JP2021091960A - 熱処理装置 - Google Patents

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真人 永田
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Abstract

【課題】還元雰囲気中でも、SiOを含むセラミックファイバー製の断熱材の劣化を抑制できる、金属ストリップを光輝焼鈍するための熱処理装置を提供する。
【解決手段】熱処理装置1は、金属ストリップ3を加熱する加熱帯12と、加熱帯12の炉内壁として使用されて、SiOを含むセラミックファイバー製である断熱材17と、加熱帯12に還元性ガスを供給するガス供給部9,28,28aとを備え、金属ストリップ3が光輝性を有することを可能にする上限露点と、断熱材17に含まれるSiOの還元を不可にする下限露点との間で、露点が保たれるように、金属ストリップ3を還元雰囲気中で光輝焼鈍する。
【選択図】図6

Description

この発明は、金属ストリップを光輝焼鈍するための熱処理装置に関する。
冷間圧延で生じた金属ストリップの内部応力を除去するために、金属ストリップの光輝焼鈍を還元雰囲気中で行う熱処理装置が知られている。
特許文献1は、低温保持帯が鋼板からなるマッフル構造を有する溶融メッキ用連続焼鈍炉であり、金属ストリップが水平方向に搬送されるいわゆる横型炉を開示する。特許文献2は、炉内が耐火レンガで内張りされた金属ストリップの横型光輝連続焼鈍炉を開示する。特許文献3は、炉内の断熱材がセラミックファイバーで構成されたニッケルメッキ薄鋼板の製造設備を開示する。
実公平03−1472号公報 特許4268281号公報 特開2003−201595号公報
特許文献1では、炉体のマッフル構造が鋼板からなるため、高温での加熱によって変形が生じる。特に横型炉の場合、天井が鋼板で製作されている区間が長いため、自重によって天井が垂れ下がり、形状的なゆがみが大きくなり、炉内の気流に乱れが生じて炉内の温度分布が悪くなる。特許文献2では、耐火レンガの変形は起こりにくいが、耐火レンガの重量が大きいため、組立や保守や交換のときの作業性が劣り、焼鈍炉の重量も重くなるので、焼鈍炉を耐荷重性のある場所に設置する必要がある。
特許文献3では、約800℃で鋼板の焼鈍とニッケルメッキの拡散処理とを非還元雰囲気中で行うので、セラミックファイバーが使用されている。セラミックファイバーは、軽量であり作業性に優れているが、SiOを含むため、高温の還元雰囲気中では、SiOの還元が起こり、SiOがSiに変化する。そのため、セラミックファイバーの崩壊が起こり、セラミックファイバーの保守や交換を頻繁に行う必要がある。セラミックファイバーが崩壊するときには、粉塵が発生し、粉塵が金属ストリップの上に落下する。特に、横型炉の場合、天井の面積が大きくなるため、粉塵の落下量が多くなり、金属ストリップの品質が低下する。
そこで、この発明の課題は、還元雰囲気中でも、SiOを含むセラミックファイバー製の断熱材の劣化を抑制できる、金属ストリップを光輝焼鈍するための熱処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の一態様に係る熱処理装置は、
金属ストリップを加熱する加熱帯と、
前記加熱帯の炉内壁として使用されて、SiOを含むセラミックファイバー製である断熱材と、
前記加熱帯に還元性ガスを供給するガス供給部とを備え、
前記金属ストリップが光輝性を有することを可能にする上限露点と、前記断熱材に含まれる前記SiOの還元を不可にする下限露点との間で、露点が保たれるように、前記金属ストリップを還元雰囲気中で光輝焼鈍することを特徴とする。
上記課題を解決するため、この発明の一態様に係る熱処理装置は、
金属ストリップを還元雰囲気中で光輝焼鈍するための熱処理装置であって、前記熱処理装置は、
前記金属ストリップを加熱する加熱帯と、前記加熱帯に対して前記金属ストリップの搬送方向下流側に設けられる冷却帯とを有する炉体と、
前記加熱帯の炉内壁として使用されて、SiOを含むセラミックファイバー製である断熱材と、
前記炉体内に還元性ガスを供給するガス供給部と、
前記加熱帯における雰囲気の露点を測定する露点測定部と、
前記露点を調整する露点調整部とを備え、
前記露点測定部で測定された前記露点に基づいて、前記金属ストリップが光輝性を有することを可能にする上限露点と、前記断熱材に含まれる前記SiOの還元を不可にする下限露点との間で、前記露点が保たれるように、前記露点調整部が制御されることを特徴とする。
