JP2021101496A - 回路装置、無線送信機、発振器及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】基準クロック信号に同期した高い周波数精度の無線送信用のクロック信号を簡素な構成で生成できる回路装置、無線送信機、発振器及び電子機器を提供する。【解決手段】無線送信機において、回路装置10は、処理回路20と、同期回路50を有する。処理回路20は、周波数制御データDFCを生成し、周波数制御データDFCに対する変調処理を行う。同期回路50は、デジタル制御発振回路80を有する。デジタル制御発振回路80は、周波数制御データDFCに対応する発振周波数のクロック信号CLKを生成する。同期回路50は、変調処理が行われた周波数制御データDFCに基づきデジタル制御発振回路80が生成したクロック信号CLKを、変調された無線送信用のクロック信号として出力する。【選択図】図2
Description
本発明は、回路装置、無線送信機、発振器及び電子機器等に関する。
機器間で無線通信を行う際には、送信側の機器と受信側の機器との間で周波数をある程度同期させておく必要がある。しかしながら、安価な発振器などの周波数出力装置は、発振の周波数に個体バラつきがあったり、発振の周波数の温度特性が異なることで、周波数同期をさせることは難しい。特許文献1には、このような周波数バラつきを補正するために、通信フォーマットとしてプリアンブルや同期コードを備え、無線の送信データとは別に周波数補正用のデータを送信し、受信側の機器で補正を行っている。
特許文献1のような構成では、受信側の機器にもデータ補正用のデジタル演算装置などが必要となり、複雑な構成となる。また、通信フォーマットにプリアンブル等があると、データレートが落ちてしまったり、消費電流も多くなってしまう。従って、プリアンブル等の通信フォーマットを用いなくても、簡素な構成で、周波数を同期させた機器間の無線通信を実現するような手法については提案されていなかった。
本開示の一態様は、周波数制御データを生成する処理回路と、前記周波数制御データに対応する発振周波数のクロック信号を生成するデジタル制御発振回路を有する同期回路と、を含み、同期モードにおいて、前記同期回路は、前記デジタル制御発振回路が生成する前記クロック信号を、外部から入力される基準クロック信号に同期させ、出力モードにおいて、前記処理回路は、前記周波数制御データに対する変調処理を行い、前記同期回路は、前記変調処理が行われた前記周波数制御データに基づき前記デジタル制御発振回路が生成した前記クロック信号を、変調された無線送信用の前記クロック信号として出力する回路装置に関係する。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
1.回路装置、無線送信機
図1に本実施形態の回路装置10、無線送信機200の構成例を示す。本実施形態の無線送信機200は、本実施形態の回路装置10と無線送信部100を含む。無線送信機200は、所定の周波数帯域の周波数での無線送信を行う機器であり、無線送信モジュールである。無線送信部100は、少なくとも無線送信のためのアンテナや整合回路を含み、更に望ましくはパワーアンプなどの無線用の送信回路を含む。そして回路装置10は、無線送信用のクロック信号CLKを無線送信部100に出力する。無線送信部100は、このクロック信号CLKを用いて、所定の周波数帯域の搬送波の周波数での無線の送信信号をアンテナに出力して、無線送信を行う。無線の周波数帯域としては、UHF(Ultra High Frequency)、HF(High Frequency)、MF(Medium Frequency)、又はLF(Low Frequency)などの種々の周波数帯域がある。
図1に本実施形態の回路装置10、無線送信機200の構成例を示す。本実施形態の無線送信機200は、本実施形態の回路装置10と無線送信部100を含む。無線送信機200は、所定の周波数帯域の周波数での無線送信を行う機器であり、無線送信モジュールである。無線送信部100は、少なくとも無線送信のためのアンテナや整合回路を含み、更に望ましくはパワーアンプなどの無線用の送信回路を含む。そして回路装置10は、無線送信用のクロック信号CLKを無線送信部100に出力する。無線送信部100は、このクロック信号CLKを用いて、所定の周波数帯域の搬送波の周波数での無線の送信信号をアンテナに出力して、無線送信を行う。無線の周波数帯域としては、UHF(Ultra High Frequency)、HF(High Frequency)、MF(Medium Frequency)、又はLF(Low Frequency)などの種々の周波数帯域がある。
図1に示すように本実施形態の回路装置10は、処理回路20と同期回路50を含む。処理回路20は、種々の処理を行う回路であり、例えば周波数制御データDFCを生成する処理を行う。周波数制御データDFCは周波数制御ワードFCWとも呼ばれる。また処理回路20は、無線通信のための変調処理なども行う。また処理回路20は、回路装置10の外部デバイスとの間とのインターフェース処理などを行ってもよい。この処理回路20は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現したり、マイクロコンピューターなどのプロセッサーにより実現することができる。
同期回路50は、無線通信のための同期処理などの処理を行う回路であり、デジタル制御発振回路80を有する。デジタル制御発振回路80は、処理回路20からの周波数制御データDFCに対応する発振周波数のクロック信号CLKを生成する。デジタル制御発振回路80は、後述の図5に示すように、例えば周波数制御データDFCに対応する発振周波数で振動子XTALを発振させることで、クロック信号CLKを生成する。なおデジタル制御発振回路80として、LC発振回路やリング型発振回路などを用いてもよい。
そして本実施形態では回路装置10が動作モードとして同期モードと出力モードを有する。動作モードの設定は例えば処理回路20が行う。なお外部からもコマンド設定により動作モードが設定されるようにしてもよい。同期モードは、外部から入力される基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKを同期させるモードである。出力モードは、無線送信用のクロック信号CLKを出力するモードであり、特定周波数の出力モードである。例えば出力モードは、無線送信を行うモードであり、無線送信用の変調されたクロック信号CLKが出力される。
具体的には同期モードにおいて、同期回路50は、デジタル制御発振回路80が生成するクロック信号CLKを、外部から入力される基準クロック信号RCLKに同期させる。例えば基準クロック信号RCLKは、回路装置10の外部入力端子である端子TEを介して外部から入力される。同期モードでは、同期回路50は、この外部入力信号である基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKを同期させる動作を行う。例えば同期回路50として、後述するようなPLL(Phase Locked Loop)やFLL(Frequency Locked Loop)の回路を用いることで、基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKを同期させることができる。
一方、出力モードにおいて、処理回路20は、周波数制御データDFCに対する変調処理を行う。例えば周波数制御データDFCに対して変調データを加算又は減算することなどにより周波数制御データDFCに対する変調処理が実現される。そして同期回路50は、変調処理が行われた周波数制御データDFCに基づきデジタル制御発振回路80が生成したクロック信号CLKを、変調された無線送信用のクロック信号CLKとして出力する。
例えば処理回路20は、同期モードにおいて基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが同期したときの周波数制御データDFCを保持する。例えば処理回路20は、同期モードから出力モードに切り替わる前の周波数制御データDFCを保持する。そして処理回路20は、出力モードにおいて、保持した周波数制御データDFCに対する変調処理を行う。このようにすることで、基準クロック信号RCLKに同期した際の周波数制御データDFCであって、高い周波数精度を保証する周波数制御データDFCに対して、変調処理を行えるようになる。そして本実施形態では、例えば回路装置10のクロック出力端子である端子TCQを介して、変調された無線送信用のクロック信号CLKが無線送信部100に出力される。出力モードでは、クロック信号CLKの周波数が例えばfs1、fs2というように交互に変化する変調が行われる。これにより、例えばFSK(Frequency shift keying)などの変調方式での無線送信が可能になる。
ここで基準クロック信号RCLKとしては、GNSS(Global Navigation Satellite System)又はネットワークの受信器から入力される時刻信号を想定できる。GNSSがGPS(Global Positioning System)である場合、外部クロック信号である基準クロック信号RCLKは1pps信号であり、例えば周波数が1Hzの信号である。そして同期回路50は、基準クロック信号RCLKの周波数を逓倍した信号であって、基準クロック信号RCLKに位相同期又は周波数同期したクロック信号CLKを生成する。
以上のように本実施形態では、同期モードにおいては、デジタル制御発振回路80が生成するクロック信号CLKが、GNSSやネットワークなどからの基準クロック信号RCLKに同期するようになる。このように周波数精度が高い基準クロック信号RCLKに同期することで、デジタル制御発振回路80は、高い周波数精度のクロック信号CLKを生成できるようになる。即ち、単に振動子だけを用いてクロック信号CLKを生成すると、振動子の個体バラつきや温度特性やエージング特性などが原因で、クロック信号CLKの周波数精度が低下する。これに対して本実施形態では、周波数精度が高い基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが同期することで、クロック信号CLKの周波数精度を、基準クロック信号RCLKの周波数精度と同等の精度にすることが可能になる。そして本実施形態では、出力モードになると、処理回路20が、デジタル制御発振回路80に出力する周波数制御データDFCに対する変調処理を行う。このようにすれば、基準クロック信号RCLKとの同期により高い周波数精度に保たれたクロック信号CLKが、周波数制御データDFCの変調処理により変調されることで、無線送信用の変調されたクロック信号CLKを無線送信部100に出力できるようになる。従って、無線送信における搬送波周波数を高精度化でき、無線送信機200が高い周波数精度の搬送波周波数で無線送信を行えるようになる。このように本実施形態では、外部の基準クロック信号RCLKへのクロック信号CLKの同期と、変調されたクロック信号CLKの出力とが時分割に行えるようになる。従って、基準クロック信号RCLKに同期した高い周波数精度のクロック信号CLKを用いて、FSKなどの変調方式の無線送信を実現できるようになる。
