JP2021097607A - 植物栽培チューブ用ボビンおよびチューブ状植物栽培用システムキット - Google Patents

植物栽培チューブ用ボビンおよびチューブ状植物栽培用システムキット Download PDF

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悟志 川本
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悟志 川本
裕泉 松野
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裕泉 松野
眞知男 安達
Machio Adachi
眞知男 安達
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Abstract

【課題】 植物の生育促進に加え、主として植物の生育環境の整備を効率的に進められる装置や方法を提供する。【解決手段】 胴部と、該胴部の両端に接合された鍔部と、を有する植物栽培システムキット用ボビンであって、(I)該胴部の最大径(Y)が、40〜400センチメートルであり、(II)該鍔部の最大径(Z)が、50〜500センチメートルであり、(III)該ボビンの重量(X)キログラムと、該鍔部の幅(W)センチメートルとが、2.0< X/W <7.0である、植物栽培システムキット用ボビンを用いる。【選択図】 図12

Description

本発明は、植物栽培チューブ用のボビンとチューブ状植物栽培用システムキットに関する。
植物を栽培するシステムは、これまでに数多く報告されている。例えば、自動で水や養液を供給できる畦間灌水やスプリンクラー、水や養液の供給量低減を可能にした点滴灌水システム(特許文献1)やDevelopmental Technologies社製のEco−Ag(特許文献2)、植物工場などで利用されている水耕栽培システム(特許文献3)やミスト栽培システム(特許文献4)がある。
しかしながら、畦間灌水やスプリンクラーは、必要以上に多量の水や養液を環境中に放出するため、水資源の浪費に繋がるとともに土壌汚染により環境負荷が増大する。また、点滴灌水システムやEco−Agは、水や養液の供給量をコントロールできるため、畦間灌水やスプリンクラーに比べて水や養液の使用量が軽減できるが、まだ不十分であり、しかも土壌を介して水や養液を供給するため、土壌汚染などの環境負荷が高まる危険性もある。
セラミックを利用した植物栽培システム(特許文献5、6)も報告されている。
一方で、上記の植物工場などで利用されている水耕栽培システムは、水や養液を循環させて再利用することにより、水や養液の効率的利用が実現されている。ただ、植物の生育に必要な空気の供給や、ミスト栽培システムについては、水や養液の供給には改良の余地があると考えられる。この問題を解決するために本発明者らは、特定の材料を用い、好ましくは層構造の形状を取ることを特徴とする植物栽培用の素材や植物栽培システムを提案している。(特許文献7、8)
イスラエル特許公開第0053463号明細書 米国特許第7198431号明細書 特公昭49−035539号公報 特開平06−197647号公報 特許第3044006号公報 特開平09−308396号公報 国際特許公開2013/154053号公報 国際特許公開2014/163145号公報
植物栽培の効率化は、植物の生育速度の他に植物の生育環境の整備、収穫の速度も大きな要因となる可能性がある。しかしながら、従来の方法では生育速度だけでなく生育環境の整備や収穫に関する速度を併せ持つ手法は、ほとんど報告されていない。
本発明者らは、従来の植物栽培用の素材やシステムを利用してチューブ状植物栽培システムキット(例えば、養液を内在させ、部分的に養液が放出できる穴を有するチューブ基材に植物栽培用素材を付したもの、以後、「システムキット」と言うことがある。)を車輪状の鍔を付したチューブリール状のボビン(以後、「ボビン」と言うことがある。)に巻いた形で運搬し、栽培場所で前記ボビンからチューブを繰り出し、展開する方法が有用であることを知見した。
前記のボビンは、前記チューブを効率的に格納する観点では胴部の径が小さいことが好ましいのは自明である。一方で、前記システムキットは、胴部の径が小さいと、植物栽培用素材などの変形や、容積効率が想定ほど高まらない可能性があると考えられる。これは前記ボビンの形状によっては、その曲率が異なる為、前記システムキットに曲げ等の不要な負荷がかかるため等と考えられた。これを解決するには、後述する様にボビンの胴部径を大きくすることが有用であると考えられるが、胴部の径を大きくすると、どうしても大型化し、重量増を招く傾向がある。ボビンの重量増は、土壌上において前記システムキットの展開時の弊害(重量の為、回転させ難いことや、ボビンを床や地面に置く必要が出た場合、鍔部分が変形したり、土壌にめり込み、ハンドリング上の弊害)となる場合がある。
これらはいずれも植物栽培の効率化を阻害し、生産効率を低下させる新たな課題であると認識された。
従って、本発明が解決しようとする課題は、植物の生育促進に加え、主として植物の生育環境の整備を効率的に進められる装置や方法を提供することにある。
本発明者らは、前記ボビンの移動性を損なうことなく、また、チューブ中の養液の漏れを抑制出来る方法について検討した。その結果、特定の構造のチューブリール状ボビンを用いることで、上記の問題を著しく改善できることを見出した。また、特定形状のチューブ状植物栽培用システムキットに特に好適であることも見出した。
上記課題を解決する本発明は、以下に記載するものである。
[1]胴部と、該胴部の両端に接合された鍔部と、を有する植物栽培システムキット用ボビンであって、
(I)該胴部の最大径(Y)が、40〜400センチメートルであり、
(II)該鍔部の最大径(Z)が、50〜500センチメートルであり、
(III)該ボビンの重量(X)キログラムと、該鍔部の幅(W)センチメートルとが、
2.0< X/W <7.0
である、植物栽培システムキット用ボビン。
[2]前記胴部および/または前記鍔部を構成する材料が、中空構造を含む材料である、[1]に記載の植物栽培システムキット用ボビン。
[3]前記胴部および/または前記鍔部を構成する材料が、ダンボール、発泡構造を有する樹脂、発泡構造を有する樹脂と金属プレートのハイブリッド材料からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の植物栽培システムキット用ボビン。
[4]内径が0.4〜3.6センチメートルであり、表面に貫通孔を有し、可撓性であるチューブと、該チューブ表面に設置される植物栽培用素材を含む培地部とを有し、前記培地部のチューブ長手方向の幅(L)センチメートルと隣り合う培地部の端部間の距離(M)センチメートルとが、
0.5 < M/L <100
である、チューブ状植物栽培用システムキット。
本発明のボビンは、胴部や鍔の形状や重量が特定の条件を満たすことを特徴としているので、大型にも拘わらず、相対的に軽量で、栽培地などでボビンを回転させ、システムキットを展開することが容易であり、また、ボビン自身のハンドリング性にも優れる特徴を持つ。
本発明のボビンの胴部の最大径は、一定以上のサイズであるので、前記チューブを巻きつける周部分の曲率が小さい。一方で、本発明の検討過程で、前記巻きつけ時の曲率が大きくなると、チューブ状栽培システムキットのチューブ部の巻取り効率が低下するリスクや、植物栽培用素材が変形を受けたりするリスクがあることが分かってきた。
本発明のボビン胴部の曲率は比較的小さいので、前記チューブを効率的に本発明のボビンに巻き付けることが出来る。また、植物栽培用素材の変形も抑制できる。
上記の内容等の効果を発現するので、本発明のボビンとチューブ状システムキットを用いれば、植物栽培環境を安全で機動的に運送出来、また、栽培地で速やかに栽培環境を整えることが出来る。
世界的な人口増と、耕作地の減少の傾向があることを鑑みると、本発明の農業事業への貢献は大きい。
