以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の商品販売データ処理装置10の外観を示す斜視図である。商品販売データ処理装置10は、スーパーマーケット等の店舗で使用される店舗会計システムの一部を構成するもので、例えばPOS(Point of Sales)端末として構成される。
図1に示すように、商品販売データ処理装置10は、釣銭機11e、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j(キーボード11ja、タッチパネル11jb)、プリンタ11k、カードリーダライタ11m、及びディスプレイ11nが設けられている。
商品販売データ処理装置10は、規定のハウジングに対して、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j、プリンタ11k、ディスプレイ11nが脱着可能となるように構成されている。このため、商品販売データ処理装置10は、店舗での使用に適した、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j、プリンタ11k、ディスプレイ11nを個々に選択して実装させることができる。
例えば、コンビネーションキーボード11jは、図1及び図2に示すように、キーボード11jaとタッチパネル11jbとが設けられた形態の他、タッチパネル11jbに代えて、より多くのキーが実装されたキーボードのみの形態のものがある。また、コンビネーションキーボード11jを実装せずに、タッチパネル11hからのみオペレータによる入力操作を受け付ける形態とすることもできる。第1実施形態では、図2に示すキーボード11jaとタッチパネル11jbとが設けられたコンビネーションキーボード11jが実装されているものとして説明する。
同様にして、例えばディスプレイ11nは、顧客に対して情報を提供するための客面用として用いられるもので、画面サイズの異なる複数のユニットから何れかを選択して実装することができる。また、顧客による入力操作を受け付けられるように、ディスプレイ11nに代えてタッチパネルを実装することも可能である。
図3は、第1実施形態における商品販売データ処理装置10の構成を示すブロック図である。
商品販売データ処理装置10は、コンピュータの機能が実装されており、プロセッサ(CPU(central processing unit)等)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、記憶ユニット11d、釣銭機11e、通信ユニット11f、スキャナ11g、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j(キーボード11ja、タッチパネル11jb)、プリンタ11k、カードリーダライタ11m、及びディスプレイ11nを有する。
プロセッサ11aは、ROM11b及びRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、商品販売データ処理装置10としての各種の動作を実現するべく各部を制御するための回路である。
ROM11b及びRAM11cは、プロセッサ11aにより実行される各種プログラムの他、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。例えば、RAM11cには、商品の情報を登録する処理が実行される場合に、顧客による購入対象とする商品の情報が登録される登録商品テーブルが記録される。また、RAM11cには、電卓処理(後述する)が実行された場合には、電卓処理の対象となるデータ(数値データ、演算データ等)が記録される。
プロセッサ11aにより実行されるプログラムには、スキャナ11gを通じて商品の情報(商品コード等)を入力する処理、登録商品テーブルに登録された商品の情報に応じた決済処理に用いられる取引情報を生成する処理、取引情報をもとにした決済処理などを実行するための制御プログラムが含まれる。さらに、プロセッサ11aにより実行されるプログラムには、予め設定された入力操作に応じて実行される電卓処理を実行するためのデータ処理プログラムが含まれる。
プロセッサ11aは、データ処理プログラムに基づいて、第1表示部、第2表示部、第3表示部、計算部の機能を実行することができる。第1表示部は、買い上げ対象とする少なくとも1つの商品に関する金額を含む商品一覧画面(登録画面等)を例えばタッチパネル11hにおいて表示する。第2表示部は、例えば予め設定された所定の入力操作に応じて、計算用画面をタッチパネル11jbに表示する。第3表示部は、商品一覧画面においてオペレータの入力操作により選択された金額(例えば商品の単価、商品別の合計金額、小計額など)を表す数値を計算用画面に表示させる。計算部は、記計算用画面に表示された数値をもとに計算を実行する。