例えば無線の搬送波の周波数精度が低いと、通信エラーが発生してしまい、通信品質が低下してしまう。この点、本実施形態の回路装置10によれば、高い周波数精度のクロック信号CLKを用いて無線送信を行うことができるため、通信エラーの発生等を抑制でき、通信品質を向上できる。また例えば本実施形態の無線送信機200が通信する無線受信機においても、例えばGNSSやネットワークなどからの基準クロック信号に基づいて、無線受信用のクロック信号を生成することができる。このようにすることで、プリアンブル等の通信フォーマットを用いなくても、無線の送信側の周波数と受信側の周波数を精度良く一致させることができ、通信エラーの発生等を効果的に抑制できる。また前述の特許文献1のようなデジタル演算装置などを設ける必要がなく、簡素な構成の回路装置10で品質の高い無線通信を実現できるようになる。またFDD(Frequency Division Duplex)やTDD(Time Division Duplex)では、無線の送信側と受信側とで時刻同期を行う必要がある。この点、本実施形態では、無線送信機200と無線受信機の両方において、GNSSやネットワークなどからの基準クロック信号にクロック信号を同期させることで、FDDやTDDにおける時刻同期なども、簡素な構成の回路装置10により実現できるという利点がある。
図2に本実施形態の回路装置10の詳細な構成例を示す。図2では、処理回路20は、加算器30と変調データ出力部32とデジタルループフィルター40を含む。加算器30と変調データ出力部32とにより変調器が構成される。デジタルループフィルター40は、デジタルフィルター処理を行う回路であり、PLL等におけるデジタルループフィルター処理を行う。デジタルループフィルター40は例えば保持回路42を有する。加算器30は、デジタルループフィルター40からの周波数制御データDFC1に対して、変調データ出力部32からの変調データDMを加算する処理を行って、変調処理後の周波数制御データDFC2を出力する。この周波数制御データDFC2が図1の周波数制御データDFCに対応する。なお変調処理は、このような加算処理には限定されず、周波数制御データDFC1から変調データDMを減算する処理などにより実現してもよい。
同期回路50は、比較回路60とデジタル制御発振回路80を含む。また同期回路50は、分周回路52、出力回路54、スイッチSW1、SW2を含むことができる。比較回路60、処理回路20、デジタル制御発振回路80、分周回路52により、ADPLL(All Digital Phase-locked loop)の回路が構成される。このADPLL回路は、例えば分周回路52に対して、デルタシグマ変調部を用いて小数の分周比を設定することで、フラクショナル−N型のPLL回路とすることができる。
分周回路52は、デジタル制御発振回路80が生成したクロック信号CLKの分周を行って、分周後のクロック信号をフィードバッククロック信号FBCLKとして比較回路60に出力する。例えば基準クロック信号RCLKが、GPSの受信機からの1pps信号であり、クロック信号CLKの周波数が10MHzである場合には、分周回路52は、10MHzのクロック信号CLKを1Hzのフィードバッククロック信号FBCLKに分周する処理を行う。
出力回路54は、デジタル制御発振回路80が生成したクロック信号CLKをバッファリングして、端子TCQを介して外部に出力するための回路である。例えば出力回路54は、クロック信号CLKをCMOSの信号形式で端子TCQを介して外部に出力する。
無線送信部100は、送信回路102とアンテナANTを含む。送信回路102は、例えばクロック信号CLKが入力されて無線の送信信号をアンテナANTに出力する回路である。送信回路102は、例えばパワーアンプなどにより構成される。パワーアンプは送信信号を増幅してアンテナANTに出力する。これにより送信データが無線通信により受信側の機器に送信されるようになる。このパワーアンプは、例えばP型トランジスターにより実現される電流源と、N型トランジスターにより実現される駆動部を含むことができる。また送信回路102とアンテナANTの間には整合回路などを設けることができる。なお図2では、無線送信部100が送信回路102を含む構成となっているが、送信回路102の全部又は一部を回路装置10に設けてもよい。
また同期回路50は、第1スイッチであるスイッチSW1を含む。また同期回路50は、第2スイッチであるスイッチSW2を含む。これらのスイッチSW1、SW2は例えばトランジスターにより構成される。具体的には、MOSのトランジスターにより構成される。例えばスイッチSW1、SW2は、N型トランジスター又はP型トランジスターにより実現してもよいし、トランスファーゲートなどにより実現してもよい。スイッチSW1、SW2は例えばトランジスターにより構成されるスイッチ回路と言うこともできる。
第1スイッチであるスイッチSW1は、デジタル制御発振回路80と比較回路60の間に設けられる。例えばスイッチSW1は、デジタル制御発振回路80の出力ノードと比較回路60の入力ノードとの間に設けられる。例えば図2では、スイッチSW1は、デジタル制御発振回路80の出力ノードと分周回路52の入力ノードとの間に設けられ、分周回路52は、スイッチSW1と比較回路60の入力ノードとの間に設けられている。そして図2に示すように同期モードにおいてスイッチSW1はオンになる。一方、図3に示すように出力モードにおいてはスイッチSW1はオフになる。このように同期モードにおいてスイッチSW1がオンになることで、デジタル制御発振回路80からのクロック信号CLKが、例えばスイッチSW1を介して分周回路52に入力されるようになり、分周回路52によりクロック信号CLKを分周した信号であるフィードバッククロック信号FBCLKが比較回路60に入力されるようになる。これによりPLLや後述するFLLにおけるフィードバックループが形成されるようになり、クロック信号CLKを基準クロック信号RCLKに同期させる同期動作が可能になる。
また第2スイッチであるスイッチSW2は、図2に示すように同期モードにおいてはオフになり、図3に示すように出力モードにおいてオンになる。同期モードにおいてスイッチSW2がオフになることで、デジタル制御発振回路80により生成されたクロック信号CLKが、出力回路54を介して無線送信部100に対して無用に送信されてしまうのを防止でき、電力が無駄に消費されてしまうなどの問題が発生するのを防止できる。一方、出力モードにおいてスイッチSW2がオンになることで、デジタル制御発振回路80により生成されたクロック信号CLKを無線送信部100に出力できるようになる。例えば、生成されたクロック信号CLKを出力回路54によりバッファリングして、無線送信部100に出力できるようになる。
また図2に示すように同期回路50は比較回路60を含む。比較回路60は、基準クロック信号RCLKと、クロック信号CLKに基づくフィードバッククロック信号FBCLKとの比較を行い、比較により得られた比較結果データCQを処理回路20に出力する。例えば比較回路60は、基準クロック信号RCLKとフィードバッククロック信号FBCLKの位相比較又は周波数比較などを行う。そして比較回路60は、基準クロック信号RCLKとフィードバッククロック信号FBCLKの位相差又は周波数差に応じたデータを、比較結果データCQとして出力する。処理回路20は、比較回路60からの比較結果データCQに基づいて周波数制御データDFC1を生成する。例えば処理回路20のデジタルループフィルター40が比較結果データCQに基づくデジタルループフィルター処理を行うことで、周波数制御データDFC1が生成される。図2ではフィードバッククロック信号FBCLKはクロック信号CLKを分周回路52により分周したクロック信号になっている。なおクロック信号CLKに基づくフィードバッククロック信号FBCLKは、後述の図7に示すようにクロック信号CLKそのものであってもよい。
このような比較回路60を設ければ、基準クロック信号RCLKとクロック信号CLKに基づくフィードバッククロック信号FBCLKとの比較結果データCQに応じた周波数制御データDFC1を生成して、周波数制御データDFC1に対応する周波数のクロック信号CLKを生成できるようになる。即ち、このような比較回路60の比較結果データCQに応じた周波数制御データDFC1を生成することで、同期モードにおいて、基準クロック信号RCLKに位相同期又は周波数同期するようなクロック信号CLKを生成できるようになる。従って、同期モードにおいて、基準クロック信号RCLKの周波数精度に応じた周波数精度のクロック信号CLKを生成できるようになり、回路装置10が生成するクロック信号CLKの周波数精度を格段に向上できる。
また処理回路20は、比較結果データCQに対してデジタルループフィルター処理を行って、周波数制御データDFC1を生成するデジタルループフィルター40を含む。デジタルループフィルター40は、例えばFIR(Finite Impulse Response)、IIR(Infinite Impulse Response)などのデジタルフィルターにより実現できる。このようなデジタルループフィルター40を設けることで、PLLや後述するFLLのフィードバックループにおけるループ応答特性を設定できる。例えばデジタルループフィルター40のカットオフ周波数などの周波数特性を設定することで、ループ応答特性を設定でき、同期回路50の同期が収束するまでの時間などの同期特性を設定できるようになる。
また本実施形態では処理回路20は、同期モードにおいて基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが同期したときの周波数制御データDFC1を保持する。具体的には図2では、デジタルループフィルター40の保持回路42が、同期モードでの周波数制御データDFC1を保持する。例えば同期モードから出力モードに切り替わる際の周波数制御データDFC1を保持する。例えば保持回路42は、出力モードに切り替わる直前における周波数制御データDFC1を保持する。そして処理回路20は、出力モードにおいて、保持回路42に保持された周波数制御データDFC1に対する変調処理を行う。例えば保持された周波数制御データDFC1に対して変調データDMを加算等する変調処理を行って、変調処理後の周波数制御データDFC2をデジタル制御発振回路80に出力する。このようにすれば、基準クロック信号RCLKに同期した際の周波数制御データDFC1を保持し、当該周波数制御データDFC1に対する変調処理を行うことで、変調された無線送信用のクロック信号CLKを無線送信部100に出力できるようになる。そして、変調処理の対象となる周波数制御データDFC1は、クロック信号CLKを基準クロック信号RCLKに同期させるデータになっているため、基準クロック信号RCLKに対応する周波数精度のクロック信号CLKを用いて、例えばFSKなどの変調方式での無線送信ができるようになる。
