JP2021080502A - 積層コアおよび電気機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 積層コアの磁気特性を向上させる。【解決手段】 ステータコア111の領域のうち、電磁鋼板300の板面に平行な方向であって、中心軸線Oとカシメ部113a〜113hの重心の位置とを通る仮想線に沿う方向における電磁鋼板の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域に、カシメ部113a〜113hを形成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、積層コアおよび電気機器に関する。
回転電機等の電気機器に用いられるコアとして、複数の電磁鋼板を積層することにより構成される積層コアがある。積層コアを構成するに際し、カシメ加工により複数の電磁鋼板を固定することが行われる。
この種の技術として特許文献1〜3に記載の技術がある。
特許文献1には、電動機の極数とスロット数との最小公倍数を極数で割った数の整数倍の数のカシメ部をステータコアのティースに形成することが記載されている。
特許文献2には、ステータコアのティースの領域のうち、回転電機の回転方向側であり、且つ、ティースの先端側の領域にカシメ部を形成することが記載されている。尚、ティースの先端側の領域は、ティースの回転方向における中心線と、反回転方向側のティースの先端から回転方向側のティースの根元部までを引いた線とで囲まれる領域であるとされている。
特許文献3には、ロータの領域のうち、q軸磁路外の領域にカシメ部を形成することが記載されている。
特開2001−258225号公報 特開2006−340507号公報 特開2016−220514号公報
しかしながら、特許文献1〜3では、電磁鋼板の磁気特性についての検討がなされていない。このため、従来の積層コアには、磁気特性を向上させることについて改善の余地がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、積層コアの磁気特性を向上させることを目的とする。
本発明の積層コアは、板面同士が相互に対向するように積層された複数の電磁鋼板を有する積層コアであって、前記複数の電磁鋼板に対して形成された少なくとも1つのカシメ部を有し、前記カシメ部は、前記電磁鋼板の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域に形成されており、前記基準値は、予め測定された複数の方向における前記電磁鋼板の磁気特性の値の平均値に基づいて定められることを特徴とする。
本発明の電気機器は、前記積層コアを有することを特徴とする。
本発明によれば、積層コアの磁気特性を向上させることができる。
回転電機の構成の第1の例を示す図である。 ステータコアの構成の第1の例を示す平面図である。 ステータコアの構成の一例を示す断面図である。 回転電機の構成の第2の例を示す図である。 ステータコアの構成の第2の例を示す平面図である。 W15/50比率、鉄損比率と、圧延方向からの角度との関係の一例を示す図である。 W15/100比率、鉄損比率と、圧延方向からの角度との関係の一例を示す図である。 回転電機の構成の比較例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。尚、以下の説明において、長さ、方向、位置等が厳密に一致する場合の他、発明の主旨を逸脱しない範囲内(例えば、製造工程において生じる誤差の範囲内)で一致する場合も含むものとする。
(第1の実施形態)
図1は、回転電機100の構成の一例を示す図である。図1は、回転電機100を、回転電機100の中心軸線Oに平行な方向から見た図(平面図)である。図2は、ステータコア111の構成の一例を示す図である。図2は、ステータコア111を、ステータコア111の中心軸線Oに平行な方向から見た図(平面図)である。各図において、X−Y−Z座標は、各図における向きの関係を示すものである。○の中に●が付されている記号は、紙面の奥側から手前側の向かう方向を示す。○の中に×が付されている記号は、紙面の手前側から奥側に向かう方向を示す。
図1に示すように、回転電機100は、ステータ110と、ロータ120と、回転軸130と、ケース140と、を備える。ステータ110およびロータ120は、ケース140に収容される。ステータ110は、ケース140に固定される。
本実施形態では、回転電機100として、ロータ120がステータ110の内側に位置するインナーロータ型を採用する。しかしながら、回転電機100として、ロータ120がステータ110の外側に位置するアウターロータ型を採用してもよい。また、本実施形態では、回転電機100は、4極60スロットの三相かご型誘導電動機である。しかしながら、例えば、極数やスロット数、相数などは適宜変更することができる。
ステータ110は、ステータコア111と、巻線112と、を備える。
ステータコア111は、環状のコアバック部111aと、複数のティース部111bと、を備える。以下の説明では、ステータコア111の軸方向を、必要に応じて軸方向と称する。また、ステータコア111の径方向を、必要に応じて径方向と称する。また、ステータコア111の周方向を、必要に応じて周方向と称する。尚、ステータコア111の軸方向は、ステータコア111の中心軸線Oに沿う方向であり、ステータコア111の径方向は、ステータコア111の中心軸線Oに直交する方向であり、ステータコア111の周方向は、ステータコア111の中心軸線O周りに周回する方向である。
コアバック部111aは、ステータ110を軸方向から見た平面視において円環状に形成される。複数のティース部111bは、ステータ110(ステータコア111)の相対的に径方向の内側の領域に配置される。具体的に複数のティース部111bは、コアバック部111aから径方向の内側に向けて(径方向に沿って中心軸線Oに向けて)に突出する。複数のティース部111bは、周方向において等間隔に配置される。本実施形態では、それぞれのティース部111bにおいて中心軸線Oを中心とする中心角が6°になるように、60個のティース部111bが設けられる。複数のティース部111bは、相互に同等の形状を有し、且つ、同等の大きさを有する。しかしながら、ティース部111bの個数、形状、大きさは適宜変更することができる。ステータ110の巻線112は、ティース部111bに巻き回されている。ステータ110の巻線112は、集中巻きされていてもよく、分布巻きされていてもよい。
ロータ120は、ロータコア121と、かご形導体122と、を備える。ロータコア121は、ステータ110と同軸に配置される。ロータコア121の形状は、概ね、中空の歯車状である。ロータコア121内には、回転軸130が配置される。回転軸130は、ロータコア121の中空部分に固定される。かご形導体122は、複数のローターバーと、2つのエンドリングとを有する。複数のローターバーは、ロータコア121の外周側の領域において軸方向に延設され、周方向において等間隔に配置される。本実施形態では、37個のローターバーが周方向において等間隔に配置される場合を例に挙げて示す。しかしながら、ローターバーの数は、これに限定されない。エンドリングは、複数のローターバーの軸方向の端部において複数のローターバーに連結される。複数のローターバーは、ロータコア121の歯車状の凹部に配置される。ロータコア121の歯車状の凹部の大きさおよび形状は、ロータコア121を配置することができるように定められる。尚、図1では、説明の都合上、エンドリングの図示を省略する。
図3は、ステータコア111の断面の一例を示す図である。図3(a)は、図2のI−I断面図である。図3(b)は、図2のII-II断面図である。図3(a)および図3(b)に示すように、ステータコア111は、積層コアである。ステータコア111は、外縁が合う状態で板面(=電磁鋼板300が積層される方向を向く面)同士が相互に対向するように複数の電磁鋼板300が積層されることで形成されている。即ち、ステータコア111は、厚さ方向に積層された複数の電磁鋼板300を備える。以下の説明では、複数の電磁鋼板300が積層される方向を、必要に応じて、積層方向と称する。積層方向は、電磁鋼板300の厚さ方向と一致する。また、積層方向は、中心軸線Oの延びる方向と一致する。また、積層方向から見た場合にステータコア111を構成する電磁鋼板300の圧延方向RDは揃っている。尚、中心軸線Oの延びる方向は、ステータコア111の軸方向(=高さ方向)と同じである。
電磁鋼板の加工性や、積層コアの鉄損を改善するため、電磁鋼板300の両面には、絶縁被膜が設けられる。絶縁被膜を構成する物質としては、例えば、(1)無機化合物、(2)有機樹脂、(3)無機化合物と有機樹脂との混合物、などが適用できる。無機化合物としては、例えば、(1)重クロム酸塩とホウ酸の複合物、(2)リン酸塩とシリカの複合物、などが挙げられる。有機樹脂としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
相互に積層される電磁鋼板300間での絶縁性能を確保するために、絶縁被膜の厚さ(電磁鋼板300片面あたりの厚さ)は0.1μm以上とすることが好ましい。一方で絶縁被膜が厚くなるに連れて絶縁効果が飽和する。また、絶縁被膜が厚くなるに連れてステータコア111における絶縁被膜の占める割合が増加し、ステータコア111の磁気特性が低下する。したがって、絶縁被膜は、絶縁性能が確保できる範囲で薄い方がよい。絶縁被膜の厚さは、好ましくは0.1μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上2μm以下である。尚、絶縁被膜の厚さは、電磁鋼板300片面あたりの厚さである。
