JP2021102236A - カッタークランプ機構および該カッタークランプ機構を備えたカッター本体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カッター本体を高い取付剛性でアーバーに取り付ける。【解決手段】軸線O回りに回転させられる円筒状のカッター本体1を、クランプボルト5によってアーバーに締結して取り付けるカッタークランプ機構であって、カッター本体1の先端部外周には切刃が設けられ、カッター本体1の内周部には、カッター本体1の後端部に開口してクランプボルト5のネジ部5aが挿通される貫通孔6と、貫通孔6の先端側に連通して、クランプボルト5の頭部5bが収容される貫通孔6よりも内径の大きな収容孔7と、収容孔7のさらに先端側に連通してカッター本体1の先端部に開口し、クランプボルト5の先端面に形成された係合部5cと係合する作業用工具が挿通される挿通孔8とが軸線Oに沿って形成され、カッター本体1の先端部における挿通孔8の開口部の内径がクランプボルト5の頭部5bの外径よりも小さい。【選択図】図2
Description
本発明は、先端部外周に切刃が設けられて軸線回りに回転させられる円筒状のカッター本体を、クランプボルトによってアーバーに締結して取り付けるカッタークランプ機構、およびこのようなカッタークランプ機構を備えたカッター本体の製造方法に関するものである。
このようなカッタークランプ機構としては、円筒状のカッター本体の内周部に先端側から挿通されたクランプボルトのネジ部をアーバーの先端面に形成されたネジ孔にねじ込むことにより、クランプボルトの頭部によってカッター本体の先端面を押圧してアーバーに締結するものが従来より一般的に知られている。
ところで、このような一般的なカッタークランプ機構では、クランプボルトの頭部が切刃よりも先端側に突出しないように、カッター本体の内周部の先端側には座繰り孔を形成している。ところが、カッター本体の切刃の外径が小さくなると、例えば刃先交換式のカッターの場合には切削インサートが取り付けられるインサート取付座のカッター本体外周側を向く壁面と座繰り孔の内周面との間の肉厚を確保できなくなり、切削インサートがクランプボルトに干渉するおそれがある。
そこで、例えば特許文献1には、工具取付軸(アーバー)の先端部に軸心(軸線)を合わせて嵌合されるカッター本体と、このカッター本体を工具取付軸に固定するねじ棒とを備えてなり、このねじ棒の一端側には工具取付軸の先端面に設けられたねじ穴に螺合する雄ねじが形成され、かつ他端側には一端側とは逆ねじの雄ねじが形成され、カッター本体にはねじ棒の他端側の雄ねじに螺合するねじ穴が形成されたカッタークランプ機構が記載されている。
また、特許文献2にも、軸心線(軸線)回りに回転される工具本体(カッター本体)の軸方向先端側の外周部に設けられた切屑ポケット部に切削インサートが着脱自在に取り付けられると共に、この工具本体の軸方向後端側が取付ボルト(クランプボルト)によってアーバーに取り付けられる刃先交換式切削工具(カッタ−)のクランプ機構において、ボルト頭部に締付け穴部が設けられた取付ボルトを用い、工具本体の軸方向後端側の中央部に、取付ボルトのボルト頭部を工具本体の軸方向後端側から案内して収容させる案内収容穴部を設けるとともに、この案内収容穴部内に収容された取付ボルトを回転可能な状態で案内収容穴部内に保持させる保持手段を設けたものが記載されている。
さらに、この特許文献2に記載されたカッタークランプ機構においては、取付ボルトのボルト頭部よりも小径の締付け用穴を、工具本体の軸方向先端側から案内収容穴部に貫通するように設けるとともに、取付ボルトを保持手段によって案内収容穴部内に保持させるにあたり、案内収容穴部内に収容された取付ボルトのボルト頭部の上に載置させる平面が非円形のクランプ部材の中央部に挿通穴を設けている。
そして、特許文献2に記載されたカッタークランプ機構では、この挿通穴に取付ボルトのボルト軸を挿通させて、この非円形のクランプ部材を案内収容穴部内に収容させるとともに、このクランプ部材を回転させて、案内収容穴部内に設けられた係止部にこのクランプ部材を係止させ、さらに係止部に係止されたクランプ部材の回転を抑止する回転抑止部材を案内収容穴部内に収容させるとともに、この回転抑止部材をネジ部材により案内収容穴部内に固定させている。