また図2では比較回路60は、基準クロック信号RCLKの位相とフィードバッククロック信号FBCLKの位相を比較する位相比較を行い、位相比較により得られた比較結果データCQを処理回路20に出力する。即ち比較回路60は、基準クロック信号RCLKとフィードバッククロック信号FBCLKの位相差に応じたデータを比較結果データCQとして処理回路20に出力する。そしてこの位相差に応じた比較結果データCQに基づいて周波数制御データDFC1が生成され、この周波数制御データDFC1に基づいてデジタル制御発振回路80がクロック信号CLKを生成する。このようにすれば、比較回路60、処理回路20、デジタル制御発振回路80、分周回路52により形成されるPLL回路のフィードバックループにおいて、基準クロック信号RCLKに対してクロック信号CLKが位相同期するようになり、基準クロック信号RCLKの周波数精度に対応する周波数精度のクロック信号CLKを生成できるようになる。
また図2では比較回路60は、基準クロック信号RCLKとフィードバッククロック信号FBCLKとの位相差をデジタル値に変換し、このデジタル値を比較結果データCQとして処理回路20に出力する時間デジタル変換回路62を含む。例えば時間デジタル変換回路62は、基準クロック信号RCLKの遷移タイミングとフィードバッククロック信号FBCLKの遷移タイミングの時間差に対応するデジタル値を、位相差のデジタル値である比較結果データCQとして処理回路20に出力する。例えば時間デジタル変換回路62には、基準クロック信号RCLKに基づく信号がスタート信号STAとして入力され、フィードバッククロック信号FBCLKに基づく信号がストップ信号STPとして入力される。そして時間デジタル変換回路62は、スタート信号STAの遷移タイミングとストップ信号STPの遷移タイミングの時間差に対応するデジタル値を、比較結果データCQとして出力する。
具体的には例えば図4に示すように、比較回路60は、時間デジタル変換回路62とスタート信号生成回路70とストップ信号生成回路72を含む。スタート信号生成回路70は、基準クロック信号RCLKに基づいてスタート信号STAを生成する。例えばスタート信号生成回路70は、基準クロック信号RCLKの立ち上がりエッジ等の遷移タイミングで信号レベルが変化する信号を、スタート信号STAとして生成する。スタート信号STAは、例えば基準クロック信号RCLKの遷移タイミングでパルスが発生する信号である。
ストップ信号生成回路72は、フィードバッククロック信号FBCLKに基づいてストップ信号STPを生成する。例えばストップ信号生成回路72は、フィードバッククロック信号FBCLKの立ち上がりエッジ等の遷移タイミングで信号レベルが変化する信号を、ストップ信号STPとして生成する。ストップ信号STPは、例えばフィードバッククロック信号FBCLKの遷移タイミングでパルスが発生する信号である。
なお時間デジタル変換回路62に対して、フィードバッククロック信号FBCLKに基づく信号をスタート信号STAとして入力し、基準クロック信号RCLKに基づく信号をストップ信号STPとして入力してもよい。この場合には図4において、スタート信号生成回路70が、フィードバッククロック信号FBCLKに基づいてスタート信号STAを生成し、ストップ信号生成回路72が、基準クロック信号RCLKに基づいてストップ信号STPを生成すればよい。このように比較回路60の時間デジタル変換回路62は、基準クロック信号RCLK及びフィードバッククロック信号FBCLKの一方のクロック信号に基づく信号であるスタート信号STAの遷移タイミングと、他方のクロック信号に基づく信号であるストップ信号STPの遷移タイミングの時間差を測定し、この時間差に対応するデジタル値を、比較結果データCQとして出力する。
以上のような時間デジタル変換回路62を比較回路60に設けて、基準クロック信号RCLKとフィードバッククロック信号FBCLKの位相差を比較して比較結果データCQを出力すれば、これらのクロック信号の位相差を正確に測定して、位相差に基づくPLL回路の位相同期動作を実現できるようになる。従って、周波数精度が高い基準クロック信号RCLKに対して、高い精度でクロック信号CLKを同期させることが可能になり、クロック信号CLKの周波数精度を大幅に向上できる。
図5にデジタル制御発振回路80の構成例を示す。図5のデジタル制御発振回路80は、周波数調整回路82と駆動回路86を含む。周波数調整回路82は、D/A変換回路84と可変容量キャパシターCVを含む。
駆動回路86は、回路装置10の外部接続用の端子TX1、TX2を介して接続される振動子XTALを駆動する。この駆動回路86により、振動子XTALを発振させる発振回路が実現される。駆動回路86は、例えばバイポーラートランジスターなどのトランジスターや、キャパシターや抵抗などの能動素子により実現できる。発振回路としては、例えばピアース型、コルピッツ型、インバーター型又はハートレー型などの種々のタイプの発振回路を用いることができる。
振動子XTALは、電気的な信号により機械的な振動を発生する素子である。振動子XTALは、例えば水晶振動片などの振動片により実現できる。例えば振動子XTALは、カット角がATカットやSCカットなどの厚みすべり振動する水晶振動片などにより実現できる。なお本実施形態の振動子XTALは、例えば厚みすべり振動型以外の振動片や、水晶以外の材料で形成された圧電振動片などの種々の振動片により実現できる。例えば振動子XTALとして、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子や、シリコン基板を用いて形成されたシリコン製振動子としてのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子等を採用してもよい。
また図5では、D/A変換回路84と可変容量キャパシターCVとにより周波数調整回路82が構成される。この周波数調整回路82は可変容量回路である。D/A変換回路84は周波数制御データDFC2をD/A変換し、D/A変換で得られた電圧DAQを可変容量キャパシターCVの一端に出力する。可変容量キャパシターCVの他端は、振動子XTALの一端側のノードに接続される。可変容量キャパシターCVは、両端の電圧に応じて容量値が変化するキャパシターであり、例えばMOSキャパシター或いは可変容量ダイオードである。このような構成により、周波数制御データDFC2に対応する周波数で振動子XTALを発振させてクロック信号CLKを生成するデジタル制御発振回路80を実現できるようになる。
なおデジタル制御発振回路80の構成は図5の構成に限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば図5では周波数調整回路82をD/A変換回路84と可変容量キャパシターCVとにより実現しているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば周波数調整回路82として、複数のキャパシターを有するキャパシターアレイと、複数のスイッチ素子を有するスイッチアレイとにより構成される可変容量回路を設ける。スイッチアレイの複数のスイッチ素子の各スイッチ素子は、キャパシターアレイの複数のキャパシターの各キャパシターに電気的に接続される。そして周波数制御データDFC2に基づいて、複数のスイッチ素子の各スイッチ素子のオン、オフを制御する。そして、このように複数のスイッチ素子がオン又はオフされることで、複数のキャパシターのうち、振動子XTALの一端に、その一端が接続されるキャパシターの個数が変化する。これにより、可変容量回路の容量値が制御されて、振動子XTALの一端の容量値が変化する。従って、周波数制御データDFC2により、可変容量回路の容量値が直接に制御されて、クロック信号CLKの発振周波数を制御できるようになる。
図6は本実施形態の回路装置10の動作を説明する信号波形図である。同期モードにおいては、図2、図6に示すようにスイッチSW1がオンになり、スイッチSW2がオフになる。スイッチSW1がオンになることで、比較回路60、処理回路20、デジタル制御発振回路80、分周回路52によるPLL回路のフィードバックループが形成され、基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKを同期させる同期動作が行われる。このとき、デジタルループフィルター40からの周波数制御データDFC1が周波数制御データDFC2としてデジタル制御発振回路80に入力される。この同期モードによる同期期間において、周波数制御データDFC1=DFC2の微調整が行われて、基準クロック信号RCLKに対してクロック信号CLKが位相同期するようになる。
同期モードから出力モードに切り替わると、図3、図6に示すようにスイッチSW1がオフになり、スイッチSW2がオンになる。スイッチSW1がオフになることで、PLL回路のフィードバックループが切断される。スイッチSW2がオンになることで、デジタル制御発振回路80で生成されたクロック信号CLKが、出力回路54及び端子TCQを介して無線送信部100に出力される。この出力モードでは、同期モードにおいて調整された周波数制御データDFC1が保持されており、この周波数制御データDFC1に対して処理回路20が処理を行うことで、任意の周波数のクロック信号CLKの出力が可能になる。例えば図6では、保持された周波数制御データDFC1に対して、変調データDMに基づく変調処理が行われ、変調処理後の周波数制御データDFC2がデジタル制御発振回路80に入力されることで、FSKの変調が行われたクロック信号CLKを連続的に出力することが可能になる。同期期間において微調整された周波数制御データDFC1に対して変調データDMを加算した周波数制御データDFC2を、デジタル制御発振回路80に入力することで、周波数精度が高いクロック信号CLKを生成できるようになる。そしてパワーアンプなどの送信回路102とアンテナANTを有する無線送信部100を設けることで、送信データの無線送信が可能になる。変調データDMは、マイクロコンピューターである処理回路20や、後述の図10の計時回路90やインターフェース回路92が管理することができる。図6では、出力モードでの無線送信が終了すると、出力モードから同期モードに戻り、スイッチSW1がオンになり、スイッチSW2がオフになる。スイッチSW1がオンになることで、基準クロック信号RCLKに対するクロック信号CLKの同期動作が行われるようになり、クロック信号CLKの周波数精度を高い精度に保つことができ、例えば温度変化やエージングによる周波数変動を防止できる。またスイッチSW2がオフになることで、デジタル制御発振回路80で生成されたクロック信号CLKは、無線送信部100に送信されないようになると共に、出力回路54によるクロック信号CLKのバッファリング動作も行われないようになるため、低消費電力化を図れる。
