JP2021063798A - 時計部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】破損した際に大量に散乱する破片を発生させない、時計部品を提供する。【解決手段】脆性材料に基づく時計部品であって、部品は、弾性材料(11)よりも強度の高い材料(12)の層CRにより分離された、弾性材料(11)の少なくとも2つの層CEを含む、コーティング(10)で被膜された脆性材料の少なくとも1つの表面部分を含む、時計部品。【選択図】図1

Description

本発明は、脆性材料、とりわけシリコン製の時計部品に関する。本発明はまた、少なくとも1つの当該時計部品を含む、時計ムーブメントと時計、とりわけ腕時計に関する。
シリコンは、時計部品の製造において、数多くの利点を提供する材料である。シリコンは一方で、多数の小型パーツを、マイクロメートルの精密さをもって同時に製造可能にする。シリコンは他方で、低い密度と反磁性の性質を有する。しかしながらこの材料は次のような欠点も有する。シリコンは塑性変形領域が小さいかまたは無く、事実上比較的脆い材料である。機械的応力または衝撃は、部品を破損しかねない。このシリコン製の時計部品の脆弱性は、これら部品がシリコン基板から、通常ディープエッチング技術により、例えば深堀り反応性イオンエッチング(DRIE)により、切り出されるという事実により強調される。このタイプのエッチングの特徴は、開口を形成するが、その側面は軽く溝が付けられるため、エッチングされた表面は「スカロッピング」として知られる波紋形状による平坦性の欠如を示すということである。これは、エッチングされた側面が、部品の機械的強度を低下させるような、ある程度の粗さを有することを意味する。更に、平坦さの欠如は、特に機械的応力を受けた場合、ひびの発生を起因する可能性があり、部品の破損につながりかねない。シリコン製の部品が時計ムーブメント内で破損すると、時計ムーブメントがもはや作動しないだけでなく、破壊された時計部品から生じる大量のシリコン破片が時計ムーブメント内に散らばる結果となる。
本発明の目的は、先行技術の欠点を有さない、時計部品を提案することである。
より具体的には、本発明の第1の目的は、破損した際に大量に散乱する破片を発生させない、時計部品を提案することである。
このため、本発明は、脆性材料に基づく時計部品であって、前記部品は、弾性材料よりも強度の高い材料の層Cにより分離された、前記弾性材料の少なくとも2つの層を含む、コーティングで被膜された脆性材料の少なくとも1つの表面部分を含む、時計部品に依拠する。
本発明はより具体的には、請求項で定義される。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下で添付の図面に関連して非限定的例示として与えられる特定の実施形態の説明において、詳細に示される。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる時計部品の断面を概略的に示す図である。 図2は、本発明の第2実施形態にかかる時計部品の断面を概略的に示す図である。 図3は、本発明の実施形態にかかる、コーティングで被覆された脆性材料製の試験片の、破損の瞬間の写真の拡大図である。 図4は、図3のものと同様だが本実施形態にかかるコーティングを有しない脆性材料製の試験片の、破損の瞬間の写真の拡大図である。 図5は、本発明の実施形態の実施で得られる肯定的な結果を証明する、時計部品の様々なバッチについて得られた強度を示す。
上述の通り、本発明は、特に、脆性材料、即ち破損し、時計部品から分離して時計ムーブメント内に広がる大量の破片を発生させる傾向にある材料に基づく時計部品に関連する。ここで脆性材料とは、事前及び残留の塑性変形なくして破損する非延性材料と理解される。このような材料は、好ましくは、微細機械加工可能である、すなわちフォトリソグラフィーを含むマイクロマニュファクチャリング技術によって得られる。本発明は、特にあらゆる形態のシリコンに、例えばドープまたは多孔質シリコンに適しているが、代替として、例えばダイヤモンド、クオーツ、ガラス、炭化ケイ素、アルミナ系またはジルコニア系セラミック、脆性アモルファス金属またはサファイアといった、他の材料に適合されてもよい。このような時計部品は、以下に説明するファインコーティングを除き、当該脆弱または脆性材料で全部がまたはほぼ全部が形成されてもよい。代替として、時計部品は、このような材料に基づいても、すなわち当該材料を少なくとも51重量%、または当該部品を少なくとも80重量%含んでもよい。このため、脆弱または脆性効果を有するハイブリッド材料であってもよい。拡大した用語の解釈として、ここでは「脆性材料」の文言は、時計部品のコア全体を意味するとして用いられ、当該コアのパーツは、時計部品が基礎とする材料である脆性材料で直接作られていなくてもこれに含まれる。
