JP2021090412A - 不快味マスキング剤、酸性タンパク質飲料、不快味マスキング方法、及び酸性タンパク質飲料の製造方法 - Google Patents
不快味マスキング剤、酸性タンパク質飲料、不快味マスキング方法、及び酸性タンパク質飲料の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021090412A JP2021090412A JP2020194393A JP2020194393A JP2021090412A JP 2021090412 A JP2021090412 A JP 2021090412A JP 2020194393 A JP2020194393 A JP 2020194393A JP 2020194393 A JP2020194393 A JP 2020194393A JP 2021090412 A JP2021090412 A JP 2021090412A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acidic protein
- protein
- masking agent
- present
- unpleasant taste
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Seasonings (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
Abstract
【課題】酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングする優れた効果を有するマスキング剤を提供すること。【解決手段】本発明では、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料用不快味マスキング剤を提供する。また、前記マスキング剤と、タンパク質と、を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料も提供する。更に、本発明では、前記マスキング剤を添加する、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料の不快味マスキング方法も提供する。加えて、本発明では、前記マスキング剤を添加する工程を行う、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料の製造方法も提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、不快味マスキング剤、酸性タンパク質飲料、不快味マスキング方法、及び酸性タンパク質飲料の製造方法に関する。より詳しくは、酸性タンパク質飲料用不快味マスキング剤、当該マスキング剤を含む酸性タンパク質飲料、当該マスキング剤を添加する不快味マスキング方法、及び前記酸性タンパク質飲料の製造方法に関する。
タンパク質を含む飲料は、従来、スポーツ選手や女性が、筋肉増強やダイエットを目的として利用するといったイメージが強かったが、近年では、栄養補助食品として高齢者が購入する等、利用者の幅が広がっている。ここで、タンパク質を含む飲料の代表例として「プロテイン」と呼ばれる大豆タンパク質含有飲料がある。このような大豆タンパク質含有飲料は、一般に分離大豆タンパクを主原料とする粉末状で袋詰めや缶詰にされて取引されており、利用者はこれを水や牛乳に溶解して摂取する。このような大豆タンパク含有飲料は、先述のような利用者層の拡大に応じて、機能性のみならずバニラ味、ココア風味等の様々な嗜好性を備えたものが開発されている。また、ビタミンA、B群、C等の各種ビタミン類、あるいは鉄、カルシウム、マグネシウム等を添加し、栄養強化の面でもバラエティ化が進んでいる。
例えば、特許文献1には、大豆蛋白素材を含む飲食品であって、脂質親和性蛋白質が濃縮された蛋白質組成を有しかつ中性脂質及び極性脂質を含有する大豆乳化組成物をさらに含むことを特徴とする、大豆蛋白質含有飲食品が開示されている。
前述の通り、タンパク質を含む飲料は種々のものが開発されているが、タンパク質に特有の不快味の低減や改善が依然として課題とされていた。これに対し、従来、酸味料、甘味料等を添加することで不快味の低減、改善、あるいはマスキング等の調整が試みられていたが、依然として十分でなく、嗜好性に優れたタンパク質飲料を提供するために、更なる解決手段が望まれていた。
そこで、本発明では、酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングする優れた効果を有するマスキング剤を提供することを主目的とする。
本発明の発明者らは、前述した課題に対して鋭意実験検討を行った結果、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を用いることで酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明では、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料用不快味マスキング剤を提供する。
また、本発明では、前記不快味マスキング剤と、タンパク質と、を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料も提供する。