本発明に係るチューブ状植物栽培用システムキットの一形態の構造を示す図である。 植物栽培用素材の一形態の断面構造の一例を示す図である。 本発明に係るチューブ状植物栽培用システムキットの一形態の模式的側面図である。 円柱状に加工した植物栽培用素材とチューブの組み合わせによる植物栽培システムの模式図である。(a)はチューブが挿入された状態の円柱状に加工した植物栽培用素材をその長軸方向に対して直交する面での断面図として表した正面図である。(b)は植物栽培システムの側面図である。(c)は植物栽培用液体の供給口を示す側面図である。(d)は設置用部材を着脱自在とした構造を示す側面図である。(e)は設置用部材を取り外した状態を示す側面図である。 円柱状に加工した植物栽培用素材とチューブ及び給液タンクの組み合わせによる植物栽培システムの模式図である。(a)はチューブが挿入された状態の円柱状に加工した植物栽培用素材をその長軸方向に対して直交する面での断面図として表した正面図である。(b)は植物栽培システムの側面図である。 シート状の植物栽培用素材とチューブ及び給液タンクとの組み合わせによる植物栽培システムの模式図である。(a)はチューブを重ね合わせた2枚のシート状の植物栽培用素材の間に挿入した状態をそのシート面に直交する面での断面図として表した正面図である。(b)は植物栽培システムの側面図である。 三角柱状に加工した植物栽培用素材とチューブ及び給液タンクの組み合わせによる植物栽培システムの模式図である。(a)はチューブを挿入した三角柱状に加工した植物栽培用素材をその長軸方向に対して直交する面での断面図として表した正面図である。(b)は植物栽培システムの側面図である。 直方体状に加工した植物栽培用素材とチューブ及び給液タンクの組み合わせによる植物栽培システムの模式図である。(a)はチューブを挿入した直方体状に加工した植物栽培用素材をその長軸方向に対して直交する面での断面図として表した正面図である。(b)は植物栽培システムの側面図である。 水道の蛇口に直結可能な植物栽培用素材とチューブの組み合わせによる植物栽培システムの模式図である。 井戸水及び/または地下水汲み出し口に直結可能な植物栽培用素材とチューブの組み合わせによる植物栽培システムの模式図である。 給液タンクに装入された水や養液、農薬などの液体と水道水を併用する植物栽培用素材とチューブの組み合わせによる植物栽培システムの模式図である。 給液タンクに装入された水や養液、農薬などの液体と井戸水及び/または地下水を併用する植物栽培用素材とチューブの組み合わせによる植物栽培システムの模式図である。 植物栽培用素材における植物と根の成長の一例を示す模式図である。 本発明に係るボビンの一形態の構造を模式的に示す図である。(A)はボビンの中心軸を含む平面を断面とした模式的断面であり、(B)はボビンの胴部の中心軸に直交する面での模式的断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、植物栽培用システムキットを効率的に運用できるボビンや、好ましくはそのボビンに適した植物栽培用システムキットを提供するものである。まずは、本発明のボビンについて説明する。
本発明のボビンは、大別すると胴部と2枚以上の鍔部とが連結した形状を有する。鍔部分は培地において、後述する胴部に巻きつけられたチューブ状植物栽培システムキットを展開する際に、車輪の役目を果たす場合がある。
前記の胴部や鍔の部分は円形状であることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、楕円形状や多角形の形状であってもよい。また前記の円、楕円や多角形形状の一部が欠けたような形状であってもよい。
本発明のボビンは、(I)胴部の最大径(Y)が40〜400センチメートル(cm)である。好ましい上限値は400cm、さらに好ましくは200cm、特に好ましくは150cmである。一方、好ましい下限値は40cm、さらに好ましくは50cm、特に好ましくは60cmである。胴部の最大径(Y)が上記の範囲内であれば、後述するチューブ状の栽培システムキットをこの胴部に巻きつけた際に、植物栽培用素材部分が変形しにくく、前記チューブを効率よく巻き取ることが出来る。これは、胴部の最大径(Y)を大きくすれば、胴の周部分の曲率が小さくなる傾向があることに起因すると考えられる。
原理上は、胴部の最大径を大きくする程、曲率は小さくなるが、胴部が大きくなり過ぎると、ボビン自体が重量増となる場合や、収納できるチューブの量が低下する傾向がある。
本発明のボビンの胴部の最大径(Y)は、胴部の周の任意の2点間距離が最大になる値である。本発明のボビンの胴部は回転させて用いる場合が多いが、その回転中心dは、前記の最大径(Y)の中点の位置であることが好ましい傾向がある。
本発明のボビンの胴部の最大径(Y)と最小径(Y2)との差は、小さい方が好ましい。この差が小さい方が、周部分の曲率の変化が少なくなることによる。ここで、最小径(Y2)とは、周の任意の2点を結ぶ直線が前記の最大径(Y)の中点を通り、その2点間距離が最少となる距離のことである。
好ましい(Y2)/(Y)の範囲としては、例えば、0.8〜1.0、より好ましくは0.9〜1.0、さらに好ましくは0.95〜1.0、特に好ましくは0.97〜1.0である。
本発明のボビンは、(II)鍔部の最大径(Z)が50〜500センチメートル(cm)である。好ましい上限値は500cm、さらに好ましくは300cm、特に好ましくは200cmである。一方、好ましい下限値は50cm、さらに好ましくは55cm、特に好ましくは60cmである。鍔部の最大径(Z)が上記の範囲内であれば、本発明の課題に設定していた鍔部の実質的な設置面積が広がる傾向を持つ。このため、ボビンを床面や農場の地面に直接置く様な場合、鍔部の変形が抑えられ、ボビンが地面にめり込まず、ハンドリングの障害とならないと考えられる。これは、鍔部の最大径(Z)を大きくすれば、鍔部の周部分の曲率が小さくなる傾向があり、結果として、鍔部分と地面との実質的な接地面積が増え、地面に対する面圧力の低下に繋がり、本発明のボビンをハンドリングし易くなると考えられる。
本発明のボビンの鍔部の最大径(Z)は、鍔部の周の任意の2点間距離が最大になる値である。本発明のボビンの鍔部は回転させて用いる場合が多いが、その回転中心は、前記の最大径(Z)の中点の位置であることが好ましい傾向がある。また、胴部の回転中心dとも一致していることが好ましい。
本発明のボビンの胴部の最大径(Z)と最小径(Z2)との差は、小さい方が好ましい。この差が小さい方が、周部分の曲率の変化が少なくなり、スムースな移動が可能になると考えられることによる。ここで、最小径(Z2)とは、周の任意の2点を結ぶ直線が前記の回転中心を通ることを必須とし、その2点間距離が最少となる場合をいう。
好ましい(Z2)/(Z)の範囲としては、例えば、0.8〜1.0、より好ましくは0.9〜1.0、さらに好ましくは0.95〜1.0、特に好ましくは0.97〜1.0である。
本発明のボビンの重量(X)は、前記の課題を考慮すると、軽量であることが好ましい。しかし、軽量過ぎるとボビン自体の強度の低下が生じることがある。また、傾斜地などや風の強い日などでの静置が困難になることがあるので、好ましい重量の範囲としては3〜100キログラム(kg)の範囲である。より好ましい上限値としては80kg、さらに好ましくは60kgである。一方、より好ましい下限値は5kg、さらに好ましくは7kgである。
本発明の鍔部の幅(W)は、ある程度の広さを持つことが好ましい。これは鍔部の最大径の説明にも示した通り、鍔部と地面との接地面積を広くすることが好ましい観点による。鍔部の幅(Y)の好ましい範囲は、1〜20cmである。より好ましい上限値としては15cm、さらに好ましくは10cmである。一方、より好ましい下限値は1.5cm、さらに好ましくは2cmである。尚、前記鍔部の幅(W)が狭かったとしても、全ての鍔部の幅の合計が特定の範囲にあれば、本願発明の目的は達成することが出来る。本発明のボビンには、複数の鍔が含まれることが多いが、その鍔部分の幅の合計の好ましい範囲は、2〜50cmである。より好ましい上限値としては40cm、さらに好ましくは30cmである。一方、より好ましい下限値は2.5cm、さらに好ましくは3cmである。
本発明のボビンの重量(X)kgと、鍔部の幅(W)cmとは、以下の関係式を満たす。
2.0≦ X/W ≦7.0
上記のX/Wとは、本発明のボビンの地面への接地面での面圧の指標になると考えることが出来る。従って、この指標が小さい方が、すなわち、当該パラメーター値の上限以下の値であれば、本発明にかかる植物栽培用培地キットを栽培地に展開する際に、ボビンの土壌上での展開や種々の取扱の観点で有利である。一方で、鍔部の幅(W)の値を大きくする(面圧を低下させる方向)とボビンの重量(X)の値も増える傾向があるので、上記のパラメーター値には、優位な下限の範囲が存在する。
X/W値の好ましい下限値は2.3、より好ましくは2.5である。
一方、X/W値の好ましい上限値は6.5、より好ましくは6.0、さらに好ましくは5.5である。
尚、上記の鍔部の幅(W)は、鍔一枚の幅を指すのではなく、本発明のボビンに設置され、前記ボビンを地上に置いた場合に地上に接する全ての鍔の幅の和である。2枚の鍔部で構成されるボビンは2枚分の鍔部の幅の和、鍔部4枚を有するボビンの場合は、鍔部4枚分の幅の和が、本発明の(W)となる。