記憶ユニット11dは、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11aの処理によって生成されたデータを記憶する。記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
釣銭機11eは、投入される硬貨及び紙幣を収受、釣銭とする硬貨及び紙幣を排出する。
通信ユニット11fは、例えばLAN14を介して、サーバや他の商品販売データ処理装置との通信を行う。
スキャナ11gは、例えば、光学的スキャンにより商品の情報を読み取って、商品に固有の商品コードを入力する。スキャナ11gは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナとしても良いし、商品を撮影した画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプとしても良い。また、スキャナ11gは、1つのタイプのみを設けても良いし、複数のタイプのものを設けても良い。
タッチパネル11hは、オペレータ(店員)により入力操作がされるデバイスであり、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI(Graphical User Interface)画面などの任意の画面を表示する。例えば、表示デバイスは、買い上げ対象として登録された商品に関する取引情報(商品名、金額など)の一覧リストや小計金額等を含む登録画面(商品一覧画面)、各種のメニュー、及びコマンドを入力するためのボタンなどを表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置される。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をプロセッサ11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
コンビネーションキーボード11jは、オペレータ(店員)により入力操作がされるデバイスであり、例えば特定の機能が個々に割り当てられた複数のキーが配列されたキーボード11jaとタッチパネル11jbを有する。タッチパネル11jbは、例えばタッチパネル11hと同様に構成される。タッチパネル11jbは、常に表示する必要がない補足情報や、店内のオペレータで共有すべき情報(特売情報や店長からのメッセージなど)等が表示される。また、電卓処理が実行される場合には、タッチパネル11jbには、計算用画面(電卓画面)が表示される。
プリンタ11kは、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列、画像、コードパターン(バーコード、2次元コードなど)などを印刷することにより、商品名、単価、合計金額などの取引内容が印刷された取引レシート等を発行する。
カードリーダライタ11mは、カードに記録されたデータを読み取るとともに、カードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカード、ポイントカードなどの決済処理に関わる情報を記録する各種のカードを含む。カードリーダライタ11mは、磁気式、接触式、あるいは非接触式の何れのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
ディスプレイ11nは、例えば顧客に対して情報を提供するための客面用として用いられるデバイスであり、カラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。
次に、第1実施形態における商品販売データ処理装置10の動作について説明する。 商品販売データ処理装置10は、買い上げ対象とする商品の登録処理を行うモードで起動されると、プロセッサ11aによる、ROM11bまたは記憶ユニット11dに記憶された制御プログラムに基づく制御処理を開始する。
プロセッサ11aは、制御処理を開始すると、RAM11cに記録される登録商品テーブルをクリアし、タッチパネル11hに登録画面を表示させる。登録画面は、登録商品テーブルに登録された商品の情報などを表示するためのもので、登録処理の実施状況をオペレータに確認させるための画面である。
オペレータの操作によりスキャナ11gから商品に付された商品コードが読み取られたことを検出すると、プロセッサ11aは、商品コードに対応する商品の情報を登録商品テーブルに登録(更新)する。また、プロセッサ11aは、更新後の登録商品テーブルの内容に応じて、登録画面の商品の情報を更新する。その後、プロセッサ11aは、前述したように、オペレータがスキャナ11gにより商品コードを読み取らせる操作がされる毎に、取得された商品コードに応じた商品の情報を、順次、登録商品テーブルに追加する。
