JP2021076024A - 排気浄化システムおよび堆積量推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気浄化装置の上流側で排気通路内に噴射される添加液に由来して排気通路内に生じている堆積物の量をより精度よく推定する。【解決手段】本開示の排気浄化システムは、内燃機関の運転中に、排気通路内に生じている堆積物の堆積量を推定する第1推定部と、内燃機関の始動時に、堆積物の堆積箇所の温度、添加弁の周辺に位置する周辺部品の温度、排ガスの温度および外気温度の各々の内燃機関の停止時と始動時との温度差に基づいて、内燃機関の停止中に堆積物が受けた熱負荷を算出すると共に、算出した熱負荷に基づいて停止中に生じた堆積物の変化量を算出し、内燃機関の停止時に推定されていた堆積量と、上記変化量とから内燃機関の始動時における堆積量を推定する第2推定部とを含む。【選択図】図1
Description
本開示は、内燃機関の排ガスを浄化する排気浄化装置の上流側で排気通路内に添加液を噴射する添加弁を含む排気浄化システム、および当該添加液に由来して排気通路内に生じる堆積物の量を推定する堆積量推定方法に関する。
従来、内燃機関の排気通路に尿素水等の添加液を添加する添加弁と、排気通路の添加弁よりも下流側に設けられた触媒と、排気通路の添加弁よりも下流側であって触媒よりも上流側に配置されたミキサと、添加液に由来する可溶分および不溶分のミキサへの堆積量を推定する推定部とを含む内燃機関の排気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この排気浄化装置の推定部は、所定時間前における可溶分および不溶分の堆積量に基づいて、添加弁から添加される添加液のうちのミキサに付着する添加液の量を算出する。更に、当該推定部は、可溶分およびミキサに付着する添加液のうちの不溶分への変質量、可溶分およびミキサに付着する添加液の熱分解量、並びに不溶分の熱分解量を推定することで、可溶分および不溶分の堆積量を推定する。かかる可溶分および不溶分の堆積量の推定は、内燃機関を搭載した車両の運転中に所定の周期ごとに繰り返し実行される。
しかしながら、内燃機関の運転が停止された際にミキサの周辺温度が高い場合には、内燃機関の停止から次の始動までの間に、ミキサに堆積(付着)した堆積物が化学反応により変質することがある。従って、上記従来の推定手法は、堆積量の推定精度の面でなお改善の余地を有している。
そこで、本開示は、排気浄化装置の上流側で排気通路内に噴射される添加液に由来して排気通路内に生じている堆積物の量をより精度よく推定することを主目的とする。
本開示の排気浄化システムは、内燃機関の排ガスを浄化する排気浄化装置と、前記排気浄化装置の上流側で排気通路内に添加液を噴射する添加弁と、前記添加液に由来して前記排気通路内で生じる堆積物の量を推定する堆積量推定部とを含む排気浄化システムにおいて、前記堆積量推定部が、前記内燃機関の運転中に、前記排気通路内に生じている前記堆積物の堆積量を推定する第1推定部と、前記内燃機関の始動時に、前記堆積物の堆積箇所の温度、前記添加弁の周辺に位置する周辺部品の温度、排ガスの温度および外気温度の各々の前記内燃機関の停止時と前記始動時との温度差に基づいて、前記内燃機関の停止中に前記堆積物が受けた熱負荷を算出すると共に、算出した熱負荷に基づいて、前記内燃機関の前記停止中に生じた前記堆積物の変化量を算出し、前記内燃機関の前記停止時に前記第1推定部により推定されていた前記堆積量と、前記変化量とから前記内燃機関の前記始動時における前記堆積量を推定する第2推定部とを含むものである。
本開示の排気浄化システムの第1推定部は、内燃機関の運転中に、排気通路内で生じている堆積物の堆積量を推定する。また、第2推定部は、内燃機関の始動時に、堆積物の堆積箇所の温度、添加弁の周辺に位置する周辺部品の温度、排ガスの温度および外気温度の各々について内燃機関の停止時と始動時との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、内燃機関の停止中に堆積物が受けた熱負荷を算出する。更に、第2推定部は、当該熱負荷に基づいて、内燃機関の停止中に生じた堆積物の変化量を算出する。そして、第2推定部は、内燃機関の停止時に第1推定部により推定されていた堆積量と、当該変化量とから内燃機関の始動時における堆積量を推定する。これにより、内燃機関の停止中における堆積物の変化量を適正に取得して堆積量の推定値に反映させることができる。従って、本開示の排気浄化システムでは、排気浄化装置の上流側で排気通路内に噴射される添加液に由来して排気通路内に生じている堆積物の量をより精度よく推定することが可能となる。