また処理回路20は、同期モードにおいて基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが同期したか否かを判断する。そして同期したと判断した後に、回路装置10の動作モードを同期モードから出力モードに切り替える。例えば図6に示すように、同期モードになると、変動していた周波数制御データDFC1が徐々に所定値に収束する。処理回路20は、例えば周波数制御データDFC1をモニターして、周波数制御データDFC1が、所定値を中心とする一定範囲内に収束した場合に、基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが同期したと判断する。そして処理回路20は、同期したと判断した後に、同期モードを出力モードに切り替えて、周波数制御データDFC1に対する変調処理を行い、変調処理が行われた周波数制御データDFC2をデジタル制御発振回路80に出力する。このようにすれば、基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKを同期させる適正な周波数制御データDFC1が生成された後に、動作モードが同期モードから出力モードに切り替わるようになる。従って、基準クロック信号RCLKに同期した際の周波数制御データDFC1に対して変調処理を行って、変調された無線送信用のクロック信号CLKを出力できるようになる。なお処理回路20は、同期モードにおいて基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが同期したときの周波数制御データDFC1を保持するが、この保持のタイミングとしては、例えば処理回路20が基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが同期したと判断したタイミングなどを採用できる。
2.FLL
図7に本実施形態の回路装置10の他の構成例を示す。図7では、比較回路60は、基準クロック信号RCLKの周波数とフィードバッククロック信号FBCLKの周波数を比較する周波数比較を行い、周波数比較により得られた比較結果データCQを処理回路20に出力している。図7ではクロック信号CLKがスイッチSW1を介してフィードバッククロック信号FBCLKとして比較回路60に入力されている。このような構成の比較回路60と処理回路20とデジタル制御発振回路80とにより、基準クロック信号RCLKとクロック信号CLKの周波数同期を行うFLL回路が実現される。これにより、クロック信号CLKの周波数が基準クロック信号RCLKの周波数に対応する周波数に設定される周波数同期を実現できるようになる。即ち、比較回路60、処理回路20、デジタル制御発振回路80により形成されるFLL回路のフィードバックループにおいて、基準クロック信号RCLKに対してクロック信号CLKが周波数同期するようになり、基準クロック信号RCLKの周波数精度に対応する周波数精度のクロック信号CLKを生成できるようになる。このように周波数精度が高い基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが周波数同期することで、周波数精度が高いクロック信号CLKを出力できるようになる。
図7に本実施形態の回路装置10の他の構成例を示す。図7では、比較回路60は、基準クロック信号RCLKの周波数とフィードバッククロック信号FBCLKの周波数を比較する周波数比較を行い、周波数比較により得られた比較結果データCQを処理回路20に出力している。図7ではクロック信号CLKがスイッチSW1を介してフィードバッククロック信号FBCLKとして比較回路60に入力されている。このような構成の比較回路60と処理回路20とデジタル制御発振回路80とにより、基準クロック信号RCLKとクロック信号CLKの周波数同期を行うFLL回路が実現される。これにより、クロック信号CLKの周波数が基準クロック信号RCLKの周波数に対応する周波数に設定される周波数同期を実現できるようになる。即ち、比較回路60、処理回路20、デジタル制御発振回路80により形成されるFLL回路のフィードバックループにおいて、基準クロック信号RCLKに対してクロック信号CLKが周波数同期するようになり、基準クロック信号RCLKの周波数精度に対応する周波数精度のクロック信号CLKを生成できるようになる。このように周波数精度が高い基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが周波数同期することで、周波数精度が高いクロック信号CLKを出力できるようになる。
また図7では比較回路60は周波数カウンター64を含む。周波数カウンター64は、基準クロック信号RCLK及びフィードバッククロック信号FBCLKに基づくカウント処理を行い、カウントデータを出力する。例えばカウント回路である周波数カウンター64は、基準クロック信号RCLKと、クロック信号CLKであるフィードバッククロック信号FBCLKに基づくカウント処理を行い、カウントデータを出力する。そして比較回路60は、カウントデータに基づく比較結果データCQを処理回路20に出力する。一例としては周波数カウンター64は、基準クロック信号RCLK及びフィードバッククロック信号FBCLKの一方のクロック信号で設定される期間において、他方のクロック信号のパルス数をカウントし、カウントにより得られたカウントデータを出力する。例えば基準クロック信号RCLKに基づき設定される期間において、フィードバッククロック信号FBCLKのパルス数をカウントし、カウントにより得られたカウントデータを出力する。或いはフィードバッククロック信号FBCLKに基づき設定される期間において、基準クロック信号RCLKのパルス数をカウントしてカウントデータを出力するようにしてもよい。基準クロック信号RCLK及びフィードバッククロック信号FBCLKの一方のクロック信号で設定される期間は、例えば一方のクロック信号によるカウント数が初期値から所定値になるまでの期間である。
このような周波数カウンター64を設けることで、基準クロック信号RCLK及びフィードバッククロック信号FBCLKの一方のクロック信号の周波数を他方のクロック信号に基づいて測定できるようになる。これにより基準クロック信号RCLKの周波数とフィードバッククロック信号FBCLKの周波数を比較する周波数比較を、周波数カウンター64のカウント処理により実現できるようになり、周波数比較により得られた比較結果データCQを処理回路20に出力できるようになる。
なお図8に示すように、比較回路60に対して、周波数カウンター64に加えて、時間デジタル変換回路67を更に設けるようにしてもよい。例えば図8では比較回路60は、周波数カウンター64と時間デジタル変換回路67と演算回路68を含む。周波数カウンター64は、基準クロック信号RCLK及びフィードバッククロック信号FBCLKに基づくカウント処理を行う。時間デジタル変換回路67は、周波数カウンター64からのスタート信号STAの遷移タイミングとストップ信号STPの遷移タイミングの時間差情報TMDを出力する。演算回路68は、周波数カウンター64からのカウントデータCntM、CntTと、時間デジタル変換回路67からの時間差情報TMDに基づく演算処理を行って、周波数比較の比較結果データCQを出力する。
周波数カウンター64は、基準クロック信号RCLK及びフィードバッククロック信号FBCLKに基づくカウント処理を行い、カウント処理により得られたカウントデータCntM、CntTを出力する。具体的には、周波数カウンター64は、第1カウンター65と第2カウンター66とを含む。第1カウンター65は、フィードバッククロック信号FBCLKに基づくカウント処理を行い、カウントデータCntMを出力する。第2カウンター66は、基準クロック信号RCLKに基づくカウント処理を行い、カウントデータCntTを出力する。
演算回路68は、時間差情報TMD及びカウントデータCntM、CntTに基づく演算を行うことで、比較結果データCQを求める。カウントデータCntMは、フィードバッククロック信号FBCLKの周期を分解能とする時間に相当し、カウントデータCntTは、基準クロック信号RCLKの周期を分解能とする時間に相当する。演算回路68は、これらに加えて、クロック周期より小さい時間分解能で測定された時間差情報TMDを用いることで、基準クロック信号RCLKの周期を基準としたフィードバッククロック信号FBCLKの周期を正確に決定できる。周波数は、周期の逆数により求めることが可能である。
図9は、図8の比較回路60の動作を説明する信号波形図である。第1カウンター65は、フィードバッククロック信号FBCLKのパルス数をカウントし、Nm+1カウント周期でスタート信号STAを遷移させる。第1カウンター65は、カウントデータCntMとしてカウント値Nmを出力する。Nmは所定カウント値であり、例えば予め設定されていてもよいし、或いはレジスター設定により設定されてもよい。
具体的には、第1カウンター65は、フィードバッククロック信号FBCLKの遷移タイミングでカウント値を0にリセットすると共にスタート信号STAをローレベルからハイレベルに遷移させる。第1カウンター65は、フィードバッククロック信号FBCLKのパルス数をカウント値Nmまでカウントし、再びフィードバッククロック信号FBCLKの遷移タイミングでカウント値を0にリセットすると共にスタート信号STAをローレベルからハイレベルに遷移させる。スタート信号STAは、例えばフィードバッククロック信号FBCLKの1サイクル分だけハイレベルとなるが、そのサイクル数は任意であってよい。
第2カウンター66は、スタート信号STAが遷移した後、基準クロック信号RCLKの遷移タイミングでストップ信号STPを遷移させる。第2カウンター66は、ストップ信号STPが遷移してから次にストップ信号STPが遷移するまでの期間において、基準クロック信号RCLKのパルス数をカウントし、そのカウント値NtをカウントデータCntTとして出力する。
具体的には、第2カウンター66は、スタート信号STAがローレベルからハイレベルに遷移した後、基準クロック信号RCLKの2つ目の立ち下がりエッジで信号FlgMをローレベルからハイレベルに遷移させ、その次の基準クロック信号RCLKの立ち下がりエッジで信号FlgMをハイレベルからローレベルに遷移させる。信号FlgMは第2カウンター66の内部信号である。第2カウンター66は、信号FlgMがハイレベルのとき、基準クロック信号RCLKの立ち上がりエッジでストップ信号STPをローレベルからハイレベルに遷移させる。
第2カウンター66は、ストップ信号STPをローレベルからハイレベルに遷移させるタイミングで、カウント値を0にリセットする。第2カウンター66は、次にストップ信号STPをハイレベルに遷移させるタイミングまで基準クロック信号RCLKのパルス数をカウントし、そのときのカウント値NtをカウントデータCntTとして出力する。
時間デジタル変換回路67は、スタート信号STAの遷移タイミングとストップ信号STPの遷移タイミングの時間差を測定する。スタート信号STAは周期的に遷移するので、その各遷移タイミングに対応して時間差が測定される。この時系列の時間差を、tp1、tp2とする。時間デジタル変換回路67は、時間差tp1、tp2を示す時間差情報TMDを出力する。