電磁鋼板300が薄くなるに連れて次第に鉄損の改善効果が飽和する。また、電磁鋼板300が薄くなるに連れて電磁鋼板300の製造コストは増す。そのため、鉄損の改善効果および製造コストを考慮すると電磁鋼板300の厚さは0.10mm以上とすることが好ましい。一方で電磁鋼板300が厚すぎると、電磁鋼板300のプレス打ち抜き作業が困難になる。そのため、電磁鋼板300のプレス打ち抜き作業を考慮すると電磁鋼板300の厚さは0.65mm以下とすることが好ましい。また、電磁鋼板300が厚くなると鉄損が増大する。そのため、電磁鋼板300の鉄損特性を考慮すると、電磁鋼板300の厚さは0.35mm以下とすることが好ましく、より好ましくは、0.20mmまたは0.25mmである。上記の点を考慮し、各電磁鋼板300の厚さは、例えば、0.10mm以上0.65mm以下、好ましくは、0.10mm以上0.35mm以下、より好ましくは0.20mmや0.25mmである。尚、電磁鋼板300の厚さには、絶縁被膜の厚さも含まれる。絶縁被膜がない電磁鋼板の厚さは、後述するように0.50mm以下とする。ただし、絶縁被膜は薄いので、絶縁被膜を含めて、電磁鋼板の厚さを0.50mm以下としてもよい。
ステータコア111を構成する各電磁鋼板300は、例えば、圧延された板状の母材(フープ)を打ち抜き加工することにより形成される。本実施形態では、電磁鋼板300は、圧延方向RDにおける磁気特性が最も優れており、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°〜60°近傍において磁気特性が劣るものとする。尚、時計回りおよび反時計回りの何れの向きの角度も正の値の角度とする。また、電磁鋼板300は、周方向において、JIS C 2552で規定される閾値よりも小さい磁気異方性を有するものとする。
図1、図2、および図3(a)に示すように、本実施形態では、ステータコア111には、カシメ加工が行われることによりカシメ部113a〜113hが形成される。カシメ部113a〜113hは、例えば、以下のようにして形成される。
複数の電磁鋼板300のそれぞれに対し、形状、大きさ、および位置が同じ凹部を形成する。外縁が合う状態で板面同士が相互に対向するように複数の電磁鋼板300が積層される際に、凹部同士が加圧されながら嵌め合わさるようにする。このようにしてカシメ加工が行われ、カシメ部113a〜113hが形成される。図1および図2に示す例では、カシメ部113a〜113hの平面視における形状は四角形である。しかしながら、カシメ部の形状は、これに限定されない。
次に、カシメ部113a〜113hを形成する位置の一例を説明する。
板面同士が相互に対向するように積層された複数の電磁鋼板をカシメ加工により固定すると、電磁鋼板の磁気特性は劣化する。本発明者は、このような電磁鋼板の磁気特性の劣化が抑制されるようにカシメ加工を行うことを検討した。
その際、本発明者は、圧縮応力が与えられたときの電磁鋼板の磁気特性の、応力が与えられていない電磁鋼板の磁気特性に対する劣化率は、磁束が流れる方向における磁気特性が相対的に優れる領域(例えば、同じ磁界強度に対して磁束密度が相対的に高くなる領域)では大きく、磁束が流れる方向における磁気特性が相対的に劣る領域(例えば、同じ磁界強度に対して磁束密度が相対的に低くなる領域)では小さいことことに着目した。
尚、圧縮応力が与えられたときの電磁鋼板の磁気特性の、圧縮応力が与えられていない電磁鋼板の磁気特性に対する劣化率は、応力が与えられていない電磁鋼板の磁気特性の値と、圧縮応力が与えられたときの電磁鋼板の磁気特性の値との差の絶対値を、応力が与えられていない電磁鋼板の磁気特性の値で割った値で表される。当該値は、百分率で表記してもよい。以下の説明では、圧縮応力が与えられたときの電磁鋼板の磁気特性の、応力が与えられていない電磁鋼板の磁気特性に対する劣化率を、必要に応じて、磁気特性の劣化率と称する。
ティース部111bの延設方向(=径方向)と電磁鋼板300の磁気特性が優れている方向とが一致している場合、当該ティース部111bにおける磁束密度は高くなる。前述したように本実施形態では、電磁鋼板300は、圧延方向RDにおける磁気特性が最も優れる。従って、図1に示す例では、ティース部111bの延設方向が、図1において破線で示す圧延方向RDに近いほど、ティース部111bにおける磁束密度が高くなる。
従って、ステータコア111の領域のうち、電磁鋼板300の磁気特性が優れている方向からの周方向における角度が小さい領域でカシメ加工を行うと、高い磁束密度の領域の磁気特性を劣化させることになる。よって、このような領域でカシメ加工を行うと、磁気特性の劣化率は、相対的に大きくなる。一方、ステータコア111の領域のうち、電磁鋼板300の磁気特性が優れている方向からの周方向における角度が大きくなる領域でカシメ加工を行うと、磁気特性の劣化率は、相対的に小さくなる。図1に示す例では、ステータコア111の領域のうち、図1において破線で示す圧延方向RDからの周方向における角度が大きい領域にカシメ加工を行うと、磁気特性の劣化率は小さくなる。
よって、積層コアが励磁されたときの当該積層コアに使用される電磁鋼板の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域にカシメ部を形成すればよい。本実施形態の回転電機100は、ラジアルギャップ型の回転電機であるので、電磁鋼板300の板面に平行な方向であって、中心軸線Oとカシメ部113a〜113hの重心の位置とを通る仮想線に沿う方向における電磁鋼板の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となるように、カシメ部113a〜113hを形成すればよい。
ここで、基準値は、例えば、ステータコア111に使用される電磁鋼板300と同じ製造工程により製造された電磁鋼板から測定用の試料を測定用電磁鋼板として作製し、JIS C 2550「電磁鋼帯試験方法」あるいはJIS C 2556「単板試験器による電磁鋼帯の磁気特性の測定方法」により予め測定された複数の方向における測定用電磁鋼板の磁気特性の値の平均値に基づいて定められる。電磁鋼板300と測定用電磁鋼板とは、圧延方向となす角度が同じであれば磁気特性も同じである。従って以下では、電磁鋼板300の磁気特性とは、測定用電磁鋼板で予め測定した磁気特性を意味する。また、劣位な値とは、磁気特性が劣ることを示す値を指す。
尚、電磁鋼板300の板面に平行な方向であって、中心軸線Oとカシメ部113a〜113hの重心の位置とを通る仮想線に沿う方向における電磁鋼板の磁気特性の値は、当該方向と圧延方向とのなす角度が同じになるように測定用電磁鋼板を励磁して測定することにより得られる。また、以下の説明では、電磁鋼板300の板面に平行な方向であって、中心軸線Oとカシメ部113a〜113hの重心の位置とを通る仮想線に沿う方向における電磁鋼板300の磁気特性を、必要に応じて、カシメ部方向の磁気特性と称する。
例えば、カシメ部方向の磁気特性の値が、電磁鋼板300の磁気特性の平均値のX倍以下になるような位置に、カシメ部113a〜113hを形成することができる。Xは、0を上回り且つ1を下回る値(0<X<1)であり、例えば、0.84以上、1.00未満の値(例えば、0.985)をXの値として採用することができる。
電磁鋼板300の磁気特性の平均値としては、例えば、磁気特性が最も優れていることを示す値と、磁気特性が最も劣ることを示す値と、磁気特性が最も優れていることを示す値と最も劣ることを示す値との間の少なくとも1つの値との算術平均値を採用することができる。
また、例えば、各ティース部111bの延設方向を励磁方向として電磁鋼板300を励磁した場合の磁気特性の平均値を、電磁鋼板300の磁気特性の平均値とすることができる。
例えば、圧延方向RDと圧延方向RDとのなす角度が90°の方向とを軸として電磁鋼板300の磁気特性が軸対称であると仮定すると、図1に示す例では、圧延方向RDとのなす角度が0°の方向を励磁方向とする場合の磁気特性の値と、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が6°、12°、18°、24°、30°、36°、42°、48°、54°、60°、66°、72°、78°、84°の方向を励磁方向とする場合の磁気特性の値の2倍の値と、圧延方向RDとのなす角度が90°の方向を励磁方向とする場合の磁気特性の値と和を16で割った値を、電磁鋼板300の磁気特性の平均値とすることができる。より具体的には、磁気特性をB50とし、圧延方向RDとのなす角度がθ(°)の方向を励磁方向とする場合のB50をB50_θとすると、電磁鋼板300のB50の平均値B50_aveは、以下の(1)式で表される。
50_ave=(B50_0+2B50_6+2B50_12+2B50_18+2B50_24+2B50_30+2B50_36+2B50_42+2B50_48+2B50_54+2B50_60+2B50_66+2B50_72+2B50_78+2B50_84+B50_90)÷16 ・・・(1)
また、ティース部111bの延設方向とは異なる方向を含む複数の方向を励磁方向とする場合の磁気特性の値の算術平均値を、電磁鋼板の磁気特性の平均値としてもよい。
