JP2021075783A - 溶射膜被覆部材の製造方法および溶射膜被覆部材 - Google Patents

溶射膜被覆部材の製造方法および溶射膜被覆部材 Download PDF

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理大 千葉
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Abstract

【課題】セラミックス焼結体からなる基材に対してブラスト加工を行わない場合であっても、セラミックス溶射膜の密着強度の向上ができ、セラミックス焼結体基材の基材材料強度低下や基材破損の虞を低減できる溶射膜被覆部材の製造方法を提供する。【解決手段】セラミックス焼結体基材1の被溶射面10の空間容積Vvv(μm3/μm2)を所定の範囲に調整する調整工程と、前記基材1の被溶射面10を水と平均粒子径D50が0.5μm以上6μm以下の範囲に含まれるセラミックス原料粉末とからなるスラリーをプラズマ溶射して被覆する被覆工程と、を含み、前記調整工程は、前記空間容積Vvvおよび前記平均粒子径D50に対して、0.001≦(Vvv/(D50)3)≦0.40の範囲になるように調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、溶射膜被覆部材の製造方法および溶射膜被覆部材に関する。
基材の保護や機能向上の目的で、基材の表面に溶射被膜を形成することが行われている。例えば、炭化珪素(SiC)や酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)等で形成されたセラミックス基材の耐プラズマ性や耐摩耗性、断熱性等を高めるために、イットリア(Y)、チタニア(TiO)、クロミア(Cr)等のセラミックスが溶射されることがある。
従来、基材にセラミックス溶射膜を被覆するには、溶射膜を成膜する前に溶射膜を密着させるために基材表面を粗面化する工程を必須としていた。例えば、ブラスト加工によって基材の表面を粗化することが可能であるが、セラミックス基材などの非金属基材に対してはクラックが発生することによる基材材料の強度低下やクラックに起因する基材破損が生じる虞があるため、ブラスト加工が十分にできない場合があった。そのためクラックを誘起しないようにブラストフリーでセラミックス基材にセラミックス膜を溶射により成膜する方法が要望されていた。
特許文献1には、SiC焼結体をブラストで粗面化し、その後に表面を酸化処理し、その上にY溶射膜を形成することで、酸化によるSiOとYが複酸化物を形成し原子レベルで結合して密着しているセラミックス溶射皮膜被覆部材が開示されている。特許文献2には、SiC基材にレーザを照射することにより表面に薄い酸化膜SiO層を形成し、マイクロクラックを埋めるとともに酸化膜とAl溶射膜の化学的な密着力を得ることができる溶射皮膜被覆部材の製造方法が開示されている。特許文献3には、基材にAlを用い、スラリー原料の粒子径D10と基材との関係において、0.4<D10/Ra≦0.9にあるスラリー及び溶射方法が開示されている。
特開2014−162934号公報 WO2016/170895 特開2018−154895号公報
しかしながら、特許文献1は、基材および溶射皮膜の材料として使用できるものを、それぞれ、珪素を含有する材料およびシリカ質層よりも融点が高い材料に限定しているため、一般的なセラミックス基材およびセラミックス溶射材料に適用することが難しい。また、特許文献2は、レーザ照射によって酸化膜が形成されやすい材料を基材として使用しているため、一般的なセラミックス基材に適用することが難しい。
また、特許文献3は、基材にセラミックスを使用することができることが記載されているものの、実際にはアルミニウム基材に対して実験を行っており、密着力が弱くなる傾向があるセラミックス基材およびセラミックス溶射膜の組み合わせでも同様の結果が得られるかどうかは不明である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、セラミックス焼結体からな基材に対してブラスト加工を行わない場合であっても、セラミックス溶射膜の密着強度の向上ができ、セラミックス焼結体基材の基材材料強度低下や基材破損の虞を低減できる溶射膜被覆部材の製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の溶射膜被覆部材の製造方法は、セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)を所定の範囲に調整する調整工程と、前記基材の被溶射面を水と平均粒子径D50が0.5μm以上6μm以下の範囲に含まれるセラミックス原料粉末とからなるスラリーをプラズマ溶射して被覆する被覆工程と、を含み、前記調整工程は、前記空間容積Vvvおよび前記平均粒子径D50に対して、0.001≦(Vvv/(D50))≦0.40の範囲になるように調整することを特徴としている。
これにより、基材の被溶射面をブラスト加工によって粗面化する工程を設けることなく溶射膜を基材に密着させることができ、セラミックス基材に対してブラスト加工を行うことによる基材材料強度低下や基材破損の虞を低減することができる。
(2)また、本発明の溶射膜被覆部材の製造方法において、前記セラミックス焼結体は、SiC焼結体であることを特徴としている。これにより、脆性材料であり他のセラミックス材料との密着性がよくない材料であるSiC焼結体に、基材材料強度低下や基材破損の虞を低減しつつセラミックス溶射膜を成膜することができる。
(3)また、本発明の溶射膜被覆部材の製造方法において、前記セラミックス焼結体は、Al焼結体であることを特徴としている。これにより、脆性材料であり他のセラミックス材料との密着性がよくない材料であるAl焼結体に、基材材料強度低下や基材破損の虞を低減しつつセラミックス溶射膜を成膜することができる。
(4)また、本発明の溶射膜被覆部材の製造方法において、前記セラミックス焼結体は、AlN焼結体であることを特徴としている。これにより、脆性材料であり他のセラミックス材料との密着性がよくない材料であるAlN焼結体に、基材材料強度低下や基材破損の虞を低減しつつセラミックス溶射膜を成膜することができる。
(5)また、本発明の溶射膜被覆部材の製造方法において、前記プラズマ溶射は、非酸化性ガスを用いることを特徴としている。これにより、不要な基材面の酸化を防止することができ、かつ溶射ガン部品の酸化劣化を防止することにより、密着力を確保した溶射施工を安定的に行なう事が可能となる。
(6)また、本発明の溶射膜被覆部材の製造方法において、前記セラミックス原料粉末は、アルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニア、クロミアおよびイットリウム・アルミナ・ガーネットの粉末またはこれらの任意の混合粉末であることを特徴としている。これらの材料は、他のセラミックス材料からなる基材との密着性がよくない場合があるが、本発明の製造方法により、セラミックス基材に強固に密着させることができる。
(7)また、本発明の溶射膜被覆部材の製造方法において、前記空間容積Vvvは、0.01以上0.30以下であることを特徴としている。これにより、研磨加工や研削加工によってセラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvvを所定の範囲に調整することができる。
(8)また、本発明の溶射膜被覆部材は、セラミックス焼結体基材と、前記セラミックス焼結体基材の被溶射面に設けられた溶射膜と、からなる溶射膜被覆部材であって、前記セラミックス焼結体基材の前記被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)、および前記溶射膜を形成するセラミックス原料の平均粒子径D50(μm)に対して、0.001≦(Vvv/(D50))≦0.40を満たし、前記セラミックス焼結体基材および前記溶射膜を構成する元素どうしの化学結合が存在しないことを特徴としている。これにより、基材材料強度低下や基材破損の虞が低減された溶射膜被覆部材とすることができる。