しかしながら、特許文献1に記載されたカッタークランプ機構においては、この特許文献1の図1に示されるようにねじ棒の一端側の雄ねじと他端側の雄ねじとが略等しい直径で細く、ねじ穴に螺合する位置が軸線に近いため、ねじ棒に緩みが生じ易いという問題があった。
一方、特許文献2に記載されたカッタークランプ機構では、カッター本体をクランプするために必要な部品が多く、部品の管理が繁雑となるとともに紛失し易い。また、カッター本体の案内収容穴部にはクランプ部材や回転抑止部材が収容されるため、この案内収容穴部によってカッター本体の肉厚が大きく削がれてしまい、カッター本体の剛性が低下するおそれもある。
さらに、回転抑止部材を固定するネジ部材は、カッター本体の軸線に対する径方向にねじ込まれるため、カッター本体を高速で回転させるとネジ部材が飛散するおそれもある。さらにまた、この特許文献2に記載されたカッタークランプ機構では、カッター本体に冷媒供給穴(クーラント孔)が形成されているが、この冷媒供給穴が、ネジ部材がねじ込まれる取付ネジ穴と干渉すると、クーラント漏れが発生するおそれもある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、カッター本体をクランプするための部品数を抑えるとともに、カッター本体の剛性を確保することができ、またネジ部材の飛散やクーラント漏れを生じることなく、カッター本体を高い取付剛性でアーバーに取り付けることが可能なカッタークランプ機構、および該カッタークランプ機構を備えたカッター本体の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のカッタークランプ機構は、軸線回りに回転させられる円筒状のカッター本体を、クランプボルトによってアーバーにクランプして取り付けるカッタークランプ機構であって、上記カッター本体の先端部外周には切刃が設けられるとともに、上記カッター本体の内周部には、該カッター本体の後端部に開口して上記クランプボルトのネジ部が挿通される貫通孔と、この貫通孔の先端側に連通して、上記クランプボルトの頭部が収容される、上記貫通孔よりも内径の大きな収容孔と、この収容孔のさらに先端側に連通して上記カッター本体の先端部に開口し、上記クランプボルトの先端面に形成された係合部と係合する作業用工具が挿通される挿通孔とが上記軸線に沿って形成されており、上記カッター本体の先端部における上記挿通孔の開口部の内径が、上記クランプボルトの頭部の外径よりも小さいことを特徴とする。
また、本発明のカッター本体の製造方法は、このようなカッタークランプ機構を備えたカッター本体の製造方法であって、3Dプリンターを用いた積層加工により、上記軸線方向において上記カッター本体の後端部と、上記カッター本体の先端部のうち上記収容孔における先端側を向く底面の位置の上記軸線に垂直な平面から上記クランプボルトの頭部の高さ以上で上記挿通孔における上記軸線に対する径方向において該頭部を挿入可能な位置までの範囲内の部分とを形成し、次いで、上記平面に平滑化処理を施して上記収容孔における先端側を向く底面を形成した上で、上記クランプボルトの上記ネジ部を上記貫通孔に挿通して上記頭部の後端面を上記底面に当接させ、さらに3Dプリンターを用いた積層加工によって上記カッター本体の全体を形成することを特徴とする。
上述のような構成のカッタークランプ機構では、カッター本体をアーバーにクランプするのに必要とされる部品がクランプボルトだけとなり、このクランプボルトは、頭部が収容孔よりも小径の貫通孔とカッター本体の先端部に開口する頭部の外径よりも小さい内径の挿通孔の開口部との間に挟み込まれることになるため、カッター本体から外れることがない。このため、部品管理が容易となるとともにクランプボルトの紛失やネジ部材の飛散等が生じることもない。
また、クランプのためにカッター本体に形成される孔も貫通孔と収容孔と挿通孔だけでよく、カッター本体の剛性を確保することができるとともに、カッター本体は軸線から離れたクランプボルトの頭部によって押圧されてアーバーに取り付けられるので、取付剛性も向上させることができて、加工精度の向上を図ることができる。さらに、ネジ部材をねじ込むための取付ネジ孔を形成する必要もないので、切刃にクーラントを供給するためのクーラント孔を形成しても、取付ネジ孔との干渉によってクーラント漏れが生じることもない。