また、前記第1推定部は、前記堆積量として、可溶成分の堆積量と、不溶成分の堆積量とを推定するものであってもよく、前記第2推定部は、前記内燃機関の前記停止中における前記堆積物の前記変化量として、前記不溶成分に変質した前記可溶成分の量である変質量と、前記可溶成分の熱分解による消失量と、前記不溶成分の熱分解による消失量とを算出し、前記内燃機関の前記始動時に、前記内燃機関の前記停止時における前記可溶成分の前記堆積量から前記変質量および前記可溶成分の前記消失量を減算すると共に、前記内燃機関の前記停止時における前記不溶成分の前記堆積量と前記変質量との和から前記不溶成分の前記消失量を減算するものであってもよい。
更に、前記排気浄化システムは、前記添加液と前記排ガスとの混合を促進させるように前記排気浄化装置の上流側かつ前記添加弁の下流側に配置されたミキサを含むものであってもよく、前記添加弁は、前記添加液として尿素水を前記ミキサに向けて噴射するものであってもよく、前記堆積物の堆積箇所の温度は、前記ミキサの温度であってもよい。
本開示の堆積量推定方法は、内燃機関の排ガスを浄化する排気浄化装置の上流側で添加弁から排気通路内に噴射される添加液に由来して前記排気通路内に生じる堆積物の量を推定する堆積量推定方法において、前記内燃機関の運転中に、前記排気通路内に生じている前記堆積物の堆積量を推定し、前記内燃機関の始動時に、前記堆積物の堆積箇所の温度、前記添加弁の周辺に位置する周辺部品の温度、排ガスの温度および外気温度の各々について前記内燃機関の停止時と前記始動時との温度差を算出し、前記温度差に基づいて、前記内燃機関の停止中に前記堆積物が受けた熱負荷を算出し、前記熱負荷に基づいて、前記内燃機関の前記停止中に生じた前記堆積物の変化量を算出し、前記内燃機関の前記停止時に推定されていた前記堆積量と、前記変化量とから前記内燃機関の前記始動時における前記堆積量を推定するものである。
かかる方法によれば、排気浄化装置の上流側で排気通路内に噴射される添加液に由来して排気通路内に生じている堆積物の量をより精度よく推定することが可能となる。
次に、図面を参照しながら本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の排気浄化システムを含む内燃機関1を例示する概略構成図である。同図に示す内燃機関1は、走行用の動力発生源として車両に搭載されるディーゼルエンジンである。内燃機関1は、図示するように、複数(本実施形態では、例えば4つ)の燃焼室2と、ピストン3と、吸気管4と、スロットルバルブ5と、吸気マニホールド6と、複数の吸気弁7と,複数の筒内噴射弁8と、複数の排気弁9と、排気マニホールド10と、排気管(排気通路)11と、ターボチャージャー(過給機)12と、インタークーラー(冷却器)13と、上流側排気浄化装置14と、下流側排気浄化装置15とを含む。内燃機関1は、複数の燃焼室2内でピストン3により圧縮加熱された空気に対して噴射される軽油等の燃料(液体燃料)を自己発火させ、燃料の燃焼に伴うピストン3の往復運動をクランクシャフト(図示省略)の回転運動へと変換する。
スロットルバルブ5は、吸気管4内の通路面積を変更可能な例えば電子制御式のスロットルバルブである。吸気マニホールド6は、吸気管4および各燃焼室2の吸気ポートに接続される。複数の吸気弁7は、それぞれ対応する燃焼室2の吸気ポートを開閉する。複数の筒内噴射弁8は、それぞれ対応する燃焼室2内に燃料を直接噴射する。複数の排気弁9は、それぞれ対応する燃焼室2の排気ポートを開閉する。ただし、筒内噴射弁8の代わりに、それぞれ対応する吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁が内燃機関1に設けられてもよい。排気マニホールド10は、各燃焼室2の排気ポートおよび排気管11に接続される。
ターボチャージャー12は、排気管11内を流通する排ガスにより回転させられるタービンTと、当該タービンTに連結されて吸気管4内の空気を圧縮するコンプレッサCとを含む。インタークーラー13は、ターボチャージャー12のコンプレッサCとスロットルバルブ5との間で吸気管4内を流通する空気を冷却する。上流側排気浄化装置14は、ターボチャージャー12のタービンTの下流側で排気管11に組み込まれており、酸化触媒(DOC)14aと、当該酸化触媒14aの下流側で排ガス中の粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタ(DPF)14bとを含む。下流側排気浄化装置15は、上流側排気浄化装置14の下流側で排気管11に組み込まれており、NOx吸蔵還元触媒(NSR触媒)15aを含む。
