JP2021109289A - 工作機械、工作機械の制御方法、および工作機械の制御プログラム - Google Patents

工作機械、工作機械の制御方法、および工作機械の制御プログラム Download PDF

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静雄 西川
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Abstract

【課題】工具寿命がワークの加工中に尽きる可能性を下げることができる技術を提供する。【解決手段】工具を用いてワークを加工することが可能な工作機械は、ワークまたは工具を回転するための主軸と、主軸の駆動を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、工具の摩耗による工具の交換時期がワークの加工完了前に到来するか否かを判断する処理を実行する。【選択図】図3

Description

本開示は、工作機械で用いられる工具の交換時期を判断するための技術に関する。
工作機械内の工具の摩耗が進むと様々な問題が生じる。たとえば、所望する加工精度が得られなかったり、工具の破損によって工作機械が故障したりする。これらの問題に対処するために、工具の摩耗の度合いを推定するための技術が開発されている。
工具の摩耗の度合いを推定するための技術に関し、特開2017−24112号公報(特許文献1)は、「予め加工負荷等の事前データを用意する必要がなく、工具の状態を簡単に把握できる」工作機械を開示している。当該工作機械は、工具の摩耗が進むと工具に作用する負荷が増大することに着目して、当該負荷の平均値が所定閾値を超えた場合に工具が摩耗していると判断する。
特開2017−24112号公報
ところで、工具寿命は、ワークの加工中に尽きることがある。特許文献1に開示される工作機械は、工具が摩耗して初めて工具寿命を判断できるので、工具寿命がワークの加工中に尽きる恐れがある。工具寿命がワークの加工中に尽きると、工具の破損や工作機械の故障などの種々の問題が生じる。したがって、工具寿命がワークの加工中に尽きる可能性を下げるための技術が望まれている。
本開示の一例では、工具を用いてワークを加工することが可能な工作機械は、上記ワークまたは上記工具を回転するための主軸と、上記主軸の駆動を制御するための制御装置とを備える。上記制御装置は、上記工具の摩耗による上記工具の交換時期が上記ワークの加工完了前に到来するか否かを判断する処理を実行する。
本開示の一例では、上記制御装置は、さらに、上記交換時期が上記ワークの加工完了前に到来すると判断した場合に、上記工作機械の加工設定を現在の第1設定から第2設定に変更するか否かの選択を受け付ける処理を実行する。上記第2設定で上記ワークの加工を続けた場合における上記工具の寿命は、上記第1設定で上記ワークの加工を続けた場合における上記工具の寿命よりも長い。
本開示の一例では、上記制御装置は、さらに、上記工具の現在までの総使用量を取得する処理と、上記総使用量に基づいて、現在から上記工具の交換時期が到来するまでにおける上記工具の残りの使用可能量を推定する処理と、上記ワークの加工プログラムを解析して、現在から上記ワークの加工が完了するまでの間における上記工具の残りの使用予定量を推定する処理とを実行する。上記交換時期が上記ワークの加工完了前に到来すると判断される条件は、上記残りの使用可能量が上記残りの使用予定量よりも少ない場合に満たされる。
本開示の一例では、上記残りの使用可能量は、上記工具の寿命から上記総使用量を差分することで算出される。上記寿命は、予め定められた方程式に上記第1設定での切削速度を代入することで算出される。
本開示の一例では、上記制御装置は、さらに、上記残りの使用可能量が上記残りの使用予定量よりも多い場合で、かつ、上記ワークの次のワークの加工が完了までに上記交換時期が到来する場合には、上記工作機械の加工設定を上記第1設定から第3設定に変更するか否かの選択を受け付ける処理を実行する。上記第3設定で上記ワークの加工を続けた場合における上記ワークの加工完了時間は、上記第1設定で上記ワークの加工を続けた場合における上記ワークの加工完了時間よりも早い。
本開示の一例では、上記制御装置は、上記工具の使用量に応じた上記工具の摩耗量の推移を取得する処理と、上記摩耗量の変化量が所定量以下に安定している安定期よりも前において、上記工具の使用量に対する上記摩耗量の変化量を第1変化量として算出する処理と、上記安定期よりも後において、上記工具の使用量に対する上記摩耗量の変化量を第2変化量として算出する処理とを実行する。上記交換時期が上記ワークの加工完了前に到来すると判断される条件は、上記第2変化量が、上記第1変化量を含む所定範囲に含まれる場合に満たされる。
本開示の他の例では、工具を用いてワークを加工することが可能な工作機械の制御方法が提供される。上記工作機械は、上記ワークまたは上記工具を回転するための主軸を備える。上記制御方法は、上記主軸の駆動を制御して上記ワークを加工するステップと、上記工具の摩耗による上記工具の交換時期が上記ワークの加工完了前に到来するか否かを判断するステップとを備える。
本開示の他の例では、工具を用いてワークを加工することが可能な工作機械の制御プログラムが提供される。上記工作機械は、上記ワークまたは上記工具を回転するための主軸を備える。上記制御プログラムは、上記工作機械に、上記主軸の駆動を制御して上記ワークを加工するステップと、上記工具の摩耗による上記工具の交換時期が上記ワークの加工完了前に到来するか否かを判断するステップとを実行させる。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
工作機械の外観を示す図である。 工作機械の内部構造の一例を示す図である。 工具によるワークの加工態様の一例を示す図である。 工作機械の機能構成の一例を示す図である。 工具使用履歴のデータ構造の一例を示す図である。 工具の切削速度と工具寿命との関係を示す図である。 表示制御部によって表示される選択画面の一例を示す図である。 変形例に従う判断部の機能構成を示す図である。 工具使用履歴のデータ構造の一例を示す。 工具使用履歴に規定される工具摩耗量の推移の一例を示す図である。 加工回数ごとの工具摩耗量の推移の一例を示す図である。 工作機械のハードウェア構成の一例を示す図である。 工作機械が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<A.工作機械100の構成>