前記の通り、本発明のボビンは、軽量であることが好ましい。すなわち、ボビンを構成する部材の密度は小さい方が好ましい。具体的な密度の範囲は、10〜1000kg/mである。
密度の好ましい下限値は10kg/m、より好ましくは20kg/m、さらに好ましくは30kg/m、特に好ましくは40kg/mである。
一方、密度の好ましい上限値は1000kg/m、より好ましくは800kg/m、さらに好ましくは600kg/m、特に好ましくは400kg/mである。
本発明のボビンを構成する部材は、上記の範囲を満たすものであれば公知の材料を制限なく用いることが出来る。樹脂自体の真密度が上記の範囲外であっても、発泡、中空、ダンボール形状など、材料の見かけの密度が上記の範囲であっても構わない。
このようなボビンを構成する部材として具体的には、紙などの長繊維織物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタンなどの合成樹脂の発泡体、アルミニウム(合金)、マグネシウム合金などの軽量金属の格子状やハニカム構造などの構造部材などの公知の軽量構造部材を上げることが出来る。これらの中でも紙などの長繊維織物を用いた構造部材、ポリスチレン、ポリウレタンの発泡体が好ましい例である。特に、紙製が好ましく、より具体的にはダンボール材が好適である。
ダンボールについて、少し詳しく述べる。本発明のボビンに好適に用いられるダンボール素材は、特別に作成してもよいし、既存の製品や部材を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、既存の部材の組み合わせであると、価格、バリエーションの多さ、調達の容易さ等の観点で好ましい。素材は紙が一般的であるが、プラスチックダンボールを用いることも可能である。
ダンボール素材の既存の規格には様々なものがある。例えば、厚みについては、フルートと呼ばれる。Aフルート、Bフルート、Cフルート、Eフルート、Fフルート、Gフルート、Wフルート等の規格があり、更には、これらを積層させた2層AA段や3層AAA段等の形状がある。
また使用する紙素材の表面、裏面部分はライナーと呼ばれ、「D4」「C120」「C5」「C6」「K5」「K6」「K7」という材質の種類がある。
これらを撥水加工、防水加工、耐水加工、除菌加工などを施してもよい。
これらの素材を組み合わせて、先に規定した条件を有するボビンを形成することで、軽量、且つ、強靭で、移動や展開にも有利なボビンを得ることが出来る。
本発明において、鍔部は複数存在するのが一般的であり好ましい。鍔部の数は、一般的には2個が、対抗する位置に配置され、回転に好適な形状であるのが好ましい。勿論、鍔部は3個以上であってもよい。隣り合う鍔部の間の距離(N)は、好ましくは10〜500cm、より好ましくは20〜400cm、さらに好ましくは25〜300cm、特に好ましくは30〜200cmである。
本発明においては、前記鍔径(Z)と前記胴径(Y)との比、Z/Yの値が4〜1.1であることが好ましい。より好ましくは、3.5〜1.2、さらに好ましくは3〜1.25である。Z/Yの値が小さすぎると後述するシステムキットの格納容量が少なくなる一方、大きすぎるとボビンとシステムキット全体の重量、サイズが大きくなりすぎて、実用に適さない場合がある。
(チューブ状植物栽培システムキット)
本発明のチューブ状植物栽培システムキットは、水、養分を供給するチューブ形状の部材(チューブ基材)と、それを取り巻くように配置される植物栽培用の植物栽培用素材との組み合わせを必須とする。植物栽培用の培地素材は前記チューブ全体を取り巻くように配置されていてもよい。一方、例えば図1Cの様に複数の植物栽培用素材2の培地単位がチューブ基材1に、不連続的に配置される形状であってもよい。
これらの中では、複数の植物栽培用素材の培地単位がチューブ基材に不連続的に配置される形状が好ましい。
このようなチューブ状の植物栽培システムキットの形状であれば、従来報告の様な植物の成長の効率化に加え、前記のボビンに巻きつけた形状で運搬することが出来、また、植物栽培環境を機動的、効率的に展開できるなどの効果を期待できる。
上記の不連続配置形状の場合、培地部のチューブ長手方向の幅(L)は、栽培する植物の種類によって決定されるので一義的には決定されないが、その好ましい範囲は1〜20cmである。より好ましい上限値は16cm、更に好ましくは14cm、特に好ましくは12cmである。一方、より好ましい下限値は2cm、更に好ましくは2.5cm、特に好ましくは3cmである。これらの複数栽培単位は、同種の植物を栽培してもよいし、異なる種類の植物を組み合わせて栽培してもよい。好ましくは、複数の植物を組み合わせて栽培するのに適している。
また一つの培地単位に1種の植物を栽培してもよいし、複数種の植物を栽培してもよい。好ましくは、培地1単位当たり1種の植物を栽培することが収穫等のことを考慮すると好ましい。
上記の不連続配置形状の場合、隣り合う培地部間の距離すなわち培地が存在しない部分の距離(M)も栽培する植物の種類によって決定されるので一義的には決定されないが、1〜600cmであることが好ましい。より好ましい上限値は550cm、更に好ましくは500cm、特に好ましくは450cmである。一方、より好ましい下限値は2cm、更に好ましくは3cm、特に好ましくは4cmである。
このように不連続配置形状を取れば、例えば、通常の植物栽培で適宜行われる間引き作業が不要になることや、雑草の影響を低減できる可能性がある。また、システムキットの製造段階で、栽培する植物の種類に応じた培地間の距離を調整し、培地に予め適した種子を仕込んでおくことも出来るので、植物栽培の経験が無くても効率的に植物の栽培を行うことが出来る可能性もあるなどの、種々の効果を期待することが出来る。
前記の培地の長さ(L)と培地間の距離(M)とは、以下の関係を持つことが好ましい。
0.5< M/L <100
上記のLとMとがこのような関係にあれば、植物に適切な栽培空間を確保できると共に、巻き方を工夫すれば、前記のボビンにチューブ状植物栽培システムキットを巻き取った際に、培地の段差に起因して生じる空間による体積ロスを低減できることも期待できる。
本発明のチューブ状植物栽培用システムキットは、ボビンに巻き付け保持されたロールの状態で栽培地に搬送され、ボビンから栽培地の栽培用の面に繰り出されて配置され、植物栽培用液体の供給系と接続されて植物栽培に用いられる。
本発明のチューブ状植物栽培用システムキットは、植物栽培用液体の供給系と組み合わせて植物栽培用システムを形成するための部材である。
本発明のチューブ状植物栽培用システムキットは、植物栽培用液体の通路としての中空部を有する長尺状のチューブ基材と、該チューブ基材の外周面に設けられた植物栽培用素材と、該中空部から該植物栽培用素材に植物栽培用液体を供給する供給穴とを有する。
図1Aに、本発明のチューブ状植物栽培用システムキットの一実施形態を、長尺状のチューブ基材の軸方向に沿った断面図として示す。
図1Aに示すチューブ状植物栽培用システムキットは、長尺状のチューブ基材1と、植物栽培用素材2と、チューブ基材1の中空部から植物栽培用液体を植物栽培用素材2に供給するための供給穴3を有する。
図1Aに示した実施形態では、チューブ基材の長手方向の長さ(L)の2つの植物栽培用素材2が所定に間隔(M)を介して配置されている。長さ(L)及び間隔(M)については先に説明したとおりである。
図1Cに、本発明のチューブ状植物栽培用システムキットの模式的側面図を示す。このキットは、チューブ基材1と、その外周面に等間隔等の所定の間隔で配置された植物栽培用素材2を有する。チューブ基材1の両端には、開管及び閉管操作を可能とする活栓等の部材1a、1bが設けられており、必要に応じて植物栽培用液体の導入のための供給系との接続や、管内の液体の排出のための排出系との接続に利用される。
植物栽培用素材2は、供給穴3の開口部を覆う位置に設けられている。供給穴3の個数や開口位置は図示した実施形態に限定されず、栽培目的に応じて選択することができる。
植物栽培用素材2は、チューブ基材1の外周面に、例えば巻き付けられたように設けられ、周方向全体を被覆している。1つのあるいは複数の植物栽培用素材2がチューブ基材1の外周面の周方向に部分的に設けられていてもよい。
植物栽培用素材2の厚さ及び形状は特に限定されず、栽培目的に応じて選択することができる。また、植物栽培用素材2の個数も特に限定されず、栽培目的に応じて選択することができる。植物栽培用素材の厚さ、形状、及び個数は、栽培対象である植物の成熟期までにおいて、植物体の良好な成長方向や根張り状態などを確保できるように植物体の生育に応じて適宜選択できる。例えば、少なくとも播種可能な表面と、根が成長可能な部分を有するように、植物栽培用素材をシート状、マット状、立方体及び/または直方体状、三角柱状などの多角柱状、円柱状など、種々の形状として利用することができる。