更に、内燃機関1は、図1に示すように、軽油等の燃料を貯留する燃料タンク20と、フィードポンプ(低圧ポンプ)21と、フィードポンプ21の吐出口に接続された低圧燃料供給管LLと、フィードポンプ21からの燃料を昇圧させるサプライポンプ(高圧ポンプ)22と、サプライポンプ22の吐出口に接続された高圧燃料供給管LHと、高圧燃料供給管LHおよび複数の筒内噴射弁8に接続されたコモンレール(蓄圧室)23と、低圧燃料供給管LLに接続された燃料添加弁80とを含む。
フィードポンプ21は、図示しない補機バッテリからの電力により駆動されるモータを含む電動ポンプである。フィードポンプ21は、燃料タンク20内の燃料を吸引してサプライポンプ22および低圧燃料供給管LLに供給する。サプライポンプ22も、補機バッテリからの電力により駆動されるモータを含む電動ポンプである。サプライポンプ22は、フィードポンプ21からの燃料を昇圧し、高圧燃料供給管LHを介してコモンレール23に供給する。サプライポンプ22からの高圧の燃料は、コモンレール23内に蓄えられると共に、当該コモンレール23から各筒内噴射弁8に供給される。ただし、フィードポンプ21は、燃料タンク20内に配置されてもよく、サプライポンプ22は、例えば内燃機関1により駆動される機械式ポンプであってもよい。
燃料添加弁80は、ノズルボディと、当該ノズルボディに形成された複数(例えば、6〜8個)の噴孔と、各噴孔に連通するようにノズルボディに形成されたサック部(サックボリューム)と、図示しない燃料溜めとサック部とを連通させる通路(隙間)を開閉するニードルと、ニードルを軸方向に進退移動させる電磁駆動機構等(何れも図示省略)を含む電子制御式の電磁弁である。燃料添加弁80は、上流側排気浄化装置14よりも上流側、すなわちターボチャージャー12のタービンTと上流側排気浄化装置14との間で排気管11内の排ガスに対して燃料を噴射するように当該排気管11に取り付けられる。更に、低圧燃料供給管LLは、燃料添加弁80側からフィードポンプ21(燃料タンク20)側への燃料の流れを規制する逆止弁24を含む。なお、燃料添加弁80は、ターボチャージャー12よりも上流側で排ガスに対して燃料を噴射するように排気マニホールド10あるいは排気管11に取り付けられてもよい。また、逆止弁24と燃料添加弁80との間には、蓄圧室が配置されてもよい。
更に、内燃機関1は、上流側排気浄化装置14の下流側かつ下流側排気浄化装置15の上流側に位置するように排気管11に組み込まれたミキサ16と、排ガスに含まれるNOxを還元するための還元剤を含む添加液としての尿素水を貯留する還元剤タンク25と、還元剤ポンプ27と、当該還元剤ポンプ27の吐出口に接続された還元剤供給管LRと、当該還元剤供給管LRに接続された還元剤添加弁85とを含む。ミキサ16は、放射状に延在すると共に排気管11内の排ガスにより旋回させられる複数の旋回翼(図示省略)を含む。還元剤ポンプ27は、図示しない補機バッテリからの電力により駆動されるモータを含む電動ポンプであり、還元剤タンク25内の尿素水を吸引して還元剤供給管LRを介して還元剤添加弁85に圧送する。還元剤添加弁85は、上流側排気浄化装置14の下流側かつ下流側排気浄化装置15およびミキサ16の上流側で排気管11内のミキサ16(旋回翼)に対して尿素水を噴射するように当該排気管11に取り付けられる。これにより、旋回する複数の旋回翼により尿素水が排ガス中に拡散させられ、尿素水と排ガスとの混合が促進される。更に、ミキサ16には、複数の旋回翼に付着した尿素水に由来するデポジットを除去するために、図示しないヒータが設けられている。
加えて、内燃機関1は、その全体を制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)50を含む。ECU50は、図示しないCPUや各種制御プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入力ポート、出力ポート等を含むマイクロコンピュータと、各種駆動回路等を含む。ECU50は、入力ポートを介して各種センサからの信号(物理量)を取得する。
より詳細には、ECU50は、クランクシャフトの回転位置(クランクポジション)、スロットルバルブ5の弁***置(スロットルポジション)、吸入空気量、吸気管4内の圧力、冷却水の温度Tw、低圧燃料供給管LL内の燃料の圧力PL、高圧燃料供給管LH内の圧力PH、上流側排気浄化装置14に流入する排ガスの温度Tg、上流側排気浄化装置14に流入する排ガスの圧力Pg、下流側排気浄化装置15に流入する排ガス中のNOx濃度等を取得する。クランクシャフトの回転位置は、図示しないクランクポジションセンサにより検出され、ECU50は、クランクシャフトの回転位置に基づいて内燃機関1の回転数Neを算出する。スロットルバルブ5の弁***置は、図示しないスロットルバルブポジションセンサにより検出される。吸入空気量は、図示しないエアフローメータにより検出され、吸気管4内の圧力は、図示しない吸気圧センサにより検出される。冷却水の温度Twは、水温センサ60により検出される。燃料の圧力PLは、低圧燃圧センサ61により検出され、圧力PHは、高圧燃圧センサ62により検出される。排ガスの温度Tgは、排ガス温度センサ63により検出され、排ガスの圧力Pgは、排気圧センサ64により検出される。排ガスの圧力Pgは、排気圧センサ64により検出される。排ガス中のNOxの濃度は、NOxセンサ65により検出される。ECU50は、回転数Neや上記センサの検出値に基づいて、スロットルバルブ5や各筒内噴射弁8、吸気弁7および排気弁9を駆動する図示しない動弁機構等への制御信号を生成し、これらの機器を制御する。
