JP2021069714A - 眼底撮像装置および眼疾検査装置 - Google Patents

眼底撮像装置および眼疾検査装置 Download PDF

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宏大 山根
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Abstract

【課題】広い画角で眼底を撮像可能な技術を提供する。【解決手段】眼底撮像装置(1)は、被験者の一方の目の視野内に視標を提示するための視標提示部と、被験者の他方の目に近赤外線を照射するための照射部と、当該他方の目の眼底を撮像するための撮像部とを有する。近赤外線の波長は、780nm以上1450nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、眼底撮像装置および眼疾検査装置に関する。
日本人の失明の主な原因には、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性および緑内障の3つが知られている。これらの疾病の早期発見には、眼底検査が有効である。眼底検査のための装置には、眼底の撮像に際して被験者の視線を固定するのに優れた装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表2011−502015号公報
一般に、眼底を撮像する装置では、撮影時における眼球の向きを固定するために、被験者の撮影対象の目に、特定の位置にある視標を見させる構成を有している。しかしながら、当該視標を見るために撮影対象の眼球の瞳孔が狭くなり、眼底を撮像できる範囲が狭くなることがある。このように、撮像対象の目で視標を見させる従来の技術には、広い画角で眼底を撮像する観点から、検討の余地が残されている。
本発明の一態様は、広い画角で眼底を撮像可能な技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る眼底撮像装置は、被験者の一方の目の視野内に視標を提示するための視標提示部と、前記被験者の他方の目に近赤外線を照射するための照射部と、前記他方の目の眼底を撮像するための撮像部と、を有する。前記近赤外線の波長は、780nm以上1450nm以下である。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る眼疾検査装置は、上記の眼底撮像装置と、前記撮像部が撮像した一以上の画像に基づいて前記被験者の前記他方の目の眼疾を判定するための判定部と、を備える。
本発明の一態様によれば、広い画角で眼底を撮像可能な技術を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る眼底撮像装置の一例の外観を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1に係る眼底撮像装置における他の例の外観を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1に係る眼底撮像装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態1で用いられる視標画像の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1で用いられる視標画像の他の例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1に係る眼底撮像装置における光学系の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1に係る眼底撮像装置における光学系の他の例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1に係る眼底撮像装置による眼底の撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る眼底撮像装置によって撮像された眼底の画像の一例を示す図である。 本発明の実施形態2に係る眼底撮像装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態2に係る眼底撮像装置による眼底の撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る眼底撮像装置による眼底の画像データを合成した画像の一例を示す図である。 本発明の実施形態3に係る眼疾検査装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態3に係る眼疾検査装置による眼底の撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係る眼底撮像装置は、被験者の一方の目の視野内に視標を提示するための視標提示部と、被験者の他方の目に近赤外線を照射するための照射部と、他方の目の眼底を撮像するための撮像部とを有する。被験者が一方の目の眼球を動かすと、被験者の他方の目も連動する。たとえば、被験者が眼球を動かすのみで一方の目で上を見ると、他方の目も上を向くように動く。したがって、撮像対象の他方の目で視標を見なくても、一方の目で視標を見ることによって、撮像対象の他方の目の向きが固定される。このため、他方の目に視標を見せなくても、他方の目が所望の向きに向いた状態で他方の目の眼底を撮像することが可能となり、広い画角の眼底の画像を撮像可能となる。
なお、本明細書において「視野」とは、特に断り書きがない限り、眼球が正面などの所定の一点を見ているときに当該眼球によって被験者が見える範囲を言う。
本実施形態において、被験者の一方の目の視野内に配置する視標は、一方の目で任意の期間見ることが可能であれば、その形状、色および数は限定されない。視標は視力票であることが好ましい。視標が視力票であることは、本実施形態における眼底撮像において、既存の視力検査の装置、道具を利用することが可能であり、また視力検査と並行可能である観点から好ましい。
視標は、被験者の一方の目における視野に設定されている複数の区画のそれぞれに配置されていることが好ましい。視標が当該区画のそれぞれに配置されていることは、眼球の向きが区画ごとに特定されるため、十分な量と所望の向きで眼球を動かし、固定する観点から好ましい。
また、本実施形態では、撮像対象の他方の目に照射される近赤外線の波長は、780nm以上1450nm以下であることが好ましい。本実施形態では、撮像される他方の目を、可視光から外れる近赤外線である。よって、撮像時に照射される光による他方の目の瞳孔の収縮が抑制される。よって、撮像対象の目に可視光を適用する場合に比べて、より広い画角で眼底の画像を撮像することが可能である。
