基材シートと、ガラス繊維で構成された1又は2以上の基材シートとが積層された状態のものであってもよい。
前記繊維とともに前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂とを予備重合した樹脂などが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂(PA)、アクリル系樹脂などが挙げられる。
前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’に含まれる樹脂は、一種単独である必要は無く、二種以上であってもよい。
前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’は、1種類以上の熱硬化性樹脂と1種類以上の熱可塑性樹脂とを含んでいてもよい。
前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’には、耐熱性や強度に優れる点において熱硬化性樹脂が含まれていることが好ましく、エポキシ樹脂が含まれていることが好ましい。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。
前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’にエポキシ樹脂を含有させる場合、該エポキシ樹脂とともに硬化剤を含有させることが好ましい。
該硬化剤としては、特に限定されず、例えば、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤などが挙げられる。
該硬化剤は、一種単独で前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’に含まれる必要は無く、二種以上が含まれていてもよい。
前記第1繊維強化樹脂材A21’や前記第2繊維強化樹脂材A22’には、上記以外に各種添加剤が含まれていてもよい。
該添加剤としては、例えば、抗菌剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、フィラー、顔料などが挙げられる。
本実施形態においては、このような樹脂複合体Aを製造すべく、図6に示したような熱プレス装置100を有する樹脂複合体製造設備が用いられる。
本実施形態の樹脂複合体製造設備における前記熱プレス装置100は、図7に示すように前記樹脂発泡体A1’の表面上に前記繊維強化樹脂材A21’,A22’が重なった状態の被成形物XAを熱プレスし、前記樹脂発泡体A1’と前記繊維強化樹脂材A21’,A22’とを加熱状態で接着して前記樹脂複合体Aを作製するために用いられる。
本実施形態の樹脂複合体製造設備における前記熱プレス装置100は、前記被成形物XAを成形して前記樹脂複合体を作製するための成形型20と、該成形型20を加熱するとともに加圧するプレス機本体10とを備えている。
そして、該成形型20は、前記樹脂複合体Aの形状に対応した成形空間を有する内型22と、該内型22に外側から接する外型21とを有している。
前記内型22と前記外型21とは、前記熱プレスに際して前記プレス機本体10からの圧力と熱とが前記外型21を通じて前記内型22に伝達されるようにプレス機本体10に装着されている。
前記内型22は、前記外型21を前記プレス機本体10に固定したままで該外型21から分離できるように前記プレス機本体10に装着されている。
本実施形態の樹脂複合体製造設備は、図8に示すように、前記成形空間CVを画定する成形面MPを前記内型22が有しており、該内型22には、前記成形空間CVの空気を外部に排出するための排気孔22mh,22fhが備えられている。
そして、本実施形態の樹脂複合体製造設備は、後述するように、前記熱プレスの前に前記排気孔22mh,22fhを通じて前記成形空間CVを減圧することによって前記繊維強化樹脂材A21’,A22’と前記内型22の前記成形面MPとの密着性を向上させるための減圧装置をさらに備えている。
本実施形態の樹脂複合体製造設備は、前記熱プレスの後に前記外型から分離された前記内型の閉型状態を保持するための内型固定具CPをさらに備えている。
本実施形態の樹脂複合体製造設備では、前記内型22が前記外型21よりも容積比熱(=比熱容量(J/(kg・K))×密度(kg/m))の低い素材で構成されている。
本実施形態の樹脂複合体製造設備では、第1の内型22aと第2の内型22bとを含む複数の前記内型22が用いられる。
本実施形態の樹脂複合体製造設備では、前記第1の内型22a及び前記第2の内型22bが何れも前記外型21よりも容積比熱の低い素材で構成されている。
前記外型21を構成する素材としては、例えば、SC系鋼材、SCM系鋼材、SUS系鋼材、SKD系鋼材などの一般的な鋼材があげられる。