また、ECU50は、低圧燃圧センサ61により検出される低圧燃料供給管LL内の燃料の圧力PLが目標圧PLtagになるようにフィードポンプ21を制御する。すなわち、ECU50は、フィードポンプ21、逆止弁24を含む低圧燃料供給管LLおよび燃料添加弁80と共に、本開示の添加液供給装置を構成する。更に、ECU50は、高圧燃圧センサ62により検出されるコモンレール23内の燃料の圧力PHが目標圧PHtagになるようにサプライポンプ22を制御する
加えて、ECU50は、パティキュレートフィルタ14bにおける粒子状物質の推定堆積量が再生開始閾値に達すると、当該推定堆積量が再生完了閾値になるまで、排気管11内の排ガスに上流側排気浄化装置14の上流側で添加液としての燃料が噴射(添加)されるようにフィードポンプ21および燃料添加弁80を制御する。これにより、添加された燃料の酸化触媒14aでの反応による排ガスの温度上昇を利用して上流側排気浄化装置14のパティキュレートフィルタ14bにより捕集された粒子状物質を燃焼させ、当該パティキュレートフィルタ14bを再生することが可能となる。
更に、ECU50は、例えばNOxセンサ65により検出されたNOxの濃度が予め定められた還元開始閾値以上になると、当該NOxの濃度が予め定められた還元停止閾値になるまで、排気管11内の排ガスに下流側排気浄化装置15の上流側で添加液としての尿素水が噴射(添加)されるように還元剤ポンプ27および還元剤添加弁85を制御する。排気管11内に噴射された尿素水は、ミキサ16により拡散させられると共に排ガス中の水と反応して加水分解する。これにより、排気管11内にアンモニアガスが生成され、生成されたアンモニアは、下流側排気浄化装置15の触媒層に物理的に吸着される。 そして、吸着されたアンモニアの一部は、NOx吸蔵還元触媒15aにおいて排ガス中のNOxを還元する。なお、尿素水の添加は、排ガスの温度Tgが予め定められた還元開始温度以上になってから、当該温度Tg予め定められた還元停止温度になるまで実行されてもよい。
ここで、ミキサ16により尿素水を拡散することで、尿素水と排ガスとの混合を促進させ、下流側排気浄化装置15(NOx吸蔵還元触媒15a)の浄化性能を高めることができる。ただし、還元剤添加弁85からミキサ16に向けて尿素水を噴射した場合、旋回翼等に付着した尿素水に由来する堆積物が発生し、当該堆積物によりミキサ16による尿素水の拡散性能および下流側排気浄化装置15の浄化性能が損なわれたり、排気管11内での圧力損失の増加を招いたりするおそれがある。このため、内燃機関1では、適正なタイミングでミキサ16のヒータを作動させて堆積物を除去すべく、ECU50によりミキサ16における堆積物の堆積量が推定される。
図2は、内燃機関1を搭載した車両においてイグニッションスイッチがオンされて内燃機関1の始動が完了した後に、ミキサ16における堆積物の堆積量を推定するためにECU50により所定時間おきに繰り返し実行される第1堆積量推定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図2の第1堆積量推定ルーチンの開始に際し、ECU50は、図示しないエアフローメータにより検出される吸入空気量、排気管11を流通する排ガスの流量、排ガス温度センサ63により検出される排ガスの温度Tg、ミキサ16(旋回翼)の温度Tmx、図2の第1堆積量推定ルーチンの開始前に推定されて図示しない不揮発性メモリといった記憶装置に格納されているミキサ16における堆積物の堆積量といった状態量を取得する(ステップS100)。排ガスの流量は、吸入空気量に基づいて別途推定され、ミキサ16の温度Tmxは、排ガスの温度Tgに基づいて別途推定される。また、堆積物の堆積量には、液状の尿素水や当該尿素水から析出した尿素といった尿素水の拡散に大きく影響しない水溶性の成分である可溶成分の堆積量D1と、尿素水等の化学反応により生じる水に溶けにくい固体すなわちデポジットである不溶成分の堆積量D2とが含まれる。