当該近赤外線の波長は、840nm以上1450nm以下であることがより好ましい。近赤外線の波長は840nm以上であることは、近赤外線の光源における波長の分散が生じても当該近赤外線の照射を上記の他方の目に検出させない観点から好ましい。近赤外線の波長が1450nm以下であることは、眼球で吸収されずに眼底を照射する観点から好ましい。
近赤外線のピーク波長は、一つでもよいしそれ以上であってもよい。たとえば、近赤外線のピーク波長は、780〜1450nmの範囲の単一の波長であってもよいし、当該範囲内で連続して変化していってもよいし、当該範囲内で複数存在してもよい。近赤外線は、複数の異なるピーク波長を有することが好ましい。たとえば、近赤外線のピーク波長は、離散的に2波長以上であってもよい。さらに、撮像して得られた像を疑似カラー表示によって表示する場合には、3波長以上であることが好ましい。異なる波長の光による疑似カラー表示は、公知の技術を適用して実施することができる。
なお、本明細書において、「〜」は、特に説明がない限り、以上以下の範囲を表す。
本実施形態において、視標提示部、照射部および撮像部を構成する光学系に反射ミラーをさらに含むことが好ましい。後に図示するように、反射ミラーを含む上記の光学系は、その途中で光軸を曲げることが可能である。よって、当該光学系の全長をより短くし、眼底撮像装置を小型化する観点から好ましい。
また、本実施形態では、眼底撮像装置は、被験者の他方の目の眼底を撮像するためのカメラに被験者の網膜からの戻り光の焦点を自動で合わせるためのオートフォーカス部、および、他方の目とそれを撮像するための光学系との相対的な位置関係を自動で調整するためのオートアライメント部、の一方または両方をさらに備えることが好ましい。オートフォーカス部およびオートアライメント部の一方または両方をさらに備えることは、十分に鮮明な眼底の画像を簡易に撮像する観点から好ましい。眼底の撮像画像におけるオートフォーカスおよびオートアライメントは、公知の技術を用いて実施することが可能である。
本実施形態において、撮像部が撮像した複数の画像をつなぎ合わせた画像を作成するための画像合成部をさらに備えることは、広い画角の眼底画像を得る観点から好ましい。後に詳述するが、このような画像の合成は、公知の技術を用いて実施することが可能である。
本実施形態において、撮像部は、視標提示部により提示された視標を用いて被験者の一方の目の検査を行う間に、他方の目の眼底を撮像することが好ましい。一方の目の検査と並行して他方の眼の眼底を撮像部が撮像することは、被験者の目の検査を効率よく実施する観点からより効果的である。
また、本実施形態では、視標は視力票であり、被験者の一方の目の視力を検査するための作業を被験者に音声によって案内するための音声ガイダンス部と、被験者に提示する視標を含む視標画像を視力検査の作業に応じて変更するための視標変更部と、をさらに備えることが好ましい。前述のように、一方の目の視線を誘導して、次いで眼球を所定の向きに固定することを、視力検査を通じて被験者に行わせることが可能である。よって、一方の目における視力検査と他方の目における眼底撮像とを併行することができ、被験者の目の検査を効率よく実施する観点からより一層効果的である。
また、本実施形態は、前述の本実施形態に係る眼底撮像装置と、当該眼底撮像装置の撮像部が撮像した一以上の画像に基づいて、被験者の他方の目の眼疾を判定するための判定部とを備える眼疾検査装置である。当該眼疾検査装置は、撮像対象の目に視標を見せる従来の技術に比べて、広い画角の眼底の画像を十分鮮明に撮像することが可能である。また、当該眼疾検査装置は、視力検査と並行可能であり、その間に眼底の撮像が可能である。よって、当該従来技術に比べて、正確な眼疾の検査をより簡易に実施する観点から有利である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照してより詳細に説明する。
〔実施形態1〕
(装置の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る眼底撮像装置の一例の外観を模式的に示す図である。眼底撮像装置1は、図1に示されるように、台2、装置本体3、および接眼筒4、5を有する。台2は、装置本体3を支持している。装置本体3は、例えば、後述の視標提示部、照射部および撮像部を備える筐体である。接眼筒4、5は、被験者が両目で同時に覗くことが可能な筒部である。
台2は、被験者のいずれの目に対しても、接眼筒4、5のそれぞれを対向させる可動機能を有している。すなわち、台2は、水平面において回動自在に装置本体3を支持している。よって、被験者が一方の目(または他方の目)で接眼筒4、5のそれぞれを覗けるように装置本体3の向きが調整される。また、台2は、当該水平面中の一軸に対して回動自在に装置本体3を支持している。よって、被験者が接眼筒4、5を覗ける角度に装置本体3の位置が調整される。
装置本体3は、接眼筒4を覗く目に視標を提示する構成を有し、接眼筒5を覗く目の眼底を撮像する構成を有している。装置本体3におけるこれらの構成については後述する。なお、装置本体3は、接眼筒4、5のそれぞれの光学中心を55〜75mmの間で調整可能な機能を有している。
被験者は、まず、例えば右目で接眼筒4を覗き、同時に左目で接眼筒5を覗く。次いで、装置本体3の向きを反転させ、角度を調整することにより、右目で接眼筒5を覗き、左目で接眼筒4を覗く。このように、眼底撮像装置1は、いずれの接眼筒も、被験者が右目および左目のそれぞれで覗くことが可能に構成されている。
接眼筒4、5は、これらの接眼筒を覗く被験者の目の周囲を囲んでいる。このため、接眼筒4、5を覗く被験者の目は、周囲に対して遮光される。よって、被験者の瞳孔が周囲の光によって収縮することが防止される。
なお、本実施形態に係る眼底撮像装置は、図2に示されるように構成されてもよい。図2は、本実施形態に係る眼底撮像装置における他の例の外観を模式的に示す図である。眼底撮像装置1aは、図2に示されるように、台2a、装置本体3a、および接眼筒4、5a、5bを有する。眼底撮像装置1aは、以下の点で眼底撮像装置1と異なっている。
台2aは、水平面の一軸に対して装置本体3aを回動自在に支持している。装置本体3aは、接眼筒5a、5bのそれぞれに対して、眼底を撮像する構成を有している。眼底撮像装置1aでは、被験者は、例えば、接眼筒5aと接眼筒4とを覗いて眼底を撮像し、次いで接眼筒4と接眼筒5bとを覗いて眼底を撮像することにより、両目のそれぞれの眼底を撮像することが可能である。装置本体3は、接眼筒5a、5bのそれぞれに対応して二つの眼底撮像のための構成を有していてもよいし、接眼筒5a、5bのそれぞれに適用可能な一つの眼底撮像のための構成を有していてもよい。