前記内型22を構成する素材としては、例えば、アルミニウムなどの軽金属やCFRPやGFRPなどの繊維強化樹脂材があげられる。
アルミニウムの容積比熱は、通常、鋼材の0.5倍以上0.9倍以下である。
前記内型22を構成するアルミニウムは、A4043、A5052、A6061、A6063、A7075、A7N01などの展伸用合金であっても、AC2A、AC2B、AC4C、AC7A、AC8A、AC8B、AC8C、ADC12などの鋳造用合金であってもよい。
本実施形態においては、前記内型22を前記外型21よりも容積比熱の低い素材で構成しているが、前記外型21と前記内型22との両方を同じ素材で構成し、これらの接触界面において表面硬度が大きく異なっていずれか一方が傷付き易くなってしまうことを防止してもよい。
即ち、本実施形態においては、前記外型21を前記内型22と同様にアルミニウムなどの軽金属で構成してもよい。
前記外型21と前記内型22との両方をアルミニウムとする場合、両者に異なるアルミニウムを用いてもよい。
例えば、前記外型21を鋳造用合金製とし、前記内型22を展伸用合金製としてもよく、前記外型21を鋳造用合金製とし、前記内型22を別の鋳造用合金製としてもよい。
前記内型22の素材を前記外型21よりも線膨張係数の大きなアルミニウムとすると、プレス機本体10で加熱された際に前記内型22と前記外型21との密着性が向上して良好な熱伝達が行われ得る。
前記外型21と前記内型22との両方をアルミニウムとする場合、前記内型22の外表面と前記外型21の内表面とが接する界面において“かじり”が発生することを防止すべく前記外表面と前記内表面との内の一方又は両方にアルマイト処理やメッキ処理を施してもよい。
また、これらの界面にモリブデングリスなどの潤滑剤を配すると“かじり”を抑制することができるだけでなく前記外型21と前記内型22との間の熱伝達率を向上させることができる。
上記の潤滑剤のような流動性を示す材料を前記外型21と前記内型22との界面に配することは、前記外型21の内表面や前記内型22の外表面がアルマイト処理などによってポーラスな状態となっている際に特に有効である。
また、前記内表面や前記外表面にエンドミルや旋盤などによる切削跡が残っているような場合においても前記潤滑剤は有効に機能する。
尚、前記外型21と前記内型22との界面に流動性を示す材料(熱伝達材料)を配することで前記外型21と前記内型22との間の熱伝達率が向上するという効果は、両者がアルミニウムである場合だけに発揮されるものではなく、両者が異なる素材で形成されていても発揮され得る。
本実施形態のプレス機本体10は、板面が水平となるように配置とされた上部熱板11と、該上部熱板11の下方に板面が水平となるように配置とされた下部熱板12とを備え、前記上部熱板11と前記下部熱板12とが上下方向において板面を対向するように配されている。
前記下部熱板12が固定配置されているのに対して前記上部熱板11は、該上部熱板11の上方に設けられた油圧シリンダー13によって上下方向に移動可能となってプレス機本体10に備えられている。
また、上部熱板11と下部熱板12とのそれぞれは内部に過圧水蒸気や冷却水などの熱媒を流通させて温度調節可能となっている。
即ち、プレス機本体10は、前記上部熱板11と前記下部熱板12との間で配したものに対して加熱及び加圧が可能となっている。
本実施形態の前記外型21は、上下方向に分割可能となっており、前記上部熱板11に固定された上型211と、前記下部熱板12に固定された下型212とを備えている。
前記上型211は、下面側に上方に向けて凹入した上型凹部211aを有し、前記下型212は、上面側に下方に向けて凹入した下型凹部212aを有している。
前記外型21の前記上型凹部211aは、前記内型22の上側の一部を収容可能となっており、前記外型21の前記下型凹部212aは、前記内型22の下側の一部を収容可能となっている。
即ち、前記外型21は、前記内型22の上側を前記上型凹部211aに収容させるとともに前記内型22の下側を前記下型凹部212aに収容させ得るように構成されている。
本実施形態の前記内型22は、上下方向に分割可能となっている。
即ち、前記内型22も上型と下型とを備えている。
前記内型22の下型には、閉型時に前記成形空間CVとなる下型凹部が設けられており、該下型凹部が上方に向けて開口した状態となって備えられている。
一方で、前記内型22の上型には、閉型時に下型凹部の上部開口より下型凹部に突入する上型凸部を有している。
即ち、本実施形態の前記内型22は、下型凹部の壁面や上型凸部の表面が前記成形面MPとなっており、前記上型が所謂雄型になっているとともに前記下型が所謂雌型になっている。
以下においては、前記内型22の上型を「雄型221」と称し、前記内型22の下型を「雌型222」と称することがある。
