JP2021075472A - 毛髪又は繊維の絡まり防止方法 - Google Patents

毛髪又は繊維の絡まり防止方法 Download PDF

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詩織 上野
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Abstract

【課題】絡まりが生じやすい毛髪又は繊維において、絡まりの発生を抑制し、絡まりが生じた場合にも手を通すなどの操作を行うことなく自発的に絡まりを解き、且つ毛髪又は繊維の形状を揃えることができる、毛髪又は繊維の絡まり防止方法を提供する。【解決手段】毛髪又は繊維を、次の成分(A)及び成分(B)を質量比[(A)/(B)]として0.001以上、50以下で含有する処理剤に接触させる工程を有する、毛髪又は繊維の絡まり防止方法。(A)水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーン(B)有機酸又は無機酸【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪又は繊維の絡まり防止方法に関する。
毛髪は生活環境(太陽光による紫外線や熱)、日常のヘアケア行動(洗髪やブラッシングによる摩擦)、化学処理(カラーリング、パーマ等)によりダメージを受けている。ダメージを受けた毛髪が擦れ合うと、表面に大きな摩擦力が発生し、絡まりが生じる。「毛髪の絡まり」は、ヘアケア行動におけるあらゆるストレスの原因となる。洗髪時にシャンプー等の毛髪洗浄剤を泡立てる操作中の指通りの悪さ、洗髪後の毛髪のすすぎ時の指通りの悪さ等で「毛髪の絡まり」は感知される。
洗髪後の毛髪の絡まりを解く方法として、コンディショナーやトリートメント等の毛髪化粧料を用いる場合は、これら毛髪化粧料を毛髪に塗布し絡まり部位に指を通しながら馴染ませることによって、毛髪表面に潤滑成分を行き渡らせながら毛髪の絡まりを解いている。従来の技術では、毛髪の指通りや櫛通りをよくする目的で、コンディショナーやトリートメント等の毛髪化粧料にカチオン性界面活性剤、高級アルコール、シリコーン等が配合されている。
特許文献1には、ポリエーテルアミノ変性シリコーンとカチオン界面活性剤を用いた毛髪化粧料が、濯ぎ時、水流中での毛髪のきしみ感を抑制し、柔軟性や平滑性を向上させることで、濯ぎ時の毛髪の絡みによる損傷を予防できることが開示されている。
特許文献2には、特定の動粘度範囲にあるアミノ変性シリコーンと、アミノポリエーテル変性シリコーンと、特定の動粘度範囲にあるジメチルポリシロキサンと、特定のアルキル型カチオンと、特定の高級アルコールを組み合わせた毛髪化粧料が毛髪の水分保持力を高めながらも、使用時の指どおりを改善し、しなやかでしっとりとした仕上がり感を与えることができ、かつ、低湿度下でのパサツキ防止とうるおい感を与えられることが開示されている。
特開2002−249418号公報 特開2013−43848号公報
特許文献1及び2には、毛髪の絡まりを抑制及び解消すること、特に、手を通すなどの操作を行うことなく自発的に毛髪の絡まりを解くことについては開示されていない。
さらにコンディショナーやトリートメント等の毛髪化粧料においては、毛髪の絡まりを抑制するだけでなく、処理後の毛流れが揃い、良好な仕上がりが得られるという効果も望まれる。
本発明は、絡まりが生じやすい毛髪又は繊維において、絡まりの発生を抑制し、絡まりが生じた場合にも手を通すなどの操作を行うことなく自発的に絡まりを解き、且つ毛髪又は繊維の形状を揃えることができる、毛髪又は繊維の絡まり防止方法に関する。
本発明者らは、毛髪又は繊維を、水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーンと、有機酸又は無機酸とを所定の質量比で含有する処理剤に接触させる工程を行うことにより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、毛髪又は繊維を、次の成分(A)及び成分(B)を質量比[(A)/(B)]として0.001以上、50以下で含有する処理剤に接触させる工程を有する、毛髪又は繊維の絡まり防止方法に関する。
(A)水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーン
(B)有機酸又は無機酸
本発明の方法によれば、絡まりが生じやすい毛髪又は繊維において、絡まりの発生を抑制し、絡まりが生じた場合にも手を通すなどの操作を行うことなく自発的に絡まりを解くことができ、さらには毛髪又は繊維の形状を揃えることができる。例えば本発明の方法を毛髪に適用すると、洗浄及びタオルドライ後の毛髪の絡まりを防止することができるので毛髪を短時間で乾燥させることができ、且つ毛流れが揃うので乾燥後の仕上がりが良好になる。
[毛髪又は繊維の絡まり防止方法]
本発明の毛髪又は繊維の絡まり防止方法(以下、単に「本発明の方法」ともいう)は、毛髪又は繊維を、次の成分(A)及び成分(B)を質量比[(A)/(B)]として0.001以上、50以下で含有する処理剤に接触させる工程を有することを特徴とする。
(A)水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーン
(B)有機酸又は無機酸
上記処理剤は、さらに成分(C)として水性媒体を含有することが好ましい。
本発明の方法は上記工程を有することにより、絡まりが生じやすい毛髪又は繊維において、絡まりの発生を抑制し、絡まりが生じた場合にも手を通すなどの操作を行うことなく自発的に絡まりを解き、且つ毛髪又は繊維の形状を揃えることができる。なお、「成分(A)及び成分(B)を含有する」とは、「成分(A)及び成分(B)を配合してなる」ことをも意味する。
本明細書において、毛髪又は繊維の形状が揃った状態とは、処理後の毛髪又は繊維が一方向に揃っている状態を意味する。以下、毛髪の形状が揃っていることを「毛流れが揃う」ともいう。毛流れが揃った状態であるか否かは、例えばBossa Nova Technology社製の毛髪角度測定装置「RUMBA」を用いて、実施例に記載の方法により毛流れの角度を測定し、その角度のばらつき度合いにより評価することができる。
本発明の方法により上記効果を奏する理由については定かではないが、以下のように推察される。
