JP2021073283A - 鉄化合物含有組成物の粒子、鉄化合物の変色抑制方法、並びに鉄化合物及びビタミンc含有組成物 - Google Patents

鉄化合物含有組成物の粒子、鉄化合物の変色抑制方法、並びに鉄化合物及びビタミンc含有組成物 Download PDF

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隆範 寺澤
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Abstract

【課題】保存している間の鉄化合物の変色を抑制できる、鉄化合物含有組成物の粒子、鉄化合物の変色抑制方法、並びに鉄化合物及びビタミンC含有組成物を提供すること。【解決手段】鉄化合物と、有機酸とを含有する鉄化合物含有組成物の粒子、鉄化合物と、有機酸とを含有する組成物を造粒する造粒工程を含む鉄化合物の変色抑制方法、並びに前記鉄化合物含有組成物の粒子と、ビタミンCとを含有する鉄化合物及びビタミンC含有組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、鉄化合物含有組成物の粒子、鉄化合物の変色抑制方法、並びに鉄化合物及びビタミンC含有組成物に関する。
クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄などの鉄化合物は、鉄分の補給のための食品添加物や、鉄欠乏性貧血の治療用医薬品などとして広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
前記鉄化合物は、上記のように非常に有用な化合物であるものの、保存している間に、酸化等により、褐変したり、ビタミンCなどの特定の成分と共存させると、白色化したりする。
前記鉄化合物の変色は、外観の点での製品価値の低下を生じるという問題がある。また、前記鉄化合物の変色は、前記鉄化合物の構造が変化していることを示しており、構造の変化により物性が変化してしまうという問題もある。例えば、二価の鉄イオンが、三価の鉄イオンに変化してしまうことにより、体内への吸収性が低下してしまうという問題がある。
したがって、保存している間の鉄化合物の変色を抑制できる方法の速やかな提供が強く求められているのが現状である。
特開2002−20296号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、保存している間の鉄化合物の変色を抑制できる、鉄化合物含有組成物の粒子、鉄化合物の変色抑制方法、並びに鉄化合物及びビタミンC含有組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 鉄化合物と、有機酸とを含有することを特徴とする鉄化合物含有組成物の粒子である。
<2> 更に、結合剤を含有する前記<1>に記載の鉄化合物含有組成物の粒子である。
<3> 鉄化合物が、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸第一鉄、塩化第一鉄及び塩化第二鉄からなる群から選択される少なくとも1種である前記<1>又は<2>に記載の鉄化合物含有組成物の粒子である。
<4> 前記有機酸の前記鉄化合物に対する量が、0.05質量%〜25質量%である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の鉄化合物含有組成物の粒子である。
<5> 有機酸が、クエン酸、酒石酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載の鉄化合物含有組成物の粒子である。
<6> 医薬用及び健康食品用の少なくともいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の鉄化合物含有組成物の粒子である。
<7> 鉄化合物と、有機酸とを含有する組成物を造粒する造粒工程を含むことを特徴とする鉄化合物の変色抑制方法である。
<8> 鉄化合物の変色が、褐変及び白色化の少なくともいずれかである前記<7>に記載の鉄化合物の変色抑制方法である。
<9> 造粒工程が、結合剤を用いる前記<7>又は<8>に記載の鉄化合物の変色抑制方法である。
<10> 鉄化合物が、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸第一鉄、塩化第一鉄及び塩化第二鉄からなる群から選択される少なくとも1種である前記<7>から<9>のいずれかに記載の鉄化合物の変色抑制方法である。
<11> 有機酸が、クエン酸、酒石酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1種である前記<7>から<10>のいずれかに記載の鉄化合物の変色抑制方法である。
<12> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の鉄化合物含有組成物の粒子と、ビタミンCとを含有することを特徴とする鉄化合物及びビタミンC含有組成物である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、保存している間の鉄化合物の変色を抑制できる、鉄化合物含有組成物の粒子、鉄化合物の変色抑制方法、並びに鉄化合物及びビタミンC含有組成物を提供することができる。
(鉄化合物含有組成物の粒子)
本発明の鉄化合物含有組成物の粒子は、鉄化合物と、有機酸とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<鉄化合物>