(9)また、本発明の溶射膜被覆部材は、セラミックス焼結体基材と、前記セラミックス焼結体基材の被溶射面に設けられた溶射膜と、からなる溶射膜被覆部材であって、前記セラミックス焼結体基材の前記被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)、および前記溶射膜を形成するセラミックス原料の平均粒子径D50(μm)に対して、0.002≦(Vvv/(D50))≦0.40を満たし、前記セラミックス焼結体基材は、SiC焼結体、AlN焼結体、または純度が99.5%以上のAl焼結体であることを特徴としている。これにより、基材材料強度低下や基材破損の虞が低減された溶射膜被覆部材とすることができる。
(10)また、本発明の溶射膜被覆部材において、前記セラミックス焼結体基材は、SiC焼結体、Al焼結体、またはAlN焼結体であり、前記溶射膜は、アルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニア、クロミア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットのいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせからなることを特徴としている。これにより、基材材料強度低下や基材破損の虞が低減された溶射膜被覆部材とすることができる。
(11)また、本発明の溶射膜被覆部材において、前記溶射膜は、アルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニア、クロミア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットのいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせからなることを特徴としている。これにより、基材材料強度低下や基材破損の虞が低減された溶射膜被覆部材とすることができる。
本発明によれば、セラミックス焼結体からなる基材に対してブラスト加工を行わない場合であっても、セラミックス溶射膜の密着強度の向上ができ、セラミックス焼結体基材の基材材料強度低下や基材破損の虞を低減しつつ、セラミックス溶射膜を成膜した、溶射膜被覆部材を製造できる。
本発明の一実施形態の溶射被覆部材を示す模式図である。 実施例および比較例の製造条件および評価を示す表である。 実施例および比較例の製造条件および評価を示す表である。
本発明者らは、鋭意研究の結果、セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)を、溶射する原料粒子の平均粒子径D50に対して調整すること、すなわち、溶射粒子の体積と基材の空間容積の関係が一定の範囲を充足するように調整することで、セラミックス焼結体からなる基材に対してブラスト加工を行わない場合であっても、セラミックス溶射膜の密着強度の向上ができ、セラミックス焼結体基材の基材材料強度低下や基材破損の虞を低減しつつ、セラミックス溶射膜を成膜した、溶射膜被覆部材を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の溶射膜被覆部材の製造方法は、セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)を所定の範囲に調整する調整工程と、前記基材の被溶射面を水と平均粒子径D50が0.5μm以上6μm以下の範囲に含まれるセラミックス原料粉末とからなるスラリーをプラズマ溶射して被覆する被覆工程と、を含み、前記調整工程は、前記空間容積Vvvおよび前記平均粒子径D50に対して、0.001≦(Vvv/(D50))≦0.40の範囲になるように調整する。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、構成図において、各構成要素の大きさは概念的に表したものであり、必ずしも実際の寸法比率を表すものではない。
[溶射膜被覆部材の製造方法]
まず、セラミックス焼結体基材を準備する。セラミックス焼結体基材は、様々な材料で形成されたものを使用することができる。例えば、SiC焼結体、窒化珪素焼結体、窒化アルミニウム焼結体のような非酸化性セラミックスや、Al焼結体、Y焼結体等の酸化物やYAGなどの複酸化物等を使用することができる。セラミックス焼結体基材は、SiC焼結体、AlN焼結体、またはAl焼結体で形成されていることが好ましい。これにより、脆性材料であり他のセラミックス材料との密着性がよくない材料であるSiC焼結体、AlN焼結体、またはAl焼結体に、基材材料の強度低下や基材破損の虞を低減しつつセラミックス溶射膜を成膜することができる。
セラミックス焼結体基材は、どのような方法によって作製されたものであってもよい。製造条件は基材の種類によって適宜選択される。例えば、ホットプレス法やHIPを用いることができる。例えば、ホットプレス法を用いる場合、原料粉末および焼結助剤粉末の混合粉末を成形することで成形体を作製し、これを焼成することで焼結体を作製することができる。このとき、例えば、焼成温度は1650〜1950℃の温度範囲、より好ましくは1750〜1900℃の温度範囲に含まれるように調節される。焼成時間(焼成温度の保持時間)は、2〜10時間の時間範囲に含まれるように調節される。焼成時のプレス圧力は、1〜15MPaの圧力範囲に含まれるように調節される。なお、これらの焼成温度や焼成時間は、原料粉末や焼結助剤粉末の種類等によっても変更される。
次に、準備したセラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)を所定の範囲に調整する。準備したセラミックス焼結体基材の被溶射面を、例えば、研磨加工、研削加工等の加工をすることにより、空間容積Vvvを所定の範囲に調整する。なお、本明細書において、空間容積Vvvとは、負荷面積率80%における谷部の空隙容積のことをいう。空間容積Vvv(μm/μm)の計測は、ISO 25178に準拠して、コヒーレンス相関干渉計等を使用して行うことができる。
被溶射面の加工は、ブラスト加工であってもよいが、使用する研磨材や吹き付け強度により、セラミックス焼結体基材などの非金属基材に対しては微小なクラックが発生することがある。このようなクラックにより、基材材料の強度低下やクラックに起因する基材破損が生じる虞があるため、ブラスト加工を行う場合は、十分に注意する必要がある。すなわち、ブラスト加工を行う場合は、基材の材質等に応じて、クラックが生じないように行う。本発明の方法は、被溶射面を粗面化する必要がないため、クラックが生じる吹き付け強度でブラスト加工を行う必要はない。したがって、強度を調整したうえで、ブラスト加工を用いることも可能である。
しかし、研磨加工または研削加工であれば、問題となるクラックが発生する虞が小さいため、セラミックス焼結体基材の被溶射面の加工を行う場合は、研磨加工または研削加工であることが好ましい。また、焼結体の被溶射面の空間容積Vvvが、焼結後の焼き肌面の状態で所定の範囲にある場合は、加工を行わなくてもよい。
被溶射面の調整は、後述する被覆工程で使用するスラリーに含まれるセラミックス原料粉末の平均粒子径D50に応じて、空間容積Vvvおよび平均粒子径D50に対して、0.001≦(Vvv/(D50))≦0.40の範囲になるように調整する。この調整は、使用するセラミックス原料粉末の平均粒子径D50に基づいて、被溶射面の加工を行った後、空間容積Vvvの計測を行い、上記範囲に含まれない場合、さらに被溶射面の加工を行う方法で調整してもよいし、被溶射面の加工を行った後、空間容積Vvvの計測を行い、空間容積Vvvの計測結果に基づいて、使用するセラミックス原料粉末を変更することで調整してもよい。なお、空間容積Vvv(μm/μm)は、0.01以上0.30以下であることが好ましい。
次に、平均粒子径D50が0.5μm以上6μm以下の範囲に含まれるセラミックス原料粉末と水とを準備し、混合することでスラリーを調整する。セラミックス原料粉末の平均粒子径D50は、0.5μm以上6μm以下であることが好ましい。D50が0.5μmより小さい場合、スラリーの粘性が高くなるため、溶射が困難になり膜質が悪化する。また、6μmより大きい場合、安定してスラリーを輸送できないため膜質が悪化する。平均粒子径D50は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置の乾式測定または湿式測定を用いて計測することができる。セラミックス原料粉末の粒度分布は、シャープであることが好ましい。