毛髪や繊維の絡まりの発生を抑制し、絡まりが生じた場合にも自発的に解けるような状態にするには、毛髪又は繊維間に働く摩擦力を低下させることが重要であると考えられる。本発明者らは、毛髪又は繊維間に働く摩擦力を低下させるために、成分(A)である水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーンを含有する処理剤を用いることが有効であることを見出した。
アミノポリエーテル変性シリコーンの中でも水不溶性のものを用いると、毛髪又は繊維に吸着しやすく、毛髪又は繊維間に働く摩擦力の低下効果が良好である。その一方で、成分(A)の疎水性が高すぎると処理剤中の溶解性又は分散性が低下し、毛髪又は繊維の処理効果も低下する傾向がある。本発明で用いる処理剤では成分(A)と成分(B)とを所定の質量比で併用することにより、処理剤及びこれに含まれる水性媒体に対する成分(A)の溶解性又は分散性が向上し、処理剤中の成分(A)が毛髪又は繊維に有効に作用して摩擦力の低下効果が良好になると考えられる。
さらには、摩擦力が低下して毛髪又は繊維の絡まりが自発的に解けた結果、水から引き揚げる際の弱い水流の力でも、処理後の毛髪又は繊維を一方向に揃えることができるという効果を奏すると考えられる。
例えば本発明の方法を毛髪に適用し、毛髪の絡まりが解けた状態でタオルドライを行うことで、毛髪とタオルとの接触面積が増大して毛髪の水分がタオルに速く吸収される。またドライヤー乾燥時や自然乾燥時には毛髪と空気との接触面積が増大して毛髪中の水分が速く蒸散するため、毛髪の乾燥速度が向上すると考えられる。
さらに本発明の方法によれば、毛髪に手を通すなどの操作を行わなくても自発的に毛髪の絡まりが解けて且つ毛流れが揃うので、処理後のスタイリングが容易になり、乾燥後の毛髪の仕上がりが良好になる。
発明の効果を有効に得る観点から、本発明の方法を適用する対象物は毛髪であることが好ましい。すなわち本発明の方法に用いる処理剤は、好ましくは毛髪処理剤である。
処理剤の剤型には特に制限はなく、毛髪又は繊維を処理剤に接触させる方法に応じて、例えば液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等、任意の剤型とすることが可能である。毛髪又は繊維を処理剤に浸漬することにより接触させる場合は、液体状であることが好ましい。
以下、本発明に用いる処理剤に含有される各成分について説明する。
<成分(A):水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーン>
本発明に用いる処理剤は、成分(A)として、水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーンを含有する。処理剤が成分(A)を含有することで、前述した作用機構により毛髪又は繊維の絡まりの発生を抑制し、絡まりが生じた場合にも手を通すなどの操作を行うことなく自発的に絡まりを解くことができる。また、処理後の毛髪又は繊維の形状を揃えることができ、乾燥後の仕上がりが良好になる。
本明細書においてアミノポリエーテル変性シリコーンとは、ポリシロキサンの主鎖又は側鎖部分にアミノ基及びポリエーテル構造を有する変性シリコーンをいい、このうち水不溶性のものを成分(A)として用いることができる。
毛髪又は繊維の絡まり防止効果の観点、及び処理後の毛髪又は繊維の形状を揃える観点から、成分(A)は好ましくはポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーンであり、水不溶性の観点から、成分(A)中のケイ素原子のモル数をSi、オキシアルキレン平均付加モル数をAOとした場合に、Si/AOが0.3以上であるものが好ましい。
当該Si/AOは、毛髪又は繊維の絡まり防止効果の観点、及び処理後の毛髪又は繊維の形状を揃える観点から、より好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.6以上、より更に好ましくは0.7以上、より更に好ましくは0.8以上である。また、処理剤中の溶解性又は分散性の観点から、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.7以下、より更に好ましくは2.5以下である。
成分(A)の上記Si/AOは、H−NMR測定により測定される、ケイ素に結合した炭化水素基のHの積分値と、オキシアルキレン基のHの積分値とから算出できる。具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
成分(A)は、より具体的には、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A1)及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A2)からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
Figure 2021075472

式(1)中、Rは炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基を示す。RはR又はEのいずれかを示す。Eは−R−Z(Rは炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Zは1〜3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。Rは炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Rは水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。
aは1以上50以下の数、bは1以上50以下の数、cは1以上50以下の数、dは2以上100以下の数、eは1以上の数を示す。nは2以上10以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。d個のOC2nは同一でも異なっていてもよい。また、複数個のR、R、R、R及びEは同一でも異なっていてもよい。
Figure 2021075472