前記鉄化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記鉄化合物の中でも、変色がより抑制されやすい点で、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄が好ましく、クエン酸第一鉄ナトリウム、ピロリン酸第二鉄がより好ましく、クエン酸第一鉄ナトリウムが更に好ましい。
前記鉄化合物は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記鉄化合物の前記鉄化合物含有組成物の粒子における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<有機酸>
前記有機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記鉄化合物の保存中における変色をより抑制できる点で、クエン酸、酒石酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、クエン酸及び酒石酸の少なくともいずれかがより好ましく、クエン酸が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機酸は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記有機酸の前記鉄化合物に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05質量%〜25質量%が好ましく、0.05質量%〜0.5質量%がより好ましく、0.05質量%〜0.25質量%が特に好ましい。前記有機酸の前記鉄化合物に対する量が、前記好ましい範囲内であると、前記鉄化合物の変色をより抑制できる点で、有利である。
前記有機酸のpKaとしては、アスコルビン酸のpKa(4.17)以下が好ましく、下限としては特に制限されないが、通常、pKa1以上、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上である。
前記有機酸のpKaが上記範囲内であれば、アスコルビン酸の解離を抑制し、反応性を抑えることで、鉄化合物とアスコルビン酸の反応による変色を抑制できる傾向がある。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の中でも、結合剤を含むことが、本発明の鉄化合物含有組成物の粒子を製造しやすい点で、好ましい。
前記その他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の前記鉄化合物含有造粒物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−賦形剤−
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、デンプン、バレイショデンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、無水リン酸カルシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記賦形剤の前記鉄化合物に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−結合剤−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゼラチン、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、部分α化デンプン、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、プルランなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結合剤の中でも、ヒドロキシプロピルセルロースが、好ましい。
前記結合剤の前記鉄化合物に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜50質量%などが挙げられ、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜10質量%、更に好ましくは3〜7質量%である。
−崩壊剤−
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コーンスターチ、部分α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記崩壊剤の前記鉄化合物に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<製造方法>
前記鉄化合物含有組成物の粒子の製造方法としては、特に制限はなく、第十七改正日本薬局方の製剤総則に記載されている方法など、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記鉄化合物及び前記有機酸に、必要に応じて、前記その他の成分と、溶媒などを加え、攪拌造粒、押し出し造粒、転動造粒、流動層造粒、噴霧造粒などを行い製造することができる。更に、必要に応じて、整粒、粉砕などを行ってもよい。