セラミックス原料粉末は、様々な材料を使用することができる。セラミックス原料粉末は、例えば、アルミナ(Al)、イットリア(Y)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、クロミア(Cr)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAl12、YAGとも表記する)、窒化珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)の粉末またはこれらの任意の混合粉末を使用することが好ましい。これらの材料は、基材の保護や機能向上など様々な目的で使用されるが、基材がセラミックス焼結体で形成されている場合、基材との密着性が問題になることがある。本発明の製造方法は、基材がセラミックス焼結体で形成されている場合であっても、基材材料の強度低下や基材破損の虞を低減しつつ、これらの材料を使用したセラミックス溶射膜を成膜することができる。
また、スラリーの濃度は、10wt%以上40wt%以下であることが好ましく、20wt%以上40wt%以下であることがより好ましい。スラリーの濃度が10wt%より小さい場合、施工に時間がかかり、生産性が低減するため工業的ではない。また、40wt%より大きい場合、粘性が高くなり、安定してスラリーを輸送することができなくなる。
そして、調整したスラリーを、基材の被溶射面にプラズマ溶射して被覆する。溶射に使用するガスは、非酸化性ガスであることが好ましい。非酸化性ガスとしては、例えば、Arガス、HガスもしくはNガスまたはこれらの任意の組み合わせの混合ガスを用いることができる。上記スラリーが、チューブポンプを介してノズルに供給され、ガスを用いてプラズマ溶射される。
プラズマ溶射の工程の前に、スラリーを投入しないガスのみによって、基材の被溶射面をプラズマ照射する工程を設けてもよい。このような工程を設けることで、基材の被溶射面が予熱され、プラズマ溶射した際に溶融したセラミックス原料粉末がボイドに侵入しやすくなる。
これらの結果、図1に示されているような、基材1の被溶射面10を被覆する当該スラリー由来のセラミックス溶射膜2が形成される。セラミックス溶射膜2の厚さは50〜500μmに調節されることが好ましい。溶射膜2の厚さが50μm未満であると当該溶射膜2の耐プラズマ性や耐摩耗性、断熱性等の機能が低下する虞が増大するためである。また、溶射膜2の厚さが500μmを超えると当該溶射膜2の内部応力が大きくなり密着力の低下または剥離が生じる虞が増大するためである。セラミックス溶射膜2の気孔率は1〜5%に調節されることが好ましい。
このような製造方法により、セラミックス焼結体からなる基材に対してブラスト加工を行わない場合であっても、セラミックス溶射膜の密着強度の向上ができ、セラミックス焼結体基材の基材材料強度低下や基材破損の虞を低減しつつ、セラミックス溶射膜を成膜した、溶射膜被覆部材を製造できる。
本発明の製造方法は、セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvvの大きさと原料粉末の平均粒子径D50が適合しているため、原料粉末粒子が溶融した溶融粒子径が基材の表面に残存する数μm以下のボイドに適量侵入し、これを核としてパンケーキ(スプラット)を形成して基材と密着しているものと推察される。すなわち、基材を研削、研磨加工した状態の面に残存する微小なボイドでミクロンなアンカー効果が発生して密着するため、基材に粗面化のためのブラスト加工をする必要がなく基材へのクラックの誘因リスクを回避することができる。
[溶射膜被覆部材]
本発明の溶射膜被覆部材は、セラミックス焼結体基材と、セラミックス焼結体基材の被溶射面に設けられた溶射膜と、からなる。セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)、および溶射膜を形成するセラミックス原料の平均粒子径D50(μm)に対して、0.001≦(Vvv/(D50))≦0.40を満たす。また、セラミックス焼結体基材および溶射膜を構成する元素どうしの化学結合が存在しない。
セラミックス焼結体基材および溶射膜を構成する元素どうしの化学結合が存在しないとは、いわゆるアンカー効果によって溶射膜と基材が物理的に密着している状態を言う。すなわち基材に存在する細かい谷部に溶融状態の溶射粒子が入り込み、この谷内で溶射粒子が固化する。そして、冷却され固化した溶射粒子が基材に圧縮応力を及ぼし、その結果として、基材と固化した溶射粒子間に働く摩擦力で、基材と溶射膜が密着している状態となっている。セラミックス焼結体基材および溶射膜を構成する元素どうしの化学結合が存在しないことは、セラミックス焼結体基材と溶射膜との間に反応層が形成されていないことで確かめられる。
また、セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)は、コヒーレンス相関干渉計を使用して測定することができる。本明細書における被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)は、負荷面積率を80%として測定した値である。また、溶射膜を形成するセラミックス原料の平均粒子径D50(μm)は、レーザ回折/散乱法による粒子径測定装置により測定することができる。
セラミックス焼結体基材は、様々な材料から選択することができる。例えば、SiC焼結体、窒化珪素焼結体、窒化アルミニウム焼結体のような非酸化性セラミックスや、Al焼結体、Y焼結体等の酸化物やYAGなどの複酸化物等とすることができる。セラミックス焼結体基材は、SiC焼結体、AlN焼結体、またはAl焼結体で形成されていることが好ましい。これにより、脆性材料であり他のセラミックス材料との密着性がよくない材料であるSiC焼結体、AlN焼結体、またはAl焼結体からなるセラミックス焼結体基材に、セラミックス溶射膜を成膜した溶射膜被覆部材を構成でき、基材材料の強度低下や基材破損の虞を低減できる。
溶射膜は、アルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニア、クロミア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットのいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせからなることが好ましい。これにより、基材材料強度低下や基材破損の虞が低減された溶射膜被覆部材とすることができ、様々な用途に適用できる。2つ以上の組み合わせからなるとは、溶射膜が異なる原料からなる粒子の混合物によって形成されていることをいう。
本発明の溶射膜被覆部材は、セラミックス焼結体基材と溶射膜がアンカー効果で密着しているため、基材材料強度低下や基材破損の虞が低減された溶射膜被覆部材とすることができる。
[実施例および比較例]
(実施例1)
(基材準備工程)
純度98%、平均粒子径0.5μmのSiC原料粉末に、焼結助剤としてカーボン及びBC及び有機バインダーを添加し、CIP(冷間等方圧加圧)成形法により、1ton/cmで静水圧成形をして、SiC成形体を作製した。次に、SiC成形体をN雰囲気において、2000℃で3時間常圧焼成してSiC焼結体を作製した。次に、SiC焼結体を縦100mm×横100mm×厚さ5mmの略矩形板状(または略正方形板状)に加工しSiC焼結体基材を作製した。このとき、SiC焼結体基材の一方の主面を研磨加工することにより、空間容積Vvv(μm/μm)を0.010に調整し、プラズマ溶射工程で使用する原料粉末の平均粒子径D50を0.5μmとすることで、(Vvv/(D50))の値を0.0800に調整した。なお、空間容積Vvvは、コヒーレンス相関干渉計(テーラーホブソン社製)を使用して測定した。このようにして、実施例1のSiC焼結体基材を準備した。
(プラズマ照射工程)
次に、高速プラズマ溶射機を用いて非酸化性ガスプラズマを基材の被溶射面に対して照射または噴射し、被溶射面の予熱を行った。非酸化性ガスとして、Arガス、NガスおよびHガスの混合ガスが用いられた。溶射機を構成するノズルに対するArガスの供給量が100l/minに制御され、Nガスの供給量70l/minに制御され、かつ、Hガスの供給量が70l/minに制御された。