ステップS100の処理の後、本ルーチンの前回実行後に還元剤添加弁85から排気管11内に尿素水が添加されたか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110にて排気管11内に尿素水が添加されたと判定した場合(ステップS110:YES)、ECU50は、還元剤添加弁85から噴射されてミキサ16(旋回翼等)に付着する尿素水の量を決定するための付着係数を取得する(ステップS120)。上記特許文献1に記載されたように、付着係数は、不溶成分の堆積量D2、排気流量およびミキサ16の温度Tmxに相関する。これを踏まえて、本実施形態では、不溶成分の堆積量D2、排気流量および温度Tmxと、付着係数との関係を規定する図示しない付着係数設定マップが予め作成される。
ステップS120において、ECU50は、当該付着係数設定マップから、ステップS100にて取得した不溶成分の堆積量D2、排気流量およびミキサ16の温度Tmxに対応した付着係数を取得する。更に、ECU50は、取得した付着係数と、本ルーチンの前回実行後に排気管11内に添加された尿素水の添加量との積をステップS100にて取得した可溶成分の堆積量D1に加算する(ステップS130)。また、ステップS110にて排気管11内に尿素水が添加されていないと判定した場合(ステップS110:NO)、ECU50は、ステップS120およびS130の処理をスキップする。
ステップS110またはS130の処理の後、ECU50は、ステップS100にて取得した不溶成分の堆積量D2が予め定められた閾値Dref未満であるか否かを判定する(ステップS140)。ステップS140にて堆積量D2が閾値Dref未満であると判定した場合(ステップS140:YES)、ECU50は、ステップS100にて取得したミキサ16の温度Tmxに対応した可溶成分変質速度係数、可溶成分熱分解速度係数および不溶成分熱分解速度係数を取得する(ステップS150)。また、ステップS140にて堆積量D2が閾値Dref以上であると判定した場合(ステップS140:NO)、ECU50は、ステップS100にて取得した排ガスの温度Tgに対応した可溶成分変質速度係数、可溶成分熱分解速度係数および不溶成分熱分解速度係数を取得する(ステップS155)。可溶成分変質速度係数は、可溶成分が不溶成分に変質する際の変質速度に関連したパラメータである。また、可溶成分熱分解速度係数は、可溶成分が熱分解により消失する際の熱分解速度に関連したパラメータである。更に、不溶成分熱分解速度係数は、不溶成分が熱分解により消失する際の熱分解速度に関連したパラメータである。
上記特許文献1に記載されたように、ミキサ16における不溶成分すなわちデポジットの堆積量が少ない場合、当該ミキサ16の露出面積が大きく、ミキサ16から堆積物へと熱が伝わりやすくなる。また、ミキサ16における不溶成分すなわちデポジットの堆積量が多い場合、当該ミキサ16の露出面積が小さくなり、ミキサ16から堆積物へと熱が伝わり難くなる。これを踏まえて、本実施形態では、不溶成分の堆積量D2が閾値Dref未満である際のミキサ16の温度Tmxの逆数と可溶成分変質速度係数、可溶成分熱分解速度係数および不溶成分熱分解速度係数との関係を規定する図示しないマップが予め作成されている。更に、不溶成分の堆積量D2が閾値Dref以上である際の排ガスの温度Tgの逆数と可溶成分変質速度係数、可溶成分熱分解速度係数および不溶成分熱分解速度係数との関係を規定する図示しないマップが予め作成されている。ステップS150およびS155では、堆積量D2に応じたマップから、ステップS100にて取得された温度TmxまたはTgの逆数に対応した可溶成分変質速度係数、可溶成分熱分解速度係数および不溶成分熱分解速度係数が取得される。
ステップS150またはS155の処理の後、ECU50は、取得した可溶成分変質速度係数、可溶成分熱分解速度係数および不溶成分熱分解速度係数に基づいて、可溶成分の堆積量D1および不溶成分の堆積量D2を推定し、推定した堆積量D1およびD2を上記記憶装置に格納する(ステップS160)。ステップS160において、ECU50は、ステップS150またはS155にて取得した可溶成分変質速度係数に可溶成分のモル濃度あるいは重量を乗じて不溶成分に変質した可溶成分の量である変質量を算出する。また、ECU50は、ステップS150またはS155にて取得した可溶成分熱分解速度係数に可溶成分のモル濃度あるいは重量を乗じて可溶成分の熱分解による消失量を算出する。更に、ECU50は、ステップS150またはS155にて取得した不溶成分熱分解速度係数に不溶成分のモル濃度あるいは重量を乗じて不溶成分の熱分解による消失量を算出する。
ステップS160において、ECU50は、可溶成分の変質量および消失量並びに不溶成分の消失量を算出した後、ステップS100にて取得した可溶成分の堆積量D1あるいはステップS130にて付着量が加算された堆積量D1から、算出した可溶成分の変質量および消失量を減算して、最新の可溶成分の堆積量D1を導出(推定)する。また、ECU50は、ステップS100にて取得した不溶成分の堆積量D2と可溶成分の変質量との和から不溶成分の消失量を減算して最新の不溶成分の堆積量D2を導出(推定)する。