本実施形態の内型22について、図9を参照しつつさらに詳細に説明すると、前記雄型221(上型)は、前記本体部Axの天面Ax2と前記鍔部Ayの内面Ay1とに対応した成形面MP1を有している。
即ち、前記雄型は、前記凹入部Aaに対応する逆四角錐台形状の雄型凸部221aを有している。
本実施形態における前記雌型222(下型)は、前記本体部Axの底面Ax1、側面Ax3、及び、前記鍔部Ayの外面Ay2に対応した成形面MP2を有している。
即ち、前記雌型は、前記本体部Axに対応する逆四角錐台形状に凹入した雌型凹部222aを有している。
本実施形態の内型22では、前記雄型と前記雌型とを上下方向に接近させてこれらを当接させることで閉型状態となるように構成されており、該閉型状態において内部に前記樹脂複合体Aの形状に対応した成形空間CVが形成されるように構成されている。
言い換えると本実施形態の内型22は、前記雄型と前記雌型とが互いの成形面が上下方向に対向するように配されており、前記雄型と前記雌型とを上下方向に接近させ、前記樹脂発泡体A1’と前記繊維強化樹脂材A2’とで構成されている被成形物XAに対して加熱及び加圧が実施されるように構成されている。
前記の通り本実施形態の内型22は、被成形物XAの熱プレスに際して、前記外型21の凹部にセットされるため、該外型21と前記内型22とは、前記プレス機本体10からの圧力と熱とが前記外型21を通じて前記内型22に伝達されるようにプレス機本体10に装着されることになる。
前記の通り前記外型21はプレス機本体10の上部熱板11と下部熱板12とのそれぞれに固定されているが、前記内型22(雄型や雌型)は、前記外型21や前記プレス機本体10には固定されておらず、前記外型21と分離自在であるとともに前記プレス機本体10に対して着脱自在となって前記熱プレス装置100に備えられている。
本実施形態の前記内型22は、後述するように熱プレスで加熱されたままの状態になっている前記外型21から分離されるため、十分に冷却されるまでの間、閉型状態を確実に維持できるように内型固定具CPが装着される。
内型固定具CPとしては、例えば、クランプやボルト・ナットなどがあげられる。
該内型固定具CPは、内型22と一体となって備えられていてもよく、内型22とは別体となって備えられていてもよい。
以下において、上記のような設備を用いて、図1に示すような樹脂複合体Aを製造する製造方法について図7を参照しつつ説明する。
本実施形態における樹脂複合体製造方法では、まず、前記外型21を所定の温度まで加熱する予熱工程が実施される。
本実施形態の予熱工程では、図7(イ)に示すように、内型22が分離されて外型21だけとなった成形型20を、該外型21を閉じた状態にしてプレス機本体10の上部熱板11と下部熱板12との間に挟んで上部熱板11と下部熱板12とに加熱状態の熱媒を流通させることで前記外型21が所定の温度まで加熱される。
本実施形態における樹脂複合体製造方法では、次いで、図7(ロ)、(ハ)に示すように前記樹脂発泡体A1’の表面上に前記繊維強化樹脂材A2’が重なった状態の被成形物XAを熱プレスし、前記樹脂発泡体A1’と前記繊維強化樹脂材A2’とを加熱状態で接着させる熱プレス工程を実施する。
該熱プレス工程は、前記の通り、前記被成形物XAを成形して前記樹脂複合体Aを作製するための成形型20と、該成形型20を加熱するとともに加圧するプレス機本体10とを備えた熱プレス装置100を用いて実施する。
本実施形態では、前記の通り、該前記樹脂複合体Aの形状に対応した成形空間CVを有する内型22と、該内型22に外側から接する外型21とを有する成形型20が用いられる。
そして、本実施形態では、前記内型22と前記外型21とが、前記熱プレスに際して前記プレス機本体10からの圧力と熱とが前記外型21を通じて前記内型22に伝達されるようにプレス機本体10に装着されている。
さらに、本実施形態では、前記内型22が、前記外型21を前記プレス機本体10に固定したままで該外型21から分離できるように前記プレス機本体10に装着されている。
そのため、本実施形態においては複数の内型を使ってタクトタイムを短期化することができる。
この点に関して説明すると、本実施形態では、図7に示すように、第1の内型22aと第2の内型22bとを含む複数の前記内型22が用いられる。
本実施形態では、図7(ニ)に示すように、前記第1の内型22aで前記熱プレス工程を実施した後に、該熱プレス工程で加熱されたままの状態になっている前記外型21と前記第1の内型22aとを分離する分離工程を実施する。
該分離工程では、前記プレス機本体10に固定されている前記外型21から前記第1の内型22aを分離する。
本実施形態では、該分離工程の後に、新たな前記被成形物XAを収容した前記第2の内型22bを前記第1の内型22aに代えて前記プレス機本体10に装着し、該第2の内型22bを使って再び前記熱プレス工程を実施する。