高速プラズマ溶射機を構成するノズルに対する印加電流を250Aに制御することにより、当該ノズルへの供給電力が65kWに調節された。ノズルの先端と基材の被溶射面との間隔を75mmに調節した。基材に対するノズルの走査速度または変位速度を850mm/sに調節した。これにより、Arガス、NガスおよびHガスの混合ガスのプラズマが生成され、当該プラズマがノズルの先端から基材の被溶射面に対して照射または噴射された。プラズマの照射または噴射による被溶射面の予熱は、3分間行った。
(プラズマ溶射工程)
そして、高速プラズマ溶射機をそのまま用いて、Yスラリーを、非酸化性ガスを用いて基材の被溶射面に対してプラズマ溶射した。スラリーは、平均粒子径D50が0.5μmである純度99.9%以上のY原料粉末300gと、水700gとを混合することによりYスラリーを調整した。非酸化性ガスとして、Arガス、NガスおよびHガスの混合ガスが用いられた。溶射機を構成するノズルに対するArガスの供給量を100l/minに制御し、Nガスの供給量を70l/minに制御し、かつ、Hガスの供給量を70l/minに制御した。これにより、溶射速度が600〜700mm/sに制御された。
高速プラズマ溶射機を構成するノズルに対する印加電流を250Aに制御することにより、当該ノズルへの供給電力が65kWに調節された。ノズルの先端と基材の被溶射面との間隔を75mmに調節した。基材に対するノズルの走査速度または変位速度を850mm/sに調節した。これにより、Arガス、NガスおよびHガスの混合ガスのプラズマが生成され、当該プラズマにより溶融された原料粉末がノズルの先端から基材の被溶射面に対して噴射された。このように、SiC焼結体基材の被溶射面がY溶射膜により被覆されている実施例1の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.190に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を1.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.1900に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例2の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例3)
実施例3は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.060に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を1.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0600に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例3の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例4)
実施例4は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.190に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0070に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例4の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例5)
実施例5は、実施例1と溶射原料の種類、空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.190に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の種類をAlとし、平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0070に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例5の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例6)
実施例6は、実施例1と溶射原料の種類、空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.190に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の種類をYAGとし、平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0070に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例6の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例7)
実施例7は、実施例1と溶射原料の種類、空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.190に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の種類を8mоl%Y−ZrOとし、平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0070に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例7の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例8)
実施例8は、実施例1と溶射原料の種類、空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.190に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の種類をTiOとし、平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0070に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例8の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例9)
実施例9は、実施例1と溶射原料の種類、空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.190に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の種類をCrとし、平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0070に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例9の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例10)
(基材準備工程)
実施例10は、実施例1と基材の原料の種類、空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。純度99.5%、平均粒子径0.5μmのAl原料粉末に、焼結助剤としてMgO及び有機バインダーを添加し、CIP成形法により、1ton/cmで静水圧成形をして、Al成形体を作製した。次に、Al成形体を大気雰囲気において、1600℃で3時間常圧焼成してAl焼結体を作製した。次に、Al焼結体を縦100mm×横100mm×厚さ5mmの略矩形板状(または略正方形板状)に加工しAl焼結体基材を作製した。このとき、Al焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.150に調整した。このように、実施例10のAl焼結体基材を準備した。