例えば、圧延方向RDと圧延方向RDとのなす角度が90°の方向とを軸とした場合の電磁鋼板300の磁気特性が軸対称であると仮定すると、圧延方向RDとのなす角度が0°の方向を励磁方向とする場合の磁気特性の値と、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が22.5°の方向を励磁方向とする場合の磁気特性の値の2倍の値と、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°の方向を励磁方向とする場合の磁気特性の値の2倍の値と、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が67.5°の方向を励磁方向とする場合の磁気特性の値の2倍の値と、圧延方向RDとのなす角度が90°の方向を励磁方向とする場合の磁気特性の値との和を8で割った値を、電磁鋼板300の磁気特性の平均値としてもよい。より具体的には、磁気特性をB50とし、圧延方向RDとのなす角度がθ(°)の方向を励磁方向とする場合のB50をB50_θとすると、電磁鋼板300のB50の平均値B50_aveは、以下の(2)式で表される。
50_ave=(B50_0+2B50_22.5+2B50_45+2B50_67.5+B50_90)÷8 ・・・(2)
図1に示す例では、(1)式に基づいて、電磁鋼板300のB50の平均値を定め、カシメ部方向の磁気特性の値が、電磁鋼板300の磁気特性の平均値の0.985倍以下になるような位置に、カシメ部を形成する場合、中心軸線Oを通り電磁鋼板300の板面に平行な方向に延びる仮想線により定まる範囲であって、当該仮想線と圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°以上90°以下の範囲内に、カシメ部113a〜113hを形成する。具体的に、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が45°になる方向CD11から、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が90°になる方向CD12までの2つの領域と、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が45°になる方向CD13から、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が90°になる方向CD12までの2つの領域との合計4つの領域の範囲内に重心が位置するように、カシメ部113a〜113hを形成する。尚、前述したように、時計回りおよび反時計回りの何れの向きの角度も正の値の角度とする。
また、図1に示す例では、各領域において、周方向に均等にカシメ部113a〜113b、113c〜113d、113e〜113f、113g〜113hが配置される。例えば、仮想線CD13と、カシメ部113aの重心の位置と、カシメ部113bの重心の位置と、仮想線CD12の位置との周方向における間隔は等間隔である。
また、図1に示す例では、カシメ部113a〜113hが、このような4つの領域のうち、コアバック部111aの領域に形成される。このようにすれば、磁束密度がより低い領域にカシメ部113a〜113hを形成することができる。更に、図1に示すように、コアバック部111aの相対的に外周側の領域にカシメ部113a〜113hを形成すれば、磁束密度がより一層低い領域にカシメ部113a〜113hを形成することができる。
以上のようにしてカシメ加工が施されたステータコア111に対して歪取焼鈍が行われるようにするのが好ましい。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、ステータコア111の領域のうち、カシメ部方向の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域に、カシメ部113a〜113hを形成する。従って、カシメ加工により圧縮応力が与えられたときの磁気特性の劣化率を低減することができる。よって、カシメ加工を用いて固定されるステータコア111の磁気特性を向上させることができる。
<変形例>
[変形例1]
本実施形態では、コアバック部111aの領域にカシメ部113a〜113hを形成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、カシメ部は必ずしもコアバック部111aに形成する必要はない。例えば、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が45°になる方向CD11から、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が90°になる方向CD12までの2つの領域と、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が45°になる方向CD13から、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が90°になる方向CD12までの2つの領域との合計4つの領域の範囲内に重心が位置するように、ティース部111bにカシメ部を形成してもよい。また、コアバック部111aとティース部111bとの双方にカシメ部を形成してもよい。
[変形例2]
本実施形態では、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が45°になる方向CD11から、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が90°になる方向CD12までの2つの領域と、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が45°になる方向CD13から、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が90°になる方向CD12までの2つの領域との合計4つの領域のそれぞれに2つずつカシメ部113a〜113b、113c〜113d、113e〜113f、113g〜113hを形成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、前述した4つの領域の少なくとも1つに少なくとも1つのカシメ部が形成されていればよい。例えば、前述した4つの領域の全てにカシメ部を形成しなくてもよい。また、前述した4つの領域に形成するカシメ部の数は1つであっても、3つ以上であってもよい。
[変形例3]
ステータコアの形状は、図1に示した形状に限定されるものではない。具体的には、ステータコアの外径および内径の寸法、積厚、スロット数、ティース部の周方向と径方向の寸法比率、ティース部とコアバック部との径方向の寸法比率、などは所望の回転電機の特性に応じて任意に設計可能である。
[変形例4]
本実施形態では、回転電機100が三相かご型誘導電動機である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、回転電機は、以下に例示するようにこれに限定されず、更には以下に例示しない種々の公知の構造も採用可能である。
回転電機は、誘導電動機であっても、同期電動機であってもよい。例えば、回転電機は、巻線型誘導電動機であっても、永久磁石界磁型電動機であっても、電磁石界磁型電動機であっても、スイッチドリラクタンスモータであってもよい。また、回転電機は、三相電動機でなくてもよく、例えば、単相電動機であってもよい。また、回転電機は、直流電動機であってもよい。また、本実施形態では、回転電機として、電動機を一例に挙げて説明したが、回転電機はこれに限定されない。例えば、回転電機は発電機であってもよい。
[変形例5]
本実施形態では、インナーロータ型の回転電機を例に挙げて説明したが、回転電機はこれに限定されない。例えば、アウターロータ型の回転電機であってもよい。
また、本実施形態では、ステータ110とロータ120とが径方向において間隔を有して対向するラジアルギャップ型の回転電機を例に挙げて説明したが、回転電機はこれに限定されない。例えば、ステータとロータとが軸方向において間隔を有して対向するアキシャルギャップ型の回転電機であってもよい。
また、本実施形態では、積層コアをステータコアに適用した場合を例に挙げて説明した。しかしながら、積層コアはステータコア以外にも適用することができる。例えば、積層コアを、ロータコアに適用することも可能である。例えば、スイッチドリラクタンスモータのロータコアに対して本実施形態で説明したようにカシメ部を形成することができる。
また、積層コアを有する電気機器であれば、電気機器は、回転電機に限定されない。例えば、変圧器のコアとして積層コアを用いる場合、当該積層コアに対してカシメ部を形成することができる。この場合、積層コアが励磁されたときの当該積層コアに使用される電磁鋼板の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域にカシメ部を形成する。この場合の基準値も、例えば、本実施形態で説明したのと同様にして定めることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、圧延方向RDにおける磁気特性が最も優れている電磁鋼板300を用いてステータコア111を構成する場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、圧延方向となす角度のうち小さい方の角度が45°における磁気特性が最も優れている電磁鋼板を用いてステータコアを構成する場合を例に挙げて説明する。このように本実施形態と第1の実施形態とは、ステータコアに用いる電磁鋼板の磁気特性が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図3に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図4は、回転電機400の構成の一例を示す図である。図4は、図1と同様に、回転電機400を、回転電機400の中心軸線Oに平行な方向から見た図(平面図)である。図5は、ステータコア411の構成の一例を示す図である。図5は、ステータコア411を、ステータコア411の中心軸線Oに平行な方向から見た図(平面図)である。