複数の植物栽培用素材をチューブ基材に配置する場合には、複数の植物栽培用素材が、形状及び/または厚さが異なる植物栽培用素材の組み合わせを含んでも、形状及び/または厚さが同じ植物栽培用素材からなるものであってもよい。
チューブ基材1は、植物栽培用液体を通す中空部を有し、この中空部は外部と連通可能に設けられている。チューブ基材1の中空部と外部との連通部の位置は特に限定されず、栽培目的に応じてチューブ基材1の端部、端部間の外周面の少なくとも一つから選択することができる。外部との連通部を、植物栽培用液体の供給系との接続部として利用し、チューブ基材1の中空部に植物栽培用液体を供給し、供給穴3を介して植物栽培用素材2に植物栽培用液体を供給することができる。
ボビンへの巻き取り時、あるいはボビンから栽培場所への敷設時に、チューブ基材1の中空部に植物栽培用液体を予め充填し、植物栽培用液体の供給系との接続部を開口可能に閉鎖しておいてもよい。
チューブ基材1の長さや、内径及び外径は、先に説明したボビンへの巻き付け保持、並びに、ボビンからの繰り出しに適用可能な範囲で、かつ栽培目的に応じて選択することができる。
チューブ基材1は、一本のチューブから構成されていても、複数のチューブを連結したものでもよい。複数のチューブを連結した場合には、各チューブ単位を交換可能に連結してもよい。例えば、栽培植物が付着している植物栽培用素材を有するチューブ単位を、新しい植物栽培用素材を有するチューブ単位と交換可能な構造としてもよい。
また、複数のチューブを連結した場合には、栽培場所に敷設時、あるいは敷設後に、1つの、あるいは複数のチューブ単位からなる複数の部分に分割して植物栽培に利用できる構成としてもよい。
チューブ基材は、ボビンへの巻き取りやボビンからの繰り出しが可能である可撓性及び/または弾性を有し、供給穴の開口及び植物栽培用素材の設置が可能であれば、特に限定されない。チューブ基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやポリ塩化ビニルなどの樹脂材料を挙げることができる。また、チューブ基材は、金属線、合成樹脂線などによって補強されていてもよい。なお、初めから穴の開いているポーラスチューブなども用いることができる。
チューブ基材の弾性も特には制限されないが、本発明のボビンに巻き付け可能な弾性を有していることが好ましい。
チューブ基材の径(外径)は特に限定されるものではないが、0.01mmφ〜1,000mmφが好ましく、より好ましくは0.1mmφ〜100mmφである。チューブ基材の長さは特に限定されるものではないが、ボビンの巻き取り長さに応じて選択することができる。
供給穴の形状や径の大きさは特に限定されるものではないが、径の大きさはチューブ基材の内径の大きさの99%以下が好ましく、より好ましくは90%以下である。
植物栽培用素材は、栽培すべき植物の種子及び種苗の少なくとも1種を包含あるいは付着させて一体化した種子種苗一体型植物栽培用素材であってもよい。
植物栽培用素材は、目的とする植物の栽培を可能とする保液性や液移行性を有する素材であれば制限なく利用できる。このような素材としては、多孔質素材等を挙げることができる。
多孔質素材を構成する材料としては、天然無機材料、合成無機材料、天然有機材料及び合成有機材料を挙げることができる。多孔質素材としては、マトリクス中に多数の連続した空孔が形成された構造を有する多孔質素材、あるいは、多数の繊維により形成された多孔質構造を有する多孔質素材を挙げることができる。
マトリクス中に多数の連続した空孔が形成された構造を有する多孔質素材としては、例えば発泡スチロール素材等の発泡樹脂素材を、繊維からなる多孔質素材としては、例えば、ロックウール、ポリエステル不織布等の各種の不織布、特許文献7や特許文献8に記載の多数の繊維の絡み合いからなる素材を挙げることができる。これらの中では、特許文献7や特許文献8に記載の多数の繊維の絡み合いからなる素材が好ましい。
多孔質素材を形成する繊維としては、天然パルプ等の天然繊維、天然パルプから製造される半合成繊維、合成パルプや合成樹脂繊維などの合成繊維等を挙げることができ、植物栽培用素材はこれらの少なくとも1種を含むことができる。繊維からなる多孔質構造の形成においては、必要に応じて、繊維同士を、融着、あるいは結着剤または接着剤による結着によって部分的に固定してもよい。また、絡み合いによって繊維同士を部分的に固定してもよい。繊維同士の部分的な固定方法として、これらの1つ以上の方法を用いることができる。
チューブ基材1への植物栽培用素材2の設置には以下の方法を用いることができる。
・予め所望の形状及び大きさに成形した植物栽培用素材をチューブ基材の外周面に固定する方法。
・植物栽培用素材をチューブ基材の外周面に固定し、外周面上で所望の形状及び大きさに成形する方法。
・チューブ基材の外周面上で所望の形状及び大きさの植物栽培用素材を成形する方法。
チューブ基材の外周面への植物栽培用素材の固定方法としては、融着による固定方法、接着剤による固定方法、紐、バンド等の固定用器具を用いた固定方法、上述した繊維同士の部分的な固定方法を利用した固定方法等を挙げることがで、これらの少なくとも一つの方法を利用することができる。
以下に、チューブ状植物栽培用システムキットと植物栽培用液体の供給系を有する植物栽培用システムの一実施形態について説明する。
本実施形態にかかる植物栽培用素材としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンなどから製造される合成パルプ、天然パルプ、ポリエステル繊維などの合成樹脂繊維が単独で、もしくはこれらの複数種が任意の割合で構成する素材が好ましい。合成パルプに関しては特許第3913421号明細書や特開2007−077519号公報などに記載されているもので、特開昭53−1260号公報などに記載の方法で製造されるものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
以下、本実施形態の中で使用している用語について説明する。
(植物)
ワタなどのアオイ科植物、テンサイなどのアカザ科植物、ナタネやキャベツ、カブなどのアブラナ科植物、トウモロコシやコムギ、イネ、ソルガムなどのイネ科植物、キュウリやカボチャなどのウリ科植物、レタスやベニバナ、ゴボウなどのキク科植物、ニンジン、セロリ、コリアンダーなどのセリ科植物、トウゴマやキャッサバなどのトウダイグサ科植物、ナスやトマト、ジャガイモなどのナス科植物、イチゴやリンゴ、ヤマザクラなどのバラ科植物、ダイズなどのマメ科植物、オレンジやレモンなどのミカン科植物、サツマイモなどのヒルガオ科、ナガイモ、ツクネイモなどのヤマノイモ科植物、パンジーなどのスミレ科植物、ショウガなどのショウガ科植物、ワスレナグサなどのムラサキ科植物、ヒナゲシなどのケシ科植物、クスノキなどのクスノキ科植物、ネムノキなどのネムノキ科植物、アカシソなどのシソ科植物、ナデシコなどのナデシコ科植物、ニゲラ(クロタネソウ、ニオイクロタネソウ)などのキンポウゲ科植物、など種々の植物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
(種子)
種子植物の有性生殖により作られる散布体で、内部に受精卵から発育した幼い植物体である胚を含んでいるものをさす。また、組織培養などから得られる不定胚を、ゼラチンや樹脂などに包埋させた人工的なものもさす。
(種苗)
根、茎、葉を有する植物体や、そのうち1つないし2つを欠いた状態で、養生することにより完全な植物体へと再生することが可能な状態の植物体片と種子をさす。
(栽培)
植物の播種から成熟期までの任意のステージで植物を人工的に生育させることをさす。例えば、播種から成熟期までの全部または一部の期間にわたって植物を人工的に生育させることであり、以下の各段階及びその2つ以上の組み合わせによる栽培を挙げることができる。
(1)播種から成熟期まで
(2)苗から成熟期まで
(3)種子から苗まで
(4)苗の段階を経て目的とする成熟期前まで他の場所で栽培し、その段階から成熟期まで
(5)苗から目的とする成熟期前の段階まで(成熟期までは他の場所で栽培)。
成熟期までの栽培には、目的とする植物体またはその植物体の果実、花、葉、芽、枝、幹、根、球根などのその一部の少なくとも1種が収穫可能な状態となる成熟期もしくはその植物体から種子や種苗が採取可能な状態となるまで生育させることが含まれる。
(栽培環境)
