JP2021080973A - 転がり軸受及びその製造方法 - Google Patents

転がり軸受及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021080973A
JP2021080973A JP2019207438A JP2019207438A JP2021080973A JP 2021080973 A JP2021080973 A JP 2021080973A JP 2019207438 A JP2019207438 A JP 2019207438A JP 2019207438 A JP2019207438 A JP 2019207438A JP 2021080973 A JP2021080973 A JP 2021080973A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cage
rolling bearing
irregularities
manufacturing
pocket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019207438A
Other languages
English (en)
Inventor
英夫 福添
Hideo Fukuzoe
英夫 福添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2019207438A priority Critical patent/JP2021080973A/ja
Publication of JP2021080973A publication Critical patent/JP2021080973A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】保持器の摩耗を抑制し、耐久性を高めることができ、また、強度を向上することができる転がり軸受を提供する。【解決手段】前記保持器は、少なくともポケットの内面の表面の一部に、凹凸を有する。開口直径が10〜30μmで、深さ1〜3μmの凹凸を、1mm2当たり200〜500個有する。前記凹凸はショットピーニング等のブラスト処理で形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、転がり軸受及びその製造方法に関する。
転がり軸受の保持器の製造方法としては、鋼板素材を打ち抜いて得られたブランク品を絞り加工等のプレス加工により略筒状の絞り製品とし、次いでこの絞り製品を打ち抜いてポケット孔を形成し、熱処理するのが一般的である。また、プレス加工時や熱処理時にバリやカエリ、残留異物等が発生するため、これらを除去するためにブラスト加工やバレル加工が行われている。
特許文献1に記載の針状ころ軸受用保持器の製造方法では、プレス加工時や熱処理時に発生したバリやカエリ、残留異物等をブラスト加工により除去する際に、ガラスビーズの投射材の加工圧力や投射時間を規定して、保持器に施した窒化被膜を良好に維持することが記載されている。
特開2015−132343号公報
ところで、特許文献1に記載の保持器の製造方法によれば、得られる転がり軸受の回転トルクや保持器の摩耗や強度に関してさらに改善の余地があった。
そこで、本発明では、転がり軸受の回転トルクや保持器の摩耗を抑制し、耐久性を高めることができ、また、強度を向上することができる転がり軸受を提供することを目的とする。
即ち、本発明は下記の転がり軸受及びその製造方法に関する。
(1)少なくとも転動体と保持器を有する転がり軸受において、
前記保持器は、少なくともポケットの内面の表面の一部に、凹凸を有する、転がり軸受。
(2)開口直径が10〜30μmで、深さ1〜3μmの前記凹凸を、1mm当たり200〜500個有する、(1)に記載の転がり軸受。
(3)前記凹凸を有する表面において、ISO 25178で規定される表面性状スペクトル比Strが0.2以上である、(1)又は(2)に記載の転がり軸受。
(4)少なくとも転動体と保持器を有する転がり軸受の製造方法において、
前記保持器は、少なくともポケットの内面の表面の一部を、ブラスト処理して、凹凸を形成する、転がり軸受の製造方法。
(5)開口直径が10〜30μmで、深さ1〜3μmの前記凹凸を、1mm当たり200〜500個有する、(4)に記載の転がり軸受の製造方法。
(6)前記凹凸が形成された表面において、ISO 25178で規定される表面性状スペクトル比Strを0.2以上とする、(4)又は(5)に記載の転がり軸受の製造方法。