(機能的な構成)
次に、本実施形態に係る眼底撮像装置の機能的な構成を説明する。図3は、本実施形態に係る眼底撮像装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。眼底撮像装置1は、図3に示されるように、制御部100、入力部101、視標提示装置102、近赤外(NIR)光源10、CCDセンサ20、記憶部103および出力部104を備えている。
制御部100は、眼底撮像装置1における眼底の撮像処理を制御する。制御部100は、例えば、後述する各機能を実現するソフトウエアであるプログラムの命令を実行するプロセッサである。当該プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。
入力部101は、制御部100への信号を入力する。入力部101は、例えば、被験者または眼底撮像装置1のオペレータ(以下、被験者およびオペレータを総じて「被験者等」とも言う)が操作するキーボードであってよい。あるいは、入力部101は、被験者等が操作するボタンであってよく、タッチパネルであってよく、または、被験者等が音声で操作内容を入力する音声入力装置であってよい。
視標提示装置102は、接眼筒4に接する被験者の目に、被験者の視力に応じた視標を提示する。視標提示装置102は、被験者の一方の目の視野において、所望の位置に視標を提示することが可能な構成であればよい。視標提示装置102には、後述する視力検査における視標を提示する構成を適用することが可能である。視標提示装置102は、接眼筒4を覗く被験者がその一方の目で、視力票を有する視標画像を表示する装置であってよい。視標画像については後述する。
NIR光源10は、接眼筒5に接する被験者の目に近赤外線を照射する。NIR光源10は、例えば近赤外LEDである。近赤外LEDは、小型軽量化の観点から有利である。この他にも、NIR光源10は、ハロゲンランプと特定波長の近赤外線を透過するファブリペロー型のバンドパスフィルターとによって構成されてもよいし、熱輻射光を効率よく取り出すメタサーフェス構造を適用した熱輻射セラミックヒータであってもよい。NIR光源10は、780〜1450nmの範囲の任意の波長の近赤外線を出力する。当該近赤外線の波長は、さらに好ましくは、840〜1450nmである。
CCDセンサ20は、撮像素子の一例である。CCDセンサ20は、後述する光学系を通じて、被験者の他方の目の網膜で反射した光および後方散乱した光が結像した像を画像データに変換する。なお、本明細書において、眼底の撮像とは、眼球からの戻り光のうち、網膜からの戻り光の焦点を撮像素子に合わせて画像を形成することを意味する。網膜からの戻り光とは、例えば上述したように、網膜で反射した光、および網膜で後方散乱した光、である。CCDセンサ20以外にも、本実施形態において撮像素子として、CMOSセンサまたはInGaAsセンサが用いられ得る。
記憶部103は、制御部100が読み取り可能な記録媒体である。制御部100は、例えば記憶部103中のプログラムを記憶部103から読み取って実行することにより、本実施形態における眼底の撮像が実行される。記憶部103は、例えば一時的でない有形の媒体であり、より具体的には、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などである。
出力部104は、撮像された眼底の画像データを制御部100(後述する撮像制御部130)から取得する。出力部104は、例えば、当該画像データを表示する表示装置であってよく、あるいは、当該画像データを他の装置へ送信する送信装置であってもよい。
制御部100は、視標制御部110、照射制御部120および撮像制御部130を備える。
視標制御部110は、例えば、視標提示装置102に、後述する光学系を介して被験者の一方の目の視野内に視標を提示させる。このように、視標制御部110および視標提示装置102は、被験者の一方の目の視野内に視標を提示するための視標提示部を構成する。
照射制御部120は、例えば、NIR光源10を制御して、NIR光源10に、後述する光学系を介して被験者の他方の目に近赤外線を照射させる。このように、照射制御部120およびNIR光源10は、被験者の他方の目に近赤外線を照射するための照射部を構成する。
撮像制御部130は、例えば、CCDセンサ20を制御して、CCDセンサ20に、後述する光学系を介して、近赤外線が照射されている被験者の他方の目の眼底の画像を示す画像データを作成させる。このように、撮像制御部130およびCCDセンサ20は、被験者の他方の目の眼底を撮像するための撮像部を構成する。
(視標画像)
次に、本実施形態において被験者の一方の目に視標を提示するための視標画像について説明する。図4は、本実施形態で用いられる視標画像の一例を模式的に示す図である。視標画像50は、複数の視力票51と枠52とを含む。視標画像50は、図4に示されるように、複数の視力票が表示された視力検査用の表の画像である。本実施形態においては、視力票としてランドル環を用いる。ただし、利用可能な視力票はランドル環に限定されない。例えば、文字を視力票として用いることもできる。
当該表において、視力票51は、縦に五列配列している。当該表において、縦軸は視力を表しており、上が0.2、下が2.0となっており、下ほど高い視力となっている。当該表の各列において、視力票51は、視力に対応する大きさを有しており、視力が低いほど、すなわち上の方ほど大きいサイズを有する。当該表において、視力票51は、その開口端が上下左右の四方向および斜めの四方向の、計八方向におけるいずれかの方向に向くように配置されている。ただし、表中の複数の視力票51のいずれの当該開口端の向きは不規則である。
枠52は、表中のいずれかの視力票51を囲むように、視標画面上で移動可能なオブジェクトである。枠52の移動は、視標制御部110が記憶部103中のプログラムに基づいて実行してもよいし、オペレータが入力部101を介して入力する信号に応じて実行されてもよい。このように、視標画像50は、当該表中のいずれかの視力票を枠52で指定することにより、被験者が一方の目の視野内における特定の位置に向けて一方の目の向きを固定可能に構成されている。