堆積量D1およびD2を推定した後、ECU50は、イグニッションスイッチがオフされているか否かを判定する(ステップS170)。ステップS170にてイグニッションスイッチがオフされていないと判定した場合(ステップS170:NO)、ECU50は、その時点で図2の第1堆積量推定ルーチンを一旦終了させる。これに対して、ステップS170にてイグニッションスイッチがオフされていると判定した場合(ステップS170:YES)、ECU50は、堆積物の堆積箇所であるミキサ16の温度Tmx、ターボチャージャー12、上流側排気浄化装置14あるいは下流側排気浄化装置15である還元剤添加弁85の周辺に位置する周辺部品の温度Ts、排ガスの温度Tgおよび外気温度Taといった内燃機関1の状態量を取得して図示しない記憶装置に格納し(ステップS180)、図2の第1堆積量推定ルーチンを終了させる。なお、温度Tsは、排ガスの温度Tgに基づいて別途推定されるものであり、外気温度Taは、図示しない外気温度センサにより検出される。
図3は、内燃機関1を搭載した車両においてイグニッションスイッチがオフされた後に再度オンされて内燃機関1が始動されるのに応じてECU50により実行される第2堆積量推定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図3の第2堆積量推定ルーチンの開始に際して、ECU50は、上記記憶装置に格納されている可溶成分の堆積量D1および不溶成分の堆積量D2、その時点におけるミキサ16の温度Tmx、周辺部品の温度Ts、排ガスの温度Tgおよび外気温度Taといった堆積量の推定に必要な状態量を取得する(ステップS200)。ステップS200の処理の後、ECU50は、イグニッションオフに応じた内燃機関1の前回停止時に取得された温度Tmx,Ts,TgおよびTaを上記記憶装置から読み出し、温度Tmx,Ts,TgおよびTaの各々について、前回停止時と今回の始動時との温度差ΔTmx(=停止時Tmx−始動時Tmx),ΔTs(=停止時Ts−始動時Ts),ΔTg(=停止時Tg−始動時Tg)およびΔTa(=停止時Ta−始動時Ta)を算出する(ステップS210)。
次いで、ECU50は、ステップS210にて算出した温度差ΔTmx,ΔTs,ΔTgおよびΔTaを次式(1)に代入して、内燃機関1の停止中(前回停止時と今回の始動時との間)に堆積物が受けたトータルの熱負荷Ttを算出する(ステップS230)。ただし、式(1)において、“a”,“b”,“c”,“d”,“e”,“k1”,“k2”,“k3”および“k4”は、何れも実験・解析を経て予め定められる係数である。なお、ここでの「内燃機関1の停止中」には、アイドリングストップ制御等による内燃機関1の一時的な停止は含まれない。
Tt = a・exp(-k1・ΔTmx)+b・exp(-k2・ΔTs)+c・exp(-k3・ΔTg)+d・exp(-k4・ΔTa)+e …(1)
更に、ECU50は、ステップS220にて算出した熱負荷Ttに基づいて、内燃機関1の停止中に不溶成分に変質した可溶成分の量である変質量daと、内燃機関1の停止中の熱分解による可溶成分の消失量dd1と、内燃機関1の停止中の熱分解による不溶成分の消失量dd2とを算出する(ステップS230)。ステップS230において、ECU50は、熱負荷Ttから、堆積物が予め定められた基準温度(本実施形態では、例えば100℃)のもとに晒されていた時間tzを導出する。本実施形態では、温度が10℃上がるたびに熱負荷が2倍ずつ増加するという、いわゆる10℃2倍則に従って、熱負荷Ttと時間tzとの関係を規定する換算マップあるいは換算式が予め作成されており、ECU50は、当該換算マップあるいは換算式からステップS220にて算出した熱負荷Ttに対応した時間tzを導出する。更に、ステップS230において、ECU50は、ステップS200にて取得した堆積量D1またはD2および時間tzを次式(2)−(4)に代入して、内燃機関1の停止中における可溶成分の変質量daと、内燃機関1の停止中における可溶成分の消失量dd1と、内燃機関1の停止中における不溶成分の消失量dd2とを算出する。ただし、式(2)−(4)において、“ka”は、上記基準温度下で不溶成分に変質する可溶成分の反応速度であり、“kd1”は、上記基準温度下で熱分解により消失する可溶成分の反応速度であり、“kd2”は、上記基準温度下で熱分解により消失する不溶成分の反応速度であり、何れも実験・解析を経て予め定められるものである。
da = D1・exp(-ka・tz) …(2)
dd1 = D1・exp(-kd1・tz) …(3)