式(2)中、R11は炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基を示す。R12はR11又はEのいずれかを示す。Eは−R13−Z(R13は単結合、又は炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基を示し、Zは1〜3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。Yは炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。
rは2以上の数、sは1以上の数、tは4以上100以下の数、uは1以上の数を示す。mは2以上10以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。t個のC2mOは同一でも異なっていてもよい。また、複数個のR11、R12、及びEは同一でも異なっていてもよい。
以下の記載において、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A1)を「成分(A1)」、一般式(2)で表される繰り返し単位を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A2)を「成分(A2)」ともいう。
(成分(A1):一般式(1)で表される繰り返し単位を有するアミノポリエーテル変性シリコーン)
成分(A1)は下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーンであって、成分(A1)中のケイ素原子のモル数をSi、オキシアルキレン平均付加モル数をAOとした場合に、Si/AOが好ましくは前記範囲のものである。
Figure 2021075472

式(1)中、Rは炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基を示す。RはR又はEのいずれかを示す。Eは−R−Z(Rは炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Zは1〜3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。Rは炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Rは水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。
aは1以上50以下の数、bは1以上50以下の数、cは1以上50以下の数、dは2以上100以下の数、eは1以上の数を示す。nは2以上10以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。d個のOC2nは同一でも異なっていてもよい。また、複数個のR、R、R、R及びEは同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)において、Rは炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基であり、炭素数1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。RはR又はEのいずれかを示し、好ましくはRである。
一般式(1)において、Eは−R−Z(Rは炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Zは1〜3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。Rは炭素数2以上4以下の2価の炭化水素基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、又はテトラメチレン基がより好ましい。
は1〜3級アミノ基含有基であり、−N(R、−NR(CHN(R、又は−NR(CHN(R)CO−Rで示される基であることが好ましい。ここで、Rは水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示し、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基である。Rは炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示し、好ましくはメチル基又はエチル基である。Rは炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。pは2以上6以下の数を示し、好ましくは2以上4以下の数である。
一般式(1)において、好ましいE基は、−(CH−NH、−(CH−N(CH、−(CH−NH−(CH−NH、又は−(CH−NH−(CH−N(CHであり、より好ましくは−(CH−NHである。
一般式(1)において、Rは炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、炭素数2以上4以下の2価の炭化水素基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、又はテトラメチレン基がより好ましい。
は水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示し、メチル基又はエチル基が好ましい。
中でも、成分(A1)は下記一般式(1−1)で表されるものであることがより好ましい。
Figure 2021075472

式(1−1)中、E、R、R、a、b、cは前記と同じである。Rは炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基又はトリメチルシリル基を示す。fは1以上50以下の数、gは0以上50以下、好ましくは1以上50以下の数を示す。
は、メチル基、エチル基又はトリメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基がより好ましい。
成分(A1)は、毛髪又は繊維の絡まり防止効果の観点、及び処理後の毛髪又は繊維の形状を揃える観点から、窒素含有率が好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下である。成分(A)の窒素含有率は、JIS K0113:2005に規定されている電位差滴定方法に準拠して測定される値である。