炉内の雰囲気における水分が少ないほど、金属ストリップ表面の酸化が抑制されるため金属ストリップの光輝性には有利であるが、炉内壁の断熱材として軽量なセラミックファイバーを用いようとすると、断熱材に含まれるSiOを還元させる方向に働くため断熱材には不利である。そこで、本願の発明者らは、光輝性維持とSiOの還元防止とを両立させることができる適正範囲の露点(すなわち水分量)が存在することに着目して、この発明に至った。
この発明によれば、加熱帯での雰囲気の露点(すなわち水分量)が、上限露点および下限露点の間で保たれることにより、還元雰囲気中での水分量が、金属ストリップの光輝性維持および断熱材に含まれるSiOの還元防止に対して適切になる。その結果、金属ストリップが光輝性を有することができるとともに、断熱材に含まれるSiOの還元による断熱材の劣化を防止できる。
第1実施形態に係る熱処理装置の模式的断面図である。 温度と雰囲気の露点との関係を模式的に説明する図である。 温度と雰囲気の露点との関係を模式的に説明する図である。 第1実施形態の他の態様に係る熱処理装置の模式的断面図である。 第2実施形態に係る熱処理装置の模式的断面図である。 第2実施形態の他の態様に係る熱処理装置の模式的断面図である。
以下、図面を参照しながら、この発明に係る熱処理装置1の実施の形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図1を参照しながら、第1実施形態に係る熱処理装置1を説明する。図1は、第1実施形態に係る熱処理装置1の模式的断面図である。
図1に示すように、金属ストリップ3を連続的に光輝焼鈍する光輝焼鈍炉(熱処理装置)1は、炉体10と、ガス供給部9,28と、露点測定部22と、露点調整部24,27と、制御部20とを備える。図1に示した光輝焼鈍炉(熱処理装置)1は、炉体が横方向(水平方向)に延在する横型炉である。横型炉は、金属ストリップ3を搬送する搬送機構を簡易にでき、熱処理装置1の高さが高くなることを抑制できる。
金属ストリップ3は、図1において、左から右に水平に搬送される。金属ストリップ3は、例えば、Crを含むステンレス材からなる。Crを含むステンレス材は、例えば、オーステナイト系ステンレスのSUS304やフェライト系のステンレスのSUS430である。
炉体10は、鋼製の箱体からなり、加熱帯12と冷却帯14とを有する。加熱帯12は、横方向(水平方向)に延在して、金属ストリップ3の搬送方向上流側(金属ストリップ3の入側)に設けられる。加熱帯12は、加熱部16によって加熱される。加熱部16は、例えば、電熱ヒーターである。制御部20は、図示しない温度測定部によって測定された温度に基づいて、加熱帯12が所定の焼鈍温度(ここでは、焼鈍における加熱工程および冷却工程のうちの加熱工程での温度をいう。)になるように制御する。本願での焼鈍温度は、加熱帯12における炉内雰囲気温度を指している。例えば一般的なステンレス材では、光輝焼鈍に適した焼鈍温度は、800℃から1250℃の温度範囲であり、制御部20は、焼鈍温度が前記温度範囲内に収まるように加熱部16を制御する。
冷却帯14は、金属ストリップ3の搬送方向下流側(金属ストリップ3の出側)に設けられる。冷却帯14では、焼鈍であるが故に主に放冷で冷却するため、加熱手段や断熱材17が配設されない。しかしながら、冷却帯14は、場合によっては何らかの冷却手段を備えることもできる。
炉体10の側壁や天井部や床部といった炉壁の内面(炉内壁)には、断熱材17が取り付けられている。断熱材17は、SiOを含むセラミックファイバー製である。断熱材17は、例えば、セラミックファイバー製のボードやブランケットを、炉壁に取り付けられた多数の棒状のスタッドに突き刺してワッシャー状の金具で押さえることによって保持する構成にすることができる。断熱材17は、Al(アルミナ)及びSiO(シリカ)を主成分とする繊維であり、例えば、Alの含有量が30〜60質量%及びSiOの含有量が40〜70質量%のアルミナ−シリカ質のセラミックファイバーである。
光輝焼鈍炉1の炉体10の内部は、還元性の雰囲気ガスで満たされる。入口シールロール13および出口シールロール15が、炉体10の入口開口および出口開口のそれぞれに配設されている。入口シールロール13および出口シールロール15は、炉体10の内部を大気圧よりもわずかに高圧に保つことによって、炉体10内への外気の侵入を防止する。しかしながら、入口シールロール13および出口シールロール15で金属ストリップ3を挟んでいても、入口シールロール13では、微量の水分が、金属ストリップ3の表面に付着した状態で、外気から炉体10の内部に持ち込まれる。また、出口シールロール15では、同様の形態で、微量の雰囲気ガスが炉内から流出する。そのため、加熱帯12での雰囲気の露点(水分量)の測定および調整を常時行うことが必要となる。