図1および図2を参照して、工作機械100の構成について説明する。図1は、工作機械100の外観を示す図である。図2は、工作機械100の内部構造の一例を示す図である。
図1および図2には、立形マシニングセンタとしての工作機械100が示されている。以下では、立形マシニングセンタとしての工作機械100について説明するが、工作機械100は、立形マシニングセンタに限定されない。たとえば、工作機械100は、横形マシニングセンタであってもよいし、旋盤であってもよいし、その他の切削機械や研削機械であってもよい。
工作機械100は、操作盤130を含む。操作盤130は、切削に関する各種情報を表示するためのディスプレイ131と、工作機械100に対する各種操作を受け付ける入力デバイス132とを含む。
また、工作機械100は、その内部に、主軸頭21を有する。主軸頭21は、主軸22と、ハウジング23とで構成されている。主軸22は、ハウジング23の内部に配置されている。主軸22には、被加工物であるワークを加工するための工具が装着される。図2の例では、エンドミルとしての工具32が主軸22に装着されている。
主軸頭21は、ボールねじ25に沿ってZ軸方向に駆動可能に構成されている。ボールねじ25にはサーボモータなどの駆動機構が接続されている。当該駆動機構は、ボールねじ25を駆動することで主軸頭21を移動させ、Z軸方向の任意の位置に主軸頭21を移動する。
また、主軸22にはサーボモータなどの駆動機構が接続される。当該駆動機構は、Z軸方向(鉛直方向)に平行な中心軸AX1を中心に主軸22を回転駆動する。その結果、主軸22に装着された工具32は、主軸22の回転に伴って中心軸AX1を中心に回転する。なお、工作機械100が旋盤である場合には、主軸22には、ワークが装着される。この場合、主軸22の回転に伴って、主軸22に装着されたワークが回転する。
工作機械100は、自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)30をさらに有する。自動工具交換装置30は、マガジン31と、押出し機構33と、アーム36とで構成されている。マガジン31は、ワークを加工するための種々の工具32を収容するための装置である。マガジン31は、複数の工具保持部34と、スプロケット35とで構成されている。
工具保持部34は、種々の工具32を保持可能なように構成されている。複数の工具保持部34は、スプロケット35の周囲に環状に配列されている。スプロケット35は、モータ駆動により、X軸に平行な中心軸AX2を中心に回転可能に設けられている。スプロケット35の回転に伴って、複数の工具保持部34が中心軸AX2を中心に回転移動する。
自動工具交換装置30は、工具の交換命令を受けたことに基づいて、マガジン31から装着対象の工具32を抜き取り、工具32を主軸22に装着する。より具体的には、自動工具交換装置30は、目的の工具32を保持する工具保持部34を押出し機構33の前に移動する。次に、押出し機構33は、アーム36による交換位置に向けて目的の工具32を押し出す。その後、アーム36は、目的の工具32を工具保持部34から抜き取るとともに、現在装着されている工具32を主軸22から抜き取る。その後、アーム36は、これらの工具32を保持した状態で半回転し、目的の工具32を主軸22に装着するとともに、元の工具32を工具保持部34に収容する。これにより、工具32の交換が行われる。
工作機械100は、加工対象のワークをXY平面上で移動するための移動機構50をさらに有する。移動機構50は、ガイド51,53と、ボールねじ52,54と、ワークを保持するためのテーブル55(ワーク保持部)とで構成されている。
ガイド51は、Y軸に対して平行に設置されている。ガイド53は、ガイド51上に設けられており、X軸に対して平行に設置されている。ガイド53は、ガイド51に沿って駆動可能に構成されている。テーブル55は、ガイド53上に設けられており、ガイド53に沿って駆動可能に構成されている。
ボールねじ52にはサーボモータなどの駆動機構が接続されている。当該駆動機構は、ボールねじ52を駆動することでガイド53をガイド51に沿って移動し、Y軸方向の任意の位置にガイド53を移動する。同様に、ボールねじ54にもサーボモータなどの駆動機構が接続されている。当該駆動機構は、ボールねじ54を駆動することでテーブル55をガイド53に沿って移動し、X軸方向の任意の位置にテーブル55を移動する。すなわち、工作機械100は、ボールねじ52,54のそれぞれに接続される駆動機構を協働して制御することで、XY平面上の任意の位置にテーブル55を移動する。これにより、工作機械100は、テーブル55上で保持されるワークをXY平面上で移動させながら加工を行うことができる。
<B.工作機械100の処理概要>
図3を参照して、実施の形態に従う工作機械100の概要について説明する。図3は、工具32によるワークWの加工態様の一例を示す図である。
工具32は、たとえば、回転しながらワークWに接触することでワークWを切削する。一例として、工具32は、切込み幅Apの1段目の切削部分を切込み幅Aeごとに順次切削する。次に、工具32は、切込み幅Apの2段目の切削部分を切込み幅Aeごとに順次切削する。このような切削が繰り返されることで、ワークWは、任意の形状に切削される。
工具32の寿命が加工中に尽きると、工具32の破損や工作機械100の故障などが生じる恐れがある。そこで、工作機械100は、工具32の摩耗による工具32の交換時期がワークWの加工完了前に到来するか否かを前もって判断する。当該「完了」とは、たとえば、加工プログラムの最終行の実行が完了するタイミングである。
このような判断処理は、たとえば、ユーザによって登録された所定のタイミングで実行されてもよいし、加工プログラムの実行開始前に実行されてもよい。ユーザは、加工中に工具寿命が尽きることを把握できれば、工具寿命が尽きそうな工具を新品の工具に交換することができる。結果として、工具32の破損や工作機械100の故障などが未然に防がれる。
好ましくは、工作機械100は、工具32の交換時期がワークWの加工完了前に到来すると判断した場合には、ワークWの加工設定を現在の第1設定から第2設定に変更するか否かの選択を受け付ける。当該2設定でワークWの加工を続けた場合における工具32の寿命は、当該第1設定でワークWの加工を続けた場合における工具32の寿命よりも長い。すなわち、加工設定が第1設定から第2設定に変更されることで、工具32の寿命が延びる。
説明の便宜のために、以下では、当該「第1設定」を「通常設定」とも称し、当該「第2設定」を「延命用の設定」とも称する。