即ち、本実施形態においては、前記予熱工程の後は、熱プレス工程と分離工程とが交互に繰り返され、次々と樹脂複合体が作製される。
本実施形態においては、前記第1の内型22a及び前記第2の内型22bが何れも前記外型21よりも容積比熱の低い素材で構成されているため、これらを前記外型21にセットした際には、収容している前記被成形物XAが素早く加熱されることになる。
従って、前記熱プレス工程に要する時間を従来の製造方法に比べて短期化することができる。
本実施形態においては、前記第1の内型22a及び前記第2の内型22bが何れも前記外型21よりも容積比熱の低い素材で構成されているため、前記分離工程の後の内型(22a,22b)では収容している樹脂複合体Aが素早く冷却される。
従って、本実施形態においては、樹脂複合体Aを取り出すまでの時間を短期化することができる。
本実施形態においては、前記熱プレス工程で加熱された状態のまま前記外型21から分離した前記第1の内型22aを冷却する型冷却工程をさらに実施することが好ましく、該型冷却工程では前記第1の内型22aの閉型状態を保持するための前記内型固定具CPを用い、前記第1の内型22aを前記内型固定具CPで閉型状態にして前記第1の内型22aに収容されている前記樹脂複合体Aを該第1の内型22aごと冷却することが好ましい。
このことによって前記樹脂複合体Aに意図せぬ変形が生じてしまうことを抑制することができる。
従来の樹脂複合体の製造方法では、予熱工程、熱プレス工程、冷却工程が1サイクルとなって1サイクルごとに1つの製品が作製される。
その一方で本実施形態の樹脂複合体製造方法では、熱プレス工程、分離工程が1サイクルとなって1サイクルごとに1つの製品が作製される。
そして、本実施形態の樹脂複合体製造方法では、熱プレス工程、分離工程と同時並行で冷却工程を実施できる。
このことにより本実施形態の樹脂複合体製造方法では、タクトタイムを大きく短縮できる。
上記の通り本実施形態においては、前記第2の内型22bで熱プレス工程を実施している間に前記第1の内型22aを冷却して樹脂複合体Aを取り出すことができる。
そして、要すれば、前記第2の内型22bで熱プレス工程を実施している間に、樹脂複合体Aが取り出された前記第1の内型22aに新たな被成形物XAを収容することもできる。
第1の内型22aの冷却に時間を要するなどしてしまって、第1の内型22aから樹脂複合体Aを取り出して新たな被成形物XAを収容するまでの時間が1回の熱プレス工程の期間中に確保し難しいようであれば、さらに第3の内型22cを用いてもよい。
本実施形態の樹脂複合体製造方法では、外観美麗な樹脂複合体Aを得るために前記のような排気孔を有する内型を用いることが好ましい。
この点について説明すると、本実施形態においては、前記第1の内型22a及び前記第2の内型22bそれぞれは、樹脂複合体Aの表面にボイドが形成されることを防止する上で、熱プレス工程を実施する前に前記成形面MPに予め繊維強化樹脂材A2’を密着させておく方が好ましい。
前記の通り、前記第1の内型22a及び前記第2の内型22bそれぞれには、前記成形空間CVの空気を外部に排出するための排気孔22mh,22fhが備えられているため、前記熱プレス工程の前に前記排気孔22mh,22fhを使って前記成形空間CVを減圧することによって前記繊維強化樹脂材A2’と前記成形面MPとの密着性を向上させる減圧工程をさらに実施することができる。
本実施形態における前記雄型221(上型)は、上記のような減圧工程が容易に実施し得るように前記成形面MP1において開口し、且つ、当該雄型を厚み方向(上下方向)に貫通する排気孔22mhを有している。
該排気孔22mhは、前記成形面MP1に前記第1繊維強化樹脂材A21’を当接させた状態において該第1繊維強化樹脂材A21’と前記成形面MP1との間の空気を吸い出すための空気の流通経路として機能する。
本実施形態における前記雌型222(下型)は、前記雄型と同様に前記成形面MP2において開口し、且つ、雌型を厚み方向(上下方向)に貫通する排気孔22fhを有している。
該排気孔22fhは、雄型221での排気孔22mhと同様に前記成形面MP2に前記第2繊維強化樹脂材A22’を当接させた状態において該第2繊維強化樹脂材A22’と前記成形面MP2との間の空気を吸い出すための空気の流通経路として機能する。
前記減圧工程で前記繊維強化樹脂材A2’を成形面MPに密着させる際には、該繊維強化樹脂材A2’の一面側を前記成形面MPに当接させつつ該繊維強化樹脂材A2’の他面側から背圧を加える方法を採用することができる。