演算回路68は、下式(1)と(2)によりフィードバッククロック信号FBCLKの周波数fmを求める。T0は基準クロック信号RCLKの周期であり、既知の値である。Tmはフィードバッククロック信号FBCLKの周期であり、その逆数が周波数fmとなる。そして演算回路68は、基準クロック信号RCLKの周波数f0=1/T0と、フィードバッククロック信号FBCLKの周波数fmとに基づいて、比較結果データCQを出力する。例えば周波数f0と周波数fmの周波数比データを比較結果データCQとして出力する。
Tm={T0(Nt+1)+(tp1−tp2)}/Nm+1 (1)
fm=1/Tm (2)
図8、図9で説明した構成の比較回路60によれば、周波数カウンター64が基準クロック信号RCLKの周期T0を基準としてフィードバッククロック信号FBCLKの周期Tmを測定するが、更に時間デジタル変換回路67が、周期T0より小さい分解能で時間差tp1、tp2を測定する。これにより、演算回路68は、周期T0より小さい分解能でフィードバッククロック信号FBCLKの周期Tmを演算でき、正確なフィードバッククロック信号FBCLKの周波数fmを求めることができ、周波数の正確な比較結果データCQを処理回路20に出力できるようになる。
3.スリープモード
図10に本実施形態の回路装置10の詳細な他の構成例を示す。図10の回路装置10では、計時回路90、インターフェース回路92が更に設けられている。なお本実施形態は図10の構成には限定されず、例えば計時回路90、インターフェース回路92の一方の回路のみを設ける構成としてもよい。
図10に本実施形態の回路装置10の詳細な他の構成例を示す。図10の回路装置10では、計時回路90、インターフェース回路92が更に設けられている。なお本実施形態は図10の構成には限定されず、例えば計時回路90、インターフェース回路92の一方の回路のみを設ける構成としてもよい。
計時回路90は、時間の計時処理などを行う回路であり、スケジュールを管理するための回路である。この計時回路90は、例えばRTC(Real Time Clock)の回路により実現できる。計時回路90はマイクロコンピューターに設けられるRTCの回路であってもよい。そして計時回路90は、回路装置10の動作モードを設定するモード設定指示を行う。例えば計時回路90は、同期モード、出力モードのモード設定指示を出力する。また計時回路90は、後述するスリープモードのモード設定指示も行う。モード設定指示は、回路装置10をどの動作モードで動作させるかを指示するものであり、例えば計時回路90がモード設定信号やモード設定データを出力することなどにより実現される。
インターフェース回路92は、外部とのインターフェース処理を行うための回路である。一例としては、インターフェース回路92は、SPI(Serial Peripheral Interface)、I2C(Inter-Integrated Circuit)などのシリアルインターフェース回路により実現できる。或いはインターフェース回路92は、差動信号を用いたシリアルインターフェース回路であってもよいし、パラレルインタフェース回路であってもよい。そしてインターフェース回路92は、モード設定指示を外部から受信する。例えばインターフェース回路92は、SPI、I2Cなどのシリアルインターフェース通信により、同期モード、出力モード等のモード設定指示のコマンドを外部から受信する。
そして処理回路20は、モード設定指示に基づいて、回路装置10の動作モードを、同期モードに設定した後に、出力モードに設定する。例えば処理回路20は、計時回路90のスケジューリング動作によるモード設定指示に基づいて、動作モードを、同期モードに設定した後に、出力モードに設定する。或いは処理回路20は、インターフェース回路92を介して外部から入力されるモード設定指示に基づいて、動作モードを、同期モードに設定した後に、出力モードに設定する。例えば前述したように、処理回路20は、同期モードにおいて基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが同期したか否かを判断する。この場合には処理回路20は、基準クロック信号RCLKにクロック信号CLKが同期したと判断した後に、計時回路90からのモード設定指示やインターフェース回路92を介して入力されたモード設定指示にしたがって、動作モードを同期モードから出力モードに切り替える。このようにすれば、計時回路90の計時動作によるスケジューリングにしたがって、動作モードを同期モードから出力モードに切り替えたり、インターフェース回路92を介して外部から入力されたモード設定指示にしたがって、動作モードを同期モードから出力モードに切り替えることが可能になる。そして、このようにモード設定指示により同期モードから出力モードに切り替えることで、無線送信用のクロック信号CLKを無線送信部100に出力することができ、送信データの無線送信が可能になる。このようにすれば、所望のタイミングで、計時回路90からのモード設定指示又はインターフェース回路92を介した外部からのモード設定指示により、動作モードが同期モードから出力モードに切り替わり、送信データの無線送信が行われるようになる。
一例としては計時回路90は、スケジュールにしたがって、例えば1日に1回又は複数回、同期モードから出力モードに切り替えるモード設定指示を行う。これにより、1日に1回又は複数回の無線送信が行われるようになる。IOT(Internet of Things)を例にとれば、1日に1回又は複数回、出力モードに切り替えるモード設定指示が行われることで、本実施形態の無線送信機200により、センサーの検出データが1日に1回又は複数回、外部に無線送信されるようになる。或いは、外部の装置が、所望のタイミングでモード設定指示を行うと、このモード設定指示がインターフェース回路92を介して入力され、当該所望のタイミングで同期モードから出力モードに切り替わって、無線送信が行われるようになる。
また本実施形態の回路装置10は、動作モードとしてスリープモードを備えることができる。図11はその場合の本実施形態の回路装置10の動作を説明する信号波形図である。図11では、例えば計時回路90からのモード設定指示又はインターフェース回路92を介した外部からのモード設定指示に基づいて、回路装置10がスリープ状態となるスリープモードに設定された後に、同期モード、出力モード、スリープモードの順に動作モードが設定されている。
具体的には図11では、同期モードに設定されて同期動作が行われた後、スリープモードに設定されている。スリープモードではスイッチSW1、SW2は共にオフになる。そして図14で後述するように回路装置10の大部分の回路がディスエーブル又は省電力の状態に設定される。そして、出力モードに移行する場合には、図11に示すように、まずスリープモードから同期モードに切り替わり、その後に同期モードから出力モードに切り替わる。このようにすれば、スリープモードの後に、まず、同期モードによる基準クロック信号RCLKへのクロック信号CLKの同期動作が行われるようになる。そしてその後に、出力モードに切り替わって、同期モードで保持された周波数制御データDFC1に基づくクロック信号CLKの出力が行われるようになる。例えば変調された無線送信用のクロック信号CLKを出力できるようになる。そして図11に示すように、出力モードの後に、動作モードがスリープモードに切り替わる。このようにすることで、回路装置10の低消費電力動作が可能になる。そして、このスリープモードから出力モードに移行する場合には、前述と同様に、まずスリープモードから同期モードに切り替わって、基準クロック信号RCLKへのクロック信号CLKの同期動作が行われ、その後に同期モードから出力モードに切り替わって、無線送信が行われるようになる。このように、スリープモード、同期モード、出力モード、スリープモードの順で動作モードを切り替えることで、回路装置10の低消費電力化を図りながら、同期モードにより高い周波数精度に設定されたクロック信号CLKを用いて、無線送信を行えるようになる。
また本実施形態の同期モード、出力モード、スリープモードなどの各動作モードでは、回路装置10の各回路をディスエーブル又は省電力の状態に設定している。ディスエーブルの設定は、回路に供給される電源を遮断したり、回路に流れる電流をオフにしたり、回路を構成するトランジスターをオフにすることなどで実現される。省電力の設定は、回路に供給する電源や電流を制限したり、低消費電力で動作するように回路動作を設定することなどにより実現される。
図12は、同期モードでのディスエーブル又は省電力の状態の説明図である。同期モードでは、無線送信部100がディスエーブル又は省電力の状態に設定される。このようにすれば、基準クロック信号RCLKに対するクロック信号CLKの同期動作だけが行われて、無線送信が行われない同期モードにおいて、無線送信部100が無駄に動作して、電力を無駄に消費してしまう事態を防止できる。また同期モードでは、出力回路54がディスエーブル又は省電力の状態に設定される。出力回路54は、例えば高い周波数のクロック信号CLKをバッファリングして出力するため、消費電力が大きい。従って、クロック信号CLKを無線送信部100に出力する必要がない同期モードにおいて、出力回路54をディスエーブル又は省電力の状態に設定することで、電力が無駄に消費されてしまう事態が防止される。また同期モードにおいては、変調データ出力部32やインターフェース回路92もディスエーブル又は省電力の状態に設定して、無駄な電力消費を防止する。
図13は、出力モードでのディスエーブル又は省電力の状態の説明図である。出力モードでは、比較回路60が、ディスエーブル又は省電力の状態に設定される。例えば出力モードでは、PLL回路やFLL回路による同期動作は不要であり、処理回路20は、同期モードにおける同期動作時に保持した周波数制御データDFC1に対して変調処理を行うことで、クロック信号CLKの変調を行っている。従って、同期モードにおいて用いられる比較回路60を、出力モードにおいて動作させる必要はないため、比較回路60をディスエーブル又は省電力の状態に設定して、無駄な電力消費を防止する。特に図2〜図4、図8に示すように比較回路60に時間デジタル変換回路62、67を設けた場合には、電力消費が他の回路に比べて大きい時間デジタル変換回路62、67をディスエーブル又は省電力の状態に設定することで、出力モードでの電力消費を効果的に抑制できる。
また出力モードでは、PLL回路やFLL回路による同期動作が不要であるため、デジタルループフィルター40や分周回路52もディスエーブル又は省電力の状態に設定する。これにより出力モードでの無駄な電力消費を防止できる。なお、出力モードにおいては、同期動作時の周波数制御データDFC1を保持しておく必要があるため、例えば図2、図3の保持回路42については、通常通りに電源を供給して、周波数制御データDFC1を適正に保持できるようにしておく。