本発明に係る酸性タンパク質飲料は、前記不快味マスキング剤の配合割合が、飲料全体に対して0.01容量%〜30容量%であってよい。
また、本発明に係る酸性タンパク質飲料は、前記タンパク質の配合割合が、飲料全体に対して0.5容量%〜30容量%であってもよい。
本発明に係る酸性タンパク質飲料は、前記不快味マスキング剤の配合割合が、飲料全体に対して0.01容量%〜30容量%であってよい。
また、本発明に係る酸性タンパク質飲料は、前記タンパク質の配合割合が、飲料全体に対して0.5容量%〜30容量%であってもよい。
更に、本発明では、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料用不快味マスキング剤を添加する、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料の不快味マスキング方法も提供する。
加えて、本発明では、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料用不快味マスキング剤を添加する工程を行う、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料の製造方法も提供する。
なお、本発明において、「容量%」とは、酸性タンパク質飲料全体の重量に対する容量の割合の百分率をいう。また、「酸性飲料」とは、pH4.0未満の飲料をいう。更に、「不快味」とは、例えば、苦味、渋味、収斂味、エグ味等を指し、本発明においては、特には収斂味である。
本発明によれば、酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングする優れた効果を有するマスキング剤を提供することができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしもこれらに限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
なお、ここに記載された効果は、必ずしもこれらに限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。
以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.マスキング剤
本発明に係るマスキング剤は、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含むことを特徴とする。また、本発明に係るマスキング剤は、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングすることを目的として用いられるものである。
本発明に係るマスキング剤は、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含むことを特徴とする。また、本発明に係るマスキング剤は、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングすることを目的として用いられるものである。
本発明の発明者らは、従来、健康維持、肥満予防といった目的で用いられていた中鎖脂肪酸トリグリセリドを用いることで、意外にも、当該化合物が酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングできることを発見した。また、植物油脂にも着目し、中でも特に、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を用いることで、意外にも、これらの植物油脂が酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングできることを発見した。飲む人によって個人差があるものの、酸性タンパク質飲料は、トップ(口に入れてすぐ)に感じられる不快味が特に強く、さらにミドル(口に入れて少し時間が経った後)からエンド(最後に残る後味)にかけても不快味が感じられる傾向がある。これに対し、後述する実施例に示すように本発明に係るマスキング剤はトップ〜エンドにかけてのいずれかの時点における不快味を抑えることができ、酸性タンパク質飲料をまろやかで飲みやすくすることができる。
また、本発明に係るマスキング剤が中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む場合、マスキング対象に対して中鎖脂肪酸トリグリセリド自体が有する効果を付与することも期待できる。具体的には、例えば、ダイエット効果、筋力強化、高齢者の栄養補給、サルコペニアやフレイルティの予防・改善、スポーツ時のエネルギー補給・疲労回復等の効果が期待できる。
本発明に係るマスキング剤に用いられる中鎖脂肪酸トリグリセリドは、MCT(Medium Chain Triglyceride)とも称されるものであり、構成脂肪酸の長さが中程度であるトリグリセリドをいう。具体的には、炭素数が6以上12以下の範囲内であるトリグリセリドである。
なお、構成脂肪酸の炭素数は、8以上12以下の範囲内であることが好ましく、8以上10以下の範囲内であることがより好ましい。
なお、構成脂肪酸の炭素数は、8以上12以下の範囲内であることが好ましく、8以上10以下の範囲内であることがより好ましい。