こうして、少なくとも1つの商品が登録された後、プロセッサ11aは、例えば小計ボタンが操作されたことを検出した場合、登録商品テーブルに登録された内容に基づいて、登録商品テーブルに登録された商品に関する決済処理のための取引情報を生成する。プロセッサ11aは、登録商品のリスト及び登録された商品の合計個数及び合計金額などの情報を含む小計画面をタッチパネル11hに表示させる。さらに、小計画面に設けられた会計ボタンが操作されたことを検出した場合、プロセッサ11aは、登録処理を終了させる締め処理をした後、取引情報に基づく決済処理を実行する。
ところで、オペレータの操作により登録処理が実行されている間に、顧客よりイレギュラーな計算が求められる場合がある。例えば、イレギュラーな計算としては、例えば、買い上げ対象とする複数の商品の一部の指定商品に限定した合計金額、税抜計算、税込計算などの計算の他、商品ファイルに登録されたデータと異なる価格での計算、一時的な割引きや値引きした金額やその金額をもとにした合計額の計算、商品券を利用した場合の金額やお釣りの額や均等割(割り勘)の額の計算などがある。
こうした場合、商品販売データ処理装置10は、電卓宣言キーに対する入力操作に応じて、電卓処理を実行することができる。電卓処理では、商品の価格等が表示される登録画面を利用して、商品コードの読み取りにより実行される買い上げ商品についての決済処理のための計算とは関係なく、入力操作に応じた計算を実行することができる。電卓宣言キーは、例えばタッチパネル11hに表示される登録画面、キーボード11jaの特定のキー、あるいはタッチパネル11jbの画面の少なくとも何れか1つに設けられる。
次に、第1実施形態における電卓処理について説明する。図4は、電卓処理を示すフローチャートである。図5は、第1実施形態の電卓処理の実行時におけるタッチパネル11hに表示される登録画面SC1の一例を示す図、図6は、第1実施形態におけるタッチパネル11jbに表示される電卓画面SC2の一例を示す図である。
図5に示す登録画面SC1は、領域R1,R2,R3を含む。領域R1は、最後に登録商品テーブルに登録された商品に関する商品名、個数及び単価R11と、その商品を登録した後の買上商品の合計個数及び合計金額R12とを表示するため領域を含む。
領域R2は、登録画面SC1に示された商品よりも前に登録された商品に関する商品名R21、個数R22、単価R23、及び商品別の合計金額R24(個数×単価)のリストを表示するための領域を含む。なお、登録画面SC1は、登録された商品に関する各種の情報を表示するための基本フォームのみを表しており、図5に示す以外の商品登録に関係する各種の情報を表示することも可能である。図5に示すように、登録画面において、単価R11、合計金額R12、個数R22、単価R23、合計金額R24の領域には数値(数字)が表示される。
領域R3は、登録画面SC1を通じて特定の処理の実行を指示するためのキー(ボタン)が表示される領域である。図5に示す例では、登録の対象とする商品に対して個別に値引きをするための値引きキー、同じく割引きをするための値引きキーの他、電卓処理の実行を指示するための電卓宣言キーR31が設けられている。
図6に示す電卓画面SC2は、計算式表示領域R4、数値/演算キー領域R5、ボタン領域R6を含む。計算式表示領域R4は、入力操作に応じて入力された数値データあるいは演算記号に応じて、計算処理の対象とする計算式が表示される領域である。図6に示す例では、例えば数値データ[98]、演算記号[+]、数値データ[298]が入力された状態を示している。数値データが入力される前の初期状態では、領域R4は、空白となっている。
数値/演算キー領域R5には、例えば数値キー([00][0]〜[9])、四則記号キー([+][−][×][÷])、計算実行キー([=])、クリアキー([C])、税計算キー([税抜][税込])、小数点キー([・])などが配列される。数値キーが選択された場合には数値データが入力され、四則記号キーが選択された場合には演算データが入力される。なお、図6に示す数値/演算キー領域R5には、四則計算と[税抜][税込]の計算に好適な数値/演算キーの一例を示しているが、顧客から要求される計算を想定した専用の計算キー(例えば、割り勘の金額の計算実行を指示する割り勘キーなど)を設けることが可能である。
ボタン領域R6には、電卓画面SC2を通じて特定の処理の実行を指示するためのキー(ボタン)が表示される領域である。図6に示す例では、表示画面を元に戻すための戻るキーR60、電卓処理における処理内容を客面用のディスプレイ11nに表示させる客面表示設定をするための客面表示キーR61、電卓処理の実行を指示するための電卓宣言キーR62が設けられている。