植物を生育させる、または植物の生育を促進させるために適した環境をさす。
(発芽)
種子やむかご、球根などの内部や表面から、葉、茎及び/または根などが伸び出てくることをさす。
(促進)
先行技術に比べ、生育が早い、発芽率が高い、生存率が高い、植物体量もしくは収穫量が多い、及び品質(糖度など)が高いなど、植物が優位に生育することをさす。
(植物が生育に必要とする植物生育要素)
水や肥料及び空気など植物の生育に必要不可欠なものや、農薬など植物の生育の障害となる害虫や病気などの防除に必要なものをさすが、これに限定されるものではない。
(必要時に必要量吸収する)
植物栽培用素材としては、栽培している植物が、植物生育要素を必要時に必要量吸収することができるものであることが好ましい。「必要時に必要量吸収する」とは、植物の生育の過程において、植物生育要素を植物が吸収したい時に吸収したい量を吸収すること、すなわち、本要素の吸収を植物に依存させることをさし、これは本要素が過不足なく植物に供給されていることをさす。
(保液性)
植物栽培用素材の中に、植物生育要素を含む液体を保持する性質をさし、その保持率は液体を含む植物栽培用植物栽培用素材中の液体含有率(重量基準)が、30%以上95%以下であることが好ましく、40%以上80%以下であることがより好ましい。
(液移行性)
植物栽培用素材の中を、植物生育要素を含む液体を容易に移行させる性質をさし、その移行速度は、植物栽培用植物栽培用素材1cmあたり毎時0.01mL以上が好ましく、より好ましくは、植物栽培用植物栽培用素材1cmあたり毎時0.1mL以上である。
(植物栽培用液体)
植物栽培用液体は植物栽培用素材に供給されることで植物の栽培に利用される液体であれば特に限定されない。植物栽培用液体としては、液体状の植物生育要素、並びに植物生育要素を含む液体を挙げることができる。
液体状の植物生育要素としては、水、液体状の肥料及び液体状の農薬を挙げることができ、これらを単独で、あるいは、これらの2種以上を混合して用いることができる。
植物生育要素を含む液体としては、水を液媒体の主体とする水性の液体が好ましい。植物生育要素を含む水性液体は、肥料等の栄養素及び農薬から選択される少なくとも1種と、液媒体としての水を用いて調製することができる。更に、植物生育要素を含む水性液体には、栄養素及び農薬以外の植物栽培用に用いられる公知の添加剤を、必要に応じて添加してもよい。
(肥料)
植物の生育に必要不可欠な栄養となるもの。肥料の三要素といわれる窒素やリン酸及びカリウムなどを少なくとも1種類以上含み、液状もしくは固形物を水に溶解して液状(乳化状、懸濁状などを含む)にしたものをさす(以下、「養液」ともいう。)
養液の成分としては、例えば、硫安、塩安、硝安、尿素及び石灰窒素などの窒素肥料、過リン酸石灰、重過リン酸石灰及び熔成リン肥などのリン酸肥料、塩化カリや硫酸カリなどのカリ肥料、及び単肥や化成肥料及び配合肥料などの化学肥料、生石灰や消石灰及び炭酸カルシウム肥料などの石灰質肥料、鉱さいケイ酸肥料などのケイ酸肥料、硫酸マンガン肥料や鉱さいマンガン肥料などのマンガン肥料、ホウ酸塩肥料などのホウ酸肥料、熔成微量要素複合肥料などの微量要素複合肥料などを挙げることができる。これらの養液の成分の少なくとも1種を以下に記載する農薬などとの混合肥料として用いてもよい。養液の成分はこれに限定されるものではない。これらの溶液の成分は必要に応じて選択した1種を、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
(農薬)
植物の生育の障害となる害虫や病気などの防除に必要な薬剤で、液状もしくは固形物を水に溶解して液状(乳化状、懸濁状などを含む)にしたものをさす。
農薬には、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、除草剤及び植物成長調節剤があり、それぞれ単剤及び混合剤がある。単剤とは単一の有効成分が含有されている農薬のことであり、混合剤とは下記の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、除草剤の有効成分の2種以上を各々任意で混合したもの及び下記の殺虫剤と殺菌剤を任意で混合したものをさすが、これに限定されるものではない。
殺虫剤や殺ダニ剤、殺線虫剤の有効成分としては、アセフェートやフェニトロチオンなどの有機リン系、メソミルやベンフラカルブなどのカーバメート系、フィプロニルなどのピラゾール系、イミダクロプリドやジノテフランなどのネオニコチノイド系、ミルベメクチンやスピノサドの天然物系、その他、クロラントラニリプロールやシアントラニリプロールなどの浸透移行性もしくは水溶性を有する物質が挙げられるが、これに限定されるものではない。
殺菌剤の有効成分としては、チウラムやマンゼブなどのカーバメート系、アゾキシストロビンやクレソキシム・メチルなどのストロビルリン系、トリフルミゾールやテブコナゾール、シメコナゾールなどのアゾール系、カスガマイシンやストレプトマイシンなどの天然物系、その他、浸透移行性もしくは水溶性を有する物質が挙げられるが、これに限定されるものはない。
除草剤や植物成長調節剤の有効成分としては、グリホサートやグルホシネートなどのリン酸系、チフェンスルフロン・メチルなどのスルホニルウレア系、硝酸アンモニウムや硫酸アンモニウムなどの無機系、スルコトリオンやメソトリオンなどのトリケトン系、ピラゾレートやピラスルホトールなどのピラゾレート系、スルフェントラゾンやアミカルバゾンなどのトリアゾロン系、イソキサクロルトールなどのイソキサゾール系、サイトカイニンやジベレリンなどの天然物系、その他、浸透移行性もしくは水溶性を有する物質が挙げられるが、これに限定されるものではない。なお、浸透移行性とは、植物の根・茎・葉から吸収されて植物体内を移行する特性のことをさす。
(植物栽培用素材の有する空孔)
植物栽培用素材が多孔質である場合における空孔は、植物生育要素を含む液体等が植物栽培用素材の中を移行するための空間であり、植物の種子が入り込まず、かつ、空孔内部の表面張力及び毛細管現象による液移行性を有する大きさのものをさす。具体的には、10μmφ以下の空孔が植物栽培用植物栽培用素材中に存在する空孔の50%以上(容積基準)を占めることが好ましく、より好ましくは10μmφ以下の空孔が植物栽培用植物栽培用素材中に存在する空孔の90%以上(容積基準)を占めることである。
(根の生え方のコントロール)
植物の根を植物栽培用植物栽培用素材の内側及び/または外側で植物の生育に適した状態に伸長させ、植物生育要素を植物が必要時に必要量吸収できるような根の環境を作り上げる手法をいう。目的とする根の生え方のコントロールを行なうには、植物栽培用素材が、単層の、あるいは複数層が積層した植物栽培用素材多孔質の層状構造を有することが好ましい。
(植物栽培用素材の有する層状構造)
植物栽培用素材の有する多孔質の層状構造は、植物栽培用素材を構成する物質を多孔質の層状に形成して得られる構造であり単層構造でも、複数層からなる積層構造でもよい。
層状構造を繊維材料から構成する場合は、単層構造または複数層の積層構造における各層は、繊維材料が二次元的に連続及び/または不連続に絡み合ってできた平面構造を有することが好ましい。更に、この平面構造が、その層厚方向に重なってできた三次元構造を形成していることが好ましい。
層状構造の厚さは、目的とする植物栽培の形態に応じて設定すればよく、限定されない。層状構造の厚さは、0.5mm以上とすることが好ましい。層状構造の厚さの上限は、栽培対象の植物の種類、形態、状態に応じて選択することができ特に限定されない。層状構造の厚さは、例えば、1m以下、好ましくは50cm以下、より好ましくは30cm以下、さらに好ましくは20cm以下、特に好ましくは15cm以下、殊に好ましくは10cm以下の範囲から選択することができる。
一方、本発明のボビン形状のサイズによって、上記の層状構造の厚さの好適値を選択することも出来る。例えば、「鍔の径―胴径」の値に対して、上記層状構造の厚さは、好ましくは1/10〜1/1000である。より好ましい下限値は、1/700、さらに好ましくは1/500である。一方、好ましい上限値は1/1、より好ましくは1/2、さらに好ましくは1/4である。勿論、植物栽培用素材の層状構造の厚さに合わせてボビンの大きさを選択することもできる。
層状構造は、図1Bに示すように、複数層2−1〜2−4からなる積層構造を有してもよい。
層状構造が複数層の積層構造である場合は、各層の厚みは0.01mm以上50mm以下が好ましく、0.1mm以上10mm以下がより好ましい。