ユーザが延命用の設定を選択した場合には、工作機械100は、ワークの加工設定を通常設定から延命用の設定に変更する。これにより、工作機械100は、工具32の寿命を延ばすことができ、結果として、ワークWの加工中に工具寿命が尽きる可能性を下げることができる。
工具寿命を延ばすための設定パラメータは、たとえば、工具32の切削速度などである。ここでいう「切削速度」とは、工具32の刃部分の回転速度を意味する。より具体的には、「切削速度」は、下記の式(1)で表わされる。
(数1)
V=(π×D×m)/1000・・・(1)
式(1)に示される「V」は、工具32の切削速度を示す。「D」は、主軸22の回転軸に直交する方向における工具32の直径(所謂、刃径)を表わす。「m」は、主軸22または工具32の回転数(回転速度)を表わす。
図3の例では、加工設定が通常設定から延命用の設定に変更されることで、切削速度が下げられている。詳細については後述するが、切削速度が速くなると、工具32の温度が上昇し、工具寿命は短くなる。この点に着目して、工作機械100は、延命用の設定では切削速度を下げ、工具寿命を延ばす。
なお、工作機械100は、加工設定を延命用の設定に変更する際に、工具32の送り速度をさらに変更してもよい。「送り速度」とは、主軸22または工具32の移動速度を意味する。
また、工作機械100は、必ずしも工具32の切削速度を直接的に下げる必要はなく、オーバーライド値を変更することで工具32の切削速度を間接的に下げてもよい。オーバーライド値とは、工具32の切削速度や工具32の送り速度に対して掛ける倍率である。すなわち、オーバーライド値が下げられることで工具32の切削速度や工具32の送り速度が間接的に下げられる。
<C.工作機械100の機能構成>
次に、図4〜図7を参照して、工具寿命の延命機能を実現するための機能構成について説明する。図4は、工作機械100の機能構成の一例を示す図である。
図4に示されるように、工作機械100は、制御装置101を含む。本明細書でいう「制御装置101とは、工作機械100を制御する装置を意味する。制御装置101の装置構成は、任意である。制御装置101は、単体の制御ユニットで構成されてもよいし、複数の制御ユニットで構成されてもよい。一例として、制御装置101は、PLC(Programmable Logic Controller)などのCPU(Central Processing Unit)ユニットやNCユニットなどで構成される。
制御装置101は、機能構成として、判断部150と、表示制御部160と、設定変更部162と、駆動制御部164とを含む。以下では、これらの機能構成について順に説明する。
(C1.判断部150)
まず、図4〜図6を参照して、判断部150の機能について説明する。
判断部150は、ワークの加工が完了するまでに工具寿命が尽きるか否かを判断する。工具寿命が加工中に尽きるか否かは、種々の方法で判断される。一例として、判断部150は、新品時からの工具の総使用量や、工具寿命が尽きるまでの工具の残りの使用可能量や、現在からワークの加工完了までの工具の残り使用予定量などに基づいて、ワークの加工中に工具寿命が尽きるか否かを判断する。
ここでいう「量」との用語は、時間、距離、および回数を含む概念である。すなわち、「工具の総使用量」は、現在までの工具の総使用時間と、現在までの工具の総移動距離と、現在までの工具の総使用回数とを含む概念である。
「工具の残りの使用可能量」は、工具寿命が尽きるまでの工具の残りの使用可能時間と、工具寿命が尽きるまでの工具の残りの移動可能距離と、工具寿命が尽きるまでの工具の残りの使用可能回数とを含む概念である。
「工具の残りの使用予定量」は、ワークの加工が完了するまでの工具の残りの使用予定時間と、ワークの加工が完了するまでの工具の残りの移動予定距離と、ワークの加工が完了するまでの工具の残りの使用予定回数とを含む概念である。
以下では、工具の総使用時間と、工具の残りの使用可能時間と、工具の残りの使用予定時間とを例に挙げて、判断部150の機能について説明するが、工具寿命を判断するための指標は、これらに限定されない。
図4に示されるように、判断部150は、監視部151と、寿命算出部152と、使用可能時間推定部153と、使用予定時間推定部154と、比較部155とを含む。
監視部151は、加工プログラム122を監視し、各工具について使用時間をカウントする。工具の総使用時間は、たとえば、図5に示される工具使用履歴126に書き込まれる。図5は、工具使用履歴126のデータ構造の一例を示す図である。図5に示されるように、工具使用履歴126においては、新品時から現在までの工具の総使用時間が工具の種別に対応付けられている。工具使用履歴126に規定される総使用時間は、監視部151によって更新される。
より具体的には、加工プログラム122は、たとえば、Gコードで規定されており、主軸22に装着する工具を指定するための工具交換命令や、主軸や工具を回転駆動/送り駆動するための駆動命令などを含む。監視部151は、加工プログラム122に規定されている工具交換命令に基づいて、ワークの加工に用いられる工具の種別を特定しておく。次に、監視部151は、加工プログラム122に規定されている駆動命令が実行されたことに基づいて、当該工具の使用時間のカウントを開始する。続いて、監視部151は、加工プログラム122に規定されている停止命令または最終行の命令が実行されたことに基づいて、当該工具の使用時間のカウントを停止する。その後、監視部151は、工具使用履歴126を参照して、当該工具に関連付けられている総使用時間に、カウントされた使用時間を加算する。
寿命算出部152は、加工に用いられる工具の寿命を算出する。工具寿命は、工具ごとに予め決められていてもよいし、切削速度に基づいて算出されてもよい。
図6を参照して、切削速度から工具寿命を算出する方法について説明する。図6は、工具の切削速度と工具寿命との関係を示す図である。
図6に示されるように、切削速度「V」が速いほど、工具寿命「T」は短くなる。異なる言い方をすれば、切削速度「V」が遅いほど、工具寿命「T」は長くなる。このような関係があることから、工具寿命「T」は、予め定められた方程式に現在の設定での切削速度を代入することで算出される。
当該予め定められた方程式は、たとえば、下記式(2)に示されるテイラーの寿命方程式である。
(数2)
VT=C・・・(2)
式(2)に示される「V」は、工具の切削速度を示す。「T」は、工具の使用可能な最大時間(すなわち、寿命)を示す。「n」および「C」は、工具の材質やワークの材質などで決まる定数である。「n」および「C」は、工具別に予め決められている。