タッチパネル11jbは、電卓処理を実行していない場合には他の情報の表示に用いられ、電卓処理の起動に応じて図6に示す数値/演算キー領域R5及び客面表示キーR61が表示されるものとする。なお、電卓宣言キーR62については、電卓処理の実行に関係なく、常時、表示されていても良いし、キーボード11jaの特定キーあるいは登録画面SC1の電卓宣言キーR31が設けられていれば、表示されていなくても良い。さらに、電卓処理の実行に関係なく、常時、数値/演算キー領域R5及びボタン領域R6が表示されていても良い。
まず、プロセッサ11aは、登録処理の実行中に電卓宣言キーが操作されたことを検出すると(Act11、Yes)、タッチパネル11jbに電卓画面(数値/演算キー領域R5及び客面表示キーR61)を表示させて、入力操作待ち状態となる。ここで、計算の対象とする数値データは、電卓画面SC2の数値/演算キー領域R5に設けられた数値キーに対する入力操作、あるいは登録画面SC1の数値データに対する入力操作によって入力することができる。
プロセッサ11aは、タッチパネル11hの登録画面SC1に対するタッチ操作を検出すると(Act14、Yes)、タッチ位置を含む領域に表示された数値(数字)を判別し、タッチ位置の数値データを記憶する(Act15)。また、プロセッサ11aは、タッチ位置の数値データに応じた数字を、タッチパネル11jbの計算式表示領域R4に表示させる(Act19)。同様にして、他の数値(数字)が表示された領域に対してタッチ操作がされた場合には、プロセッサ11aは、タッチ位置の数値データに応じた数字を、先に表示された数字に続けて、タッチパネル11jbの計算式表示領域R4に表示させる(Act14,15,19)。
図5に示す登録画面SC1は、商品Eの単価「98」の領域がタッチされた後、続いて、商品Bの単価「298」の領域がタッチされ、最後にタッチされた領域が反転表示などによって明示されている状態を表している。図6に示す電卓画面SC2では、登録画面SC1において続けて選択された数値「98」「298」が計算式表示領域R4に表示されている。
第1実施形態における電卓処理では、基本的に、入力された数値の加算をする計算を実行するものとする。従って、例えば登録画面SC1において数値「98」が選択された場合に、計算式表示領域R4に対して数値「98」に続けて、自動的に加算記号「+」を表示(入力)させる。このため、例えば複数の商品の価格の合計を求める場合には、登録画面SC1の価格が表示された領域を続けてタッチする操作をするだけで、数値を加算する計算式を入力することができる。電卓処理では、登録画面SC1に対する1度のタッチ操作により複数桁の数値データを入力することができるので、複数桁の数字を1つずつ入力する操作が不要であり、入力操作を簡単にすることができる。
一方、プロセッサ11aは、電卓画面SC2の数値/演算キー領域R5に表示されたキーがタッチされた場合(Act16、Yes)、タッチされたキーに応じたデータ(数値データあるいは演算データ)を記憶する(Act17)。ここで、タッチされたキーが計算実行を指示する計算実行キー([=])及び税計算キー([税抜][税込])でない場合には(Act18、No)、プロセッサ11aは、タッチされたキーに応じたデータを、タッチパネル11jbの計算式表示領域R4に表示させる(Act19)。すなわち、登録画面SC1に対する入力操作により数値データを入力するだけでなく、電卓画面SC2の数値/演算キー領域R5に対する操作により任意の数値データあるいは演算データを入力することができるので、任意の計算式を入力することができる。
また、プロセッサ11aは、電卓画面SC2の計算実行を指示する計算実行キー([=])あるいは税計算キー([税抜][税込])がタッチされたことを検出した場合(Act18、Yes)、計算式表示領域R4に表示された計算式に基づいて計算処理を実行し(Act111)、計算結果を計算式表示領域R4に表示させる。例えば、税計算キー([税抜]キー)がタッチされた場合には、プロセッサ11aは、計算式表示領域R4に表示された計算式(合計計算式)に含まれる数値データが内税価格を表していれば、単純に計算式の計算結果ではなく、税抜の金額を算出して計算結果として表示させる。
なお、電卓画面SC2において実行される計算は、例えばクリアキー([C])に対するタッチ操作によりクリアし、改めて別の計算をすることが可能である。
また、電卓画面SC2の客面表示キーR61をタッチする操作が検出された場合(Act12、Yes)、プロセッサ11aは、客面表示設定をして、登録画面SC1あるいは電卓画面SC2に対する操作により入力された計算内容等がディスプレイ11nに表示されるようにする。