本実施形態においては、前記繊維強化樹脂材A2’と接する領域内に開口した排気孔(22mh,22fh)を有する雄型や雌型を用いるため、該排気孔(22mh,22fh)を通じて繊維強化樹脂材A2’と成形面MPとの間の空気を排出することでこれらの間に生じる吸着力を前記背圧とともに繊維強化樹脂材A2’と成形面MPとの密着に有効利用することができる。
上記のような効果をより顕著に発揮させる上において、図10に示すように、前記繊維強化樹脂材A2’よりも面積の大きな非通気性のシートBSが用いられて前記減圧工程が実施されることが好ましい。
前記減圧工程は、前記成形面MPが前記シートBSで覆われ、且つ、該シートBSと前記成形面MPとの間に前記繊維強化樹脂材A2’が配された状態で実施されことが好ましい。
このことにより、前記減圧工程では、前記シートBSと前記成形面との間に存在する空気が排出され前記減圧環境が形成される。
このような好ましい態様によれば、前記雄型221では、前記シートBSが非通気性であるために、該シートBSと雄型221との間に形成される空間は、前記排気孔22mh以外には空気の出入りが出来ない実質的に閉じられた状態になる。
このような態様においては、前記排気孔22mhを通じ、前記空間の空気が空間外に排出されることでシートBSによって覆われている空間と外部空間との間に概ね大気圧に匹敵する圧力差が生じる。
そして、前記シートBSと前記成形面MP1(前記雄型凸部221a)との間には前記第1繊維強化樹脂材A21’が介在しているため該第1繊維強化樹脂材A21’に前記シートBSで背圧を加えることができ、該第1繊維強化樹脂材A21’と前記成形面MP1との密着性を向上させることができる。
前記雌型222でも前記雄型221と同じく、第2繊維強化樹脂材A22’に背圧を加えることができるため、該第2繊維強化樹脂材A22’を前記雌型凹部222a(成形面MP2)に対してより密着した状態とすることができる。
前記減圧工程において上記効果をより顕著に発揮させる上で、前記シートBSで覆われている空間は、絶対圧で20kPa以下となるように減圧されることが好ましく、5kPa以下に減圧されることがより好ましく、1kPa以下に減圧されることが特に好ましい。
前記減圧工程では、前記シートBSの背面側を大気圧よりも高い圧力とすることで上記のような効果がより顕著に発揮され得る。
その場合、例えば、前記雄型凸部221aの外周縁よりも外側を周回可能な周長を有し、前記雄型凸部221aの突出高さよりも厚い環状のシール材を用い、前記シートBSで覆われている前記雄型凸部221aを包囲するように前記シール材を前記雄型に配するとともに前記シール材よりも面積の大きい板状体を前記雄型とは反対側からシール材に当接させて該シール材の内側にシール材、板状体、及び、シートBSで囲われた空間を形成し、該空間に前記板状体に設けた貫通孔を通じて空気を送り込むなどすれば前記シートBSの背面側を加圧状態とすることができる。
前記雌型222についても同様の方法で前記シートBSの背面側を加圧状態にすることができる。
即ち、前記雌型凹部222aの開口縁よりも外側を周回可能な周長を有する環状のシール材を用い、前記シートBSで覆われた状態の前記雌型凹部222aの開口を包囲するように前記シール材を前記雌型222に配するとともに前記シール材よりも面積の大きい板状体を前記雌型222とは反対側からシール材に当接させて該シール材の内側に板状体、シール材、及び、シートBSで囲われた空間を形成し、該空間に前記板状体に設けた貫通孔を通じて空気を送り込むなどすれば前記シートBSの背面側を加圧状態とすることができる。
加圧状態とする前記空間部の圧力は、絶対圧で0.05MPa以上とすることが好ましく、0.07MPa以上であることがより好ましく0.09MPa以上であることが特に好ましい。
尚、シール材の強度などの関係上、該圧力を過大にすることは好ましいことではない。
そのため、前記圧力は、絶対圧で0.5MPa以下であることが好ましく、0.4MPa以下であることがより好ましい。
前記成形面MPと前記繊維強化樹脂材A2’との間に作用する圧力も上記のような値であることが好ましい。
このような圧力で加圧する時間は、ボイドの少ない樹脂複合体をより確実に得る上では、1分間以上であることが好ましく、5分間以上であることがより好ましい。
生産効率の観点からは、該時間は、30分以下であることが好ましい。
前記雄型221に対して用いるシール材と前記雌型222に対して用いる前記シール材は、環状でなくても紐状であってもよい。
前記シートBSへの背圧を加えるための加圧は、図11に示すように、一つのシール材FLを用いて前記雄型221と前記雌型222との両方において同時に実施してもよい。
図11に示した例では、矩形枠状のシール材FLを前記雄型221と前記雌型222との間に挟み込んでこれらの間に閉じた空間VPを形成し、該空間VPに空気を送り込んでシートBSを背面側から加圧している。