寿命算出部152は、加工プログラム122に規定されている工具交換命令に基づいて、加工に用いられる工具の種別を特定する。次に、監視部151は、加工プログラム122に規定されている駆動命令に基づいて、当該工具の切削速度を特定する。その後、監視部151は、当該特定された工具に対応付けられている定数「n」,「C」と、当該特定された切削速度とを上記式(2)に代入し、当該工具の寿命時間「T」を算出する。算出された寿命時間「T」は、使用可能時間推定部153に出力される。
使用可能時間推定部153は、工具使用履歴126に規定されている工具の総使用時間に基づいて、現在から工具の交換時期が到来するまでにおける工具の残りの使用可能時間を推定する。より具体的には、使用可能時間推定部153は、工具使用履歴126を参照して、加工に用いられる工具について総使用時間を取得する。次に、使用可能時間推定部153は、寿命算出部152によって算出された工具寿命から、当該工具の総使用時間を差分し、当該差分結果を残りの使用可能時間として推定する。
使用予定時間推定部154は、ワークの加工プログラム122を解析して、現在からワークの加工が完了するまでの間における工具の残りの使用予定時間を推定する。より具体的には、使用予定時間推定部154は、加工プログラム122の現在の実行行から最終行までに規定される駆動命令を参照して、工具の送り速度と、加工完了までの工具の移動距離とを特定する。次に、使用予定時間推定部154は、当該移動距離を当該送り速度で除算し、当該除算結果を工具の残りの使用予定時間として推定する。
あるいは、使用予定時間推定部154は、加工プログラム122の実行時に各行の実行時間を記憶しておき、当該実行時間の各々に基づいて、現在からワークの加工が完了するまでの間における工具の残りの使用予定時間を推定する。
比較部155は、使用可能時間推定部153によって推定された工具の残りの使用可能時間と、使用予定時間推定部154によって推定された工具の残りの使用予定時間とを比較し、工具の交換時期がワークの加工完了前に到来するか否かを判断する。より具体的には、比較部155は、残りの使用可能時間が残りの使用予定時間よりも短い場合には、工具寿命がワークの加工中に到来すると判断する。一方で、比較部155は、残りの使用可能時間が残りの使用予定時間よりも長い場合には、工具寿命がワークの加工中に到来しないと判断する。
(C2.表示制御部160)
次に、図7を参照して、表示制御部160の機能について説明する。図7は、表示制御部160によって表示される選択画面60の一例を示す図である。
表示制御部160は、判断部150によって工具寿命がワークの加工中に到来すると判断された場合には、図7に示される選択画面60を操作盤130のディスプレイ131(図1参照)に表示する。
選択画面60は、警告表示領域61と、選択受付領域62とを含む。警告表示領域61には、ワークの加工が完了する前に工具寿命が尽きることをユーザに知らせるための警告が表示される。当該警告は、メッセージで表示されてもよいし、赤色などの警告色で表示されてもよい。
選択受付領域62は、加工設定を通常設定から延命用の設定に変更するか否かの選択を受け付ける。選択受付領域62に対する選択操作は、たとえば、操作盤130のディスプレイ131に対するタッチ操作や、操作盤130の入力デバイス132に対するキー操作により選択される。
(C3.設定変更部162)
引き続き図7を参照して、設定変更部162の機能について説明する。
設定変更部162は、図7に示される選択画面60に対するユーザの選択結果に応じて、加工設定128を更新する。一例として、設定変更部162は、選択受付領域62の「はい」が選択され場合には、加工設定128を通常設定から延命用の設定に変更する。一方で、設定変更部162は、選択受付領域62の「いいえ」が選択され場合には、現在の加工設定を維持する。
一例として、設定変更部162は、選択受付領域62の「はい」が選択され場合には、切削速度を現在よりも下げる。設定変更部162は、加工プログラム122を書き換えることで切削速度を直接的に下げてもよいし、加工設定128に規定されるオーバーライド値を書き換えることで切削速度を間接的に下げてもよい。
なお、上述では、選択画面60の選択受付領域62において、延命用の設定に変更するか否かを「はい」または「いいえ」の2択で受け付ける例について説明を行ったが、選択受付領域62は、3択以上の選択肢を表示するように構成されてもよい。当該選択肢は、たとえば、工具の延命の度合いに応じて分けられる。一例として、選択受付領域62には、第1〜第3の選択肢が表示される。
第1の選択肢が選択された場合には、設定変更部162は、加工完了時に丁度工具寿命が尽きるような延命用の設定に切り替える。これにより、工作機械100は、加工効率の低下を抑えつつ、工具寿命を延ばすことができる。
第2の選択肢が選択された場合には、設定変更部162は、工具寿命を可能な限り延ばすような延命用の設定に切り替える。これにより、工作機械100は、ワークの加工中に工具寿命が尽きることをより確実に回避することができる。
第3の選択肢が選択された場合には、設定変更部162は、現在の加工設定を維持する。
(C4.駆動制御部164)
次に、駆動制御部164の機能について説明する。
駆動制御部164は、加工設定128に規定されるオーバーライド値を加工プログラム122に反映し、加工プログラム122に従って主軸22やテーブル55の駆動を制御する。これにより、工具の切削速度や工具の送り速度が加工設定128によって変えられる。
<D.判断部150の変形例>
次に、図8〜図10を参照して、図4に示される判断部150の変形例について説明する。
上述の例では、判断部150は、工具の残りの使用可能時間と工具の残り使用予定時間とを比較することで、ワークの加工中に工具寿命が尽きるか否かを判断していた。しかしながら、ワークの加工中に工具寿命が尽きるか否かを判断する方法は、この方法に限定されず、種々の方法が採用され得る。
図8は、変形例に従う判断部150Aの機能構成を示す図である。本変形例に従う判断部150Aは、工具使用時間に対する摩耗量の変化量に基づいて、ワークの加工中に工具寿命が到来するか否かを判断する。
より具体的には、判断部150Aは、機能構成として、監視部151と、摩耗量取得部156と、終端摩耗検知部157とを含む。監視部151の機能については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
摩耗量取得部156は、工具の摩耗量を取得する。工具の摩耗量は、種々の方法で取得される。