成分(A1)は、オイル、エマルション等のいずれの形態のものでもよいが、オイルであることが好ましい。
成分(A1)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分(A1)として、市販のアミノポリエーテル変性シリコーンを用いることもできる。例えば、Evonik社製の「ABIL Soft AF100」(一般式(1−1)で表されるアミノポリエーテル変性シリコーン(メトキシPEG/PPG−7/3 アミノプロピルジメチコン)、Si/AO=0.72、窒素含有率:0.36質量%)等が挙げられる。
(成分(A2):一般式(2)で表される繰り返し単位を有するアミノポリエーテル変性シリコーン)
成分(A2)は前記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーンであって、成分(A2)中のケイ素原子のモル数をSi、オキシアルキレン平均付加モル数をAOとした場合に、Si/AOが好ましくは前記範囲のものである。
Figure 2021075472

式(2)中、R11は炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基を示す。R12はR11又はEのいずれかを示す。Eは−R13−Z(R13は単結合、又は炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基を示し、Zは1〜3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。Yは炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。
rは2以上の数、sは1以上の数、tは4以上100以下の数、uは1以上の数を示す。mは2以上10以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。t個のC2mOは同一でも異なっていてもよい。また、複数個のR11、R12、及びEは同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)において、R11は炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基であり、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
一般式(2)において、R12はR11又はEのいずれかを示す。Eは−R13−Z(R13は単結合、又は炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基を示す。)で表される1価の基を示す。
13は炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1以上20以下のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であることが更に好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、又はヘキサメチレン基であることがより更に好ましく、トリメチレン基又はプロピレン基であることがより更に好ましい。
は1〜3級アミノ基含有基であり、−N(R14、−NR14(CHN(R14、又は−NR14(CHN(R15)CO−R16で示されるアミノ基含有基であることが好ましい。ここで、R14及びR15はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、好ましくは水素原子又はメチル基である。R16は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。qは1以上6以下の数を示し、好ましくは2以上4以下の数である。
一般式(2)において、好ましいE基は、−(CH−NH、−(CH−N(CH、−(CH−NH−(CH−NH、又は−(CH−NH−(CH−N(CHであり、より好ましくは、−(CH−NH−(CH−NHである。
一般式(2)において、Yは炭素数1以上6以下のアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n−ブチレン基(テトラメチレン基)又はイソブチレン基が好ましく、n−ブチレン基又はイソブチレン基がより好ましい。ここでいうi−ブチレン基には、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、及び−CHCHCH(CH)−が含まれる。
一般式(2)において、rは2以上の数、sは1以上の数、tは4以上100以下の数、uは1以上の数を示す。rは好ましくは2以上1000以下の数、より好ましくは2以上100以下の数である。sは好ましくは1以上50以下の数であり、tは好ましくは4以上50以下の数、より好ましくは10以上18以下の数であり、uは好ましくは1以上100以下の数である。
一般式(2)において、mは2以上10以下の数を示し、好ましくは2以上6以下、より好ましくは2以上4以下の数である。
成分(A2)は、下記一般式(2−1)で表される構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーンであることがより好ましい。更に好ましくは、下記一般式(2−1)で表される構造からなるアミノポリエーテル変性シリコーンである。
Figure 2021075472

式(2−1)中、r、s、t、uは前記と同じである。
成分(A2)は、毛髪又は繊維の絡まり防止効果の観点、及び処理後の毛髪又は繊維の形状を揃える観点から、窒素含有率が好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは1.0質量%以上であり、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.8質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下である。成分(A2)の窒素含有率は、JIS K0113:2005に規定されている電位差滴定方法に準拠して測定される値である。