中鎖脂肪酸の具体例としては、例えば、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸(エナント酸)、オクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリン酸)、ドデカン酸(ラウリン酸)等が挙げられる。また、1つのグリセロールに結合する3つの中鎖脂肪酸は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。グリセロールに複数種類の中鎖脂肪酸が結合する場合、これらの割合は特に限定されない。
中鎖脂肪酸トリグリセリドは、ココナッツ、パームフルーツ等の植物体の種子や、牛乳、乳製品等に含まれる油脂中に存在することが知られている。本発明において、中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、そのような油脂から抽出(粗抽出を含む。)あるいは精製(粗精製を含む。)したものを、適宜使用することができる。
なお、このような油脂は天然原料から得たものに限定されるものではなく、商業的に入手することも可能であり、本発明では、中鎖脂肪酸トリグリセリドとして市販品を用いてもよい。
なお、このような油脂は天然原料から得たものに限定されるものではなく、商業的に入手することも可能であり、本発明では、中鎖脂肪酸トリグリセリドとして市販品を用いてもよい。
本発明に係るマスキング剤に用いられる大豆油、コーン油、及びパーム油は、植物の種子若しくは果実、あるいは分別した油脂、水素添加した反応油脂、エステル交換した反応油脂等から抽出(粗抽出を含む。)あるいは精製(粗精製を含む。)したものを、適宜使用することができる。
なお、大豆油、コーン油、及びパーム油は天然原料から得たものに限定されるものではなく、商業的に入手することも可能であり、本発明では、大豆油、コーン油、及びパーム油として市販品を用いてもよい。
なお、大豆油、コーン油、及びパーム油は天然原料から得たものに限定されるものではなく、商業的に入手することも可能であり、本発明では、大豆油、コーン油、及びパーム油として市販品を用いてもよい。
本発明に係るマスキング剤は、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上のみからなるものであってもよく、これに加えて適当な希釈剤(増粘剤)或いは担体を含有するものであってもよい。
中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上と併用する希釈剤或いは担体としては、本発明の効果を損なわない範囲において特に限定されない。
例えば、アラビアガム、デキストリン、サイクロデキストリン、グルコース、スクロース等の固体状の希釈剤或いは担体;又は水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、食用油脂(大豆油、コーン油、及びパーム油を除く。)等の液状の希釈剤或いは担体等を挙げることができる。
例えば、アラビアガム、デキストリン、サイクロデキストリン、グルコース、スクロース等の固体状の希釈剤或いは担体;又は水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、食用油脂(大豆油、コーン油、及びパーム油を除く。)等の液状の希釈剤或いは担体等を挙げることができる。
また、上述した希釈剤或いは担体には、本発明に係るマスキング剤を所望の形状(剤型)に調製するために用いられる添加剤(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、乳化剤、溶解剤、増粘剤、滑沢剤、矯味剤、着色料、酸化防止剤等)が含まれうる。
更に、本発明に係るマスキング剤は、液状、懸濁液状、乳液状、ペースト状、粉末状、顆粒状、及びその他、任意の剤型にすることができる。
また、本発明に係るマスキング剤は、噴霧乾燥又は凍結乾燥等の定法に従って粉末化して粉末製剤として調製されてもよく、更に造粒されることで顆粒製剤として調製されてもよい。
本発明に係るマスキング剤には、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、当技術分野の当業者が製品設計を行う上で通常用いられうる他の原料を配合することができる。また、当該他の原料の種類や添加量は特に限定されず、前記マスキング剤の使用態様等に応じて適宜設定することができる。
前記他の原料としては、例えば、水、各種果汁(例えば、柑橘類、ブドウ等)、糖類(例えば、ショ糖、ブドウ糖果糖液糖、デキストリン等)、甘味料(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等)、油脂(例えば、ヤシ油、EPA、DHA等)、乳化剤(例えば、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等)、pH調整剤(例えば、クエン酸、フマル酸、酒石酸、リン酸等)、増粘剤(例えば、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、グルコマンナン、ジェランガム等)、ミネラル(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩等)、ビタミン(例えば、A,B,C,D,E,P,K等)、キレート剤(例えば、クエン酸ナトリウム、重合リン酸塩等)、各種香料、でん粉、デキストリン、グリセリン、卵、各種色素、酸味料(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等)、生理機能素材(例えば、アミノ酸、イソフラボン、サポニン、乳酸菌末、ペプチド類、グルコサミン等)等が挙げられる。