多孔質の層状構造は、チューブ基材の外周面に直接設けてもよいし、別途用意した基材上に形成してから、基材とともに、あるいは基材から分離してチューブ基材の外周面に設けてもよい。この別途用意する基材としては、目的とする植物栽培に応じて適宜選択することができる。
(植物栽培方法)
本実施形態にかかる植物栽培システムを用いた植物栽培方法によれば、植物が必要とする要素を植物に供給可能な状態にある植物栽培用素材を利用して植物を播種から成熟期までの任意のステージにわたって栽培することができる。この播種から成熟期までの任意のステージについては先に「栽培」の項で説明したとおりである。
一実施形態にかかる植物栽培方法は、
チューブ状植物栽培用システムキットを植物栽培場所に設置する設置工程と、
チューブ状植物栽培用システムキットの有する植物栽培用素材に、植物栽培用の液体をチューブ基材側から供給する液体供給工程と、
植物栽培用素材により植物を栽培する栽培工程と、
を有し、
設置工程が、チューブ状植物栽培用システムキットをボビンに巻き付けたロールから、チューブ状植物栽培用システムキットを繰り出して植物栽培場所に設置することにより行われることを特徴とする。
植物栽培用地に設置する植物栽培用チューブ内は、チューブを開管して空気が充填された状態、チューブを閉管して空気等の気体を充填して内圧を維持した状態、あるいはチューブを閉管して植物栽培用液体が充填された状態とすることができる。なお、チューブを閉管する場合は、チューブの閉管位置の少なくとも一つを活栓等を用いて植物栽培用液体の供給系との接続のための開閉自在な構造としておくことが好ましい。
(植物栽培用液体の供給系)
植物栽培用素材に効率的に植物栽培用液体を供給する液体供給系(液体供給資材ともいう)は、栽培対象である植物の成熟期までの生育ステージの中で、植物が生育状況に応じて、植物栽培用素材から、植物栽培用液体あるいは植物栽培用液体に含まれる植物生育要素を吸収することによって植物栽培用素材中で減少した植物生育要素を過不足なく遅滞なく供給できる供給系をさす。液体供給系と、チューブ状植物栽培用システムキットとの接続方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
液体供給系を構成する部材としては、植物栽培用液体をチューブ状植物栽培用システムキットに供給するための液体供給装置を構成する各部材を挙げることができる。この部材としては、供給パイプ等の配管、流路を有する部材、植物栽培用液体の貯留容器の液体供給口等を挙げることができる。
液体供給系には、必要に応じて、その他の部材を用いることができる。その他の部材としては、例えば、植物栽培用素材を通過した液体を排出物として回収するための通路、植物栽培用液体を植物栽培用素材に循環供給させるための通路、これらの通路の接続あるいは分岐のためのジョイント部分、通路の開閉や分岐した通路間での液体供給のスイッチングを行うスイッチング機構、植物栽培用液体を貯留するための貯留容器、貯留枡及び貯留槽、通路内を移動する液体内に混入するごみ等の固形物が誘導部材に流入することを防ぐフィルター機構等を挙げることができる。これらの通路は、蓋により閉鎖または蓋なしで解放された溝部材、配管等から選択された部材の一種以上を用いて構成することができる。配管の接続や分岐には各種構造の継手を利用することができる。
液体供給系及びチューブ状植物栽培用システムキットのチューブ基材の中空部内での液体の移動には、高低差を利用した重力による移動やポンプ等の搬送圧力発生手段による圧力を利用した移動等を利用することができる。
以下、図面を参照して本実施形態に係る植物栽培用システムの具体例について説明する。
図2[(a):正面図、(b):側面図、(c):植物栽培用液体の供給穴を示す側面図、(d):設置用部材を着脱自在とした構造を示す側面図、(e):設置用部材を着脱自在とした構造を示す側面図]に示すように、チューブ状植物栽培用システムキットを設置する。植物栽培用液体を植物栽培用素材7に供給するための出液用の穴6の開いたチューブ5の側面の少なくとも1部の表面に、1つもしくは複数の植物栽培用素材7により被覆されている。植物栽培用素材7で覆われたチューブ5を単独で、もしくは複数を連結した状態で植物栽培用として用いる。チューブ状植物栽培用システムキットのチューブの両端を活栓4で閉塞した後、片端の活栓4を開いてチューブに植物栽培用液体を導入し、植物栽培用素材7の表面に播種及び/または種苗移植することで植物8を生育させることができる。出液用の穴6を設けたチューブ5の部分が植物栽培用素材7の設置用部材6aを構成している。
活栓4は開閉機能さえあれば特に限定されるものではない。
目的とする植物8の栽培が終了した時点で植物8が付いている植物栽培用植物栽培用素材7をこの設置用部材6aから取り除くことができる構成を採用することで、図2(c)の状態とし、新しい植物栽培用素材7を設置用部材6aに設置して次の栽培を開始することができる。
あるいは、図2(d)に示すように、植物栽培用素材7に植物8が付いている状態の設置用部材6aの部分を着脱自在な構造としておくことで、植物8が付いている植物栽培用素材7が設けられた設置用部材6aごと取り外して図2(e)の状態とし、新しい植物栽培用素材7を設けた設置用部材6aと交換可能とする構成とすることもできる。
また、チューブ状植物栽培用システムキットでは、1本のチューブ5に対して複数の設置用部材6aを直列に配列することができる。また、設置用部材6aの1以上を設けたチューブ5を並列して配置してもよい。更に、栽培場所から植物8を収穫、あるいは撤去する場合は、上述したように、植物8の付いた植物栽培用素材7を取り外す構成、設置用部材ごと植物8の付いた植物栽培用素材7を取り外す方法、チューブ5および植物栽培用素材7全体を取り外す方法など、所望に応じて種々の取り外し方法を採用することができる。
チューブ5や出液用の穴6には本液体に不溶な不純物を取り除くため、ろ過用のフィルターなどを設置することもできる。植物栽培用素材7の播種面にも、畝状の凹凸構造や、播種用の窪みや穴などを設けることもできる。また、この窪みや穴などに播種もしくは種苗移植した種子や種苗が窪みや穴などから落ちないように播種後に窪みや穴などを水溶性や生分解性などを有するフィルムや紙状シートなどで覆うこともできる。
図2に示すように、植物栽培用素材7を円柱状に加工して利用する場合、円柱の内側から外側に向かう層厚方向に植物8を生育させる一方で、層厚方向に伸びる根に加えて、層厚方向と交差する方向(各層間に沿った方向)に伸びる根についても効果的に成長させることで、植物8はしっかりとした根張り状態を確保するとともに、生育に必要な本要素を必要時に必要量吸収することができる。
また、植物8が吸収して植物栽培用素材7中より減少した本液体は、チューブ5を通じて植物栽培用素材7に遅滞なく供給されるため、安定した栽培環境となり得る。
図3〜6[各図の(a):正面図、各図の(b):側面図]に示すように、植物栽培用液体を装入した給液タンク9とチューブ11を、活栓10を介して連結する。出液用の穴12の開いたチューブ11表面を1つもしくは複数の植物栽培用素材13で覆い、植物栽培用素材13で覆われたチューブ11を単独で、もしくは複数連結して栽培用の供給ラインを調製する。活栓10を開いて供給ラインに給液タンク9から植物栽培用液体を装入した後、植物栽培用素材13の表面に播種及び/または種苗移植することで植物14を生育させることができる。
出液用の穴12には誘導部材(不図示)が配置されている。
給液タンク9を構成する材料は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやテフロン(登録商標)、シリコンなどの樹脂性材料やステンレスなどの金属製材料、ガラスや陶器などの焼成体材料、モルタルやコンクリート、及びこれらの複合材料などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