シートBSを背面側から加圧するためには、空気に換えて窒素などの別の気体を前記空間VPに導入してもよく、気体に限らず水などの液体を前記空間VPに導入してもよい。
このような減圧工程において成形面MPに密着した繊維強化樹脂材A2’は、成形面MPとの間に空気が介在するおそれが低いため、熱プレス工程で樹脂発泡体A1’に貼り合されて樹脂複合体Aの表面における繊維強化樹脂層A2を形成した際に該繊維強化樹脂層A2にボイドなどを生じ難くなる。
このような減圧工程は、熱プレス工程と同時並行的に実施できる。
そのため、本実施形態においては、タクトタイムの長期化が生じるおそれを抑制しつつ外観美麗な樹脂複合体が作製され得る。
上記のように本実施形態の樹脂複合体製造方法は、樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層と、樹脂発泡体で構成された芯材とを備え、該芯材が前記繊維強化樹脂層で覆われている樹脂複合体を製造するための樹脂複合体製造方法であって、前記樹脂発泡体の表面上に前記繊維強化樹脂材が重なった状態の被成形物を熱プレスし、前記樹脂発泡体と前記繊維強化樹脂材とを加熱状態で接着させる熱プレス工程を実施し、該熱プレス工程は、前記被成形物を成形して前記樹脂複合体を作製するための成形型と、該成形型を加熱するとともに加圧するプレス機本体とを備えた熱プレス装置を用いて実施し、該成形型が、前記樹脂複合体の形状に対応した成形空間を有する内型と、該内型に外側から接する外型とを有し、前記内型と前記外型とは、前記熱プレスに際して前記プレス機本体からの圧力と熱とが前記外側を通じて前記内型に伝達されるように前記プレス機本体に装着され、前記内型が、前記外型を前記プレス機本体に固定したままで該外型から分離できるように前記プレス機本体に装着されており、第1の内型と第2の内型とを含む複数の前記内型を用い、前記第1の内型で前記熱プレス工程を実施した後に、該熱プレス工程で加熱されたままの状態になっている前記外型と前記第1の内型とを分離する分離工程を実施し、該分離工程では、前記プレス機本体に固定されている前記外型から前記第1の内型を分離し、該分離工程の後に、新たな前記被成形物を収容した前記第2の内型を前記第1の内型に代えて前記プレス機本体に装着し、該第2の内型を使って再び前記熱プレス工程が実施される。
上記のようなことから本実施形態の樹脂複合体製造方法ではタクトタイムを短期化できる。
本実施形態での好ましい態様によれば、前記第1の内型及び前記第2の内型が何れも前記外型よりも容積比熱の低い素材で構成される。
このことにより、一層タクトタイムを短期化し得る。
本実施形態での好ましい態様によれば、前記第1の内型及び前記第2の内型それぞれは、前記成形空間を画定する成形面を有し、前記第1の内型及び前記第2の内型それぞれには、前記成形空間の空気を外部に排出するための排気孔が備えられており、前記熱プレス工程の前に前記排気孔を使って前記成形空間を減圧することによって前記繊維強化樹脂材と前記成形面との密着性を向上させる減圧工程がさらに実施される。
このことにより、外観美麗な樹脂複合体が効率良く製造され得る。
本実施形態での好ましい態様によれば、前記熱プレス工程で加熱された状態のまま前記外型から分離した前記第1の内型を冷却する型冷却工程をさらに実施し、該型冷却工程では前記第1の内型の閉型状態を保持するための内型固定具を用い、前記第1の内型を前記内型固定具で閉型状態にして前記第1の内型に収容されている前記樹脂複合体が該第1の内型ごと冷却される。
このことにより変形等の抑制された外観美麗な樹脂複合体が効率良く製造され得る。
本実施形態の樹脂複合体製造方法においては、このようにして作製された樹脂複合体Aに対し、バリ取り加工、穴開け加工、塗装などを行う後工程をさらに実施してもよい。
本実施形態の樹脂複合体の製造設備や樹脂複合体の製造方法は、あくまで例示的なものであり、本発明は上記例示に何等限定されるものではない。
A 樹脂複合体
A1 芯材
A1’ 樹脂発泡体
A2 繊維強化樹脂層
A2’ 繊維強化樹脂材
BS (非通気性の)シート
CV 成形空間
MP 成形面
XA 被成形物
10 プレス機本体
20 成形型
21 外型
22 内型
100 熱プレス装置

Claims (8)

  1. 樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層と、樹脂発泡体で構成された芯材とを備え、該芯材が前記繊維強化樹脂層で覆われている樹脂複合体を製造するための樹脂複合体製造方法であって、
    前記樹脂発泡体の表面上に前記繊維強化樹脂材が重なった状態の被成形物を熱プレスし、前記樹脂発泡体と前記繊維強化樹脂材とを加熱状態で接着させる熱プレス工程を実施し、
    該熱プレス工程は、前記被成形物を成形して前記樹脂複合体を作製するための成形型と、該成形型を加熱するとともに加圧するプレス機本体とを備えた熱プレス装置を用いて実施し、