2.酸性タンパク質飲料
本発明に係る酸性タンパク質飲料(以下、単に「本発明に係る飲料」ともいう。)は、上述した本発明に係るマスキング剤と、タンパク質と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る飲料は、上述した本発明に係るマスキング剤を含むため、トップ〜エンドにかけてのいずれかの時点における不快味を抑えられ、まろやかで飲みやすい。
本発明に係る酸性タンパク質飲料(以下、単に「本発明に係る飲料」ともいう。)は、上述した本発明に係るマスキング剤と、タンパク質と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る飲料は、上述した本発明に係るマスキング剤を含むため、トップ〜エンドにかけてのいずれかの時点における不快味を抑えられ、まろやかで飲みやすい。
また、本発明に係るマスキング剤が中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む場合、本発明に係る飲料は、中鎖脂肪酸トリグリセリド及びタンパク質の両方を含むことから、例えば、ダイエット効果、筋力強化、高齢者の栄養補給、サルコペニアやフレイルティの予防・改善、スポーツ時のエネルギー補給・疲労回復等の効果が期待できる。
更には、本発明に係る飲料は、後述する実施例に示すようにその外観が濁った白色であり、見た目にもおいしそうで効果感を感じられるものである。
本発明に係る飲料は、液状で製品化されて消費者に飲用されうるものである。最近ではRTD飲料(Ready-To-Drink)と称される飲料や、経腸栄養剤をも含む広い概念である。
本発明に係る飲料は、流通形態の一例として、密封容器に充填及び密封されてそのまま密封容器詰め飲料として消費者に販売されうる。また別の例として、飲食店のサーバーに入れられ、消費者の要望に応じてカップ等に注入されて提供されうる。
本発明に係る飲料に用いられるタンパク質の由来は、特に限定されず、動物、植物、及び微生物の何れでもよい。また、タンパク質は、加工条件や保存管理条件によっても限定されず、生製品、加工製品、冷凍品、及び冷蔵品等の何れでもよい。また、固体状、半固体状、液状の何れでもよい。
なお、このようなタンパク質は商業的に入手することも可能であり、本発明では、タンパク質として市販品を使用してもよい。
なお、このようなタンパク質は商業的に入手することも可能であり、本発明では、タンパク質として市販品を使用してもよい。
タンパク質としては、例えば、植物性タンパク質と動物性タンパク質に大別される。植物タンパク質としては、例えば、大豆タンパク質等が挙げられる。大豆タンパク質は、大豆由来物をも含む概念であり、大豆由来物としては、例えば、大豆加工食品(例えば、納豆、湯葉等)、大豆タンパク質、濃縮大豆タンパク、分離大豆タンパク等が挙げられる。動物性タンパク質としては、例えば、乳タンパク質、牛骨、牛肉、牛皮等に由来する牛由来タンパク質、豚肉、豚骨、豚足、豚皮等に由来する豚由来タンパク質、鶏骨、鶏肉、鶏足、鶏皮等に由来する鶏タンパク等の畜産類に由来するタンパク質、イワシ、サバ、カツオ、マグロなどの魚介類に由来するタンパク質、乳タンパク質等が挙げられる。
乳タンパク質としては、例えば、乳又は乳製品に含まれるタンパク質、カゼインタンパク質、ホエイタンパク質等が挙げられる。
乳としては、例えば、牛乳、ヤギ乳、ヒトの母乳、馬乳等が挙げられる。また、乳製品としては、例えば、発酵品(例えば、チーズやヨーグルト等)、バター及びクリーム等が挙げられる。
ホエイタンパク質は、ホエイタンパク質由来物をも含む概念であり、ホエイタンパク質由来物としては、例えば、ホエイタンパク質分離物(WPI)、ホエイタンパク濃縮物(WPC)、α‐ラクトアルブミン、β‐ラクトグロブリン、ラクトフェリン等が挙げられる。
畜産類に由来するタンパク質としては、例えば、コラーゲン、ゼラチン等が挙げられる。また、ゼラチンを分解し低分子化したコラーゲンペプチドなども挙げられる。
乳としては、例えば、牛乳、ヤギ乳、ヒトの母乳、馬乳等が挙げられる。また、乳製品としては、例えば、発酵品(例えば、チーズやヨーグルト等)、バター及びクリーム等が挙げられる。
ホエイタンパク質は、ホエイタンパク質由来物をも含む概念であり、ホエイタンパク質由来物としては、例えば、ホエイタンパク質分離物(WPI)、ホエイタンパク濃縮物(WPC)、α‐ラクトアルブミン、β‐ラクトグロブリン、ラクトフェリン等が挙げられる。
畜産類に由来するタンパク質としては、例えば、コラーゲン、ゼラチン等が挙げられる。また、ゼラチンを分解し低分子化したコラーゲンペプチドなども挙げられる。
本発明では、これらの中でも、タンパク質として、乳タンパク質、大豆タンパク質、及びコラーゲンぺプチドからなる群より選ばれるいずれか一種以上を用いることが好ましく、乳タンパク質がより好ましい。
マスキング剤の配合割合は、飲料全体に対して0.01容量%以上であることが好ましく、0.1容量%以上であることがより好ましく、1容量%以上であることが更に好ましい。これにより、より効果的に酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングすることができる。