プロセッサ11aは、電卓画面SC2の計算式表示領域R4に入力データを表示した際に(Act19)、客面表示設定がされている場合には(Act110、Yes)、ディスプレイ11nに客面画面を表示させる(Act113)。客面画面では、例えば電卓画面SC2の計算式表示領域R4に表示される表示内容、すなわち入力データまたは計算結果を同じように表示させる。あるいは、プロセッサ11aは、単純な計算式だけでなく、顧客に対して計算内容をより分かり易くするための表示データを作成して、客面画面に表示させることも可能である。
図7は、ディスプレイ11nに表示される客面画面SC3の一例を示す図である。図7に示す客面画面SC3の例では、単純に計算式を表示するのではなく、計算の対象とする数値に対応する商品名、小計額、計算方法(税抜計算)を表す文字が付加されている。
図7に示す客面画面SC3を表示する場合には、例えば登録画面SC1において数値が選択された際に、この数値に対応する商品を判別して、数値データと共に商品名のデータを記憶しておく。また、電卓画面SC2の数値/演算キー領域R5においてタッチされたキー(ここでは[税抜]キー)に応じた文字列「税抜」を、計算結果の数値「367円」と対応づけて表示させる。
これにより、顧客は、ディスプレイ11nに表示される客面画面SC3を参照することにより、オペレータの操作により実行される計算内容を容易に確認することが可能となる。
なお、前述した説明では、タッチパネル11hにおいて登録画面SC1を表示させ、タッチパネル11jbに電卓画面SC2を表示させるものとして説明しているが、例えば1つのタッチパネル11hにおいて登録画面と電卓画面を表示させるようにしても良い。
図8は、タッチパネル11hの画面SC4に登録画面SC41と電卓画面SC42が表示された状態の一例を示している。プロセッサ11aは、登録処理中では、図5に示す登録画面SC1と同様にして登録画面SC41を表示する。登録処理中に、電卓宣言キーの操作より電卓処理の起動が指示されると、プロセッサ11aは、図8に示すように、登録画面SC41にオーバーラップさせて、電卓画面SC42を表示させる。この際、プロセッサ11aは、電卓画面SC42を、登録画面SC41の数値が隠れない位置に表示させる。あるいは、登録画面SC41のサイズあるいは形状を変更して、電卓画面SC42と重複しない、あるいはオーバーラップする範囲を小さくするようにしても良い。
図8に示すように、タッチパネル11hにおける画面SC4において、登録画面SC41と電卓画面SC42とを同時に表示する形態としても、前述と同様にして、登録画面SC41を利用した効率的な計算式の入力が可能である。
このようにして、第1実施形態の商品販売データ処理装置10では、電卓処理を実行することにより、登録処理によって表示される登録画面SC1を利用して数値データを入力すると共に、電卓画面SC2を通じて任意の数値データ及び演算データを入力して、任意の計算式を簡単に入力することができる。従って、例えば登録処理において、顧客が買い上げる商品についてのイレギュラーな計算が顧客から要求された場合であっても、効率的に計算を実行することが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態の店舗会計システムでは、商品販売データ処理装置10に設けられたタッチパネル11hとタッチパネル11jbを利用して電卓処理を実行しているが、第2実施形態では、商品販売データ処理装置10と他の電子機器とを連携させて電卓処理を実行する。
図9は、第2実施形態における電卓処理を実行する連携システムの一例を示す図である。第2実施形態では、商品販売データ処理装置50(50−1,…,50−n)に表示される登録画面において選択された数値を、商品販売データ処理装置50とネットワーク70を介して接続された電子機器60(60−1,…,60−n)に送信して、電子機器60において電卓処理を実行させる。
図9に示す構成では、ネットワーク70と接続されたサーバ40が商品販売データ処理装置50(50−1,…,50−n)と電子機器60(60−1,…,60−n)との間に介在して、商品販売データ処理装置50と電子機器60とを接続させると共に数値データの送受信を処理する。
図10は、サーバ40の構成を示すブロック図である。図10に示すように、サーバ40は、プロセッサ41a、メモリ41b、記憶ユニット41c、通信ユニット41dを有する。プロセッサ41aは、メモリ41bに記憶された制御プログラムを実行することにより以下に説明する処理を実行する。メモリ41bは、プロセッサ41aにより実行される各種プログラムの他、プロセッサ41aが各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。
