JP2021081493A - 剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム、およびそれを使用した波長変換シートとその製造方法 - Google Patents

剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム、およびそれを使用した波長変換シートとその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光体発光ユニットを製造するバリア層の形成工程において、バリア層を有する保護フィルムに剥離フィルムを積層した状態で、蛍光体に貼り合せ、加熱処理後、蛍光体保護フィルムに熱シワが生じたり、剥離フィルムの粘着層が残留したりしない蛍光体保護フィルムを得る。【解決手段】外側から保護基材層(12)とバリア層(13)と蛍光体接着層(14)とを備える保護フィルム(1)と、前記保護フィルム外面に接着し剥離可能な微粘着層(22)とプロテクトフィルム(21)とからなる剥離フィルム(2)と、を備えた剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムにおいて、微粘着層が、光重合開始剤を含むイソシアネート系接着剤からなることを特徴とする剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、量子ドットを代表する蛍光体を製造するのに用いられる保護フィルムに関する。
液晶ディスプレイのバックライトユニット、およびエレクトロルミネッセンス発光ユニット等の発光ユニットには、LEDから発生したレーザー光を入射させ、そのレーザー光の波長を変化させる波長変換シートである蛍光体が使用されている。蛍光体は、波長の変化によってその色彩が変化することから、さまざまな波長、さまざまな色彩に変化した光を表示光として、カラーの画面を表示することができる。
上記蛍光体は酸素、又は水蒸気などと接触して長時間が経過することにより、性能が低下することがある。このような低下を防ぐ為、蛍光体を含む蛍光体層に保護フィルムを重ね、あるいはこの保護フィルムで蛍光体層を挟んだ蛍光体発光ユニットを形成している。
例えば、特許文献1には、
対向配置された一対の基材と、前記一対の基材間に設けられると共に、層毎に異なる種類の蛍光体を有する複数の色変換層とを備えた色変換部材であって、
前記一対の基材はそれぞれ、前記複数の色変換層を保護するバリアフィルムであり、
前記複数の色変換層はそれぞれ、互いに異なる種類の蛍光体とその蛍光体を保持する樹脂層とを有し、
前記複数の色変換層における各樹脂層は、前記蛍光体の種類毎に異なる接着材を含む色変換部材、いわゆる蛍光体発光ユニットを提案している。
ところで、テレビジョン等に使用される上記蛍光体発光ユニットには、ハンドリング等の理由から、100μm程の厚みを有する蛍光体保護フィルムを用いている。100μm程の大きな厚みを有する蛍光体保護フィルムの場合、保護フィルムの嵩増しフィルムが、高いヤング率を有することから、加熱する工程があっても、安定した製造が可能である。しかしながら、モバイル用途では、薄さが重要な項目となり、20〜30μm程度に薄い構成が求められている。
ところが、バリア層の形成工程において、高熱が掛かる為、薄いモバイル用途の蛍光体保護フィルムでは、流れ方向に高温によって発生する熱シワが発生する問題が生じる。
熱シワが生じた状態の保護フィルムを使用して、蛍光体発光ユニットを製造すると、積層する時に、均一な厚みの蛍光体層を形成することが困難になり、蛍光体の発光ムラなどの不具合が生じるなどの問題があった。
特開2011−13567号公報
そこで、蛍光体発光ユニットを製造するバリア層の形成工程において、バリア層を有する保護フィルムに剥離フィルムを積層した状態で、蛍光体に貼り合せ、加熱処理後、蛍光体保護フィルムに熱シワが生じたり、剥離フィルムの粘着層が残留したりしない蛍光体保
護フィルムを得ることが本発明の課題である。
本発明は、外側から保護基材層とバリア層と蛍光体接着層とを備える保護フィルムと、前記保護フィルム外面に接着し剥離可能な微粘着層とプロテクトフィルムとからなる剥離フィルムと、
を備えた剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムにおいて、
微粘着層が、光重合開始剤を含むイソシアネート系接着剤からなることを特徴とする剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムである。
本発明の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムは、蛍光体に貼り合せて加熱後、光重合開始剤を含むイソシアネート系接着剤が微粘着層の主成分である為、紫外線を照射することによって、容易に微粘着層の粘着性が低下し、微粘着層の残留や熱シワなどが発生させることなく剥離フィルムを剥がして、保護フィルム付きの波長変換シートを得ることができる。