図4に示すように、回転電機400は、ステータ410と、ロータ120と、回転軸130と、ケース140と、を備える。ステータ410およびロータ120は、ケース140に収容される。ステータ410は、ケース140に固定される。
本実施形態でも第1の実施形態と同様に、回転電機400として、ロータ120がステータ410の内側に位置するインナーロータ型の三相かご型誘導電動機を採用する場合を例に挙げて説明する。
ステータ410は、ステータコア411と、巻線112と、を備える。
ステータコア411は、環状のコアバック部411aと、複数のティース部411bと、を備える。
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、それぞれのティース部411bにおいて中心軸線Oを中心とする中心角が6°になるように、60個のティース部411bが設けられる。複数のティース部411bは、相互に同等の形状を有し、且つ、同等の大きさを有する。ステータ410の巻線112は、ティース部411bに巻き回されている。
図5のI−I断面図、II−II断面図は、それぞれ、図3(a)、図3(b)に示したものと同様であるので、ここでは、これらの断面図の詳細な説明を省略する。尚、第1の実施形態と同様に、積層方向から見た場合にステータコア411を構成する電磁鋼板の圧延方向RDは揃っている。
ステータコア411を形成する各電磁鋼板は、例えば、圧延された板状の母材(フープ)を打ち抜き加工することにより形成される。本実施形態では、電磁鋼板は、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°における磁気特性が最も優れており、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が0°、90°近傍において磁気特性が劣るものとする。尚、時計回りおよび反時計回りの何れの向きの角度も正の値の角度とする。
図4において、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°の方向は、ED1、ED2である。圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が0°、90°の方向は、それぞれ、RD、LDである。
図4および図5に示すように、本実施形態では、ステータコア411には、カシメ加工が行われることによりカシメ部413a〜413hが形成される。本実施形態のカシメ部413a〜413hの形状および大きさは、カシメ部113a〜113hの形状および大きさと同じであるものとする。
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、カシメ部方向の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域にカシメ部413a〜413hを形成する。
図4に示す例では、(1)式に基づいて、電磁鋼板のB50の平均値を定め、カシメ部方向の磁気特性の値が、電磁鋼板の磁気特性の平均値の0.985倍以下になるような位置に、カシメ部を形成する場合、中心軸線Oを通り電磁鋼板の板面に平行な方向に延びる仮想線により定まる範囲であって、当該仮想線と圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が0°以上25°以下の範囲内と、65°以上90°以下の範囲内に、カシメ部413a〜413hを形成する。具体的に、圧延方向RDから、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が25°になる方向CD21、CD22までの4つの領域と、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が65°になる方向CD23、CD24から、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が90°になる方向CD25までの4つの領域との合計8つの領域の範囲内に重心が位置するように、カシメ部413a〜413hを形成する。尚、前述したように、時計回りおよび反時計回りの何れの向きの角度も正の値の角度とする。
また、図4に示す例では、各領域において、周方向に均等にカシメ部413a〜413hが配置される。例えば、仮想線CD24と、カシメ部413aの重心の位置と、仮想線CD25の位置との周方向における間隔は等間隔である。
尚、平均値の定め方が(1)式に限定されないことは、第1の実施形態で説明した通りである。
また、図4に示す例では、カシメ部413a〜413hが、このような8つの領域のうち、コアバック部411aの領域に形成される。このようにすれば、磁束密度がより低い領域にカシメ部413a〜413hを形成することができる。更に、図4に示すように、コアバック部411aの相対的に外周側の領域にカシメ部413a〜413hを形成すれば、磁束密度がより一層低い領域にカシメ部413a〜413hを形成することができる。
また、以上のようにしてカシメ加工が施されたステータコア411に対して歪取焼鈍が行われるようにするのが好ましい。特に、後述する<積層コアに使用する電磁鋼板>の項で説明する電磁鋼板を用いてステータコア411を構成する場合には、ステータコア411に対して歪取焼鈍を行う必要がある。
<まとめ>
以上のように磁気特性が最も優れる方向に応じて、ステータコア411の領域のうち、カシメ部方向の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域に、カシメ部413a〜413hを形成する位置を定めることができる。従って、電磁鋼板の磁気特性を活用しつつ、カシメ加工により圧縮応力が与えられたときの磁気特性の劣化率を低減することができる。
本実施形態においても、第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。
例えば、圧延方向RDから、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が25°になる方向CD21、CD22までの4つの領域と、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が65°になる方向CD23、CD24から、圧延方向RDとなす角度のうち小さい方の角度が90°になる方向CD25までの4つの領域との合計8つの領域のそれぞれに1つずつカシメ部413a、413b、413c、413d、413e、413f、413g、413hを形成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、前述した8つの領域の少なくとも1つに少なくとも1つのカシメ部が形成されていればよい。例えば、前述した8つの領域の全てにカシメ部を形成しなくてもよい。また、前述した8つの領域に形成するカシメ部の数は2つ以上であってもよい。また、コアバック部411aとティース部411bとの双方にカシメ部を形成してもよい。
<積層コアに使用する電磁鋼板>
本実施形態の積層コア(ステータコア411)に使用する電磁鋼板の一例について説明する。尚、以下の説明では、前述した圧延方向となす角度のうち小さい方の角度が45°となる2つの方向が、圧延方向から45°傾いた方向と、圧延方向から135°傾いた方向に対応する。尚、当該45°は、時計回りおよび反時計回りの何れの向きの角度も正の値を有するものとして表記したものである。時計回りの方向を負の方向とし、反時計回りの方向を正の方向とする場合、圧延方向となす角度のうち小さい方の角度が45°となる2つの方向は、圧延方向となす角度のうち絶対値の小さい方の角度が45°、−45°となる2つの方向となる。その他、圧延方向からθ°傾いた方向が、圧延方向となす角度がθ°の方向に対応する。このように、圧延方向からθ°傾いた方向と、圧延方向となす角度がθ°の方向は、同じ意味である。
まず、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板およびその製造方法で用いられる鋼材の化学組成について説明する。以下の説明において、無方向性電磁鋼板または鋼材に含まれる各元素の含有量の単位である「%」は、特に断りがない限り「質量%」を意味する。積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板および鋼材は、フェライト−オーステナイト変態(以下、α−γ変態)が生じ得る化学組成であって、C:0.0100%以下、Si:1.50%〜4.00%、sol.Al:0.0001%〜1.0%、S:0.0100%以下、N:0.0100%以下、Mn、Ni、Co、Pt、Pb、Cu、Auからなる群から選ばれる1種以上:総計で2.50%〜5.00%、Sn:0.000%〜0.400%、Sb:0.000%〜0.400%、P:0.000%〜0.400%、およびMg、Ca、Sr、Ba、Ce、La、Nd、Pr、Zn、およびCdからなる群から選ばれる1種以上:総計で0.0000%〜0.0100%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有する。更に、Mn、Ni、Co、Pt、Pb、Cu、Au、Siおよびsol.Alの含有量が後述する所定の条件を満たす。不純物としては、鉱石やスクラップ等の原材料に含まれるもの、製造工程において含まれるもの、が例示される。