前記造粒の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記鉄化合物含有組成物の粒子の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記鉄化合物含有組成物の粒子は、保存している間の変色を抑制することができ、安定な製剤を提供することができる。
前記鉄化合物含有組成物の粒子の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、医薬用及び健康食品用の少なくともいずれかが好ましい。
(鉄化合物の変色抑制方法)
本発明の鉄化合物の変色抑制方法は、造粒工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<造粒工程>
前記造粒工程は、鉄化合物と、有機酸とを含有する組成物を造粒する工程である。
<<鉄化合物と、有機酸とを含有する組成物>>
前記鉄化合物と、有機酸とを含有する組成物は、鉄化合物と、有機酸とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−鉄化合物−
前記鉄化合物は、上記した鉄化合物含有組成物の粒子における<鉄化合物>の項目に記載のものと同様である。
−有機酸−
前記有機酸は、上記した鉄化合物含有組成物の粒子における<有機酸>の項目に記載のものと同様である。
−その他の成分−
前記その他の成分は、上記した鉄化合物含有組成物の粒子における<その他の成分>の項目に記載のものと同様である。
<<造粒>>
前記造粒の方法は、上記した鉄化合物含有組成物の粒子における<製造方法>の項目に記載のものと同様である。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記鉄化合物と、前記有機酸と、必要に応じて前記その他の成分とを混合する混合工程などが挙げられる。
前記混合の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の鉄化合物の変色抑制方法によれば、保存中の鉄化合物の変色を抑制することができる。特に、鉄化合物の酸化等による褐変、及び鉄化合物とビタミンCとが接触することによる白色化の少なくともいずれかを好適に抑制することができる。
(鉄化合物及びビタミンC含有組成物)
本発明の鉄化合物及びビタミンC含有組成物は、前記鉄化合物含有組成物の粒子と、ビタミンCとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<鉄化合物含有組成物の粒子>
前記鉄化合物含有組成物の粒子は、上記した本発明の鉄化合物含有組成物の粒子である。
前記鉄化合物含有組成物の粒子の前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<ビタミンC>
前記ビタミンCとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸の油脂被覆物(例えば、アスコルビン酸−80R(日油株式会社製))などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビタミンCは、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ビタミンCの前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、抗酸化剤、矯味剤、着色剤、香料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−賦形剤−
前記賦形剤は、上記した鉄化合物含有組成物の粒子における<その他の成分>の項目に記載のものと同様である。
−結合剤−
前記結合剤は、上記した鉄化合物含有組成物の粒子における<その他の成分>の項目に記載のものと同様である。
−崩壊剤−
前記崩壊剤は、上記した鉄化合物含有組成物の粒子における<その他の成分>の項目に記載のものと同様である。
−滑沢剤−
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、マクロゴールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記滑沢剤の前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−抗酸化剤−
前記抗酸化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、L−システイン、亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、大豆レシチンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記抗酸化剤の前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−矯味剤−
前記矯味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記矯味剤の前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、コチニール、カルミン、リボフラビン、食用黄色5号、食用青色2号などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−香料−