記憶ユニット41cは、プロセッサ41aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ41aの処理によって生成されたデータを記憶する。通信ユニット41dは、ネットワーク70を介して、商品販売データ処理装置50、電子機器60との通信を行う。
図11は、電子機器60の構成を示すブロック図である。図11に示すように、電子機器60は、プロセッサ61a、メモリ61b、記憶ユニット61c、通信ユニット61d、タッチパネル61eを有する。電子機器60は、例えばスマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどが用いられる。
プロセッサ61aは、メモリ61bに記憶された制御プログラムを実行することにより以下に説明する処理を実行する。制御プログラムには、電子機器60において電卓処理を実行するためのアプリケーションプログラム(データ処理プログラム)が含まれる。メモリ61bは、プロセッサ61aにより実行される各種プログラムの他、プロセッサ61aが各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。
記憶ユニット61cは、プロセッサ61aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ61aの処理によって生成されたデータを記憶する。通信ユニット61dは、ネットワーク70を介して、サーバ40、商品販売データ処理装置50との通信を行う。
なお、商品販売データ処理装置50は、第1実施形態の商品販売データ処理装置10と同様に構成されるものとして説明を省略する。ただし、商品販売データ処理装置50は、ネットワーク70を介した他の機器との通信が可能であるものとする。
次に、第2実施形態における連携システムの動作について説明する。図12は、商品販売データ処理装置50の動作の示すフローチャート、図13は、電子機器60の動作を示すフローチャート、図14は、サーバ40の動作を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同様の処理については詳細な説明を省略する。
まず、商品販売データ処理装置50は、電卓処理の実行を指示する所定の操作、例えば登録処理中に電卓宣言キーの操作が検出されると(Act21、Yes)、電卓処理を実行する電子機器60をリンクさせるためのコードを出力する。例えば、商品販売データ処理装置50は、ディスプレイ11nにおいて、現在の取引に固有の取引コードと商品販売データ処理装置50に固有の端末識別コード(POSID)を含む2次元コードを表示させると共に、サーバ40に対して取引コードと端末識別コードを送信する。
電卓処理に利用する電子機器60を所持しているオペレータ(店員)あるいは顧客は、電子機器60において、アプリケーションプログラム(データ処理プログラム)を起動して、ディスプレイ11nに表示された2次元コードの画像をカメラ機能(図示せず)を利用して読み取らせる。電子機器60のプロセッサ61aは、2次元コードから取引コードと端末識別コード(POSID)を読み取り(Act32)、サーバ40に送信する(Act33)。プロセッサ61aは、タッチパネル61eに第1実施形態と同様の電卓画面を表示させる(Act34)。
サーバ40は、電子機器60と商品販売データ処理装置50のそれぞれから取引コードと端末識別コード(POSID)を受信し(Act41,42)、同じ取引コードと端末識別コード(POSID)とを送信した電子機器60と商品販売データ処理装置50とを接続する(Act43)。
その後、商品販売データ処理装置50は、登録画面に対するタッチ操作を検出すると(Act23、Yes)、タッチ位置を含む領域に表示された数値(数字)を判別し、タッチ位置の数値データを記憶する(Act24)。また、商品販売データ処理装置50は、タッチ位置の数値データ(さらに取引コードと端末識別コード)をサーバ40に送信する(Act25)。以下、商品販売データ処理装置50は、登録画面に対するタッチ操作に応じて数値(数字)が選択されるのに応じて、選択された数値の数値データをサーバ40に送信する。商品販売データ処理装置50は、電子機器60との連携の終了が指示されるまで(Act26、No)、タッチ操作に応じて選択された数値データの送信を継続する。なお、電子機器60との連携の終了が指示されると(Act26、Yes)、サーバ40に終了通知を送信する。
サーバ40は、商品販売データ処理装置50から数値データを受信すると(Act44)、接続された電子機器60に数値データを送信する。サーバ40は、商品販売データ処理装置50から終了通知が受信されるまで(Act46、No)、数値データの電子機器60への転送を継続する(Act44,45)。