<<C:0.0100%以下>>
Cは、鉄損を高めたり、磁気時効を引き起こしたりする。従って、C含有量は低ければ低いほどよい。このような現象は、C含有量が0.0100%超で顕著である。このため、C含有量は0.0100%以下とする。C含有量の低減は、板面内の全方向における磁気特性の均一な向上にも寄与する。尚、C含有量の下限は特に限定しないが、精錬時の脱炭処理のコストを踏まえ、0.0005%以上とすることが好ましい。
<<Si:1.50%〜4.00%>>
Siは、電気抵抗を増大させて、渦電流損を減少させ、鉄損を低減したり、降伏比を増大させて、鉄心への打ち抜き加工性を向上したりする。Si含有量が1.50%未満では、これらの作用効果を十分に得られない。従って、Si含有量は1.50%以上とする。一方、Si含有量が4.00%超では、磁束密度が低下したり、硬度の過度な上昇により打ち抜き加工性が低下したり、冷間圧延が困難になったりする。従って、Si含有量は4.00%以下とする。
<<sol.Al:0.0001%〜1.0%>>
sol.Alは、電気抵抗を増大させて、渦電流損を減少させ、鉄損を低減する。sol.Alは、飽和磁束密度に対する磁束密度B50の相対的な大きさの向上にも寄与する。ここで、磁束密度B50とは、5000A/mの磁場における磁束密度である。sol.Al含有量が0.0001%未満では、これらの作用効果を十分に得られない。また、Alには製鋼での脱硫促進効果もある。従って、sol.Al含有量は0.0001%以上とする。一方、sol.Al含有量が1.0%超では、磁束密度が低下したり、降伏比を低下させて、打ち抜き加工性を低下させたりする。従って、sol.Al含有量は1.0%以下とする。
<<S:0.0100%以下>>
Sは、必須元素ではなく、例えば鋼中に不純物として含有される。Sは、微細なMnSの析出により、焼鈍における再結晶および結晶粒の成長を阻害する。従って、S含有量は低ければ低いほどよい。このような再結晶および結晶粒成長の阻害による鉄損の増加および磁束密度の低下は、S含有量が0.0100%超で顕著である。このため、S含有量は0.0100%以下とする。尚、S含有量の下限は特に限定しないが、精錬時の脱硫処理のコストを踏まえ、0.0003%以上とすることが好ましい。
<<N:0.0100%以下>>
NはCと同様に、磁気特性を劣化させるので、N含有量は低ければ低いほどよい。したがって、N含有量は0.0100%以下とする。尚、N含有量の下限は特に限定しないが、精錬時の脱窒処理のコストを踏まえ、0.0010%以上とすることが好ましい。
<<Mn、Ni、Co、Pt、Pb、Cu、Auからなる群から選ばれる1種以上:総計で2.50%〜5.00%>>
これらの元素は、α−γ変態を生じさせるために必要な元素であることから、これらの元素の少なくとも1種を総計で2.50%以上含有させる必要がある。一方で、総計で5.00%を超えると、コスト高となり、磁束密度が低下する場合もある。したがって、これらの元素の少なくとも1種を総計で5.00%以下とする。
また、α−γ変態が生じ得る条件として、更に以下の条件を満たしているものとする。つまり、Mn含有量(質量%)を[Mn]、Ni含有量(質量%)を[Ni]、Co含有量(質量%)を[Co]、Pt含有量(質量%)を[Pt]、Pb含有量(質量%)を[Pb]、Cu含有量(質量%)を[Cu]、Au含有量(質量%)を[Au]、Si含有量(質量%)を[Si]、sol.Al含有量(質量%)を[sol.Al]としたときに、質量%で、以下の(3)式を満たすことが好ましい。
([Mn]+[Ni]+[Co]+[Pt]+[Pb]+[Cu]+[Au])−([Si]+[sol.Al])>0% ・・・(3)
前述の(3)式を満たさない場合には、α−γ変態が生じないため、磁束密度が低くなる。
<<Sn:0.000%〜0.400%、Sb:0.000%〜0.400%、P:0.000%〜0.400%>>
SnやSbは冷間圧延、再結晶後の集合組織を改善して、その磁束密度を向上させる。そのため、これらの元素を必要に応じて含有させてもよいが、過剰に含まれると鋼を脆化させる。したがって、Sn含有量、Sb含有量はいずれも0.400%以下とする。また、Pは再結晶後の鋼板の硬度を確保するために含有させてもよいが、過剰に含まれると鋼の脆化を招く。したがって、P含有量は0.400%以下とする。以上のように磁気特性等のさらなる効果を付与する場合には、0.020%〜0.400%のSn、0.020%〜0.400%のSb、および0.020%〜0.400%のPからなる群から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
<<Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、La、Nd、Pr、Zn、およびCdからなる群から選ばれる1種以上:総計で0.0000%〜0.0100%>>
Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、La、Nd、Pr、ZnおよびCdは、溶鋼の鋳造時に溶鋼中のSと反応して硫化物若しくは酸硫化物またはこれらの両方の析出物を生成する。以下、Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、La、Nd、Pr、ZnおよびCdを総称して「粗大析出物生成元素」ということがある。粗大析出物生成元素の析出物の粒径は1μm〜2μm程度であり、MnS、TiN、AlN等の微細析出物の粒径(100nm程度)よりはるかに大きい。このため、これら微細析出物は粗大析出物生成元素の析出物に付着し、中間焼鈍における再結晶および結晶粒の成長を阻害しにくくなる。これらの作用効果を十分に得るためには、これらの元素の総計が0.0005%以上であることが好ましい。但し、これらの元素の総計が0.0100%を超えると、硫化物若しくは酸硫化物またはこれらの両方の総量が過剰となり、中間焼鈍における再結晶および結晶粒の成長が阻害される。従って、粗大析出物生成元素の含有量は総計で0.0100%以下とする。
<<集合組織>>
次に、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板の集合組織について説明する。製造方法の詳細については後述するが、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板はα−γ変態が生じ得る化学組成であり、熱間圧延での仕上げ圧延終了直後の急冷によって組織を微細化することによって{100}結晶粒が成長した組織となる。これにより、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板は{100}<011>方位の集積強度が5〜30となり、圧延方向に対して45°方向の磁束密度B50が特に高くなる。このように特定の方向で磁束密度が高くなるが、全体的に全方向平均で高い磁束密度が得られる。{100}<011>方位の集積強度が5未満になると、磁束密度を低下させる{111}<112>方位の集積強度が高くなり、全体的に磁束密度が低下してしまう。また、{100}<011>方位の集積強度が30を超える製造方法は前述のように熱間圧延板を厚くする必要があり、製造が困難という課題がある。
{100}<011>方位の集積強度は、X線回折法または電子線後方散乱回折(electron backscatter diffraction:EBSD)法により測定することができる。X線および電子線の試料からの反射角等が結晶方位毎に異なるため、ランダム方位試料を基準にしてこの反射強度等で結晶方位強度を求めることができる。積層コアに使用する電磁鋼板の一例として好適な無方向性電磁鋼板の{100}<011>方位の集積強度は、X線ランダム強度比で5〜30となる。このとき、EBSDにより結晶方位を測定し、X線ランダム強度比に換算した値を用いても良い。
<<厚さ>>
次に、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板の厚さについて説明する。積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板の厚さは、0.50mm以下である。厚さが0.50mm超であると、優れた高周波鉄損を得ることができない。従って、厚さは0.50mm以下とする。
<<磁気特性>>
次に、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板の磁気特性について説明する。磁気特性を調べる際には、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板の磁束密度であるB50の値を測定する。製造された無方向性電磁鋼板において、その圧延方向の一方と他方とは区別できない。そのため本実施形態では、圧延方向とはその一方および他方の双方向をいう。圧延方向におけるB50(T)の値をB50L、圧延方向から45°傾いた方向におけるB50(T)の値をB50D1、圧延方向から90°傾いた方向におけるB50(T)の値をB50C、圧延方向から135°傾いた方向におけるB50(T)の値をB50D2とすると、B50D1およびB50D2が最も高く、B50L+B50Cが最も低いという磁束密度の異方性がみられる。尚、(T)は、磁束密度の単位(テスラ)を指す。