なお、特許文献2に記載されたカッタークランプ機構のように、クランプボルトの頭部よりも小径の締付け用穴が一定の内径のままでカッター本体の先端部に開口していると、この締付け用穴に侵入した切屑やゴミが締付け用穴内に詰まって蓄積されてしまうおそれがある。
そこで、上記挿通孔の内周面は、少なくとも上記収容孔側が、上記カッター本体の先端側に向かうに従い漸次縮径するように形成することにより、この縮径した挿通孔の内周面に沿って案内させるようにして切屑やゴミをカッター本体の先端側に排出することが可能となり、このような切屑やゴミの蓄積を防止することができる。
さらに、本発明のカッター本体の製造方法では、3Dプリンターを用いた積層加工により、上記軸線方向においてカッター本体の後端部と、上記カッター本体の先端部のうち上記収容孔における先端側を向く底面の位置の上記軸線に垂直な平面から上記クランプボルトの頭部の高さ以上で上記挿通孔における上記軸線に対する径方向において該頭部を挿入可能な位置までの範囲内の部分とを形成し、次いで、上記平面に平滑化処理を施して上記収容孔における先端側を向く底面を形成した上で、クランプボルトのネジ部を貫通孔に挿入して頭部の後端面を該平面に当接させているので、この頭部の後端面と収容孔の軸線方向先端側を向く底面となる上記平面との密着度を向上させることができる。
このため、全体が積層加工によって形成されて製造されたカッター本体においては、クランプボルトによりアーバーの先端部にクランプする際に、クランプボルトの頭部の後端面によって収容孔の軸線方向先端側を向く底面を均一に押圧することが可能となるので、カッター本体をさらに高い取付剛性でアーバーに取り付けることができる。従って、加工精度の一層の向上を図ることができる。
なお、このように平滑化処理された上記底面となる平面の表面粗さは、JIS B 0601:2013における最大高さ粗さRzにおいて1.6μm〜12.5μmの範囲内とされるのが望ましい。この最大高さ粗さRzが12.5μmを上回ると、クランプボルトの頭部の後端面と収容孔の底面との密着度を十分に高めることができずに上述した効果を得ることができなくなるおそれがある。その一方で、この最大高さ粗さRzが1.6μmを下回るほど上記底面となる平面を平滑にするのは多大な時間と労力を要して困難である。
以上説明したように、本発明によれば、カッター本体をクランプするための部品数を抑えて部品管理を容易にするとともに紛失を防ぐことができるとともに、ネジ部材の飛散やクーラント漏れを生じることもない。さらに、クランプのためにカッター本体に形成される孔も少なくしてカッター本体の剛性を確保することができるとともに、カッター本体を高い取付剛性でアーバーに取り付けることができるので、加工精度の向上を図ることが可能となる。
図1および図2は、本発明のカッタークランプ機構の一実施形態を示すものであり、図3〜図6は、この図1および図2に示したカッタークランプ機構のカッター本体1(クランプボルトを除いたもの)を示すものである。また、図7〜図11は、本発明のカッター本体の製造方法の一実施形態を示すものである。
本実施形態において、図示されないアーバーの先端部に取り付けられるカッター本体1は、鋼材等の金属材料によって軸線Oを中心とした円筒状に一体に成形されている。ここで、本実施形態のカッターは、カッター本体1の先端部(図2、図3および図5において下側部分)の外周に形成されたインサート取付座2に、切刃3aが形成された切削インサート3が着脱可能に取り付けられる刃先交換式のカッターである。
このようなカッターは、後端部(図2、図3および図5において上側部分)が上記アーバーに取り付けられ、このアーバーを介して工作機械の主軸に取り付けられて軸線O回りにカッター回転方向Tに回転されつつ軸線Oに交差する方向に送り出されて、切削インサート3の上記切刃3aにより被削材に切削加工を行う。
カッター本体1の後端部には、上記アーバーの先端部に形成された図示されないキーが嵌め入れられるキー溝1aが軸線Oに対する直径方向に延びるように形成されている。また、カッター本体1の先端部外周には、上記軸線O方向に延びる凹溝状のチップポケット1bが周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では等間隔に4つ)形成されており、上記インサート取付座2は、これらのチップポケット1bのカッター回転方向Tを向く壁面の先端部に凹状に形成されている。