本発明の実施形態例における剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムの構成を示す断面図である。 本発明の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムを蛍光体に貼り合せた状態を示す断面図である。 本発明の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムを蛍光体に貼り合せた後、剥離フィルムを剥がした状態を示す断面図である。
以下、本発明の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムについて、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態例における剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムの構成を示す断面図である。
本発明の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムは、蛍光体保護フィルム1と、剥離フィルム2とから構成されている。
上記蛍光体保護フィルム1は、外側から順に、機能層11、保護基材層12、バリア層13、蛍光体接着層14、から構成されている。
さらに、上記剥離フィルム2は、少なくとも外側から順に、プロテクトフィルム21、微粘着層22、から構成されている。
前記機能層11は、干渉縞防止、反射防止、光拡散、帯電防止、傷付き防止などから少なくとも一つ以上の機能を有する層である。
干渉縞防止、反射防止、光拡散などの機能を付与するのに、例えば、バインダー樹脂と微粒子とを含んで構成された塗布膜であっても良い。
帯電防止、傷付き防止などの機能を付与するのに、帯電防止剤やアクリル系樹脂粒子などを混入した塗布膜であっても良い。
この場合には、層の表面から微粒子の一部が露出するように微粒子がバインダー樹脂に埋め込まれることにより、表面には微細な凸凹が生じても良い。
機能層11に使用される上記バインダー樹脂としては、光学的透明性に優れた樹脂を用いる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いることができる。中でも、耐光性や光学特性に優れるアクリル系樹脂が望ましい。もちろん、これらの単体樹脂だけではなく、複数の樹脂を組み合わせて使用することもできる。
機能層11に使用される光拡散用の微粒子としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などの有機微粒子も用いることができる。バインダー樹脂の屈折率とできるだけ離れた屈折率を有する微粒子が好ましい。
微粒子の粒径は、0.1〜30μmが好ましく、特に0.5〜10μmがより好ましい。0.1μm未満では、細かくて、バインダーに埋め込まれて、光拡散の効果を出しにくい。
また、30μm以上では、表面が粗過ぎて、適切な剥離フィルムとの粘着力を得られにくく、加熱中に剥離して、貼った効果が得られない。
前記保護基材層12は、蛍光体保護フィルム1全体を支える層であって、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、2軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム、および、それらの共重合体フィルムが使用できる。保護基材層12の厚さは、保護基材と剥離フィルムとの合計の厚さが、前記剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム総厚の60パーセント以上となるように考慮して、決定することが望ましい。
また、保護基材層12単体の厚みは、9〜30μmとする。保護基材層12の厚みが9μm未満の場合、保護フィルム全体の強度を保つことができない。他方、30μm未満の厚みであれば、効率的に生産できると共に、発光ユニット全体の厚みを薄くして、重量を低い状態に維持できる。
前記バリア層13は、例えば、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物および金属アルコキシド重合物からなる群より選択される少なくとも一種の成分と、水酸基含有高分子化合物と、必要に応じてシランカップリング剤とを含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を無機薄膜層の表面に塗布し、例えば80〜250℃で加熱乾燥させることで形成することができる。
このガスバリア層形成工程においても、保護基材層には張力が働く。そして、この張力や加熱乾燥が保護フィルムのシワの原因にもなることもある。
乾燥温度を120℃以上にすることによって、水蒸気バリア性を向上させることができる。