ここで、例えば時計回り(反時計回りでもよい)の方向を正の方向とした磁束密度の全方位(0°〜360°)分布を考えた場合、圧延方向を0°(一方向)および180°(他方向)とすると、B50D1は45°および225°のB50値、B50D2は135°および315°のB50値となる。同様に、B50Lは0°および180°のB50値、B50Cは90°および270°のB50値となる。45°のB50値と225°のB50値とは厳密に一致し、135°のB50値と315°のB50値とは厳密に一致する。しかしながら、B50D1とB50D2とは、実際の製造に際して磁気特性を同じにすることが容易でない場合があることから、厳密には一致しない場合がある。同様に、0°のB50値と180°のB50値とは厳密に一致し、90°のB50値と270°のB50値とは厳密に一致する一方で、B50LとB50Cとは厳密には一致しない場合がある。積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板では、B50D1およびB50D2の平均値と、B50LとB50Cの平均値とを用いて、以下の(4)式且つ(5)式を満たす。
(B50D1+B50D2)/2>1.7T ・・・(4)
(B50D1+B50D2)/2>(B50L+B50C)/2・・・(5)
このように、磁束密度を測定すると、(4)式のようにB50D1およびB50D2の平均値が1.7T以上となると共に、(5)式のように磁束密度の高い異方性が確認される。
更に、(3)式を満たすことに加え、以下の(6)式のように、(5)式よりも磁束密度の異方性が高いことが好ましい。
(B50D1+B50D2)/2>1.1×(B50L+B50C)/2・・・(6)
更に、以下の(7)式のように、磁束密度の異方性がより高いことが好ましい。
(B50D1+B50D2)/2>1.2×(B50L+B50C)/2・・・(7)
尚、前記の45°は、理論的な値であり、実際の製造に際しては45°に一致させることが容易でない場合があることから、厳密には45°に一致していないものも含むものとする。このことは、当該0°,90°,135°,180°,225°,270°,315°についても同様である。
磁束密度の測定は、圧延方向に対して45°、0°方向等から55mm角の試料を切り出し,単板磁気測定装置を用いて行うことができる。
<<製造方法>>
次に、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板の製造方法の一例について説明する。積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板を製造する際には、例えば、熱間圧延、冷間圧延(第1の冷間圧延)、中間焼鈍(第1の焼鈍)、スキンパス圧延(第2の冷間圧延)、仕上焼鈍(第3の焼鈍)、歪取焼鈍(第2の焼鈍)等が行われる。
まず、前述した鋼材を加熱し、熱間圧延を施す。鋼材は、例えば通常の連続鋳造によって製造されるスラブである。熱間圧延の粗圧延および仕上げ圧延はγ域(Ar1以上)の温度で行う。つまり、仕上げ圧延の仕上温度がAr1以上となるように熱間圧延を行う。これにより、その後の冷却によってオーステナイトからフェライトへ変態することにより組織は微細化する。微細化された状態でその後冷間圧延を施すと、張出再結晶(以下、バルジング)が発生しやすく、通常は成長しにくい{100}結晶粒を成長させやすくすることができる。
また、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板を製造する際には、更に仕上げ圧延の最終パスを通過する際の温度(仕上温度)をAr1以上とする。オーステナイトからフェライトへ変態することによって結晶組織を微細化するようにしている。このように結晶組織を微細化させることによって、その後の冷間圧延、中間焼鈍を経てバルジングを発生させやすくすることができる。
その後、熱間圧延板焼鈍は行わずに巻き取り、酸洗を経て、熱間圧延鋼板に対して冷間圧延を行う。冷間圧延では圧下率を80%〜92%とすることが好ましい。圧下率が80%未満ではバルジングが発生しにくくなり、圧下率が92%超ではその後のバルジングによって{100}結晶粒が成長しやすくなるが、熱間圧延鋼板を厚くしないといけなく、熱間圧延の巻取りが困難になり、操業が困難になりやすくなる。
冷間圧延が終了すると、続いて中間焼鈍を行う。積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板を製造する際には、オーステナイトへ変態しない温度で中間焼鈍を行う。つまり、中間焼鈍の温度をAc1未満とすることが好ましい。このように中間焼鈍を行うことによってバルジングが生じ、{100}結晶粒が成長しやすくなる。また、中間焼鈍の時間は、5秒間〜60秒間とすることが好ましい。
中間焼鈍が終了すると、次にスキンパス圧延を行う。前述したようにバルジングが発生した状態でスキンパス圧延、焼鈍を行うと、バルジングが発生した部分を起点に{100}結晶粒が更に成長する。これはスキンパス圧延により、{100}<011>結晶粒には歪がたまりにくく、{111}<112>結晶粒には歪がたまりやすい性質があり、その後の焼鈍で歪の少ない{100}<011>結晶粒が歪の差を駆動力に{111}<112>結晶粒を蚕食するためである。歪差を駆動力にして発生するこの蚕食現象は歪誘起粒界移動(以下、SIBM)と呼ばれる。スキンパス圧延の圧下率は5%〜25%とすることが好ましい。圧下率が5%未満では歪量が少なすぎるため、この後の焼鈍で歪誘起粒界移動(以下、SIBM)が起きなくなり、{100}<011>結晶粒は大きくならない。一方、圧下率が25%超では歪量が多くなり過ぎ、{111}<112>結晶粒の中から新しい結晶粒が生まれる再結晶核生成(以下Nucleation)が発生する。このNucleationでは殆どの生まれてくる粒が{111}<112>結晶粒のため、磁気特性が悪くなる。
スキンパス圧延を施した後、歪を開放して加工性を向上させるために仕上げ焼鈍を行う。仕上げ焼鈍も同様にオーステナイトへ変態しない温度とし、仕上げ焼鈍の温度をAc1未満とする。このように仕上げ焼鈍を行うことによって、{100}<011>結晶粒が{111}<112>結晶粒を蚕食し、磁気特性を向上させることができる。また、仕上げ焼鈍時に600℃〜Ac1となる時間を1200秒以内とする。この焼鈍時間が短すぎるとスキンパスで入れた歪がほとんど残り、複雑な形状を打ち抜くときに反りが発生する。一方、焼鈍時間が長すぎると結晶粒が粗大になり過ぎ、打ち抜き時にダレが大きくなり、打ち抜き精度が出なくなる。
仕上焼鈍が終了すると、所望の鉄鋼部材とすべく、無方向性電磁鋼板の成形加工等が行われる。そして、無方向性電磁鋼板からなる鉄鋼部材に成形加工等(例えば打ち抜き)により生じた歪等を除去すべく、鉄鋼部材に歪取焼鈍を施す。本実施形態では、Ac1よりも下で、SIBMが発生し、結晶粒径も粗大に出来るようにするため、歪取焼鈍の温度を例えば800℃程度とし、歪取焼鈍の時間を2時間程度とする。
積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板(鉄鋼部材)では、前述の製造方法のうち、主に熱間圧延工程においてAr1以上で仕上げ圧延をすることにより、前記(3)式の高いB50および前記(4)式の優れた異方性が得られる。更に、冷間圧延工程において、圧下率を85%程度にすることで前記(5)式、スキンパス圧延工程において圧下率を10%程度にすることで前記(6)式のより優れた異方性が得られる。
以上のように積層コアに使用する電磁鋼板の一例として、無方向性電磁鋼板からなる鉄鋼部材を製造することができる。
次に、積層コアに使用する電磁鋼板の一例である無方向性電磁鋼板について、実施例を示しながら具体的に説明する。以下に示す実施例は、無方向性電磁鋼板のあくまでも一例にすぎず、無方向性電磁鋼板が下記の例に限定されるものではない。
<<第1の実施例>>
溶鋼を鋳造することにより、以下の表1に示す成分のインゴットを作製した。ここで、式左辺とは、前述の(3)式の左辺の値を表している。その後、作製したインゴットを1150℃まで加熱して熱間圧延を行い、板厚が2.5mmになるように圧延した。そして、仕上げ圧延終了後に水冷し熱間圧延鋼板を巻き取った。この時の仕上げ圧延の最終パスの段階での温度(仕上温度)は830℃であり、すべてAr1より大きい温度だった。尚、γ−α変態が起こらないNo.108については、仕上温度を850℃とした。
次に、熱間圧延鋼板において酸洗によりスケールを除去し、狙いの板厚の1.1倍の板厚(0.055〜0.550mm)になるまで冷間圧延を行った。そして、無酸化雰囲気中で700℃で30秒の中間焼鈍を行った。次いで、狙いの板厚(0.05〜0.50mm)になるまで2回目の冷間圧延(スキンパス圧延)を行った。ただし、{100}<011>強度を制御するため、No.110〜112は冷間圧延の圧下率を80%〜92%、2回目の冷間圧延(スキンパス圧延)の圧下率を5〜25%の範囲で変化させた。また、No.113は熱間圧延板の厚みを7mmにし、冷延圧下率を95%にして、スキンパス圧延は実施しなかった。