これらのインサート取付座2に取り付けられる切削インサート3は、超硬合金等のカッター本体1よりも高硬度な金属材料により、本実施形態では概略偏六角形状に形成されており、表裏の偏六角形面の各辺稜部に上記切刃3aが形成されている。また、切削インサート3のこれら表裏の偏六角形面の中央部には、切削インサート3を貫通する取付孔3bが開口している。
このような切削インサート3は、一方の偏六角形面をすくい面としてカッター回転方向Tに向けるとともに、他方の偏六角形面を着座面としてインサート取付座2のカッター回転方向Tを向く底面2aに密着させ、カッター本体1の先端側を向く側面と内周側を向く側面とをインサート取付座2の先端側を向く壁面2bと外周側を向く壁面2cに当接させてインサート取付座2に着座させられる。
また、インサート取付座2の底面2aにはネジ孔2dが形成されており、上記取付孔3bに挿通された取付ネジ4がこのネジ孔2dにねじ込まれることによって切削インサート3はインサート取付座2に固定されて着脱可能に取り付けられる。こうしてインサート取付座2に取り付けられた切削インサート3は、カッター本体1の先端外周側に向けられた切刃3aが専ら切削に使用される。
さらに、円筒状のカッター本体1の内周部には、カッター本体1の後端部に開口して図2に示すようにクランプボルト5のネジ部5aが挿通される貫通孔6と、この貫通孔6の先端側に連通してクランプボルト5の頭部5bが収容される、貫通孔6よりも内径の大きな収容孔7と、この収容孔7のさらに先端側に連通してカッター本体1の先端部に開口して、クランプボルト5の頭部5bの先端面に形成された係合部5cと係合する作業用工具が挿通される挿通孔8とが軸線Oに沿って形成されている。
また、カッター本体1の後端部には、カッター本体1の後端面に開口して上記キー溝1aと連通し、アーバーの先端面の中央部に形成された円柱状の凸部が嵌め込まれる、収容孔7よりも大径の嵌合孔1cが形成されている。凸部の先端面の中央部にはクランプボルト5のネジ部5aがねじ込み可能なネジ孔が形成されている。
嵌合孔1cの軸線O方向の中央部は、両端部よりも僅かに小径とされた一定内径の円筒面に形成されており、アーバーの上記キーがキー溝1aに嵌め入れられた状態で上記凸部は先端部がこの円筒面に嵌め込まれる。こうして凸部が嵌め込まれた状態で、凸部の先端面と嵌合孔1cの軸線O方向後端側を向く軸線Oに垂直な底面との間には間隔があけられる。
さらに、この嵌合孔1cの底面と内周面との交差稜線部には、周方向に等間隔にチップポケット1bと同数のクーラント孔1dが形成されていて、これらのクーラント孔1dは切削インサート3の切削に使用される切刃3aに向けて延びるように各チップポケット1bの先端外周側を向く壁面に開口している。これら貫通孔6、収容孔7、挿通孔8および嵌合孔1cの内周面は、軸線Oに垂直な断面がいずれも軸線Oを中心とする円形に形成されている。
貫通孔6は、カッター本体1の後端部においてこの嵌合孔1cの底面に開口している。ここで、この貫通孔6は、その内径がクランプボルト5のネジ部5aの外径よりも僅かに大径で、頭部5bの外径よりは小さな一定の大きさとされている。
また、収容孔7の内径もクランプボルト5の頭部5bよりも僅かに大径の一定の大きさとされ、収容孔7の軸線O方向の深さは頭部5bを収容可能な大きさとされていて、本実施形態では頭部5bの軸線O方向の厚さと略等しくされている。さらに、このクランプボルト5の頭部5bの先端面に形成される上記係合部5cは、本実施形態では軸状の六角レンチに係合する断面正六角形の孔部とされている。
そして、カッター本体1の先端部における上記挿通孔8の開口部の内径は、クランプボルト5の頭部5bの外径よりも小さくなるように形成されている。ここで、本実施形態では、この挿通孔8の内周面は、少なくとも収容孔7側の部分が、カッター本体1の先端側に向かうに従い漸次縮径することにより、先端部の開口部が収容孔7に収容されるクランプボルト5の頭部5bの外径よりも小さくなるように形成されている。
具体的には、図2および図3に示すように、挿通孔8は、その内周面の収容孔7側が先端側に向かうに従い軸線Oに関して一定のテーパー角で漸次縮径して頭部5bの外径よりも小さくなった後に、カッター本体1の先端側で一定の内径で延びて開口するように形成されている。