上記の基材準備工程で準備したAl焼結体基材に対し、スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0056に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例10の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例11)
実施例11は、実施例1と空間容積Vvvが異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.042に調整することで(Vvv/(D50))の値を0.3360に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例11の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例12)
実施例12は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.042に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を1.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0420に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例12の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例13)
実施例13は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面をサンドブラスト加工することにより、空間容積Vvvを0.550に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0204に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例13の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例14)
実施例14は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面をサンドブラスト加工することにより、空間容積Vvvを0.550に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を4.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0060に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例14の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例15)
実施例15は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面をサンドブラスト加工することにより、空間容積Vvvを0.320に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0119に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例15の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例16)
実施例16は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面をサンドブラスト加工することにより、空間容積Vvvを0.310に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を6.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0014に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例16の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と空間容積Vvvが異なる比較例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.060に調整することで(Vvv/(D50))の値を0.4800に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例1の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例2)
比較例2は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる比較例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.020に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0007に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例2の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例3)
比較例3は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる比較例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.042に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を4.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0005に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例3の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例4)
比較例4は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる比較例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.042に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を6.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0002に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例4の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例5)
比較例5は、実施例1と空間容積Vvvが異なる比較例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面をサンドブラスト加工することにより、空間容積Vvvを0.550に調整することで(Vvv/(D50))の値を4.4000に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例5の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例6)
比較例6は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる比較例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面をサンドブラスト加工することにより、空間容積Vvvを0.550に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を1.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.5500に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例6の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例7)