ある局面において、工具の摩耗量は、ユーザによって入力される。この場合、ユーザは、測定器などを用いて工具の刃部分の摩耗幅を計測してもよいし、当該摩耗幅を目視で計測してもよい。計測された摩耗幅は、たとえば、上述の操作盤130を用いて入力される。
他の局面において、工具の摩耗量は、カメラ(図示しない)からの画像に基づいて、判断される。この場合、摩耗量取得部156は、当該カメラによって工具を撮影して得られた画像から工具の摩耗量を推定する。一例として、工具の摩耗量は、学習済みモデルを用いて推定される。学習済みモデルは、学習用データセットを用いた学習処理により予め生成されている。学習用データセットは、工具が写っている複数の学習用画像を含む。各学習用画像には、工具の摩耗量を示すラベルが関連付けられる。学習済みモデルの内部パラメータは、このような学習用データセットを用いた学習処理により予め最適化されている。
学習済みモデルを生成するための学習手法には、種々の機械学習アルゴリズムが採用され得る。一例として、当該機械学習アルゴリズムとして、ディープラーニング、コンボリューションニューラルネット工具(CNN)、全層畳み込みニューラルネット工具(FCN)、サポートベクターマシンなどが採用される。
摩耗量取得部156は、カメラによって工具を撮影して得られた画像を上記の学習済みモデルに入力する。これにより、当該学習済みモデルは、工具の刃部分の摩耗幅を出力する。
摩耗量取得部156によって取得された摩耗量は、図9に示される工具使用履歴126Aに書き込まれる。図9は、工具使用履歴126Aのデータ構造の一例を示す。図9に示される工具使用履歴126Aは、図5に示される工具使用履歴126の変形例である。
工具使用履歴126Aにおいては、工具使用時間と工具摩耗量との履歴が工具の種別に規定される。工具使用履歴126は、摩耗量取得部156によって更新される。
より具体的には、摩耗量取得部156は、工具摩耗量を取得したことに基づいて、監視部151から工具の総使用時間を取得する。次に、摩耗量取得部156は、取得した工具摩耗量と、取得した総使用時間とを対応付けた上で、これらを工具使用履歴126Aに追加する。
終端摩耗検知部157は、工具使用履歴126Aを参照して、工具の総使用時間に対する工具の摩耗量の変化量を算出し、当該変化量に基づいて、工具寿命が近付いているか否かを判断する。図10は、工具使用履歴126に規定される工具摩耗量の推移の一例を示す図である。
図10に示されるように、工具の摩耗期は、初期摩耗期ΔTAと、定常摩耗期ΔTBと、終端摩耗期ΔTCとに分類される。初期摩耗期ΔTAは、工具が新品である時期を示す。終端摩耗期ΔTCは、工具の交換が推奨される時期を示す。定常摩耗期ΔTBは、初期摩耗期ΔTAと終端摩耗期ΔTCとの間の時期を示す。
工具使用時間に対する工具摩耗量の変化量は、初期摩耗期ΔTAにおいて大きくなるが、定常摩耗期ΔTBにおいて小さくなる。その後、工具摩耗量の変化量は、終端摩耗期ΔTCにおいて再び大きくなる。このとき、初期摩耗期ΔTAにおける工具摩耗量の変化量は、終端摩耗期ΔTCにおける工具摩耗量の変化量と略同じになる。
この点に着目して、終端摩耗検知部157は、初期摩耗期ΔTAにおける工具摩耗量の変化量が定常摩耗期ΔTBの後に現れたことに基づいて、終端摩耗期ΔTCを検知する。
より具体的には、終端摩耗検知部157は、上述の工具使用履歴126Aから、工具使用量に応じた工具摩耗量の推移を取得する。次に、終端摩耗検知部157は、工具摩耗量の変化量(傾き)が所定量以下に安定している定常摩耗期ΔTBよりも前を、初期摩耗期ΔTAとして特定する。そして、終端摩耗検知部157は、初期摩耗期ΔTAにおける工具摩耗量の変化量を第1変化量として算出する。図10の例では、傾き「a1」が第1変化量として算出される。その後、終端摩耗検知部157は、定常摩耗期ΔTBよりも後において、工具使用量に対する工具摩耗量の変化量を第2変化量として算出する。図10の例では、傾き「a3」が第2変化量として算出される。
終端摩耗検知部157は、傾き「a3」が、傾き「a1」を含む所定範囲内に含まれている場合に、終端摩耗期ΔTCが到来したと判断する。言い換えれば、終端摩耗検知部157は、傾き「a1」,「a3」が下記の式(3)の関係を満たした場合に、終端摩耗期ΔTCが到来したと判断する。なお、下記の式(3)に示される「α」は、予め定められた定数である。
(数3)
a1−α≦a3≦a1+α・・・(3)
好ましくは、式(3)に示される「a1−α」と、定常摩耗期ΔTBにおける工具摩耗量の変化量(すなわち、傾き「a2」)は、下記の式(4)の関係を満たす。
(数4)
a2<a1−α・・・(4)
以上のように、終端摩耗検知部157は、工具摩耗量の変化量に着目することで、終端摩耗期ΔTCを検知でき、工具の交換時期が近付いていること特定することができる。本変形例に従う判断部150Aは、終端摩耗検知部157によって終端摩耗期ΔTCが到来したことを検知したことに基づいて、ワークの加工中に工具寿命が尽きると判断する。
なお、上述の図9の例では、工具使用履歴126Aにおいて、工具の摩耗量が工具の総使用時間別に対応付けられていたが、その他の情報がさらに工具の総使用時間に対応付けられてもよい。一例として、工具の総使用時間には、びびり振動の発生を示す情報(以下、「びびり振動情報」ともいう。)がさらに対応付けられてもよい。びびり振動とは、ワークの加工中に意図せずに発生する工具の振動である。びびり振動情報は、対応付けられている総使用時間の間にびびり振動が発生したか否かを示す情報であってもよいし、対応付けられている総使用時間の間に発生したびびり振動の総回数であってもよいし、対応付けられている総使用時間の間に発生していたびびり振動の総時間であってもよい。びびり振動が頻繁に発生していることは、工具の交換時期が近いことを示す。
びびり振動は、たとえば、加速度センサ(図示しない)によって検知される。当該加速度センサは、たとえば、上述のハウジング23(図2参照)に設けられる。より具体的には、工作機械100は、当該加速度センサの出力信号を所定のサンプリングレートでサンプリングし、所定時間のサンプリング結果をフーリエ変換する。その結果、周波数ごとの振動強度を示すスペクトルが算出される。その後、工作機械100は、算出したスペクトルから振動強度が最大となる周波数成分を特定し、当該周波数成分の振動強度が所定閾値を超えている場合に、びびり振動を検知する。
<E.効率優先設定>