dd2 = D2・exp(-kd2・tz) …(4)
dd1 = D1・exp(-kd1・tz) …(3)
dd2 = D2・exp(-kd2・tz) …(4)
そして、ECU50は、ステップS200にて取得した堆積量D1,D2、ステップS230にて算出した変質量da、消失量dd1およびdd2に基づいて、内燃機関1の今回の始動時における可溶成分の堆積量D1および不溶成分の堆積量D2を導出(推定)する(ステップS240)。ステップS240において、ECU50は、ステップS200にて取得した可溶成分の堆積量D1から、ステップS230にて算出した可溶成分の変質量daおよび消失量dd1を減算して、内燃機関1の今回の始動時における可溶成分の堆積量D1を導出(推定)する。また、ステップS240において、ECU50は、ステップS200にて取得した不溶成分の堆積量D2と可溶成分の変質量daとの和から不溶成分の消失量dd2を減算して内燃機関1の今回の始動時における不溶成分の堆積量D2を導出(推定)する。ステップS240の処理の後、ECU50は、導出(推定)した堆積量D1およびD2を上記記憶装置に格納し(ステップS250)、図3の第2堆積量推定ルーチンを終了させる。これにより、内燃機関1の始動完了後に図2の第1堆積量推定ルーチンが最初に実行される際には、上記ステップS100において、図3の第2堆積量推定ルーチンにより推定された堆積量D1およびD2が上記記憶装置から取得されることになる。
以上説明したように、内燃機関1は、上流側排気浄化装置14、下流側排気浄化装置15、フィードポンプ21に接続された燃料添加弁80、添加液としての尿素水を貯留する還元剤タンク25、還元剤ポンプ27、還元剤供給管LR、還元剤添加弁85等を含む排気浄化システムと、堆積量推定部として機能するECU50とを含む。また、ECU50は、内燃機関1の運転中に、上述の第1堆積量推定ルーチンを実行して排気管11内で生じている堆積物の堆積量、すなわち可溶成分の堆積量D1と不溶成分の堆積量D2とを推定する第1推定部として機能する。更に、ECU50は、内燃機関1の始動時(イグニッションオン時)に、上述の第2堆積量推定ルーチンを実行して内燃機関1の始動時における堆積物の堆積量、すなわち可溶成分の堆積量D1と不溶成分の堆積量D2を推定する第2推定部として機能する。
第2推定部としてのECU50は、内燃機関1の始動時に、堆積物の堆積箇所であるミキサ16の温度Tmx、還元剤添加弁85の周辺に位置する周辺部品の温度Ts、排ガスの温度Tgおよび外気温度Taの各々について内燃機関1の停止時(イグニッションオフ時)と始動時との温度差ΔTmx,ΔTs,ΔTgおよびΔTaを算出し、算出した温度差ΔTmx,ΔTs,ΔTgおよびΔTaに基づいて、当該内燃機関1の停止中に堆積物が受けた熱負荷Ttを算出する(図3のステップS200−S220)。更に、ECU50は、当該熱負荷Ttに基づいて、内燃機関1の停止中に生じた堆積物の変化量として、不溶成分に変質した可溶成分の量である変質量daと、可溶成分の熱分解による消失量dd1と、不溶成分の熱分解による消失量dd2とを算出する(図3のステップS230)。そして、ECU50は、内燃機関1の停止時に推定されていた堆積量D1およびD2と、変化量としての変質量da、消失量dd1およびdd2とから内燃機関1の始動時における堆積量D1およびD2を推定する(図3のステップS240)。
より詳細には、ECU50は、内燃機関1の停止時における可溶成分の堆積量D1から変質量daおよび可溶成分の消失量dd1を減算すると共に、内燃機関1の停止時における不溶成分の堆積量D2と変質量daとの和から不溶成分の消失量dd2を減算する。これにより、内燃機関1の停止中における堆積物の変化量である変質量da、消失量dd1およびdd2を適正に取得して堆積量(推定値)D1,D2に反映させることができる。従って、内燃機関1では、下流側排気浄化装置15の上流側で排気管11内に噴射される添加液としての尿素水に由来して排気管11内に生じている堆積物の量D1,D2をより精度よく推定することが可能となる。
なお、図3のステップS230では、次式(5)に従って熱負荷Ttが算出されてもよい。ただし、式(5)において、“α”,“β”,“γ”,“δ”,“ε”は、何れも実験・解析を経て予め定められる係数である。また、図3のステップS240では、内燃機関1の停止後に酸化触媒14aやNOx吸蔵還元触媒15aの温度(触媒床温)が単調減少することを踏まえて、イグニッションオンに応じた内燃機関1の始動時における触媒床温から、堆積物が基準温度のもとに晒されていた時間tzを導出してもよい。更に、燃料添加弁80からの燃料の噴射に伴って当該燃料添加弁80の周辺に堆積する堆積物(デポジット)の量を推定するために、上記図2および図3に示すものと同様のルーチンが実行されてもよい。