成分(A2)は、オイル、エマルション等のいずれの形態のものでもよいが、オイルであることが好ましい。
成分(A2)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分(A2)として、市販のアミノポリエーテル変性シリコーンを用いることもできる。例えば、一般式(2−1)で表される構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーンとして、ダウ・東レ(株)製の「DOWSIL SS−3588」((ビスイソブチルPEG−15/アモジメチコン)コポリマー、Si/AO=2.39、窒素含有率:1.0質量%)、「DOWSIL SILSTYLE 104」((ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマー、Si/AO=2.46、窒素含有率:1.2質量%)、「DOWSIL SILSTYLE 201」((ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマー、Si/AO=0.80、窒素含有率:1.2質量%)、「DOWSIL SILSTYLE 401」((ビスイソブチルPEG/PPG−20/35/アモジメチコン)コポリマー)等が挙げられる。
処理剤中の成分(A)の含有量は、毛髪又は繊維の絡まり防止効果の観点、及び処理後の毛髪又は繊維の形状を揃える観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上であり、同様の観点から、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.3質量%以下である。
<成分(B):有機酸又は無機酸>
本発明に用いる処理剤は、成分(B)として有機酸又は無機酸を含有する。本発明に用いる処理剤において成分(A)と成分(B)とを併用することで、成分(A)の溶解性及び分散性が向上し、前述した作用機構により毛髪又は繊維の絡まりの発生を抑制し、絡まりが生じた場合にも手を通すなどの操作を行うことなく自発的に絡まりを解くことができる。また、処理後の毛髪又は繊維の形状を揃えることができ、乾燥後の仕上がりも良好になる。
成分(B)として用いられる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。
毛髪又は繊維の絡まり防止効果の観点、処理後の毛髪又は繊維の形状を揃える観点、並びに安全性の観点から、成分(B)としては有機酸が好ましく、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び酸性アミノ酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、ヒドロキシカルボン酸が更に好ましい。ジカルボン酸としてはマレイン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、ヒドロキシカルボン酸としては乳酸、リンゴ酸及びクエン酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
処理剤中の成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]は、成分(A)の溶解性又は分散性を向上させて、毛髪又は繊維の絡まり防止効果と、処理後の毛髪又は繊維の形状を揃える効果を発現させる観点から、0.001以上であり、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.02以上である。また、50以下であり、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは5以下、より更に好ましくは3以下である。
処理剤中の成分(B)の含有量は、処理剤中の成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.001以上、50以下となる範囲である限り特に制限されないが、成分(A)の溶解性又は分散性を向上させ、毛髪又は繊維の絡まり防止効果と、処理後の毛髪又は繊維の形状を揃える効果を発現させる観点から、好ましくは0.001質量%以上、10質量%以下である。
成分(B)が有機酸である場合、処理剤中の成分(B)の含有量は、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下である。
成分(B)が無機酸である場合は、処理剤中の成分(B)の含有量は、より好ましくは0.002質量%以上であり、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下である。ここでいう成分(B)の含有量とは、成分(B)の有効成分量である。
<成分(C):水性媒体>
本発明に用いる処理剤は、さらに成分(C)として水性媒体を含有することが好ましい。水性媒体は、成分(A)及び成分(B)を分散又は溶解しうるもので、毛髪又は繊維にダメージを与えないものであれば特に制限はない。成分(C)は水が主成分であることが好ましく、水以外の水性媒体を含有していてもよい。水以外の水性媒体としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の炭素数6以下の低分子ジオール及びトリオールが挙げられる。
水性媒体中の水の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
処理剤中の水性媒体の含有量は、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、好ましくは99.998質量%以下、より好ましくは99.9質量%以下である。
また、毛髪又は繊維に処理剤を接触させて本発明の効果を有効に発揮させる観点から、処理剤中の成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上である。また、上限は100質量%である。
<その他の成分>