上述の例では、今回の加工過程の途中で工具寿命が尽きると判断された場合において、加工設定が通常設定から延命用の設定に変更される例について説明を行った。場合によっては、今回の加工過程で工具寿命が尽きなかったとしても、次の加工過程の途中で工具寿命が尽きる場合がある。このような場合には、工作機械100は、加工設定を通常設定から加工時間を短縮するための設定(以下、「効率優先用の設定」ともいう。)に変更する。このように、工作機械100は、工具寿命をより効果的に利用することで、工具寿命がワークの加工中に尽きることを防止しつつ、加工時間を短縮することができる。
以下では、図11を参照して、効率優先用の設定に切り替える処理について説明する。図11は、加工回数ごとの工具摩耗量の推移の一例を示す図である。
図11に示されるように、N回目の加工が実行されるときには、工具使用時間が「T1」であるとする。「N」は、自然数である。N回目の加工が行われる前、またはN回目の加工が行われている最中に、工作機械100は、上述の方法で、N回目の加工過程で工具寿命が尽きるか否かを判断する。図11の例では、N回目の加工過程が終了した時点で工具の総使用時間が「T2」になる。総使用時間「T2」は、工具寿命の基準となる閾値「th」よりも低いため、工作機械100は、N回目の加工過程では工具寿命が尽きないと判断する。
この場合には、工作機械100は、上述の方法で、さらに、N+1回目の加工過程で工具寿命が尽きるか否かを判断する。図11の例では、N+1回目の加工過程が終了した時点で工具の総使用時間が「T3」になる。総使用時間「T3」は、工具寿命の基準となる閾値「th」よりも高いので、工作機械100は、N+1回目の加工過程の途中で工具寿命が尽きると判断する。
このように、今回のN回目の加工過程で工具寿命が尽きないが、次回のN+1回目の加工過程の途中で工具寿命が尽きる場合には、工作機械100は、加工設定を通常設定(第1設定)から効率優先用の設定(第3設定)に変更する。効率優先用の設定でワークの加工を続けた場合におけるワークの加工完了時間は、通常設定でワークの加工を続けた場合におけるワークの加工完了時間よりも早い。
一例として、加工時間を短縮するための設定パラメータは、主軸22の送り速度である。典型的には、工作機械100は、通常設定から効率優先用の設定に切り替えるときに、主軸22の送り速度を上げるだけでなく、主軸22の回転速度(すなわち、工具の切削速度)を上げる。これにより、工作機械100は、加工時間の短縮するだけでなく、ワークの加工精度を維持することができる。
但し、切削速度を上げた場合には、上述の式(2)に示されるように、工具寿命が短くなる。そのため、工作機械100は、変更後の切削速度における工具寿命を算出し直す。一例として、工作機械100は、N回目の加工を開始する時点では、下記式(5)に基づいて、工具寿命「Tth’」を新たに算出する。
Tth’=T1+Tnew(1−T1/Tth)・・・(5)
式(5)に示される「T1」は、N回目の加工開始時点における工具の総使用時間である。「Tnew」は、更新後の切削速度を上記式(2)に代入して算出される工具寿命に相当する。「Tth」は、更新前の切削速度を上記式(2)に代入して算出される工具寿命に相当する。
上記式(5)により、切削速度の変更前までにおける工具の総使用時間が考慮されて、新たな工具寿命が算出される。その結果、図11の例では、工具寿命が「Tth」から「Tth’」に減るが、N回目の加工終了時点では、工具使用時間が工具寿命「Tth’」を超えない。これにより、工作機械100は、工具寿命をより効率的に利用しながら、加工時間を「T2」から「T2’」に短縮することができる。
以上のように、加工設定が通常設定から効率優先用の設定に変えられることで、工具の送り速度と、工具の回転速度とが上げられる。これにより、工作機械100は、ワークの加工精度を維持した状態で、加工時間の短縮することができる。
<F.ハードウェア構成>
次に、図12を参照して、工作機械100のハードウェア構成について順に説明する。図12は、工作機械100のハードウェア構成の一例を示す図である。
工作機械100は、主軸22と、ボールねじ25,25,54と、CNC(Computer Numerical Control)ユニット100Aと、サーボドライバ111A〜111Dと、サーボモータ112A〜112Dと、エンコーダ113A〜113Dと、操作盤130とを含む。CNCユニット100Aは、制御装置101と、ROM102と、RAM103と、通信インターフェイス104とを含む。
制御装置101は、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのMPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
制御装置101は、加工プログラム122や制御プログラム124など各種プログラムを実行することで工作機械100の動作を制御する。加工プログラム122は、各種駆動機構の駆動命令などを規定しており、ワークの加工を実現するためのプログラムである。制御プログラム124は、上述の延命用の設定や上述の効率優先用の設定に変更する処理を変更するためのプログラムである。制御装置101は、プログラムの実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置120からROM102にプログラムを読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、プログラムの実行に必要な各種データを一時的に格納する。
通信インターフェイス104は、操作盤130に接続することができるインターフェイスである。工作機械100は、通信インターフェイス104を介して操作盤130とデータをやり取りする。操作盤130は、工作機械100に対する各種の操作を受け付ける。
制御装置101は、加工プログラム122に従ってサーボドライバ111A〜111Dを制御する。サーボドライバ111Aは、制御装置101から目標回転速度(または目標位置)の入力を逐次的に受け、サーボモータ112Aが目標回転速度で回転するようにサーボモータ112Aを制御する。より具体的には、サーボドライバ111Aは、エンコーダ113Aのフィードバック信号からサーボモータ112Aの実回転速度(または実位置)を算出し、当該実回転速度が目標回転速度よりも小さい場合にはサーボモータ112Aの回転速度を上げ、当該実回転速度が目標回転速度よりも大きい場合にはサーボモータ112Aの回転速度を下げる。このように、サーボドライバ111Aは、サーボモータ112Aの回転速度のフィードバックを逐次的に受けながらサーボモータ112Aの回転速度を目標回転速度に近付ける。サーボドライバ111Aは、ボールねじ54に接続されるテーブル55(図2参照)をX軸方向に沿って移動し、テーブル55をX軸方向の任意の位置に移動する。