Tt = α・ΔTmx+β・ΔTs+γ・ΔTg+δ・ΔTa+ε …(5)
また、内燃機関1において、下流側排気浄化装置15を省略し、パティキュレートフィルタ14bにNOx吸蔵還元触媒を担持させてもよい。この場合、還元剤添加弁85は、パティキュレートフィルタ14bの上流側で排気管11内に添加液を噴射するように当該排気管11に取り付けられればよい。更に、ミキサ16は複数の旋回翼を含むものには限られない。また、添加液は尿素以外の還元剤を含むものであってもよい。更に、内燃機関1は、ガソリンエンジンであってもよい。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、内燃機関の製造産業等において利用可能である。
1 内燃機関、2 燃焼室、3 ピストン、4 吸気管、5 スロットルバルブ、6 吸気マニホールド、7 吸気弁、8 筒内噴射弁、80 燃料添加弁、85 還元剤添加弁、9 排気弁、10 排気マニホールド、11 排気管、12 ターボチャージャー、13 インタークーラー、14 上流側排気浄化装置、14a 酸化触媒、14b パティキュレートフィルタ、15 下流側排気浄化装置、15a NOx吸蔵還元触媒、16 ミキサ、20 燃料タンク、21 フィードポンプ、22 サプライポンプ、23 コモンレール、23H 高圧デリバリパイプ、23L 低圧デリバリパイプ、24 逆止弁、25 還元剤タンク、27 還元剤ポンプ、50 電子制御装置(ECU)、60 水温センサ、61 低圧燃圧センサ、62 高圧燃圧センサ、63 排気温度センサ、64 排気圧センサ、65 NOxセンサ、C コンプレッサ、LL 低圧燃料供給管、LH 高圧燃料供給管、T タービン。
Claims (4)
- 内燃機関の排ガスを浄化する排気浄化装置と、前記排気浄化装置の上流側で排気通路内に添加液を噴射する添加弁と、前記添加液に由来して前記排気通路内で生じる堆積物の量を推定する堆積量推定部とを含む排気浄化システムにおいて、
前記堆積量推定部は、
前記内燃機関の運転中に、前記排気通路内に生じている前記堆積物の堆積量を推定する第1推定部と、
前記内燃機関の始動時に、前記堆積物の堆積箇所の温度、前記添加弁の周辺に位置する周辺部品の温度、排ガスの温度および外気温度の各々の前記内燃機関の停止時と前記始動時との温度差に基づいて、前記内燃機関の停止中に前記堆積物が受けた熱負荷を算出すると共に、算出した熱負荷に基づいて、前記内燃機関の前記停止中に生じた前記堆積物の変化量を算出し、前記内燃機関の前記停止時に前記第1推定部により推定されていた前記堆積量と、前記変化量とから前記内燃機関の前記始動時における前記堆積量を推定する第2推定部と、
を含む排気浄化システム。 - 請求項1に記載の排気浄化システムにおいて、
前記第1推定部は、前記堆積量として、可溶成分の堆積量と、不溶成分の堆積量とを推定し、
前記第2推定部は、前記内燃機関の前記停止中における前記堆積物の前記変化量として、前記不溶成分に変質した前記可溶成分の量である変質量と、前記可溶成分の熱分解による消失量と、前記不溶成分の熱分解による消失量とを算出し、前記内燃機関の前記始動時に、前記内燃機関の前記停止時における前記可溶成分の前記堆積量から前記変質量および前記可溶成分の前記消失量を減算すると共に、前記内燃機関の前記停止時における前記不溶成分の前記堆積量と前記変質量との和から前記不溶成分の前記消失量を減算する排気浄化システム。 - 請求項1または2に記載の排気浄化システムにおいて、
前記添加液と前記排ガスとの混合を促進させるように前記排気浄化装置の上流側かつ前記添加弁の下流側に配置されたミキサを更に備え、
前記添加弁は、前記添加液として尿素水を前記ミキサに向けて噴射し、前記堆積物の堆積箇所の温度は、前記ミキサの温度である排気浄化システム。 - 内燃機関の排ガスを浄化する排気浄化装置の上流側で添加弁から排気通路内に噴射される添加液に由来して前記排気通路内に生じる堆積物の量を推定する堆積量推定方法において、
前記内燃機関の運転中に、前記排気通路内に生じている前記堆積物の堆積量を推定し、
前記内燃機関の始動時に、前記堆積物の堆積箇所の温度、前記添加弁の周辺に位置する周辺部品の温度、排ガスの温度および外気温度の各々について前記内燃機関の停止時と前記始動時との温度差を算出し、
前記温度差に基づいて、前記内燃機関の停止中に前記堆積物が受けた熱負荷を算出し、
前記熱負荷に基づいて、前記内燃機関の前記停止中に生じた前記堆積物の変化量を算出し、
前記内燃機関の前記停止時に推定されていた前記堆積量と、前記変化量とから前記内燃機関の前記始動時における前記堆積量を推定する、
堆積量推定方法。
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