ガス供給部は、ガス供給装置9および第2調節弁28を備え、ガス供給配管5を介して、還元性ガスを炉体10内に、言い換えると還元性ガスを加熱帯12に供給する。ガス供給装置9は、例えば、ガスボンベである。還元性ガスは、水素ガスを含むガスであり、例えば、水素ガスおよび窒素ガスが3:1で混合されたガスである。ガス供給配管5に設けられた第2調節弁28の開度を調整することにより、還元性ガスの供給量が制御される。第2調節弁28の開度は、制御部20によって制御される。還元性ガスの供給により、入口シールロール13および出口シールロール15から漏洩した分が補充される。なお、図1に示した光輝焼鈍炉1では、ガス供給配管5を、冷却帯14の上流側に配置する構成としているが、還元性ガスの供給位置は特に限定されない。ガス供給配管5から供給された還元性ガスは、雰囲気ガスとして、加熱帯12を含む炉体10内の全体を拡散したあと、炉体10の外に出て行く。
従来、ガス供給装置9から供給される還元性ガスは、低露点(すなわち低水分量)のもの、例えば、JIS水素1級で露点が−70℃のものであった。しかしながら、本願では、除湿装置25や加湿装置26を備える露点調整部24によって、炉内の雰囲気の露点が調整可能であるので、ガス供給装置9から供給される還元性ガスは、必ずしも低露点(すなわち低水分量)である必要はない。すなわち、ガス供給装置9から供給される還元性ガスとして、従来のJIS水素1級よりも多くの水分量を含むもの、例えば、JIS水素2級で露点が−60℃相当のものも使用可能である。
露点測定部22は、露点測定配管6を介して、炉体10の加熱帯12における雰囲気(以下、「雰囲気ガス」ということがある。)の露点を測定する。露点測定部22は、例えば、静電容量式露点計や鏡面冷却式露点計である。露点の測定データは、制御部20に送られて、制御部20のメモリ部に保存される。なお、図1に示した光輝焼鈍炉1では、露点測定配管6を、加熱帯12の下流側に配置する構成としているが、露点の測定位置は特に限定されない。
露点調整部は、露点調整装置24および第1調節弁27を備え、加熱帯12における雰囲気の露点を調整する。露点調整装置24は、除湿装置25および加湿装置26の少なくとも一方を備える。これにより、ガス供給部9,28によって供給される還元性ガスの露点と、目標とする雰囲気の露点とに応じて、加熱帯12における雰囲気の露点を適宜に調整できる。
露点調整装置24は、加熱帯12の搬送方向上流側に配設された入側配管7を通じて雰囲気の一部を抜き出し、抜き出した雰囲気の露点すなわち水分量を調整した後、加熱帯12の搬送方向下流側に配設された出側配管8を通じて炉体10内に戻す。雰囲気ガスが露点調整装置24および炉体10の間を循環することによって、加熱帯12における雰囲気の露点が、所定の露点に保たれる。
露点調整装置24(すなわち除湿装置25および加湿装置26)は、制御部20によって制御される。入側配管7に設けられた第1調節弁27の開度を調整することにより、雰囲気ガスの循環量が制御される。第1調節弁27の開度は、制御部20によって制御される。
除湿装置25は、雰囲気中に含まれる水分の除去(雰囲気の除湿)を行い、雰囲気の露点を低下させる働きを有する。除湿装置25は、例えば、吸着剤が充填された吸着塔および脱離塔を有する。吸着剤は、モレキュラーシーブ(分子ふるい)などの合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性炭、シリカゲル、アルミナ、活性アルミナなどである。吸着剤を用いた除湿は、除湿後の雰囲気の露点を容易に所定の露点に制御できるとともに、得られる雰囲気が極めて清浄である。
加湿装置26は、水蒸気または液相の水と、雰囲気とを混合した水分含有ガスを生成し、当該水分含有ガスを炉体10内に送り込むことによって、雰囲気への水分の付加(雰囲気の加湿)を行い、雰囲気の露点を上昇させる働きを有する。加湿装置26は、例えば、雰囲気を容器に貯留された水の中を通過させるバブリング式、雰囲気に対して水蒸気を霧状に噴射するスプレーノズル式、高い水蒸気透過性を有する中空糸膜を利用した膜交換式などである。
制御部20は、露点測定部22と、露点調整装置24と、第1調節弁27と、第2調節弁28と、加熱部16とに電気的に接続されている。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)などの演算部、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などのメモリ部を含むコンピュータなどを用いて構成することができる。