同様のモータ制御により、サーボドライバ111Bは、ボールねじ52に接続されるガイド53(図2参照)をY軸方向に沿って移動し、ガイド53上のテーブル55(図2参照)をY軸方向の任意の位置に移動する。同様のモータ制御を行うことにより、サーボドライバ111Cは、ボールねじ25に接続される主軸頭21(図2参照)をZ軸方向の任意の位置に移動する。同様のモータ制御を行うことにより、サーボドライバ111Dは、主軸回転速度を制御する。
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。記憶装置120は、加工プログラム122、制御プログラム124、上述の工具使用履歴126(図5参照)、および加工設定128などを格納する。これらの格納場所は、記憶装置120に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュ領域など)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
上述の延命用の設定や上述の効率優先用の設定に変更するための制御プログラム124は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム124の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム124によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム124の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で工作機械100が構成されてもよい。
<G.工作機械100の制御構造>
図13を参照して、工作機械100の制御構造について説明する。図13は、工作機械100が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
工作機械100の制御装置101が上述の制御プログラム124を実行することにより、図13に示される処理が実行される。
より具体的には、ステップS110において、制御装置101は、加工設定を変更すべきか否かを判断するタイミングが到来したか否かを判断する。一例として、当該タイミングは、ユーザによって登録された所定のタイミングである。あるいは、当該タイミングは、加工プログラム122の実行開始時または実行開始前のタイミングである。あるいは、当該タイミングは、工具の総使用時間が工具寿命に近い所定時間に達したタイミングである。
制御装置101は、加工設定を変更すべきか否かを判断するタイミングが到来したと判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS120に切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、制御装置101は、制御をステップS110の処理を再び実行する。
ステップS120において、制御装置101は、上述の判断部150(図4参照)として機能し、今回の加工過程で工具寿命が尽きるか否かを判断する。当該判断方法は、上述の「C1.判断部150」や上述の「D.判断部150の変形例」で説明した通りであるので、その説明については繰り返さない。制御装置101は、今回の加工過程で工具寿命が尽きると判断した場合(ステップS120においてYES)、制御をステップS122に切り替える。そうでない場合には(ステップS120においてNO)、制御装置101は、制御をステップS140に切り替える。
ステップS122において、制御装置101は、上述の表示制御部160(図4参照)として機能し、上述の選択画面60(図7参照)を表示する。選択画面60は、工作機械100の加工設定を通常設定から延命用の設定に変更するか否か受け付けるように構成される。
ステップS130において、制御装置101は、延命用の設定への設定変更の許可を受け付けたか否かを判断する。一例として、ユーザが選択画面60上で「はい」を選択した場合には、制御装置101は、延命用の設定への設定変更が許可されたと判断する。一方で、ユーザが選択画面60上で「いいえ」を選択した場合には、制御装置101は、効率優先用の設定への設定変更が拒否されたと判断する。制御装置101は、延命用の設定への設定変更の許可を受け付けたと判断した場合(ステップS130においてYES)、制御をステップS132に切り替える。そうでない場合には(ステップS130においてNO)、制御装置101は、制御をステップS110に戻す。
ステップS132において、制御装置101は、上述の設定変更部162(図4参照)として機能し、工作機械100の加工設定を通常設定から延命用の設定に変更する。典型的には、制御装置101は、主軸22の回転速度(すなわち、工具32の切削速度)を現在よりも下げる。このとき、制御装置101は、加工プログラム122を書き換えることで直接的に主軸22の回転速度を変更してもよいし、オーバーライド値を書き換えることで間接的に主軸22の回転速度を変更してもよい。
ステップS140において、制御装置101は、上述の判断部150(図4参照)として機能し、次回の加工過程で工具寿命が尽きるか否かを判断する。当該判断方法は、上述の「E.効率優先設定」で説明した通りであるので、その説明については繰り返さない。制御装置101は、次回の加工過程で工具寿命が尽きると判断した場合(ステップS140においてYES)、制御をステップS142に切り替える。そうでない場合には(ステップS140においてNO)、制御装置101は、制御をステップS110に戻す。
ステップS142において、制御装置101は、上述の表示制御部160(図4参照)として機能し、加工設定の選択画面(図示しない)を表示する。当該選択画面は、工作機械100の加工設定を通常設定から効率優先用の設定に変更するか否か受け付けるように構成される。
ステップS150において、制御装置101は、効率優先用の設定への設定変更の許可を受け付けたか否かを判断する。一例として、ユーザがステップS142で表示された選択画面上で「はい」を選択した場合には、制御装置101は、効率優先用の設定への設定変更が許可されたと判断する。一方で、ユーザがステップS142で表示された選択画面上で「いいえ」を選択した場合には、制御装置101は、効率優先用の設定への設定変更が拒否されたと判断する。制御装置101は、効率優先用の設定への設定変更の許可を受け付けたと判断した場合(ステップS150においてYES)、制御をステップS152に切り替える。そうでない場合には(ステップS150においてNO)、制御装置101は、制御をステップS110に戻す。