図14は、スリープモードでのディスエーブル又は省電力の状態の説明図である。スリープモードでは、例えば計時回路90以外の回路装置10の回路をディスエーブル又は省電力の状態に設定する。このようにすれば、回路装置10の大部分の回路をディスエーブル又は省電力の状態に設定することができ、スリープモードでの電力消費を大幅に低減できる。一方、計時回路90についてはスリープモードにおいてもディスエーブル又は省電力の状態に設定せず、通常動作モードに設定することで、図11で説明したように、スリープモードから同期モードに切り替えて、出力モードに移行するような動作制御が可能になる。なおスリープモードにおいても、インターフェース回路92の一部又は全部の回路を、ディスエーブル又は省電力の状態に設定せずに、通常動作モードに設定してもよい。このようにすれば、スリープモードにおいて外部からのモード設定指示を適正に受け付けることができ、外部からのモード設定指示により、スリープモードから同期モードに切り替えて、出力モードに移行するような動作制御が可能になる。
4.時間デジタル変換回路
次に図15〜図18を用いて時間デジタル変換回路62の構成例を説明する。図8で説明した時間デジタル変換回路67も同様の構成となるため詳しい説明は省略する。図15は、時間デジタル変換回路62の第1構成例である。時間デジタル変換回路62は、測定回路230と信号生成回路240と積分処理回路260を含む。
次に図15〜図18を用いて時間デジタル変換回路62の構成例を説明する。図8で説明した時間デジタル変換回路67も同様の構成となるため詳しい説明は省略する。図15は、時間デジタル変換回路62の第1構成例である。時間デジタル変換回路62は、測定回路230と信号生成回路240と積分処理回路260を含む。
信号生成回路240は、第1信号であるスタート信号STAと、第2信号であるストップ信号STPと、クロック信号CLKとに基づいて、積分処理のための信号を生成する。第1構成例では、時間測定の基準となる基準クロック信号としてクロック信号CLKを用いる。信号生成回路240は、積分期間信号生成回路241、243と、極性切替信号生成回路242、244と、を含む。なお、時間デジタル変換回路62が使用するクロック信号は例えばデジタル制御発振回路80が生成したクロック信号には限定されず、例えば図5で説明した振動子XTALとは別の振動子を設けて時間デジタル変換回路62が使用するクロック信号CLKを生成してもよい。
積分期間信号生成回路241は、スタート信号STAに基づいて信号SINT1を生成する。極性切替信号生成回路242は、信号SINT1及びクロック信号CLKに基づいて信号SPH1、SPH2を生成する。積分期間信号生成回路243は、ストップ信号STPに基づいて信号SINT2を生成する。極性切替信号生成回路244は、信号SINT2及びクロック信号CLKに基づいて信号SPH3、SPH4を生成する。信号SINT1、SINT2は積分期間信号であり、信号SPH1、SPH2、SPH3、SPH4は積分極性切替信号である。
積分処理回路260は、信号SINT1、SPH1、SPH2、SINT2、SPH3、SPH4に基づく積分処理を行うことで、第1〜第4積分値である電圧QA1〜QA4を出力する。電圧QA1、QA2は、スタート信号STAとクロック信号CLKの遷移タイミングの時間差に対応した位相を示す。電圧QA3、QA4は、ストップ信号STPとクロック信号CLKの遷移タイミングの時間差に対応した位相を示す。積分処理回路260は、積分回路261〜264を含む。
積分回路261は、信号SINT1、SPH1に基づいて第1積分処理を行う。積分回路262は、信号SINT1、SPH2に基づいて第2積分処理を行う。積分回路263は、信号SINT2、SPH3に基づいて第3積分処理を行う。積分回路264は、信号SINT2、SPH4に基づいて第4積分処理を行う。
測定回路230は、第1〜第4積分処理の結果である電圧QA1〜QA4の各々をA/D変換し、そのA/D変換値から時間差情報TMDを演算する。時間差情報TMDは、スタート信号STAとストップ信号STPの遷移タイミングの時間差を示す。
図16は、時間デジタル変換回路62の第1構成例の動作を説明する信号波形図である。ここでは、スタート信号STAの位相を示す電圧QA1、QA2を求める動作を例に説明する。
積分期間信号生成回路241は、スタート信号STAの遷移タイミングで信号SINT1をローレベルからハイレベルに遷移させ、積分期間TP1において信号SINT1をハイレベルに維持した後、信号SINT1をローレベルにする。積分期間TP1の長さは、クロック信号CLKの周期の4倍以上であればよく、クロック信号CLKの周期の整数倍でなくてよい。
スタート信号STAの位相の検出範囲RDETは、クロック信号CLKの1周期に相当する。スタート信号STAが遷移したとき、その遷移タイミングが属するクロック信号CLKの周期が、検出範囲RDETとなる。
極性切替信号生成回路242は、積分期間TP1において、クロック信号CLKに同期したタイミングで信号SPH1をローレベルからハイレベルに遷移させる。信号SPH1の遷移タイミングは、検出範囲RDETにおけるクロック信号CLKの立ち上がりエッジからクロック数PCI後の立ち上がりエッジに同期する。クロック数PCIは任意に設定されてよい。図16では、PCI=6である。
信号SPH1の遷移タイミングを、位相の基準、即ち0度とみなしたとする。これは、スタート信号STAの遷移タイミングがクロック信号CLKの立ち上がりエッジに一致したとき、スタート信号STAの位相を0度とみなすことに相当する。図16では、積分期間TP1の長さは、クロック信号CLKの24周期に相当する。この積分期間TP1を位相360度とみなすと、クロック信号CLKの1周期は位相15度に相当する。図16のクロック信号CLKの各パルスには、信号SPH1の遷移タイミングを基準「0」として番号を付しており、番号が1だけ異なると位相が15度だけ異なる。
極性切替信号生成回路242は、積分期間TP1において、信号SPH1の遷移タイミングからクロック信号CLKのクロック数NCK後に信号SPH2をローレベルからハイレベルに遷移させる。図16ではNCK=6であり、信号SPH1と信号SPH2の位相が90度だけ異なる。これは、位相が90度シフトした2つの積分値が得られることに相当する。
積分期間TP1は、信号SPH1の遷移タイミングにより期間TPP1と期間TPM1に区画される。積分回路261は、期間TPP1において第1極性で第1積分処理を行い、期間TPM1において、第1極性とは逆極性である第2極性で第1積分処理を行う。図16では、第1極性は正極性であり、第2極性は負極性である。積分回路261は、積分結果の電圧QA1を出力する。
積分期間TP1は、信号SPH2の遷移タイミングにより期間TPP2と期間TPM2に区画される。積分回路262は、期間TPP2において第1極性で第2積分処理を行い、期間TPM2において、第2極性で第2積分処理を行う。積分回路262は、積分結果の電圧QA2を出力する。
以上では、スタート信号STAの位相を示す電圧QA1、QA2を求める動作を説明したが、ストップ信号STPの位相を示す電圧QA3、QA4も同様な動作によって求められる。
スタート信号STAとストップ信号STPの遷移タイミングの時間差をTDFとする。測定回路230は、TDF=TC×(QA3/AZ2−QA1/AZ1)により時間差TDFを求める。TCはクロック信号CLKの周期であり、AZ1=QA2−QA1であり、AZ2=QA4−QA3である。AZ1、AZ2は時間差TDFの値に依らず一定である。図16において積分期間TP1は未知数であり、この未知数に起因するオフセットがQA1/AZ1、QA3/AZ2に発生する。しかし、QA1、QA3を求める際の積分期間TP1は共通であるため、QA1/AZ1のオフセットとQA3/AZ2のオフセットは同じ値となり、減算によりキャンセルされる。
図17は、時間デジタル変換回路62の第2構成例である。時間デジタル変換回路62は、リングオシレーター271、281と測定回路291と基準クロックカウンター292と調整回路272、282とを含む。
第2構成例では、時間デジタル変換回路62は測定モードと調整モードを有する。測定モードは、時間差を測定するモードであり、調整モードは、リングオシレーター271、281の発振周波数を調整するモードである。
まず測定モードを説明する。リングオシレーター271は、スタート信号STAの遷移タイミングで発振ループがイネーブルとなる。これによりリングオシレーター271が発振を開始し、クロック信号CLKSを生成する。リングオシレーター281は、ストップ信号STPの遷移タイミングで発振ループがイネーブルとなる。これによりリングオシレーター281が発振を開始し、クロック信号CLKFを生成する。クロック信号CLKSの周波数をf1とし、クロック信号CLKFの周波数をf2とする。f2はf1より高い。
測定回路291は、クロック信号CLKS及びクロック信号CLKFに基づいて時間差情報TMDを求める。時間差情報TMDは、スタート信号STAとストップ信号STPの遷移タイミングの時間差を示す。時間差情報TMDを求める手法は図18で後述する。
次に調整モードを説明する。第2構成例では、リングオシレーター271、281の発振周波数の基準となる基準クロック信号としてクロック信号CLKを用いる。基準クロックカウンター292はクロック信号CLKのクロック数をカウントし、所与のクロック数をカウントする期間においてアクティブになるイネーブル信号ENAを出力する。
調整回路272は、イネーブル信号ENAがアクティブである期間においてクロック信号CLKSのクロック数をカウントする。調整回路272は、そのカウント値と第1ターゲット値の差分を積分し、その積分により得られた制御データFCSを出力する。第1ターゲット値は、リングオシレーター271の発振周波数を設定するための値である。リングオシレーター271は、制御データFCSに応じた発振周波数で発振する。例えば、リングオシレーター271の発振ループの負荷として可変容量回路が設けられ、その可変容量回路の容量値が制御データFCSにより制御される。このようにして、リングオシレーター271の発振周波数が調整される。
調整回路282は、イネーブル信号ENAがアクティブである期間においてクロック信号CLKFのクロック数をカウントする。調整回路272は、そのカウント値と第2ターゲット値の差分を積分し、その積分により得られた制御データFCFを出力する。第2ターゲット値は、リングオシレーター281の発振周波数を設定するための値である。リングオシレーター281は、制御データFCFに応じた発振周波数で発振する。例えば、リングオシレーター281の発振ループの負荷として可変容量回路が設けられ、その可変容量回路の容量値が制御データFCFにより制御される。このようにして、リングオシレーター281の発振周波数が調整される。
時間デジタル変換回路62が調整モードの後に測定モードに設定されたとき、調整モードで求められた制御データFCS、FCFがリングオシレーター271、281に入力される。これにより、調整モードで調整された発振周波数でリングオシレーター271、281が発振し、測定回路291が、正確な周波数のクロック信号CLKS、CLKFを用いて時間測定できる。