活栓10は開閉機能さえあれば特に限定されるものではない。給液タンク9からチューブ11を介して植物栽培用液体を植物栽培用素材13へ送る方法は、給液タンク9上部を開放して大気圧を利用する方法や加圧ポンプを利用する方法や系内を密閉系にして負圧差を利用する方法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。チューブ11は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやポリ塩化ビニルなどの樹脂製材料、ステンレスなどの金属類、ガラスや陶器などの焼成体類、モルタルやコンクリートやゴム、及びこれらの複合材料など、出液用の穴12を開けられる材質であれば、特に限定されるものではない。また、初めから穴の開いているポーラスチューブなども用いることができる。チューブ11の径の大きさは特に限定されるものではないが、0.01mmφ〜1,000mmφが好ましく、より好ましくは0.1mmφ〜100mmφである。チューブ11の長さは特に限定されるものではないが、5cm〜5,000mが好ましく、より好ましくは50cm〜500mである。出液用の穴12の形状や径の大きさは特に限定されるものではないが、径の大きさはチューブ11の内径の大きさの99%以下が好ましく、より好ましくは90%以下である。更に、給液タンク9やチューブ11や出液用の穴12には本液体に不溶な不純物を取り除くため、ろ過用のフィルターなどを設置することもできる。植物栽培用素材13の播種面にも、畝状の凹凸構造や、播種用の窪みや穴などを設けることもできる。また、この窪みや穴などに播種もしくは種苗移植した種子や種苗が窪みや穴などから落ちないように播種後に窪みや穴などを水溶性や生分解性などを有するフィルムや紙状シートなどで覆うこともできる。
図3に示すように、植物栽培用素材13を円柱状に加工して利用する場合、円柱の内側から外側に向かう層厚方向に植物14を生育させる一方で、層厚方向に伸びる根に加えて、層厚方向と交差する方向(各層間に沿った方向)に伸びる根についても効果的に成長させることで、植物14はしっかりとした根張り状態を確保するとともに、生育に必要な本要素を必要時に必要量吸収することができる。
また、植物14が吸収して植物栽培用素材13中より減少した本液体は、給液タンク9からチューブ11を通じて植物栽培用素材13に遅滞なく供給されるため、安定した栽培環境となり得る。
図4に示すように、層状構造を有するシート状の植物栽培用素材13でチューブ11を挟み込んで利用する場合、シート状の植物栽培用素材13に含まれる層状構造の層厚方向に植物14を生育させる一方で、層厚方向に伸びる根に加えて、層厚方向と交差する方向(各層間に沿った方向)に伸びる根についても効果的に成長させることで、植物14はしっかりとした根張り状態を確保するとともに、生育に必要な本要素を必要時に必要量吸収することができる。
また、植物14が吸収して植物栽培用素材13中より減少した本液体は、出液用の穴12と植物栽培用素材13を密着させることにより、給液タンク9からチューブ11を通じて植物栽培用素材13に遅滞なく供給されるため、安定した栽培環境となり得る。
図5に示すように、植物栽培用素材13を三角柱状に加工して利用する場合、三角柱を構成する植物栽培用素材13の層間に沿った方向に根を伸長させることで、植物14はしっかりとした根張り状態を確保するとともに、生育に必要な本要素を必要時に必要量吸収することができる。
また、植物14が吸収して植物栽培用素材13中より減少した本液体は、出液用の穴12と植物栽培用素材13を密着させることにより、給液タンク9からチューブ11を通じて植物栽培用素材13に遅滞なく供給されるため、安定した栽培環境となり得る。
図6に示すように、植物栽培用素材13を直方体状に加工して利用する場合、直方体を構成する植物栽培用素材13の層厚方向もしくは層厚方向と交差する方向(各層間に沿った方向)に植物14を生育させる一方で、層厚方向と交差する方向もしくは層厚方向に根を伸長させることで、植物14はしっかりとした根張り状態を確保するとともに、生育に必要な本要素を必要時に必要量吸収することができ、また、植物14が吸収して植物栽培用素材13中より減少した本液体は、出液用の穴12と植物栽培用素材13を密着させることにより、給液タンク9からチューブ11を通じて植物栽培用素材13に遅滞なく供給されるため、安定した栽培環境となり得る。
図7及び8に示すように、チューブ18を水道の蛇口15や井戸水及び/または地下水汲み出し口16と直結する場合、水道水や井戸水及び/または地下水を、チューブ18を通じて植物栽培用素材20に遅滞なく供給することができる。
植物21は生育に必要な本要素のうち、水について必要時に必要量吸収することができるため、水道や井戸水/地下水を単独使用、もしくは図9及び10に示すように、本液体を装入した給液タンク24を併用することで、チューブ26を通じて本要素は遅滞なく植物栽培用素材28に供給されるため、安定した栽培環境となり得る。
図7及び8に示すように、既存の水道の蛇口15や井戸水及び/または地下水汲み出し口16とチューブ18を、活栓17を介して連結し、出液用の穴19の開いたチューブ18表面を1つもしくは複数の植物栽培用素材20で覆い、植物栽培用素材20で覆われたチューブ18を単独で、もしくは複数連結して栽培用の供給ラインを調製し、活栓17を開いて栽培用の供給ラインに水道の蛇口15もしくは井戸水及び/または地下水汲み出し口16から水を装入した後、植物栽培用素材20の表面に播種及び/または種苗移植することで植物21を生育させることができる。活栓17は開閉機能さえあれば特に限定されるものではない。チューブ18は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやポリ塩化ビニルなどの樹脂製材料、ステンレスなどの金属類、ガラスや陶器などの焼成体類、モルタルやコンクリートやゴム、及びこれらの複合材料など、出液用の穴19を開けられる材質であれば、特に限定されるものではない。また、初めから穴の開いているポーラスチューブなども用いることができる。チューブ18の径の大きさは特に限定されるものではないが、0.01mmφ〜1,000mmφが好ましく、より好ましくは0.1mmφ〜100mmφである。チューブ18の長さは特に限定されるものではないが、5cm〜5,000mが好ましく、より好ましくは50cm〜500mである。出液用の穴19の形状や径の大きさは特に限定されるものではないが、径の大きさはチューブ18の内径の大きさの99%以下が好ましく、より好ましくは90%以下である。更に、チューブ18や出液用の穴19には本液体に不溶な不純物を取り除くため、ろ過用のフィルターなどを設置することもできる。植物栽培用素材20の播種面にも、畝状の凹凸構造や、播種用の窪みや穴などを設けることもできる。また、この窪みや穴などに播種もしくは種苗移植した種子や種苗が窪みや穴などから落ちないように播種後に窪みや穴などを水溶性や生分解性などを有するフィルムや紙状シートなどで覆うこともできる。
図9及び10に、図7及び図8に示すシステムに、給液タンク24を併用した構成を示す。
図9及び10に示すシステムでは、出液用の穴27の開いたチューブ26の外周面に植物栽培用素材28を設け、チューブ26が植物29への栽培用液体の供給ラインを形成している。チューブ26は既存の水道の蛇口22や井戸水及び/または地下水汲み出し口23と活栓25を介して連結した供給ラインと、給液タンク24と活栓25を介して連結した供給ラインとが合流する分岐を有する。
なお、植物栽培用素材の層状構造における層厚方向と植物の成長方向との関係は、図2〜10に示した関係に限定されず、目的とする栽培状態が得られるように適宜設定することができる。また、必要に応じて、植物の支えや成長方向を指示するガイドを用いたり、植物栽培用素材を容器1中で固定するための支持構造を用いたり、植物栽培用素材をチューブに、もしくは植物栽培用素材をチューブに固定するための装着性を高めたり、もしくは接着性素材を用いたりしてもよい。更に、出液用の穴とチューブの位置関係は特に限定されず、出液用の穴に挿入した液体誘導部材を介した液体の供給が可能であり、目的とする栽培状態が得られるように適宜設定することができる。
積層構造を有する層状構造からなる植物栽培用素材の場合の植物と根の成長方向の一例を図11に示す。図11に示すとおり、層厚方向に植物8を成長させる一方で、層状構造の層厚方向に伸びる根に加えて、層厚方向と交差する方向(各層の平面方向に沿った方向)に伸びる根についても効果的に成長させることで、植物8はしっかりとした根張り状態を確保するとともに、生育に必要な本要素を必要時に必要量吸収することができる。
また、植物8が吸収して植物栽培用植物栽培用素材3中において減少した植物栽培用液体は容器30から植物栽培用植物栽培用素材3に遅滞なく供給されるため、安定した栽培環境となり得る。
本植物栽培システムを用いて植物栽培を行う場所は、例えば、露地栽培などの自然環境中、温度及び/または湿度などの栽培条件を制御可能な栽培室、ハウス、栽培装置内など、栽培目的に応じて適宜選択可能である。
(実施例1)
図12(A)及び(B)に示す構造のダンボールボビンを以下のようにして作製した。
1−1:鍔部外層材の準備(2枚)
耐水性のAフルートダンボール2枚を耐水胴部接着剤で目なりが角度90°クロスする様に貼り合わせた直径158cmのダンボールプレートを準備した。(厚さ1cm)