マスキング剤の配合割合は、飲料全体に対して30容量%以下であることが好ましく、15容量%以下であることがより好ましく、10容量%以下であることが更に好ましい。これにより、マスキング剤由来の臭いを抑えることができる。
マスキング剤の配合割合の範囲は、飲料全体に対して0.01容量%〜30容量%であることが好ましく、0.1容量%〜15容量%であることがより好ましく、1容量%〜10容量%であることが更に好ましい。
本発明に係る飲料は、栄養成分として、少なくともタンパク質を含有する酸性タンパク質飲料であり、タンパク質の配合割合は、飲料全体に対して0.5容量%以上であることが好ましく、1容量%以上であることがより好ましく、5容量%以上であることが更に好ましい。本発明に係る飲料は、タンパク質がこのように一定以上含まれていた場合であっても、マスキング剤によって不快味をマスキングすることができる。また、タンパク質を一定以上含むことで、タンパク質の摂取を目的とした、所謂高タンパク質飲料として需要者に提供しうる。
タンパク質の配合割合は、飲料全体に対して30容量%以下であることが好ましく、25容量%以下であることがより好ましく、20容量%以下であることが更に好ましい。これにより、より効果的に酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングすることができる。タンパク質の配合割合が30容量%を超えると水に溶解しにくくなり、経時的にゲル化しやすくなるが、30容量%以下であれば水への溶解がしやすく、製造が容易になる。
タンパク質の配合割合は、飲料全体に対して0.5容量%〜30容量%であることが好ましく、1容量%〜25容量%であることがより好ましく、5容量%〜20容量%であることが更に好ましく、5容量%〜15容量%であることが特に好ましい。5容量%〜20容量%であると、タンパク質の配合量がより少量である場合と比較して、配合量の増加に伴う不快味の発生を抑制しつつ、酸性タンパク質飲料中にタンパク質を多く配合することができる。5容量%〜15容量%であると、タンパク質を溶解させやすくなり、製造がさらに容易になる。
本発明に係る飲料には、上述したものの他に、本発明の効果を損なわない範囲で、当技術分野の当業者が製品設計を行う上で通常用いられうる他の原料を配合することができる。また、他の原料の種類や添加量は特に限定されず、適宜設定することができる。
なお、他の原料については、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
なお、他の原料については、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
3.不快味マスキング方法
本発明に係る不快味マスキング方法では、上述した本発明に係るマスキング剤を添加することを特徴とする。具体的には、例えば、酸性プロテイン飲料に対して本発明に係るマスキング剤を添加する方法が挙げられる。また、後述する製造方法に示される通り、酸性プロテイン飲料の製造工程のいずれかの段階で本発明に係るマスキング剤を添加又は混合する方法も挙げられる。
これにより、酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングすることができる。
本発明に係る不快味マスキング方法では、上述した本発明に係るマスキング剤を添加することを特徴とする。具体的には、例えば、酸性プロテイン飲料に対して本発明に係るマスキング剤を添加する方法が挙げられる。また、後述する製造方法に示される通り、酸性プロテイン飲料の製造工程のいずれかの段階で本発明に係るマスキング剤を添加又は混合する方法も挙げられる。
これにより、酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングすることができる。
4.酸性タンパク質飲料の製造方法
本発明に係る酸性タンパク質飲料の製造方法では、酸性タンパク質飲料を製造する際に、上述した本発明に係るマスキング剤を添加する工程を行うことを特徴とする。
これにより、不快味がマスキングされた酸性タンパク質飲料の製造が可能となる。
本発明に係る酸性タンパク質飲料の製造方法では、酸性タンパク質飲料を製造する際に、上述した本発明に係るマスキング剤を添加する工程を行うことを特徴とする。
これにより、不快味がマスキングされた酸性タンパク質飲料の製造が可能となる。
具体的には、例えば、本発明に係るマスキング剤、及びタンパク質、また、必要に応じて、糖類、乳化剤、甘味料、香料等を水に添加し、ホモジナイザー等で各成分が均一に混在するように撹拌混合する。また、必要に応じて、殺菌、冷却等の処理を行ってもよい。ホモジナイザー処理で中鎖脂肪酸トリグリセリドを微粒子化することで、水分散性を向上させ、まろやかな飲み口とすることできる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
[酸性タンパク質飲料の製造I]
下記表1に記載の各種原料を、高圧ホモジナイザー(L01-YH1;三和エンジニアリング社製)を用いて80MPaで撹拌混合し、実施例1〜3及び比較例1の酸性タンパク質飲料を得た。
下記表1に記載の各種原料を、高圧ホモジナイザー(L01-YH1;三和エンジニアリング社製)を用いて80MPaで撹拌混合し、実施例1〜3及び比較例1の酸性タンパク質飲料を得た。
<実験例1>
本実験例1では、上述した通り得られた実施例1及び比較例1の酸性プロテイン飲料について、味を比較した。