図18は、時間デジタル変換回路62の第2構成例の動作を説明する信号波形図である。図18には測定モードにおける信号波形図を示す。
測定回路291は、クロック信号CLKSとクロック信号CLKFの位相を比較し、クロック信号CLKSの位相とクロック信号CLKFの位相が入れ替わったと判定したとき位相比較結果信号QPをハイレベルからローレベルにする。位相比較結果信号QPは測定回路291の内部信号である。
測定回路291は、クロック信号CLKSのクロック数をカウントする。このカウント値をCTSとする。また測定回路291は、クロック信号CLKFのクロック数をカウントする。このカウント値をCTFとする。
測定回路291は、位相比較結果信号QPの立ち下がりエッジにおけるカウント値CTS、CTFを取得する。このカウント値をN1、N2とする。クロック信号CLKSの周期をΔt1=1/f1とし、クロック信号CLKFの周期をΔt2=1/f2とすると、その差分が分解能Δt=|Δt1−Δt2|である。N3=N1−N2とすると、測定回路291は、スタート信号STAとストップ信号STPの遷移タイミングの時間差をN3×Δt1+N2×Δtにより求める。図18では、N1=5、N2=4、N3=1なので、時間差はΔt1+4×Δtとなる。
5.発振器、電子機器
図19に本実施形態の発振器4の構成例を示す。発振器4は、本実施形態の回路装置10と振動子XTALを含む。そして図5で説明したように回路装置10のデジタル制御発振回路80は、振動子XTALを用いてクロック信号CLKを生成する。このような構成の発振器4により、基準クロック信号RCLKに同期したクロック信号CLKを生成し、生成したクロック信号CLKを変調された無線送信用のクロック信号として出力する無線送信機200を実現できるようになる。
図19に本実施形態の発振器4の構成例を示す。発振器4は、本実施形態の回路装置10と振動子XTALを含む。そして図5で説明したように回路装置10のデジタル制御発振回路80は、振動子XTALを用いてクロック信号CLKを生成する。このような構成の発振器4により、基準クロック信号RCLKに同期したクロック信号CLKを生成し、生成したクロック信号CLKを変調された無線送信用のクロック信号として出力する無線送信機200を実現できるようになる。
具体的には発振器4は、振動子XTALと、半導体チップである回路装置10と、振動子XTAL及び回路装置10を収容するパッケージ15を有する。パッケージ15は、例えばセラミック等により形成され、その内側に収容空間を有しており、この収容空間に振動子XTAL及び回路装置10が収容されている。収容空間は気密封止されており、望ましくは真空に近い状態である減圧状態になっている。パッケージ15により、振動子XTAL及び回路装置10を衝撃、埃、熱、湿気等から好適に保護することができる。
パッケージ15はベース16とリッド17を有する。具体的にはパッケージ15は、振動子XTAL及び回路装置10を支持するベース16と、ベース16との間に収容空間を形成するようにベース16の上面に接合されたリッド17とにより構成されている。そして振動子XTALは、ベース16の内側に設けられた段差部に端子電極を介して支持されている。また回路装置10は、ベース16の内側底面に配置されている。具体的には回路装置10は、能動面がベース16の内側底面に向くように配置されている。能動面は回路装置10の回路素子が形成される面である。また回路装置10のパッドにバンプが形成されている。そして回路装置10は、導電性のバンプを介してベース16の内側底面に支持される。導電性のバンプは例えば金属バンプであり、このバンプやパッケージ15の内部配線や端子電極などを介して、振動子XTALと回路装置10が電気的な接続される。また回路装置10は、バンプやパッケージ15の内部配線を介して、発振器4の外部端子18、19に電気的に接続される。外部端子18、19は、パッケージ15の外側底面に形成されている。外部端子18、19は、外部配線を介して外部デバイスに接続される。外部配線は、例えば外部デバイスが実装される回路基板に形成される配線などである。これにより外部デバイスに対してクロック信号CLKを出力したり、GNSSやネットワークの受信機などから基準クロック信号RCLKを入力できるようになる。
図20に、本実施形態の電子機器500の構成例を示す。この電子機器500は、本実施形態の回路装置10と、回路装置10を制御する処理装置520を含む。また電子機器500は、通信インターフェース510、操作インターフェース530、表示部540、メモリー550を含むことができる。
電子機器500は、例えば、センサー機器、距離、時間、流速又は流量等の物理量を計測する計測機器、生体情報を測定する生体情報測定機器、電子キーシステム用の携帯機、車に搭載される車載器、或いは基地局又はルーター等のネットワーク関連機器である。センサー機器はセンサーを有し、各種の物理情報を検出する機器である。生体情報測定機器は例えば超音波測定装置、脈波計又は血圧測定装置等である。車載器は例えば車両に搭載される機器である。また電子機器500は、頭部装着型表示装置や時計関連機器などのウェアラブル機器、ロボット、印刷装置、投影装置、スマートフォン等の携帯情報端末、コンテンツを配信するコンテンツ提供機器、或いはデジタルカメラ又はビデオカメラ等の映像機器などであってもよい。
通信インターフェース510は、無線により送信データを送信する無線送信部100を含む。また通信インターフェース510は、無線により受信データを受信する無線受信部を含んでもよい。処理装置520は、電子機器500の制御処理や、通信インターフェース510を介して送受信されるデータの種々のデジタル処理などを行う。処理装置520の機能は、例えばマイクロコンピューターなどのプロセッサーにより実現できる。操作インターフェース530は、ユーザーが入力操作を行うためのものであり、操作ボタンやタッチパネルディスプレイなどにより実現できる。表示部540は、各種の情報を表示するものであり、液晶や有機ELなどのディスプレイにより実現できる。メモリー550は、データを記憶するものであり、その機能はRAMやROMなどの半導体メモリーにより実現できる。
以上に説明したように本実施形態の回路装置は、周波数制御データを生成する処理回路と、周波数制御データに対応する発振周波数のクロック信号を生成するデジタル制御発振回路を有する同期回路と、を含む。そして同期モードにおいて、同期回路は、デジタル制御発振回路が生成するクロック信号を、外部から入力される基準クロック信号に同期させる。出力モードにおいて、処理回路は、周波数制御データに対する変調処理を行い、同期回路は、変調処理が行われた周波数制御データに基づきデジタル制御発振回路が生成したクロック信号を、変調された無線送信用のクロック信号として出力する。
本実施形態の回路装置では、同期モードでは、周波数制御データに基づき生成されるクロック信号が、基準クロック信号に同期するようになる。そして出力モードでは、周波数制御データに対する変調処理が行われ、変調処理が行われた周波数制御データに基づき生成されたクロック信号が、変調された無線送信用のクロック信号として出力される。従って、プリアンブル等の通信フォーマットを設けなくても、基準クロック信号に同期した高い周波数精度の無線送信用のクロック信号を、簡素な構成の回路装置により生成することが可能になる。
また本実施形態では、処理回路は、同期モードにおいて基準クロック信号にクロック信号が同期したときの周波数制御データを保持し、出力モードにおいて、保持した周波数制御データに対する変調処理を行ってもよい。
このようにすれば、基準クロック信号に同期した際の周波数制御データに対して変調処理を行って、無線送信用のクロック信号として出力できるようになる。
また本実施形態では、同期回路は、基準クロック信号とクロック信号に基づくフィードバッククロック信号との比較を行い、比較により得られた比較結果データを処理回路に出力する比較回路を含んでもよい。
このような比較回路を設ければ、基準クロック信号とクロック信号に基づくフィードバッククロック信号との比較結果データに応じた周波数制御データを生成して、周波数制御データに対応する周波数のクロック信号を生成できるようになる。
また本実施形態では、処理回路は、比較結果データに対してデジタルループフィルター処理を行って、周波数制御データを生成するデジタルループフィルターを含んでもよい。
このようなデジタルループフィルターを設けることで、比較回路、処理回路、デジタル制御発振回路等により形成されるフィードバックループにおけるループ応答特性を設定して、同期モードでの同期特性を設定できるようになる。
また本実施形態では、比較回路は、基準クロック信号の位相とフィードバッククロック信号の位相を比較する位相比較を行い、位相比較により得られた比較結果データを処理回路に出力してもよい。
このようにすれば、比較回路、処理回路、デジタル制御発振回路等により形成されるフィードバックループにおいて、基準クロック信号に対してクロック信号が位相同期するようになり、基準クロック信号の周波数精度に対応する周波数精度のクロック信号を生成できるようになる。
また本実施形態では、比較回路は、基準クロック信号とフィードバッククロック信号との位相差をデジタル値に変換し、デジタル値を比較結果データとして処理回路に出力する時間デジタル変換回路を含んでもよい。
このような時間デジタル変換回路を設ければ、基準クロック信号とフィードバッククロック信号の位相差を正確に測定して、位相差に基づく位相同期動作を実現できるようになる。
また本実施形態では、比較回路は、基準クロック信号の周波数とフィードバッククロック信号の周波数を比較する周波数比較を行い、周波数比較により得られた比較結果データを処理回路に出力してもよい。
このようにすれば、比較回路、処理回路、デジタル制御発振回路等により形成されるフィードバックループにおいて、基準クロック信号に対してクロック信号が周波数同期するようになり、基準クロック信号の周波数精度に対応する周波数精度のクロック信号を生成できるようになる。
また本実施形態では、比較回路は、基準クロック信号及びフィードバッククロック信号に基づくカウント処理を行い、カウントデータを出力する周波数カウンターを有し、カウントデータに基づく比較結果データを処理回路に出力してもよい。
このような周波数カウンターを設けることで、基準クロック信号及びフィードバッククロック信号の一方のクロック信号の周波数を他方のクロック信号に基づいて測定できるようになり、基準クロック信号とフィードバッククロック信号の周波数比較を、周波数カウンターのカウント処理により実現できるようになる。
また本実施形態では、比較回路は、出力モードにおいてディセーブル又は省電力の状態に設定されてもよい。
このようにすれば、同期モードにおいて用いられる比較回路が、出力モードにおいてはディセーブル又は省電力の状態に設定されるため、出力モードでの電力消費を効果的に抑制できる。
また本実施形態では、同期回路は、デジタル制御発振回路と比較回路の間に設けられる第1スイッチを含み、第1スイッチは、同期モードにおいてオンになり、出力モードにおいてオフになってもよい。