この中心部に後述する回転軸を通す紙管を装着するため、直径15.64cmの円状の穴を形成した。
1−2:鍔部内層材の準備(2枚)
耐水性のAフルートダンボール3枚を耐水接着剤で目なりが角度90°ずつクロスする様に貼り合わせた、直径158cmのダンボールプレートを準備した。(厚さ1.5cm)
この中心部に後述する胴部補強部位を格納、接着するための、直径77cmの円状の穴を形成した。
2−1:胴部補強材(鍔装着部)c−1の準備(2枚)
Aフルートダンボール4枚を耐水接着剤で目なりが角度90°ずつクロスする様に貼り合わせた直径77cmのダンボールプレートを準備した。(厚さ2cm)
この中心部に後述する回転軸を通す紙管を装着するため、直径15.64cmの円状の穴を形成した。
2−2:胴部補強材(中間部)c−2の準備(2枚)
Aフルートダンボール2層を耐水接着剤で、目なりが角度90°クロスする様に貼り合わせた直径77cmのダンボールプレートを準備した。(厚さ1cm)
この中心部に後述する回転軸を通す紙管を装着するため、直径15.64cmの円状の穴を形成した。
2−3:胴部形成材の準備
実寸で長さ120cm、幅98cmのサイズの東農コア社製のハニーパネル(厚さ1。5cm)を2枚準備した。
3:紙管e
内径15.24cm、長さ100cm、肉厚0.2cmの耐水性紙管を準備した。
4:ダンボールボビンの組み立て
4−1:鍔部分の形成
鍔の外側部分を形成する鍔部外層材と鍔の内側部分を形成する鍔部内層材とを耐水接着剤で重ねるように、また目なりが45°でクロスする様に貼り合わせて、鍔部aを作製した。この際、次いで、胴部内層材のある中心部の穴部にはめ込む形で胴部補強材c−1を貼り合わせる。この積層材を2枚準備した。
4−2:胴部分の形成
2枚の胴部補強材c−2に紙管eを通した。胴部補強材c−2は、紙管eの端部から33〜34cmに配置した。これに胴部形成材を巻き付けるように耐水接着剤で接着して胴部bを形成した。この際、紙管eの両端部が1cmはみ出すように配置した。
4−3:ボビンの組み立て
2枚の鍔部aの凹部に耐水接着剤を塗布し、これを胴部bの両端にそれぞれはめ込み固定することで図12(A)及び(B)に示すような形状のボビンを得た。
このボビンの重量(X)は、20kgであった。
鍔部の外径(Z)は158cm、鍔部の幅(W)は2枚合計で5cmであり、胴部の外径(Y)は80cm、胴部の長さ(N−2W)は100cmであった。
よって、X/W=4.0であり、本発明の範囲を満たすものであった。
このボビンに植物栽培用素材(素材の長さL:5cm)を、隣り合う同素材間の距離(M)が10cmとなる様に付した全長100mのチューブ(内径:1.2cm、外径:1.8cm)を巻き付け収納した。
よって、M/L=2であり、本発明の範囲を満たすものであった。
前記のボビンをトラクターに回転軸を支える形で着装する際にも、ボビンの変形などの問題は生じなかった。
次いで、圃場にてトラクターに装着した前記のボビンからチューブを展開した。スムースにチューブを展開することが出来た。その後、チューブに養液を供給しても液漏れなどの不具合は観察されなかった。
(実施例2)
鍔部外層材と鍔部内層材の直径を120cmとした以外は実施例1と同様にしてボビンを作成した。また、植物栽培用素材付きチューブも実施例1と同様のチューブを使用した。
得られたボビンの重量(X)は、15kgであった。
鍔部の外径(Z)は120cm、鍔部の幅(W)は2枚合計で5cm、胴部径は(Y)80cm、胴部の長さ(N−2W)は100cmであった。
よって、X/W=3.0であり、本発明の範囲を満たすものであった。
トラクターに回転軸を支える形で着装する際にも、ボビンの変形などの問題は生じなかった。
次いで、圃場にてトラクターに装着した前記のボビンからチューブを展開した。スムースにチューブを展開することが出来た。その後、チューブに養液を供給しても液漏れなどの不具合は観察されなかった
(実施例3)
鍔部外層材に、耐水性のA−A二層フルート構造の強化段ボール1枚(厚さ1cm)を、鍔部外層材に、耐水性のA−A−A三層フルート構造の強化段ボール1枚(厚さ1.5cm)を、胴部補強材(鍔装着部)c−1に、耐水性のA−A二層フルート構造の強化段ボール2枚(厚さ2cm)を、胴部補強材(中間部)c−2に、耐水性のA−A二層フルート構造の強化段ボール1枚(厚さ1cm)をそれぞれ用いた。これら以外は実施例1と同様にしてボビンを作成した。また、植物栽培用素材付きチューブも実施例1と同様のチューブを使用した。
得られたボビンの重量(X)は、30kgであった。
鍔部の外径(Z)は158cm、鍔部の幅(W)は2枚合計で5cmであり、胴部径は(Y)80cm、胴部の長さ(N−2W)は100cmであった。
よって、X/W=6.0であり、本発明の範囲を満たすものであった。
トラクターに回転軸を支える形で着装する際にも、ボビンの変形などの問題は生じなかった。
次いで、圃場にてトラクターに装着した前記のボビンからチューブを展開した。スムースにチューブを展開することが出来た。その後、チューブに養液を供給しても液漏れなどの不具合は観察されなかった
(比較例1)
胴部径(Y)を20cmとなる様に各部材の形状を変更した以外は、実施例1と同様の方法でボビンを作製した。
得られたボビンの重量(X)は、8kgであった。
よって、X/W=1.6であり、本発明の範囲外であった。
上記のボビンに実施例1と同様の植物栽培用素材を付したチューブを用いて、ボビンへの巻き付け操作、ボビンのトラクター装着、圃場での前記チューブの展開を行った。展開後にチューブに養液を供給したところ、チューブと植物栽培用素材の間から液漏れが観察された。
(比較例2)
鍔部外層材及び鍔部内層材にCフルート段ボールを使用し、それぞれ1枚とすることで、鍔部の幅(W)を2枚合計で1.6cmとした以外は実施例1と同様にしてボビンを作製した。
得られたボビンの重量(X)は12Kgであった。
よって、X/W=7.5であり本発明の範囲外であった。
上記のボビンに実施例1と同様の植物栽培用素材を付したチューブを用いて、ボビンへの巻き付け操作を行い、ボビンをトラクターの回転軸に装着する為、地面の上を転がしながら移動させようとしたところ、鍔部が変形するとともに土壌にめり込み、ハンドリングが困難となった。
1 チューブ基材
1a、1b 活栓
2 植物栽培用素材
2−1〜2−4 層状構造
3 供給穴
4 活栓
5 チューブ
6 出液用の穴
6a 設置用部材
7 植物栽培用素材
8 植物
9 給液タンク
10 活栓
11 チューブ
12 出液用の穴
13 植物栽培用素材
14 植物
15 水道の蛇口
16 井戸水及び/または地下水汲み出し口
17 活栓
18 チューブ
19 出液用の穴
20 植物栽培用素材
21 植物
22 水道の蛇口
23 井戸水及び/または地下水汲み出し口
24 給液タンク
25 活栓
26 チューブ
27 出液用の穴
28 植物栽培用素材
29 植物
30 容器
a 鍔部
b 胴部
c−1 胴部補強材(鍔装着部)
c−2 胴部補強材(中間部)
d 胴部の回転中心
e 紙管
L チューブ長手方向の幅
M 隣り合う培地部の端部間の距離
N ボビンの長さ
W 鰐部の幅
Y 胴部の外径
Z 鰐部の外径

Claims (4)

  1. 胴部と、該胴部の両端に接合された鍔部と、を有する植物栽培システムキット用ボビンであって、
    (I)該胴部の最大径(Y)が、40〜400センチメートルであり、
    (II)該鍔部の最大径(Z)が、50〜500センチメートルであり、
    (III)該ボビンの重量(X)キログラムと、該鍔部の幅(W)センチメートルとが、
    2.0< X/W <7.0
    である、植物栽培システムキット用ボビン。
  2. 前記胴部および/または前記鍔部を構成する材料が、中空構造を含む材料である、請求項1に記載の植物栽培システムキット用ボビン。
  3. 前記胴部および/または前記鍔部を構成する材料が、ダンボール、発泡構造を有する樹脂、発泡構造を有する樹脂と金属プレートのハイブリッド材料からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の植物栽培システムキット用ボビン。
  4. 内径が0.4〜3.6センチメートルであり、表面に貫通孔を有し、可撓性であるチューブと、該チューブ表面に設置される植物栽培用素材を含む培地部とを有し、前記培地部のチューブ長手方向の幅(L)センチメートルと隣り合う培地部の端部間の距離(M)センチメートルとが、
    0.5< M/L <100
    である、チューブ状植物栽培用システムキット。
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