ステップS152において、制御装置101は、上述の設定変更部162(図4参照)として機能し、工作機械100の加工設定を通常設定から効率優先用の設定に変更する。典型的には、制御装置101は、主軸22の送り速度を上げる。好ましくは、制御装置101は、さらに、主軸22の回転速度(すなわち、工具32の切削速度)を上げる。このとき、制御装置101は、加工プログラム122を書き換えることで当該送り速度および当該回転速度を直接的に変更してもよいし、オーバーライド値を書き換えることで当該送り速度および当該回転速度を間接的に変更してもよい。
<H.まとめ>
以上のようにして、工作機械100は、摩耗による工具の交換時期(すなわち、工具寿命)がワークの加工過程の途中で到来するか否かを判断する。工作機械100は、工具の交換時期がワークの加工過程の途中で到来すると判断した場合には、ワークの加工設定を通常設定から延命用の設定に変更するか否かの選択を受け付ける。これにより、工作機械100は、ワークの加工中に工具寿命が尽きる可能性を下げることが可能になる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
21 主軸頭、22 主軸、23 ハウジング、25,52,54 ボールねじ、30 自動工具交換装置、31 マガジン、32 工具、33 押出し機構、34 工具保持部、35 スプロケット、36 アーム、50 移動機構、51,53 ガイド、55 テーブル、60 選択画面、61 警告表示領域、62 選択受付領域、100 工作機械、100A CNCユニット、101 制御装置、102 ROM、103 RAM、104 通信インターフェイス、111A〜111D サーボドライバ、112A〜112D サーボモータ、113A〜113D エンコーダ、120 記憶装置、122 加工プログラム、124 制御プログラム、126,126A 工具使用履歴、128 加工設定、130 操作盤、131 ディスプレイ、132 入力デバイス、150,150A 判断部、151 監視部、152 寿命算出部、153 使用可能時間推定部、154 使用予定時間推定部、155 比較部、156 摩耗量取得部、157 終端摩耗検知部、160 表示制御部、162 設定変更部、164 駆動制御部。

Claims (8)

  1. 工具を用いてワークを加工することが可能な工作機械であって、
    前記ワークまたは前記工具を回転するための主軸と、
    前記主軸の駆動を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記工具の摩耗による前記工具の交換時期が前記ワークの加工完了前に到来するか否かを判断する処理を実行する、工作機械。
  2. 前記制御装置は、さらに、前記交換時期が前記ワークの加工完了前に到来すると判断した場合に、前記工作機械の加工設定を現在の第1設定から第2設定に変更するか否かの選択を受け付ける処理を実行し、
    前記第2設定で前記ワークの加工を続けた場合における前記工具の寿命は、前記第1設定で前記ワークの加工を続けた場合における前記工具の寿命よりも長い、請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記制御装置は、さらに、
    前記工具の現在までの総使用量を取得する処理と、
    前記総使用量に基づいて、現在から前記工具の交換時期が到来するまでにおける前記工具の残りの使用可能量を推定する処理と、
    前記ワークの加工プログラムを解析して、現在から前記ワークの加工が完了するまでの間における前記工具の残りの使用予定量を推定する処理とを実行し、
    前記交換時期が前記ワークの加工完了前に到来すると判断される条件は、前記残りの使用可能量が前記残りの使用予定量よりも少ない場合に満たされる、請求項2に記載の工作機械。
  4. 前記残りの使用可能量は、前記工具の寿命から前記総使用量を差分することで算出され、
    前記寿命は、予め定められた方程式に前記第1設定での切削速度を代入することで算出される、請求項3に記載の工作機械。
  5. 前記制御装置は、さらに、前記残りの使用可能量が前記残りの使用予定量よりも多い場合で、かつ、前記ワークの次のワークの加工が完了までに前記交換時期が到来する場合には、前記工作機械の加工設定を前記第1設定から第3設定に変更するか否かの選択を受け付ける処理を実行し、
    前記第3設定で前記ワークの加工を続けた場合における前記ワークの加工完了時間は、前記第1設定で前記ワークの加工を続けた場合における前記ワークの加工完了時間よりも早い、請求項3または4に記載の工作機械。
  6. 前記制御装置は、
    前記工具の使用量に応じた前記工具の摩耗量の推移を取得する処理と、
    前記摩耗量の変化量が所定量以下に安定している安定期よりも前において、前記工具の使用量に対する前記摩耗量の変化量を第1変化量として算出する処理と、
    前記安定期よりも後において、前記工具の使用量に対する前記摩耗量の変化量を第2変化量として算出する処理とを実行し、
    前記交換時期が前記ワークの加工完了前に到来すると判断される条件は、前記第2変化量が、前記第1変化量を含む所定範囲に含まれる場合に満たされる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の工作機械。
  7. 工具を用いてワークを加工することが可能な工作機械の制御方法であって、
    前記工作機械は、前記ワークまたは前記工具を回転するための主軸を備え、
    前記制御方法は、
    前記主軸の駆動を制御して前記ワークを加工するステップと、
    前記工具の摩耗による前記工具の交換時期が前記ワークの加工完了前に到来するか否かを判断するステップとを備える、制御方法。
  8. 工具を用いてワークを加工することが可能な工作機械の制御プログラムであって、
    前記工作機械は、前記ワークまたは前記工具を回転するための主軸を備え、
    前記制御プログラムは、前記工作機械に、
    前記主軸の駆動を制御して前記ワークを加工するステップと、
    前記工具の摩耗による前記工具の交換時期が前記ワークの加工完了前に到来するか否かを判断するステップとを実行させる、制御プログラム。
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