処理剤は、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を適宜含有又は配合してもよい。当該成分としては、例えば、毛髪化粧料に通常配合される成分である、界面活性剤、pH調整剤、酸化防止剤、油剤、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、保湿剤、パール剤、セラミド類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。但しこれら成分の合計含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。また、下限は0質量%である。
なお本発明に用いる処理剤は、毛髪の指通りや櫛通りをよくする目的でコンディショナーやトリートメント等の毛髪化粧料に従来使用されている、成分(A)以外のシリコーン、カチオン性界面活性剤、高級アルコール等を含有することを排除するものではないが、これらの含有量が少なくても本発明の効果を得ることができる。例えば、処理剤中の成分(A)以外のシリコーンの含有量は6質量%以下、カチオン性界面活性剤の含有量は3質量%以下、高級アルコールの含有量は7質量%以下とすることができる。
<pH>
処理剤の25℃におけるpHは、毛髪又は繊維へのダメージを防止する観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.2以上、更に好ましくは3.4以上であり、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは6.0以下、より更に好ましくは5.5以下である。
処理剤の製造方法は特に限定されない。例えば、成分(A)、成分(B)、及び必要に応じて用いられる成分(C)並びにその他の成分を実施例に記載の方法で配合し、公知の攪拌装置等を用いて混合することにより製造できる。
<処理方法>
本発明の方法は、毛髪又は繊維を前記処理剤に接触させる工程を有する。この工程を行うことにより、毛髪又は繊維の絡まり防止効果を発現し、且つ処理後の毛髪又は繊維の形状を揃え、乾燥後の仕上がり向上効果も得ることができる。
本発明の方法においては、毛髪又は繊維の少なくとも一部を前記処理剤に接触させればよい。例えば毛髪を処理剤に接触させる場合は、頭髪の少なくとも一部を処理剤に接触させればよい。
毛髪又は繊維を処理剤に接触させる方法としては、例えば、毛髪又は繊維に処理剤を塗布、噴霧又は流延する方法、毛髪又は繊維を処理剤に浸漬させる方法等が挙げられる。
例えば毛髪の絡まりを解く場合には、毛髪に前記処理剤を塗布、噴霧又は流延し、必要に応じて放置する方法、又は、毛髪を前記処理剤に浸漬させ、次いで処理剤から引き上げる操作を行う方法等が挙げられる。これらの操作を行うことにより毛髪が処理され、処理後の毛髪は、手を通すなどの操作を行わなくても絡まりを解くことができ、且つ毛流れが自発的に揃うという効果を奏する。
処理剤に接触させる際の毛髪又は繊維は乾燥状態でも湿潤状態でもよいが、短時間で処理を行う観点からは、湿潤状態であることが好ましい。
毛髪又は繊維を処理剤に接触させる工程における温度、時間には特に制限はないが、効率よく処理を行う観点から、温度範囲は好ましくは5〜50℃、より好ましくは15〜45℃である。また、処理剤の接触時間は、好ましくは5秒〜60分間、より好ましくは5秒〜20分間である。処理剤の接触時間とは、毛髪又は繊維に処理剤を塗布、噴霧又は流延する時間、あるいは毛髪又は繊維を処理剤に浸漬させる時間を意味し、放置時間は含まないものとする。
本発明の方法は、毛髪又は繊維を前記処理剤に接触させる工程を有していればよく、該工程以外の任意の工程を行ってもよい。
例えば、毛髪又は繊維を洗浄した後に処理剤に接触させる工程を行ってもよい。毛髪又は繊維を洗浄する過程で絡まりが生じやすいため、毛髪又は繊維を洗浄した後に処理剤に接触させる工程を行うことで、絡まりを効果的に解くことができる。毛髪又は繊維の洗浄は、毛髪洗浄剤、繊維用洗浄剤を用いて公知の方法で行うことができる。
また、毛髪又は繊維をコンディショニング剤により処理した後に、前記処理剤に接触させる工程を行うこともできる。毛髪又は繊維を洗浄した後に、さらにコンディショニング剤により処理し、次いで処理剤に接触させる工程を行ってもよい。
コンディショニング剤による処理は、毛髪又は繊維に対しコンディショニング剤を塗布する等の公知の方法により行うことができる。コンディショニング剤により処理した後に、必要に応じてさらにすすぎを行ってもよい。すなわち、すすぎを行ってコンディショニング剤を洗い流し、次いで処理剤に接触させる工程を行うこともできる。又は、コンディショニング剤により処理した後にすすぎを行わず(コンディショニング剤を洗い流さず)、そのまま処理剤に接触させる工程を行う方法も採用できる。
本発明の方法の具体例としては、下記が挙げられる。
(1)毛髪又は繊維を洗浄し、次いで処理剤に接触させる工程を行う方法
(2)毛髪又は繊維を洗浄した後、コンディショニング剤を塗布し、すすぎを行わずに処理剤に接触させる工程を行う方法
(3)毛髪又は繊維を洗浄した後、コンディショニング剤を塗布し、すすぎを行い、次いで処理剤に接触させる工程を行う方法
(4)毛髪又は繊維にコンディショニング剤を塗布し、すすぎを行わずに処理剤に接触させる工程を行う方法
(5)毛髪又は繊維にコンディショニング剤を塗布し、すすぎを行い、次いで処理剤に接触させる工程を行う方法
処理剤に接触させた後の毛髪又は繊維は、必要に応じすすぎを行って処理剤を洗い流してもよいが、すすぎを行わない(処理剤を洗い流さない)方法を採用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、各種測定は以下の方法により行った。
(Si/AOの測定)
各例で使用した成分(A)及び成分(A)’(成分(A)以外のアミノポリエーテル変性シリコーン)10mgをNo.3スクリューバイアルに秤り取り、窒素雰囲気下で一晩乾燥させた。得られた乾燥物に重クロロホルム(富士フイルム和光純薬(株)製:クロロホルム−d、99.8%)1mlを添加して溶解させ、H−NMR(BRUKER JAPAN社製、JH074504 AV400)により、ケイ素に結合したジメチルシリル基(6H:δ−0.3〜0.3ppm)の積分値、及びオキシエチレン(EO)鎖(4H:δ3.3〜3.9ppm)並びにオキシプロピレン(PO)鎖(6H:δ3.3〜3.9ppm)の積分値からSi/AOのユニット比を以下の式を用いて算出した。