本発明の概念は、少なくとも時計部品の表面の、好ましくは時計部品のトラクション領域での最大の応力を受ける表面の一部を、弾性材料よりも強い材料の1層により分離された少なくとも2層の弾性材料を含む多層コーティングで覆うことである。当該コーティングは、様々な断片をまとめることで、部品が破損した際に破片がまき散らされることを防止するために、時計部品の上に保護層を形成する。時計部品の実質的に全周囲にわたり、または変形により応力を受ける領域にわたり、コーティングが広がる場合、当該コーティングは時計部品を封入していると見なす。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる時計部品1を概略的に示す。時計部品1は、例えばシリコンウェハから切断するステップにより生じる、シリコン製の主体またはコア2を含む。時計部品1はさらに、その外表面の全体にわたり、より具体的にはそのコア2の周囲にわたり広がる、コーティング10を含む。以下に詳細に説明する有利な製造方法によれば、当該外表面は、ウェハの切断により形成され、主として3つの表面を有する。第1表面3は、実質的に平面状であり、切断されたウェハの上面に対応する。実質的に平面状であり、第1表面3に平行な反対側の第2表面4は、切断されたウェハの下面に対応する。最後に、第3表面5は、上述の2つの表面3、4を連続的に接続する側面を形成する。
コーティング10は、時計部品1のシリコンコア2と接触する、弾性材料製の第1層Cを含む、多層コーティングである。コーティング10は、同一の弾性材料11製である第3の外層Cを含む。これら2つの層は、より強度の高い材料12製の第2層Cにより分離される。当該第1実施形態において、層Cはパリレン製であり、層CはALDを用いて堆積された酸化アルミニウム製である。
図2は、強度の高い材料12である、酸化シリコン製の、コーティングの中間層Cが、側面5において可変の厚さを有する点で第1実施形態とは異なる、第2実施形態を図示する。当該中間層はさらに、第1及び第2表面3、4において一定の厚さを有し、当該厚さは第2表面4よりも第1表面3において大きい。弾性材料11製の2つの層Cは、当該中間層を完成し、全体として一定の厚さのコーティングを形成する。この第2実施形態において、各層Cはパリレン製であり、層CはPVDを用いて堆積された酸化ケイ素である。
図1及び2において、コーティング10の厚さは、縮尺通りに表されてはいない。実際には非常に微細であるコーティングをより良く可視化するために、大幅に強調されている。この厚さEは、特定の範囲内で変化する傾向にある。一般的に、コーティング10は、厚さ0.05μm以上の、または0.3μm以上の、弾性材料11製の少なくとも1つの層Cを含む。コーティング10はまた、有利には、厚さが5μm以下の、または3μm以下の、弾性材料11の少なくとも1つの層Cを含む。最後に、コーティング10の弾性材料製の各種層Cの厚さの合計は、有利には、0.1μm以上、または0.6μmである、及びまたは20μm以下、または12μm以下である。ここで、弾性材料11の各種層Cは、同じ厚さであってもなくてもよいことを注記する。当該厚さは、可変であってもなくてもよい。
更に、コーティング10の強度の高い材料12の層Cは、15nm以上の、または30nm以上の厚さを有する。コーティング10はまた、有利には、150nm以下の、または100nm以下の、または70nm以下の厚さの、強度の高い材料12の層を含む。最後に、強度の高い材料12の各種層Cの厚さの合計は、15nm以上、または30nm以上、及びまたは450nm以下、または300nm以下、または210nm以下である。
これを補完するために、コーティング10の材料は、上述した実施形態で使用されたものと異なってもよい。いずれにせよ、弾性材料11は10GPa以下の、または5GPa以下の、または3GPa以下の弾性係数を有する。代替的に、または追加的に、弾性材料11は、10%以上の、または20%以上の、または30%以上の破断伸度を有する。当該弾性材料11は、パリレン、または代替的に、PTFE、アクリル樹脂、シリコン、またはウレタン族のポリマーである。同一のコーティング10における弾性材料11の様々な層は、同一の弾性材料製であってもよく、異なる弾性材料製であってもよい。