制御部20は、露点測定部22で測定された露点に基づいて、ガス供給部9,28と露点調整部24,27とを制御する。すなわち、制御部20は、第2調節弁28の開度を制御することによって、ガス供給装置9から供給される還元性ガスの供給量を制御する。また、制御部20は、第1調節弁27の開度を制御することによって、露点調整装置24による雰囲気ガスの循環量を制御する。これにより、光輝焼鈍(熱処理)の自動化が可能になる。
制御部20は、露点調整装置24における除湿装置25または加湿装置26が作動するように制御する。制御部20は、除湿装置25が作動するように制御すると、雰囲気中に含まれる水分が除去されることによって、雰囲気の露点すなわち水分量が低下する。制御部20は、加湿装置26が作動するように制御すると、雰囲気中に含まれる水分が増加することによって、雰囲気の露点すなわち水分量が上昇する。これにより、光輝焼鈍(熱処理)の自動化が可能になる。
〔第1実施形態の他の態様〕
前述のように、入口シールロール13によって金属ストリップ3を挟むシール構成にしていても、微量の水分が、金属ストリップ3の表面に付着した状態で、外気から炉体10の内部に持ち込まれるため、雰囲気の露点(水分量)が上昇していく。そこで、露点が極めて低い水素ガスを還元性ガスとして用いることにより、雰囲気中に含まれる水分を希釈して、雰囲気の露点を下げることができる。また、露点が極めて低い水素ガスを還元性ガスとして用いても、第2調節弁28によって還元性ガスの流量を減らすことによって、雰囲気の露点を上げることができる。さらに、何らかの手段によって、微量の水分が外気から炉体10の内部に持ち込まれることを防止できたとき、露点が高めの水素ガスを還元性ガスとして用いることにより、雰囲気中に含まれる水分を増加させて、雰囲気の露点を上げることができる。
したがって、図1に示した除湿装置25や加湿装置26を用いることなく、加熱帯12における雰囲気の露点を調整することが可能になる。すなわち、図4に示すように、制御部20は、露点測定部22で測定した雰囲気の露点に基づいて、第2調節弁28を制御して、ガス供給装置9によって供給される還元性ガスの流量を調節することによって、加熱帯12を含む炉体10における雰囲気の露点を調整できる。これにより、光輝焼鈍(熱処理)の自動化が可能になる。ここで、外気から炉体10の内部に持ち込まれる水分量に応じて、露点が極めて低い水素ガスまたは露点が高めの水素ガスが、ガス供給装置9から供給される還元性ガスとして用いられる。このように、ガス供給装置9および第2調節弁28は、露点調整装置24aとして働く。これにより、簡易な構成によって露点調整装置24aを構成できる。
〔雰囲気の露点の制御〕
上述したように、炉体10の加熱帯12における雰囲気中の水分が少ないほど、金属ストリップ3の表面の酸化が抑制されるため金属ストリップ3の光輝性には有利であるが、断熱材17に含まれるSiOを還元させる方向に働くため断熱材17には不利である。そこで、本願の発明者らは、光輝性維持とSiOの還元防止とを両立させることができる適正範囲の露点(すなわち水分量)が存在することに着目して、この発明に至った。
図2を参照しながら、加熱帯12における雰囲気の露点の制御を説明する。図2は、温度と雰囲気の露点との関係を模式的に説明する図である。図2において、横軸が加熱帯12における焼鈍温度およびSiOの酸化−還元の平衡温度を示し、縦軸が加熱帯12における雰囲気の露点を示す。図2において、Aは−30℃の露点を示す直線であり、SはSiOの酸化−還元の平衡曲線を示す。平衡曲線Sよりも露点が高いとSiOが酸化され、平衡曲線Sよりも露点が低いとSiOが還元される。そして、直線Aが焼鈍温度800℃および1250℃と交わる交点が、それぞれaおよびbであり、平衡曲線Sが平衡温度800℃および1250℃と交わる交点が、それぞれcおよびdである。これらの温度および交点は、例えば、ステンレス材の焼鈍に対応している。
雰囲気の露点は、雰囲気中に含まれる水分の水分量に対応している。例えば、露点が−30℃なら水分量が約338(g/m)、露点が−35℃なら水分量が約203(g/m)、露点が−40℃なら水分量が約119(g/m)、露点が−45℃なら水分量が約68(g/m)、露点が−50℃なら水分量が約38(g/m)、露点が−55℃なら水分量が約21(g/m)、露点が−60℃なら水分量が約11(g/m)、露点が−65℃なら水分量が約5.6(g/m)、露点が−70℃なら水分量が約2.7(g/m)である。したがって、雰囲気の露点が低くなるに従って、雰囲気中に含まれる水分の水分量が少なくなる。