この挿通孔8の先端部の一定内径で延びる部分は、上記作業用工具が挿通可能な内径とされており、すなわち係合部5cがなす断面正六角形の孔部に外接する円の直径よりも僅かに大きくされている。また、クランプボルト5のネジ部5aの軸線O方向の長さは、図2に示すように頭部5bの軸線O方向後端側を向く後端面5dを収容孔7の軸線O方向先端側を向く底面7aに密着させた状態で、カッター本体1の後端面から僅かに突出する長さとされている。
このようにクランプボルト5が内蔵されたカッター本体1は、例えば図7〜図11に示す本発明のカッター本体の製造方法の一実施形態のように、3Dプリンターを用いてカッター本体1の原料金属の粉末材料を溶融させながら積層させる積層加工によってカッター本体1の原型を部分的に形成してクランプボルト5を設置し、さらに積層加工によってカッター本体1の全体の原型を形成した後に、ネジ孔2dを含めたインサート取付座2等を機械加工によって形成することによって製造することができる。
本実施形態の製造方法では、カッター本体1は後端部から上向きに先端部に向けて原料金属の粉末材料を溶融させながら積層させて製造される。図7に示す本実施形態の第1の工程では、まず軸線O方向においてカッター本体1の後端部と、カッター本体1の先端部のうち収容孔7におけるカッター本体1の先端側(図7〜図11において上側)を向く底面7aの位置までの上記軸線Oに垂直な平面Pからクランプボルト5の頭部5bの高さ以上で挿通孔8における軸線Oに対する径方向において頭部5bを挿入可能な位置までの範囲内の部分とを形成する(図7では、平面Pから軸線O方向にクランプボルト5の頭部5bの高さの位置までが略形成されている。)。
次いで、図8に示すように第2の工程において、この平面Pに平滑化処理を施すことにより、平面Pの表面粗さを小さくして底面7aを形成する。この平滑化処理は、図8に示すように正面フライスやバイトの切刃Eによる端面切削加工であってもよく、また研削砥石による研削加工でもよい。また、この平滑化処理されて形成された底面7aの表面粗さは、JIS B 0601:2013における最大高さ粗さRzにおいて1.6μm〜12.5μmの範囲内とされるのが望ましい。
こうして平面Pが平滑化されて底面7aが形成されたなら、図9に示す第3の工程のように、クランプボルト5のネジ部5aを貫通孔6に挿通するとともに頭部5bの軸線O方向後端側を向く後端面5dを底面7aに密着させてクランプボルト5を設置する。次に、図10に示す第4の工程のように、このクランプボルト5の頭部5bの先端側に挿通孔8が形成されるように原料金属の粉末材料を溶融して積層してゆき、図11に示す第5の工程のようにカッター本体1の先端部までの全体の原型を形成する。
このように全体の原型が形成されたカッター本体1は、最終工程においてネジ孔2dを含めたインサート取付座2がマシニングセンタ等による機械加工によって所定の精度に成形され、さらに必要に応じて表面処理等の後処理やメッキ等による塗装が施され、クランプボルト5が内蔵されたカッター本体1に製造される。
このように製造されたカッター本体1をアーバーに取り付けるには、カッター本体1の後端部のキー溝1aの周方向の位相をアーバーのキーに合わせるとともに、嵌合孔1cをアーバーの先端面中央部の円柱状の凸部の位置に合わせて、カッター本体1をアーバーの先端部に配置する。
そして、挿通孔8に挿通した作業用工具をクランプボルト5の頭部5bの係合部5cに係合させてクランプボルト5を回転させることにより、ネジ部5aがアーバーの上記凸部の先端面中央部に形成されたネジ孔にねじ込まれるとともに、頭部5bの後端面5dが収容孔7の底面7aを押圧し、カッター本体1が後端側に移動してキー溝1aにキーが嵌め入れられるとともに嵌合孔1cに凸部が嵌め入れられ、カッター本体1はアーバーの先端部に取り付けられる。
なお、このようにして取り付けられたカッター本体1によって切削加工を行う際には、アーバーの凸部の先端面と嵌合孔1cの底面との間の間隙にアーバーを介して工作機械からクーラントが供給され、クーラント孔1dを通って切削に使用される切刃3aに噴出させられる。
上述のように構成されたカッタークランプ機構では、嵌合孔1cが形成されずにキー溝1aとアーバーのキーとの嵌合でカッター本体1が回り止めされて、カッター本体1の後端面とアーバーの先端面との面接触でカッター本体1が取り付けられていてもよいので、クランプのためにカッター本体1に形成される孔が貫通孔6と収容孔7と挿通孔8だけでよく、カッター本体1の剛性を確保することができる。また、カッター本体1は軸線Oから離れたクランプボルト5の頭部5bの後端面5dによって押圧されてアーバーに取り付けられるので、取付剛性も向上させることができる。