<アミノポリエーテル変性シリコーン*4(ABIL Soft AF 100)>
Figure 2021075472

<上記以外の成分(A)及び成分(A)’>
Figure 2021075472
(透過度の測定)
紫外可視光分光光度計(日本分光(株)製「V−560」)を用いて、波長600nmにおける処理剤の透過度(%T)を測定した。測定セルとしてディスポーザブルセル(ポリメタクリル酸メチル製、容量2.5mL)を用い、これにイオン交換水を入れて測定した値を100%Tとして校正を行った。同様にディスポーザブルセルに処理剤を入れ、それぞれの透過度を測定した。
実施例1〜10、比較例1〜7(処理剤の調製、毛髪処理及び評価)
表1に示す配合に従って各成分を混合し、処理剤を調製した後、以下の方法でくし通し荷重測定及び毛流れの角度測定を行った。なお、表1に記載した配合量は各成分の有効成分量(質量%)である。
<くし通し荷重測定>
質量20g、長さ30cmの中国人未処理毛の毛束に対し下記のブリーチ剤20gを塗布し、30分静置後、35〜40℃の温水で十分にすすいだ。この操作を4回繰り返し、評価用毛束を作製した。
〔ブリーチ剤の組成〕
成分 (質 量%)
モノエタノールアミン 1.5
28質量%アンモニア水 4.0
重炭酸アンモニウム 1.0
35質量%過酸化水素水 8.2
精製水 残 量
計 100.0
上記評価用毛束を下記のプレーンシャンプーで洗浄し、すすいだ後、35〜40℃の温水で十分に湿らせた。その後、流水中で毛束の根本付近を両手の親指で左右にこすることで毛髪を絡ませた。毛束を手で絞って水を切った後、この毛束を、室温(25℃)で1Lビーカーに入れた各例の処理剤1Lに30秒間浸漬させて、ビーカー中で毛束を5回左右に振った後に引き上げた。これをコーミングフォース測定装置(宇都宮精機(株)製「KOT−0303」)にセットし、毛束の含水量が20gとなったところで、毛束の最上部にくし(スケルトンブラシ、横2.5cm、縦9.0cmの面に縦に5列、5mm間隔で、直径1mm、長さ2cmのピンが並んでいるもの)2本で毛束の最上部を挟み込むようにセットし、くしを毛先まで通した時に掛かる荷重(gf)を測定した。荷重は長さ30cmの毛束に対して200点算出され、計200点の平均値を算出した。
くし通し荷重平均値が900gfよりも小さければ毛髪の絡まりを解く効果が非常に高く、かつくし通し荷重の平均値が小さいほどその効果が高いことを意味する。
〔プレーンシャンプーの組成〕
成分 (質 量%)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na 11.3(*1)
ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド(*2) 3.0
クエン酸 0.2
メチルパラベン 0.3
精製水 残 量
計 100.0
*1:エマールE−27C(花王(株)製、有効成分27質量%)として42.0質量%
*2:アミノーンC−11S(花王(株)製)
<毛流れの角度測定>
質量20g、長さ30cmの日本人ダメージ毛(3〜4回/年のペースでカラー処理を行った人から採取した毛髪)の毛束をプレーンシャンプーで洗浄し、すすぐ際には手を通すことで絡まりを解き、35〜40℃の温水で十分に湿らせた。次いで、再度プレーンシャンプーを毛束に塗布し、すすいだ後、流水中で毛束の根本付近を両手の親指で左右にこすることで毛髪を絡ませ、毛流れを乱れさせた。毛束を手で絞って水を切った後、室温(25℃)で、1Lビーカーに入れた各例の処理剤1Lに浸漬させた。ビーカー中で毛束を5回左右に振ったのちに引き上げ、乾いたタオルで挟み込み、毛髪形状が変化しないように注意しながら、優しく叩いて水気を拭きとった。
この毛束を、Bossa Nova Technology社製の毛髪角度測定装置「RUMBA」の測定ボックスに入れて固定し、下記条件で毛束の毛髪部分(毛髪を束ねた部分を除く箇所)について撮影を行い、毛流れの角度を測定した。測定は3回行い、1回の測定ごとに自動計算される標準偏差の3回平均の値を角度のばらつきの指標として採用した。この値が小さくなるほど、毛流れが揃っていることを意味する。
なお、毛束をプレーンシャンプーで洗浄した後に毛髪が絡まった状態で水を切り、処理剤に浸漬する前に毛流れの角度を測定したところ、標準偏差の3回平均の値は22.2であった。
〔撮影条件〕
光源:近赤外線ランプ
CCD画素数:4Mピクセル
ゲイン/露光時間:自動調整
閾値:200
測定範囲(ROI):全測定(毛束の毛髪部のみ)
撮影距離(カメラ−毛髪間距離):35cm
Figure 2021075472
表1に記載の成分は下記である。
*1:ダウ・東レ(株)製「DOWSIL SS−3588」、水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーン、(ビスイソブチルPEG−15/アモジメチコン)コポリマー、Si/AO=2.39、窒素含有率:1.0質量%
*2:ダウ・東レ(株)製「DOWSIL SILSTYLE 104」、水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーン、(ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマー、Si/AO=2.46、窒素含有率:1.2質量%
*3:ダウ・東レ(株)製「DOWSIL SILSTYLE 201」、水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーン、(ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマー、Si/AO=0.80、窒素含有率:1.2質量%
*4:Evonik社製「ABIL Soft AF 100」、水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーン、(メトキシPEG/PPG−7/3 アミノプロピルジメチコン)、Si/AO=0.72、窒素含有率:0.36質量%
*5:ルブリゾール社製「Silsense A21」、水溶性アミノポリエーテル変性シリコーン、PEG7−アモジメチコン、Si/AO=0.23
*6:信越化学工業(株)製「X−22−3939A」、水溶性アミノポリエーテル変性シリコーン、Si/AO=0.29、窒素含有率:0.7〜1.0質量%