更に、強度の高い材料12は、「弾性」と称される材料の強度と比べてより「強度の高い」と称される。強度の高い材料は、30GPa以上、または45GPa以上、または60GPa以上の弾性係数を有する。代替的に、強度の高い材料12は、時計部品のコアの脆性材料の弾性係数と弾性層の弾性材料の弾性係数との間の弾性係数を有する。強度の高い材料は、有利には、隣接する弾性材料11の層の弾性係数の50%増以上の弾性係数を有する。このため、本発明は、比較してそれぞれ「弾性」と「強度の高い」材料のあらゆる一対に実施可能であり、「弾性」と「強度の高い」材料は、両者の弾性係数の差で定義され、強度の高い材料は、隣接する少なくとも1つの層の弾性材料の弾性係数の50%増以上の弾性係数を有する。強度の高い材料12は、金属または合金またはグラファイトまたは酸化物、より具体的には酸化ケイ素または窒化ケイ素であってもよい。同一のコーティング10における強度の高い材料12の各種層は、同一材料製であってもよく異なる材料製であってもよい。
もちろん、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。このため、コーティング10は、図示した3層以外の数の層を含んでも良い。例えば、少なくとも2つ、または少なくとも3つ、または4つの弾性材料11の層と、少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つの強度の高い材料12の層を含んでも良い。部品の寸法と性質に与える影響を制限するため、コーティングは有利には、最大で4つの弾性材料11の層と最大で3つの強度の高い材料12の層を含むが、これ以上含んでもよい。コーティングは有利には、弾性材料11の層と強度の高い材料12の層を交互に含む。更に有利には、コーティングは、弾性材料11の最初の内層と、弾性材料11の最後の外層とを含む。「内」と「外」の形容詞は、時計部品1のコア2から時計部品1の外側に向かうあらゆる方向に関して用いられる。
本発明は、歯付き歯車、ガンギ車、針、振り石、アンクル、レバー、つめ石、渦巻ばねといった板ばね、可撓ブレードを含むシステム、またはばね機能を有するその他の部品から選択される時計部品1の場合に、特に有益である。
図3及び4は、シリコン製の時計部品1に対する弾性材料11の層の特定の効果を図示する。図3は、図2に図示するような第2実施形態にかかるコーティングで被膜されたシリコン試験片の破損を図示する。図4は、比較として、コーティングの無い同じ酸化ケイ素試験片の破損を図示する。図4からわかるように、大量の破片22が散乱する。一方、第2実施形態にかかる層で被膜された同一の試験片は、図3に示すように破片の散乱を防止することが可能である。いくつかのパリレンの層を用いる第1の利点は、コーティングの効果がより信頼性のあるものになることである。もし1層が損害を受けても、理論的には、他の層により保証される効果が存在する。更に、少なくとも1つのパリレンの層は、外と直接接触しておらず、コーティングの少なくとも1つの強度の高い層により潜在的な外部攻撃から保護される。
シリコンウェハからDRIE切断により得られたシリコン試験片について、当業者に既知の方法により、比較曲げ試験が行われた。材料の脆弱性質のため、同一の試験片に与えられた同じ処理によっても、理論的に同じ応力負荷を受ける同一の時計部品と他の時計部品とで異なる結果が得られることを注記する。このため、効果の有無を判断するためには、同一試験片の複数のバッチに対して試験を実施し、その後統計的分析を行うことが必要である。
6つの試験片の異なるバッチから得られた結果を、図5に示す。縦軸に示す、各バッチの各部品(試験片)の曲げ強度が測定された。同図は、とりわけ各バッチについて、平均、最小、及び最大破壊強度を示す。
最初の2つのバッチOXY1とOXY3は、表面にそれぞれ厚さ1μmと3μmの酸化ケイ素層を有する、酸化ケイ素を含む30個の試験片に関する。これら2つのバッチの曲げ強度の平均値は、約2000MPaである。更に、破損の際には、これら試験片の全ては、大量の散乱する破片を生成した。
次の2つのバッチは、バッチOXY3と類似するが、それぞれ厚みが0.5μmと5μmの、パリレンの純粋な単一層の均等なコーティングにより被膜された、試験片に対応する。驚くべきことに、このような低強度の弾性材料のコーティングを追加することにより、試験片の破壊強度を著しく増加させることが可能となった。特に、平均強度は、約5000MPaである。
第5バッチは、15nmの厚さのチタンの結合層と80nmの金の層とを含む金属製コーティングで被膜された、シリコン製の試験片に対応する。このような強固なコーティングは、第1の2つのバッチと比較して平均強度がわずかに増加するが、パリレンコーティングを用いた2つのバッチに比べて著しく劣る。更に、このようなコーティングは、試験片が破損した際に破片を保持しない。