具体的には、実施例1及び比較例1の酸性プロテイン飲料を、専門パネル13名にて試飲した。
本実験例1では、上述した通り得られた実施例1及び比較例1の酸性プロテイン飲料について、味を比較した。
具体的には、実施例1及び比較例1の酸性プロテイン飲料を、専門パネル13名にて試飲した。
本実験例1の結果を下記表2に示す。
上記表2に示した通り、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む実施例1の方が比較例1と比べると、特に、トップ(飲み始めの段階)〜ミドル(飲用中盤)における収斂味が少なく、不快味がマスキングされていたことが分かった。
また、実施例1は、その外観が濁った白色であった。比較例1はわずかに濁った薄い黄色であった。
<実験例2>
本実験例2では、上述した通り得られた実施例2、3及び比較例1の酸性プロテイン飲料について、特にトップの収斂味に着目して比較した。
具体的には、実施例2、3及び比較例1の酸性プロテイン飲料を、専門パネル5名にて試飲した。
本実験例2では、上述した通り得られた実施例2、3及び比較例1の酸性プロテイン飲料について、特にトップの収斂味に着目して比較した。
具体的には、実施例2、3及び比較例1の酸性プロテイン飲料を、専門パネル5名にて試飲した。
本実験例2の結果を下記表3及び4に示す。
上記表3及び4に示した通り、中鎖脂肪酸トリグリセリドの使用量を上述した実施例1から変更した実施例2及び3においても、これらの方が比較例1と比べて、トップにおける収斂味が少なく、不快味がマスキングされていることが分かった。
[酸性タンパク質飲料の製造II]
下記表5に記載の各種原料を、高圧ホモジナイザー(L01-YH1;三和エンジニアリング社製)を用いて80MPaで撹拌混合し、実施例4〜6及び比較例2、3の酸性タンパク質飲料を得た。
下記表5に記載の各種原料を、高圧ホモジナイザー(L01-YH1;三和エンジニアリング社製)を用いて80MPaで撹拌混合し、実施例4〜6及び比較例2、3の酸性タンパク質飲料を得た。
<実験例3>
本実験例3では、上述した通り得られた実施例4〜6及び比較例2、3の酸性プロテイン飲料について、トップ〜エンドの収斂味に着目して比較した。
具体的には、実施例4〜6及び比較例2、3の酸性プロテイン飲料を、専門パネル8名にて試飲した。
本実験例3では、上述した通り得られた実施例4〜6及び比較例2、3の酸性プロテイン飲料について、トップ〜エンドの収斂味に着目して比較した。
具体的には、実施例4〜6及び比較例2、3の酸性プロテイン飲料を、専門パネル8名にて試飲した。
本実験例3の結果を下記表6〜9に示す。
上記表6〜9に示した通り、大豆油を含む実施例4の方が比較例2と比べると、特に、トップ(飲み始めの段階)〜ミドル(飲用中盤)における収斂味が少なく、不快味がマスキングされていたことが分かった。また、パーム油を含む実施例5の方が比較例2と比べると、特に、トップ(飲み始めの段階)とエンド(飲み終わりの段階)における収斂味が少なく、不快味がマスキングされていたことが分かった。更には、コーン油を含む実施例6の方が比較例2と比べると、特に、エンド(飲み終わりの段階)における収斂味が少なく、不快味がマスキングされていたことが分かった。一方で、なたね油を含む比較例3については、不快味のマスキング効果が得られなかった。
また、本発明の他の実施例として、以下の表10及び11に示す配合割合で、配合例1及び2の酸性タンパク質飲料を調製した。
本発明に係るマスキング剤は、酸性タンパク質飲料の不快味をマスキングする優れた効果を有する。また、本発明に係るマスキング剤は、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含むものであるから、安全性が高く、また、その入手も容易であることから当技術分野において非常に有用である。
Claims (6)
- 中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料用不快味マスキング剤。
- 中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料用不快味マスキング剤と、
タンパク質と、
を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料。 - 前記マスキング剤の配合割合が、飲料全体に対して0.01容量%〜30容量%である、請求項2に記載の酸性タンパク質飲料。
- 前記タンパク質の配合割合が、飲料全体に対して0.5容量%〜30容量%である、請求項2又は3に記載の酸性タンパク質飲料。
- 中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料用不快味マスキング剤を添加する、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料の不快味マスキング方法。
- 中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、コーン油、及びパーム油からなる群より選ばれるいずれか一種以上を含む、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料用不快味マスキング剤を添加する工程を行う、pH4.0未満の酸性タンパク質飲料の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019216907 | 2019-11-29 | ||