本発明の転がり軸受及びその製造方法によれば、保持器は、少なくともポケットの内面の表面の一部に、凹凸を有することで、低摩擦のため、低回転トルクであり、保持器が摩耗し難く、摩耗粉の発生による潤滑剤汚染が発生しづらく、また、強度が向上して保持器の破損を防止できる。
ブラスト処理が施される保持器を有するケージアンドローラの断面図である。 図1の保持器を径方向外側から見た図である。 保持器の表面のへのショット材の噴射角度を示す図である。 ブラスト処理が施される他の保持器を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る転がり軸受について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、転がり軸受としてのケージアンドローラ1は、転動体としての複数の針状ころ2と、金属製の保持器10と、を備える。保持器10は、所謂、門型保持器であり、軸方向両側に配置された略円環状の一対の輪部11,11と、一対の輪部11,11の径方向外側部同士を、周方向に所定の間隔で連結する複数の柱部12と、を備える。隣り合う柱部12と、一対の輪部11,11との間には、ころ2を保持するポケット13が形成される。
ここで、打ち抜きにより形成されるポケット13の内面には、バリやカエリが生じ、また、加工痕として微細な筋状の凹凸が多数形成される。この場合、ポケット13の内面を観察して、極座標グラフを得ると、ある方向(例えば90°付近)に一つの強いピーク(角スペクトル)が現れる。尚、極座標グラフ及び角スペクトルは、ISO 25178に規定されている。このような筋状の加工痕では、谷部が一方向に揃っており、潤滑剤の保持能力が低い。
そこで本発明では、打ち抜き後のポケット13の内面にブラスト処理を施して、筋状の加工痕を無くするとともに、微細な凹凸を多数形成する。ショット材の衝突により、バリやカエリが潰された表面の極標グラフは、ほぼ全ての方向に角スペクトルが分散している。また、角スペクトルのピーク高さも、特定の角度のみ特に高くなることもなく、ほぼ全方向に一様に凹凸が分布している。
この微細な凹凸は、保持器10の表面全体に形成されてもよいが、図2に示す、ポケット13の内面の表面の少なくとも一部であり、柱部12の軸方向両側で、針状ころ2と周方向で接触する周方向表面14と、又は針状ころ2と軸方向で接触する輪部11,11の軸方向表面15と、柱部12と輪部11,11と、のつなぎ目の表面16の少なくとも一つに形成されればよい。したがって、微細な凹凸は、ポケット13の内面全体に形成されてもよい。
周方向表面14や軸方向表面15に形成された微細な凹凸は、筋状の加工痕と比較して、潤滑剤の保持能力が高いため、潤滑剤を保持することで、転がり軸受の回転トルクを低くすることができ、針状ころ2が接触しながら回転する際の摩耗の発生を抑えることができる。また、少なくともポケットの内面の表面の一部は、微細な凹凸によって、圧縮残留応力が高められているので、応力集中が作用する部分での保持器10の強度を向上することができる。
本実施形態では、凹凸の分布が、1mm当たり、開口直径が10〜30μmで、深さが1〜3μmである微細な凹凸が200〜500個の密度で存在していれば、凹凸による潤滑剤の保持能力が十分に高く、耐久性に優れる転がり軸受が得られる。特に、開口直径が15〜25μmで、深さが1.5〜2.5μmの凹凸が300〜400個/mm存在していることが好ましい。
また、ここでは、ブラスト処理前の凹凸(筋状の加工痕)を有する表面を「異方性表面」と呼び、様々な方向を向いて凹凸が分布している表面を「等方性表面」と呼ぶ。異方性表面と等方性表面を表す指標として、ISO 25178で規定される表面性状スペクトル比(Str)が知られている。このStrは0〜1の範囲であり、1に近いほど「等方性」が高いことを示している。
本実施形態では、Strが0.2以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。Strが0.2未満では凹凸の等方性が不十分であり、凹凸による潤滑剤の保持能力が十分ではなく、耐久性の向上効果が十分に得られないおそれがある。
また、ブラスト処理によりショット材が衝突する結果、上記Strの値は1に近づき、保持器10の表面の圧縮残留応力を高めることができる。表面圧縮残留応力としては、500MPa以上になることが好ましい。より好ましくは、表面圧縮残留応力は、800MPa以上である。
上記のStrが高いことに加えて、保持器10の表面においては、表面粗さRaが適切に調整されていることが好ましい。表面粗さRaが小さいほど、針状ころ2の損傷が少なくなる。具体的には、保持器10の表面の平均粗さRaが0.4μm以下であることが好ましく、Raが0.3μm以下であることがより好ましい。