前記蛍光体接着層14は、蛍光体表面に保護フィルムを接着する接着層である。
蛍光体接着層に使用する接着剤や粘着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤などが使用できる。接着剤はエポキシ樹脂を含むことが望ましい。
粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、でんぷん系粘着剤などが使用できる。
蛍光体接着剤層の厚さは、0.5〜50μmとする。これは、0.5μm未満では、密着性が得られない。また、50μm以上ではガスバリア性が低下する問題が発生する為である。この内、特に2〜6μmが好ましい。
上記プロテクトフィルム21は、保護フィルム1の製造過程で生じやすいシワを、発生しないように抑制する為のフィルムである。
この為、耐熱性や剛性が高く、充分な弾力性を有するフィルムが求められる。
具体的には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなフィルムが使用でき
る。この他、透明フィルムでは、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリイミドフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルムなどが考えられる。
以上の中では、特に高温で熱固定された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
プロテクトフィルムは、単層構造の樹脂フィルムで構成されていても良いが、複数の樹脂フィルムを積層した多層構造の樹脂フィルムで構成されていても良い。
プロテクトフィルムは、保護フィルムを傷などの損傷から保護する保護機能も有している。
また、プロテクトフィルムは、着色されたフィルムであっても良い。着色されていると、視認性が増し、蛍光体を製造する際に剥離し易いと共に、剥離フィルムの剥がし忘れを防止することができる。
微粘着層は、保護フィルムに、プロテクトフィルムを製造過程で接着する層で、蛍光体に保護フィルムに貼りつけた状態で保持される。
微粘着層の主成分は、光重合開始剤を含むイソシアネート系接着剤とし、紫外線光照射によって粘着性が低下し、剥離フィルムが保護フィルムから容易に剥離可能とする。
光重合開始剤は、アルキルフェノン系光重合開始剤を添加する。
微粘着層の厚みは、機能層11とプロテクトフィルム21とを接着でき、かつ、後工程で容易に剥離可能とする為に、3μm〜5μmとする。
微粘着層は、加熱処理したりして製造した後は、保護フィルムから完全に剥がれて残らない、また、剥離時に保護フィルムや蛍光体に歪等の問題を起こさないことが求められる。
微粘着層に用いる粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、でんぷん系粘着剤などが使用できる。
微粘着層には、確実に機能層11から剥離し易いように、光重合開始剤を添加する。
光重合開始剤からラジカル種が発生し、オリゴマー同士の重合反応が進行して、網の目構造が形成される。網の目構造を形成することによって、微粘着剤ポリマーの流動が拘束され、弾性率の増加が起きて、密着性を低下させると共に、微粘着層の残留をなくすことができる。
微粘着層を形成する粘着剤の構成は、粘着主剤:硬化剤:安定剤(アセチルアセトン):酢酸エチル:光重合開始剤が、30〜32:0.3〜0.7:0.3〜0.7:66〜69:0.2〜1.2の比率の範囲で使用できるが、
粘着主剤:硬化剤:安定剤(アセチルアセトン):酢酸エチル:光重合開始剤が、30〜31:0.35〜0.6:0.3〜0.5:67.5〜68.5:0.6〜1.2の比率が好ましい。
使用する粘着主剤としては、端末官能基がイソシアネート系硬化剤と反応して硬化する素材を使用する。例えば、アクリル系粘着剤のサイデン化学株式会社製サイビノールMS−3999、サイビノールOC−3405、などが使用できる。
硬化剤には、末端官能基が水酸基の主剤と硬化する材料を使用する。例えば、イソシアネート系硬化剤のサイデン化学株式会社製サイビノールK−315、サイビノールK−341、などが使用できる。
使用する光重合開始剤としては、アルキルフェノン系光重合開始剤が使用できる。例えば、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルジメチルケター
ル系光重合開始剤;
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、
2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤;
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、
2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤が挙げられる。