あるいは、本実施形態に用いられる視標画像は、図5のように構成されてもよい。図5は、本実施形態で用いられる視標画像の他の例を模式的に示す図である。視標画像50aは、図5に示されるように、複数の視力票51と枠52とを含む。複数の視力票51は、互いに同じ大きさを有しており、視標画像50a中、縦に三つ、横に三つ、計九つ配置されている。これらの視力票51の開放端の向きは不規則である。このように、視標画像50aは、被験者の一方の目の視野全体に配列する大きな視力票51を表示する。枠52は、いずれかの視力票51を囲む位置に表示される。被験者は、枠52で囲まれる視力票51およびその開放端の向きを視認するために一方の目を固定する。
視標画像50aは、視力票51が大きく表示されているため、被験者が視力票51をより明瞭に見るために一方の目を細めるなどの、一方の目の状態を変えることを防止することができる。よって、被験者の他方の目も一方の目と同様に通常のように開かれる。したがって、被験者の目の開き具合による眼底撮像への影響を抑制する観点から有利である。
(眼底撮像に係る光学系)
次に、本実施形態における眼底の撮像に係る光学的な構成を説明する。図6は、本実施形態1に係る眼底撮像装置における光学系の一例を模式的に示す図である。当該光学系は、図6に示されるように、NIR光源10、CCDセンサ20および偏光ビームスプリッタ34を有している。符号Eは、接眼筒5を覗く被験者の他方の目の眼球である。
NIR光源10の光軸上には偏光ビームスプリッタ34が配置されており、偏光ビームスプリッタ34における当該光軸と直交する軸線上にCCDセンサ20が配置されている。眼球Eは、NIR光源10に対向する位置に配置される。偏光ビームスプリッタ34よりもNIR光源10側には、NIR光源10側からレンズ31、32および直線偏光板33がこの順で配置されている。偏光ビームスプリッタ34よりも眼球E側には、偏光ビームスプリッタ34側から、レンズ35、36および1/4波長板37がこの順で配置されている。偏光ビームスプリッタ34とCCDセンサ20との間にはレンズ38が配置されている。
偏光ビームスプリッタ34は、例えば、透明体中に所定の角度で傾く誘導体膜を有しており、縦方向に振幅する直線偏光のみを通過させ、他の方向に振幅する光を反射する光学特性を有する。また、レンズ31、32、35、36、38は、NIR光源10からの近赤外線の光束または眼球Eからの戻り光の光束を適宜に広げ、また絞るように配置されている。図6中、眼球Eへの入射光の光路を破線で示し、眼球Eからの戻り光の光路を実線で示している。
NIR光源10から出射する近赤外線は、レンズ31、32を通り、直線偏光板33を通過して、例えば縦方向に振動する直線偏光となる。縦方向の直線偏光の近赤外線は、偏光ビームスプリッタ34を通過し、レンズ35、36を通って1/4波長板37を通過する。1/4波長板37によって近赤外線は円偏光となり、眼球Eの瞳孔を通って眼球E内に入射する。眼球E内に入射した近赤外線は、眼球Eの眼底の網膜で反射し、また後方拡散して戻り光となる。
眼球Eからの戻り光は、瞳孔を通って1/4波長板37を通り、例えば横方向に振動する直線偏光となる。横方向の直線偏光は、レンズ36、35を通って偏光ビームスプリッタ34に入射し、その誘電体膜で反射し、偏光ビームスプリッタ34から、入射光の光軸と直交する方向へ出射する。出射した横方向の直線偏光は、レンズ38を通ってCCDセンサ20に到達する。こうして、近赤外線で照射された目の眼底の画像データが得られる。
あるいは、本実施形態における上記光学系は図7のように構成されてもよい。図7は、本実施形態に係る眼底撮像装置における光学系の他の例を模式的に示す図である。図7に示される光学系は、偏光ビームスプリッタ34aが横方向の直線偏光のみを通過させる光学特性を有し、レンズ35とレンズ36との間に反射ミラー40をさらに有し、光路の形状が異なる以外は、図6に示される光学系と同様に構成されている。レンズ35は、NIR光源10の光軸に対して直交する軸線上に配置されている。反射ミラー40は当該軸に対して45°の角度で配置されており、レンズ36および1/4波長板37は、NIR光源10の光軸と平行な軸線上に配置されている。
図7に示される光学系は、NIR光源10の光軸方向におけるNIR光源10から眼球Eまでの距離が、図6に示される光学系のそれに比べて短くなる。また、眼底の撮像される範囲をさらに広げるためなどの理由により光学系が大きくなる場合では、図6に示される光学系のサイズが、前述した両接眼筒4、5間の距離の最大値(75mm)に納まらないこともあり得る。図7に示される光学系は、図6に示される光学系に対して、光学系を小型化する観点から有利である。
(眼底の撮像処理)
次に、眼底撮像装置1による眼底の撮像処理を説明する。図8は、本実施形態に係る眼底撮像装置による眼底の撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、視標制御部110は、例えば被験者等による入力部101からの撮像指示の信号を受け付ける。次いで、制御部100は、ステップS102、S103およびS104を並行する。
ステップS102において、視標制御部110は、被験者の一方の目に視標を提示する。たとえば、視標制御部110は、視標提示装置102に、前述した視標画像を、被験者の一方の目に対して提示させ、特定の視力票51を囲む位置に枠52を表示する。被験者は、枠52で囲まれた視力票51を見るために、接眼筒4を覗く一方の目の眼球を動かし、当該眼球の向きを固定する。このとき、被験者の接眼筒5を覗く他方の目は、視力票51および枠52を見ることはできないが、一方の目における眼球の動きにつられて、他方の目の眼球も一方の目の眼球と同様に動く。よって、視標を見ていない他方の目の眼球の向きが、視標によって固定されている一方の目の眼球と実質的に同じ向きで固定される。
ステップS103において、照射制御部120は、NIR光源10を点灯させ、被験者の他方の目に近赤外線を照射する。これにより、被験者の他方の目は近赤外線で照らされる。近赤外線は可視光ではないため、被験者は、近赤外線で他方の目を照らされても眩しさを感じない。よって、他方の目が近赤外線で照らされていても、他方の目の瞳孔が十分に開いた状態となる。
ステップS104において、撮像制御部130は、CCDセンサ20を作動させ、近赤外線が照射されている被験者の他方の目の眼底を撮像する。たとえば、CCDセンサ20は、近赤外線が照射されている他方の目からの戻り光を検出する。撮像制御部130は、必要に応じて、近赤外線が他方の目の瞳孔を通って眼底に到達するように、また眼底からの戻り光がCCDセンサ20において適切に結像するように、前述した光学系中に配置されたレンズのうちの一つ以上のレンズの位置を光軸に沿って移動させる。こうしてCCDセンサ20は、被験者の他方の目における眼底の画像データを生成する。生成した画像データは、CCDセンサ20から制御部100に出力される。たとえば、撮像制御部130が当該画像データを取得する。