    該成形型が、
    前記樹脂複合体の形状に対応した成形空間を有する内型と、
    該内型に外側から接する外型とを有し、
    前記内型と前記外型とは、前記熱プレスに際して前記プレス機本体からの圧力と熱とが前記外側を通じて前記内型に伝達されるように前記プレス機本体に装着され、
    前記内型が、前記外型を前記プレス機本体に固定したままで該外型から分離できるように前記プレス機本体に装着されており、
    第1の内型と第2の内型とを含む複数の前記内型を用い、
    前記第1の内型で前記熱プレス工程を実施した後に、該熱プレス工程で加熱されたままの状態になっている前記外型と前記第1の内型とを分離する分離工程を実施し、
    該分離工程では、前記プレス機本体に固定されている前記外型から前記第1の内型を分離し、
    該分離工程の後に、新たな前記被成形物を収容した前記第2の内型を前記第1の内型に代えて前記プレス機本体に装着し、該第2の内型を使って再び前記熱プレス工程を実施する樹脂複合体製造方法。
  2. 前記第1の内型及び前記第2の内型が何れも前記外型よりも容積比熱の低い素材で構成されている請求項1記載の樹脂複合体製造方法。
  3. 前記第1の内型及び前記第2の内型それぞれは、前記成形空間を画定する成形面を有し、
    前記第1の内型及び前記第2の内型それぞれには、前記成形空間の空気を外部に排出するための排気孔が備えられており、
    前記熱プレス工程の前に前記排気孔を使って前記成形空間を減圧することによって前記繊維強化樹脂材と前記成形面との密着性を向上させる減圧工程をさらに実施する請求項1又は2記載の樹脂複合体製造方法。
  4. 前記熱プレス工程で加熱された状態のまま前記外型から分離した前記第1の内型を冷却する型冷却工程をさらに実施し、
    該型冷却工程では前記第1の内型の閉型状態を保持するための内型固定具を用い、前記第1の内型を前記内型固定具で閉型状態にして前記第1の内型に収容されている前記樹脂複合体を該第1の内型ごと冷却する請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂複合体製造方法。
  5. 樹脂と繊維とを含むシート状の繊維強化樹脂材で構成された繊維強化樹脂層と、樹脂発泡体で構成された芯材とを備え、該芯材が前記繊維強化樹脂層で覆われている樹脂複合体を製造する樹脂複合体製造設備であって、
    前記樹脂発泡体の表面上に前記繊維強化樹脂材が重なった状態の被成形物を熱プレスし、前記樹脂発泡体と前記繊維強化樹脂材とを加熱状態で接着して前記樹脂複合体を作製するための熱プレス装置を備え、
    該熱プレス装置は、
    前記被成形物を成形して前記樹脂複合体を作製するための成形型と、
    該成形型を加熱するとともに加圧するプレス機本体とを備え、
    該成形型が、
    前記樹脂複合体の形状に対応した成形空間を有する内型と、
    該内型に外側から接する外型とを有し、
    前記内型と前記外型とは、前記熱プレスに際して前記プレス機本体からの圧力と熱とが前記外側を通じて前記内型に伝達されるように前記プレス機本体に装着されており、
    前記内型が、前記外型を前記プレス機本体に固定したままで該外型から分離できるように前記プレス機本体に装着されている樹脂複合体製造設備。
  6. 前記内型が前記外型よりも容積比熱の低い素材で構成されている請求項5記載の樹脂複合体製造設備。
  7. 前記内型が、前記成形空間を画定する成形面を有し、
    該内型には、前記成形空間の空気を外部に排出するための排気孔が備えられており、
    前記熱プレスの前に前記排気孔を使って前記成形空間を減圧することによって前記繊維強化樹脂材と前記成形面との密着性を向上させるための減圧装置をさらに備えている請求項5又は6記載の樹脂複合体製造設備。
  8. 前記熱プレスの後に前記外型から分離された前記内型の閉型状態を保持するための内型固定具をさらに備えている請求項5乃至7の何れか1項に記載の樹脂複合体製造設備。
JP2020010881A 2020-01-27 2020-01-27 樹脂複合体製造方法および樹脂複合体製造設備 Pending JP2021115777A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020010881A JP2021115777A (ja) 2020-01-27 2020-01-27 樹脂複合体製造方法および樹脂複合体製造設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020010881A JP2021115777A (ja) 2020-01-27 2020-01-27 樹脂複合体製造方法および樹脂複合体製造設備