JP2019216907 | 2019-11-29 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021090412A true JP2021090412A (ja) | 2021-06-17 |
Family
ID=76310978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020194393A Pending JP2021090412A (ja) | 2019-11-29 | 2020-11-24 | 不快味マスキング剤、酸性タンパク質飲料、不快味マスキング方法、及び酸性タンパク質飲料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021090412A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022249680A1 (ja) | 2021-05-28 | 2022-12-01 | 富士加飾株式会社 | リサイクル炭素繊維収束体組成物、およびその製造方法 |
WO2024136326A1 (ko) * | 2022-12-22 | 2024-06-27 | 씨제이제일제당 (주) | 이취를 최소화하고 입촉감이 향상된 식물성 단백질 함유 음료 및 이의 제조 방법 |
-
2020
- 2020-11-24 JP JP2020194393A patent/JP2021090412A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022249680A1 (ja) | 2021-05-28 | 2022-12-01 | 富士加飾株式会社 | リサイクル炭素繊維収束体組成物、およびその製造方法 |
WO2024136326A1 (ko) * | 2022-12-22 | 2024-06-27 | 씨제이제일제당 (주) | 이취를 최소화하고 입촉감이 향상된 식물성 단백질 함유 음료 및 이의 제조 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
ES2837050T3 (es) | Composición nutricional líquida que comprende caseína micelar y proteína de suero de leche hidrolizada | |
JP5603871B2 (ja) | ホエータンパク質組成物、方法及び使用 | |
EP2651249B1 (en) | Method for making whey protein composition with a reduced astringency | |
JP5025657B2 (ja) | 乳清タンパク質及び脂質を含む組成物、並びにそれらを調製する方法 | |
KR20180039724A (ko) | 웰란 검 함유 조성물 | |
CN101394756A (zh) | 具有改善的味觉印象的食品和饮品 | |
CN109310129A (zh) | 新型发酵调味料组合物 | |
KR20130041388A (ko) | 치아 종자 조성물 | |
WO2015129107A1 (ja) | 大豆粉末を使用した食品及びその製造方法 | |
TWI741975B (zh) | 肌肉合成促進劑 | |
WO2013051556A1 (ja) | 飲料組成物 | |
JP2007209268A (ja) | 飲料、冷菓、デザート、菓子、惣菜及びその他加工品を含む食品全般に渡る呈味改良 | |
JP2021090412A (ja) | 不快味マスキング剤、酸性タンパク質飲料、不快味マスキング方法、及び酸性タンパク質飲料の製造方法 | |
JP6715930B2 (ja) | ゲル状食品組成物及びこれを用いた食品 | |
CN102370005A (zh) | 一种营养强化液体奶的生产工艺 | |
JP4063022B2 (ja) | 液状飲食品用組成物および飲食品 | |
JP2001061444A (ja) | 高カロリー高蛋白質流動食 | |
Tariq et al. | Nutritional and therapeutic properties of whey | |
JP3830137B2 (ja) | 乳又は動物性タンパク質の臭気抑制剤 | |
JP6841371B1 (ja) | 鉄化合物およびコラーゲン含有組成物 | |
JP6753255B2 (ja) | 液体栄養組成物 | |
CN102469826A (zh) | 富含ω-3脂肪酸的汤和调味料 | |
JP2002335913A (ja) | ミネラル強化栄養補給用食品 | |
JP2001178413A (ja) | 栄養食品 | |
Sahar et al. | Contribution of Animal Origin Foods in the Human Diet |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20210712 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230824 |