金属ストリップ3の表面が酸化されると、金属ストリップ3の表面には、酸化皮膜が形成される。金属ストリップ3が、Crを含むステンレス材である場合、CrおよびFeが酸素と化合した酸化皮膜が形成される。金属ストリップ3の表面酸化の抑制には、雰囲気の露点ができるだけ低いこと、すなわち雰囲気中に含まれる水分の水分量ができるだけ少ないことが望ましいと言われてきた。
しかしながら、実際の熱処理工程では、金属ストリップ3の表面に形成される酸化皮膜の厚みが、或る厚みよりも薄くなると、金属ストリップ3の光輝性に及ぼす影響が少なくなることが解っている。よって、雰囲気の上限露点を−30℃以下にすることによって、金属ストリップ3における酸化皮膜の形成が抑制されて、金属ストリップ3が或る程度以上の光輝性を有し、製品上の問題はほとんど無い。図2における直線Aは、金属ストリップ3における酸化皮膜の形成を抑制する最上限の露点を示している。そして、交点aは800℃での最上限の露点であり、交点bは1250℃での最上限の露点である。
光輝性を有するステンレス材の金属ストリップ3を商品化する場合には、雰囲気の上限露点を−30℃以下に調整するのが適している。ステンレス材において、光輝性の度合いがより高い金属ストリップ3を得るためには、雰囲気の上限露点を−45℃以下に調整すればよい。光輝性の度合いがさらに高い金属ストリップ3を得るためには、雰囲気の上限露点を−65℃(図中の直線X)以下に調整すればよい。したがって、ステンレス材において、光輝焼鈍される金属ストリップ3の光輝性の度合いに応じて、金属ストリップ3が光輝性を有することを可能にする上限露点は、−30℃から−65℃の範囲に設定される。当該構成によれば、所望とする光輝性を有する金属ストリップ3を得ることができる。
炉壁の内面(炉内壁)には、セラミックファイバー製の断熱材17が配設される。従来、横型の光輝焼鈍炉1において、Al(アルミナ)を高純度で含有する高純度アルミナ質のレンガをアーチ積み構造で用いると、炉内温度を昇降するときのレンガの膨張・収縮によって、粉塵が発生して、金属ストリップ3の品質が低下するという問題がある。
本願の横型の光輝焼鈍炉1では、断熱材17としてSiOを含むセラミックファイバー製を用いることによって、粉塵の発生を抑制して、高品質の金属ストリップ3を得ることを可能にする。しかしながら、セラミックファイバーに含まれるSiOの耐還元性は、Al(アルミナ)よりも低く、高還元性の雰囲気中でセラミックファイバーを使用すると、SiOの還元によってセラミックファイバーが劣化して脆くなり、粉塵が発生すると考えられる。
本発明では、SiOを含むセラミックファイバー製の断熱材17が、高還元性の雰囲気中でも使用可能となるように、本願の発明者らは、SiOの酸化−還元特性(熱力学的特性)に着目した。図2に示すように、SiOの酸化−還元の平衡曲線Sを境にして、平衡曲線Sよりも上側が、SiOが酸化状態を保つ領域であり、平衡曲線Sよりも下側が、SiOが還元される領域である。
SiOの酸化−還元の平衡曲線Sが平衡温度800℃と交わる交点cでの露点は、約−95℃であり、平衡温度1250℃と交わる交点dでの露点は、約−60℃である。当該露点は、例えばステンレス材の光輝焼鈍に適した800℃から1250℃の平衡温度において、断熱材17に含まれるSiOの還元を不可にする下限露点である。したがって、加熱帯12の焼鈍温度が800℃から1250℃の範囲であるとき、制御部20は、雰囲気の露点が平衡曲線Sを下回らないように制御することによって、SiOを還元させないようにできる。これにより、セラミックファイバー製の断熱材17の劣化で粉塵が発生することを防止して、高品質の金属ストリップ3を得ることができる。
加熱帯12の焼鈍温度が800℃から1250℃の場合(例えば、金属ストリップ3がステンレス材の場合)、雰囲気の露点が、図2において交点a、b、dおよびcで囲まれた領域内に保たれるように、制御部20は露点調整部24,27を制御する。これにより、金属ストリップ3が光輝性を有することができるとともに、断熱材17に含まれるSiOの還元による断熱材17の劣化を防止できる。
〔第2実施形態〕
図5を参照しながら、第2実施形態に係る熱処理装置1を説明する。図5は、第2実施形態に係る熱処理装置1の模式的断面図である。
図5に示すように、第2実施形態に係る光輝焼鈍炉(熱処理装置)1は、炉体10と、ガス供給部9と、露点測定部22と、露点調整部24,27a,28aとを備える。図1に示す第1実施形態に係る光輝焼鈍炉(熱処理装置)1との比較で、第2実施形態に係る光輝焼鈍炉(熱処理装置)1は、例えばコンピュータなどの制御部20が省略されている。したがって、光輝焼鈍炉(熱処理装置)1の操作を行う操作者が、制御部20の代わりとなる。