最後に、最終バッチは本発明の第2実施形態に対応し、約1μmのパリレンの4つの層と、0.01μmの厚さの酸化ケイ素の3つの中間層との交互からなり、全体コーティング厚さが3.7から4.7μmの間で変化するコーティングを含む。当該バッチの平均強度は6000MPaを超え、最小値は4000MPaより大きいように見える。このため本発明は、時計部品の強度を最適化することができる。このため、本発明は、6000MPa以上の平均強度を有する、及びまたは3000MPa以上の、または4000MPa以上の最小強度を有する、時計部品に関する。更に、本発明は、破片の散乱を防ぐことができる。
最後に、可撓性材料(上で定義した弾性材料)を強度の高い材料(同様に上で定義したもの)と組み合わせたコーティングは、弾性材料が提供する効果的な保護効果である、破損時に破片の散乱を防止するという技術的問題に対応するだけでなく、とりわけコーティング10の厚さ内における弾性材料よりも強度の高い材料の追加により、時計部品の強度を最適化することを同時に可能とする、2つの材料間の相乗効果を用いることを可能にするように見られる。この非常に有利な性質は予期せぬものであり、驚くべきものである。
本発明はまた、上述の時計部品を1以上含む、時計ムーブメントそれ自体と、時計それ自体に関する。
本発明にかかる時計部品の製造方法は、既知の方法で時計部品のラフ型を製造する第1段階を含む。例えば、当該第1段階は、脆性の微細機械加工可能材料製の基板を調達する初期ステップを含んでもよい。当該基板は、例えば、シリコンウェハである。後続のステップにおいて、ウェハは、とりわけその上面及び下面と称される2つの面の少なくとも1つは、保護コーティングにより、例えば感光性樹脂により、被膜される。方法は、保護コーティングにパターンを形成するステップに続く。このパターンは、感光性樹脂の層を貫く開口を創出することにより、製造される。開口を形成する保護コーティングは、保護マスクを構成する。保護マスクを通じてシリコンウェハをエッチングする、とりわけ深堀り反応性イオンエッチング(DRIE)を用いてエッチングするステップは、マスクの開口または複数の開口に沿ってシリコンに開口を製造することを可能にし、これによりシリコン製の時計部品のラフ型が得られる。代替として、当該時計部品のラフ型は、上述のものとは異なるあらゆる方法により、例えばレーザ切断技術を用いて形成されてもよい。得られたラフ型は、時計部品1のコア2を形成する。ラフ型は、最終時計部品の形状と近似する形状を有する。
本発明は、当該ラフ型の全部または一部の表面に上述のコーティングを堆積することからなる、製造の第2段階にも関する。
コーティングを堆積するステップは、それぞれ弾性材料と強度の高い材料の層を交互に堆積することで実行される。
堆積ステップは、蒸発、CVD、またはALDにより、均一に実行されても良い。代替として、堆積ステップは、PVDの略称を有する物理的気相成長法、またはPECVDの略称を有するプラズマ加速化学蒸着といった、指向性技術を用いて実行されてもよい。この場合、コーティングフラックスが、第1表面3に直角に、第1表面に向けて合わせられる。こうした指向性方法は、図2の第2実施形態に到達可能にする。
製造方法は、コーティングを堆積するステップの前に、時計部品のラフ型の表面を熱酸化及びまたは平滑化するステップからなる中間ステップを含んでもよい。このため、時計部品のコア2は、本発明にかかるコーティングの堆積前に、例えば酸化ケイ素の酸化層で被膜されてもよい。
1 時計部品
2 コア
3 第1表面
4 第2表面
5 第3表面
10 コーティング
11 弾性材料
12 強度の高い材料

Claims (14)

  1. 脆性材料に基づく時計部品であって、
    前記部品は、弾性材料(11)よりも強度の高い材料(12)の層Cにより分離された、前記弾性材料(11)の少なくとも2つの層Cを含む、コーティング(10)で被膜された脆性材料の少なくとも1つの表面部分を含み、前記強度の高い材料(12)は、隣接する弾性材料(11)製の層の弾性係数の50%増以上の弾性係数を有する、
    時計部品。
  2. 前記2つの層Cの前記弾性材料(11)は、同一の材料または異なる材料である、
    請求項1に記載の時計部品。
  3. 前記2つの層Cの前記弾性材料(11)は、10GPa以下、または5GPa以下、または3GPa以下の弾性係数を有する、及びまたは前記2つの層Cの前記弾性材料(11)は、10%以上、または20%以上、または30%以上の破断伸度を有する、