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レモン油、オレンジ油、メントール、はっか油、ボルネオール、バニラフレーバーなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料の前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記鉄化合物含有組成物の粒子と、前記ビタミンCと、必要に応じて前記その他の成分とを混合した混合物、前記混合物を打錠した錠剤、前記混合物をカプセルに充填したカプセル剤などが挙げられる。
前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物の製造方法としては、特に制限はなく、第十七改正日本薬局方の製剤総則に記載されている方法など、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができる。
前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物は、本発明の鉄化合物含有組成物の粒子を用いるため、保存中の鉄化合物の変色を抑制することができ、安定な製剤を提供することができる。
前記鉄化合物及びビタミンC含有組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、医薬用及び健康食品用の少なくともいずれかが好ましい。
以下、試験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
(試験例1)
以下のようにして、各試料を調製した。
<試験例1−1>
鉄化合物であるクエン酸第一鉄ナトリウム(サンフェロール、エーザイフード・ケミカル株式会社製、粉末)2.0gを試料とした。
<試験例1−2>
鉄化合物であるクエン酸第一鉄ナトリウム(サンフェロール、エーザイフード・ケミカル株式会社製)2.0gに、有機酸であるクエン酸(和光純薬工業株式会社製、pKa=約3.09)5mgと、結合剤であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社製)100mgとを加えて混合した後、エタノール700μLを添加し、撹拌造粒した。得られた造粒物を真空定温乾燥器(ADP200、ヤマト科学株式会社製)にて、約60℃で約8分間、減圧乾燥し(−0.1MPa)、試料とした。
<評価>
前記試験例1−1〜1−2で調製した各試料について、調製した試料の全量と、ビタミンC(アスコルビン酸、和光純薬工業株式会社製、pKa=約4.17)660mgとを混合し、25℃、相対湿度60%の条件下で保存し、試料の色の経時変化を観察した(保存開始時、1週間後、1ヶ月間後、3ヶ月間後)。
前記観察では、試料の色をJIS色名帳(JIS Z 8102準拠 JIS色名帳 第2版)に基づき、評価した。また、変化の詳細を備考として記載し、変化の程度を数値(5段階評価で数値が小さいほど変化が大きい)で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2021073283
表1の結果から、試験例1−1の試料では、保存開始時から1週間後にかけて緑色が白色化し始め、3ヶ月間後には、白色化が進みほとんど緑色が失われた。一方、試験例1−2の試料では、3ヶ月間後にわずかに変化が見られたものの、長期間に亘って、鉄化合物の変色を抑制できることが示された。
(試験例2)
以下のようにして、各試料を調製した。
<試験例2−1>
前記試験例1−1と同様に、鉄化合物であるクエン酸第一鉄ナトリウム(サンフェロール、エーザイフード・ケミカル株式会社製、粉末)を試料とした。
<試験例2−2>
前記試験例1−2と同様にして鉄化合物含有組成物の粒子を調製し、試料とした。
<評価>
前記試験例2−1〜2−2で調製した各試料を、40℃、相対湿度75%の条件下で保存し、試料の色の経時変化を観察した(保存開始時、1週間後、1ヶ月間後、3ヶ月間後)。
前記観察では、試料の色をJIS色名帳(JIS Z 8102準拠 JIS色名帳 第2版)に基づき、評価した。また、変化の詳細を備考として記載し、変化の程度を数値(5段階評価で数値が小さいほど変化が大きい)で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2021073283
表2の結果から、試験例2−1の試料では、保存開始時から1週間後にかけて緑色が黄色に変化し、1ヶ月間後には、褐色に変化した。一方、試験例2−2の試料では、保存開始時から3ヶ月間後までわずかな変色と黄色い粒の生成が見られたものの、試験例2−1のような褐変は認められず、長期間に亘って、鉄化合物の変色を抑制できることが示された。
(試験例3)
以下のようにして、各試料を調製した。
鉄化合物であるクエン酸第一鉄ナトリウム(サンフェロール、エーザイフード・ケミカル株式会社製)2.0gに、有機酸であるクエン酸(和光純薬工業株式会社製、pKa=約3.09)0、1、2、5又は10mgと、結合剤であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社製)100mgとを加えて混合した後、エタノール700μLを添加し、撹拌造粒した。得られた造粒物を真空定温乾燥器(ADP200、ヤマト科学株式会社製)にて、約60℃で約8分間、減圧乾燥し(−0.1MPa)、試料とした。
<評価>
前記試験例3で調製した各試料について、調製した試料の全量と、ビタミンC(アスコルビン酸、和光純薬工業株式会社製、pKa=約4.17)660mgとを混合し、25℃、相対湿度60%の条件下で保存し、試料の色の経時変化を観察した(保存開始時、1週間後、1ヶ月間後、3ヶ月間後)。