ベンジルジメチルケタール系光重合開始剤の市販品としてはBASFジャパン社製のイルガキュア651等が挙げられる。
α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤の市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュア184、ダロキュア1173、イルガキュア2959、イルガキュア127等が挙げられる。
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤の市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379等が挙げられる。
図2は、本発明の剥離フィルム2付き蛍光体保護フィルム1を蛍光体3に貼り合せた状態を示す断面図である。
剥離フィルム2は、蛍光体保護フィルム1に微粘着したまま、蛍光体3の表裏に、蛍光体接着層を向かい合わせて、その中に挟んで包み、ヒートラミネーターで加熱・圧着して製造される。
図3は、本発明の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムを蛍光体3に貼り合せた後、剥離フィルム2を剥がした状態を示す断面図である。
蛍光体に剥離フィルム2付き蛍光体保護フィルム1を加熱・圧着後、充分に冷却してから、剥離フィルム2を剥離する。
この時、粘着剤残りを発生させない為に剥離する前に、紫外線照射を行い、微粘着層22を硬化させる。
紫外線照射は、光重合開始剤によって異なるが、たとえば、波長243〜331nmを含む高圧水銀ランプなどを使用し、180mJ/cm程の照射量を与え、硬化させる。
蛍光体3としては、量子ドットなどが用いられる。量子ドットとしては、例えば、発光部のコアが保護膜としてのシェルにより被覆されたものが挙げられる。
コアとしては、例えば、セレン化カドニウム、シェルとしては、硫化亜鉛、などが挙げられる。
コアが第一シェル、第二シェルにより二重に被覆されたものであっても良い。コアにセレン化カドニウムを使用し、第一シェルにセレン化亜鉛、第二シェルに硫化亜鉛のような組み合わせなどが挙げられる。
また、量子ドット以外の蛍光体として、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG):セレン等を用いることもできる。
蛍光体3は、保護フィルム1付きの状態で使用される。
保護フィルム1を貼り合せる時には、剥離フィルムも合わせた状態で貼り合せるので、腰
があって、充分に耐熱性の高い構成で製造することができる。
しかし、実際に蛍光体3をモバイル等に組み込んで使用するには、肉厚や透明性の無い剥離フィルム2を剥がしてから組み込むので、薄くて軽くモバイルにも使用できる品質の良い蛍光体が得られる。
蛍光体用バリアフィルムの光拡散層側に剥離可能な微粘着剤でプロテクトフィルムを貼り合せることで、モバイル向けの薄肉とした試作実験を行った。
実験品を評価するのに、微粘着剤の光重合開始剤の量が異なったサンプルを作成し、その剥離力を紫外線照射前と紫外線照射後で測定し、かつ、紫外線照射後の剥離で、機能層側へ粘着層が取られていないか、その有無を確認した。
<実験例1>
蛍光体用バリアフィルムの光拡散層側に剥離可能な微粘着剤でプロテクトフィルムを貼り合せることで、モバイル向けの薄肉とした熱シワ対策品を試作した。
保護基材層として、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ23.5μm)を使用。プロテクトフィルムを2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ75μm)とした。
バリア層は、まず、酸化珪素を真空蒸着で無機薄膜層30nmの厚みに設けた。
光拡散層は、アクリル系ポリオール樹脂にイソシアネート系硬化剤、ポリウレタン微粒子粒径2μmと、溶剤として酢酸エチルを加えて塗布し、80℃1分間で乾燥し、保護基材層の外面側に光拡散層を形成した。
蛍光体接着層は、トラエトキシシランとポリビニルアルコールとを1:1で混合した溶液を塗工し180℃で1分間乾燥して0.5μmとし、保護基材層内側の無機薄膜層30nm側に蛍光体接着層を設けた。
微粘着剤層として、粘着主剤をサイデン化学株式会社製サイビノール(登録商標)MS−3999のアクリル系粘着剤とし30.56部、
イソシアネート硬化剤をサイデン化学株式会社製サイビノール(登録商標)K−315とし0.67部、
安定剤としてアセチルアセトンを0.61部、
溶剤として酢酸エチルを68.15部加えた。
しかし、光重合開始剤は加えなかった。
これらを充分に混合して塗工し、80℃1分間で乾燥させて、プロテクトフィルムの保護フィルム側に厚さ4.0μmの微粘着層を形成した。
<実験例2>
微粘着剤層は、粘着主剤をサイデン化学株式会社製サイビノール(登録商標)MS−3999のアクリル系粘着剤とし30.51部、