しかも、本実施形態のカッターのように刃先交換式のカッターであっても、挿通孔8のカッター本体1先端部における開口部がクランプボルト5の頭部5bよりも小径であるので、切刃3aの外径(切削に使用される切刃3aの外周端が軸線O回りになす円の直径)が小さくなっても、インサート取付座2の外周側を向く壁面2cと挿通孔8との間に肉厚を確保することができて、切削インサート3の取付強度も向上させることができる。従って、これらにより高い加工精度で切削加工を行うことができる。
また、カッター本体1をアーバーにクランプするのに必要とされる部品もクランプボルト5だけとなり、このクランプボルト5の頭部5bは、収容孔7よりも小径の貫通孔6とカッター本体1の先端部に開口するクランプボルト5の頭部5bの外径よりも小さな内径の挿通孔8の開口部との間に挟み込まれることになるので、クランプボルト5がカッター本体1から外れることがない。このため、部品管理が容易となるとともにクランプボルト5の紛失や特許文献2に記載されたカッタークランプ機構のようにネジ部材の飛散等が生じることもない。
さらに、上述のようにクランプのためにカッター本体1に形成される孔が貫通孔6と収容孔7と挿通孔8だけでよいので、やはり特許文献2に記載されたカッタークランプ機構のようにネジ部材をねじ込むための取付ネジ孔を形成する必要がない。このため、本実施形態のように切刃3aにクーラントを供給するためのクーラント孔1dを形成しても、取付ネジ孔との干渉によってクーラント漏れが生じることもない。
また、本実施形態のカッタークランプ機構では、挿通孔8の内周面の少なくとも収容孔7側が、カッター本体1の先端側に向かうに従い漸次縮径するように形成されている。従って、挿通孔8に入り込んだ切屑やゴミを、この縮径した挿通孔8の内周面に沿って案内させるようにしてカッター本体1の先端側に排出することが可能となり、このような切屑やゴミが挿通孔8内に蓄積するのを防止することができる。
一方、本実施形態のカッタークランプ機構を備えたカッター本体1の製造方法においては、3Dプリンターを用いた積層加工により、軸線O方向においてカッター本体1の後端部と、カッター本体1の先端部のうち上記収容孔7における先端側を向く底面7aの位置の軸線Oに垂直な平面Pからクランプボルト5の頭部5bの高さ以上で挿通孔8における軸線Oに対する径方向において頭部5bを挿入可能な位置までの範囲内の部分とを形成し、次いで、この平面Pに平滑化処理を施して収容孔7における先端側を向く底面7aを形成した上で、クランプボルト5のネジ部5aを貫通孔6に挿通して頭部5の後端面5dを平滑化処理された上記底面7aに当接させている。
従って、この頭部5bの後端面5dと収容孔7の底面7aとの密着度を向上させることができるので、全体が形成されて製造されたカッター本体1をクランプボルト5によってアーバーの先端部にクランプする際に、クランプボルト5の頭部5bの後端面5dによって収容孔7の底面7aを均一に押圧することが可能となる。このため、カッター本体1をさらに高い取付剛性でアーバーに取り付けることができ、加工精度の一層の向上を図ることができる。
なお、こうして平滑化処理を施された上記底面7aとなる平面Pの表面粗さは、上述したようにJIS B 0601:2013における最大高さ粗さRzにおいて1.6μm〜12.5μmの範囲内とされるのが望ましい。
この最大高さ粗さRzが12.5μmを上回ると、クランプボルト5の頭部5bの後端面5dと収容孔7の底面7aとの密着度を十分に高めることができずに上述した効果を得ることができなくなるおそれがある一方、この最大高さ粗さRzが1.6μmを下回るほど上記底面7aとなる平面Pを平滑にするのは困難である。
なお、同様に、クランプボルト5の頭部5bの後端面5dにも同程度の平滑化処理を施せば、収容孔7の底面7aとの密着度を一層向上させることができるので、カッター本体1をさらに一層高い取付剛性でアーバーに取り付けることが可能となり、加工精度をより一層の向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、本発明を刃先交換式のカッターのカッタークランプ機構に適用した場合について説明したが、例えば切刃が形成された切削インサートをろう付けによってカッター本体に接合したろう付け式のカッターや、場合によってはカッター本体に直接切刃が研ぎ付けられたソリッド式のカッターに本発明を適用することも勿論可能である。