なお、上記の視標の提示と近赤外線の照射とは、同期していてもよいし、同期していなくてもよいが、ステップS102において被験者の一方の目に視標を提示している間、ステップS103において被験者の他方の目を近赤外線で照射していることが好ましい。視標を複数回提示すると、その間に、被験者の眼球が上下左右に動き、当該眼球の向きはその都度固定される。その間、近赤外線を他方の目に照射し続けることによって、当該他方の目の眼底を撮像し続けることが可能である。それにより、広い範囲の眼底を撮像することができ、広い範囲の眼底の画像データを生成することができる。
ステップS105において、撮像制御部130は、CCDセンサ20が生成した画像データを出力部104に出力する。出力部104は、撮像制御部130が取得した画像データを液晶ディスプレイなどの表示装置に表示する。図9は、CCDセンサ20による画像の一例を示す図である。
図9に示されるように、CCDセンサ20による画像には、眼底の様子が明確に示される。たとえば、図9中のA部には、明るい略楕円形の視神経乳頭が映し出されている。また、図9中のB部には、血管が映し出されている。
このように、本実施形態によれば、十分に鮮明な眼底の画像を得ることができる。当該画像データは、CCDセンサ20が所定の時期で撮像したものであってもよいし、CCDセンサ20が動画として画像データを生成し当該動画の画像データから取り出された静止画像の画像データであってもよい。
(作用効果)
本実施形態は、少なくとも以下の作用効果を奏する。
(1)前述したように、本実施形態では、被験者の眼球を近赤外線で照射した状態で当該眼球の眼底を撮像する。したがって、被験者は眩しさを感じないことから、当該眼球において瞳孔が十分に開いた状態で眼底を撮像することが可能である。
ここで、被験者は、一方の目では明るい視標画像中の視力票を観察しているので、一方の目における瞳孔は狭くなる。しかしながら、両目におけるそれぞれの目の瞳孔はある程度独立して動く。したがって、例えば右目で視力票を注視していても、左目の視界が暗く保たれていれば、左目の瞳孔は、視界の暗さに応じて十分に広がる。
従来の眼底撮像装置では、眼底を可視光で照らすものもあり、その場合、眼底の撮像時にはより大きな光量、明度の可視光で撮像対象の目を照らすことがある。このように、従来の眼底撮像装置では、撮像時における撮像対象の目の瞳孔が狭まりやすい。
本実施形態では、撮像時における目の照明に、可視光に代えて近赤外線を用いる。よって、眼底の撮像時に、被験者は照明の影響を実質的に受けない。よって、撮像対象の目に可視光を照射する従来技術に比べて、本実施形態では、より広く眼底を撮像することが可能である。
(2)左右の目で瞳孔が実質的に独立して動くのに対し、眼球の動きは、左右の目で連動する。このため、被験者が一方の目で視標を視認している間、他方の目は、一方の目の動きに合わせて動く。よって、この間における他方の目の眼底を撮像することにより、一方の目と実質的に同じ方向を向いている他方の目の眼底を撮像することが可能となる。よって、他方の目が正面のみならず、上下左右および斜めを向いたときの眼底を撮像することが可能となる。このように、本実施形態では、撮像対象の他方の目に対する視標の提示によって、被験者の視線を誘導しなくてもよい。よって、本実施形態では、非常に容易に広範囲の眼底を撮像することが可能である。
なお、眼底の撮像については、点眼薬で瞳孔を広げる技術が知られている。当該技術は、点眼後に自動車の運転ができないなどの弊害があり、このことは、眼底の撮像の普及を妨げる一因となっている。本実施形態では、撮像に際して自然に瞳孔を広げさせるため、撮像後における目の能力の低下を生じない。このように、本実施形態は、眼底の撮像において副作用を生じない観点からも優れている。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(装置の構成および機能的な構成)
本実施形態の眼底撮像装置は、視標提示部が視力検査実施部を兼ね、オートアライメント機能、オートフォーカス機能およびスピーカをさらに備える以外は、実施形態1における眼底撮像装置1と同様に構成される。視力検査実施部は、視力検査を実行可能な構成であればよく、このような構成は、公知の技術によって実現することができる。たとえば、当該構成には、特許第4970122号に記載の視力検査装置の構成を採用することができる。
図10は、本発明の実施形態2に係る眼底撮像装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図10に示されるように、本実施形態における制御部200は、画像処理部240、アライメント制御部250、フォーカス制御部260、ガイダンス制御部270をさらに備える以外は、実施形態1における制御部100と実質的に同じである。
また、本実施形態における視標制御部210は、視標画像変更部211をさらに備える以外は実施形態1における視標制御部110と実質的に同じである。本実施形態における照射制御部220は、入力部101からの入力信号を受け付ける以外は、実施形態1における照射制御部120と実質的に同じである。本実施形態における撮像制御部230は、CCDセンサ20に撮像を指示する信号をフォーカス制御部260にも出力する以外は、実施形態1における撮像制御部130と実質的に同じである。
画像処理部240は、CCDセンサ20で生成した画像データが眼底の検査または眼疾の診断に適する画像データとなるように処理を行う。画像処理部240は、画像判定部241および画像合成部242を備える。画像判定部241は、例えば、記憶部103に格納されている画像判定モデルを参照して、撮像制御部130が取得した画像データの適否を判定する。画像合成部242は、適切と判断された画像データの複数を繋ぎ合わせて、一画像データに比べて広い範囲の眼底を示す画像データを合成する。
アライメント制御部250は、視標制御部210への入力信号を参照して、少なくとも眼底を撮像するための光学系と被験者の撮像対象の目との位置合わせであるアライメント処理を実施させる。
フォーカス制御部260は、撮像制御部230からの信号を受け付けて、少なくとも眼底からの戻り光の焦点がCCDセンサ20において適切に結ばれるように、少なくとも眼底撮像のための光学系30を調整する。
ガイダンス制御部270は、入力部101からの信号を受け付け、記憶部103に格納されているプログラムに基づいて、視力検査および眼底撮像のための操作を案内する情報を出力する。当該情報は、ガイダンス制御部270からスピーカ205に出力され、音声情報として、被験者またはオペレータに通知される。