操作者は、露点測定部22で測定された露点に基づいて、第2調節弁(露点調整部)28aおよび第1調節弁(露点調整部)27aの少なくとも一方を手動で制御できる。すなわち、操作者は、露点測定部22で測定された露点をモニターなどを介して目視によって取得することができる。また、操作者は、測定された露点に基づいて、第2調節弁(露点調整部)28aを手動で制御することによって、ガス供給装置9から供給される還元性ガスの供給量を制御できる。また、操作者は、測定された露点に基づいて、第1調節弁(露点調整部)27aを制御することによって、露点調整装置24による雰囲気ガスの循環量を制御できる。
また、露点調整装置24における除湿装置25が作動するように操作者が制御することによって、雰囲気中に含まれる水分が除去されて、雰囲気の露点すなわち水分量が低下する。また、露点調整装置24における加湿装置26が作動するように操作者が制御することによって、雰囲気中に含まれる水分が増加することによって、雰囲気の露点すなわち水分量が上昇する。
これにより、加熱帯12での雰囲気の露点(すなわち水分量)が、上限露点および下限露点の間で保たれることにより、還元雰囲気中での水分量が、金属ストリップ3の光輝性維持および断熱材17に含まれるSiOの還元防止に対して適切になる。その結果、金属ストリップ3が光輝性を有することができるとともに、断熱材17に含まれるSiOの還元による断熱材17の劣化を防止できる。
〔第2実施形態の他の態様〕
図6に示すように、制御部20に加えてさらに露点調整装置24(除湿装置25および加湿装置26)が省略されており、ガス供給装置9および第2調節弁(露点調整部)28aを露点調整装置24aとすることもできる。これにより、露点調整装置24aを簡易に構成できる。操作者は、露点測定部22で測定した雰囲気の露点に基づいて、露点調整装置24aを制御できる。すなわち、操作者は、露点測定部22で測定された露点をモニターなどを介して目視によって取得することができる。また、操作者は、測定された露点に基づいて、第2調節弁(露点調整部)28aを手動で制御することによって、ガス供給装置9によって供給される還元性ガスの流量を制御できる。
これにより、加熱帯12での雰囲気の露点(すなわち水分量)が、上限露点および下限露点の間で保たれることにより、還元雰囲気中での水分量が、金属ストリップ3の光輝性維持および断熱材17に含まれるSiOの還元防止に対して適切になる。その結果、金属ストリップ3が光輝性を有することができるとともに、断熱材17に含まれるSiOの還元による断熱材17の劣化を防止できる。
なお、第2実施形態における手動での制御は、操作者が常時に連続して行う必要はなく、操作者がときどきまたは定期的に露点の監視を行い、異常が無ければ、操作者が特に制御を行わない場合も含む。
この発明の具体的な実施の形態や数値について説明したが、この発明は、上記実施形態や数値に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
操作者は、制御部20の代わりとして、露点測定部22で測定された露点の取得、および、露点測定部22で測定された露点に基づいて、上限露点と下限露点との間で露点が保たれるように露点調整部27a,28aの制御、の少なくとも一方を行うことができる。
光輝焼鈍炉(熱処理装置)1は、炉体10が縦方向(垂直方向)に延在する縦型炉にすることもできる。
光輝焼鈍炉(熱処理装置)1において、加熱帯12の搬送方向上流側に入口シール帯を設けて、入口シールロール13を入口シール帯に配設することもできる。冷却帯14の搬送方向下流側に出口シール帯を設けて、出口シールロール15を出口シール帯に配設することもできる。加熱帯12は、入口シール帯、予熱帯および均熱帯(いずれも図示せず)などで構成されてもよい。冷却帯14は、出口シール帯、急冷帯および徐冷帯(いずれも図示せず)などで構成されてもよい。
図1に示した光輝焼鈍炉1では、除湿装置25および加湿装置26の両方を備えているが、除湿装置25および加湿装置26のいずれか一方を備える構成にすることもできる。
図3では、ステンレス材におけるCr成分が酸化したCr(酸化クロム)の酸化−還元の平衡曲線Cを示している。上記実施形態では、上限露点を−30℃として説明したが、雰囲気の露点がCrの酸化−還元の平衡曲線Cを上回らないように制御することによって、ステンレス材の酸化が防止できるとも考えられる。したがって、ステンレス材の場合、雰囲気の露点が、図3における交点e、f、dおよびcで囲まれた領域内に保たれるように、制御部20は露点調整部24,24aを制御してもよい。