1 カッター本体
1c 嵌合孔
1d クーラント孔
2 インサート取付座
3 切削インサート
3a 切刃
4 取付ネジ
5 クランプボルト
5a クランプボルト5のネジ部
5b クランプボルト5の頭部
5c 係合部
5d クランプボルト5の頭部5bの後端面
6 貫通孔
7 収容孔
7a 収容孔7の底面
8 挿通孔
O カッター本体1の軸線
T カッター回転方向
P 収容孔7の底面7aの位置の平面
1c 嵌合孔
1d クーラント孔
2 インサート取付座
3 切削インサート
3a 切刃
4 取付ネジ
5 クランプボルト
5a クランプボルト5のネジ部
5b クランプボルト5の頭部
5c 係合部
5d クランプボルト5の頭部5bの後端面
6 貫通孔
7 収容孔
7a 収容孔7の底面
8 挿通孔
O カッター本体1の軸線
T カッター回転方向
P 収容孔7の底面7aの位置の平面
Claims (4)
- 軸線回りに回転させられる円筒状のカッター本体を、クランプボルトによってアーバーにクランプして取り付けるカッタークランプ機構であって、
上記カッター本体の先端部外周には切刃が設けられるとともに、
上記カッター本体の内周部には、該カッター本体の後端部に開口して上記クランプボルトのネジ部が挿通される貫通孔と、
この貫通孔の先端側に連通して、上記クランプボルトの頭部が収容される、上記貫通孔よりも内径の大きな収容孔と、
この収容孔のさらに先端側に連通して上記カッター本体の先端部に開口し、上記クランプボルトの先端面に形成された係合部と係合する作業用工具が挿通される挿通孔とが上記軸線に沿って形成されており、
上記カッター本体の先端部における上記挿通孔の開口部の内径が、上記クランプボルトの頭部の外径よりも小さいことを特徴とするカッタークランプ機構。 - 上記挿通孔の内周面は、少なくとも上記収容孔側が、上記カッター本体の先端側に向かうに従い漸次縮径していることを特徴とする請求項1に記載のカッタークランプ機構。
- 請求項1または請求項2に記載のカッタークランプ機構を備えたカッター本体の製造方法であって、
3Dプリンターを用いた積層加工により、上記軸線方向において上記カッター本体の後端部と、上記カッター本体の先端部のうち上記収容孔における先端側を向く底面の位置の上記軸線に垂直な平面から上記クランプボルトの頭部の高さ以上で上記挿通孔における上記軸線に対する径方向において該頭部を挿入可能な位置までの範囲内の部分とを形成し、
次いで、上記平面に平滑化処理を施して上記収容孔における先端側を向く底面を形成した上で、上記クランプボルトの上記ネジ部を上記貫通孔に挿通して上記頭部の後端面を上記底面に当接させ、
さらに3Dプリンターを用いた積層加工によって上記カッター本体の全体を形成することを特徴とするカッタークランプ機構を備えたカッター本体の製造方法。 - 平滑化処理された上記底面の表面粗さが、JIS B 0601:2013における最大高さ粗さRzにおいて1.6μm〜12.5μmの範囲内とされていることを特徴とする請求項3に記載のカッタークランプ機構を備えたカッター本体の製造方法。
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JP2019233358A JP2021102236A (ja) | 2019-12-24 | 2019-12-24 | カッタークランプ機構および該カッタークランプ機構を備えたカッター本体の製造方法 |
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JP2019233358A Pending JP2021102236A (ja) | 2019-12-24 | 2019-12-24 | カッタークランプ機構および該カッタークランプ機構を備えたカッター本体の製造方法 |
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2019
- 2019-12-24 JP JP2019233358A patent/JP2021102236A/ja active Pending
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