前記観察では、試料の色をJIS色名帳(JIS Z 8102準拠 JIS色名帳 第2版)に基づき、評価した。また、変化の詳細を備考として記載し、変化の程度を数値(5段階評価で数値が小さいほど変化が大きい)で評価した。結果を表3に示す。
Figure 2021073283
表3の結果から、1ヶ月間後にクエン酸0mg(無添加)の試料でわずかな変色と褐色の粒の生成が認められたが、クエン酸添加1、2、5又は10mgの試料では、変化は認められなかった。
3ヶ月間後では、クエン酸0mg(無添加)の試料で褐色化が進行した。クエン酸添加1、5及び10mgの試料では少量の褐色の粒の生成が認められたが、その変化はクエン酸0mg(無添加)の1ヶ月間後と同程度であった。クエン酸添加2mgの試料では3ヶ月間後まで特に変化は認められなかった。よって、有機酸の量を変えた場合でも、鉄化合物の変色を抑制できることが示された。
(試験例4)
以下のようにして、各試料を調製した。
<試験例4−1>
鉄化合物であるクエン酸第一鉄ナトリウム(サンフェロール、エーザイフード・ケミカル株式会社製)、硫酸第一鉄(和光純薬工業株式会社製)又はピロリン酸第二鉄(米山化学工業株式会社製)2.0gを試料とした。
<試験例4−2>
鉄化合物であるクエン酸第一鉄ナトリウム(サンフェロール、エーザイフード・ケミカル株式会社製)、硫酸第一鉄(和光純薬工業株式会社製)又はピロリン酸第二鉄(米山化学工業株式会社製)2.0gに、有機酸であるクエン酸(和光純薬工業株式会社製、pKa=約3.09)5mgと、結合剤であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社製)100mgとを加えて混合した後、エタノール700μLを添加し、撹拌造粒した。得られた造粒物を真空定温乾燥器(ADP200、ヤマト科学株式会社製)にて、約60℃で約8分間、減圧乾燥し(−0.1MPa)、試料とした。
<評価>
前記試験例4−1〜4−2で調製した各試料について、調製した試料の全量と、ビタミンC(アスコルビン酸、和光純薬工業株式会社製、pKa=約4.17)660mgとを混合し、25℃、相対湿度60%の条件下で保存し、試料の色の経時変化を観察した(保存開始時、1週間後、1ヶ月間後、3ヶ月間後)。
前記観察では、試料の色をJIS色名帳(JIS Z 8102準拠 JIS色名帳 第2版)に基づき、評価した。また、変化の詳細を備考として記載し、変化の程度を数値(5段階評価で数値が小さいほど変化が大きい)で評価した。結果を表4に示す。
Figure 2021073283
表4の結果から、試験例4−1では鉄化合物はビタミンCと混合することで著しい変色や着色粒の生成が見られたが、試験例4−2ではその変化が抑えられる傾向を確認した。よって、鉄化合物と、有機酸とを含有する鉄化合物含有組成物の粒子を調製することで、クエン酸第一鉄ナトリウム以外の鉄化合物に対しても、変色を抑制できることが示された。

Claims (12)

  1. 鉄化合物と、有機酸とを含有することを特徴とする鉄化合物含有組成物の粒子。
  2. 更に、結合剤を含有する請求項1に記載の鉄化合物含有組成物の粒子。
  3. 鉄化合物が、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸第一鉄、塩化第一鉄及び塩化第二鉄からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の鉄化合物含有組成物の粒子。
  4. 前記有機酸の前記鉄化合物に対する量が、0.05質量%〜25質量%である請求項1から3のいずれかに記載の鉄化合物含有組成物の粒子。
  5. 有機酸が、クエン酸、酒石酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1から4のいずれかに記載の鉄化合物含有組成物の粒子。
  6. 医薬用及び健康食品用の少なくともいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の鉄化合物含有組成物の粒子。
  7. 鉄化合物と、有機酸とを含有する組成物を造粒する造粒工程を含むことを特徴とする鉄化合物の変色抑制方法。
  8. 鉄化合物の変色が、褐変及び白色化の少なくともいずれかである請求項7に記載の鉄化合物の変色抑制方法。
  9. 造粒工程が、結合剤を用いる請求項7又は8に記載の鉄化合物の変色抑制方法。
  10. 鉄化合物が、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸第一鉄、塩化第一鉄及び塩化第二鉄からなる群から選択される少なくとも1種である請求項7から9のいずれかに記載の鉄化合物の変色抑制方法。
  11. 有機酸が、クエン酸、酒石酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1種である請求項7から10のいずれかに記載の鉄化合物の変色抑制方法。
  12. 請求項1から6のいずれかに記載の鉄化合物含有組成物の粒子と、ビタミンCとを含有することを特徴とする鉄化合物及びビタミンC含有組成物。
JP2021016408A 2015-12-15 2021-02-04 鉄化合物含有組成物の粒子、鉄化合物の変色抑制方法、並びに鉄化合物及びビタミンc含有組成物 Pending JP2021073283A (ja)

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