比較例7は、実施例1と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる比較例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.190に調整し、スラリーに含まれる原料粉末の平均粒子径D50を6.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0009に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例7の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例8)
比較例8は、従来の製造方法により製造した比較例である。基材準備工程において被溶射面のSiC焼結体基材の一方の主面をサンドブラスト加工することにより、空間容積Vvvを1.480に調整し、スラリーによる湿式溶射に替えて原料粉末をそのままガスで溶射する乾式溶射によって溶射を行った。原料粉末として顆粒状のYを使用した。原料粉末の顆粒の平均粒子径D50は30.0μmであった。形式的に(Vvv/(D50))の値を算出すると、0.0001であった。
(実施例17)
実施例17は、実施例10と空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面の純度99.5%Al焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.161に調整し、スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を1.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.1610に調整した。そのほかは、実施例10と同一条件にしたがって、実施例17の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例9)
比較例9は、実施例17と平均粒子径D50が異なる比較例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を0.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を1.2880に調整した。そのほかは、実施例17と同一条件にしたがって、比較例9の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例18)
実施例18は、実施例17と平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0060に調整した。そのほかは、実施例17と同一条件にしたがって、実施例18の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例19)
実施例19は、実施例17と平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を4.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0018に調整した。そのほかは、実施例17と同一条件にしたがって、実施例19の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例10)
比較例10は、実施例17と平均粒子径D50が異なる比較例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を6.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0007に調整した。そのほかは、実施例17と同一条件にしたがって、比較例10の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例20)
実施例20は、実施例17と溶射原料の種類、平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれる溶射原料をYAGとして、YAG原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0060に調整した。そのほかは、実施例17と同一条件にしたがって、実施例20の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例21)
実施例21は、実施例17と溶射原料の種類、平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれる溶射原料を8mоl%Y−ZrOとして、8mоl%Y−ZrO原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0060に調整した。そのほかは、実施例17と同一条件にしたがって、実施例21の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例22)
実施例22は、実施例17と基材、空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。実施例17の基材準備工程において、Al原料粉末を純度99.8%とした。そして、純度99.8%Al焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.047に調整し、スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を0.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.3760に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例22の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例23)
実施例23は、実施例22と平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を1.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0470に調整した。そのほかは、実施例22と同一条件にしたがって、実施例23の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例24)
実施例24は、実施例22と平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0017に調整した。そのほかは、実施例22と同一条件にしたがって、実施例24の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例11)
比較例11は、実施例22と平均粒子径D50が異なる比較例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を4.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0005に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例22の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例12)
比較例12は、実施例22と平均粒子径D50が異なる比較例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を6.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0002に調整した。そのほかは、実施例22と同一条件にしたがって、比較例12の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例25)
(基材準備工程)