また、耐久性の面では、保持器10の表面が硬いほど好ましく、表面から2μmの深さまでの領域(最表面部)におけるビッカーズ硬さが700〜900HVであることが好ましく、750〜800HVであることがより好ましい。
本発明の転がり軸受は、保持器10の所定の領域における表面に凹凸が形成されており、好ましくは上記のような凹凸分布、更には表面圧縮残留応力、表面平均粗さ、表面硬さが満足できるものであれば、他の構成部品には制限はないが、保持器10の表面と接触するころにも同様の凹凸が形成されていることが好ましい。針状ころ2の表面の筋状の加工痕が無くなり、凹凸が形成されることにより、ころ側でも潤滑剤の保持能力が高まり、転がり軸受の耐久性がより向上する。
(製造方法)
本発明はまた、上記の保持器を有する転がり軸受の製造方法にも関する。
保持器10は、まず、鋼板(SPCC材、SPCE材等)、炭素鋼板、クロムモリブデン鋼板(SCM材)等の金属板を打ち抜いてブランク製品を作製し、これを絞り加工して略筒状の絞り製品を得る。次いで、絞り製品を所定間隔で順次打ち抜き、ポケット孔を形成して所定の保持器形状にする。そして、窒化処理を施して保持器を得る。
さらに、窒化処理が施された保持器10の表面に、ブラスト処理によりショット材を高速で衝突させ、筋状の加工痕跡の頂部を潰し、微細な凹凸を形成する。ブラスト処理の処理条件は、上記で規定した凹凸を形成したり、粗さや硬さ、圧縮残留応力等の表面性状にすることができる限り制限は無いが、一例を示すと下記の通りである。
ブラスト処理には、ショットブラストやサンドブラスト、ショットピーニング等が代表的であり、ショットピーニング処理が効率的であるため好ましい。ショット材として、鋼材やSiC等のセラミックからなる粒子(ショット材)を用いることができる。また、ショット材は小さいほど好ましく、粒径30〜60μmのショット材が好ましく、40〜50μmのショット材がより好ましい。ショット材が小さいほど、形成される凹凸も微細になる。尚、ショット材の形状は、球形以外にも、種々の形状とすることができる。ショット材の噴射速度は高いほど有利であり、ショット圧は0.3〜0.5MPa以上が好ましく、0.35〜0.45MPaがより好ましい。
また、ショット材の保持器10の表面への噴射角度であるが、図3に示すように、保持器10の表面Lに対して垂直にショット材を衝突させることが好ましい。即ち、噴射ノズル20の噴射口の中心を通る線と、保持器10の表面の接線Lとが直交するように、噴射ノズル20を同断面上で揺動させながら、ショット材を噴射することが好ましい。これにより、ショット材が、保持器10の表面と直交するように衝突して、凹凸を効率よく形成することができる。
さらに、複数の噴射ノズルを用いて、保持器10の表面に同時にブラスト処理を行っても良い。これにより、保持器10の表面に効率よくブラスト処理を施すことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、針状ころ軸受に適用される保持器として、門型保持器を用いて説明したが、本発明はこれに限らず、図4に示すような、M型保持器10aであってもよい。なお、図4において、上記図1及び図2に示す門型保持器と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
M型保持器10aの柱部12は、輪部11と同一の外径を有する大径部12aと、軸方向の中央において、保持器10aの軸線に近接するように縮径した縮径部12bと、大径部12aと縮径部12bとを連結する傾斜部12cとにより構成されている。
このように構成されたM型保持器10aにおいては、大径部12aによって、保持器10aの外周面側で針状ころ2を保持するとともに、縮径部12bによって、保持器10aの軸線側で針状ころ2を保持する。従って、微細な凹凸は、保持器10aの表面全体に形成されてもよいが、ポケット13の内面の少なくとも一部であり、針状ころ2と周方向で接触する周方向表面14、又は針状ころ2と軸方向で接触する輪部11,11の軸方向表面15と、柱部12と輪部11,11とのつなぎ目の表面16の少なくとも一つに形成されればよい。
また、保持器がシェル形外輪に組み込まれる場合には、輪部の外周面や軸方向外端面など外輪と接触する部分にも微細な凹凸が形成されてもよい。
本発明の転がり軸受は、上述したケージアンドローラに限定されず、玉軸受やころ軸受など他の形式の転がり軸受であってもよい。
1 転がり軸受
2 ころ(転動体)
10,10a 保持器
11 輪部
12 柱部
13 ポケット
14,15 ころが接触する表面
16 輪部と柱部とのつなぎ部の表面