イソシアネート硬化剤をサイデン化学株式会社製サイビノール(登録商標)K−315とし0.62部、
安定剤としてアセチルアセトンを0.56部、
光重合開始剤としてBASFジャパン株式会社製イルガキュア(登録商標)I−184を0.20部、
溶剤として酢酸エチルを68.10部加えた。
これらを充分に混合して塗工し、80℃1分間で乾燥させて、プロテクトフィルムの保護フィルム側に厚さ3.5μmの微粘着層を形成した。
その他の保護基材層、バリア層、光拡散層、蛍光体接着層は、実験例1と同じに作成した。
<実験例3>
微粘着剤層は、実験例2と同じ素材だが配合を変更し、粘着主剤を30.46部、イソシアネート硬化剤を0.57部、安定剤を0.51部、光重合開始剤を0.40部、溶剤を68.05部加えた。
これらを充分に混合して塗工し、80℃1分間で乾燥させて、プロテクトフィルムの保護フィルム側に厚さ3.5μmの微粘着層を形成した。
その他の保護基材層、バリア層、光拡散層、蛍光体接着層は、実験例1と同じに作成した。
<実験例4>
微粘着剤層は、実験例2と同じ素材だが配合を変更し、粘着主剤を30.41部、イソシアネート硬化剤を0.52部、安定剤を0.46部、光重合開始剤を0.60部、溶剤を68.00部加えた。
これらを充分に混合して塗工し、80℃1分間で乾燥させて、プロテクトフィルムの保護フィルム側に厚さ3.5μmの微粘着層を形成した。
その他の保護基材層、バリア層、光拡散層、蛍光体接着層は、実験例1と同じに作成した。
<実験例5>
微粘着剤層は、実験例2と同じ素材だが配合を変更し、粘着主剤を30.36部、イソシアネート硬化剤を0.47部、安定剤を0.41部、光重合開始剤を0.80部、溶剤を67.95部加えた。
これらを充分に混合して塗工し、80℃1分間で乾燥させて、プロテクトフィルムの保護フィルム側に厚さ3.5μmの微粘着層を形成した。
その他の保護基材層、バリア層、光拡散層、蛍光体接着層は、実験例1と同じに作成した。
<実験例6>
微粘着剤層は、実験例2と同じ素材だが配合を変更し、粘着主剤を30.31部、イソシアネート硬化剤を0.42部、安定剤を0.36部、光重合開始剤を0.99部、溶剤を67.90部加えた。
これらを充分に混合して塗工し、80℃1分間で乾燥させて、プロテクトフィルムの保護フィルム側に厚さ3.5μmの微粘着層を形成した。
その他の保護基材層、バリア層、光拡散層、蛍光体接着層は、実験例1と同じに作成した。
<実験例7>
微粘着剤層は、実験例2と同じ素材だが配合を変更し、粘着主剤を30.26部、イソシアネート硬化剤を0.37部、安定剤を0.31部、光重合開始剤を1.19部、溶剤を67.85部加えた。
これらを充分に混合して塗工し、80℃1分間で乾燥させて、プロテクトフィルムの保護フィルム側に厚さ3.5μmの微粘着層を形成した。
その他の保護基材層、バリア層、光拡散層、蛍光体接着層は、実験例1と同じに作成した。
<実験例8>
微粘着剤層は、実験例2と同じ素材だが配合を変更し、粘着主剤を30.16部、イソシアネート硬化剤を0.27部、安定剤を0.21部、光重合開始剤を1.59部、溶剤を67.75部加えた。
これらを充分に混合して塗工し、80℃1分間で乾燥させて、プロテクトフィルムの保護フィルム側に厚さ3.5μmの微粘着層を形成した。
その他の保護基材層、バリア層、光拡散層、蛍光体接着層は、実験例1と同じに作成した。
<実験例9>
微粘着剤層は、実験例2と同じ素材だが配合を変更し、粘着主剤を30.06部、イソシアネート硬化剤を0.18部、安定剤を0.11部、光重合開始剤を1.99部、溶剤を67.65部加えた。
これらを充分に混合して塗工し、80℃1分間で乾燥させて、プロテクトフィルムの保護フィルム側に厚さ3.5μmの微粘着層を形成した。
その他の保護基材層、バリア層、光拡散層、蛍光体接着層は、実験例1と同じに作成した。
Figure 2021081493
<評価内容>
上記実験例の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムを、蛍光体として、セレン化カドムミウムなどの発光部が硫化亜鉛のシェルに被覆されている量子ドットに使用した。
量子ドットを実験例の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムで表裏、蛍光体接着層を向かい合わせて、その中に挟んで包み、ヒートラミネーターで、ラミネート温度40℃、速度1m/min、ラミネート圧力0.5MPaで圧着した。
紫外線照射は、波長243〜331nmを含む高圧水銀ランプを使用し、180mJ/cm程の照射量を与え、微粘着層を硬化させた。
剥離強度は、蛍光体に圧着後、紫外線照射前の室温に30分間放置後と、紫外線照射後の室温30分放置後に、25mm幅にナイフで切れ目を入れ、JIS K 6854−1のT字はく離のはく離接着強さ試験方法に準拠して、剥離速度を50mm/minとし、剥離強度を測定した。