電子機器60は、サーバ40を通じて数値データを受信すると(Act35)、数値データに応じた数字を電卓画面に第1実施形態と同様にして表示させる(Act36)。以下、図13に示すAct37〜313の処理は、第1実施形態における図4のフローチャートに示すAct16〜19,111,112,114と同様に実行されるものとして詳細な説明を省略する。すなわち、電子機器60は、商品販売データ処理装置50の登録画面において選択された数値の数値データを受信し、この数値データを利用して電卓画面において計算を実行することができる。
このようにして、第2実施形態の連携システムでは、商品販売データ処理装置50とネットワーク70を介して接続される電子機器60を利用して電卓処理を実行することができる。従って、商品販売データ処理装置50において、登録画面を表示するためのタッチパネル(あるいはディスプレイ)の他に、電卓画面を表示するためのタッチパネル(あるいはディスプレイ)が実装されていない場合でも、店員あるいは顧客が所有するスマートフォンやタブレット型パーソナルコンピュータなどの電子機器60を利用して電卓処理を実行することができる。
なお、第2実施形態における電子機器60と商品販売データ処理装置50とを接続(連携)させるための処理は一例であって、他の方法を使用しても良い。また、商品販売データ処理装置50から送信された数値データを、サーバ40を介して電子機器60に転送しているが、商品販売データ処理装置50から電子機器60に対して、直接送信するようにしても良い。例えば、電卓処理を実行する際に、商品販売データ処理装置50と電子機器60とを、例えば無線LAN(Local Area Network)によりネットワーク接続して、数値データの送受信を実行する。
さらに、前述した連携システムは、商品販売データ処理装置50と電子機器60とが連携する構成例を示しているが、例えば2つの電子機器60(スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット型PCなど)の間で数値データを送受信する構成とすることも可能である。例えば、一方の電子機器60において会計プログラムなどの実行により商品に関する金額を含む商品一覧画面を表示させ、この商品一覧画面において選択された数値の数値データを、サーバ40を介して、あるいは直接、ネットワーク接続された他方の電子機器60に送信する。他方の電子機器60は、前述と同様にして電卓画面を表示し、一方の電子機器60から受信した数値データを電卓画面に表示し、この数値データを用いた計算を実行する。
なお、前述した各実施形態の説明では、商品販売データ処理装置(POS端末)において実現されるとしているが、買い上げ対象とする商品に関する金額等を含む商品一覧画面を表示する他の装置、例えばセミセルフレジ装置(登録機、会計機)、セルフレジ装置において実現することも可能である。
また、商品販売データ処理装置のオペレータ(店員)が操作する場合について説明しているが、商品を購入する顧客が操作するように構成することも可能である。例えば、第1実施形態における商品販売データ処理装置10に設けられた客面用のディスプレイ11nを、顧客の入力操作を受け付けることが可能な客面用タッチパネルに代えると共に、この客面用タッチパネルに商品の登録画面と電卓宣言キーを表示させる。顧客による客面用タッチパネルの電卓宣言キー、あるいはオペレータによるタッチパネル11jの電卓宣言キーの入力操作に応じて、客面用タッチパネルにおいて電卓画面を表示させる。以下、前述したオペレータの操作と同様にして、顧客による客面用タッチパネルに対する操作に応じて、登録画面から選択された商品の価格などの数値データを、電卓画面に表示させて、電卓画面に対する入力操作に応じて計算を実行する。
また、電卓処理においてはタッチパネルに対してタッチ操作がされるものとして説明しているが、ポインティングデバイスなどの入力デバイスや、キーボードのキーに対する入力操作が行われるものであっても良い。
さらに、前述した説明では、顧客の買い上げ対象とする商品を登録する登録処理の間に電卓処理を実行する場合について説明しているが、登録処理以外において商品一覧画面を表示する際に電卓処理を実行することも可能である。例えば、決済処理済みの取引の内容を商品の一覧により表示することができる場合、この商品一覧画面を表示している間に電卓処理の実行が指示された場合に、前述と同様にして電卓画面を表示させると共に、商品一覧画面から選択された数値データを電卓画面に表示させて計算をすることも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。