Claims (6)

  1. 少なくとも転動体と保持器を有する転がり軸受において、
    前記保持器は、少なくともポケットの内面の表面の一部に、凹凸を有する、転がり軸受。
  2. 開口直径が10〜30μmで、深さ1〜3μmの前記凹凸を、1mm当たり200〜500個有する、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記凹凸を有する表面において、ISO 25178で規定される表面性状スペクトル比Strが0.2以上である、請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 少なくとも転動体と保持器を有する転がり軸受の製造方法において、
    前記保持器は、少なくともポケットの内面の表面の一部を、ブラスト処理して、凹凸を形成する、転がり軸受の製造方法。
  5. 開口直径が10〜30μmで、深さ1〜3μmの前記凹凸を、1mm当たり200〜500個有する、請求項4に記載の転がり軸受の製造方法。
  6. 前記凹凸が形成された表面において、ISO 25178で規定される表面性状スペクトル比Strを0.2以上とする、請求項4又は5に記載の転がり軸受の製造方法。
JP2019207438A 2019-11-15 2019-11-15 転がり軸受及びその製造方法 Pending JP2021080973A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019207438A JP2021080973A (ja) 2019-11-15 2019-11-15 転がり軸受及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019207438A JP2021080973A (ja) 2019-11-15 2019-11-15 転がり軸受及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021080973A true JP2021080973A (ja) 2021-05-27

Family

ID=75964588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019207438A Pending JP2021080973A (ja) 2019-11-15 2019-11-15 転がり軸受及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021080973A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023037918A1 (ja) * 2021-09-10 2023-03-16 Ntn株式会社 針状ころ軸受

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023037918A1 (ja) * 2021-09-10 2023-03-16 Ntn株式会社 針状ころ軸受

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7685717B2 (en) Method for manufacturing a bearing raceway member
JP5920221B2 (ja) 作動装置の製造方法
KR100449680B1 (ko) 베어링 부품 소재
JP2021080973A (ja) 転がり軸受及びその製造方法
US11319994B2 (en) Thrust roller bearing
CN101233335A (zh) 运动引导装置的制造方法、及使用该方法制造的运动引导装置
JP5181727B2 (ja) 転動摺動装置部材の研磨方法及び転動摺動装置部材
JP5130707B2 (ja) 転動装置
JP2007298086A (ja) 鉄道車両用転がり軸受装置
WO2019103039A1 (ja) 転動部品、軸受およびそれらの製造方法
CN106536692B (zh) 用于处理材料的抗咬死方法
JP2003329048A (ja) 軸受軌道部材の製造方法
JP2008267403A (ja) 転動装置
JP2011208752A (ja) ころ軸受およびころの製造方法
KR20160106844A (ko) 플로팅 실
JP7517086B2 (ja) スラストころ軸受
JP7176646B2 (ja) 転がり軸受及びその製造方法
JP7073193B2 (ja) 転動部品、軸受およびそれらの製造方法
JP2004100867A (ja) 転がり軸受用軌道輪の製造方法および転がり軸受用軌道輪
CN112005021A (zh) 滚动部件、轴承及它们的制造方法
JP2007260813A (ja) 加工ツール及びローラバニシング加工ツール
JP2005299702A (ja) 自動調心ころ軸受
JP4186626B2 (ja) 転がり摺動部材の製造方法
JP2007032801A (ja) スラストころ軸受の軌道輪およびスラストころ軸受
JP2008082377A (ja) 転動装置