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021115777A true JP2021115777A (ja) 2021-08-10

Family

ID=77173717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020010881A Pending JP2021115777A (ja) 2020-01-27 2020-01-27 樹脂複合体製造方法および樹脂複合体製造設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021115777A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021041634A (ja) * 2019-09-12 2021-03-18 株式会社 Monopost 繊維強化樹脂シートと樹脂発泡シートから成る積層複合シートの成形方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021041634A (ja) * 2019-09-12 2021-03-18 株式会社 Monopost 繊維強化樹脂シートと樹脂発泡シートから成る積層複合シートの成形方法
JP7374458B2 (ja) 2019-09-12 2023-11-07 株式会社 Monopost 繊維強化樹脂シートと樹脂発泡シートから成る積層複合シートの成形方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109774186B (zh) 纤维增强复合材料的制造方法
JP5417631B2 (ja) 熱可塑性樹脂複合材料成形品の成形方法
JP6737312B2 (ja) サンドイッチパネルの製造方法
JP6094668B2 (ja) 被覆繊維強化樹脂成形品の製造方法
US20080014453A1 (en) Novel thermoplastic part, tool and method for the manufacturing thereof
US10821683B2 (en) Method for molding flame-retardant bending beam integrated with three-dimensional nylon air duct and production mould thereof
CN106604818A (zh) 树脂复合体
JP4734983B2 (ja) プリフォーム用基材およびその製造方法
JP6372195B2 (ja) プリフォームの製造方法及び繊維強化プラスチックの製造方法
JP2010509094A (ja) 発泡ツール
JP2021115777A (ja) 樹脂複合体製造方法および樹脂複合体製造設備
US20210094247A1 (en) Mold for manufacturing composite material molded product, and method for manufacturing composite material molded product
EP3950298A1 (en) Laminate, three-dimensional molded laminate, and method for producing three-dimensional molded laminate
JP6917504B2 (ja) 樹脂複合体の製造方法
JP2018024097A (ja) 繊維強化樹脂成形体の製造方法
JP2022053129A (ja) 樹脂複合体製造方法および樹脂複合体製造装置
JP2020049925A (ja) 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法
JP7441741B2 (ja) 樹脂複合体、及び、樹脂複合体の製造方法
JP7508394B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法
JP6433869B2 (ja) ポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート及びその製造方法
AU2018100761A4 (en) Composite shell and apparatus and method for forming same
JP2018094751A (ja) 複合材料成形体の製造方法
JP2015147384A (ja) 繊維強化複合材料成形体の製造方法
KR102472506B1 (ko) 복합재 제조 방법
JP6026860B2 (ja) 賦形成形方法