(画像判定モデルについて)
画像判定部241が参照する画像判定モデルは、画像データ中の特定の部位に関する情報の入力に対応して、画像データの適否に関する情報を出力するものであればよい。当該画像判定モデルは、一種でもそれ以上でもよい。
当該画像判定モデルは、教師データを参照させて学習させることができる。当該教師データは、被験者の眼底の画像データと、当該画像データに対応する画像中の部位に関する少なくとも一つの情報とを含む。
当該画像判定モデルの学習は、例えば以下のようにして実施することが可能である。すなわち、眼底の画像データを十分数用意し、当該画像中の特定の部位(例えば視神経乳頭、静脈血管など)の状態(例えばサイズなど)を計測する。当該計測によるデータを十分数取得し、ニューラルネットワークに学習させ、画像データごとにパスの重みを決定する。このようにして、画像判定モデルを作成する。
画像判定モデルおよびそれを学習させる方法は、所期の結果が得られる範囲において適宜に選ぶことができる。画像判定モデルの例には、ニューラルネットワークおよびサポートベクターマシンが含まれる。ニューラルネットワークの例には、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)および全結合型ニューラルネットワークが含まれる。当該画像判定モデルを学習させるためのアルゴリズムの例には、バックプロパゲーションおよびID3が含まれる。
なお、画像判定モデルは、機械学習によるモデル以外であってもよい。たとえば、画像判定モデルは、上記の画像データを目的変数とし、画像データの適否に関する情報を説明変数とする回帰モデルであってもよい。
(眼底の撮像処理)
次に、本実施形態における眼底撮像の処理例を説明する。図11は、本実施形態に係る眼底撮像装置による眼底の撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、視標制御部210は、被験者等によって入力部101に入力された撮像指示の信号を受け付ける。視標制御部210は、例えば、記憶部103に格納されているプログラムを参照して、被験者の一方の目に対する視力検査を実行する。また、視標画像変更部211は、視力検査の進行に応じて、視標画像を適宜に変更する。
ステップS202において、照射制御部220は、入力部101からの撮像指示の信号を参照して、NIR光源10から照射すべき近赤外線の波長を決定する。たとえば、照射制御部220は、上記の撮像指示の信号に近赤外線の波長に関する情報が含まれる場合には、当該情報に従って近赤外線の波長を決定する。
近赤外線の波長に関する情報とは、例えば、照射すべき近赤外線の波長の数値そのものであり、あるいは、後述する出力部104における疑似カラー表示を指示する情報である。後者の場合、照射制御部220は、例えば、記憶部103に格納されているテーブルデータに基づいて、疑似カラー表示を可能にする近赤外線の複数の波長を決定する。
ステップS203において、ガイダンス制御部270は、視標制御部210から出力される信号を参照して、視力検査のための操作の情報をスピーカ205に出力する。当該情報とは、例えば、被験者が見るべき視標の指示、視標を見続けることの指示などである。スピーカ205は、当該情報を音声で出力する。
ステップS204において、アライメント制御部250は、視標制御部210が撮像指示の信号を受領したことに応じて、オートアライメントを実行する。たとえば、アライメント制御部250は、NIR光源10、CCDセンサ20および光学系30の少なくともいずれかを、被験者における他方の目の位置に対して相対的に移動させる。それにより、撮像対象の目と撮像のための光学系との相対的な位置関係が最適化される。次いで、制御部200は、以下のステップS102、S103ならびにS205およびS104を並行させる。
ステップS102において、視標制御部210は、視標を指定する情報を視力検査装置202に出力して、被験者の一方の目に視標を提示する。
ステップS103において、照射制御部220は、NIR光源10を点灯させて、被験者の他方の目に近赤外線を照射する。
ステップS205において、フォーカス制御部260は、オートフォーカスを実行する。たとえば、フォーカス制御部260は、撮像制御部230が眼底の撮像を指示する信号をCCDセンサ20に出力していることに応じて、光学系30における少なくとも一つのレンズをその光軸方向に適宜に移動させる。それにより、近赤外線がNIR光源10から出射されている間、眼底からの戻り光の焦点がCCDセンサ20上に位置するよう、当該戻り光の焦点距離が最適化される。
ステップS104において、撮像制御部230は、被験者の他方の目の眼底を撮像した画像データを取得する。たとえば、CCDセンサ20は、当該他方の目の網膜からの戻り光を受光して当該眼底の画像データを生成し、撮像制御部230は、当該画像データを取得する。撮像制御部230は、取得した画像データを画像処理部240へ出力する。
ステップS206において、画像判定部241は、取得した画像データが適切か否かを判定する。たとえば、画像判定部241は、記憶部103に格納されている前述の画像判定モデルを参照して、取得した画像データが所期の要件を満たしているか否かを判定する。
ステップS206において取得した画像データが所期の要件を満たしている場合では、ステップS207において、画像合成部242は、判定した画像データを合成する。たとえば、画像合成部242は、所期の要件を満たしていると判定した画像データのうち、他方の目が正面を向いている場合、上下左右のそれぞれに向いている場合、斜めの四方向のそれぞれに向いている場合、の各々の画像データを繋ぎ合わせた合成画像の画像データを作成する。画像処理部204は、合成画像の画像データを出力部104に出力する。
ステップS206において、取得した画像データが所期の条件を満たさない場合には、制御部200は、ステップS203に戻り、音声による視力検査の作業の案内からそれ以降の工程を繰り返す。
ステップS208において、出力部104は、合成した画像データを出力する。たとえば、出力部104は、画像処理部204が出力した画像データを液晶ディスプレイなどの表示装置に表示する。図12は、画像処理部240が合成した画像データの画像の一例を示す図である。
図12は、第一の画像I1に対して、第二の画像I2の重複する部分を重ねることによって合成した画像を表している。このような画像の合成により、図12中の破線で示されるような眼底の構造が明確に示されていく。