次に、磁気特性を調べるために2回目の冷間圧延(スキンパス圧延)の後に800℃で30秒の仕上げ焼鈍を行い、55mm角の試料を剪断加工で作成した後、800℃で2時間の歪取焼鈍を行い、磁束密度B50を測定した。測定試料は55mm角の試料を圧延方向に0°と45°の2種類の方向に採取した。そして、この2種類の試料を測定し、圧延方向に対して0°、45°、90°、135°の磁束密度B50をそれぞれB50L、B50D1、B50C、B50D2とした。
Figure 2021080502
表1中の下線は、本発明の範囲から外れた条件を示している。発明例であるNo.101〜No.107、No.109〜No.111、No.114〜No.116は、いずれも45°方向および全周平均共に磁束密度B50は良好な値であった。一方、比較例であるNo.108はSi濃度が高く、式左辺の値が0以下であり、α−γ変態しない組成であったことから、磁気密度B50はいずれも低かった。比較例であるNo.112は、スキンパス圧延率を低くしたため、{100}<011>強度を5未満であり、磁束密度B50がいずれも低かった。比較例であるNo.113は{100}<011>強度が30以上となり、本発明から外れている。No.113は熱間圧延板の厚みが7mmもあったため、操業しづらいという難点があった。
<<第2の実施例>>
溶鋼を鋳造することにより、以下の表2に示す成分のインゴットを作製した。その後、作製したインゴットを1150℃まで加熱して熱間圧延を行い、板厚が2.5mmになるように圧延した。そして、仕上げ圧延終了後に水冷し熱間圧延鋼板を巻き取った。この時の仕上げ圧延の最終パスの段階での仕上温度は830℃であり、すべてAr1より大きい温度だった。
次に、熱間圧延鋼板において酸洗によりスケールを除去し、板厚が0.385mmになるまで冷間圧延を行った。そして、無酸化雰囲気中で中間焼鈍を行い、再結晶率が85%となるように中間焼鈍の温度を制御した。次いで、板厚が0.35mmになるまで2回目の冷間圧延(スキンパス圧延)を行った。
次に、磁気特性を調べるために2回目の冷間圧延(スキンパス圧延)の後に800℃で30秒の仕上げ焼鈍を行い、55mm角の試料を剪断加工で作成した後、800℃で2時間の歪取焼鈍を行い、磁束密度B50と鉄損W10/400を測定した。磁束密度B50に関しては第1の実施例と同様の手順で測定した。一方で鉄損W10/400は、最大磁束密度が1.0Tになるように400Hzの交流磁場をかけた時に試料に生じるエネルギーロス(W/kg)として測定した。鉄損は圧延方向に対して0°、45°、90°、135°に測定した結果の平均値とした。
Figure 2021080502
Figure 2021080502
No.201〜No.214は全て発明例であり、いずれも磁気特性が良好であった。特に、No.202〜No.204はNo.201、No.205〜No.214よりも磁束密度B50が高く、No.205〜No.214はNo.201〜No.204よりも鉄損W10/400が低かった。
尚、本実施形態の積層コア(ステータコア411)に使用する電磁鋼板として、以上の無方向性電磁鋼板を用いなくてもよい。例えば、特開2017−145462号公報に記載されている無方向性電磁鋼板を用いることができる。ただし、当該無方向性電磁鋼板は、特に高周波における鉄損が大きくなる。従って、本実施形態の積層コア(ステータコア411)に使用する電磁鋼板として、以上の無方向性電磁鋼板を用いるのが好ましい。
(計算例)
次に、計算例を説明する。
まず、ステータコアに使用する電磁鋼板について説明する。ここでは、第1の実施形態で説明したステータコア111を構成する電磁鋼板300を素材Aと称する。素材Aは、W10/400が12.8W/kgの無方向性電磁鋼板である。W10/400は、磁束密度が1.0T、周波数が400Hzのときの鉄損である。第2の実施形態で説明したステータコア411を構成する電磁鋼板(<積層コアに使用する電磁鋼板>の項で説明した電磁鋼板)を素材Bと称する。何れの電磁鋼板も、厚さは0.25mmである。
まず、素材Bの素材Aに対するB50、W15/50、W15/100の比率(B50比率、W15/50比率、W15/100比率)を、表4に示す。
Figure 2021080502
ここで、B50は、磁界強度が5000A/mのときの磁束密度であり、W15/100は、磁束密度が1.5T、周波数が100Hzのときの鉄損である。ここでは、磁束密度および鉄損を、JIS C 2556:2015に記載の手法で測定した。また、表4では、素材Bの圧延方向からの角度毎の平均値を、素材Aの圧延方向からの角度毎の平均値を1.000として規格化した値(=素材Bの圧延方向からの角度毎の平均値÷素材Aの圧延方向からの角度毎の平均値)を示す。このように、表4の値は、相対値(無次元量)である。
表4より、素材BのB50は、素材AのB50よりも5.1%大きい。素材BのW15/50は、素材AのW15/50よりも12.0%小さい。素材BのW15/100は、素材AのW15/100よりも13.5%小さい。このように素材Bは、素材Aに比べ、B50が大きく鉄損が小さい。
図6は、W15/50比率と、圧延方向からの角度との関係の一例と(図6(a))、鉄損劣化率と、圧延方向からの角度との関係の一例と(図6(b))を示す図である。図7は、W15/100比率と、圧延方向からの角度との関係の一例と(図7(a))、鉄損劣化率と、圧延方向からの角度との関係の一例と(図7(b))を示す図である。素材Aおよび素材Bの磁気特性は、圧延方向RDと圧延方向RDとのなす角度が90°の方向とを軸として軸対称である。
図6(a)・図7(a)において、素材Aは、応力が与えられていない素材AのW15/50比率・W15/100比率を示し、素材A(30MPa)は、30MPaの圧縮応力が与えられた素材AのW15/50比率・W15/100比率を示す。素材Bは、応力が与えられていない素材BのW15/50比率・W15/100比率を示し、素材B(30MPa)は、30MPaの圧縮応力が与えられた素材BのW15/50比率・W15/100比率を示す。ここで、図6(a)および図7(a)では、素材Aの圧延方向からの角度毎の平均値を1.000として規格化した値を示している。
図6(b)・図7(b)において、鉄損劣化率は、応力が与えられていない電磁鋼板のW15/100の値と、30MPaの圧縮応力が与えられたときの電磁鋼板のW15/100の値との差の絶対値を、応力が与えられていない電磁鋼板のW15/100の値で割った値に100を掛けた値で表される。
図6(b)・図7(b)において、素材Aは、応力が与えられていない素材AのW15/50の値・W15/100の値と、30MPaの圧縮応力が与えられたときの素材AのW15/50の値・W15/100の値との差の絶対値を、応力が与えられていない素材AのW15/50の値・W15/100の値で割った値に100を掛けた値を示す。また、素材Bは、応力が与えられていない素材BのW15/50の値・W15/100の値と、30MPaの圧縮応力が与えられたときの素材BのW15/50の値・W15/100の値との差の絶対値を、応力が与えられていない素材BのW15/50の値・W15/100の値で割った値に100を掛けた値を示す。
図6(a)および図7(a)に示すように、素材Aでは、圧延方向RD(圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が0°の方向)に励磁した場合の鉄損が最も小さく、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°〜60°近傍の方向に励磁した場合の鉄損が大きい。
図6(b)および図7(b)に示すように、素材Aでは、図6(a)および図7(a)に示す鉄損の大小関係とは逆に、圧延方向RD(圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が0°の方向)に励磁した場合の鉄損劣化率が最も大きく、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°〜60°近傍の方向に励磁した場合の鉄損鉄損劣化率が小さい。
また、図6(a)および図7(a)に示すように、素材Bでは、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°の方向に励磁した場合の鉄損が最も小さく、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が0°または90°近傍の方向に励磁した場合の鉄損が大きい。
図6(b)および図7(b)に示すように、素材Bでは、図6(a)および図7(a)に示す鉄損の大小関係とは逆に、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°の方向に励磁した場合の鉄損劣化率が最も大きく、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が0°または90°の方向に励磁した場合の鉄損劣化率が小さい。
本発明者は、以上の素材Aおよび素材Bを用いて構成されるステータコアのカシメ部の位置により、ステータコアの鉄損がどのように変わるのかを、以下の三相かご型誘導電動機を解析対象の回転電機として、数値解析(コンピュータシミュレーション)を行うことにより調査した。数値解析には、JSOL株式会社製の有限要素法電磁場解析ソフトJMAGを利用した。
ステータコアの外径:220.0mm
ステータコアの内径:136.0mm
ステータコアの高さ(積厚):100mm
電磁鋼板の厚み:0.25mm
極数:4
スロット数:60
ロータコアの外径:134.0mm
ロータコアの内径:35.0mm
ロータコアの高さ:100mm