実施例25は、実施例1と基材の原料の種類、空間容積Vvvおよび平均粒子径D50が異なる実施例である。純度98%、平均粒子径0.5μmのAlN原料粉末に、焼結助剤としてY及び有機バインダーを添加し、CIP成形法により、1ton/cmで静水圧成形をして、AlN成形体を作製した。次に、AlN成形体を大気雰囲気において、550℃で12時間常圧焼成してAlN焼結体を作製した。次に、AlN焼結体を縦100mm×横100mm×厚さ5mmの略矩形板状(または略正方形板状)に加工しAlN焼結体基材を作製した。このとき、AlN焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.158に調整した。このように、実施例25のAlN焼結体基材を準備した。
上記の基材準備工程で準備したAlN焼結体基材に対し、スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を1.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.1580に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例25の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例13)
比較例13は、実施例25と平均粒子径D50が異なる比較例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を0.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を1.2640に調整した。そのほかは、実施例25と同一条件にしたがって、比較例13の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例26)
実施例26は、実施例25と平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0059に調整した。そのほかは、実施例25と同一条件にしたがって、実施例26の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例27)
実施例27は、実施例25と平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を4.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0017に調整した。そのほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例25の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例28)
実施例28は、実施例25と溶射原料の種類、および平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれる溶射原料をYAGとして、YAG原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0059に調整した。そのほかは、実施例25と同一条件にしたがって、実施例28の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例29)
実施例29は、実施例25と溶射原料の種類、および平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれる溶射原料を8mоl%Y−ZrOとして、8mоl%Y−ZrO原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0059に調整した。そのほかは、実施例25と同一条件にしたがって、実施例29の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例14)
比較例14は、実施例25と平均粒子径D50が異なる比較例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を6.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0007に調整した。そのほかは、実施例25と同一条件にしたがって、比較例14の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例30)
実施例30は、実施例25と空間容積Vvv、および平均粒子径D50が異なる実施例である。基材準備工程において被溶射面のAlN焼結体基材の一方の主面を研削加工することにより、空間容積Vvvを0.042に調整し、スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を0.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.3360に調整した。そのほかは、実施例25と同一条件にしたがって、実施例30の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例31)
実施例31は、実施例30と平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を1.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.042に調整した。そのほかは、実施例30と同一条件にしたがって、実施例31の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例32)
実施例32は、実施例30と平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0016に調整した。そのほかは、実施例30と同一条件にしたがって、実施例32の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例33)
実施例33は、実施例30と溶射原料の種類、および平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれる溶射原料をYAGとして、YAG原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0016に調整した。そのほかは、実施例30と同一条件にしたがって、実施例33の溶射膜被覆部材を形成した。
(実施例34)
実施例34は、実施例30と溶射原料の種類、および平均粒子径D50が異なる実施例である。スラリーに含まれる溶射原料を8mоl%Y−ZrOとして、8mоl%Y−ZrO原料粉末の平均粒子径D50を3.0μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0016に調整した。そのほかは、実施例30と同一条件にしたがって、実施例34の溶射膜被覆部材を形成した。
(比較例15)
比較例15は、実施例30と平均粒子径D50が異なる比較例である。スラリーに含まれるY原料粉末の平均粒子径D50を4.5μmとすることで(Vvv/(D50))の値を0.0005に調整した。そのほかは、実施例30と同一条件にしたがって、比較例15の溶射膜被覆部材を形成した。
各実施例および各比較例の溶射膜被覆部材を、外観の観察および密着力の測定により評価した。外観は、目視により溶射膜、基材のクラック、剥離の有無を観察した。密着力の測定は、JIS H8402に準拠して基材に溶射膜が形成されたφ25mmの試験片を用いて測定された。図2および図3の表には、各実施例および各比較例の溶射膜被覆部材の評価結果が製造条件とともに示されている。
実施例1〜16の溶射膜被覆部材は、(Vvv/(D50))の値が0.001以上0.40以下に調整されており、外観の観察による結果も密着力の値もいずれも良好であった。
一方、比較例1、5、6の溶射膜被覆部材は、(Vvv/(D50))の値が0.4より大きくなっている。このとき、外観の観察による結果に問題はなかったが、密着力の値が小さかった。これらの比較例は、基材のVvvに対し溶融粒子径が小さすぎる場合、または基材がブラスト加工されVvvが大きくなりすぎた状態にある場合に相当すると考えられる。このような場合、基材の表面の狭隘部に溶融粒子が侵入して密着するが、そのままでは基材を全面覆うことができず、耐電圧特性が十分に発揮されない等の不具合が発生する虞がある。更に、その上に溶融粒子を堆積していくとアンカー効果が十分に発揮されず溶射膜界面で剥離が発生する。そのため、特に基材のブラスト加工面ではセラミック溶射膜との密着力が十分得られなかったと推察される。