本実施形態では、図12のような画像が当該表示装置に表示される。このように、本実施形態によれば、種々の方向に向けられた眼球から観察される眼底の様子を示す十分に鮮明な画像を得ることができる。
(作用効果)
本実施形態は、前述した実施形態1の作用効果に加えて、以下の作用効果をさらに奏する。
(1)本実施形態では、他方の目における眼底の撮像を、一方の目の視力検査と並行して実施することが可能である。視力検査装置は、健康診断に用いられ、総合病院および眼科専門の病院をはじめ、健康診断センターおよび一般の開業医まで、様々な医療機関に広く普及している。本実施形態の眼底撮像装置は、このように広く普及している視力検査装置と組み合わせて構成することが可能である。よって、眼疾予防のための眼底撮像を広く普及させる観点から有利である。
(2)本実施形態では、他方の目における眼底の撮像を、一方の目の視力検査と並行して実施することが可能であるため、視力検査と眼底の撮像とを同時に行うことができ、眼球に関する効率のよい検査を実施することが可能である。
(3)従来の眼底撮像装置では、簡便な操作で眼底を撮像可能なように、オートフォーカスあるいはオートアライメントの技術が開発されている。しかしながら、従来の眼底撮像装置は、オペレータを要する構成となっており、例えば、従来の眼底撮像装置では、オペレータが被験者に撮像方法を説明して誘導し、またボタン操作を行う必要がある。このため、眼底の撮像には、オペレータが必要であり、オペレータを待機させ、また育成するためのコストがかかる。このようなコストは、眼底の撮像が健康診断で行われるほどに普及することの阻害要因の一つとなっている。このため、眼底撮像装置が特定の医療機関にのみ配置され、その稼働率が自ずと低くなる。このような状況は、当該医療機関が眼底撮像装置への投資を回収することを困難にしている一因となっている。
本実施形態は、視力検査装置による視力検査と並行して眼底が撮像される。よって、視力検査装置のガイダンス機能を利用して被験者が一方の目の視力検査を実施している間に、他方の目の眼底を撮像することが可能である。また、当該視力検査装置は、例えば音声ガイドなどのガイダンス機能により、被験者自身が視力検査を実施可能に構成されている。よって、眼底の撮像のためのオペレータを不要とすることができ、眼底撮像装置の稼働にかかるコストを大幅に削減できることが期待される。したがって、本実施形態によれば、眼底撮像が普及し、眼疾の予防がより促進され、その結果、眼疾によって失明する患者を減らすことが期待される。
(4)また、本実施形態は、CCDセンサ20に対するオートフォーカス機能を有することから、異なる向きの眼球から眼底を撮像することができ、これらをつなぎ合わせた画像を作成することが可能である。したがって、本実施形態によれば、より広い範囲の眼底の画像を形成することができ、眼底の画像に基づく眼疾の診断を正確に実施する観点から有利である。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(眼疾検査装置の構成およびその機能的な構成)
本実施形態に係る眼疾検査装置は、前述の実施形態2の眼底撮像装置と実質的に同じ構成を有する。
図13は、本実施形態に係る眼疾検査装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図13に示されるように、本実施形態の眼疾検査装置は、機能的には、画像処理部240で合成処理された画像データから眼疾を判定する眼疾判定部370をさらに有する以外は、前述の実施形態2の眼底撮像装置と実質的に同じ構成を有している。すなわち、制御部300は、眼疾判定部370をさらに備える以外は、実施形態2の制御部220と実質的に同じに構成されている。
眼疾判定部370は、画像処理部240が出力する処理した画像データを取得し、当該画像データが示す眼底の状態から、眼疾の有無および程度を判定する。たとえば、眼疾判定部370は、例えば、記憶部103に格納されている眼疾判定モデルを参照して、撮像制御部130が取得した画像データの適否を判定する。眼疾判定部370は、取得した画像データと、眼疾の判定結果を表す情報とを出力部104に出力する。
(眼疾判定モデルについて)
眼疾判定部370が参照する眼疾判定モデルは、眼底の画像データの入力に対応して、眼疾に関する情報を出力するものであればよい。当該眼疾判定モデルは、一種でもそれ以上でもよい。
当該眼疾判定モデルも、画像判定モデルと同様に、教師データを参照させて学習させることができる。当該教師データは、被験者の眼底の画像データと、当該画像データに対応する眼疾に関する少なくとも一つの情報とを含む。当該情報の例には、眼疾の種類および程度が含まれる。
当該眼疾判定モデルは、例えば、眼底の画像データを十分数用意し、それに対応する眼疾の種類および程度に関する情報を計測する。当該計測によるデータを十分数取得し、ニューラルネットワークに学習させ、画像データごとにパスの重みを決定する。このようにして、眼疾判定モデルを作成する。
眼疾判定モデルおよびそれを学習させる方法は、画像判定モデルのそれらと同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、眼疾判定モデルは、機械学習によるモデル以外であってもよい。たとえば、眼疾判定モデルは、上記の画像データを目的変数とし、眼疾の種類および程度などの眼疾に関する情報を説明変数とする回帰モデルとすることも可能である。
(眼疾の判定処理)
図14は、本実施形態に係る眼疾検査装置による眼疾の判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態における判定処理は、図14に示されるように、ステップS208に代えてステップS308およびステップS309をさらに含む以外は、実施形態2における眼底撮像の処理例と同様に実施することができる。すなわち、本実施形態における眼疾の判定処理は、ステップS101からステップS207までは実施形態2の眼底撮像の処理と同様に実行される。
ステップS309において、眼疾判定部370は、合成した画像データに基づいて眼疾を判定する。たとえば、眼疾判定部370は、画像処理部240が出力する処理した画像データを取得し、記憶部103に格納されている前述の眼疾判定モデルを参照して、当該画像データが示す眼底の状態から、眼疾の有無および程度を判定する。
ステップS310において、出力部104は、眼疾判定部370が取得した画像データおよび眼疾判定部370が取得した眼疾の判定結果を出力する。たとえば、出力部104は、当該画像データの画像と当該判定結果とを液晶ディスプレイなどの表示装置に表示する。本実施形態によれば、種々の方向に向けられた眼球から観察される眼底の様子を示す十分に鮮明な画像を得ることができる。