    請求項1または2に記載の時計部品。
  4. 前記コーティングは、パリレンまたはPTFE、アクリル樹脂、シリコンまたはウレタン族のポリマーである弾性材料(11)製の少なくとも1つの層Cを含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の時計部品。
  5. 前記コーティングは、厚さが0.05μm以上、または0.3μm以上の、及びまたは5μm以下、または3μm以下の、弾性材料(11)の少なくとも1つの層Cを含む、及びまたは
    前記コーティングの前記弾性材料(11)の各種層Cの前記厚さの合計は、0.1μm以上、または0.6μm以上、及びまたは20μm以下、または12μm以下である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の時計部品。
  6. 前記強度の高い材料(12)は、30GPa以上、または45GPa以上、または60GPa以上の弾性係数を有する、及びまたは弾性材料製の隣接層の弾性係数と前記脆性材料の弾性係数との間のより高い弾性係数を有する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の時計部品。
  7. 前記強度の高い材料は、金属または合金または酸化物または窒化物、より具体的には酸化ケイ素または窒化ケイ素である、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の時計部品。
  8. 前記強度の高い材料(12)の層Cは、15nm以上、または30nm以上の、及びまたは150nm以下、または100nm以下、または70nm以下の、厚さを有する、及びまたは
    前記コーティング(10)の前記強度の高い材料(12)の層または複数の層Cの全厚さは、15nm以上、または30nm以上、及びまたは450nm以下、または300nm以下、または210nm以下である、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の時計部品。
  9. 前記コーティング(10)は、
    前記脆性材料の前記周囲の前記全表面にわたり、とりわけ前記時計部品の前記全外表面にわたり広がる、及びまたは
    弾性材料(11)の各層は、一定のまたは可変の厚さを有する、及びまたは
    前記強度の高い材料(12)の層または複数の層は、一定のまたは可変の、とりわけ前記側面(5)にわたり可変の厚さを有する、及びまたは
    弾性材料(11)の層Cと強度の高い材料(12)の層Cを交互に含む、及びまたは
    弾性材料(11)の層を少なくとも2つ、または3つ、または4つ、及び強度の高い層(12)の層を少なくとも1つ、または2つ、または3つ含む、及びまたは
    弾性材料(11)の最初の内層と、弾性材料(11)の最後の外層を含む、
    の上記各特徴の全てまたは一部を有する、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の時計部品。
  10. 前記脆性材料は、シリコン、酸化物で被膜されたシリコン、クオーツ、ガラス、炭化ケイ素、アルミナ系またはジルコニア系セラミック、またはダイヤモンド、サファイア、または脆性アモルファス金属である、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の時計部品。
  11. 前記部品は、歯付き歯車、ガンギ車、針、振り石、アンクル、レバー、つめ石、渦巻ばねといった板ばね、可撓ブレードシステム、またはばね機能を有するその他の部品を含む群からの要素の1つである、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の時計部品。
  12. 前記部品は、6000MPa以上の平均強度を有する、及びまたは前記時計部品は3000MPa以上の最小強度を有する、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の時計部品。
  13. 時計ムーブメントであって、前記ムーブメントは、請求項1から12のいずれか一項に記載の時計部品を含む、時計ムーブメント。
  14. 時計であって、前記時計は、請求項1から12のいずれか一項に記載の時計部品または請求項13に記載の時計ムーブメントを含む、時計。
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