このようにすれば、同期モードにおいて第1スイッチがオンになることで、比較回路、処理回路、デジタル制御発振回路等によりフィードバックループが形成され、基準クロック信号にクロック信号を同期させる同期動作を実現できるようになる。
また本実施形態では、処理回路は、同期モードにおいて基準クロック信号にクロック信号が同期したか否かを判断し、同期したと判断した後に、回路装置の動作モードを同期モードから出力モードに切り替えてもよい。
このようにすれば、基準クロック信号にクロック信号を同期させる適正な周波数制御データが生成された後に、動作モードを同期モードから出力モードに切り替えることが可能になる。
また本実施形態では、回路装置の動作モードを設定するモード設定指示を出力する計時回路、又はモード設定指示を外部から受信するインターフェース回路を含み、処理回路は、モード設定指示に基づいて、回路装置の動作モードを、同期モードに設定した後に、出力モードに設定してもよい。
このようにすれば、計時回路の計時動作によるスケジューリングにしたがって、動作モードを同期モードから出力モードに切り替えたり、インターフェース回路を介して外部から入力されたモード設定指示にしたがって、動作モードを同期モードから出力モードに切り替えることなどが可能になる。
また本実施形態では、モード設定指示に基づいて、回路装置がスリープ状態となるスリープモードに設定された後に、同期モード、出力モード、スリープモードの順に動作モードが設定されてもよい。
このようにすれば、スリープモードから出力モードに移行する場合には、まずスリープモードから同期モードに切り替わって同期動作が行われ、その後に同期モードから出力モードに切り替わって、無線送信が行われるようになる。
また本実施形態では、上記に記載の回路装置と、クロック信号に基づいて無線送信を行う無線送信部を含む無線送信機に関係する。
また本実施形態は、上記の回路装置と、振動子と、を含み、デジタル制御発振回路は、振動子を用いてクロック信号を生成する発振器に関係する。
また本実施形態は、上記に記載の回路装置と、回路装置を制御する処理装置と、を含む電子機器に関係する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また回路装置、処理回路、同期回路、デジタル制御発振回路、無線送信機、発振器、電子機器の構成・動作等も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
4…発振器、10…回路装置、15…パッケージ、16…ベース、17…リッド、
18、19…外部端子、20…処理回路、30…加算器、32…変調データ出力部、
40…デジタルループフィルター、42…保持回路、50…同期回路、
52…分周回路、54…出力回路、60…比較回路、62…時間デジタル変換回路、
64…周波数カウンター、65…第1カウンター、66…第2カウンター、
67…時間デジタル変換回路、68…演算回路、70…スタート信号生成回路、
72…ストップ信号生成回路、80…デジタル制御発振回路、82…周波数調整回路、
84…D/A変換回路、86…駆動回路、90…計時回路、
92…インターフェース回路、100…無線送信部、102…送信回路、
230…測定回路、240…信号生成回路、241…積分期間信号生成回路、
242…極性切替信号生成回路、243…積分期間信号生成回路、
244…極性切替信号生成回路、260…積分処理回路、
261、262、263、264…積分回路、271…リングオシレーター、
272…調整回路、281…リングオシレーター、282…調整回路、
291…測定回路、292…基準クロックカウンター、
500…電子機器、510…通信インターフェース、520…処理装置、
530…操作インターフェース、540…表示部、550…メモリー、
ANT…アンテナ、CLK…クロック信号、CQ…比較結果データ、
CV…可変容量キャパシター、DFC、DFC1、DFC2…周波数制御データ、
DM…変調データ、FBCLK…フィードバッククロック信号、
RCLK…基準クロック信号、STA…スタート信号、STP…ストップ信号、
SW1、SW2…スイッチ、TE、TCQ、TX1、TX2…端子、XTAL…振動子、
18、19…外部端子、20…処理回路、30…加算器、32…変調データ出力部、
40…デジタルループフィルター、42…保持回路、50…同期回路、
52…分周回路、54…出力回路、60…比較回路、62…時間デジタル変換回路、
64…周波数カウンター、65…第1カウンター、66…第2カウンター、
67…時間デジタル変換回路、68…演算回路、70…スタート信号生成回路、
72…ストップ信号生成回路、80…デジタル制御発振回路、82…周波数調整回路、
84…D/A変換回路、86…駆動回路、90…計時回路、
92…インターフェース回路、100…無線送信部、102…送信回路、
230…測定回路、240…信号生成回路、241…積分期間信号生成回路、
242…極性切替信号生成回路、243…積分期間信号生成回路、
244…極性切替信号生成回路、260…積分処理回路、
261、262、263、264…積分回路、271…リングオシレーター、
272…調整回路、281…リングオシレーター、282…調整回路、
291…測定回路、292…基準クロックカウンター、
500…電子機器、510…通信インターフェース、520…処理装置、
530…操作インターフェース、540…表示部、550…メモリー、
ANT…アンテナ、CLK…クロック信号、CQ…比較結果データ、
CV…可変容量キャパシター、DFC、DFC1、DFC2…周波数制御データ、
DM…変調データ、FBCLK…フィードバッククロック信号、
RCLK…基準クロック信号、STA…スタート信号、STP…ストップ信号、
SW1、SW2…スイッチ、TE、TCQ、TX1、TX2…端子、XTAL…振動子、
Claims (16)
- 周波数制御データを生成する処理回路と、
前記周波数制御データに対応する発振周波数のクロック信号を生成するデジタル制御発振回路を有する同期回路と、
を含み、
同期モードにおいて、
前記同期回路は、前記デジタル制御発振回路が生成する前記クロック信号を、外部から入力される基準クロック信号に同期させ、
出力モードにおいて、
前記処理回路は、前記周波数制御データに対する変調処理を行い、
前記同期回路は、前記変調処理が行われた前記周波数制御データに基づき前記デジタル制御発振回路が生成した前記クロック信号を、変調された無線送信用の前記クロック信号として出力することを特徴とする回路装置。 - 請求項1に記載の回路装置において、
前記処理回路は、
前記同期モードにおいて前記基準クロック信号に前記クロック信号が同期したときの前記周波数制御データを保持し、
前記出力モードにおいて、保持した前記周波数制御データに対する前記変調処理を行うことを特徴とする回路装置。 - 請求項1又は2に記載の回路装置において、
前記同期回路は、
前記基準クロック信号と前記クロック信号に基づくフィードバッククロック信号との比較を行い、前記比較により得られた比較結果データを前記処理回路に出力する比較回路を含むことを特徴とする回路装置。 - 請求項3に記載の回路装置において、
前記処理回路は、
前記比較結果データに対してデジタルループフィルター処理を行って、前記周波数制御データを生成するデジタルループフィルターを含むことを特徴とする回路装置。 - 請求項3又は4に記載の回路装置において、
前記比較回路は、
前記基準クロック信号の位相と前記フィードバッククロック信号の位相を比較する位相比較を行い、前記位相比較により得られた比較結果データを前記処理回路に出力することを特徴とする回路装置。 - 請求項5に記載の回路装置において、
前記比較回路は、
前記基準クロック信号と前記フィードバッククロック信号との位相差をデジタル値に変換し、前記デジタル値を前記比較結果データとして前記処理回路に出力する時間デジタル変換回路を含むことを特徴とする回路装置。 - 請求項3又は4に記載の回路装置において、
前記比較回路は、
前記基準クロック信号の周波数と前記フィードバッククロック信号の周波数を比較する周波数比較を行い、前記周波数比較により得られた比較結果データを前記処理回路に出力することを特徴とする回路装置。 - 請求項7に記載の回路装置において、
前記比較回路は、
前記基準クロック信号及び前記フィードバッククロック信号に基づくカウント処理を行い、カウントデータを出力する周波数カウンターを有し、前記カウントデータに基づく前記比較結果データを前記処理回路に出力することを特徴とする回路装置。 - 請求項3乃至8のいずれか一項に記載の回路装置において、
前記比較回路は、
前記出力モードにおいてディセーブル又は省電力の状態に設定されることを特徴とする回路装置。 - 請求項3乃至9のいずれか一項に記載の回路装置において、
前記同期回路は、
前記デジタル制御発振回路と前記比較回路の間に設けられる第1スイッチを含み、
前記第1スイッチは、前記同期モードにおいてオンになり、前記出力モードにおいてオフになることを特徴とする回路装置。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の回路装置において、
前記処理回路は、
前記同期モードにおいて前記基準クロック信号に前記クロック信号が同期したか否かを判断し、同期したと判断した後に、回路装置の動作モードを前記同期モードから前記出力モードに切り替えることを特徴とする回路装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の回路装置において、
回路装置の動作モードを設定するモード設定指示を出力する計時回路、又は前記モード設定指示を外部から受信するインターフェース回路を含み、
前記処理回路は、
前記モード設定指示に基づいて、回路装置の前記動作モードを、前記同期モードに設定した後に、前記出力モードに設定することを特徴とする回路装置。 - 請求項12に記載の回路装置において、
前記モード設定指示に基づいて、回路装置がスリープ状態となるスリープモードに設定された後に、前記同期モード、前記出力モード、前記スリープモードの順に前記動作モードが設定されることを特徴とする回路装置。 - 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の回路装置と、
前記クロック信号に基づいて無線送信を行う無線送信部と、
を含むことを特徴とする無線送信機。 - 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の回路装置と、
振動子と、
を含み、
前記デジタル制御発振回路は、前記振動子を用いて前記クロック信号を生成することを特徴とする発振器。 - 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の回路装置と、
前記回路装置を制御する処理装置と、
を含むことを特徴とする電子機器。
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