(作用効果)
本実施形態は、前述した実施形態2の作用効果に加えて、眼底の画像から眼疾の判定結果を得ることができる、という効果をさらに奏する。本実施形態は、医師の診断を補助する観点から好適であり、眼疾の診断における精度とスピードを高めるのに有利である。
〔変形例〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
前述の実施形態において、視標は、被験者の一方の目を動かし、固定させることが可能であればよく、視力票でなくてもよい。たとえば、視標は、矢印であってよいし、文字であってもよいし、点灯または点滅する光の点であってもよい。また、視標は、視標画像中に複数配置されていなくてもよい。たとえば、視標は、視標画像中で移動、停止自在な一つのオブジェクトであってもよい。
前述の実施形態において、視標提示部は、視標を適切に提示可能であればよく、視標提示装置または視力検査装置に限定されない。たとえば、被験者が所定の位置にいることで眼底の撮像が可能な場合では、当該被験者から離れた位置にある種々の物体を視標として利用することが可能である。一例としては、被験者から離れた位置の壁面上にある視力検査用の表中の視力票が挙げられる。
前述の実施形態において、眼底撮像装置は、視標に応じた視標提示部を備える構成を有していればよい。たとえば、被験者から離れたオブジェクトを視標として利用する場合では、眼底撮像装置は、被験者の片目に対向して配置される照射部および撮像部の一体構造物とそれを保持するゴーグルとで構成されるゴーグル様の態様であってもよい。あるいは、眼底撮像装置は、被験者が自身の片目に当てて保持可能な、照射部および撮像部の一体構造物(ハンディタイプの構造物)であってもよい。これらの態様の眼底撮像装置は、携帯性に優れている。
前述の実施形態において、眼底撮像のための光学系には、レーザースキャン技術を適用してもよい。たとえば、NIR光源10に近赤外線のレーザーを用い、当該光学系は、当該レーザーで眼底を走査し、眼底からの戻り光をCCDセンサ20上に結像させる光学系であってもよい。
前述した実施形態において、視標は、前述した実施形態の効果が得られる限りにおいて、被験者の他方の目、すなわち眼底を撮像する方の目に対しても提示してもよい。しかしながら、眼底の撮像と視力検査とを並行する場合では、眼底を撮像する他方の目に視標が提示されると、一方の目における視力検査を阻害することがある。
前述した実施形態において、制御部(100、200、300)は、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。あるいは、制御部(100、200、300)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
1、1a 眼底撮像装置
3、3a 装置本体
4、5、5a、5b 接眼筒
10 NIR光源
20 CCDセンサ
30 光学系
31、32、35、36、38 レンズ
33 直線偏光板
34、34a 偏光ビームスプリッタ
37 波長板
40 反射ミラー
50、50a 視標画像
51 視力票
100、200、220、300 制御部
101 入力部
102 視標提示装置
103 記憶部
104 出力部
110、210 視標制御部
120、220 照射制御部
130、230 撮像制御部
202 視力検査装置
204、240 画像処理部
205 スピーカ
211 視標画像変更部
241 画像判定部
242 画像合成部
250 アライメント制御部
260 フォーカス制御部
270 ガイダンス制御部
370 眼疾判定部

Claims (11)

  1. 被験者の一方の目の視野内に視標を提示するための視標提示部と、
    前記被験者の他方の目に近赤外線を照射するための照射部と、
    前記他方の目の眼底を撮像するための撮像部と、を有し、
    前記近赤外線の波長は、780nm以上1450nm以下である、眼底撮像装置。
  2. 前記近赤外線の波長は、840nm以上1450nm以下である、請求項1に記載の眼底撮像装置。
  3. 前記視標は視力票である、請求項1または2に記載の眼底撮像装置。
  4. 前記視標は、前記視野に設定されている複数の区画のそれぞれに配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼底撮像装置。
  5. 前記近赤外線は、複数の異なるピーク波長を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼底撮像装置。
  6. 前記視標提示部、前記照射部および前記撮像部を構成する光学系に反射ミラーをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の眼底撮像装置。
  7. 前記被験者の前記他方の目の眼底を撮像するためのカメラに前記被験者の網膜からの戻り光の焦点を自動で合わせるためのオートフォーカス部、および、前記他方の目とそれを撮像するための光学系との相対的な位置関係を自動で調整するためのオートアライメント部、の一方または両方をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の眼底撮像装置。
  8. 前記撮像部が撮像した複数の画像をつなぎ合わせた画像を作成するための画像合成部をさらに備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の眼底撮像装置。
  9. 前記撮像部は、前記視標提示部により提示された前記視標を用いて前記被験者の前記一方の目の検査を行う間に、前記他方の目の眼底を撮像する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の眼底撮像装置。
  10. 前記視標は視力票であり、
    前記被験者の前記一方の目の視力を検査するための作業を前記被験者に音声によって案内するための音声ガイダンス部と、前記被験者に提示する前記視標を含む視標画像を、前記視力を検査のための作業に応じて変更するための視標画像変更部と、をさらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の眼底撮像装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の眼底撮像装置と、前記撮像部が撮像した一以上の画像に基づいて前記被験者の前記他方の目の眼疾を判定するための判定部と、を備える、眼疾検査装置。
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