剥離強度測定後、その剥離部分の粘着層の転移を拡大鏡で観察し、転移の有無を確認した。
<剥離評価結果>
微粘着層に添加する光重合開始剤が0.20重量パーセント未満では、微粘着層の一部に転移が発生した。
また、光重合開始剤が1.20重量パーセント以上の場合、密着性に問題が生じた。
以上のことから、微粘着層に添加する光重合開始剤は、アルキルフェノン系光重合開始剤で、その添加量は0.2〜1.2重量パーセント添加すると、転移や密着性の問題が発生しないと判断される。
Figure 2021081493
本発明の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムは2枚用意し、その蛍光体接着層同士を向かい合わせ、その中に蛍光体を挟んで包み、ヒートラミネーターで加熱・圧着して製造される。
この時、腰のある剥離フィルムが粘着しているので、シワが発生せずに、加熱接着させることができる。そして、その剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムを貼り合せた後に、紫外線を照射することによって、微粘着層内部の光重合開始剤が働き、粘着強度が低下し、転移することなく、剥離フィルムが容易に保護フィルムの機能層から剥離し易くなる。
剥離フィルムを剥離することによって、保護フィルム付き蛍光体は、薄くて、軽い波長変換シートとなり、モバイルなどに使用するのに適した波長変換シートにすることができた。
薄肉の蛍光体製造工程では、一時的に本発明の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムを使用することによって、熱シワを防止し、加工後、剥離することによって、生産効率の高い安定した供給が可能になった。
特に、紫外線を照射するだけで、粘着剤の転移の無い波長変換シートを得ることができるので、軽量で薄肉の波長変換シートを製造するのに非常に有効であり、本発明のメリットは大きい。
1・・・・・・・・蛍光体保護フィルム
11・・・・・・・機能層
12・・・・・・・保護基材層
13・・・・・・・バリア層
14・・・・・・・蛍光体接着層
2・・・・・・・・剥離フィルム
21・・・・・・・プロテクトフィルム
22・・・・・・・微粘着層
3・・・・・・・・蛍光体

Claims (8)

  1. 外側から保護基材層とバリア層と蛍光体接着層とを備える保護フィルムと、
    前記保護フィルム外面に接着し剥離可能な微粘着層とプロテクトフィルムとからなる剥離フィルムと、
    を備えた剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムにおいて、
    微粘着層が、光重合開始剤を含むイソシアネート系接着剤からなることを特徴とする剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム。
  2. 前記微粘着層は、紫外線照射によって粘着性が低下し、剥離フィルムが保護フィルムから容易に剥離可能としたことを特徴とする請求項1に記載の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム。
  3. 前記光重合開始剤が、アルキルフェノン系光重合開始剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム。
  4. 前記微粘着層が、光重合開始剤のアルキルフェノン系光重合開始剤を0.2〜1.2重量パーセント添加した微粘着層であることを特徴とする請求項3に記載の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム。
  5. 保護基材層の外側に機能層を有し、前記機能層は、少なくとも、干渉縞防止、反射防止、光拡散、帯電防止、傷付き防止などから一つ以上の機能を有する層としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムを二枚使用し、それぞれの蛍光体接着層を向かい合わせ、その間に蛍光体を挟んで包み、圧着したことを特徴とする剥離フィルム付き波長変換シート。
  7. 請求項6に記載の剥離フィルム付き波長変換シートから、表裏の剥離フィルムを剥離してなることを特徴とする波長変換シート。
  8. 外側から保護基材層とバリア層と蛍光体接着層とを備える保護フィルムと、
    主成分が光重合開始剤を含むイソシアネート系接着剤からなる微粘着層とプロテクトフィルムとからなる剥離フィルムと、
    を備えた剥離フィルム付き蛍光体保護フィルムの蛍光体接着層同士を向かい合わせ、その中に蛍光体を挟んで圧着する工程と、
    紫外線を照射する工程と、
    表裏の剥離フィルムを剥離する工程と、からなることを特徴とする波長変換シートの製造方法。
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