還元雰囲気中で光輝焼鈍される金属ストリップ3は、上述したステンレス材以外にも、ニッケルやチタンや銅のような純金属、低膨張合金、磁性合金、耐熱合金あるいは耐蝕合金などの各種金属材料にも適用可能である。
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
この発明の一態様に係る熱処理装置1は、
金属ストリップ3を加熱する加熱帯12と、
前記加熱帯12の炉内壁として使用されて、SiOを含むセラミックファイバー製である断熱材17と、
前記加熱帯12に還元性ガスを供給するガス供給部9,28,28aとを備え、
前記金属ストリップ3が光輝性を有することを可能にする上限露点と、前記断熱材17に含まれる前記SiOの還元を不可にする下限露点との間で、露点が保たれるように、前記金属ストリップ3を還元雰囲気中で光輝焼鈍することを特徴とする。
上記構成によれば、加熱帯12での雰囲気の露点(すなわち水分量)が、上限露点および下限露点の間で保たれることにより、還元雰囲気中での水分量が、金属ストリップ3の光輝性維持および断熱材17に含まれるSiOの還元防止に対して適切になる。その結果、金属ストリップ3が光輝性を有することができるとともに、断熱材17に含まれるSiOの還元による断熱材17の劣化を防止できる。
この発明の一態様に係る熱処理装置1は、
金属ストリップ3を還元雰囲気中で光輝焼鈍するための熱処理装置1であって、前記熱処理装置1は、
前記金属ストリップ3を加熱する加熱帯12と、前記加熱帯12に対して前記金属ストリップ3の搬送方向下流側に設けられる冷却帯14とを有する炉体10と、
前記加熱帯12の炉内壁として使用されて、SiOを含むセラミックファイバー製である断熱材17と、
前記炉体10内に還元性ガスを供給するガス供給部9,28,28aと、
前記加熱帯12における雰囲気の露点を測定する露点測定部22と、
前記露点を調整する露点調整部24,24a,27,27a,28,28aとを備え、
前記露点測定部22で測定された前記露点に基づいて、前記金属ストリップ3が光輝性を有することを可能にする上限露点と、前記断熱材17に含まれる前記SiOの還元を不可にする下限露点との間で、前記露点が保たれるように、前記露点調整部24,24a,27,27a,28,28aが制御されることを特徴とする。
上記構成によれば、加熱帯12での雰囲気の露点(すなわち水分量)が、上限露点および下限露点の間で保たれることにより、還元雰囲気中での水分量が、金属ストリップ3の光輝性維持および断熱材17に含まれるSiOの還元防止に対して適切になる。その結果、金属ストリップ3が光輝性を有することができるとともに、断熱材17に含まれるSiOの還元による断熱材17の劣化を防止できる。
また、一実施形態の熱処理装置1では、
前記露点調整部24,27,28の制御は、制御部20によって行われる。
上記実施形態によれば、光輝焼鈍(熱処理)の自動化が可能になる。
また、一実施形態の熱処理装置1では、
前記上限露点は、−30℃である。
上記実施形態によれば、光輝性を有する金属ストリップ3を得ることができる。
また、一実施形態の熱処理装置1では、
光輝焼鈍される前記金属ストリップ3の光輝性の度合いに応じて、前記上限露点は、−30℃から−65℃の範囲で設定される。
上記実施形態によれば、所望とする光輝性を有する金属ストリップ3を得ることができる。
また、一実施形態の熱処理装置1では、
前記露点調整部24は、除湿装置25および加湿装置26の少なくとも一方を備える。
上記実施形態によれば、ガス供給部9,28,28aによって供給される還元性ガスの露点と、目標とする雰囲気の露点とに応じて、加熱帯12における雰囲気の露点を適宜に調整できる。
また、一実施形態の熱処理装置1では、
前記ガス供給部9,28,28aは、ガス供給装置9と、前記ガス供給装置9によって供給される前記還元性ガスの流量を調節する調節弁28,28aとを備え、前記ガス供給装置9および前記調節弁28,28aが前記露点調整部24,24aとして働く。
上記実施形態によれば、簡易な構成によって露点調整装置24,24aを構成できる。
また、一実施形態の熱処理装置1では、
前記熱処理装置1は、前記炉体10が横方向に延在する横型炉である。
上記実施形態によれば、金属ストリップ3を搬送する搬送機構を簡易にでき、熱処理装置1の高さが高くなることを抑制できる。また、セラミックファイバーの崩壊および粉塵の発生を防止できるので、天井の面積が大きくなる横型炉においても、軽量なセラミックファイバー製の断熱材17を用いることができる。
また、一実施形態の熱処理装置1では、
前記金属ストリップ3は、Crを含むステンレス材からなる。