また、比較例2〜4、7の溶射膜被覆部材は、(Vvv/(D50))の値が0.001より小さくなっている。このとき、比較例2〜4は外観の観察による結果、剥離が生じていた。そのため有効な密着力の測定ができなかった。また、比較例7は、外観の観察による結果に問題はなかったが、密着力の値が小さかった。比較例2〜4は、基材のVvvに対し溶融粒子径が大きすぎ状態にある場合に相当すると考えられる。このような場合、溶融粒子が基材の数μm以下の微小なボイド部を埋め、残りの融液が厚く堆積して固化する。固化する際に働く応力をアンカー部分で保持できないため、基材に溶射膜を形成することができない現象が生じると推察される。また、比較例7は、比較例2〜4と比較して表面粗さRaが大きかったため固化する際に働く応力をアンカー部分で保持できたと考えられるが、密着力が十分に生じる程度には表面粗さRaが大きくはなかったため、密着力の値が小さくなったと推察される。
また、比較例8は、従来の製造方法によって密着力を高めることができるようにブラスト加工により表面粗さRaを大きくしたため、密着力の値は大きかったが、外観の観察により、クラックの発生が確認された。
実施例1〜15の溶射膜被覆部材は、Vvvの値が0.01以上0.30以下であったが、その密着力は10MPa以上であり、さらに良好な密着力が得られることが示された。
実施例17〜34の溶射膜被覆部材は、基材の純度が99.5%以上のAl焼結体、純度99.8%以上のAl焼結体、AlN焼結体であって、(Vvv/(D50))の値が0.001以上0.40以下に調整されており、外観の観察による結果も密着力の値もいずれも良好であった。
特に、(Vvv/(D50))の値が0.002以上0.40以下であった、実施例1〜15、17、18、20〜23、25、26、28〜31は、密着力が高かった。
一方、比較例9、13の溶射膜被覆部材は、(Vvv/(D50))の値が0.4より大きくなっている。このとき、外観の観察による結果に問題はなかったが、密着力の値が小さかった。これらの比較例は、基材のVvvに対し溶融粒子径が小さすぎる場合、または基材がブラスト加工されVvvが大きくなりすぎた状態にある場合に相当すると考えられる。このような場合、基材の表面の狭隘部に溶融粒子が侵入して密着するが、そのままでは基材を全面覆うことができず、耐電圧特性が十分に発揮されない等の不具合が発生する虞がある。更に、その上に溶融粒子を堆積していくとアンカー効果が十分に発揮されず溶射膜界面で剥離が発生する。そのため、特に基材のブラスト加工面ではセラミック溶射膜との密着力が十分得られなかったと推察される。
また、比較例10〜12、14、15の溶射膜被覆部材は、(Vvv/(D50))の値が0.002より小さくなっている。このとき、比較例10〜12、14、15は外観の観察による結果、剥離が生じていた。そのため有効な密着力の測定ができなかった。比較例10〜12、14、15は、基材のVvvに対し溶融粒子径が大きすぎ状態にある場合に相当すると考えられる。このような場合、溶融粒子が基材の数μm以下の微小なボイド部を埋め、残りの融液が厚く堆積して固化する。固化する際に働く応力をアンカー部分で保持できないため、基材に溶射膜を形成することができない現象が生じると推察される。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形および均等物に及ぶことはいうまでもない。また、各図面に示された構成要素の構造、形状、数、位置、大きさ等は説明の便宜上のものであり、適宜変更しうる。
1 セラミックス焼結体基材
2 セラミックス溶射膜
10 被溶射面

Claims (11)

  1. 溶射膜被覆部材の製造方法であって、
    セラミックス焼結体基材の被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)を所定の範囲に調整する調整工程と、
    前記基材の被溶射面を水と平均粒子径D50が0.5μm以上6μm以下の範囲に含まれるセラミックス原料粉末とからなるスラリーをプラズマ溶射して被覆する被覆工程と、を含み、
    前記調整工程は、前記空間容積Vvvおよび前記平均粒子径D50に対して、
    0.001≦(Vvv/(D50))≦0.40
    の範囲になるように調整することを特徴とする溶射膜被覆部材の製造方法。
  2. 前記セラミックス焼結体基材は、SiC焼結体からなることを特徴とする請求項1に記
    載の溶射膜被覆部材の製造方法。
  3. 前記セラミックス焼結体基材は、Al焼結体からなることを特徴とする請求項1に記載の溶射膜被覆部材の製造方法。
  4. 前記セラミックス焼結体基材は、AlN焼結体からなることを特徴とする請求項1に記載の溶射膜被覆部材の製造方法。
  5. 前記プラズマ溶射は、非酸化性ガスを用いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の溶射膜被覆部材の製造方法。
  6. 前記セラミックス原料粉末は、アルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニア、クロミア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットの粉末またはこれらの任意の混合粉末であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の溶射膜被覆部材の製造方法。
  7. 前記空間容積Vvvは、0.01以上0.30以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の溶射膜被覆部材の製造方法。
  8. セラミックス焼結体基材と、前記セラミックス焼結体基材の被溶射面に設けられた溶射膜と、からなる溶射膜被覆部材であって、
    前記セラミックス焼結体基材の前記被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)、および前記溶射膜を形成するセラミックス原料の平均粒子径D50(μm)に対して、
    0.001≦(Vvv/(D50))≦0.40
    を満たし、
    前記セラミックス焼結体基材および前記溶射膜を構成する元素どうしの化学結合が存在しないことを特徴とする溶射膜被覆部材。
  9. セラミックス焼結体基材と、前記セラミックス焼結体基材の被溶射面に設けられた溶射膜と、からなる溶射膜被覆部材であって、
    前記セラミックス焼結体基材の前記被溶射面の空間容積Vvv(μm/μm)、および前記溶射膜を形成するセラミックス原料の平均粒子径D50(μm)に対して、
    0.002≦(Vvv/(D50))≦0.40
    を満たし、
    前記セラミックス焼結体基材は、SiC焼結体、AlN焼結体、または純度が99.5%以上のAl焼結体であることを特徴とする溶射膜被覆部材。
  10. 前記セラミックス焼結体基材は、SiC焼結体、Al焼結体、またはAlN焼結体であり、
    前記溶射膜は、アルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニア、クロミア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットのいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項8に記載の溶射膜被覆部材。
  11. 前記溶射膜は、アルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニア、クロミア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットのいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項9に記載の溶射膜被覆部材。
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