回転数:3000rpm
発明例として、素材Aにより構成されたステータコアに対し、図1に示す位置にカシメ部113a〜113hを形成した場合と、素材Bにより構成されたステータコアに対し、図4に示す位置にカシメ部413a〜413hを形成した場合とのそれぞれにおけるステータコアの鉄損を導出した。
比較例として、素材Aにより構成されたステータコア811に対し、図8に示す位置にカシメ部813a〜813hを形成した場合と、素材Bにより構成されたステータコア811に対し、図8に示す位置にカシメ部813a〜813hを形成した場合とのそれぞれにおけるステータコア811の鉄損を導出した。
図8は、比較例の回転電機800の構成を示す図である。図8に示す回転電機800は、図1、図4に示す回転電機100、400と、ステータ810(ステータコア811)に形成されるカシメ部813a〜813hの位置のみが異なる。図8は、図1と同様に、回転電機800を、回転電機800の中心軸線Oに平行な方向から見た図(平面図)である。
図8において、カシメ部813a〜813hは、周方向において45°おきに等間隔に配置される。
具体的に、カシメ部813a、813eは、電磁鋼板(素材A、B)の板面に平行な方向であって、中心軸線Oを通り、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が90°となる方向に延びる仮想線32上に重心が位置するように配置される。カシメ部813c、813gは、電磁鋼板(素材A、B)の板面に平行な方向であって、中心軸線Oを通り、圧延方向RDに延びる仮想線上に重心が位置するように配置される。カシメ部813b・813f、813d・813hは、電磁鋼板(素材A、B)の板面に平行な方向であって、中心軸線Oを通り、圧延方向RDとのなす角度のうち小さい方の角度が45°となる方向に延びる仮想線CD31、CD33上に重心が位置するように配置される。
以上のように、素材Aで構成したステータコア111に対して図1に示す位置にカシメ部113a〜113hを形成した場合の回転電機100と、素材Bで構成したステータコア411に対して図4に示す位置にカシメ部413a〜413hを形成した場合の回転電機400と、の2つの回転電機を発明例の回転電機とする。また、素材Aで構成したステータコア811に対して図8に示す位置にカシメ部813a〜813hを形成した場合の回転電機800と、素材Bで構成したステータコア811に対して図8に示す位置にカシメ部813a〜813hを形成した場合の回転電機800と、の2つの回転電機を発明例の回転電機とする。
カシメ部の位置と、ステータコアを構成する電磁鋼板の磁気特性以外の、発明例および比較例の回転電機の構成は同じである。
発明例および比較例の回転電機のそれぞれについて、回転数が3000rpm、高さ方向1mm当たりのトルクが1.0Nm/mmとなるように動作させた場合のステータコア内の鉄損を、電磁場解析を行うことにより導出した。この結果を表5に示す。
Figure 2021080502
表5において、鉄損比率は、素材Aで構成したステータコア811に対して図8に示す位置にカシメ部813a〜813hを形成した場合の回転電機800(素材Aの比較例)のステータコアの鉄損を、1.000(表5の素材A・比較例の欄を参照)として規格化した場合の鉄損の値を示す。このように、表5の値は、相対値(無次元量)である。
素材Aについては、カシメ部方向の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域に、カシメ部113a〜113hを形成することにより、そうでない領域を含む領域に、カシメ部813a〜813hを形成する場合に比べ、ステータコアの鉄損を0.6%低減することができた(表5の素材A・低減率の欄を参照)。
また、素材Bについては、カシメ部方向の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域に、カシメ部413a〜413hを形成することにより、そうでない領域を含む領域に、カシメ部813a〜813hを形成する場合に比べ、ステータコアの鉄損を1.2%低減することができた(表5の素材B・低減率の欄を参照)。
このように、素材Aおよび素材Bの何れの場合でも、カシメ部方向の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域に、カシメ部113a〜113h、413a〜413hを形成することにより、そうでない領域を含む領域に、カシメ部813a〜813hを形成する場合に比べ、ステータコアの鉄損を低減することができることが分かる。また、素材Aよりも素材Bを用いた方が、ステータコアの鉄損を低減することができることが分かる。また、図1および図4を比較すると、素材Aを用いる場合(図1)に比べ、素材Bを用いる場合(図4)の方が、周方向において、カシメ部を均等に配置することができることが分かる。即ち、周方向において相互に隣接する2つのカシメ部の間隔の差を小さくすることができる。
(その他の変形例)
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100,400,800:回転電機、110,410,810:ステータ、111,411:ステータコア、111a,411a:コアバック部、111b,411b:ティース部、113a〜113h,413a〜413h,813a〜813h:カシメ部、112:巻線、120:ロータ、130:回転軸、140:ケース、O:中心軸線、RD:圧延方向

Claims (5)

  1. 板面同士が相互に対向するように積層された複数の電磁鋼板を有する積層コアであって、
    前記複数の電磁鋼板に対して形成された少なくとも1つのカシメ部を有し、
    前記カシメ部は、前記電磁鋼板の磁気特性の値が基準値よりも劣位な値となる領域に形成されており、
    前記基準値は、予め測定された複数の方向における前記電磁鋼板の磁気特性の値の平均値に基づいて定められることを特徴とする積層コア。
  2. 前記電磁鋼板は、
    質量%で、
    C:0.0100%以下、
    Si:1.50%〜4.00%、
    sol.Al:0.0001%〜1.0%、
    S:0.0100%以下、
    N:0.0100%以下、
    Mn、Ni、Co、Pt、Pb、Cu、Auからなる群から選ばれる1種以上:総計で2.50%〜5.00%、
    Sn:0.000%〜0.400%、
    Sb:0.000%〜0.400%、
    P:0.000%〜0.400%、および
    Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、La、Nd、Pr、Zn、Cdからなる群から選ばれる1種以上:総計で0.0000%〜0.0100%を含有し、
    Mn含有量(質量%)を[Mn]、Ni含有量(質量%)を[Ni]、Co含有量(質量%)を[Co]、Pt含有量(質量%)を[Pt]、Pb含有量(質量%)を[Pb]、Cu含有量(質量%)を[Cu]、Au含有量(質量%)を[Au]、Si含有量(質量%)を[Si]、sol.Al含有量(質量%)を[sol.Al]としたときに、以下の(A)式を満たし、
    残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、
    圧延方向のB50をB50L、圧延方向とのなす角度が90°の方向のB50をB50C、圧延方向となす角度のうち小さい方の角度が45°となる2つの方向のB50のうち一方の方向のB50、他方の方向のB50を、それぞれ、B50D1、B50D2としたときに、以下の(B)式且つ(C)式を満たし、{100}<011>のX線ランダム強度比が5以上30未満であり、板厚が0.50mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層コア。
    ([Mn]+[Ni]+[Co]+[Pt]+[Pb]+[Cu]+[Au])−([Si]+[sol.Al])>0% ・・・(A)
    (B50D1+B50D2)/2>1.7T ・・・(B)
    (B50D1+B50D2)/2>(B50L+B50C)/2・・・(C)
  3. 前記積層コアは、ラジアルギャップ型の回転電機のロータコアまたはステータコアであり、
    前記カシメ部は、前記電磁鋼板の板面に平行な方向であって、前記ロータコアまたはステータコアの軸と前記カシメ部の重心の位置とを通る仮想線に沿う方向における前記電磁鋼板の磁気特性の値が前記基準値よりも劣位な値となる領域に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の積層コア。
  4. 前記電磁鋼板は、前記電磁鋼板の圧延方向とのなす角度のうち小さい方の角度が45°となる2つの方向における磁気特性が最も優れており、
    前記カシメ部は、前記ロータコアまたはステータコアの軸を通り前記電磁鋼板の板面に平行な方向に延びる仮想線により定まる範囲であって、当該仮想線と前記電磁鋼板の圧延方向とのなす角度のうち小さい方の角度が、0°以上25°以下の4つの範囲と、65°以上90°以下の4つの範囲とのうち、少なくとも1つの範囲内に少なくとも1つ形成されていることを特徴とする請求項3に記載の積層コア。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の積層コアを有することを特徴とする電気機器。
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