上記実施形態によれば、金属ストリップ3における酸化皮膜の形成が抑制されて、金属ストリップ3が光輝性を有することができる。
また、一実施形態の熱処理装置1では、
前記加熱帯12の温度範囲が、800℃から1250℃である。
上記実施形態によれば、金属ストリップ3を光輝焼鈍に適した温度で加熱できる。
また、一実施形態の熱処理装置1では、
前記還元性ガスは、水素ガスを含む。
上記実施形態によれば、金属ストリップ3を還元して光輝焼鈍させることができる。
1…光輝焼鈍炉(熱処理装置)
3…金属ストリップ
5…ガス供給配管
6…露点測定配管
7…入側配管
8…出側配管
9…ガス供給装置(ガス供給部、露点調整部)
10…炉体
12…加熱帯
13…入口シールロール
14…冷却帯
15…出口シールロール
16…加熱部
17…断熱材
20…制御部
22…露点測定部
24…露点調整装置(露点調整部)
24a…露点調整装置(露点調整部)
25…除湿装置
26…加湿装置
27…第1調節弁(露点調整部)
27a…第1調節弁(露点調整部)
28…第2調節弁(ガス供給部、露点調整部)
28a…第2調節弁(ガス供給部、露点調整部)
A…−30℃の露点を示す直線
C…Crの酸化−還元の平衡曲線
S…SiOの酸化−還元の平衡曲線

Claims (11)

  1. 金属ストリップを加熱する加熱帯と、
    前記加熱帯の炉内壁として使用されて、SiOを含むセラミックファイバー製である断熱材と、
    前記加熱帯に還元性ガスを供給するガス供給部とを備え、
    前記金属ストリップが光輝性を有することを可能にする上限露点と、前記断熱材に含まれる前記SiOの還元を不可にする下限露点との間で、露点が保たれるように、前記金属ストリップを還元雰囲気中で光輝焼鈍することを特徴とする、熱処理装置。
  2. 金属ストリップを還元雰囲気中で光輝焼鈍するための熱処理装置であって、前記熱処理装置は、
    前記金属ストリップを加熱する加熱帯と、前記加熱帯に対して前記金属ストリップの搬送方向下流側に設けられる冷却帯とを有する炉体と、
    前記加熱帯の炉内壁として使用されて、SiOを含むセラミックファイバー製である断熱材と、
    前記炉体内に還元性ガスを供給するガス供給部と、
    前記加熱帯における雰囲気の露点を測定する露点測定部と、
    前記露点を調整する露点調整部とを備え、
    前記露点測定部で測定された前記露点に基づいて、前記金属ストリップが光輝性を有することを可能にする上限露点と、前記断熱材に含まれる前記SiOの還元を不可にする下限露点との間で、前記露点が保たれるように、前記露点調整部が制御されることを特徴とする、熱処理装置。
  3. 前記露点調整部の制御は、制御部によって行われることを特徴とする、請求項2に記載の熱処理装置。
  4. 前記上限露点は、−30℃であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  5. 光輝焼鈍される前記金属ストリップの光輝性の度合いに応じて、前記上限露点は、−30℃から−65℃の範囲で設定されることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  6. 前記露点調整部は、除湿装置および加湿装置の少なくとも一方を備えることを特徴とする、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  7. 前記ガス供給部は、ガス供給装置と、前記ガス供給装置によって供給される前記還元性ガスの流量を調節する調節弁とを備え、前記ガス供給装置および前記調節弁が前記露点調整部として働くことを特徴とする、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  8. 前記熱処理装置は、前記炉体が横方向に延在する横型炉であることを特徴とする、請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  9. 前記金属ストリップは、Crを含むステンレス材からなることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  10. 前記加熱帯の温度範囲が、800℃から1250℃であることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  11. 前記還元性ガスは、水素ガスを含むことを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の熱処理装置。
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