*7:PURAC Thailand Ltd.製、PURAC ULTRAPURE90
*8:関東化学(株)製、1mol/L塩酸(1N)
*9:扶桑化学工業(株)製「液体リンゴ酸(50%)」、50%リンゴ酸水溶液
*10:磐田化学工業(株)製「液体クエン酸(50%)」、50%クエン酸水溶液
表1より、以下のことが判る。
実施例1〜10の方法により処理された毛髪は、比較例1〜7よりもくし通し荷重平均値が低く毛髪の絡まりを解く効果が高い。また、毛流れの角度の標準偏差の値も小さく、処理後の毛流れが揃っている。
実施例1と比較例6、実施例3と比較例1、実施例4と比較例2との対比によれば、成分(A)を含有する処理剤に成分(B)である乳酸を所定の質量比で添加すると処理剤の透過度が向上している。これは、処理剤中の成分(A)の分散性又は溶解性が向上していることによるものと推察される。なお実施例1及び2で使用した成分(A)は、成分(B)を添加しないと全く水に分散せず、水中で大きな塊として存在している状態になった。そのため実施例1及び2に対しては、成分(B)を含有しない処理剤を用いた比較評価を行うことができなかった。
また処理剤において、成分(A)に替えて水溶性のアミノポリエーテル変性シリコーンを用いた比較例3〜5、質量比[(A)/(B)]が50超である比較例6、及び質量比[(A)/(B)]が0.001未満である比較例7ではいずれも本発明の効果が得られなかった。
本発明の方法によれば、絡まりが生じやすい毛髪又は繊維において、絡まりの発生を抑制し、絡まりが生じた場合にも手を通すなどの操作を行うことなく自発的に絡まりを解くことができ、さらには毛髪又は繊維の形状を揃えることができる。例えば本発明の方法を毛髪に適用すると、洗浄及びタオルドライ後の毛髪の絡まりを防止することができるので毛髪を短時間で乾燥させることができ、且つ毛流れが揃うので乾燥後の仕上がりが良好になる。

Claims (8)

  1. 毛髪又は繊維を、次の成分(A)及び成分(B)を質量比[(A)/(B)]として0.001以上、50以下で含有する処理剤に接触させる工程を有する、毛髪又は繊維の絡まり防止方法。
    (A)水不溶性アミノポリエーテル変性シリコーン
    (B)有機酸又は無機酸
  2. 前記成分(A)がポリオキシアルキレン構造を含有するアミノポリエーテル変性シリコーンであり、該成分(A)中のケイ素原子のモル数をSi、オキシアルキレン平均付加モル数をAOとした場合に、Si/AOが0.3以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記成分(A)が下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A1)及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A2)からなる群から選ばれる1種以上である、請求項2に記載の方法。
    Figure 2021075472

    式(1)中、Rは炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基を示す。RはR又はEのいずれかを示す。Eは−R−Z(Rは炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Zは1〜3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。Rは炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Rは水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。
    aは1以上50以下の数、bは1以上50以下の数、cは1以上50以下の数、dは2以上100以下の数、eは1以上の数を示す。nは2以上10以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。d個のOC2nは同一でも異なっていてもよい。また、複数個のR、R、R、R及びEは同一でも異なっていてもよい。
    Figure 2021075472

    式(2)中、R11は炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基を示す。R12はR11又はEのいずれかを示す。Eは−R13−Z(R13は単結合、又は炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基を示し、Zは1〜3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。Yは炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。
    rは2以上の数、sは1以上の数、tは4以上100以下の数、uは1以上の数を示す。mは2以上10以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。t個のC2mOは同一でも異なっていてもよい。また、複数個のR11、R12、及びEは同一でも異なっていてもよい。
  4. 前記成分(B)がヒドロキシカルボン酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記処理剤がさらに成分(C)として水性媒体を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記処理剤中の前記成分(A)の含有量が0.001質量%以上、5質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記毛髪又は繊維に前記処理剤を塗布、噴霧又は流延するか、前記毛髪又は繊維を前記処理剤に浸漬することにより接触させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記毛髪又は繊維を洗浄した後に前記処理剤に接触させる工程を行う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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